(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記生成部は、更に、前記スケジュール情報に含まれる組み合わせパターンが有する前記1以上のグループの各々について、前記既存のアプリケーションが1以上含まれているかどうかを判定し、
前記グループに前記既存のアプリケーションが1以上含まれていると判定した場合、前記グループに含まれる1以上の既存のアプリケーションのそれぞれに対応するズーム倍率のうち最大のズーム倍率により定まる前記カメラの撮像範囲に前記新たに動作させるアプリケーションが必要とする撮像領域、および前記判定されたグループに含まれる1以上の既存のアプリケーションの各々が必要とする撮像領域が含まれるか否かを判定する
ことを特徴とする請求項3記載の管理装置。
前記指定可能撮像領域情報は、前記新たに動作させるアプリケーションが必要とする撮像領域を含み、かつ、前記新たに動作させるアプリケーションが必要とする撮像領域から拡大可能な最大範囲を示す
ことを特徴とする請求項6記載の管理装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<発明者が得た知見>
近年、都市の中で、各所に監視カメラが配されている。発明者らは、この監視カメラを有効利用する一手法として、マーケティングに用いることができるのではないかと考えた。
ここでいうマーケティングとは、一例として、ある歩道が監視カメラの撮像範囲にある場合に、その歩道の通行者について、どのような時間帯にどれだけの人数が通行するかをリサーチして、その歩道近辺に新たに店舗を設けるときの集客予想などを行うことである。
【0011】
そこで、発明者らは、マーケティングを行いたいと考える業者は、リサーチを必要とする範囲を撮像できる監視カメラが所定時間撮像した撮像画像に含まれる所望の箇所の画像に対応するデータに対して画像認識処理を行い、認識結果のデータを転送するアプリケーションを監視カメラにインストールしてもらい、監視カメラの保有者はその場合に当該業者からリベートを受け取るというサービス形態があり得るのではないかと考えた。
【0012】
その場合、監視カメラの保有者としては、より多くのアプリケーションを監視カメラにインストールし、より多くのリベートを受領したいと望むのが当然である。
一方で、監視カメラの保有者はより多くのアプリケーションをインストールしたいとはいえ、すでに1以上のアプリケーションをインストールしている状態で、新たに別のアプリケーションをインストールできるか否かについて、そう簡単に判断できるものではない。特に、監視カメラに多くのアプリケーションがインストールされている状態であればなおさらである。
【0013】
ところで、監視カメラによっては、PTZ(Pan-Tilt-Zoom)機構を備えるものの場合には、一度に撮像できる範囲は限られるものの、パンやチルトなどを行うことにより、撮像できる範囲を広げることができるものがある。上記特許文献1では、アプリケーションを追加しても定められた時間内にすべてのアプリケーションの処理が終わるように動作保証する技術が開示されているものの、特許文献1に記載の技術では、十分にユーザの要望をかなえることが保障できない。というのも、特許文献1においては、時間についてのみの判定しか行っておらず、発明者らは、さらに撮像時の画角やズーム倍率などに着目して工夫を行うことで、より多くのアプリケーションをインストールできるのではないかと考えた。
【0014】
そこで、発明者らは、撮像位置や画角、ズーム倍率などを考慮に入れたうえで、カメラに新たにアプリケーションをインストールできるか否かを判定し、その場合に所望のどのようなズーム倍率で単位時間当たりどれだけの時間を撮像できるかの情報を提供する管理装置を発明するに至った。
以下、当該管理装置について詳細に説明する。
<実施の形態1>
<構成>
図1は、撮像システムのシステム構成を示す図である。
【0015】
図1に示すように、撮像システムは、管理装置100と、撮像装置に対応するカメラ200と、表示操作装置300とを含み、それぞれがネットワーク500を介して接続されている。また、ネットワーク500にはアプリケーション発行サーバ400も接続されている。
撮像システムにおいては、カメラ200を所有するユーザが、新たにアプリケーション発行サーバ400が発行するアプリケーションをカメラ200にインストールしたい場合に、表示操作装置300を用いて、それが可能かどうかを管理装置100に問い合わせる。そして、管理装置100は、アプリケーション発行サーバ400の発行するアプリケーションをカメラ200にインストールすることが可能かどうか、可能である場合にどのようなスケジューリングでの撮影を行うかの情報を送信し、表示操作装置300は受け取った情報を表示する。ユーザは提示された情報を見て、カメラ200にアプリケーションをインストールするかを決定し、インストールする場合には表示操作装置300を操作して、実行する。
【0016】
また、カメラ200は、後述するPTZ機構を備える。PTZ(Pan-Tilt-Zoom)機構は、カメラ200が撮影を行う上で、カメラのレンズの向きを左右方向(または水平方向)に動かすパン、上下方向(または垂直方向)に動かすチルト、望遠や広角にするズームを行う機能のことである。また、この機能は、後述するようにレンズの水平方向の移動量、上下方向の移動量、ズーム倍率に関する情報を設定した設定値(PTZ設定値)に基づいて行われる。
【0017】
1つのPTZ設定値で、カメラ200は、所定の撮像範囲を所定のズーム倍率で撮像を行う。
ここから、撮像システムに係る各装置の詳細を説明する。
図2は、管理装置100の機能構成を示すブロック図である。
図2に示すように、管理装置100は、通信部110と、確保可能リソース情報取得部120と、情報管理部130と、要求制御部140とを含んで構成される。
【0018】
通信部110は、ネットワーク500を介して、カメラ200や表示操作装置300等の外部装置と通信を実行する機能を有する。通信部110はネットワーク500から情報を受信し、受信した情報を要求制御部140に伝達する。また、通信部110は要求制御部140からの指示に従って、受け付けたデータを、ネットワーク500を介して、外部の装置に送信する。なお、通信は、例えば、イーサネット(登録商標)規格、TCP/IPなど一般的な通信プロトコルを用いるものとし、以下同様とする。また、通信は、無線、有線を問わないものとする。
【0019】
確保可能リソース情報取得部120は、要求制御部140からの依頼にしたがって、新たなアプリケーション(以下、追加アプリケーションという。)をカメラ200にインストールすることができるか否かを判定し、インストールできる場合には、単位時間あたりの撮像時間とそのズーム倍率を算出し、確保可能リソース情報を生成する機能を有する。確保可能リソース情報の生成処理の詳細については、後述するものとして、ここでは、簡単にその生成処理の原理を説明する。
【0020】
確保可能リソース情報取得部120は、まずカメラ200にその時点で既にインストールされているアプリケーション(以下、既存アプリケーションという。既存アプリケーションは、撮像画像を利用するアプリケーションであって、出荷時にインストールされていたもの、出荷後に追加でインストールされているものがあり、それらの一方または双方を含む。)について、それぞれの既存アプリケーションで必要とされている撮像領域が一つのPTZ設定値での撮像が可能であるかに基づくグループ情報を生成するグループ情報生成処理を実行する。ここでグループは、1つの既存アプリケーションしか含まない場合もある。
【0021】
次に、確保可能リソース情報取得部120は、生成したグループ情報に基づいて、すべての既存アプリケーションが含まれるようにグループの組み合わせパターンを生成し、その組み合わせパターンにおいて、各既存アプリケーションに設定されている撮像時間は少なくとも撮像できるようにそれぞれのグループの撮像時間を設定したスケジュール情報を生成する。
【0022】
そして、確保可能リソース情報取得部120は、生成したスケジュール情報における各グループの組み合わせパターンにおいて、追加アプリケーションについて、表示操作装置300のユーザが指定している撮像領域を撮像可能な撮像時間およびズーム倍率をリスト化した確保可能リソース情報を生成する。確保可能リソース情報取得部120は、生成した確保可能リソース情報を要求制御部140に伝達する。なお、どの組み合わせパターンにおいても追加アプリケーションの撮像時間を確保できない場合には、インストール不可を示す情報を要求制御部140に返す。
【0023】
情報管理部130は、管理装置100が動作するうえで必要とする各種アプリケーションやデータを記憶する機能を有する。情報管理部130は、例えば、フラッシュメモリなどの不揮発性半導体メモリやHDD(Hard Disc Drive)などにより実現される。
要求制御部140は、通信部110から受け取ったカメラ200で新たなアプリケーションがインストール可能かどうかの要求を受け付けて、確保可能リソース情報取得部120にその判定を依頼する機能を有する。そして、要求制御部140は、確保可能リソース情報取得部120から受け取った確保可能リソース情報またはインストール不可の情報を、当該要求を行った表示操作装置300に通信部110を介して送信させる。
【0024】
図3は、カメラ200の機能構成を示すブロック図である。
図3に示すように、カメラ200は、通信部210と、アプリケーション追加処理部220と、PTZ機構230と、記憶部240とを含んで構成される。
通信部210は、ネットワーク500を介して、管理装置100や表示操作装置300等の外部の装置と通信を実行する機能を有する。
【0025】
アプリケーション追加処理部220は、表示操作装置300またはアプリケーション発行サーバ400からネットワーク500を介して送信されたアプリケーションをインストールする機能を有する。
PTZ(Pan-Tilt-Zoom)機構230は、カメラ200が撮像を行う上で、カメラ200が有するレンズの向きを左右方向(または水平方向)に動かすパン、上下方向(または垂直方向)に動かすチルトにより、カメラの向きを変える機能、および望遠や広角にするズームを行うことで撮像範囲の大きさを制御する機能を有する。
【0026】
記憶部240は、カメラ200に既にインストールがなされ、実行されている1以上のアプリケーション(既存アプリケーションと称す)のそれぞれに関する情報である既存アプリケーション情報(以後、既存アプリ情報と称す)を保持する。
既存アプリ情報は、既存アプリケーションのそれぞれについて、必要とする撮像領域、単位時間当たりにおいて、必要とする撮像領域を撮影する撮像時間、この撮像領域を撮影するときのカメラ200のズーム倍率に関する情報を含む。記憶部240は、例えば、フラッシュメモリなどの不揮発性半導体メモリやHDD(Hard Disc Drive)などにより実現される。
【0027】
制御部250は、カメラ200の各部を制御する機能を有する。制御部250は、通信により表示操作装置300からの情報要求に応じて、保持している情報を表示操作装置300に通信部210を介して送信する。また、制御部250は、表示操作装置300から伝達されたスケジュールに従って、単位時間内に各アプリケーションが必要とする撮像領域を含む領域が撮像されるようカメラ200の動作タイミングや撮影方向、ズーム倍率などを制御する。また、制御部250は、各アプリケーションの実行処理に従い、既存アプリケーションが必要とする撮像領域を含む領域をカメラ200が撮像した場合には、例えば撮像された画像データから撮像領域の部分を抽出し、画像認識処理などの処理を行う機能を有する。
【0028】
制御部250は、PTZ機構230における水平方向の移動量、上下方向の移動量、ズーム倍率に関する情報を設定した設定値(PTZ設定値)に基づいてPTZ機構230を制御する。これにより、カメラ200の向き、カメラが一度に撮像できる撮像範囲の大きさを制御できる。
また、1のPTZ設定値には、対応する撮像時間がある。撮像時間とは、カメラ200で撮像を行う時間の長さを示す情報である。1のPTZ設定値に基づいて、向き、および一度に撮像できる撮像範囲の大きさが決められたカメラ200を撮像時間の間、撮像を行う。
【0029】
PTZ設定値および対応する撮像時間は、例えば、記憶部240が保持する。
PTZ設定値および対応する撮像時間は、例えば管理装置100から送信されたものを記憶部240が保持してもよい。
カメラ200は、記憶部240からPTZ設定値および対応する撮像時間の情報を読み出して、カメラ200を制御する。
【0030】
撮像部260は、制御部250からの指示にしたがって撮像を行う。撮像部260は、光学レンズ(図示しない)などを通して装置内に入力された光学的な画像信号を画像データに変換する。また、撮像部260はアナログ−デジタル変換回路を持ち、アナログの画像データをデジタルの画像データに変換する。変換後のデータ形式としては、各画素の色を輝度成分Y、色差成分CbとCrで表現するYCbCr形式を用いるようにしてもよいし、RGB形式などの形式を用いてもよい。撮像部260は、変換して得られる画像データを制御部250に伝達する。当該画像データは、例えば、表示操作装置300に送信され、表示される。あるいは、アプリケーション発行サーバ400に送信され、マーケティングなどの利用に供される。
【0031】
図4は、表示操作装置300の機能構成を示すブロック図である。
図4に示すように、表示操作装置300は、通信部310と、表示部320と、入力部330と、制御部340とを含むいわゆるPCなどのコンピュータ端末である。
通信部310は、ネットワーク500を介して、管理装置100およびカメラ200など外部の装置と通信を実行する機能を有する。
【0032】
表示部320は、制御部340からの指示に従って情報を表示する機能を有する。表示部320は、通信部310から受け付けたアプリケーションがインストール可能かについての情報を表示する機能を有する。
入力部330は、ユーザからの入力を受け付ける機能を有する。入力部330は、ユーザからの追加アプリのインストールの可否判断を要求する入力を受け付けて、制御部340に伝達する。また、入力部330は、カメラ200に新たにインストールしたいアプリケーションが必要とする撮像領域の指定をユーザから受け付け、受け付けた撮像領域を制御部340に伝達する。
【0033】
制御部340は、表示操作装置300の各部を制御する機能を有する。制御部340は、ユーザからの入力部330に対する入力に従って、追加アプリのインストールの判断要求を受け付けると、通信部310を介してカメラ200と通信を行って、既存アプリケーションの情報(撮像領域、撮像領域を含む撮像範囲をカメラ200が撮像するときのズーム倍率、撮像時間)を取得する。そして、制御部340は、当該追加アプリケーションが新たにインストール可能であるか否かの判断を要求する判断要求を、取得した既存アプリケーションの情報と、追加アプリケーションの撮像領域の情報とを共に通信部310を介して、管理装置100に送信する。
【0034】
図5は、アプリケーション発行サーバ400の機能構成を示すブロック図である。
図5に示すように、アプリケーション発行サーバ400は、通信部410と、記憶部420と、制御部430とを含んで構成される。
通信部410は、ネットワーク500を介して管理装置100や表示操作装置300など外部の装置と通信を実行する機能を有する。通信部410は、表示操作装置300から、アプリケーション仕様要求を受信して制御部430に伝達する。通信部410は、受信したアプリケーション仕様要求に応じて制御部430から伝達されたアプリケーションの仕様情報を、アプリケーション仕様要求を送信した表示操作装置300に送信する。
【0035】
また、通信部410は、ネットワーク500を介してカメラ200からアプリケーション要求を受信して制御部430に伝達する。通信部410は、受信したアプリケーション要求に応じて制御部430から伝達されたアプリケーションを、アプリケーション要求を送信してきたカメラ200に送信する。
記憶部420は、アプリケーション発行サーバ400が動作上必要とするプログラムおよび各種データを記憶する機能を有する。記憶部420は、各種カメラで動作させたいとオペレーターが考えているアプリケーションのプログラムの本体(あるいはそのインストーラ)と、その仕様情報とを記憶している。なお、アプリケーションの仕様はアプリケーションを発行、運用する事業者が所望する情報によって異なるが、例えば、指定した領域を撮像し、撮像して得られた画像に対して画像認識処理を行い、その画像内のオブジェクト(人物や車など)のカウントを行ったり、人物の進行方向、人物の性別判断などを行ったりする。記憶部420は、例えば、フラッシュメモリなどの不揮発性半導体メモリやHDD(Hard Disc Drive)などにより実現される。
【0036】
制御部430は、アプリケーション発行サーバ400の各部を制御する機能を有する。制御部430は、通信部410からアプリケーション仕様要求を受け付けた場合に、記憶部420から仕様情報を読み出し、通信部410に当該仕様情報を伝達する。また、制御部430は、通信部410からアプリケーション要求を受け付けた場合に、記憶部420からアプリケーションのプログラム本体(あるいはそのインストーラ)を読み出し、通信部410に当該アプリケーションのプログラム本体(あるいはそのインストーラ)を伝達する。
【0037】
以上が、撮像システムに係る各装置の機能構成である。
<データ>
以下、本実施の形態に係るデータについて説明する。なお、管理装置100が確保可能リソース情報の生成過程において、生成する各種データについては、その動作に併せて逐次説明するものとして、ここでは、カメラ200が保持している既存アプリケーションの情報(以後、既存アプリ情報と称す)についてのみ説明する。
【0038】
図6は、カメラ200が保持する既存アプリ情報600のデータ構成を示すデータ概念図である。
図6に示すように、既存アプリ情報600は、アプリ番号601と、撮像時間602と、ズーム値603と、撮像領域604とが対応付けられた情報である。
アプリ番号601は、カメラ200上で動作している既存アプリケーションを識別するための識別情報である。ここでは、3つの既存アプリケーションがインストール、実行されている例を示している。
【0039】
撮像領域604は、カメラ200の撮像可能な全体のパノラマ座標系における、各既存アプリケーションで必要とされる座標範囲を示す情報である。ここでは撮像領域は矩形領域であり、x軸(水平)方向の最低値(X_min)と最高値(X_max)、y軸(垂直)方向の最低値(Y_min)と最高値(Y_max)の座標値の情報である。
既存アプリ情報600は、カメラ200に保持されているが、追加アプリケーションのインストールの可否判断のために管理装置100において参照される。
【0040】
撮像時間602は、各既存アプリケーションが必要とする座標範囲を含む画像を撮像する撮像時間を示す情報であり、例えば、単位時間(ここでは1分)あたりの撮像時間を示す情報である。
ズーム値603は、各既存アプリケーションが必要とする撮像領域をカメラ200が撮像するにあたって、カメラ200に指定されるズーム倍率を示す情報である。ただし、実際にこのズーム値603では撮像せず、アプリケーションによっては、より高倍率のズーム値で撮像した画像を画像処理により、指定されているズーム値の解像度の画像に落とす場合がある。
【0041】
この場合、高倍率のズーム値で撮像した画像を画像処理により、指定されているズーム値の解像度の画像に落とす変換部(図示せず)をカメラ200が備えていればよい。
<動作>
ここから、撮像システムに係る動作を説明する。
【0042】
まず、表示操作装置300におけるGUIを用いた追加アプリケーションのインストールや撮像領域の指定について説明する。
図7は、カメラ200でパン、チルトにより撮像可能な最大範囲のパノラマ画像700の例を示す図である。カメラ200の一つのPTZでの撮像範囲はこれよりも狭い領域となる。なお、パノラマ画像の作成方法としては、例えば、特許文献2に示す手法がある。本実施の形態では、パノラマ画像700は、横5000画素、縦3000画素の画像であるとし、予めカメラ200に保存されているものとするが、アプリケーション追加時や追加アプリケーションのインストール判断のための撮像領域の指定時に撮像して得ることとしてもよい。
【0043】
図8は、表示操作装置300において、追加アプリケーションの撮像領域を指定するためのインターフェース画面の一例である。追加アプリケーションのインストールについては、一般的なGUIと同様に動作するものであり、ここでは簡単に説明する。
カメラの撮像画像に基づいて生成されるパノラマ画像C101において、枠C201の範囲内が追加アプリケーションの撮像領域である。この枠C201は、パノラマ画像C101上で、カーソルのドラッグ操作で指定してもよいし、枠C201の頂点の左上座標と右下座標を枠C103〜C106に入力することとしてもよい。
【0044】
パノラマ画像C101上でドラッグ操作により枠C201を定めた場合は、その座標が、枠C103〜C106に自動的に埋められる。逆に、枠C103〜C106に座標が入力された場合には、その座標に対応する枠C201がパノラマ画像C101上に表示される。
連続撮像時間を指定する枠C107に追加アプリケーションの所定時間内の撮像時間を入力し、ズーム倍率を指定する枠C108に追加アプリケーションの実行時の撮像のズーム倍率を入力する。
【0045】
追加アプリケーションのファイル名をプログラムファイル指定枠C102に、アプリケーション発行サーバ400から発行された追加アプリケーションを示すファイル名を入力し、指定完了ボタンC110をクリックすることで、枠C103〜C108に入力された値の設定と、追加アプリケーションのプログラム本体がカメラ200に転送され、カメラ200のアプリケーション追加処理部220によりインストールされる。
【0046】
このように、これらの内容を入力することで、一般的なGUIと同様に、新たなアプリケーションをカメラ200にインストールすることができる。
次に、管理装置100に対して新たなアプリケーションのインストールが可能かどうかの判断を要求する際の入力画面例を説明する。
図9は、表示操作装置300を用いて、管理装置100に新たなアプリケーションのインストールが可能かどうかの可否判断を行う際のインターフェース画面の一例である。
【0047】
当該インターフェース画面例は、
図8に示したものとほぼ同様であるので、ここでは、差異のみを説明する。
ユーザは表示操作装置300を用いて、新たに追加したいアプリケーションで撮像したい撮像領域を指定する。指定の仕方は
図8の場合と同様である。
図9において、インストール判断要求ボタンC210をクリックすると、表示操作装置300から管理装置100に対して、撮像領域の指定に入力されている座標値と、予めカメラ200から入手しておいた既存アプリ情報(
図6参照)とを含むインストール判断要求が送信される。
【0048】
管理装置100は、インストール判断要求を受信すると、受け付けた撮像領域を示す座標値と、既存アプリ情報とに基づいて、新たに追加アプリのカメラ200へのインストールが可能かどうかの判定処理を行う。管理装置100は、インストール可能と判定した場合に、更に、どのようなズーム倍率でどれだけの時間、撮像可能であるかを判断する。
なお、
図8および
図9のいずれの場合でも、ズーム画像確認ボタンC109をクリックすることで、
図8に示すように指定している領域内の拡大画像C202を表示することができる。当該画像が仮にカメラ200に新たに追加したいアプリケーションをインストールした場合に、当該アプリケーションが画像認識処理等に利用することになる画像である。
図8は拡大画像を表示している場合を示しており、
図9は拡大画像を表示していない状態を示している。
【0049】
このように、これらの内容を入力することで、管理装置100に対して、新たなアプリケーションのインストールの可否判断を要求することができる。
図10は、管理装置100が上述の可否判断要求を受け付けた場合に実行する確保可能リソース情報作成処理に関する大まかな処理の流れを示すフローチャートである。
図10に示すように、撮像システムに係る管理装置100は、まず、グループ情報作成処理を実行する(ステップS1001)。
【0050】
グループ情報作成処理は、カメラ200に既にインストールされているアプリケーション(以下、既存アプリケーションという。既存アプリケーションは、カメラ200の出荷時にはインストールされていなかったアプリケーションを含む)に定められる撮像領域について、一つのPTZ設定値で、特定されるカメラ200の撮像範囲に同時に撮像されるアプリケーション(または、既存アプリケーションが必要とする撮像領域)のグループを作成する処理である。ここで、一つのPTZ設定値とは、カメラ200について一つのレンズの水平方向の向き、垂直方向の向き、および撮像のズーム倍率の設定の組のことである。なお、ここでズーム倍率については、撮像した画像のリサイズ処理によりアプリケーションで必要とする撮像画像が得られるのであれば、ズーム倍率の異なるアプリケーション同士を同じグループに含んでよい。グループ情報作成処理の更なる詳細は後述する。
【0051】
グループ情報を作成すると、次に、管理装置100は、スケジュール情報を作成する(ステップS1002)。スケジュール情報作成処理は、ステップS1001において作成したグループ情報に基づき、グループの組み合わせパターンを生成し、その組み合わせパターンそれぞれにおいて、各グループの撮像時間の全パターンを定めたスケジュール情報を生成する処理である。スケジュール情報作成処理の詳細は後述する。
【0052】
そして、作成したスケジュール情報に基づき、管理装置100は、確保可能リソース情報(ステップS1003)を作成する。確保可能リソース情報は、新たに追加する追加アプリケーションが、どのような設定での撮像が可能かを示す情報であり、指定された撮像領域を撮影する際に可能な、撮像時間とズーム倍率の組み合わせを示す情報である。確保可能リソース情報作成処理の詳細も後述する。
【0053】
ここから、
図10の各ステップに示す各処理の詳細について説明する。
(グループ情報作成処理)
図11は、グループ情報作成処理についての管理装置100の動作を示すフローチャートである。グループ情報作成処理は、
図11のフローチャートに沿って、具体例を交えながら説明する。
【0054】
まず、確保可能リソース情報取得部120は、既存アプリケーションの組み合わせを網羅した、グループの母集団を作成する(ステップS1101)。以下“{”と“}”で囲まれたデータは、1まとまりのデータであることを表現するものとする。
本実施の形態1においては、既存アプリケーションとして、アプリ番号1、アプリ番号2、アプリ番号3の3つのアプリケーションがあるとする。この場合、グループの母集団は、{1}、{2}、{3}、{1、2}、{1、3}、{2、3}、{1、2、3}の計7つが生成される。グループ母集団を示す各括弧内の番号は、それぞれアプリ番号に対応している。なお、各既存アプリの撮像時間、ズーム値、撮像領域は
図6に示すものであるとして、以下を説明する。
【0055】
グループの母集団に関する情報は、
図12に示す通りである。
図12において、グループ番号で示される7つのグループG1〜G7がグループ母集団として生成される。
図12においては、各行において、グループに既存アプリケーションが含まれる場合に、対応するアプリ番号に○を記載している。
グループの母集団を作成すると、確保可能リソース情報取得部120は、それぞれの各グループを識別するためのグループ番号を付与する。
【0056】
次に、確保可能リソース情報取得部120は、各グループについて以下の処理を行う。
まず、グループ母集団の1つを特定する。そして、1つのPTZ設定値で特定されるカメラ200の撮像範囲に特定したグループに含まれる既存アプリケーションが必要とする撮像領域範囲が全て含まれているかどうかを判定する(ステップS1102〜S1104の処理)。
【0057】
確保可能リソース情報取得部120は、カメラ固有情報を参照し、カメラ200の撮像可能な最大画角を得る。カメラ固有情報は、例えば、カメラ200の記憶部240に記憶されており、確保可能リソース情報取得部120は、予めカメラ200から取得し、管理装置100が備える図示しないメモリなどの記憶部に保持しておくものとする。カメラ固有情報は、例えば、カメラ200の撮像可能な最大解像度、およびズーム倍率の最大値などの情報を含む。
【0058】
本実施の形態1において、カメラ200の撮像可能な最大解像度は、横1280画素、縦960画素の画像であり、最大ズーム倍率は20倍であるとする。
確保可能リソース情報取得部120は、既存アプリケーション全ての撮像範囲が最大解像度の範囲内に収まるか否かを判定する。ここで、確保可能リソース情報取得部120は、グループ内の既存アプリケーションについて、互いに異なるズーム倍率の設定がされている場合には、それらのズーム倍率の中で最大のズーム倍率に座標系を変換して1つのPTZ設定値での撮像範囲に収まるか否かを判定する。
【0059】
例えば、本実施の形態1の場合、既存アプリケーションそれぞれの撮像領域は、ズーム倍率1倍に換算した座標系で表現しているため、これをズーム倍率20倍の座標系に換算した撮像可能な最大幅と高さを算出し、その幅と高さで示される撮像領域で撮像可能であるか否かを判定する。
換算するズーム倍率の幅と高さは、以下の式で算出する。
【0062】
式(1)に示されるように、幅は横方向の解像度をズーム倍率の平方根で除することで得られる。また、式(2)に示されるように、高さは縦方向の解像度をズーム倍率の平方根で除することで得られる。したがって、ズーム倍率が4倍の場合には、既存アプリケーションの撮像可能範囲は、幅(横)640画素、高さ480画素の範囲であり、ズーム倍率が16倍の場合には、幅(横)320画素、高さ240画素の範囲である。
【0063】
確保可能リソース情報取得部120は、各グループの母集団のズーム値を決定する(ステップS1102)。具体的には、確保可能リソース情報取得部120は、グループ内に含まれる各既存アプリケーションについて、そのズーム倍率を取得する。そして、そのグループ内における既存アプリケーションのズーム倍率の中で、最大のズーム倍率を特定する。これは、1つのグループに属する既存アプリケーション各々のズーム倍率が異なる場合、ズーム倍率の大きい方のズーム倍率で撮像を行う必要があるためである。その理由は、あるズーム倍率で撮像した画像を異なるズーム倍率の解像度にリサイズする場合、ズーム倍率が大きな解像度の高い画像を取得してズーム倍率の小さな解像度の低い画像にリサイズすることは、その逆よりも比較的容易にできるからである。
【0064】
図12に示す例では、例えば、グループ番号G4に対応するグループはアプリ番号1、アプリ番号2に対応するアプリケーションを含む。
図6を参照するとアプリ番号1が必要とする撮像領域をカメラ200が撮像するときのズーム倍率は、1倍である。一方、アプリ番号2が必要とする撮像領域をカメラ200が撮像するときのズーム倍率は、4倍である。よって、
図12において、グループ番号G4に対応するグループのズーム倍率は、4倍となる。
【0065】
そして、特定したズーム倍率でのグループに属するすべての既存アプリケーションが所望する撮像領域を撮像可能であるか否かを判定する(ステップS1103)。
確保可能リソース情報取得部120は、各グループに対して、グループに含まれる既存アプリケーションが必要とする撮像領域を含む最小の長方形の範囲(グループの撮像領域の範囲と称する)を特定するための情報を算出する。グループに属する既存アプリケーションが1つである場合には、
図6に示す対応する既存アプリケーションのX_min、Y_min、X_max、Y_maxがグループの撮像領域の範囲として算出される。X_min、Y_minと、X_max、Y_maxを得ると、確保可能リソース情報取得部120は、その撮像領域の範囲(幅Wと高さH)を算出する。幅Wは、X_max−X_minから算出し、高さHは、Y_max−Y_minから算出する。
【0066】
一方、グループに含まれる既存アプリケーションが複数ある場合、グループの撮像領域の範囲は、グループに含まれる各既存アプリケーションの撮像領域のうちで、最少のX_min、Y_minと、最大のX_max、Y_maxとを検索することにより求める。そして、最少のX_min、Y_minと、最大のX_max、Y_maxを得ると、確保可能リソース情報取得部120は、その撮像領域の範囲(幅Wと高さHで特定される四角形の領域)を算出する。幅Wは、X_max−X_minから算出し、高さHは、Y_max−Y_minから算出する。
【0067】
確保可能リソース情報取得部120は、1つのPTZ設定値に対応するカメラ200撮像範囲に収まるグループのみを残す(ステップS1104)。具体的には、確保可能リソース情報取得部120は、算出した幅Wおよび高さHが以下の式(3)、式(4)を満たすか否かを判定する。
【0070】
確保可能リソース情報取得部120は、幅Wおよび高さHがそれぞれ式(3)、式(4)を満たす場合には撮像可能であると判定して、そのグループを残す。満たさない場合には、撮像不可能であると判定して、そのグループを削除する。
例えば、グループ番号G1〜G4に対応するグループは、それぞれ
図12に示すズーム倍率、W、Hを用いて、式(3)、式(4)をそれぞれ満足する。
【0071】
一方、
図12に示すように、グループ番号G5は、対応するズーム倍率が16倍、Wは480、Hは570である。この値を式(4)に代入をして計算すると式(3)、式(4)を満足しない。
グループ番号G6、G7についても同様の計算を行うと、式(3)、式(4)を満足しない。
【0072】
よって、両式を満たすグループは、グループ番号G1、G2、G3、G4の4つである。
このことは、グループ番号G1、G2、G3、G4については、それぞれ、カメラのズーム倍率がグループ番号G1、G2、G3、G4の中のいずれかに対応するグループに含まれるズーム倍率に設定した場合、カメラ200の撮像範囲の中に、設定したズーム倍率に対応するグループに含まれる既存アプリケーションが必要とする撮像領域を含むようにカメラ200の向きを調節できることを意味する。
【0073】
以下では、グループに対応する大きさの撮像範囲の中に、そのグループに含まれる既存アプリケーションが必要とする撮像領域を含むようにカメラ200の向きを調節できることを、カメラ200の撮像範囲にグループに含まれる既存アプリケーションが必要とする撮像領域を含むと称する。
このことは、グループ番号G1、G2、G3、G4については、そのグループに含まれる既存アプリケーションが必要とする撮像領域を含むカメラ200の向きおよび撮像範囲の大きさを特定するPTZ設定値を1つ特定できることを意味する。
【0074】
1つのPTZ設定値で撮像可能なグループを特定すると、確保可能リソース情報取得部120は、特定したグループそれぞれについての限界可能撮像範囲を特定する(ステップS1105)。
上述の例では、グループ番号G1、G2、G3、G4のそれぞれについて、限界可能撮像範囲を特定する。
【0075】
ここでは、限界可能撮像範囲の特定を一つのグループを例にして説明する。まず、グループに一つの既存アプリケーションが属する場合について、例えば、
図12に示すグループG3の場合の限界可能撮像範囲の特定を、
図13を用いて説明する。
まず、グループのズーム倍率を参照する。グループG3のズーム倍率は16倍である。そのため、グループG3の場合は、上記式(1)および式(2)からカメラ200の撮像範囲(以後撮像可能範囲と称す)のサイズは、横320×縦240画素となる。
【0076】
グループG3に属する既存アプリケーションは、アプリ番号3のアプリケーションのみである。
図13において、点線で囲った領域D100は、アプリ番号3の既存アプリケーションが必要とする撮像領域を示している。この撮像領域は、横240×縦180画素であり、カメラの200の撮像可能範囲よりも小さい。そのため、その分だけ、横方向あるいは縦方向への撮像範囲に余裕があるといえる。
【0077】
したがって、この領域D100を含むようにカメラ200の向きを変えることが可能な範囲(または、パン、チルトした範囲)が限界可能撮像範囲となる。即ち、横方向に関しては領域D100の左方向あるいは右方向に80(320−240)画素分、縦方向に関しては領域D100の上方向あるいは下方向に60(240−160)画素分の余裕があり、その左右方向、上下方向の余裕分を含む領域D101がグループG3の限界可能撮像範囲となる。
【0078】
よって、グループG3の限界可能撮像範囲は、X_min=1300、Y_min=1440、X_max=1700、Y_max=1740となる。このとき、グループG3の限界可能撮像範囲に含まれる画素は、横400×縦300(画素)となる。
グループG3の限界可能撮像範囲に対応する領域D101内に、横320×縦240(画素)の大きさを有する撮像範囲に対応するPTZ設定値を生成したとき、このPTZ設定値に基づくカメラ200の撮像範囲の中に領域D100(アプリ番号3の既存アプリケーションが必要とする撮像領域)が必ず含まれることを意味する。
【0079】
グループG1、G2についても同様に、限界可能撮像範囲を特定することができる。なお、グループG1については、限界可能撮像範囲のサイズがカメラ200のパンの範囲内に収まらず、マイナスになるため、X_minを0に設定する。
次に、複数の既存アプリケーションがグループに含まれる場合の限界可能撮像範囲の特定方法について、
図12のグループG4を例に、
図14を用いて説明する。
【0080】
グループG4には、
図12に示すように、アプリ番号1およびアプリ番号2の既存アプリケーションが含まれている。グループG4のズーム倍率は、4倍であるので、上記式(1)、式(2)から、グループG4の撮像範囲のサイズは、横640×縦480画素である。
一方、
図14に示すように、アプリ番号1の既存アプリケーションの撮像範囲は、領域D110(X_min=900、Y_min=1000、X_max=1220、Y_max=1240)となる。また、アプリ番号2の既存アプリの撮像範囲は、領域D111(X_min=1340、Y_min=1210、X_max=1380、Y_max=1240)となる。
【0081】
まず、確保可能リソース情報取得部120は、領域D110と領域D111とを含む領域D112(X_min=900、Y_min=1000、X_max=1380、Y_max=1240)を特定する。
領域D112は、横480(1380−900)×縦240(1240−1000)の範囲である。上述の通りグループG4の撮像範囲のサイズは、横640×縦480なので、左右方向に160画素分、上下方向に240画素分の余裕がある。
【0082】
そのため、グループG4の撮像限界可能範囲は、領域D113(X_min=740、Y_min=760、X_max=1540、Y_max=1480)となる。このとき、グループG4の限界可能撮像範囲に含まれる画素は、横800×縦720(画素)となる。
グループG4の限界可能撮像範囲内に、横640×縦480(画素)の大きさを有する撮像範囲に対応するPTZ設定値を生成したとき、このPTZ設定値に基づいて撮像される撮像範囲の中に領域D112(アプリ番号1の既存アプリケーションが必要とする撮像領域およびアプリ番号2の既存アプリケーションが必要とする撮像領域)が必ず含まれることを意味する。
【0083】
このように複数の既存アプリケーションがグループに含まれている場合には、それぞれの既存アプリケーションの撮像範囲を含むグループの撮像範囲を特定し、その後にその特定した撮像範囲に対して、グループに対応するズーム倍率で特定される撮像範囲との差分を算出して、横方向、縦方向にずらすことにより撮像限界可能範囲を特定する。
このようにして、管理装置100の確保可能リソース情報取得部120は、グループ情報作成処理を終了する。
図6、
図12を用いて最終的に得られるグループ情報は、
図15に示すものになる。
【0084】
図15に示すように、グループ情報には、グループ番号に示すように、グループG1〜G4が残り、それぞれの所属する既存アプリケーション、連続撮像時間、ズーム倍率、限界撮像領域が対応付けられている。また、
図12で示されるように、各既存アプリケーションの撮像時間が、各既存アプリケーションのアプリ番号に対応付けられている。
図12に示す各既存アプリケーションにより必要とされる撮像時間は、例えば、
図6に示す撮像時間に対応する。
【0085】
例えば、
図15においては、グループG4の場合、アプリ番号「1」、「2」で示される2つの既存アプリケーションが含まれ、両アプリケーションのうち、撮像時間の長い方の時間が連続撮像時間として、「20」秒が対応づけられ、ズーム倍率は「4倍」であり、限界撮像領域は、(740、760)を左上座標、(1540、1480)を右下座標とする矩形の領域内になることがわかる。
(スケジュール情報作成処理)
図16は、
図10に示すステップS1002に対応するスケジュール情報作成処理の詳細を示すフローチャートである。
【0086】
確保可能リソース情報取得部120は、最終的に作成されたグループ情報から、次にスケジュール情報を作成する。即ち、作成したグループ情報について、グループ情報に含まれるグループのそれぞれについて、グループに対応するPTZ設定値を用いて特定されるカメラ200の撮像範囲を、グループに対応する連続撮像時間の間、撮像を行う処理を単位時間内に行うためのスケジューリングが可能なグループの組み合わせを特定する(PTZスケジューリングと称する)。なお、本実施の形態1では、スケジューリングは、1分周期でのスケジューリングを行うものとする。つまり、1分間で、既存アプリケーションが必要とする撮像領域を含む撮像範囲の撮影と追加する追加アプリケーションが必要とする撮像領域を含む撮像範囲の撮影が1巡するように撮影のスケジューリングを行うものとする。
【0087】
したがって、PTZスケジューリングは、各グループの撮像領域にパン、チルト、ズームして、定められた連続撮像時間だけ撮影した時間の合計が1分以下になるようにスケジューリングを行う。
まず、確保可能リソース情報取得部120は、グループ情報に含まれる各グループについて、その組み合わせパターンを生成する(ステップS1601)。
【0088】
本実施の形態1では、
図15に示されるように、グループ情報には、グループG1、G2、G3、G4の4つのグループが含まれている。
そこで、その組み合わせパターンは、
図17(a)に示されるように、グループの組み合わせパターンは、合計15組できる。なお、グループの組み合わせパターンには、1つのグループのみが属する場合も1つのパターンとしてカウントする。
図17(a)においては、一つの列が一つのグループの組み合わせを示しており、○がある場合に、それに対応するグループがその組み合わせパターンに属していることを示す。
【0089】
グループの組み合わせパターンを作成すると、確保可能リソース情報取得部120は、そのグループの組み合わせのうち、すべての既存アプリケーションの撮像領域が含まれているグループの組み合わせのみを残す(ステップS1602)。
ここでの例の場合、アプリ番号1、2、3の3つのアプリケーションが既存アプリケーションとしてある例を示しているが、これらの既存アプリケーションの全ての撮像領域を含むグループの組み合わせとして、{G1、G2、G3}の組み合わせ、または{G3、G4}の組み合わせを部分集合としてもつようにスケジュールを作成する必要がある。よって、その結果残る組み合わせパターンは、
図17(b)に示す5通りになる。
【0090】
次に、確保可能リソース情報取得部120は、各グループに属する既存アプリケーションのうち、最長の時間を有する既存アプリケーションの連続撮像時間を、そのグループの連続撮像時間として、
図17(b)に示すようにリストに記録する。これにより、当該グループにて撮像する場合に、そのグループに撮像に割り当てられる最大の時間を参照することができるようになる。そして、確保可能リソース情報取得部120は、各グループの組み合わせに対して組み合わせパターン番号を割り振る。
【0091】
そして、確保可能リソース情報取得部120は、それぞれの組み合わせパターンに含まれる各グループの撮像時間を定める。確保可能リソース情報取得部120は、スケジュール母集団を生成する(ステップS1603)。スケジュール母集団は、グループの組み合わせに基づき、そのグループに割り振ることができる時間のバリエーションを抽出したものである。
【0092】
ここでは、以下の3つの条件に基づき、スケジュール母集団を作成する。
(I)各グループに割り振られる時間は5秒を単位とする時間である。
(II)各グループの組み合わせに含まれるグループ各々には必ず0より大きい時間を割り振る。
(III)グループの最大撮像時間より大きい時間は割り振らない。
【0093】
なお、ここで条件(II)はバリエーションの重複を防ぐための条件である。例えば、グループ組み合わせ番号1の組み合わせにおいて、グループ番号G2に割り振る時間を0とするとグループ組み合わせ番号3の組み合わせに重複することがわかる。
以下、スケジュール母集団に関する情報を埋めていく処理を示す。ここでは、グループ組み合わせ番号1{G1、G2、G3、G4}の場合を説明する。
【0094】
当該グループ組み合わせ番号1において、グループG1がとり得る撮像時間は、{5、10、15、20}、グループG2がとり得る撮像時間は、{5、10}、グループG3がとり得る撮像時間は、{5、10}、グループG4がとり得る撮像時間は{5、10、15、20}となる。なお、それぞれのグループにおける数値の単位は秒である。
これらの取り得る時間すべてについての組み合わせを網羅したスケジュール母集団は、
図18に示す通りになる。そして、確保可能リソース情報取得部120は、その組み合わせにおける各グループの撮像時間の合計撮像時間を算出する。
【0095】
また、確保可能リソース情報取得部120は、グループ組み合わせ番号2{G1、G2、G3}、グループ組み合わせ番号3{G1、G3、G4}、グループ組み合わせ番号4{G2、G3、G4}、グループ組み合わせ番号5{G3、G4}についても、同様にスケジュール母集団を生成する。
このように、確保可能リソース情報取得部120は、すべてのグループの組み合わせについてスケジュール母集団を生成する。
【0096】
確保可能リソース情報取得部120は、生成したスケジュール母集団からスケジュール情報を生成する(ステップS1604)。
確保可能リソース情報取得部120は、まず、すべてのグループの組み合わせについて生成したスケジュール母集団のうち、その撮像合計時間が予め定められているPTZスケジュールの一巡する時間内(ここでは1分以内)に収まらないものを削除する。
【0097】
PTZスケジュールは、スケジュール母集団内の一個一個のスケジュールのことであり、各グループに設定される撮像領域(当該撮像領域は、グループに含まれるすべての既存アプリケーションが所望する撮像領域を含む)を撮像できるようにカメラ200がPTZ機構を用いてそのグループに対する撮像を行う時間を定めた情報である。
次に、確保可能リソース情報取得部120は、各既存アプリケーションの連続撮像時間を満たすために、各グループの連続撮像時間が満たすべき条件を生成する。この条件とは、各既存アプリケーションについて、当該既存アプリケーションを有するグループの撮像時間の和が、当該既存アプリケーションの連続撮像時間以上であることである。
【0098】
実施の形態1においては、各既存アプリケーションとグループとの関連性は、
図15に示すとおりである。
図15からわかるように、アプリ番号1の既存アプリケーションは、グループG1およびG4に含まれている。また、アプリ番号1の既存アプリケーションの連続撮像時間は、20秒となっている。これらのことから、「グループG1とG4の連続撮像時間の和は20秒以上」という条件を得る。
【0099】
同様に、アプリ番号2、3の既存アプリケーションについても必要条件を定める。アプリ番号2の既存アプリケーションからは、「グループG2とG4の連続撮像時間の和は10秒以上」という条件を、アプリ番号3の既存アプリケーションからは、「グループG3の連続撮像時間の和は10秒以上」という条件を得る。
確保可能リソース情報取得部120は、これらの条件を基に、グループ組み合わせ番号1{G1、G2、G3、G4}〜グループ組み合わせ番号5{G3、G4}を用いて生成したスケジュール母集団に示された各グループの撮像時間の組み合わせの中から各既存アプリケーションの連続撮像時間を満たすものだけを残す。そして、確保可能リソース情報取得部120は、残されたスケジュールそれぞれにスケジュール番号を付与する。
【0100】
その結果得られる情報は、
図19に示す通りになる。なお、同図において、「−」は、その列において、そのグループの撮像スケジュールがないことを意味する。なお、そのグループの撮像スケジュールがなくとも、上述の条件は満たされている。
図19に示すように、例えば、スケジュール番号26の場合には、グループG1の撮像時間が5秒、グループG2の撮像時間はなく(つまり0秒)、グループG3の撮像時間は10秒、グループG4の撮像時間は20秒となっている。その結果スケジュール番号26の現時点でのグループG1〜グループG4のそれぞれの撮像時間の合計値である合計撮像時間は、35秒となっている。
【0101】
確保可能リソース情報取得部120は、こうして作成されたスケジュール情報に基づいて、確保可能リソース情報を生成する。
図20は、確保可能リソース情報取得処理を示す管理装置100の動作を示すフローチャートである。
図20に示すように、確保可能リソース情報取得部120は、まず、スケジュール情報に示される組み合わせに含まれるグループのそれぞれについて、そのグループに対応する大きさの撮像範囲の中に、そのグループの撮像領域と追加アプリケーションに対してユーザにより指定された撮像領域(以下、追加アプリ撮像領域という)とを同時に含むか否かを判定(第1の判定)し、同時に含むと判定したグループを特定する(ステップS2001)。ここでは、ステップS2001により特定されるグループがG1、G2、G3である場合を、以下で説明する。
【0102】
次に、確保可能リソース情報取得部120は、作成されたスケジュール情報(
図19参照)に基づいて、確保可能リソース算出テーブルを作成する(ステップS2002)。なお、確保可能リソース算出テーブルは、確保可能リソース情報を作成するための一時情報を記載するためのテーブルである。
図21は、確保可能リソース算出テーブルのデータ概念図である。
【0103】
確保可能リソース情報取得部120は、作成したグループ情報を参照して、確保可能リソース算出テーブルの「ズーム倍率」と、「合計撮像時間」と、「連続撮像時間」について、それぞれの値を挿入する。
確保可能リソース算出テーブルの「G_余り分」は、単位時間(1周期分の時間、本実施の形態では1分)当たりにおけるカメラ200の撮像に使用されていない時間の長さ示す。つまり、既存アプリケーションの撮像領域にかかわらず、追加アプリ撮像領域を新たな撮像領域として自由に設定できるリソース分(時間)を記載するための仮のグループであり、ここでは、PTZスケジュールを1分単位で行うことから、1分から、各グループに割り当てられた時間の総計を減算した値になる。例えば、本実施の形態1において、スケジュール番号1を例に説明をする。この場合、
図19に示すようにグループG1の撮影に5秒、グループG2の撮影に5秒、グループG3の撮影に10秒、グループG4の撮影に15秒を要することが示されている。よってグループG1〜グループG4のそれぞれの撮像時間の合計値である合計撮像時間は、35秒となる。1周期が1分(60秒)であるので、60−35=25秒は、他の領域を撮像できる時間として割り当てることができることを意味する。この他の領域を撮像できる時間として割り当てることができる時間が、G_余り分である。スケジュール番号1のG_余り分は、
図21に示すように25秒であり、ズーム倍率は、20倍である。なお、余りがない場合(そのスケジュールの各グループの撮像時間の和が1分になる場合)には、G_余り分は0になる。
【0104】
また、
図21において、各グループ番号とスケジュール番号とが交差する位置に記載する数値は、
図19における対応する位置に記載する数値に、該当するグループ番号に対応するズーム倍率よりも大きいズーム倍率に対応するグループ番号の数値および、
図21に示すグループ番号「G_余り分」の数値を加算した値を記載している。
図21において、各グループ番号とスケジュール番号とが交差する位置に記載する数値を計算する手続きのフローチャートについては、詳細な説明は(リサイズを考慮した撮像合計時間の補正処理(
図20のS2006、
図22の説明))で後述する。
例えば、
図19に示すスケジュール番号が「1」における、グループ番号「G1」の撮像に割り当てられている撮像時間は5秒である。
図21に示すグループ番号「1」のズーム倍率は「1倍」である。
図21に示すズーム倍率が「1倍」よりも大きいグループ番号は、グループ番号G2、グループ番号G3、グループ番号G_余り分である。
図19に示す、スケジュール番号「1」とグループ番号「G1」とが交差する位置に記載する数値は5秒、スケジュール番号「1」とグループ番号「G2」とが交差する位置に記載する数値は5秒、スケジュール番号「1」とグループ番号「G3」とが交差する位置に記載する数値は10秒である。
【0105】
また、
図21に示す、スケジュール番号「1」とグループ番号「G_余り分」とが交差する位置に記載する数値は25秒である。
よって、
図21において、スケジュール番号「1」とグループ番号「G1」とが交差する位置に記載する数値は、5+5+10+25=45秒となる。
【0106】
図21において、グループ番号「G1」とスケジュール番号「1」とが交差する位置に記載する数値は、ズーム倍率が1倍(グループ番号「G1」で本来必要としていたズーム倍率)で、追加アプリケーションが必要とする撮像領域をカメラ200で撮像することが可能な時間の最大値を示す。
なおグループ番号G2、グループ番号G3、グループ番号G_余り分に対応する撮像画像のズーム倍率が1倍よりも大きいが、これらの倍率の撮像画像を、ズーム倍率を1倍に相当する撮像画像に変換すれば、ズーム倍率が1倍の撮像画像として利用することができる。
【0107】
この場合、当然のことながら、カメラ200において撮像した撮像画像をズーム倍率が1倍の画像に変換する(リサイズする)変換部(図示せず)を備えていることが必要である。
例えば、
図21において、スケジュール番号「1」とグループ番号「G1」とが交差する位置に記載する数値(45秒)を用いてカメラ200の制御を行う場合を考える。
【0108】
この場合、
図19に示すスケジュール番号「1」に含まれるグループ番号「G1」におけるカメラ200の撮像範囲として、アプリ番号1に対応する既存アプリケーションが必要とする撮像領域および追加アプリケーションが必要とする追加アプリ撮像領域を共に含む撮像範囲および1倍のズーム倍率を示すPTZ設定値並びに、このPTZ設定値を用いて撮像を行う撮像時間(5秒)をカメラ200に設定(第1の設定)する。
【0109】
そして、
図19に示すスケジュール番号「1」に含まれるグループ番号「G2」におけるカメラ200の撮像範囲として、アプリ番号2に対応する既存アプリケーションが必要とする撮像領域および追加アプリケーションが必要とする追加アプリ撮像領域を共に含む撮像範囲および4倍のズーム倍率を示すPTZ設定値並びに、このPTZ設定値を用いて撮像を行う撮像時間(5秒)をカメラ200に設定(第2の設定)する。
【0110】
そして、
図19に示すスケジュール番号「1」に含まれるグループ番号「G3」におけるカメラ200の撮像範囲として、アプリ番号3に対応する既存アプリケーションが必要とする撮像領域および追加アプリケーションが必要とする追加アプリ撮像領域を共に含む撮像範囲および16倍のズーム倍率を示すPTZ設定値並びに、このPTZ設定値を用いて撮像を行う撮像時間(10秒)をカメラ200に設定(第3の設定)する。
【0111】
そして、
図21に示すスケジュール番号「1」に含まれるグループ番号「G_余り分」におけるカメラ200の撮像範囲として、追加アプリケーションが必要とする撮像領域を含む撮像範囲および20倍のズーム倍率を示すPTZ設定値並びに、このPTZ設定値を用いて撮像を行う撮像時間(10秒)をカメラ200に設定(第4の設定)する。
そして、
図19に示すスケジュール番号「1」に含まれるグループ番号「G4」におけるカメラ200の撮像範囲として、アプリ番号3に対応する既存アプリケーションが必要とする撮像領域を含むPTZ設定値並びに、このPTZ設定値を用いて撮像を行う撮像時間(15秒)をカメラ200に設定(第5の設定)する。
【0112】
そして、第1の設定〜第5の設定をそれぞれ用いてカメラ200の撮像を行う処理を1分周期で行えばよい。
なお、第2の設定においてカメラ200が撮像した撮像画像のズーム倍率は
図21に示すように4倍であるので、この画像をズーム倍率が1倍の撮像画像に変換をして、追加アプリケーションが必要とする撮像領域の画像を得る。また、一方で、グループ番号「G2」に含まれる既存アプリケーションが必要とする撮像領域の画像を得る場合には、カメラ200が撮像したズーム倍率が4倍の撮像画像を利用する。
【0113】
このことは、第3の設定、第4の設定をそれぞれ用いてカメラ200の撮像を行った場合においても同様である。
つまり、追加アプリケーションが必要とする撮像領域の画像は、第1の設定〜第4の設定のそれぞれを用いてカメラ200が撮像した撮像画像から得る。
但し、第2の設定〜第4の設定のそれぞれを用いてカメラ200が撮像した撮像画像については、1倍のズーム倍率に相当する撮像画像に変換された後、追加アプリケーションは、変換された撮像画像から必要とする撮像領域の画像を得る。
また、
図21に示す、スケジュール番号「1」とグループ番号「G2」とが交差する位置に記載する数値について説明する。
【0114】
図21に示すようにグループ番号「G2」のズーム倍率は「4倍」である。
図21に示すズーム倍率が「4倍」よりも大きいグループ番号は、グループ番号「G3」、グループ番号「G_余り分」である。
上述と同様の考え方を適用することにより、スケジュール番号「1」とグループ番号「G2」とが交差する位置に記載する数値は、
図19に示す、スケジュール番号「1」とグループ番号「G2」とが交差する位置に記載する数値(5秒)、スケジュール番号「1」とグループ番号「G3」とが交差する位置に記載する数値(10秒)、
図21に示す、スケジュール番号「1」とグループ番号「G_余り分」とが交差する位置に記載する数値(25秒)を加算した値(40秒)となる。
【0115】
図21において、グループ番号「G2」とスケジュール番号「2」とが交差する位置に記載する数値は、ズーム倍率が4倍(グループ番号「G2」で本来必要としていたズーム倍率)で、追加アプリケーションが必要とする撮像領域をカメラ200で撮像することが可能な時間の最大値を示す。
図21において、スケジュール番号「1」とグループ番号「G2」とが交差する位置に記載する数値(40秒)を用いてカメラ200の制御を行う場合、上述した第1の設定〜第5の設定をカメラ200に設定し、第1の設定〜第5の設定を用いてカメラ200で撮像する処理を単位時間(1分)間隔で繰り返し行えばよい。
【0116】
追加アプリケーションが必要とする撮像領域の画像は、第2の設定、第3の設定、第4の設定のそれぞれを用いてカメラ200が撮像した撮像画像から得る。但し、第3の設定、第4の設定のそれぞれを用いてカメラ200が撮像した撮像画像については、4倍のズーム倍率に相当する撮像画像に変換された後、追加アプリケーションは、変換された撮像画像から必要とする撮像領域の画像を得る。
また、
図21に示す、スケジュール番号「1」とグループ番号「G3」とが交差する位置に記載する数値について説明する。
【0117】
図21に示すようにグループ番号「G3」のズーム倍率は「16倍」である。
図21に示すズーム倍率が「16倍」よりも大きいグループ番号は、グループ番号「G_余り分」である。
上述と同様の考え方を適用することにより、スケジュール番号「1」とグループ番号「G3」とが交差する位置に記載する数値は、
図19に示す、スケジュール番号「1」とグループ番号「G3」とが交差する位置に記載する数値(10秒)、
図21に示す、スケジュール番号「1」とグループ番号「G_余り分」とが交差する位置に記載する数値(25秒)を加算した値(35秒)となる。
【0118】
図21において、グループ番号「G3」とスケジュール番号「1」とが交差する位置に記載する数値は、ズーム倍率が16倍(グループ番号「G3」で本来必要としていたズーム倍率)で、追加アプリケーションが必要とする撮像領域をカメラ200で撮像することが可能な時間の最大値を示す。
図21において、スケジュール番号「1」とグループ番号「G3」とが交差する位置に記載する数値(35秒)を用いてカメラ200の制御を行う場合、上述した第1の設定〜第5の設定をカメラ200に設定し、第1の設定〜第5の設定を用いてカメラ200で撮像する処理を単位時間(1分)間隔で繰り返し行えばよい。
【0119】
追加アプリケーションが必要とする撮像領域の画像は、第3の設定、第4の設定のそれぞれを用いてカメラ200が撮像した撮像画像から得る。
但し、第4の設定を用いてカメラ200が撮像した撮像画像は、16倍のズーム倍率に相当する撮像画像に変換された後、追加アプリケーションは、変換された撮像画像から必要とする撮像領域の画像を得る。
また、
図21に示す、スケジュール番号「1」とグループ番号「G_余り分」とが交差する位置に記載する数値について説明する。
【0120】
図21に示すようにグループ番号「G_余り分」のズーム倍率は「20倍」である。
図21に示すズーム倍率が「20倍」よりも大きいグループ番号は、
図21にはない。ズーム倍率は「20倍」がカメラ200の設定可能なズーム倍率の最大値であるからである。
上述と同様の考え方を適用することにより、スケジュール番号「1」とグループ番号「G_余り分」とが交差する位置に記載する数値は、
図21に示す、スケジュール番号「1」とグループ番号「G_余り分」とが交差する位置に記載する数値(25秒)となる。
【0121】
図21において、グループ番号「G_余り分」とスケジュール番号「1」とが交差する位置に記載する数値は、ズーム倍率が20倍(グループ番号「G_余り分」で本来必要としていたズーム倍率)で、追加アプリケーションが必要とする撮像領域をカメラ200で撮像することが可能な時間の最大値を示す。
図21において、スケジュール番号「1」とグループ番号「G_余り分」とが交差する位置に記載する数値(25秒)を用いてカメラ200の制御を行う場合、上述した第1の設定〜第5の設定をカメラ200に設定し、第1の設定〜第5の設定を用いてカメラ200で撮像する処理を単位時間(1分)間隔で繰り返し行えばよい。
【0122】
追加アプリケーションが必要とする撮像領域の画像は、第4の設定を用いてカメラ200が撮像した撮像画像から得る。
以上の説明では、
図21に示すスケジュール番号「1」と、グループ番号が交差する位置の数値について説明をしたが、
図21に示すスケジュール番号が「2」〜「39」とグループ番号が交差する位置の数値についても同様の主旨で考えればよいので、ここでは説明を省略する。
そして、各スケジュール番号について、追加アプリケーションが必要とする撮像領域を撮像できる時間とズーム倍率を決定する処理を行う。
【0123】
まず、確保可能リソース情報取得部120は、内部変数iを1に設定する(ステップS2003)。内部変数iは、処理しているスケジュール番号を示す番号である。当該内部変数iの値は、確保可能リソース情報取得部120の内部バッファに記憶、管理される。
確保可能リソース情報取得部120は、内部変数iで示されるスケジュール番号のグループの情報を取得する(ステップS2004)。ここで取得するグループの情報とは、そのスケジュール番号で示されるスケジュールに含まれるグループを特定できる情報であり、ここでは、G1、G2、G3またはG4のことである。
【0124】
確保可能リソース情報取得部120は、取得したスケジュール番号で示されるスケジュールに複数のグループが含まれるか否かを判定する(ステップS2005)。複数のグループが含まれない場合には(ステップS2005のNO)、ステップS2007に移行する。
複数のグループが含まれる場合には(ステップS2005のYES)、リサイズを考慮した撮像合計時間の補正処理を実行する(ステップS2006)。当該補正処理の詳細については後述する。
【0125】
その後、確保可能リソース情報取得部120は、スケジュール番号iがスケジュールの総数に一致するか否かを判定する(ステップS2007)。
一致しない場合には(ステップS2007のNO)、iに1加算し(ステップS2009)、ステップS2004に戻る。
一致した場合には(ステップS2007のYES)、確保可能リソース算出テーブル・マージ処理を実行し(ステップS2008)、確保可能リソース情報を生成して終了する。
(リサイズを考慮した撮像合計時間の補正処理)
図22は、管理装置100が実行する
図20のステップS2006における補正処理の動作を示すフローチャートである。
【0126】
まず、確保可能リソース情報取得部120は、内部変数jを1に設定する(ステップS2201)。当該内部変数jは、確保可能リソース情報取得部120の内部バッファに記憶、管理され、当該補正処理における確保可能リソース算出テーブルの参照先の行を決定するための変数である。
確保可能リソース情報取得部120は、内部変数jで示される確保可能リソース算出テーブルの行を参照して、その行のズーム倍率(以下、基準ズーム倍率という)を取得する(ステップS2202)。例えば、実施の形態1における確保可能リソース算出テーブルは
図21に示すとおりであるので、仮に、jが1の場合には、基準ズーム倍率は1倍となる。
【0127】
確保可能リソース情報取得部120は、確保可能リソース算出テーブルのその他の行を参照し、基準ズーム倍率以上の大きな倍率を有する行があるか否かを検索する(ステップS2203)。確保可能リソース情報取得部120は、ある場合にはヒットありを、ない場合にはヒットなしを返す。
ヒットなしの場合には(ステップS2203のNO)、ステップS2206に移行する。
【0128】
ヒットありの場合には(ステップS2203のYES)、検索にヒットしたグループのリストを確保可能リソース情報取得部120の内部バッファに保存する。そして、ヒットした行の撮像時間の和を算出する(ステップS2204)。そして、算出した和を、内部バッファに保存したリストに含まれる各グループの連続撮像時間の和に加算する(ステップS2205)。そして、加算後の値のリストを確保可能リソース算出テーブルに反映させる。
【0129】
確保可能リソース情報取得部120は、jが確保可能リソース算出テーブルの行数に一致するか否かを判定する(ステップS2206)。
一致しない場合には(ステップS2206のNO)、jに1加算し(ステップS2207)、ステップS2202に戻る。
一致した場合には、補正処理を終了し、
図20のステップS2207に戻る。
(確保可能リソース算出テーブル・マージ処理)
図23は、管理装置100が実行する
図20のステップS2208における確保可能リソース算出テーブル・マージ処理の動作を示すフローチャートである。
【0130】
まず、確保可能リソース情報取得部120は、スケジュール毎に作成した確保可能リソース算出テーブルの各ズーム倍率をリスト化し、内部バッファに保存する(ステップS2301)。
確保可能リソース情報取得部120は、リスト化したグループ毎に、確保可能リソース算出テーブルの各スケジュールの連続撮像時間を比較する。そして、その比較の結果、各グループについてその最も長い連続撮像時間とグループのズーム倍率との組を内部バッファに保存する(ステップS2302)。
【0131】
そして、確保可能リソース情報取得部120は、得られた各ズーム倍率についての連続撮像時間の組から成る確保可能リソース情報を生成して(ステップS2303)、終了する。
図24は、上述のようにして生成される確保可能リソース情報の一例である。
図24に示すように確保可能リソース情報2400は、ズーム倍率2401と連続撮像時間2402とが対応付けられたリストの情報であり、追加アプリケーションをカメラ200にインストールする場合に取り得るズーム倍率と連続撮像時間を示している。管理装置100の確保可能リソース情報取得部120により生成された当該確保可能リソース情報は、ネットワークを介して表示操作装置300に送信される。そして、確保可能リソース情報を受け取った表示操作装置300は、
図25に示すように、新たなアプリケーションのインストールが可能かどうかの判断結果と、可能な場合、追加アプリケーションに割り当てられる連続撮像時間とズーム倍率の組から成る情報を表示することとなる。
【0132】
このとき、どのスケジュールでも追加アプリケーションが必要とする追加撮像領域の撮像のための時間をとれない場合には、確保可能リソース情報取得部120は、追加アプリケーションのためのスケジュールは確保不可能を要求制御部140に返し、要求制御部140は、通信部110に、追加アプリケーションを前記カメラにインストールできないことを示す情報を表示操作装置300に送信させる。(ユースケースを用いた確保可能リソース情報作成処理の例)
ここで、より具体的にユースケースを用いて、2例ほど追加アプリケーションの撮像領域に応じた確保可能リソース情報の作成例を説明する。
【0133】
なお、カメラ200にインストールされている既存アプリケーションの撮像領域、ズーム倍率、連続撮像時間の設定値は、
図6に示すとおりである。
(例1)
追加アプリケーションの撮像領域が、X_min=1350、Y_min=1500、X_max=1590、Y_max=1680である場合を例にして説明を行う。ユーザによる上記の追加アプリ撮像領域は
図9に対する追加アプリ情報入力画面を利用して行われる。また、ユーザが入力を終えてから、スケジュール情報作成処理が完了するまでの処理内容は上述した通りなので割愛し、確保可能リソース情報作成処理についての詳細な説明を行う。
【0134】
図20のステップS2001において、確保可能リソース情報取得部120は、追加アプリ撮像領域が同時撮像可能であるグループを判断する処理を行う。この例では、追加アプリ撮像領域はX_min=1350、Y_min=1500、X_max=1590、Y_max=1680である。各グループの限界撮像領域は
図15に記載の通りであるので、G1、G2、G3の各限界撮像領域は上記の追加アプリ撮像領域を範囲内に含む。よって、ステップS2001では、グループ番号G1、G2、G3は、それぞれ、対応するグループの撮像領域と、追加アプリ撮像領域を同時にカメラ200の撮像範囲に含めて撮像可能であると判断する。
【0135】
この結果、グループ番号G1、G2、G3が同時撮像可能であるグループと判断される。
例えば、グループ番号G3では、
図13に示すように限界撮像領域に対応する領域D101内に、横320×縦240(画素)を有する長方形の領域をカメラ200が撮像する撮像範囲となるようにPTZ設定値を生成した場合、このPTZ設定値に基づいて特定されるカメラ200の撮像範囲の中に領域D100(アプリ番号3の既存アプリケーションが必要とする撮像領域)が必ず含まれることは上述したとおりである。
【0136】
例えば、グループ番号G3が同時に撮像可能というのは、領域D101内に領域D100および追加アプリ撮像領域がカメラ200の撮像範囲に含まれるようなPTZ設定値が少なくとも1つは存在することを意味する。
よって、限界撮像領域に対応する領域D101内に領域D100および追加アプリ撮像領域を共に含む横320×縦240(画素)を有する長方形の領域を撮影範囲となるようにPTZ設定値を生成すれば、このPTZ設定値に基づいて特定されるカメラ200の撮像範囲の中に、アプリ番号3のアプリが必要とする撮像領域(つまり領域D100)、および追加アプリケーションが必要とする撮像領域を同時に含めることが可能となる。
一方で、
図15に示すグループ番号G4に示す限界撮像領域に追加アプリ撮像領域は含まれないため、ステップS2001では、グループ番号G4を撮像するときに、追加アプリ撮像領域を同時に撮像できないと判断する。この結果、グループ番号G4が同時撮像可能ではないグループと判断される。
【0137】
次にステップS2002において、確保可能リソース情報取得部120は確保可能リソース算出テーブルを作成する。ステップS2001において同時撮像可能であるグループと判断されたグループG1、G2、G3を基に、確保可能リソース算出テーブルを作成する。グループ情報は
図15に記載した通りであり、スケジュール情報は
図19に記載した通りである。よって、確保可能リソース算出テーブルは
図38に記載した通りとなる。ステップS2002において、確保可能リソース算出テーブルに記載されている連続撮像時間は、
図19に記載したものを転記しただけであるので、
図38に示す通りとなる。後述する処理を通じて、場合によって確保可能リソース算出テーブルの連続撮像時間の値は更新される。
【0138】
ステップS2003において、確保可能リソース情報取得部120は内部変数i=1とし、内部バッファに保存する。
ステップS2004において、確保可能リソース情報取得部120は、確保可能リソース算出テーブル上のスケジュール番号1のスケジュールが持つグループのグループ番号を取得する。実施の形態1において、確保可能リソース算出テーブルは
図38に示す通りなので、グループの番号、G1、G2、G3、G_余り分を取得する。
【0139】
ステップS2005において、実施の形態1のスケジュール番号1の確保可能リソース算出テーブルに登録されたグループは合わせて4個(グループ番号が、G1、G2、G3、G_余り分のそれぞれに対応するグループ)であるので、ステップS2006に遷移する。
次に、ステップS2006において、確保可能リソース情報取得部120はリサイズを考慮した撮像合計時間の補正処理を行う。以下の処理は
図22のフローに従って説明する。
【0140】
まず、ステップS2201において、ステップS2102以下の処理を進める準備として、変数j=1として内部バッファに保存する。
ステップS2201において、j=1であるので、確保可能リソース算出テーブルの1番目の要素を参照し、そのズーム倍率を基準ズーム倍率とする。ここでスケジュール番号1の確保可能リソース算出テーブルは
図38であるので、基準ズーム倍率は1となる。
【0141】
次に、確保可能リソース算出テーブルの他の行を順に参照し、基準ズーム倍率である1倍以上の大きな倍率を持つ行を検索する。確保可能リソース算出テーブルは
図38の通りなので、1以上のズーム倍率のグループは{G2、G3、G_余り分}となる。
よって、ステップS2202の検索結果は「ヒットあり」となる。さらに、基準ズーム検索結果リストとして{グループG2、G3、G_余り分}を内部バッファに保存する。
【0142】
ステップS2203において、「ヒットあり」となるので、ステップS2204に遷移する。
ステップS2204において、ステップS2203の検索にヒットした行である、G2、G3、およびG_余り分に対応する撮像時間の和を計算する。ステップS2204において参照する行の撮像時間は、グループ番号がG1〜G3については
図19、グループ番号がG_余り分については
図38に示すとおりである。ステップS2203において、内部バッファに保存した基準ズーム検索結果リストは{グループG2、G3、G_余り分}である。よって、グループG2、G3、G_余り分の各々の行の連続撮像時間の和を計算する。この例では、スケジュール番号1に対応するグループ番号G2、G3およびG_余り分の連続撮像時間は
図38に記載の通りであるので、グループ番号がG2、G3、G_余り分の連続撮像時間の和の計算結果は40Secとなる。
【0143】
ステップS2205では、確保可能リソース算出テーブルの1番目の行の連続撮像時間に、ステップS2204の計算結果を加える。確保可能リソース算出テーブルは
図38に記載の通りであり、ステップS2204の計算結果は40Secなので、1行目の確保可能リソース算出テーブルの連続撮像時間は、5+40=45Secに更新される。
ステップS2205の処理が終わると、ステップS2206の処理に遷移する。
【0144】
ステップS2206において、変数j=1なので確保可能リソース算出テーブルの行数に一致しないのでステップS2207に遷移する。
ステップS2207において、j=j+1、即ち、j=2として、ステップS2202に遷移する。
j=2、3の場合は、j=1の場合と同様に処理を行えばよいので説明は割愛する。j=4の場合について、j=1の場合とは異なる処理フローとなるので説明する。
【0145】
ステップS2203において、
図21に記載の通り基準ズーム倍率は20となる。また、基準ズーム倍率より大きな倍率を持つ行を検索結果は、「ヒットなし」となり、ステップS2206に遷移する。
ステップS2206において、j=4(確保可能リソース算出テーブルの行数)であるので、リサイズを考慮した撮像合計時間の補正処理を終了する。
【0146】
次に、確保可能リソース情報取得部120はステップS2006の処理を終了する。
図21に、ステップS2006の処理を行った後の確保可能リソース算出テーブルの内容を示す。
確保可能リソース情報取得部120はステップS2006の処理を終了すると、ステップS2007の処理に遷移する。
【0147】
ステップS2007の分岐において、i=1でスケジュールの数に等しくないのでステップS2008に遷移する。
ステップS2008において、i=2に更新し、ステップS2004に遷移する。
以下、i=2からi=38の場合は、i=1の場合と同様に処理を行えばよいので説明は割愛する。i=39の場合について、i=1とは異なる処理フローとなるので説明する。
【0148】
以下、i=1の場合と処理が異なる場合についてのみ、説明を行う。
ステップS2004において、i=39であるので、確保可能リソース情報取得部120はスケジュール番号39に属するグループの番号、G3、G4を得る。
ステップS2005において、確保可能リソース算出テーブルに登録されたグループが複数個であるので、ステップS2006に分岐する。
【0149】
ステップS2203において、検索結果は「ヒットあり」となり、基準ズーム検索結果リストは{グループG_余り分}として内部バッファに保存する。
ステップS2203において、ステップS2203の検索結果は「ヒットあり」となるので、ステップS2204に遷移する。
ステップS2204において、ステップS2203において内部バッファに保存した基準ズーム検索結果リストは{グループG_余り分}であるので、ステップS2204ではグループG_余り分の連続撮像時間30Secを得る。
【0150】
ステップS2205において、ステップS2204の計算結果は30Secなので、1行目の確保可能リソース算出テーブルの連続撮像時間は40Secと更新される。
ステップS2206では、j=1なので、ステップS2207に遷移する。
ステップS2207において、確保可能リソース算出テーブルの次の行についても同様の処理を行うため、j=2として、ステップS2202に遷移する。
【0151】
ステップS2202において、
図38に記載の通り基準ズーム倍率は20となる。また、20倍以上のズーム倍率を持つ行は、
図38に示す確保可能リソース算出テーブルには存在しない。よって、基準ズーム倍率より大きな倍率を持つ行を検索結果は、「ヒットなし」となり、ステップS2206に遷移する。
ステップS2206において、j=2の処理にて確保可能リソース算出テーブルの全ての行について実施完了しているので、終了に分岐する。
【0152】
ステップS2206の処理を行った後の確保可能リソース算出テーブルの内容を
図21に示す。
ステップS2007において、全てのスケジュールについて処理が完了したので、ステップS2008に遷移する。
ステップS2008において、確保可能リソース算出テーブル・マージ処理を行う。以下、
図23に記載のフローに従って説明する。
【0153】
ステップS2301において、確保可能リソース算出テーブルは
図21に示す通りであるので、グループに対応するズーム倍率のリストにおいて、G1は1倍、G2は4倍、G3は16倍、G4は20倍となる。 ステップS2302において、ステップS2301にてリスト化したグループ毎に、一番大きな連続撮像時間を得る。確保可能リソース算出テーブルは
図21に示す通りであるので、G1(ズーム倍率1倍)は60秒、G2(ズーム倍率4倍)は、40秒、G3(ズーム倍率16倍)は、40秒、G4(ズーム倍率20倍)は、30秒となる。
【0154】
最後に、ステップS2303において、ステップS2301とS2302の結果を基に確保可能リソース情報を生成し、
図24に記載の確保可能リソース情報を得る。
ステップS2303の処理が完了すると、確保可能リソース情報取得部120は確保可能リソース生成処理を終了する。
確保可能リソース情報取得部120は、以上の処理で取得した確保可能リソース情報を要求制御部140に出力する。そして、要求制御部140は、受け付けた確保可能リソース情報を表示操作装置300に通信部110を介して、送信する。
【0155】
こうして生成された確保可能リソース情報は表示操作装置300に
図25に示すように確保可能なリソース情報がユーザに提示される。
(例2)
追加アプリ撮像領域が、X_min=2000、Y_min=1000、X_max=2240、Y_max=1180である場合を例にして説明を行う。ユーザによる上記の追加アプリ撮像領域は追加アプリ情報入力画面を利用して行われる。ユーザが入力を終えてから、ステップS1002のスケジュール情報作成処理が完了するまでの処理内容は以上で説明した通りなので割愛する。
【0156】
ステップS1003の確保可能リソース情報作成処理から詳細な説明を行う。
ステップS2001において、確保可能リソース情報取得部120は、追加アプリ撮像領域撮像が同時撮像可能であるグループを判断する処理を行う。この例では、追加アプリ撮像領域はX_min=2000、Y_min=1000、X_max=2240、Y_max=1180である。各グループの限界撮像領域は
図12に記載の通りであるので、各限界撮像領域は上記の追加アプリ撮像領域を範囲内に含まない。よって、ステップS2001では、同時撮像可能であるグループはないと判断される。
【0157】
ステップS2002において、確保可能リソース情報取得部120は確保可能リソース算出テーブルを作成する。ステップS2001にて同時撮像可能であるグループはないと判断された。よって、G_余り分だけを要素として確保可能リソース算出テーブルを作成する。ステップS2002にて生成する確保可能リソース算出テーブルは
図26に示したものとなる。
【0158】
ステップS2003において、確保可能リソース情報取得部120は内部変数i=1とし、内部バッファに保存する。
ステップS2004において、確保可能リソース情報取得部120はスケジュール番号1であるグループのグループ番号を取得する。実施の形態1の例2において、確保可能リソース算出テーブル上は
図26に示す通りなので、グループの番号、G_余り分を取得する。
【0159】
ステップS2005において、実施の形態1のスケジュール番号1の確保可能リソース算出テーブルに登録されたグループは合わせて計1個であるので、ステップS2007に遷移する。
ステップS2007の分岐において、i=1なのでステップS2009に遷移する。
ステップS2009において、i=2に更新し、ステップS2004に遷移する。
【0160】
以下、i=2からi=38の場合は、i=1の場合と同様に処理を行えばよいので説明は割愛する。
i=39の場合について、i=1とは異なる処理フローとなるので説明する。
ステップS2004において、i=39であるので、確保可能リソース情報取得部120はスケジュール番号2に属するグループの番号{G_余り分}を得る。
【0161】
ステップS2005において、確保可能リソース算出テーブルに登録されたグループが1個であるので、ステップS2007に分岐する。
ステップS2007において、全てのスケジュールについて処理が完了したので、ステップS2008に遷移する。
ステップS2008において、確保可能リソース算出テーブル・マージ処理を行う。以下、
図23に記載のフローに従って説明する。
【0162】
ステップS2301において、確保可能リソース算出テーブルは
図26に示す通りであるので、出現するズーム倍率のリストは{20倍}となる。
ステップS2302において、ステップS2301にてリスト化したズーム倍率毎に、一番大きな連続撮像時間を得る。確保可能リソース算出テーブルは
図26に示す通りであるので、G_余り分(ズーム倍率は20倍)は30秒となる。
【0163】
最後に、ステップS2303において、ステップS2301とS2302の結果を基に確保可能リソース情報を生成し、
図27に記載の確保可能リソース情報を得る。
ステップS2303の処理が完了すると、確保可能リソース情報取得部120は確保可能リソース生成処理を終了する。
確保可能リソース情報取得部120は、以上の処理で取得した確保可能リソース情報を要求制御部140に出力する。
【0164】
以下、表示操作装置300の表示部320に確保可能リソース情報を表示するまでの処理内容は上記したとおりであるので、割愛する。
(例1)と(例2)の結果を比較すればわかるように、追加アプリケーションで撮像予定の撮像領域に応じて、その出力結果であるズーム倍率と撮像時間のリストが異なる。つまり、追加アプリケーションの撮像領域の位置に応じた結果を出力できることがわかる。また、管理装置100は、可能な場合には、とり得るズーム倍率毎の撮像時間を提示できるので、追加アプリケーションのための複数の撮像プランを提示することができる。
【0165】
(まとめ)
本実施の形態1においては、撮像装置に対応するカメラ200が一度に撮像できる撮像範囲は、ズーム倍率に従って変化する。また、カメラ200は、その向きおよびズーム倍率を変えるPTZ機構を備え、PTZ機構を制御することにより、カメラ200の向きおよび撮像範囲の大きさ(サイズ)を変化させることができる。
カメラ200の移動可能な向きとしては水平方向(パン)、垂直方向(チルト)を含む。
【0166】
カメラ200の向き、およびズーム倍率の組に対応する制御情報をPTZ設定値といい、1つのPTZ設定値を用いてカメラ200の向き、撮像範囲の大きさを特定することができる。
また、管理装置100は、カメラ200にすでにインストールされている1以上の既存アプリケーションのそれぞれに関する情報(例えば、それぞれのアプリケーションが必要とする撮像領域、撮像時間、カメラ200のズーム倍率)および新たにアプリケーションが必要とする撮像領域に関する情報を取得する。
【0167】
管理装置100は、1以上の既存アプリケーションの組み合わせを求め、求められた組み合わせを1つのグループに対応づける。対応付けたグループの数は、1以上の既存アプリケーションの可能な組み合わせに相当する数ある(
図12参照)。
管理装置は、対応付けたグループのそれぞれについて、グループに含まれる既存アプリケーションが必要とする撮像領域を含むカメラ200の向きおよび撮像範囲の大きさを1つのPTZ設定値を用いて特定できるかどうかを調べ、1つのPTZ設定値を用いて特定できるグループを抽出する(
図15参照)。このとき、カメラ200の撮像範囲の大きさ(サイズ)は、グループに含まれる既存アプリケーションに設定されるズーム倍率に基づいて変化する。グループに含まれる既存アプリケーションが複数ある場合には、グループに含まれる複数の既存アプリケーションのそれぞれに対応するズーム倍率のうち、最大のものによって定められる。
【0168】
次に、そのグループを用いて、すべての既存アプリケーションが含まれるよう、グループの組み合わせパターンを作成する(
図17(b)参照)。そして、それぞれの組み合わせパターンにおける各グループの撮像時間を定める。この撮像時間は、各既存アプリケーションが属するグループの撮像時間の合計が、既存アプリケーションに対して定められている撮像時間と等しくなるよう(または超えるよう)に定める。
【0169】
また、このとき組み合わせパターンのグループの撮像時間の合計時間(撮像合計時間)があらかじめ定められた単位時間(実施の形態1では1分)を超えるものは淘汰される。
こうして、組み合わせパターンにおける各グループの撮像時間が定められたスケジュール情報が生成されると(
図19参照)、スケジュール情報に示される組み合わせパターンに含まれるグループの各々について以下の処理を行う。
【0170】
まず、スケジュール情報に示されるスケジュール番号を1つ特定する。
次に、特定したスケジュール番号に示されるグループの各々について以下の処理を行う。
グループに含まれる既存のアプリケーションにより定められるズーム倍率によって決まる大きさの撮像範囲に、追加アプリケーションの撮像領域と、グループに含まれる既存アプリケーションが必要とする撮像領域とを同時に含められるのかどうかを判定する(第1の判定)。
【0171】
上述の判定は、上述の大きさを有するカメラ200の撮像範囲に追加アプリケーションの撮像領域と、グループに含まれる既存アプリケーションが必要とする撮像領域とを同時に含ことができるようにカメラ200の向きを調節できるかどうかを判定すればよい。
追加アプリケーションの撮像領域と、グループに含まれる既存アプリケーションが必要とする撮像領域とをカメラ200の撮像範囲に含められると判定した場合(第1の判定が肯定的である場合)には、上記判定を満足するカメラ200の向きおよび撮像範囲の大きさ(ズーム倍率)を示すPTZ設定値を保持する。PTZ設定値が保持するカメラ200の向きに関する情報は、追加アプリケーションの撮像領域と、グループに含まれる既存アプリケーションが必要とする撮像領域を同時にカメラ200の撮像範囲に含むようにカメラ200の向きを調節する情報(パン、チルト)である。
【0172】
また、PTZ設定値が保持するカメラ200のズーム倍率に関する情報は、グループに含まれる既存アプリケーションが必要とするズーム倍率のうちの最大値である。 グループは、ズーム倍率と対応付けられている。よってズーム倍率に対応する撮像時間を算出する。
このとき、リサイズを考慮した撮像合計時間の補正処理を行い、ズーム倍率に対応する撮像時間を算出する。ズーム倍率の補正処理とは、特定したスケジュール番号に示される複数のグループについて第1の判定が満足する場合、ズーム倍率の低いグループに対応する撮像時間に、ズーム倍率の高いグループに対応する撮像時間を加算することである。
【0173】
また、リサイズを考慮した撮像合計時間の補正処理とは、特定したスケジュール番号に示される複数のグループの合計撮像時間が、予め定められている単位時間(1分)未満であれば、この差を、ズーム倍率に対応する撮像時間に加算することである。
上述の処理をスケジュール情報に示される全てのスケジュール番号に対して行うことで、確保可能リソース算出テーブルを生成する。
【0174】
そして、確保可能リソース算出テーブル示される撮像時間のうちの最大値をズーム倍率毎に、算出し、確保可能リソース情報を生成する(
図24参照)。
この場合、追加アプリケーションがカメラ200にインストールできることを示す情報として、「指定した領域は、以下の条件での撮像が可能です」というメッセージと、追加アプリケーションが必要とするズーム倍率を1以上の既存アプリケーションのいずれかが必要とするズーム倍率とした場合における追加アプリケーションが必要とする撮像領域の撮像可能な時間の長さの最大値を含む確保可能リソース情報とが、表示操作装置300に提示される。
【0175】
また、確保可能リソース情報は、追加アプリケーションが必要とするズーム倍率を既存アプリケーションのいずれも必要としないズーム倍率(この例では20倍)とする場合における追加アプリケーションが必要とする撮像領域の撮像可能な時間の長さの最大値を含んでいる。(例えば、
図25参照)。
これにより、表示操作装置300を利用するユーザは、追加アプリケーションをカメラ200にインストールできると判断できる。
【0176】
なお、予め定められている単位時間(1分)から撮像合計時間を減算した時間は、単位時間において、カメラ200による撮像に割り当てられていない時間(余り時間)を意味する。
また、組み合わせパターンに含まれるグループの撮像時間の合計値(撮像合計時間)が予め定められている単位時間(1分)よりも短いかどうかの判定を行う(第2の判定)。撮像合計時間が予め定められている単位時間(1分)よりも短いと判定した場合(第2の判定が肯定的である場合)、予め定められている単位時間(1分)から撮像合計時間を減算した時間が追加撮像領域をカメラ200の新たな撮像範囲をして設定した時の撮像可能な時間の長さとなる。
【0177】
この場合、追加撮像領域を含むカメラ200の撮像範囲に対応するPTZ設定値を生成し、保持する。
また、追加アプリケーションがカメラ200にインストールできることを示す情報として、「指定した領域は、以下の条件での撮像が可能です」というメッセージと、追加アプリケーションが必要とするズーム倍率において、追加アプリケーションが必要とする撮像領域の撮像可能な時間の長さの最大値として上述の単位時間から撮像合計時間を減算した時間の長さを含む確保可能リソース情報とが、表示操作装置300に提示される(例えば、
図25、
図28参照)。
【0178】
例えば、表示操作装置300に提示される、ズーム倍率と上述の単位時間から撮像合計時間を減算した時間の組のいずれかが表示操作装置300で選択されると、選択された組に対応する情報が、カメラ200に送信される。
例えば、
図25に示すズーム倍率が1倍、連続撮像時間が60秒の組が選択される場合を考える。
図21に示すように、グループ番号G1の連続撮像時間が60秒であるスケジュール番号24が選択される。
【0179】
なお、例えば、仮に、グループ番号G1の連続撮像時間が60秒であるスケジュール番号が複数あった場合には、複数のスケジュール番号のうちの、いずれか1つが選択される。
また、このとき、
図21が示すグループ番号G1(または、ズーム倍率が1倍)の連続撮像時間には、グループ番号G1の撮像時間(20秒)、グループ番号G2の連続撮像時間(10秒)、グループ番号G3の撮像時間(10秒)、およびグループ番号G_余り分の連続撮像時間(20秒)を含む。
【0180】
なお、スケジュール番号24においては、
図19に示すように、グループ番号G4の連続撮像時間は、0秒である。
グループ番号G2の撮像画像、グループ番号G3の撮像画像、およびグループ番号G_余り分の撮像画像は、それぞれ
図21に示すズーム倍率で撮像している。
【0181】
グループ番号G2の撮像画像、グループ番号G3の撮像画像、およびグループ番号G_余り分の撮像画像は、それぞれ
図21に示すズーム倍率で撮像したものを利用している。
これに対し、グループ番号G2の撮像画像、グループ番号G3の撮像画像、およびグループ番号G_余り分の撮像画像をズーム倍率が1倍の画像として利用をする場合には、こられの撮像画像をそれぞれ1倍の撮像画像となるようにリサイズして利用する。
【0182】
上述のグループ番号に対応するPTZ情報、および撮像時間がそれぞれカメラ200に送信される。
このうち、グループ番号G2、グループ番号G3、およびグループ番号G_余り分のそれぞれについて、対応するPTZ情報、および撮像時間により得られる撮像画像を、それぞれのグループ番号本来の目的で利用する場合には、対応ずるズーム倍率で撮像された画像を用いる。
【0183】
また、グループ番号G2、グループ番号G3、およびグループ番号G_余り分のそれぞれについて、対応するPTZ情報、および撮像時間により得られる撮像画像を、ズーム倍率が1倍の画像として用いる場合には、対応ずるズーム倍率で撮像された画像をズーム倍率が1倍の画像となるようにリサイズして用いる。
また、第1の判定および第2の判定が共に否定的な場合、追加アプリケーションは、新たにカメラにインストールできないことになる。この場合、追加アプリケーションは、カメラ200にインストールできないことを示す情報が表示操作装置300に提示される。
【0184】
このように、本実施の形態1に係る撮像システムによれば、ユーザが表示操作装置300を用いて追加アプリケーションで撮像したい撮影範囲を入力するだけで、管理装置100が新たなアプリケーションを、インストール可能かどうかを判定し、可能な場合にどのようなズーム倍率でどれだけの撮像時間を確保できるかを提示することができる。
本実施の形態における撮像システムにおいては、特に、1つのPTZ設定値で複数のアプリケーションにおいて必要とされる撮像条件(撮像領域や撮像時間)を満たせるかどうかに基づいて、追加アプリケーションのインストールが可能かどうかを判定するので、単純なタイムロビン形式のスケジューリングでアプリケーションを実行する場合よりも多くのアプリケーションをカメラ200にインストールして実行し得る。
<実施の形態2>
上記実施の形態1においては、管理装置100において、確保可能リソース情報を作成する手法を示しているが、本実施の形態2においては、その確保可能リソース情報の作成にあたり、ユーザの利便性をさらに高めることができる手法を説明する。
【0185】
即ち、上記実施の形態1においては、確保可能リソース情報は、指定された撮像領域での撮像可能なズーム倍率と撮像時間を提示するのみであったが、本実施の形態2においては、更に、そのズーム倍率と撮像時間の条件下で、指定された撮像領域を含んだうえで、この指定された撮像領域から拡大可能な最大範囲(または、より広い範囲の領域を撮像可能な場合の範囲)を示す指定可能撮像領域情報も提示する。
【0186】
以下、その手法の詳細を説明する。
本実施の形態2においては、基本的な構成は実施の形態1と共通するので、ここでは実施の形態1と異なる点についてのみ説明し、その他の内容については、説明を省略する。
具体的には、実施の形態2においては、管理装置100における確保可能リソース情報作成処理における確保可能リソース算出テーブル・マージ処理が異なる。そのため、確保可能リソース情報取得部120は、上記実施の形態1に示した機能に加え、指定可能撮像領域を特定し、確保可能リソース情報に対応付ける機能も有する。
【0187】
図29が実施の形態2において、確保可能リソース情報取得部120が生成する確保可能リソース情報のフォーマットである。
図29に示すように、実施の形態1の確保可能リソース情報と異なり、更に指定可能撮像領域の情報も対応付けられる。
図30は、本実施の形態2における確保可能リソース算出テーブル・マージ処理のフローチャートであり、実施の形態1に示した
図23の確保可能リソース算出テーブル・マージ処理と異なり、更にステップS3004に示す指定可能撮像領域算出処理を、確保可能リソース情報取得部120が行う。
【0188】
図31は、実施の形態2に係る管理装置100が実行する指定可能撮像領域算出処理の動作を示すフローチャートである。
まず、確保可能リソース情報取得部120は、ステップS2301において内部バッファに保存した確保可能リソース情報算出テーブルに記載されたズーム倍率の配列を参照する(ステップS3101)。
【0189】
次に、確保可能リソース情報取得部120は、指定可能撮像領域算出処理のために用いる内部変数kを1に設定する(ステップS3102)。
確保可能リソース情報取得部120は、ステップS3101において参照したズーム倍率の配列のk番目のズーム倍率(以下、対象ズーム倍率という)を参照する。また、確保可能リソース情報取得部120は、実施の形態1に示したステップS2007において生成されている確保可能リソース算出テーブルも参照し、以下の処理を行う。
【0190】
確保可能リソース情報取得部120は、確保可能リソース算出テーブルにおいて対象ズーム倍率と同じズーム倍率の行に対して、連続撮像時間が最大となるセルのスケジュールを検索し、そのスケジュール番号をリスト化する(ステップS3103)。
すると、確保可能リソース情報取得部120は、リスト化したスケジュール番号の全スケジュールについて、対象ズーム倍率以上(同じズーム倍率を含む)のグループ番号の組を抽出する(ステップS3104)。このとき、確保可能リソース情報取得部120は、グループ番組の組の各々について、重複があるものを削除する。
【0191】
次に、確保可能リソース情報取得部120は、抽出したグループの組各々について、当該組に含まれる各グループの限界撮像領域すべてが重なり合う領域を算出する。確保可能リソース情報取得部120は、抽出した組に含まれる各グループの限界撮像領域それぞれのX_min、Y_min、X_max、Y_maxの中から、最大のX_min、Y_min、最少のX_max、Y_maxを特定する。そして、特定されたX_min、Y_min、X_max、Y_maxを頂点とする矩形を指定可能撮像領域として特定する(ステップS3105)。ここで、確保可能リソース算出テーブルの各セルに記載された連続撮像時間は、対象ズーム倍率よりも大きなズーム倍率全てのグループでの撮像も考慮したうえで算出されている。したがって、対象ズーム倍率よりも大きなズーム倍率のグループ全てで撮像可能となる範囲が指定可能撮像領域となる。
【0192】
確保可能リソース情報取得部120は、ステップS2303において作成した確保可能リソース算出テーブルに指定可能撮像領域の列がない場合には、指定可能撮像領域を記載する列を新たに作成し、対象ズーム倍率に対応するセルに、算出した指定可能撮像領域の情報を記載する(ステップS3106)。
確保可能リソース情報取得部120は、kがズーム倍率の配列の要素数と一致するか否かを判定する(ステップS3107)。一致しない場合には(ステップS3107のNO)、kを1インクリメントし(ステップS3108)、ステップS3103に戻る。一致する場合には(ステップS3107のYES)、処理を終了する。
(ユースケースを用いた確保可能リソース算出テーブル・マージ処理の例)
以下、具体的なユースケースを交えて、実施の形態2における確保可能リソース情報取得部120の動作を説明する。すでにカメラ200で動作している既存アプリケーションの撮像領域、ズーム倍率、連続撮像時間の設定値は、実施の形態1と同じく、
図6に示す通りである。また、追加アプリ撮像領域も実施の形態1と同じく、X_min=1350、Y_min=1500、X_max=1590、Y_max=1680とする。よって、実施の形態2における確保可能リソース算出テーブルは
図21と同様となる。
【0193】
図30におけるステップS2301からステップS2303までの処理内容は実施の形態1にて説明した内容と同様となるので、割愛する。したがって、以下において、ステップS3004以降の指定可能撮像領域算出処理の説明を行う。
ステップS3101において、確保可能リソース情報取得部120は、ステップS2301において内部バッファに保存した、ズーム倍率の配列を参照する。この場合、参照するリストは{1倍、4倍、16倍、20倍}となる。
【0194】
ステップS3102において、確保可能リソース情報取得部120は内部変数k=1とし、内部バッファに保存する。
ステップS3103において、確保可能リソース情報取得部120は、1番目のズーム倍率である1倍を対象ズーム倍率とする。
次に、確保可能リソース算出テーブルを参照し、確保可能リソース算出テーブルの、対象ズーム倍率が1倍の行に対して、連続撮像時間が最大となるセルのスケジュールのスケジュール番号をリスト化する。実施の形態2の確保可能リソース算出テーブルは
図21と同様なので、リスト化されるスケジュール番号は、{24}となる。
スケジュール番号24のスケジュールにおいて、対象ズーム倍率以上のグループ番号は{G1、G2、G3、G_余り分}である。また、グループの組の重複はないので、{G1、G2、G3、G_余り分}がステップS3104の結果となる。
【0195】
ステップS3105において、{G1、G2、G3、G_余り分}の各グループの限界撮像領域全てが重なりあう領域を算出する。{G1、G2、G3、G_余り分}の各グループの限界撮像領域は
図15に示す通りなので、重なりあう領域はX_min=1300、Y_min=1440、X_max=1700、Y_max=1690となる。なお、G_余り分の限界撮像領域はカメラ200にて撮像可能な全範囲であるので、指定可能撮像領域はX_min=0、Y_min=0、X_max=5000、Y_max=3000とする。
【0196】
ステップS3106において、確保可能リソース情報取得部120は、確保可能リソース情報に対象ズーム倍率(1倍)に対応する指定可能撮像領域のセルを追加する。さらに、重なりあう領域を指定可能撮像領域として、追加したセルに記載する。
ステップS3107において、ズーム倍率の配列の要素数は4であり、k=1なので、ステップS3108に分岐する。
【0197】
ステップS3108において、kの値を1つインクリメントし、k=2とし、ステップS3103に遷移する。
ステップS3103において、確保可能リソース情報取得部120は、2番目のズーム倍率である4倍を対象ズーム倍率とする。
次に、確保可能リソース算出テーブルを参照し、確保可能リソース算出テーブルの上の対象ズーム倍率が4倍の行に対して、連続撮像時間が最大となるセルのスケジュールのスケジュール番号をリスト化する。実施の形態2の確保可能リソース算出テーブルは
図21と同様なので、リスト化されるスケジュール番号は、{1、4、7、8、12、24、37、38}となる。
【0198】
ステップS3104において、スケジュール番号{1、4、7、8、12、24、37、38}の全スケジュールに対して、対象ズーム倍率である4倍以上のグループ番号の組を抽出し、さらに重複を削除する。実施の形態2の確保可能リソース算出テーブルは
図21に記載の通りなので、{G2、G3、G_余り分}がステップS3104の結果となる。
【0199】
ステップS3105において、{G2、G3、G_余り分}の各グループの限界撮像領域全てが重なりあう領域を算出する。{G2、G3、G_余り分}の各グループの限界撮像領域は
図15に示す通りなので、重なりあう領域はX_min=1300、Y_min=1440、X_max=1700、Y_max=1690となる。
ステップS3106において、確保可能リソース情報取得部120は、確保可能リソース情報に対象ズーム倍率(4倍)に対応する指定可能撮像領域のセルを追加する。さらに、重なりあう領域を指定可能撮像領域として、追加したセルに記載する。
【0200】
ステップS3107において、ズーム倍率の列の要素数は4であり、k=2なので、ステップS3108に分岐する。
ステップS3108において、kの値を1つインクリメントし、k=3とし、ステップS3103に遷移する。
k=3の場合の処理は上記と同様なので割愛する。
【0201】
k=4のときについて、処理フローが上記と異なるので、説明する。
ステップS3103において、確保可能リソース情報取得部120は、4番目のズーム倍率である20倍を対象ズーム倍率とする。
次に、確保可能リソース算出テーブルを参照し、確保可能リソース算出テーブルの上の対象ズーム倍率である20倍の行に対して、連続撮像時間が最大となるセルのスケジュールのスケジュール番号をリスト化する。実施の形態2の確保可能リソース算出テーブルは
図21と同様なので、リスト化されるスケジュール番号は、{25、30、39}となる。
【0202】
ステップS3104において、スケジュール番号{25、30、39}のスケジュールに対して、対象ズーム倍率である20倍以上のグループ番号の組を抽出し、さらに重複を削除する。実施の形態2の確保可能リソース算出テーブルは
図21に記載の通りなので、{G_余り分}がステップS3104の結果となる。
ステップS3105において、確保可能リソース情報取得部120は、{G_余り分}の各グループの限界撮像領域全てが重なりあう領域を算出する。G_余り分の限界撮像領域はカメラ200にて撮像可能な全範囲であるので、重なり合う領域はX_min=0、Y_min=0、X_max=5000、Y_max=3000となる。
【0203】
ステップS3106において、確保可能リソース情報取得部120は、確保可能リソース情報に対象ズーム倍率に対応する指定可能撮像領域のセルを追加する。さらに、重なりあう領域を対象ズーム倍率(20倍)に対応する指定可能撮像領域として、追加したセルに記載する。
ステップS3107において、ズーム倍率の列の要素数は4であり、k=4なので、終了に分岐する。
【0204】
ステップS2304の処理が終了すると、確保可能リソース情報取得部120は確保可能リソース生成処理を終了する。
こうして生成された確保可能リソース情報には、
図29に示すようにズーム倍率に対応する指定可能撮像領域の情報が含まれる。表示操作装置300は、確保可能リソース情報を用いてズーム倍率が1倍、4倍、16倍に対応する指定可能撮像領域を
図32の点線枠で表示する。これにより、表示操作装置300は、さらに、撮像領域として指定することが可能な指定可能撮像領域を可視化して表示することができる。これにより、ユーザは、より広範囲の画像を撮像でき、アプリケーション発行サーバ400が発行するアプリケーションにとってより都合の良い範囲の箇所を撮像した画像を提供することができる。
<変形例>
上記実施の形態に従って、本開示に係る撮像システムについて説明してきたが、本開示はこれに限られるものではない。以下、本開示の思想として含まれる各種変形例について説明する。
【0205】
(1)上記実施の形態1においては、管理装置100が確保可能リソース情報取得部120を備える例を示している。しかし、管理装置100が確保可能リソース情報取得部120を備えなくともよく、例えば、カメラ200が確保可能リソース情報取得部120を備えてもよい。あるいは、表示操作装置300またはアプリケーション発行サーバ400が確保可能リソース情報取得部120を備えてもよい。
【0206】
図37にカメラ3700に確保可能リソース情報取得部3701を備えた例を示す機能ブロック図を示す。カメラ3700は、表示操作装置300からの指示および追加アプリケーションの撮像領域の情報を受け付けると、確保可能リソース情報取得部3701は、上記実施の形態に示した確保可能リソース情報取得部120と同様に、追加アプリケーションのインストール可否とインストールが可能な場合のズーム倍率と撮像時間のリストを作成する。そして、カメラ3700は作成したリストを表示操作装置300に送信し、表示操作装置300はその情報を表示する。このように、カメラ3700が確保可能リソース情報を生成することとしてもよい。同様に、表示操作装置300が確保可能リソース情報取得部を備えて、確保可能リソース情報を生成することとしてもよい。
【0207】
(2)実施の形態1においては、管理装置100に対してネットワーク500を介して接続された表示操作装置300から追加アプリケーションの入力操作を行う例を説明したが、これはその限りではない。例えば、管理装置100にモニタやキーボード等の入力装置が設けられている場合には管理装置100に設けた入力装置から直接ユーザが入力することとしてもよい。
【0208】
同様に、管理装置100は、生成したアプリケーションがインストール可能かについての情報を表示操作装置300に送信し、表示操作装置300で表示したが、これについても、管理装置100にモニタなどの表示装置が設けられている場合には、管理装置100に設けた表示装置で表示することとしてもよい。
(3)上記実施の形態においては、説明を簡略化してわかりやすくするために、パン、チルト、ズームによるカメラ200の動作時間(PTZのための時間)を考慮しないで、スケジュール情報を作成している。しかし、この動作時間を考慮したうえでスケジュール情報を作成することとしてもよい。例えば、カメラ200は、所定量だけパンあるいはチルトするために必要とする時間およびズーム倍率を変更するための時間を予め記憶しておく。そして、管理装置100は、これらの時間をカメラ200から取得し、カメラ200が動作(ここでの動作とは、カメラ200がある箇所を撮像している状態から次の撮像領域にレンズを向けるまでの動作のことを意味する)する時間を考慮した上でスケジュール情報を作成することとしてもよい。
【0209】
(4)上記実施の形態1においては、管理装置100は、新たなアプリケーションをインストールできるかどうか判断する際に、グループ情報を作成しているが、グループ情報は予め作成されていたものを使用してもよい。例えば、前回にアプリケーションがインストールできるかどうかを判定する際に作成しておいたグループ情報を用いてもよいし、予め、カメラ200のユーザが作成したものを管理装置100に伝達してもよい。
【0210】
(5)上記実施の形態において、スケジュール情報作成の際に、グループの組み合わせにおける各グループに割り振る時間を5秒単位としたが(上記条件(I))、これは、その限りではなく、これは5秒以外の時間であってもよく、より細かい制御が必要であれば、より細かい時間単位(例えば1秒単位や5ミリ秒単位)にしてもよいし、より大雑把な制御でも問題ないのであれば、より大まかな時間単位(例えば10秒単位や1分単位、1時間単位など)としてもよい。
【0211】
(6)上記実施の形態においては、追加アプリケーションがインストールできるか否かを判断するにあたり、細かな処理を行って、良好なズーム倍率と撮像時間を算出できるようにしているが、1つのPTZ設定値で、複数のアプリケーションで望まれている撮像領域を撮像できるかどうかに着目して判定を行うものであれば、上記実施の形態に示した手法以外の方法を用いることとしてもよい。
【0212】
例えば、上記実施の形態1に示したものよりも、処理を単純化してもよい。具体的には、仮に、アプリ番号1〜3の3つのアプリケーションをそれぞれ1分間に20秒、30秒、10秒という時間で1巡するように動作させているとする。ここに新たに追加アプリケーションをインストールできるか否かを判定するに当たり、既存アプリケーション1〜3のいずれかの撮像領域と追加アプリケーションの撮像領域が1つのPTZ設定値で特定されるズーム倍率に対応するカメラの撮像範囲に含まれるかどうか判定を行って、可能と判定された場合に、追加アプリケーションがインストール可能であると判定してもよい。例えば、追加アプリケーションの撮像領域がアプリ2の撮像領域とともに1つのPTZ設定値で撮像可能な場合には、アプリ2のズーム倍率と撮像時間を、追加アプリケーションの設定可能なズーム倍率と撮像時間として提示することとしてもよい。
【0213】
(7)上記実施の形態においては、管理装置100は、追加アプリケーションのインストールの可否情報、およびインストール可能な場合のズーム倍率、撮像時間を提示することとしたが、更に、カメラ200においてアプリケーションを実行するスケジュールを作成して提示することとしてもよい。なお、上記のスケジュールは、グループ組み合わせパターンに含まれる各グループの撮像時間、ズーム倍率、撮像範囲に関する情報を含むだけでなく、各グループの撮像順序を定める情報を含むようにしてもよい。
【0214】
この場合のスケジューリングは、従来のスケジューリングに従って策定してよいが、グループ組み合わせパターンに含まれるグループ群と、追加アプリケーションがグループに含まれない場合や時間に余りがある場合の追加アプリケーションとをそれぞれ設定されている連続撮像時間だけ撮像させ、所定時間内(上記実施の形態の場合、1分以内)に1巡するようにスケジュールを作成すればよい。
【0215】
(8)上記実施の形態においては、撮像時間を秒で管理する例を示したが、この時間は別の単位、例えば、時間そのものではなく、それぞれのアプリケーションに必要とされるカメラ200のフレームレートあるいは単位時間あたりの撮像フレーム数で表現されてもよい。
(9)上記実施の形態1におけるグループ情報生成処理の別例を説明する。
【0216】
ここでは、上記実施の形態1とは異なり、確保可能リソース情報取得部120は、グループ情報生成処理を、
図11に示すフローチャートではなく、
図33に示すフローチャートに従って、作成する。
具体的には、
図11のステップS1101において、確保可能リソース情報取得部120が1パターンのアプリケーションの組み合わせに対して1つのグループ母集団を生成したのに対し、ここでは1つのアプリケーションの組み合わせに対して、リサイズ処理を考慮した各々異なるズーム倍率を有する複数個のグループを生成する点が異なる。以下、この場合の処理について
図33を用いて説明する。
【0217】
なお、
図33において、
図11と共通する内容については、説明を割愛し、異なる点について説明する。
以下、動作中アプリ撮像画角情報には、アプリ番号1、撮像領域がX_min=1000、Y_min=1000、X_max=1320、Y_max=1240、ズーム倍率が4倍である追加アプリケーションが1つ登録されており、さらに、動作中アプリ連続撮像時間情報として、アプリ番号1、連続撮像時間10秒のアプリケーションが1つ登録されている場合を例にして説明を行う。
【0218】
ステップS3301において、確保可能リソース情報取得部120は、リサイズを考慮したグループ情報を生成する。
具体的には、確保可能リソース情報取得部120は、既存アプリケーションの組み合わせを網羅した配列を生成する。本変形例においてはアプリ番号1の追加アプリが1つ登録されているのみである。そこで、追加アプリケーションの組み合わせは{1}ということになる。
【0219】
次に、確保可能リソース情報取得部120は、グループに属する追加アプリケーションのうち、最大のズーム倍率がどのズーム倍率になるかを検索する。
確保可能リソース情報取得部120は、追加アプリケーションの組み合わせと、ズーム倍率とに基づいて、グループの母集団を生成する。本変形例におけるグループの母集団は、
図34(a)のようになる。
【0220】
図34(a)は、本変形例におけるグループ母集団の1例を示している。
確保可能リソース情報取得部120は、追加アプリケーションの組み合わせ各々に対して、最大のズーム倍率を持つグループ母集団を生成する。加えて、確保可能リソース情報取得部120は、最大のズーム倍率よりも大きなズーム倍率を持つグループの母集団を生成する。本変形例では説明のため、当該最大のズーム倍率は1倍と4の倍数のズーム倍率のみを網羅するように、グループの母集団を作成する。
【0221】
本変形例の既存アプリケーションの撮像画角情報は上述した通りであるので、追加アプリケーションの組み合わせ{1}のズーム倍率は、4倍、8倍、12倍、16倍、20倍となる。よって、グループの母集団は
図34(a)に示した通りとなる。
なお、ステップS3301において、1倍と4の倍数のズーム倍率のみを網羅するように、グループの母集団を作成したが、本開示はこれに限定されるものではない。例えば、1倍、2倍、3倍・・・といったように、正の整数を倍率によるようにしてもよい。
【0222】
ステップS1103では上述した通り、撮像範囲を求める。
ステップS1104では上述した通り、1つのPTZ設定値によるカメラ200の撮像範囲に収まるグループを残す。上述したように、実施の形態1のカメラ200の最大解像度は横1280、縦960であり、最大ズーム倍率は20倍である。したがって、上記の式(3)および式(4)に従った処理を行い、その処理結果として
図34(b)に示す情報を得る。
【0223】
ステップS1105において、示したとおりに限界撮像範囲を計算し、本変形例のグループ情報は、
図35に示す通りとなる。
以降、ステップS1002のスケジュール情報作成処理、および、ステップS1003の確保可能リソース情報作成処理を実施する。
例えば、追加アプリケーションの撮像領域情報が、撮像領域がX_min=870、Y_min=910、X_max=910、Y_max=940として、
図35に記載の処理の確保可能リソース情報取得部の処理を行うとする。
【0224】
このとき、ステップS1002のスケジュール情報は、
図35のグループ情報に基づいて生成される。よって、ステップS1003の確保可能リソース情報作成処理において、グループに属する追加アプリケーションとは異なるズーム倍率についても、リサイズを考慮した撮像合計時間の補正処理を行う。
追加アプリケーションの撮像領域情報がX_min=870、Y_min=910、X_max=910、Y_max=940である場合を例にする。グループ情報は
図35に記載した通りなので、ステップS2001にて、G1、G2、G3、G4が同時撮像可能であるグループと判断され、ステップS2002にて、確保可能リソース算出テーブルが生成される。
【0225】
よって、確保可能リソース情報取得部120は、ズーム倍率がグループに属するズーム倍率と同じであるG1だけではなく、異なるズーム倍率を持つG2、G3、G4も含めて、ステップS2003以降の処理を行うことができる。
確保可能リソース情報取得部120は、ステップS2006において、各グループのズーム倍率以外のズーム倍率を持つG2、G3、G4のグループについても、ステップS2006のリサイズを考慮した撮像合計時間の補正処理を行う。
【0226】
これにより、確保可能リソース情報取得部120は、グループ(動作中の追加アプリケーション)のズーム倍率とは異なるズーム倍率も持つ確保可能リソース情報を出力することができる。
以上のように、本変形例ではリサイズ処理も考慮したグループ情報を基に、確保可能リソース情報作成処理を行うことができる。これにより、確保可能リソース情報取得部120は、各グループのズーム倍率以外のズーム倍率の場合についても、ステップS2006のリサイズを考慮した撮像合計時間の補正処理を行うことができる。その結果、1つのPTZの設定で同時に撮像することができるのであれば、当該のグループの連続撮像時間の和が、確保可能リソース情報に記載される。
【0227】
この処理を行うことで、ユーザはリサイズ処理を考慮した、より正確な確保可能リソース情報を認識することができ、撮像システムの利便性を向上することができる。
(10)上記実施の形態2においては、確保可能リソース情報に記載されたズーム倍率と連続撮像時間を変更することなく、追加アプリケーションに対してユーザにより指定された撮像領域を含むという前提条件を満たしたうえで、確保可能な最大の撮像領域を指定可能撮像領域として特定した。
【0228】
しかし、これは、その限りではない。ここに、指定可能撮像領域算出処理の別例を
図36のフローチャートを用いて説明する。ここでは、
図31に示したフローチャートと異なる点について説明する。
したがって、ステップS3104においてスケジュールが有するグループ番号の組を抽出したところから説明する。
【0229】
確保可能リソース情報取得部120は、ステップS3104において抽出したグループの組各々について、当該グループの制限付き限界撮像領域を算出する(ステップS3601)。ここで、制限付き限界撮像領域とは、当該グループに属する既存アプリケーションの撮像領域と、新たに追加予定の追加アプリケーションの撮像領域との両方に基づいて算出した限界撮像領域のことである。制限付き限界撮像領域を算出する手法としては、ステップS1105において用いた限界撮像領域を算出する手法と同様である。
【0230】
確保可能リソース情報取得部120は、ステップS3104において抽出したグループの組各々について、当該グループの制限付き限界撮像領域全てが重なり合う領域を算出する(ステップS3602)。重なり合う領域の算出方法は、上記実施の形態2においてステップS3105で説明した場合と同様である。
次に、確保可能リソース情報取得部120は、ステップS3602において算出した重なり合う領域を指定可能撮像領域として、確保可能リソース情報に記載する(ステップS3603)。
【0231】
ステップS3602においては、追加アプリケーションの撮像領域を加味した制限付き限界撮像領域を用いて、重なり合う領域を算出した。したがって、この場合には、ユーザにより指定された追加アプリケーションの撮像領域を含みつつ、確保可能な最大の撮像領域を限界撮像領域として提示することができるようになる。よって、ユーザは、指定した撮像領域をどこまで拡張できるかを認識することができる。
【0232】
(11)上記実施の形態において、撮像領域を表現するX、Yの座標系は、ズーム倍率1倍で撮像したパノラマ画像を1平面とした座標系を用いたが、本開示はこれに限定されるものではない。たとえば、他のズーム倍率で撮像したパノラマ画像を1平面とした座標系としてもよい。また、カメラのパンの角度、チルトの角度をX、Yの値を関連付けた座標系を用いてもよい。
【0233】
(12)上記実施の形態において、アプリケーションのインストール画面、アプリケーションをインストールできるかを管理装置に問い合わせるためのインターフェース画面を
図8、9に示したが、これは一例であり、撮像領域の指定やアプリケーションプログラムの指定ができるようになっていれば、その表示態様はどのようなものであってもよい。
(13)上記実施の形態におけるカメラは、監視カメラに限らず、どのようなカメラであってもよく、例えば、携帯端末のカメラ、民生用のカムコーダ、Webカメラなどであってもよい。
【0234】
(14)上記実施の形態においては表示操作装置300で追加アプリケーションに対して1つの撮像領域を入力する例を示したが、これは位置であり、複数の撮像領域を入力することとしてもよい。この場合には、管理装置100は、入力された撮像領域それぞれについて追加アプリケーションが撮像可能かどうか、可能な場合にそのズーム倍率を算出する処理を行い、複数の撮像領域それぞれについて追加アプリケーションのインストールが可能かどうかを判定する。そして、管理装置100は、その判定結果を指定された撮像領域情報に対応付けて、表示操作装置300に送信し、ユーザは入力した撮像範囲それぞれについてアプリケーションがインストール可能かどうか認識することができる。
【0235】
(15)上記実施の形態において、各アプリケーションが実行されるようカメラ200の動作タイミングや撮影方向、倍率などを制御するためのスケジュールは、表示操作装置300から伝達されたが、管理装置100から伝達するようにしても良い。
(16)上記実施の形態において、確保可能リソース情報作成処理に使用される既存アプリ情報は、表示操作装置300が予めカメラ200から入手しておいた既存アプリ情報を、インストール判断要求時に管理装置100に送信されるようにしているが、本開示はこれに限定されるものではない。たとえば、管理装置100が予めカメラ200から既存アプリ情報を取得しておいてもよい。
【0236】
(17)上記実施の形態において、新たにアプリをインストールしたい場合、すなわち、当該のアプリケーションをインストールする前に、表示操作装置300を用いて、それがインストール可能かどうかを管理装置100に問い合わせるようにしたが、本願はこれに限定されるものではない。たとえば、当該のアプリケーションはすでにカメラ200にインストールされており、当該のアプリケーションの動作を開始したい時に、ユーザが表示操作装置300を用いて、当該のアプリケーションの撮像領域を管理装置100に送信するようにしても良い。
【0237】
この場合、管理装置100は上記で説明した処理と同様に確保可能リソース情報を生成し、表示操作装置300に送信する。これにより、表示操作装置300は、確保可能リソース情報を元に、当該のアプリケーションが動作可能かどうかの情報をユーザに提示することができる。
(18)上記実施の形態において、管理装置100とアプリケーション発行サーバ400は別の装置として構成したが、本開示はこれに限定されるものではない。たとえば、同じハードウェア装置上に構成するようにしても良い。
【0238】
(19)上述の実施形態で示した通信に係る動作、確保可能リソース情報生成に係る各種処理等(
図10、11、16、20、22、23、29、30、32、35参照)を管理装置やカメラ、表示操作装置等のプロセッサ、及びそのプロセッサに接続された各種回路に実行させるためのプログラムコードからなる制御プログラムを、記録媒体に記録すること、又は各種通信路等を介して流通させ頒布させることもできる。このような記録媒体には、ICカード、ハードディスク、光ディスク、フレキシブルディスク、ROM等がある。流通、頒布された制御プログラムはプロセッサに読み出され得るメモリ等に格納されることにより利用に供され、そのプロセッサがその制御プログラムを実行することにより、実施形態で示したような各種機能が実現されるようになる。
【0239】
(20)上記実施の形態に示した撮像システムに係る各装置の各機能部は、その機能を実行する回路として実現されてもよいし、1または複数のプロセッサによりプログラムを実行することで実現されてもよい。また、上記実施の形態の各装置の各機能部は、IC(Integrated Circuit)、LSI(Large Scale Integration)その他の集積回路のパッケージとして構成されるものとしてもよい。このパッケージは各種装置に組み込まれて利用に供され、これにより各種装置は、各実施形態で示したような各機能を実現するようになる。
【0240】
なお、各機能ブロックは典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0241】
(21)上記実施の形態および変形例に係る各構成を適宜組み合わせることとしてもよい。
<補足>
以下には、本開示に係る管理装置、撮像システム、撮像装置、判定方法についての一実施態様とその効果について説明する。
【0242】
(a)本開示に係る管理装置は、
ズーム倍率に基づいて定められる撮像範囲を撮像する撮像装置と通信可能な管理装置であって、
前記撮像装置で新たに動作させるアプリケーションが必要とする撮像領域の指定を受け付ける受付部と、
前記撮像装置において既にインストールしている1以上の既存のアプリケーションの各々について、前記既存のアプリケーションが必要とする撮像領域と、前記撮像領域を前記撮像装置が撮像するときの時間の長さを示す撮像時間と、前記撮像領域を前記撮像装置が撮像するときのズーム倍率の情報を取得する取得部と、
前記受付部で受け付けた前記新たに動作させるアプリケーションが必要とする撮像領域と、前記取得部が取得した前記1以上の既存のアプリケーションの各々に対応する撮像領域と前記撮像時間と前記ズーム倍率とに基づき、前記新たに動作させるアプリケーションを前記撮像装置にインストールすることが可能か否かを示す情報を生成する生成部と、
前記情報を出力する出力手段とを備え、
前記生成部は、
前記撮像装置が前記ズーム倍率により定められる撮像範囲に前記1以上の既存のアプリケーションのうちのいずれかが必要とする撮像領域と、前記新たに動作させるアプリケーションが必要とする撮像領域とを含められるかどうかの第1の判定を行い、
前記第1の判定が肯定的であれば、前記新たに動作させるアプリケーションを前記撮像装置にインストールすることが可能であることを示す情報を生成することを特徴とする。
【0243】
これにより、管理装置は、新たなアプリケーションを撮像装置にインストール可能かどうかを、ユーザからその撮像領域の指定を受け付けるだけで、判断をすることができる。撮像装置を保有するユーザはその結果を見て、簡単に新たにアプリケーションがインストール可能かどうかを知ることができる。
(b)また、管理装置において、前記生成部は、更に、前記第1の判定が肯定的である場合、
前記新たに動作させるアプリケーションが必要とするズーム倍率を前記1以上の既存のアプリケーションのうちのいずれかが必要とするズーム倍率とした場合において、
前記1以上の既存のアプリケーションのうちのいずれかが必要とする撮像領域および前記新たに動作させるアプリケーションが必要とする撮像領域を含む撮像範囲を前記撮像装置が同時に撮像可能な時間の長さを示す撮像時間とを含む確保可能リソース情報を生成し、
前記出力部は、更に、前記確保可能リソース情報を出力することとしてもよい。
【0244】
これにより、撮像装置を保有するユーザは、更に、新たに動作させるアプリケーションをどのようなズーム倍率と撮像時間での撮像が可能かまで知ることができる。
(c)また、管理装置において、前記撮像装置は、カメラであり、
前記カメラの向き、および前記カメラのズーム倍率を変化させるPTZ(Pan-Tilt-Zoom)機構と、
前記カメラの向き、および前記カメラのズーム倍率との組を含むPTZ設定値を用いて、PTZ機構を制御することで、前記カメラの向き、および前記カメラが一度に撮像できる撮像範囲の大きさを制御する制御部とを備え、
前記カメラの撮像範囲の大きさは、前記カメラのズーム倍率に基づき定められ、
前記生成部は、
前記カメラの撮像範囲に含まれる撮像領域に対応する前記既存のアプリケーションのまとまりであるグループを1以上、生成し、
前記1以上のグループの各々を組み合わせた組み合わせパターンを生成し、前記生成した組み合わせパターンに含まれる前記グループと、前記グループに対応する撮像範囲を前記カメラで撮像可能な撮像時間とを対応付けたスケジュール情報を生成し、
前記スケジュール情報に含まれる組み合わせパターンが有する前記1以上のグループのそれぞれの撮像時間を合計した撮像合計時間は予め定められた単位時間以下であり、
前記第1の判定は、
前記スケジュール情報に含まれる組み合わせパターンが有する前記1以上のグループの各々について、前記グループに含まれる既存のアプリケーションが必要とする撮像領域と、前記新たに動作させるアプリケーションが必要とする撮像領域とが前記既存のアプリケーションが必要とするズーム倍率により定まる前記カメラの撮像範囲に同時に含められるか否かを判定し、
同時に含まられると判定したグループがある場合に、前記新たに動作させるアプリケーションが必要とするズーム倍率を前記判定されたグループに含まれる既存のアプリケーションのうちのいずれかが必要とするズーム倍率とした場合において、前記新たに動作させるアプリケーションが必要とする撮像領域を撮像可能な時間の長さの最大値を算出することとしてもよい。
【0245】
これにより、管理装置は、1つのPTZ設定値で特定されるカメラが一度に撮像できる撮像範囲に複数のアプリケーションの各々が必要とする撮像領域が含まれるか否かを判定したうえで、新たなアプリケーションを撮像装置にインストールすることができるか否かを判定することになる。したがって、カメラが一度に撮像できる撮像範囲に複数のアプリケーションの各々が必要とする撮像領域を一度に撮像することができる場合には、より多くのアプリケーションを撮像装置にインストールできる可能性が高まる。
【0246】
(d)また、前記生成部は、前記スケジュール情報に含まれる組み合わせパターンが有する前記1以上のグループの各々について、前記既存のアプリケーションが1以上含まれているかどうかを判定し、
前記グループに前記既存のアプリケーションが1以上含まれていると判定した場合、前記グループに含まれる1以上の既存のアプリケーションのそれぞれに対応するズーム倍率のうち最大のズーム倍率に基づいて定まる前記カメラの撮像範囲に前記新たに動作させるアプリケーションが必要とする撮像領域、および前記グループに含まれる1以上の既存のアプリケーションの各々が必要とする撮像領域が含まれるか否かを判定してもよい。
【0247】
これにより、前記グループに前記既存のアプリケーションが1以上含まれていると判定した場合、前記グループに含まれる1以上の既存のアプリケーションの各々で要求されるズーム倍率が互いに異なっていたとしても、撮像した画像のリサイズにより所望のズーム倍率での撮像が可能かまで判定できることになり、これによって、より多くのアプリケーションの所望する条件(ズーム倍率、撮像時間、撮像領域)を満たしつつ、新たなアプリケーションの追加が可能かどうかを判定することができる。
【0248】
(e)また、管理装置において、
前記スケジュール情報は、複数のグループの組み合わせを含み、かつ複数のグループのそれぞれに対応する撮像範囲を前記カメラで撮像可能な撮像時間のとりえる値が複数のあり、
前記生成部は、
前記第1の判定において、前記組み合わせパターンに含まれる1以上のグループのうち、前記同時に含められると判定したグループが複数ある場合、
前記複数のグループのそれぞれに対応する撮像範囲を前記カメラで撮像可能な撮像時間のとりえる値を用いて、前記新たに動作させるアプリケーションが必要とする撮像領域を前記複数のグループのいずれかで指定されたズーム倍率または前記カメラで設定可能なズーム倍率の最大値で撮像可能な時間の長さの最大値を算出してもよい。
【0249】
これにより、前記新たに動作させるアプリケーションが必要とする撮像領域を撮像可能な時間の長さの最大値を得ることができる。
(f)また、管理装置において、
前記確保可能リソース情報は、前記撮像範囲を撮像可能な時間の長さ、ズーム倍率とを変えることなく、前記撮像範囲内に確保可能な撮像領域の限界範囲を示す指定可能撮像領域情報を含むこととしてもよい。
【0250】
これにより、管理装置は、撮像可能な限界領域も提示できるので、撮像装置を保有するユーザに更なる利便性を供することができる。
(g)また、管理装置において、前記指定可能撮像領域情報は、前記新たに動作させるアプリケーションが必要とする撮像領域を含み、かつ、前記新たに動作させるアプリケーションが必要とする撮像領域から拡大可能な最大範囲を示すこととしてもよい。
【0251】
これにより、管理装置は、ユーザにより指定された新たに追加するアプリケーションのための撮像領域を含み、かつ、撮像可能な限界領域も提示できるので、撮像装置を保有するユーザに更なる利便性を供することができる。
(h)また、管理装置において、前記1以上の既存のアプリケーションの各々について、前記既存のアプリケーションが必要とする撮像領域を前記撮像装置が撮像する撮像時間の合計値である撮像合計時間が予め定められた単位時間よりも短いかどうかの第2の判定を行い、
前記第2の判定が肯定的であれば、前記新たに動作させるアプリケーションを前記撮像装置にインストールすることが可能であることを示す可否情報を生成してもよい。
【0252】
これにより、単位時間から撮像合計時間を減算した時間の長さを新たに動作させるアプリケーションを撮像するための時間とすることができる。
(i)本開示に係る撮像装置は、
ズーム倍率に基づいて定められる撮像範囲を撮像する撮像装置であって、
新たに動作させるアプリケーションが必要とする撮像領域の指定を受け付ける受付部と、
自装置で既にインストールしている1以上の既存のアプリケーションの各々について、前記既存のアプリケーションが必要とする撮像領域と、前記撮像領域を前記撮像装置が撮像するときの時間の長さを示す撮像時間と、前記撮像領域を前記撮像装置が撮像するときのズーム倍率の情報を取得する取得部と、
前記受付部で受け付けた前記新たに動作させるアプリケーションが必要とする撮像領域と、前記取得部が取得した前記1以上の既存のアプリケーションの各々に対応する撮像領域と前記撮像時間と前記ズーム倍率とに基づき、前記新たに動作させるアプリケーションを前記撮像装置にインストールすることが可能か否かを示す情報を生成する生成部と、
前記撮像装置にインストールすることが可能か否かを示す情報を出力する出力部とを備え、
前記撮像装置が前記ズーム倍率により定められる撮像可能な撮像範囲に前記1以上の既存のアプリケーションのうちのいずれかが必要とする撮像領域と、前記新たに動作させるアプリケーションが必要とする撮像領域とを含められるかどうかの第1の判定を行い、
前記第1の判定が肯定的であれば、前記新たに動作させるアプリケーションを前記撮像装置にインストールすることが可能であることを示す情報を生成することを特徴とする。
【0253】
これにより、管理装置は、新たなアプリケーションを撮像装置にインストール可能かどうかを、ユーザからその撮像領域の指定を受け付けるだけで、判断をすることができる。撮像装置を保有するユーザはその結果を見て、簡単に新たにアプリケーションがインストール可能かどうかを知ることができる。
(j)本開示に係る撮像システムは、
ズーム倍率に基づいて定められる撮像範囲を撮像する撮像装置と、
前記撮像装置で新たに動作させるアプリケーションが必要とする撮像領域の指定を受け付ける受付部と、
前記撮像装置において既にインストールしている1以上の既存のアプリケーションの各々について、前記既存のアプリケーションが必要とする撮像領域と、前記撮像領域を前記撮像装置が撮像するときの時間の長さを示す撮像時間と、前記撮像領域を前記撮像装置が撮像するときのズーム倍率の情報を取得する取得部と、
前記受付部で受け付けた前記新たに動作させるアプリケーションが必要とする撮像領域と、前記取得部が取得した前記1以上の既存のアプリケーションの各々に対応する撮像領域と前記撮像時間と前記ズーム倍率とに基づき、前記新たに動作させるアプリケーションを前記撮像装置にインストールすることが可能か否かを示す情報を生成する生成部と、
前記撮像装置にインストールすることが可能か否かを示す情報を出力する出力部とを備え、
前記生成部は、
前記撮像装置が前記ズーム倍率により定められる撮像範囲に前記1以上の既存のアプリケーションのうちのいずれかが必要とする撮像領域と、前記新たに動作させるアプリケーションが必要とする撮像領域とを含められるかどうかの第1の判定を行い、
前記第1の判定が肯定的であれば、前記新たに動作させるアプリケーションを前記撮像装置にインストールすることが可能であることを示す情報を生成することを特徴とする。
【0254】
これにより、管理装置は、新たなアプリケーションを撮像装置にインストール可能かどうかを、ユーザからその撮像領域の指定を受け付けるだけで、判断をすることができる。撮像装置を保有するユーザはその結果を見て、簡単に新たにアプリケーションがインストール可能かどうかを知ることができる。
(k)本開示に係る判定方法は、
ズーム倍率に基づいて定められる撮像範囲を撮像する撮像装置に新たなアプリケーションをインストールできるか否かを判定する判定方法であって、
前記撮像装置で新たに動作させるアプリケーションが必要とする撮像領域の指定を受け付ける受付ステップと、
前記撮像装置において既にインストールしている1以上の既存のアプリケーションの各々について、前記既存のアプリケーションが必要とする撮像領域と、前記撮像領域を前記撮像装置が撮像するときの時間の長さを示す撮像時間と、前記撮像領域を前記撮像装置が撮像するときのズーム倍率の情報を取得する取得ステップと、
前記受付ステップで受け付けた前記新たに動作させるアプリケーションが必要とする撮像領域と、前記取得ステップが取得した前記1以上の既存のアプリケーションの各々に対応する撮像領域と前記撮像時間と前記ズーム倍率とに基づき、前記新たに動作させるアプリケーションを前記撮像装置にインストールすることが可能か否かを示す情報を生成する生成ステップと、
前記撮像装置にインストールすることが可能か否かを示す情報を出力する出力ステップとを含み、
前記生成ステップは、
前記撮像装置が前記ズーム倍率により定められる撮像範囲に前記1以上の既存のアプリケーションのうちのいずれかが必要とする撮像領域と、前記新たに動作させるアプリケーションが必要とする撮像領域とを含められるかどうかの第1の判定を行い、
前記第1の判定が肯定的であれば、前記新たに動作させるアプリケーションを前記撮像装置にインストールすることが可能であることを示す情報を生成することを特徴とする。
【0255】
これにより、判定方法は、新たなアプリケーションを撮像装置にインストール可能かどうかを、ユーザからその撮像領域の指定を受け付けるだけで、判断をすることができる。撮像装置を保有するユーザはその結果を見て、簡単に新たにアプリケーションがインストール可能かどうかを知ることができる。