特許第6443561号(P6443561)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士通株式会社の特許一覧

特許6443561中継ノード、無線通信システム、及び、無線通信システムにおける通信方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6443561
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】中継ノード、無線通信システム、及び、無線通信システムにおける通信方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 16/26 20090101AFI20181217BHJP
   H04W 92/20 20090101ALI20181217BHJP
   H04W 88/16 20090101ALI20181217BHJP
   H04W 76/30 20180101ALI20181217BHJP
【FI】
   H04W16/26
   H04W92/20
   H04W88/16
   H04W76/30
【請求項の数】14
【全頁数】42
(21)【出願番号】特願2017-547273(P2017-547273)
(86)(22)【出願日】2015年10月29日
(86)【国際出願番号】JP2015080519
(87)【国際公開番号】WO2017072905
(87)【国際公開日】20170504
【審査請求日】2018年2月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092978
【弁理士】
【氏名又は名称】真田 有
(74)【代理人】
【識別番号】100112678
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 雅久
(72)【発明者】
【氏名】平田 昂
【審査官】 阿部 圭子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−161105(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/196371(WO,A2)
【文献】 国際公開第2014/169687(WO,A1)
【文献】 Samsung,X2 connectivity issues in case of X2GW deployment,3GPP TSG-RAN WG3#78 R3-122639,2012年11月16日
【文献】 New Postcom,Discussion of enhanced mobility solutions between MeNB and HeNB,3GPP TSG-RAN WG3 adhoc_2010_06_Beijing R3-101850,2010年 7月 1日
【文献】 CATT,Consideration of Peer discovery and X2 setup,3GPP TSG-RAN WG3#81bis R3-131706,2013年10月11日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 − 7/26
H04W 4/00 − 99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基地局と接続するコアノードと、前記第1の基地局とは異なる第2の基地局と、の間の通信を中継する第1の中継ノードであって、
前記コアノードから基地局−コアノード間メッセージを受信する第1受信部と、
前記基地局−コアノード間メッセージが、前記第2の基地局が基地局間インタフェースにて基地局間接続する第2の中継ノードとの基地局間接続をサポートしない前記第1の基地局から送信されたメッセージであって、前記第2の基地局のアドレス情報を要求する情報要素を含むメッセージであるか否かを判定する判定部と、
前記基地局−コアノード間メッセージが、前記第1の基地局から前記第2の基地局宛に送信された、前記第2の基地局の前記アドレス情報を要求する情報要素を含むメッセージであると前記判定部にて判定されると、前記基地局−コアノード間メッセージを終端し、前記第1の中継ノードのアドレス情報を前記第1の基地局宛に送信する第1送信部と、
を備えた、中継ノード。
【請求項2】
前記第1の中継ノードのアドレス情報を受信した前記第1の基地局から、前記第2の基地局との基地局間接続の確立要求を受信する第2受信部と、
前記確立要求の受信に応じて前記第1の基地局と基地局間接続を確立する基地局間接続確立部と、
前記確立要求に対する応答を前記第1の基地局宛に送信する第2送信部と、を備えた、請求項1に記載の中継ノード。
【請求項3】
前記基地局間接続確立部は、前記確立要求の受信に応じて、前記第2の中継ノードを介した前記第2の基地局との基地局間接続の確立処理を開始する、請求項2に記載の中継ノード。
【請求項4】
前記基地局間接続確立部は、前記第1の基地局から前記要求を受信する前に、前記第1の基地局との基地局間接続が既に確立している場合、前記要求の受信を待たずに、前記第2の中継ノードを介した前記第2の基地局との基地局間接続の確立処理を開始する、請求項2に記載の中継ノード。
【請求項5】
前記基地局−コアノード間メッセージの送信元である前記第1の基地局の識別情報と、前記基地局−コアノード間メッセージの宛先である前記第2の基地局の識別情報と、を関連付けて記憶する記憶部と、
前記記憶部における前記識別情報に基づいて、前記第1の基地局と前記第2の基地局との間に前記第2の中継ノードを介して確立した基地局間接続を通じて送受信される基地局間メッセージの転送処理を行なう基地局間メッセージ処理部と、を備えた、請求項3又は4に記載の中継ノード。
【請求項6】
前記基地局間メッセージ処理部は、
前記基地局間接続が確立した前記第1の基地局から基地局間メッセージを受信すると、当該基地局間メッセージを、前記第1の基地局の識別情報を送信元情報に設定し、前記第2の基地局の識別情報を宛先情報に設定したメッセージにカプセル化して前記第2の中継ノード宛に送信する、請求項5に記載の中継ノード。
【請求項7】
前記基地局間メッセージ処理部は、
送信元情報が前記第2の基地局の識別情報に設定され、宛先情報が前記第1の基地局の識別情報に設定されてカプセル化された基地局間メッセージを前記第2の中継ノードから受信すると、前記カプセル化を解除した基地局間メッセージを前記第1の基地局へ送信する、請求項5に記載の中継ノード。
【請求項8】
前記基地局間メッセージ処理部は、
前記第1の基地局から宛先を指定しない基地局間メッセージを受信すると、前記記憶部における前記識別情報を基に宛先を決定し、決定した宛先毎に前記基地局間メッセージをカプセル化して前記第2の中継ノードへ送信する、請求項6に記載の中継ノード。
【請求項9】
前記第1の基地局との間に確立した基地局間接続における通信を監視し、当該通信の切断が検出されると、当該切断が検出された前記第1の基地局の識別情報に関連付けて記憶されているエントリを前記記憶部から削除する第1監視部を備えた、請求項5〜8のいずれか1項に記載の中継ノード。
【請求項10】
前記基地局間メッセージ処理部は、
前記記憶部から削除された前記第2の基地局の識別情報を宛先情報に設定した、基地局間接続の解放を要求する基地局間メッセージを前記第2の中継ノードへ送信する、請求項9に記載の中継ノード。
【請求項11】
前記第2の中継ノードから、前記第2の中継ノードと前記第2の基地局との間の基地局間接続が切断又は解放されたことに応じて送信された、前記カプセル化された基地局間メッセージを受信すると、当該基地局間メッセージの送信元情報に設定された前記第2の基地局の識別情報に対応するエントリを前記記憶部から削除する第2監視部を備えた、請求項7に記載の中継ノード。
【請求項12】
前記基地局間メッセージ処理部は、
前記第2監視部による前記エントリの削除に応じて、前記記憶部において、前記第2の基地局の識別情報との関連付けが無くなった前記第1の基地局について、当該第1の基地局との間に確立した基地局間接続による通信の切断処理を行なう、請求項11に記載の中継ノード。
【請求項13】
第1の基地局と、
第2の基地局と、
前記第1の基地局と接続するコアノードと、
前記第2の基地局と前記コアノードとの間の通信を中継する第1の中継ノードと、
前記第2の基地局が基地局間インタフェースにて基地局間接続する第2の中継ノードと、を備え、
前記第1の中継ノードは、
前記コアノードから基地局−コアノード間メッセージを受信する受信部と、
前記基地局−コアノード間メッセージが、前記第2の中継ノードとの基地局間接続をサポートしない前記第1の基地局から送信されたメッセージであって、前記第2の基地局のアドレス情報を要求する情報要素を含むメッセージであるか否かを判定する判定部と、
前記基地局−コアノード間メッセージが、前記第1の基地局から前記第2の基地局宛に送信された、前記第2の基地局の前記アドレス情報を要求する情報要素を含むメッセージであると前記判定部にて判定されると、前記基地局−コアノード間メッセージを終端し、前記第1の中継ノードのアドレス情報を前記第1の基地局宛に送信する送信部と、を備えた、無線通信システム。
【請求項14】
第1の基地局と、第2の基地局と、前記第1の基地局と接続するコアノードと、前記第2の基地局と前記コアノードとの間の通信を中継する第1の中継ノードと、前記第2の基地局が基地局間インタフェースにて基地局間接続する第2の中継ノードと、を備えた無線通信システムにおける通信方法であって、
前記第2の中継ノードとの基地局間接続をサポートしない前記第1の基地局から、前記コアノードへ、前記第2の基地局のアドレス情報を要求する情報要素を含む基地局−コアノード間メッセージを送信し、
前記コアノードから前記基地局−コアノード間メッセージを前記第1の中継ノードへ送信し、
前記第1の中継ノードが、前記第2の基地局のアドレス情報を要求する情報要素を含む前記基地局−コアノード間メッセージを受信したことに応じて、前記第1の中継ノードのアドレス情報を前記コアノード経由で前記第1の基地局へ応答する、無線通信システムにおける通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載する技術は、中継ノード、無線通信システム、及び、無線通信システムにおける通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
Third Generation Partnership Project(3GPP)が規定する通信方式の1つであるLong Term Evolution(LTE)において、X2インタフェースと称される複数の基地局間インタフェースを集約するゲートウェイ(GW)の設置が検討されている。
【0003】
複数のX2インタフェースを集約するGWは、便宜的に、「X2 GW」と称されてよい。X2 GWの設置により、特定の基地局にX2インタフェースによる接続(「X2接続」と称してもよい。)が集中して負荷が上昇することを回避あるいは抑制できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−41237号公報
【特許文献2】特開2013−150204号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】3GPP TS 36.300-c50
【非特許文献2】3GPP TS 36.413-c50
【非特許文献3】3GPP TS 36.423-c50
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
無線アクセスネットワークには、サポートする3GPPのリリースバージョンが新旧異なる基地局が混在していることがある。例えば、古いリリースバージョンの基地局(「レガシーな基地局」と称してもよい。)は、X2 GWとのX2接続をサポートしていないことがある。
【0007】
そうすると、無線アクセスネットワークにおいて、X2 GWとのX2接続が可能な基地局が一部に限られてしまい、X2 GWを設置しても、X2 GWの有効利用を図れないことがある。なお、X2 GWは、X2接続での通信を中継する「中継ノード」の一例であると捉えてもよい。
【0008】
1つの側面では、本明細書に記載する技術の目的の1つは、中継ノードとの接続をサポートしない基地局であっても、中継ノードとの接続をサポートする他の基地局との中継ノードを介した接続を確立できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
1つの側面において、中継ノードは、第1の基地局と接続するコアノードと、前記第1の基地局とは異なる第2の基地局と、の間の通信を中継する。当該中継ノードは、受信部と、判定部と、送信部と、を備えてよい。受信部は、前記コアノードから基地局−コアノード間メッセージを受信してよい。判定部は、前記基地局−コアノード間メッセージが、前記第2の基地局が基地局間インタフェースにて基地局間接続する第2の中継ノードとの基地局間接続をサポートしない前記第1の基地局から送信されたメッセージであって、前記第2の基地局のアドレス情報を要求する情報要素を含むメッセージであるか否かを判定してよい。送信部は、前記基地局−コアノード間メッセージが、前記第1の基地局から前記第2の基地局宛に送信された、前記第2の基地局の前記アドレス情報を要求する情報要素を含むメッセージであると前記判定部にて判定されると、前記基地局−コアノード間メッセージを終端し、前記第1の中継ノードのアドレス情報を前記第1の基地局宛に送信してよい。
【0010】
また、1つの側面において、無線通信システムは、第1の基地局と、第2の基地局と、前記第1の基地局と接続するコアノードと、前記第2の基地局と前記コアノードとの間の通信を中継する第1の中継ノードと、前記第2の基地局が基地局間インタフェースにて基地局間接続する第2の中継ノードと、を備えてよい。前記第1の中継ノードは、上述の受信部、判定部、及び、送信部を備えてよい。
【0011】
更に、1つの側面において、通信方法は、前記第2の中継ノードとの基地局間接続をサポートしない前記第1の基地局から、前記コアノードへ、前記第2の基地局のアドレス情報を要求する情報要素を含む基地局−コアノード間メッセージを送信してよい。また、前記通信方法は、前記コアノードから前記基地局−コアノード間メッセージを前記第1の中継ノードへ送信してよい。更に、前記通信方法は、前記第1の中継ノードが、前記第2の基地局のアドレス情報を要求する情報要素を含む前記基地局−コアノード間メッセージを受信したことに応じて、前記第1の中継ノードのアドレス情報を前記コアノード経由で前記第1の基地局へ応答してよい。
【発明の効果】
【0012】
1つの側面として、中継ノードとの接続をサポートしない基地局であっても、当該中継ノードとの接続をサポートする他の基地局との中継ノードを介した接続を確立できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】MME(Mobility Management Entity)とS1インタフェースによって接続する複数のマクロ基地局(MeNB)を有する無線通信システムの一例を示すブロック図である。
図2】MMEとS1インタフェースによって接続する複数のMeNB及びスモール基地局(HeNB)を有する無線通信システムの一例を示すブロック図である。
図3図2における複数のHeNBとMMEとの間の接続がゲートウェイ(HeNB GW)に集約される態様の一例を示す模式図である。
図4図1におけるMeNB間のX2インタフェースによるX2接続の態様の一例を示すブロック図である。
図5図2におけるMeNB及びHeNBを含む各eNB間のX2接続の態様の一例を示すブロック図である。
図6図5における複数のHeNBとMeNBとの間のX2接続がゲートウェイ(X2 GW)に集約される態様の一例を示す模式図である。
図7】X2メッセージにRNL(Radio Network Layer)ヘッダを付与してカプセル化したメッセージフォーマットの一例を示す模式図である。
図8図7に例示したRNLヘッダの情報要素(IE)の一例を示す模式図である。
図9図6の例においてX2メッセージの転送例を説明するための模式図である。
図10】eNB間のX2接続を確立する手順を説明するための模式図である。
図11】eNB間のX2 GWを介したX2接続を確立する手順の一例を示す模式図である。
図12】IPアドレスを問い合わせるS1メッセージのフォーマット例を示す図である。
図13】IPアドレスを応答するS1メッセージのフォーマット例を示す図である。
図14】MeNBがHeNBのIPアドレスを問い合わせる手順の一例を説明するための模式図である。
図15】レガシーMeNB(LMeNB)がHeNBのIPアドレスを問い合わせる手順の一例を説明するための模式図である。
図16図14及び図15に例示したHeNB GWの動作例を示すフローチャートである。
図17図14及び図15に例示したHeNB GWが記憶するX2マッピングテーブルの一例を示す図である。
図18図15に対応する手順を説明するためのシーケンス図である。
図19図15に例示したLMeNBとHeNBとの間のX2 GWを介したX接続の確立手順の一例を説明するための模式図である。
図20図15の例においてHeNB GWがX2 GWへ送信する、カプセル化されたX2メッセージのIEの一例を示す図である。
図21図19に対応するHeNB GWの動作例を示すフローチャートである。
図22図19に対応する手順を説明するためのシーケンス図である。
図23図19の動作例に係るHeNB GWが記憶するX2マッピングテーブルの一例を示す図である。
図24】HeNBがLMeNB宛に送信したX2メッセージの転送手順の一例を説明するための模式図である。
図25】LMeNBがHeNB宛に送信したX2メッセージの転送手順の一例を説明するための模式図である。
図26図24に対応するHeNB GWの動作例を示すフローチャートである。
図27図25に対応するHeNB GWの動作例を示すフローチャートである。
図28図24に対応する手順を説明するためのシーケンス図である。
図29図25に対応する手順を説明するためのシーケンス図である。
図30】LMeNBとHeNB GWとの間に確立したX2接続での通信が切断した場合の動作例を説明するための模式図である。
図31】X2 GWとHeNBとの間のX2接続による通信が切断した場合の動作例を説明するための模式図である。
図32】X2マッピングテーブルのエントリ削除に応じて、HeNB GWが、LMeNBと確立したX2接続での通信を切断する動作例を説明するための模式図である。
図33図30に対応するHeNB GWの動作例を示すフローチャートである。
図34図31及び図32に対応するHeNB GWの動作例を示すフローチャートである。
図35図30に対応する手順を説明するためのシーケンス図である。
図36図31及び図32に対応する手順を説明するためのシーケンス図である。
図37】HeNB GWの構成例を示すブロック図である。
図38】HeNB GWのハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して実施の形態を説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。また、以下に説明する各種の例示的態様は、適宜に組み合わせて実施しても構わない。なお、以下の実施形態で用いる図面において、同一符号を付した部分は、特に断らない限り、同一若しくは同様の部分を表す。
【0015】
3GPPのLTEでは、「eNB」と称される無線基地局(単に「基地局」と称してもよい。)について規定されている。「eNB」は、「evolved (Universal Mobile Telecommunications System Terrestrial Radio Access Network) Node B」の略称である。
【0016】
eNBが形成する無線エリアは、「セル」又は「セクタ」であってよい。eNBが形成するセルは、「マクロセル」と称されてよい。マクロセルを形成する無線基地局(eNB)は、「マクロ基地局」、「マクロeNB」、又は、「MeNB」等と称されてもよい。
【0017】
なお、「セル」は、無線基地局が送信する無線電波の到達可能範囲(「カバレッジ」と称してもよい。)に応じて形成される無線エリアの一例である。セル内に位置する移動局等の無線機器が、当該セルを形成する無線基地局と無線通信することが可能である。
【0018】
LTEでは、マクロセルの他にスモールセル(SC)を活用してシステム容量の増大を図る技術に関する議論が行なわれている。例えば、マクロセル(MC)に、マクロセルよりもカバレッジの小さい「スモールセル」が配置されることがある。
【0019】
「スモールセル」には、例示的に、「ホームセル」、「フェムトセル」、「ピコセル」、「マイクロセル」、「メトロセル」等と称されるセルが含まれてよい。
【0020】
スモールセルを形成する無線基地局は、「スモール基地局」と称されてよい。スモール基地局には、上記のスモールセルの称呼に応じて、ホーム基地局、フェムト基地局、ピコ基地局、マイクロ基地局、及び、メトロ基地局等が含まれてよい。ホーム基地局は、HeNB(Home eNodeB)と称されてよい。
【0021】
なお、マクロ基地局及びスモール基地局は、いずれも、無線アクセスネットワークを構成するネットワークエレメント(NE)の一例である。
【0022】
以下の説明では、便宜的に、スモール基地局の一例がHeNBであると仮定するが、スモール基地局は、フェムト基地局、ピコ基地局、マイクロ基地局、及び、メトロ基地局のいずれかであってもよい。
【0023】
図1に、複数のMeNBを備えた無線通信システム1の一例を示す。無線通信システム1は、便宜的に、「ネットワーク1」と称してもよい。図1に示す無線通信システム1は、例示的に、3つのMeNB#1〜#3を備えてよい。
【0024】
MeNB#i(i=1〜nのいずれかであって、nは例示的に2以上の整数である)は、それぞれ、マクロセルMC#iを形成する。なお、MeNB#i及びマクロセルMC#iを区別しなくてよい場合は、それぞれ、「MeNB」及び「マクロセルMC」と表記することがある。
【0025】
MeNBは、図1に例示するように、MMEと通信可能に接続されてよい。「MME」は、「Mobility Management Entity」の略称であり、コアネットワークのエンティティ又はノードの一例である。そのため、MMEは、「コアノード」と称されてもよい。別言すると、「コアノード」の一例が「MME」である。
【0026】
MMEは、コアネットワークにおいて、無線アクセスネットワークの制御を扱う制御プレーン(Control Plane)のアクセスゲートウェイとして機能してよい。例示的に、MMEは、制御プレーンにて、UE(User Equipment)等の無線機器の位置登録や、無線機器の呼出、基地局間ハンドオーバ等の管理をサポートしてよい。
【0027】
基地局の一例であるeNB(MeNB及びHeNBのいずれでもよい。)と、コアノードの一例であるMMEと、の間の接続インタフェースは、「S1インタフェース」と称されてよい。S1インタフェースによる接続は、便宜的に、「S1接続」と称してよい。「S1接続」は、「基地局−コアノード間接続」の一例である。
【0028】
「S1接続」にて送受信される信号やメッセージは、便宜的に、S1信号(又はS1AP信号)あるいはS1メッセージ(又はS1APメッセージ)と称してよい。「AP」は、「Application Protocol」の略称である。S1メッセージは、「基地局−コアノード間メッセージ」の一例である。
【0029】
MeNB#iが形成するマクロセルMC#iには、図2に例示するように、1又は複数のHeNB#j(j=1〜mのいずれかであって、mは自然数である。)が備えられてよい。HeNB#jは、それぞれ、スモールセルSC#jを形成してよい。
【0030】
HeNB#j及びスモールセルSC#jを区別しなくてよい場合は、それぞれ、「HeNB」及び「スモールセルSC」と表記することがある。また、MeNBとHeNBとを区別しなくてよい場合は、単に「eNB」と表記することがある。
【0031】
HeNB#jも、MeNB#iと同様に、S1インタフェースによってMMEに通信可能に接続されてよい。ただし、HeNBは、無線通信システム1において、マクロセルMCを形成するMeNBに比して大量に設置されることが想定される。大量に設置されたHeNBが、MMEに対して、直接、S1接続すると、MMEの負荷が増大し得る。
【0032】
MMEの負荷増大を抑制あるいは低減するために、HeNB#jは、直接、MMEにS1接続するのではなく、図3に模式的に例示するように、ゲートウェイ(GW)にS1接続されてよい。HeNB#jがS1接続されるGWは、便宜的に、「HeNB GW」と称してよい。
【0033】
複数のHeNB#jを収容した1台のHeNB GWが、MMEにS1接続することで、MMEが管理する、S1接続の数を減らすことができる。したがって、MMEの負荷を軽減することができる。
【0034】
例示的に、HeNB GWは、HeNB#jから受信したS1メッセージと、S1接続の下位レイヤに属するSCTPのメッセージと、を集約してMMEに通知してよい。「SCTP」は、「Stream Control Transmission Protocol」の略称である。
【0035】
例えば、無線通信システム1において、100台のHeNB#1〜#100が存在すると仮定する。100台のHeNBのそれぞれが、直接、MMEにS1接続する場合、100組のSCTP接続及びS1接続が確立するため、MMEは、100組のSCTP接続及びS1接続を管理することになる。
【0036】
これに対し、図3に例示するように、HeNB GWが設置されている場合、HeNB GWは、HeNBとの間のSCTP接続及びS1接続を終端し、MMEに対して、1組のSCTP接続及びS1接続を確立する。
【0037】
併せて、HeNB GWは、100台のHeNBとの間の、100組のSCTP接続及びS1接続と、MMEとの間の1組のSCTP接続及びS1接続と、を関連付ける。これにより、MMEは、HeNB GWとの間の1組のSCTP接続及びS1接続を管理すればよくなり、負荷が軽減される。
【0038】
なお、HeNBとHeNB GWとの間のSCTP接続及びS1接続のうち、何組のSCTP及びS1接続を、HeNB GWとMMEとの間の1組のSCTP接続及びS1接続に関連付けるか、また、どのような論理で関連付けるかは、実装マターでよい。
【0039】
また、無線通信システム1に、HeNB GWが設置されるか否かに関わらず、S1メッセージのフォーマットには変更を加えてなくてよい。HeNB GWが設置されても、図3に例示したように、SCTP接続とS1接続とは1対1に対応付けられるからである。
【0040】
ところで、LTEでは、S1インタフェースの他にX2インタフェースが規定されている。X2インタフェースは、基地局間通信を行なうための基地局間インタフェースの一例である。
【0041】
例えば図1に例示したMeNB#iは、図4に例示するように、互いに、X2インタフェースによって接続されて、X2インタフェースを介して通信することが可能である。
【0042】
X2インタフェースによる接続は、便宜的に、「X2接続」と称してよい。X2接続は、「基地局間接続」の一例である。X2接続にて送受信される信号やメッセージは、便宜的に、X2信号(又はX2AP信号)あるいはX2メッセージ(又はX2APメッセージ)と称されてよい。X2メッセージは、「基地局間メッセージ」の一例である。
【0043】
また、図2に例示したように、無線通信システム1に、HeNB#jが設置される場合、図5に例示するように、MeNB−MeNB間、MeNB−HeNB間、及び、HeNB−HeNB間のそれぞれがX2接続されてよく、X2接続による基地局間通信が行なわれてよい。
【0044】
ここで、無線通信システム1において大量に設置されたHeNB#jが、MeNB#iに対して、直接、X2接続すると、MeNBの負荷が増大し得る。
【0045】
MeNBの負荷増大を抑止あるいは低減するために、3GPPリリース12(3GPP Rel. 12)以降では、HeNBを、直接、MeNBにX2接続するのではなく、図6に模式的に例示するように、GWにX2接続することが検討されている。HeNBがX2接続されるGWは、便宜的に、「X2 GW」と称してよい。
【0046】
複数のHeNBがX2接続された1台のX2 GWが、MeNBにX2接続することで、MeNBが管理する、X2接続の下位レイヤに属するSCTP接続の数を減らすことができる。
【0047】
例示的に、X2 GWは、HeNBから受信したX2接続の下位レイヤに属するSCTPのメッセージを集約してMeNBに通知してよい。
【0048】
例えば、無線通信システム1に、100台のHeNB#1〜#100が存在すると仮定する。100台のHeBNは、それぞれ、SCTP接続及びX2接続を確立するため、100台のHeNBがMeNBと、直接、X2接続すると、MeNBは、100組のSCTP接続及びX2接続を管理することになる。
【0049】
これに対し、図6に例示するように、無線通信システム1に、HeNB GWが設置された場合、X2 GWは、HeNBとの間のSCTP接続を終端し、MeNBに対して1つのSCTP接続を接続してよい。
【0050】
併せて、X2 GWは、HeNBとの間の100組のSCTP接続及びX2接続と、MeNBとの間の1つのSCTP接続と、を関連付けてよい。これにより、MeNBは、例えば、1つのSCTP接続と、100個のX2接続と、を管理すればよくなり、負荷が軽減される。
【0051】
なお、MeNB−MeNB間、HeNB−MeNB間、及び、HeNB−HeNB間で、直接、X2接続する場合と、X2 GWを介してX2接続する場合とでは、異なるフォーマットのX2メッセージが用いられてよい。
【0052】
X2 GWを介してX2接続する場合では、図6に例示したように、MeNBとX2 GWとの間において、X2接続は1つのSCTP接続において1つに集約されず、SCTP接続とX2接続とが必ずしも1対1に対応付けられないからである。
【0053】
X2接続がX2 GWを介する場合、図7に例示するように、X2 GWを介さないX2メッセージをRNLヘッダと共にカプセル化したX2メッセージが用いられてよい。当該X2メッセージは、「X2AP: MESSAGE TRANSFER」と称されてよい。なお、「RNL」は、「Radio Network Layer」の略称である。RNLヘッダは、「X2AP: MESSAGE TRANSFER」の情報要素(Information Element, IE)の一例である。
【0054】
RNLヘッダには、図8に例示するように、IEの一例として、送信元eNB識別子(Source eNB ID)と、宛先eNB識別子(Target eNB ID)と、が含まれてよい。
【0055】
「eNB ID」は、eNBの識別情報の一例である。また、「Source eNB ID」は、カプセル化されたX2メッセージの送信元情報の一例であり、「Target eNB ID」は、カプセル化されたX2メッセージの宛先情報の一例である。
【0056】
X2 GWは、「X2AP: MESSAGE TRANSFER」を受信した場合、宛先情報「Target eNB ID」を参照して、受信した「X2AP: MESSAGE TRANSFER」の転送先を決定してよい。
【0057】
図9に、「X2AP: MESSAGE TRANSFER」の転送例を示す。図9には、図6と同様に、3台のHeNB#1〜#3がX2 GWに対してX2接続する態様を例示している。また、HeNB#1〜#3のeNB IDは、それぞれ、H1,H2及びH3であり、MeNB#1のeNBは、M1であると仮定する。
【0058】
HeNB#1は、MME宛に「X2AP: MESSAGE TRANSFER」を送信する場合、「Source eNB ID」に「H1」を設定し、「Target eNB ID」に「M1」を設定した「X2AP: MESSAGE TRANSFER」を生成してX2インタフェースへ送信する。
【0059】
X2 GWは、当該「X2AP: MESSAGE TRANSFER」をX2インタフェースにて受信すると、「Target eNB ID」を参照する。「Target eNB ID」には、MeNB#1のeNB IDである「M1」が設定されているので、X2 GWは、MeNB#1宛に、受信した「X2AP: MESSAGE TRANSFER」を転送する。
【0060】
HeNB#2及びHeNB#3が、MeNB#1宛に「X2AP: MESSAGE TRANSFER」を送信する場合も同様である。
【0061】
また、HeNB#3は、HeNB#2宛に「X2AP: MESSAGE TRANSFER」を送信する場合、「Source eNB ID」に「H3」を設定し、「Target eNB ID」に「H2」を設定した「X2AP: MESSAGE TRANSFER」を生成してX2インタフェースへ送信する。
【0062】
X2 GWは、当該「X2AP: MESSAGE TRANSFER」をX2インタフェースにて受信すると、「Target eNB ID」を参照する。「Target eNB ID」には、HeNB#2のeNB IDである「H2」が設定されているので、X2 GWは、HeNB#2宛に、受信した「X2AP: MESSAGE TRANSFER」を転送する。
【0063】
HeNB#3がHeNB#1宛に、HeNB#1がHeNB#2又は#3宛に、あるいは、HeNB#2がHeNB#1又は#3宛に、「X2AP: MESSAGE TRANSFER」を送信する場合も同様である。
【0064】
なお、X2 GWは、「Target eNB ID」で指定されたeNB宛への「X2AP: MESSAGE TRANSFER」の転送を可能にするために、eNBのID(eNB ID)とIP(Internet Protocol)アドレスとを関連付けて記憶しておく。なお、IPアドレスは、アドレス情報の一例である。
【0065】
例えば、X2 GWに接続するeNBは、起動時等において、X2 GW宛に、「Target eNB ID」とX2メッセージとを含まない「X2AP: MESSAGE TRANSFER」を送信してよい。
【0066】
X2 GWは、当該「X2AP: MESSAGE TRANSFER」の受信によって、「Source eNB ID」に設定されたeNB IDと、当該「X2AP: MESSAGE TRANSFER」の送信元アドレスの一例であるIPアドレスと、を関連付けて記憶することが可能である。
【0067】
(X2接続の確立手順)
次に、X2接続の確立手順の一例について説明する。
第1のeNBは、近隣に別の第2のeNBが存在することを検出した場合、第2のeNBに対してX2接続の確立を試行してよい。第1のeNB及び第2のeNBは共にMeNB及びHeNBのいずれであってもよい。
【0068】
第2のeNBが存在することは、例示的に、第1のeNB及び第2のeNBのセルの双方に位置するUE(User Equipment)が、第2のeNBから受信した信号に含まれる第2のeNBのIDを、第1のeNBに通知することで検出されてよい。なお、UEは、無線端末や無線機器の一例である。
【0069】
X2接続の確立には、例示的に、X2接続を行なう各eNBのIPアドレスが用いられてよい。そのため、第1のeNBは、第2のeNBとX2接続を確立する場合、第2のeNBのIPアドレスを取得する。
【0070】
第2のeNBのIPアドレスは、例示的に、第2のeNBとS1インタフェースによって接続するMMEが、S1メッセージを用いて取得できる。
【0071】
そのため、第1のeNBは、図10に模式的に例示するように、第2のeNBとX2 GWを介さないX2接続を確立する場合、以下の手順に例示するように、第2のeNBのIPアドレスをMMEに問い合わせて取得してよい。
【0072】
なお、図10において、eNB#1のeNB IDは「A」であり、IPアドレスは「a」であると仮定する。また、eNB#2のeNB IDは「B」であり、IPアドレスは「b」であると仮定する。
【0073】
(手順1)eNB#2の存在を検出したeNB#1は、S1メッセージ「S1AP: eNB CONFIGURATION TRANSFER」に、IPアドレスを知りたい相手eNB#2のeNB ID=Bを設定し、当該S1メッセージをMME宛に送信してよい。
【0074】
IPアドレスを知りたいeNBのeNB IDは、例えば図12に示すように、「S1AP: eNB CONFIGURATION TRANSFER」のIEである「Target eNB ID」に設定されてよい。IPアドレスを知りたいeNBがHeNBである場合は、「S1AP: eNB CONFIGURATION TRANSFER」の「SON Information Request」に「X2 TNL Configuration Info.」が指定されてよい。
【0075】
(手順2)MMEは、「S1AP: eNB CONFIGURATION TRANSFER」を受信すると、要求されたeNB ID=「B」のeNB#2宛に、IPアドレスの応答を要求する「S1AP: MME CONFIGURATION TRANSFER」を送信してよい。
【0076】
(手順3)「S1AP: MME CONFIGURATION TRANSFER」の受信により、IPアドレスの応答を要求されたeNB#2は、当該eNB#2のIPアドレス=「b」を設定した「S1AP: eNB CONFIGURATION TRANSFER」を、MMEへ返信してよい。
【0077】
なお、IPアドレスの応答を要求された(別言すると、問い合わせを受けた)eNBのeNB IDは、「S1AP: eNB CONFIGURATION TRANSFER」のIEである「Target eNB-ID」(例えば図13参照)に設定されてよい。
【0078】
(手順4)MMEは、eNB#2が送信した「S1AP: eNB CONFIGURATION TRANSFER」を受信すると、IPアドレス=「b」が設定された「S1AP: MME CONFIGURATION TRANSFER」を、IPアドレス要求元のeNB#1宛に送信する。
【0079】
(手順5)eNB#1は、MMEから当該「S1AP: MME CONFIGURATION TRANSFER」を受信することによって、相手eNB#2のIPアドレス=bを取得できる。したがって、eNB#1は、当該IPアドレス=bを用いて相手eNB#2に対してX2接続の確立を要求できる。
【0080】
以上のように、eNB#1は、X2 GWを介さないX2接続を確立しようとした場合、相手eNB#2のIPアドレスを、「S1AP eNB CONFIGURATION TRANSFER」にて、MMEに問い合わせてよい。
【0081】
これに対し、図11に模式的に例示するように、X2 GWとX2接続をサポートするeNB#1が、同じく当該X2 GWとのX2接続をサポートするeNB#2と、X2 GWを介したX2接続を確立する場合を想定する。
【0082】
この場合、eNB#1は、例えば、以下の手順で、相手eNB#2がX2 GWとのX2接続に用いるIPアドレスを取得できる。
【0083】
(手順1)eNB#1が、相手eNB#2がX2 GWとのX2接続に用いるIPアドレスを知りたい場合、「IE: eNB Indirect X2 Transport Layer Addresses」を含めた「S1AP: eNB CONFIGURATION TRANSFER」をMME宛に送信してよい。「IE: eNB Indirect X2 Transport Layer Addresses」(図12参照)に、eNB#1が接続可能なX2 GWのIPアドレスが設定されてよい。
【0084】
(手順2)当該「S1AP: eNB CONFIGURATION TRANSFER」は、図10の例と同様に、MMEから宛先eNB#2へ転送される。
【0085】
(手順3)eNB#2は、当該eNB#2がX2接続可能なX2 GWのIPアドレスを「IE: eNB Indirect X2 Transport Layer Addresses」(図13参照)に設定した「S1AP: eNB CONFIGURATION TRANSFER」を生成してMMEに返信してよい。
【0086】
(手順4)MMEは、当該「S1AP: eNB CONFIGURATION TRANSFER」で通知されたX2 GWのIPアドレスを、「IE: eNB Indirect X2 Transport Layer Addresses」に設定した「S1AP: MME CONFIGURATION TRANSFER」を生成してよい。MMEは、当該「S1AP: MME CONFIGURATION TRANSFER」をeNB#1宛に送信することで、IPアドレス要求元のeNB#1に、X2 GWのIPアドレスを通知、応答してよい。
【0087】
(手順5)eNB#1は、MMEから当該「S1AP: MME CONFIGURATION TRANSFER」を受信することによって、相手eNB#2がX2 GWとのX2接続に用いるIPアドレスを取得できる。
【0088】
したがって、eNB#1は、当該IPアドレスを用いて、相手eNB#2がX2接続可能なX2 GWに、当該X2 GWを介した相手eNB#2との間のX2接続の確立を要求できる。
【0089】
ところで、X2 GWは、既述のように、MeNBのセルに対して大量のHeNBが設置されたとしても、MeNBの負荷を軽減するために設置される。しかしながら、既述のように、X2 GWを介したX2接続とX2 GWを介さないX2接続とで、異なるフォーマットのX2メッセージが用いられると、既存ネットワークへの適合性が悪化し得る。
【0090】
例えば、3GPP Rel. 11以前のMeNBが、HeNBにX2接続しようとした場合にMME宛に送信する「S1AP: eNB CONFIGURATION TRANSFER」には、X2 GW向けの「IE: eNB Indirect X2 Transport Layer Addresses」は設定されない。
【0091】
一方、3GPP Rel. 12以降のHeNBは、MME宛の応答に用いる「S1AP: MME CONFIGURATION TRANSFER」に、「IE: eNB Indirect X2 Transport Layer Addresses」を設定する。しかし、3GPP Rel. 11以前のMeNBは、当該IEを読み取れない。
【0092】
そのため、X2 GWの設置は、MeNBが3GPP Rel. 12以降のバージョンで規定されるX2 GWとのX2接続をサポートしていることが前提となってしまう。
【0093】
そこで、以下では、無線通信システム1において、X2 GWとのX2接続をサポートするMeNBとサポートしないMeNBとが混在しても、いずれのeNB間についても適切なX2接続を可能にする技術の一例について説明する。
【0094】
なお、以下の説明では、3GPP Rel. 11以前のバージョンのMeNBや、3GPP Rel. 12以降のバージョンであってもX2 GWとの接続をサポートしていないMeNBを、便宜的に、「LMeNB(Legacy MeNB)」と総称する。
【0095】
具体例として、図14及び図15に例示するように、LMeNB、MeNB、HeNB、HeNB GW、X2 GW、及び、MMEを備えた無線通信システム1を例に説明する。
【0096】
なお、LMeNBは「第1の基地局」の一例であり、HeNBは「第2の基地局」の一例である。HeNB GWは、MMEとHeNBとの間の通信を中継する「第1の中継ノード」の一例である。X2 GWは、HeNBがX2接続可能な「第2の中継ノード」の一例である。
【0097】
図14及び図15に例示するHeNB GWは、例示的に、以下の処理を実施してよい。
【0098】
(1)HeNB GWには、S1接続での通信に用いられる第1のアドレス情報(例えば、IPアドレス)とは別に、X2接続の確立に用いられる追加的な第2のアドレス情報(例えば、IPアドレス)が割り当てられてよい。
【0099】
第2のIPアドレスは、便宜的に、「擬似X2接続用IPアドレス」と称してよい。第2のIPアドレスは、例えば、LMeNBが、当該HeNB GWにX2接続が可能なHeNBと、X2 GWを介したX2接続を確立する際に用いられてよい。
【0100】
(2)MeNB又はLMeNBが、HeNBとX2接続を確立するために、HeNBのIPアドレスをMME宛に要求すると、図14及び図15に例示するように、MMEから「S1AP: MME CONFIGURATION TRANSFER」がHeNB GWで受信される。なお、図14及び図15に例示する動作例については後述する。
【0101】
HeNB GWは、MMEから受信した「S1AP: MME CONFIGURATION TRANSFER」を構成するIEを確認して、「IE: eNB Indirect X2 Transport Layer Addresses」が設定(「選択」と称してもよい。)されているか否かを判定してよい。
【0102】
「IE: eNB Indirect X2 Transport Layer Addresses」が選択されていれば、当該「S1AP: MME CONFIGURATION TRANSFER」は、X2 GWとのX2接続をサポートするMeNBがMME宛に送信したS1メッセージであると判定できる。
【0103】
一方、「IE: eNB Indirect X2 Transport Layer Addresses」が選択されていなければ、当該「S1AP: MME CONFIGURATION TRANSFER」は、X2 GWとのX2接続をサポートしないLMeNBがMME宛に送信したS1メッセージであると判定できる。
【0104】
HeNB GWは、「IE: eNB Indirect X2 Transport Layer Addresses」が選択された「S1AP: MME CONFIGURATION TRANSFER」についてはHeNBへ転送(「透過」と称してもよい。)してよい。
【0105】
「IE: eNB Indirect X2 Transport Layer Addresses」が非選択の「S1AP: MME CONFIGURATION TRANSFER」については、HeNB GWは、HeNBへは転送せずに終端してよい。
【0106】
併せて、HeNB GWは、当該HeNB GWのIPアドレスの一例である擬似X2接続用IPアドレスを、MME宛に送信してよい。擬似X2接続用IPアドレスは、例示的に、MME宛の「S1AP: eNB CONFIGURATION TRANSFER」における「IE: eNB Indirect X2 Transport Layer Addresses」に設定されてよい。
【0107】
併せて、HeNB GWは、受信した「S1AP: MME CONFIGURATION TRANSFER」において、「IE: Target eNB ID」及び「IE: Source eNB ID」のそれぞれに設定されているeNB IDを関連付けて記憶してよい。
【0108】
例示的に、HeNB GWは、図17に示すようなX2マッピングテーブル19に、「IE: Target eNB-ID」及び「IE: Source eNB ID」のそれぞれに設定されているeNB IDを関連付けて登録、記憶してよい。
【0109】
ここで、「IE: Target eNB ID」に設定されているeNB IDは、例示的に、LMeNBがX2接続を試みたHeNBのeNB IDに相当する。「IE: Source eNB ID」に設定されているeNB IDは、例示的に、当該HeNBにX2接続を試みたLMeNBのeNB IDに相当する。
【0110】
なお、当該X2マッピングテーブル19には、X2接続が確立済みであるか否かを示すフラグ情報(例えば、Yes又はNo)が併せて登録されてよい。当該フラグ情報は、便宜的に、「X2確立フラグ」と称してよい。上記の関連付けがX2マッピングテーブル19に登録された時点では、X2接続は未確立であるため、X2確立フラグは「No」を示す情報に設定されてよい。
【0111】
(アドレス取得処理)
以下、図14図18を参照して、MeNB及びLMeNBが、HeNBとX2 GWを介したX2接続を確立しようとした場合の、IPアドレスの取得処理に着目した動作例について説明する。
【0112】
図14は、MeNBがHeNBとX2接続しようとした場合のメッセージ転送例を示し、図15は、LMeNBがHeNBとのX2接続を試みた場合のメッセージ転送例を示す。また、図16は、図14及び図15の例でのHeNB GWに着目した動作例を示すフローチャートである。更に、図18は、図15の例に対応するシーケンス図である。
【0113】
図14に例示するように、X2 GWとのX2接続をサポートするMeNBは、HeNBとX2 GWを介したX2接続を確立しようとする場合、HeNBがX2 GWとのX2接続に用いるIPアドレスをMMEに問い合わせて(あるいは要求して)よい。
【0114】
例えば、MeNBは、「IE: eNB Indirect X2 Transport Layer Addresses」(図12参照)を設定したS1メッセージ「S1AP: eNB CONFIGURATION TRANSFER」を、MME宛に送信してよい(手順1)。当該S1メッセージは、eNBがMMEにIPアドレスを要求するメッセージの一例であり、便宜的に、「eNBアドレス要求メッセージ」と称してよい。
【0115】
MMEは、MeNBが送信したeNBアドレス要求メッセージ「S1AP: eNB CONFIGURATION TRANSFER」を受信すると、図10の例と同様に、「S1AP: MME CONFIGURATION TRANSFER」をHeNB宛に送信してよい(手順2)。
【0116】
「S1AP: MME CONFIGURATION TRANSFER」は、MMEがeNBにIPアドレスを要求するS1メッセージの一例であり、便宜的に、MMEアドレス要求メッセージと称してよい。
【0117】
ここで、MMEは、当該MMEアドレス要求メッセージに、MeNBから受信したeNBアドレス要求メッセージの「IE: eNB Indirect X2 Transport Layer Addresses」を設定してよい。
【0118】
「IE: eNB Indirect X2 Transport Layer Addresses」の設定により、MMEアドレス要求メッセージにて、HeNBがX2接続可能なX2 GWのIPアドレスを要求できる。
【0119】
MMEがHeNB宛に送信したMMEアドレス要求メッセージ「S1AP: MME CONFIGURATION TRANSFER」は、宛先HeNBに到達する前に、宛先HeNBが接続するHeNB GWにて受信される。
【0120】
HeNB GWは、MMEアドレス要求メッセージ「S1AP: MME CONFIGURATION TRANSFER」を受信すると(図16の処理P10)、当該メッセージを構成するIEを確認してよい(図16の処理P11〜P13)。
【0121】
例えば、HeNB GWは、受信した「S1AP: MME CONFIGURATION TRANSFER」の「IE: SON Information」において「IE: SON Information Request」が選択されているか否かを確認してよい(処理P11)。
【0122】
「IE: SON Information Request」が選択されていれば(処理P11でYES)、HeNB GWは、「IE: SON Information Request」において「X2 TNL Configuration Info.」が選択されているか否かを更に確認してよい(処理P12)。
【0123】
「X2 TNL Configuration Info.」が選択されていれば(処理P12でYES)、HeNB GWは、「X2 TNL Configuration Info.」において「IE: eNB Indirect X2 Transport Layer Addresses」が設定されているか否かを確認してよい(処理P13)。
【0124】
図14の例では、MMEから受信したMMEアドレス要求メッセージ「S1AP: MME CONFIGURATION TRANSFER」には、「IE: eNB Indirect X2 Transport Layer Addresses」が設定されているから、処理P13においてYESと判定される。
【0125】
そのため、HeNB GWは、当該MMEアドレス要求メッセージ「S1AP: MME CONFIGURATION TRANSFER」を、HeNB宛に転送(「透過」と称してもよい。)してよい(処理P15及び図14の手順3)。
【0126】
なお、「IE: SON Information」において「IE: SON Information Request」が非選択の場合(図16の処理P11でNO)も、HeNB GWは、受信した「S1AP: MME CONFIGURATION TRANSFER」をHeNB宛に転送してよい。
【0127】
また、「IE: SON Information Request」は選択されているが「X2 TNL Configuration Info.」が非選択の場合(処理P11でYES及び処理P12でNO)も同様に、受信した「S1AP: MME CONFIGURATION TRANSFER」が、HeNBへ転送されてよい。
【0128】
HeNBは、HeNB GWから転送されたMMEアドレス要求メッセージ「S1AP: MME CONFIGURATION TRANSFER」を受信すると、当該HeNBがX2接続可能なX2 GWのIPアドレスをMME宛に返信、応答してよい(図14の手順4)。
【0129】
IPアドレスの応答には、例示的に、「S1AP: eNB CONFIGURATION TRANSFER」が用いられてよい。当該S1メッセージは、IPアドレスの問い合わせを受けたeNBがMME宛にIPアドレスを応答するメッセージの一例であり、便宜的に、「eNBアドレス応答メッセージ」と称してよい。
【0130】
例えば、HeNBは、X2 GWのIPアドレスを「IE: eNB Indirect X2 Transport Layer Addresses」(図13参照)に設定したeNBアドレス応答メッセージ「S1AP: eNB CONFIGURATION TRANSFER」を生成してMME宛に返信、応答してよい。
【0131】
当該eNBアドレス応答メッセージ「S1AP: eNB CONFIGURATION TRANSFER」は、MMEに到達する前に、HeNB GWにて受信される。HeNB GWは、eNBアドレス応答メッセージ「S1AP: eNB CONFIGURATION TRANSFER」の受信に応じて、既述の処理P11〜P13と同様に、IEの確認を行なってよい。
【0132】
ここで、HeNBが送信したeNBアドレス応答メッセージ「S1AP: eNB CONFIGURATION TRANSFER」には、「IE: eNB Indirect X2 Transport Layer Addresses」が設定されている。そのため、図16の処理P11〜P13でいずれもYESと判定される。
【0133】
したがって、HeNB GWは、HeNBから受信したeNBアドレス応答メッセージ「S1AP: eNB CONFIGURATION TRANSFER」を、MME宛に転送してよい(図16の処理P15及び図14の手順5)。
【0134】
MMEは、当該eNBアドレス応答メッセージで通知されたX2 GWのIPアドレスを、「IE: eNB Indirect X2 Transport Layer Addresses」に設定したS1メッセージ「S1AP: MME CONFIGURATION TRANSFER」を生成してよい。
【0135】
当該S1メッセージは、MMEがIPアドレスの要求元(別言すると、eNBアドレス要求メッセージの送信元)へIPアドレスを返信又は応答するメッセージの一例であり、便宜的に、「MMEアドレス応答メッセージ」と称してよい。
【0136】
MMEは、生成したMMEアドレス応答メッセージ「S1AP: MME CONFIGURATION TRANSFER」を、アドレス要求元のMeNB宛に送信してよい。当該MMEアドレス応答メッセージをMeNBが受信することで、MeNBにX2 GWのIPアドレスが通知される(図14の手順6)。
【0137】
以上のように、MeNBは、MMEに対して、HeNBがX2 GWとのX2接続に用いるIPアドレスをS1メッセージによって問い合わせることで、当該IPアドレスを取得できる。
【0138】
MeNBは、図11に例示したように、取得したIPアドレスを用いて、HeNBがX2接続可能なX2 GWに、当該X2 GWを介したHeNBとの間のX2接続の確立を要求できる。これにより、MeNBは、HeNBとX2 GWを介したX2接続を確立できる。
【0139】
次に、LMeNBが、HeNBとX2 GWを介したX2接続を確立しようとした場合の動作例について説明する。
【0140】
図15に例示するように、LMeNBは、HeNBのIPアドレスを要求するeNBアドレス要求メッセージ「S1AP: eNB CONFIGURATION TRANSFER」を、MME宛に送信してよい(手順1及び図18の処理P21)。
【0141】
当該eNBアドレス要求メッセージ「S1AP: eNB CONFIGURATION TRANSFER」には、「IE: SON Configuration Transfer」(図12参照)の「Target eNB ID」に、LLMeNBがIPアドレスを知りたいHeNBのeNB IDが設定されてよい。また、IPアドレスを知りたいeNBがHeNBであるため、「IE: SON Information Request」に、「X2 TNL Configuration Info.」が指定されてよい。
【0142】
ただし、LMeNBは、X2 GWとのX2接続をサポートしていないため、「X2 TNL Configuration Info.」に、「IE: eNB Indirect X2 Transport Layer Addresses」は設定されない(「設定をサポートしていない」と云ってもよい)。
【0143】
MMEは、LMeNBからeNBアドレス要求メッセージを受信すると、図10の例と同様に、HeNB宛に、MMEアドレス要求メッセージ「S1AP: MME CONFIGURATION TRANSFER」を送信して、IPアドレスの返信を要求してよい。当該処理は、図15の手順2及び図18の処理P22に相当する。
【0144】
ここで、MMEがLMeNBから受信したeNBアドレス要求メッセージ「S1AP: eNB CONFIGURATION TRANSFER」には、X2 GWとのX2接続が可能な場合に設定される「IE: eNB Indirect X2 Transport Layer Addresses」が設定されていない。
【0145】
そのため、MMEがHeNB宛に送信するMMEアドレス要求メッセージ「S1AP: MME CONFIGURATION TRANSFER」にも、「IE: eNB Indirect X2 Transport Layer Addresses」は設定されない。
【0146】
MMEからHeNB宛に送信されたMMEアドレス要求メッセージ「S1AP: MME CONFIGURATION TRANSFER」は、宛先HeNBに到達する前に、HeNB GWにて受信される。
【0147】
HeNB GWは、「S1AP: MME CONFIGURATION TRANSFER」を受信したため、図16の処理P11〜P13に例示したIEの確認(「判定処理」と称してもよい。)を実施してよい(図18の処理P23)。
【0148】
ここで、HeNB GWがMMEから受信したMMEアドレス要求メッセージ「S1AP: MME CONFIGURATION TRANSFER」には、「IE: SON Information Request」が設定され、また、「IE: X2 TNL Configuration Info.」が指定されている。そのため、図16の処理P11及びP12でYESと判定される。
【0149】
しかし、「IE: X2 TNL Configuration Info.」には、X2 GWとのX2接続が可能な場合に設定される「IE: eNB Indirect X2 Transport Layer Addresses」が設定されていないため、図16の処理P13でNOと判定される。別言すると、HeNB GWは、MMEから受信したMMEアドレス要求メッセージの送信元がLMeNBであると判定してよい。
【0150】
したがって、HeNB GWは、MMEから受信したMMEアドレス要求メッセージ「S1AP: MME CONFIGURATION TRANSFER」を、HeNB宛には転送せずに終端してよい。
【0151】
併せて、HeNB GWは、当該HeNB GWのIPアドレスを、MMEに応答、通知してよい。当該処理は、例えば、図15の手順4、図16の処理P14、及び、図18の処理P25に相当する。
【0152】
MMEに応答、通知するHeNB GWのIPアドレスは、既述の擬似X2接続用IPアドレスであってよい。例えば、HeNB GWは、図13に例示した、「IE: SON Configuration Transfer」の「IE: Target eNB ID」に擬似X2用IPアドレスを設定した「S1AP: eNB CONFIGURATION TRANSFER」を生成してMME宛に送信してよい。
【0153】
併せて、HeNB GWは、図17に例示したように、MMEから受信したMMEアドレス要求メッセージの「Source eNB ID」及び「Target eNB ID」のそれぞれに設定されていたeNB IDを関連付けてX2マッピングテーブル19に記憶してよい。
【0154】
図15の例では、MMEアドレス要求メッセージの「Source eNB ID」には、LMeNBのeNB IDが設定されており、「Target eNB ID」には、当該LMeNBがX2接続を試みたHeNBのeNB IDが設定されている。
【0155】
したがって、HeNB GWは、LMeNBのeNB IDと、当該LMeNBがX2接続を試みたHeNBのeNB IDと、を関連付けてX2マッピングテーブル19に登録、記憶してよい。
【0156】
なお、X2マッピングテーブル19への登録は、HeNB GWのIPアドレスを設定したeNBアドレス応答メッセージ「S1AP: eNB CONFIGURATION TRANSFER」をMME宛に返信する前でも後でもよいし、当該返信処理と並行して実施されてもよい。
【0157】
図18には、非限定的な一例として、判定処理P23の後、かつ、eNBアドレス応答メッセージ「S1AP: eNB CONFIGURATION TRANSFER」の返信処理P25の前に、X2マッピングテーブル19への登録処理P24が実施される態様が示されている。
【0158】
MMEは、HeNB GWからeNBアドレス応答メッセージにて通知されたHeNB GWのIPアドレスを含むMMEアドレス応答メッセージ「S1AP: MME CONFIGURATION TRANSFER」を生成してLMeNB宛に送信してよい。当該処理は、例えば図15の手順5及び図18の処理P26に相当する。
【0159】
当該MMEアドレス応答メッセージ「S1AP: MME CONFIGURATION TRANSFER」においても、HeNB GWのIPアドレスは、図13に例示したように、「IE: SON Configuration Transfer」の「IE: Target eNB ID」に設定されてよい。
【0160】
LMeNBは、MMEから当該MMEアドレス応答メッセージ「S1AP: MME CONFIGURATION TRANSFER」を受信することによって、X2接続を確立しようとしたHeNBのIPアドレスの代わりに、HeNB GWのIPアドレスを取得する。
【0161】
ただし、LMeNBは、取得したHeNB GWのIPアドレスが、X2接続を確立しようとしたHeNBのIPアドレスであると認識している。そのため、LMeNBは、以後、取得したIPアドレスを用いてHeNBに対してX2接続の確立を要求しているつもりでも、実際には、HeNB GWに対して要求を行なっていることになる。
【0162】
HeNB GWは、LMeNBからHeNBに対するX2接続の確立が要求されると、例えばX2マッピングテーブル19のエントリに基づいて、LMeNBとHeNBとのX2 GWを介したX2接続の確立処理を実施してよい。
【0163】
(X2 GWを介したX2接続の確立処理)
以下、LMeNBとHeNBとのX2 GWを介したX2接続の確立処理について、図19図23を参照して説明する。
【0164】
HeNB GWは、X2マッピングテーブル19へのエントリ登録後、登録されたLMeNBと既にX2接続を確立しているか否かを確認してよい(図21の処理P31及び図22の処理P41)。
【0165】
LMeNBとX2接続が未確立であれば(図21の処理P31及び図22の処理P41でNO)、HeNB GWは、LMeNBからX2接続の確立を要求するX2メッセージ「X2AP: X2 SETUP REQUEST」の受信待ち状態となる(図21の処理P32)。当該X2メッセージは、便宜的に、「X2接続確立要求メッセージ」と称してよい。
【0166】
LMeNBから「X2AP: X2 SETUP REQUEST」を受信すると、HeNB GWは、LMeNBに、その応答メッセージである「X2AP:X2 SETUP RESPONSE」を返信して、LMeNBとのX2接続を確立してよい。当該処理は、例示的に、図19の手順1及び2、並びに、図22の処理P42及びP43に相当する。
【0167】
HeNB GWは、「X2AP:X2 SETUP RESPONSE」をLMeNB宛に送信することで、LMeNBに、X2接続の確立を希望するHeNBとのX2接続が正常に確立することを認識させることができる。
【0168】
別言すると、LMeNBは、図10の手順5に例示したように、通常通り、X2接続の確立を希望するHeNB宛に「X2AP: X2 SETUP REQUEST」を送信すれば、HeNBとのX2接続が正常に確立することを認識できる。
【0169】
その後、HeNB GWは、LMeNBとのX2接続が確立したかを確認してよい(図21の処理P33及び図22の処理P44)。
【0170】
LMeNBとのX2接続が確立していれば(処理P33及び処理P44でYES)、HeNB GWは、HeNBとのX2 GWを介したX2接続の確立処理を開始してよい(図19の手順3)。これにより、HeNB GWは、LMeNBに対して追加的な処理を負担させずに、X2 GWを介したHeNBとのX2接続の確立を開始できる。
【0171】
例えば、HeNB GWは、LMeNBから受信した「X2AP: X2 SETUP REQUEST」を転送メッセージ「X2AP: X2AP MESSAGE TRANSFER」にカプセル化してX2 GW宛に送信してよい。当該処理は、例示的に、図19の手順3、図21の処理P34、及び、図22の処理P45に相当する。
【0172】
図20に例示するように、当該転送メッセージ「X2AP: X2AP MESSAGE TRANSFER」に含まれる「IE: RNL Header」の「IE: Source eNB ID」には、「X2AP: X2 SETUP REQUEST」の送信元であるLMeNBのeNB IDが設定されてよい。また、「IE: Target eNB ID」には、X2マッピングテーブル19において当該LMeNBのeNB IDと関連付けられたHeNBのeNB IDが設定されてよい。
【0173】
X2 GWは、HeNB GWから「X2AP: X2AP MESSAGE TRANSFER」を受信すると、「IE: Target eNB ID」に設定されているeNB IDによって識別されるHeNB宛に、受信した「X2AP: X2AP MESSAGE TRANSFER」を転送してよい。
【0174】
HeNBは、X2 GWから「X2AP: X2 MESSAGE TRANSFER」を受信すると、「XAP: X2 SETUP REQUEST」に対する応答メッセージ「X2AP: X2 SETUP RESPONSE」を「X2AP: X2 MESSAGE TRANSFER」にカプセル化してX2 GW宛に返信する。
【0175】
以上のX2 GWとHeNBとの間の「X2AP: X2 MESSAGE TRANSFER」の送受信処理は、例示的に、図22の処理P46及びP47に相当し、これにより、X2 GWとHeNBとの間のX2接続が確立する。
【0176】
X2 GWは、HeNBから「X2AP: X2 SETUP RESPONSE」を含む「X2AP: X2 MESSAGE TRANSFER」が受信されると、当該「X2AP: X2 MESSAGE TRANSFER」をHeNB GW宛に転送してよい(図22の処理P48)。
【0177】
HeNB GWが、X2 GWから「X2AP: X2 SETUP RESPONSE」を含む「X2AP: X2 MESSAGE TRANSFER」を受信すると、HeNB GWとX2 GWとの間のX2接続が確立する。これにより、HeNB GWとHeNBとの間にX2 GWを介したX2接続が確立する(図21の処理P34)。したがって、LMeNBとHeNBとの間にHeNB GW及びX2 GWを介したX2接続が確立する。
【0178】
HeNB GWは、LMeNBとHeNBとのX2接続が確立すると、X2マッピングテーブル19において、X2接続の確立したLMeNB及びHeNBに対応するエントリのX2確立フラグを、確立済み(Yes)を示す情報に更新してよい。当該処理は、例示的に、図21の処理P35及び図22の処理P49に相当する。
【0179】
なお、X2マッピングテーブル19に登録されたLMeNBが、既に別の1又は複数のHeNBとX2接続を確立している場合が有り得る。
【0180】
別言すると、X2マッピングテーブル19に登録されたLMeNBと、HeNB GWが既にX2接続を確立していることがある。この場合、X2マッピングテーブル19において、例えば図23に示すように、同じeNB IDのLMeNBについてX2確立フラグが「Yes」である別のエントリが登録済みである。
【0181】
X2確立フラグが「Yes」である別のエントリが登録済みであれば、HeNB GWは、LMeNBから「X2AP: X2 SETUP REQUEST」の受信を待たずに、上述したHeNBとのX2 GWを介したX2接続の確立処理を開始してよい。
【0182】
当該処理は、例示的に、図19の手順3、並びに、図21の処理P31及び図22の処理P41でYESと判定された場合の処理に相当する。
【0183】
これにより、HeNB GWは、LMeNBに対して追加的な処理を負担させずに、また、迅速に、LMeNBがX2接続を希望するHeNBとの間にX2 GWを介したX2接続を確立できる。
【0184】
なお、X2接続の確立処理を開始したが、例えば或る設定時間を経過してもX2接続を確立できなかった場合(図21の処理P33及び図22の処理P44でNO)、HeNB GWは、X2確立フラグを更新せずに処理を終えてよい。
【0185】
(LMeNBとHeNBとの間のX2接続におけるメッセージ転送処理)
次に、上述のごとくLMeNBとHeNBとの間に確立したX2接続におけるメッセージ転送処理の一例について、図24図29を参照して説明する。
【0186】
HeNB GWは、X2マッピングテーブル19のエントリに基づいて、LMeNBとHeNBとの間に確立したX2接続にて送受信されるX2メッセージを中継処理してよい。
【0187】
中継処理には、例示的に、X2メッセージをカプセル化する処理や、カプセル化されたX2メッセージを解除(「デカプセル化」と称してもよい。)する処理が含まれてよい。
【0188】
X2メッセージのカプセル化やカプセル化されたX2メッセージのデカプセル化は、X2メッセージのフォーマット変換の一例であると捉えてもよい。当該フォーマット変換は、新旧X2インタフェース間の変換と捉えてもよい。
【0189】
例えば、LMeNBがX2接続に用いるX2インタフェースが「旧X2インタフェース」に相当し、3GPP Rel. 12以降のバージョンのeNBがX2接続に用いるX2インタフェースが「新X2インタフェース」に相当すると捉えてよい。
【0190】
HeNB GWにおける、新旧X2インタフェースの相互変換によって、LMeNBの旧X2インタフェースと、HeNBが新X2インタフェースにて接続するX2 GWの新X2インタフェースとを、正常に接続することが可能になる。
【0191】
図24及び図28に、HeNBからLMeNBへのX2メッセージの転送処理の一例を示し、図25及び図29に、LMeNBからHeNBへのX2メッセージの転送処理の一例を示す。また、図26に、図24及び図28に対応するHeNB GWでの動作例を示し、図27に、図25及び図29に対応するHeNB GWでの動作例を示す。
【0192】
(HeNBからLMeNBへのX2メッセージの転送処理)
【0193】
図24及び図28に例示するように、HeNBがLMeNB宛に、X2メッセージがカプセル化された「X2AP: X2AP MESSAGE TRANSFER」を、送信したと仮定する(図24の手順1及び図28の処理P71)。
【0194】
当該「X2AP: X2AP MESSAGE TRANSFER」は、X2 GWで受信され、X2 GWは、受信した「X2AP: X2AP MESSAGE TRANSFER」をHeNB GWへ転送する(図24の手順2及び図28の処理P72)。
【0195】
HeNB GWへ転送される「X2AP: X2AP MESSAGE TRANSFER」は、図24に例示するように、カプセル化されているため、「IE: Target eNB ID」及び「IE: Source eNB ID」を含む「IE: RNL Header」が設定されている。例えば、「IE: Target eNB ID」には、LMeNBのeNB IDが設定され、「IE: Source eNB ID」には、HeNBのeNB IDが設定されている。
【0196】
カプセル化されたX2メッセージは、HeNB GWにて受信される(図26の処理P51)。HeNB GWは、カプセル化されたX2メッセージの「IE: Target eNB ID」及び「IE: Source eNB ID」に設定されたeNB IDの組み合わせが、X2マッピングテーブル19に登録されているか否かを確認してよい(図26の処理P52及び図28の処理P73)。
【0197】
図24及び図28の例では、LMeNB及びHeNBのeNB IDの組み合わせがX2マッピングテーブル19に登録済みであるから、図26の処理P52においてYESと判定される。
【0198】
したがって、HeNB GWは、「X2AP: X2AP MESSAGE TRANSFER」にカプセル化されたX2メッセージをデカプセル化して、X2メッセージを「IE: Target eNB ID」で指定されたLMeNB宛に転送してよい。当該処理は、例示的に、図24の手順3及び手順4、図26の処理P53、並びに、図28の処理P74及びP75に相当する。
【0199】
なお、X2 GWから受信したメッセージの「IE: Target eNB ID」及び「IE: Source eNB ID」に設定されたeNB IDの組み合わせが、X2マッピングテーブル19に登録されていなければ、HeNB GWは、受信したメッセージを破棄してよい。当該処理は、例示的に、図26の処理P52でNOと判定されて処理P54が実施されることに相当する。
【0200】
(LMeNBからHeNBへのX2メッセージの転送処理)
一方、LMeNBが、HeNB宛に、「X2AP: X2AP MESSAGE TRANSFER」にカプセル化されていないX2メッセージを送信したと仮定する(図25の手順1及び図29の処理P81)。
【0201】
当該X2メッセージは、HeNB GWにて受信される(図27の処理P61)。HeNB GWは、受信したX2メッセージの送信元であるLMeNBのeNB IDが、X2マッピングテーブル19に登録されているか否かを確認してよい(図27の処理P62)。
【0202】
登録されていれば(処理P62でYES)、HeNB GWは、受信したX2メッセージが宛先を特定(又は指定)したメッセージであるか否かを更に確認してよい(図27の処理P63及び図29の処理P82)。
【0203】
ここで、LMeNBは、通信相手であるHeNBがX2 GWとX2接続していることを認識していないため、SCTP接続とX2接続とが1対1に対応していない(例えば図6参照)可能性があることを認識していない。
【0204】
別言すると、LMeNBは、HeNBとの間に確立したX2接続にX2 GWが介在していることを認識していないため、X2接続とSCTP接続とが1対1の対応関係にあると認識している。
【0205】
そのため、LMeNBは、宛先を指定しないX2メッセージを送信したとしても、当該X2メッセージが正しくHeNBに到達すると認識している。よって、LMeNBからは、宛先を指定したX2メッセージが送信されることもあるし、宛先を指定しないX2メッセージが送信されることもある。
【0206】
宛先を指定したX2メッセージとは、例えば、X2メッセージの宛先情報に特定のeNBのeNB IDや当該eNBが形成する特定のセルやセルを分割したセクタを識別するID等が設定されたメッセージであってよい。当該X2メッセージには、ハンドオーバに関連する制御情報や、セルやセクタにおける送信電力制御のための制御情報が含まれてよい。
【0207】
LMeNBから受信したX2メッセージが宛先を指定したメッセージであれば(図27の処理P63及び図29の処理P82でYES)、HeNB GWは、受信したX2メッセージのIEから宛先を特定してよい(図27の処理P64)。
【0208】
そして、HeNB GWは、特定した宛先に対応するeNB IDが、X2マッピングテーブル19において、受信したX2メッセージの送信元LMeNBのeNB IDと関連付けて登録されているか否かを確認してよい(図27の処理P65)。
【0209】
登録されていれば(処理P65でYES)、HeNB GWは、LMeNBから受信したX2メッセージを「X2AP: X2AP MESSAGE TRANSFER」にカプセル化してX2 GW宛に送信してよい(図27の処理P66)。
【0210】
「IE: RNL Header」の「IE: Target eNB ID」には、受信したX2メッセージのIEから特定した宛先が設定され、「IE: Source eNB ID」には、X2メッセージの送信元LMeNBのeNB IDが設定されてよい。
【0211】
上述した図27の処理P64〜P66は、別言すると、受信したX2メッセージの転送先を、受信したX2メッセージに含まれるIEを基に判定、決定し、決定した1つの転送先に、受信したX2メッセージをカプセル化してX2 GWへ送信する処理である。当該処理は、例示的に、図25の手順2(2a)及び手順3、並びに、図29の処理P84及びP85に相当する。
【0212】
X2 GWは、HeNB GWから「X2AP: X2AP MESSAGE TRANSFER」にカプセル化されたX2メッセージを受信すると、「IE: RNL Header」の「IE: Target eNB ID」に示されるHeNB宛に、「X2AP: X2AP MESSAGE TRANSFER」を転送してよい。当該処理は、例示的に、図25の手順4及び図29の処理P86に相当する。
【0213】
なお、図27の処理P62又は処理P65でNOの場合、HeNB GWは、LMeNBから受信したX2メッセージを破棄してよい(図27の処理P68)。
【0214】
一方、図27の処理P63及び図29の処理P82において、LMeNBから受信したX2メッセージが宛先を指定しないメッセージであった場合(NOの場合)、HeNB GWは、X2マッピングテーブル19を基にX2メッセージの転送先を判定、決定してよい。
【0215】
例えば、HeNB GWは、X2マッピングテーブル19において、受信したX2メッセージの送信元LMeNBのeNB IDと関連付けられている全てのeNB IDに対応するeNBを、受信したX2メッセージの転送先に判定、決定してよい。
【0216】
この場合、HeNB GWは、受信したX2メッセージをカプセル化した「X2AP: X2AP MESSAGE TRANSFER」を、決定した転送先eNBの数だけ生成してX2 GWへ送信してよい。
【0217】
転送先毎の「X2AP: X2AP MESSAGE TRANSFER」の「IE: RNL Header」には、「IE: Target eNB ID」に、対応する転送先eNBのIDが設定されてよい。当該「IE: RNL Header」の「IE: Source eNB ID」には、X2メッセージの送信元LMeNBのeNB IDが設定されてよい。
【0218】
受信したX2メッセージが宛先を指定しないメッセージであった場合に実施される上述の処理は、例示的に、図25の手順2(2b)及び手順3、図27の処理P67、並びに、図29の処理P87〜P89に相当する。
【0219】
X2 GWは、HeNB GWから転送先毎に生成された「X2AP: X2AP MESSAGE TRANSFER」を受信すると、それぞれの「IE: Target eNB ID」に設定されたeNB IDが示す宛先eNBへ、「X2AP: X2AP MESSAGE TRANSFER」を転送する。当該処理は、例示的に、図25の手順4及び図29の処理P90に相当する。
【0220】
以上のように、上述した実施形態によれば、X2 GWとのX2接続をサポートするeNBとサポートしないeNBとの新旧eNBがネットワーク1に混在しても、HeNB GWを介して、全てのeNBがX2接続を確立してX2通信を実施することができる。
【0221】
別言すると、ネットワーク1に、HeNB GWを設置することで、旧eNBと新eNBとの間に、X2 GWを介したX2接続を確立できるので、X2 GWの有効利用を図ることができる。
【0222】
(SCTP異常発生時の動作例)
次に、上述したようにLMeNBとHeNBとの間にX2 GWを介したX2接続が確立した後、例えば、LMeNBとHeNBとの間、及び、X2 GWとHeNBとの間の少なくとも一方のX2接続に異常が発生した場合の動作例について説明する。
【0223】
図30及び図35に、LMeNBとHeNBとの間のSCTP接続に異常が発生してSCTP接続が切断された場合の動作例を示す。なお、SCTP接続が切断すると、SCTPの上位レイヤに相当するX2接続も切断する。
【0224】
また、図31図32及び図36に、HeNBとX2 GWとの間のSCTP接続に異常が発生してSCTP接続が切断された場合の動作例を示す。更に、図33に、図30及び図35に対応するHeNB GWでの動作例を示し、図34に、図31図32及び図36に対応するHeNB GWでの動作例を示す。
【0225】
(LMeNBとHeNBとの間のSCTP接続が切断した場合)
図30及び図35に例示するように、LMeNBとHeNBとの間のSCTP接続に異常が発生してSCTP接続が切断されると、当該切断がHeNB GWにおいて検出される。当該切断検出は、例示的に、図30の手順1、図33の処理P101、及び、図35の処理P121に相当する。
【0226】
LMeNBとの間のX2接続のSCTP接続の切断検出に応じて、HeNB GWは、X2マッピングテーブル19に、当該LMeNBのeNB IDと関連付けて登録されたHeNBのeNB IDが存在するか否かを確認してよい。当該処理は、例示的に、図33の処理P102及び図35の処理P122に対応する。
【0227】
X2マッピングテーブル19に、該当HeNBのeNB IDが存在すれば(図33の処理P102でYES)、HeNB GWは、X2接続の解放を要求する「X2AP: X2 RELEASE」を、該当HeNBの数だけ生成してX2 GW宛に送信してよい。
【0228】
各「X2AP: X2 RELEASE」の「IE: Global eNB ID」には、X2マッピングテーブル19に登録された、LMeNBのeNB IDが設定されてよい。「X2AP: X2 RELEASE」のそれぞれは、「X2AP: X2 MESSAGE TRANSFER」にカプセル化されてX2 GW宛に送信されてよい。
【0229】
以上の「X2AP: X2 RELEASE」の生成、カプセル化、X2 GWへの送信に係る処理は、例示的に、図30の手順2及び3、図33の処理P103、図35の処理P123に対応する。
【0230】
なお、HeNB GWからX2 GWへ送信された各「X2AP: X2 MESSAGE TRANSFER」は、X2 GWにて受信され、X2 GWから対応するHeNB宛にそれぞれ転送される(図30の手順5及び図35の処理P124)。これにより、HeNB GWにおいて、維持、管理しなくてよくなったX2接続を確実に解放でき、X2通信のためのリソースの有効利用を図ることができる。
【0231】
「X2AP: X2 MESSAGE TRANSFER」の送信に応じて(あるいは併せて)、HeNB GWは、X2マッピングテーブル19から、同じLMeNBに関連付けられているエントリの全てを削除してよい。
【0232】
これにより、X2マッピングテーブル19のために用意しておく記憶容量を削減できる。当該削除処理は、例示的に、図30の手順4、図33の処理P104、図35の処理P125に対応する。
【0233】
(X2 GWとHeNBとの間のSCTP接続が切断した場合)
図31及び図32に例示するように、X2 GWとHeNBとの間のSCTP接続が切断したと仮定する。
【0234】
X2 GWとHeNBとの間のSCTP接続の切断は、異常切断の場合の他に、HeNBがX2 GWとのX2接続の解放を要求するX2メッセージ「X2AP: X2 RELEASE」をX2 GW宛に送信した場合にも生じる。これらは、例示的に、図31及び図32の手順1、図36の処理P131に対応する。
【0235】
X2 GWは、SCTP接続の切断検出、又は、HeNBからの「X2AP: X2 RELEASE」の受信に応じて、該当HeNBのeNB IDを「Source eNB ID」に設定した「X2AP: X2 RELEASE」をHeNB GW宛に送信してよい。当該「X2AP: X2 RELEASE」は、「X2AP: X2 MESSAGE TRANSFER」にカプセル化されてよい。当該処理は、例示的に、図31及び図32の手順3、並びに、図36の処理P132に相当する。
【0236】
HeNB GWは、X2 GWから、「X2AP: X2 RELEASE」がカプセル化された「X2AP: X2 MESSAGE TRANSFER」を受信する(図34の処理P111)。
【0237】
HeNB GWは、「X2AP: X2 MESSAGE TRANSFER」の「IE: RNL Header」における「IE: Target eNB ID」に、X2マッピングテーブル19に登録されたLMeNBのeNB IDが設定されているか否かを確認してよい。
【0238】
また、HeNB GWは、受信した「X2AP: X2 MESSAGE TRANSFER」にカプセル化されている「X2AP: X2 RELEASE」の「IE: Target eNB ID」に、X2マッピングテーブル19に登録されたHeNBのeNB IDが設定されているか否かを確認してよい。
【0239】
別言すると、HeNB GWは、受信した「X2AP: X2 MESSAGE TRANSFER」の宛先と、カプセル化された「X2AP: X2 RELEASE」の送信元と、の組が、X2マッピングテーブル19に登録されているか否かを確認してよい。当該確認処理は、例示的に、図34の処理P112、及び、図36の処理P133に相当する。
【0240】
確認の結果、LMeNB宛の「X2AP: X2 MESSAGE TRANSFER」にカプセル化された「X2AP: X2 RELEASE」の送信元が、X2マッピングテーブル19に登録されたHeNBであれば、HeNB GWは、該当エントリを削除してよい。したがって、X2マッピングテーブル19のために用意しておく記憶容量を削減できる。
【0241】
当該エントリ削除は、例示的に、図31及び図32の手順4、図34の処理P112でYESと判定された場合の処理P113、並びに、図36の処理P134に相当する。
【0242】
エントリ削除に応じて、HeNB GWは、X2エントリテーブル19において、LMeNBのeNB IDに関連付けられたHeNBのeNB IDの数が「0」になったLMeNBのエントリが存在するか否かを確認してよい。当該確認処理は、例示的に、図34の処理P114、及び、図36の処理P135に対応する。
【0243】
X2エントリテーブル19において、LMeNBのeNB IDに関連付けられたHeNBのeNB IDの数が「0」になったLMeNBのエントリが存在すれば、HeNB GWは、該当するLMeNBとの間のSCTP接続を切断してよい。
【0244】
当該切断処理は、例示的に、図32の手順5、図34の処理P115、図36の処理P136に対応する。これにより、HeNB GWにおいて、維持、管理しなくてよくなった、LMeNBとのX2接続を確実に切断することができる。したがって、HeNB GWとLMeNBとの間のX2通信のためのリソースの有効利用を図ることができる。
【0245】
(動作例のまとめ)
上述した実施形態における無線通信システム1の動作例を、便宜的に、まとめて列挙すると、以下のとおりである。
【0246】
・HeNB GWは、基地局及びX2 GWとの間でメッセージを送受信することが可能である。
【0247】
・基地局間で送受信される、X2接続を確立するためのS1メッセージを、HeNB GWが読み取り、特定の条件を満たす場合、当該S1メッセージを宛先基地局へ転送せずに、HeNB GWにおいて終端してよい。「特定の条件」の一例は、S1メッセージの送信元が、X2 GWとのX2接続をサポートしない基地局であることである。
【0248】
・HeNB GWは、S1メッセージの送信元である第1の基地局宛に、HeNB GWのアドレス情報を通知してよい。HeNB GWのアドレス情報は、第1の基地局が、X2 GWに接続可能な第2の基地局と、X2 GWを介したX2接続を確立するために用いられてよい。
・HeNB GWは、内容を確認したS1メッセージから、X2接続の確立が希望されている基地局の組み合わせを記憶してよい。
【0249】
・HeNB GWは、当該HeNB GWのアドレス情報を通知した第1の基地局から、X2接続の確立要求を受信すると、当該要求を受け入れて、第1の基地局との間にX2接続を確立してよい。
【0250】
・HeNB GWは、第1の基地局との間のX2接続が確立したことに応じて、記憶しているX2接続の確立を希望している基地局の組み合わせを参照し、該当基地局間にX2接続を確立するためのメッセージをX2 GW宛に送信して、X2接続を確立してよい。
【0251】
・HeNB GWは、既に第1の基地局との間のX2接続が既に確立している場合、第1の基地局からのX2接続の確立要求の受信を待たずに、X2 GWを介した第2の基地局とのX2接続を確立する処理を開始してよい。
【0252】
・HeNB GWは、X2 GWを介さずにHeNB GWとX2接続が確立した第1の基地局と、X2 GWを介してHeNB GWとX2接続が確立した第2の基地局と、の組み合わせを記憶してよい。
【0253】
・HeNB GWは、第2の基地局からX2 GW経由でメッセージを受信した場合、受信したメッセージのカプセル化を解除して、第1の基地局宛に送信してよい。
【0254】
・HeNB GWは、第1の基地局から、X2 GWを介さないX2接続にて、宛先を指定したメッセージを受信した場合、受信したメッセージの情報要素から宛先を特定してよい。そして、HeNB GWは、特定した宛先に対応する基地局IDと、第1の基地局のIDと、を付与して受信メッセージをカプセル化し、カプセル化したメッセージをX2 GW宛に送信してよい。
【0255】
・HeNB GWは、第1の基地局から、X2 GWを介さないX2接続にて、宛先を指定しないメッセージを受信した場合、記憶しているX2接続確立済みの基地局の組み合わせから宛先を選定してよい。そして、HeNB GWは、選定した宛先毎に、宛先に対応する基地局IDと、第1の基地局のIDと、を付与して受信メッセージをカプセル化して、カプセル化したメッセージをX2 GW宛に送信してよい。
【0256】
・HeNB GWは、X2接続が確立した第1の基地局との間のX2接続が切断されたことを検出すると、記憶していた該当基地局の組み合わせを削除してよい。
【0257】
・HeNB GWは、X2 GWと第2の基地局との間のX2接続が切断されたことを示すメッセージをX2 GWから受信した場合、記憶していた該当基地局の組み合わせを削除してよい。
【0258】
・該当基地局の組み合わせの削除に応じて、HeNB GWにおいて記憶している基地局の組み合わせが無くなった場合、HeNB GWは、第1のeNBとの間のX2接続を切断してよい。
【0259】
なお、上述した実施形態では、基地局とコアノードとの間の接続である「基地局−コアノード間接続」の一例として、S1インタフェースによるS1接続を挙げたが、基地局とコアノードとの間の接続に相当する接続は、S1接続に限られなくてよい。
【0260】
別言すると、基地局とコアノードとの間の接続であれば、S1接続とは異なる接続であっても「基地局−コアノード間接続」に該当する。したがって、「基地局−コアノード間接続」において伝送されるメッセージも、S1メッセージに限られなくてよく、基地局とコアノードとの間の接続において伝送されるメッセージであれば、「基地局−コアノード間メッセージ」に該当する。
【0261】
同様に、「基地局間接続」は、X2インタフェースによるX2接続に限られなくてよく、基地局どうしの接続であれば「基地局間接続」に該当する。したがって、「基地局間接続」において伝送されるメッセージも、X2メッセージに限られなくてよく、基地局どうしの接続において伝送されるメッセージであれば、「基地局間メッセージ」に該当する。
【0262】
(HeNB GWの機能的な構成例)
図37に、上述した実施形態の動作例を実現可能なHeNB GWの機能的な構成例を例示する。図37に示すように、HeNB GWは、例示的に、HeNB向けS1送受信部11、MME向けS1送受信部12、X2 GW向けX2送受信部13、及び、LMeNB向けX2送受信部14を備えてよい。
【0263】
また、HeNB GWは、例示的に、S1メッセージ判定部15、X2確立部16、X2処理部17、X2監視部18、及び、X2マッピングテーブル19を備えてよい。
【0264】
HeNB向けS1送受信部11は、例示的に、HeNBとS1メッセージの送受信を行なう。
【0265】
MME向けS1送受信部12は、例示的に、MMEとS1メッセージの送受信を行なう。MME向けS1送受信部12は、MMEからS1メッセージを受信する第1受信部の一例である。また、MME向けS1送受信部12は、HeNB GWのIPアドレスを含む、LMeNB宛のS1メッセージをMMEへ送信する第1送信部の一例でもある。
【0266】
X2 GW向けX2送受信部13は、例示的に、X2 GWとX2メッセージの送受信を行なう。
【0267】
LMeNB向けX2送受信部14は、例示的に、LMeNBとX2メッセージの送受信を行なう。LMeNB向けX2送受信部14は、HeNB GWのIPアドレスを受信したLMeNBから、HeNBとのX2接続の確立要求を受信する第2受信部の一例である。また、LMeNB向けX2送受信部14は、当該確立要求に対する応答をLMeNB宛に送信する第2送信部の一例でもある。
【0268】
S1メッセージ判定部15は、例示的に、S1メッセージの一例である「MME CONFIGURATION TRANSFER」の受信に応じて、送信元eNBとの間でX2接続を確立するか否かを判定する。
【0269】
当該判定の結果に応じて、S1メッセージ判定部15は、X2マッピングテーブル19を更新してよい。例示的に、図16のフローチャートにて説明した動作例が、S1メッセージ判定部15にて実施されてよい。
【0270】
例えば、S1メッセージ判定部15は、受信したS1メッセージが、LMeNBを送信元とするアドレス要求メッセージであるか否かを判定してよい。
【0271】
LMeNBを送信元とするアドレス要求メッセージであるとの判定に応じて、S1メッセージ判定部15は、受信したアドレス要求メッセージをHeNBへ転送せずに終端してよい。
【0272】
そして、S1メッセージ判定部15は、HeNB GWのIPアドレスを含むアドレス応答メッセージを、MME向けS1送受信部12を通じて、IPアドレス要求元のLMeNB宛に送信してよい。
【0273】
X2確立部16は、「基地局間接続確立部」の一例であり、例示的に、X2 GW及びLMeNBとの間のX2接続を確立する処理を実施してよい。そのため、X2確立部16は、例示的に、X2 GW向けX2確立部161と、LMeNB向けX2確立部162と、を備えてよい。
【0274】
X2 GW向けX2確立部161は、例示的に、X2 GWとの間のX2接続を確立する処理を実施する。
【0275】
LMeNB向けX2確立部162は、例示的に、LMeNBとの間のX2接続を確立する処理を実施する。
【0276】
X2接続の確立に応じて、X2確立部16は、X2マッピングテーブル19を更新してよい。例示的に、図21のフローチャートにて説明した動作例が、X2確立部16にて実施されてよい。
【0277】
X2処理部17は、「基地局間メッセージ処理部」の一例であり、例示的に、X2送受信部13及び14を通じて送受信されるX2メッセージを処理してよい。そのため、X2処理部17は、例示的に、LMeNB向けメッセージ処理部171と、X2 GW向けメッセージ処理部172と、を備えてよい。
【0278】
LMeNB向けメッセージ処理部171は、例示的に、X2 GW向けX2送受信部13で受信されたX2メッセージをデカプセル化する。デカプセル化されたX2メッセージは、例示的に、LMeNB向けX2送受信部14を通じて、LMeNB宛に送信される。
【0279】
X2 GW向けメッセージ処理部172は、例示的に、LMeNB向けX2送受信部14で受信されたX2メッセージをカプセル化し、適切な「IE: Target eNB ID」を設定する。カプセル化されたX2メッセージは、例示的に、X2 GW向けX2送受信部13を通じて、X2 GW宛に送信される。
【0280】
X2処理部17において、例えば図26及び図27のフローチャートにて説明した動作例が実施されてよい。
【0281】
したがって、X2処理部17は、X2マッピングテーブル19のエントリに基づいて、LMeNBとHeNBとの間にX2 GWを介して確立したX2接続を通じて送受信されるX2メッセージの転送処理を行なう処理部の一例である。
【0282】
X2監視部18は、例示的に、X2接続の確立状態を監視し、X2マッピングテーブル19において不要になったエントリを削除してよい。また、X2監視部18は、不要なエントリの削除に応じて、確立を維持しなくてよいX2接続での通信を切断する処理を実施してよい。
【0283】
X2監視部18において、図33及び図34のフローチャートにて説明した動作が実施されてよい。図33のフローチャートに説明した動作を実施するX2監視部18は、第1監視部の一例である。図34のフローチャートに説明した動作を実施するX2監視部18は、第2監視部の一例である。
【0284】
X2マッピングテーブル19は、例示的に、既述のとおり、LMeNBのeNB IDと、HeNBのeNBと、を関連付けて、X2確立フラグと共に記憶してよい。
【0285】
(HeNB GWのハードウェア構成例)
図38に、HeNB GWのハードウェア構成例を示す。図38に示すHeNB GWは、例示的に、プロセッサ301、RAM(Random Access Memory)302、ROM(Read Only Memory)303、HDD(Hard Disc Drive)304、及び、ネットワークインタフェース(NW−IF)305を備えてよい。
【0286】
また、HeNB GWは、例示的に、入力インタフェース(IF)306、出力IF307、入出力IF308、及び、ドライブ装置309の全部又は一部をオプションとして備えてよい。
【0287】
プロセッサ301、RAM302、ROM303、HDD304、各IF305〜308、及び、ドライブ装置309は、例示的に、通信バス310に接続されて、プロセッサ301を介して相互に通信が可能であってよい。
【0288】
プロセッサ301は、演算能力を備えたプロセッサ回路又はプロセッサデバイスの一例であり、CPU(Central Processing Unit)や、MPU(Micro Processing Unit)等の集積回路(Integrated Circuit, IC)、DSP(Digital Signal Processor)等が用いられてよい。演算能力を備えたプロセッサ回路又はプロセッサデバイスは、「コンピュータ」と称してもよい。
【0289】
RAM302及びROM303は、いずれも、種々のデータやプログラムを記憶するメモリの一例である。「プログラム」は、「ソフトウェア」あるいは「アプリケーション」と称されてもよい。
【0290】
RAM302は、CPU301のワークメモリとして用いられてよい。例えば、ROM303やHDD304に記憶されたデータやプログラムが、RAM302に展開されて、プロセッサ301による演算に用いられてよい。
【0291】
HDD304は、記憶装置の一例であり、種々のデータやプログラムを記憶する。記憶装置の他の一例としては、ソリッドステートドライブ(SSD)等の半導体ドライブ装置や、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ等が挙げられる。したがって、HDD304は、SSDやフラッシュメモリに代替されてもよい。
【0292】
HDD304に記憶されるプログラムには、図37に例示したHeNB GWとしての各種機能の全部又は一部を実現可能なプログラム(便宜的に「HeNB GWプログラム」と称してよい。)が含まれてよい。なお、HeNB GWプログラムを成すプログラムコードの全部又は一部は、ROM303に記憶されてもよいし、オペレーティングシステム(OS)の一部として記述されてもよい。
【0293】
HDD304に記憶されるデータには、既述のX2マッピングテーブル19が含まれてよい。
【0294】
プロセッサ301が、HDD304に記憶されたOFCプログラムを例えばRAM302に展開して実行することにより、HeNB GWとしての各種機能が具現される。なお、RAM302、ROM303及びHDD304は、便宜的に、HeNB GWの「記憶部311」と総称してよい。
【0295】
プログラムやデータは、コンピュータ読取可能な記録媒体80に記録された形態で提供されてよい。記録媒体の一例としては、フレキシブルディスク、CD−ROM,CD−R,CD−RW,MO,DVD、ブルーレイディスク、ポータブルハードディスク等が上げられる。また、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の半導体メモリ70も記録媒体80の一例である。
【0296】
半導体メモリ70に記憶されたプログラムやデータは、例示的に、入出力IF308を通じてCPU301に読み出されてよい。また、記録媒体80に記憶されたプログラムやデータは、例示的に、ドライブ装置309を通じてCPU301に読み出されてよい。
【0297】
なお、プログラムやデータは、サーバコンピュータ等から通信回線を介してHeNB GWに提供(別言すると「ダウンロード」)されてもよい。例えば、NW−IF305を通じてプログラムやデータがHeNB GWに提供されてよい。また、プログラムやデータは、入力装置50から入力IF306を通じてHeNB GWに提供されてもよい。
【0298】
NW−IF305は、HeNB、MME、X2 GW及びLMeNBとのS1通信又はX2通信を可能にするインタフェースであり、HeNB GWにおいて1又は複数備えられてよい。
【0299】
1又は複数のNW−IF305によって、図37に例示したHeNB向けS1送受信部11、MME向けS1送受信部12、X2 GW向けX2送受信部13、及び、LMeNB向けX2送受信部14の一部又は全部が実現されてよい。
【0300】
入力IF306には、例示的に、入力装置50が接続されてよい。入力装置50の一例は、キーボードや、マウス、操作ボタン、マイクロフォン等である。
【0301】
出力IF307には、例示的に、出力装置の一例としての表示装置60が接続されてよい。表示装置60には、液晶ディスプレイ等が適用されてよい。タッチパネル式の液晶ディスプレイは、入力装置50にも該当すると捉えてよい。なお、出力IF307には、出力装置の他の一例として、プリンタやスピーカ等が接続されてもよい。
【0302】
入力装置50は、HeNB GWの管理者等による、HeNB GWに対する設定の登録や変更、HeNB GWの各種操作やデータの入力等の作業に用いられてよい。出力装置の一例である表示装置60は、HeNB GWの管理者等による設定の確認や、管理者等に対する各種通知等の出力に用いられてよい。
【0303】
なお、図38に例示するHeNB GWのハードウェア構成例は、あくまでも例示であり、HeNB GWにおいてハードウェアの増減が適宜に行なわれてよい。例えば、任意のハードウェアブロックの追加や削除、分割、任意の組み合わせでの統合、通信バスの追加又は削除等が、HeNB GWにおいて、適宜に行なわれてよい。
【符号の説明】
【0304】
1 無線通信システム
11 HeNB向けS1送受信部
12 MME向けS1送受信部
13 X2 GW向けX2送受信部
14 LMeNB向けX2送受信部
15 S1メッセージ判定部
16 X2確立部
161 X2 GW向けX2確立部
162 LMeNB向けX2確立部
17 X2処理部
171 LMeNB向けメッセージ処理部
172 X2 GW向けメッセージ処理部
18 X2監視部
19 X2マッピングテーブル
50 入力装置
60 表示装置
70 半導体メモリ
80 記録媒体
301 プロセッサ
302 RAM
303 ROM
304 HDD
305 ネットワークインタフェース(NW−IF)
306 入力インタフェース(IF)
307 出力IF
308 入出力IF
309 ドライブ装置
311 記憶部
MC マクロセル
SC スモールセル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38