特許第6443695号(P6443695)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6443695
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】車両の走行制御装置
(51)【国際特許分類】
   B60W 30/00 20060101AFI20181217BHJP
   F16H 61/02 20060101ALI20181217BHJP
   F16H 61/21 20060101ALI20181217BHJP
   F16H 59/08 20060101ALI20181217BHJP
   F16H 61/16 20060101ALI20181217BHJP
【FI】
   B60W30/00
   F16H61/02
   F16H61/21
   F16H59/08
   F16H61/16
【請求項の数】5
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-175082(P2016-175082)
(22)【出願日】2016年9月7日
(65)【公開番号】特開2018-39389(P2018-39389A)
(43)【公開日】2018年3月15日
【審査請求日】2017年10月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085361
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 治幸
(74)【代理人】
【識別番号】100147669
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 光治郎
(72)【発明者】
【氏名】西峯 明子
【審査官】 増子 真
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−222922(JP,A)
【文献】 特開2010−215189(JP,A)
【文献】 特開平09−002100(JP,A)
【文献】 特開2012−091697(JP,A)
【文献】 特開平09−323565(JP,A)
【文献】 特開平07−117515(JP,A)
【文献】 特開2002−067731(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/00 − 50/16
B60T 7/12 − 8/1769
B60T 8/32 − 8/96
B60K 31/00 − 31/18
B62D 6/00 − 6/10
F16H 59/00 − 61/12
F16H 61/16 − 61/24
F16H 61/66 − 61/70
F16H 63/40 − 63/50
F02D 29/00 − 29/06
B60R 21/00 − 21/13
B60R 21/34 − 21/38
G08G 1/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動力源と駆動輪との間の動力伝達経路の一部を構成する変速機を備えた車両において、走行状態に応じて前記変速機を変速する変速制御部と、自動運転制御による自動運転と運転者の運転操作による手動運転とを切り替える運転制御部とを備えた、車両の走行制御装置であって、
前記変速制御部は、前記変速機を変速するときの制御を、前記運転制御部によって前記自動運転に切り替えられた運転中ではショックの抑制を重視した変速制御にて行う一方で、前記運転制御部によって前記手動運転に切り替えられた運転中では変速応答性を重視した変速制御にて行うものであり、
前記運転制御部は、前記変速機の変速開始から変速完了までの間は、前記自動運転と前記手動運転との間の切替えを禁止する切替禁止部を含むことを特徴とする車両の走行制御装置。
【請求項2】
前記切替禁止部は、前進走行用の動力伝達経路が形成された状態での前記変速機の変速時には、前記変速完了までの間は、前記自動運転と前記手動運転との間の切替えを禁止することを特徴とする請求項1に記載の車両の走行制御装置。
【請求項3】
前記切替禁止部は、前進走行用の動力伝達経路が形成された状態のときに前記駆動力源を用いた駆動力源ブレーキの効果がより強く得られる状態への前記変速機のダウンシフト時には、前記ダウンシフト完了までの間は、前記自動運転と前記手動運転との間の切替えを禁止することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の走行制御装置。
【請求項4】
前記切替禁止部は、前進走行用の動力伝達経路が形成された状態と後進走行用の動力伝達経路が形成された状態との間を切り替える前記変速機の前後進切替え時には、前記前後進切替え完了までの間は、前記自動運転と前記手動運転との間の切替えを禁止することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の車両の走行制御装置。
【請求項5】
前記運転制御部は、前記自動運転中に、前記自動運転を安全に行えない状況となる緊急要件が発生した場合には、前記手動運転に切り替えるものであり、
前記切替禁止部は、前記緊急要件の発生に伴って前記自動運転から前記手動運転へ切り替えられるときには、前記変速機の変速開始から変速完了までの間であっても、前記自動運転から前記手動運転への切替えを禁止しないことを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の車両の走行制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変速機の変速と、自動運転と手動運転との切替えとを行うことが可能な車両の走行制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動運転制御による自動運転と運転者の運転操作による手動運転とを切り替える車両の走行制御装置が良く知られている。例えば、特許文献1に記載された車両の自動運転制御装置がそれである。この特許文献1には、各種センサからの信号に基づいて車速や操舵角を制御して自律走行を行う自動運転と、運転者の運転操作による手動運転とを切り替えることができる車両が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−222922号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、駆動力源と駆動輪との間の動力伝達経路の一部を構成する変速機を備えた車両では、走行状態に応じて変速機を変速している。このような変速機の変速が行われているときに、例えば車両の周辺状況に対応した制御を行う自動運転と、例えば運転者の意図を汲んだ制御を行う手動運転との間で切替えが為された場合、変速時の制御を、自動運転に合った制御と手動運転に合った制御との間で切り替えることが考えられる。そうすると、変速時の制御が自動運転と手動運転との間での切替えにより不連続となる可能性があり、それに伴ってショックが発生するおそれがある。
【0005】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、変速機の変速時の自動運転と手動運転との間での切替えに伴うショックを防止することができる車両の走行制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明の要旨とするところは、(a) 駆動力源と駆動輪との間の動力伝達経路の一部を構成する変速機を備えた車両において、走行状態に応じて前記変速機を変速する変速制御部と、自動運転制御による自動運転と運転者の運転操作による手動運転とを切り替える運転制御部とを備えた、車両の走行制御装置であって、(b) 前記変速制御部は、前記変速機を変速するときの制御を、前記運転制御部によって前記自動運転に切り替えられた運転中ではショックの抑制を重視した変速制御にて行う一方で、前記運転制御部によって前記手動運転に切り替えられた運転中では変速応答性を重視した変速制御にて行うものであり、(c) 前記運転制御部は、前記変速機の変速開始から変速完了までの間は、前記自動運転と前記手動運転との間の切替えを禁止する切替禁止部を含むことにある。
【0007】
また、第2の発明は、前記第1の発明に記載の車両の走行制御装置において、前記切替禁止部は、前進走行用の動力伝達経路が形成された状態での前記変速機の変速時には、前記変速完了までの間は、前記自動運転と前記手動運転との間の切替えを禁止することにある。
【0008】
また、第3の発明は、前記第1の発明又は第2の発明に記載の車両の走行制御装置において、前記切替禁止部は、前進走行用の動力伝達経路が形成された状態のときに前記駆動力源を用いた駆動力源ブレーキの効果がより強く得られる状態への前記変速機のダウンシフト時には、前記ダウンシフト完了までの間は、前記自動運転と前記手動運転との間の切替えを禁止することにある。
【0009】
また、第4の発明は、前記第1の発明から第3の発明の何れか1つに記載の車両の走行制御装置において、前記切替禁止部は、前進走行用の動力伝達経路が形成された状態と後進走行用の動力伝達経路が形成された状態との間を切り替える前記変速機の前後進切替え時には、前記前後進切替え完了までの間は、前記自動運転と前記手動運転との間の切替えを禁止することにある。
【0010】
また、第5の発明は、前記第1の発明から第4の発明の何れか1つに記載の車両の走行制御装置において、前記運転制御部は、前記自動運転中に、前記自動運転を安全に行えない状況となる緊急要件が発生した場合には、前記手動運転に切り替えるものであり、前記切替禁止部は、前記緊急要件の発生に伴って前記自動運転から前記手動運転へ切り替えられるときには、前記変速機の変速開始から変速完了までの間であっても、前記自動運転から前記手動運転への切替えを禁止しないことにある。
【発明の効果】
【0011】
前記第1の発明によれば、変速機の変速開始から変速完了までの間は、自動運転と手動運転との間の切替えが禁止されるので、その変速時の制御が自動運転に合った制御と手動運転に合った制御との間で切り替えられることが回避され、その変速時の制御の不連続が生じない。よって、変速機の変速時の自動運転と手動運転との間での切替えに伴うショックを防止することができる。
【0012】
また、前記第2の発明によれば、前進走行用の動力伝達経路が形成された状態での変速機の変速時には、その変速完了までの間は、自動運転と手動運転との間の切替えが禁止されるので、その変速時の制御が自動運転に合った制御と手動運転に合った制御との間で切り替えられることが回避され、その変速時の制御の不連続が生じない。
【0013】
また、前記第3の発明によれば、前進走行用の動力伝達経路が形成された状態のときに駆動力源ブレーキの効果がより強く得られる状態への変速機のダウンシフト時には、そのダウンシフト完了までの間は、自動運転と手動運転との間の切替えが禁止されるので、そのダウンシフト時の制御が自動運転に合った制御と手動運転に合った制御との間で切り替えられることが回避され、そのダウンシフト時の制御の不連続が生じない。
【0014】
また、前記第4の発明によれば、前進走行用の動力伝達経路が形成された状態と後進走行用の動力伝達経路が形成された状態との間を切り替える変速機の前後進切替え時には、その前後進切替え完了までの間は、自動運転と手動運転との間の切替えが禁止されるので、その前後進切替え時の制御が自動運転に合った制御と手動運転に合った制御との間で切り替えられることが回避され、その前後進切替え時の制御の不連続が生じない。
【0015】
また、前記第5の発明によれば、緊急要件の発生に伴って自動運転から手動運転へ切り替えられるときには、変速機の変速開始から変速完了までの間であっても、自動運転から手動運転への切替えが禁止されないので、自動運転を安全に行えない状況では、変速機の変速中であっても自動運転から手動運転へ速やかに切り替えられる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明が適用される車両の走行に関わる各部の概略構成を説明する図であると共に、その各部を制御する為の制御系統の要部を説明する図である。
図2】トルクコンバータや自動変速機の一例を説明する骨子図である。
図3】自動変速機の変速作動とそれに用いられる係合装置の作動の組み合わせとの関係を説明する作動図表である。
図4】電子制御装置の制御作動の要部すなわち自動変速機の変速時の自動運転と手動運転との間での切替えに伴うショックを防止する為の制御作動を説明するフローチャートである。
図5】電子制御装置の制御作動の要部すなわち自動変速機の変速時の自動運転と手動運転との間での切替えに伴うショックを防止する為の制御作動を説明するフローチャートであって、図4とは別の実施例である。
図6】電子制御装置の制御作動の要部すなわち自動変速機の変速時の自動運転と手動運転との間での切替えに伴うショックを防止する為の制御作動を説明するフローチャートであって、図4とは別の実施例である。
図7】電子制御装置の制御作動の要部すなわち自動変速機の変速時の自動運転と手動運転との間での切替えに伴うショックを防止する為の制御作動を説明するフローチャートであって、図4とは別の実施例である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0018】
図1は、本発明が適用される車両10の走行に関わる各部の概略構成を説明する図であると共に、その各部を制御する為の制御系統の要部を説明する図である。図1において、車両10は、エンジン12と、駆動輪14と、エンジン12と駆動輪14との間の動力伝達経路に設けられた動力伝達装置16とを備えている。動力伝達装置16は、車体に取り付けられる非回転部材としてのケース18内に、トルクコンバータ20、自動変速機22、自動変速機22の出力回転部材である変速機出力歯車24に連結された減速ギヤ機構26、その減速ギヤ機構26に連結されたディファレンシャルギヤ(差動歯車装置)28等を備えている。又、動力伝達装置16は、ディファレンシャルギヤ28に連結された1対のドライブシャフト(車軸)30等を備えている。動力伝達装置16において、エンジン12から出力される動力(特に区別しない場合にはトルクや力も同義)は、トルクコンバータ20、自動変速機22、減速ギヤ機構26、ディファレンシャルギヤ28、及びドライブシャフト30等を順次介して駆動輪14へ伝達される。
【0019】
エンジン12は、車両10の駆動力源(動力源も同意)であり、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の公知の内燃機関である。このエンジン12は、後述する電子制御装置90によって吸入空気量、燃料供給量、点火時期等の運転状態が制御されることによりエンジントルクTeが制御される。
【0020】
図2は、トルクコンバータ20や自動変速機22の一例を説明する骨子図である。尚、トルクコンバータ20や自動変速機22等は、自動変速機22の入力回転部材である変速機入力軸32の軸心RCに対して略対称的に構成されており、図2ではその軸心RCの下半分が省略されている。
【0021】
図2において、トルクコンバータ20は、エンジン12と自動変速機22との間の動力伝達経路において、軸心RC回りに回転するように配設されており、エンジン12に連結されたポンプ翼車20p、及び変速機入力軸32に連結されたタービン翼車20tなどを備えた流体式伝動装置である。変速機入力軸32は、タービン翼車20tによって回転駆動されるタービン軸でもある。又、動力伝達装置16は、ポンプ翼車20pとタービン翼車20tとの間(すなわちトルクコンバータ20の入出力回転部材間)を直結可能なロックアップクラッチLCを備えている。又、動力伝達装置16は、ポンプ翼車20pに連結された機械式のオイルポンプ34を備えている。オイルポンプ34は、エンジン12によって回転駆動されることにより、自動変速機22の変速制御に用いたり、動力伝達装置16の各部に潤滑油を供給したりする為の作動油を吐出する。すなわち、オイルポンプ34によって汲み上げられた作動油は、車両10に備えられた油圧制御回路50(図1参照)の元圧として供給される。
【0022】
自動変速機22は、エンジン12と駆動輪14との間の動力伝達経路の一部を構成する有段式の変速機である。自動変速機22は、複数組の遊星歯車装置と複数の係合装置とを有する、遊星歯車式の多段変速機である。具体的には、自動変速機22は、ダブルピニオン型の第1遊星歯車装置36と、ラビニヨ型に構成されている、シングルピニオン型の第2遊星歯車装置38及びダブルピニオン型の第3遊星歯車装置40とを同軸線上(軸心RC上)に有している。又、自動変速機22は、第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第4クラッチC4、第1ブレーキB1、及び第2ブレーキB2の複数の係合装置(以下、特に区別しない場合は単に係合装置Cという)を有している。
【0023】
係合装置Cは、油圧アクチュエータにより押圧される湿式多板型のクラッチやブレーキ、油圧アクチュエータによって引き締められるバンドブレーキなどにより構成される、油圧式の摩擦係合装置である。係合装置Cは、油圧制御回路50内の各ソレノイドバルブSL1−SL6等から各々出力される各油圧(クラッチ圧)Pc(すなわちクラッチ圧Pc1,Pc2,Pc3,Pc4,Pb1,Pb2)によりそれぞれのトルク容量(クラッチトルク)Tc(すなわちクラッチトルクTc1,Tc2,Tc3,Tc4,Tb1,Tb2)が変化させられることで、それぞれ作動状態(係合や解放などの状態)が切り替えられる。
【0024】
自動変速機22は、第1遊星歯車装置36、第2遊星歯車装置38、及び第3遊星歯車装置40の各回転要素(サンギヤS1,S2,S3、キャリヤCA1,RCA、リングギヤR1,RR)が、直接的に或いは係合装置Cを介して間接的(或いは選択的)に、一部が互いに連結されたり、変速機入力軸32、ケース18、或いは変速機出力歯車24に連結されている。
【0025】
自動変速機22は、後述する電子制御装置90により運転者(ドライバ)の加速操作(アクセル操作)や車速V等に応じて係合装置Cの作動状態が制御されることで(つまり係合装置Cのうちの所定の係合装置が係合されることで)、ギヤ比(変速比)γ(=AT入力回転速度Ni/AT出力回転速度No)が異なる複数のギヤ段(変速段)が選択的に形成される。自動変速機22は、例えば図3の係合作動表に示すように、第1速ギヤ段「1st」−第8速ギヤ段「8th」の8つの前進ギヤ段、及び1つの後進ギヤ段「Rev」の各ギヤ段が選択的に形成される。尚、AT入力回転速度Niは、変速機入力軸32の回転速度であり、AT出力回転速度Noは、変速機出力歯車24の回転速度である。又、各ギヤ段に対応する自動変速機22のギヤ比γは、第1遊星歯車装置36、第2遊星歯車装置38、及び第3遊星歯車装置40の各歯車比(=サンギヤの歯数/リングギヤの歯数)ρ1,ρ2,ρ3によって適宜定められる。ギヤ比γは、第1速ギヤ段「1st」が最も大きく、高車速側(第8速ギヤ段「8th」側)程小さくなる。
【0026】
図3の係合作動表は、自動変速機22にて形成される各ギヤ段と係合装置Cの各作動状態との関係をまとめたものであり、「○」は係合、空欄は解放をそれぞれ表している。図3に示すように、係合装置Cのうちの所定の係合装置が係合されることで、8つの前進ギヤ段(「1st」−「8th」)、及び1つの後進ギヤ段「Rev」の各ギヤ段が選択的に形成される。例えば、第1速ギヤ段「1st」は、所定の係合装置である、第1クラッチC1及び第2ブレーキB2が係合されることで形成される。又、係合装置Cが何れも解放されることにより、自動変速機22は、何れのギヤ段も形成されないニュートラル状態(すなわち動力伝達を遮断するニュートラル状態)とされる。
【0027】
図1に戻り、車両10は、更に、走行に関わる各部を制御する走行制御装置を含む電子制御装置90を備えている。電子制御装置90は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより車両10の各種制御を実行する。例えば、電子制御装置90は、エンジン12の出力制御、自動変速機22の変速制御等を実行するようになっており、必要に応じてエンジン制御用、油圧制御用(変速制御用)等の各コンピュータを含んで構成される。
【0028】
電子制御装置90には、車両10に備えられた各種センサ等(例えばエンジン回転速度センサ60、入力回転速度センサ62、出力回転速度センサ64、油温センサ66、アクセル開度センサ68、スロットル弁開度センサ70、シフト操作ポジションセンサ72、Gセンサ74、ヨーレートセンサ76、外気温センサ78、車載カメラなどの進路認識及び障害物検出センサ80、GPSアンテナ81、外部ネットワーク通信用アンテナ82、運転者が自動運転を選択する為の自動運転選択スイッチ84など)による検出値に基づく各種信号等(例えばエンジン回転速度Ne、タービン軸の回転速度(すなわちタービン回転速度Nt)でもあるAT入力回転速度Ni、車速Vに対応するAT出力回転速度No、油圧制御回路50内の作動油の温度である作動油温THoil、運転者の加速操作の大きさを表す運転者の加速操作量(すなわちアクセルペダルの操作量)であるアクセル開度θacc、電子スロットル弁の開度であるスロットル弁開度θth、車両10に備えられたシフト操作部材としてのシフトレバー52の操作位置(操作ポジション)POSsh、車両10の前後加速度Gx、車両10の左右加速度Gy、車両10の鉛直軸まわりの回転角速度であるヨーレートRyaw、車両10周辺の外気温THair、車両周囲情報Iard、GPS信号(軌道信号)Sgps、通信信号Scom、自動運転選択信号Sautoなど)が、それぞれ供給される。又、電子制御装置90からは、車両10に備えられた各装置(例えばエンジン12、油圧制御回路50、外部ネットワーク通信用アンテナ82、操舵アクチュエータ86、ブレーキアクチュエータ88など)に各種指令信号(例えばエンジン12を制御する為のエンジン制御指令信号Se、係合装置Cの作動状態を制御する為の(すなわち自動変速機22の変速を制御する為の)油圧制御指令信号Sat、通信信号Scom、車輪(特には前輪)の操舵を制御する操舵アクチュエータ86を作動させる為の操舵信号Sste、フットブレーキを制御するブレーキアクチュエータ88を作動させる為の制動信号Sbraなど)が、それぞれ出力される。この油圧制御指令信号Satは、係合装置Cの各油圧アクチュエータへ供給される各クラッチ圧Pcを調圧する各ソレノイドバルブSL1−SL6を駆動する為の指令信号(油圧指令値、指示圧)であり、油圧制御回路50へ出力される。
【0029】
シフトレバー52の操作ポジションPOSshは、例えば操作ポジション「P」、「R」、「N」、「D」、「B」等である。操作ポジション「P」は、自動変速機22のパーキングポジション(Pポジション)を選択し、自動変速機22を動力伝達経路が遮断されたニュートラル状態(中立状態)(すなわち係合装置Cの解放によってエンジン12と駆動輪14との間の動力伝達経路を動力伝達が不能なニュートラル状態)とし且つ機械的に変速機出力歯車24の回転を阻止(ロック)する為のパーキング操作ポジションP(以下、P操作ポジションという)である。又、操作ポジション「R」は、自動変速機22の後進走行ポジション(Rポジション)を選択し、後進走行する為の後進走行操作ポジションR(以下、R操作ポジションという)(すなわち自動変速機22の後進ギヤ段を形成する係合装置Cの係合によってエンジン12と駆動輪14との間の動力伝達経路を後進走行用の動力伝達経路が形成された動力伝達可能状態とするR操作ポジション)である。このR操作ポジションは、自動変速機22の後進ギヤ段「Rev」を用いて後進走行を可能とする走行操作ポジションである。又、操作ポジション「N」は、自動変速機22のニュートラルポジション(Nポジション)を選択し、自動変速機22をニュートラル状態とする為のニュートラル操作ポジションN(以下、N操作ポジションという)である。P操作ポジション及びN操作ポジションは、各々、エンジン12の動力による走行を不能とする非走行操作ポジションである。又、操作ポジション「D」は、自動変速機22の前進走行ポジション(Dポジション)を選択し、前進走行する為の前進走行操作ポジションD(以下、D操作ポジションという)(すなわち自動変速機22の前進ギヤ段を形成する係合装置Cの係合によってエンジン12と駆動輪14との間の動力伝達経路を前進走行用の動力伝達経路が形成された動力伝達可能状態とするD操作ポジション)である。このD操作ポジションは、自動変速機22の変速を許容する変速範囲(Dレンジ)で第1速ギヤ段「1st」−第8速ギヤ段「8th」の総ての前進ギヤ段を用いて自動変速制御を実行して前進走行を可能とする走行操作ポジションである。又、操作ポジション「B」は、自動変速機22のエンジンブレーキポジション(Bポジション)を選択し、自動変速機22を、Dポジションと比較して、前進走行用の動力伝達経路が形成された動力伝達可能状態のときにエンジン12を用いた駆動力源ブレーキとしてのエンジンブレーキが作用させられ易い状態(すなわちエンジンブレーキの効果がより強く得られる状態)とする為のエンジンブレーキ操作ポジションB(以下、B操作ポジションという)である。例えば、B操作ポジションでは、D操作ポジションのときと比較して、自動変速機22において1段(又は2段以上でも良い)低車速側(ロー側)のギヤ段が形成される。従って、シフトレバー52がD操作ポジションからB操作ポジションへ切り替えられる(すなわちD→B切替操作される)と、自動変速機22に対してDポジションからBポジションへの切替え要求(D→Bポジション切替え要求)が為され、自動変速機22はダウンシフトされる。このように、シフトレバー52は、人為的に操作されることで自動変速機22のシフトポジションの切替え要求を受け付ける切替操作部材として機能する。
【0030】
電子制御装置90は、車両10における各種制御の為の制御機能を実現する為に、動力源制御手段すなわち動力源制御部92、変速制御手段すなわち変速制御部94、及び運転制御手段すなわち運転制御部96を備えている。
【0031】
動力源制御部92は、例えば予め実験的に或いは設計的に求められて記憶された(すなわち予め定められた)関係(例えば駆動力マップ)にアクセル開度θacc及び車速V(AT出力回転速度No等も同意)を適用することで要求駆動力Fdemを算出する。動力源制御部92は、伝達損失、補機負荷、自動変速機22のギヤ比γ等を考慮して、その要求駆動力Fdemが得られる目標エンジントルクTetgtを設定し、その目標エンジントルクTetgtが得られるように、エンジン12の出力制御を行うエンジン制御指令信号Seをスロットルアクチュエータや燃料噴射装置や点火装置などへ出力する。
【0032】
変速制御部94は、走行状態に応じて自動変速機22を変速する。具体的には、変速制御部94は、シフトレバー52の操作ポジションPOSshがD操作ポジションであるときには、例えば予め定められた関係(変速マップ、変速線図)を用いて自動変速機22のギヤ段の切替え制御の実行有無を判断することで自動変速機22の変速を実行するか否かを判断する。変速制御部94は、上記変速マップに車速関連値及び駆動要求量を適用することで自動変速機22の変速を実行するか否かを判断する(すなわち自動変速機22にて形成するギヤ段を判断する)。変速制御部94は、その判断したギヤ段を形成するように、自動変速機22の変速に関与する係合装置Cを係合及び/又は解放させる変速指令を、油圧制御指令信号Satとして油圧制御回路50へ出力する。
【0033】
上記変速マップは、車速関連値及び駆動要求量を変数とする二次元座標上に、自動変速機22の変速が判断される為の変速線を有する所定の関係である。この変速マップにおける各変速線は、アップシフトが判断される為のアップ線、及びダウンシフトが判断される為のダウン線である。アップ線及びダウン線は、各々、複数のギヤ段において相互に1段異なるギヤ段間毎に予め定められている。この各変速線は、ある駆動要求量を示す線上において実際の車速関連値が線を横切ったか否か、又は、ある車速関連値を示す線上において実際の駆動要求量が線を横切ったか否か、すなわち変速線上の変速を実行すべき値(変速点)を横切ったか否かを判定する為のものであり、この変速点の連なりとして予め定められている。上記車速関連値は、車速Vやその車速Vに関連する値であって、例えば車速Vや車輪速やAT出力回転速度No等である。上記駆動要求量は、運転者による車両10に対する駆動要求の大きさを表す値であって、例えば上述した要求駆動力Fdem[N]、要求駆動力Fdemに関連する要求駆動トルク[Nm]や要求駆動パワー[W]等である。この駆動要求量として、単にアクセル開度θacc[%]やスロットル弁開度θth[%]や吸入空気量[g/sec]等を用いることもできる。
【0034】
変速制御部94は、自動変速機22の変速の際には、係合装置Cのうちの所定の係合装置としての自動変速機22の変速に関与する係合装置を掴み替える(すなわち所定の係合装置の係合と解放とを切り替える)、所謂クラッチツゥクラッチ変速を行う。例えば、第3速ギヤ段「3rd」から第2速ギヤ段「2nd」への3→2ダウンシフトでは、第3クラッチC3と第1ブレーキB1とで掴み替えが行われる(すなわちを第3クラッチC3を解放すると共に第1ブレーキB1を係合するクラッチツゥクラッチ変速が実行される)。
【0035】
又、変速制御部94は、シフトレバー52の操作ポジションPOSshがR操作ポジションであるときには、後進ギヤ段「Rev」を形成するように、第3クラッチC3及び第2ブレーキB2を共に係合させる指令を、油圧制御指令信号Satとして油圧制御回路50へ出力する。従って、変速制御部94は、シフトレバー52がD操作ポジションとR操作ポジションとで切り替えられるとき(すなわちD→R切替操作又はR→D切替操作されるとき)には、前進ギヤ段(特には第1速ギヤ段「1st」)と後進ギヤ段「Rev」とを切り替えるように、すなわち前進走行用の動力伝達経路が形成された状態(すなわち自動変速機22のDポジション)と後進走行用の動力伝達経路が形成された状態(すなわち自動変速機22のRポジション)とを切り替えるように、自動変速機22を変速する油圧制御指令信号Satを油圧制御回路50へ出力する。
【0036】
又、変速制御部94は、シフトレバー52がD→B切替操作されたときには、自動変速機22のDポジションのときにエンジンブレーキの効果がより強く得られる状態へ自動変速機22をダウンシフトする油圧制御指令信号Satを油圧制御回路50へ出力する。
【0037】
又、変速制御部94は、運転制御部96による自動運転中に自動変速機22のシフトポジション又はギヤ段の切替え要求があったときには、その切替え要求にて要求されたシフトポジション又はギヤ段を形成するように、自動変速機22を変速する油圧制御指令信号Satを油圧制御回路50へ出力する。
【0038】
運転制御部96は、自動運転制御による自動運転と運転者の運転操作による手動運転とを切り替える。手動運転は、アクセル操作、ブレーキ操作、操舵操作などの運転者の運転操作によって車両10の走行を行う運転方法である。自動運転は、運転者の運転操作(意思)に依らず、各種センサからの信号や情報等に基づく電子制御装置90による制御により加減速、制動、操舵などを自動で行うことによって車両10の走行を行う運転方法である。
【0039】
具体的には、運転制御部96は、自動運転選択スイッチ84において自動運転が選択されていない場合には手動運転を実行する一方で、運転者によって自動運転選択スイッチ84が操作されて自動運転が選択されている場合には自動運転を実行する。又、運転制御部96は、自動運転中に、アクセル操作、ブレーキ操作、操舵操作などの運転者の運転操作が行われたと判断した場合には、手動運転に切り替える。又、運転制御部96は、自動運転中に、緊急要件が発生したと判断した場合には、手動運転に切り替える。この緊急要件は、例えばハッキング(通信回線を介した電子制御装置90への不法侵入)、通信信号Scomの送受信エラーなどの自動運転に必要な通信の異常によって自動運転を安全に行えない状況である。又、運転制御部96は、自動運転中に、道路状況に基づいて自動運転の実行が不可能と判断した場合には、手動運転に切り替える。運転制御部96は、自動運転中に道路状況に基づいて一時的に手動運転に切り替えたときに、道路状況に基づいて自動運転への復帰が可能と判断した場合には、自動運転に切り替える。又、運転制御部96は、手動運転中に、緊急要件が発生したと判断している状態で、運転者によって自動運転選択スイッチ84が操作されて自動運転が選択された場合には、自動運転への切替えを禁止し、手動運転を維持する。
【0040】
運転制御部96は、各種センサからの信号や情報等に基づいて、エンジン12や自動変速機22を各々制御する指令を動力源制御部92及び変速制御部94へ出力すると共に、操舵アクチュエータ86やブレーキアクチュエータ88を作動させることで、自動運転を行う。
【0041】
ところで、自動運転では、例えば車両10の周辺状況に対応した制御にて車両10の運転が行われる。一方で、手動運転では、例えば運転者の意図を汲んだ制御にて車両10の運転が行われる。その為、自動変速機22を変速するときの制御を、自動運転中であれば自動運転に合った制御(変速制御)にて行う一方で、手動運転中であれば手動運転に合った制御(変速制御)にて行うことが考えられる。例えば、自動運転中は、自動変速機22の変速に要する変速時間を比較的長くすることで、ショックの抑制を重視した変速制御を行う。一方で、手動運転中は、自動変速機22の変速に要する変速時間を比較的短くすることで、運転者の加速意図や減速意図に沿った変速応答性を重視した変速制御を行う。このような変速制御を行う場合、自動変速機22の変速が行われているときに、自動運転と手動運転との間で切替えが為されると、変速時の制御(例えば変速時間の制御、延いては変速過渡中の駆動トルクの制御や目標駆動トルクを実現するタイミングの制御)が自動運転に合った制御と手動運転に合った制御との間で切り替えられて不連続となる可能性があり、それに伴ってショックが発生するおそれがある。
【0042】
そこで、運転制御部96は、自動変速機22の変速時の自動運転と手動運転との間での切替えに伴うショックを防止する為に、自動変速機22の変速開始から変速完了までの間は、自動運転と手動運転との間の切替えを禁止する切替禁止部97を機能的に備えている。
【0043】
電子制御装置90は、上述した自動変速機22の変速時の自動運転と手動運転との間での切替えに伴うショックを防止する制御を実現する為に、走行状態判定手段すなわち走行状態判定部98を更に備えている。
【0044】
走行状態判定部98は、自動運転と手動運転との間での切替えを行うときであるか否か、すなわち自動運転と手動運転との間の切替え要求が有るか否かを判定する。自動運転と手動運転との間での切替えは、自動運転から手動運転への切替え、又は、手動運転から自動運転への切替えである。すなわち、自動運転と手動運転との間の切替え要求は、自動運転から手動運転への切替え要求、又は、手動運転から自動運転への切替え要求である。
【0045】
又、走行状態判定部98は、変速制御部94による自動変速機22の変速(すなわちギヤ段の切替え)時であるか否か、すなわち自動変速機22に対する変速要求が有るか否かを判定する。変速制御部94による自動変速機22の変速時は、例えば自動変速機22のDポジションでの自動変速機22の変速時である。すなわち、自動変速機22に対する変速要求は、例えば自動変速機22のDポジションでのギヤ段の切替え要求である。
【0046】
走行状態判定部98は、自動変速機22の変速が完了したか否か(すなわちギヤ段の切替えが完了したか否か)を判定する。Dポジションでの自動変速機22の変速時には(すなわち自動変速機22のDポジションでのギヤ段の切替え要求が有るときには)、自動変速機22の変速に伴って作動状態が切り替えられる係合装置Cに対するその作動状態を切り替える為の油圧制御指令信号Satを出力する係合/解放制御が実行されてその作動状態が切り替えられる。その為、自動変速機22の変速開始は、例えば油圧制御指令信号Satの出力開始による係合装置Cの係合/解放制御開始(つまり係合装置Cの作動状態の切替え開始)で判断されれば良い。又、自動変速機22の変速完了は、例えば油圧制御指令信号Satの出力終了による係合装置Cの係合/解放制御完了(終了)(つまり係合装置Cの作動状態の切替え完了)で判断されれば良い。走行状態判定部98は、例えば係合装置Cの係合/解放制御が終了したか否かに基づいて、自動変速機22の変速が完了したか否かを判定する。走行状態判定部98は、例えば油圧制御指令信号Satの出力が終了したか否かで、係合装置Cの係合/解放制御が終了したか否かを判断する。
【0047】
又は、自動変速機22の変速が完了すれば、エンジン回転速度Ne(又はAT入力回転速度Ni)は変速後の同期回転速度とされる。その為、自動変速機22の変速完了は、例えばAT入力回転速度Niが変速後の同期回転速度(=変速後のギヤ比γ×AT出力回転速度No)とされたかで判断されても良い。走行状態判定部98は、例えばAT入力回転速度Niが変速後の同期回転速度となったと判断できるか否かに基づいて、自動変速機22の変速が完了したか否かを判定する。
【0048】
又は、Dポジションでの自動変速機22の変速過渡において変速ショックを抑制する為のエンジン12のトルクダウン制御を実行する場合には、そのトルクダウン制御が終了されてエンジントルクTe(又はエンジン12に対するエンジン制御指令信号Se)が目標エンジントルクTetgtの値に戻っているかで自動変速機22の変速完了が判断されても良い。走行状態判定部98は、例えばトルクダウン制御の終了によってエンジントルクTe(又はエンジン12に対するエンジン制御指令信号Se)が目標エンジントルクTetgtの値に戻っているか否かに基づいて、自動変速機22の変速が完了したか否かを判定する。エンジントルクTeが目標エンジントルクTetgtの値に戻っているか否かを判定することは、駆動トルクが変速後の目標駆動トルクに到達したか否かを判定することでもある。
【0049】
切替禁止部97は、走行状態判定部98により自動運転と手動運転との間の切替え要求が有ると判定され、且つ、走行状態判定部98により自動変速機22に対する変速要求(例えば自動変速機22のDポジションでのギヤ段の切替え要求)が有ると判定されたときに、走行状態判定部98により自動変速機22の変速が完了していないと判定された場合には、自動運転と手動運転との間の切替えを禁止する。すなわち、切替禁止部97は、走行状態判定部98により自動運転と手動運転との間の切替え要求が有ると判定されたときに、走行状態判定部98により自動変速機22のDポジションでのギヤ段の切替え要求が有ると判定された場合には、走行状態判定部98により自動変速機22の変速が完了したと判定されるまでの間は、自動運転と手動運転との間の切替えを禁止する。一方で、運転制御部96は、走行状態判定部98により自動運転と手動運転との間の切替え要求が有ると判定され、且つ、走行状態判定部98により自動変速機22のDポジションでのギヤ段の切替え要求が有ると判定されたときに、走行状態判定部98により自動変速機22の変速が完了したと判定された場合には、自動運転と手動運転との間の切替えを実行する。又、運転制御部96は、走行状態判定部98により自動運転と手動運転との間の切替え要求が有ると判定されたときに、走行状態判定部98により自動変速機22のDポジションでのギヤ段の切替え要求が無いと判定された場合には、自動運転と手動運転との間の切替えを実行する。
【0050】
図4は、電子制御装置90の制御作動の要部すなわち自動変速機22の変速時の自動運転と手動運転との間での切替えに伴うショックを防止する為の制御作動を説明するフローチャートであり、例えば走行中に繰り返し実行される。
【0051】
図4において、先ず、走行状態判定部98の機能に対応するステップ(以下、ステップを省略する)S10において、自動運転と手動運転との間の切替え要求が有るか否かが判定される。このS10の判断が否定される場合は本ルーチンが終了させられる。このS10の判断が肯定される場合は走行状態判定部98の機能に対応するS20において、自動変速機22に対する変速要求(Dポジションでのギヤ段の切替え要求)が有るか否かが判定される。このS20の判断が肯定される場合は走行状態判定部98の機能に対応するS30において、自動変速機22の変速(ギヤ段の切替え)が完了したか否かが判定される。このS30の判断が否定される場合は切替禁止部97の機能に対応するS40において、自動運転と手動運転との間の切替えが禁止される。このS40に次いで、上記S30が実行される。一方で、上記S20の判断が否定される場合は、又は、上記S30の判断が肯定される場合は、運転制御部96の機能に対応するS50において、自動運転と手動運転との間の切替えが実行される。
【0052】
上述のように、本実施例によれば、自動変速機22の変速開始から変速完了までの間は、自動運転と手動運転との間の切替えが禁止されるので、その変速時の制御が自動運転に合った制御と手動運転に合った制御との間で切り替えられることが回避され、その変速時の制御の不連続が生じない。よって、自動変速機22の変速時の自動運転と手動運転との間での切替えに伴うショックを防止することができる。
【0053】
また、本実施例によれば、Dポジションでの自動変速機22の変速時には、その変速完了までの間は、自動運転と手動運転との間の切替えが禁止されるので、その変速時の制御が自動運転に合った制御と手動運転に合った制御との間で切り替えられることが回避され、その変速時の制御の不連続が生じない。
【0054】
次に、本発明の他の実施例を説明する。尚、以下の説明において実施例相互に共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【実施例2】
【0055】
前述の実施例1では、変速制御部94による自動変速機22の変速時が、自動変速機22のDポジションでの自動変速機22の変速時である場合を例示した。本実施例では、自動変速機22の変速時が、自動変速機22のDポジションのときにエンジンブレーキの効果がより強く得られる状態への自動変速機22のダウンシフト時である場合を例示する。すなわち、自動変速機22に対する変速要求が、自動変速機22に対するD→Bポジション切替え要求である場合を例示する。
【0056】
手動運転中の場合には、D→Bポジション切替え要求が有るときは、前述の実施例1で示したように、シフトレバー52がD→B切替操作されたときが想定される。自動運転中の場合には、D→Bポジション切替え要求が有るときは、例えば下り坂走行などのエンジンブレーキが必要となる走行となったときが想定される。
【0057】
D→Bポジションの切替えは、自動変速機22のダウンシフト(すなわち低車速ギヤ段への切替え)であり、自動変速機22のDポジションでのギヤ段の切替え要求が有るときと同様に、自動変速機22の変速が実行される。従って、自動変速機22のDポジションのときにエンジンブレーキの効果がより強く得られる状態への自動変速機22のダウンシフト時には(すなわち自動変速機22に対するD→Bポジション切替え要求が有るときには)、自動変速機22のダウンシフト(変速)に伴って作動状態が切り替えられる係合装置Cに対するその作動状態を切り替える為の油圧制御指令信号Satを出力する係合/解放制御が実行されてその作動状態が切り替えられる。その為、自動変速機22のダウンシフト(ここではD→Bポジションの切替え)完了は、例えば係合装置Cの係合/解放制御完了で判断されれば良い。走行状態判定部98は、例えば係合装置Cの係合/解放制御が終了したか否かに基づいて、自動変速機22のダウンシフトが完了したか否かを判定する。
【0058】
又は、自動変速機22のダウンシフトが完了すれば、エンジン回転速度Ne(又はAT入力回転速度Ni)は変速後の同期回転速度へ上昇させられる。その為、自動変速機22のダウンシフト完了は、例えばAT入力回転速度Niがダウンシフト後の同期回転速度(=ダウンシフト後のギヤ比γ×AT出力回転速度No)とされたかで判断されても良い。走行状態判定部98は、例えばAT入力回転速度Niがダウンシフト後の同期回転速度となったと判断できる為の目標回転速度以上であるか否かに基づいて、自動変速機22のダウンシフトが完了したか否かを判定する。
【0059】
切替禁止部97は、走行状態判定部98により自動運転と手動運転との間の切替え要求が有ると判定され、且つ、走行状態判定部98により自動変速機22に対する変速要求(例えば自動変速機22に対するD→Bポジション切替え要求)が有ると判定されたときに、走行状態判定部98により自動変速機22のダウンシフト(D→Bポジションの切替え)が完了していないと判定された場合には、自動運転と手動運転との間の切替えを禁止する。すなわち、切替禁止部97は、走行状態判定部98により自動運転と手動運転との間の切替え要求が有ると判定されたときに、走行状態判定部98により自動変速機22に対するD→Bポジション切替え要求が有ると判定された場合には、走行状態判定部98により自動変速機22のダウンシフトが完了したと判定されるまでの間は、自動運転と手動運転との間の切替えを禁止する。一方で、運転制御部96は、走行状態判定部98により自動運転と手動運転との間の切替え要求が有ると判定され、且つ、走行状態判定部98により自動変速機22に対するD→Bポジション切替え要求が有ると判定されたときに、走行状態判定部98により自動変速機22のダウンシフトが完了したと判定された場合には、自動運転と手動運転との間の切替えを実行する。又、運転制御部96は、走行状態判定部98により自動運転と手動運転との間の切替え要求が有ると判定されたときに、走行状態判定部98により自動変速機22に対するD→Bポジション切替え要求が無いと判定された場合には、自動運転と手動運転との間の切替えを実行する。
【0060】
図5は、電子制御装置90の制御作動の要部すなわち自動変速機22の変速時の自動運転と手動運転との間での切替えに伴うショックを防止する為の制御作動を説明するフローチャートであり、例えば走行中に繰り返し実行される。図5は、図4とは別の実施例である。
【0061】
図5のフローチャートは、図4のフローチャートとは、図4のS20,S30の各ステップがS120,S130の各ステップに置き換えられている点が主に相違する。この相違する点について主に説明する。図5において、前記S10の判断が肯定される場合は走行状態判定部98の機能に対応するS120において、自動変速機22に対するD→Bポジション切替え要求が有るか否かが判定される。このS120の判断が肯定される場合は走行状態判定部98の機能に対応するS130において、自動変速機22のダウンシフト(D→Bポジションの切替え)が完了したか否かが判定される。このS130の判断が否定される場合は前記S40が実行される。このS40に次いで、上記S130が実行される。一方で、上記S120の判断が否定される場合は、又は、上記S130の判断が肯定される場合は、前記S50が実行される。
【0062】
上述のように、本実施例によれば、自動変速機22のDポジションのときにエンジンブレーキの効果がより強く得られる状態への自動変速機22のダウンシフト時には、そのダウンシフト完了までの間は、自動運転と手動運転との間の切替えが禁止されるので、そのダウンシフト時の制御が自動運転に合った制御と手動運転に合った制御との間で切り替えられることが回避され、そのダウンシフト時の制御の不連続が生じない。よって、前述の実施例1と同様に、自動変速機22の変速時の自動運転と手動運転との間での切替えに伴うショックを防止することができる。
【実施例3】
【0063】
前述の実施例1では、変速制御部94による自動変速機22の変速時が、自動変速機22のDポジションでの自動変速機22の変速時である場合を例示した。本実施例では、自動変速機22の変速時が、自動変速機22のDポジションと自動変速機22のRポジションとの間(すなわち自動変速機22の前進ギヤ段(特には第1速ギヤ段「1st」)と後進ギヤ段「Rev」との間)を切り替える自動変速機22の変速時(すなわち自動変速機22の前後進切替え時)である場合を例示する。すなわち、自動変速機22に対する変速要求が、自動変速機22の前進ギヤ段と後進ギヤ段とを切り替える変速要求(すなわち自動変速機22に対する前後進切替え要求)である場合を例示する。
【0064】
手動運転中の場合には、前後進切替え要求が有るときは、前述の実施例1で示したように、シフトレバー52がD→R切替操作又はR→D切替操作されたときが想定される。自動運転中の場合には、前後進切替え要求が有るときは、例えば自動パーキングシステムなどによって自動変速機22の前進ギヤ段と後進ギヤ段とが切り替えられるときが想定される。
【0065】
自動変速機22のDポジションとRポジションとの間の切替えは、自動変速機22の前進ギヤ段と後進ギヤ段との間でのギヤ段の切替えであり、自動変速機22のDポジションでのギヤ段の切替え要求が有るときと同様に、自動変速機22の変速が実行される。従って、自動変速機22の前後進切替え時には(すなわち自動変速機22に対する前後進切替え要求が有るときには)、自動変速機22の前後進切替えに伴って作動状態が切り替えられる係合装置Cに対するその作動状態を切り替える為の油圧制御指令信号Satを出力する係合/解放制御が実行されてその作動状態が切り替えられる。その為、自動変速機22の前後進切替え完了は、例えば係合装置Cの係合/解放制御完了で判断されれば良い。走行状態判定部98は、例えば係合装置Cの係合/解放制御が終了したか否かに基づいて、自動変速機22の前進ギヤ段と後進ギヤ段との切替え(すなわち前後進切替え)が完了したか否かを判定する。
【0066】
切替禁止部97は、走行状態判定部98により自動運転と手動運転との間の切替え要求が有ると判定され、且つ、走行状態判定部98により自動変速機22に対する変速要求(例えば自動変速機22に対する前後進切替え要求)が有ると判定されたときに、走行状態判定部98により自動変速機22の前後進切替えが完了していないと判定された場合には、自動運転と手動運転との間の切替えを禁止する。すなわち、切替禁止部97は、走行状態判定部98により自動運転と手動運転との間の切替え要求が有ると判定されたときに、走行状態判定部98により自動変速機22に対する前後進切替え要求が有ると判定された場合には、走行状態判定部98により自動変速機22の前後進切替えが完了したと判定されるまでの間は、自動運転と手動運転との間の切替えを禁止する。一方で、運転制御部96は、走行状態判定部98により自動運転と手動運転との間の切替え要求が有ると判定され、且つ、走行状態判定部98により自動変速機22に対する前後進切替え要求が有ると判定されたときに、走行状態判定部98により自動変速機22の前後進切替えが完了したと判定された場合には、自動運転と手動運転との間の切替えを実行する。又、運転制御部96は、走行状態判定部98により自動運転と手動運転との間の切替え要求が有ると判定されたときに、走行状態判定部98により自動変速機22に対する前後進切替え要求が無いと判定された場合には、自動運転と手動運転との間の切替えを実行する。
【0067】
図6は、電子制御装置90の制御作動の要部すなわち自動変速機22の変速時の自動運転と手動運転との間での切替えに伴うショックを防止する為の制御作動を説明するフローチャートであり、例えば走行中に繰り返し実行される。図6は、図4とは別の実施例である。
【0068】
図6のフローチャートは、図4のフローチャートとは、図4のS20,S30の各ステップがS220,S230の各ステップに置き換えられている点が主に相違する。この相違する点について主に説明する。図6において、前記S10の判断が肯定される場合は走行状態判定部98の機能に対応するS220において、自動変速機22に対する前後進切替え要求が有るか否かが判定される。このS220の判断が肯定される場合は走行状態判定部98の機能に対応するS230において、自動変速機22の前後進切替えが完了したか否かが判定される。このS230の判断が否定される場合は前記S40が実行される。このS40に次いで、上記S230が実行される。一方で、上記S220の判断が否定される場合は、又は、上記S230の判断が肯定される場合は、前記S50が実行される。
【0069】
上述のように、本実施例によれば、自動変速機22の前後進切替え時には、その前後進切替え完了までの間は、自動運転と手動運転との間の切替えが禁止されるので、その前後進切替え時の制御が自動運転に合った制御と手動運転に合った制御との間で切り替えられることが回避され、その前後進切替え時の制御の不連続が生じない。よって、前述の実施例1と同様に、自動変速機22の変速時の自動運転と手動運転との間での切替えに伴うショックを防止することができる。
【実施例4】
【0070】
前述の実施例1−3では、自動変速機22の変速開始から変速完了までの間は、自動運転と手動運転との間の切替えを禁止する種々の実施態様を説明した。一方で、前述の実施例1に示すように、自動運転中に緊急要件が発生した場合には、手動運転に切り替える実施態様を説明した。この緊急要件は自動運転を安全に行えない状況であるので、自動運転中に緊急要件が発生した場合には、最優先に手動運転へ切り替えることが望ましい。つまり、自動運転中に緊急要件が発生した場合には、自動変速機22の変速開始から変速完了までの間であっても、自動運転から手動運転への切替えを禁止することなく、手動運転へ切り替えることが望ましい。その為、切替禁止部97は、緊急要件の発生に伴って自動運転から手動運転へ切り替えられるときには、自動変速機22の変速開始から変速完了までの間であっても、自動運転から手動運転への切替えを禁止しない。
【0071】
上述した、緊急要件の発生に伴う自動運転から手動運転への切替えを禁止しない実施態様について、前述の実施例1で示した、自動変速機22に対する変速要求が自動変速機22のDポジションでのギヤ段の切替え要求である場合を例示して、以下に説明する。
【0072】
走行状態判定部98は、自動運転から手動運転への切替え要求が有ると判定した場合には、緊急要件が発生している状態であるか否かを判定する。
【0073】
切替禁止部97は、走行状態判定部98により自動運転から手動運転への切替え要求が有ると判定され、且つ、走行状態判定部98により緊急要件が発生している状態ではないと判定されたときに、走行状態判定部98により自動変速機22に対する変速要求(例えば自動変速機22のDポジションでのギヤ段の切替え要求)が有ると判定された場合には、走行状態判定部98により自動変速機22の変速が完了したと判定されるまでの間は、自動運転から手動運転への切替えを禁止する。一方で、運転制御部96は、走行状態判定部98により自動運転から手動運転への切替え要求が有ると判定されたときに、走行状態判定部98により緊急要件が発生している状態であると判定された場合には、自動運転から手動運転への切替えを実行する。すなわち、切替禁止部97は、走行状態判定部98により自動運転から手動運転への切替え要求が有ると判定され、且つ、走行状態判定部98により緊急要件が発生している状態であると判定された場合には、変速制御部94により自動変速機22の変速(例えば自動変速機22のDポジションでのギヤ段の切替え)が行われている過渡中であっても、自動運転から手動運転への切替えを禁止しない。
【0074】
図7は、電子制御装置90の制御作動の要部すなわち自動変速機22の変速時の自動運転と手動運転との間での切替えに伴うショックを防止する為の制御作動を説明するフローチャートであり、例えば走行中に繰り返し実行される。図7は、図4とは別の実施例である。
【0075】
図7のフローチャートは、図4のフローチャートとは、図4のS10,S40,S50の各ステップがS310,S340,S350各ステップに置き換えられている点、及びS315のステップが加えられている点が主に相違する。この相違する点について主に説明する。図7において、先ず、走行状態判定部98の機能に対応するS310において、自動運転から手動運転への切替え要求が有るか否かが判定される。このS310の判断が否定される場合は本ルーチンが終了させられる。このS310の判断が肯定される場合は走行状態判定部98の機能に対応するS315において、緊急要件が発生している状態であるか否かが判定される。このS315の判断が否定される場合は前記S20が実行される。このS20の判断が肯定される場合は前記S30が実行される。このS30の判断が否定される場合は切替禁止部97の機能に対応するS340において、自動運転から手動運転への切替えが禁止される。このS340に次いで、上記S30が実行される。一方で、上記S315の判断が肯定される場合は、又は、上記S20の判断が否定される場合は、又は、上記S30の判断が肯定される場合は、運転制御部96の機能に対応するS350において、自動運転から手動運転への切替えが実行される。
【0076】
上述のように、本実施例によれば、前述の実施例1−3と同様に、自動変速機22の変速時の自動運転から手動運転への切替えに伴うショックを防止することができる。又、緊急要件の発生に伴って自動運転から手動運転へ切り替えられるときには、変速機の変速開始から変速完了までの間であっても、自動運転から手動運転への切替えが禁止されないので、自動運転を安全に行えない状況では、変速機の変速中であっても自動運転から手動運転へ速やかに切り替えられる。
【0077】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
【0078】
例えば、前述の実施例において、各実施例が独立して実施されているが、上記各実施例は必ずしも独立して実施する必要はなく、適宜組み合わせて実施しても構わない。
【0079】
また、前述の実施例4では、自動変速機22に対する変速要求が自動変速機22のDポジションでのギヤ段の切替え要求である場合を例示して、緊急要件の発生に伴う自動運転から手動運転への切替えを禁止しない実施態様を説明したが、この態様に限らない。自動変速機22のDポジションでのギヤ段の切替え要求とは別の、自動変速機22に対する変速要求(例えば自動変速機22に対するD→Bポジション切替え要求、又は、自動変速機22に対する前後進切替え要求)の場合にも本発明を適用することができる。
【0080】
また、前述の実施例では、油圧制御指令信号Satの出力が終了したか否かで、係合装置Cの係合/解放制御が終了したか否かを判断することを例示したが、この態様に限らない。例えば、車両10は係合装置Cへ供給されるクラッチ圧Pcを検出する油圧センサ又は油圧スイッチを備え、変速時に作動状態が切り替えられる係合装置Cのクラッチ圧Pcが所定油圧(例えば係合状態とする為の油圧、又は解放状態とする為の油圧)に到達したか否かで、係合装置Cの係合/解放制御が終了したか否かを判断しても良い。
【0081】
また、前述の実施例1では、自動変速機22が変速されるときとして、自動変速機22のDポジションで自動変速機22が自動変速制御されるときを例示したが、この態様に限らない。例えば、自動変速機22が変速されるときは、手動運転中である場合には、前進走行用の動力伝達経路が形成された動力伝達可能状態のときに、シフトレバー52、又はステアリングホイールに搭載されたパドルスイッチなどにおける運転者による操作に応じて自動変速機22のギヤ段を切り替える、手動変速制御されるときであっても良い。
【0082】
また、前述の実施例において、自動運転は、車両10における、走る(加減速)、曲がる(操舵)、止まる(制動)などを、運転者の運転操作(アクセル操作、操舵操作、ブレーキ操作)に依らずに、電子制御装置90による制御作動によって自動で行うことを基本とするが、この態様に限らない。例えば、前方車両等との間隔を考慮しながら設定車速に車速を追従させるように駆動トルクを制御する、公知のクルーズコントロールなども自動運転に含めても良い。
【0083】
また、前述の実施例では、自動変速機22は、前進8段の各ギヤ段が形成されたが、この態様に限らない。自動変速機22は、ギヤ比が異なる複数のギヤ段が選択的に形成される有段変速機であれば良い。自動変速機としては、自動変速機22のような遊星歯車式の自動変速機でも良いし、又は、同期噛合型平行2軸式自動変速機、その同期噛合型平行2軸式自動変速機であって入力軸を2系統備える公知のDCT(Dual Clutch Transmission)、無段変速機、電気式無段変速機、無段変速機(電気式無段変速機)と有段変速機とが動力伝達経路において直列に接続(配設)された変速機などであっても良い。要は、駆動力源と駆動輪との間の動力伝達経路の一部を構成する変速機であれば本発明を適用することができる。尚、変速機が無段変速機の場合には、変速機の変速は、ギヤ段の切替えではなく、例えばギヤ段の切替えによるギヤ比の変更に相当する程度の目標変速比の変更、前進走行用の動力伝達経路の形成と後進走行用の動力伝達経路の形成との切替えなどである。
【0084】
また、前述の実施例では、車両10の駆動力源としてエンジン12を例示したが、この態様に限らない。例えば、この駆動力源は、回転機等の他の原動機を単独で或いはエンジン12と組み合わせて採用することもできる。従って、エンジンと、そのエンジンと駆動輪との間の動力伝達経路の一部を構成する変速機と、その変速機の入力回転部材に動力伝達可能に連結された回転機とを備えた車両にも本発明を適用することができる。このような車両では、変速機の変速時に、回転機によって、エンジン回転速度Neを変速後の同期回転速度に向けて変化させるように同期制御することが可能である。自動変速機22の変速過渡において回転機による同期制御を実行する場合には、その回転機による同期制御が終了したか否かで自動変速機22の変速完了が判断されても良い。又、駆動力源として回転機を備えた車両では、その回転機の回生制御によって制動トルクを発生させられるので、回転機を用いた駆動力源ブレーキとしての回生ブレーキを作用させることが可能である。
【0085】
尚、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
【符号の説明】
【0086】
10:車両
12:エンジン(駆動力源)
14:駆動輪
22:自動変速機(変速機)
90:電子制御装置(走行制御装置)
94:変速制御部
96:運転制御部
97:切替禁止部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7