(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【0004】
本明細書では、専用狭域通信(DSRC)メッセージに含まれるワイヤレス車両データを用いて、車両のドライバーが路側サービスを受けるためにどれだけの時間がかかるか(または路側サービスを受ける際の待ち時間)の推定値を提供するための、システムおよび方法を含む実装形態が記載される。
【0005】
いくつかの実装形態では、DSRCメッセージは、DSRCを介して送信される基本安全メッセージ(BSM)である。
【0006】
いくつかの実装形態では、路側サービスには、ドライブスルーを含む路側店舗によって提供される任意のサービス(例えば、ガソリンスタンド、車両サービスを提供するディーラー、オイル交換サービス、タイヤローテーションサービス、ファーストフードレストラン、銀行、現金自動預払機(ATM)、洗車場、駐車場など)が含まれる。
【0007】
いくつかの実装形態では、DSRC装備車両は、以下の構成要素、すなわち、DSRCトランシーバおよびDSRCメッセージを符号化し送信するために必要な任意のソフトウェアまたはハードウェア、ならびにDSRC受信機およびDSRCメッセージを受信し復号するために必要な任意のソフトウェアまたはハードウェアのうちの1つまたは複数を有する車両を含む。
【0008】
いくつかの実装形態では、車両以外のデバイスがDSRC装備である。例えば、路側装置(RSU)または任意の他の通信デバイスは、以下の構成要素、すなわち、DSRCトランシーバおよびDSRCメッセージを符号化し送信するために必要な任意のソフトウェアまたはハードウェア、ならびにDSRC受信機およびDSRCメッセージを受信し復号するために必要な任意のソフトウェアまたはハードウェアのうちの1つまたは複数を含む場合に、「DSRC装備」と称される。
【0009】
1つまたは複数のコンピュータのシステムは、動作中にシステムにアクションを実行させる、システムにインストールされたソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、またはそれらの組合せを有することにより、特定の動作またはアクションを実行するように構成することができる。1つまたは複数のコンピュータプログラムは、データ処理装置によって実行された場合に、装置にアクションを実行させる命令を含むことで、特定の動作またはアクションを実行するように構成することができる。
【0010】
本発明の第1の形態に係る方法は、
互いに狭域通信が可能な第1の車両および第2の車両によって実行される方法であって、前記第1の車両が、自車両の位置情報を取得する取得ステップと、前記第1の車両が、路側においてサービスを提供する店舗の待ち行列に並んでいる際に、前記位置情報に基づいて、自車両の位置の変化を表す経路履歴データを生成する生成ステップと、前記第1の車両が、前記経路履歴データを含む狭域通信メッセージを送信する送信ステップと、前記第2の車両が、前記狭域通信メッセージを受信する受信ステップと、前記第2の車両が、前記経路履歴データに基づいて、前記店舗の待ち時間を推定する推定ステップと、を実行することを特徴とする。
【0011】
本発明は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含んでもよい。
例えば、前記狭域通信はDSRCであり、前記狭域通信メッセージが、基本安全メッセージ(BSM)として送信されてもよい。
また、前記取得ステップでは、DSRC準拠のGPS装置を利用して前記位置情報を取得してもよい。
また、前記第2の車両が、前記店舗に関する情報と、前記推定した待ち時間と、をドライバーに通知する通知ステップをさらに実行してもよい。
【0012】
本発明の第2の形態に係る方法は、
狭域通信によって、第1の車両と直接的または間接的に通信可能な第2の車両によって実行される方法であって、路側においてサービスを提供する店舗の待ち行列に並んでいる前記第1の車両の位置の変化を表す経路履歴データを、狭域通信メッセージを介して受信する受信ステップと、前記狭域通信メッセージに含まれる経路履歴データに基づいて、前記店舗の待ち時間を推定する推定ステップと、を実行することを特徴とする。
【0013】
本発明は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含んでもよい。
例えば、前記狭域通信メッセージが、前記第1の車両から送信されてもよい。
また、前記狭域通信メッセージが、前記第1の車両と通信可能な路側装置から送信されてもよい。
また、前記狭域通信メッセージは、前記路側装置によって集約された、複数の前記第1の車両から送信された経路履歴データを含んでもよい。
また、前記経路履歴データは、前記第1の車両が待ち行列に加わってからの経過時間または移動距離、および、前記待ち行列の長さに関する情報を含んでもよい。
また、前記経路履歴データは、前記店舗の待ち時間に関する情報を含んでもよい。
また、前記第2の車両が、前記店舗に関する情報と、前記推定した待ち時間と、をドライバーに通知する通知ステップをさらに実行してもよい。
また、前記狭域通信はDSRCであり、前記狭域通信メッセージが、基本安全メッセージ(BSM)として送信されてもよい。
【0014】
また、本発明に係るシステムは、
互いに狭域通信が可能な第1の車両および第2の車両からなるシステムであって、前記第1の車両が、自車両の位置情報を取得する取得手段と、路側においてサービスを提供する店舗の待ち行列に並んでいる際に、前記位置情報に基づいて、自車両の位置の変化を表す経路履歴データを生成する生成手段と、前記経路履歴データを含む狭域通信メッセージを送信する送信手段と、を有し、前記第2の車両が、前記狭域通信メッセージを受信する受信手段と、前記経路履歴データに基づいて、前記店舗の待ち時間を推定する推定手段と、を有することを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る車載装置は、
路側においてサービスを提供する店舗の待ち行列に並んでいる第1の車両の位置の変化
を表す経路履歴データを、狭域通信メッセージを介して受信する受信手段と、前記狭域通信メッセージに含まれる経路履歴データに基づいて、前記店舗の待ち時間を推定する推定手段と、を有することを特徴とする。
【0016】
1つの一般的な態様は、
第1のDSRC装備車両に含まれるセンサセットにより、第1のDSRC装備車両が路側サービスを提供するドライブスルー店舗の列の中にいる間、複数の様々な時間における第1のDSRC装備車両の複数の位置を記述するセンサデータを収集することと、
第1のDSRC装備車両により、センサデータに基づいて経路履歴データを構築することであって、経路履歴データが、複数の様々な時間にわたって第1のDSRC装備車両の経路を記述することと、
第1のDSRC装備車両により、経路履歴データを含むDSRCメッセージを第2のDSRC装備車両にワイヤレス送信することと、
第2のDSRC装備車両により、DSRCメッセージを受信することと、
第2のDSRC装備車両により、DSRCメッセージに含まれる経路履歴データに基づいて待ち時間データを特定することであって、待ち時間データが、第2のDSRC装備車両がドライブスルー店舗から路側サービスを受けるためにどれだけの時間がかかるかの推定値を記述することと、
第2のDSRC装備車両により、第2のDSRC装備車両のドライバーに助言を提供することであって、助言が、第2のDSRC装備車両がドライブスルー店舗から路側サービスを受けるためにどれだけの時間がかかるかの推定値を記述することと、を含む方法を含む。
本態様の他の実施形態は、対応するコンピュータシステム、装置、および、1つまたは複数のコンピュータストレージデバイスに記録され、各々が方法のアクションを実行するように構成されたコンピュータプログラムを含む。
【0017】
実装形態は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含む場合がある。
DSRCメッセージが基本安全メッセージである、方法。
センサセットがDSRC準拠全地球測位システム(GPS)ユニットを含む、方法。
DSRCメッセージが基本安全メッセージである、方法。
記載される技法の実装形態は、ハードウェア、方法もしくはプロセス、またはコンピュータアクセス可能媒体上のコンピュータソフトウェアを含む場合がある。
【0018】
1つの一般的な態様は、
第2のDSRC装備車両により、第1のDSRC装備車両が路側サービスを提供するドライブスルー店舗の列の中にいる間、複数の様々な時間にわたって第1のDSRC装備車両の経路を記述する経路履歴データを含むDSRCメッセージを受信することと、
第2のDSRC装備車両により、DSRCメッセージに含まれる経路履歴データに基づいて待ち時間データを特定することであって、待ち時間データが、第2のDSRC装備車両がドライブスルー店舗から路側サービスを受けるためにどれだけの時間がかかるかの推定値を記述することと、
第2のDSRC装備車両により、第2のDSRC装備車両のドライバーに助言を提供することであって、助言が、第2のDSRC装備車両がドライブスルー店舗から路側サービスを受けるためにどれだけの時間がかかるかの推定値を記述することと、を含む方法を含む。
本態様の他の実施形態は、対応するコンピュータシステム、装置、および、1つまたは複数のコンピュータストレージデバイスに記録され、各々が方法のアクションを実行するように構成されたコンピュータプログラムを含む。
【0019】
実装形態は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含む場合がある。
DSRCメッセージが基本安全メッセージである、方法。
経路履歴データが、車線レベルの精度で第1のDSRC装備車両の複数の様々な位置を記述する、方法。
車線レベルの精度が、実質的にプラスマイナス1.5メートル以内まで正確である、方法。
DSRCメッセージが、第1のDSRC装備車両によって送信される、方法。
DSRCメッセージが、固定DSRC対応通信デバイスによって送信される、方法。
固定DSRC対応通信デバイスが、第1のDSRC装備車両が列の中にいる間、第1のDSRC装備車両の位置の実質的に1,000メートル以内に据え付けられており、その結果、固定DSRC対応通信デバイスと第1のDSRC装備車両との間のDSRC通信を介して、固定DSRC対応通信デバイスが第1のDSRC装備車両から経路履歴データをワイヤレス受信する、方法。
DSRCメッセージに含まれる経路履歴データに基づいて待ち時間データを特定することが、第1のDSRC装備車両が列の中でどれだけの時間待っているかを特定することと、第1のDSRC装備車両が列の中で待っている間にどれだけの距離を移動したかを特定することと、列の中の第1のDSRC装備車両の前に何台の車両があるかを推定することと、列の中の第1のDSRC装備車両の後ろに何台の車両があるかを推定することと、(1)第1のDSRC装備車両が列の中でどれだけの時間待っているか、(2)第1のDSRC装備車両が列の中で待っている間にどれだけの距離を移動したか、(3)列の中の第1のDSRC装備車両の前に何台の車両があるか、および(4)列の中の第1のDSRC装備車両の後ろに何台の車両があるかのうちの1つまたは複数に基づいて、第2のDSRC装備車両がドライブスルー店舗から路側サービスを受けるためにどれだけの時間がかかるかを特定することと、をさらに含む、方法。
経路履歴データが、(1)第1のDSRC装備車両が列の中でどれだけの時間待っているか、(2)第1のDSRC装備車両が列の中で待っている間にどれだけの距離を移動したか、(3)列の中の第1のDSRC装備車両の前に何台の車両があるかの第1の推定値、および(4)列の中の第1のDSRC装備車両の後ろに何台の車両があるかの第2の推定値をさらに記述する、方法。
DSRCメッセージが待ち時間データを含む、方法。
助言を提供することが、助言をグラフィカルに記述するグラフィカルユーザインターフェースをモニタに表示させることを含む、方法。
助言を提供することが、助言を可聴的に記述するオーディオをスピーカに生成させることを含む、方法。
記載される技法の実装形態は、ハードウェア、方法もしくはプロセス、またはコンピュータアクセス可能媒体上のコンピュータソフトウェアを含む場合がある。
【0020】
1つの一般的な態様は、
第1のDSRC装備車両が路側サービスを提供するドライブスルー店舗の列の中にいる間、複数の様々な時間にわたって第1のDSRC装備車両の経路を記述する経路履歴データを含むDSRCメッセージを受信する第2のDSRC装備車両のDSRC受信機と、
DSRC受信機から経路履歴データを受信するためにDSRC受信機に通信可能に結合された第2のDSRC装備車両の車載コンピュータシステムと、
車載コンピュータシステムによって実行された場合に、経路履歴データに基づいて待ち時間データを特定することであって、待ち時間データが、第2のDSRC装備車両がドライブスルー店舗から路側サービスを受けるためにどれだけの時間がかかるかの推定値を記述することと、第2のDSRC装備車両のドライバーに助言を提供することであって、助言が、第2のDSRC装備車両がドライブスルー店舗から路側サービスを受けるためにどれだけの時間がかかるかの推定値を記述することと、を車載コンピュータシステムに行わせる、コンピュータコードを記憶する非一時的メモリを含む車載コンピュータシステムと、を含むシステムを含む。
本態様の他の実施形態は、対応するコンピュータシステム、装置、および、1つまたは複数のコンピュータストレージデバイスに記録され、各々が方法のアクションを実行するように構成されたコンピュータプログラムを含む。
【0021】
実装形態は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含む場合がある。
DSRCメッセージが基本安全メッセージである、システム。
経路履歴データが、車線レベルの精度で第1のDSRC装備車両の複数の様々な位置を記述する、システム。
車線レベルの精度が、実質的にプラスマイナス1.5メートル以内まで正確である、システム。
DSRCメッセージが、第1のDSRC装備車両によって送信される、システム。
DSRCメッセージが、固定DSRC対応通信デバイスによって送信される、システム。
固定DSRC対応通信デバイスが、第1のDSRC装備車両が列の中にいる間、第1のDSRC装備車両の位置の実質的に1,000メートル以内に据え付けられており、その結果、固定DSRC対応通信デバイスと第1のDSRC装備車両との間のDSRC通信を介して、固定DSRC対応通信デバイスが第1のDSRC装備車両から経路履歴データをワイヤレス受信する、システム。
記載される技法の実装形態は、ハードウェア、方法もしくはプロセス、またはコンピュータアクセス可能媒体上のコンピュータソフトウェアを含む場合がある。
【0022】
本開示は、添付図面の図において限定ではなく例として示され、添付図面では、同様の構成要素を参照するために同様の参照番号が使用される。
【発明を実施するための形態】
【0024】
車両が車道を走行していると仮定する。車両のドライバーは、ロードサイドに位置する店舗(以下、路側店舗)に立ち寄ってサービスを受けることを望む場合がある。例えば、ドライバーは、ドライブスルーレストランに立ち寄って食事を買うことを望む場合がある。しかしながら、ドライバーは、このドライブスルー店舗に立ち寄るべきかどうかについて確信がもてない場合がある。例えば、ドライバーは、守るべき約束があり、このドライブスルーレストランに立ち寄ることにより、会合に遅れることになるか確信がもてない場合などである。ドライバーは、ドライブスルーレストランに立ち寄る時間があるかどうか
について推量しなければならない。調査によると、ほとんどのドライバーは、これらの状況においてドライブスルー店舗に立ち寄らないことを選ぶ。
【0025】
また、専用狭域通信(DSRC)を装備する車両が増えつつある。DSRCを装備する車両を、「DSRC装備車両」と呼ぶ。DSRC装備車両は、DSRCアンテナ、およびDSRCメッセージを送受信し、DSRCメッセージを作成し、DSRCメッセージを読み取るために必要な任意のハードウェアまたはソフトウェアを含む。例えば、DSRC装備車両は、DSRCメッセージを受信し、DSRCメッセージに含まれるデータを検索し、DSRCメッセージに含まれるデータを読み取るために必要な任意のハードウェアまたはソフトウェアを有している。
【0026】
いくつかの実装形態では、本明細書に記載される路側サービス推定システムは、DSRC装備車両のドライバーが、1つまたは複数のDSRCメッセージ内にエンコードされた情報を使用して、ドライブスルー店舗に立ち寄るべきか否かを判断するために役立つ。
【0027】
多くのタイプのDSRCメッセージが存在する。その中の1つのタイプのDSRCメッセージは、基本安全メッセージ(BSM)として知られている。DSRC装備車両は、一定の間隔でBSMをブロードキャストする。間隔はユーザによって調整可能である。
【0028】
BSMはBSMデータを含む。BSMデータは、最初にBSMメッセージを送信した車両の属性を表すデータである。DSRCを装備する車両は、調整可能な割合でBSMをブロードキャストすることができる。いくつかの実装形態では、送信割合は0.1秒ごとに1回である。BSMは、以下のうちの1つまたは複数を記述したBSMデータを含む。
(1)BSMを送信した車両の経路履歴
(2)BSMを送信した車両の速度
(3)BSMを送信した車両の位置を表すGPSデータ
図4Aおよび
図4Bは、いくつかの実装形態によるBSMデータの例を表したものである。
図4Aおよび
図4Bについては後ほど説明する。
【0029】
いくつかの実装形態では、DSRC装備車両は、経路履歴および将来の経路を含む、現在および将来の状態を記述する情報を求めて、車道沿いに他のDSRC装備車両/デバイスを探索することができる。この情報は、「DSRCプローブデータ」と記述される。DSRCプローブデータは、DSRCプローブを介して、またはDSRCプローブに応答して受信された任意のデータを含む。
【0030】
DSRCメッセージは、DSRCベースデータを含む。DSRCベースデータは、BSMデータまたはDSRCプローブデータを含む。いくつかの実装形態では、DSRCメッセージに含まれるDSRCベースデータは、複数のDSRC装備車両(または他のDSRC装備デバイス)から受信されたBSMデータまたはDSRCプローブデータを含む。このBSMデータまたはDSRCプローブデータは、そのソースの識別子およびそのソースの位置、またはBSMデータもしくはDSRCプローブデータによって記述される任意の交通イベントを含む場合がある。
【0031】
いくつかの実装形態では、DSRC対応車両は、DSRC準拠GPSユニットを含む。BSMデータまたはDSRCプローブデータは、どの車線を車両が移動しているか、ならびにその移動速度および経路履歴を記述することができる。車線は、ドライブスルー店舗内の車線であってもよい。
【0032】
GPSベースのナビゲーションシステムを含むように製造された車両も、ますます増えている。GPSベースのナビゲーションシステムは、GPSデータおよび渋滞長について
の情報に基づくナビゲーションルートをドライバーに提供することができる。
【0033】
DSRCメッセージに含まれるワイヤレス車両データを使用して、車両のドライバーが路側サービスを受けるためにどれだけの時間がかかるか(または路側サービスを受ける際の待ち時間)の推定値を提供するための、路側サービス推定システムの実装形態が本明細書に記載される。
【0034】
いくつかの実装形態では、路側サービスには、ドライブスルーを含む路側店舗によって提供される任意のサービス(例えば、ガソリンスタンド、車両サービスを提供するディーラー、オイル交換サービス、タイヤローテーションサービス、ファーストフードレストラン、銀行、ATM、洗車場、駐車場など)が含まれる。
【0035】
調査によると、ドライブスルー店舗における待ち時間は、ドライバーの満足および消費傾向に影響を及ぼす重要な問題である。本明細書に記載される路側サービス推定システムは、DSRCメッセージなどのワイヤレスメッセージに含まれる情報を使用してこの問題を解決する。DSRCメッセージは、標準DSRCメッセージ、DSRCプローブ、またはBSMであり得る。
【0036】
(経路履歴データの例)
ここで、DSRC装備車両がドライブスルーで並んで待っていると仮定する。DSRC装備車両は、並んで待っている間、DSRC装備車両の経路履歴を記述する経路履歴データを記録することができる。
【0037】
いくつかの実装形態では、経路履歴データは、以下のうちの1つまたは複数を記述するデータである。
(1)DSRC装備車両がどれだけの時間並んで待っているか
(2)DSRC装備車両が並んで待っている間どれだけの距離を移動したか
(3)列の進行速度における変化を取り込むように構成されたある固定時間(例えば10秒,11秒など)の間に、DSRC装備車両がどれだけの距離を移動したか
(4)並んでいるDSRC装備車両の前に何台の車両がいるかの推定値(例えば、DSRC装備車両は、前に何台の車両が並んでいるかを特定するために使用される、車両環境の外部を撮像可能なカメラを有していてもよい)
(5)並んでいるDSRC装備車両の後ろに何台の車両がいるかの推定値(例えば、DSRC装備車両は、後ろに何台の車両が並んでいるかを特定するために使用される、車両環境の外部を撮像可能なカメラを有していてもよい)
(6)ドライブスルー店舗の識別子(DSRC準拠GPSユニットから受信された相互参照GPSデータ、および車両ナビゲーションシステムのローカルディレクトリによって特定される場合がある)
(7)直近の(おおよそ)300メートルにわたるDSRC装備車両の軌跡、およびDSRC装備車両がその軌跡上にいた時間を記述するデータ
【0038】
いくつかの実装形態では、経路履歴データは、以下のうちの1つまたは複数を特定するために路側サービス推定システムによって使用される情報を含む場合がある。
(1)DSRC装備車両がどれだけの時間並んで待っているか
(2)DSRC装備車両が並んで待っている間どれだけの距離を移動したか
(3)行列の進行速度における変化を取り込むように構成されたある固定時間(例えば10秒、11秒など)の間に、DSRC装備車両がどれだけの距離を移動したか
(4)並んでいるDSRC装備車両の前に何台の車両がいるかの推定値(例えば、DSRC装備車両は、前に何台の車両が並んでいるかを特定するために使用される、車両環境の外部を撮像可能なカメラを有していてもよい)
(5)並んでいるDSRC装備車両の後ろに何台の車両がいるかの推定値(例えば、DSRC装備車両は、後ろに何台の車両が並んでいるかを特定するために使用される、車両環境の外部を撮像可能なカメラを有していてもよい)
(6)ドライブスルー店舗の識別子(DSRC準拠GPSユニットから受信された相互参照GPSデータ、および車両ナビゲーションシステムのローカルディレクトリによって特定される場合がある)
(7)直近の(おおよそ)300メートルにわたるDSRC装備車両の軌跡、およびDSRC装備車両がその軌跡上にいた時間を記述するデータ
【0039】
いくつかの実装形態では、経路履歴データは、
図4Aおよび
図4Bを参照して下記に記載されるBSMデータの構成要素である。BSMデータはBSMに含まれる。BSMは、DSRCを介して送信またはブロードキャストされる場合がある。
【0040】
いくつかの実装形態では、BSMデータの構成要素のうちの1つ以上は、DSRCメッセージに含まれる。例えば、DSRCメッセージは、DSRC装備車両についての経路履歴データを含む場合がある。
【0041】
(概要例)
図1A〜
図1Dは、いくつかの実装形態による、路側サービス推定システム199についての例示的な動作環境100,111,112,113を示すブロック図である。
【0042】
図1Aを参照する。動作環境100は、以下の構成要素のうちの1つまたは複数を含む。
・第1のDSRC装備車両123A
・第2のDSRC装備車両123B
・待ち時間推定システム198
・待ち時間サーバ103
動作環境100のこれらの構成要素は、ネットワーク105を介して通信可能に結合することができる。
【0043】
第1のDSRC装備車両123Aおよび第2のDSRC装備車両123Bは、同じまたは同様の構成要素を含む。第1のDSRC装備車両123Aおよび第2のDSRC装備車両123Bは、総称して「DSRC装備車両123」と呼ばれるか、または個別に「DSRC装備車両123」と呼ばれる場合がある。
【0044】
DSRC装備車両123には、自動車、トラック、スポーツ用多目的車、バス、セミトラック、ドローン、または他の任意の、車道を走る乗り物が含まれる。いくつかの実装形態では、DSRC装備車両123は、自動運転車両であってもよいし、半自動運転車両であってもよい。
【0045】
DSRC装備車両123は、以下の構成要素のうちの1つまたは複数を含む。
・路側サービス推定システム199
・DSRC準拠GPSユニット170
・経路履歴モジュール180
・DSRCモジュール190
DSRC装備車両123はさらに、以下の構成要素のうちの1つまたは複数を記憶する非一時的メモリ(図示せず)を含む。
・DSRCデータ194
・BSMデータ195
・経路履歴データ196
・待ち時間データ197
・路側サービス推定システム199
・DSRC準拠GPSユニット170
・DSRCモジュール190
【0046】
図1Aには図示されていないが、いくつかの実装形態では、DSRC装備車両123は、路側サービス推定システム199および非一時的メモリに通信可能に結合された車載コンピュータシステムを含んでもよい。車載コンピュータシステムは、路側サービス推定システム199を動作させるか、または制御するように動作可能である。車載コンピュータシステムは、非一時的メモリに記憶されたデータにアクセスするか、またはそれを実行するように動作可能である。例えば、車載コンピュータシステムは、路側サービス推定システム199、DSRC準拠GPSユニット170、経路履歴モジュール180、DSRCモジュール190、DSRCデータ194、BSMデータ195、経路履歴データ196、および待ち時間データ197のうちの1つまたは複数にアクセスするか、またはそれらを実行するように動作可能である。
【0047】
DSRC装備車両123は、車道上に位置するか、またはドライブスルー店舗の列の中で待っている場合がある。路側サービス推定システム199の機能は、DSRC装備車両123が車道上に位置するか、またはドライブスルー店舗の列の中で待っているかによって変わる。
【0048】
DSRC装備車両123がドライブスルー店舗の列の中に位置すると仮定する。いくつかの実装形態では、路側サービス推定システム199は、別のDSRC装備車両123がこのドライブスルー店舗に立ち寄るべきかどうかについての助言をドライバーに提供するために必要とされる任意のデータを含む、ワイヤレスメッセージを構築する。例えば、路側サービス推定システム199は、経路履歴データ196を含むワイヤレスメッセージを構築するコードおよびルーチンを含む。ワイヤレスメッセージは、DSRCメッセージ、DSRCプローブ、またはBSMを含んでもよい。
【0049】
DSRC装備車両123が車道上に位置すると仮定する。路側サービス推定システム199は、DSRC装備車両123によって受信されたワイヤレスメッセージに含まれる経路履歴データ196に基づいて、助言を提供するコードおよびルーチンを含む。助言は、路側店舗から(1つまたは複数の商品を含む場合がある)サービスを受けるためにどれだけの時間がかかるかの推定値を記述したものである。ワイヤレスメッセージは、DSRCメッセージ、DSRCプローブ、BSM、または他の何らかのワイヤレスメッセージを含んでもよい。路側サービス推定システム199は、DSRC装備車両123のドライバーに助言を提供することができる。
【0050】
路側サービス推定システム199は、ワイヤレスメッセージに含まれる経路履歴データ196に基づいて、助言を生成する。例えば、路側サービス推定システム199は、経路履歴データ196に基づいて、待ち時間データ197を作成することができる。路側サービス推定システム199は、待ち時間データ197に基づいて、助言を生成する。
【0051】
いくつかの実装形態では、路側サービス推定システム199は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または特定用途向け集積回路(ASIC)を含むハードウェアを使用して実装することができる。いくつかの他の実装形態では、路側サービス推定システム199は、ハードウェアとソフトウェアの組合せを使用して実装することができる。路側サービス推定システム199は、デバイス(例えば、サーバもしくは他のデバイス)の組合せ、またはデバイスのうちの1つに記憶することができる。
【0052】
路側サービス推定システム199については、
図2を参照して下記でより詳細に説明する。
【0053】
DSRC準拠GPSユニット170は、GPS衛星とワイヤレス通信して、DSRC装備車両123の位置を記述するGPSデータを取り出すハードウェアである。いくつかの実装形態では、DSRC準拠GPSユニット170は、車線レベルの精度でDSRC装備車両123の位置を記述するGPSデータを供給可能である。DSRC規格は、GPSデータが(DSRC装備車両123およびDSRC装備車両123と同じ車道上の別の車両などの)2台の車両が同じ車線内に位置するかどうかを推定するのに十分なほど正確である必要がある。車線は、
図1B、
図1C、
図1Dに描写された車線といったような、ドライブスルー内の車線であってもよい。DSRC準拠GPSユニット170は、屋外における時間の68%において、その実際の位置の1.5メートル以内の2次元座標を識別、監視、および追跡可能である。車道の車線(またはドライブスルー内の車線)は、通常、幅が3メート以上であるため、GPSデータの2次元誤差が1.5メートルより小さい場合、路側サービス推定システム199は、DSRC準拠GPSユニット170によって供給されたGPSデータを分析し、車道上(またはドライブスルー内)の車両の相対位置に基づいて、DSRC装備車両123が車道(またはドライブスルー内)のどの車線を移動しているかを特定することができる。
【0054】
次に、
図1Bを参照すると、路側サービス推定システム199は、第1のDSRC装備車両123Aに含まれるDSRC準拠GPSユニット170によって生成されたGPSデータを分析し、第1のDSRC装備車両123AについてのGPSデータに基づいて、第1のDSRC装備車両123Aがドライブスルー店舗150のドライブスルー内を移動していると判断する。比較すると、DSRC規格に準拠していないGPSユニットは、DSRC準拠GPSユニット170よりもはるかに不正確で、DSRC準拠GPSユニット170のように車線レベルの確度を確実に提供することができない。例えば、非DSRC準拠GPSユニットは、10メートル程度の確度を有する場合があるが、それは、DSRC準拠GPSユニット170によって提供される車線レベルの確度ほど正確ではない。例えば、車線は3メートルのように狭い場合があるので、DSRC規格は、DSRC準拠GPSユニット170が1.5メートル程度の確度を有することを要求する場合があり、これは、上述された非DSRC準拠GPSユニットよりもかなり正確である。結果として、非DSRC準拠GPSユニットは、路側サービス推定システム199が第1のDSRC装備車両123Aについての正確な経路履歴データ196を作成するのに十分なほど正確なGPSデータを供給することができないおそれがある。非DSRC準拠GPSユニットの不正確さにより、路側サービス推定システム199の機能が動作不能になる可能性がある。
【0055】
次に
図1Aを参照すると、いくつかの実装形態では、DSRC準拠GPSユニット170によって取り出されたGPSデータは、経路履歴データ196、DSRCデータ194、またはBSMデータ195の構成要素である。場合によっては、GPSデータは、センサデータまたは他の何らかのデータとして、DSRC装備車両123Aの非一時的メモリに記憶することができる。
【0056】
いくつかの実装形態では、GPSデータは、DSRC装備車両123Aの非一時的メモリに記憶される独立した構成要素である(例えば、
図2に描写されるGPSデータ297を参照)。
【0057】
また
図1Aを参照すると、経路履歴モジュール180は、経路履歴データ196を作成するコードおよびルーチンを含む。例えば、DSRC装備車両123Aは、センサセット182を含む。センサセット182は、1つまたは複数のセンサを含む。センサセット182は、センサデータを収集することができる(例えば、
図2に描写されるセンサデータ
296を参照)。センサデータは、例えば、複数の時間におけるDSRC装備車両123Aの位置、DSRC装備車両123Aがどれだけの時間ドライブスルーの列の中にいたか、DSRC装備車両123Aが列に入ってからどれだけの距離を移動したか、DSRC装備車両123Aがある時間の間にどれだけの距離を移動したか、列の中のDSRC装備車両123Aの前に何台の車両がいるか(またはその推定値)、列の中のDSRC装備車両123Aの後ろに何台の車両がいるか(またはその推定値)、列の中で待っている間のDSRC装備車両123Aの平均速度を記述することができる。
【0058】
いくつかの実装形態では、経路履歴モジュール180は、センサデータおよびGPSデータのうちの1つまたは複数を分析する。経路履歴モジュール180は、センサデータおよびGPSデータのうちの1つまたは複数に基づいて、経路履歴データ196を作成する。GPSデータは、センサデータの構成要素であってもよい。GPSデータには、タイムスタンプを付けることができる。例えば、GPSデータは、様々な時刻におけるDSRC装備車両の位置を記述することができる。
【0059】
いくつかの実装形態では、経路履歴データ196は、様々な時点におけるDSRC装備車両123Aの位置を記述することができる。例えば、経路履歴モジュール180は、様々な時点において、車線レベルの精度でDSRC装備車両123Aの位置を記述するGPSデータを分析する。経路履歴モジュール180は、GPSデータに少なくとも部分的に基づいて、経路履歴データ196を作成することができる。
【0060】
いくつかの実装形態では、経路履歴データ196は、1つまたは複数の項目を含む。一項目は、一時点におけるDSRC装備車両の位置を記述することができる。
【0061】
いくつかの実装形態では、経路履歴データ196内の各項目は、位置と時間のペア、すなわち、(位置,時間)から形成されるデータセットを含む。各データセットに含まれる位置は、ある時間におけるDSRC装備車両123AのGPS座標であってもよい。各データセットに含まれる時間は、場合によっては、経路履歴データ196を使用するすべてのシステムおよびサブシステムに共通の世界時(UT)であってもよい。
【0062】
第1のDSRC装備車両123Aが道路上に存在する場合がある。第1のDSRC装備車両123Aは、DSRCメッセージ、DSRCプローブ、BSM、または他の何らかのワイヤレスメッセージを受信することができる。ワイヤレスメッセージは、ドライブスルー店舗のドライブスルー内に存在する第2のDSRC装備車両123Bなどの別のデバイスについての経路履歴データ196を含む場合がある。
また、第2のDSRC装備車両123Bが、ドライブスルー店舗から路側サービスを受けるために、ドライブスルーの列の中で待っている場合がある。経路履歴データ196は、1つまたは複数の時点における第2のDSRC装備車両123Bの1つまたは複数の位置を記述することができる。第1のDSRC装備車両123Aの路側サービス推定システム199は、第2のDSRC装備車両123Bの経路履歴データ196に基づいて、待ち時間データ197を作成する。待ち時間データ197は、第1のDSRC装備車両123Aが第2のDSRC装備車両123Bと同じ列に並んだ場合、どれだけの待ち時間があるかの推定値を記述することができる。路側サービス推定システム199は、待ち時間データ197に基づいて、第1のDSRC装備車両123Aのドライバーに助言を提供する。助言は、第1のDSRC装備車両123Aがドライブスルー店舗の列に入った場合、どれだけの待ち時間があるかの推定値を記述することができる。
【0063】
センサセット182は、DSRC装備車両123の外部の物理的環境を測定する1つまたは複数のセンサを含む。例えば、センサセット182は、DSRC装備車両123に近接する物理的環境の1つまたは複数の物理的特性を記録することができる。
【0064】
いくつかの実装形態では、センサセット182は、カメラ、LIDARセンサ、レーザー高度計、ナビゲーションセンサ(例えば、DSRC準拠GPSユニット170の全地球測位システムセンサ)、赤外線検出器、モーション検出器、サーモスタット、音声検出器、一酸化炭素センサ、二酸化炭素センサ、酸素センサ、空気流量センサ、エンジンクーラント温度センサ、スロットル位置センサ、クランクシャフト位置センサ、自動車エンジンセンサ、バルブタイマ、空燃比メータ、死角メータ、縁石センサ、欠陥検出器(defect detector)、ホール効果センサ、マニホールド絶対圧力センサ、駐車センサ、レーダーガ
ン、速度計、速度センサ、タイヤ圧監視センサ、トルクセンサ、トランスミッションフルード温度センサ、タービン速度センサ(TSS)、可変磁気抵抗センサ、車両速度センサ(VSS)、水分センサ、ホイール速度センサ、および任意の他のタイプの自動車センサといった車両センサのうちの1つまたは複数を含む。
【0065】
センサセット182は、1つまたは複数の様々な時間におけるDSRC装備車両123Aの1つまたは複数の位置を記述するセンサデータを記録する。センサデータの一例が、センサデータ296として
図2に描写される。
【0066】
DSRCモジュール190は、DSRCアンテナを含む場合がある。DSRCアンテナは、DSRCトランシーバおよびDSRC受信機を含む場合がある。DSRCモジュール190は、ユーザが構成可能な何らかの固定間隔(10〜15秒ごと)でBSMをブロードキャストするように構成される。
【0067】
いくつかの実装形態では、DSRCモジュール190は、
図2を参照して下記でより詳細に記載される通信ユニット245の構成要素である。
【0068】
DSRCデータ194は、DSRCメッセージまたはDSRCプローブに含まれるか、またはその中で符号化される任意のデータを含む。DSRCデータ194は、BSMデータ195の1つまたは複数の構成要素、経路履歴データ196、および待ち時間データ197のうちの1つまたは複数を含む場合がある。
【0069】
いくつかの実装形態では、DSRCデータ194は、他のDSRC装備車両123から受信されたBSMデータ195、経路履歴データ196、または待ち時間データ197を含む。例えば、DSRC装備車両123Aは、他のDSRC装備車両123Bの経路履歴データ196を記述するDSRCメッセージをこれらの他のDSRC装備車両123Bから受信し、この情報を、他のDSRC装備デバイスへの再送信用に集約することができる。
【0070】
BSMデータ195は、BSMに含まれるか、またはその中で符号化される任意のデータを含んでもよい。BSMデータ195は、
図4Aおよび
図4Bを参照して下記でより詳細に記載される。
【0071】
図1Aには描写されていないが、いくつかの実装形態では、DSRC装備車両123は、「Full−Duplex Coordination System」と題し、2014年8月28日に出願された米国特許出願第14/471,387号(以下、387号出願)に記載された全二重調整システムを含んでもよい。
【0072】
いくつかの実装形態では、DSRC装備車両123の全二重調整システムは、経路履歴データ196を含む全二重ワイヤレスメッセージを受信することができる。路側サービス推定システム199は、経路履歴データ196に基づいて、待ち時間データ197を特定することができる。
【0073】
DSRC装備車両123Aは、ネットワーク105に通信可能に結合する。
【0074】
ネットワーク105は、従来のタイプの有線またはワイヤレスであり得るし、スター形構成、トークンリング構成、または他の構成を含む、多数の様々な構成を有する場合がある。さらに、ネットワーク105は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)(例えば、インターネット)、または、複数のデバイスおよび/もしくはエンティティがそれを介して通信することができる他の相互接続データパスを含む場合がある。いくつかの実装形態では、ネットワーク105はピアツーピアネットワークを含む場合がある。ネットワーク105はまた、様々な異なる通信プロトコルでデータを送るための電気通信ネットワークの部分に結合される場合があるか、またはそれらを含む場合がある。いくつかの実装形態では、ネットワーク105は、ショートメッセージングサービス(SMS)、マルチメディアメッセージングサービス(MMS)、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)、直接データ接続、ワイヤレスアプリケーションプロトコル(WAP)、電子メール、DSRC、全二重ワイヤレス通信などを介して、データを送受信するためのBluetooth(登録商標)通信ネットワークまたはセルラー通信ネットワークを含む。ネットワーク105は、第3世代(3G)、第4世代(4G)、ロングタームエボリューション(LTE)、ボイスオーバーLTE(VoLTE)、もしくは任意の他のモバイルデータネットワークを含む場合があるモバイルデータネットワーク、またはモバイルデータネットワークの組合せを含む場合もある。さらに、ネットワーク105は、1つまたは複数のIEEE802.11ワイヤレスネットワークを含む場合がある。
【0075】
いくつかの実装形態では、ネットワーク105は、DSRC装備車両123および1つまたは複数の他のワイヤレス通信デバイス(例えば、他の車両123、RSU、待ち時間推定システム198、待ち時間サーバ103など)の中で共有される1つまたは複数の通信チャネルを含む。通信チャネルは、DSRC、全二重ワイヤレス通信、または任意の他のワイヤレス通信プロトコルを含む場合がある。例えば、ネットワーク105は、DSRC装備車両123にDSRCメッセージ、DSRCプローブ、またはBSMを送信するために使用することができる。
【0076】
待ち時間サーバ103は、ハードウェアサーバを含んでもよい。待ち時間サーバ103は、ネットワーク105に通信可能に結合する。待ち時間サーバ103は、ネットワーク通信能力を含む。待ち時間サーバ103は、ネットワーク105を介してメッセージを送受信する。
【0077】
いくつかの実装形態では、第1のDSRC装備車両123Aは、ネットワーク105を介して待ち時間サーバ103に経路履歴データ196を供給する。例えば、DSRC装備車両123Aは、ネットワーク105を介して待ち時間サーバ103にワイヤレスメッセージを送信する。ワイヤレスメッセージは、第1のDSRC装備車両123A、および第1のDSRC装備車両123Aにそれらの経路履歴データ196を送信した、考えられる他のDSRC装備車両についての経路履歴データ196を含んでもよい。1つまたは複数の他のDSRC装備車両は、ネットワーク105を介して待ち時間サーバ103にそれらの経路履歴データ196を送信することもできる。待ち時間サーバ103は、ネットワーク105を介して受信された経路履歴データ196を非一時的メモリに記憶および集約して、集約経路履歴データ131を形成する。
【0078】
集約経路履歴データ131は、1つまたは複数のDSRC装備車両についての経路履歴データ196の1つまたは複数のセットである。
【0079】
集約経路履歴データ131は、経路履歴データ196の1つまたは複数のセットである。待ち時間推定システム198は、集約経路履歴データ131を受信し、待ち時間データの1つまたは複数のセット133を出力するコードおよびルーチンを含む。待ち時間データの1つまたは複数のセット133は、集約経路履歴データ131に含まれる経路履歴データ196のセットごとに、(待ち時間データ197と同様の)待ち時間データセットを含んでもよい。待ち時間サーバ103は、DSRC装備車両123、または、ネットワーク105を介して待ち時間サーバ103から待ち時間データセット133を受信するネットワーク通信能力を含む、1つもしくは複数の非DSRC装備車両などの、1つまたは複数の車両に(待ち時間データ197と同様の)待ち時間データの1つまたは複数のセットを供給することができる。
【0080】
いくつかの実装形態では、ネットワーク105を介して車両に送信される待ち時間データは、待ち時間推定システム198により、待ち時間データを受信する車両用に構成されたものである。
例えば、待ち時間推定システム198は、車両から待ち時間データに対する要求を受信する。要求は、車両の位置を記述するGPSデータを含む場合がある。集約経路履歴データ131に含まれる経路履歴データ196は、車両のあらかじめ決定された範囲(例えば、10メートル、100メートル、0.5マイル、1マイルなど)内にあるGPSデータを含む場合がある。待ち時間推定システム198は、要求を受信し、要求に含まれるGPSデータに基づいて車両の位置を特定し、集約経路履歴データ131に含まれるGPSデータに基づいて、要求に関係する集約経路履歴データ131内の経路履歴データ196の1つまたは複数のセットを識別する。待ち時間推定システム198は、要求に関係すると判断された集約経路履歴データ131に含まれる経路履歴データ196の1つまたは複数のセットに基づいて、要求のための待ち時間データセット133を特定する。待ち時間推定システム198は、経路履歴データ196に基づいて路側サービス推定システム199が待ち時間データ197を特定する方法と同様に、待ち時間データセット133を特定することができる。待ち時間推定システム198は、要求に応答する待ち時間データセット133を含むメッセージを送信することにより、要求に応答する。車両は、路側サービス推定システム199を含んでもよい。路側サービス推定システム199は、ネットワーク105を介して待ち時間サーバ103から受信された待ち時間データセット133に基づいて、ドライブスルー店舗のドライブスルーに入るべきかどうかについての助言を車両のドライバーに提供する。このプロセスの1つまたは複数の実装形態が、
図1Cを参照して下記でより詳細に記載される。
【0081】
このようにして、待ち時間推定システム198は、1つまたは複数の車両に待ち時間データ197を供給することができる。これらの車両は、ネットワーク通信能力を含み、待ち時間データセット133を含むワイヤレスメッセージを受信する、DSRC装備車両または非DSRC装備車両であってもよい。
【0082】
いくつかの実装形態では、待ち時間推定システム198は、ドライブスルー店舗のドライブスルー内に存在するDSRC装備車両123のDSRC範囲(例えば、実質的に1000メートル)内にある固定ハードウェアデバイス(例えば、RSU)として配置することができる。このようにして、待ち時間推定システム198は、待ち時間サーバ103を使用しないように配置することができる。このプロセスの1つまたは複数の実装形態が、
図1Dを参照して下記でより詳細に記載される。
【0083】
いくつかの実装形態では、第2のDSRC装備車両123Bは、第1のDSRC装備車両123Aと同様の構成要素を含む場合があるため、それらの説明はここでは繰り返さない。動作環境は、各々が、路側サービス推定システム199および第1のDSRC装備車両123Aについて上述された構成要素と同様の他の構成要素を含む、複数のDSRC装
備車両123を含んでもよい。各々が、路側サービス推定システム199および第1のDSRC装備車両123Aについて上述された構成要素と同様の他の構成要素を含む、複数のDSRC装備車両123を含む動作環境の例が、
図1Bに示される。
【0084】
次に
図1Bを参照すると、いくつかの実装形態による、路側サービス推定システム199(例えば、DSRC装備車両123A、123B、123Cの各々のための、それぞれ、第1の路側サービス推定システム199A、第2の路側サービス推定システム199B、および第3の路側サービス推定システム199C)を含む、複数のDSRC装備車両123A、123B、123Cについての例示的な動作環境111を示すブロック図が描写されている。DSRC装備車両123A、123B、123Cの各々は、第1のDSRC装備車両123Aについて上述された構成要素と同様の構成要素を含む場合があるので、それらの説明はここでは繰り返さない。
【0085】
いくつかの実装形態では、DSRC装備車両123A、123B、123Cは、同じメーカー(例えばトヨタ)製であり得るし、その結果、本明細書に記載された機能は、そのメーカーのDSRC装備車両123A、123B、123Cでのみ利用可能である。
【0086】
動作環境111は、複数の非DSRC装備車両122A、122B、および122Cを含む場合もある。これらの車両122A、122B、122Cには、自動車、バス、セミトラック、ドローン、または他の任意の、車道を走る乗り物が含まれ得る。これらの車両122A、122B、122Cは、総称して「車両122」と呼ばれるか、または個別に「第1の車両122A」、「第2の車両122B」、および「第3の車両122C」と呼ばれる場合がある。車両122は、DSRCモジュール190、またはDSRCもしくは全二重ワイヤレス通信を介して通信する能力を有していない。
【0087】
動作環境111は、車道を含んでもよい。描写された実装形態では、車道は、車道を通行する交通が北に向かって移動するか、または南に向かって移動するように構成される。他の実装形態では、車道は、交通が
図1Bに描写された方向とは異なる方向に移動するように構成されてもよい。
【0088】
車道は、第1の車線セット109および第2の車線セット107を含む場合がある。第1の車線セット109は、第1の車線セット109内を移動している交通が北に向かって移動するように構成された、交通の1つまたは複数の車線を含む。
【0089】
第2の車線セット107は、第2の車線セット107内を移動している交通が南に向かって移動するように構成された、交通の1つまたは複数の車線を含む。
【0090】
描写された実装形態では、車道は、第1の車線セット109に含まれる車線のうちの1つまたは複数を介してアクセス可能なドライブスルー入口114を含む、ドライブスルー店舗150を含む。ドライブスルー店舗150は、ガソリンスタンド、車両サービスを提供するディーラー、オイル交換サービス、タイヤローテーションサービス、レストラン、ファーストフードレストラン、銀行、ATM、洗車場、駐車場、およびドライブスルー191を含む任意の他の店舗のうちの1つまたは複数を含む場合がある。
【0091】
ドライブスルー191は、ドライブスルー店舗150からの路側サービスを待つための列が形成されている場合がある。また、ドライブスルー191は、1つもしくは複数のDSRC装備車両123または1つもしくは複数の車両122によってアクセス可能な、1つまたは複数の車線を含む場合がある。路側サービスには、商品(例えばハンバーガー)、サービス(例えば銀行サービス、洗車サービス、時間貸し駐車場)、または商品とサービスの組合せ(例えば、使用済みオイルおよび使用済みフィルタを取り除き、新しいオイ
ルおよび新しいオイルフィルタと交換するサービス)が含まれ得る。
【0092】
描写された実装形態では、第2の車線セット107は、第3のDSRC装備車両123Cを含み、第1の車線セット109は、第2のDSRC装備車両123Bを含む。ドライブスルーは、第1のDSRC装備車両123Aを含む列を含む。
第2のDSRC装備車両123Bのドライバーは、ドライブスルー店舗150によって提供される路側サービスを受けるために、ドライブスルー191に入ることに関心がある。同様に、第3のDSRC装備車両123Cのドライバーも、ドライブスルー店舗150によって提供される路側サービスを受けるために、ドライブスルー191に入ることに関心がある。
第1のDSRC装備車両123Aは、ある期間において列に並んでいる可能性がある。第1のDSRC装備車両123Aは、当該期間、および当該期間中の様々な時点における第1のDSRC装備車両123Aの位置を記述する経路履歴データ196を作成している可能性がある。
【0093】
いくつかの実装形態では、第1のDSRC装備車両123Aは、第2のDSRC装備車両123Bに第1のワイヤレスメッセージ120Aを送信する。第1のワイヤレスメッセージ120Aには、BSM、DSRCメッセージ、DSRCプローブ、または任意の他のDSRCベースのワイヤレスメッセージが含まれる。いくつかの実装形態では、第1のワイヤレスメッセージ120Aには、全二重ワイヤレスメッセージが含まれる。第1のワイヤレスメッセージ120Aは、DSRCベースメッセージ(例えば、BSM、DSRCメッセージ、もしくはDSRCプローブ)、または387号出願に記載された全二重ワイヤレスメッセージのいずれかである。
【0094】
第1のワイヤレスメッセージ120Aは、経路履歴データ196を含む。例えば、第1のワイヤレスメッセージは、第1のDSRC装備車両123Aについての経路履歴データ196を含んだBSMを含む。
【0095】
第2のDSRC装備車両123Bは、第1のワイヤレスメッセージ120Aを受信することができる。このようにして、第2のDSRC装備車両123Bの路側サービス推定システム199は、第1のDSRC装備車両123Aについての経路履歴データ196を受信し、第2のDSRC装備車両123Bがドライブスルー入口114を介してアクセス可能なドライブスルー191の列に入った場合、第2のDSRC装備車両123Bのドライバーがドライブスルー店舗150から路側サービスを受けるためにどれだけの時間がかかるかの推定値を記述する助言をドライバーに提供することができる。
【0096】
第2のワイヤレスメッセージ120Bは、第1のワイヤレスメッセージ120Aと同様の特徴を含む場合があるので、その説明はここでは繰り返さない。第3のDSRC装備車両123Cは、第2のワイヤレスメッセージ120Bを受信することができる。このようにして、第3のDSRC装備車両123Cの路側サービス推定システム199は、第1のDSRC装備車両123Aについての経路履歴データ196を受信し、第3のDSRC装備車両123Cがドライブスルー入口114を介してアクセス可能なドライブスルー191の列に入った場合、第3のDSRC装備車両123Cのドライバーがドライブスルー店舗150から路側サービスを受けるためにどれだけの時間がかかるかの推定値を記述する助言をドライバーに提供することができる。
【0097】
第1のワイヤレスメッセージ120Aおよび第2のワイヤレスメッセージ120Bを送信するための上述されたプロセスは、次に、いくつかの実装形態によって、より詳細に記載される。
【0098】
いくつかの実装形態では、第1のDSRC装備車両123Aは、センサデータを収集できる。センサデータは、複数の時間におけるドライブスルー191の車線内の第1のDSRC装備車両123Aの位置などの、経路履歴データ196を構築するために必要とされるすべての情報を記述する。第1のDSRC装備車両123Aは、センサデータに基づいて経路履歴データ196を構築する第1の路側サービス推定システム199Aを含んでもよい。場合によっては、第1の路側サービス推定システム199Aは、経路履歴データ196を含むように第1のDSRC装備車両123AのBSMデータ195を更新することができる。第1のDSRC装備車両123Aは、経路履歴データ196を含む第1のワイヤレスメッセージ120Aおよび第2のワイヤレスメッセージ120Bを送信またはブロードキャストすることができる。
第1のワイヤレスメッセージ120Aおよび第2のワイヤレスメッセージ120Bは、異なるタイプのワイヤレスメッセージであってもよい。例えば、第1のワイヤレスメッセージ120Aは、経路履歴データ196を含むBSMであるが、第2のワイヤレスメッセージは、経路履歴データ196を含む全二重ワイヤレスメッセージまたはDSRCプローブを含む場合がある。第2のDSRC装備車両123Bは、第1のワイヤレスメッセージ120Aを受信することができる。第3のDSRC装備車両123Cは、第2のワイヤレスメッセージ120Bを受信することができる。
【0099】
第2のDSRC装備車両123Bの第2の路側サービス推定システム199Bは、第1のワイヤレスメッセージ120Aに含まれる経路履歴データ196に基づいて、待ち時間データ197を特定する。また、第2の路側サービス推定システム199Bは、待ち時間データ197に基づいて、第2のDSRC装備車両123Bのドライバーに助言を提供する。助言は、第2のDSRC装備車両123Bがドライブスルー入口114を介してアクセス可能なドライブスルー191の列に入った場合、ドライバーがドライブスルー店舗150から路側サービスを受けるためにどれだけの時間がかかるかの推定値を記述することができる。
【0100】
第3のDSRC装備車両123Cの第3の路側サービス推定システム199Cは、第2のワイヤレスメッセージ120Bに含まれる経路履歴データ196に基づいて、待ち時間データ197を特定する。また、第3の路側サービス推定システム199Cは、待ち時間データ197に基づいて、第3のDSRC装備車両123Cのドライバーに助言を提供する。助言は、第3のDSRC装備車両123Cがドライブスルー入口114を介してアクセス可能なドライブスルー191の列に入った場合、ドライバーがドライブスルー店舗150から路側サービスを受けるためにどれだけの時間がかかるかの推定値を記述することができる。
【0101】
いくつかの実装形態では、第1のワイヤレスメッセージ120Aまたは第2のワイヤレスメッセージ120Bは、待ち時間データ197を含む。例えば、第1のDSRC装備車両123Aは、センサデータを収集することができる。センサデータは、複数の時間におけるドライブスルー191の車線内の第1のDSRC装備車両123Aの位置などの、経路履歴データ196を構築するために必要とされるすべての情報を記述する。第1のDSRC装備車両123Aの第1の路側サービス推定システム199Aは、センサデータに基づいて経路履歴データ196を構築する。第1の路側サービス推定システム199Aは、経路履歴データ197に基づいて待ち時間データ197を特定する。第1のDSRC装備車両123Aは、待ち時間データ197(および場合によっては経路履歴データ196)を含む第1のワイヤレスメッセージ120Aおよび第2のワイヤレスメッセージ120Bを送信またはブロードキャストする。
第1のワイヤレスメッセージ120Aおよび第2のワイヤレスメッセージ120Bは、異なるタイプのワイヤレスメッセージであってもよい。例えば、第1のワイヤレスメッセージ120Aは、待ち時間データ197を含むBSMであり、第2のワイヤレスメッセー
ジは、待ち時間データ197を含む全二重ワイヤレスメッセージまたはDSRCプローブを含む場合がある。第2のDSRC装備車両123Bは、第1のワイヤレスメッセージ120Aを受信することができる。第3のDSRC装備車両123Cは、第2のワイヤレスメッセージ120Bを受信することができる。
【0102】
第2のDSRC装備車両123Bの第2の路側サービス推定システム199Bは、第1のワイヤレスメッセージ120Aに含まれる待ち時間データ197に基づいて、ドライバー向けの助言を生成する。第3のDSRC装備車両123Cの第3の路側サービス推定システム199Cは、第2のワイヤレスメッセージ120Bに含まれる待ち時間データ197に基づいて、第3のDSRC装備車両123Cのドライバー向けの助言を生成する。
【0103】
いくつかの実装形態では、第2の路側サービス推定システム199Bまたは第3の路側サービス推定システム199Cは、ドライバー向けのそれらの助言を生成する際(または待ち時間データ197を生成する際)、信頼度係数を用いる。例えば、
図2では、ドライブスルー191内の車両のうちの1台のみがDSRCを含み、それは第1のDSRC装備車両123Aである。しかしながら、実際には、ドライブスルー191内の2台以上の車両がDSRC装備であり得る。これらの実施形態では、第2の路側サービス推定システム199Bまたは第3の路側サービス推定システム199Cは、待ち時間データ197のどれだけ多くのセットが受信されたか、および待ち時間データ197のこれらのセットのうちのどれだけが互いに比較するかに基づいて、信頼度係数を決定することができる。例えば、経路履歴データ196のセットの数が多いほど、信頼度を高くしてもよいし、経路履歴データ196のセットの中に類似するものが多く含まれるほど信頼度を高くしてもよい。
信頼度係数は、待ち時間データ197によって記述される待ち時間の推定値が正しい可能性を示す。推定値における信頼度は、ドライブスルー191内で待っている間の移動速度(例えば、フィート毎分、フィート毎秒など)に関係するため、より多くのDSRC装備車両123が同様の経路履歴データ196を報告した場合により高くなる。
【0104】
いくつかの実装形態では、(第2のDSRC装備車両123Bまたは第3のDSRC装備車両123Cなどの)DSRC装備車両123は、ドライブスルー入口114に入ることを考えている場合がある。DSRC装備車両123は、第1のDSRC装備車両123Aについての経路履歴データ196を含むワイヤレスメッセージ120を受信する。経路履歴データ196は、車道上に存在するDSRC装備車両123の路側サービス推定システム199が、直近300メートル(または実質的に直近300メートル)にわたる第1のDSRC装備車両123Aの軌跡、および第1のDSRC装備車両123Aがその軌跡上の様々なポイントにいた時間を復元するのに十分な情報を提供するデータを含むデータ構造を含む。第1のDSRC装備車両123Aが所定の位置に存在した時間は、実質的に11分(またはおおよそ660秒)までの範囲で、経路履歴データ196によって記述することができる。
【0105】
ドライブスルー191は、(
図1Bにおけるように)カーブしているか、または実質的にまっすぐであり得る。多くがそうであるように、ドライブスルー191がカーブしていると、経路履歴データ196に含まれる経路履歴ポイントの豊富なセットが存在する可能性があり、それにより、待ち時間データ197を特定するために使用され得る細かい精度の詳細が第2の路側サービス推定システム199Bに提供される。
【0106】
しばしば、ドライブスルー店舗150は、高速道路に隣接する支線道路上に存在する場合がある。これらの支線道路およびドライブスルー店舗は、支線道路につながる出口ランプを介して、高速道路上の車両によってアクセス可能である。
図1Bに描写された車道は、ドライブスルー店舗150を含む支線道路であってもよい。いくつかの実装形態では、
第1のワイヤレスメッセージ120Aまたは第2のワイヤレスメッセージ120Bは、数百メートルの範囲にわたって受信されたBSM(または他の何らかのワイヤレスメッセージ)を含み、そのため、待ち時間データ197または助言は、DSRC装備車両123がまだ高速道路上に位置する間に当該車両に到達する場合がある。これは、高速道路上に存在するDSRC装備車両123のドライバーがドライブスルー191に入ることを検討する前であり、場合によっては、高速道路上に存在するDSRC装備車両123がまだ高速道路上を高速走行している間(例えば、DSRC装備車両123がまさに高速道路を出てドライブスルー店舗150を含む支線道路にアクセスする前)の時間であり得る。
【0107】
いくつかの実装形態では、待ち時間データ197に基づいて行われる助言は、ドライブスルー店舗150への経路案内を要求するドライバーの選択によってトリガされる場合がある。
【0108】
動作環境111を含む実装形態は、有利なことに、待ち時間サーバ103などのサーバ、またはサーバに関連する費用もしくは時間を必要としない場合がある。これらの実装形態は、任意のDSRC装備車両123からの任意のBSMデータ195を利用することができるため、新しい標準化も必要としない場合がある。
【0109】
次に
図1Cを参照すると、いくつかの実装形態による、路側サービス推定システム199(例えば、ネットワーク装備車両121A、121B、121Cの各々のための、それぞれ、第1の路側サービス推定システム199A、第2の路側サービス推定システム199B、および第3の路側サービス推定システム199C)を含む、複数のネットワーク装備車両121A、121B、121Cについての例示的な動作環境112を示すブロック図が描写されている。
【0110】
図1Cに描写された動作環境112は、
図1Bの動作環境111について上述された構成要素と同様に、第1の車線セット109、第2の車線セット107、ドライブスルー191、ドライブスルー入口114、ドライブスルー店舗150、第1の車両122A、第2の車両122B、および第3の車両122Cを含む。これらの構成要素は
図1Bを参照して上述されたので、それらの説明はここでは繰り返さない。
【0111】
本例では、動作環境112は、ネットワーク105および待ち時間サーバ103を含む。これらの構成要素は
図1Aを参照して上述されたので、それらの説明はここでは繰り返さない。
【0112】
いくつかの実装形態では、動作環境112は、第1のネットワーク装備車両121A、第2のネットワーク装備車両121B、第3のネットワーク装備車両121Cのうちの1つまたは複数を含む。動作環境112のこれらの構成要素は、総称して「ネットワーク装備車両121」と呼ばれるか、または個別に「ネットワーク装備車両121」、もしくは「第1のネットワーク装備車両121A」、「第2のネットワーク装備車両121B」、および「第3のネットワーク装備車両121C」と呼ばれる場合がある。
【0113】
ネットワーク装備車両121は、ネットワーク105とワイヤレス通信することが可能であり、路側サービス推定システム199を含む任意の車両である。いくつかの実装形態では、ネットワーク装備車両121は、
図2を参照して下記に記載される通信ユニット245、および本明細書に記載された路側サービス推定システム199を含む任意の車両である。いくつかの実装形態では、ネットワーク装備車両121のうちの1つまたは複数は、DSRC装備であるか、または387号出願に記載された全二重調整システムを含む場合がある。いくつかの実装形態では、第1のネットワーク装備車両121Aは第1の路側サービス推定システム199Aを含む場合があり、第2のネットワーク装備車両121B
は第2の路側サービス推定システム199Bを含む場合があり、第3のネットワーク装備車両121Cは第3の路側サービス推定システム199Cを含む場合がある。
【0114】
動作環境112は、車両がDSRC装備であることを必要とせず、車両によって動作可能な、路側サービス推定システム199の1つまたは複数の実装形態を含む。いくつかの実装形態では、ネットワーク装備車両121のうちの1つまたは複数は、DSRC装備であるか、または387号出願に記載された全二重調整システムを含む場合があるが、他のネットワーク装備車両121はDSRC装備ではなく、全二重調整システムを含まない。
【0115】
第1のネットワーク装備車両121Aは、ネットワーク105を介して待ち時間サーバ103にワイヤレスメッセージを送信する。ワイヤレスメッセージは、第1のネットワーク装備車両121Aについての経路履歴データ196を含んでもよい。次いで、待ち時間サーバ103は、待ち時間データ133を特定する。待ち時間サーバ103は、ネットワーク105を介して、第2のネットワーク装備車両121Bまたは第3のネットワーク装備車両121Cに、待ち時間データ133を送信する。
【0116】
いくつかの実装形態では、第1のネットワーク装備車両121Aは、センサデータを収集する。第1のネットワーク装備車両121Aは、センサデータに基づいて経路履歴データ196を構築することができる。
【0117】
第1のネットワーク装備車両121Aは、任意のワイヤレスネットワーク(例えば、3G、4G、LTE、ドライブスルー店舗150のワイヤレスルータ経由のネットワーク105へのWi−Fi(登録商標)接続など)を介して、待ち時間サーバ103に経路履歴データ196を送信することができる。
【0118】
いくつかの実装形態では、待ち時間サーバ103は、経路履歴データ196を受信する。待ち時間サーバ103は、経路履歴データ196に基づいてドライブスルー店舗150についての待ち時間データ133を特定する。待ち時間データ133は、あらかじめ設定された期間の間、ドライブスルー店舗150向けに有効であり得る。待ち時間サーバ103は、ネットワーク105を介して、第2のネットワーク装備車両121Bまたは第3のネットワーク装備車両121Cに、待ち時間データ133をワイヤレス送信する。
【0119】
第2のネットワーク装備車両121Bの第2の路側サービス推定システム199Bは、ネットワーク105を介して待ち時間データ133を受信する。また、第2の路側サービス推定システム199Bは、ネットワーク105を介して受信された待ち時間データ133に基づいて、第2のネットワーク装備車両121Bのドライバーに助言を提供する。助言は、ドライバーがドライブスルー191に入ることを選んだ場合、ドライブスルー店舗150から路側サービスを受けるためにどれだけの時間がかかるかを記述したものである。
【0120】
第3のネットワーク装備車両121Cの第3の路側サービス推定システム199Cは、ネットワーク105を介して待ち時間データ133を受信する。また、第3の路側サービス推定システム199Cは、ネットワーク105を介して受信された待ち時間データ133に基づいて、第3のネットワーク装備車両121Cのドライバーに助言を提供する。助言は、ドライバーがドライブスルー191に入ることを選んだ場合、ドライブスルー店舗150から路側サービスを受けるためにどれだけの時間がかかるかを記述したものである。
【0121】
いくつかの実装形態では、ネットワーク装備車両121は、同じメーカー製であり得るし、その結果、このメーカーのネットワーク装備車両121のみが、路側サービス推定シ
ステム199または待ち時間サーバ103の機能から恩恵を受けることができる。
【0122】
いくつかの実装形態では、ネットワーク装備車両121のうちの1つまたは複数は、ナビゲーションシステムを含む。ネットワーク装備車両121のドライバーは、1つまたは複数のドライブスルー店舗150についてのナビゲーション選択肢を要求することができる。例えば、ドライバーは、1つまたは複数のドライブスルー店舗150についての選択肢を要求することができ、ナビゲーションシステムは選択肢を検索することができる。
ナビゲーションシステムは、選択肢ごとに、ドライブスルー店舗150の名前、ネットワーク装備車両121の現在位置からドライブスルー店舗150の位置までの距離、ドライブスルー店舗150のドライブスルーの中で待つ間の待ち時間の推定値を記述した助言のうちの1つまたは複数を、ネットワーク装備車両121のディスプレイに表示させることができる。
ナビゲーションシステムは、この情報を記述するリスト(または他の何らかのデータ構造)をドライバーに提供する。助言は、これらのドライブスルー店舗150に存在する1つまたは複数のネットワーク装備車両121またはDSRC装備車両123の経路履歴データ196に基づいてもよい。このようにして、ドライバーは、有利なことに、選択されたドライブスルー店舗150に存在するか、または存在していた実際のネットワーク装備車両121またはDSRC装備車両123の経路履歴データ196に基づいて、自分の待ち時間がどの程度になるかというナレッジを用いて、選択肢(すなわち、どのドライブスルー店舗150にナビゲートしたいか)を選択することができる。次いで、ナビゲーションシステムは、選択されたドライブスルー店舗150へのナビゲーション指示、および、場合によっては、当該ドライブスルー店舗150にナビゲートしながら、選択されたドライブスルー店舗についての推定待ち時間の記述を更新することができる。
【0123】
次に
図1Dを参照すると、いくつかの実装形態による、路側サービス推定システム199(例えば、DSRC装備車両123A、123B、123Cの各々のための、それぞれ、第1の路側サービス推定システム199A、第2の路側サービス推定システム199B、および第3の路側サービス推定システム199C)を含む、複数のDSRC装備車両123A、123B、123Cについての例示的な動作環境113を示すブロック図が描写されている。
【0124】
本例において、待ち時間推定システム198は、待ち時間推定システム198を実装するDSRC装備の路側装置(RSU)に含まれる。待ち時間推定システム198は、潜在顧客へのサービスとしてドライブスルー店舗150によって所有、管理、または操作される場合があり、その結果、潜在顧客は、ドライブスルー191の中の待ち時間の推定値を知ることができる。
【0125】
第1のDSRC装備車両123Aは、第1のDSRC装備車両123Aについての経路履歴データ196を含むワイヤレスメッセージを待ち時間推定システム198に送信する。
【0126】
いくつかの実装形態では、待ち時間推定システム198は、経路履歴データ131または待ち時間データ133のうちの1つまたは複数を含むワイヤレスメッセージを、第2のDSRC装備車両123Bまたは第3のDSRC装備車両123Cに送信する。場合によっては、ワイヤレスメッセージは、ドライブスルー店舗150についての広告を記述するデータを含んでもよい。例えば、広告は、ドライブスルー店舗によって提供されるサービスのメニューを記述するデータを含んでもよい。広告は、ドライブスルー店舗150に対するオファーを記述することもできる。オファーは、長い待ち時間に対応する経路履歴データ131または待ち時間データ133によってトリガされる場合がある。例えば、オファーは、サービスを受けるための推定待ち時間が通常よりも長いか、または顧客が通常受
け入れるとドライブスルー店舗150が考えるよりも長い場合でも、ドライブスルー191に入るようにドライバーを促すように構成することができる。
【0127】
いくつかの実装形態では、ワイヤレスメッセージは、DSRC、3G、4G、LTE、Wi−Fi(登録商標)、全二重ワイヤレスメッセージングなどを介して通信することができる。例えば、待ち時間推定システム198および第2のDSRC装備車両123Bまたは第3のDSRC装備車両123Cのうちの1つまたは複数は、全二重調整システムを含む場合がある。
【0128】
次に
図2を参照すると、いくつかの実装形態による、路側サービス推定システム199を含む例示的なコンピュータシステム200を示すブロック図が描写されている。
【0129】
いくつかの実装形態では、コンピュータシステム200は、
図3Aおよび
図3Bを参照して下記に記載される方法300または方法399の1つまたは複数のステップを実施するようにプログラムされた、専用コンピュータシステムである。
【0130】
いくつかの実装形態では、コンピュータシステム200には、DSRC装備車両123、ネットワーク装備車両121、または路側サービス推定システム199を含む任意の車両が含まれる。
【0131】
いくつかの実装形態では、コンピュータシステム200には、DSRC装備車両123の搭載車両コンピュータが含まれる。いくつかの実装形態では、コンピュータシステム200には、DSRC装備車両123のエンジン制御ユニット、ヘッドユニット、または他の何らかのプロセッサベースコンピューティングデバイスが含まれる。
【0132】
コンピュータシステム200は、路側サービス推定システム199、プロセッサ225、通信ユニット245、DSRCモジュール190、センサセット182、DSRC準拠GPSユニット170、ストレージ241、およびメモリ227のうちの1つまたは複数を含む場合がある。コンピュータシステム200の構成要素は、バス220によって通信可能に結合される。
【0133】
図示された実装形態では、プロセッサ225は、信号線238を介してバス220に通信可能に結合される。通信ユニット245は、信号線246を介してバス220に通信可能に結合される。DSRCモジュール190は、信号線247を介してバス220に通信可能に結合される。センサセット182は、信号線248を介してバス220に通信可能に結合される。DSRC準拠GPSユニット170は、信号線249を介してバス220に通信可能に結合される。ストレージ241は、信号線242を介してバス220に通信可能に結合される。メモリ227は、信号線244を介してバス220に通信可能に結合される。
【0134】
DSRCモジュール190、センサセット182、およびDSRC準拠GPSユニット170は
図1Aを参照して上述されたので、それらの説明はここでは繰り返さない。
【0135】
プロセッサ225は、算術論理演算ユニット、マイクロプロセッサ、汎用コントローラ、または、計算を実行し、ディスプレイデバイスに電子表示信号を供給する他の何らかのプロセッサアレイを含む。プロセッサ225は、データ信号を処理し、複合命令セットコンピュータ(CISC)アーキテクチャ、縮小命令セットコンピュータ(RISC)アーキテクチャ、または命令セットの組合せを実装するアーキテクチャを含む、様々なコンピューティングアーキテクチャを含んでもよい。
図2は単一のプロセッサ225を含むが、複数のプロセッサが含まれる場合がある。他のプロセッサ、オペレーティングシステム、
センサ、ディスプレイ、および物理構成も考えられる。
【0136】
メモリ227は、プロセッサ225によって実行され得る命令またはデータを記憶する。命令またはデータは、本明細書に記載された技法を実行するためのコードを含む。メモリ227は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)デバイス、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)デバイス、フラッシュメモリ、または他の何らかのメモリデバイスであり得る。いくつかの実装形態では、メモリ227はまた、不揮発性メモリまたは同様の永続的なストレージデバイス、および、ハードディスクドライブ、フロッピーディスクドライブ、CD−ROMデバイス、DVD−ROMデバイス、DVD−RAMデバイス、DVD−RWデバイス、フラッシュメモリデバイス、またはより永続的に情報を記憶するための他の何らかのマスストレージデバイスを含む媒体を含む。
【0137】
図2に示されたように、メモリ227は、DSRCデータ194、BSMデータ195、経路履歴データ196、待ち時間データ197、センサデータ296、およびGPSデータ297のうちの1つまたは複数を記憶する。DSRCデータ194、BSMデータ195、経路履歴データ196、および待ち時間データ197は
図1A〜
図1Dを参照して上述されたので、これらの説明はここでは繰り返さない。
【0138】
センサデータ296は、センサセット182の1つまたは複数のセンサによって収集された1つまたは複数の物理的測定値を記述するデータである。
【0139】
GPSデータ297は、DSRC準拠GPSユニット170によって受信、作成、または供給される位置データである。
【0140】
ネットワーク105または通信チャネルは、DSRC通信チャネル、Wi−Fi(登録商標)ネットワーク、モバイルネットワーク(3G、4G、LTE、5G)、全二重通信チャネル、または任意の他のワイヤレスネットワークもしくは通信チャネルのうちの1つまたは複数を含む場合がある。通信ユニット245は、ネットワーク105または別の通信チャネルにデータを送信し、ネットワーク105または別の通信チャネルからデータを受信する。DSRCモジュール190は、通信ユニット245の構成要素であってもよい。例えば、通信ユニット245は、DSRCトランシーバ、DSRC受信機、およびコンピュータシステム200をDSRC対応デバイスにするために必要な他のハードウェアまたはソフトウェアを含んでもよい。
【0141】
いくつかの実装形態では、通信ユニット245は、ネットワーク105または別の通信チャネルへの直接物理接続用のポートを含む。例えば、通信ユニット245は、ネットワーク105との有線通信用のUSB、SD、CAT−5、または同様のポートを含む。いくつかの実装形態では、通信ユニット245は、ネットワーク105とデータを交換するためのワイヤレストランシーバ、または、IEEE802.11、IEEE802.16、BLUETOOTH(登録商標)、EN ISO14906:2004電子料金徴収−アプリケーションインターフェース、EN12253:2004専用狭域通信−5.8GHzにおいてマイクロ波を使用する物理層(レビュー)、EN12795:2002専用狭域通信(DSRC)−DSRCデータリンク層、媒体アクセスおよび論理リンク制御(レビュー)、EN12834:2002専用狭域通信−アプリケーション層(レビュー)、EN13372:2004専用狭域通信(DSRC)−RTTTアプリケーション用DSRCプロファイル(レビュー)、387号出願に記載された通信方法、もしくは別の適切なワイヤレス通信方法を含む、1つもしくは複数のワイヤレス通信方法を使用する他の通信チャネルを含む。
【0142】
いくつかの実装形態では、通信ユニット245は、ショートメッセージングサービス(
SMS)、マルチメディアメッセージングサービス(MMS)、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)、直接データ接続、WAP、電子メール、または別の適切なタイプの電子通信を介して、セルラー通信ネットワーク上でデータを送受信するためのセルラー通信トランシーバを含む。いくつかの実装形態では、通信ユニット245は、有線ポートおよびワイヤレストランシーバを含む。通信ユニット245はまた、TCP/IP、HTTP、HTTPS、およびSMTP、ミリメートル波、DSRCなどを含む標準ネットワークプロトコルを使用して、ファイルまたはメディアオブジェクトを配信するための、ネットワーク105への他の従来の接続を提供する。
【0143】
ストレージ241は、本明細書に記載された機能を実現するためのデータを記憶する非一時的記憶媒体である。ストレージ241は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)デバイス、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)デバイス、フラッシュメモリ、または他の何らかのメモリデバイスであり得る。いくつかの実装形態では、ストレージ241はまた、不揮発性メモリまたは同様の永続的なストレージデバイス、および、ハードディスクドライブ、フロッピーディスクドライブ、CD−ROMデバイス、DVD−ROMデバイス、DVD−RAMデバイス、DVD−RWデバイス、フラッシュメモリデバイス、またはより永続的に情報を記憶するための他の何らかのマスストレージデバイスを含む媒体を含む。
【0144】
図2に示された図示された実装形態では、路側サービス推定システム199は、通信モジュール202と、センサモジュール204と、経路履歴モジュール180と、助言モジュール206を含む。路側サービス推定システム199のこれらの構成要素は、バス220を介して互いに通信可能に結合される。いくつかの実装形態では、路側サービス推定システム199の構成要素は、単一のサーバまたはデバイスに記憶することができる。いくつかの他の実装形態では、路側サービス推定システム199の構成要素は、複数のサーバまたはデバイスにまたがって分散し記憶することができる。
【0145】
通信モジュール202は、路側サービス推定システム199とコンピュータシステム200の他の構成要素との間の通信を処理するためのルーチンを含むソフトウェアである。いくつかの実装形態では、通信モジュール202は、路側サービス推定システム199とコンピュータシステム200の他の構成要素との間の通信を処理するための下記に記載される機能を実現するために、プロセッサ225によって実行される1組の命令である。いくつかの実装形態では、通信モジュール202は、コンピュータシステム200のメモリ227に記憶することができ、プロセッサ225によってアクセス可能かつ実行可能である。通信モジュール202は、信号線222を介して、プロセッサ225およびコンピュータシステム200の他の構成要素との協働および通信に適合することができる。
【0146】
通信モジュール202は、通信ユニット245を介して、コンピュータシステム200の1つもしくは複数の構成要素またはネットワーク105との間でデータを送受信する。例えば、通信モジュール202は、通信ユニット245を介して、DSRCデータ194、BSMデータ195、経路履歴データ196、待ち時間データ197、センサデータ296、およびGPSデータ297のうちの1つまたは複数を受信する。
【0147】
いくつかの実装形態では、通信モジュール202は、路側サービス推定システム199の構成要素(または例示的な動作環境100、111、112、113のうちの1つもしくは複数)からデータを受信し、ストレージ241およびメモリ227のうちの1つまたは複数にデータを記憶させる。例えば、通信モジュール202は、経路履歴モジュール180から経路履歴データ196を受信し、メモリ227に経路履歴データ196を記憶させる。別の例では、通信モジュール202は、DSRC準拠GPSユニット170からGPSデータ297を受信し、メモリ227にGPSデータ297を記憶させることができ
る。
【0148】
いくつかの実装形態では、通信モジュール202は、路側サービス推定システム199の構成要素間の通信を処理する。例えば、通信モジュール202は、センサモジュール204と経路履歴モジュール180との間の通信を処理する。
【0149】
センサモジュール204は、センサセット182に含まれるセンサのうちの1つまたは複数を使用してセンサデータ296を作成するためのルーチンを含むソフトウェアである。例えば、センサモジュール204は、プロセッサ225によって実行された場合に、コンピュータシステム200(例えば、DSRC装備車両123、ネットワーク装備車両121、または路側サービス推定システム199を含む任意の車両)に近接する物理的環境の測定値を記録し、コンピュータシステム200の経路履歴または軌跡を識別するように、センサセット182に含まれるセンサのうちの1つまたは複数をプロセッサ225に動作させるコードおよびルーチンである。
【0150】
いくつかの実装形態では、センサモジュール204は、センサセット182の測定値を記述するセンサデータ296を作成する。センサモジュール204は、センサデータ296をメモリ227に記憶させる。いくつかの実装形態では、センサモジュール204は、コンピュータシステム200のメモリ227に記憶することができ、プロセッサ225によってアクセスかつ実行可能である。センサモジュール204は、信号線224を介して、プロセッサ225およびコンピュータシステム200の他の構成要素との協働および通信に適合することができる。
【0151】
経路履歴モジュール180は
図1A〜
図1Dを参照して上述されたので、この説明はここでは繰り返さない。経路履歴モジュール180は、センサデータ296を分析して、コンピュータシステム200の経路または軌跡を特定する。経路履歴モジュール180は、ある時間期間にわたってドライブスルー内のコンピュータシステム200の位置を追跡して、ドライブスルー内のコンピュータシステム200の移動速度を特定する。例えば、経路履歴モジュール180は、既知の期間にわたってドライブスルー内でコンピュータシステム200がどれだけの距離を移動したかを特定する。経路履歴モジュール180は、センサデータ296に基づいて経路履歴データ196を作成する。
【0152】
いくつかの実装形態では、経路履歴モジュール180は、ネットワーク105またはDSRC準拠GPSユニット170から取得できる衛星データに基づいて、ドライブスルーの長さを特定する。衛星データは、画像またはドライブスルーの長さを記述する他の情報を含んでもよい。経路履歴モジュール180は、ドライブスルーの長さおよびドライブスルー内のコンピュータシステム200についての移動速度を用いて、ドライブスルー内のコンピュータシステム200の前に何台の車両がいるかの推定値、またはドライブスルー内のコンピュータシステム200の後ろに何台の車両がいるかの推定値を決定する。いくつかの実装形態では、センサデータ296は、ドライブスルーの長さ、ドライブスルー内のコンピュータシステム200の前に何台の車両がいるかの推定値、およびドライブスルー内のコンピュータシステム200の後ろに何台の車両がいるかの推定値のうちの1つまたは複数を決定するために、経路履歴モジュール180によって使用される画像を含む。このデータはメモリ227に記憶することができる。
【0153】
いくつかの実装形態では、経路履歴モジュール180は、経路履歴データ196を含むワイヤレスメッセージを構築する。経路履歴モジュール180は、通信ユニット245またはDSRCモジュール190に、ワイヤレスメッセージを送信またはブロードキャストさせる。
【0154】
いくつかの実装形態では、経路履歴モジュール180は、コンピュータシステム200のメモリ227に記憶することができ、プロセッサ225によってアクセス可能かつ実行可能である。経路履歴モジュール180は、信号線280を介して、プロセッサ225およびコンピュータシステム200の他の構成要素との協働および通信に適合することができる。
【0155】
助言モジュール206は、経路履歴データ196に基づいて待ち時間データ197を作成するためのルーチンを含むソフトウェアである。
【0156】
いくつかの実装形態では、助言モジュール206は、コンピュータシステム200のユーザ(例えば、DSRC装備車両123またはネットワーク装備車両121のドライバー)がドライブスルー店舗150から路側サービスを受けるためにどれだけの時間がかかるかの推定値を含んだ助言を作成することができる。助言は、モニタ上にグラフィカルユーザインターフェースとして表示されるか、または1つもしくは複数のスピーカを介してユーザに提供されるオーディオとして提供されてもよい。いくつかの実装形態では、助言モジュール206は、コンピュータシステム200のメモリ227に記憶することができ、プロセッサ225によってアクセス可能かつ実行可能である。助言モジュール206は、信号線226を介して、プロセッサ225およびコンピュータシステム200の他の構成要素との協働および通信に適合することができる。
【0157】
図3Aは、いくつかの実装形態による、路側サービス推定値を含む助言を提供するための例示的な方法300のフローチャートである。方法300について本明細書に記載されるステップのうちの1つまたは複数は、1つまたは複数の路側サービス推定システムによって実行することができる。
【0158】
ステップ301において、第1のDSRC装備車両がセンサデータを収集する。センサデータは、第1のDSRC装備車両についての経路履歴データを構築するために必要とされるすべての情報を記述することができる。センサデータは、1つまたは複数の時点におけるDSRC装備車両の位置を記述することができる。
【0159】
ステップ303において、第1のDSRC装備車両が、センサデータに基づいて経路履歴データを構築する。
【0160】
ステップ305において、第1のDSRC装備車両が、経路履歴データを含むようにBSMデータを更新する。
【0161】
ステップ307において、第1のDSRC装備車両が、経路履歴データを含むワイヤレスメッセージを送信またはブロードキャストする。ワイヤレスメッセージは、第2のDSRC装備車両および第3のDSRC装備車両のうちの1つまたは複数に送信またはブロードキャストされる。
【0162】
ステップ309において、第2のDSRC装備車両または第3のDSRC装備車両が、第1のDSRC装備車両についての経路履歴データに基づいて、待ち時間データを特定する。
【0163】
ステップ311において、第2のDSRC装備車両または第3のDSRC装備車両が、それらのドライバーに助言を提供する。助言は、第1のDSRC装備車両に関連付けられたドライブスルー店舗からドライバーが路側サービスを受けるためにどれだけの時間がかかるかを記述することができる。第1のDSRC装備車両は、現時点または少し前の時点において、ドライブスルー店舗のドライブスルー内に存在する。
【0164】
図3Bは、いくつかの実装形態による、路側サービス推定値を含む助言を提供するための例示的な方法399のフローチャートである。方法399について本明細書に記載されるステップのうちの1つまたは複数は、1つまたは複数の路側サービス推定システムによって実行することができる。
【0165】
ステップ313において、第1のDSRC装備車両がセンサデータを収集する。センサデータは、第1のDSRC装備車両についての経路履歴データを構築するために必要とされるすべての情報を記述することができる。センサデータは、1つまたは複数の時点におけるDSRC装備車両の位置を記述することができる。第1のDSRC装備車両は、ドライブスルー店舗のドライブスルー内に存在する可能性がある。
【0166】
ステップ315において、第1のDSRC装備車両が、センサデータに基づいて経路履歴データを構築する。
【0167】
ステップ317において、第1のDSRC装備車両が、経路履歴データに基づいて、ドライブスルー店舗に関連する待ち時間データを特定する。
【0168】
ステップ319において、第1のDSRC装備車両が、経路履歴データまたは待ち時間データを含むようにBSMデータを更新する。
【0169】
ステップ321において、第1のDSRC装備車両が、経路履歴データまたは待ち時間データを含むワイヤレスメッセージを送信またはブロードキャストする。ワイヤレスメッセージは、第2のDSRC装備車両および第3のDSRC装備車両のうちの1つまたは複数に送信またはブロードキャストされる。
【0170】
ステップ323において、第2のDSRC装備車両または第3のDSRC装備車両が、第1のDSRC装備車両についての特定された待ち時間データまたは経路履歴データを受信する。
【0171】
ステップ325において、第2のDSRC装備車両または第3のDSRC装備車両が、それらのドライバーに助言を提供する。助言は、第1のDSRC装備車両に関連付けられたドライブスルー店舗からドライバーが路側サービスを受けるためにどれだけの時間がかかるかを記述することができる。第1のDSRC装備車両は、現時点または少し前の時点において、ドライブスルー店舗のドライブスルー内に存在する可能性がある。
【0172】
次に
図4Aを参照すると、いくつかの実装形態による、BSMデータ195の一例を示すブロック図が描写されている。
【0173】
BSMを送信するための一定の間隔は、ユーザが設定可能である。いくつかの実装形態では、この間隔用のデフォルト設定は、0.10秒ごとに、または実質的に0.10秒ごとにBSMを送信する。
【0174】
BSMは、5.9GHzのDSRC帯域にわたってブロードキャストされる。DSRC範囲は、実質的に1,000メートルであり得る。いくつかの実装形態では、DSRC範囲は、実質的に100〜1,000メートルの範囲を含む場合がある。
【0175】
次に
図4Bを参照すると、いくつかの実装形態による、BSMデータ195の一例を示すブロック図が描写されている。
【0176】
BSMは2つのパートを含む場合がある。これらの2つのパートは、
図4Bに示された様々なBSMデータ195を含む場合がある。
【0177】
BSMデータ195のパート1は、車両の位置、車両の向き、車両の速度、車両の加速度、車両のハンドル角度、および車両のサイズのうちの1つまたは複数を記述することができる。
【0178】
BSMデータ195のパート2は、オプション要素のリストから得られるデータ要素の可変セットを含む。BSMのパート2に含まれるBSMデータ195のうちのいくつかは、イベントトリガに基づいて選択される。例えば、アンチロックブレーキシステム(ABS)が作動すると、車両のABSシステムに関係するBSMデータ195をトリガすることができる。
【0179】
いくつかの実装形態では、パート2の要素のうちのいくつかは、帯域幅を節約するためにあまり頻繁には送信されない。
【0180】
いくつかの実装形態では、BSMに含まれるBSMデータ195は、車道に沿って移動している車両の現在のスナップショットを含む。
【0181】
いくつかの実装形態では、BSMデータ195について上述された情報の一部またはすべては、DSRCデータ194に含まれる場合がある。
【0182】
DSRC装備車両123、ネットワーク装備車両121、待ち時間サーバ103、および待ち時間推定システム198のうちの1つまたは複数は、通信デバイスであり得る。
【0183】
(その他の実施形態)
本出願は、387号出願に関連する発明と組み合わせることも可能である。
半二重通信システムでは、第2の通信デバイスにデータを送信中である第1の通信デバイスは、同時に第2のデバイスからデータを受信することができない。第2の通信デバイスが第1の通信デバイスに送信するデータを有する場合、第2の通信デバイスは、第1の通信デバイスがそのデータ送信を完了するまで待つ必要がある。半二重通信システムでは、一度に1つの通信デバイスのみがデータを送信することを許可される。
【0184】
規格IEEE802.11ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)では、通信デバイスは、キャリア検知多重アクセス/衝突回避(CSMA/CA)媒体アクセス制御(MAC)プロトコルに基づいて、ワイヤレスチャネルへのアクセスのために競合する場合がある。IEEE802.11MACプロトコルは、一度に1つの通信デバイスのみがワイヤレスチャネルを使用してデータを送信することを要求する。2つ以上の通信デバイスが同時にワイヤレスチャネルを介してデータを送信する場合、衝突が発生する。結果として、現在ワイヤレスチャネルにアクセスしている通信デバイスのみが、ワイヤレスチャネルを使用してデータを送信することができる。送信するデータを有する他の通信デバイスは、ワイヤレスチャネルを監視する必要があり、ワイヤレスチャネルが再びアイドルになると、ワイヤレスチャネルへのアクセスのために競合する場合がある。
【0185】
387号出願に記載された主題の1つの発明的態様によれば、DSRC装備車両123(およびネットワーク装備車両121、待ち時間サーバ103、または待ち時間推定システム198などの他の通信デバイス)は、全二重ワイヤレス通信を実装するための全二重調整システムを含む。全二重調整システムは、プロセッサ、および、実行された場合に、(第1のDSRC装備車両123A、第1のネットワーク装備車両121Aなどの)第1の通信デバイスにおいて、(メモリ227に記憶されるデータの任意の組合せなどの)第
1のデータを作成して(第2のDSRC装備車両123B、第2のネットワーク装備車両121B、待ち時間推定システム198などの)第2の通信デバイスに送信することと、第1の通信デバイスの半二重動作モードを全二重動作モードに切り替えて第1の通信デバイスの全二重動作モードをアクティブ化することと、ワイヤレスチャネルを使用して第1の通信デバイスから第2の通信デバイスに第1のデータの第1の部分を送信することと、第1の通信デバイスの全二重動作モードにおいて、ワイヤレスチャネルを使用して第2の通信デバイスから(メモリ227に記憶されるデータの任意の組合せなどの)第2のデータを同時に受信しながら、第2の通信デバイスに第1のデータの残りの部分を送信することと、を全二重調整システムに行わせる命令を記憶するメモリを含む。
【0186】
387号出願に記載された主題の別の発明的態様によれば、全二重ワイヤレス通信を実装するための全二重調整システムは、プロセッサ、および、実行された場合に、ワイヤレスチャネルを介して第1の通信デバイスから(メモリ227に記憶されるデータの任意の組合せなどの)第1のデータの第1の部分を受信することと、第1のデータの第1の部分に基づいて、第2の通信デバイスが第1のデータの唯一の宛先であると判断することと、第2の通信デバイスが第1の通信デバイスに送信する(メモリ227に記憶されるデータの任意の組合せなどの)第2のデータを有すると判断することと、第1の通信デバイスが全二重通信能力を有すると判断することと、第2の通信デバイスの半二重動作モードを全二重動作モードに切り替えて第2の通信デバイスの全二重動作モードをアクティブ化することと、第2の通信デバイスの全二重動作モードにおいて、ワイヤレスチャネルを使用して第1の通信デバイスから第1のデータの残りの部分を同時に受信しながら、第1の通信デバイスに第2のデータを送信することと、を全二重調整システムに行わせる命令を記憶するメモリを含む。
【0187】
一般に、387号出願に記載された主題の別の発明的態様は、第1の通信デバイスにおいて、第1のデータを作成して第2の通信デバイスに送信することと、第1の通信デバイスの半二重動作モードを全二重動作モードに切り替えて第1の通信デバイスの全二重動作モードをアクティブ化することと、ワイヤレスチャネルを使用して第1の通信デバイスから第2の通信デバイスに第1のデータの第1の部分を送信することと、第1の通信デバイスの全二重動作モードにおいて、ワイヤレスチャネルを使用して第2の通信デバイスから第2のデータを同時に受信しながら、第2の通信デバイスに第1のデータの残りの部分を送信することと、を含む方法において具現化することができる。
【0188】
387号出願に記載された主題のさらに別の発明的態様は、ワイヤレスチャネルを介して第1の通信デバイスから第1のデータの第1の部分を受信することと、第1のデータの第1の部分に基づいて、第2の通信デバイスが第1のデータの唯一の宛先であると判断することと、第2の通信デバイスが第1の通信デバイスに送信する第2のデータを有すると判断することと、第1の通信デバイスが全二重通信能力を有すると判断することと、第2の通信デバイスの半二重動作モードを全二重動作モードに切り替えて第2の通信デバイスの全二重動作モードをアクティブ化することと、第2の通信デバイスの全二重動作モードにおいて、ワイヤレスチャネルを使用して第1の通信デバイスから第1のデータの残りの部分を同時に受信しながら、第1の通信デバイスに第2のデータを送信することと、を含む方法において具現化することができる。
【0189】
387号出願に記載された主題の別の発明的態様は、第1の通信デバイスから第2の通信デバイスに送信する第1のデータを決定することと、共通ワイヤレスチャネルを使用して第2の通信デバイスから第2のデータを同時に受信しながら、全二重動作モードで動作する第1の通信デバイスから第2の通信デバイスに第1のデータを送信することと、を含む方法において具現化することができる。
【0190】
387号出願に記載された主題の別の発明的態様は、第2の通信デバイスにおいて、ワイヤレスチャネルを介して第1の通信デバイスから第1のデータを受信することと、第1のデータの少なくとも一部分を受信することに応答して、第2の通信デバイスから第1の通信デバイスに送信する第2のデータを決定することと、第1の通信デバイスから第1のデータを同時に受信しながら、ワイヤレスチャネルを使用して全二重動作モードで動作する第2の通信デバイスから第1の通信デバイスに第2のデータを送信することと、を含む方法において具現化することができる。
【0191】
387号出願に記載された主題の別の発明的態様は、第1の通信デバイスにおいて、第2の通信デバイスに送信する第1のデータを決定することと、第1の通信デバイスを半二重動作モードから全二重動作モードに切り替えることと、第1の通信デバイスの全二重動作モードにおいて、ワイヤレスチャネルを使用して第2の通信デバイスから第2のデータを同時に受信しながら、第2の通信デバイスに第1のデータを送信することと、第1のデータの送信が完了したことの判断に応答して、第1の通信デバイスの全二重動作モードを半二重動作モードに切り替えることと、を含む方法において具現化することができる。
【0192】
387号出願に記載された主題の別の発明的態様は、第2の通信デバイスにおいて、ワイヤレスチャネルを介して第1の通信デバイスから第1のデータを受信することと、第2の通信デバイスが第1の通信デバイスに送信する第2のデータを有すると判断することと、第2の通信デバイスを半二重動作モードから全二重動作モードに切り替えることと、第2の通信デバイスの全二重動作モードにおいて、ワイヤレスチャネルを使用して第1の通信デバイスから第1のデータを同時に受信しながら、第1の通信デバイスに第2のデータを送信することと、第2のデータの送信が完了したことの判断に応答して、第2の通信デバイスの全二重動作モードを半二重動作モードに切り替えることと、を含む方法において具現化することができる。
【0193】
他の態様は、上記その他の発明的態様のための対応する方法、システム、装置、およびコンピュータプログラム製品を含む。
【0194】
387号出願に記載の実装形態は、各々、以下の動作および特徴のうちの1つまたは複数を含む場合がある。
例えば、特徴は、第1のデータが第1のパケットを含み、第1のデータの第1の部分が第1のパケットのヘッダ部分を含むことと、
第1のデータの残りの部分が第1のパケットのペイロード部分およびトレーラ部分を含むことと、
第2の通信デバイスが第1のデータの唯一の宛先であると判断することと、
第2の通信デバイスが第1のデータの唯一の宛先であることに応答して、第1の通信デバイスの全二重動作モードをアクティブ化することと、
第1の通信デバイスおよび第2の通信デバイスがワイヤレスローカルエリアネットワーク内の通信デバイスであることと、
全二重通信能力が必要とされる規制スペクトルにおいて第1の通信デバイスが動作すると判断することと、
第1の通信デバイスに関連付けられたデバイスレジストリデータを受信することと、
デバイスレジストリデータに基づいて第1の通信デバイスが全二重通信能力を有すると判断することと、
第1のデータの第1の部分内の能力指示フィールドに基づいて第1の通信デバイスが全二重通信能力を有すると判断することと、を含み、
能力指示フィールドは、第1の通信デバイスが全二重通信能力を有するかどうかを記述するデータを含む。
【0195】
例えば、動作は、ワイヤレスチャネルがアイドルであると判断することと、チャネルアクセスルールに基づいて、第1の通信デバイスと第2の通信デバイスとの間のデータ通信用のワイヤレスチャネルにアクセスすることと、を含む。
【0196】
387号出願に記載の発明は、いくつかの点で特に有利である。例えば、387号出願の明細書に記載されたシステムは、半二重通信技術を使用するのではなく、全二重通信技術を使用して、高いスループットおよび速い通信速度を実現することが可能である。全二重通信は、車両(例えば、
図1A、
図1B、
図1C、もしくは
図1Dで描写されたものなどの、DSRC装備車両123もしくはネットワーク装備車両121に設置された通信システム)、または全二重通信能力を有する他の通信デバイスの間で実施することができる。別の例では、システムは、中央コーディネータを使用しない分散方式で、通信デバイス間の通信を調整する。システムは、通信デバイスのペアを決定し、通信デバイスのペア間のデータの同時送信を調整し、その結果、通信デバイスのペアは、同じワイヤレスチャネルを使用して同時に互いにデータを送信することができる。一方、他の通信デバイスは、衝突を回避するために、そのワイヤレスチャネルを介してデータを送信することができない。387号出願の明細書に記載されたシステムの利点が例として提供され、システムは多数の他の利点を有する場合がある。
【0197】
387号出願は、通信デバイス間の全二重ワイヤレス通信を実施するためのシステムおよび方法を含む。全二重調整システムは、プロセッサ、および、実行された場合に、第1の通信デバイスにおいて、第1のデータを作成して第2の通信デバイスに送信することと、第1の通信デバイスの半二重動作モードを全二重動作モードに切り替えて第1の通信デバイスの全二重動作モードをアクティブ化することと、ワイヤレスチャネルを使用して第1の通信デバイスから第2の通信デバイスに第1のデータの第1の部分を送信することと、第1の通信デバイスの全二重動作モードにおいて、ワイヤレスチャネルを使用して第2の通信デバイスから第2のデータを同時に受信しながら、第2の通信デバイスに第1のデータの残りの部分を送信することと、を全二重調整システムに行わせる命令を記憶するメモリを含む。
以上に説明したような、387号出願に記載の通信システムを本出願と組み合わせてもよい。
【0198】
以上の説明では、本発明を十分に理解できるように、多くの詳細について説明する。しかしながら、各実施形態はこれらの具体的な詳細無しでも良いことは当業者にとって明らかであろう。また、説明が不明瞭になることを避けるために、構造や装置をブロック図の形式で表すこともある。たとえば、一実施形態は、ユーザインタフェースおよび特定のハードウェアとともに説明される。しかし、ここでの説明は、データおよびコマンドを受信する任意のタイプの計算装置および任意の周辺機器について適用できる。
【0199】
本明細書における「一実施形態」または「ある実施形態」等という用語は、その実施形態と関連づけて説明される特定の特徴・構造・性質が少なくとも本発明の一つの実施形態に含まれることを意味する。「一実施形態における」等という用語は本明細書内で複数用いられるが、これらは必ずしも同一の実施形態を示すものとは限らない。
【0200】
以上の詳細な説明の一部は、非一時的(non-transitory)なコンピュータ可読記憶媒体に記憶されたデータビットに対する動作のアルゴリズムおよび記号的表現として提供される。これらのアルゴリズム的な説明および表現は、データ処理技術分野の当業者によって、他の当業者に対して自らの成果の本質を最も効果的に説明するために用いられるものである。なお、本明細書において(また一般に)アルゴリズムとは、所望の結果を得るための論理的な手順を意味する。処理のステップは、物理量を物理的に操作するものである。必ずしも必須ではないが、通常は、これらの量は記憶・伝送・結合・比較およびその他の
処理が可能な電気的または磁気的信号の形式を取る。通例にしたがって、これらの信号をビット・値・要素・エレメント・シンボル・キャラクタ・項・数値などとして称することが簡便である。
【0201】
なお、これらの用語および類似する用語はいずれも、適切な物理量と関連付いているものであり、これら物理量に対する簡易的なラベルに過ぎないということに留意する必要がある。以下の説明から明らかなように、特に断らない限りは、本明細書において「処理」「計算」「コンピュータ計算(処理)」「判断」「表示」等の用語を用いた説明は、コンピュータシステムや類似の電子的計算装置の動作および処理であって、コンピュータシステムのレジスタやメモリ内の物理的(電子的)量を、他のメモリやレジスタまたは同様の情報ストレージや通信装置、表示装置内の物理量として表される他のデータへ操作および変形する動作および処理を意味する。
【0202】
本発明は、本明細書で説明される動作を実行する装置にも関する。この装置は要求される目的のために特別に製造されるものであっても良いし、汎用コンピュータを用いて構成しコンピュータ内に格納されるプログラムによって選択的に実行されたり再構成されたりするものであっても良い。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な、例えばフロッピー(登録商標)ディスク・光ディスク・CD−ROM・MOディスク・磁気ディスクなど任意のタイプのディスク、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カード、フラッシュメモリ、光学式カード、電子的命令を格納するために適した任意のタイプの媒体などの、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に記憶される。
【0203】
発明の具体的な実施形態は、完全にハードウェアによって実現されるものでも良いし、完全にソフトウェアによって実現されるものでも良いし、ハードウェアとソフトウェアの両方によって実現されるものでも良い。好ましい実施形態は、ソフトウェアによって実現される。ここでソフトウェアとは、ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードやその他のソフトウェアを含むものである。
【0204】
さらに、ある実施形態は、コンピュータが利用あるいは読み込み可能な記憶媒体からアクセス可能なコンピュータプログラムプロダクトの形態を取る。この記憶媒体は、コンピュータや任意の命令実行システムによってあるいはそれらと共に利用されるプログラムコードを提供する。コンピュータが利用あるいは読み込み可能な記憶媒体とは、命令実行システムや装置によってあるいはそれらと共に利用されるプログラムを、保持、格納、通信、伝搬および転送可能な任意の装置を指す。
【0205】
プログラムコードを格納・実行するために適したデータ処理システムは、システムバスを介して記憶素子に直接または間接的に接続された少なくとも1つのプロセッサを有する。記憶素子は、プログラムコードの実際の実行に際して使われるローカルメモリや、大容量記憶装置や、実行中に大容量記憶装置からデータを取得する回数を減らすためにいくつかのプログラムコードを一時的に記憶するキャッシュメモリなどを含む。
【0206】
入力/出力(I/O)装置は、例えばキーボード、ディスプレイ、ポインティング装置などであるが、これらはI/Oコントローラを介して直接あるいは間接的にシステムに接続される。
【0207】
システムにはネットワークアダプタも接続されており、これにより、私的ネットワークや公共ネットワークを介して他のデータ処理システムやリモートにあるプリンタや記憶装置に接続される。モデム、ケーブルモデム、イーサネット(登録商標)は、現在利用可能なネットワークアダプタのほんの一例である。
【0208】
最後に、本明細書において提示されるアルゴリズムおよび表示は特定のコンピュータや他の装置と本来的に関連するものではない。本明細書における説明にしたがったプログラムを有する種々の汎用システムを用いることができるし、また要求された処理ステップを実行するための特定用途の装置を製作することが適した場合もある。これら種々のシステムに要求される構成は、以上の説明において明らかにされる。さらに、本発明は、特定のプログラミング言語と関連づけられるものではない。本明細書で説明される本発明の内容を実装するために種々のプログラミング言語を利用できることは明らかであろう。
【0209】
実施形態の前述の説明は、例示と説明を目的として行われたものである。したがって、開示された実施形態が本発明の全てではないし、本発明を上記の実施形態に限定するものでもない。本発明は、上記の開示にしたがって、種々の変形が可能である。本発明の範囲は上述の実施形態に限定解釈されるべきではなく、特許請求の範囲にしたがって解釈されるべきである。本発明の技術に詳しい者であれば、本発明はその思想や本質的特徴から離れることなくその他の種々の形態で実現できることを理解できるであろう。同様に、モジュール・処理・特徴・属性・方法およびその他の本発明の態様に関する名前付けや分割方法は必須なものでものないし重要でもない。また、本発明やその特徴を実装する機構は異なる名前や分割方法や構成を備えていても構わない。さらに、当業者であれば、モジュール・処理・特徴・属性・方法およびその他の本発明の態様は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェアもしくはこれらの組合せとして実装できることを理解できるであろう。また、本発明をソフトウェアとして実装する場合には、モジュールなどの各要素は、どのような様式で実装されても良い。例えば、スタンドアローンのプログラム、大きなプログラムの一部、異なる複数のプログラム、静的あるいは動的なリンクライブラリー、カーネルローダブルモジュール、デバイスドライバー、その他コンピュータプログラミングの当業者にとって既知な方式として実装することができる。さらに、本発明の実装は特定のプログラミング言語に限定されるものではないし、特定のオペレーティングシステムや環境に限定されるものでもない。以上のように、上記の本発明の説明は限定的なものではなく例示的なものであり、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲にしたがって定められる。