特許第6443822号(P6443822)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6443822
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】キャビネット
(51)【国際特許分類】
   A47B 96/02 20060101AFI20181217BHJP
   A47B 67/02 20060101ALI20181217BHJP
【FI】
   A47B96/02 B
   A47B96/02 G
   A47B96/02 C
   A47B67/02 502G
【請求項の数】7
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-37035(P2016-37035)
(22)【出願日】2016年2月29日
(65)【公開番号】特開2017-153532(P2017-153532A)
(43)【公開日】2017年9月7日
【審査請求日】2018年10月12日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(72)【発明者】
【氏名】山田 修
(72)【発明者】
【氏名】鹿島 裕治
【審査官】 七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−189950(JP,A)
【文献】 特開2002−177067(JP,A)
【文献】 特開昭60−108009(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 96/02
A47B 67/02
A47K 1/02
A47K 5/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に物品を収納可能な収納トレイと、前記収納トレイが設置されるキャビネット本体と、を備えるキャビネットであって、
前記収納トレイは、
物品が載置可能な底面部と、
前記底面部の一端側から上方へ向かって立設された第一立壁部と、
前記底面部の他端側から上方へ向かって立設された第二立壁部と、を有し、
前記第一立壁部の高さは、前記第二立壁部の高さより大きく、
前記収納トレイは、前記第一立壁部が前記第二立壁部より前方側に位置するように配置された第一状態と、前記第二立壁部が前記第一立壁部より前方側に位置するように配置された第二状態と、を切り替えて前記キャビネット本体に設置することが可能であることを特徴とするキャビネット。
【請求項2】
前記収納トレイは、前記キャビネット本体に対して着脱自在に固定可能な固定部をさらに有し、
前記固定部は、前記収納トレイが第一状態である際でも、前記収納トレイが第二状態である際でも、前記キャビネット本体に対して着脱自在に固定可能であることを特徴とする請求項1に記載のキャビネット。
【請求項3】
前記固定部が着脱自在に固定可能な被固定部を備え、
前記固定部は、前記底面部の下面に設けられ、前記被固定部に固定可能な底面側第一固定部及び底面側第二固定部を有し、
前記底面側第一固定部は、前記第二立壁部より前記第一立壁部に近い位置に設けられており、
前記底面側第二固定部は、前記第一立壁部より前記第二立壁部に近い位置に設けられており、
前記底面側第一固定部及び前記底面側第二固定部は、前記第一立壁部と前記第二立壁部との間における中央線から略等距離となる位置に設けられていることを特徴とする請求項2に記載のキャビネット。
【請求項4】
前記固定部が着脱自在に固定可能な被固定部を備え、
前記固定部は、
前記底面部の下面に設けられ、前記収納トレイが第一状態である際に前記被固定部に固定可能な第一固定部と、
前記底面部の下面に設けられ、前記収納トレイが第二状態である際に前記被固定部に固定可能な第二固定部と、を有し、
前記収納トレイが第一状態である際に前記第一固定部が固定されている被固定部の前記第一立壁部と前記第二立壁部との間における中央線からの距離は、前記収納トレイが第二状態である際に前記第二固定部が固定されている被固定部の前記中央線からの距離と、略同一であることを特徴とする請求項2に記載のキャビネット。
【請求項5】
前記底面部の一端側から下方へ向かって立設された第三立壁部と、
前記底面部の他端側から下方へ向かって立設された第四立壁部と、をさらに備え、
前記第三立壁部及び前記第四立壁部との間に、前記固定部が配置されることを特徴とする請求項2又は3に記載のキャビネット。
【請求項6】
前記収納トレイは、前記キャビネット本体の内部空間に設置され、前記内部空間の左右内壁面の前方の端部から後方へ向かって切り欠かれた切り欠き部を備え、
前記収納トレイは、前記収納トレイの側面を形成する側壁部と、それぞれの前記側壁部から外側へ向かって突出するように設けられた第一突起及び第二突起と、をさらに備え、
前記切り欠き部は、前記第一突起及び前記第二突起が嵌合することで前記収納トレイの上下方向の動きを規制することを特徴とする請求項1に記載のキャビネット。
【請求項7】
前記収納トレイの前方方向への移動を規制する規制手段をさらに備えたことを特徴とする請求項6に記載のキャビネット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般的に、物品を収納可能な収納トレイを備えたキャビネットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、キャビネットの開口部の内部に設置され、内部に物品を収納可能な収納トレイが知られている。この収納トレイによれば、前方側に立壁部(前板)が立設しており、この立壁部によって、収納トレイの内部に収納された物品が、収納トレイの前方から落下してしまうことを防ぐことができる。
【0003】
背の高い物品がこのような収納トレイに収納された場合において、立壁部によってこの物品の落下を防ぐためには、立壁部の高さがある程度大きい必要がある。一方で、立壁部の高さが大きい収納トレイであると、背の低い物品が収納された場合には、立壁部によってこの物品を前方側から視認しづらくなり、物品が収納トレイから取り出しにくくなるといった課題がある。
【0004】
一方、特許文献1は、深い収納面と浅い収納面が裏表に形成された収納トレイが開示されている。この特許文献1に記載された収納トレイにおいては、上下に反転させて使用することで、収納面から立壁部である前板の上端までの距離が異なる2つの状態のどちらかに切り替えて、キャビネットの内部に設置させることができる。しかし、このような収納トレイにおいては、上下両面に収納面が形成されているため、収納トレイ全体の高さに対して背の高い物品を収納しづらくなるため、どちらの収納面を用いても背の高い物品の落下を防止しづらいという課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013−85912号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、背の高い物品が収納された場合にも収納された物品の落下を防ぐことができる状態と、背の低い物品が収納された場合にも物品の視認性を確保することができる状態とを切り替えることができ、且つ、収納トレイ全体の高さに対して背の高い物品を収納できる収納トレイを備えたキャビネットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、内部に物品を収納可能な収納トレイと、前記収納トレイが設置されるキャビネット本体と、を備えるキャビネットであって、前記収納トレイは、物品が載置可能な底面部と、前記底面部の一端側から上方へ向かって立設された第一立壁部と、前記底面部の他端側から上方へ向かって立設された第二立壁部と、を有し、前記収納トレイは、前記第一立壁部の高さは、前記第二立壁部の高さより大きく、前記第一立壁部が前記第二立壁部より前方側に位置するように配置された第一状態と、前記第二立壁部が前記第一立壁部より前方側に位置するように配置された第二状態と、を切り替えて前記キャビネット本体に設置することが可能であることを特徴とするキャビネットである。
【0008】
このキャビネットによれば、収納トレイは、キャビネット本体に設置される収納トレイの第一立壁部の高さは第二立壁部の高さより大きく、第一立壁部が第二立壁部より前方側に位置するように配置された第一状態と、第二立壁部が第一立壁部より前方側に位置するように配置された第二状態と、を切り替えてキャビネット本体に設置することが可能であるため、背の高い物品が収納トレイの内部に収納された場合には、収納トレイを第一状態でキャビネット本体に設置することで、第一立壁部によって、物品の落下を防ぐことができ、背の低い物品が収納トレイの内部に収納された場合には、収納トレイを第二状態でキャビネット本体に設置することで、第二立壁部によって、物品の落下を防ぎつつ、物品の視認性を確保することができる。また、収納トレイの上下両面に収納面を設けないため、収納トレイ全体の高さに対して物品を収納できる深さを大きく確保することができ、収納トレイを必要以上に大型化することなく背の高い物品の落下をより確実に防止できる。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、前記収納トレイは、前記キャビネット本体に対して着脱自在に固定可能な固定部をさらに有し、前記固定部は、前記収納トレイが第一状態である際でも、前記収納トレイが第二状態である際でも、前記キャビネット本体に対して着脱自在に固定可能であることを特徴とするキャビネットである。
【0010】
このキャビネットによれば、収納トレイが第一状態であった場合でも、第二状態であった場合でも、キャビネット本体に対して着脱自在に固定可能な固定部をさらに備えたため、収納トレイを第一状態でキャビネット本体に設置した場合にも、収納トレイを第二状態でキャビネット本体に設置した場合にも、確実に収納トレイをキャビネット本体に固定することができ、収納トレイが不意の外力によりキャビネット本体から外れてしまうことを抑制することができる。
【0011】
第3の発明は、第2の発明において、前記固定部が着脱自在に固定可能な被固定部を備え、前記固定部は、前記底面部の下面に設けられ、前記被固定部に固定可能な底面側第一固定部及び底面側第二固定部を有し、前記底面側第一固定部は、前記第二立壁部より前記第一立壁部に近い位置に設けられており、前記底面側第二固定部は、前記第一立壁部より前記第二立壁部に近い位置に設けられており、前記底面側第一固定部及び前記底面側第二固定部は、前記第一立壁部と前記第二立壁部との間における中央線から略等距離となる位置に設けられていることを特徴とするキャビネットである。
【0012】
このキャビネットによれば、収納トレイを第一状態と第二状態とに切り替えてキャビネット本体に設置する際に、底面側第一固定部が固定されていた被固定部に対して底面側第二固定部を固定させることができ、また、底面側第二固定部が固定されていた被固定部に対して底面側第一固定部を固定させることができる。したがって、極めて簡単な構造で、第一状態と第二状態とを切り替え可能な収納トレイを着脱自在にキャビネット本体に固定することができる。また、底面側第一固定部及び底面側第二固定部は第一立壁部と第二立壁部との間における中央線から等距離となる位置に設けられているため、収納トレイを第一状態でキャビネット本体に設置したときの第一立壁部の位置は、収納トレイを第二状態でキャビネット本体に設置したときの第二立壁部の位置と、略同一となる。よって、第一状態の収納トレイと第二状態の収納トレイとで、収納トレイが設置されたキャビネット本体を正面から見た際の見え方が統一される。したがって、収納トレイが設置されたキャビネット本体を正面から見た際の美観が損なわれることを抑制できる。
【0013】
第4の発明は、第2の発明において、前記固定部が着脱自在に固定可能な被固定部を備え、前記固定部は、前記底面部の下面に設けられ、前記収納トレイが第一状態である際に前記被固定部に固定可能な第一固定部と、前記底面部の下面に設けられ、前記収納トレイが第二状態である際に前記被固定部に固定可能な第二固定部と、を有し、前記収納トレイが第一状態である際に前記第一固定部が固定されている被固定部の前記第一立壁部と前記第二立壁部との間における中央線からの距離は、前記収納トレイが第二状態である際に前記第二固定部が固定されている被固定部の前記中央線からの距離と、略同一であることを特徴とするキャビネットである。
【0014】
このキャビネットによれば、収納トレイを第一状態と第二状態とに切り替えてキャビネット本体に設置する際に、第一固定部が固定されていた被固定部に対して第二固定部を固定させることができ、また、第二固定部が固定されていた被固定部に対して第一固定部を固定させることができる。したがって、極めて簡単な構造で、第一状態と第二状態とを切り替え可能な収納トレイを着脱自在にキャビネット本体に固定することができる。また、収納トレイが第一状態である際に第一固定部が固定されている被固定部の第一立壁部と第二立壁部との間における中央線からの距離は、収納トレイが第二状態である際に第二固定部が固定されている被固定部の中央線からの距離と略同一であるため、収納トレイを第一状態でキャビネット本体に設置したときの第一立壁部の位置は、収納トレイを第二状態でキャビネット本体に設置したときの第二立壁部の位置と、略同一となる。よって、第一状態の収納トレイと第二状態の収納トレイとで、収納トレイが設置されたキャビネット本体を正面から見た際の見え方が統一される。したがって、収納トレイが設置されたキャビネット本体を正面から見た際の美観が損なわれることを抑制できる。
【0015】
第5の発明は、第3又は第4の発明において、前記底面部の一端側から下方へ向かって立設された第三立壁部と、前記底面部の他端側から下方へ向かって立設された第四立壁部と、をさらに備え、前記第三立壁部及び前記第四立壁部との間に、前記固定部が配置されることを特徴とするキャビネットである。
【0016】
このキャビネットによれば、底面部の一端側から下方へ向かって立設された第三立壁部と、底面部の他端側から下方へ向かって立設された第四立壁部と、をさらに備え、第三立壁部及び第四立壁部との間に、第一固定部及び第二固定部が配置されるため、収納トレイを第一状態でキャビネット本体に設置した場合にも、収納トレイを第二状態でキャビネット本体に設置した場合にも、第一固定部及び第二固定部を第三立壁部及び第四立壁部によって前方側から隠蔽することができ、収納トレイが設置されたキャビネット本体を正面から見た際の美観を向上させることができる。
【0017】
第6の発明は、第1の発明において、前記収納トレイは、前記キャビネット本体の内部空間に設置され、前記内部空間の左右内壁面の前方の端部から後方へ向かって切り欠かれた切り欠き部を備え、前記収納トレイは、前記収納トレイの側面を形成する側壁部と、それぞれの前記側壁部から外側へ向かって突出するように設けられた第一突起及び第二突起と、をさらに備え、前記切り欠き部は、前記第一突起及び前記第二突起が嵌合することで前記収納トレイの上下方向の動きを規制することを特徴とするキャビネットである。
【0018】
このキャビネットによれば、収納トレイは、それぞれの側壁部から外側へ向かって突出するように設けられた第一突起及び第二突起を備え、キャビネット本体の切り欠き部は、第一突起及び第二突起が嵌合することで収納トレイの上下方向の動きを規制することにより、収納トレイの側壁部にそれぞれ設けられた第一突起及び第二突起を切り欠き部に嵌合させるだけで、第一状態と第二状態とを切り替え可能な収納トレイを着脱自在にキャビネット本体に設置することができる。よって、極めて簡単な構造で、第一状態と第二状態とを切り替え可能な収納トレイを着脱自在に設置することができる。
【0019】
第7の発明は、第6の発明において、前記収納トレイの前方方向への移動を規制する規制手段をさらに備えたことを特徴とするキャビネットである。
【0020】
このキャビネットによれば、収納トレイの前方方向への移動を規制する規制手段をさらに備えたことにより、収納トレイの側壁部にそれぞれ設けられた第一突起及び第二突起を切り欠き部に嵌合させ、第一状態と第二状態とを切り替え可能な収納トレイを着脱自在にキャビネット本体に設置した際にも、規制手段によって、収納トレイの前方方向への移動を規制することができる。したがって、収納トレイに前方方向への外力が加わった際にも、収納トレイがキャビネット本体から外れて落下してしまうことを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の態様によれば、背の高い物品が収納された場合にも収納された物品の落下を防ぐことができる状態と、背の低い物品が収納された場合にも物品の視認性を確保することができる状態とを切り替えることができ、且つ、収納トレイ全体の高さに対して背の高い物品を収納できる収納トレイを備えたキャビネットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の第1の実施の形態に係るキャビネットを示す模式的斜視図である。
図2図1のキャビネットが備えている収納トレイを示す模式的斜視図である。
図3図2の収納トレイを示す模式的断面図である。
図4図3の収納トレイをキャビネット本体に取り付ける過程を示す模式的断面図である。
図5図4の収納トレイがキャビネット本体に取り付けられた状態を示す模式的断面図である。
図6】第一状態の図2の収納トレイに物品が収納された状態を示す模式的断面図である。
図7図6の物品が収納された収納トレイを示す模式的正面図である。
図8】第二状態の図2の収納トレイに物品が収納された状態を示す模式的断面図である。
図9図8の物品が収納された収納トレイを示す模式的正面図である。
図10図1のキャビネットの正面に使用者が位置している状態を示す模式的断面図である。
図11】本発明の第2の実施の形態に係るキャビネットが備えている収納トレイを示す模式的断面図である。
図12図11における収納トレイを第一状態でキャビネット本体に取り付ける過程を示す模式的断面図である。
図13図11における収納トレイを第二状態でキャビネット本体に取り付ける過程を示す模式的断面図である。
図14】本発明の第3の実施の形態に係るキャビネットが備えている収納トレイを示す模式的斜視図である。
図15図14の収納トレイが取り付けられたキャビネット本体を示す模式的斜視図である。
図16図14の収納トレイをキャビネット本体に取り付ける過程を示す模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
また、本発明において、使用者がキャビネット100に向かって立っている位置が、キャビネット100に対する「前方」であると定義する。
【0024】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るキャビネットを示す模式的斜視図である。
なお、図1(a)は、2枚のミラーが開いているキャビネットを示す模式的斜視図であり、図1(b)は、ミラーを取り外した状態のキャビネットを示す模式的斜視図である。
【0025】
図1に示すように、キャビネット100は、例えば樹脂で形成されたキャビネット本体1と、キャビネット本体1の内部空間に載置された収納トレイ2と、を備えている。このキャビネット100は、例えば、水を吐出する水栓装置や、その水を受けるボウル部を備えた洗面台の上方に設置される。キャビネット本体1の上方には、発光素子を光源に有する照明装置(図示せず)が設置される。この照明装置は、キャビネット100の前方に立っている使用者に向かって光を照射する。キャビネット本体1は、ミラー4を有しており、このミラー4を開閉させることによって、キャビネット本体1の内部空間を開放・隠蔽できる。なお、本発明の実施の形態においては、収納トレイ2は、キャビネット本体1の内部空間に収納されるものであるが、本発明はそれに限らず、例えば、キャビネット本体1の前方に設けられた棚に載置される構成などであっても良い。
【0026】
図2は、図1のキャビネットが備えている収納トレイを示す模式的斜視図である。図3は、図2の収納トレイを示す模式的断面図である。
なお、図2(a)は、第一状態の収納トレイを示す模式的斜視図であり、図2(b)は、第二状態の収納トレイを示す模式的斜視図である。
また、図3(a)は、第一状態の収納トレイを示す模式的断面図であり、図3(b)は、第二状態の収納トレイを示す模式的断面図である。
【0027】
図2、3に示すように、収納トレイ2は、物品が載置可能な底面部6と、底面部6の一端側から上方へ向かって立設された第一立壁部8と、底面部6の他端側(第一立壁部8が設けられた一端側とは反対の側)から上方へ向かって立設された第二立壁部10と、を有している。収納トレイ2は、例えばポリプロピレン樹脂製である。第一立壁部8の高さは、第二立壁部10の高さより大きい。なお、底面部6、第一立壁部8、第二立壁部10は、一体に形成されている。
【0028】
収納トレイ2は、図2(a)に示すような、第一立壁部8が第二立壁部10より前方側に位置するように配置された第一状態と、図2(b)に示すような、第二立壁部10が第一立壁部8より前方側に位置するように配置された第二状態と、を切り替えてキャビネット本体1に設置することが可能である。
【0029】
収納トレイ2は、キャビネット本体1に対して着脱自在に固定可能な固定部12を有する。固定部12は、底面部6の下面に設けられ、キャビネット本体1に設けられた被固定部14(図4参照)に固定可能な底面側第一固定部12a及び底面側第二固定部12bを有する。即ち、本発明の第1の実施の形態において、固定部12は、底面部6の下面に設けられ、収納トレイ2が第一状態である際に、キャビネット本体1に設けられた被固定部14に固定可能な第一固定部であり、収納トレイ2が第二状態である際にも被固定部14に固定可能な第二固定部である。
【0030】
このように、収納トレイ2が第一状態であった場合でも、第二状態であった場合でも、キャビネット本体1に対して着脱自在に固定可能な固定部12を備えたため、収納トレイ2を第一状態でキャビネット本体1に設置した場合にも、収納トレイ2を第二状態でキャビネット本体1に設置した場合にも、確実に収納トレイ2をキャビネット本体1に固定することができ、収納トレイ1が不意の外力によりキャビネット本体1から外れてしまうことを抑制することができる。
【0031】
収納トレイ2は、底面部6の一端側から下方へ向かって立設された第三立壁部16と、底面部6の他端側から下方へ向かって立設された第四立壁部18と、を備えている。これらの役割は、後に詳述する。
【0032】
図3に示すように、底面側第一固定部12aは、第二立壁部10より第一立壁部8に近い位置に設けられている。底面側第二固定部12bは、第一立壁部8より第二立壁部10に近い位置に設けられている。底面側第一固定部12a及び底面側第二固定部12bは、第一立壁部8と第二立壁部10との間における中央線Aから略等距離となる位置に設けられている。
より詳述すると、第一立壁部8から第二立壁部10までの長さがD1とすると、第一立壁部8から中央線Aまでの長さ、及び、第二立壁部10から中央線Aまでの長さ、はD1/2である。この際、底面側第一固定部12aから中央線Aまでの長さであるD2は、底面側第二固定部12bから中央線Aまでの長さであるD3と、ほぼ等しい。なお、本発明における「略等距離」とは、例えば、それぞれの長さの差分(D3とD2との差分)が、5ミリメートル(mm)以内のものも含むものとする。
【0033】
このことより、収納トレイ2を第一状態と第二状態とに切り替えてキャビネット本体1に設置する際に、底面側第一固定部12aが固定されていた被固定部14に対して底面側第二固定部12bを固定させることができ、また、底面側第二固定部12bが固定されていた被固定部14に対して底面側第一固定部12aを固定させることができる。したがって、極めて簡単な構造で、第一状態と第二状態とを切り替え可能な収納トレイ2を着脱自在にキャビネット本体1に固定することができる。また、底面側第一固定部12a及び底面側第二固定部12bは第一立壁部8と第二立壁部10との間における中央線から等距離となる位置に設けられているため、収納トレイ2を第一状態でキャビネット本体1に設置したときの第一立壁部8の位置は、収納トレイ2を第二状態でキャビネット本体1に設置したときの第二立壁部10の位置と、略同一となる。よって、第一状態の収納トレイ2と第二状態の収納トレイ2とで、収納トレイ2が設置されたキャビネット本体1を正面から見た際の見え方が統一される。したがって、収納トレイ2が設置されたキャビネット本体1を正面から見た際の美観が損なわれることを抑制できる。
【0034】
図4は、図3の収納トレイをキャビネット本体に取り付ける過程を示す模式的断面図である。
【0035】
図4に示すように、収納トレイ2をキャビネット本体1に取り付け、固定させるためには、収納トレイ2をキャビネット本体1の被固定部14の上方から、下方へ移動させる。そして、被固定部14は、例えば、長棒形状のバー部材である。底面側第一固定部12a及び底面側第二固定部12bに被固定部14を嵌め込み、固定させる。底面側第一固定部12a及び底面側第二固定部12bには、それぞれ内側に突起が突出しており、底面側第一固定部12a及び底面側第二固定部12bに被固定部14を嵌め込む際には、被固定部14はこの突起を乗り越え、底面側第一固定部12a及び底面側第二固定部12bそれぞれの内部に挿入(取り付け)される。底面側第一固定部12a及び底面側第二固定部12bそれぞれの内部に挿入(取り付け)された被固定部14は、これら突起によって、不意の外力が加わっても容易に外れないように構成されている。なお、本取り付け構成は、収納トレイ2が第一状態であっても第二状態であっても、実現できる。
【0036】
図5は、図4の収納トレイがキャビネット本体に取り付けられた状態を示す模式的断面図である。
【0037】
図5に示すように、不意に矢印方向の外力(キャビネット本体1に取り付けられた状態における収納トレイ2の前方側において下方から突き上げられる力)が加わったとしても、第一立壁部8がキャビネット本体1の収納空間内部の奥側面に当接することで、収納トレイ2が回転してしまうことを防ぐことができる。なお、本回転防止構成は、収納トレイ2が第一状態であっても第二状態であっても、実現できる。収納トレイ2が第一状態であった場合は、第二立壁部10がキャビネット本体1の収納空間内部の奥側面に当接することで、収納トレイ2が回転してしまうことを防ぐことができる。収納トレイ2が第二状態であった場合は、第一立壁部8がキャビネット本体1の収納空間内部の奥側面に当接することで、収納トレイ2が回転してしまうことを防ぐことができる。
【0038】
図6は、第一状態の図2の収納トレイに物品が収納された状態を示す模式的断面図である。図7は、図6の物品が収納された収納トレイを示す模式的正面図である。
【0039】
図6、7に示すように、第一状態の収納トレイ2に背の高い物品(例えば化粧液ボトル20など)や、背がそれなりに高い物品(例えば化粧乳液ボトル22など)が収納されていても、第一立壁部8によって、これら物品の落下を防ぐことができる。
【0040】
図8は、第二状態の図2の収納トレイに物品が収納された状態を示す模式的断面図である。図9は、図8の物品が収納された収納トレイを示す模式的正面図である。
【0041】
図8、9に示すように、第二状態の収納トレイ2に背の低い物品(例えばコンタクトレンズケース24や倒れたマニキュアケース26など)や、背がそれなりに高い物品(例えば化粧乳液ボトル22や直立して載置されたマニキュアケース26など)が収納されていても、第二立壁部10によって、これら物品の落下を防ぎつつ、物品の視認性を確保することができる。
【0042】
本発明の収納トレイ2は、上下両面に収納面を設けていないため、収納トレイ2全体の高さに対して物品を収納できる深さを大きく確保することができ、収納トレイを必要以上に大型化することなく背の高い物品の落下をより確実に防止できる。
【0043】
図10は、図1のキャビネットの正面に使用者が位置している状態を示す模式的断面図である。
【0044】
図10に示すように、女性や子供など背の低い使用者であっても、本発明の収納トレイ2を第二状態でキャビネット本体1に設置すれば、収納トレイ2がキャビネット100内のどの高さであっても、比較的容易に、収納トレイ2内に収納された物品を視認することができる。また、収納トレイ2は、前後反転させることで、第一状態と第二状態とを容易に切り替えることができるため、使用者の好みや、収納したい物品に合わせて、収納された物品の落下防止性を重視する第一状態か、収納された物品の視認性を重視する第二状態か、を選択できる。
【0045】
図11は、本発明の第2の実施の形態に係るキャビネットが備えている収納トレイを示す模式的断面図である。図12は、図11における収納トレイを第一状態でキャビネット本体に取り付ける過程を示す模式的断面図である。図13は、図11における収納トレイを第二状態でキャビネット本体に取り付ける過程を示す模式的断面図である。
なお、図11(a)は、本発明の第2の実施の形態に係る収納トレイが第一状態でキャビネット本体に取り付けられた状態を示す模式的断面図であり、図11(b)は、本発明の第2の実施の形態に係る収納トレイが第一状態でキャビネット本体に取り付けられた状態を示す模式的断面図である。
【0046】
図11に示すように、本発明の第2の実施の形態に係る収納トレイ2Aにおいては、収納トレイ2Aの固定部12Aは、底面部6の下面に設けられ、収納トレイ2Aが第一状態である際に被固定部14に固定可能な第一固定部28と、底面部6の下面に設けられ、収納トレイ2Aが第二状態である際に被固定部14に固定可能な第二固定部30と、を有している。
【0047】
第一固定部28は、被固定部14を横から(底面部6と略平行な方向から)挿入可能な第一横嵌合部32と、第一横嵌合部32より第一立壁部8寄りに設けられており、被固定部14を上方から挿入可能な第一縦嵌合部34と、有している。
【0048】
第二固定部30は、被固定部14を横から(底面部6と略平行な方向から)挿入可能な第二横嵌合部36と、第二横嵌合部36より第二立壁部10寄りに設けられており、被固定部14を上方から挿入可能な第二縦嵌合部38と、有している。
【0049】
収納トレイ2Aが第一状態である際に第一固定部28が固定されている被固定部14の第一立壁部8と第二立壁部10との間における中央線Aからの距離は、収納トレイ2Aが第二状態である際に第二固定部30が固定されている被固定部14の中央線Aからの距離と、略同一である。
より詳述すると、第一立壁部8から第二立壁部10までの長さがD4とすると、第一立壁部8から中央線Aまでの長さ、及び、第二立壁部10から中央線Aまでの長さ、はD4/2である。この際、第一縦嵌合部34に挿入された被固定部14から中央線Aまでの長さであるD5は、第二縦嵌合部38に挿入された被固定部14から中央線Aまでの長さであるD6と、ほぼ等しい。また、この際、第一横嵌合部32に挿入された被固定部14から中央線Aまでの長さであるD7は、第二横嵌合部36に挿入された被固定部14から中央線Aまでの長さであるD8と、ほぼ等しい。本発明の第2の実施の形態に係る収納トレイ2Aにおいては、D5、D6、D7、D8は、ほぼ同一である。
なお、本発明における「略同一」及び「ほぼ等しい」とは、例えば、それぞれの長さの差分(D5とD6との差分、又は、D7とD8との差分)が、5ミリメートル(mm)以内のものも含むものとする。
【0050】
このことより、極めて簡単な構造で、第一状態と第二状態とを切り替え可能な収納トレイ2Aを着脱自在にキャビネット本体1に固定することができる。また、収納トレイ2Aが第一状態である際に第一固定部28が固定されている被固定部14の第一立壁部8と第二立壁部10との間における中央線Aからの距離は、収納トレイ2Aが第二状態である際に第二固定部30が固定されている被固定部14の中央線Aからの距離と、略同一であるため、収納トレイ2Aを第一状態でキャビネット本体1に設置したときの第一立壁部8の位置は、収納トレイ2Aを第二状態でキャビネット本体1に設置したときの第二立壁部10の位置と、略同一となる。よって、第一状態の収納トレイ2Aと第二状態の収納トレイ2Aとで、収納トレイ2Aが設置されたキャビネット本体1を正面から見た際の見え方が統一される。したがって、収納トレイ2Aが設置されたキャビネット本体1を正面から見た際の美観が損なわれることを抑制できる。
【0051】
本発明の第2の実施の形態に係る収納トレイ2Aにおいては、収納トレイ2Aをキャビネット本体1に固定させた状態では、一方の被固定部14に嵌合している第一横嵌合部32又は第二横嵌合部36は、他方の被固定部14に嵌合している第一縦嵌合部34又は第二縦嵌合部38より、キャビネット本体1内における後方に位置している。したがって、収納トレイ2Aをキャビネット本体1に固定させた状態において、収納トレイ2Aの前方側に上方から荷重が加わった際にも、被固定部14に嵌合している第一横嵌合部32又は第二横嵌合部36の嵌合状態(固定状態)が解除されてしまうことを、第一横嵌合部32又は第二横嵌合部36の底面が被固定部14に当接することによって防止できる。
【0052】
図12に示すように、収納トレイ2Aを第一状態でキャビネット本体1に取り付ける際には、まず被固定部14を横から(底面部6と略平行な方向から)第一横嵌合部32に挿入し、嵌合(固定)させる。そして、第一横嵌合部32に嵌合された被固定部14を軸に収納トレイ2Aを下方へ回転させ、他の被固定部14を第一縦嵌合部34に挿入し、嵌合(固定)させる。
【0053】
図13に示すように、収納トレイ2Aを第二状態でキャビネット本体1に取り付ける際には、まず被固定部14を横から(底面部6と略平行な方向から)第二横嵌合部36に挿入し、嵌合(固定)させる。そして、第二横嵌合部36に嵌合された被固定部14を軸に収納トレイ2Aを下方へ回転させ、他の被固定部14を第二縦嵌合部38に挿入し、嵌合(固定)させる。
【0054】
このような取り付け方法により、使用者による収納トレイ2Aの取り付けミスを防止できる。
即ち、本発明の第1の実施の形態に係る収納トレイ2においては、収納トレイ2を被固定部14の上方から載置させる際に、固定部12と被固定部14の位置がずれてしまうと、固定部12と被固定部14が嵌合しないため、収納トレイ2が固定されない。また、第三立壁部16又は第四立壁部18によって、収納トレイ2の正面に居る使用者は、固定部12と被固定部14との嵌合状態を視認できないため、この非固定状態に気付かない。一方で、本発明の第2の実施の形態に係る収納トレイ2Aにおいては、収納トレイ2Aを固定するためには、収納トレイ2Aを被固定部14の上方からそのまま載置させるものではなく、第一横嵌合部32又は第二横嵌合部36に一方の被固定部14を嵌合させ、第二横嵌合部36に嵌合された被固定部14を軸に収納トレイ2Aを下方へ回転させ、他方の被固定部14を第一縦嵌合部34又は第二縦嵌合部38に挿入させるものであるため、誤って固定部12Aと被固定部14が嵌合させずに収納トレイ2Aを載置させてしまうことを抑制できる。また、仮に、収納トレイ2Aを被固定部14の上方からそのまま載置させてしまった場合には、被固定部14と収納トレイ2Aの底面とが当接することにより、被固定部14が第三立壁部16又は第四立壁部18によって隠蔽されないため、収納トレイ2Aの正面に居る使用者は、固定部12Aと被固定部14との非嵌合状態を視認でき、収納トレイ2Aの非固定状態に気付くことができる。
【0055】
第一縦嵌合部34及び第二縦嵌合部38には、それぞれ内側に突起が突出しており、第一縦嵌合部34及び第二縦嵌合部38に被固定部14を嵌め込む際には、被固定部14はこの突起を乗り越え、第一縦嵌合部34及び第二縦嵌合部38それぞれの内部に挿入(取り付け)される。第一縦嵌合部34及び第二縦嵌合部38それぞれの内部に挿入(取り付け)された被固定部14は、これら突起によって、不意の外力が加わっても容易に外れないように構成されている。
【0056】
図14は、本発明の第3の実施の形態に係るキャビネットが備えている収納トレイを示す模式的斜視図である。図15は、図14の収納トレイが取り付けられたキャビネット本体を示す模式的斜視図である。図16は、図14の収納トレイをキャビネット本体に取り付ける過程を示す模式的断面図である。
なお、図14(a)は、本発明の第3の実施の形態に係る収納トレイが第一状態である場合を示す模式的斜視図であり、図14(b)は、本発明の第3の実施の形態に係る収納トレイが第二状態である場合を示す模式的斜視図である。
【0057】
図14〜16に示すように、本発明の第3の実施の形態に係る収納トレイ2Bは、収納トレイの側面を形成する2枚の側壁部40と、それぞれの側壁部40から外側へ向かって突出するように設けられた第一突起42及び第二突起44と、をさらに備えている。
【0058】
キャビネット1Aは、内部空間の左右内壁面の前方の端部(前端)から後方へ向かって切り欠かれた切り欠き部46を備えている。切り欠き部は、第一突起42及び第二突起44が嵌合することで収納トレイ2Bの上下方向の動きを規制する。
【0059】
このように、収納トレイ2Bの側壁部40にそれぞれ設けられた第一突起42及び第二突起44を切り欠き部46に嵌合させるだけで、第一状態と第二状態とを切り替え可能な収納トレイ2Bを着脱自在にキャビネット本体1Aに設置することができる。よって、極めて簡単な構造で、第一状態と第二状態とを切り替え可能な収納トレイ2Bをキャビネット本体1Aに着脱自在に設置することができる。
【0060】
この切り欠き部46の前端には、キャビネット1Aに取り付けられた収納トレイ2Bの前方方向への移動を規制する当接部(規制手段)48が設けられている。当接部48は、それぞれの側壁部40に設けられたそれぞれの切り欠き部46の前端に設けられている。
【0061】
キャビネット1Aに収納トレイ2Bを取り付けるには、まず、切り欠き部46の前端であって切り欠き部46内における当接部48の上方から収納トレイ2Bの第一突起42及び第二突起44を、底面部6に対して水平方向に、挿入させる。その後、収納トレイ2Bの支持状態を解除させると、収納トレイ2B自身の荷重によって、収納トレイ2Bは下方に移動する。この状態においては、収納トレイ2Bは、当接部48によって前方方向への移動を規制されている。
【0062】
このように、収納トレイ2Bの前方方向への移動を規制する当接部48を備えたことにより、収納トレイ2Bの側壁部40にそれぞれ設けられた第一突起42及び第二突起44を切り欠き部46に嵌合させ、第一状態と第二状態とを切り替え可能な収納トレイ2Bを着脱自在にキャビネット本体1Aに設置した際にも、当接部48によって、収納トレイ2Bの前方方向への移動を規制することができる。したがって、収納トレイ2Bに前方方向への外力が加わった際にも、収納トレイ2Bがキャビネット本体1Aから外れて落下してしまうことを防ぐことができる。
【0063】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。
【0064】
本発明のキャビネット100は、洗面台の上方に設置されるもののみでなく、例えば、トイレルームやキッチン、浴室等に設置されるものも含む。
【0065】
前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、キャビネット100などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0066】
1、1A キャビネット本体、 2、2A、2B 収納トレイ、 4 ミラー、 6 底面部、 8 第一立壁部、 10 第二立壁部、 12、12A 固定部、 12a 底面側第一固定部、 12 底面側第二固定部、 14 被固定部、 16 第三立壁部、 18 第四立壁部、 20 化粧液ボトル、 22 化粧乳液ボトル、 24 コンタクトレンズケース、 26 マニキュアケース、 28 第一固定部、 30 第二固定部、 32 第一横嵌合部、 34 第一縦嵌合部、 36 第二横嵌合部、 38 第二縦嵌合部、 40 側壁部、 42 第一突起、 44 第二突起、46 切り欠き部、 48 当接部(規制手段)、 100 キャビネット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図16