特許第6443630号(P6443630)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6443630電話システム、発信方法および携帯電話端末
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6443630
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】電話システム、発信方法および携帯電話端末
(51)【国際特許分類】
   H04Q 3/58 20060101AFI20181217BHJP
   H04M 3/42 20060101ALI20181217BHJP
【FI】
   H04Q3/58 106
   H04M3/42 Z
【請求項の数】8
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2015-210862(P2015-210862)
(22)【出願日】2015年10月27日
(65)【公開番号】特開2017-85313(P2017-85313A)
(43)【公開日】2017年5月18日
【審査請求日】2017年7月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000181
【氏名又は名称】岩崎通信機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092772
【弁理士】
【氏名又は名称】阪本 清孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119688
【弁理士】
【氏名又は名称】田邉 壽二
(72)【発明者】
【氏名】勝間 康裕
【審査官】 山田 倍司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−120000(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/032800(WO,A1)
【文献】 特開2004−236158(JP,A)
【文献】 特開2007−074424(JP,A)
【文献】 特開2002−315028(JP,A)
【文献】 特開2005−311845(JP,A)
【文献】 特開2011−120147(JP,A)
【文献】 特開2003−339076(JP,A)
【文献】 特開2010−087840(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04M 1/00
1/24− 3/00
3/16− 3/20
3/38− 3/58
7/00− 7/16
11/00−11/10
17/00−17/02
99/00
H04Q 3/58− 3/62
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビジネスホンシステムの主装置および端末を備え、
前記主装置は、携帯電話端末でのビジネスホン発信用アプリケーション用の設定情報から選択した端末識別番号を用いたビジネスホン発信用アプリケーションの発信操作に従って携帯電話端末のデータ通信機能を用いて送信された発信先電話番号端末識別番号および携帯電話端末の電話番号を含む発信指示を受信し、該発信指示を受信したとき、それに含まれる端末識別番号に対応する端末の送受話器がオフフックされることにより空き回線を捕捉して該空き回線を通して携帯電話端末から受信した発信先電話番号を用いて発信相手に発信し、この発信に対する発信相手からの応答に従って前記端末識別番号に従って選択された端末と発信相手の通話を可能とし、また、前記発信指示に含まれる携帯電話端末の電話番号を用いて、携帯電話端末ごとに発信履歴と通話料金の少なくとも一方を登録することができる、あるいは、携帯電話端末から通話録音開始指示を受信して、携帯電話端末ごとに通話を録音して保存することができることを特徴とする電話システム。
【請求項2】
前記主装置は、発信先電話番号端末識別番号および携帯電話端末の電話番号を含む発信指示を受信したとき、該発信指示に含まれる端末識別番号に対応する端末を着信状態にすることを特徴とする請求項1に記載の電話システム。
【請求項3】
前記主装置は、携帯電話端末のデータ通信機能を用いて送信された情報をWi−Fiのアクセスポイントまたは通信事業者基地局を経由して受信することを特徴とする請求項1または2に記載の電話システム。
【請求項4】
前記主装置は、さらに、携帯電話端末からビジネスホンシステムの電話回線識別番号を受信し、前記空き回線に代えて該電話回線識別番号に従う電話回線を指定して捕捉することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の電話システム。
【請求項5】
前記主装置は、さらに、着信時転送指示を受信し、発信相手に発信した後に該発信が放棄され、その後、発信相手からビジネスホンシステムに着信してもビジネスホンシステムの端末が一定時間応答しなかった場合、前記着信時転送指示が転送有りを指示していれば、該着信を前記携帯電話端末に転送することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の電話システム。
【請求項6】
前記主装置は、携帯電話端末から発信先電話番号、端末識別番号および該携帯電話端末の電話番号を受信し、その後、発信中止通知および先と同一の発信先電話番号、端末識別番号、携帯電話端末の電話番号を受信した場合には、先に着信状態にした端末への着信を停止させることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の電話システム。
【請求項7】
ビジネスホンシステムの主装置が、
携帯電話端末でのビジネスホン発信用アプリケーション用の設定情報から選択した端末識別番号を用いたビジネスホン発信用アプリケーションの発信操作に従って携帯電話端末のデータ通信機能を用いて送信された発信先電話番号端末識別番号および携帯電話端末の電話番号を含む発信指示を受信する第1のステップと、
前記発信指示に含まれる端末識別番号に対応する端末の送受話器がオフフックされることにより空き回線を捕捉する第2のステップと、
前記第2のステップにより捕捉された空き回線を通して携帯電話端末から受信した発信先電話番号を用いて発信相手に発信する第3のステップを有し、
前記第3のステップによるこの発信に対する発信相手からの応答に従って、前記端末識別番号に従って選択された端末と発信相手の通話を可能とし、また、携帯電話端末から送信された発信指示に含まれる携帯電話端末の電話番号を用いて、携帯電話端末ごとに発信履歴と通話料金の少なくとも一方を登録することができる、あるいは、携帯電話端末から通話録音開始指示を受信して、携帯電話端末ごとに通話を録音して保存することができる発信方法。
【請求項8】
請求項1ないし6のいずれか1つの電話システムを用いてビジネスホンシステムから発信相手に発信するために用いられる携帯電話端末であって、
ビジネスホン発信用アプリケーションの発信操作に従って携帯電話端末のデータ通信機能を用いて発信先電話番号および端末識別番号を含む発信指示を、ビジネスホンシステムの主装置に送信する機能を有することを特徴とする携帯電話端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話システム、発信方法および携帯電話端末に関し、特に、携帯電話端末での簡易な操作によって、ビジネスホンシステムから発信でき、さらに、ビジネスホンシステムにおいて種々の機能を実現できる電話システム、発信方法および携帯電話端末に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話端末の利用者は、社内から、その電話帳や発信履歴などに登録されている相手先に電話をかける場合、会社の電話番号を発信元電話番号として相手先に通知したい、会社の電話回線に通話料金の課金をさせたい、会社に通話内容を保存しておきたい、携帯電話端末の通話品質に不満があるのでビジネスホンの端末で通話したい、携帯電話端末のバッテリーの残容量が僅かであるのでビジネスホンの端末で通話したい、携帯電話端末の通信事業者による電波状況が悪いのでビジネスホンの端末で通話したい、携帯電話端末の表示部に表示されるスケジュール情報や電子メール内容を見ながら通話したい、持ちやすいビジネスホンシステムの端末の送受話器(ハンドセット)を利用したい、などといったことを望む場合がある。
【0003】
携帯電話端末が保存している電話帳や発着信履歴を利用して、携帯電話端末から直接、相手先に発信する場合は、その電話帳や発着信履歴を開き、相手先を選択して発信するだけでよく、WEBブラウザや電子メールなどのアプリケーションを利用して、携帯電話端末から直接、相手先に発信する場合には、そこに表示されている相手先の電話番号を選択して発信するだけでよい。
【0004】
しかし、上記のようなことを望んで、携帯電話端末の利用者が、ビジネスホンシステムを利用してその端末から相手先に発信する場合、携帯電話端末の利用者は、携帯電話端末が保存している電話帳や発着信履歴を開き、携帯電話端末の画面に表示されている相手先の電話番号を見ながら、ビジネスホンシステムの端末でダイヤル操作して発信し、あるいはWEBブラウザや電子メールなどのアプリケーションに表示されている電話番号を見ながら、ビジネスホンシステムの端末でダイヤル操作して発信することになる。この場合、携帯電話端末の利用者は、ビジネスホンシステムの端末で新たにダイヤル操作を行う必要があるので、手間がかかる。また、そのダイヤル操作で、誤ダイヤルが発生する可能性がある。
【0005】
上記のようなことを望んで、携帯電話端末の利用者が、ビジネスホンシステムを利用してその端末から相手先に発信する場合、操作を簡易にして手間がかからないようにするとともに、誤ダイヤルが発生しないようにすることが好ましい。また、携帯電話端末での簡易な操作によって、ビジネスホンシステムの各種機能を利用できるようにすることも好ましい。
【0006】
特許文献1には、ボタン電話器の誤操作防止方法および誤操作防止機能を有するボタン電話システムに関し、時間帯によるユーザ操作の傾向なども考慮して、以前のユーザ操作の履歴と現時点で行われたユーザのキー入力操作を比較し、その比較結果に応じてユーザに対し確認のための表示を行うことにより、ユーザの誤操作防止を図ることが記載されている。
【0007】
特許文献2には、電話交換システムのサービス機能設定方式に関し、利用者のID識別番号に対応させて個人別情報(利用者別のサービス機能など)を予め登録しておき、ID識別番号が入力されたとき、該ID識別番号に対応する個人別情報を読み出して、電話器のサービス機能を設定することにより、利用者ごとに電話機のサービス機能を提供することが記載されている。
【0008】
特許文献3には、ボタン電話システムに関し、ボタン電話システムの子機に携帯電話機に接続するデータ入出力端子を設けて携帯電話機と接続し、子機からの操作によって携帯電話機から電話帳データを送信させることにより、携帯電話機の電話帳データをボタン電話システムの子機で表示し、その表示を利用して発信できるようにすることが記載されている。
【0009】
特許文献4には、電話装置に関し、移動体端末などが有する電話帳データと該電話帳データを送出する機能を利用し、移動体端末などから送出された所定フォーマットの電話帳データを受信し、該電話帳データから電話番号を抽出し、抽出された電話番号から1つの電話番号を選択して呼を設定して発信することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2009−225055号公報
【特許文献2】特開平9−135293号公報
【特許文献3】特開2001−69225号公報
【特許文献4】特開2004−320110号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記したように、携帯電話端末の利用者が、ビジネスホンシステムから相手先に発信する場合、携帯電話の発信履歴などを有効利用できるようにするとともに、簡易な操作で手間がかからないようにし、また、誤ダイヤルが発生しないようにすることが好ましい。さらに、携帯電話端末での簡易な操作によって、ビジネスホンシステムにおいて種々の機能を実現できるようにすることも好ましい。
【0012】
ビジネスホンシステムの端末に登録されている短縮番号や電話帳は、会社の資産であり、その登録や操作は、権限を有する特定の人に限定されるなど、社員が自由にできない場合がある。そのため、携帯電話端末の個々の利用者が、ビジネスホンシステムの端末が保存している短縮番号や電話帳によることなく、携帯電話端末の簡易な操作で、ビジネスホンシステムの端末から相手先へ発信でき、また、ビジネスホンシステムにおいて種々の機能を実現できることが好ましい。
【0013】
また、近年、各社員が固定の席を持たないフリーアドレスオフィスを取り入れる企業が増加している。フリーアドレスオフィスの場合、社員が使用するビジネスホンシステムの端末は固定化されておらず、複数の社員がビジネスホンシステムの端末を共有し、着席する位置によって、その都度、各社員が使用するビジネスホンシステムの端末が異なる。そのため、ビジネスホンシステムの端末に登録された発信履歴から発信相手などの情報が他人に漏洩しやすい。また、ビジネスホンシステムに、各社員の発信先の短縮情報や電話帳情報を登録することが可能であっても、それらの情報が他人に漏洩する恐れもある。そのため、各社員の発信先など情報が他人に漏洩しないように配慮することが好ましい。
【0014】
さらに、複数の社員がビジネスホンシステムの端末を共有する場合、各社員に対して別々のサービスの機能を提供することは、ビジネスホンシステムの端末で、社員ごとのログイン操作を予め行っておくことで可能となるが、社員ごとのログイン操作を行うは負担が大きく、そのような負担なく、社員ごとのサービスの機能を提供できるようにすることも好ましい。
【0015】
特許文献1に記載されている誤操作防止方法を利用すれば、発信時に誤ダイヤルの注意喚起は行われるが、利用者は、結局、ダイヤル操作を行う必要があるので、手間がかかり、また、誤ダイヤルの可能性を払拭できない。
【0016】
特許文献2に記載されているサービス機能設定方式を利用すれば、利用者ごとに電話機のサービス設定を行うことができるが、利用者は、サービス設定を変更する度にID識別番号を入力する必要があるので、手間がかかる。
【0017】
特許文献3に記載されている発信方法を利用すれば、ダイヤル操作は不要となるが、予め、ビジネスホンシステムの子機を操作して、携帯電話機の全ての電話帳データを取得しておく必要があるので、手間がかかる。また、電話帳データの登録件数が多い場合、電話帳データの取得に多くの時間を要する。さらに、ここでは、携帯電話機とビジネスホンシステムの子機が固定的に関連付けられていることが前提となっており、フリーアドレスオフィスにおけるように、複数の社員が複数のビジネスホンシステムの子機を共有する場合には、子機を利用の度に、ビジネスホンシステムの子機を操作して、携帯電話機の全ての電話帳情報を取得する必要があるので、携帯電話に登録されている電話帳データが他人に漏洩する恐れが生じる。
【0018】
特許文献4に記載されている発信方法を利用すれば、発信の度に携帯電話機からビジネスホンシステムの端末に所定フォーマットの電話帳データを送信し、ビジネスホンシステムの端末から発信を行うことができる。しかし、ここでは、携帯電話機とビジネスホンシステムの端末の両方が同一の短距離通信プロトコルを備えている必要があり、利用できる携帯電話機の種類が限定される。また、ビジネスホンシステムの端末が短距離通信機能を実装していることは一般的ではなく、この機能の実装は、ビジネスホンシステムの端末のコストアップに繋がる。また、携帯電話機とビジネスホンシステムの端末の両方が同一の短距離通信プロトコルを備えていたとしても、有線の場合は両者を線で接続することが必要となり、無線の場合は両者をペアリングすることが必要となるので、手間がかかる。また、フリーアドレスオフィスのように、複数の社員が複数のビジネスホンシステムの端末を共有する場合には、電話の利用の度に、有線の場合は両者の線接続を変更する必要があり、無線の場合は両者のペアリング先を変更する必要があるので、手間がかかる。
【0019】
本発明の目的は、上記の課題を解決し、携帯電話端末での簡易な操作によって、ビジネスホンシステムの端末から発信でき、さらに、ビジネスホンシステムにおいて種々の機能を実現できる電話システム、発信方法および携帯電話端末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記課題を解決するため、本発明に係る電話システムは、ビジネスホンシステムの主装置および端末を備え、前記主装置は、携帯電話端末でのビジネスホン発信用アプリケーション用の設定情報から選択した端末識別番号を用いたビジネスホン発信用アプリケーションの発信操作に従って携帯電話端末のデータ通信機能を用いて送信された発信先電話番号端末識別番号および携帯電話端末の電話番号を含む発信指示を受信し、該発信指示を受信したとき、それに含まれる端末識別番号に対応する端末の送受話器がオフフックされることにより空き回線を捕捉して該空き回線を通して携帯電話端末から受信した発信先電話番号を用いて発信相手に発信し、この発信に対する発信相手からの応答に従って前記端末識別番号に従って選択された端末と発信相手の通話を可能とし、また、前記発信指示に含まれる携帯電話端末の電話番号を用いて、携帯電話端末ごとに発信履歴と通話料金の少なくとも一方を登録することができる、あるいは、携帯電話端末から通話録音開始指示を受信して、携帯電話端末ごとに通話を録音して保存することができることを特徴としている。
ここで、前記主装置が、発信先電話番号端末識別番号および携帯電話端末の電話番号を含む発信指示を受信したとき、該発信指示に含まれる端末識別番号に対応する端末を着信状態にすることが好ましい。
【0021】
また、前記主装置が、携帯電話端末のデータ通信機能を用いて送信された情報をWi-Fiのアクセスポイントまたは通信事業者基地局を経由して受信することも好ましい。
【0022】
また、前記主装置が、さらに、携帯電話端末からビジネスホンシステムの電話回線識別番号を受信し、前記空き回線に代えて該電話回線識別番号に従う電話回線を指定して補足することも好ましい。
【0025】
また、前記主装置が、さらに、着信時転送指示を受信し、発信相手に発信した後に該発信が放棄され、その後、発信相手からビジネスホンシステムに着信してもビジネスホンシステムの端末が一定時間応答しなかった場合、前記着信時転送指示が転送有りを指示していれば、該着信を前記携帯電話端末に転送することも好ましい。
【0026】
さらに、前記主装置が、携帯電話端末から発信先電話番号、端末識別番号および該携帯電話端末の電話番号を受信し、その後、発信中止通知および先と同一の発信先電話番号、端末識別番号、携帯電話端末の電話番号を受信した場合には、先に着信状態にした端末への着信を停止させることも好ましい。
【0027】
なお、本発明は、ビジネスホンシステムの主装置が実行する動作をステップとする発信方法としても実現でき、また、上記電話システムを用いてビジネスホンシステムから発信相手に発信するために用いられる携帯電話端末としても有用なものである。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、携帯電話端末において電話帳に登録されている相手を選択して発信操作を行うことでビジネスホンシステムから発信できるので、携帯電話端末の利用者は、ビジネスホンシステムの端末を操作することなく、携帯電話端末での簡単な操作で、ビジネスホンシステムから発信でき、また、誤ダイヤルを防止できる。さらに、利用者ごとのデータや発信相手ごとのデータをビジネスシステムに登録する必要がないので、その登録の負担がなく、また、登録情報が他人に漏洩する恐れもない。
【0029】
また、発信通知、相手先電話番号情報およびビジネスホンシステムの端末識別番号に、ビジネスホンシステムの電話回線識別番号を付加することで、携帯電話端末からの指示で、ビジネスホンシステムからの発信時に使用する電話回線を指定することができる。
【0030】
また、発信通知、相手先電話番号情報およびビジネスホンシステムの端末識別番号に、携帯電話端末の電話番号を付加することで、社員ごとなどのログイン操作を行う負担なく、携帯電話端末の電話番号により、発信の操作者を特定することができる。この機能を利用して、ビジネスホンシステムにおいて携帯電話端末の電話番号ごとに発信履歴や通話料金を保存して管理することができる。
【0031】
また、発信通知、相手先電話番号情報およびビジネスホンシステムの端末識別番号に、携帯電話端末の電話番号と通話録音開始指示を付加することで、携帯電話端末からの指示で、ビジネスホンシステムにおいて通話の録音を実行し、携帯電話端末の電話番号ごとに通話を録音して保存することができる。
【0032】
また、発信通知、相手先電話番号情報およびビジネスホンシステムの端末識別番号に、携帯電話端末の電話番号と着信時転送指示を付加することで、携帯電話端末からの指示で発信した後に発信が放棄され、その後、発信相手からビジネスホンシステムに着信したときにビジネスホンシステムの端末が一定時間応答しなかった場合、その着信を先の携帯電話端末に転送することができる。
【0033】
また、携帯電話端末は、発信通知、発信先電話番号、端末識別番号および該携帯電話端末の電話番号を送信し、その後、発信中止通知および先と同一の発信先電話番号、端末識別番号、携帯電話端末の電話番号を送信すれば、先に着信状態にした端末への着信を停止させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明に係る電話システムとビジネスホンシステムの主装置の実施形態を示すブロック図である。
図2】主装置の保存用メモリが保存する情報を示す図である。
図3】主装置の保存用メモリが保存する電話回線識別番号の設定情報を具体的に示す図である。
図4】主装置の保存用メモリが保存する端末識別番号の設定情報を具体的に示す図である。
図5】主装置の保存用メモリが保存する通話録音情報を具体的に示す図である。
図6】主装置の保存用メモリが保存する発信履歴情報を具体的に示す図である。
図7】主装置の保存用メモリが保存する課金情報を具体的に示す図である。
図8】多機能電話機の概略構成を示すブロック図である。
図9】携帯電話端末の概略構成を示すブロック図である。
図10】携帯電話端末の保存用メモリが保存する情報を示す図である。
図11】携帯電話端末の保存用メモリが保存するビジネスホン発信用アプリケーション用の設定情報を具体的に示す図である。
図12】携帯電話端末の保存用メモリが保存するビジネスホン発信用アプリケーション用の発信履歴情報を具体的に示す図である。
図13】携帯電話端末から送信される発信先電話番号と端末識別番号を含む発信指示を受信して、外線発信から通話まで行う場合の動作を示すシーケンス図である。
図14】ビジネスホン発信用アプリケーションが起動されたときの携帯電話端末の画面表示イメージを示す図である。
図15図13の動作シーケンスにおけるビジネスホンシステムの状態遷移を示す図である。
図16】携帯電話端末を利用せずに、ビジネスホンシステムの端末の操作で外線発信から通話まで行う場合の動作を示すシーケンス図である。
図17】携帯電話端末から送信される発信先電話番号と端末識別番号と回線識別番号を含む発信指示を受信して、使用する電話回線を指定して外線発信から通話まで行う場合の動作を示すシーケンス図である。
図18】携帯電話端末から送信される発信先電話番号と端末識別番号と携帯電話端末の電話番号を含む発信指示を受信して、携帯電話端末ごとに発信履歴と通話料金を登録する場合の外線発信から通話までの動作を示すシーケンス図である。
図19】携帯電話端末から送信される発信先電話番号と端末識別番号と携帯電話端末の電話番号と通話録音開始指示を含む発信指示を受信して、携帯電話端末ごとに通話を録音して保存する場合の外線発信から通話までの動作を示すシーケンス図である。
図20】携帯電話端末から送信される発信先電話番号と端末識別番号と携帯電話端末の電話番号と着信時転送指示を含む発信指示を受信し、発信を放棄した場合の動作を示すシーケンス図である。
図21図20に従って発信を放棄した後に、発信相手から着信しても一定時間未応答の場合の、通話までの動作を示すシーケンス図である。
図22図21の動作シーケンスにおけるビジネスホンシステムの状態遷移を示す図である。
図23】携帯電話端末から発信指示が送信された後に発信中止指示が送信された場合の動作を示すシーケンス図である。
図24】ビジネスホン発信用アプリケーションに従う携帯電話端末の動作を概略的に示すフローチャートである。
図25】ビジネスホンシステムの主装置のメイン制御部の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、図を参照して本発明を説明する。
【0036】
図1は、本発明に係る電話システムおよびビジネスホンシステムの主装置の実施形態を示すブロック図である。以下では、本発明を電話システムとして実現した実施形態について説明するが、本発明は、ビジネスホンシステムの主装置が実行する動作をステップとする発信方法としても実現でき、また、上記電話システムを用いてビジネスホンシステムから発信相手に発信するために用いられる携帯電話端末としても有用なものである。
【0037】
なお、以下に説明するように、本発明に係る電話システム(ビジネスホンシステム)は、ビジネスホンシステムに対して発信指示を送出する携帯電話端末と連携するが、携帯電話端末は、iPhoneやAndroidなどのスマートフォンに代表されるように、Wi-Fiのアクセスポイント、または通信事業者基地局を経由したIPネットワークのデータ通信機能を利用して、各種アプリケーションの機能を提供しており、また、携帯電話端末が保存している電話帳情報を利用したアプリケーションを自由に開発できるようになっている。また、ビジネスホンシステムは、IPネットワークのデータ通信機能を利用して、VoIPなどの音声通信や、CTIなどの外部機器との連携機能を提供している。本発明は、それらの機能により実現することができる。
【0038】
本実施形態の電話システムは、携帯電話端末40でのビジネスホン発信用アプリケーションの発信操作により携帯電話端末のデータ通信機能を用いて送出される発信指示を受信するビジネスホンシステムの主装置(以下では、単に「主装置」と称する)10、および主装置10が発信指示を受信することにより着信状態にされ、主装置10からの発信を着信した発信相手からの応答に従って発信相手との通話が可能となるビジネスホンシステムの端末(以下、単に「端末」と称する)20を備える。なお、図1では、端末20として多機能電話機20-1と一般の単独電話機20-2の両方が図示されているが、その一方だけでも構わない。
【0039】
主装置10は、メイン制御部11、プロセッサ12、制御プログラムROM13、保存用メモリ14、電話回線制御部15、端末制御部16、IP制御部17を備える。この主装置10は、後述するように、携帯電話端末40でのビジネスホン発信用アプリケーションの発信操作により携帯電話端末のデータ通信機能を用いて送出される発信指示に従って動作できる。
【0040】
図2は、主装置10の保存用メモリ14が保存する情報を示す。図2に示すように、保存用メモリ14は、電話回線識別番号の設定情報、端末識別番号の設定情報、通話録音情報、発信履歴情報、課金情報、および通話録音ファイルを保存する。
【0041】
図3は、保存用メモリ14が保存する電話回線識別番号の設定情報を具体的に示す。図3に示すように、電話回線識別番号の設定情報には、電話回線識別番号と電話回線インターフェイス回路番号とを1対1に対応付けて登録する。なお、電話回線の登録可能数は、ビジネスホンシステムの電話回線数に依存するが、一般的なビジネスホンの機器仕様では1000回線程度である。
【0042】
図4は、保存用メモリ14が保存する端末識別番号の設定情報を具体的に示す。図4に示すように、端末識別番号の設定情報には、端末識別番号と端末インターフェイス回路番号とを1対1に対応付けて登録する。なお、端末の登録可能数は、ビジネスホンシステムの端末数に依存するが、一般的なビジネスホンの機器仕様では1000台程度である。
【0043】
図5は、保存用メモリ14が保存する通話録音情報を具体的に示す。通話録音情報は、携帯電話端末40からの発信指示で指示され、通話に使用された端末20での通話の録音情報を保存する。ただし、ここには、図5に示すように、携帯電話端末の電話番号と通話録音ファイルのファイル番号とを1対1に対応付けて登録する。録音された通話そのものは、ファイル番号の紐付けにより通話録音ファイルから取得することができる。なお、通話録音情報の登録可能数は、保存用メモリ14のサイズに依存するが、一般的なビジネスホンの機器仕様では8000件程度である。
【0044】
図6は、保存用メモリ14が保存する発信履歴情報を具体的に示す。図6に示すように、発信履歴情報には、ビジネスホンシステムからの発信に使用された携帯電話端末の電話番号、発信相手の電話番号、使用された電話回線の識別番号、発信日時、および着信時転送の有無を登録する。なお、発信履歴情報の登録可能数は、保存用メモリ14のサイズに依存するが、一般的なビジネスホンの機器仕様では50000件程度である。
【0045】
図7は、保存用メモリ14が保存する課金情報を具体的に示す。図7に示すように、課金情報には、ビジネスホンシステムからの発信に使用された携帯電話端末の電話番号に対応付けて通話料金を登録する。なお、同一の携帯電話端末が使用された場合には、通話料金を累積する。課金情報の登録可能数は、保存用メモリ14のサイズに依存するが、一般的なビジネスホンの機器仕様では携帯電話端末1000台程度である。
【0046】
図1に戻って、主装置10の端末制御部16には端末接続線を介して端末20(多機能電話機20-1と単独電話機20-2)が接続され、電話回線制御部15には電話回線を介して電話局60が接続され、IP制御部17には無線アクセスポイント70が接続され、また、インターネット80を介して通信事業者基地局90が接続される。携帯電話端末40は、携帯電話端末のデータ通信機能を用いて無線アクセスポイント70を経由して、あるいは通信事業者基地局90からインターネット80を経由して、主装置10に接続できる。
【0047】
図8は、端末20の概略構成を示すブロック図である。ここでは、多機能電話機20-1の概略構成を示しているが、単独電話機20-2は、多機能電話機20-1ほどの詳細表示機能を有しない。
【0048】
多機能電話機20-1は、メイン制御部21、プロセッサ22、制御プログラムROM23、音声コントローラ24、表示コントローラ25、入力コントローラ26、および端末インターフェイス27を備え、さらに、音声コントローラ24に接続された送受話器(ハンドセット)28およびスピーカ29、表示コントローラ25に接続された表示部30、入力コントローラ26に接続されたフック31、ダイヤルキー32および機能キー33を備える。端末インターフェイス27は、端末接続線を介してメイン制御部21を主装置10の端末制御部16(図1)に接続する。
【0049】
図9は、携帯電話端末40の概略構成を示すブロック図である。
【0050】
携帯電話端末40は、メイン制御部41、プロセッサ42、制御プログラムROM43、保存用メモリ44、RF回路45、音声コントローラ46、タッチセンサ式表示コントローラ47、および入力コントローラ48を備え、さらに、音声コントローラ46に接続されたマイクロフォン49およびスピーカ50、タッチセンサ式表示コントローラ47に接続されたタッチセンサ式表示部51、および入力コントローラ48に接続されたボタン52を備える。携帯電話端末40は、後述するように、保存用メモリ44が保存するビジネスホン発信用アプリケーションプログラムに従って動作できる。
【0051】
図10は、保存用メモリ44が保存する情報を示す。図10に示すように、携帯電話端末40の保存用メモリ44は、ビジネスホン発信用アプリケーションプログラム、ビジネスホン発信用アプリケーションプログラム用の設定情報、ビジネスホン発信用アプリケーション用の発信履歴情報、携帯電話端末情報、電話帳情報、およびクリップボードを保存する。なお、携帯電話端末情報は、自携帯電話端末の電話番号であり、電話帳情報とクリップボードは、携帯電話端末が標準機能として備えている。
【0052】
図11は、保存用メモリ44が保存するビジネスホン発信用アプリケーションプログラム用の設定情報を具体的に示す。図11に示すように、ビジネスホン発信用アプリケーションプログラム用の設定情報には、接続情報として、ビジネスホン主装置IPアドレス、サブネットマスク、およびデフォルトゲートウェイを登録し、ビジネスホン仕様資源・機能情報として、端末識別番号、電話回線識別番号、通話録音の有/無、着信時転送の有/無を設定する。なお、端末識別番号の設定可能数は、一般的なオフィスの部門単位の端末数では100台程度である。
【0053】
図12は、保存用メモリ34が保存するビジネスホン発信用アプリケーション用の発信履歴情報の例を示す。図12に示すように、ビジネスホン発信用アプリケーション用の発信履歴情報には、発信先の名前、発信先の電話番号、端末識別番号、および発信日時を登録する。なお、発信履歴情報の登録可能数は、一般的な携帯電話端末の発信履歴数では100件程度である。
【0054】
以下、図1の実施形態の電話システムの動作を、図1図13を参照して説明する。
【0055】
図13は、携帯電話端末40から送信される発信先電話番号と端末識別番号を含む発信指示を受信して、外線発信から通話まで行う場合の動作を示すシーケンス図である。
【0056】
携帯電話端末40の利用者が、携帯電話端末40のボタン52を操作して、保存用メモリ44(図9)のビジネスホン発信用アプリケーションプログラム(図10)を読み出し、該アプリケーションを起動すると、保存用メモリ44の電話帳情報が取得されて携帯電話端末40のタッチセンサ式表示部51(図9)に表示される。
【0057】
図14は、携帯電話端末40でビジネスホン発信用アプリケーションが起動されたときにタッチセンサ式表示部51に表示される画面表示イメージを示す。なお、この画面には、「発信履歴」、「コピー発信」、「発信中止」、「設定」が表示されているが、これらの機能については、後で説明する。
【0058】
ここで、携帯電話端末40の利用者が、タッチセンサ式表示部51を操作して発信相手(名前)を選択すると、携帯電話端末40は、保存用メモリ44のビジネスホン発信用アプリケーション用の設定情報のうち、接続情報(図11)からビジネスホン主装置IPアドレスとサブネットマスクとデフォルトゲートウェイの接続先を取得し、携帯電話端末のデータ通信機能を用いて、図1の無線アクセスポイント70、あるいは通信事業者基地局90およびインターネット80を経由して、主装置10に接続し、発信操作であることを示す情報(発信通知)とタッチセンサ式表示部51の操作によって選択された発信相手の電話番号(発信先電話番号)を発信指示として主装置10に送信する。このとき、携帯電話端末40は、保存用メモリ44のビジネスホン発信用アプリケーション用の設定情報のうち、ビジネスホン使用資源・機能情報(図11)の端末識別番号も取得し、この端末識別番号も発信指示に含ませて主装置10に送信する(図13のS101)。
【0059】
なお、ビジネスホン使用資源・機能情報に、1台分だけの端末識別番号が設定されている場合には、その端末識別番号を主装置10に送信し、複数台分の端末識別番号が設定されている場合には、タッチセンサ式表示部51に、その全ての端末識別番号を表示し、携帯電話端末40の利用者の選択に従って1つの端末識別番号を主装置10に送信する。ビジネスホン使用資源・機能情報には、携帯電話端末40の利用者が常に同じ端末20を使用するのであれば、その1台分だけの端末識別番号を設定し、携帯電話端末40の利用者が使用する端末20が変わるのであれば、その複数台分の端末識別番号を設定する。
【0060】
主装置10は、携帯電話端末40から発信通知、発信先電話番号、および端末識別番号を受信すると、保存用メモリ14の端末識別番号の設定情報を参照し(図2)、受信した端末識別番号から端末インターフェイス回路番号を取得し(図4)、通話を行う端末20を決定し(S102)、その端末20に対して着信を指示する(S103)。これにより、端末20は着信状態となり、着信鳴動する。多機能電話機20-1の場合には、さらに、携帯電話端末発信表示を指示し(S104)、表示コントローラ25を用いて表示部30に携帯電話端末からの発信である旨を表示させる。なお、多機能電話機20-1だけで行われる動作を点線で囲んで示している。以降の図でも同様である。ここでは、発信通知、発信先電話番号、および端末識別番号を受信したとき、端末を着信状態として着信鳴動させているが、発信指示を受信したことの端末への通知は、どのような通知機能によるものでもよく、例えば、多機能電話機の端末に対しでは、発信先電話番号を表示させるだけでもよい。以下の動作説明でも同様である。
【0061】
ここで携帯電話端末40の利用者が端末20の送受話器28をオフフックすると、そのオフフックが主装置10に通知され(S105)、主装置10は、端末20に着信停止を指示する(S106)。これにより、端末20は、着信鳴動を停止する。
【0062】
続いて、主装置10は、空き電話回線を取得して(S107)電話局60に接続する空き電話回線を捕捉し(S108)、その電話回線を通して電話局60に、携帯電話端末40から受信した発信先電話番号を発信する(S109)。この発信は、電話局60から発信相手に着信する(S110)。
【0063】
また、主装置10は、電話回線と端末接続線の音声通話路を接続する(S111)。発信相手の呼び出し中、端末20の送受話器28からその旨の呼出音が出力される(S112)。なお、呼出音は、主装置10あるいは電話局60から送出される。多機能電話機20-1では、さらに、主装置10からの発信先電話番号表示指示に従って、表示コントローラ25を用いて表示部30に発信先電話番号を表示する(S113)。
【0064】
発信相手からの応答が電話局60を経由して主装置10に返されると(S114,S115)、主装置10は、発信相手との通話表示を端末20に指示し(S116)、端末20は、表示コントローラ25を用いて表示部30に発信相手が応答して通話状態になったことを表示する。また、このとき、呼出音は停止される。以上により、携帯電話端末40の利用者は、ビジネスホンシステムの端末20を使用して発信相手と通話できるようになる(S117)。
【0065】
図15は、図13の動作シーケンスにおけるビジネスホンシステムの状態遷移を示す。携帯電話端末40でビジネスホン発信用アプリケーションのアプリ発信操作が行われると、「空き」の端末20は「着信中」に遷移する。ここで、アプリ発信中止操作が行われれば、端末20は再び「空き」に遷移するが、端末20でオフフックされれば、発信相手への「発信中」に遷移する。ここで、オンフックされれば、端末20は再び「空き」に遷移するが、発信相手が応答すれば、「通話中」に遷移する。その後、通話終了によりオンフックされれば、端末20は「空き」に遷移する。
【0066】
参考のために、図16に、携帯電話端末を利用せずに、ビジネスホンシステムの端末20の操作で外線発信から通話まで行う場合の動作シーケンスを示す。
【0067】
端末20において、送受話器がオフフックされると、そのオフフックが主装置10に通知され(S121)、機能キー(電話回線キー)が押下されると、その押下が主装置10に通知され(S122)、主装置10は、電話局60に接続する電話回線を捕捉する(S123)。ここで、端末20のダイヤルキー操作で発信先電話番号が押下されると、それが主装置10に通知され(S124,S125)、補足された電話回線を通して電話局60に発信される(S126)。これにより、電話局60から発信相手に発信が行われる(S127)。S128以降の動作は、図13のS111以降の動作と同じであるので、説明を省略する。
【0068】
以上説明したように、図13のフローに従う動作によれば、端末20で新たにダイヤル操作することなく、携帯電話端末10が保存する電話帳や発着信履歴などをそのまま用い、ビジネスホンシステムから発信相手に発信することができるので、新たなダイヤル操作の手間を省くことができ、また、誤ダイヤルの発生をなくすことができる。
【0069】
以上のように、携帯電話端末40からの発信通知、発信先電話番号、および端末識別番号を含む発信指示を受信することにより、ビジネスホンシステムから発信し、端末20を指定して通話することができるが、さらに回線識別番号を含む発信指示を受信することにより、使用する電話回線を指定でき、また、その他の指示を含む送信指示を受信することにより、ビジネスホンシステムにおいて種々の機能を実現できる。以下、ビジネスホンシステムにおいて種々の機能を実現する場合について説明する。
【0070】
図17は、携帯電話端末40から送信される発信先電話番号と端末識別番号と回線識別番号を含む発信指示を受信して、使用する電話回線を指定して外線発信から通話まで行う場合の動作を示すシーケンス図である。
【0071】
この場合、携帯電話端末40の利用者は、携帯電話端末40のビジネスホン発信用アプリケーションの発信操作により、発信通知と発信先電話番号と端末識別番号に加えて、保存用メモリ44のビジネスホン発信用アプリケーション用の設定情報(図10)のうち、ビジネスホン使用資源・機能情報(図11)の電話回線識別番号を取得して、主装置10に送信する(S141)。
【0072】
主装置10は、携帯電話端末40から発信通知、発信先電話番号、端末識別番号、および回線識別番号を含む発信指示を受信すると、保存用メモリ14の端末識別番号の設定情報を参照し(図2)、受信した端末識別番号から端末インターフェイス回路番号を取得して(図4)通話を行う端末20を決定し(S142)、その端末20に対して着信を指示する(S143)。また、保存用メモリ14の電話回線識別番号の設定情報(図2)を参照し、携帯電話端末40から受信した回線識別番号に対応して設定されている電話回線インターフェイス回路番号(図3)を取得して電話局60に接続する電話回線を決定する(S147)。このように、携帯電話端末30から主装置10に、回線識別番号も含む発信指示を送信することにより、使用する電話回線を指定できる。その他の動作は、図13と同じであるので、説明を省略する。
【0073】
図18は、携帯電話端末40から送信される発信先電話番号と端末識別番号と携帯電話端末の電話番号を含む発信指示を受信して、携帯電話端末ごとに発信履歴と通話料金を登録する場合の外線発信から通話までの動作を示すシーケンス図である。
【0074】
この場合、携帯電話端末40の利用者は、携帯電話端末40のビジネスホン発信用アプリケーションの発信操作により、発信通知と発信先電話番号と端末識別番号に加えて、保存用メモリ34の携帯電話端末情報(図10)から自携帯電話端末の電話番号を取得して、主装置10に送信する(S161)。
【0075】
主装置10は、保存用メモリ14の発信履歴情報(図2)のうち、携帯電話端末の電話番号と発信相手電話番号(図6)に、携帯電話端末40から受信した携帯電話端末40の電話番号と発信先電話番号を書き込み、電話回線識別番号と発信時間(図6)に、使用した電話回線識別番号と発信時間を書き込む。これにより、携帯電話端末ごとに発信履歴を保存する(S174)。
【0076】
また、保存用メモリ14の課金情報(図2)のうち、携帯電話端末40の電話番号と通話料金(図7)に、携帯電話端末30の電話番号と通話料金を書きこむ。なお、課金情報の携帯電話端末の電話番号(図7)に、既に携帯電話端末40と同一の電話番号が存在する場合には、既に書き込まれている通話料金に今回の通話料金を加算する。これにより、携帯電話端末ごとに通話料金を保存することができる(S179)。その他の動作は、図13の動作と同じであるので、説明を省略する。
【0077】
以上のように、携帯電話端末40から主装置10に、発信通知と発信先電話番号と端末識別番号と携帯電話端末の電話番号を含む発信指示を送信することにより、携帯電話端末ごとに発信履歴と通話料金を保存して管理することができる。
【0078】
なお、携帯電話端末40では、ビジネスホン発信用アプリケーションにより発信された発信履歴情報を、保存用メモリ44のビジネス発信用アプリケーション用の発信履歴情報(図10)に登録することができる。例えば、ビジネスホン発信用アプリケーションによる発信操作時に、電話帳から発信先の名前と発信先の電話番号を取得し、さらに、その発信の際に利用した端末識別番号と発信日時を加えて、保存用メモリ44のビジネスホン発信用アプリケーション用の発信履歴情報(図10)の発信先の名前と発信先の電話番号と端末識別番号と発信日時(図12)に書き込めば、携帯電話端末40のビジネスホン発信用アプリケーションで発信履歴を保存することができる。なお、後述する携帯電話端末40のクリップボードにコピーされている電話番号を用いて、ビジネスホンシステムから発信する場合は、発信先の名前を取得できないが、この場合は、携帯電話端末40のビジネスホン発信用アプリケーションで発信履歴(図12)には、発信先の電話番号と端末識別番号と発信日時だけを書き込めばよい。
【0079】
図19は、携帯電話端末40から送信される発信先電話番号と端末識別番号と携帯電話端末の電話番号と通話録音開始指示を含む発信指示を受信して、携帯電話端末ごとに通話を録音して保存する場合の外線発信から通話までの動作を示すシーケンス図である。
【0080】
この場合、携帯電話端末40の利用者は、携帯電話端末40のビジネスホン発信用アプリケーションの発信操作により、発信通知と発信先電話番号と端末識別番号と携帯電話端末の電話番号に加えて、保存用メモリ44のビジネスホン発信用アプリケーション用の設定情報(図10)のうち、ビジネスホン使用資源・機能情報(図11)の通話録音有/無を取得し、通話録音有の場合は、通話録音開始指示を主装置10に送信する(S181)。
【0081】
主装置10は、通話録音開始指示に従って、通話開始時に通話を録音し(S198)、録音した通話を、保存用メモリ14の所定の通話録音ファイル番号の通話録音ファイルに保存する。また、保存用メモリ14の通話録音情報(図2)の携帯電話端末の電話番号と通話録音ファイル番号(図5)に、携帯電話端末30から受信した携帯電話端末の電話番号と通話録音ファイルの番号を書き込んで、携帯電話端末ごとに通話の録音を保存する(S200)。その他の動作は、図18の動作と同じであるので、説明を省略する。
【0082】
以上のように、携帯電話端末40から主装置10に、発信通知と発信先電話番号と端末識別番号と携帯電話端末の電話番号と通話録音開始指示を含む発信指示を送信することにより、携帯電話端末ごとに発信履歴と通話料金と通話の録音を保存することができる。
【0083】
図20は、携帯電話端末40から送信される発信先電話番号と端末識別番号と携帯電話端末の電話番号と着信時転送指示を含む発信指示を受信し、発信を放棄した場合の動作を示すシーケンス図であり、図21は、図20に従って発信を放棄した後に、発信相手から着信しても一定時間未応答の場合の、通話までの動作を示すシーケンス図である。
【0084】
図20に示すように、携帯電話端末30の利用者は、携帯電話端末30のビジネスホン発信用アプリケーションの発信操作により、発信通知と発信先電話番号と端末識別番号と携帯電話端末の電話番号に加えて、保存用メモリ34のビジネスホン発信用アプリケーション用の設定情報(図10)のうち、ビジネスホン使用資源・機能情報(図11)の着信時転送有/無を取得し、着信時転送有の場合は、着信時転送指示を主装置10に送信する(S201)。
【0085】
主装置10は、端末20に呼出音を出力してから(S212)、保存用メモリ14の発信履歴情報(図2)に、発信履歴を登録するとともに、着信時転送(図6)に、着信時転送有を設定する(S214)。その後、利用者が端末20の送受話器28をオンフックし、発信を放棄したとすると、そのオンフックが端末20から主装置10に通知され(S215)、主装置10からの端末空き表示指示(S216)により端末20は空き表示する。また、主装置10は、電話局60との接続を切断し(S217)、これにより発信相手との接続が切断される(S218)。
【0086】
その後、図21に示すように、先の発信相手からびビジネスホンシステムの主装置10に着信があると(S219,S220)、主装置10は、先の端末20に着信を指示し(S221)、また、発信元電話番号(発信相手の電話番号)の表示を指示する(S222)。
【0087】
ここで、端末20が応答せずに一定時間が経過した場合、その着信は転送先の携帯電話端末40に転送される。着信の転送先の携帯電話端末40は、着信した電話回線インターフェイス回路番号と発信元電話番号、保存メモリ14に先にS214で登録された発信履歴から特定できる。すなわち、着信した電話回線インターフェイス回路番号と保存用メモリ14の電話回線識別番号の設定情報(図2)のうち、電話回線インターフェイス回路番号(図3)を照合して、対応する電話回線識別番号を取得し、発信相手電話番号と電話回線識別番号(図6)を、発信相手からの着信時に電話局より通知された発信元電話番号と取得した電話回線識別番号を照合し、一致した場合は、発信履歴の着信時転送の有無を読出し、着信時転送有の場合は、携帯電話端末の電話番号(図6)を読み出して、その電話番号宛に発信する(S224)。この発信が携帯電話端末40に着信して応答があれば(S225)、その応答は発信相手に送出される(S226)。これにより、発信相手と携帯電話端末とが通話できるようになる(S229)。このとき、端末20に着信停止指示や端末空き表示指示が送出され(S227,S228)、端末20の着信鳴動が停止され、空き表示となる。なお、端末20は、携帯電話端末40が応答するまで着信鳴動を継続し、その鳴動中では、端末20による応答も可能であり、端末20が応答すれば、携帯電話端末40への発信が停止される。
【0088】
図22は、図21の動作シーケンスにおけるビジネスホンシステムの状態遷移を示す。発信相手からの着信がなければ、端末20は「空き」状態である。ここで、発信相手から着信があれば(S221)、端末20は「着信中」に遷移するが、この着信に対して一定時間未応答であると、その着信の転送先の携帯電話端末40を検索する「携帯電話端末検索中」に遷移し(S223)、さらに、これにより検索された携帯電話端末40に発信する「携帯電話端末に発信中」に遷移する(S224)。この発信が携帯電話端末40に着信し、その応答を主装置10が受信して発信相手に応答を送信すれば、発信相手と携帯電話端末との「通話中」に遷移する(S229)。その後、終話すれば、端末20は再び「空き」状態になる。
【0089】
次に、図14のタッチセンサ式表示部51に表示された「発信履歴」、「コピー発信」、「発信中止」、「設定」の操作による動作について説明する。
【0090】
図14に示すビジネスホン発信用アプリケーションの画面が表示されているとき、「発信履歴」を選択することにより、携帯電話端末40の保存用メモリ44のビジネスホン発信用アプリケーション用の発信履歴情報を利用して、ビジネスホンシステムから発信させることができる。
【0091】
すなわち、保存用メモリ44のビジネスホン発信用アプリケーション用の発信履歴情報(図12)から発信先の名前を取得できた場合は、それをタッチセンサ式表示部51に表示し、発信先の名前を取得できなかった場合は、発信先の電話番号を取得して、それをタッチセンサ式表示部51に表示し、タッチセンサ式表示部51での操作で発信相手を選択する。
【0092】
これにより、携帯電話端末40の保存用メモリ44のビジネスホン発信用アプリケーション用の設定情報のうち、接続情報からビジネスホン主装置IPアドレスとサブネットマスクとデフォルトゲートウェイの接続先(図11)が取得され、携帯電話端末のデータ通信機能により、携帯電話端末40が、無線アクセスポイント70、または通信事業者基地局90を経由して、主装置10に接続される。
【0093】
そして、発信通知とタッチセンサ式表示部51での操作によって選択された発信相手の電話番号が主装置10に通知され、携帯電話端末40の保存用メモリ44のビジネスホン発信用アプリケーション用の設定情報のうち、ビジネスホン使用資源・機能情報の端末識別番号が読み出され、1台分だけの端末識別番号が設定されている場合は、該端末識別番号が主装置10に通知され、複数台分が設定されている場合は、タッチセンサ式表示部51にそれら全ての端末識別番号を表示して利用者により選択された端末識別番号が主装置10に送信される。
【0094】
以上のようにして、携帯電話端末40のビジネスホン発信用アプリケーションの発信履歴を用いてビジネスホンシステムから発信することができる。
【0095】
図14の「コピー発信」を選択することにより、WEBブラウザや電子メールなどのアプリケーションに表示された電話番号を利用して、ビジネスホンシステムから発信させることができる。
【0096】
携帯電話端末40には、WEBブラウザや電子メールなどのアプリケーションで表示された情報を範囲指定し、該範囲指定した情報をクリップボード(図10)にコピーし、クリップボードにコピーした情報を他のアプリケーションで参照できる機能が標準機能として実装されている。この機能を用いてWEBブラウザや電子メールなどのアプリケーションで表示された電話番号をクリップボードにコピーしておき、タッチセンサ式表示部51に表示された「コピー発信」を選択することによって、クリップボードにコピーされた電話番号を取得してタッチセンサ式表示部51に表示し、表示された電話番号のうちから1つの電話番号を選択する。
【0097】
これにより、携帯電話端末40の保存用メモリ44のビジネスホン発信用アプリケーション用の設定情報のうち、接続情報からビジネスホン主装置IPアドレスとサブネットマスクとデフォルトゲートウェイの接続先(図11)が取得され、携帯電話端末のデータ通信機能により、携帯電話端末40は、無線アクセスポイント70、または通信事業者基地局90を経由して、主装置10に接続され、発信通知とタッチセンサ式表示部51への操作によって選択された発信相手の電話番号が主装置10に送信され、携帯電話端末40の保存用メモリ44のビジネスホン発信用アプリケーション用の設定情報のうちビジネスホン使用資源・機能情報の端末識別番号が読み出され、1台分だけの端末識別番号が設定されている場合は、該端末識別番号が主装置10に送信され、複数台分が設定されている場合は、タッチセンサ式表示部51にそれら全ての端末識別番号を表示して利用者により選択された端末識別番号が主装置10に送信される。以上のようにして、携帯電話端末40のクリップボードにコピーされた電話番号を用いてビジネスホンシステムから発信させることができる。
【0098】
図14の「発信中止」を操作することにより、携帯電話端末40からの発信を停止させ、着信中の端末20の着信を停止させることができる。「発信中止」が操作されると、携帯電話端末40の保存用メモリ44のビジネスホン発信用アプリケーション用の発信履歴情報(図10)から発信日時が最も新しい履歴情報の発信先電話番号と端末識別番号(図7)を取得し、携帯電話端末40の保存用メモリ44の携帯電話端末情報から携帯電話端末40の電話番号を取得し、携帯電話端末40の保存用メモリ44のビジネスホン発信用アプリケーション用の設定情報のうち、接続情報(図6)からビジネスホン主装置IPアドレスとサブネットマスクとデフォルトゲートウェイの接続先を取得し、携帯電話端末のデータ通信機能を用いて、無線アクセスポイント70、または通信事業者基地局90を経由して、携帯電話端末40を主装置10に接続し、発信中止指示と発信先電話番号と端末識別番号と携帯電話端末の電話番号を主装置10に送信する。この送信を受信した主装置10は、受信した携帯電話端末40の電話番号による発信操作により、受信した端末識別番号の端末20が着信中である場合には、その着信を停止させる。
【0099】
図23は、携帯電話端末40から発信通知、発信先電話番号、端末識別番号および携帯電話端末の電話番号が通知されて端末20が着信中であるときに、携帯電話端末40で「発信中止」が操作されて、発信中止通知、発信先電話番号、端末識別番号および携帯電話端末の電話番号が通知された場合の動作を示すシーケンス図である。
【0100】
図14の「設定」を操作することにより、タッチセンサ式表示部51にビジネスホン発信用アプリケーション用の設定情報などを表示して、その接続情報やビジネスホン使用資源・機能の情報などを設定することができる。
【0101】
図24は、ビジネスホン発信用アプリケーションが起動されたときの携帯電話端末40の動作を概略的に示すフローチャートである。なお、ここでは、図13に示すように、携帯電話端末40から発信先電話番号と端末識別番号を含む発信指示を送信する場合の動作を示している。その他の機能を利用する場合には、それに必要な情報を保存メモリ44から取得して発信指示に含ませればよい。
【0102】
携帯電話端末40は、ビジネスホン発信用アプリケーションが起動されたとき、まず、自携帯電話端末をビジネスホンシステムに接続するために、保存用メモリ44の接続情報を読出す。
【0103】
次に、タッチセンサ式表示部51の表示画面(図14)での電話帳選択、あるいは「発信履歴」、「コピー発信」、「発信中止」または「設定」の選択に従って動作する。
【0104】
ここで、電話帳が選択された場合、保存用メモリ44の電話帳を読出してタッチセンサ式表示部51に表示し、「発信履歴」が選択された場合、保存用メモリ44の発信履歴情報を読出してタッチセンサ式表示部51に表示し、「コピー発信」が選択された場合、保存用メモリ44のクリップボードを読出してタッチセンサ式表示部51に表示する。
【0105】
そして、タッチセンサ式表示部51の表示での利用者の選択に従って発信先(発信相手)を選択する。次に、保存用メモリ44の端末識別番号を読出す。ここで、1台分だけの端末識別番号が設定されていた場合には、その端末識別番号を選択し、複数台分の端末識別番号が設定されていた場合には、それらの全ての端末識別番号をタッチセンサ式表示部51に表示して利用者に選択させる。これにより選択した端末識別番号と先に選択した発信先の電話番号を含む発信指示を主装置10に送信し、発信履歴情報を保存メモリ44に書込む。
【0106】
タッチセンサ式表示部51の表示画面で「発信中止」が選択された場合には、保存用メモリ44の発信履歴情報を読出し、発信中の発信中止を主装置10に指示する。
【0107】
タッチセンサ式表示部51の表示画面で「設定」が選択された場合には、タッチセンサ式表示部51にビジネスホン発信用アプリケーション用の設定情報などを表示し、その接続情報やビジネスホン使用資源・機能の情報などの入力に従って、保存用メモリ44の該当する項目の情報を書き込み、あるいは書き換える。
【0108】
図25(a)〜(f)は、ビジネスホンシステムの主装置10のメイン制御部11の動作を示すフローチャートである。
【0109】
図25(a)は、IP制御部17から発信指示を受信した場合の動作を示す。ここに示すように、メイン制御部11は、IP制御部17から発信指示を受信すると、保存用メモリ14の端末識別番号の設定情報から、受信した端末識別番号に対応する端末インターフェイス回路番号を取得し、端末制御部16に着信を指示する。これにより、該当する端末20は、着信鳴動する。端末20が多機能端末20-1である場合には、メイン制御部11は、さらに、端末制御部16に携帯電話発信表示を指示する。これにより、多機能端末20-1は、携帯電話端末発信である旨を表示する。
【0110】
図25(b)は、端末制御部16からオフフックを受信した場合の動作を示す。ここに示すように、メイン制御部11は、端末制御部16からオフフックを受信すると、端末制御部16に着信停止を指示する。これにより、端末20は、着信鳴動を停止する。
【0111】
次に、受信した発信指示に電話回線識別番号が含まれているか否かを調べ、含まれていなければ、空き電話回線を取得して、保存用メモリ14の電話回線識別番号の設定情報から、該空き電話回線(識別番号)の電話回線インターフェイス回路番号を取得し、受信した発信指示に電話回線識別番号が含まれていれば、保存用メモリ14の電話回線識別番号の設定情報から、該電話回線識別番号に対する電話回線インターフェイス回路番号を取得する。
【0112】
次に、電話回線制御部15に、取得した電話回線インターフェイス回路番号の電話回線の捕捉を指示し、さらに発信を指示する。また、電話回線と端末接続線の音声通話路を接続する。これにより、端末20は、発信相手を呼び出し中である旨の呼出音を出力する。端末20が多機能端末20-1である場合、さらに、端末制御部16に発信先電話番号表示を指示する。これにより、多機能端末20-1は、発信先の電話番号を表示する。
【0113】
次に、受信した発信指示に携帯電話端末40の電話番号が含まれているか否かを調べ、含まれていれば、保存用メモリ14の発信履歴情報に発信履歴を書き込む。なお、ここでは、着信時転送の有無も書き込む。
【0114】
図25(c)は、端末制御部16からオンフックを受信した場合の動作を示す。ここに示すように、メイン制御部11は、メイン制御部11は、端末制御部16からオンフックを受信すると、電話回線制御部15に回線接続の切断を指示する。端末20が多機能端末20-1である場合には、さらに、端末制御部16に端末空き表示を指示する。これにより、多機能端末20-1は、空き状態を表示する。
【0115】
図25(d)は、電話回線制御部15から応答を受信した場合の動作を示す。ここに示すように、メイン制御部11は、電話回線制御部15から応答を受信すると、端末20が多機能端末20-1である場合には、端末制御部16に通話表示を指示する。これにより、多機能端末20-1は、通話状態を表示する。
【0116】
また、受信した発信指示に携帯電話端末の電話番号が含まれているか否かを調べ、含まれていれば、保存メモリ14の課金情報に該電話番号を書き込む。なお、課金情報の通話料金には通話終了後に通話にかかった料金を書き込む。さらに、受信した発信指示に通話録音開始指示が含まれているか否かを調べ、含まれていれば、通話録音開始時に通話録音ファイルを作成して通話を保存するとともに、保存用メモリ14の通話録音情報に携帯電話端末の電話番号と通話録音ファイル番号を書き込む。
【0117】
図25(e)は、IP制御部17から発信中止指示を受信した場合の動作を示す。ここに示すように、メイン制御部11は、IP制御部17から発信中止指示を受信すると、保存メモリ14の端末識別番号の設定情報から端末インターフェイス回路番号を取得し、端末制御部16に着信停止を指示する。これにより、着信中の端末20は着信を停止する。端末20が多機能端末20-1である場合には、さらに、端末制御部16に端末空き表示を指示する。これにより、多機能端末20-1は、空き状態を表示する。
【0118】
図25(f)は、発信が放棄された後に、電話回線制御部15から着信を受信しても、端末20が一定時間未応答の場合の動作を示す。ここに示すように、メイン制御部11は、電話回線制御部15から着信を受信しても、端末20が一定時間未応答であると、着信した電話回線インターフェイス番号を基に、保存用メモリ14の電話回線識別番号の設定情報から電話回線識別番号を取得し、さらに、その着信が、保存用メモリ14の発信履歴情報の発信相手(電話番号)と電話回線識別番号とが一致するか否かを照合し、一致する場合には、保存用メモリ14の発信履歴情報から一致した発信履歴の着信時転送を読み出す。ここで、着信時転送有りが設定されていれば、保存用メモリ14の発信履歴情報から一致した発信履歴の携帯電話端末の電話番号を読み出し、電話回線制御部15に、この携帯電話端末40への発信を指示する。これに携帯電話端末40が応答すれば、発信相手と携帯電話端末40とは通話できる。
【0119】
以上、実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものでない。例えば、上記実施形態では、携帯電話端末ごとに発信履歴や通話料金や通話録音を保存して管理でき、さらに、着信転送できるようにしているが、それらの機能を全て実現する必要はない
【符号の説明】
【0120】
10・・・ビジネスホンシステムの主装置(主装置)、11・・・メイン制御部、12・・・プロセッサ、13・・・制御プログラムROM、14・・・保存用メモリ、15・・・電話回線制御部、16・・・端末制御部、17・・・IP制御部、20・・・ビジネスホンシステムの端末(端末)、20-1・・・多機能電話機、20-2・・・単独電話機、21・・・メイン制御部、22・・・プロセッサ、23・・・制御プログラムROM、24・・・音声コントローラ、25・・・表示コントローラ、26・・・入力コントローラ、27・・・端末インターフェイス、28・・・送受話器(ハンドセット)、29・・・スピーカ、30・・・表示部、31・・・フック、32・・・ダイヤルキー、33・・・機能キー、40・・・携帯電話端末、41・・・メイン制御部、42・・・プロセッサ、43・・・制御プログラムROM、44・・・保存用メモリ、45・・・RF回路、46・・・音声コントローラ、47・・・タッチセンサ式表示コントローラ、48・・・入力コントローラ、49・・・マイクロフォン、50・・・スピーカ、51・・・タッチセンサ式表示部、52・・・ボタン、60・・・電話局、70・・・無線アクセスポイント、80・・・インターネット、90・・・通信事業者基地局、
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