(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
バインダー樹脂中のアクリル樹脂(A)とセルロース樹脂との質量比(アクリル樹脂/セルロース樹脂)が、40/60〜90/10であることを特徴とする請求項2に記載のグラビアインキ。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限り、これらの内容に限定されない。まず、本明細書で使用する用語について説明する。「グラビアインキ」は、「インキ」と略記することがある。「ガラス転移温度が30〜100℃のアクリル樹脂(A)」は、「アクリル樹脂(A)」と略記することがある。「アクリル樹脂の硬化物および/またはシリカにより被覆された被覆層を有する金属粒子(B)」は、「被覆金属粒子(B)」または、「金属粒子(B)」と略記することがある。また、「Tg」はガラス転移温度を、「Mw」は重量平均分子量を、「Mn」は数平均分子量をそれぞれ表す。
【0018】
本発明は、バインダー樹脂
、有機溶剤および顔料を含み、下記(1)、(2)および(3)を満たすグラビアインキに関するものである。
(1)バインダー樹脂は、ガラス転移温度が30〜100℃
であり、酸価が10mgKOH/g以下であるアクリル樹脂(A)を含有する。
(2)顔料は、少なくともアクリル樹脂の硬化物および/またはシリカにより被覆された被覆層を有する
、平均粒子径が5〜20μmである金属粒子(B)を含有する。
(3)バインダー樹脂と顔料との質量比(バインダー樹脂/顔料)が、90/10〜20/80である。
【0019】
<バインダー樹脂>
本発明のグラビアインキは、バインダー樹脂を含有する。バインダー樹脂は、グラビアインキ100質量%中、3〜20質量%含有することが好ましく、4.5〜15質量%で含有することがより好ましい。
【0020】
<アクリル樹脂(A)>
本発明のグラビアインキには、バインダー樹脂として、ガラス転移温度が30〜100℃のアクリル樹脂(A)が含まれる。なお、アクリル樹脂(A)は有機溶剤に可溶である。アクリル樹脂(A)は、プラスチック基材との親和性が高く、バインダー樹脂として用いることにより、基材との密着性の高いインキが得られる。また、後述するアクリル樹脂の硬化物および/またはシリカにより被覆された被覆層を有する金属粒子(B)との親和性も良好で、金属粒子(B)が沈降しにくく、また外観が良好でラミネート強度の高い積層体を得ることができる。
【0021】
本明細書において、「アクリル樹脂(A)」とは、アクリルモノマーを構成単位に有する重合体を意味する。また、「アクリルモノマー」とは、アクリル基またはメタクリロイル基を有するモノマーを意味し、「メタクリルおよびアクリル」を総称して「(メタ)アクリル」と略記することがある。また、「メタクリレートおよびアクリレート」を総称して「(メタ)アクリレート」と略記することがある。
【0022】
アクリル樹脂(A)は、バインダー樹脂100質量%中、40質量%以上含有することが好ましく、50〜95質量%で含有することがより好ましく、70〜90質量%で含有することが更に好ましい。
【0023】
以下、アクリル樹脂(A)を構成するアクリルモノマーについて列記する。尚、アクリルモノマーは、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0024】
例えば、アルキル(メタ)アクリレートとして、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシルなどが挙げられる。これらの中でも(メタ)アクリル酸メチルが、基材に対して良好な密着性を得やすいという点から好ましい。
【0025】
例えば、水酸基含有アルキル(メタ)アクリレートとして、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルや、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレートなどのグリコールモノ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチルアクリルアミドなどが挙げられる。これらの中でも(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルが好ましい。
【0026】
例えば、カルボキシル基含有アクリルモノマーとして、(メタ)アクリル酸、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート、p−カルボキシベンジルアクリレート、エチレンオキサイド変性(付加モル数:2〜18)フタル酸アクリレート、フタル酸モノヒドロキシプロピルアクリレート、コハク酸モノヒドロキシエチルアクリレート、アクリル酸β−カルボキシエチル、アクリル酸2−(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)エチルなどが挙げられる。
【0027】
例えば、アミド結合基含有アクリルモノマーとして、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミドなどが挙げられる。
【0028】
例えば、アミノ基含有アクリルモノマーとして、(メタ)アクリル酸モノメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノプロピルなどが挙げられる。
【0029】
例えば、アルキレンオキサイド基含有アクリルモノマーとしては、アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸2−エトキシエチル、アクリル酸2−フェノキシエチル、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0030】
例えば、芳香環含有アクリルモノマーとして、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシメチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ‐3‐フェノキシプロピル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0031】
例えば、エポキシ基含有アクリルモノマーとして、グリシジル(メタ)アクリレート、α−メチルグリシジルアクリレート、α−メチルグリシジルメタクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレートなどが挙げられる。
【0032】
本発明における、アクリル樹脂(A)は本発明の効果を損なわない範囲でアクリルモノマー以外のモノマーをアクリル樹脂(A)の構成単位として含んで良い。例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、モノエチルマレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、及びフマル酸などの酸性モノマー、スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系モノマーなどが挙げられる。
【0033】
アクリル樹脂(A)は、酸価を有していてもよいが、酸価は20mgKOH/g以下であることが好ましい。酸価が20mgKOH/g以下であることで、インキ被膜および積層体の耐久性を更に向上することができる。酸価は10mgKOH/g以下であることがより好ましい。アクリル樹脂(A)に酸価を付与する方法としては、酸価を有するアクリルモノマーと他のアクリルモノマーとを共重合することにより得られる。酸価を有するアクリルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−コハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−ヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−フタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルアシッドフォスフェートなどがあげられ、中でも(メタ)アクリル酸を用いることが好ましい。
【0034】
アクリル樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)は30〜100℃の範囲であり、35〜90℃であることが好ましく、40℃〜80℃であることがより好ましい。ガラス転移温度が30℃以上であることにより、耐擦傷性と耐摩耗性が向上し、100℃以下であることにより、良好な成型性が保たれる。
【0035】
アクリル樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)は、20,000〜300,000であることが好ましい。重量平均分子量を20,000以上とすることにより、後述の金属粒子(B)の沈降を抑制し、更に成型性と表面硬度を兼ね備えることができる。質量平均分子量が300,000以下であることにより、耐薬品性の良好なグラビアインキを得ることができる。
【0036】
アクリル樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比である分散度(Mw/Mn)は、1.5〜10であることが好ましく、2〜9であることがより好ましく、2.5〜8であることがさらに好ましい。尚、重量平均分子量および数平均分子量は、GPC測定により求めることができる。
【0037】
<セルロース樹脂>
バインダー樹脂は、更にセルロース樹脂を含有することが好ましい。セルロース樹脂は、酸化や薬品浸蝕による金属粒子(B)の劣化を抑制する。なお、アクリル樹脂(A)とセルロース樹脂の合計はバインダー樹脂100質量%中、50〜100質量%で含有することが好ましい。また、アクリル樹脂(A)とセルロース樹脂の比率(アクリル樹脂(A)/セルロース樹脂)は40/60〜90/10であることが好ましく、50/50〜80/20であることがより好ましい。
【0038】
セルロース樹脂としては、例えば、ニトロセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース等が挙げられ、上記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられ、更にアルキル基が置換基を有していても良い。中でも、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなどのセルロースアセテートアルキネート、およびニトロセルロースが好ましい。重量平均分子量は、5,000〜1,000,000のものが好ましく、10,000〜200,000が更に好ましい。また、ガラス転移温度が100℃〜160℃であるものが好ましい。
【0039】
バインダー樹脂は、性能に支障を来さない範囲でその他の樹脂を併用しても良く、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、スチレン−マレイン酸樹脂、無水マレイン酸樹脂、マレイン酸樹脂、酢酸ビニル樹脂、ロジン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、シクロオレフィン樹脂、アルキッド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、テルペン樹脂、フェノール変性テルペン樹脂、ケトン樹脂、環化ゴム、塩化ゴム、ブチラール樹脂、石油樹脂、シリコーン樹脂およびこれらの変性樹脂などを挙げることができる。なお、これらの樹脂はバインダー樹脂100質量%中、20%以下で使用することが好ましい。
【0040】
<顔料>
顔料は、インキ100質量%中、5〜50質量%含有することが好ましい。またバインダー樹脂と顔料の固形分質量比率(バインダー樹脂/顔料)は90/10〜20/80である。
【0041】
<アクリル樹脂の硬化物および/またはシリカにより被覆された被覆層を有する金属粒子(B)>
本発明で用いる顔料は、アクリル樹脂の硬化物および/またはシリカにより被覆された被覆層を有する金属粒子(B)を含有する。その他有色顔料と混合して、様々な色合いを呈することが可能となる。例えば、黄色顔料と組み合わせるとゴールド(金色)の色合いとなる。顔料100質量%中、金属粒子(B)は、50〜100質量%で含有することが好ましい。また、金属粒子(B)中の金属粒子の含有率は、75〜99質量%が好ましく、80〜97質量%がより好ましい。従って、顔料100質量%中に含まれる金属粒子の含有量は、60〜99質量%が好ましく、70〜97質量%がより好ましい。
【0042】
金属粒子(B)中の金属粒子としては、アルミニウム、鉄、亜鉛、スズ、銀、金、ステンレス鋼、銅、黄銅(ゴールドブロンズ)、チタンなど金属光沢をもつ金属粒子であれば、特に限定は無いが、アルミニウム粒子が好ましく使用される。また、本発明における金属粒子(B)は、アクリル樹脂の硬化物および/またはシリカによる被覆された被覆層を有する。この場合、前述のバインダー樹脂との併用で基材密着性、耐摩擦性、顔料の浸蝕抑制が向上する。
・お電話でお伝えした通り、
【0043】
本発明に使用される金属粒子(B)は、粒子径が5〜20μmのものが好ましい。粒子径が5μm以上でグラビアインキの粘度が適性となり、レベリング性が向上して印刷効果(印刷物の外観品質)が向上する。20μm以下で、グラビアインキ塗膜の隠蔽力が向上し、ドクター筋の発生、印刷効果の低下を抑制できる。更に好ましくは8〜15μmである。金属粒子(B)の平均粒子径で光散乱による粒度分布測定装置、或いは電子顕微鏡による直接観察で測定される。本発明においては、光散乱法による粒子径をD
50値(累積質量50%粒子径)の平均粒子径とした。金属粒子(B)は、以下に示す金属粒子(B1)、金属粒子(B2)、金属粒子(B3)のいずれか一種を使用しても良いし、複数種の金属粒子(B)を併用しても良い。
【0044】
<アクリル樹脂の硬化物により被覆された被覆層を有する金属粒子(B1)>
アクリル樹脂の硬化物により被覆された被覆層を有する金属粒子(B1)は、金属粒子の共存下、アクリルモノマーを重合することにより得ることができる。例えば、特開2010−53193号公報、特開2001−115061号公報に記載の多官能アクリルモノマー等を使用して、記載された製造方法により製造することができる。なお、該アクリル樹脂の硬化物は有機溶剤に不溶であり、ガラス転移温度が100℃を超えるため、上記アクリル樹脂(A)とは異なるものである。
【0045】
<シリカにより被覆された被覆層を有する金属粒子(B2)>
シリカにより被覆された被覆層を有する金属粒子(B2)は、アルコキシシランおよび/またはシリコンハライドを、金属粒子の存在下に水と反応させることで得られる。アルコキシシランやシリコンハライドの種類および製造方法としては、例えば、特表2013−518948号公報に記載の方法により製造することができる。
【0046】
<アクリル樹脂の硬化物およびシリカにより被覆された被覆層を有する金属粒子(B3)>
アクリル樹脂の硬化物およびシリカにより被覆された被覆層を有する金属粒子(B3)は、上記の金属粒子(B1)および金属粒子(B2)の製造方法を任意に組み合わせて製造することが可能である。
【0047】
本発明で使用する顔料は、上記金属粒子(B)以外に、有機顔料および/または無機顔料を更に含有しても良い。有機顔料としては、アゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系、ペリレン系、ペリノン系、キナクリドン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、アゾメチンアゾ系、ジケトピロロピロール系、イソインドリン系などの顔料が挙げられるが、これらに限定されない。また、以下の例には限定されないが、例えば、カーミン6B 、レーキレッドC 、パーマネントレッド2B 、ジスアゾイエロー、ピラゾロンオレンジ、カーミンFB、クロモフタルイエロー、クロモフタルレッド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ジオキサジンバイオレット、キナクリドンマゼンタ、キナクリドンレッド、インダンスロンブルー、ピリミジンイエロー、チオインジゴボルドー、チオインジゴマゼンタ、ペリレンレッド、ペリノンオレンジ、イソインドリノンイエロー、アニリンブラック、ジケトピロロピロールレッド、昼光蛍光顔料等が挙げられる。
【0048】
無機顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、シリカなどの白色無機顔料が挙げられるが、これらに限定されない。白インキの顔料に酸化チタンを用いることが、着色力、隠ぺい力、耐薬品性、耐候性の点から好ましい。印刷性能の観点から、該酸化チタンは、シリカおよび/またはアルミナ処理を施されているものが好ましい。
【0049】
白色系以外の無機顔料としては、以下の例には限定されないが、例えば、カーボンブラック、マイカ(雲母)、ブロンズ粉、クロムバーミリオン、黄鉛、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、群青、紺青、ベンガラ、黄色酸化鉄、鉄黒等が挙げられる。
【0050】
顔料は、グラビアインキの濃度・着色力を確保するのに充分な量、すなわちインキ組成物の総質量に対して5〜50質量%の割合で含まれることが好ましい。また、これらの顔料は単独で使用してもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
【0051】
<添加剤>
本発明のグラビアインキは添加剤として既知のものを適宜含むことができ、グラビアインキの製造においては必要に応じて既知の添加剤、例えば顔料誘導体、顔料分散剤、湿潤剤、接着補助剤、レベリング剤、消泡剤、帯電防止剤、トラッピング剤、ブロッキング防止剤、ワックス成分、シリカ粒子などを使用することができる。
【0052】
本発明におけるグラビアインキは、その他既知の架橋剤を添加して使用しても良い。これにより被膜強度、耐薬品性に優れた硬化塗膜を形成することができる。例えば、ポリアジリジン化合物、ポリエポキシ化合物、ポリカルボジイミド化合物、金属キレート化合物、ポリオキサゾリン化合物、ポリイソシアネート、ブロック化ポリイソシアネート、等が架橋剤として使用できる。これらの架橋反応は室温で生じさせることもできるし、加熱や既知の反応触媒の添加によって促進させることもできる。また、2種以上の架橋剤を組み合わせて使用することもできる。
【0053】
<有機溶剤>
本発明のグラビアインキは、有機溶剤を含むことが好ましい。使用される有機溶剤としては、混合溶剤としての使用が好ましく、トルエン、キシレンといった芳香族系有機溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンといったケトン系有機溶剤、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、エステル系有機溶剤、メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール(IPA)、n−ブタノール、などのアルコール系有機溶剤など公知の有機溶剤を使用できる。中でも、トルエン、キシレンといった芳香族系有機溶剤を含まない有機溶剤(ノントルエン系有機溶剤)がより好ましい。更に好ましくは、芳香族系有機溶剤および/またはメチルエチルケトン(以下「MEK」と表記する)などのケトン系有機溶剤を含まない有機溶剤が更に好ましい。特にエステル系有機溶剤とアルコール系有機溶剤を含むものが好ましい。なおポリスチレン基材を使用する場合には、耐溶剤性の観点より、エステル系有機溶剤とアルコール系有機溶剤を有機溶剤の80%以上含有し、エステル系有機溶剤:アルコール系有機溶剤が、80:20〜40:60で含有することが好ましい。
【0054】
<グラビアインキの製造方法>
本発明のグラビアインキは、アクリル樹脂(A)、顔料、更に必要に応じてセルロース樹脂などを有機溶剤中に分散することにより製造することができる。分散の方法としては適宜公知の方法が選択され、ディスパー、サンドミルなどを使用して良い。また、インキ中に気泡や予期せずに粗大粒子などが含まれる場合は、印刷物品質を低下させるため、濾過などにより取り除くことが好ましい。濾過器としては、従来既知のものを使用することができる。
【0055】
上記方法で製造されたグラビアインキの粘度は、顔料の沈降を防ぎ、適度に分散させる観点からザーンカップ#4での粘度が10秒〜30秒程度、インキ製造時や印刷時の作業性効率の観点から12秒〜22秒以下の範囲であることが好ましい。また、25℃におけるB型粘度計での測定で50〜400mPa・sであることが好ましい。
グラビアインキの粘度は、使用される原材料の種類や量、例えば樹脂、顔料、水量などを適宜選択することにより調整することができる。また、インキ中の顔料の粒度および粒度分布を調節することによりインキの粘度を調整することもできる。
【0056】
<印刷方法>
本発明のグラビアインキは、グラビア印刷、フレキソ印刷などの既知の印刷方式で用いることができる。例えば、グラビア印刷に適した粘度及び濃度にまで水あるいは水と有機溶剤の混合液で希釈され、単独でまたは混合されて各印刷ユニットに供給される。
【0057】
<基材>
本発明の印刷物に使用できる基材は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン基材、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート基材、ポリ乳酸などのポリエステル基材、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂などのポリスチレン基材、ナイロン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、セロハン、紙、アルミなど、もしくはこれらの複合材料からなるフィルム状の基材が挙げられる。また、シリカ、アルミナ、アルミニウムなどの無機化合物をポリエチレンテレフタレート、ナイロンフィルムに蒸着した蒸着基材も用いることができ、更に蒸着処理面がポリビニルアルコールなどによるコート処理を施されていても良い。中でも、ポリオレフィン基材、ポリエステル基材、ポリアミド基材、ポリスチレン基材およびそれらの無機化合物の蒸着された基材が好ましい。更にはポリスチレン基材の使用がより好ましい。
【0058】
<フィルム層>
本発明において、フィルム層とは、後述の積層体において印刷層の印刷面に積層されるプラスチック層のことで、上記基材と同様なものが挙げられる。中でも、未延伸の基材が好ましく、また、発泡シートであることが好ましい。発泡シートとは、プラスチック樹脂に発泡剤を混練させ加熱押出成形することにより気泡を生成させて作成される。発泡シートの材質としてはポリスチレンが好ましい。
【0059】
<積層体>
本発明の積層体は、上記印刷物の印刷層に、更にフィルム層が順に貼り合わされたものである。なお、積層体は接着剤層を含んでも含まなくとも良く、接着剤層を含まない場合は、熱ラミネートで融着させて使用することが好ましい。接着剤層を使用する場合は、接着剤層は、アンカーコート剤、ウレタン系ラミネート接着剤、溶融樹脂等からなる層が挙げられる。アンカーコート剤(AC剤)としてはイミン系AC剤、イソシアネート系AC剤、ポリブタジエン系AC剤、チタン系AC剤が挙げられ、ウレタン系ラミネート接着剤としてはポリエーテルウレタン系ラミネート接着剤、ポリエステル系ラミネート接着剤などが挙げられ、有機溶剤を含むものと、無溶剤のものとがある。また、溶融樹脂としては、溶融ポリエチレン等が挙げられる。
接着剤層を使用する場合の積層体の製造方法としては、例えば、印刷層上に、イミン系、イソシアネート系、ポリブタジエン系、チタン系等の各種アンカーコート剤を介して、溶融ポリエチレン樹脂を積層する通常のエクストルジョンラミネート(押し出しラミネート)法、印刷面にウレタン系等の接着剤を塗工し、その上にプラスチックフィルムを積層するドライラミネート法やノンソルベントラミネート法、また印刷面に直接溶融ポリプロピレンを圧着して積層するダイレクトラミネート法等、公知のラミネート工程により得られる。
【0060】
積層体の構成としてはポリスチレン基材/グラビアインキ層/ポリスチレンシートまたはポリスチレン基材/グラビアインキ層/メジウム層/ポリスチレンシート、ポリスチレン基材/グラビアインキ層/接着剤層/ポリスチレンシートなどが好ましい。
【実施例】
【0061】
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、本明細書における「部」および「%」は、特に注釈の無い場合、「質量部」および「質量%」を表わす。
【0062】
(重量平均分子量)
重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)装置(東ソー株式会社製HLC−8220)を用いて分子量分布を測定し、ポリスチレンを標準物質に用いた換算分子量として求めた。下記に測定条件を示す。
カラム:下記カラムを直列に連結して使用した。
東ソー株式会社製 TSKgel SuperAW2500
東ソー株式会社製 TSKgel SuperAW3000
東ソー株式会社製 TSKgel SuperAW4000
東ソー株式会社製 TSKgel guardcolumn SuperAWH
検出器:RI(示差屈折計)
測定条件:カラム温度40℃
溶離液:テトラヒドロフラン
流速:1.0mL/分
【0063】
(ガラス転移温度(Tg))
ガラス転移温度(Tg)は、DSC(示差走査熱量測定測定)により求めた。なお、測定機は株式会社リガク社製 DSC8231を使用し、測定温度範囲−50〜250℃、昇温速度10℃/分、DSC曲線におけるガラス転移に基づく変曲点をガラス転移温度とした。
【0064】
(酸価)
酸価は、JISK0070に従って測定し、固形分中の値とした。
【0065】
(平均粒子径)
平均粒子径は、金属粒子(B)を酢酸エチル/IPA=60/40(質量比)の混合溶剤を添加して、固形分10%の分散液を、レーザー回折・散乱法にて測定し、D
50の値を平均粒子径とした。なお、D
50とは体積基準の累積分布におけるメジアン径を表す。なお、測定機はマイクロトラックベル社製 マイクロトラックMT3000IIを用いた。
【0066】
[実施例1]
(グラビアインキS1の作成)
アクリル樹脂であるダイヤナールBR115(三菱ケミカル社製 アクリル樹脂 Tg50℃ 酸価0mgKOH/g 重量平均分子量55000)の固形分40%酢酸エチル溶液40部、セルロース樹脂であるCAB−381−2(イーストマンケミカル社製 セルロースアセテートブチレート Tg133℃ 重量平均分子量40,000)の固形分40%IPA溶液10部、顔料として被覆金属粒子であるPCR1100(エカルト社製 シリカ被覆アルミニウム粒子 平均粒子径8μm 粒子中のアルミニウム含有率94%)10部、酢酸エチルとIPAが6/4(質量比)の混合溶剤40部を配合してディスパーを用いて回転数800rpmにて30分間撹拌混合を行い、グラビアインキS1を得た。
【0067】
[実施例2〜20]
(グラビアインキS2〜S20の作成)
表1に記載の材料と配合比率に変更した以外は、実施例1と同じ方法によりグラビアインキS2〜S20をそれぞれ得た。なお表中の略称は以下を表す。
ダイヤナールBR117:三菱ケミカル社製 アクリル樹脂 Tg35℃ 酸価0mgKOH/g 重量平均分子量140,000
ダイヤナールBR82:三菱ケミカル社製 アクリル樹脂 Tg95℃ 酸価0mgKOH/g 重量平均分子量150,000
ダイヤナールBR90:三菱ケミカル社製 アクリル樹脂 Tg65℃ 酸価1mgKOH/g 重量平均分子量230,000
PCR501:エカルト(eckart)社製 シリカにより被覆された被覆層を有するアルミニウム粒子 平均粒子径19μm
HR808:エカルト(eckart)社製 アクリル樹脂の硬化物により被覆された被覆層を有するアルミニウム粒子 平均粒子径12μm 粒子中のアルミニウム含有率87%
PCU1000:エカルト(eckart)社製 アクリル樹脂の硬化物およびシリカにより被覆された被覆層を有するアルミニウム粒子 平均粒子径13μm
CAP−482−0.5:巴工業社製 セルロースアセテートプロピオネート ガラス転移温度142℃ 重量平均分子量50,000 固形分40%IPA溶液
DLX5−8:ICI Novel enterprises社製 ニトロセルロース 窒素分12.0% 固形分40%IPA溶液
【0068】
(ポリウレタン樹脂PU1の合成)
フラスコに数平均分子量2,000のポリプロピレングリコール313部、イソホロンジイソシアネート63部および酢酸エチル60.0部を仕込み、窒素気流下90℃で6時間反応させた。次いでイソホロンジアミン21部、酢酸エチル560.0部、イソプロピルアルコール280.0部を添加し、固形分30%、25℃における粘度200mPa・s、重量平均分子量30,000のポリウレタン樹脂PU1を得た。
【0069】
[比較例1〜5]
(グラビアインキSS1〜SS5の作成)
表2に記載の材料と配合比率に変更した以外は、実施例1〜20と同じ方法によりグラビアインキSS1〜SS5を得た。なお表中の略称は以下を表す。
ソルバインTAO:日信化学社製 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂 Tg77℃ 重量平均分子量 25000 固形分30%酢酸エチル溶液
ダイヤナールBR1122:三菱ケミカル社製 アクリル樹脂 Tg20℃ 酸価0mgKOH/g 重量平均分子量180,000
ダイヤナールBR52:三菱ケミカル社製 アクリル樹脂 Tg105℃ 酸価0mgKOH/g 重量平均分子量85,000
【0070】
<グラビアインキの印刷>
(実施例21)
上記グラビアインキS1を混合溶剤(酢酸n−プロピル:IPA=6:4) により 、粘度が16秒(25℃、ザーンカップNo.3)となるように希釈し、レーザー版深25μmのベタ版を備えたグラビア印刷機により、ポリスチレンフィルム(旭化成ケミカルズ社製 二軸延伸ポリスチレンフィルム OPS(登録商標)フィルムGM 厚み20μm)に印刷速度50m/分で印刷し、印刷物J1を得た。
【0071】
(実施例22〜40)
表1に記載のグラビアインキS2〜S20を用いて、実施例21と同様の方法により、印刷物J2〜J20(実施例)を得た。
【0072】
(比較例6〜10)
表2に記載のグラビアインキSS1〜SS5を用いて、実施例21と同様の方法により、印刷物JJ1〜JJ5(比較例)を得た。
【0073】
[評価]
グラビアインキS1〜S20(実施例)、SS1〜SS5(比較例)、およびそれらの印刷物である、J2〜J20(実施例)JJ1〜JJ5(比較例)を用いて、以下の評価を行った。評価結果を表3および表4に示した。
【0074】
<経時安定性>
グラビアインキS1〜S20(実施例)、SS1〜SS5(比較例)をそれぞれ容器に入れ、温度40度、湿度80%RHの保管庫に1週間静置後、金属粒子(B)の凝集または沈殿の程度を評価した。
[評価基準]
5:金属粒子(B)の沈殿が全く認められない。(良好)
4:1%以上20%未満の金属粒子(B)の凝集、または沈殿物が生じるが、容器を振とうすれば拡散する。(実用可)
3:1%以上20%未満で金属粒子(B)の凝集または沈殿物が生じ、容器を振とうしても拡散しない。(やや不良)
2:20%以上50%未満で金属粒子(B)の凝集または沈殿物が生じ、沈殿が生じ、容器を振とうしても拡散しない。(不良)
1:50%以上100%未満で被覆金属粒子の凝集または沈殿物が生じ、容器を振とうしても拡散しない。(極めて不良)
5、4は実用上問題がない範囲である。
【0075】
<輝度変化>
印刷物J1〜J20(実施例)JJ1〜JJ5(比較例)について温度40度、湿度80%RHの保管庫に1週間静置後、保管前後での輝度の変化度合を評価した。
[評価基準]
5:輝度の変化が認められない。(良好)
4:面積1%以上5%未満で輝度の変化が認められる。(実用可)
3:面積5%以上15%未満で輝度の変化が認められる。(やや不良)
2:面積15%以上30%未満で輝度の変化が認められる。(不良)
1:面積30%以上で輝度の変化が認められる。(極めて不良)
5、4は実用上問題がない範囲である。
【0076】
<隠蔽性変化>
印刷物J1〜J20(実施例)JJ1〜JJ5(比較例)について温度40度、湿度80%RHの保管庫に1週間静置後、保管前後での隠蔽性の変化を評価した。なお隠蔽性とは、印刷物を透かした際の透明性を表し、不透明であるほど隠蔽性が高い。
[評価基準]
5:隠蔽性の変化が認められない。(良好)
4:面積1%以上5%未満で隠蔽性の変化が認められる。(実用可)
3:面積5%以上15%未満で隠蔽性の変化が認められる。(やや不良)
2:面積15%以上30%未満で隠蔽性の変化が認められる。(不良)
1:面積30%以上で隠蔽性の変化が認められる。(極めて不良)
5、4は実用上問題がない範囲である。
【0077】
<耐スクラッチ性>
印刷物J1〜J20(実施例)JJ1〜JJ5(比較例)について、印刷面を爪で引っ掻き、印刷面に生じるキズの程度を25℃で評価した。
[評価基準]
5:キズが生じない。(良好)
4:わずかにキズが生じる。(実用可)
3:キズが生じる。(やや不良)
2:著しいキズが生じる。(不良)
1:極めて著しいキズが生じる。(極めて不良)
5、4は実用上問題がない範囲である。
【0078】
<密着性>
印刷物J1〜J20(実施例)JJ1〜JJ5(比較例)について、ニチバン社製セロファンテープ(12mm幅)を印刷面に貼り、テープを急激に引き離したときのインキ被膜の剥離程度を評価した。
[評価基準]
5:剥離しない。(良好)
4:面積25%未満剥離する。(実用可)
3:面積25%以上50%未満剥離する。(やや不良)
2:面積50%以上75%未満剥離する。(不良)
1:全て剥離する。(極めて不良)
なお、5、4は実用上問題がない範囲である。
【0079】
<耐薬品性>
印刷物J1〜J20(実施例)JJ1〜JJ5(比較例)について、塩酸1%水溶液に浸漬し、40℃にて24時間後のインキの剥離を5段階評価した。
[評価基準]
5:剥離しない。(良好)
4:面積5%未満剥離する。(実用可)
3:面積5%以上15%未満剥離する。(やや不良)
2:面積15%以上30%未満剥離する。(不良)
1:面積30%以上剥離する。(極めて不良)
なお、5、4は実用上問題がない範囲である。
【0080】
<ラミネート強度>
印刷物J1〜J20(実施例)JJ1〜JJ5(比較例)について、テスター産業株式会社製のSA1010小型卓上テストラミネーターを使用し、印刷物の印刷面に発泡ポリスチレンシート(JSP社製 厚み3mmの発泡ポリスチレンシート)を貼りあわせて、ラミネート積層体を作成した。作成したラミネート積層体について、ポリスチレンフィルム/インキ層で剥離させ、株式会社インテスコ製の201引張試験機を使用して、ラミネート強度を測定した。
(ラミネート条件)
温度:140℃ 荷重圧:0.05MPa
[評価基準]
5:ラミネート強度が500g/25mm以上である。(良好)
4:ラミネート強度が400g/25mm以上500g/25mm未満である。(実用可)
3:ラミネート強度が300g/25mm以上400g/25mm未満である。(やや不良)
2:ラミネート強度が200g/25mm以上300g/25mm未満である。(不良)
1:ラミネート強度が200g/25mm未満である。(極めて不良)
なお、5、4は実用上問題がない範囲である。
【0081】
<成型後の外観評価>
上記ラミネート強度の評価に使用した、印刷物J1〜J20(実施例)JJ1〜JJ5(比較例)を用いた積層体について、成光産業株式会社製の真空成型機フォーミング300型を使用して印刷基材であるポリスチレンフィルム面が凹部となるように真空成型した。得られた成型物にて外観の評価を行った。なお、ラミネート積層体の外観は、印刷基材、発泡シート間の剥離によるデラミネーションの度合を評価した。
(成型条件)
温度:120℃、加工時間:20秒間 型サイズ:深さ:3cm、幅:10cm、奥行き:15cm
[評価基準]
5:層間剥離によるデラミネーションが全くない。(良好)
4:成型物の面積に対して2%未満の層間剥離によるデラミネーションが見られる。(実用可)
3:成型物の面積に対して2%以上10%未満の層間剥離によるデラミネーションが見られる。(やや不良)
2:成型物の面積に対して10%以上30%未満の層間剥離によるデラミネーションが見られる。(不良)
1:成型物の面積に対して30%以上の層間剥離によるデラミネーションが見られる。(極めて不良)
なお、5、4は実用上問題がない範囲である。
【0082】
【表1】
【0083】
【表2】
【0084】
【表3】
【0085】
【表4】
【0086】
本発明により、インキの経時安定性、印刷物の耐久性および密着性が良好であり、積層体としたときの外観とラミネート強度の良好なグラビアインキを提供することができた。