特許第6443395号(P6443395)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6443395
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】スタビライザ制御装置
(51)【国際特許分類】
   B60G 21/055 20060101AFI20181217BHJP
   B60G 17/015 20060101ALI20181217BHJP
【FI】
   B60G21/055
   B60G17/015 Z
【請求項の数】9
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2016-112866(P2016-112866)
(22)【出願日】2016年6月6日
(65)【公開番号】特開2017-217975(P2017-217975A)
(43)【公開日】2017年12月14日
【審査請求日】2018年1月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100113011
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 秀和
(72)【発明者】
【氏名】高島 亨
(72)【発明者】
【氏名】守野 哲也
(72)【発明者】
【氏名】末竹 祐介
【審査官】 宮地 将斗
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−225300(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0179221(US,A1)
【文献】 特開2001−63338(JP,A)
【文献】 特開2010−115962(JP,A)
【文献】 特開2008−155808(JP,A)
【文献】 特開2007−38894(JP,A)
【文献】 特開2005−335504(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0264247(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60G 1/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の左車輪と右車輪との間に配設された左スタビライザバーおよび右スタビライザバーと、
前記左スタビライザバーと前記右スタビライザバーとの間に配設されたアクチュエータと、
前記アクチュエータを制御することによって前記左スタビライザバーに対する前記右スタビライザバーの回転角を制御する制御部とを具備するスタビライザ制御装置において、
前記車両が走行中であるか否かを判定する走行判定部と、
前記車両の速度が第1の閾値未満であるか否かを判定する車速判定部と、
前記車両の状態が走行状態から停車状態への移行中であるか否かを判定する車両状態移行判定部と、
前記アクチュエータの制御量を検出する検出部とを具備し、
前記車両の走行中であって、前記車両の速度が前記第1の閾値未満のときであって、前記車両の状態が前記走行状態から前記停車状態への移行中であって、前記アクチュエータの制御量がゼロよりも大きいときに、
前記車両の速度がゼロになる前に前記アクチュエータの制御量がゼロになるように、前記アクチュエータの制御量を減少させることを特徴とするスタビライザ制御装置。
【請求項2】
前記車両が減速中であるか否かを判定する減速判定部を具備し、
前記車両状態移行判定部は、前記車両の減速中に、前記車両の状態が前記走行状態から前記停車状態への移行中であると判定し、
前記車両の減速中に前記アクチュエータの制御量がゼロになるように、前記アクチュエータの制御量を減少させることを特徴とする請求項1に記載のスタビライザ制御装置。
【請求項3】
前記車両の減速度が大きいほど、前記アクチュエータの制御量の減少勾配を大きくすることを特徴とする請求項2に記載のスタビライザ制御装置。
【請求項4】
前記車両のピッチ挙動が発生しているか否かを判定するピッチ挙動判定部を具備し、
前記車両状態移行判定部は、前記ピッチ挙動の発生中に、前記車両の状態が前記走行状態から前記停車状態への移行中であると判定し、
前記ピッチ挙動の発生中に前記アクチュエータの制御量がゼロになるように、前記アクチュエータの制御量を減少させることを特徴とする請求項1に記載のスタビライザ制御装置。
【請求項5】
前記ピッチ挙動の発生中に前記アクチュエータの制御量がゼロになるように、前記第1の閾値を設定することを特徴とする請求項4に記載のスタビライザ制御装置。
【請求項6】
前記ピッチ挙動の発生中に前記アクチュエータの制御量がゼロになるように、前記アクチュエータの制御量の減少勾配を設定することを特徴とする請求項4に記載のスタビライザ制御装置。
【請求項7】
前記車両の車体の上下方向の変位量であるストローク量を検出するストロークセンサと、
前記ストロークセンサによって検出された前記ストローク量が第2の閾値より大きくなったか否かを判定するストローク量判定部とを具備し、
前記車両状態移行判定部は、前記ストローク量が前記第2の閾値より大きくなったときに、前記車両の状態が前記走行状態から前記停車状態への移行中であると判定し、
前記ストローク量が前記第2の閾値より大きくなったときに、前記アクチュエータの制御量がゼロになるように、前記アクチュエータの制御量を減少させることを特徴とする請求項1に記載のスタビライザ制御装置。
【請求項8】
前記車両の車体の上下方向の変位量であるストローク量を検出するストロークセンサと、
前記ストロークセンサによって検出された前記ストローク量の変化速度が第3の閾値より大きくなったか否かを判定するストローク量変化速度判定部とを具備し、
前記車両状態移行判定部は、前記ストローク量の変化速度が前記第3の閾値より大きくなったときに、前記車両の状態が前記走行状態から前記停車状態への移行中であると判定し、
前記ストローク量の変化速度が前記第3の閾値より大きくなったときに、前記アクチュエータの制御量がゼロになるように、前記アクチュエータの制御量を減少させることを特徴とする請求項1に記載のスタビライザ制御装置。
【請求項9】
前記アクチュエータの制御量が、ゼロに対してオーバーシュートした後、前記車両の速度がゼロになる前にゼロになるように、前記アクチュエータの制御量を減少させることを特徴とする請求項1に記載のスタビライザ制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は左スタビライザバーと右スタビライザバーとの間に配設されたアクチュエータを有するスタビライザ制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、左スタビライザバーと右スタビライザバーとの間に配設されたアクチュエータを有するスタビライザ制御装置が知られている。この種のスタビライザ制御装置の例としては、例えば特許文献1に記載されたものがある。
特許文献1に記載されたスタビライザ制御装置では、左スタビライザバーと右スタビライザバーとアクチュエータとが、車両の左車輪と右車輪との間に配置されている。詳細には、左スタビライザバーが、アクチュエータのモータのステータに接続されている。さらに、右スタビライザバーが、アクチュエータの減速機を介して、アクチュエータのモータのロータに接続されている。
そのため、特許文献1に記載されたスタビライザ制御装置では、モータに対する通電が行われると、モータのロータがステータに対して回転し、それに伴って、右スタビライザバーが左スタビライザバーに対して回転する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−225300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、モータ駆動電流をゼロ以外の値からゼロまで低下させる(つまり、アクチュエータの制御量をゼロ以外の値からゼロまで減少させる)旨が記載されているものの、特許文献1に記載されたスタビライザ制御装置では、車体ロール運動の収束性を向上させるために、旋回減少状態と判定されたときにアクチュエータの制御量が減少せしめられる。
特許文献1には記載されていないが、仮に、車両が停車しているときに、アクチュエータの制御量がゼロ以外の値からゼロまで減少せしめられると、それに伴って、左スタビライザバーに対する右スタビライザバーの回転角が減少し、スタビライザ制御装置の挙動が搭乗者に違和感を与えてしまうおそれがある。
さらに、スタビライザ制御装置が適用されている車両にサスペンション装置が設けられている場合には、仮に、車両が停車しているときにアクチュエータの制御量がゼロ以外の値からゼロまで減少せしめられると、左スタビライザバーに対する右スタビライザバーの回転角が減少しても、サスペンション装置が有する摩擦により、サスペンション装置のばね上部材である車体が、本来あるべき正しい位置に戻らないおそれがある。
また、スタビライザ制御装置が車両に適用されている場合、仮に、車両が停車しているときにアクチュエータの制御量がゼロ以外の値からゼロまで減少せしめられると、左スタビライザバーに対する右スタビライザバーの回転角が減少しても、車体の歪みが残ることなどにより、車体が本来あるべき正しい位置に戻らないおそれがある。
車体が本来あるべき正しい位置に戻らない場合には、停車中、車体が本来あるべき正しい位置に戻っていない状態(つまり、傾いた不適切な状態)にとどまってしまうおそれがある。
【0005】
前記問題点に鑑み、本発明は、車両の停車中に、搭乗者が違和感を有したり、車両の姿勢が不適切な状態にとどまったりするおそれを抑制することができるスタビライザ制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、車両の左車輪と右車輪との間に配設された左スタビライザバーおよび右スタビライザバーと、
前記左スタビライザバーと前記右スタビライザバーとの間に配設されたアクチュエータと、
前記アクチュエータを制御することによって前記左スタビライザバーに対する前記右スタビライザバーの回転角を制御する制御部とを具備するスタビライザ制御装置において、
前記車両が走行中であるか否かを判定する走行判定部と、
前記車両の速度が第1の閾値未満であるか否かを判定する車速判定部と、
前記車両の状態が走行状態から停車状態への移行中であるか否かを判定する車両状態移行判定部と、
前記アクチュエータの制御量を検出する検出部とを具備し、
前記車両の走行中であって、前記車両の速度が前記第1の閾値未満のときであって、前記車両の状態が前記走行状態から前記停車状態への移行中であって、前記アクチュエータの制御量がゼロよりも大きいときに、
前記車両の速度がゼロになる前に前記アクチュエータの制御量がゼロになるように、前記アクチュエータの制御量を減少させることを特徴とするスタビライザ制御装置が提供される。
【0007】
すなわち、本発明のスタビライザ制御装置では、車両の停車中にアクチュエータの制御量がゼロまで減少せしめられるのではなく、車両の走行中に、アクチュエータの制御量がゼロまで減少せしめられることによって、左スタビライザバーに対する右スタビライザバーの回転角が減少せしめられる。
そのため、本発明のスタビライザ制御装置では、車両の停車中にアクチュエータの制御量がゼロまで減少せしめられる場合よりも、車両の停車中にスタビライザ制御装置の挙動が搭乗者に違和感を与えてしまうおそれを抑制することができる。
詳細には、本発明のスタビライザ制御装置では、アクチュエータの制御量がゼロまで減少せしめられることによって、左スタビライザバーに対する右スタビライザバーの回転角が減少せしめられた後、車体を本来あるべき正しい位置に戻すために、停車完了するまでの車両の挙動が用いられる。
そのため、本発明のスタビライザ制御装置では、車両の停車中にアクチュエータの制御量がゼロまで減少せしめられる場合よりも、車両の停車中に車体が本来あるべき正しい位置にないおそれを抑制することができる。
つまり、本発明のスタビライザ制御装置では、車両の停車中にアクチュエータの制御量がゼロまで減少せしめられる場合よりも、車両の停車中に搭乗者が違和感を有したり、車両の姿勢が不適切な状態にとどまったりするおそれを抑制することができる。
【0008】
本発明のスタビライザ制御装置は、前記車両が減速中であるか否かを判定する減速判定部を具備することもできる。
本発明のスタビライザ制御装置では、前記車両状態移行判定部が、前記車両の減速中に、前記車両の状態が前記走行状態から前記停車状態への移行中であると判定し、
前記車両の減速中に前記アクチュエータの制御量がゼロになるように、前記アクチュエータの制御量を減少させることもできる。
【0009】
つまり、本発明のスタビライザ制御装置では、車両の減速中に、アクチュエータの制御量がゼロまで減少せしめられることによって、左スタビライザバーに対する右スタビライザバーの回転角が減少せしめられる。
そのため、本発明のスタビライザ制御装置では、アクチュエータの制御量がゼロまで減少せしめられた後の車両の減速中の挙動を利用することによって、車体を本来あるべき正しい位置に戻すことができる。
すなわち、本発明のスタビライザ制御装置では、アクチュエータの制御量がゼロまで減少せしめられた後に車両の減速中の挙動が発生しない場合よりも確実に、車体を本来あるべき正しい位置に戻すことができる。
【0010】
本発明のスタビライザ制御装置では、前記車両の減速度が大きいほど、前記アクチュエータの制御量の減少勾配を大きくすることもできる。
【0011】
車両の減速度が大きいほど、車両の速度が早くゼロになる。
この点に鑑み、本発明のスタビライザ制御装置では、車両の減速度が大きいほど、アクチュエータの制御量の減少勾配が大きくされる。
そのため、本発明のスタビライザ制御装置では、車両の減速度が大きいにもかかわらずアクチュエータの制御量の減少勾配が小さい場合よりも、アクチュエータの制御量がゼロになってから、車体が本来あるべき正しい位置に戻るまでに必要な時間を確保できないおそれを抑制することができる。
【0012】
本発明のスタビライザ制御装置は、前記車両のピッチ挙動が発生しているか否かを判定するピッチ挙動判定部を具備することもできる。
本発明のスタビライザ制御装置では、前記車両状態移行判定部が、前記ピッチ挙動の発生中に、前記車両の状態が前記走行状態から前記停車状態への移行中であると判定し、
前記ピッチ挙動の発生中に前記アクチュエータの制御量がゼロになるように、前記アクチュエータの制御量を減少させることもできる。
【0013】
つまり、本発明のスタビライザ制御装置では、車両のピッチ挙動の発生中に、アクチュエータの制御量がゼロまで減少せしめられることによって、左スタビライザバーに対する右スタビライザバーの回転角が減少せしめられる。
そのため、本発明のスタビライザ制御装置では、アクチュエータの制御量がゼロまで減少せしめられた後の車両のピッチ挙動を利用することによって、車体を本来あるべき正しい位置に戻すことができる。
すなわち、本発明のスタビライザ制御装置では、アクチュエータの制御量がゼロまで減少せしめられた後に車両のピッチ挙動が発生しない場合よりも確実に、車体を本来あるべき正しい位置に戻すことができる。
【0014】
本発明のスタビライザ制御装置では、前記ピッチ挙動の発生中に前記アクチュエータの制御量がゼロになるように、前記第1の閾値を設定することもできる。
【0015】
つまり、本発明のスタビライザ制御装置では、第1の閾値を大きい値に設定することによって、アクチュエータの制御量を減少させる制御の開始時期を早めることができ、それにより、アクチュエータの制御量がゼロになる時期を早めることができる。その結果、アクチュエータの制御量がゼロになってから、車体が本来あるべき正しい位置に戻るまでに必要な時間を確保することができる。
【0016】
本発明のスタビライザ制御装置では、前記ピッチ挙動の発生中に前記アクチュエータの制御量がゼロになるように、前記アクチュエータの制御量の減少勾配を設定することもできる。
【0017】
つまり、本発明のスタビライザ制御装置では、アクチュエータの制御量の減少勾配を大きい値に設定することによって、アクチュエータの制御量がゼロになるまでの所要時間を短縮することができ、それにより、アクチュエータの制御量がゼロになる時期を早めることができる。その結果、アクチュエータの制御量がゼロになってから、車体が本来あるべき正しい位置に戻るまでに必要な時間を確保することができる。
【0018】
本発明のスタビライザ制御装置は、前記車両の車体の上下方向の変位量であるストローク量を検出するストロークセンサと、
前記ストロークセンサによって検出された前記ストローク量が第2の閾値より大きくなったか否かを判定するストローク量判定部とを具備することもできる。
本発明のスタビライザ制御装置では、前記車両状態移行判定部が、前記ストローク量が前記第2の閾値より大きくなったときに、前記車両の状態が前記走行状態から前記停車状態への移行中であると判定し、
前記ストローク量が前記第2の閾値より大きくなったときに、前記アクチュエータの制御量がゼロになるように、前記アクチュエータの制御量を減少させることもできる。
【0019】
車体の上下方向の変位量であるストローク量が大きいことは、本来あるべき正しい位置に対する車体のずれが大きいことを意味し、車体の上下方向の変位量であるストローク量が小さいことは、本来あるべき正しい位置に対する車体のずれが小さいことを意味する。本来あるべき正しい位置に対する車体のずれが大きい場合には、車両の走行中にアクチュエータの制御量をゼロまで減少させる制御を実行する必要性が高い。
この点に鑑み、本発明のスタビライザ制御装置では、車体の上下方向の変位量であるストローク量が第2の閾値より大きくなったときに、アクチュエータの制御量がゼロまで減少せしめられる。つまり、車体の上下方向の変位量であるストローク量が第2の閾値より大きくなったときに、アクチュエータの制御量をゼロまで減少させる制御が開始される。
そのため、本発明のスタビライザ制御装置では、本来あるべき正しい位置に対する車体のずれが大きいときに、アクチュエータの制御量をゼロまで減少させる制御が開始されない場合よりも、車両の停車中に車体が本来あるべき正しい位置にないおそれを抑制することができる。
また、本発明のスタビライザ制御装置では、アクチュエータの制御量がゼロまで減少せしめられているとき、あるいは、アクチュエータの制御量がゼロまで減少せしめられた後、車体の上下方向の変位量であるストローク量が第2の閾値からゼロまで減少することに伴う車両の挙動を利用することによって、車体を本来あるべき正しい位置に戻すことができる。
すなわち、本発明のスタビライザ制御装置では、アクチュエータの制御量をゼロまで減少させる制御が開始された後に、車体の上下方向の変位量であるストローク量が第2の閾値からゼロまで減少することに伴う車両の挙動が発生しない場合よりも確実に、車体を本来あるべき正しい位置に戻すことができる。
【0020】
本発明のスタビライザ制御装置は、前記車両の車体の上下方向の変位量であるストローク量を検出するストロークセンサと、
前記ストロークセンサによって検出された前記ストローク量の変化速度が第3の閾値より大きくなったか否かを判定するストローク量変化速度判定部とを具備することもできる。
本発明のスタビライザ制御装置では、前記車両状態移行判定部が、前記ストローク量の変化速度が前記第3の閾値より大きくなったときに、前記車両の状態が前記走行状態から前記停車状態への移行中であると判定し、
前記ストローク量の変化速度が前記第3の閾値より大きくなったときに、前記アクチュエータの制御量がゼロになるように、前記アクチュエータの制御量を減少させることもできる。
【0021】
車体の上下方向の変位量であるストローク量の変化速度が大きいことは、車両の挙動が激しいことを意味する。
この点に鑑み、本発明のスタビライザ制御装置では、車両の挙動が激しいときに、アクチュエータの制御量がゼロまで減少せしめられる。つまり、車両の挙動が激しいときに、アクチュエータの制御量をゼロまで減少させる制御が開始される。
そのため、本発明のスタビライザ制御装置では、アクチュエータの制御量がゼロまで減少せしめられるときの車両の激しい挙動、あるいは、アクチュエータの制御量がゼロまで減少せしめられた後の車両の激しい挙動を利用することによって、車体を本来あるべき正しい位置に戻すことができる。
すなわち、本発明のスタビライザ制御装置では、アクチュエータの制御量をゼロまで減少させる制御が開始された後に車両の激しい挙動が発生しない場合よりも確実に、車体を本来あるべき正しい位置に戻すことができる。
【0022】
本発明のスタビライザ制御装置では、前記アクチュエータの制御量が、ゼロに対してオーバーシュートした後、前記車両の速度がゼロになる前にゼロになるように、前記アクチュエータの制御量を減少させることもできる。
【0023】
例えば、サスペンション装置を有する車両にスタビライザ制御装置が適用されている場合であって、サスペンション装置が有する摩擦が大きい場合には、車両の走行中に、アクチュエータの制御量がゼロに対してオーバーシュートせしめられることなくゼロまで減少せしめられるだけでは、車体が本来あるべき正しい位置に戻りきらないおそれがある。
この点に鑑み、本発明のスタビライザ制御装置では、アクチュエータの制御量が、ゼロに対してオーバーシュートせしめられた後、車両の速度がゼロになる前にゼロまで減少せしめられる。
そのため、本発明のスタビライザ制御装置では、アクチュエータの制御量がゼロに対してオーバーシュートせしめられることなくゼロまで減少せしめられる場合よりも、車体が本来あるべき正しい位置に戻りきらないおそれを抑制することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、車両の停車中に、搭乗者が違和感を有したり、車両の姿勢が不適切な状態にとどまったりするおそれを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】第1の実施形態のスタビライザ制御装置100の概略的な構成図である。
図2】第1の実施形態のスタビライザ制御装置100において実行される制御を説明するためのフローチャートである。
図3】第1の実施形態のスタビライザ制御装置100において実行される制御を説明するためのタイムチャートである。
図4】車両の減速度(減速加速度)とアクチュエータ2のモータ2aの制御量の減少勾配との関係を示した図である。
図5】第5の実施形態のスタビライザ制御装置100において実行される漸減制御を説明するためのタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明のスタビライザ制御装置の第1の実施形態について説明する。図1は第1の実施形態のスタビライザ制御装置100の概略的な構成図である。
第1の実施形態のスタビライザ制御装置100は、車両の前輪側および後輪側のいずれに対しても適用することができる。
第1の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された図1に示す例では、左スタビライザバー1Lと、右スタビライザバー1Rと、アクチュエータ2と、制御部として機能するECU(電子制御ユニット)10とが設けられている。左スタビライザバー1Lおよび右スタビライザバー1Rは、車両(図示せず)の左車輪200Lと右車輪200Rとの間に配置されている。アクチュエータ2は、左スタビライザバー1Lと右スタビライザバー1Rとの間に配置されており、モータ2aと減速機2bとを有する。
【0027】
第1の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された図1に示す例では、左スタビライザバー1Lが、アクチュエータ2のモータ2aのステータ(図示せず)に接続されている。さらに、右スタビライザバー1Rが、アクチュエータ2の減速機2bを介して、アクチュエータ2のモータ2aのロータ(図示せず)に接続されている。
第1の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された他の例では、代わりに、右スタビライザバー1Rをアクチュエータ2のモータ2aのステータに接続し、左スタビライザバー1Lを、アクチュエータ2の減速機2bを介して、アクチュエータ2のモータ2aのロータに接続することもできる。
第1の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された図1に示す例では、アクチュエータ2として、モータ2aと減速機2bとを有するものが用いられているが、第1の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された他の例では、代わりに、例えば特開2007−269146号公報に記載されているような油圧式アクチュエータ、あるいは、公知の空気圧式アクチュエータを用いることもできる。
【0028】
第1の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された図1に示す例では、ECU10が、モータ2aを制御することによって(詳細には、例えば、モータ2aに供給される電流、電圧、電力などを制御することによって)、左スタビライザバー1Lに対する右スタビライザバー1Rの回転角を制御する。モータ2aに対する通電が行われると、モータ2aのロータがステータに対して回転し、それに伴って、右スタビライザバー1Rが左スタビライザバー1Lに対して回転する。
また、第1の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された図1に示す例では、モータ2aのステータに対するロータの回転角が、レゾルバセンサ20dによって検出される。左スタビライザバー1Lに対する右スタビライザバー1Rの回転角は、レゾルバセンサ20dの出力信号、減速機2bの減速比などに基づいて、例えばECU10によって算出される。
つまり、第1の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された図1に示す例では、レゾルバセンサ20dが、アクチュエータ2の制御量(詳細には、例えば、モータ2aに供給される電流、電圧、電力などの値、モータ2aのステータに対するロータの回転角など)を検出する検出部として機能する。
上述した油圧式アクチュエータ、あるいは、空気圧式アクチュエータが用いられている第1の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された他の例では、例えば、アクチュエータを構成するピストンの位置を検出したり、左スタビライザバー1Lに対する右スタビライザバー1Rの回転角を検出したりすることによって、アクチュエータの制御量を検出することができる。
【0029】
第1の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された図1に示す例では、スタビライザ制御装置100が適用されている車両(図示せず)の速度(車速)が、車速センサ20aによって検出される。ECU10の走行判定部10aは、車速センサ20aの出力信号に基づいて、車両が走行中であるか否かを判定する。ECU10の車速判定部10bは、車速センサ20aの出力信号に基づいて、車速が、後述する第1の閾値VT未満であるか否かを判定する。ECU10の減速判定部10cは、車速センサ20aの出力信号に基づいて、車両が減速中であるか否かを判定する。
また、第1の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された図1に示す例では、車両の減速度を減速度センサ20bによって検出することもできる。詳細には、減速度センサ20bは、車両の前後方向の加速度を検出する。ECU10の減速判定部10cは、減速度センサ20bの出力信号に基づいて、車両が減速中であるか否かを判定することもできる。
さらに、第1の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された図1に示す例では、車両の運転者のブレーキ操作量が、ブレーキセンサ20cによって検出される。詳細には、ブレーキセンサ20cは、ブレーキペダル(図示せず)の踏み込み量(あるいは、角度や圧力など)から運転者のブレーキ操作量を検出する。ECU10の減速判定部10cは、ブレーキセンサ20cの出力信号に基づいて、車両が減速中であるか否かを判定することもできる。
第1の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された他の例では、代わりに、減速度センサ20bおよびブレーキセンサ20cを省略することもできる。
【0030】
第1の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された図1に示す例では、車両(図示せず)の車体(図示せず)の上下加速度が、上下加速度センサ20eによって検出される。詳細には、上下加速度センサ20eは、車体の上下方向の加速度を検出する。ECU10のピッチ挙動判定部10dは、上下加速度センサ20eの出力信号に基づいて、車両のピッチ挙動が発生しているか否かを判定する。
第1の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された他の例では、代わりに、上下加速度センサ20eおよびピッチ挙動判定部10dを省略することもできる。
【0031】
第1の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された図1に示す例では、車両(図示せず)の車体(図示せず)の上下方向の変位量であるストローク量が、ストロークセンサ20fによって検出される。ECU10のストローク量判定部10eは、ストロークセンサ20fの出力信号に基づいて、ストローク量が、後述する第2の閾値より大きいか否かを判定する。ECU10のストローク量変化速度判定部10fは、ストロークセンサ20fの出力信号に基づいて、ストローク量の変化速度を算出し、ストローク量の変化速度が、後述する第3の閾値より大きいか否かを判定する。
第1の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された他の例では、代わりに、ストロークセンサ20f、ストローク量判定部10eおよびストローク量変化速度判定部10fを省略することもできる。
【0032】
第1の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された図1に示す例では、上述したように、減速度センサ20bによって車両(図示せず)の減速度を検出することができる。
あるいは、第1の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された図1に示す例では、代わりに、ECU10の減速度推定部10gが、車速センサ20aまたはブレーキセンサ20cの出力信号に基づいて、車両の減速度を算出(推定)することもできる。
第1の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された他の例では、代わりに、減速度推定部10gを省略することもできる。
【0033】
第1の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された図1に示す例では、車両(図示せず)が減速中であると減速判定部10cによって判定されたときに、車両状態移行判定部10hが、車両の状態が走行状態から停車状態への移行中であると判定する。一方、車両が減速中ではないと減速判定部10cによって判定されたときには、車両状態移行判定部10hが、車両の状態が走行状態から停車状態への移行中ではないと判定する。
【0034】
図2は第1の実施形態のスタビライザ制御装置100(図1参照)において実行される制御を説明するためのフローチャートである。
図2に示すルーチンが開始されると、まずステップS100において、スタビライザ制御装置100が適用されている車両(図示せず)が走行中であるか否かが、走行判定部10a(図1参照)によって判定される。YESのときには、ステップS101に進み、NOのときには、ステップS106に進む。
ステップS101では、車両の速度(車速)が第1の閾値VT未満であるか否かが、車速判定部10b(図1参照)によって判定される。YESのときには、ステップS102に進み、NOのときには、ステップS104に進む。
ステップS102では、車両の状態が走行状態から停車状態への移行中であるか否かが、車両状態移行判定部10h(図1参照)によって判定される。YESのときには、ステップS103に進み、NOのときには、ステップS104に進む。
【0035】
ステップS103では、アクチュエータ2(図1参照)の制御量がゼロであるか否かが、例えばECU10(図1参照)によって判定される。YESのときには、ステップS106に進み、NOのときには、ステップS105に進む。
第1の実施形態のスタビライザ制御装置100(図1参照)が適用された図2に示す例では、ECU10からモータ2a(図1参照)に供給される電流の指示値がゼロ[A]のときに、ステップS103においてアクチュエータ2の制御量がゼロであると判定される。
第1の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された他の例では、代わりに、ECU10からモータ2aに供給される電圧の指示値がゼロ[V]のときに、ステップS103においてアクチュエータ2の制御量がゼロであると判定することもできる。
また、第1の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された他の例では、代わりに、ECU10からモータ2aに供給される電力の指示値がゼロ[W]のときに、ステップS103においてアクチュエータ2の制御量がゼロであると判定することもできる。
あるいは、第1の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された他の例では、代わりに、レゾルバセンサ20d(図1参照)によって検出されたモータ2aのステータ(図示せず)に対するロータ(図示せず)の回転角がゼロ[deg]のとき、つまり、左スタビライザバー1L(図1参照)に対する右スタビライザバー1R(図1参照)の回転角がゼロ[deg]のときに、ステップS103においてアクチュエータ2の制御量がゼロであると判定することもできる。
上述した油圧式アクチュエータ、あるいは、空気圧式アクチュエータが用いられている第1の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された他の例においても、例えば、左スタビライザバー1Lに対する右スタビライザバー1Rの回転角がゼロ[deg]のときに、ステップS103において油圧式または空気圧式のアクチュエータの制御量がゼロであると判定することができる。
【0036】
ステップS104では、アクチュエータ2(図1参照)のモータ2a(図1参照)の角度フィードバック制御が、ECU10(図1参照)によって実行される。
詳細には、ステップS104では、例えば、車両(図示せず)の速度(車速)、操舵角などに基づいて目標横加速度が決定される。また、目標横加速度に基づき車体(図示せず)のロールを抑制するために必要な左スタビライザバー1L(図1参照)に対する右スタビライザバー1R(図1参照)の回転角に相当するモータ2aのステータ(図示せず)に対するロータ(図示せず)の目標回転角が決定される。さらに、モータ2aのステータに対するロータの実回転角と目標回転角との偏差に基づく角度フィードバック制御が実行される。
【0037】
ステップS105では、車両(図示せず)の速度がゼロになる前にアクチュエータ2(図1参照)の制御量がゼロになるように、アクチュエータ2の制御量を減少させる制御である漸減制御が、ECU10(図1参照)によって実行される。
詳細には、第1の実施形態のスタビライザ制御装置100(図1参照)が適用された図2に示す例では、ステップS105において、車両の速度がゼロになる前にモータ2a(図1参照)に供給される電流値がゼロ[A]になるように、モータ2aに供給される電流値が減少せしめられる。
すなわち、第1の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された図2に示す例では、ステップS105において、車両の速度がゼロになる前に、モータ2aのステータ(図示せず)に対するロータ(図示せず)の回転角がゼロ[deg]になり、左スタビライザバー1L(図1参照)に対する右スタビライザバー1R(図1参照)の回転角がゼロ[deg]になるように、モータ2aに供給される電流値が減少せしめられる。
第1の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された他の例では、代わりに、ステップS105において、車両の速度がゼロになる前にモータ2aに供給される電圧値がゼロ[V]になるように、モータ2aに供給される電圧値を減少させることもできる。モータ2aに供給される電圧値がゼロ[V]になると、モータ2aのステータに対するロータの回転角がゼロ[deg]になり、左スタビライザバー1Lに対する右スタビライザバー1Rの回転角がゼロ[deg]になる。
また、第1の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された他の例では、代わりに、ステップS105において、車両の速度がゼロになる前にモータ2aに供給される電力値がゼロ[W]になるように、モータ2aに供給される電力値を減少させることもできる。モータ2aに供給される電力値がゼロ[W]になると、モータ2aのステータに対するロータの回転角がゼロ[deg]になり、左スタビライザバー1Lに対する右スタビライザバー1Rの回転角がゼロ[deg]になる。
上述した油圧式アクチュエータ、あるいは、空気圧式アクチュエータが用いられている第1の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された他の例では、代わりに、例えば、ステップS105において、車両の速度がゼロになる前に左スタビライザバー1Lに対する右スタビライザバー1Rの回転角がゼロ[deg]になる(つまり、油圧式または空気圧式のアクチュエータの制御量がゼロになる)ように、油圧式または空気圧式のアクチュエータの制御量を減少させることもできる。
【0038】
ステップS106では、モータ2a(図1参照)の制御量が、ECU10(図1参照)によってゼロに設定される。
詳細には、第1の実施形態のスタビライザ制御装置100(図1参照)が適用された図2に示す例では、ステップS106において、ECU10からモータ2aに供給される電流の指示値がゼロ[A]に設定される。上述したように、モータ2aに供給される電流値がゼロ[A]になると、モータ2aのステータに対するロータの回転角がゼロ[deg]になり、左スタビライザバー1Lに対する右スタビライザバー1Rの回転角がゼロ[deg]になる。
第1の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された他の例では、代わりに、ステップS106において、ECU10からモータ2aに供給される電圧の指示値をゼロ[V]に設定することもできる。
また、第1の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された他の例では、代わりに、ステップS106において、ECU10からモータ2aに供給される電力の指示値をゼロ[W]に設定することもできる。
上述した油圧式アクチュエータ、あるいは、空気圧式アクチュエータが用いられている第1の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された他の例では、代わりに、例えば、ステップS106において、ECU10から油圧式または空気圧式のアクチュエータに供給される制御量の指示値をゼロに設定することもできる。
【0039】
図3は第1の実施形態のスタビライザ制御装置100(図1参照)において実行される制御を説明するためのタイムチャートである。詳細には、図3(A)はスタビライザ制御装置100が適用されている車両(図示せず)の速度(車速)[km/h]を示しており、図3(B)はスタビライザ制御装置100において実行されている制御の状態を示しており、図3(C)はECU10(図1参照)からモータ2a(図1参照)に供給される電流値[A]を示している。
第1の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された図3に示す例では、図3(A)に示すように、時刻t1以前に、車速がゼロ[km/h]になっている。そのため、ステップS100(図2参照)においてNOと判定され、ステップS106(図2参照)が実行される。その結果、図3(B)に示すように、スタビライザ制御装置100において実行されている制御の状態が「指示電流0A」になる。さらに、図3(C)に示すように、ECU10からモータ2aに供給される電流値がゼロ[A]になる。
【0040】
次いで、第1の実施形態のスタビライザ制御装置100(図1参照)が適用された図3に示す例では、図3(A)に示すように、時刻t1に車速がゼロ[km/h]から増加し始め、時刻t2に車速が値V1(>VT)[km/h]に到達する。そのため、期間t1〜t2には、ステップS100(図2参照)においてYESと判定され、ステップS101(図2参照)においてNOと判定されるか、あるいは、ステップS102(図2参照)においてNOと判定され、ステップS104(図2参照)が実行される。その結果、図3(B)に示すように、スタビライザ制御装置100において実行されている制御の状態が「角度フィードバック制御」になる。また、角度フィードバック制御が実行されるため、図3(C)に示すように、ECU10(図1参照)からモータ2a(図1参照)に供給される電流値(図3(C)中の「実電流値」)が、車速、操舵角などの変動に応じて変動する。詳細には、角度フィードバック制御の実行中、ECU10からモータ2aに供給される電流値は、図3(C)の「電流ガード値」を超えないようにガードされている。
次いで、第1の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された図3に示す例では、図3(A)に示すように、期間t2〜t3に、車速が一定値V1(>VT)[km/h]に維持される。そのため、ステップS100においてYESと判定され、ステップS101においてNOと判定され、ステップS104が実行される。その結果、図3(B)に示すように、スタビライザ制御装置100において実行されている制御の状態が「角度フィードバック制御」になる。また、角度フィードバック制御が実行されるため、図3(C)に示すように、ECU10からモータ2aに供給される電流値(図3(C)の「実電流値」)が、車速、操舵角などの変動に応じて変動する。
【0041】
次いで、第1の実施形態のスタビライザ制御装置100(図1参照)が適用された図3に示す例では、図3(A)に示すように、時刻t3に車速がV1[km/h]から減少し始め、時刻t4に車速が第1の閾値VT[km/h]に到達する。そのため、期間t3〜t4には、ステップS100(図2参照)においてYESと判定され、ステップS101(図2参照)においてNOと判定され、ステップS104(図2参照)が実行される。その結果、図3(B)に示すように、スタビライザ制御装置100において実行されている制御の状態が「角度フィードバック制御」になる。また、角度フィードバック制御が実行されるため、図3(C)に示すように、ECU10(図1参照)からモータ2a(図1参照)に供給される電流値(図3(C)の「実電流値」)が、車速、操舵角などの変動に応じて変動する。
次いで、第1の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された図3に示す例では、図3(A)に示すように、時刻t4以降に、車速が第1の閾値VT未満になり、時刻t6に車速がゼロ[km/h]に到達する。
詳細には、第1の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された図3に示す例では、期間t4〜t5に、ステップS100においてYESと判定され、ステップS101においてYESと判定され、ステップS102(図2参照)においてYESと判定され、ステップS103(図2参照)においてNOと判定され、ステップS105(図2参照)が実行される。その結果、図3(B)に示すように、スタビライザ制御装置100において実行されている制御の状態が「漸減制御」になる。また、漸減制御が実行されるため、図3(C)に「第1の実施形態」で示すように、車速がゼロ[km/h]になる時刻t6よりも前の時刻t5にモータ2aに供給される電流値がゼロ[A]になるように、モータ2aに供給される電流値が減少せしめられる。
【0042】
すなわち、図3(C)に「比較例2」で示す例のように車両(図示せず)の停車中(期間t6〜t8)にアクチュエータ2(図1参照)のモータ2a(図1参照)に供給される電流値がゼロ[A]まで減少せしめられるのではなく、第1の実施形態のスタビライザ制御装置100(図1参照)が適用された図3に示す例では、図3(C)に「第1の実施形態」で示すように、車両の走行中(詳細には、期間t4〜t5)に、アクチュエータ2のモータ2aに供給される電流値がゼロ[A]まで減少せしめられることによって、左スタビライザバー1L(図1参照)に対する右スタビライザバー1R(図1参照)の回転角が減少せしめられる。
そのため、第1の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された図3に示す例では、車両の停車中(期間t6〜t8)にアクチュエータ2のモータ2aに供給される電流値がゼロ[A]まで減少せしめられる図3(C)に「比較例2」で示す例よりも、車両の停車中(時刻t6以降)にスタビライザ制御装置100の挙動が搭乗者に違和感を与えてしまうおそれを抑制することができる。
【0043】
詳細には、図3(C)に「比較例1」で示す例では、アクチュエータ2(図1参照)のモータ2a(図1参照)に供給される電流値がゼロ[A]まで減少せしめられる時刻t6に、停車も完了する。そのため、アクチュエータ2のモータ2aに供給される電流値がゼロ[A]まで減少せしめられてから停車完了するまでの期間が存在しない。
それに対し、第1の実施形態のスタビライザ制御装置100(図1参照)が適用された図3に示す例では、期間t4〜t5(つまり、車両の減速中に、アクチュエータ2のモータ2aに供給される電流値がゼロ[A]まで減少せしめられることによって、左スタビライザバー1L(図1参照)に対する右スタビライザバー1R(図1参照)の回転角が減少せしめられ、その後の期間t5〜t6(つまり、車両の減速中)に、車体を本来あるべき正しい位置に戻すために、停車完了するまでの車両の挙動(つまり、車両の減速中の挙動)が用いられる。
そのため、第1の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された図3に示す例では、図3(C)に「比較例1」で示す例や、車両の停車中(期間t6〜t8)にアクチュエータ2のモータ2aに供給される電流値がゼロ[A]まで減少せしめられる図3(C)に「比較例2」で示す例よりも、車両の停車中(時刻t6以降)に車体が本来あるべき正しい位置にないおそれを抑制することができる。
つまり、第1の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された図3に示す例では、図3(C)に「比較例1」で示す例や、車両の停車中(期間t6〜t8)にアクチュエータ2のモータ2aに供給される電流値がゼロ[A]まで減少せしめられる図3(C)に「比較例2」で示す例よりも、車両の停車中(時刻t6以降)に搭乗者が違和感を有したり、車両の姿勢が不適切な状態にとどまったりするおそれを抑制することができる。
【0044】
第1の実施形態のスタビライザ制御装置100(図1参照)が適用された図3に示す例では、アクチュエータ2(図1参照)のモータ2a(図1参照)に供給される電流値がゼロ[A]まで減少せしめられる時刻t5が、停車完了時刻t6よりも早くなるように、ステップS105(図2参照)において漸減制御が実行される期間t4〜t5の電流値(図3(C)参照)の減少勾配が設定されている。
この電流値の減少勾配は、実験結果などに基づいて予め定められた固定値であってもよく、あるいは、車両(図示せず)の減速度に応じて変動する変動値であってもよい。
電流値の減少勾配として変動値が用いられる場合には、例えば図4に示すような車両の減速度と電流値の減少勾配との関係を例えばECU10(図1参照)のROM(図示せず)に格納し、その関係と車両の減速度とに基づき、ECU10によって電流値の減少勾配を算出することもできる。
【0045】
図4は車両(図示せず)の減速度(減速加速度)とアクチュエータ2(図1参照)のモータ2a(図1参照)の制御量の減少勾配(詳細には、例えば、アクチュエータ2のモータ2aに供給される電流値の減少勾配)との関係を示した図である。図4に示す例では、車両の減速度が大きくなる(あるいは、後述するストローク量の変化速度が大きくなる)に従って、アクチュエータ2の制御量の減少勾配(例えば、モータ2aに供給される電流値の減少勾配)が大きくなる。
仮に、図4に「減少勾配」で示す曲線が領域Aに設定されている場合、つまり、例えば、アクチュエータ2のモータ2aに供給される電流値の減少勾配が大きい場合には、電流値の減少中に、左スタビライザバー1L(図1参照)に対する右スタビライザバー1R(図1参照)の回転角速度が速いため、スタビライザ制御装置100(図1参照)の挙動が搭乗者に違和感を与えてしまうおそれがある。
また、仮に、図4に「減少勾配」で示す曲線が領域Cに設定されている場合、つまり、例えば、アクチュエータ2のモータ2aに供給される電流値の減少勾配が小さい場合には、電流値がゼロまで減少せしめられてから停車完了するまでの期間が存在せず、その期間の車両の挙動を、車体(図示せず)を本来あるべき正しい位置に戻すために用いることができないおそれがある。
これらの点に鑑み、第1の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された図4に示す例では、図4に「減少勾配」で示す曲線が、領域Aと領域Cとの間の領域Bに設定されている。
【0046】
つまり、第1の実施形態のスタビライザ制御装置100(図1参照)が適用された図4に示す例では、車両(図示せず)の減速度が大きいほど、アクチュエータ2(図1参照)の制御量の減少勾配(詳細には、例えば、モータ2a(図1参照)に供給される電流値の減少勾配)が大きい値に設定されて、ステップS105(図2参照)における漸減制御が実行される。
そのため、第1の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された図4に示す例では、車両の減速度が大きいにもかかわらずアクチュエータ2の制御量の減少勾配が小さい場合よりも、アクチュエータ2の制御量がゼロになってから、車体が本来あるべき正しい位置に戻るまでに必要な時間を確保できないおそれを抑制することができる。
【0047】
詳細には、第1の実施形態のスタビライザ制御装置100(図1参照)が適用された図3に示す例では、時刻t1から、車速が低速の第1の閾値VTに到達する時刻t4までの期間中、車体(図示せず)のロールを抑制するための角度フィードバック制御が実行される。
図3(C)に「比較例2」で示す例では、期間t4〜t7に、例えば、車両(図示せず)が段差上に位置し、車体が傾いた状態になっており、保持電流がECU10(図1参照)からアクチュエータ2(図1参照)のモータ2a(図1参照)に供給される。次いで、時刻t7に、例えば、イグニッション(図示せず)がOFFにされ、期間t7〜t8に、アクチュエータ2のモータ2aに供給される電流値がゼロ[A]まで減少せしめられる。
【0048】
以下、本発明のスタビライザ制御装置の第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態のスタビライザ制御装置100は、後述する点を除き、図1に示す第1の実施形態のスタビライザ制御装置100とほぼ同様に構成されている。従って、第2の実施形態のスタビライザ制御装置100によれば、後述する点を除き、上述した第1の実施形態のスタビライザ制御装置100とほぼ同様の効果を奏することができる。
【0049】
第2の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された図1に示す例では、減速度センサ20b、ブレーキセンサ20c、ストロークセンサ20f、減速判定部10c、ストローク量判定部10e、ストローク量変化速度判定部10fおよび減速度推定部10gが設けられているが、第2の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された他の例では、代わりに、減速度センサ20b、ブレーキセンサ20c、ストロークセンサ20f、減速判定部10c、ストローク量判定部10e、ストローク量変化速度判定部10fおよび減速度推定部10gを省略することもできる。
【0050】
上述したように、第1の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された図2に示す例では、車両(図示せず)が減速中であると減速判定部10c(図1参照)によって判定されたときに、ステップS102において、車両状態移行判定部10h(図1参照)によって、車両の状態が走行状態から停車状態への移行中であると判定され、車両が減速中ではないと減速判定部10cによって判定されたときに、ステップS102において、車両状態移行判定部10hによって、車両の状態が走行状態から停車状態への移行中ではないと判定される。
それに対し、第2の実施形態のスタビライザ制御装置100(図1参照)が適用された図2に示す例では、車両のピッチ挙動が発生しているとピッチ挙動判定部10d(図1参照)によって判定されたときに、ステップS102において、車両状態移行判定部10hによって、車両の状態が走行状態から停車状態への移行中であると判定され、車両のピッチ挙動が発生していないとピッチ挙動判定部10dによって判定されたときに、ステップS102において、車両状態移行判定部10hによって、車両の状態が走行状態から停車状態への移行中ではないと判定される。
【0051】
第2の実施形態のスタビライザ制御装置100(図1参照)が適用された図2に示す例では、ステップS100において車両(図示せず)が走行中であると判定され、ステップS101において車速が第1の閾値VT未満であると判定され、ステップS102において車両のピッチ挙動が発生しており、車両の状態が走行状態から停車状態への移行中であると判定され、ステップS103においてアクチュエータ2(図1参照)の制御量がゼロではない(詳細には、例えば、ECU10(図1参照)からモータ2a(図1参照)に供給される電流の指示値がゼロ[A]ではない)と判定されたときに、ステップS105において、漸減制御が実行される。つまり、ステップS105では、車速がゼロになる前に、モータ2aのステータ(図示せず)に対するロータ(図示せず)の回転角がゼロ[deg]になり、左スタビライザバー1L(図1参照)に対する右スタビライザバー1R(図1参照)の回転角がゼロ[deg]になるように、アクチュエータ2の制御量が減少せしめられる(詳細には、例えば、モータ2aに供給される電流値が減少せしめられる)。
【0052】
第2の実施形態のスタビライザ制御装置100(図1参照)において実行される制御を、図3のタイムチャートを参照して説明する。
【0053】
第2の実施形態のスタビライザ制御装置100(図1参照)が適用された図3に示す例では、図3(A)に示すように、時刻t3に車速がV1[km/h]から減少し始める。次いで、時刻t3’以降に車両(図示せず)のピッチ挙動が発生する。一方、車速は、時刻t4まで第1の閾値VT[km/h]に到達しない。
そのため、期間t3〜t4には、ステップS100(図2参照)においてYESと判定され、ステップS101(図2参照)においてNOと判定され、ステップS104(図2参照)が実行される。その結果、図3(B)に示すように、スタビライザ制御装置100において実行されている制御の状態が「角度フィードバック制御」になる。また、角度フィードバック制御が実行されるため、図3(C)に示すように、ECU10(図1参照)からモータ2a(図1参照)に供給される電流値(図3(C)の「実電流値」)が、車速、操舵角などの変動に応じて変動する。
次いで、第2の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された図3に示す例では、図3(A)に示すように、時刻t4以降に、車速が第1の閾値VT未満になり、時刻t6に車速がゼロ[km/h]に到達する。
詳細には、第2の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された図3に示す例では、期間t4〜t5に、ステップS100においてYESと判定され、ステップS101においてYESと判定され、ステップS102(図2参照)においてYESと判定され、ステップS103(図2参照)においてNOと判定され、ステップS105(図2参照)が実行される。その結果、図3(B)に示すように、スタビライザ制御装置100において実行されている制御の状態が「漸減制御」になる。また、漸減制御が実行されるため、図3(C)に「第1の実施形態」で示すように、車速がゼロ[km/h]になる時刻t6よりも前の時刻t5にモータ2aに供給される電流値がゼロ[A]になるように、モータ2aに供給される電流値が減少せしめられる。詳細には、車両のピッチ挙動の発生中にモータ2aに供給される電流値がゼロ[A]になるように、モータ2aに供給される電流値が減少せしめられる。
【0054】
すなわち、図3(C)に「比較例2」で示す例のように車両(図示せず)の停車中(期間t6〜t8)にアクチュエータ2(図1参照)のモータ2a(図1参照)に供給される電流値がゼロ[A]まで減少せしめられるのではなく、第2の実施形態のスタビライザ制御装置100(図1参照)が適用された図3に示す例では、図3(C)に「第1の実施形態」で示すように、車両の走行中(詳細には、期間t4〜t5)に、アクチュエータ2のモータ2aに供給される電流値がゼロ[A]まで減少せしめられることによって、左スタビライザバー1L(図1参照)に対する右スタビライザバー1R(図1参照)の回転角が減少せしめられる。
そのため、第2の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された図3に示す例では、車両の停車中(期間t6〜t8)にアクチュエータ2のモータ2aに供給される電流値がゼロ[A]まで減少せしめられる図3(C)に「比較例2」で示す例よりも、車両の停車中(時刻t6以降)にスタビライザ制御装置100の挙動が搭乗者に違和感を与えてしまうおそれを抑制することができる。
【0055】
詳細には、図3(C)に「比較例1」で示す例では、アクチュエータ2(図1参照)のモータ2a(図1参照)に供給される電流値がゼロ[A]まで減少せしめられる時刻t6に、停車も完了する。そのため、アクチュエータ2のモータ2aに供給される電流値がゼロ[A]まで減少せしめられてから停車完了するまでの期間が存在しない。
それに対し、第2の実施形態のスタビライザ制御装置100(図1参照)が適用された図3に示す例では、期間t4〜t5に、アクチュエータ2のモータ2aに供給される電流値がゼロ[A]まで減少せしめられることによって、左スタビライザバー1L(図1参照)に対する右スタビライザバー1R(図1参照)の回転角が減少せしめられ、その後の期間t5〜t6(つまり、車両のピッチ挙動発生中)に、車体を本来あるべき正しい位置に戻すために、停車完了するまでの車両のピッチ挙動が用いられる。
そのため、第2の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された図3に示す例では、図3(C)に「比較例1」で示す例や、車両の停車中(期間t6〜t8)にアクチュエータ2のモータ2aに供給される電流値がゼロ[A]まで減少せしめられる図3(C)に「比較例2」で示す例よりも、車両の停車中(時刻t6以降)に車体が本来あるべき正しい位置にないおそれを抑制することができる。
詳細には、第2の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された図3に示す例では、アクチュエータ2のモータ2aに供給される電流値がゼロ[A]まで減少せしめられてから車両の停車が完了するまでの期間t5〜t6に車両のピッチ挙動が発生していない場合よりも確実に、車体を本来あるべき正しい位置に戻すことができる。
【0056】
上述したように、第2の実施形態のスタビライザ制御装置100(図1参照)が適用された図3に示す例では、ステップS105(図2参照)において漸減制御が実行され、アクチュエータ2(図1参照)のモータ2a(図1参照)に供給される電流値がゼロ[A]まで減少せしめられる期間t4〜t5に、車両(図示せず)のピッチ挙動が発生している。つまり、車両のピッチ挙動に紛れて、漸減制御が実行される。詳細には、例えば、時刻t4近傍においては、車両の減速に伴って車体(図示せず)の後輪側部分が持ち上がる車両の挙動に紛れて、漸減制御が実行される。また、例えば、時刻t5近傍においては、持ち上がっている車体の後輪側部分が元に戻ろうとする車両の挙動に紛れて、漸減制御が実行される。
そのため、第2の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された図3に示す例では、車両のピッチ挙動が発生していないときに漸減制御が実行される場合よりも、漸減制御の実行中(期間t4〜t5)に搭乗者が違和感を有するおそれを抑制することができる。
【0057】
第2の実施形態のスタビライザ制御装置100(図1参照)が適用された図3に示す例では、車両(図示せず)のピッチ挙動が発生する時刻t3’よりも後の時刻t4以降に車速が第1の閾値VT未満になるように、第1の閾値VTが設定されているが、第2の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された他の例では、代わりに、車両のピッチ挙動の発生中にアクチュエータ2(図1参照)の制御量が確実にゼロになる(つまり、例えば、モータ2a(図1参照)に供給される電流値が確実にゼロ[A]になる)ように、第1の閾値VTを設定することもできる。
つまり、第2の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された他の例では、第1の閾値VT(図3(A)参照)を大きい値に設定することによって、アクチュエータ2の制御量を減少させる漸減制御の開始時刻を時刻t4(図3(C)参照)から時刻t3’(図3(C)参照)まで早めることができ、それにより、アクチュエータ2の制御量がゼロになる(つまり、例えば、モータ2aに供給される電流値がゼロ[A]になる)時刻を、時刻t5(図3(C)参照)よりも早めることができる。その結果、アクチュエータ2の制御量がゼロになってから、車体(図示せず)が本来あるべき正しい位置に戻るまでに必要な時間(つまり、車両のピッチ挙動発生中の期間)を確保することができる。
【0058】
第2の実施形態のスタビライザ制御装置100(図1参照)が適用された図3に示す例では、車両(図示せず)のピッチ挙動の発生中(期間t3’〜t6)にアクチュエータ2(図1参照)の制御量がゼロになる(つまり、例えば、モータ2a(図1参照)に供給される電流値がゼロ[A]になる)ように、期間t4〜t5のモータ2aの電流値の減少勾配が設定されている。
すなわち、第2の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された図3に示す例では、漸減制御の実行中(期間t4〜t5)のアクチュエータ2の制御量の減少勾配(つまり、例えば、モータ2aに供給される電流値の減少勾配)を、図3(C)に「比較例1」で示す例よりも大きい値に設定することによって、アクチュエータ2の制御量がゼロになる(つまり、例えば、モータ2aに供給される電流値がゼロ[A]になる)までの所要時間を短縮することができる。それにより、アクチュエータ2の制御量がゼロになる時刻t5を、図3(C)に「比較例1」で示す例よりも早めることができる。その結果、車両のピッチ挙動の発生中(期間t3’〜t6)に、アクチュエータ2の制御量がゼロになってから、車体(図示せず)が本来あるべき正しい位置に戻るまでに必要な期間t5〜t6を確保することができる。
【0059】
以下、本発明のスタビライザ制御装置の第3の実施形態について説明する。
第3の実施形態のスタビライザ制御装置100は、後述する点を除き、図1に示す第1の実施形態のスタビライザ制御装置100とほぼ同様に構成されている。従って、第3の実施形態のスタビライザ制御装置100によれば、後述する点を除き、上述した第1の実施形態のスタビライザ制御装置100とほぼ同様の効果を奏することができる。
【0060】
第3の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された図1に示す例では、減速度センサ20b、ブレーキセンサ20c、上下加速度センサ20e、減速判定部10c、ピッチ挙動判定部10d、ストローク量変化速度判定部10fおよび減速度推定部10gが設けられているが、第3の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された他の例では、代わりに、減速度センサ20b、ブレーキセンサ20c、上下加速度センサ20e、減速判定部10c、ピッチ挙動判定部10d、ストローク量変化速度判定部10fおよび減速度推定部10gを省略することもできる。
【0061】
上述したように、第1の実施形態のスタビライザ制御装置100(図1参照)が適用された図2に示す例では、車両(図示せず)が減速中であると減速判定部10c(図1参照)によって判定されたときに、ステップS102において、車両状態移行判定部10h(図1参照)によって、車両の状態が走行状態から停車状態への移行中であると判定され、車両が減速中ではないと減速判定部10cによって判定されたときに、ステップS102において、車両状態移行判定部10hによって、車両の状態が走行状態から停車状態への移行中ではないと判定される。
それに対し、第3の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された図2に示す例では、車両の車体(図示せず)の上下方向の変位量(例えば、車両にサスペンション装置が設けられている場合には、サスペンション装置の伸縮量)であるストローク量が第2の閾値より大きくなったとストローク量判定部10e(図1参照)によって判定されたときに、ステップS102において、車両状態移行判定部10hによって、車両の状態が走行状態から停車状態への移行中であると判定され、ストローク量が第2の閾値以下であるとストローク量判定部10eによって判定されたときに、ステップS102において、車両状態移行判定部10hによって、車両の状態が走行状態から停車状態への移行中ではないと判定される。
【0062】
第3の実施形態のスタビライザ制御装置100(図1参照)が適用された図2に示す例では、ステップS100において車両(図示せず)が走行中であると判定され、ステップS101において車速が第1の閾値VT未満であると判定され、ステップS102においてストローク量が第2の閾値より大きく、車両の状態が走行状態から停車状態への移行中であると判定され、ステップS103においてアクチュエータ2(図1参照)の制御量がゼロではない(詳細には、例えば、ECU10(図1参照)からモータ2a(図1参照)に供給される電流の指示値がゼロ[A]ではない)と判定されたときに、ステップS105において、漸減制御が実行される。つまり、ステップS105では、車速がゼロになる前に、モータ2aのステータ(図示せず)に対するロータ(図示せず)の回転角がゼロ[deg]になり、左スタビライザバー1L(図1参照)に対する右スタビライザバー1R(図1参照)の回転角がゼロ[deg]になるように、アクチュエータ2の制御量が減少せしめられる(詳細には、例えば、モータ2aに供給される電流値が減少せしめられる)。
【0063】
第3の実施形態のスタビライザ制御装置100(図1参照)において実行される制御を、図3のタイムチャートを参照して説明する。
【0064】
第3の実施形態のスタビライザ制御装置100(図1参照)が適用された図3に示す例では、図3(A)に示すように、時刻t3に車速がV1[km/h]から減少し始める。次いで、時刻t3’以降にストローク量が第2の閾値より大きくなる。一方、車速は、時刻t4まで第1の閾値VT[km/h]に到達しない。
そのため、期間t3〜t4には、ステップS100(図2参照)においてYESと判定され、ステップS101(図2参照)においてNOと判定され、ステップS104(図2参照)が実行される。その結果、図3(B)に示すように、スタビライザ制御装置100において実行されている制御の状態が「角度フィードバック制御」になる。また、角度フィードバック制御が実行されるため、図3(C)に示すように、ECU10(図1参照)からモータ2a(図1参照)に供給される電流値(図3(C)の「実電流値」)が、車速、操舵角などの変動に応じて変動する。
次いで、第3の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された図3に示す例では、図3(A)に示すように、時刻t4以降に、車速が第1の閾値VT未満になり、時刻t6に車速がゼロ[km/h]に到達する。
詳細には、第3の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された図3に示す例では、期間t4〜t5に、ステップS100においてYESと判定され、ステップS101においてYESと判定され、ステップS102(図2参照)においてYESと判定され、ステップS103(図2参照)においてNOと判定され、ステップS105(図2参照)が実行される。その結果、図3(B)に示すように、スタビライザ制御装置100において実行されている制御の状態が「漸減制御」になる。また、漸減制御が実行されるため、図3(C)に「第1の実施形態」で示すように、車速がゼロ[km/h]になる時刻t6よりも前の時刻t5にモータ2aに供給される電流値がゼロ[A]になるように、モータ2aに供給される電流値が減少せしめられる。
【0065】
すなわち、図3(C)に「比較例2」で示す例のように車両(図示せず)の停車中(期間t6〜t8)にアクチュエータ2(図1参照)のモータ2a(図1参照)に供給される電流値がゼロ[A]まで減少せしめられるのではなく、第3の実施形態のスタビライザ制御装置100(図1参照)が適用された図3に示す例では、図3(C)に「第1の実施形態」で示すように、車両の走行中(詳細には、期間t4〜t5)に、アクチュエータ2のモータ2aに供給される電流値がゼロ[A]まで減少せしめられることによって、左スタビライザバー1L(図1参照)に対する右スタビライザバー1R(図1参照)の回転角が減少せしめられる。
そのため、第3の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された図3に示す例では、車両の停車中(期間t6〜t8)にアクチュエータ2のモータ2aに供給される電流値がゼロ[A]まで減少せしめられる図3(C)に「比較例2」で示す例よりも、車両の停車中(時刻t6以降)にスタビライザ制御装置100の挙動が搭乗者に違和感を与えてしまうおそれを抑制することができる。
【0066】
車体(図示せず)の上下方向の変位量であるストローク量が大きいことは、本来あるべき正しい位置に対する車体のずれが大きいことを意味し、車体の上下方向の変位量であるストローク量が小さいことは、本来あるべき正しい位置に対する車体のずれが小さいことを意味する。本来あるべき正しい位置に対する車体のずれが大きい場合には、車両(図示せず)の走行中にアクチュエータ2(図1参照)の制御量をゼロまで減少させる漸減制御を実行する必要性が高い。
この点に鑑み、第3の実施形態のスタビライザ制御装置100(図1参照)が適用された図3に示す例では、ストローク量が第2の閾値より大きくなる時刻t3’よりも後の時刻t4以降に、車速が第1の閾値VT未満になり、漸減制御が開始されるように、第1の閾値VTが設定されている。
つまり、第3の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された図3に示す例では、ストローク量が大きい時刻t4に、アクチュエータ2の制御量をゼロまで減少させる漸減制御が開始される。
そのため、第3の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された図3に示す例では、本来あるべき正しい位置に対する車体のずれが大きいときに、アクチュエータ2の制御量をゼロまで減少させる漸減制御が開始されない場合よりも、車両の停車中(時刻t6以降)に車体が本来あるべき正しい位置にないおそれを抑制することができる。
また、第3の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された図3に示す例では、アクチュエータ2の制御量がゼロまで減少せしめられているとき(期間t4〜t5)、あるいは、アクチュエータ2の制御量がゼロまで減少せしめられた後(期間t5〜t6)、車体の上下方向の変位量であるストローク量が第2の閾値からゼロまで減少することに伴う車両の挙動を利用することによって、車体を本来あるべき正しい位置に戻すことができる。
すなわち、第3の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された図3に示す例では、アクチュエータ2の制御量をゼロまで減少させる漸減制御が開始された後(時刻t4以降)に、車体の上下方向の変位量であるストローク量が第2の閾値からゼロまで減少することに伴う車両の挙動が発生しない場合よりも確実に、車体を本来あるべき正しい位置に戻すことができる。
【0067】
第3の実施形態のスタビライザ制御装置100(図1参照)が適用された他の例では、代わりに、車両(図示せず)の走行中にアクチュエータ2(図1参照)の制御量が確実にゼロになる(つまり、例えば、モータ2a(図1参照)に供給される電流値が確実にゼロ[A]になる)ように、第1の閾値VTを設定することもできる。
詳細には、第3の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された他の例では、ストローク量が第2の閾値より大きくなった時刻t3’に、車速が第1の閾値VT未満になり、漸減制御が開始されるように、第1の閾値VTを設定することもできる。
つまり、第3の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された他の例では、第1の閾値VT(図3(A)参照)を大きい値に設定することによって、アクチュエータ2の制御量を減少させる漸減制御の開始時刻を時刻t4(図3(C)参照)から時刻t3’(図3(C)参照)まで早めることができ、それにより、アクチュエータ2の制御量がゼロになる(つまり、例えば、モータ2aに供給される電流値がゼロ[A]になる)時刻を、時刻t5(図3(C)参照)よりも早めることができる。その結果、アクチュエータ2の制御量がゼロになってから、車体(図示せず)が本来あるべき正しい位置に戻るまでに必要な時間を確保することができる。
【0068】
第3の実施形態のスタビライザ制御装置100(図1参照)が適用された図2および図3に示す例では、時刻t4(図3(C)参照)にステップS105(図2参照)が実行されて漸減制御が開始された後、仮にストローク量が第2の閾値以下になったときには、ステップS102(図2参照)においてNOと判定され、ステップS104(図2参照)が実行されて角度フィードバック制御が再開される。
第3の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された他の例では、代わりに、時刻t4にステップS105が実行されて漸減制御が開始された後、仮にストローク量が第2の閾値以下になった場合であっても、アクチュエータ2(図1参照)の制御量がゼロになるまで漸減制御を継続することもできる。
【0069】
以下、本発明のスタビライザ制御装置の第4の実施形態について説明する。
第4の実施形態のスタビライザ制御装置100は、後述する点を除き、図1に示す第1の実施形態のスタビライザ制御装置100とほぼ同様に構成されている。従って、第4の実施形態のスタビライザ制御装置100によれば、後述する点を除き、上述した第1の実施形態のスタビライザ制御装置100とほぼ同様の効果を奏することができる。
【0070】
第4の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された図1に示す例では、減速度センサ20b、ブレーキセンサ20c、上下加速度センサ20e、減速判定部10c、ピッチ挙動判定部10d、ストローク量判定部10eおよび減速度推定部10gが設けられているが、第3の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された他の例では、代わりに、減速度センサ20b、ブレーキセンサ20c、上下加速度センサ20e、減速判定部10c、ピッチ挙動判定部10d、ストローク量判定部10eおよび減速度推定部10gを省略することもできる。
【0071】
上述したように、第1の実施形態のスタビライザ制御装置100(図1参照)が適用された図2に示す例では、車両(図示せず)が減速中であると減速判定部10c(図1参照)によって判定されたときに、ステップS102において、車両状態移行判定部10h(図1参照)によって、車両の状態が走行状態から停車状態への移行中であると判定され、車両が減速中ではないと減速判定部10cによって判定されたときに、ステップS102において、車両状態移行判定部10hによって、車両の状態が走行状態から停車状態への移行中ではないと判定される。
それに対し、第4の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された図2に示す例では、車両の車体(図示せず)の上下方向の変位量(例えば、車両にサスペンション装置が設けられている場合には、サスペンション装置の伸縮量)であるストローク量の変化速度が第3の閾値より大きくなったとストローク量変化速度判定部10f(図1参照)によって判定されたときに、ステップS102において、車両状態移行判定部10hによって、車両の状態が走行状態から停車状態への移行中であると判定され、ストローク量の変化速度が第3の閾値以下であるとストローク量変化速度判定部10fによって判定されたときに、ステップS102において、車両状態移行判定部10hによって、車両の状態が走行状態から停車状態への移行中ではないと判定される。
【0072】
第4の実施形態のスタビライザ制御装置100(図1参照)が適用された図2に示す例では、ステップS100において車両(図示せず)が走行中であると判定され、ステップS101において車速が第1の閾値VT未満であると判定され、ステップS102においてストローク量の変化速度が第3の閾値より大きく、車両の状態が走行状態から停車状態への移行中であると判定され、ステップS103においてアクチュエータ2(図1参照)の制御量がゼロではない(詳細には、例えば、ECU10(図1参照)からモータ2a(図1参照)に供給される電流の指示値がゼロ[A]ではない)と判定されたときに、ステップS105において、漸減制御が実行される。つまり、ステップS105では、車速がゼロになる前に、モータ2aのステータ(図示せず)に対するロータ(図示せず)の回転角がゼロ[deg]になり、左スタビライザバー1L(図1参照)に対する右スタビライザバー1R(図1参照)の回転角がゼロ[deg]になるように、アクチュエータ2の制御量が減少せしめられる(詳細には、例えば、モータ2aに供給される電流値が減少せしめられる)。
【0073】
第4の実施形態のスタビライザ制御装置100(図1参照)において実行される制御を、図3のタイムチャートを参照して説明する。
【0074】
第4の実施形態のスタビライザ制御装置100(図1参照)が適用された図3に示す例では、図3(A)に示すように、時刻t3に車速がV1[km/h]から減少し始める。次いで、時刻t3’以降にストローク量の変化速度が第3の閾値より大きくなる。一方、車速は、時刻t4まで第1の閾値VT[km/h]に到達しない。
そのため、期間t3〜t4には、ステップS100(図2参照)においてYESと判定され、ステップS101(図2参照)においてNOと判定され、ステップS104(図2参照)が実行される。その結果、図3(B)に示すように、スタビライザ制御装置100において実行されている制御の状態が「角度フィードバック制御」になる。また、角度フィードバック制御が実行されるため、図3(C)に示すように、ECU10(図1参照)からモータ2a(図1参照)に供給される電流値(図3(C)の「実電流値」)が、車速、操舵角などの変動に応じて変動する。
次いで、第4の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された図3に示す例では、図3(A)に示すように、時刻t4以降に、車速が第1の閾値VT未満になり、時刻t6に車速がゼロ[km/h]に到達する。
詳細には、第4の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された図3に示す例では、期間t4〜t5に、ステップS100においてYESと判定され、ステップS101においてYESと判定され、ステップS102(図2参照)においてYESと判定され、ステップS103(図2参照)においてNOと判定され、ステップS105(図2参照)が実行される。その結果、図3(B)に示すように、スタビライザ制御装置100において実行されている制御の状態が「漸減制御」になる。また、漸減制御が実行されるため、図3(C)に「第1の実施形態」で示すように、車速がゼロ[km/h]になる時刻t6よりも前の時刻t5にモータ2aに供給される電流値がゼロ[A]になるように、モータ2aに供給される電流値が減少せしめられる。
【0075】
すなわち、図3(C)に「比較例2」で示す例のように車両(図示せず)の停車中(期間t6〜t8)にアクチュエータ2(図1参照)のモータ2a(図1参照)に供給される電流値がゼロ[A]まで減少せしめられるのではなく、第4の実施形態のスタビライザ制御装置100(図1参照)が適用された図3に示す例では、図3(C)に「第1の実施形態」で示すように、車両の走行中(詳細には、期間t4〜t5)に、アクチュエータ2のモータ2aに供給される電流値がゼロ[A]まで減少せしめられることによって、左スタビライザバー1L(図1参照)に対する右スタビライザバー1R(図1参照)の回転角が減少せしめられる。
そのため、第4の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された図3に示す例では、車両の停車中(期間t6〜t8)にアクチュエータ2のモータ2aに供給される電流値がゼロ[A]まで減少せしめられる図3(C)に「比較例2」で示す例よりも、車両の停車中(時刻t6以降)にスタビライザ制御装置100の挙動が搭乗者に違和感を与えてしまうおそれを抑制することができる。
【0076】
車体(図示せず)の上下方向の変位量であるストローク量の変化速度が大きいことは、車両(図示せず)の挙動が激しいことを意味する。
この点に鑑み、第4の実施形態のスタビライザ制御装置100(図1参照)が適用された図3に示す例では、ストローク量の変化速度が大きく、車両の挙動が激しい時刻t4に、アクチュエータ2(図1参照)の制御量をゼロまで減少させる(つまり、例えば、モータ2a(図1参照)に供給される電流値をゼロ[A]まで減少させる)漸減制御が開始される。
そのため、第4の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された図3に示す例では、アクチュエータ2の制御量がゼロまで減少せしめられるときの車両の激しい挙動、および、アクチュエータ2の制御量がゼロまで減少せしめられた後の車両の激しい挙動を利用することによって、車体を本来あるべき正しい位置に戻すことができる。
すなわち、第4の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された図3に示す例では、アクチュエータ2の制御量をゼロまで減少させる漸減制御が開始された後(時刻t4以降)に車両の激しい挙動が発生しない場合よりも確実に、車体を本来あるべき正しい位置に戻すことができる。
【0077】
第4の実施形態のスタビライザ制御装置100(図1参照)が適用された他の例では、代わりに、車両(図示せず)の走行中にアクチュエータ2(図1参照)の制御量が確実にゼロになる(つまり、例えば、モータ2a(図1参照)に供給される電流値が確実にゼロ[A]になる)ように、第1の閾値VTを設定することもできる。
詳細には、第4の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された他の例では、ストローク量の変化速度が第3の閾値より大きくなった時刻t3’に、車速が第1の閾値VT未満になり、漸減制御が開始されるように、第1の閾値VTを設定することもできる。
つまり、第4の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された他の例では、第1の閾値VT(図3(A)参照)を大きい値に設定することによって、アクチュエータ2の制御量を減少させる漸減制御の開始時刻を時刻t4(図3(C)参照)から時刻t3’(図3(C)参照)まで早めることができ、それにより、アクチュエータ2の制御量がゼロになる(つまり、例えば、モータ2aに供給される電流値がゼロ[A]になる)時刻を、時刻t5(図3(C)参照)よりも早めることができる。その結果、アクチュエータ2の制御量がゼロになってから、車体(図示せず)が本来あるべき正しい位置に戻るまでに必要な時間を確保することができる。
【0078】
第4の実施形態のスタビライザ制御装置100(図1参照)が適用された図3に示す例では、車両(図示せず)の挙動が激しい期間t3’〜t6にアクチュエータ2(図1参照)の制御量がゼロになる(つまり、例えば、モータ2a(図1参照)に供給される電流値がゼロ[A]になる)ように、期間t4〜t5のモータ2aの電流値の減少勾配が設定されている。
すなわち、第4の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された図3に示す例では、漸減制御の実行中(期間t4〜t5)のアクチュエータ2の制御量の減少勾配(つまり、例えば、モータ2aに供給される電流値の減少勾配)を、図3(C)に「比較例1」で示す例よりも大きい値に設定することによって、アクチュエータ2の制御量がゼロになる(つまり、例えば、モータ2aに供給される電流値がゼロ[A]になる)までの所要時間を短縮することができる。それにより、アクチュエータ2の制御量がゼロになる時刻t5を、図3(C)に「比較例1」で示す例よりも早めることができる。その結果、車両の挙動が激しい期間t3’〜t6に、アクチュエータ2の制御量がゼロになってから、車体(図示せず)が本来あるべき正しい位置に戻るまでに必要な期間t5〜t6を確保することができる。
【0079】
第4の実施形態のスタビライザ制御装置100(図1参照)が適用された図2および図3に示す例では、時刻t4(図3(C)参照)にステップS105(図2参照)が実行されて漸減制御が開始された後、仮にストローク量の変化速度が第3の閾値以下になったときには、ステップS102(図2参照)においてNOと判定され、ステップS104(図2参照)が実行されて角度フィードバック制御が再開される。
第4の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された他の例では、代わりに、時刻t4にステップS105が実行されて漸減制御が開始された後、仮にストローク量の変化速度が第3の閾値以下になった場合であっても、アクチュエータ2(図1参照)の制御量がゼロになるまで漸減制御を継続することもできる。
【0080】
以下、本発明のスタビライザ制御装置の第5の実施形態について説明する。
第5の実施形態のスタビライザ制御装置100は、後述する点を除き、図1に示す第1の実施形態のスタビライザ制御装置100とほぼ同様に構成されている。従って、第5の実施形態のスタビライザ制御装置100によれば、後述する点を除き、上述した第1の実施形態のスタビライザ制御装置100とほぼ同様の効果を奏することができる。
【0081】
第5の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された図1に示す例では、減速度センサ20b、ブレーキセンサ20c、上下加速度センサ20e、ストロークセンサ20f、ピッチ挙動判定部10d、ストローク量判定部10e、ストローク量変化速度判定部10fおよび減速度推定部10gが設けられているが、第5の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された他の例では、代わりに、減速度センサ20b、ブレーキセンサ20c、上下加速度センサ20e、ストロークセンサ20f、ピッチ挙動判定部10d、ストローク量判定部10e、ストローク量変化速度判定部10fおよび減速度推定部10gを省略することもできる。
【0082】
図5は第5の実施形態のスタビライザ制御装置100(図1参照)において実行される漸減制御を説明するためのタイムチャートである。
詳細には、図5(A)は第5の実施形態のスタビライザ制御装置100の漸減制御の実行中における左スタビライザバー1L(図1参照)に対する右スタビライザバー1R(図1参照)の回転角[deg]を示している。図5(B)の実線は第1の実施形態のスタビライザ制御装置100の漸減制御の実行中における左スタビライザバー1Lに対する右スタビライザバー1Rの回転角[deg]を示している。図5(B)の一点鎖線は比較例1の漸減制御の実行中における左スタビライザバー1Lに対する右スタビライザバー1Rの回転角[deg]を示している。図5の時刻t4、t5は、図3の時刻t4、t5に対応している。
【0083】
第1の実施形態のスタビライザ制御装置100(図1参照)が適用された例では、図3および図5(B)に示すように、時刻t4以降に、車速が第1の閾値VT未満になり、時刻t6に車速がゼロ[km/h]に到達する。詳細には、期間t4〜t5に、ステップS105(図2参照)において漸減制御が実行される。
詳細には、第1の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された例では、図3(C)に「第1の実施形態」で示すように、時刻t5にモータ2a(図1参照)に供給される電流値がゼロ[A]になるように、モータ2aに供給される電流値が減少せしめられる。その結果、図5(B)に「第1の実施形態」で示すように、左スタビライザバー1L(図1参照)に対する右スタビライザバー1R(図1参照)の回転角[deg]が、時刻t4に値ANG1(>0)[deg]から減少せしめられ、時刻t5にゼロ[deg]になる。
【0084】
例えば、サスペンション装置(図示せず)を有する車両(図示せず)にスタビライザ制御装置100(図1参照)が適用されている場合であって、サスペンション装置が有する摩擦が大きい場合には、車両の走行中に、アクチュエータ2(図1参照)の制御量がゼロに対してオーバーシュートせしめられることなくゼロまで減少せしめられ、図5(B)に「第1の実施形態」で示すように、左スタビライザバー1L(図1参照)に対する右スタビライザバー1R(図1参照)の回転角[deg]が、ゼロ[deg]に対してオーバーシュートせしめられることなく、ゼロ[deg]まで減少せしめられるだけでは、車体(図示せず)が本来あるべき正しい位置に戻りきらないおそれがある。
この点に鑑み、第5の実施形態のスタビライザ制御装置100(図1参照)が適用された図5(A)に示す例では、アクチュエータ2の制御量が、時刻t5’にゼロに対してオーバーシュートせしめられ、その後、車両の速度がゼロになる時刻t6よりも前の時刻t5”にゼロまで減少せしめられる。その結果、図5(A)に示すように、左スタビライザバー1L(図1参照)に対する右スタビライザバー1R(図1参照)の回転角[deg]が、時刻t5’にゼロ[deg]に対してオーバーシュートせしめられて値ANG2(<0)[deg]になり、その後、車両の速度がゼロになる時刻t6よりも前の時刻t5”にゼロ[deg]まで減少せしめられる。
そのため、第5の実施形態のスタビライザ制御装置100が適用された図5(A)に示す例では、アクチュエータ2の制御量がゼロに対してオーバーシュートせしめられることなくゼロまで減少せしめられる図5(B)に「第1の実施形態」で示す例、あるいは、図5(B)に「比較例1」で示す例よりも、車体が本来あるべき正しい位置に戻りきらないおそれを抑制することができる。
【0085】
本発明のスタビライザ制御装置の第6の実施形態では、上述した本発明のスタビライザ制御装置の第1から第5の実施形態および各例を適宜組み合わせることもできる。
【符号の説明】
【0086】
1L 左スタビライザバー
1R 右スタビライザバー
2 アクチュエータ
2a モータ
2b 減速機
10 ECU
10a 走行判定部
10b 車速判定部
10c 減速判定部
10d ピッチ挙動判定部
10e ストローク量判定部
10f ストローク量変化速度判定部
10g 減速度推定部
10h 車両状態移行判定部
20a 車速センサ
20b 減速度センサ
20c ブレーキセンサ
20d レゾルバセンサ
20e 上下加速度センサ
20f ストロークセンサ
100 スタビライザ制御装置
200L、200R 車輪
図1
図2
図3
図4
図5