特許第6443770号(P6443770)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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6443770防犯管理装置、防犯管理方法、制御プログラム及び防犯管理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6443770
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】防犯管理装置、防犯管理方法、制御プログラム及び防犯管理システム
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/04 20060101AFI20181217BHJP
   G08B 23/00 20060101ALI20181217BHJP
【FI】
   G08B25/04 H
   G08B23/00 510E
【請求項の数】13
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-551499(P2016-551499)
(86)(22)【出願日】2015年9月10日
(86)【国際出願番号】JP2015004602
(87)【国際公開番号】WO2016051686
(87)【国際公開日】20160407
【審査請求日】2017年3月17日
(31)【優先権主張番号】特願2014-199330(P2014-199330)
(32)【優先日】2014年9月29日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】西山 高史
(72)【発明者】
【氏名】清水 紀芳
【審査官】 山岸 登
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−070266(JP,A)
【文献】 特開2004−295408(JP,A)
【文献】 特開2006−243990(JP,A)
【文献】 特開2008−033420(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 19/00
G06Q 10/00−10/10
30/00−30/08
50/00−50/20
50/26−99/00
G08B 19/00−31/00
H02J 13/00
H04M 3/00
3/16− 3/20
3/38− 3/58
7/00− 7/16
11/00−11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の生活シーンのうち1以上の生活シーンと当該生活シーンに対応して住宅の住人が利用する防犯サービスとを対応付けた防犯設定情報を記憶する記憶部と、
前記住宅における消費電力の測定結果を取得する取得部と、
前記取得部により取得された測定結果に基づいて、前記複数の生活シーンのうち前記住宅における住人の状況が該当する生活シーンを推定する推定部と、
前記防犯設定情報により防犯サービスと対応付けられている生活シーンが、前記推定部により推定された場合に、当該推定された生活シーンと対応する防犯サービスが実行されるように外部装置へ制御信号を出力する出力部と
前記複数の生活シーンのうち1以上の生活シーン各々に対応する防犯サービスを示す選択肢情報を表示装置に表示させる表示制御部と、
前記表示制御部が前記選択肢情報を表示した後に操作を受け付けて、当該操作に応じて前記防犯設定情報を前記記憶部に格納する設定部とを備える
防犯管理装置。
【請求項2】
前記記憶部は、更に前記複数の生活シーン各々について当該生活シーンに対応する防犯サービスを示す防犯サービス情報を記憶し、
前記表示制御部は、前記記憶部に記憶された防犯サービス情報に基づいて、前記複数の生活シーンのうち1以上の生活シーンに対応する防犯サービスを選定して、選定した防犯サービスを示す選択肢情報を表示する
請求項記載の防犯管理装置。
【請求項3】
前記記憶部が記憶する前記防犯サービス情報は、防犯サービス毎に当該防犯サービスの利用価格を示す価格情報を含み、
前記表示制御部は、防犯サービスを示す前記選択肢情報に当該防犯サービスに対応する価格情報を含めて表示装置に表示させる
請求項記載の防犯管理装置。
【請求項4】
前記複数の生活シーンは、前記取得部により取得された測定結果に基づいて前記住宅の住人が睡眠中であると推定される状況が該当する生活シーンを含む
請求項1〜のいずれか一項に記載の防犯管理装置。
【請求項5】
前記取得部は、前記住宅の浴室の消費電力の測定結果を取得し、
前記複数の生活シーンは、前記取得部により取得された測定結果に基づいて前記住宅の住人が入浴中であると推定される状況が該当する生活シーンを含む
請求項1〜のいずれか一項に記載の防犯管理装置。
【請求項6】
前記複数の生活シーンは、前記取得部により取得された測定結果に基づいて前記住宅の住人が外出中であると推定される状況が該当する生活シーンを含む
請求項1〜のいずれか一項に記載の防犯管理装置。
【請求項7】
前記複数の生活シーンは、前記取得部により取得された測定結果に基づいて前記住宅の住人が1人で在宅中であると推定される状況が該当する生活シーンを含む
請求項1〜のいずれか一項に記載の防犯管理装置。
【請求項8】
前記取得部は、前記住宅の1以上の部屋各々の消費電力の測定結果を取得し、
前記複数の生活シーンは、前記取得部により取得された測定結果に基づいて前記住宅の住人が居ると推定される部屋によって当該住人の状況が該当する1以上の生活シーンを含む
請求項1〜のいずれか一項に記載の防犯管理装置。
【請求項9】
前記防犯管理装置は更に、操作を受けることで当該操作に応じて、前記出力部が前記制御信号を出力することを許容する許容状態と、当該許容状態ではない禁止状態とを選択的に選定する選定部を備え、
前記出力部は、前記選定部により前記許容状態が選定されている場合に前記制御信号の出力を行い、前記選定部により前記禁止状態が選定されている場合には前記制御信号の出力を抑止する
請求項1〜のいずれか一項に記載の防犯管理装置。
【請求項10】
前記防犯管理装置は更に、前記推定部により推定された、前記住宅の住人の状況が該当する生活シーンが所定の生活シーンである場合に、前記許容状態と前記禁止状態との間の切り替えに関する所定メッセージを前記住宅の住人に通知する通知部を備える
請求項9記載の防犯管理装置。
【請求項11】
住宅における消費電力の測定結果を受信することにより取得する取得ステップと、
前記取得ステップにおいて取得された測定結果に基づいて、複数の生活シーンのうち前記住宅における住人の状況が該当する生活シーンを推定する推定ステップと、
前記複数の生活シーンのうち1以上の生活シーン各々と当該生活シーンに対応して前記住宅の住人が利用する防犯サービスとを対応付けた防犯設定情報を参照して、当該防犯設定情報により防犯サービスと対応付けられている生活シーンが、前記推定ステップにおいて推定された場合に、当該推定された生活シーンと対応する防犯サービスが実行されるように外部装置に対して制御信号を送信する送信ステップと
前記複数の生活シーンのうち1以上の生活シーン各々に対応する防犯サービスを示す選択肢情報を表示装置に表示させる表示ステップと、
前記表示ステップにおいて前記選択肢情報が表示された後に操作を受け付けて、当該操作に応じて前記防犯設定情報を設定する設定ステップとを含む
防犯管理方法。
【請求項12】
複数の生活シーンのうち1以上の生活シーン各々と当該生活シーンに対応して住宅の住人が利用する防犯サービスとを対応付けた防犯設定情報を記憶するコンピュータに所定処理を実行させるための制御プログラムであって、
前記所定処理は、
前記住宅における消費電力の測定結果を受信することにより取得する取得ステップと、
前記取得ステップにおいて取得された測定結果に基づいて、前記複数の生活シーンのうち前記住宅における住人の状況が該当する生活シーンを推定する推定ステップと、
前記防犯設定情報により防犯サービスと対応付けられている生活シーンが、前記推定ステップにおいて推定された場合に、当該推定された生活シーンと対応する防犯サービスが実行されるように外部装置に対して制御信号を送信する送信ステップと
前記複数の生活シーンのうち1以上の生活シーン各々に対応する防犯サービスを示す選択肢情報を表示装置に表示させる表示ステップと、
前記表示ステップにおいて前記選択肢情報が表示された後に操作を受け付けて、当該操作に応じて前記防犯設定情報を設定する設定ステップとを含む
制御プログラム。
【請求項13】
複数の生活シーンのうち1以上の生活シーンと当該生活シーンに対応して住宅の住人が利用する防犯サービスとを対応付けた防犯設定情報を記憶する記憶部と、
前記住宅における消費電力の測定結果を取得する取得部と、
前記取得部により取得された測定結果に基づいて、前記複数の生活シーンのうち前記住宅における住人の状況が該当する生活シーンを推定する推定部と、
前記防犯設定情報により防犯サービスと対応付けられている生活シーンが、前記推定部により推定された場合に、当該推定された生活シーンと対応する防犯サービスが実行されるように外部装置へ制御信号を出力する出力部と
前記複数の生活シーンのうち1以上の生活シーン各々に対応する防犯サービスを示す選択肢情報を表示装置に表示させる表示制御部と、
前記表示制御部が前記選択肢情報を表示した後に操作を受け付けて、当該操作に応じて前記防犯設定情報を前記記憶部に格納する設定部とを備える
防犯管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防犯対策を管理する技術に関し、特に住宅における防犯対策を実施するための防犯管理装置、防犯管理方法及び防犯管理システム、並びに、防犯管理装置に用いられる制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅における防犯対策として、侵入監視用のカメラ等を含む警備システムの導入、警備会社が提供する防犯サービスの契約等が知られている。この警備システムには、住宅の住人がセットした在宅警戒モード、外出警戒モード等といった状態に応じて動作を切り替えられる警備装置を含むものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−293057号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、住宅の住人が従来の警備システムを導入してもモードのセットをし忘れる等により防犯対策は適切に機能しない場合もある。
【0005】
そこで、本発明は、住宅における防犯対策を住人の生活の状況に応じて適切に実施するための防犯管理装置を提供することを目的とする。また、本発明は、この防犯管理装置に関連する防犯管理方法及び制御プログラムを提供することを目的とする。また、本発明は、住宅における防犯対策を住人の生活の状況に応じて適切に実施するための防犯管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明の一態様に係る防犯管理装置は、複数の生活シーンのうち1以上の生活シーンと当該生活シーンに対応して住宅の住人が利用する防犯サービスとを対応付けた防犯設定情報を記憶する記憶部と、前記住宅における消費電力の測定結果を取得する取得部と、前記取得部により取得された測定結果に基づいて、前記複数の生活シーンのうち前記住宅における住人の状況が該当する生活シーンを推定する推定部と、前記防犯設定情報により防犯サービスと対応付けられている生活シーンが、前記推定部により推定された場合に、当該推定された生活シーンと対応する防犯サービスが実行されるように外部装置へ制御信号を出力する出力部とを備える。
【0007】
また、上記課題を解決するために本発明の一態様に係る防犯管理方法は、住宅における消費電力の測定結果を受信することにより取得する取得ステップと、前記取得ステップにおいて取得された測定結果に基づいて、複数の生活シーンのうち前記住宅における住人の状況が該当する生活シーンを推定する推定ステップと、前記複数の生活シーンのうち1以上の生活シーン各々と当該生活シーンに対応して前記住宅の住人が利用する防犯サービスとを対応付けた防犯設定情報を参照して、当該防犯設定情報により防犯サービスと対応付けられている生活シーンが、前記推定ステップにおいて推定された場合に、当該推定された生活シーンと対応する防犯サービスが実行されるように外部装置に対して制御信号を送信する送信ステップとを含む。
【0008】
また、上記課題を解決するために本発明の一態様に係る制御プログラムは、複数の生活シーンのうち1以上の生活シーン各々と当該生活シーンに対応して住宅の住人が利用する防犯サービスとを対応付けた防犯設定情報を記憶するコンピュータに所定処理を実行させるための制御プログラムであって、前記所定処理は、前記住宅における消費電力の測定結果を受信することにより取得する取得ステップと、前記取得ステップにおいて取得された測定結果に基づいて、前記複数の生活シーンのうち前記住宅における住人の状況が該当する生活シーンを推定する推定ステップと、前記防犯設定情報により防犯サービスと対応付けられている生活シーンが、前記推定ステップにおいて推定された場合に、当該推定された生活シーンと対応する防犯サービスが実行されるように外部装置に対して制御信号を送信する送信ステップとを含む。
上記課題を解決するために本発明の一態様に係る防犯管理システムは、複数の生活シーンのうち1以上の生活シーンと当該生活シーンに対応して住宅の住人が利用する防犯サービスとを対応付けた防犯設定情報を記憶する記憶部と、前記住宅における消費電力の測定結果を取得する取得部と、前記取得部により取得された測定結果に基づいて、前記複数の生活シーンのうち前記住宅における住人の状況が該当する生活シーンを推定する推定部と、前記防犯設定情報により防犯サービスと対応付けられている生活シーンが、前記推定部により推定された場合に、当該推定された生活シーンと対応する防犯サービスが実行されるように外部装置へ制御信号を出力する出力部とを備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明の防犯管理装置等は、住宅における防犯対策を住人の生活の状況に応じて適切に実施し得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施の形態1に係る防犯管理装置に関連する装置群を示すシステム概略図である。
図2図2は、実施の形態1に係る防犯管理装置の機能ブロック図である。
図3図3は、防犯管理装置による防犯管理処理を示すフローチャートである。
図4図4は、住宅の消費電力の測定単位となる回路グループの説明図である。
図5図5は、防犯管理装置による生活シーン推定処理を示すフローチャートである。
図6図6は、防犯サービス情報を例示する図である。
図7図7は、防犯サービスの選択用の画面例を示す図である。
図8図8は、防犯サービスの状態の切り替えに関するメッセージを例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら説明する。ここで示す実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。従って、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、並びに、ステップ(工程)及びステップの順序等は、一例であって本発明を限定するものではない。以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意に付加可能な構成要素である。また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。
【0012】
(実施の形態1)
以下、本発明の一実施形態に係る防犯管理装置100について説明する。
【0013】
(構成)
図1は、実施の形態1に係る防犯管理装置100に関連する装置群を示すシステム概略図である。
【0014】
防犯管理装置100は同図に示すように住宅20に設置されており、電力測定装置200、防犯カメラ220及び防犯用アクチュエータ230と通信可能である。また、防犯管理装置100は、ネットワーク31を介して外部の防犯制御装置300と通信可能である。ネットワーク31は、例えばインターネット等の広域ネットワークを含む。
【0015】
この防犯管理装置100は、防犯管理として、住宅20における住人の生活シーン(生活状況)に応じて防犯対策を実施するための防犯管理方法を実行する機能を有する。防犯管理装置100は、例えばスイッチ、タッチパネル等の入力手段、ディスプレイ、メモリ、通信回路及びCPUを備えるコンピュータである。メモリは、プログラム及びデータを予め保持しているROM、プログラムの実行に際してデータ等の記憶に利用するためのRAM等であり、例えば不揮発性メモリを含んでいても良い。CPUは、メモリに格納された制御プログラムを実行することによりコンピュータの各部を制御して防犯管理方法に係る所定処理(防犯管理処理)を行う。コンピュータである防犯管理装置100は、例えば、住宅20のエネルギー管理をするHEMS(Home Energy Management System)において、HEMSコントローラとして働くものであっても良い。HEMSコントローラは、電力測定装置200による消費電力の測定結果等を用いてエネルギー消費の抑制等のために、住宅20における1台以上の図示しないHEMS機器(例えば電気機器)をHAN(Home Area Network)を介して制御する機能等を有する。
【0016】
電力測定装置200は、住宅20の分電盤に設置され、電力系統から供給される電力を住宅20の各部屋、各部に分岐させる分岐回路毎に電流量を監視する電流センサを用いて消費電力を測定して、測定時刻と対応付けた一定期間分の測定結果を出力する装置である。
【0017】
防犯カメラ220は、住宅20の内部又は周辺に設置された侵入監視用の防犯機器であり、例えばカメラ(イメージセンサ)により逐次撮影した画像を録画する機能、逐次撮影した画像を送信する機能等を有する。なお、防犯カメラ220は、複数個所に設置されたカメラ群であっても良い。
【0018】
防犯用アクチュエータ230は、住宅20の内部又は周辺に設置された防犯機器であり、例えば侵入者を威嚇するためのブザー、サイレン等を発報する機能等を有する。
【0019】
防犯制御装置300は、例えば警備会社等に設置され、タッチパネル等の入力手段、ディスプレイ、メモリ、ハードディスク装置等の記憶装置、通信回路及びCPUを備え、警備会社等の特定の事業者が利用可能なコンピュータである。例えば、防犯制御装置300のディスプレイに、防犯カメラ220から送信された画像を表示し、警備会社の者により監視が行われる。なお、警備会社では、住宅20に限らず、他の住宅、道路等をカメラ等で監視し得る。
【0020】
図2は、防犯管理装置100及び防犯制御装置300の機能ブロック図である。この機能ブロック図では、防犯管理装置100及び防犯制御装置300における防犯管理に関わる主な機能構成要素について示しており、防犯管理装置100と連携する電力測定装置200、防犯カメラ220及び防犯用アクチュエータ230を付記している。
【0021】
防犯管理装置100は、図2に示すように機能面では、取得部110、記憶部120、推定部130、表示部140、設定部150、出力部160、選定部170、通知部180、異常検知部191及び機器制御部192を備える。
【0022】
取得部110は、制御プログラムを実行するCPU、通信回路等により実現される。取得部110は、電力測定装置200が測定した住宅20における各分岐回路に接続された電気機器の消費電力(使用された電力量)の分岐回路毎の測定結果(測定時刻を含む測定結果)を取得して、その取得した測定結果を推定部130に伝達する機能を有する。この電力測定装置200による消費電力の測定結果は、住宅の各部屋(例えば、寝室、浴室等)の消費電力を示すものであり、取得部110は、推定部130に各部屋の一定期間分の消費電力の推移(経時的変化)を示す測定結果を伝達する。
【0023】
記憶部120は、メモリ等の記憶領域で構成され、防犯サービス情報及び防犯設定情報を記憶する機能を有する。この防犯サービス情報は、複数の生活シーン(例えば、睡眠中、入浴中等)各々と防犯サービスとを対応付けた情報であり、防犯サービス毎に防犯サービスの利用に要する価格を示す価格情報を含む。防犯サービスは、警備会社等の特定の事業者が提供する各種のサービスであり、例えば、警戒レベル、警戒領域等が相違する各種の警備(例えば、外出中の住宅への侵入者を検知する警備、睡眠中の住宅周辺の異常を検知する警備等)を含む。この防犯サービス情報は、予め記憶部120に記憶されていても良いし、例えば防犯制御装置300等の外部装置からダウンロード(受信)して記憶されても良い。また、防犯設定情報は、住宅20の住人により設定される情報であり、1以上の生活シーンと、その生活シーンに対応して住人が利用する防犯サービスとを対応付けた情報である。なお、防犯設定情報としては、複数の生活シーンの組それぞれに対して1つの防犯サービスを対応付けても良いし、1つの生活シーン毎に1つの防犯サービスを対応付けても良い。
【0024】
推定部130は、制御プログラムを実行するCPUにより実現され、取得部110により取得された消費電力の測定結果に基づいて、複数の生活シーンのうち住宅20の住人の状況が該当する生活シーンを推定する機能を有する。この生活シーンの推定については後に詳しく説明する。
【0025】
表示部140は、制御プログラムを実行するCPU、ディスプレイ等により実現され、記憶部120に記憶された防犯サービス情報を参照して生活シーン各々に対応する防犯サービスを選定して、選定した防犯サービスを示す選択肢情報を表示する機能を有する。表示部140は、選定した防犯サービスを示す選択肢情報にその防犯サービスの価格情報を含めて、防犯管理装置100のディスプレイに表示する。
【0026】
設定部150は、制御プログラムを実行するCPU、入力手段等により実現され、表示部140が選択肢情報を表示した後に入力手段への操作を受け付けて、その操作に応じて防犯設定情報を設定(記憶部120に格納)する機能を有する。
【0027】
出力部160は、制御プログラムを実行するCPU、通信回路等により実現される。この出力部160は、記憶部120の防犯設定情報により防犯サービスと対応付けられている生活シーンが推定部130により推定された場合に、その生活シーンと対応する防犯サービスが実行されるように防犯制御装置300へ制御信号を出力する機能を有する。出力(送信)される制御信号は例えば実行されるべき防犯サービスの識別情報を含むことで、この制御信号を受信する防犯制御装置300を利用する警備会社等が防犯サービスを適切に実行可能となる。また、出力部160は生活シーンと対応する防犯サービスが実行されるようにするための制御信号を出力後にその生活シーン以外の生活シーンが推定されるまでその制御信号の出力を継続する(例えば制御信号を繰り返し送信する)こととしても良い。出力部160は、選定部170により選定されている状態に応じてこの制御信号の出力を抑止し得る。なお、防犯制御装置300は、防犯管理装置100からの制御信号に応じて、防犯サービスの実行のために住宅20における防犯機器の制御のための処理を実行する。出力部160は更に、異常検知部191が異常を検知した場合にその旨を防犯制御装置300に送信する機能を有する。
【0028】
選定部170は、制御プログラムを実行するCPU、入力手段等により実現され、入力手段への操作を受けることでその操作に応じて、出力部160が制御信号を出力することを許容する許容状態と、許容状態ではない禁止状態とを選択的に選定する機能を有する。
【0029】
通知部180は、制御プログラムを実行するCPU、通信回路等により実現される。この通知部180は、推定部130により推定された生活シーンが、予め定められた特定の生活シーンである場合に、許容状態と禁止状態との間の切り替えに関するメッセージを住宅20の住人に通知する機能を有する。このメッセージの通知は、例えば防犯管理装置100のディスプレイへの表示により行われる。なお、通知部180はメッセージの通知を、例えば住宅20の住人の携帯する携帯端末等に送信することで行っても良い。この場合には、住人は、携帯端末のディスプレイ等によりメッセージを視認できる。
【0030】
異常検知部191は、制御プログラムを実行するCPU、通信回路等により実現される。この異常検知部191は、防犯カメラ220が逐次撮影した画像を解析して異常(例えば住宅20の敷地内への人の侵入等)が発生していないかを監視し、異常が発生した場合に、出力部160を介して異常を防犯制御装置300に伝える機能を有する。画像の解析により人を検知する技術は、周知技術であるため、ここではその説明を省略する。
【0031】
機器制御部192は、制御プログラムを実行するCPU、通信回路等により実現され、防犯制御装置300から防犯機器制御用の制御信号を受けた場合に、その制御信号に応じて防犯用アクチュエータ230を制御する機能を有する。この制御を受けて防犯用アクチュエータ230は、例えばサイレンの発報等を行う。
【0032】
(動作)
以下、上述の構成を備える防犯管理装置100による防犯管理処理について図3に即して説明する。
【0033】
図3は、防犯管理装置100による防犯管理処理を示すフローチャートである。この防犯管理処理は繰り返し実行され、例えば数分毎、数十分毎等の周期で実行される。
【0034】
まず、防犯管理装置100の取得部110は、電力測定装置200が測定した住宅20における分岐回路毎の消費電力の測定結果を受信することにより取得する(ステップS11)。この取得部110に取得された、消費電力の測定結果は推定部130に伝達される。
【0035】
推定部130は、消費電力の測定結果に基づいて生活シーンを推定する(ステップS12)。
【0036】
ここで、一旦、図3に即した説明を中断し、図4及び図5を用いて、生活シーンの推定について詳しく説明する。
【0037】
図4は、電力測定装置200による、住宅20の消費電力の測定単位となる分岐回路である回路グループの説明図である。同図に示すように、住宅20における各部屋、各部分のコンセントや備え付けの電気機器を回路G1〜回路G6の6つの回路グループに区別し、電力測定装置200は、回路グループ毎に消費電力を測定する。
【0038】
図5は、推定部130による生活シーンの推定のための生活シーン推定処理を示すフローチャートである。ここでは、生活シーンとして、1人暮らし、睡眠中、入浴中、外出中及び在宅中があるものとして説明する。なお、ここでの在宅中は、概ね睡眠中でも入浴中でも外出中でもない状況である。また、1人暮らしという状況であってかつ睡眠中、入浴中、外出中或いは在宅中という状況、つまり複数の生活シーンに該当する状況は生じ得る。なお、住人の状況が、1人で在宅中という生活シーンに該当することがあると扱っても良い。
【0039】
推定部130は、図4で示した回路グループ別の現在までの一定期間分(例えば1ヶ月分)の消費電力に基づいて、生活シーンを次のように推定する。まず、推定部130は、所定期間分(例えば1ヶ月分)の回路G1〜G6の積算総消費電力が所定値以下か否かを判定する(ステップS21)。所定値は、住人が1人暮らしをしている住宅の一般的な積算総消費電力に基づいて予め定められている。ステップS21において所定値以下と判定した場合には、推定部130は住宅20の住人の状況は、1人暮らしという生活シーンに該当すると推定する(ステップS22)。
【0040】
また、推定部130は、現在までの直近の一定期間(例えば数十分間)が夜間であってその期間の回路G1及び回路G2の両方で消費電力が待機電力以下であるか否かを判定する(ステップS23)。ステップS23において肯定的に判定した場合には、推定部130は、住宅20の住人の状況が睡眠中という生活シーンに該当すると推定し(ステップS24)、生活シーン推定処理を終える。なお、各回路グループにおける待機電力の値は、予め設定しておく。
【0041】
ステップS23において否定的に判定した場合には、推定部130は、現在までの直近の期間(例えば数分間)の回路G6の消費電力が待機電力よりも大きいか否かを判定する(ステップS25)。ステップS25において肯定的に判定した場合には、推定部130は、住宅20の住人の状況が入浴中という生活シーンに該当すると推定し(ステップS26)、生活シーン推定処理を終える。
【0042】
ステップS25で否定的に判定した場合に推定部130は、ステップS27での判定を行う。即ち、推定部130は、前回の生活シーン推定処理で推定した生活シーンが睡眠中で、かつ、現在までの直近の期間(例えば数分間)の回路G1及び回路G2のいずれかの消費電力が待機電力よりも大きいか否かを判定する(ステップS27)。ステップS27において肯定的に判定した場合には、推定部130は、住宅20の住人の状況が在宅中という生活シーンに該当すると推定し(ステップS28)、生活シーン推定処理を終える。
【0043】
ステップS27で否定的に判定した場合に推定部130は、ステップS29での判定を行う。即ち、推定部130は、前回の生活シーン推定処理で推定した生活シーンが在宅中であり、かつ、現在までの直近の期間(例えば数分間)の回路G1、回路G2及び回路G3の全てで消費電力が待機電力以下であるか否かを判定する(ステップS29)。ステップS29において肯定的に判定した場合には、推定部130は、住宅20の住人の状況が外出中という生活シーンに該当すると推定し(ステップS30)、生活シーン推定処理を終える。
【0044】
ステップS29で否定的に判定した場合に推定部130は、ステップS31での判定を行う。即ち、推定部130は、前回の生活シーン推定処理で推定した生活シーンが外出中であり、かつ、現在までの直近の期間(例えば数分間)の回路G1、回路G2及び回路G3のいずれかで消費電力が待機電力よりも大きいか否かを判定する(ステップS31)。ステップS31において肯定的に判定した場合には、推定部130は、住宅20の住人の状況が在宅中という生活シーンに該当すると推定し(ステップS32)、生活シーン推定処理を終える。また、ステップS31で否定的に判定した場合に推定部130は、生活シーンは前回のまま変化がないため、特に新たな生活シーンの推定を行わず生活シーン推定処理を終える。
【0045】
なお、生活シーンの推定には、図5に示した以外の方法を用いても良い。例えば、住宅20の全ての部屋の消費電力が待機電力以下となったことを検出した場合に、睡眠中という生活シーンに該当すると推定しても良い。また、現在までの一定期間分(例えば1ヶ月分)の消費電力の測定結果に基づいて、一定期間前から現在までについて1時間毎等といった各時間帯毎に生活シーンを推定(図5参照)し、推定結果から平均的な1日の時間帯毎の生活シーンの変化を算定しても良い。この算定を平日と休日とを区別して行っても良い。このように算定した時間帯毎の生活シーンの変化に基づけば現在時刻に応じて住人の現在の生活シーンを特定でき、つまり、住人の状況が該当する生活シーンの推定が可能になる。
【0046】
以下、再び図3を用いて防犯管理装置100による防犯管理処理の説明に戻る。
【0047】
ステップS12の後に、出力部160は、記憶部120の防犯設定情報により防犯サービスと対応付けられている生活シーンが推定部130により推定された場合に、その生活シーンと対応する防犯サービスを特定する(ステップS13)。続いて、出力部160は、特定した防犯サービスが実行されるように防犯制御装置300へ制御信号を出力(送信)する(ステップS14)。詳しくは、出力部160による制御信号の出力は、選定部170が許容状態を選定している場合にのみ実行され、禁止状態を選定している場合には抑止される。この制御信号を受けることにより防犯制御装置300は、ステップS13において特定された防犯サービスを実行するために必要な処理を行うことができる。制御信号では、例えば実行されるべき防犯サービスを識別する情報等の防犯サービスを実行するために必要な情報を含むので、防犯制御装置300により警備会社等の特定の事業者は適切に防犯サービスを実行できる。
【0048】
次に防犯管理装置100の異常検知部191が、異常の発生を検知した場合には(ステップS15)、出力部160は、防犯制御装置300に異常の発生を示す信号を送信する(ステップS16)。
【0049】
また、防犯管理装置100が防犯制御装置300から防犯機器制御用の制御信号を受信した場合には(ステップS17)、機器制御部192は、その制御信号に応じて防犯用アクチュエータ230を制御する(ステップS18)。
【0050】
このように防犯管理処理により防犯管理装置100は、防犯制御装置300と連携して、住宅20の住人が該当する生活シーンに対応した防犯サービスの実行を可能にする。なお、上述のステップS11〜S14における処理と、ステップS15〜S18における処理とは互いに独立して実行されることとしても良い。
【0051】
以下、上述した防犯設定情報の設定についての一例を説明する。
【0052】
防犯設定情報は、例えば、防犯サービス情報に基づいて生成された防犯サービスの選択用の画面に対する住人の操作によって設定される。
【0053】
図6は、記憶部120に記憶される防犯サービス情報80を例示する図である。
【0054】
防犯サービス情報80は、複数の生活シーン各々と防犯サービスとを対応付けた情報であり、防犯サービスの価格情報も含む。
【0055】
同図の例では、外出中、睡眠中、1人在宅中(1人暮らしでかつ在宅中)、入浴中という各生活シーンと各防犯サービス(A1〜A4サービス及びB1〜B4サービス並びにCオプション及びD1、D2オプション)との対応を示している。この例では、侵入者検知及び通知サービスのカテゴリーのA1〜A4サービスの価格はy1であり、住宅周辺検知及び通知サービスのカテゴリーのB1〜B4サービスの価格はy2であり、威嚇オプションサービスであるCオプションの価格はy3であり、駆け付けオプションサービスのカテゴリーのD1、D2オプションの価格はy4である。なお、生活シーンとして、1人暮らしと在宅中とを別個に区別して防犯サービスと対応付けても良い。また、1人で書斎に居る場合、1人で居間に居る場合等を区別して生活シーンとして推定部130で推定するようにし、住人が居る部屋を区別して防犯サービスと対応付けても良い。
【0056】
防犯管理装置100の表示部140は、防犯サービス情報80に基づいて、例えば図7の画面90をディスプレイに表示して住宅20の住人による選択操作を受けることによって、その選択操作に従って防犯設定情報を設定する。
【0057】
図7は、防犯サービスの選択用の画面例である画面90を示す図である。画面90は、住宅20の住人が防犯サービスの設定用の所定操作(例えば防犯管理装置100のディスプレイに重畳されたタッチパネルへのタッチ)を行うとディスプレイに表示される。防犯サービスの設定は1度行われれば良い。この画面90は、選択完了ボタン92を有し、防犯サービスの選択肢毎にチェックボックス91を有している。住人が提供を受けたい1以上の防犯サービスのチェックボックス91をチェック(選択)して選択完了ボタン92を押下(タッチ)すると、防犯管理装置100は、そのチェックに従って防犯サービス情報に基づいて防犯設定情報を生成して記憶部120に格納する。このように防犯設定情報は、複数の防犯サービスについての情報を含み得る。なお、防犯管理装置100において防犯設定情報が設定された場合に、防犯管理装置100はその防犯設定情報に示される防犯サービスを示す情報を防犯制御装置300に送信することとしても良い。この場合には、この防犯サービスを示す情報を活用して、防犯制御装置300を利用する警備会社等が防犯サービスに関する課金処理等を行うことも可能である。
【0058】
なお、画面90が、例えば防犯サービス情報80の防犯サービスのうち、一定期間の消費電力の測定結果に基づいて推定部130により住人の状況が該当すると推定された1以上の生活シーンに対応する防犯サービスに絞り込んだ選択肢を表示するようにしても良い。また、防犯管理装置100は、住人が画面90の1以上のチェックボックス91を選択して選択完了ボタン92を押下した場合に、防犯サービス情報80中の価格情報に基づいて、住人が選択した全ての防犯サービスの価格を合計して合計値を表示しても良い。
【0059】
(具体的動作例)
以下、住宅20の住人が設定した防犯設定情報により、外出中、入浴中という生活シーンに対応してそれぞれA1サービス、A4サービス(図6参照)という防犯サービスが示されている場合を例として防犯管理装置100の動作例を説明する。A1サービスは、外出中の住宅への侵入者を検知すること及び異常を検出した場合に登録した携帯端末への通知することを内容とする防犯サービスである。また、A4サービスは、入浴中の住宅への侵入者を検知すること、浴室以外の部屋をモニターして警戒すること及び異常を検知した場合にサイレンを発報することを内容とする防犯サービスである。
【0060】
防犯管理装置100の取得部110は、電力測定装置200から住宅20の分岐回路毎の消費電力の測定結果を受信して推定部130に伝達し(ステップS11)、推定部130は、住宅20の住人の生活シーンを推定する(ステップS12)。ここで、住人の状況が1人暮らしという生活シーンに該当し、外出中であるという生活シーンに該当すると推定されたとして説明を続ける。
【0061】
出力部160は、防犯設定情報により防犯サービスと対応付けられている生活シーンが推定部130により推定された場合に、その生活シーン(ここでは外出中)と対応する防犯サービス(A1サービス)を特定する(ステップS13)。防犯設定情報では特に1人暮らしという生活シーンとの組み合わせに対しては防犯サービスを設定していない前提であるため、ここではA1サービスだけが特定される。続いて、出力部160は、特定したA1サービスが実行されるように、ネットワーク31を介して防犯制御装置300へA1サービスの識別情報を含む制御信号を送信する(ステップS14)。ここでは、選定部170が許容状態を選定しているものとする。これにより、防犯制御装置300は、A1サービスの識別情報を含む制御信号を受信する。防犯制御装置300は、A1サービスを実行するための処理を行う。防犯制御装置300は、例えば制御信号を送信した防犯管理装置100を設置している住宅20に対してA1サービスを稼動中であることをディスプレイに表示する。なお、出力部160が防犯制御装置300に送信する制御信号には防犯カメラ220が撮影した画像の信号を含ませても良い。この場合には、防犯制御装置300は、例えば、防犯カメラ220が撮影した画像をディスプレイに表示する処理を行う。また、防犯制御装置300は、別途、住宅20以外の住宅或いは道路に設置された防犯カメラからの画像を逐次受信してA1サービスの実現のためにディスプレイ等に表示しても良い。これにより、警備会社等のA1サービスを提供する者が防犯制御装置300のディスプレイから住宅20への侵入者の検知のための監視を行うことが可能になる。
【0062】
防犯カメラ220の画像解析の結果として異常検知部191が異常を検知(つまり侵入者を検知)した場合には(ステップS15)、出力部160が、防犯制御装置300に異常の発生を示す信号を送信する(ステップS16)。これに対応して防犯制御装置300が例えばディスプレイに異常の発生を示す表示を行う。これにより、警備会社等の者は画像の確認等をして、必要に応じて予め登録されていた住宅20の住人の携帯端末に侵入者の検知の通知を行うことが可能になる。なお、異常検知部191が異常を検知しなくても、警備会社等の者が、いずれかの防犯カメラの画像を防犯制御装置300のディスプレイで確認する等により、異常を検知した場合には、住人の携帯端末に侵入者の検知の通知を行うことができる。
【0063】
また、繰り返される防犯管理処理により、その後、防犯管理装置100の推定部130が、住宅20の住人の状況が入浴中という生活シーンに該当すると推定したとする(ステップS12)。この場合には、ステップS13において出力部160は、A4サービスを特定する。そして、出力部160は、特定したA4サービスが実行されるように防犯制御装置300へA4サービスの識別情報を含む制御信号を送信する(ステップS14)。これにより、防犯制御装置300は、A4サービスの識別情報を含む制御信号を受信する。防犯制御装置300は、A4サービスを実行するための処理を行う。例えば、住宅20に対してA4サービスを稼動中であることをディスプレイに表示し、住宅20の内外に設置された防犯カメラ220や他の住宅或いは道路に設置したカメラ群等からの映像をディスプレイに表示する等の処理を行う。これにより、警備会社等のA4サービスを提供する者が防犯制御装置300のディスプレイから住宅20への侵入者の検知のための監視を行うことが可能になる。また、防犯カメラ220が各部屋に設置されたカメラ群であるような場合には、警備会社等の者は、例えば防犯制御装置300に表示される各カメラからの画像により、浴室以外の部屋を重点的に監視することが可能となる。例えば異常検知部191による異常の検知等に基づき、警備会社等の者は必要に応じて防犯制御装置300を操作し、防犯管理装置100を介して防犯用アクチュエータ230を遠隔制御(ステップS17、S18)してサイレンの発報をさせることが可能となる。
【0064】
以上、選定部170が許容状態を選定していることを前提として説明したが、住宅20の住人は、防犯管理装置100の入力手段を操作して、許容状態と禁止状態との間で状態を切り替えることができる。
【0065】
この状態の切り替えは、防犯サービスの実行と、防犯サービスの一時的な停止とを切り替えることに繋がる。この状態の切り替えに関して、通知部180は、推定部130により推定された生活シーンが、予め定められた特定の生活シーンである場合に、許容状態と禁止状態との間の切り替えに関するメッセージを住宅20の住人に通知する。例えば、通知部180は、推定部130により推定される住人の状況が該当する生活シーンが、外出中から在宅中に切り替わった時点で、防犯サービスの一時停止を忘れていないかを確認するメッセージを防犯管理装置100のディスプレイに表示しても良い。図8は、防犯サービスの状態の切り替えに関するメッセージを例示する図であり、防犯管理装置100のディスプレイに表示された画面95を示している。例えばこのメッセージを見て住人が一定時間内に所定操作(例えばディスプレイに重畳されたタッチパネルへのタッチ)を行えば選定部170が選定する状態を許容状態から禁止状態に切り替えても良い。また、通知部180は、推定部130により推定される住人の状況が該当する生活シーンが、在宅中から外出中に切り替わった時点で、防犯サービスの実行を忘れていないかを確認するメッセージを住人の携帯する携帯端末に送信しても良い。
【0066】
(他の実施の形態等)
以上、実施の形態1により防犯管理装置100等について説明したが、上述した実施の形態は一例にすぎず、各種の変更、付加、省略等が可能であることは言うまでもない。
【0067】
上述した推定部130は、生活シーンの推定を、消費電力に係る測定結果に基づき行うこととしたが、消費電力の他に、ガス、水道等の使用状況の測定結果等を生活シーンの推定の基礎として用いても良い。また、消費電力の測定結果から生活シーンを推定する際の推定精度を向上させるために、住人による家族構成等の情報の入力値を参照することとしても良い。なお、睡眠中、外出中、在宅中等の生活シーンを推定するために、図5で示したものと異なるアルゴリズムを用いても良い。
【0068】
また、上述した防犯制御装置300は、防犯管理装置100の処理を一部分担しても良い。例えば、防犯制御装置300は、図3のステップS11〜S13における処理を行うことにより防犯サービスを特定し、その特定した防犯サービスを実行するために必要な情報をディスプレイに表示するようにしても良い。
【0069】
また、上述した表示部140は、防犯サービスを示す選択肢情報を防犯管理装置100のディスプレイに表示することとしたが、この表示に用いる表示装置は、ディスプレイの他にプロジェクタ等であっても良い。また、表示部140は、外部の表示装置(例えば、タブレット、テレビ受像機等のHEMS機器、或いは、スマートフォン等)に、防犯サービスを示す選択肢情報の表示を行わせるよう制御する機能を有していても良い。即ち、表示部140は、直接又は間接的に表示を実現する表示制御部であっても良い。外部の表示装置は、表示部140(表示制御部)の制御を受けて、選択肢情報の表示を行い得る。
【0070】
また、住宅20の内外に、上述した防犯カメラ220及び防犯用アクチュエータ230以外の防犯機器(各種センサ等)を設置しても良く、その防犯機器と防犯管理装置100とが通信して連携動作しても良い。
【0071】
また、例えば、防犯管理装置100における推定部130等の機能の一部を別のサーバ装置(演算処理を行うコンピュータ)が分担することとし、防犯管理装置100が、そのサーバ装置と通信することにより、サーバ装置を利用して、その推定部130等の機能を実現することとしてもよい。このように、記憶部120、取得部110、推定部130、出力部160等のそれぞれに相当する機能部を複数の装置に分散させて、防犯管理装置100に代わるシステムとして、その複数の装置を備える防犯管理システムを実現してもよい。
【0072】
また、上述の防犯管理装置100による処理手順(図3及び図5に示す手順等)の実行順序は、必ずしも、上述した通りの順序に制限されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で、実行順序を入れ替えたりその一部を省略したりすることができる。また、その処理手順(図3及び図5に示す手順等)の全部又は一部は、ハードウェアにより実現されても、ソフトウェアを用いて実現されても良い。なお、ソフトウェアによる処理は、コンピュータに含まれるCPUがメモリに記憶された制御用のプログラムを実行することにより実現されるものである。また、そのプログラムを記録媒体に記録して頒布や流通させても良い。例えば、頒布された制御プログラムをコンピュータにインストールして、CPUに実行させることで、コンピュータに図3及び図5に示した処理手順の全部又は一部を行わせることが可能となる。
【0073】
また、上述した実施の形態で示した構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明の範囲に含まれる。
【0074】
なお、本発明の包括的又は具体的な各種態様には、装置、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム、コンピュータで読み取り可能な記録媒体等の1つ又は複数の組み合わせが含まれる。
【0075】
以下、本発明の一態様に係る防犯管理装置及びこの防犯管理装置に関連する防犯管理方法及び制御プログラム、並びに、防犯管理システムについての構成、変形態様、効果等について示す。
【0076】
(1)本発明の一態様に係る防犯管理装置100は、複数の生活シーンのうち1以上の生活シーンと当該生活シーンに対応して住宅20の住人が利用する防犯サービスとを対応付けた防犯設定情報を記憶する記憶部120と、住宅20における消費電力の測定結果を取得する取得部110と、取得部110により取得された測定結果に基づいて、複数の生活シーンのうち住宅20における住人の状況が該当する生活シーンを推定する推定部130と、防犯設定情報により防犯サービスと対応付けられている生活シーンが、推定部130により推定された場合に、当該推定された生活シーンと対応する防犯サービスが実行されるように外部装置(例えば防犯制御装置300)へ制御信号を出力する出力部160とを備える防犯管理装置である。
【0077】
この構成により、住宅20における防犯対策を住人の生活の状況に応じて適切に実施することが可能になる。
【0078】
(2)例えば、防犯管理装置100は更に、複数の生活シーンのうち1以上の生活シーン各々に対応する防犯サービスを示す選択肢情報を表示装置に表示させる表示制御部(表示部140)と、表示制御部(表示部140)が選択肢情報を表示した後に操作を受け付けて、当該操作に応じて防犯設定情報を記憶部120に格納する設定部150とを備えることとしても良い。
【0079】
これにより、住宅20の住人は、選択肢に応じて生活シーンに対応した防犯サービスの設定が可能になる。
【0080】
(3)例えば、記憶部120は、更に複数の生活シーン各々について当該生活シーンに対応する防犯サービスを示す防犯サービス情報を記憶し、表示制御部(表示部140)は記憶部120に記憶された防犯サービス情報に基づいて、複数の生活シーンのうち1以上の生活シーンに対応する防犯サービスを選定して、選定した防犯サービスを示す選択肢情報を表示装置に表示させることとしても良い。
【0081】
これにより、住宅20の住人は、選定された選択肢に応じて生活シーンに対応した防犯サービスの設定が可能になる。
【0082】
(4)例えば、記憶部120が記憶する防犯サービス情報は、防犯サービス毎に当該防犯サービスの利用に要する価格(利用価格)を示す価格情報を含み、表示制御部(表示部140)は、防犯サービスを示す選択肢情報に当該防犯サービスに対応する価格情報を含めて表示装置に表示させることとしても良い。
【0083】
これにより、住宅20の住人は、価格を参考にして利用する防犯サービスを選択できるようになる。
【0084】
(5)例えば、複数の生活シーンは、取得部110により取得された測定結果に基づいて住宅20の住人が睡眠中であると推定される状況が該当する生活シーンを含むこととしても良い。
【0085】
これにより、住宅20の住人が睡眠中の場合に対応した防犯サービスの実施が可能になる。
【0086】
(6)例えば、取得部110は、住宅20の浴室の消費電力の測定結果を取得し、複数の生活シーンは、取得部110により取得された測定結果に基づいて住宅20の住人が入浴中であると推定される状況が該当する生活シーンを含むこととしても良い。
【0087】
これにより、住宅20の住人が入浴中の場合に対応した防犯サービスの実施が可能になる。
【0088】
(7)例えば、複数の生活シーンは、取得部110により取得された測定結果に基づいて住宅20の住人が外出中であると推定される状況が該当する生活シーンを含むこととしても良い。
【0089】
これにより、住宅20の住人が外出中の場合に対応した防犯サービスの実施が可能になる。
【0090】
(8)例えば、複数の生活シーンは、取得部110により取得された測定結果に基づいて住宅20の住人が1人で在宅中であると推定される状況が該当する生活シーンを含むこととしても良い。
【0091】
これにより、住宅20の住人が1人で在宅中の場合に対応した防犯サービスの実施が可能になる。
【0092】
(9)例えば、取得部110は、住宅20の1以上の部屋各々の消費電力の測定結果を取得し、複数の生活シーンは、取得部110により取得された測定結果に基づいて住宅20の住人が居ると推定される部屋によって当該住人の状況が該当する1以上の生活シーンを含むこととしても良い。
【0093】
これにより、住宅20の住人がある部屋に居る場合に対応した防犯サービスの実施が可能になる。
【0094】
(10)例えば、防犯管理装置100は更に、操作を受けることで当該操作に応じて、出力部160が制御信号を出力することを許容する許容状態と、当該許容状態ではない禁止状態とを選択的に選定する選定部170を備え、出力部160は、選定部170により許容状態が選定されている場合に制御信号の出力を行い、選定部170により禁止状態が選定されている場合には制御信号の出力を抑止することとしても良い。
【0095】
これにより、住宅20の住人が手動で防犯サービスの実行を停止させることが可能になる。
【0096】
(11)例えば、防犯管理装置100は更に、推定部130により推定された、住宅20の住人の状況が該当する生活シーンが所定の生活シーンである場合に、許容状態と禁止状態との間の切り替えに関する所定メッセージを住宅20の住人に通知する通知部180を備えることとしても良い。所定メッセージの通知方法の例としては、防犯管理装置100のディスプレイへの表示、住人の携帯端末への送信等が挙げられる。
【0097】
これにより、例えば、住宅20の住人に対して、防犯サービスの実行の停止忘れを防ぐための通知等が可能になる。
【0098】
(12)本発明の一態様に係る防犯管理方法は、住宅20における消費電力の測定結果を受信することにより取得する取得ステップS11と、取得ステップS11において取得された測定結果に基づいて、複数の生活シーンのうち住宅20における住人の状況が該当する生活シーンを推定する推定ステップS12と、複数の生活シーンのうち1以上の生活シーン各々と当該生活シーンに対応して住宅20の住人が利用する防犯サービスとを対応付けた防犯設定情報を参照して、当該防犯設定情報により防犯サービスと対応付けられている生活シーンが、推定ステップS12において推定された場合に、当該推定された生活シーンと対応する防犯サービスが実行されるように外部装置(例えば防犯制御装置300)に対して制御信号を送信する送信ステップS14とを含む防犯管理方法である。
【0099】
これにより、住宅20における防犯対策を住人の生活の状況に応じて適切に実施することが可能になる。
【0100】
(13)本発明の一態様に係る制御プログラムは、複数の生活シーンのうち1以上の生活シーン各々と当該生活シーンに対応して住宅の住人が利用する防犯サービスとを対応付けた防犯設定情報を記憶するコンピュータに所定処理を実行させるための制御プログラムであって、所定処理(防犯管理処理)は、住宅における消費電力の測定結果を受信することにより取得する取得ステップS11と、取得ステップS11において取得された測定結果に基づいて、複数の生活シーンのうち住宅における住人の状況が該当する生活シーンを推定する推定ステップS12と、防犯設定情報により防犯サービスと対応付けられている生活シーンが、推定ステップS12において推定された場合に、当該推定された生活シーンと対応する防犯サービスが実行されるように外部装置(例えば防犯制御装置300)に対して制御信号を送信する送信ステップS14とを含む制御プログラムである。
【0101】
これにより、コンピュータを、防犯管理処理を実行する防犯管理装置100として機能させることができるようになる。
【0102】
(14)本発明の一態様に係る防犯管理システムは、複数の生活シーンのうち1以上の生活シーンと当該生活シーンに対応して住宅20の住人が利用する防犯サービスとを対応付けた防犯設定情報を記憶する記憶部(例えば記憶部120)と、住宅20における消費電力の測定結果を取得する取得部(例えば取得部110)と、取得部により取得された測定結果に基づいて、複数の生活シーンのうち住宅20における住人の状況が該当する生活シーンを推定する推定部(例えば推定部130)と、防犯設定情報により防犯サービスと対応付けられている生活シーンが、推定部により推定された場合に、当該推定された生活シーンと対応する防犯サービスが実行されるように、自システム以外の外部装置(例えば防犯制御装置300)へ制御信号を出力する出力部(例えば出力部160)とを備える防犯管理システムである。
【0103】
これにより、住宅20における防犯対策を住人の生活の状況に応じて適切に実施することが可能になる。
【符号の説明】
【0104】
100 防犯管理装置
110 取得部
120 記憶部
130 推定部
140 表示部(表示制御部)
150 設定部
160 出力部
170 選定部
180 通知部
300 防犯制御装置(外部装置)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8