特許第6443582号(P6443582)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6443582基板吸着ステージ、基板処理装置、基板処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6443582
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】基板吸着ステージ、基板処理装置、基板処理方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20181217BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20181217BHJP
   B23K 26/38 20140101ALI20181217BHJP
   B23K 26/146 20140101ALI20181217BHJP
【FI】
   H01L21/68 P
   H01L21/304 622H
   H01L21/304 601B
   B23K26/38 Z
   B23K26/146
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-503947(P2018-503947)
(86)(22)【出願日】2016年3月10日
(86)【国際出願番号】JP2016057627
(87)【国際公開番号】WO2017154173
(87)【国際公開日】20170914
【審査請求日】2018年5月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148057
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 淑己
(72)【発明者】
【氏名】松村 民雄
【審査官】 山口 大志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−070859(JP,A)
【文献】 特開2015−233078(JP,A)
【文献】 特開平09−045750(JP,A)
【文献】 特開2009−238986(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
B23K 26/146
B23K 26/38
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面を有し、内部に空洞が形成され、前記空洞から前記上面に至る噴出穴が形成され、前記噴出穴と前記上面をつなぐ吸着穴が形成された基板支持部と、
前記空洞の中に気体を供給する気体供給部と、を備え、
前記噴出穴は平面視で前記吸着穴を囲み、
前記空洞に気体が供給されると、前記吸着穴の気体が前記噴出穴を介して外部に放出されることを特徴とする基板吸着ステージ。
【請求項2】
前記吸着穴は、断面視で斜めに形成されたことを特徴とする請求項1に記載の基板吸着ステージ。
【請求項3】
前記基板支持部の前記上面は、前記吸着穴が形成された第1上面と、前記第1上面を囲み前記第1上面より低く形成された第2上面を有し、
前記噴出穴は前記第1上面と前記第2上面の段差部分につながっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の基板吸着ステージ。
【請求項4】
前記基板支持部は平面視で円形に形成され、
前記噴出穴は、前記基板支持部の外縁の接線に対し90°未満の角度で気体を吹き出すように形成されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の基板吸着ステージ。
【請求項5】
前記吸着穴として、前記噴出穴につながり前記噴出穴と平行に伸びる平行流路と、前記平行流路と前記基板支持部の上面をつなぐ接続流路とを形成し、
前記平行流路には、前記空洞側の領域と、前記基板支持部の外縁側の領域があり、前記外縁側の領域が前記噴出穴につながり、前記空洞側の領域が前記接続流路につながっていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の基板吸着ステージ。
【請求項6】
上面を有し、内部に空洞が形成され、前記空洞から前記上面に至る噴出穴が形成され、前記噴出穴と前記上面をつなぐ吸着穴が形成された基板支持部と、前記空洞の中に気体を供給する気体供給部と、を備え、前記噴出穴は平面視で前記吸着穴を囲み、前記空洞に気体が供給されると、前記吸着穴の気体が前記噴出穴を介して外部に放出される基板吸着ステージと、
前記基板吸着ステージの上の基板に液体処理を施す液体処理装置と、を備えたことを特徴とする基板処理装置。
【請求項7】
前記液体処理装置は、基板に液体を供給する液体供給部と、前記液体の中にレーザ光を供給するレーザ部と、を備えたことを特徴とする請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項8】
基板支持部の上面に基板をのせる工程と、
1つの気体供給部から前記基板支持部内の空洞に気体を供給することで、前記空洞につながる噴出穴から前記基板の裏面外周部に気体を吹き付けるとともに、前記基板支持部の上面と前記噴出穴をつなぐ吸着穴から気体を抜き前記基板を前記基板支持部に吸着させた状態で、前記基板に液体処理を施す工程と、を備えたことを特徴とする基板処理方法。
【請求項9】
前記基板支持部の上面は平面視で円形であり、
前記噴出穴から、前記基板支持部の上面の外縁の接線に対し90°未満の角度で気体を吹き出すことで、前記基板の裏面外周部全体に気体を吹き付けることを特徴とする請求項8に記載の基板処理方法。
【請求項10】
前記液体処理は、前記基板のおもて面に水をあてつつレーザ光で前記基板を切断するものであることを特徴とする請求項8又は9に記載の基板処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、基板に液体処理を施す際に用いられる基板吸着ステージ、基板処理装置及び基板処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばパワーデバイスなどのウエハプロセスでは、FZウエハの表面にトランジスタを形成し、その後ウエハの裏面を研削し、研削後の裏面にイオン注入をしたり金属電極膜を形成したりすることがある。ウエハを研削した結果ウエハの厚さが例えば100μm以下まで薄くするとウエハが数mm反り、イオン注入装置等で搬送できない。
【0003】
ウエハの反りを抑制するために、ウエハの外周側数mmを残しつつウエハの内側のみをくり抜く方法がある。厚いまま残した外周側の部分はリング部と呼ばれている。リング部は最終的にはウエハから切断する必要がある。リング部を切り離すために、水柱レーザを利用する方法がある。水柱レーザとは直径数十μmの高圧の水柱の中に導入したYAGレーザ光のことである。水柱レーザに用いた水には研削屑が混じっている。研削屑がウエハに付着すると異物又はシミの原因になって良品歩留りを下げる。また、そのような水がステージとウエハ裏面との間に入るとウエハがステージから離れずウエハが割れることがある。
【0004】
特許文献1には、基板を真空吸着する基板吸着ステージが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】日本特開2014−086638号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
基板に対し液体処理を施す場合は、基板の裏面側に液体が進入しないようにすべきである。そこで、600回転/分以上の回転数で基板をスピンさせ、遠心力で液体を外部に飛ばすことが考えられる。しかし、水柱レーザの走査速度は数百mm/秒以下であるので、ウエハ直径を200mmとした場合に回転数に換算すると数十回/分程度である。したがって、水柱レーザを利用した液体処理では、基板を高速でスピンさせることはできない。水柱レーザを利用する場合に限らず、基板の裏面側に液体が進入しないようにしつつ液体処理を行うことができる技術が求められていた。

【0007】
本発明は上述の問題を解決するためになされたものであり、基板の裏面側に液体が進入しないようにしつつ液体処理を行うことができる基板吸着ステージ、基板処理装置及び基板処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願の発明にかかる基板吸着ステージは、上面を有し、内部に空洞が形成され、該空洞から該上面に至る噴出穴が形成され、該噴出穴と該上面をつなぐ吸着穴が形成された基板支持部と、該空洞の中に気体を供給する気体供給部と、を備え、該噴出穴は平面視で該吸着穴を囲み、該空洞に気体が供給されると、該吸着穴の気体が該噴出穴を介して外部に放出されることを特徴とする。
【0009】
本願の発明にかかる基板処理装置は、上面を有し、内部に空洞が形成され、該空洞から該上面に至る噴出穴が形成され、該噴出穴と該上面をつなぐ吸着穴が形成された基板支持部と、該空洞の中に気体を供給する気体供給部と、を備え、該噴出穴は平面視で該吸着穴を囲み、該空洞に気体が供給されると、該吸着穴の気体が該噴出穴を介して外部に放出される基板吸着ステージと、該基板吸着ステージの上の基板に液体処理を施す液体処理装置と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
本願の発明にかかる基板処理方法は、基板支持部の上面に基板をのせる工程と、1つの気体供給部から該基板支持部内の空洞に気体を供給することで、該空洞につながる噴出穴から該基板の裏面外周部に気体を吹き付けるとともに、該基板支持部の上面と該噴出穴をつなぐ吸着穴から気体を抜き該基板を該基板支持部に吸着させた状態で、該基板に液体処理を施す工程と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
本発明のその他の特徴は以下に明らかにする。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、1つの気体供給部により、基板を基板支持部に真空吸着させるとともに基板の裏面外周部に気体を吹き付けることができるので、基板の裏面側に液体が進入しないようにしつつ液体処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施の形態1に係る基板吸着ステージの断面図である。
図2】基板支持部の平面図である。
図3】基板支持部の一部の平面図である。
図4】基板支持部の断面図である。
図5】基板処理装置を示す図である。
図6】基板処理装置に基板をセットしたことを示す図である。
図7】基板を基板吸着ステージに吸着させたことを示す図である。
図8】基板の切断方法を示す図である。
図9】基板の洗浄処理を示す図である。
図10】実施の形態2に係る基板支持部の一部平面図である。
図11】気体の流れを示す図である。
図12】実施の形態1における気体の流れを示す図である。
図13】実施の形態3に係る気体吸着ステージの断面図である。
図14】基板支持部の平面図である。
図15】第2部分等の平面図である。
図16】基板支持部の断面図である。
図17】気体の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施の形態に係る基板吸着ステージ、基板処理装置及び基板処理方法について図面を参照して説明する。同じ又は対応する構成要素には同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。
【0015】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る基板吸着ステージの断面図である。基板吸着ステージは基板を支持する基板支持部1を備えている。基板支持部1は上面1Cを有している。上面1Cは、第1上面1aと、第1上面1aよりも低く形成された第2上面1bを備えている。基板支持部1の内部には空洞1cが形成されている。空洞1cは、基板支持部1の概ね中央に位置している。
【0016】
基板支持部1には空洞1cから上面1Cに至る噴出穴1dと、噴出穴1dと上面1Cをつなぐ吸着穴1eが形成されている。噴出穴1dは、空洞1cにつながるとともに、第1上面1aと第2上面1bの段差部分につながっている。吸着穴1eは第1上面1aに形成されている。吸着穴1eは、基板支持部1の上面1Cと噴出穴1dをつなぐ流路を提供する。吸着穴1eは断面視で斜めに形成されている。
【0017】
基板支持部1は、第1部分1Aと第2部分1Bを備えている。第1部分1Aは、第1上面1aと吸着穴1eが形成された部分である。第2部分1Bは第2上面1bを有する部分である。第2部分1Bの大部分は第1部分1Aの下にある。第1部分1Aの下面と第2部分1Bの上面によって噴出穴1dの形状が決められている。
【0018】
図2は、基板支持部1の平面図である。第2上面1bは第1上面1aを囲んでいる。吸着穴1eは基板支持部1の中央部に複数形成されている。噴出穴1dは、第1上面1aと第2上面1bの境界に環状に形成されている。噴出穴1dは平面視で吸着穴1eを囲んでいる。第1部分1Aはねじ2によって第2部分1Bに固定されている。
【0019】
図3は、第1部分1Aの一部と、第2部分1Bとを示す平面図である。噴出穴1dの底面は第2部分1Bで形成されている。図3でハッチングが施された領域は、噴出穴1dの流路を示す。この流路は、空洞1cから離れる方向に伸びる8本の溝1fと、それらの溝1fにつながる環状の領域によって確保されている。第1部分1Aの一部が第2部分1Bに接することで、幅の狭い溝1fが形成されている。
【0020】
第1部分1Aと第2部分1Bにはねじ穴1gが形成されている。このねじ穴1gに、前述のねじ2が固定される。図1の基板支持部1は、図2の破線における断面図である。図
2、3の破線を同じ位置を表す。この破線は溝1fを含む部分をとおる線である。
【0021】
図4は、図2の一点鎖線における断面図である。一点鎖線は溝1fのない部分をとおる線である。溝1fが形成されていない部分では、図3に示す第1部分1Aが空洞1cと噴出穴1dの間を塞いでいるので、空洞1cと噴出穴1dはつながっていない。なお、図2、3の一点鎖線は同じ位置を示す。
【0022】
図1の説明に戻る。基板支持部1の下にはステージ回転軸3が設けられている。ステージ回転軸3はサーボモータ5によって回転する部分である。ステージ回転軸3の中は空洞3aとなっている。この空洞3aは基板支持部1の空洞1cにつながっている。ステージ回転軸3は固定筒9に囲まれている。固定筒9は、上部軸受ベアリング6、下部軸受ベアリング7及び回転シール8を備えている。上部軸受ベアリング6と下部軸受ベアリング7は回転するステージ回転軸3を支えるものである。回転シール8はOリング8aを介してステージ回転軸3に接している。
【0023】
空洞3aは、ステージ回転軸3と固定筒9の側面に設けられた穴、及びバルブ11を介して気体供給部10につながっている。気体供給部10は、例えば不活性ガスなどの気体を加圧して空洞3a、1cの中に供給するものである。
【0024】
図5は、上述の基板吸着ステージを備えた基板処理装置の断面図である。基板処理装置は、基板吸着ステージの上の基板に液体処理を施す液体処理装置20を備えている。液体処理装置20は、基板に液体を供給する液体供給部26と、液体の中にレーザ光を供給するYAGレーザ発振器であるレーザ部23とを備えている。レーザ光は光ファイバー25を通って水柱混合ノズル29に到達し、液体は高圧用配管27をとおって水柱混合ノズル29に到達する。
【0025】
また、ウエハの外周部に厚いリング部を有するくり抜きウエハを液体処理の対象とする場合に備えて、当該リング部を受けるリング部受け21が設けられている。リング部受け21の上面は基板支持部1の上面1Cよりも低い位置にある。
【0026】
次に、図5に示す基板処理装置を用いた基板処理方法について説明する。まず、基板支持部1の第1上面1aに基板をのせる。図6は、基板支持部1の第1上面1aに基板30をのせたことを示す図である。基板30は、ウエハの中央部をくり抜くことで中央部を薄く外周部を厚くしたくり抜きウエハである。外周部の厚い部分はリング部30aである。薄い中央部を第1上面1aに乗せ、リング部30aをリング部受け21に乗せる。
【0027】
次に、バルブ11を開ける。図7は、バルブ11を開けたことで生じる気流を矢印で示す図である。バルブ11を開けると気体供給部10から、ステージ回転軸3内の空洞3aと基板支持部1の空洞1cに加圧された気体が供給される。そして、噴出穴1dの一部である図3の溝1fをとおる気流が生成する。空洞1cから溝1fにかけて断面積が狭くなるので流速が増加しベンチュリ効果が生じる。これにより、吸着穴1eに真空を生じさせることで、基板30を第1上面1aに吸着させる。言いかえれば、空洞1cに加圧された気体が供給されると、吸着穴1eの気体が噴出穴1dを介して外部に放出される。噴出穴1dを通った加圧気体は、基板30の裏面外周部に向かって放出される。
【0028】
このように、基板30を第1上面1aに吸着させ、基板30の裏面外周部に向かって気体を吹き付けた状態を維持しつつ、基板30を切断する。図8は、基板の切断を説明する図である。液体供給部26から水柱混合ノズル29に高圧水28を供給する。また、レーザ部23から光ファイバー25を経由させて水柱混合ノズル29にレーザ光を供給する。水柱混合ノズル29から基板30の上面に対し直径数十μmの水柱を吹き付けつつ、その水柱の中に進入させたレーザ光で基板30を切断する。
【0029】
このとき、噴出穴1dから基板30の裏面外周部に放射状に気体が吹き付けられているので、レーザ屑を含んだ水31が基板30の裏面に侵入することを防止できる。基板30の切断を進めるために、例えばX−Yステージによって、基板支持部1とサーボモータ5とリング部受け21を一体的に回転させる。基板30送り速度は例えば数百mm/秒以下である。こうして、基板30を一回転させることで、基板30からリング部30aを切り離す。
【0030】
図9は、リング部切断後の動作を説明する図である。リング部30aの切断を終えると、リング部受け21を下に下げる。そして、洗浄シーケンスを開始する。図9に示すように、洗浄シーケンスは、気体供給部10から空洞3a、1cに加圧気体を供給した状態で行う。この状態で、基板30の表面に付着したレーザ屑を含んだ水31を液体によって洗い流す。具体的には、洗浄液供給部32から基板30の上面に洗浄液35を供給し、サーボモータ5で500回転/分以上の回転数で基板支持部1をスピンさせる。そうすると、基板30上の水31を遠心力で飛ばすことができる。適当なタイミングでバルブ33を閉じ、すべての洗浄液35を遠心力で飛ばす。なお、基板支持部1のスピン方向は矢印37で示されている。
【0031】
回転シール8とOリング8aによりステージ回転軸3の空洞3aをシーリングしているので、ステージ回転軸3の回転中に気体供給部10から空洞1cに加圧気体を供給することができる。そのため、基板30の裏面外周部に気体を吹き付けつつ、基板30に遠心力を及ぼすことができるので、基板30の裏面側へ水31が侵入することを防ぐことができる。
【0032】
このように、1つの気体供給部10から生じる1系統の加圧気体流のみで、基板吸着のための真空を生成することと、基板の裏面外周部に気体を吹き付けることができる。よって、真空生成用と気体噴き付け用の2系統の気流は不要である。液体処理では、基板30の裏面外周部に向かって気体を吹き付けつつ、基板30の上面に液体を供給するので、基板の裏面側に液体が回ることを防止できる。したがって、基板30の裏面が濡れたり、基板30の裏面が濡れてシミになったり、基板支持部1の上面1Cを濡らしたりすることを防止できる。
【0033】
本発明の実施の形態1の構成によれば、液体が基板裏面へ回りこむことを防止するために、基板を高速回転させる必要はない。そのため、基板支持部1を停止又は低速回転させた状態で基板の上面に液体処理を施すことができる。実施の形態1では、液体処理として、水柱レーザ切断加工を採用した。実施の形態1の基板吸着ステージを採用する場合、リング部受け21を図1に示す基板吸着ステージと分離して設けることで、基板処理装置が複雑な構造となることを防止できる。
【0034】
実施の形態1に係る発明で重要な点は、1つの気体供給部10から基板吸着ステージ内の空洞1cに気体を供給することで、噴出穴1dから基板30の裏面外周部に気体を吹き付けるとともに、吸着穴1eから気体を抜き基板30を基板吸着ステージに吸着させた状態で、基板30に液体処理を施すことである。上述の基板吸着ステージ、基板処理装置及び基板処理方法はこの特徴を失わない限りにおいて様々な変形をなしうる。例えば、実施形態1では基板のおもて面に水をあてつつレーザ光で基板を切断する液体処理を説明したが、液体を用いる処理であれば別の処理を実行しても良い。くり抜きウエハ以外の基板を処理対象としてもよい。液体処理の内容によっては、基板支持部を回転させるための要素を省略してもよい。
【0035】
これらの変形は以下の実施の形態に係る基板吸着ステージ、基板処理装置及び基板処理方法に適宜応用することができる。また、以下の実施の形態に係る基板吸着ステージ、基板処理装置及び基板処理方法については実施の形態1との共通点が多いので、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0036】
実施の形態2.
図10は、実施の形態2に係る第2部分1Bの平面図である。基板支持部1の第2部分1Bは平面視で円形に形成されている。図10の第2部分1Bは、溝1iの形状が図3の溝1fとは異なる。溝1iは、空洞1cに近い領域では直線的だが、空洞1cから遠い領域では曲線的に形成されている。この曲線的な部分によって、噴出穴1dから噴き出す気流に対し、第2部分1Bの外縁の接線方向に進む成分を与えることができる。
【0037】
図11は、空洞1cに加圧気体を供給したときの噴出穴1d内外の気体の流れを矢印で示す図である。矢印46の方向は噴出穴1dから出る気体の進行方向を示し、矢印46の長さは気体の速度を示す。そして、曲線46aは、噴出穴1dから出る気体の速度を表す。噴出穴1dから曲線46aまでの距離が、その位置での気体の速度を示す。噴出穴1dから曲線46aまでの距離はどの場所でも概ね均一なので、基板の裏面外周部に概ね均一流速の気体を吹き付けることができることが分かる。
【0038】
これに対し、実施の形態1の第2部分1Bの溝形状では、放射状にほぼ均等に気体を吹き出すことはできない。図12は、実施の形態1に係る溝形状を採用した場合の気体の進行方向を矢印で示す図である。矢印45の方向は噴出穴1dから出る気体の進行方向を示し、矢印45の長さは吹き出す気体の速度を示す。曲線45aは、噴出穴1dから出る気体の速度を表す。曲線45aから分かるように、気体の流れの方向に応じて気体の速度に強弱がある。吹き出す気流が強い場所45bに挟まれた場所45cでは、空洞1c方向の気流が発生することがある。このように噴出穴1dから出る気体の速度にばらつきがあると、基板裏面の特定の場所に液体が回り込むおそれがある。
【0039】
しかしながら、図11を参照しつつ説明したように、曲線的な溝1fを設けることで、基板の裏面外周部全体に概ね均一な流量の気体を吹き付けることができる。これにより、基板の裏面外周部へ液体が進入することを防止する効果を高めることができる。
【0040】
実施の形態2に係る溝1fの形状は適宜変形することができる。噴出穴1dは、基板支持部1の外縁の接線に対し90°未満の角度で気体を吹き出すように形成される限り、任意の形状とすることができる。
【0041】
実施の形態3.
図13は、実施の形態3に係る基板吸着ステージの断面図である。基板支持部1の第1部分1Aは仕切り板50を備えている。仕切り板50の下には噴出穴1dの一部があり、仕切り板50の上には吸着穴1eがある。吸着穴1eは、噴出穴1dにつながり噴出穴1dと平行に伸びる平行流路1kと、平行流路1kと基板支持部1の上面1Cをつなぐ接続流路1jにより構成されている。平行流路1kには、空洞1c側の領域と、基板支持部1の外縁側の領域がある。外縁側の領域が噴出穴1dにつながり、空洞1c側の領域が接続流路1jにつながっている。
【0042】
図14は、実施の形態3に係る基板吸着ステージの平面図である。図14の破線における断面図が図13である。図15は、実施の形態3に係る第2部分1Bと仕切り板50の平面図である。仕切り板50により溝50aが形成され、この溝50aが噴出穴1dの一部となっている。図16は、図14の一点鎖線における断面図である。仕切り板50が厚く形成されることで、空洞1cと噴出穴1dの間の空間を塞いでいる。なお、図14、15の破線と一点鎖線は同じ位置を表す。
【0043】
図17は、実施の形態3に係る基板支持部1の内部における気体の流れを矢印で示す図である。接続流路1jを平行流路1kの空洞1c側の部分につなぐことで、吸着穴1eの真空度を高めることができる。基板を基板支持部1に密着させることで、基板回転中に基板が浮いて基板が割れることを防止できる。
【0044】
実施の形態1の吸着穴1eは断面視で斜めになっているので、噴出穴1dを進む気体が吸着穴1eに入る「逆流」が生じ基板の吸着力を不安定化させるおそれがある。これに対し、本発明の実施の形態3に係る基板吸着ステージでは、平行流路1kと噴出穴1dが平行に伸びる部分があるので、吸着穴1eに気体が入ることを防止できる。
【0045】
なお、上記の各実施の形態の技術的特徴を適宜に組み合わせて、本発明の効果を高めても良い。
【符号の説明】
【0046】
1 基板支持部、 1A 第1部分、 1B 第2部分、 1C 上面、 1a 第1上面、 1b 第2上面、 1c 空洞、 1d 噴出穴、 1e 吸着穴、 5 サーボモータ、 10 気体供給部、 20 液体処理装置、 30 基板
図1
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