【実施例】
【0079】
次に、実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
なお、濃度や固形分等の記載があるものについては、すべて換算前の質量部を記載した。
【0080】
塗工液の作成
下記組成からなる背面層形成用塗工液、剥離層形成用塗工液A〜G、蛍光層形成用塗工液A〜V及びa〜b、並びに熱溶融性インキ層形成用塗工液A〜E及びa〜bを準備した。また、剥離層形成用塗工液、蛍光層形成用塗工液及び熱溶融性インキ層形成用塗工液の組成について、それぞれ表1〜3にまとめた。
【0081】
<背面層形成用塗工液>
・アクリル変性シリコーン樹脂 10質量部
(ナトコ(株)製、ポリアロイNSA−X55)
・メチルエチルケトン(MEK) 20質量部
・トルエン 20質量部
【0082】
<剥離層形成用塗工液A>
・カルナバワックス 100質量部
(コニシ(株)製、WE−95)
・水 25質量部
・イソプロパノール(IPA) 75質量部
【0083】
<剥離層形成用塗工液B>
・カルナバワックス 88質量部
(コニシ(株)製、WE−95、固形分40%)
・酢酸ビニル−ビニルピロリドン共重合体(PVP−VA) 9.6質量部
(アイエスピー・ジャパン社製、PVP/VA E−335、50%エタノール液)
・水 25質量部
・IPA 75質量部
【0084】
<剥離層形成用塗工液C>
・カルナバワックス 98質量部
(コニシ(株)製、WE−95、固形分40%)
・PVP−VA 1.6質量部
(アイエスピー・ジャパン社製、PVP/VA E−335、50%エタノール液)
・水 25質量部
・IPA 75質量部
【0085】
<剥離層形成用塗工液D>
・カルナバワックス 94質量部
(コニシ(株)製、WE−95、固形分40%)
・PVP−VA 4.8質量部
(アイエスピー・ジャパン社製、PVP/VA E−335、50%エタノール液)
・水 25質量部
・IPA 75質量部
【0086】
<剥離層形成用塗工液E>
・カルナバワックス 90質量部
(コニシ(株)製、WE−95、固形分40%)
・PVP−VA 8質量部
(アイエスピー・ジャパン社製、PVP/VA E−335、50%エタノール液)
・水 25質量部
・IPA 75質量部
【0087】
<剥離層形成用塗工液F>
・カルナバワックス 80質量部
(コニシ(株)製、WE−95、固形分40%)
・PVP−VA 16質量部
(アイエスピー・ジャパン社製、PVP/VA E−335、50%エタノール液)
・水 25質量部
・IPA 75質量部
【0088】
<剥離層形成用塗工液G>
・パラフィンワックス 40質量部
(コニシ(株)製、WE−65、固形分40%)
・エチレン−酢酸ビニル共重合体 10質量部
(三井・デュポンポリケミカル(株)製、エバフレックス(登録商標)EV250)
・MEK 10質量部
・トルエン 200質量部
【0089】
<蛍光層形成用塗工液A>
・蛍光発色材料 1質量部
(ハンツマン社製、UVITEX(登録商標)NFW、25%溶液)
・PVP−VA 9.5質量部
(アイエスピー・ジャパン社製、PVP/VA E−335、50%エタノール液)
・水 20質量部
・IPA 20質量部
【0090】
<蛍光層形成用塗工液B>
・蛍光発色材料 2質量部
(ハンツマン社製、UVITEX(登録商標)NFW、25%溶液)
・PVP−VA 9質量部
(アイエスピー・ジャパン社製、PVP/VA E−335、50%エタノール液)
・水 20質量部
・IPA 20質量部
【0091】
<蛍光層形成用塗工液C>
・蛍光発色材料 6質量部
(ハンツマン社製、UVITEX(登録商標)NFW、25%溶液)
・PVP−VA 7質量部
(アイエスピー・ジャパン社製、PVP/VA E−335、50%エタノール液)
・水 20質量部
・IPA 20質量部
【0092】
<蛍光層形成用塗工液D>
・蛍光発色材料 0.6質量部
(ハンツマン社製、UVITEX(登録商標)NFW、25%溶液)
・PVP−VA 9.7質量部
(アイエスピー・ジャパン社製、PVP/VA E−335、50%エタノール液)
・水 20質量部
・IPA 20質量部
【0093】
<蛍光層形成用塗工液E>
・蛍光発色材料 0.2質量部
(ハンツマン社製、UVITEX(登録商標)NFW、25%溶液)
・PVP−VA 9.9質量部
(アイエスピー・ジャパン社製、PVP/VA E−335、50%エタノール液)
・水 20質量部
・IPA 20質量部
【0094】
<蛍光層形成用塗工液F>
・蛍光発色材料 10質量部
(ハンツマン社製、UVITEX(登録商標)NFW、25%溶液)
・PVP−VA 5質量部
(アイエスピー・ジャパン社製、PVP/VA E−335、50%エタノール液)
・水 20質量部
・IPA 20質量部
【0095】
<蛍光層形成用塗工液G>
・蛍光発色材料 1質量部
(ハンツマン社製、UVITEX(登録商標)NFW、25%溶液)
・ポリビニルピロリドン(PVP) 4.75質量部
(アイエスピー・ジャパン社製、PVP K−15)
・水 20質量部
・IPA 20質量部
【0096】
<蛍光層形成用塗工液H>
・蛍光発色材料 1質量部
(ハンツマン社製、UVITEX(登録商標)NFW、25%水溶液)
・ポリビニルアルコール(PVA) 4.75質量部
((株)クラレ製、クラレポバールPVA105)
・水 20質量部
・IPA 20質量部
【0097】
<蛍光層形成用塗工液I>
・蛍光発色材料 1質量部
(ハンツマン社製、UVITEX(登録商標)NFW、25%溶液)
・PVP−VA 7.5質量部
(アイエスピー・ジャパン社製、PVP/VA E−335、50%エタノール液)
・熱硬化性樹脂粒子(フィラー) 1質量部
((株)日本触媒製、エポスター(登録商標)S6、一次粒子径0.4μm)
・水 20質量部
・IPA 20質量部
【0098】
<蛍光層形成用塗工液J>
・蛍光発色材料 1質量部
(ハンツマン社製、UVITEX(登録商標)NFW、25%溶液)
・PVP−VA 7.5質量部
(アイエスピー・ジャパン社製、PVP/VA E−335、50%エタノール液)
・カルナバワックス 2.5質量部
(コニシ(株)製、WE−95、固形分40%)
・水 20質量部
・IPA 20質量部
【0099】
<蛍光層形成用塗工液K>
・蛍光発色材料 1質量部
(ハンツマン社製、UVITEX(登録商標)NFW、25%溶液)
・PVP−VA 7.5質量部
(アイエスピー・ジャパン社製、PVP/VA E−335、50%エタノール液)
・熱硬化性樹脂粒子 0.5質量部
((株)日本触媒製、エポスター(登録商標)S6、一次粒子径0.4μm)
・カルナバワックス 1.25質量部
(コニシ(株)製、WE−95、固形分40%)
・水 20質量部
・IPA 20質量部
【0100】
<蛍光層形成用塗工液L>
・蛍光発色材料 1質量部
(ハンツマン社製、UVITEX(登録商標)NFW、25%溶液)
・PVP−VA 6.5質量部
(アイエスピー・ジャパン社製、PVP/VA E−335、50%エタノール液)
・熱硬化性樹脂粒子 0.75質量部
((株)日本触媒製、エポスター(登録商標)S6、一次粒子径0.4μm)
・カルナバワックス 1.875質量部
(コニシ(株)製、WE−95、固形分40%)
・水 20質量部
・IPA 20質量部
【0101】
<蛍光層形成用塗工液M>
・蛍光発色材料 1質量部
(ハンツマン社製、UVITEX(登録商標)NFW、25%溶液)
・PVP−VA 6.5質量部
(アイエスピー・ジャパン社製、PVP/VA E−335、50%エタノール液)
・熱硬化性樹脂粒子 0.5質量部
((株)日本触媒製、エポスター(登録商標)S6、一次粒子径0.4μm)
・カルナバワックス 2.5質量部
(コニシ(株)製、WE−95、固形分40%)
・水 20質量部
・IPA 20質量部
【0102】
<蛍光層形成用塗工液N>
・蛍光発色材料 1質量部
(ハンツマン社製、UVITEX(登録商標)NFW、25%溶液)
・PVP−VA 6.5質量部
(アイエスピー・ジャパン社製、PVP/VA E−335、50%エタノール液)
・熱硬化性樹脂粒子 1質量部
((株)日本触媒製、エポスター(登録商標)S6、一次粒子径0.4μm)
・カルナバワックス 1.25質量部
(コニシ(株)製、WE−95、固形分40%)
・水 20質量部
・IPA 20質量部
【0103】
<蛍光層形成用塗工液O>
・蛍光発色材料 1質量部
(ハンツマン社製、UVITEX(登録商標)NFW、25%溶液)
・PVP−VA 3.5質量部
(アイエスピー・ジャパン社製、PVP/VA E−335、50%エタノール液)
・熱硬化性樹脂粒子 1.5質量部
((株)日本触媒製、エポスター(登録商標)S6、一次粒子径0.4μm)
・カルナバワックス 3.75質量部
(コニシ(株)製、WE−95、固形分40%)
・水 20質量部
・IPA 20質量部
【0104】
<蛍光層形成用塗工液P>
・蛍光発色材料 1質量部
(ハンツマン社製、UVITEX(登録商標)NFW、25%溶液)
・PVP−VA 6.5質量部
(アイエスピー・ジャパン社製、PVP/VA E−335、50%エタノール液)
・熱硬化性樹脂粒子(フィラー) 0.75質量部
((株)日本触媒製、エポスター(登録商標)S12、一次粒子径1.2μm)
・カルナバワックス 1.875質量部
(コニシ(株)製、WE−95、固形分40%)
・水 20質量部
・IPA 20質量部
【0105】
<蛍光層形成用塗工液Q>
・蛍光発色材料 1質量部
(ハンツマン社製、UVITEX(登録商標)NFW、25%溶液)
・PVP−VA 6.5質量部
(アイエスピー・ジャパン社製、PVP/VA E−335、50%エタノール液)
・熱硬化性樹脂粒子(フィラー) 0.75質量部
((株)日本触媒製、エポスター(登録商標)S、一次粒子径0.2μm)
・カルナバワックス 1.875質量部
(コニシ(株)製、WE−95、固形分40%)
・水 20質量部
・IPA 20質量部
【0106】
<蛍光層形成用塗工液R>
・蛍光発色材料 1質量部
(ハンツマン社製、UVITEX(登録商標)NFW、25%溶液)
・PVP−VA 6.5質量部
(アイエスピー・ジャパン社製、PVP/VA E−335、50%エタノール液)
・シリコーン粒子(フィラー) 0.75質量部
(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、トスパール(登録商標)120、一次粒子径2.0μm)
・カルナバワックス 1.875質量部
(コニシ(株)製、WE−95、固形分40%)
・水 20質量部
・IPA 20質量部
【0107】
<蛍光層形成用塗工液S>
・蛍光発色材料 1質量部
(ハンツマン社製、UVITEX(登録商標)NFW、25%溶液)
・PVP−VA 6.5質量部
(アイエスピー・ジャパン社製、PVP/VA E−335、50%エタノール液)
・(メタ)アクリル系樹脂粒子(フィラー) 0.75質量部
(綜研化学(株)製、MX−40T、一次粒子径0.4μm)
・カルナバワックス 1.875質量部
(コニシ(株)製、WE−95、固形分40%)
・水 20質量部
・IPA 20質量部
【0108】
<蛍光層形成用塗工液T>
・蛍光発色材料 1質量部
(ハンツマン社製、UVITEX(登録商標)NFW、25%溶液)
・PVP−VA 6.5質量部
(アイエスピー・ジャパン社製、PVP/VA E−335、50%エタノール液)
・シリカ粒子(フィラー) 0.75質量部
(信越化学工業(株)製、QCB−100、一次粒子径0.2μm)
・カルナバワックス 1.875質量部
(コニシ(株)製、WE−95、固形分40%)
・水 20質量部
・IPA 20質量部
【0109】
<蛍光層形成用塗工液U>
・蛍光発色材料 1質量部
(ハンツマン社製、UVITEX(登録商標)NFW、25%溶液)
・PVP−VA 6.5質量部
(アイエスピー・ジャパン社製、PVP/VA E−335、50%エタノール液)
・フッ素系樹脂粒子(フィラー) 0.75質量部
((株)喜多村製、KTL−500F、一次粒子径0.5μm)
・カルナバワックス 1.875質量部
(コニシ(株)製、WE−95、固形分40%)
・水 20質量部
・IPA 20質量部
【0110】
<蛍光層形成用塗工液V>
・蛍光発色材料 1質量部
(ハンツマン社製、UVITEX(登録商標)NFW、25%溶液)
・PVP−VA 6.5質量部
(アイエスピー・ジャパン社製、PVP/VA E−335、50%エタノール液)
・熱硬化性樹脂粒子 0.75質量部
((株)日本触媒製、エポスター(登録商標)S6、一次粒子径0.4μm)
・パラフィンワックス 1.875質量部
(コニシ(株)製、WE−65、固形分40%)
・水 20質量部
・IPA 20質量部
【0111】
<蛍光層形成用塗工液a>
・蛍光発色材料 1質量部
(ハンツマン社製、UVITEX(登録商標)NFW、25%溶液)
・(メタ)アクリル系樹脂 10.5質量部
(三井化学(株)製、ボンロン(登録商標)S−476、固形分45%)
・水 20質量部
・IPA 20質量部
【0112】
<蛍光層形成用塗工液b>
・蛍光発色材料 1質量部
(ハンツマン社製、UVITEX(登録商標)NFW、25%溶液)
・ポリエステル系樹脂 15.8質量部
(東洋紡(株)製、バイロナール(登録商標)MD−1500、固形分30%)
・水 20質量部
・IPA 20質量部
【0113】
<熱溶融性インキ層形成用塗工液A>
・カーボンブラック 50質量部
(三菱ケミカル(株)製、C/B#44)
・エチレン−酢酸ビニル共重合体 30質量部
(三井・デュポンポリケミカル(株)製、エバフレックス(登録商標)EV250)
・合成石油樹脂 20質量部
(東洋アドレ(株)製、セラマー1608)
・MEK 10質量部
・トルエン 200質量部
【0114】
<熱溶融性インキ層形成用塗工液B>
・酸化チタン 60質量部
(石原産業(株)製、R−630)
・エチレン−酢酸ビニル共重合体 20質量部
(三井デュポンケミカル(株)製、エバフレックス(登録商標)EV250)
・合成石油樹脂 20質量部
(東洋アドレ(株)製、セラマー1608)
・MEK 40質量部
・トルエン 60質量部
【0115】
<熱溶融性インキ層形成用塗工液C>
・カーボンブラック 50質量部
(三菱ケミカル(株)製、C/B#44)
・エチレン−酢酸ビニル共重合体 30質量部
(三井・デュポンポリケミカル(株)製、エバフレックス(登録商標)EV250)
・テルペンフェノール 20質量部
(ヤスハラケミカル(株)製、YSポリスターT100)
・MEK 10質量部
・トルエン 200質量部
【0116】
<熱溶融性インキ層形成用塗工液D>
・カーボンブラック 50質量部
(三菱ケミカル(株)製、C/B#44)
・エチレン−酢酸ビニル共重合体 30質量部
(三井・デュポンポリケミカル(株)製、エバフレックス(登録商標)EV250)
・テルペンフェノール 20質量部
(ヤスハラケミカル(株)製、YSポリスターT100)
・MEK 10質量部
・トルエン 200質量部
【0117】
<熱溶融性インキ層形成用塗工液E>
・カーボンブラック 50質量部
(三菱ケミカル(株)製、C/B#44)
・エチレン−酢酸ビニル共重合体 30質量部
(三井・デュポンポリケミカル(株)製、エバフレックス(登録商標)EV250)
・パラフィンワックス 20質量部
(日本精蝋(株)製、HNP−10)
・シリカ 10質量部
(日本アエロジル(株)製、アエロジルR972)
・MEK 10質量部
・トルエン 200質量部
【0118】
<熱溶融性インキ層形成用塗工液a>
・カーボンブラック 45質量部
(三菱ケミカル(株)製、C/B#44)
・蛍光発色材料 10質量部
(DOUBLE BOND CHEMICAL社製、DOUBLETEX OB)
・エチレン−酢酸ビニル共重合体 27質量部
(三井・デュポンポリケミカル(株)製、エバフレックス(登録商標)EV250)
・合成石油樹脂 18質量部
(東洋アドレ(株)製、セラマー1608)
・MEK 10質量部
・トルエン 200質量部
【0119】
<熱溶融性インキ層形成用塗工液b>
・カーボンブラック 35質量部
(三菱ケミカル(株)製、C/B#44)
・蛍光発色材料 30質量部
(DOUBLE BOND CHEMICAL社製、DOUBLETEX OB)
・エチレン−酢酸ビニル共重合体 21質量部
(三井・デュポンポリケミカル(株)製、エバフレックス(登録商標)EV250)
・合成石油樹脂 14質量部
(東洋アドレ(株)製、セラマー1608)
・MEK 10質量部
・トルエン 200質量部
【0120】
実施例1
厚さ4.5μmの二軸延伸PETフィルムの一方の面に、上記背面層形成用塗工液を塗布、乾燥し、厚さ0.06μmの背面層を形成させた。
【0121】
次に、PETフィルムの他方の面に、上記剥離層形成用塗工液Aを塗布、乾燥し、厚さ0.70μmの剥離層を形成させた。
【0122】
上記のようにして形成した剥離層上に、上記蛍光層形成用塗工液Aを塗布、乾燥し、厚さ0.40μmの蛍光層を形成させた。
【0123】
上記のようにして形成した蛍光層上に、上記熱溶融性インキ層形成用塗工液Aを塗布、乾燥し、厚さ0.80μmの熱溶融性インキ層を形成させ、熱転写シートを得た。
【0124】
実施例2〜38及び比較例1〜4
剥離層形成用塗工液、蛍光層形成用塗工液及び/又は熱溶融性インキ層形成用塗工液を、表4に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして、熱転写シートを得た。
なお、実施例9においては、熱溶融性インキ層の厚さも変更した。また、比較例1及び2においては、蛍光層を設けなかった。
【0125】
<<蛍光強度比の測定>>
上記実施例1において得られた熱転写シートに対し、基材を中心として、熱溶融性インキ層が設けられた側から励起波長365nmの紫外線を照射し、蛍光層を発光させ、紫外線を照射した側から、蛍光分光光度計(日本分光(株)製、FP−6600)にて470nmの蛍光強度を測定したところ、5であった。
次いで、熱転写シートに対し、基材を中心として、熱溶融性インキ層が設けられていない側から同様に紫外線を照射し、蛍光強度を測定したところ、32であった。
基材を中心として、熱転写シートの熱溶融性インキ層が設けられた側から紫外線を照射して測定した蛍光強度Aと、基材を中心として、熱転写シートの熱溶融性インキ層が設けられていない側から紫外線を照射して測定した蛍光強度Bとの比(B/A)は、6.40(32/5)であった。その他の実施例及び比較例においても、蛍光強度比を同様に測定、算出し、表4にまとめた。
【0126】
<<蛍光強度試験>>
上記実施例及び比較例において得られた熱転写シート、及び被転写体として二軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルムと無軸延伸ポリプロピレン(CPP)フィルムとの積層フィルム(以下、OPP−CPP積層フィルムという。)を用いて、OPP−CPP積層フィルムのOPPフィルム面側に、2ドットの文字パターン及びバーコードを印字した。
なお、溶融熱転写型プリンターとしては、解像度300dpiのサーマルヘッドを備えるMarkem Imaje社製のSD3Cを、印字スピード15m/分、印字濃度(Darkness)130%の条件にて使用した。
【0127】
上記のようにして印字した文字パターン及びバーコードに対して、励起波長365nmの紫外線を照射し、発光させ、紫外線を照射した側から、蛍光分光光度計(日本分光(株)製、FP−6600)にて470nmの蛍光強度を測定し、下記評価基準に従い評価した。評価結果を表4にまとめた。なお、蛍光強度の値についても合わせて表4にまとめた。
(評価基準)
A:蛍光強度が15以上であった。
B:蛍光強度が10以上、15未満であった。
NG:蛍光強度が10未満であった。
【0128】
<<高速転写適性試験>>
蛍光強度試験における溶融熱転写型プリンターに替え、解像度300dpiのサーマルヘッドを備えるMarkem Imaje社製のSDX60を使用し、印字濃度(Darkness)130%、印字スピードを表1に示されるスピードに変更し、蛍光強度試験同様、OPP−CPP積層フィルムのOPPフィルム面側に、2ドットの文字パターン及びバーコードを印字した。
このようにして印字した文字パターン及びバーコードの状態を目視により確認し、下記評価基準に従い高速転写適性を評価した。評価結果を表4にまとめた。
(評価基準)
A:抜け、かすれがない文字パターン及びバーコードを印字することができていた。
B:印字された文字パターン及びバーコードにわずかに抜け、かすれがあった。
NG:印字された文字パターン及びバーコードに抜け、かすれがあった。
【0129】
<<耐擦過性試験>>
蛍光強度試験において印字されたバーコードを人差し指にて3往復擦過し、次いで、励起波長365nmの紫外線を照射し、発光させた。印字されたバーコードの耐擦過性を下記評価基準に従い評価した。評価結果を表4にまとめた。
(評価基準)
A:バーコード印字した箇所以外の発光は見られなかった。
B:擦過により蛍光発色材料がとられて若干非印字領域を汚染し、バーコードを印字した箇所以外が若干発光するが、バーコードの視認は可能であった。
NG:擦過により蛍光発色材料がとられて非印字領域を汚染し、バーコードを印字した箇所以外も発光し、バーコード視認が難しい。
【0130】
<<余剥離防止性試験>>
上記実施例及び比較例において得られた熱転写シート、及び被転写体として、OPP−CPP積層フィルム及び解像度300dpiのサーマルヘッドを備える溶融熱転写型プリンター(Markem Imaje社製、SD3C)を準備した。
OPP−CPP積層フィルムのOPPフィルム面側に、印字スピード30m/分、印字濃度(Darkness)130%の条件で、熱転写シートが備える転写層を転写し、文字パターン「8」を10個形成した。印字されたパターンを目視により観察し、下記評価基準に従い、熱転写シートの余剥離防止性を評価した。評価結果を表4にまとめた。
(評価基準)
A:形成された印字パターンにつぶれがなく、熱転写シートが高い余剥離防止性を有することが確認できた。
B:印字した10個の印字パターン「8」のうち、
図3に示すような、つぶれが生じているものが2個以下であり、実用上問題なかった。
C:印字した10個の印字パターン「8」のうち、
図3に示すような、つぶれが生じているものが3個以上であり、熱転写シートの余剥離防止性に問題があった。
【0131】
<<耐ブロッキング性試験>>
上記実施例及び比較例において得られた熱転写シートをそれぞれ2枚用意し、熱溶融性インキ層と、背面層とが向き合うように重ね合わせ、1.176MPaの圧をかけ、45℃において24時間静置した。静置後、2枚の熱転写シートを剥がし、下記評価基準に従い、熱転写シートの耐ブロッキング性を評価した。評価結果を表4にまとめた。
(評価基準)
A:2枚の熱転写シートを容易に剥がすことができた。
B:熱溶融性インキ層と背面層とが貼り付いており、2枚の熱転写シートを剥がすのに力を加える必要があった。
C:熱溶融性インキ層と背面層とが強く貼り付いており、2枚の熱転写シートを剥がすことができなかった。
【0132】
【表1】
【0133】
【表2】
【0134】
【表3】
【0135】
【表4】