特許第6443469号(P6443469)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ マツダ株式会社の特許一覧
<>
  • 特許6443469-車両の前部構造 図000002
  • 特許6443469-車両の前部構造 図000003
  • 特許6443469-車両の前部構造 図000004
  • 特許6443469-車両の前部構造 図000005
  • 特許6443469-車両の前部構造 図000006
  • 特許6443469-車両の前部構造 図000007
  • 特許6443469-車両の前部構造 図000008
  • 特許6443469-車両の前部構造 図000009
  • 特許6443469-車両の前部構造 図000010
  • 特許6443469-車両の前部構造 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6443469
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】車両の前部構造
(51)【国際特許分類】
   B60R 19/24 20060101AFI20181217BHJP
   B60R 21/34 20110101ALI20181217BHJP
【FI】
   B60R19/24 N
   B60R21/34
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-27497(P2017-27497)
(22)【出願日】2017年2月17日
(65)【公開番号】特開2018-131122(P2018-131122A)
(43)【公開日】2018年8月23日
【審査請求日】2018年3月23日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
【住所又は居所】広島県安芸郡府中町新地3番1号
(74)【代理人】
【識別番号】100080768
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 実
(74)【代理人】
【識別番号】100106644
【弁理士】
【氏名又は名称】戸塚 清貴
(72)【発明者】
【氏名】由元 寛幸
【住所又は居所】広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】山田 武
【住所又は居所】広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ株式会社内
【審査官】 林 政道
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−218113(JP,A)
【文献】 特開2012−148613(JP,A)
【文献】 特開2015−027839(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 19/00−19/56
B60R 21/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボンネットの前方にフェイシャアッパ部材が配設された車両の前部構造であって、
前記フェイシャアッパ部材の下方に、後端部がシュラウドに固定されたグリルブラケットが配設され、
前記グリルブラケットの前側部分が、前記フェイシャアッパ部材の裏面に沿うように前方へ延設され、
前記グリルブラケットの前記前側部分が、衝撃吸収構造体として形成され、
前記衝撃吸収構造体の前端部が、下方に向かうように屈曲形成され、
前記衝撃吸収構造体は、車幅方向に伸びる横リブと、前後方向に伸びて該横リブに連なる縦リブと、を有する構造とされ、
前記グリルブラケットは、全体的に上下方向に幅狭で前後方向に長く伸びる構造とされ、
前記グリルブラケットの後側部分は、略平板状とされて、その後端部が前記シュラウドの上面に固定され、
前記衝撃吸収構造体の後端部下端が、前記グリルブラケットの後端部と前記シュラウド上面との固定部よりも下方に位置されている、
ことを特徴とする車両の前部構造。
【請求項2】
請求項1において、
前記グリルブラケットの後端部と前記シュラウドとの固定部が、前記衝撃吸収構造体の前端部上端よりも上方に位置されている、ことを特徴とする車両の前部構造。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、
前記衝撃吸収構造体の前端部上端が、該衝撃吸収構造体の後端部下端よりも下方に位置されている、ことを特徴とする車両の前部構造。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、
前記衝撃吸収構造体の後部が上方に突出された上方突出部とされて、該上方突出部に前記フェイシャアッパ部材の後端部が固定されている、ことを特徴とする車両の前部構造。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、
前記フェイシャアッパ部材の下方に、グリル部材が配設されるグリル開口部が形成され、
前記グリルブラケットの下端位置が、前記グリル開口部の上縁部よりも上方に位置されている、
ことを特徴とする車両の前部構造。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、
前記グリルブラケットの後側部分の直下方に、前記シュラウドに固定されて該グリルブラケットの後側部分を下方から支承するための前方延設部材が配設されている、ことを特徴とする車両の前部構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の前部構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近の車両では、衝突の際に、歩行者の大腿部の保護と、歩行者の頭部保護との両方を満足することが要求される。大腿部の保護に際しては、早期に車体に底づかないように衝撃吸収のストロークを大きく確保しつつ、吸収荷重を大きくする必要がある。一方、頭部の保護に際しては、小さい衝撃吸収のストロークでもって剛性が過大にならないようにする必要がある。なお、フェイシャアッパ部材そのものは、実質的に衝撃吸収機能を有しないものである。
【0003】
特許文献1には、歩行者の大腿部保護と頭部保護との両立を図るために、フェイシャアッパ部材の下方に、衝撃吸収部材を配設するものが開示されている。具体的には、衝撃吸収部材が、上面部と、下面部と、上面部と下面部とを繋ぐ連結部と、を有して、連結部を、横リブと縦リブとを有すると共に切欠による脆弱部を有するものとしてある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015−136947号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のものでは、上面部の前端位置と下面部の前端位置とが上下方向に大きく離間するように設けられていることから、フェイシャアッパ部材の下方に大きな配設スペースが必要となる他、全体的に相当に複雑な大型部材となり、この点において好ましくないものとなる。
【0006】
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので、その目的は、極力簡単かつ小型な部材を配設することによって、衝突時において歩行者の大腿部と頭部の保護とを共に満足させることのできるようにした車両の前部構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明にあっては次のような解決手法を採択してある。すなわち、請求項1に記載のように、
ボンネットの前方にフェイシャアッパ部材が配設された車両の前部構造であって、
前記フェイシャアッパ部材の下方に、後端部がシュラウドに固定されたグリルブラケットが配設され、
前記グリルブラケットの前側部分が、前記フェイシャアッパ部材の裏面に沿うように前方へ延設され、
前記グリルブラケットの前記前側部分が、衝撃吸収構造体として形成され、
前記衝撃吸収構造体の前端部が、下方に向かうように屈曲形成され、
前記衝撃吸収構造体は、車幅方向に伸びる横リブと、前後方向に伸びて該横リブに連なる縦リブと、を有する構造とされ、
前記グリルブラケットは、全体的に上下方向に幅狭で前後方向に長く伸びる構造とされ、
前記グリルブラケットの後側部分は、略平板状とされて、その後端部が前記シュラウドの上面に固定され、
前記衝撃吸収構造体の後端部下端が、前記グリルブラケットの後端部と前記シュラウド上面との固定部よりも下方に位置されている、
ようにしてある。
【0008】
上記解決手法によれば、フェイシャアッパ部材に入力される上方からの小さな荷重(例えば歩行者の頭部からの荷重)に対しては、グリルブラケットが下方へ曲げ変形されて衝撃吸収が行われる。また、フェイシャアッパ部材に入力される前方からの大きな荷重(例えば歩行者の大腿部からの荷重)に対しては、衝撃吸収構造体が突っ張りつつグリルブラケットが下方へ曲げ変形されて、衝撃吸収が行われる。グリルブラケットは、全体的に上下方向には幅狭で前後方向に長く伸びる構造でよく、簡単かつ小型化のものとすることができる。さらに、衝撃吸収構造体を、リブ構造でもって簡単に構成することができる。
【0009】
上記解決手法を前提とした好ましい態様は、請求項2以下に記載のとおりである。すなわち、
前記グリルブラケットの後端部と前記シュラウドとの固定部が、前記衝撃吸収構造体の前端部上端よりも上方に位置されている、ようにしてある(請求項2対応)。この場合、グリルブラケットを、その後端部を中心にして下方へ曲げ変形させる上で好ましいものとなる。
【0010】
前記衝撃吸収構造体の前端部上端が、該衝撃吸収構造体の後端部下端よりも下方に位置されている、ようにしてある(請求項3対応)。この場合、グリルブラケットの前端部を十分に低い位置として、上方からの荷重を受けたときにグリルブラケットを下方へ曲げ変形させる上で好ましいものとなる。
【0011】
前記衝撃吸収構造体の後部が上方に突出された上方突出部とされて、該上方突出部に前記フェイシャアッパ部材の後端部が固定されている、ようにしてある(請求項4対応)。
この場合、フェイシャアッパ部材の後端部とグリルブラケットとの固定をしっかりと行う上で好ましいものとなる。また、フェイシャアッパ部材に入力される荷重(特に上方からの荷重)を、グリルブラケットへ確実に伝達する上で好ましいものとなる。
【0012】
【0013】
前記フェイシャアッパ部材の下方に、グリル部材が配設されるグリル開口部が形成され、
前記グリルブラケットの下端位置が、前記グリル開口部の上縁部よりも上方に位置されている、
ようにしてある(請求項5対応)。この場合、グリルブラケットの上下方向の幅を十分に小さくすることができ、またグリルブラケットによって走行風の取り入れを阻害しないようにする上でも好ましいものとなる。
前記グリルブラケットの後側部分の直下方に、前記シュラウドに固定されて該グリルブラケットの後側部分を下方から支承するための前方延設部材が配設されている、ようにしてある(請求項6対応)。この場合、グリルブラケットが必要以上に下方へ大きく変形されてしまうことを前方延設部材によって防止して、グリルブラケットが不用意に破損されてしまう事態を確実に防止する上で好ましいものとなる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、極力簡単かつ小型な部材を配設することによって、衝突時において歩行者の大腿部と頭部の保護とを共に満足させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明が適用された車両の前部を示す斜視図。
図2図1の状態からボンネットを取外した状態の平面図。
図3】グリルブラケットの上方斜視図。
図4図3に示すグリルブラケットの下方斜視図。
図5】前方延設部材の上方斜視図。
図6】グリルブラケットの後端部とシュラウドとの固定部位での側面断面図。
図7】フェイシャアッパ部材とグリルブラケットとの固定部位での側面断面図。
図8】本発明の第2の実施形態を示すもので、グリルブラケットの上方斜視図。
図9図8に示すグリルブラケットの下方斜視図。
図10図8に示すグリルブラケットを用いたときの側面断面図で、図7に対応した図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1において、10はバンパフェイシャである。バンパフェイシャ10は、フェイシャロア部材11とフェイシャアッパ部材12とを有する。フェイシャロア部材11は、大型部材とされて、その車幅方向中央部には、上方へ開口するようにグリル開口部11aが形成されている。このグリル開口部11aには、グリル部材13が配設されている。グリル部材13は、走行風を取り入れるように多数の小孔(開口部)を有しており、フェイシャロア部材11に対して固定具等によって一体化されている。
【0017】
フェイシャアッパ部材12は、フェイシャロア部材11に比して小型部材とされている。このフェイシャアッパ部材12は、図6図7に示すように、エンジンルームを上方から覆うボンネット1の前方に位置される。このフェイシャアッパ部材12は、前記グリル開口部11aを上方から覆っている(フェイシャアッパ部材12がグリル開口部11aの上縁部を構成)。そして、フェイシャアッパ部材12の後端は、ボンネット1の前端に対して面一となるように連なっている。
【0018】
ボンネット1およびフェイシャアッパ部材12の下方には、図2図3に示すようなグリルブラケット20が配設される。グリルブラケット20は、実施形態では合成樹脂によって形成されて、車幅方向に長く伸びている。
【0019】
グリルブラケット20は、前側部分21と後側部分22とを有する。前側部分21は、裏面側に突出するリブ構造とされて、衝撃吸収構造体を構成している。具体的には、前後方向に間隔をあけて車幅方向に伸びる複数本の横リブ21aと、車幅方向に間隔をあけて前後方向に伸びる縦リブ21bとを有して、縦リブ21bによって隣り合う横リブ21aが連結されている。
【0020】
前側部分21つまり衝撃吸収構造体の後端部は、若干上方に突出された上方突出部21cとされて、この上方突出部21cに対して、フェイシャアッパ部材12の後端部が、固定具41によって固定されている(図7参照)。このような前側部分21は、上方突出部21cから前方側部分が、フェイシャアッパ部材12の裏面に沿うように配設されている。すなわち、フェイシャアッパ部材12は、前方へ向かうにつれて徐々に低くなるように形成されていることから、前側部分1も前方へ向かうにつれて徐々に低くなるように屈曲形成されている。そして、前側部分21の前端位置は、フェイシャアッパ部材12の前端位置直近にまで延設されている。なお、フェイシャアッパ部材12は、衝撃吸収構造体としての前側部分21に固定されることから、フェイシャアッパ部材12の固定をしっかりと行う上で好ましいものとなる。
【0021】
グリルブラケット20の前側部分21の前端部上端は、前側部分21の後端部下端よりも低くなるようにされている。つまり、前側部分21は、下方への屈曲(曲がり)が十分に大きくなるように設定されている(上方から荷重を受けたときに下方へ曲げ変形されやすい設定)。
【0022】
グリルブラケット20の後側部分22は、略平板状とされて、その後端部が、剛性の高いシュラウド30の上端部に対して固定具42によって固定されている(図6参照)。グリルブラケット20のうち、固定具42による固定部位の高さ位置は、グリルブラケット20における前側部分21の前端部上端の高さ位置よりも高くされる一方、固定具41による固定部位の高さ位置よりは低くされている。
【0023】
なお、グリルブラケット20の車幅方向中央部には、ボンネット1の前端部下面に設けたロック用のアンカ部材が通過される開口部23が形成されている。このようなグリルブラケット20は、全体的に合成樹脂による一体成形品とされている。また、グリルブラケット20においては、その前端部下端がもっとも低い下端位置となるが、このグリルブラケット20の下端位置は、グリル開口部11aの上縁部とおなじかそれよりも上方に位置されている。すなわち、グリルブラケット20は、その前後方向長さが長くされる一方、上下方向高さが低いものとされている。
【0024】
グリルブラケット20における後側部分22の直下方には、図5に示すような前方延設部材50が配設されている。この前方延設部材50は、例えば合成樹脂あるいは金属板によって形成されている。
【0025】
前方延設部材50は、前後方向に伸びる略平板状の後部50aと、後部50aの前端から下方へ伸びる縦壁部50bと、縦壁部50bの下端からわずかに前方へ伸びる前折曲部50c、とを有する。後部50aの後端部が、固定具42によって、グリルブラケット20の後側部分22と共締め状態でもってシュラウド30に固定されている。
【0026】
前方延設部材50における縦壁部50bが、グリルブラケット20における前側部分21(衝撃吸収構造体)の後端面に対して対面するように位置設定されている。そして、シュラウド30に形成された前方突出部30a(図7参照)が、前折曲部50c(縦壁部50b)の直下に位置されている。これにより、後側部分22の下方への変形が、前方延設部材50を介してシュラウド30によっても抑制するようにされている。なお、前方延設部材50の車幅方向中央部には、ボンネット1の前端部下面に設けたロック用のアンカ部材が通過される切欠形状の開口部50dが形成されている。
【0027】
前後方向に伸びるグリルブラケット20は、全体的に、シュラウド30によって片持ち式に支承されたものとなっていて、下方に向けて変位しやすい構造とされている。そして、前方延設部材50が、グリルブラケット20の後側部分22を下方から支承する補強部材として機能されるようになっている。
【0028】
グリルブラケット20における前側部分21つまり衝撃吸収構造体は、下方へは曲げ変形されやすい一方、前後方向には潰れ変形しにくいものとなる。前方衝突時における前方からの荷重に対するグリルブラケット20による衝撃吸収は、主として、横リブ21aと縦リブ21bとの潰れ変形と、グリルブラケット20のうち前側部分21の下方への曲げ変形とによって行われる。
【0029】
ところで、歩行者の大腿部からの荷重は、フェイシャアッパ部材12の前端部に入力されて後方への荷重となる一方、歩行者の頭部からの荷重は、フェイシャアッパ部材12の後端部に入力されて斜め上方から入力されることになり、入力位置や入力方向がかなり相違することになる。フェイシャアッパ部材12の後端部に入力される荷重を効果的に吸収するため、衝撃吸収構造体となる前側部分21は、フェイシャアッパ部材12の後端部が固定される固定具41よりも後方にまで存在するように設定されている。また、合わせて、縦横のリブ部21a、21bの下方への突出長さが、後部の方が前部よりも長くなるように設定されている。
【0030】
ここで、歩行者の頭部からの衝撃荷重は、下後方に向かうように斜めからフェイシャアッパ部材20に入力される。このような下向き荷重を多く含む衝撃に際しては、横リブ21a、縦リブ21bが大きな抵抗力を発揮することなく、グリルブラケット20のうち特に前側部分21が下方に向けて曲げ変形(屈曲変形)されて、衝撃吸収が行われる。
【0031】
一方、歩行者の大腿部からの衝撃荷重は、ほぼ後方に向かうようにフェイシャアッパ部材12に入力される。このような大腿部の衝撃吸収の際には、グリルブラケット20における縦横のリブ部21a、21bの潰れ変形と、前側部分21の下方への曲げ変形とによる大きな衝撃吸収が行われる(大きなストロークで、衝撃荷重に略比例した大きさでの衝撃吸収)。
【0032】
なお、固定具41、42の高さ位置が、グリルブラケット20の前端部上端位置よりも高い位置に設定されていることから、グリルブラケット20(特に前側部分21)の下方への変形が行われやすいものとされる。
【0033】
グリルブラケット20は、シュラウド30に対する固定部位(固定具42の位置)から相当に長く前方へ伸びていることから、必要以上に下方へ大きく変形されて、後側部分22部分で破損されてしまう可能性が考えられる、しかしながら、前方延設部材50によって、グリルブラケット20が支承されて、グリルブラケット20が不用意に破損されてしまう事態が確実に防止される(グリルブラケット20の後部の耐荷重を増大)。
【0034】
前方延設部材50により、グリルブラケット20に入力される後方への荷重を受け止めることができる。また、前方延設部材50により、グリルブラケット20に斜め上方からの荷重が入力された際には、グリルブラケット20の下方への曲げ変形が、衝撃吸収構造体としての前側部分21でもって行われることが助長される。
【0035】
図8図10は、本発明の第2の実施形態を示すものであり、前記実施形態と同一構成要素には同一符号を付してその重複した説明は省略する。
【0036】
第2の実施形態では、グリルブラケット20B(グリルブラケット20に対応)の裏面側に形成されるリブ構造として、一部の縦リブ21bの前後方向中間部に、略正方形のボックス状リブ部21dを設けてある(部分的に剛性向上)。このボックス状リブ部21dに対応した位置を、固定具41による固定が行われる上方突出部21cとしてある。
【0037】
第2の実施形態では、グリルブラケット20Bの後側部分22を、前記実施形態の場合に比して車幅方向外方側により長く形成する一方、開口部23を後方に向けて開口された切欠形状としてある。
【0038】
さらに、第2の実施形態では、前方延設部材50B(前方延設部材50に対応)を前記実施形態の場合に比してより前方に伸ばして、前折曲部50cによってリブ構造とされた前側部分21の後端部までを下方から支承するようにしてある。また、この前折曲部50cの下面(縦壁部50bの下端)を、シュラウド30の前方突出部30a上面に近接あるいは当接させるようにしてある。これにより、グリルブラケット20Bが下方へ曲げ変形された際に、グリルブラケット20Bを前方突出部30aによって確実に支承することができる。
【0039】
以上に加えて、第2の実施形態では、グリルブラケット20Bのうち、フェイシャアッパ部材12の後端部が固定される上方突出部21cを、前記実施形態の場合に比してより高い位置に設定するようにしてある。これにより、上方突出部21cの直前方には、フェイシャアッパ部材12の後端部との間に上下方向に比較的大きなスペースを確保して、歩行者の頭部からの衝撃を、極力前側部分21の前端部側で受け止めるようにされている。
【0040】
以上実施形態について説明したが、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載された範囲において適宜の変更が可能である。フェイシャロア部材11とフェイシャアッパ部材12とは、例えばスポーツカーにおいて多く見られるように、互いに一体成形されたものであってもよい。前方延設部材50を設けないようにすることもできる。勿論、本発明の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましいあるいは利点として表現されたものを提供することをも暗黙的に含むものである。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、衝突時の衝撃吸収構造として好適である。
【符号の説明】
【0042】
1:ボンネット
10:バンパフェイシャ
11:フェイシャロア部材
11a:グリル開口部
12:フェイシャアッパ部材
13:グリル部材
20:グリルブラケット
20B:グリルブラケット(図8図10
21:前側部分(衝撃吸収構造体)
21a:横リブ
21b:縦リブ
21c:上方突出部
21d:ボックス状リブ部(図9
22:後側部分
41:固定具(フェイシャアッパ部材とグリルブラケットとの固定用)
42:固定具(グリルブラケットとシュラウドとの固定用)
50:前方延設部材
50a:後部
50b:縦壁部
50c:前折曲部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10