【実施例】
【0102】
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、以下の記載例に限定されるものではない。特記しない限り、すべての部および百分率は重量%である。
【0103】
生成物の確認は下記の機器による測定により行った。
(1)融点:ゲレンキャンプ社製の融点測定装置、型式MFB−595(JIS K0064に準拠)
(2)赤外線(IR)分光光度計:日本分光社製、型式IR−810
(3)核磁気共鳴装置(NMR):日本電子社製、型式GSX FT NMR Spect orometer
【0104】
(合成実施例1)1−(トリメチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノンの合成
温度計、攪拌機付きの100mL三つ口フラスコに1−ヒドロキシ−9,10−アントラキノン1.12g(5ミリモル)、トリメチルシリルアセトアミド1.2g(6ミリモル)、トルエン8gを仕込み橙色のスラリーとし、50℃で5時間加熱した。その後、n−ヘキサン15g加え、濾液を濃縮した。黄色の結晶が析出するので吸引濾過・乾燥し、1−トリメチルシリルオキシ−9,10−アントラキノンの黄色の結晶0.83g(3.05ミリモル)を得た。原料の1−ヒドロキシ−9,10−アントラキノンに対する単離収率は61モル%であった。
【0105】
(1)融点:72−73℃
(2)IR(KBr、cm
−1):3060,2960,2910,1668,1581,1323,1246,1046,1025,896,752,736,705cm
−1.
(3)
1H−NMR(CDCl
3,400MHz):δ=0.35(s,9H),7.20(d,J=9Hz,1H),7.61(t,J=9Hz,1H),7.70−7.78(m,2H),7.98(d,J=9Hz,1H),8.22(d,J=9Hz,1H),8.26(d,J=9Hz,1H).
【0106】
(合成実施例2)1−(トリエチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノンの合成
温度計、攪拌機付きの100ml三つ口フラスコに1−ヒドロキシ−9,10−アントラキノン1.12g(5ミリモル)、トリエチルクロロシラン0.90g(6ミリモル)、トルエン8gを仕込み橙色のスラリーとし、トリエチルアミン0.6g(6ミリモル)のトルエン2g溶液を加えた。50℃で15時間加熱した後、n−ヘキサン15g加えた。析出したトリエチルアミンの塩酸塩を濾別して除き、濾液を濃縮し、1−(トリエチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノンの赤色油状物1.25g(3.70ミリモル)を得た。原料の1−ヒドロキシ−9,10−アントラキノンに対する単離収率は74モル%であった。
【0107】
(1)融点:室温油状
(2)IR(ヌジョール、cm
−1):2940,2910,2880,1670,1580,1460,1433,1319,1287,1256,1231,1046,1004,893,799,733,706cm
−1.
(3)
1H−NMR(CDCl
3,400MHz):δ=0.87(q,d=8Hz,6H),1.03(t、J=8Hz,9H),7.18(d,J=9Hz,1H),7.58(d,J−9Hz,1H),7.66−7.77(m,2H),7.94(d,J=9Hz,1H),8.20(d,J=9Hz,1H),8.24(d,J=9Hz,1H).
【0108】
(合成実施例3)1−(ジメチルオクチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノンの合成
温度計、攪拌機付きの100mL三つ口フラスコに1−ヒドロキシ−9,10−アントラキノン1.12g(5ミリモル)、ジメチルオクチルクロロシラン1.24g(6ミリモル)、トルエン8gを仕込み橙色のスラリーとし、トリエチルアミン0.6g(6ミリモル)のトルエン2g溶液を加えた。50℃で5時間加熱した後、n−ヘキサン15g加えた。析出したトリエチルアミンの塩酸塩を濾別して除き、濾液を濃縮し、1−(ジメチルオクチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノンの朱色油状物1.07g(2.97ミリモル)を得た。原料の1−ヒドロキシ−9,10−アントラキノンに対する単離収率は60モル%であった。
【0109】
(1)融点:室温油状
(2)IR(ヌジョール、cm
−1):2950,2920,2840,1672,1582,1461,1322,1288,1251,1232,1045,1024,895,837,800,735,708cm
−1.
(3)
1H−NMR(CDCl
3,400MHz):δ=0.31(s,6H),0.43−0.52(m,1H),0.86(t,J=8Hz,3H),1.18−1.36(m,12H),1.36−1.44(m,1H),7.18(d,J=9Hz,1H),7.59(t,J=9Hz,1H),7.68−7.76(m,2H),7.96(d,J=9Hz,1H),8.21(d,J=9Hz,1H),8.25(d,J=9Hz,1H).
【0110】
(合成実施例4)2−(ジメチルテキシルシリルオキシ)−9,10−アントラキノンの合成
温度計、攪拌機付きの100ml三つ口フラスコに2−ヒドロキシ−9,10−アントラキノン1.12g(5ミリモル)、ジメチルテキシルクロロシラン1.08g(6ミリモル)、トルエン8gを仕込み橙色のスラリーとし、トリエチルアミン0.6g(6ミリモル)のトルエン2g溶液を加えた。50℃で6時間加熱した後、n−ヘキサン15g加えた。析出したトリエチルアミンの塩酸塩を濾別して除き、濾液を濃縮した。沈殿物が生じるので吸引ろ過・メタノール洗い・乾燥し、2−ジメチルテキシルシリルオキシ−9,10−アントラキノンの薄青い粉1.24g(3.4ミリモル)を得た。原料の2−ヒドロキシ−9,10−アントラキノンに対する単離収率は68モル%であった。
【0111】
(1)融点:61−62℃
(2)IR(KBr、cm
−1);2960,2920,2870,1675,1586,1489,1325,1292,1252,1233,1143,1089,891,819,777,709,685,661,634cm
−1.
(3)
1H−NMR(CDCl
3,400MHz):δ=0.31(s、6H),0.94(s,6H),0.96(d,J=8Hz,6H),7.16(d,J=9Hz,1H),7.63(s,1H),7.69−7.77(m,2H),8.19(d,J=9Hz,1H),8.23−8.27(m,2H).
【0112】
(合成実施例5)2−(トリイソプロピルシリルオキシ)−9,10−アントラキノンの合成
温度計、攪拌機付きの100ml三つ口フラスコに2−ヒドロキシ−9,10−アントラキノン1.12g(5ミリモル)、トリイソプロピルクロロシラン1.2g(6ミリモル)、トルエン9gを仕込み橙色のスラリーとし、トリエチルアミン0.6g(6ミリモル)のトルエン2g溶液を加えた。50℃で4時間加熱した後、n−ヘキサン15g加えた。析出したトリエチルアミンの塩酸塩を濾別して除き、濾液を濃縮した。沈殿物が生じるので吸引ろ過・メタノール洗い・乾燥し、2−トリイソプロピルシリルオキシ−9,10−アントラキノンの草色の粉1.18g(3.1ミリモル)を得た。原料の2−ヒドロキシ−9,10−アントラキノンに対する単離収率は62モル%であった。
【0113】
(1)融点:64−65℃
(2)IR(KBr、cm
−1):2940,2865,1673,1585,1488,1458,1324,1295,1270,1228,1163,1143,933,881,858,851,798,792,723,709,686,660,637,565,534,492cm
−1.
(3)
1H−NMR(CDCl
3,400MHz):δ=1.12(d,J=8Hz,18H),1.27−1.39(m,1H),7.23(d,J=9Hz,3H),7.70(s,1H),7.72−7.78(m,2H),8.21(d,J=9Hz,1H),8.24−8.30(m,2H).
【0114】
(合成実施例6)1,2−ビス(トリメチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノンの合成
温度計、攪拌機付きの100mL三つ口フラスコに1,2−ジヒドロキシ−9,10−アントラキノン1.2g(5ミリモル)、トルエン10gを仕込み赤茶色のスラリーとし、ついで氷水で冷やしながらビストリメチルシリルアセトアミド2.44g(12ミリモル)滴下した。すぐにエンジ色の溶液となるので、室温に戻し1時間攪拌した。反応液をn−ヘキサン50mLに投入し、生じた黒い不溶分を濾別して除き、濾液を減圧濃縮した。沈殿物を吸引ろ過・メタノール洗い・乾燥し、1,2−ビス(トリメチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノンの橙色の粉末1.17g(3.05ミリモル)を得た。原料の1,2−ジヒドロキシ−9,10−アントラキノンに対する単離収率は61モル%であった。
【0115】
(1)融点:84−85℃
(2)IR(KBr、cm
−1):3075,2960,2890,1667,1567,1477,1326,1295,1272,1242,1208,1044,879,833,752,709,671,649,628cm
−1.
(3)
1H−NMR(CDCl
3,400MHz):δ=0.29(s,9H),0.32(s,9H),7.76−7.82(m,2H),7.90(d,J=9Hz,1H),8.2,6−8.24(m,2H).
【0116】
(合成実施例7)1,4−ビス(トリメチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノンの合成
温度計、攪拌機付きの100mL三つ口フラスコに1,4−ジヒドロキシ−9,10−アントラキノン1.2g(5ミリモル)、トルエン10gを仕込み朱色のスラリーとし、ついで氷水で冷やしながらビストリメチルシリルアセトアミド2.44g(12ミリモル)滴下した。すぐに朱色の溶液となるので、室温に戻し1時間攪拌した。反応液をn−ヘキサン50mLに投入し、生じた黒い不溶分を濾別して除き、濾液を減圧濃縮した。沈殿物を吸引ろ過・メタノール洗い・乾燥し、1,4−ビス(トリメチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノンの黄橙色の粉末1.09g(2.85ミリモル)を得た。原料の1,4−ジヒドロキシ−9,10−アントラキノンに対する単離収率は57モル%であった。
【0117】
(1)融点:93−94℃
(2)IR(KBr、cm
−1):3072,2970,2950,2900,1664,1451,1330,1265,1246,1223,1161,972,914,887,834,798,761,739,730,708,650,605,647,439cm
−1.
(3)
1H−NMR(CDCl
3,400MHz):δ=0.30(s,18H),7.06(s,2H),7.63−7.67(m,2H),8.12−8.16(m,2H).
【0118】
(合成実施例8)1,5−ビス(トリメチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノンの合成
温度計、攪拌機付きの100mL三つ口フラスコに1,5−ジヒドロキシ−9,10−アントラキノン1.2g(5ミリモル)、トルエン10gを仕込み黄緑色のスラリーとし、ついで氷水で冷やしながらビストリメチルシリルアセトアミド2.44g(12ミリモル)滴下した。しばらくして黒色の溶液となるので、室温に戻し1時間攪拌した。反応液をn−ヘキサン50mLに投入し、生じた黒い不溶分を濾別して除き、濾液を減圧濃縮した。沈殿物を吸引ろ過・メタノール洗い・乾燥し、1,5−ビス(トリメチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノンの明るい茶色の粉末1.25g(3.25ミリモル)を得た。原料の1,5−ジヒドロキシ−9,10−アントラキノンに対する単離収率は65モル%であった。
【0119】
(1)融点:141−142℃
(2)IR(KBr、cm
−1):3065,3035,3015,2960,1663,1583,1451,1434,1324,1282,1246,1186,1174,1114,1056,871,819,786,745,728,710,696,641,490,470cm
−1.
(3)
1H−NMR(CDCl
3,400MHz):δ=0.32(s,18H),7.12(d.J=9Hz,2H),7.57(t,J=9Hz,2H),7.90(d,J=9Hz).
【0120】
(合成実施例9)1,2−ビス(トリエチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノンの合成
温度計、攪拌機付きの100mL三つ口フラスコに1,5−ジヒドロキシ−9,10−アントラキノン1.2g(5ミリモル)、トルエン10g、トリエチルクロロシラン1.81g(12ミリモル)を仕込み黄緑色のスラリーとし、ついで氷水で冷やしながらトリエチルアミン1.2g(12ミリモル)のトルエン2g溶液を滴下した。スラリーはすぐに黒い溶液となり、60℃で1時間加熱した。反応液をn−ヘキサン50mLに投入し、生じた無機性沈殿物を濾別して除いた。ついで、濾液を減圧濃縮した。沈殿物を吸引濾過・メタノール洗い・乾燥し、1,2−ビス(トリエチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノンの橙色の結晶1.50g(3.20ミリモル)を得た。原料の1,2−ジヒドロキシ−9,10−アントラキノンに対する単離収率は64モル%であった。
【0121】
(1)融点:47−48℃
(2)IR(KBr、cm
−1):2960,2870,1670,1565,1474,1325,1265,1237,1001,869,801,712cm
−1.
(3)
1H−NMR(CDCl
3,400MHz):δ=0.76−0.88(m,12H),0.88−1.04(m,18H),7.15(d,J=9Hz,1H),7.66−7.72(m,2H),7.90(d、J=9Hz,1H),8.18−8.29(m,2H).
【0122】
(合成実施例10)1,5−ビス(トリエチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノンの合成
温度計、攪拌機付きの100mL三つ口フラスコに1,5−ジヒドロキシ−9,10−アントラキノン1.2g(5ミリモル)、トルエン10g、トリエチルクロロシラン1.81g(12ミリモル)を仕込み黄緑色のスラリーとし、ついで氷水で冷やしながらトリエチルアミン1.2g(12ミリモル)のトルエン2g溶液を滴下した。スラリーはすぐに黒い溶液となり、60℃で1時間加熱した。反応液をn−ヘキサン50mLに投入し、生じた無機性沈殿物を濾別して除いた。ついで、濾液を減圧濃縮し、1,5−ビス(トリエチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノンの赤い油状物1.17g(2.50ミリモル)を得た。原料の1,5−ジヒドロキシ−9,10−アントラキノンに対する単離収率は50モル%であった。
【0123】
(1)融点:室温液状
(2)IR(ヌジョール、cm
−1);2960,2920,2880,1672,1584,1455,1289,1254,1059,1002,878,800,725,710cm
−1.
(3)
1H−NMR(CDCl
3,400MHz):δ=0.52(q、J=8Hz,12H),0.92(t,J=8Hz,18H),7.12(d,J=9Hz,2H),7.55(t,J=9Hz,2H),7.89(d,J=9Hz,2H).
【0124】
(合成実施例11)1,2−ビス(ジメチルオクチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノンの合成
温度計、攪拌機付きの100mL三つ口フラスコに1,2−ジヒドロキシ−9,10−アントラキノン1.2g(5ミリモル)、トルエン10g、ジメチル−n−オクチルクロロシラン2.46g(12ミリモル)を仕込み赤茶色のスラリーとし、ついで氷水で冷やしながらトリエチルアミン1.2g(12ミリモル)のトルエン2g溶液を滴下した。60℃で5時間加熱し、スラリーは次第に黒い溶液となった。反応液をn−ヘキサン50mLに投入し、生じた無機性沈殿物を濾別して除いた。ついで、濾液を減圧濃縮し、1,2−ビス(ジメチル−n−オクチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノンの薄赤色油状物1.90g(3.23ミリモル)を得た。原料の1,5−ジヒドロキシ−9,10−アントラキノンに対する単離収率は65モル%であった。
【0125】
(1)融点:室温液状
(2)IR(ヌジョール、cm
−1);2960,2920,2852,1670,1580,1485,1326,1268,1250,1048,879,837,787,715cm
−1.
(3)
1H−NMR(CDCl
3,400MHz):δ=0.28(s,3H),0.31(s,3H),0.46−0.55(m,4H),0.80−0.90(m,12H),1.18−1.37(m,24H),7.14(d,J=9Hz,1H),7.68−7.92(m,2H),7.94(d,J=9Hz,1H),8.21−8.28(m,2H).
【0126】
(合成実施例12)1,5−ビス(ジメチルフェニルシリルオキシ)−9,10−アントラキノンの合成
温度計、攪拌機付きの100mL三つ口フラスコに1,5−ジヒドロキシ−9,10−アントラキノン1.2g(5ミリモル)、トルエン10g、ジメチルフェニルクロロシラン2.05g(12ミリモル)を仕込み黄緑色のスラリーとし、ついで氷水で冷やしながらトリエチルアミン1.2g(12ミリモル)のトルエン2g溶液を滴下した。60℃で3時間加熱したところ、スラリーは次第に黒い溶液となった。得られた反応液をn−ヘキサン50mLに投入し、生じた無機性沈殿物を濾別して除いた。ついで、濾液を減圧濃縮し、生じた沈殿を吸引ろ過、乾燥し、1,5−ビス(ジメチルフェニルシリルオキシ)−9,10−アントラキノンの黄緑色の粉0.69g(1.35ミリモル)を得た。原料の1,5−ジヒドロキシ−9,10−アントラキノンに対する単離収率は27モル%であった。
【0127】
(1)融点:102−103℃
(2)IR(KBr、cm
−1);3065,3035,3014,1663,1583,1451,1434,1324,1246,1186,1114,1056,819,786,745,728,710,470cm
−1.
(3)
1H−NMR(CDCl
3,400MHz):δ=0.58(s,12H),6.99(d,J=9Hz,2H),7.31−7.38(m,6H),7.46(t,J=9Hz,2H),7.68(d,J=8Hz,4H),7.86(d,J=9Hz,2H).
【0128】
(評価実施例1)1−(トリメチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノンを光ラジカル重合開始剤とする光重合速度評価実験(365UV−LED照射)
ラジカル重合性化合物として、ペンタエリスリトールテトラアクリレート100重量部に対し、光ラジカル重合開始剤として、合成実施例1で得た1−(トリメチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノンを1.0重量部添加し、光ラジカル重合性組成物を調製した。次に、ポリエステルフィルム(東レ製ルミラー膜厚100ミクロン、「ルミラー」は東レ株式会社の登録商標)上に調製した光ラジカル重合性組成物を膜厚が30ミクロンとなるようにバーコーターを使用して塗布した。塗布後、この塗布膜をタックフィルムで覆い、ついで空気雰囲気下、紫外LED(イワサキ社製、中心波長365nm、照射強度20mW/cm
2)を用いて光照射したところ、重合し硬化していることを確認した。タックフリータイムは0.1秒であった。
【0129】
(評価実施例2)1−(トリエチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノンを光ラジカル重合開始剤とする光重合速度評価実験(365UV−LED照射)
光ラジカル重合開始剤として、1−(トリチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部を合成実施例2で得た1−(トリエチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部とすること以外は、評価実施例1と同様にして光ラジカル重合性組成物を調製し、塗布後紫外LED光を照射した。タックフリータイムは0.1秒であった。
【0130】
(評価実施例3)1−(ジメチルオクチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノンを光ラジカル重合開始剤とする光重合速度評価実験(365UV−LED照射)
光ラジカル重合開始剤として、1−(トリメチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部を合成実施例3で得た1−(ジメチルオクチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部とすること以外は、評価実施例1と同様にして光ラジカル重合性組成物を調製し、塗布後紫外LED光を照射した。タックフリータイムは0.1秒であった。
【0131】
(評価実施例4)2−(ジメチルテキシルシリルオキシ)−9,10−アントラキノンを光ラジカル重合開始剤とする光重合速度評価実験(365UV−LED照射)
光ラジカル重合開始剤として、1−(トリメチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部を合成実施例4で得た2−(ジメチルテキシルシリルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部とすること以外は、評価実施例1と同様にして光ラジカル重合性組成物を調製し、塗布後紫外LED光を照射した。タックフリータイムは1.3秒であった。
【0132】
(評価実施例5)2−(トリイソプロピルシリルオキシ)−9,10−アントラキノンを光ラジカル重合開始剤とする光重合速度評価実験(365UV−LED照射)
光ラジカル重合開始剤として、1−(トリメチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部を合成実施例5で得た2−(トリイソプロピルシリルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部とすること以外は、評価実施例1と同様にして光ラジカル重合性組成物を調製し、塗布後紫外LED光を照射した。タックフリータイムは1.5秒であった。
【0133】
(評価比較例1)光ラジカル重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184)を用いる場合の光重合速度評価実験(365UV−LED照射)
光ラジカル重合開始剤として、1−(トリメチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部を1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184、「イルガキュア」はビー・エー・エス・エフ社の登録商標)1.0重量部とすること以外は、評価実施例1と同様にして光ラジカル重合性組成物を調製し、塗布後紫外LED光を照射した。タックフリータイムは3.5秒であった。
【0134】
(評価比較例2)光ラジカル重合開始剤として2−エチル−9,10−アントラキノンを用いる場合の光重合速度評価実験(365UV−LED照射)
光ラジカル重合開始剤として、1−(トリメチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部を2−エチル−9,10−アントラキノン1.0重量部とすること以外は、評価実施例1と同様にして光ラジカル重合性組成物を調製し、塗布後紫外LED光を照射した。タックフリータイムは3.0秒であった。
【0135】
(評価実施例6)1−(トリメチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノンを光ラジカル重合開始剤とする光重合速度評価実験(395UV−LED照射)
ラジカル重合性化合物として、ペンタエリスリトールテトラアクリレート100重量部に対し、光ラジカル重合開始剤として、合成実施例1で得た1−(トリメチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノンを1.0重量部添加し、光ラジカル重合性組成物を調製した。次に、ポリエステルフィルム(東レ製ルミラー膜厚100ミクロン、「ルミラー」は東レ株式会社の登録商標)上に調製した光ラジカル重合性組成物を膜厚が30ミクロンとなるようにバーコーターを使用して塗布した。塗布後、この塗布膜をタックフィルムで覆い、ついで空気雰囲気下、紫外LED(Phoseon社製、中心波長395nm、照射強度50mW/cm
2)を用いて光照射したところ、重合し硬化していることを確認した。タックフリータイムは0.1秒であった。
【0136】
(評価実施例7)1−(トリエチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノンを光ラジカル重合開始剤とする光重合速度評価実験(395UV−LED照射)
1−(トリメチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部を合成実施例2で得た1−(トリエチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部とすること以外は、評価実施例6と同様にして光ラジカル重合性組成物を調製し、塗布後紫外LED光を照射した。タックフリータイムは0.2秒であった。
【0137】
(評価実施例8)1−(ジメチルオクチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノンを光ラジカル重合開始剤とする光重合速度評価実験(395UV−LED照射)
1−(トリメチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部を合成実施例3で得た1−(ジメチルオクチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部とすること以外は、評価実施例6と同様にして光ラジカル重合性組成物を調製し、塗布後紫外LED光を照射した。タックフリータイムは0.1秒であった。
【0138】
(評価実施例9)2−(ジメチルテキシルシリルオキシ)−9,10−アントラキノンを光ラジカル重合開始剤とする光重合速度評価実験(395UV−LED照射)
1−(トリメチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部を合成実施例4で得た2−(ジメチルテキシルシリルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部とすること以外は、評価実施例6と同様にして光ラジカル重合性組成物を調製し、塗布後紫外LED光を照射した。タックフリータイムは1.5秒であった。
【0139】
(評価実施例10)2−(トリイソプロピルシリルオキシ)−9,10−アントラキノンを光ラジカル重合開始剤とする光重合速度評価実験(395UV−LED照射)
1−(トリメチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部を合成実施例5で得た2−(トリイソプロピルシリルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部とすること以外は、評価実施例6と同様にして光ラジカル重合性組成物を調製し、塗布後紫外LED光を照射した。タックフリータイムは1.5秒であった。
【0140】
(評価比較例3)光ラジカル重合開始剤として、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184)を用いる場合の光重合速度評価実験(395UV−LED照射)
1−(トリメチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部を1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184、「イルガキュア」はビー・エー・エス・エフ社の登録商標)1.0重量部とすること以外は、評価実施例6と同様にして光ラジカル重合性組成物を調製し、塗布後紫外LED光を照射した。タックフリータイムは75秒であった。
【0141】
(評価比較例4)光ラジカル重合開始剤として、2−エチル−9,10−アントラキノンを用いる場合の光重合速度評価実験(395UV−LED照射)
1−(トリメチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部を2−エチル−9,10−アントラキノン1.0重量部とすること以外は、評価実施例6と同様にして光ラジカル重合性組成物を調製し、塗布後紫外LED光を照射した。タックフリータイムは3.0秒であった。
【0142】
評価実施例1〜5及び評価比較例1、2の結果を表1に、評価実施例6〜10、評価比較例3、4の結果を表2にまとめた。
【0143】
【表1】
【0144】
【表2】
【0145】
表1及び表2から次のことが明らかである。すなわち、本発明のモノ(置換シリルオキシ)−9,10−アントラキノン化合物を光ラジカル重合開始剤として用いた光ラジカル重合性組成物は、従来用いられている光ラジカル重合開始剤である1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184)や同じアントラキノン系光ラジカル重合開始剤である2−エチル−9,10−アントラキノンを用いた場合に比べ、照射波長が365nm及び395nmのいずれにおいても、高速で硬化していることがわかる。
【0146】
(評価実施例11)1,2−ビス(トリメチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノンを光ラジカル重合開始剤とする光重合速度評価実験(365UV−LED照射)
ラジカル重合性化合物として、ペンタエリスリトールテトラアクリレート100重量部に対し、光ラジカル重合開始剤として、合成実施例6で得た1,2−ビス(トリメチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノンを1.0重量部添加し、光ラジカル重合性組成物を調製した。次に、ポリエステルフィルム(東レ製ルミラー膜厚100ミクロン、「ルミラー」は東レ株式会社の登録商標)上に調製した光ラジカル重合性組成物を膜厚が30ミクロンとなるようにバーコーターを使用して塗布した。塗布後、この塗布膜をタックフィルムで覆い、ついで空気雰囲気下、紫外LED(イワサキ社製、中心波長365nm、照射強度20mW/cm
2)を用いて光照射したところ、重合し硬化していることを確認した。タックフリータイムは0.4秒であった。
【0147】
(評価実施例12)1,5−ビス(トリメチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノンを光ラジカル重合開始剤とする光重合速度評価実験(365UV−LED照射)
光ラジカル重合開始剤として、1,2−ビス(トリメチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部を合成実施例8で得た1,5−ビス(トリメチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部とすること以外は、評価実施例11と同様にして光ラジカル重合性組成物を調製し、塗布後紫外LED光を照射した。タックフリータイムは0.2秒であった。
【0148】
(評価実施例13)1,2−ビス(トリエチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノンを光ラジカル重合開始剤とする光重合速度評価実験(365UV−LED照射)
光ラジカル重合開始剤として、1,2−ビス(トリメチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部を合成実施例9で得た1,2−ビス(トリエチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部とすること以外は、評価実施例11と同様にして光ラジカル重合性組成物を調製し、塗布後紫外LED光を照射した。タックフリータイムは0.1秒であった。
【0149】
(評価実施例14)1,5−ビス(トリエチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノンを光ラジカル重合開始剤とする光重合速度評価実験(365UV−LED照射)
光ラジカル重合開始剤として、1,2−ビス(トリメチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部を合成実施例10で得た1,2−ビス(トリエチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部とすること以外は、評価実施例11と同様にして光ラジカル重合性組成物を調製し、塗布後紫外LED光を照射した。タックフリータイムは0.2秒であった。
【0150】
(評価実施例15)1,2−ビス(ジメチルオクチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノンを光ラジカル重合開始剤とする光重合速度評価実験(365UV−LED照射)
光ラジカル重合開始剤として、1,2−ビス(トリメチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部を合成実施例11で得た1,2−ビス(ジメチルオクチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部とすること以外は、評価実施例11と同様にして光ラジカル重合性組成物を調製し、塗布後紫外LED光を照射した。タックフリータイムは1.3秒であった。
【0151】
(評価実施例16)1,5−ビス(ジメチルフェニルシリルオキシ)−9,10−アントラキノンを光ラジカル重合開始剤とする光重合速度評価実験(365UV−LED照射)
光ラジカル重合開始剤として、1,2−ビス(トリメチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部を合成実施例12で得た1,5−ビス(ジメチルフェニルシリルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部とすること以外は、評価実施例11と同様にして光ラジカル重合性組成物を調製し、塗布後紫外LED光を照射した。タックフリータイムは0.2秒であった。
【0152】
(評価比較例5)光ラジカル重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184)を用いる場合の光重合速度評価実験(365UV−LED照射)
光ラジカル重合開始剤として、1,2−ビス(トリメチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部を1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184、「イルガキュア」はビー・エー・エス・エフ社の登録商標)1.0重量部とすること以外は、評価実施例11と同様にして光ラジカル重合性組成物を調製し、塗布後紫外LED光を照射した。タックフリータイムは3.5秒であった。
【0153】
(評価比較例6)光ラジカル重合開始剤として2−エチル−9,10−アントラキノンを用いる場合の光重合速度評価実験(365UV−LED照射)
光ラジカル重合開始剤として、1,2−ビス(トリメチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部を2−エチル−9,10−アントラキノン1.0重量部とすること以外は、評価実施例11と同様にして光ラジカル重合性組成物を調製し、塗布後紫外LED光を照射した。タックフリータイムは3.0秒であったの。
【0154】
(評価実施例17)1,2−ビス(トリメチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノンを光ラジカル重合開始剤とする光重合速度評価実験(395UV−LED照射)
ラジカル重合性化合物として、ペンタエリスリトールテトラアクリレート100重量部に対し、光ラジカル重合開始剤として、合成実施例6で得た1,2−ビス(トリメチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノンを1.0重量部添加し、光ラジカル重合性組成物を調製した。次に、ポリエステルフィルム(東レ製ルミラー膜厚100ミクロン、「ルミラー」は東レ株式会社の登録商標)上に調製した光ラジカル重合性組成物を膜厚が30ミクロンとなるようにバーコーターを使用して塗布した。塗布後、この塗布膜をタックフィルムで覆い、ついで空気雰囲気下、紫外LED(Phoseon社製、中心波長395nm、照射強度50mW/cm
2)を用いて光照射したところ、重合し硬化していることを確認した。タックフリータイムは0.8秒であった。
【0155】
(評価実施例18)1,4−ビス(トリメチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノンを光ラジカル重合開始剤とする光重合速度評価実験(395UV−LED照射)
1,2−ビス(トリメチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部を合成実施例7で得た1,4−ビス(トリメチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部とすること以外は、評価実施例17と同様にして光ラジカル重合性組成物を調製し、塗布後紫外LED光を照射した。タックフリータイムは1.0秒であった。
【0156】
(評価実施例19)1,5−ビス(トリメチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノンを光ラジカル重合開始剤とする光重合速度評価実験(395UV−LED照射)
1,2−ビス(トリメチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部を合成実施例8で得た1,5−ビス(トリメチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部とすること以外は、評価実施例17と同様にして光ラジカル重合性組成物を調製し、塗布後紫外LED光を照射した。タックフリータイムは0.2秒であった。
【0157】
(評価実施例20)1,2−ビス(トリエチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノンを光ラジカル重合開始剤とする光重合速度評価実験(395UV−LED照射)
1,2−ビス(トリメチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部を合成実施例9で得た1,2−ビス(トリエチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部とすること以外は、評価実施例17と同様にして光ラジカル重合性組成物を調製し、塗布後紫外LED光を照射した。タックフリータイムは0.1秒であった。
【0158】
(評価実施例21)1,5−ビス(トリエチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノンを光ラジカル重合開始剤とする光重合速度評価実験(395UV−LED照射)
1,2−ビス(トリメチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部を合成実施例10で得た1,2−ビス(トリエチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部とすること以外は、評価実施例17と同様にして光ラジカル重合性組成物を調製し、塗布後紫外LED光を照射した。タックフリータイムは0.2秒であった。
【0159】
(評価実施例22)1,2−ビス(ジメチルオクチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノンを光ラジカル重合開始剤とする光重合速度評価実験(395UV−LED照射)
1,2−ビス(トリメチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部を合成実施例11で得た1,2−ビス(ジメチルオクチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部とすること以外は、評価実施例17と同様にして光ラジカル重合性組成物を調製し、塗布後紫外LED光を照射した。タックフリータイムは0.3秒であった。
【0160】
(評価実施例23)1,5−ビス(ジメチルフェニルシリルオキシ)−9,10−アントラキノンを光ラジカル重合開始剤とする光重合速度評価実験(395UV−LED照射)
1,2−ビス(トリメチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部を合成実施例12で得た1,5−ビス(ジメチルフェニルシリルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部とすること以外は、評価実施例17と同様にして光ラジカル重合性組成物を調製し、塗布後紫外LED光を照射した。タックフリータイムは0.3秒であった。
【0161】
(評価比較例7)光ラジカル重合開始剤として、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184)を用いる場合の光重合速度評価実験(395UV−LED照射)
1,2−ビス(トリメチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部を1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184、「イルガキュア」はビー・エー・エス・エフ社の登録商標)1.0重量部とすること以外は、評価実施例17と同様にして光ラジカル重合性組成物を調製し、塗布後紫外LED光を照射した。タックフリータイムは75秒であった。
【0162】
(評価比較例8)光ラジカル重合開始剤として、2−エチル−9,10−アントラキノンを用いる場合の光重合速度評価実験(395UV−LED照射)
1,2−ビス(トリメチルシリルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部を2−エチル−9,10−アントラキノン1.0重量部とすること以外は、評価実施例17と同様にして光ラジカル重合性組成物を調製し、塗布後紫外LED光を照射した。タックフリータイムは3.0秒であった。
【0163】
評価実施例11〜16及び評価比較例5、6の結果を表3に、評価実施例17〜23、評価比較例7、8の結果を表4にまとめた。
【0164】
【表3】
【0165】
【表4】
【0166】
表3及び表4から次のことが明らかである。すなわち、本発明のビス(置換シリルオキシ)−9,10−アントラキノン化合物を光ラジカル重合開始剤として用いた光ラジカル重合性組成物は、従来用いられている光ラジカル重合開始剤である1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184)や同じアントラキノン系光ラジカル重合開始剤である2−エチル−9,10−アントラキノンを用いた場合に比べ、照射波長が365nm及び395nmのいずれにおいても、高速で硬化していることがわかる。