特許第6443818号(P6443818)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6443818屋内空間部用のネット、及び該屋内空間部用のネットの吊り張り方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6443818
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】屋内空間部用のネット、及び該屋内空間部用のネットの吊り張り方法
(51)【国際特許分類】
   A63B 71/02 20060101AFI20181217BHJP
【FI】
   A63B71/02 E
【請求項の数】5
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2018-97437(P2018-97437)
(22)【出願日】2018年5月1日
【審査請求日】2018年5月24日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】592206156
【氏名又は名称】東田商工株式会社
(72)【発明者】
【氏名】東 捷俊
【審査官】 砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】 特許第4340792(JP,B1)
【文献】 特開2006−187580(JP,A)
【文献】 特開2013−233396(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 71/02
E06B 3/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋内空間部の側面に沿って又は屋内空間部の間仕切り面に沿って略同形状に形成されたネット体と、該ネット体を昇降移動すべく前記ネット体の上端側又はネット体を介して下端側に連結された移動用ロープと、該移動用ロープを移動するウインチとから構成された屋内空間部用のネットにおいて、前記ネット体の上端辺又は下端辺に沿ってネット体の吊り張り時の左右方向の幅を広げた状態で維持すべく長尺状の棒状体が直接又は間接的に取り付けられ、且つ前記棒状体には、前記ネット体の移動時のバランスを維持すべく前記移動用ロープを連結する連結部が移動自在に設けられていることを特徴とする屋内空間部用のネット。
【請求項2】
前記棒状体が、ネット体の上端辺に沿って又は下端辺に沿って連なって取り付けられた複数本の棒状本体より構成され、且つ各棒状本体には前記移動用ロープの連結部が1又は複数個前記ネット体の移動時のバランスを維持すべく移動自在に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の屋内空間部用のネット。
【請求項3】
前記ネット体が、側面又は間仕切り面に応じて上下方向に沿って分割された複数枚のネット本体で形成され、且つ各ネット本体の上端辺又は下端辺には、棒状体を形成する複数本の棒状本体がそれぞれ取り付けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の屋内空間部用のネット。
【請求項4】
屋内空間部の側面に沿って又は屋内空間部の間仕切り面に沿ってネット体を形成し、該ネット体にウインチで移動し天井側より滑車を介して設けられた複数本の移動用ロープを連結した後、前記移動用ロープを移動し前記ネット体を側面に沿って又は間仕切り面に沿って上下方向に移動することでネット体を吊り張りする屋内空間部用のネットの吊り張り方法において、前記ネット体の上端辺に沿って又は前記ネット体の下端辺に沿って長尺状の棒状体を取り付け、該棒状体に前記移動用ロープを連結した後、天井側と前記各移動用ロープの連結された棒状体との間の高低差を高低差のある位置に取り付けられた固定用の滑車に前記各移動用ロープを架け渡すとともに、前記各移動用ロープを移動用の滑車で架け渡たしウインチで前記移動用の滑車を引っ張り移動することで調整しながら移動又は前記移動用ロープの棒状体への連結部分で高低差をストッパー体の設けられた調整ロープ又は弾性体で付勢した調整ロープで調整しながら移動することでネット体を屋内空間部の傾斜形状に応じて吊り張りすることを特徴とする屋内空間部用のネットの吊り張り方法。
【請求項5】
屋内空間部の側面に沿って又は屋内空間部の間仕切り面に沿ってネット体を形成し、該ネット体にウインチで移動し天井側より滑車を介して設けられた移動用ロープを連結し前記ネット体を側面に沿って又は間仕切り面に沿って上下方向に移動することでネット体を吊り張りする屋内空間部用のネットの吊り張り方法において、前記ネット体を側面に沿って又は間仕切り面に沿って複数枚のネット本体で形成した後、前記ネット本体の上端辺又は前記ネット本体の下端辺に棒状体を形成する複数本の棒状本体をそれぞれ直接又は間接的に取り付けるとともに、前記移動用ロープの移動時のバランスを維持すべく前記棒状本体に設けられた連結部を移動用ロープの位置に応じて棒状本体に沿って移動し前記移動用ロープを連結することで、前記ネット体を吊り張りすることを特徴とする屋内空間部用のネットの吊り張り方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、各種スポーツの練習用、又は試合用として使用する屋内空間部において、防球用(間仕切り用、又は防護用)としてその屋内空間部の側面に沿って又は屋内空間部の間仕切り用として吊り張りする屋内空間部用のネット、及び該屋内空間部用のネットの吊り張り方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、屋内空間部の側面(本願発明において側面とは、屋内空間部の側壁面であり、天井面を中心に天井用ネットを吊り張りする以外の側壁面の上面側の傾斜面をも含む面の総称として記載する)に沿って、防球用として使用するネットは、側面形状に応じて1枚又は複数枚のネット本体を組み合わせて形成されたネット体と、前記ネット体の上端辺に沿って複数本連結し、天井側より滑車を介して設けられた移動用ロープと、該移動用ロープを移動するウインチとから構成され、前記ウインチを駆動して各移動用ロープを同期して上方に移動することでネット体を側面又は間仕切り面に沿って吊り張りする。
【0003】
または、上端側を天井側で固定した前記ネット体の上端側より下端側に沿って直線状に所望の間隔を有して取り付けたリング体に前記移動用ロープを挿通し、前記ネット体の下端側で固定して構成し、前記移動用ロープをウインチで下方に移動することでネット体を側面又は空間部にネット体を吊り張りする。
【0004】
前記ネット体は、側面の形状が変形(側面上部側が傾斜、又は円弧状)している場合は、天井上面に沿って別体の上部用のネット体を吊り張りし、該上部用のネット体の下部側に沿って水平方向にネット体を上記のように吊り張りすることで変形面に沿ってネット体を吊り張りする。
【0005】
また、ネット体の上端辺に沿って長尺状の複数本の棒状体を取り付け該棒状体に移動用ロープを連結、又は隣り合う棒状体をロープで連結し、該ロープに移動用ロープを連結することで、ネット体を空間部に吊り張りしている。
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の屋内空間部用のネットは、予め側面の形状に沿って又は空間部の形状に沿ってネット体を形成した後、前記ネット体の上端側又は下端側に所望の間隔を有して移動用ロープを連結するために、前記移動用ロープを同期して移動しなければネット体の荷重が偏って分散されスムーズな昇降移動ができない欠点があった。
【0007】
また、従来の屋内空間部用のネットは、上端側が水平状態であれば設置ができるが、傾斜を有する空間部に対しては適切に設置できない欠点があった。
【0008】
また、従来の屋内空間部用のネットは、広い範囲の側面に沿ってネット体を昇降移動する場合は、ネット体の中央部分が荷重により下方側降下するために、スムーズな昇降移動ができない欠点があった。
【0009】
さらに、棒状体を使用する場合は、ネット体の上端辺に沿って取り付けるとともに、該棒状体の固定された連結部に連結した移動用ロープをそれぞれ別の巻き取り方式のウインチを用いて移動するために、移動用ロープの設置位置と連結部との位置のズレが発生し、適切にネット体の荷重を分散してスムーズに移動することでできない欠点があった。
【0010】
特に1台のウインチで1本の移動用ロープを移動するために、ネット体の移動時のバランス調整を考慮すれば、1本の棒状体の中央に1本の移動用ロープを連結、又は隣り合う棒状体間を一体的に1本の移動用ロープを連結しなければならず、棒状体への移動用ロープの連結が限定される欠点があった。
【0011】
そこで、本発明は屋内空間部の側面に沿って、又は空間部に沿ってネット体をスムーズに移動しながら吊り張りでき、空間部の形状、及び面積に応じて自在にネット体を吊り張りでき、且つネット体の取り付け作業、及びメンテナンス作業が安全に且つ容易に行うことができる屋内空間部用のネット、及び該屋内空間部用のネットの吊り張り方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願発明の上記課題を解決する手段としての屋内空間部用のネットは、請求項1に記載のように、屋内空間部の側面に沿って又は屋内空間部の間仕切り面に沿って略同形状に形成されたネット体と、該ネット体を昇降移動すべく前記ネット体の上端側又はネット体を介して下端側に連結された移動用ロープと、該移動用ロープを移動するウインチとから構成された屋内空間部用のネットにおいて、前記ネット体の上端辺又は下端辺に沿ってネット体の吊り張り時の左右方向の幅を広げた状態で維持すべく長尺状の棒状体が直接又は間接的に取り付け、且つ前記ネット体の移動時のバランスを維持すべく前記移動用ロープを連結する連結部が移動自在に取り付けられていることを特徴とする。
【0013】
また、本願発明の上記課題を解決する手段としての屋内空間部用のネットは、請求項2に記載のように、前記棒状体が、ネット体の上端辺に沿って又は下端辺に沿って連なって取り付けられた複数本の棒状本体より構成され、且つ各棒状本体には前記移動用ロープの連結部が1又は複数個前記ネット体の移動時のバランスを維持すべく移動自在に取り付けられていることを特徴とする。
【0014】
前記ネット体が、側面又は間仕切り面に応じて上下方向に沿って分割された複数枚のネット本体で形成され、且つ各ネット本体の上端辺又は下端辺には、棒状体を形成する複数本の棒状本体がそれぞれ取り付けられていることを特徴とする。
【0015】
さらに、本願発明の上記課題を解決する手段としての屋内空間部用のネットの吊り張りする方法は、請求項4に記載のように、屋内空間部の側面に沿って又は屋内空間部の間仕切り面に沿ってネット体を形成し、該ネット体にウインチで移動し天井側より滑車を介して設けられた複数本の移動用ロープを連結した後、前記移動用ロープを移動し前記ネット体を側面に沿って又は間仕切り面に沿って上下方向に移動することでネット体を吊り張りする屋内空間部用のネットの吊り張り方法において、前記ネット体の上端辺に沿って又は前記ネット体の下端辺に沿って長尺状の棒状体を取り付け、該棒状体に前記移動用ロープを連結した後、天井側と前記移動用ロープを連結した棒状体との間の高低差を高低差のある位置に取り付けられた固定用の滑車に前記各移動用ロープを架け渡すとともに、前記各移動用ロープを移動用の滑車に架け渡たしウインチで前記移動用の滑車を引っ張り移動することで調整しながら移動又は前記移動用ロープの棒状体への連結部分で高低差をストッパー体の設けられた調整ロープ又は弾性体で付勢した調整ロープで調整しながら移動することでネット体を屋内空間部の傾斜形状に応じて吊り張りすることを特徴とする。
【0016】
また、本願発明の上記課題を解決する手段としての屋内空間部用のネットの吊り張りする方法は、請求項5に記載のように、屋内空間部の側面に沿って又は屋内空間部の間仕切り面に沿ってネット体を形成し、該ネット体にウインチで移動し天井側より滑車を介して設けられた移動用ロープを連結し前記ネット体を側面に沿って又は間仕切り面に沿って上下方向に移動することでネット体を吊り張りする屋内空間部用のネットの吊り張り方法において、前記ネット体を側面に沿って又は間仕切り面に沿って複数枚のネット本体で形成した後、前記各ネット本体の上端辺又は各ネット本体の下端辺に棒状体を形成する複数本の棒状本体をそれぞれ直接又は間接的に取り付けるとともに、前記移動用ロープの移動時のバランスを維持すべく前記棒状本体に設けられた連結部を移動用ロープの位置に応じて棒状本体に沿って移動し前記移動用ロープを連結することで、前記ネット体を吊り張りすることを特徴とする。
【発明の作用効果】
【0017】
次に、本願発明の請求項1乃至請求項5に記載の屋内空間部用のネット、及び屋内空間部用のネットの吊り張り方法の作用効果を説明する。
【0018】
先ず、請求項1に記載の屋内空間部用のネットは、屋内空間部の各側面形状又は空間部の間仕切り面の形状に応じて略同形状に形成されたネット体と、該ネット体の上端辺又は下端辺に沿って設けられた長尺状の棒状体と、天井側より滑車を介して垂直方向に設けられ、該棒状体に少なくとも1本以上連結された移動用ロープとから構成されている。
【0019】
前記棒状体をネット体の上端辺に取り付ける場合は、ネット体の上端辺に沿ってその長さに対応した長さの棒状体を形成し、該棒状体を直接又は間接的にネット体に取り付ける。これにより、移動用ロープを前記棒状体に直接連結しネット体を左右方向に広げた状態で連結することができる。
【0020】
前記移動用ロープの前記棒状体への連結は、前記棒状体に移動自在に設けられた連結部を棒状体に沿って前記移動用ロープの位置まで調整移動し、その位置で前記棒状体に固定することで各移動用ロープと棒状体との連結が移動用ロープの略垂直状を適切に維持した状態で連結でき、前記移動用ロープの移動に伴って前記ネット体をスムーズに昇降移動することができる。
【0021】
尚、前記連結部は前記棒状体の所望の範囲内で移動自在に取り付けることで、前記移動用ロープの移動に伴ってネット体の荷重を分散しながら前記棒状体に沿って移動範囲内で微調整移動しながら移動することも可能である。
【0022】
次に、上記ネット体の移動は、ウインチを駆動して移動用ロープ上方に移動することで、棒状体部分を水平又は傾斜を維持した状態で上方に持ち上げ、前記棒状体に連結されたネット体を側面又は間仕切り面に沿って吊り張りできる。
【0023】
また、前記移動用ロープを下方(床面側)に移動することで、前記棒状体部分を水平又は傾斜を維持した状態で下方側(床面側)に移動し、側面又は間仕切り面を開放することができる。
【0024】
また、前記棒状体をネット体の下端辺に沿って取り付ける場合は、ネット体の下端辺に沿ってその長さに対応した長さの棒状体を形成し、該棒状体を直接又は間接的にネット体に取り付ける。
【0025】
前記移動用ロープは前記ネット体の上端側より下端側に沿って(リング状の挿通体等に)挿通した状態で前記ネット体に設けられた後、前記棒状体に連結されネット体を左右方向に広げた状態で移動用ロープを連結することができる。
【0026】
次に、上記ネット体の移動は、側面又は間仕切り面の上端側で前記ネット体の上端辺に沿って固定した状態で移動用ロープを下方側に移動することで、棒状体によりネット体の下端側を広げた状態で吊り張りすることができ、また移動用ロープを上方側に移動することで、ネット体の下端側を広げた状態で上方に移動し空間部を開放することができる。
【0027】
また、前記棒状体は、前記ネット体の左右方向の幅を維持すべく端辺に沿って所望の長さを有し、ネット体に直接(ネット体の形状維持を目的とする補強用ロープ部分を利用して直接紐体で巻き付けて連結)又は間接的(前記補強用ロープ部分より複数本の連結具を介して連結)に取り付けられている。
【0028】
これにより、ネット体は吊り張り時の上端側又は下端側を広げた状態に維持でき、ネット体の形状を確実に維持し、側面又は間仕切り面に沿って容易に吊り張りすることができる。
【0029】
前記移動用ロープは、ネット体の吊り張り時及び昇降移動時において、ネット体の水平移動又は傾斜移動の状態を維持すべく前記棒状体に所望の間隔(例えば、棒状体の前後方向で2本、或いは一定間隔で3本等前記移動用ロープの移動する位置に応じて)を有して連結されている。
【0030】
このため、ネット体は常に安定した状態で吊り張りされた状態、又は安定した状態で昇降移動することができる。
【0031】
このように、本願請求項1に記載の屋内空間部用のネットは、棒状体のネット体への取り付け位置により、ネット体の吊り張りを自在に調整できるとともに、ネット体の左右方向の幅を維持できるので、確実に側面又は間仕切り面を閉塞することができる。
【0032】
また、棒状体を介して移動用ロープを上下方向に移動するために、ネット体を広げた状態でスムーズに昇降移動することができる。
【0033】
次に、請求項2に記載の屋内空間部用のネットは、前記請求項1に記載の屋内空間部用のネットにおいて、棒状体をネット体の上端辺に沿って又は下端辺に沿って取り付けられた複数本の棒状本体より構成したことである。
【0034】
前記棒状本体は、ネット体の上端辺又は下端辺に沿って連なって取り付けられているために、前記ネット体の水平移動時又は傾斜移動時に各棒状本体間を調整しながら移動することができ、前記ネット体のバランスを維持しながら移動できる。
【0035】
また、前記各棒状本体間を調整できることにより、前記ネット体の形状を維持しながら昇降移動でき、スムーズなネット体の移動を可能とする。
【0036】
このように、本願請求項2に記載の屋内空間部用のネットは、ネット体の左右方向の幅を棒状本体間で調整しながら昇降移動でき、スムーズな昇降移動を行うことができ、容易に側面又は間仕切り面を開閉できる。
【0037】
次に、本願請求項3に記載の屋内空間部用のネットは、前記請求項1に記載の屋内空間部用のネットにおいて、ネット体を側面又は間仕切り面に応じて上下方向に分割された複数枚のネット本体で形成し、該各ネット本体の上端辺又は下端辺に沿ってそれぞれ棒状体を形成する複数本の棒状本体を取り付けて構成されている。
【0038】
前記棒状本体にそれぞれ移動用ロープを連結することで、ネット本体を一体的に又はそれぞれ個別に昇降移動することができ、屋内空間部の使用目的に応じて自在な側面又は間仕切り面にネット体を吊り張りすることができる。
【0039】
また、ネット本体の所望の位置(所望のネット本体間)で、棒状本体の取り付け位置を上端辺又は下端辺等選択でき、ネット本体の昇降移動を自在に選択することができる。
【0040】
さらに、あらゆる形状(天井面が円弧状等)の屋内空間部の側面、又はあらゆる形状の間仕切り面に対してもそれぞれネット本体の形状を変更することで確実に閉塞できる。
【0041】
このように、本願請求項3に記載の屋内空間部用のネットは、あらゆる空間部に沿ってネット体を吊り張りすることができ、また、あらゆるネット体の取り付けを可能とすることができる。
【0042】
次に、本願請求項4に記載の屋内空間部用のネットの吊り張り方法は、先ずネット体を屋内空間部の側面に沿って又は屋内空間部の間仕切り面に沿ってネット体を形成し、前記ネット体の上端辺に沿って又は下端辺に沿って長尺状の棒状体を取り付ける。
【0043】
次に、前記棒状体に天井側より滑車を介して設けられた移動用ロープを複数本連結する。
【0044】
この際、前記棒状体に連結され同一のウインチで移動する複数本の移動用ロープ間で、それぞれの天井面の傾斜形状に応じて高低差のある位置に取り付けられた固定用の滑車に前記各移動用ロープを架け渡すとともに、前記各移動用ロープを移動用の滑車に架け渡しウインチで前記移動用の滑車を引っ張り移動することで相違する距離(高低差)をそれぞれ調整しながら移動することで、前記各移動用ロープを天井面の傾斜形状に応じて移動することができる。
【0045】
また、前記移動用ロープを移動する滑車間の距離(高低差)を前記移動用ロープの棒状体への連結部分で高低差をストッパー体の設けられた調整ロープ又は弾性体で付勢した調整ロープで長さ調整しながら移動することで、前記移動用ロープを天井面の傾斜形状に応じて自在に移動する事ができる。
【0046】
これにより、前記ネット体を屋内空間部の天井面の傾斜形状に応じて適切に吊り張りすることができる。
【0047】
このように、本願請求項4に記載の屋内空間部用のネットの吊り張り方法は、あらゆる屋内空間部の側面又は間仕切り面に沿って確実にネット体を吊り張りすることができる。
【0048】
特に天井面の傾斜形状に応じて自在に対応して適切なネット体の吊り張りを可能とすることができる。
【0049】
また、前記移動用ロープによる棒状体への移動がスムーズであり、頻繁なメンテナンス作業を必要としない。
【0050】
次に、本願請求項5に記載の屋内空間部用のネットの吊り張り方法は、先ずネット体を屋内空間部の側面に沿って又は屋内空間部の間仕切り面に沿ってその形状に適するように、1枚又は複数枚のネット本体で形成し、前記各ネット本体の上端辺又は下端辺に沿って棒状体を形成する複数本の棒状本体をそれぞれ直接又は間接的に取り付ける。
【0051】
その後、前記棒状本体を介して前記移動用ロープを1本又は複数本を連結する。
【0052】
この際、前記移動用ロープは、ネット本体の水平移動時又は傾斜移動時のバランスを維持すべく前記棒状本体に設けられた連結部を棒状本体に沿って移動し所望の位置で前記移動用ロープに連結することで、各ネット本体をスムーズに昇降移動することができる。
【0053】
このため、屋内空間部に吊り張りするネット体の水平方向又は傾斜方向に応じてネット本体を常に広げた状態で昇降移動し、確実に吊り張りすることができる。
【0054】
これにより、あらゆる屋内空間部、特に天井面の形状が、傾斜面、円弧面であっても適切にネット体を吊り張りすることができる。
【0055】
このように、本願請求項5に記載の屋内空間部用のネットの吊り張り方法は、空間部の形状に応じて自在にネット体を吊り張り移動でき、確実な防球用として又は間仕切り用として使用することができる。
【0056】
しかも、その吊り張り工程が容易であり、簡易にネット体を吊り張りすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0057】
本願発明の屋内空間部用のネット、及び屋内空間部用のネットの吊り張り方法について図面を用いて説明する。
【0058】
図1は本願発明の屋内空間部用のネットでネット体の上端辺に沿って棒状体を取り付けた一実施例を示す概略説明正面図であり、図2図1の屋内空間部用のネットの収納状態を示す概略説明正面図であり、図3は棒状体とネット体との連結を示す概略説明正面図であり、図4は棒状体とネット体との連結の他実施例を示す概略説明正面図であり、図5図6は屋内空間部用のネットの他実施例を示す概略説明正面図であり、図7は本願発明の屋内空間部用のネットでネット体の下端辺に沿って棒状体を取り付けた一実施例を示す概略説明正面図であり、図8は屋内空間部用のネットでネット体を複数枚のネット本体で形成し、複数本の棒状本体で形成した棒状体を上端辺に沿って取り付けた一実施例を示す概略説明正面図であり、図9は棒状本体間の連結を示す概略説明正面図であり、図10はネット本体間の連結を示す概略説明正面図であり、図11は屋内空間部用のネットでネット体を複数枚のネット本体で形成し、複数本の棒状本体で形成した棒状体を下端辺に沿って取り付けた一実施例を示す概略説明正面図であり、図12はネット体の下端辺に沿って取り付けられた棒状体と移動用ロープとの連結を示す概略説明側面図であり、図13はネット体の下端辺に沿って取り付けられた棒状体と移動用ロープとの連結を示す概略説明側面図であり、図14は本願発明の屋内空間部用のネットで傾斜面を有する屋内空間部の間仕切り用として吊り張りした一実施例を示す概略説明正面図であり、図15は天井側と棒状体との間の調整を移動用ロープ側で行う実施例を示す概略説明正面図であり、図16は天井側と棒状体との間の調整を棒状体側で行う実施例を示す概略説明正面図であり、図17図16の他実施例を示す概略説明正面図である。
【0059】
図18、及び図19は本願発明の屋内空間部用のネットの吊り張り方法のフローチャートである。
【実施例1】
【0060】
本願発明の屋内空間部用のネット1は、屋内空間部の側面の形状に応じて形成されたネット体2と、該ネット体2の上端側に設けられた長尺状の棒状体3と、該棒状体3に連結され、ウインチ20の駆動で移動する移動用ロープ4とから構成されている。
【0061】
前記ネット体2の上下、左右の端辺側に沿ってネット体2の形状維持を目的とする補強用ロープ5がそれぞれ一体的に取り付けられている。
【0062】
前記棒状体3は前記ネット体2の上端辺と略同形状の長さに形成され、前記ネット体2の上端辺の補強用ロープ5部分を利用して紐体6を介して強固に連結されている。前記棒状体3により、該ネット体2の昇降移動時にネット体2の左右方向の形状を維持した状態で移動することができる。
【0063】
尚、前記棒状体3と前記ネット体2との連結は、前記紐体6による直接的な連結に限定されるものでなく、例えば、棒状体2に直接取り付けられた又は別体の連結具6Aを介して補強用ロープ5に間接的に連結することも可能である。
【0064】
また、上記実施例では1本の棒状体3をネット体2の上端辺に沿って取り付けたが、本願発明において棒状体3の形状はこれに限定されるものでなく、例えば、棒状体2を複数本の棒状本体3Aで形成し、ネット体2の上端辺に沿ってそれぞれの棒状本体3Aを取り付けることも可能である。この際、前記棒状本体3Aは隣り合う棒状本体3A間を連結紐21で連結することで、1本の棒状体3と同様にネット体2の形状を維持した状態で移動することができる。
【0065】
さらに、前記棒状体3には、前記移動用ロープ4を連結するための連結部8が設けられている。前記連結部8は棒状体3に沿って移動自在に取り付けられ、移動用ロープ4の吊り下げられた位置に応じて棒状体3に沿って移動した後、該当する位置で棒状体3に固定することで、前記移動用ロープ4の天井側よりの略垂直方向の位置を維持でき、ネット体2の水平状態での移動又は傾斜状態での昇降移動時のバランスを適切に維持することができる。
【0066】
尚、前記連結部8は前記棒状体3の所望の範囲内(棒状体3に沿ってある程度限定した狭い範囲内)移動自在に設けることで移動用ロープ4の移動に応じて微調整移動するように構成することも可能である。
【0067】
この場合は、ネット体2の荷重を連結部8の微調整移動で適切に分散して水平状態又は傾斜状態での昇降移動時のバランスを適切に維持することができる。
【0068】
前記移動用ロープ4は、棒状体3の長さに応じてその本数が選択され、また1台のウインチ20で複数本の移動用ロープ4を移動することで、少ないウインチ20でネット体2を昇降移動でき、各ウインチ20の同期も容易に行える。
【0069】
また、天井面が傾斜を有する場合は、前記滑車10の取り付け位置に高低の差が発生するために、前記移動用ロープ4の移動時の長さ調整が必要となる。この調整手段として、天井側の移動用ロープ4部分で行う上部調整手段と、棒状体側で行う下部調整手段とがある。
【0070】
前記上部調整手段は、1台のウインチ20で移動する隣り合う移動用ロープ4をそれぞれ高低差のある位置に取り付けられた固定用の滑車10(10A及び10C,10B)に架け渡すとともに、前記各移動用ロープ4を移動用の滑車10Dで一体的に架け渡した後、該移動用の滑車10Dをウインチ20で移動する。
【0071】
これにより、前記ウインチ20で移動用の滑車10Dを引っ張り移動すると、前記棒状体3に連結された隣り合う移動用ロープ4は上方に移動するとともに、前記固定用の滑車10Aと10Bとの間の距離=高低差L2を前記移動用の滑車10Dの移動距離L2で調整しながら移動することで、天井面の傾斜形状に応じて棒状体3を適切に上昇移動してネット体2を屋内空間部に吊り張り移動することができる。
【0072】
前記下部調整手段は、隣り合う移動用ロープ4をそれぞれ高低差のある位置に取り付けられた固定用の滑車10(10A,10B)に架け渡すとともに、前記低い位置の滑車10A側の移動用ロープ4の先端側に調整ロープ4A(調整ロープ4Aの後端側は棒状体3の連結部8に連結)を連結し、前記高低差の距離L2に応じた位置にストッパー体4Bを取り付ける。
【0073】
これにより、前記各移動用ロープ4をウインチ20で移動すると、高低差L2の距離を前記調整ロープ4A部分で調整しながら上昇移動することで、天井面の傾斜形状に応じて棒状体3を適切に上昇移動してネット体2を屋内空間部に吊り張りすることができる。
【0074】
また、前記下部調整手段は、上記実施例に限定されるものでなく、前記下部調整ロープ4Aを棒状体に沿って移動距離L2分設けるとともに、その連結部分に弾性体4Cを設けることで、調整ロープ4Aを付勢した状態で取り付けでき、スムーズな昇降移動を可能とする。
【0075】
前記移動用ロープ4は図面では2本間の調整を図示し、また2本の移動用ロープ4の調整として説明したが、本願発明において、移動用ロープ4の数は2本に限定されるものでなく、さらに多数の移動用ロープ4でも可能である。この場合は、各移動用ロープ4をそれぞれ移動用の滑車10Dに連結し、又はそれぞれの滑車10の高低差に応じた調整ロープ4Aをそれぞれ棒状体3部分に設けることで、自在に対応することができる。
【0076】
本願発明の屋内空間部用のネット1は上記のように構成され、次に該屋内空間部用のネット1を屋内空間部の側面に吊り張り移動する場合について説明する。
【0077】
先ず、屋内空間部の側面に沿ってネット体2を形成する。この際、該当する側面の天井面が水平又は傾斜かによりネット体2の上端側を水平又は傾斜に形成する。
【0078】
そして、前記ネット体2の上下、左右の端辺側に沿ってネット体2の形状維持を目的とする補強用ロープ5をそれぞれ取り付ける。
【0079】
その後、前記ネット体2の上端側の補強用ロープ5部分に直接紐体6を介してネット体2の上端辺と略同形状の長さに形成された棒状体3を直接連結する。これにより、ネット体2の上端側は前記棒状体3によりその左右方向の幅を一定に維持することができる。
【0080】
尚、ネット体2の上端側を傾斜して形成する場合は、前記棒状体3を複数本に分割した棒状本体3Aで形成することで、前記棒状本体3A間を調整し傾斜面に沿ってネット体2の上端側を適切に位置することができる。
【0081】
次に、前記棒状体3の連結部8に天井側より滑車10を介して床面側に移動した移動用ロープ4を連結する。この際、前記連結部8は棒状体3に沿って適切な位置(滑車10に対応する位置)に移動して前記移動用ロープ4と連結した後、固定する位置の微調整を行うことで、ネット体2の水平移動時又は傾斜移動時のバランスを適切に維持した状態で連結することができる。
【0082】
上記状態でウインチを駆動して移動用ロープ4を上方(天井側)に移動することで、ネット体2を安定した状態で昇降移動し、側面に沿って吊り張りすることができる。
【0083】
この際、1台のウインチ20で複数本の移動用ロープ4を同時に移動するために、全体の移動用ロープ4を容易に同期して移動することができ、スムーズにネット体2を上昇移動することができる。
【0084】
また、ネット体2の不要時は、ウインチを駆動して移動用ロープ4を床面側に移動することで、ネット体2を床面側に移動でき、空間部を開放することができる。この場合も前記ネット体2の吊り張り時と同様にスムーズに下降移動することが
【0085】
このように、本願発明は屋内空間部用のネット1をスムーズに側面に沿って昇降移動することができ、ネット体2の吊り張り作業効率を向上できる。
【0086】
また、天井面の傾斜形状に応じてネット体2を吊り張りする場合は、移動用ロープ4部分で調整しながら移動する上部調整手段又は棒状体3部分で調整しながら移動する下部調整手段を用いて、各移動用ロープ4をスムーズに移動してネット体2を傾斜形状に応じて吊り張りすることができる。
【実施例2】
【0087】
実施例2における本願発明の屋内空間部用のネット1は、空間部の側面の形状に応じて形成されたネット体2と、該ネット体2の下端側に取り付けられた棒状体3と、該棒状体3に前記ネット体2を介して連結された移動用ロープ4とから構成されている。
【0088】
前記ネット体2は上下、左右の端辺側に沿ってネット体2の形状を維持するための補強用ロープ5がそれぞれ設けられている。
【0089】
前記棒状体3はネット体2の下端辺と略同形状の長さに形成され、前記ネット体2の下端辺に沿って補強用ロープ5部分と直接紐体6で連結されている。これにより、前記ネット体2の下端側を常に左右方向に広げた状態を維持することができる。
【0090】
前記棒状体3には移動自在に挿通部8が設けられているために、該連結部8に移動用ロープ4に連結すべく前記棒状体3に沿って所望の位置(移動用ロープ4の天井側よりの吊り下げ位置)移動した後、前記連結部8を棒状体3に固定し、該連結部8に移動用ロープ4を連結する。
【0091】
これにより、移動用ロープ4を垂直方向で確実に棒状体3に連結でき、移動用ロープ4をスムーズに移動することができる。
【0092】
前記ネット体2の下端側に連結した移動用ロープ4は、該ネット体2の上下方向に沿って、且つ前記棒状体3の連結部8の位置に応じて一列状に取り付けられた複数個の挿通具11に挿通されている。
【0093】
尚、前記ネット体2への移動用ロープ4の挿通は、前記挿通具11に限定されるものでなく、ネット体2に取り付けられた上下方向の筒状体(図示せず)を介して挿通することも可能である。
【0094】
また、移動用ロープ4の先端側を天井面に固定し、ネット体2の下端側を取り囲むように、棒状体3の連結部8に挿通し、天井面の滑車10を介して移動すべく取り付けることも可能である。
【0095】
また、前記棒状体3もネット体2の下端辺に沿って複数本の棒状本体3Aで形成することで、前記棒状本体3A間を調整し柔軟にネット体2の下端側を広げた状態とすることができる。
【0096】
本願発明の屋内空間部用のネット1は上記のように構成され、次に、該屋内空間部用のネット1を側面に沿って吊り張り移動する場合について説明する。
【0097】
先ず屋内空間部の側面の形状に応じてネット体2を形成し、該ネット体2の上下、左右の端辺側に沿ってネット体2の形状を維持するための補強用ロープ5をそれぞれ取り付ける。
【0098】
そして、前記ネット体2の下端辺に沿って直接紐体6を介して棒状体3を連結する。
【0099】
この状態で、前記ネット体2の上端側を側面の天井側に直接、又はロープ等を介して固定する。このため、前記ネット体2は上端側を固定した状態で下端側を昇降移動することとなる。
【0100】
次に、前記ネット体2の上下方向に沿って取り付けられた複数個の挿通具11に天井面の滑車10を介して移動する移動用ロープ4を挿通するとともに、その先端側の前記棒状体3に設けられた連結部8に連結する。
【0101】
この際、前記連結部8は棒状体3に沿って移動自在であるために前記連結部8を移動用ロープ4に対応する位置に移動した後、棒状体3に固定することで、移動用ロープ4の昇降移動をスムーズに行うことができる。
【0102】
上記状態でウインチ20を駆動して移動用ロープ4を下方側に移動すると、前記移動用ロープ4に挿通部8を介して連結された棒状体3は床面側に移動し、側面に沿ってネット体2を吊り張りすることができる。
【0103】
前記移動用ロープ4は複数本が1台のウインチ20で移動するために、全ての移動用ロープ4は同期して移動することができ、スムーズなネット体2の吊り張りを可能とする。
【0104】
また、ネット体2を使用しない場合は、前記移動用ロープ4を上方に移動することで、前記棒状体3を天井側に移動し、ネット体2を天井側で収納することができる。
【0105】
この場合も上記実施例1と同様に天井面の傾斜形状に応じて移動用ロープ4間に上部調整手段を設け又は棒状体3部分に下部調整手段を設けることで、各移動用ロープ4をスムーズに移動でき、且つ天井面の傾斜形状に応じてネット体2を適切に吊り張りすることができる。
【実施例3】
【0106】
本願発明の屋内空間部用のネット1は、側面の形状に応じて形成するネット体2を上下方向に沿って複数枚に分割したネット本体2Aで形成し、該ネット本体2Aの上下、左右の端辺側に沿ってネット体2の形状を維持する補強用ロープ5を取り付ける。
【0107】
このため、側面形状が変形された、例えば、天井面が円弧面、又は側面の凹凸形状等に応じて、それぞれのネット本体2Aを別々の形状に形成することができるために、あらゆる屋内空間部の側面に吊り張りすることができる。
【0108】
前記各ネット本体2Aの上端辺に沿って、該上端辺と同形状の長さに形成された棒状体3を形成する棒状本体3Aがそれぞれ直接連結されている。
【0109】
これにより、前記ネット本体2Aの上端側を棒状本体3Aで広げた状態で吊り張りできる。
【0110】
また、前記ネット本体2Aの隣り合う上端側又は下端側、或いは隣り合う棒状本体3Aを連結紐21で連結することで、各ネット本体2Aを一定距離で維持することも可能である。
【0111】
前記棒状本体3Aにはそれぞれ移動用ロープ4を連結するための連結部8が移動自在に設けられているために、移動用ロープ4の天井側の滑車10の位置に応じて前記連結部8を移動した後、棒状本体3Aに固定し前記移動用ロープ4を連結することで、移動用ロープ4の昇降移動に応じてバランスを維持した状態でスムーズに各ネット本体2Aを移動することができる。
【0112】
前記移動用ロープ4は複数本を1台のウインチ20の駆動で移動するために、各ネット本体2Aを同期して移動することができる。
【0113】
また、前記棒状本体3Aへの移動用ロープ4の連結本数は1本に限定されるものでなく、複数本の移動用ロープ4でバランスを維持すべく連結することも可能である。
【0114】
上記のように、本願発明の屋内空間部用のネット1は構成され、次に、屋内空間の側面に沿って該屋内空間部用のネット1を吊り張りする場合について説明する。
【0115】
先ず、側面の形状に応じてネット体2を上下方向に分割された複数枚のネット本体2Aで形成する。
【0116】
この際、前記各ネット本体2Aの上下、左右の端辺側に沿ってネット本体2Aの形状を維持するための補強用ロープ5を取り付ける。
【0117】
その後、前記各ネット本体2Aの上端辺に沿って該上端辺と略同形状の長さに形成された棒状体3を形成する複数本の棒状本体3Aをそれぞれ取り付ける。前記棒状本体3Aの取り付けは、補強用ロープ5部分を利用して紐体6を介してネット本体2Aの上端辺に沿って直接取り付ける。
【0118】
次に、前記棒状本体3Aに設けられた連結部8を天井側に滑車10を介して設けられた移動用ロープ4の位置に対応して移動した後、その位置で棒状本体3Aに固定し、前記移動用ロープ4を前記挿通部8に連結する。これにより、棒状本体3Aは水平又は傾斜を維持した状態でスムーズに昇降移動することができる。
【0119】
上記状態で、ウインチ20を駆動して移動用ロープ4を上方(天井側)に移動することで、ネット本体2Aをそれぞれ側面に沿って吊り張りすることができる。
【0120】
しかも、前記ネット本体2Aはそれぞれ棒状本体3Aが上端辺に沿って設けられているために、ネット本体2Aの形状を維持した状態で吊り張りすることができる。
【0121】
また、側面を開放する場合は、前記ウインチ20を駆動して移動用ロープ4を下方側に移動することで、ネット本体2Aを床面側に移動して側面を開放することができる。
【0122】
このように、本願発明の屋内空間部用のネット1はネット体2を複数枚のネット本体2Aで形成することで、あらゆる屋内空間部の側面にネット体2を吊り張りすることができる。
【0123】
しかも、各ネット本体2Aは上端側の形状を維持した状態で昇降移動でき、スムーズなネット体2の吊り張り作業工程を行うことができる。
【0124】
尚、上記実施例では各ネット本体2Aの上端辺に沿って棒状本体3Aを取り付けたが、棒状本体3Aの取り付けはこれに限定されるものでなく、ネット本体2Aの下端辺に沿ってそれぞれ該下端辺の長さに形成された棒状本体3Aを取り付けることも可能である。
【0125】
この際、各ネット本体2Aの上端側を天井側に直接固定又はロープ等を用いて間接的に固定し、各ネット本体2Aの上下方向に沿って取り付けられた挿通具11に移動用ロープ4を挿通した後、下端側の棒状本体3Aの連結部8に連結する。
【0126】
これにより、各ネット本体2Aの下端側を広げた状態で側面に沿ってバランスを維持した状態で吊り張りすることができる。
【0127】
尚、上記各実施例では屋内空間部用のネット1を側面に沿って吊り張りしたが、本発明において、屋内空間部用のネット1の吊り張り位置は側面に限定されるものでなく、間仕切り用として空間部の間仕切り面に沿って吊り張りすることも可能である。
【0128】
間仕切り面の天井側が傾斜、又は円弧である場合は、例えば、ネット体2を傾斜面に沿って形成した1枚のネット体2、2枚又は複数枚のネット本体2Aで形成し、ネット体2又はネット本体2Aの上端辺に沿って又は下端辺に沿って棒状体3又は棒状本体3Aを連結し、該棒状体3又は棒状本体3Aに移動自在に設けられた挿通部8を介して移動用ロープ4を連結することで、側面の場合と同様にネット体2又はネット本体2Aをスムーズ昇降移動することができる。
【0129】
この場合の上記実施例1と同様に天井面の傾斜形状に応じて各移動用ロープ4部分に上部調整手段を設け又は棒状体3(棒状本体3A)に下部調整手段を設けることで、各移動用ロープ4をスムーズに移動することができ、ネット体2を傾斜形状に応じて適切に吊り張りすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0130】
図1】本願発明の屋内空間部用のネットでネット体の上端辺に沿って棒状体を取り付けた一実施例を示す概略説明正面図
図2図1の屋内空間部用のネットの収納状態を示す概略説明正面図
図3】ネット体と棒状体との連結を示す概略説明平面図
図4】ネット体と棒状体との連結の他実施例を示す概略説明正面図
図5】本願発明の屋内空間部用のネットの他実施例を示す概略説明正面図
図6】本願発明の屋内空間部用のネットの他実施例を示す概略説明正面図
図7】本願発明の屋内空間部用のネットでネット体の下端辺に沿って棒状体を取り付けた一実施例を示す概略説明正面図
図8】屋内空間部用のネットでネット体を複数枚のネット本体で形成し、複数本の棒状本体で形成した棒状体を上端辺に沿って取り付けた一実施例を示す概略説明正面図
図9】棒状本体間の連結を示す概略説明正面図
図10】ネット本体間の連結を示す概略説明正面図
図11】屋内空間部用のネットでネット体を複数枚のネット本体で形成し、複数本の棒状本体で形成した棒状体を下端辺に沿って取り付けた一実施例を示す概略説明正面図
図12】ネット体の下端辺に沿って取り付けられた棒状体と移動用ロープとの連結を示す概略説明側面図
図13】ネット体の下端辺に沿って取り付けられた棒状体と移動用ロープとの連結の他実施例を示す概略説明側面図
図14】本願発明の屋内空間部用のネットで傾斜面を有する屋内空間部の間仕切り用として吊り張りした一実施例を示す概略説明正面図
図15】天井側と棒状体との間を移動用ロープ側で行う実施例を示す概略説明正面図
図16】天井側と棒状体との間を棒状体側で行う実施例を示す概略説明正面図
図17図16の他実施例を示す概略説明正面図
図18】本願発明の屋内空間部用のネットの吊り張り方法のフローチャート
図19】本願発明の屋内空間部用のネットの吊り張り方法のフローチャート
【符号の説明】
【0131】
1−屋内空間部用のネット、2−ネット体、3−棒状体
【要約】
【課題】本願発明は屋内空間部の側面に沿って、又は天井面に沿って防球用等のネットの取り付けの作業が容易であり、空間部の形状に応じて自在に防球用等のネットを吊り張りでき、且つネット体の取り付け作業、及びメンテナンス作業が安全に及び容易に行うことができる屋内空間部用のネット、及び該屋内空間部用のネットの吊り張り方法を提供することを課題とする。
【解決手段】屋内空間部の側面又は間仕切り面に沿って吊り張りされるネット体と、ネット体を昇降移動すべく前記ネット体に連結した移動用ロープと、該移動用ロープを移動するウインチとから構成されている屋内空間部用のネットにおいて、前記ネット体の上端辺又は下端辺に沿って長尺状の棒状体を取り付け、前記棒状体に移動自在に設けられ、前記移動用ロープを連結する連結部とから構成され、ネット体の水平移動又は傾斜移動時にバランスを維持した状態で行うことができることである。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19