【実施例】
【0065】
実験手順
工程A:ER-118046からER-811475への変換
方法A1:
ER-811475:(1R,2S,3S,4S,5S,6RS,11S,14S,17S,19R,21R,23S,25R,26R,27S,31R,34S)-25-[(2S)-2,3-ジヒドロキシプロピル]- 2,5-ジヒドロキシ-26-メトキシ-19-メチル-13,20-ビス(メチレン)-24,35,36,37,38,39-ヘキサオキサヘプタシクロ[29.3.1.13,6.14,34.111,14.117,21.023,27]ノナトリアコンタン-8,29-ジオン
【化22】
n-ヘプタン中のER-118046(0.580 kg、0.439 mol、1当量)を真空下(in vacuo)、50℃以下で濃縮した。残留物を無水テトラヒドロフラン(THF)(19.7 L)中に溶解し、イミダゾール塩酸塩(0.142 kg、1.36 mol、3.1当量)で緩衝したフッ化テトラブチルアンモニウム(TBAF)(THF中1.0 M溶液、2.85 L、2.85 mol、6.5当量)で、10-25℃において処理した。C34/C35-ジオールのレベル(3%以下)を確認した後、トルエン(7.6kg)及び水(8.7 kg)を抽出のために添加した。水層を分離し、トルエン(5.0 kg)及びTHF(5.2 kg)で抽出が行った。水層は流出させ、有機層は最初の抽出物と合わせた。合わせた有機層は真空下、35℃以下で濃縮した。濃縮時に、遊離のペンタオールはER-811475及びER-811474に変換された。残りの遊離ペンタオールのレベルが5%以上の場合は、アセトニトリル(ACN)(3.3 kg)及び水(0.42 kg)が添加され、レベルが5%未満に下がるまで、真空下に35℃未満で共沸蒸留した。完了後、残留物をさらに真空中、35℃以下においてアセトニトリル(4.6 kg)で共沸蒸留した。残留物はジクロロメタン(7.7 kg)で希釈し、真空下に35℃未満で共沸蒸留し、ER-811475とER-811474の混合物(4:1)を得た。
【0066】
方法A2:
【化23】
n-ヘプタン中のエノンER-118046(135 g)の溶液を、真空下に41℃又はそれ未満で濃縮した。残留物を無水テトラヒドロフラン(THF)(2.03 L)及びN,N-ジメチルアセトアミド(675 mL)に溶解し、次いで16℃から18℃において、イミダゾール塩酸塩(31.5g)で緩衝したフッ化テトラブチルアンモニウム(TBAF)(THF中0.97 mol/L溶液、685 mL)で処理した。この混合物は16℃から18℃で47時間撹拌し、反応の進行をHPLCでモニターした。反応中間体であるC34/C35-ジオールの残存レベルが3%又はそれ未満となった後、アセトニトリル(608 mL)及び水(203 mL)を添加した。遊離のペンタオールの残存レベルが5%未満に低下するまで、混合物を16℃から18℃で45時間撹拌した。ER-811475/ER-811474を含む反応混合物(二つのジアステレオマーの18:1の混合物)は、さらに精製を行うことなしに次の工程で使用しうる。
【0067】
工程B:ER-811475からER-076349へのケタール化
方法B1:
ER-076349:(1S,3S,6S,9S,12S,14R,16R,18S,20R,21R,22S,26R,29S,31R,32S,33R,35R,36S)-20-[(2S)-2,3-ジヒドロキシプロピル]-21-メトキシ-14-メチル-8,15-ビス(メチレン)-2,19,30,34,37,39,40,41-オクタオキサノナシクロ[24.9.2.13,32.13,33.16,9.112,16.018,22.029,36.031,35]ヘンテトラコンタン-24-オン
【化24】
ER-811474との混合物中のER-811475(0.329 kg、0.439 mol、1当量)をジクロロメタン(DCM;7.7 kg)中に溶解し、ジクロロメタン(1.7 kg)中のピリジニウムp-トルエンスルホネート(PPTS; 0.607 kg、2.42 mol、5.5当量)溶液で10-20℃において処理した。得られた混合物を10-20℃で撹拌した。主たるジアステレオマーは反応してジオールであるER-076349をもたらし、より少量のジアステレオマーER-811474は未反応のままであった。ER-811475の残存レベルが1%を超えている場合は、ジクロロメタン(0.15 kg)中の追加のPPTS(0.055 kg)を添加し、10-20℃で反応を継続させた。完了後、反応混合物は直接、メチルt-ブチルエーテル(MTBE)(200 L)で予備平衡したシリカゲルカラムに入れた。また反応容器はジクロロメタン(3.1 kg)で洗浄し、洗液をカラムに入れた。カラムは順次、(1)メチルt-ブチルエーテル(125 L)、(2)アセトニトリル(125 L)中96% v/vのメチルt-ブチルエーテル、(3)アセトニトリル(250 L)中50% v/vのメチルt-ブチルエーテル、及び(4)アセトニトリル(225 L)で溶出させた。所望の画分を合わせ、真空下に35℃未満で濃縮し、アセトニトリル(4.6 kg)で真空下に35℃未満で共沸蒸留した。残存物はアセトニトリル(0.32 kg)及び水(0.54 kg)で溶解し、ER-076349の種結晶(0.27 g、0.36 mmol)と追加の水(2.70 kg)を用いて結晶化を行った。得られた結晶をろ過し、結晶溶媒に対する回収率が80%以上になるまで、ろ液の重量をモニターした。結晶をさらに水(2.7 kg)で洗浄し、ジクロロメタン(10.8 kg)中に溶解し、溶液を真空下、25℃以下で濃縮した。残留物はアセトニトリル(2.1 kg)で希釈し、真空下に40℃以下で濃縮してER-076349を得た(ER-118046から55-75%の収率)。
【0068】
方法B2:
【化25】
ER-811475(ER-811474との混合物中)に対し、イミダゾール塩酸塩(85.5 g)の水溶液(68 mL)を添加した。この溶液を真空下、28℃又はそれ未満で濃縮した。残留物をエタノール(2.69 kg)に溶解した。得られた混合物を21℃から24℃で、43時間撹拌した。主たるジアステレオマー(ER-811475)は反応してジオールであるER-076349をもたらし、より少量のジアステレオマー(ER-811474)は未反応のままであった。この反応は、ER-811475の消失に関してHPLCによってモニターした。ER-811475の残存レベルが1%未満になった後、溶液を真空下に37℃又はそれ未満で濃縮した。トルエン(1.35L)を添加し、溶液を真空下に37℃又はそれ未満で共沸蒸留した。テトラヒドロフラン(THF)(4.20 kg)、トルエン(1.76 kg)、及び水(2.03 L)を添加して抽出を行った。水層を分離し、有機層を水(1.01 L)で洗浄した。水層は合わせて、トルエン(1.18 kg)及びTHF(1.20 kg)で抽出した。水層を流出させ、有機層を最初の抽出物と合わせた。この合わせた有機層は真空下に37℃又はそれ未満で濃縮した。トルエン(675mL)を添加し、溶液を真空下、38℃又はそれ未満において共沸蒸留した。濃縮物をジクロロメタン(1.01 L)で希釈し、メチルt-ブチルエーテル(55.1 Lより多い)で予備平衡したシリカゲルカラム(5.511 kg)へと入れた。カラムは順次、メチルt-ブチルエーテル(40.8 L)、アセトニトリル(24.9 L)中 95% v/vのメチルt-ブチルエーテル、アセトニトリル(83.6 L)中40% v/vのメチルt-ブチルエーテル、及びアセトニトリル(76.3 L)で溶出させて、ER-804028から未反応中間体. 反応不純物、及びキャリーオーバー不純物を除去する。所望とする画分は合わせられ、真空下で32℃又はそれ未満で濃縮されて、ER-076349が与えられる(分析値62.02g、2工程での収率84.0%)。残留物は真空下、29℃又はそれ未満でアセトニトリルと共沸蒸留され、さらに精製することなく次の工程で使用可能である。
【0069】
工程C及びD:ER-076349のエリブリンへの変換
方法C2+D2:
エリブリン:(1S,3S,6S,9S,12S,14R,16R,18S,20R,21R,22S,26R,29S,31R,32S,33R,35R,36S)-20-[(2S)-3-アミノ-2-ヒドロキシプロビル]-21-メトキシ-14-メチル-8,15-ビス(メチレン)-2,19,30,34,37,39,40,41-オクタオキサノナシクロ[24.9.2.13,32.13,33.16,9.112,16.018,22.029,36.031,35]ヘンテトラコンタン-24-オン
【化26】
ER-076349(0.259 kg、0.354 mol、1当量)がトルエン(4.7 kg)中に溶解され、真空下に25℃未満で共沸蒸留された。残留物をトルエン(4.5 kg)で希釈して、水分量をモニターするためのトルエン溶液を得た。水分量は、カール-フィッシャー(KF)滴定法により測定した。KF値が125 ppmを超える場合は、水分量が125 ppm以下に低下するまで、溶液を真空下に25℃未満で共沸蒸留し、トルエン(4.5kg)で希釈した。KF値が目標値に達したら、溶液を濃縮し、無水ジクロロメタン(6.5 kg)中に溶解した。無水ジクロロメタン(84.1g)中の2,4,6-コリジン(0.172 kg、1.27 mol、4当量)及びピリジン(0.0014 g、0.018 mol、0.05当量)を添加し、混合物を冷却した。この反応混合物に対し、無水ジクロロメタン(3.4 kg)中のTs
2O(0.124 kg、0.380 mol、1.07当量)溶液を、反応温度が-10℃以下を維持する速度で添加し、混合物を-10℃以下で撹拌した。ER-076349の残存量が3%未満となるか、対応するビス-トシレートの生成が4%を超えたら、水(1.0 kg)を添加して反応混合物を急冷した。混合物を加温し、次いでイソプロピルアルコール(IPA)(20.5 kg)及び水酸化アンモニウム(NH
4OH; 25.7 kg)を連続して、10-30℃で添加した。エポキシドが完全に消費されたら(目標0.85%以下、必要ならNH
4OHを余分に添加)、反応混合物を真空下、30℃未満で濃縮した。その残留物に対し、ジクロロメタン(20.7 kg)と、十分な量の緩衝液NaHCO
3/Na
2CO
3/水(9/9/182 w/w/w、5.166 kgを超えない)を添加し、抽出を行った。有機層を分離し、水層をジクロロメタン(8.6 kg)で抽出した。有機層を分離し、最初の抽出物と合わせた。合わせた有機層を真空下、30℃未満で濃縮した。濃縮物をアセトニトリル(4.0 kg)で希釈し、次いでアセトニトリル(200 L)で予備平衡させたシリカゲルカラムに入れた。カラムは順次、(1)アセトニトリル(100 L)、(2)90.0/7.5/2.5 v/v/vのアセトニトリル/水/200 mMのNH
4OAc水溶液(152.4 L)、(3)85.8/11.7/2.5 v/v/vのアセトニトリル/水/200 mMのNH
4OAc水溶液(152.4 L)、(4)83.5/14.0/2.5 v/v/vのアセトニトリル/水/200 mMのNH
4OAc水溶液(152.6 L)、及び(5)80.0/17.6/2.4 v/v/vのアセトニトリル/水/200 mMのNH
4OAc水溶液(100.2 Lより多い)で溶出させた。所望の画分を合わせ、NH
4OHを添加して内部pHを5.5-9.0に維持しながら、真空下に40℃以下で濃縮した。この残留物に対し、ジクロロメタン(13.9 kg)及び十分な量の緩衝液NaHCO
3/Na
2CO
3/水(9/9/182 w/w/w、15.51 kgを超えない)を添加し、抽出を行った。有機層を分離し、水層をジクロロメタン(8.7 kg)で抽出した。有機層を分離し、最初の抽出物と合わせた。合わせた有機層は真空下、30℃未満で濃縮した。残留物はn-ペンタン(6.12 kg)中75% v/vの無水ジクロロメタンに溶解し、ろ過した。ろ液は真空下に30℃未満で濃縮し、アセトニトリル(2.1kg)で希釈し、真空下に35℃以下で濃縮してエリブリンを得た(収率75-95%)。
【0070】
方法C3+D1:
【化27】
MsCl(CH
2Cl
2中0.3 M、98 μL、0.030 mmol)を0℃において、2,4,6-コリジン(7 μL、0.054 mmol)、ER-076349(20.8 mg、0.028 mmol)、及びCH
2Cl
2 (1 mL)の混合物に対し、40分間かけて滴下して添加した。4℃で76時間後、NaHCO
3の飽和水溶液-ブラインの1:4混合物で反応を急冷し、CH
2Cl
2で抽出を4回行った。抽出物を合わせてNa
2SO
4で乾燥し、濃縮した。粗生成物をトルエン(3 mL)中に溶解し、濃縮し、分取TLC(1.5% MeOH-EtOAc)によって精製して、メシル酸塩B-2294を得た(21.4 mg、95%)。テトラ-n-ブチルアンモニウムアジド(ジメチルホルムアミド中0.2 M、0.5 mL、0.10 mmol)を室温で、ジメチルホルムアミド(2 mL)中のメシル酸塩B-2294溶液(21.4 mg、0.026 mmol)に添加し、83℃に加温した。83℃で3.5時間撹拌した後、反応混合物を室温まで冷却し、トルエンで希釈し、濃縮し、分取TLC (80% 酢酸エチル-ヘキサン) で精製して、B-1922を得た (18 mg、92%)。THF (3.2 mL)中のアジ化B-1922(24.6 mg、0.032 mmol)溶液に対し、室温でMe
3P(テトラヒドロフラン中1 M)及びH
2O (0.8 mL) を連続的に添加した。混合物を22時間撹拌し、トルエンで希釈し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィ[ステップ勾配は、10% MeOH-EtOAcに続いてMeOH-EtOAc-30%NH
4OH水溶液(9:86:5)]によって精製し、所望とする一級アミン(23.3 mg)を得た。これは
1H-NMRによれば、〜1%のトリメチルフォスフィンオキシドを含んでいた。ベンゼンから凍結乾燥し、高圧下に2日間放置するとエリブリンが得られた(20.3 mg、87%)。
【0071】
方法C4+D2:
【化28】
ジオールER-076349(58.3 g)をアセトニトリル(935 mL)中に溶解させた。アセトニトリル(117 mL)中のジブチル錫オキシド(0.99 g)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(28.5mL)の懸濁液を添加した。アセトニトリル(117 mL)中TsCl(30.5 g)の溶液をこの反応混合物へと、反応温度を26℃から28℃に維持する速度で添加し、混合物を26℃から28℃で撹拌した。HPLCにより、ER-076349の消費に関して反応をモニターした。ER-076349の残存レベルが3%未満となり反応時間が27時間を超えた後、15℃から20℃でイソプロピルアルコール(IPA)(4.58 kg)及び水酸化アンモニウム(5.82 kg)を連続添加した。混合物を15℃から20℃で66時間撹拌し、反応中間体ER-809681の消費に関して反応をHPLCでモニターした。ER-809681の残存レベルが0.85%又はそれ未満に達した後、反応混合物を真空下、29℃又はそれ未満で濃縮した。この残留物に対し、ジクロロメタン(4.64 kg)及び十分な量のNaHCO
3/Na
2CO
3/水の緩衝液(9/9/182 w/w/w)(530 mL)を添加し、抽出を行った。有機層を分離し、水層をジクロロメタン(1.94 kg)で抽出した。この有機層を分離し、最初の抽出物と合わせた。合わせた有機層は真空下、25℃又はそれ未満で濃縮した。濃縮物はアセトニトリル(1.17 L)で希釈し、次いで、アセトニトリル(55.1 L超)で予備平衡したシリカゲルカラム(5.511 kg)に入れた。カラムは順次、アセトニトリル(29.6 L)、90.0/7.5/2.5 v/v/vのアセトニトリル/水/200 mMのNH
4OAc水溶液(46.2 L)、 85.8/11.7/2.5 v/v/vのアセトニトリル/水/200 mMのNH
4OAc水溶液(45.8 L)、83.5/14.0/2.5 v/v/vのアセトニトリル/水/200 mMのNH
4OAc水溶液(46.5 L)、80.0/17.6/2.4 v/v/vのアセトニトリル/水/200 mMのNH
4OAc水溶液(29.8 L)で溶出させて、未反応中間体及び反応不純物を除去した。所望とする画分は合わせて、水酸化アンモニウムを添加して内部pHを5.5から9.0に維持しながら、真空下に36℃又はそれ未満で濃縮した。その残留物に対し、ジクロロメタン(3.98 kg)及び十分な量のNaHCO
3/Na
2CO
3/水の緩衝液(9/9/182 w/w/w)(2.02 kg)を添加し、抽出を行った。有機層を分離し、水層をジクロロメタン(2.48 kg)で抽出した。その有機層を分離し、最初の抽出物と合わせた。合わせた有機層は真空下に、24℃又はそれ未満で濃縮した。残留物はn-ペンタン(1.03 L)中75% v/vの無水ジクロロメタンで希釈し、ろ過した。ろ液は真空下に25℃又はそれ未満で濃縮し、エリブリンを得た。残留物はアセトニトリル(392 mL)とジクロロメタン(69 mL)で希釈して、エリブリンのアセトニトリル/ジクロロメタン溶液(分析値49.11g、補正収率85.3%)を得た。この溶液は真空下に29℃又はそれ未満で濃縮して、次の工程に用いた。
【0072】
エリブリンの塩化
エリブリンメシレートへの塩化:
エリブリンメシレート:(2R,3R,3aS,7R,8aS,9S,10aR,11S,12R,13aR,13bS,15S,18S,21S,24S,26R,28R,29aS)-2-[(2S)-3-アミノ-2-ヒドロキシプロピル]-3-メトキシ-26-メチル-20,27-ジメチリデンヘキサコサヒドロ-11,15:18,21:24,28-トリエポキシ-7,9-エタノ-12,15-メタノ-9H,15H-フロ[3,2-i]フロ[2',3':5,6]ピラノ[4,3-b][1,4]ジオキサシクロペンタコシン-5(4H)-オンメタンスルホネート
【化29】
ER-086526-00(46.68 g)をアセトニトリル(591 mL)及び水(31 mL)に溶解し、アセトニトリル(624mL)中のメタンスルホン酸(MsOH、4.09 mL)及びNH
4OH(187 mL)の溶液で処理する。この混合物は真空下に24℃又はそれ未満で濃縮し、無水アセトニトリル(234 mL)を用いて真空下に24℃又はそれ未満で繰り返して共沸蒸留し、水を除去した。残留物はn-ペンタン(1.10 L)中75% v/vの無水ジクロロメタンに溶解し、ろ過した。ろ液は真空下に24℃又はそれ未満で濃縮した。残留物はn-ペンタン(1.16 L)中、50% v/vの無水ジクロロメタンに溶解し、この溶液はフィルタを介して、別の反応容器に入れた無水ペンタン(3.26 kg)中に移した。得られた沈殿物を29時間撹拌した。沈殿物をろ過し、n-ペンタン(2.92 kg)で洗浄し、残留溶媒レベルが目標値:n-ペンタン≦25000 ppm、2-メチルブタン≦1000 ppm、2,2-ジメチルブタン≦1000 ppm、及びシクロペンタン≦1000 ppmに達するまで、真空中に窒素流の下で乾燥した。乾燥後、沈殿物を真空中に混合してエリブリンメシレートを得た(総量45.95 g、補正収率83.8%)。この製剤原料はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のボトルに入れた。PTFEボトルはアルミニウムでラミネートした袋中に包装した。
【0073】
他の実施形態
当業者には、本発明の範囲及び思想から逸脱することなしに、本発明について記載した方法の種々の修正及び変更を行いうることが明らかであろう。本発明は特定の実施形態について説明したが、請求の範囲に記載した発明は、そうした実施形態へと不当に限定されるものでないことが理解されるべきである。実際に、関連技術の当業者にとって自明な、本発明を実施するための記述された態様の種々の変更は、本発明の範囲内にあることが意図されている。