特許第6443856号(P6443856)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6443856
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】空気入りタイヤ及び車両
(51)【国際特許分類】
   B60C 11/00 20060101AFI20181217BHJP
   B60C 5/00 20060101ALI20181217BHJP
【FI】
   B60C11/00 E
   B60C5/00 H
   B60C11/00 Z
【請求項の数】15
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2014-229990(P2014-229990)
(22)【出願日】2014年11月12日
(65)【公開番号】特開2016-94039(P2016-94039A)
(43)【公開日】2016年5月26日
【審査請求日】2017年11月8日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006714
【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(74)【代理人】
【識別番号】100118762
【弁理士】
【氏名又は名称】高村 順
(72)【発明者】
【氏名】丹野 篤
【審査官】 河島 拓未
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−059125(JP,A)
【文献】 特開平06−194236(JP,A)
【文献】 特開2010−195236(JP,A)
【文献】 特開平08−318715(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C 1/00−19/12
G06T 1/00−1/40
3/00−5/50
9/00−9/40
B60R 21/00−21/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両に装着され、表面を有し、中心軸を中心に回転可能な空気入りタイヤであって、
前記表面は、
ゴムの表面を含む地色領域と、
前記中心軸の周方向に設けられ、前記自車両と後続車両との衝突を防止するために前記後続車両に搭載されているカメラで認識される画像認識用の着色領域と、
を含む空気入りタイヤ。
【請求項2】
可視光に対する前記着色領域の反射率は、前記地色領域の反射率よりも高い請求項1に記載の空気入りタイヤ。
【請求項3】
ショルダー部を備え、
前記着色領域は、前記ショルダー部の表面に設けられる請求項1又は請求項2に記載の空気入りタイヤ。
【請求項4】
トレッド部と、
前記中心軸と平行な方向に関して前記トレッド部の一側及び他側のそれぞれに配置されるサイドウォール部と、を備え、
前記着色領域は、前記トレッド部の接地領域の一側の端部と前記トレッド部の一側に配置された前記サイドウォール部の最も一側の部位との間の表面、及び前記接地領域の他側の端部と前記トレッド部の他側に配置された前記サイドウォール部の最も他側の部位との間の表面の一方又は両方に設けられる請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
【請求項5】
前記着色領域は、前記中心軸と平行な方向に関して間隔をあけて複数設けられる請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
【請求項6】
前記中心軸と平行な方向に関する前記着色領域の寸法は、前記間隔の寸法よりも大きい請求項5に記載の空気入りタイヤ。
【請求項7】
前記周方向に設けられた主溝を備え、
前記着色領域は、前記主溝の内面を含む請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
【請求項8】
前記主溝の内面は、底面と、前記中心軸と平行な方向に関して前記底面の一側に配置される第1壁面と、前記底面の他側に配置される第2壁面と、を含み、
前記第1壁面と前記第2壁面とがなす角度は、30[°]以上120[°]以下である請求項7に記載の空気入りタイヤ。
【請求項9】
前記中心軸と平行な方向に関して、前記着色領域の寸法は、10mm以上である請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
【請求項10】
前記着色領域は、前記ゴムに塗布された塗料の表面を含む請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
【請求項11】
前記塗料は、蛍光塗料を含む請求項10に記載の空気入りタイヤ。
【請求項12】
前記塗料は、再帰性反射材料を含む請求項10に記載の空気入りタイヤ。
【請求項13】
着色料を含有する着色ゴムを含み、
前記着色領域は、前記着色ゴムの表面を含む請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
【請求項14】
複数の車輪と、
複数の前記車輪のうち、少なくとも最後尾の前記車輪に装着される請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の空気入りタイヤと、
を備える車両。
【請求項15】
最後尾の前記車輪に装着された前記空気入りタイヤを照明する照明装置を備える請求項14に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気入りタイヤ及び車両に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車に係る技術分野において、先行する車両とその後に続く車両との距離を検出して、車両同士の衝突を回避する衝突回避システムが実用化されている。車両間の距離を検出する方式として、ミリ波センサを使用する方式、レーダセンサを使用する方式、及びカメラを使用する方式が知られている。特許文献1及び特許文献2には、カメラで取得された画像を用いて先行する車両とその後に続く車両との距離を推定する技術が開示されている。特許文献1には、単眼カメラによって記録された一連の画像を用いて先行する車両までの距離を推定する技術が開示されている。特許文献2には、デジタルカメラで取得された画像から先行する車両の左右のテールランプ又はタイヤを特徴点として抽出し、その特徴点間の距離に基づいて、車両間の距離を推定する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第8164628号
【特許文献2】特開2013−101040号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
カメラを使用する方式の場合、降雨時において、カメラによる車両の認識率が低下する可能性がある。例えば、車両のテールランプを特徴点として抽出する場合、降雨により路面が濡れていると、路面に投影されたテールランプの画像がカメラに取得される可能性が高くなる。テールランプの実際の画像ではなく、路面に投影されたテールランプの画像に基づいて車両間の距離が推定されると、推定結果の信頼性が低下する可能性がある。特に、夜間の降雨時においては、カメラによる車両の認識率は著しく低下する可能性がある。
【0005】
本発明の態様は、カメラで取得された画像を用いて車両間の距離を推定する場合、カメラによる車両の認識率の低下が抑制され、車両同士の衝突を抑制できる空気入りタイヤを提供することを目的とする。また、本発明の態様は、カメラによる認識率の低下が抑制され、先行する車両がその後に続く車両に衝突されることを抑制できる車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に従えば、表面を有し、中心軸を中心に回転可能な空気入りタイヤであって、前記表面は、ゴムの表面を含む地色領域と、前記中心軸の周方向に設けられた画像認識用の着色領域と、を含む空気入りタイヤが提供される。
【0007】
本発明の第1の態様によれば、画像認識用の着色領域が設けられる。着色領域は、高い認識率で画像認識を実施可能な色で着色される。着色領域が設けられているので、後続車両のカメラによる、自車両に装着された空気入りタイヤの認識率の低下が抑制される。これにより、後続車両が自車両に衝突することが抑制される。また、着色領域は、周方向に設けられる。そのため、空気入りタイヤが装着された自車両の走行中においても、自車両の空気入りタイヤの着色領域は、後続車両のカメラに高い認識率で認識される。また、空気入りタイヤは、路面と接触する。換言すれば、路面と空気入りタイヤとの距離は短い。空気入りタイヤが路面に近い位置に配置されるので、濡れた路面に投影された空気入りタイヤの画像がカメラに取得されても、その路面に投影された空気入りタイヤの画像に基づく後続車両と自車両との距離の推定結果の誤差は抑制される。これにより、自車両に装着された空気入りタイヤの認識率の低下が抑制され、後続車両が自車両に衝突することが抑制される。
【0008】
なお、画像認識とは、カメラで取得された空気入りタイヤの画像の構造を分析して特徴点を抽出し、空気入りタイヤの認識を行うことをいう。認識率とは、カメラが空気入りタイヤの複数の画像を取得した場合、「(全画像数−誤認識数)/全画像数」で示される値をいう。画像認識は、画像特徴の抽出、及び画像特徴と空気入りタイヤとの対応(パターン・マッチング)等の処理を含む。
【0009】
本発明の第1の態様において、可視光に対する前記着色領域の反射率は、前記地色領域の反射率よりも高くてもよい。
【0010】
これにより、着色領域は高い認識率で認識される。例えば、夜間の降雨時においても、着色領域は高い認識率で認識される。反射率は、JIS K−7375に規定の方法で測定した「全光線反射率」とする。
【0011】
本発明の第1の態様において、ショルダー部を備え、前記着色領域は、前記ショルダー部の表面に設けられてもよい。
【0012】
これにより、着色領域と路面との接触が抑制される。そのため、着色領域は長持ちする。また、自車両に空気入りタイヤが装着された場合、真後方(just behind)の後続車両のカメラのみならず、右後方(right behind)の後続車両のカメラ、及び左後方(left behind)の後続車両のカメラにも、自車両の空気入りタイヤは高い認識率で認識される。
【0013】
本発明の第1の態様において、トレッド部と、前記中心軸と平行な方向に関して前記トレッド部の一側及び他側のそれぞれに配置されるサイドウォール部と、を備え、前記着色領域は、前記トレッド部の接地領域の一側の端部と前記トレッド部の一側に配置された前記サイドウォール部の最も一側の部位との間の表面、及び前記接地領域の他側の端部と前記トレッド部の他側に配置された前記サイドウォール部の最も他側の部位との間の表面の一方又は両方に設けられてもよい。
【0014】
これにより、自車両の空気入りタイヤは、後続車両のカメラに高い認識率で認識される。
【0015】
本発明の第1の態様において、前記着色領域は、前記中心軸と平行な方向に関して間隔をあけて複数設けられてもよい。
【0016】
これにより、着色領域の一部がダメージを受けても、そのダメージの拡大が抑制される。空気入りタイヤは、例えば駆動、制動、及び旋回により、繰り返し変形する。また、空気入りタイヤは、縁石のような障害物と接触する可能性がある。繰り返し変形又は障害物との接触により、着色領域の一部がダメージを受ける可能性がある。着色領域が間隔をあけて複数設けられることにより、複数の着色領域のうち、一部の着色領域がダメージを受けても、他の着色領域は正常な状態を維持することができる。そのため、自車両の空気入りタイヤは、後続車両のカメラに高い認識率で認識される。
【0017】
本発明の第1の態様において、前記中心軸と平行な方向に関する前記着色領域の寸法は、前記間隔の寸法よりも大きくてもよい。
【0018】
これにより、単位面積当たりにおいて着色領域が占める割合は大きくなる。そのため、自車両の空気入りタイヤは、後続車両のカメラに高い認識率で認識される。
【0019】
本発明の第1の態様において、前記周方向に設けられた主溝を備え、前記着色領域は、前記主溝の内面を含んでもよい。
【0020】
これにより、着色領域は周方向に十分に設けられる。また、着色領域と路面との接触が抑制される。そのため、着色領域は長持ちする。
【0021】
本発明の第1の態様において、前記主溝の内面は、底面と、前記中心軸と平行な方向に関して前記底面の一側に配置される第1壁面と、前記底面の他側に配置される第2壁面と、を含み、前記第1壁面と前記第2壁面とがなす角度は、30[°]以上120[°]以下でもよい。
【0022】
これにより、真後方(just behind)の後続車両のカメラのみならず、右後方(right behind)の後続車両のカメラ、及び左後方(left behind)の後続車両のカメラにも、自車両の空気入りタイヤは高い認識率で認識される。
【0023】
本発明の第1の態様において、前記中心軸と平行な方向に関して、前記着色領域の寸法は、10mm以上でもよい。
【0024】
これにより、自車両の空気入りタイヤは、後続車両のカメラに高い認識率で認識される。
【0025】
本発明の第1の態様において、前記着色領域は、前記ゴムに塗布された塗料の表面を含んでもよい。
【0026】
これにより、材料の選択の自由度が向上し、望みの反射率、望みの明度、及び地色領域に対する望みのコントラストを有する着色領域が容易に設けられる。
【0027】
本発明の第1の態様において、前記塗料は、蛍光塗料を含んでもよい。
【0028】
これにより、夜間又は降雨時においても、自車両の空気入りタイヤは、後続車両のカメラに高い認識率で認識される。
【0029】
本発明の第1の態様において、前記塗料は、再帰性反射材料を含んでもよい。
【0030】
これにより、自車両の空気入りタイヤは、後続車両のカメラに高い認識率で認識される。
【0031】
本発明の第1の態様において、着色料を含有する着色ゴムを含み、前記着色領域は、前記着色ゴムの表面を含んでもよい。
【0032】
これにより、着色領域を有する空気入りタイヤが容易に製造される。
【0033】
本発明の第2の態様に従えば、複数の車輪と、複数の前記車輪のうち、少なくとも最後尾の前記車輪に装着される第1の態様の空気入りタイヤと、を備える車両が提供される。
【0034】
本発明の第2の態様によれば、最後尾の車輪に空気入りタイヤが装着された車両(自車両)は、後続車両のカメラに高い認識率で認識される。そのため、自車両が後続車両に衝突されることが抑制される。
【0035】
本発明の第2の態様において、最後尾の前記車輪に装着された前記空気入りタイヤを照明する照明装置を備えてもよい。
【0036】
これにより、例えば夜間においても、自車両の空気入りタイヤは、後続車両のカメラに高い認識率で認識される。
【発明の効果】
【0037】
本発明の態様によれば、カメラによる車両の認識率の低下が抑制され、車両同士の衝突を抑制できる空気入りタイヤが提供される。また、本発明の態様によれば、カメラによる認識率の低下が抑制され、先行する車両がその後に続く車両に衝突されることを抑制できる車両が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1図1は、第1実施形態に係る空気入りタイヤの一例を示す断面図である。
図2図2は、第1実施形態に係る空気タイヤの一部を拡大した断面図である。
図3図3は、第1実施形態に係る空気タイヤのトレッド部の一例を示す図である。
図4図4は、図3のB部分を拡大した図である。
図5図5は、第1実施形態に係る空気入りタイヤが装着された車両の一例を示す図である。
図6図6は、比較例に係る自車両と後続車両との関係の一例を模式的に示す図である。
図7図7は、第1実施形態に係る自車両と後続車両との関係の一例を模式的に示す図である。
図8図8は、第2実施形態に係る空気入りタイヤの一例を示す図である。
図9図9は、第3実施形態に係る空気入りタイヤの一例を示す図である。
図10図10は、第4実施形態に係る空気入りタイヤの一例を示す図である。
図11図11は、第5実施形態に係る車両の一例を示す図である。
図12図12は、先行車両と自車両と後続車両との関係を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0040】
以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。水平面内の一方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
【0041】
<第1実施形態>
第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る空気入りタイヤ1の一例を示す断面図である。図2は、本実施形態に係る空気タイヤ1の一部を拡大した断面図である。以下の説明においては、空気入りタイヤ1を適宜、タイヤ1、と称する。
【0042】
タイヤ1は、中心軸(回転軸)AXを中心に回転可能である。図1及び図2はそれぞれ、タイヤ1の中心軸AXを通る子午断面を示す。タイヤ1の中心軸AXは、タイヤ1の赤道面CLと直交する。
【0043】
本実施形態においては、タイヤ1の中心軸AXとY軸とが平行である。すなわち、本実施形態において、中心軸AXと平行な方向は、Y軸方向である。Y軸方向は、タイヤ1の幅方向又は車幅方向である。赤道面CLは、Y軸方向に関してタイヤ1の中心を通る。θY方向は、タイヤ1(中心軸AX)の回転方向である。X軸方向及びZ軸方向は、中心軸AXに対する放射方向である。タイヤ1が走行(転動)する路面(地面)は、XY平面とほぼ平行である。
【0044】
以下の説明においては、タイヤ1(中心軸AX)の回転方向を適宜、周方向、と称し、中心軸AXに対する放射方向を適宜、径方向と称し、中心軸AXと平行な方向を適宜、幅方向、と称する。
【0045】
タイヤ1は、カーカス部2と、ベルト層3と、ベルトカバー4と、ビード部5と、トレッド部10と、サイドウォール部9とを備えている。トレッド部10は、トレッドゴム6を含む。サイドウォール部9は、サイドウォールゴム8を含む。カーカス部2、ベルト層3、及びベルトカバー4のそれぞれは、コードを含む。コードは、補強材である。コードを、ワイヤと称してもよい。カーカス部2、ベルト層3、及びベルトカバー4のような補強材を含む層をそれぞれ、コード層と称してもよいし、補強材層と称してもよい。
【0046】
カーカス部2は、タイヤ1の骨格を形成する強度部材である。カーカス部2は、コードを含む。カーカス部2のコードを、カーカスコードと称してもよい。カーカス部2は、タイヤ1に空気が充填されたときの圧力容器として機能する。カーカス部2は、ビード部5に支持される。ビード部5は、Y軸方向に関してカーカス部2の一側及び他側のそれぞれに配置される。カーカス部2は、ビード部5において折り返される。カーカス部2は、有機繊維のカーカスコードと、そのカーカスコードを覆うゴムとを含む。なお、カーカス部2は、ポリエステルのカーカスコードを含んでもよいし、ナイロンのカーカスコードを含んでもよいし、アラミドのカーカスコードを含んでもよいし、レーヨンのカーカスコードを含んでもよい。
【0047】
ベルト層3は、タイヤ1の形状を保持する強度部材である。ベルト層3は、コードを含む。ベルト層3のコードを、ベルトコードと称してもよい。ベルト層3は、カーカス部2とトレッドゴム6との間に配置される。ベルト層3は、例えばスチールなどの金属繊維のベルトコードと、そのベルトコードを覆うゴムとを含む。なお、ベルト層3は、有機繊維のベルトコードを含んでもよい。本実施形態において、ベルト層3は、第1ベルトプライ3Aと、第2ベルトプライ3Bとを含む。第1ベルトプライ3Aと第2ベルトプライ3Bとは、第1ベルトプライ3Aのコードと第2ベルトプライ3Bのコードとが交差するように積層される。
【0048】
ベルトカバー4は、ベルト層3を保護し、補強する強度部材である。ベルトカバー4は、コードを含む。ベルトカバー4のコードを、カバーコードと称してもよい。ベルトカバー4は、タイヤ1の中心軸AXに対してベルト層3の外側に配置される。ベルトカバー4は、例えばスチールなどの金属繊維のカバーコードと、そのカバーコードを覆うゴムとを含む。なお、ベルトカバー4は、有機繊維のカバーコードを含んでもよい。
【0049】
ビード部5は、カーカス部2の両端を固定する強度部材である。ビード部5は、タイヤ1をリムに固定させる。ビード部5は、スチールワイヤの束である。なお、ビード部5が、炭素鋼の束でもよい。
【0050】
トレッドゴム6は、カーカス部2を保護する。トレッドゴム6は、トレッド部10と、トレッド部10に設けられた複数の溝20とを有する。トレッド部10は、路面と接触する接地部を含む。トレッド部10は、溝20の間に配置される陸部を含む。
【0051】
サイドウォールゴム8は、カーカス部2を保護する。サイドウォールゴム8は、Y軸方向に関してトレッドゴム6の一側及び他側のそれぞれに配置される。サイドウォールゴム8は、Y軸方向に関してトレッド部10の一側及び他側のそれぞれに配置されるサイドウォール部9を有する。
【0052】
本実施形態において、タイヤ外径はODである。タイヤリム径はRDである。タイヤ総幅はSWである。トレッド接地幅はWである。トレッド展開幅はTDWである。
【0053】
タイヤ外径ODとは、規定リムにタイヤ1を装着して、タイヤ1を正規リムにリム組みして正規内圧を充填した状態で、タイヤ1に荷重を加えないときの、タイヤ1の直径をいう。
【0054】
タイヤリム径RDとは、タイヤ1に適合するホイールのリム径をいう。タイヤリム径RDは、タイヤ内径と等しい。
【0055】
タイヤ総幅SWとは、タイヤ1を正規リムにリム組みして正規内圧を充填した状態で、タイヤ1に荷重を加えないときの、中心軸AXと平行な方向に関するタイヤ1の最大の寸法をいう。すなわち、タイヤ総幅SWとは、トレッドゴム6の+Y側に配置されたサイドウォール部9の最も+Y側の部位と、−Y側に配置されたサイドウォール部9の最も−Y側の部位との距離をいう。サイドウォール部9の表面にそのサイドウォール部9の表面から突出する構造物が設けられている場合、タイヤ総幅SWとは、その構造物を含むY軸方向に関するタイヤ1の最大の寸法をいう。サイドウォール部9の表面から突出する構造物は、サイドウォール部9においてサイドウォールゴム8の少なくとも一部によって形成された文字、マーク、及び模様の少なくとも一つを含む。
【0056】
本実施形態において、トレッド接地幅Wとは、タイヤ1を正規リムにリム組みして正規内圧を充填した状態で平面上に垂直に置いて正規荷重を加えたときに測定されるタイヤ1の中心軸AXと平行な方向に関する接地幅の最大値をいう。
【0057】
本実施形態において、トレッド展開幅TDWとは、タイヤ1を正規リムにリム組みして正規内圧を充填した状態で、荷重を加えないときの、タイヤ1のトレッド部10の展開図における両端の直線距離をいう。
【0058】
「正規リム」とは、タイヤ1が基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ1毎に定めるリムであり、例えば、JATMAであれば標準リム、TRAであれば“Design Rim”、或いはETRTOであれば“Measuring Rim”とする。但し、タイヤ1が新車装着タイヤの場合には、このタイヤが組まれる純正ホイールを用いる。
【0059】
「正規内圧」とは、タイヤ1が基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ1毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表“TIRE ROAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば“INFLATION PRESSURE”であるが、タイヤ1が新車装着タイヤの場合には、車両に表示された空気圧とする。
【0060】
「正規荷重」とは、タイヤ1が基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ1毎に定めている荷重であり、JATMAであれば最大負荷能力、TRAであれば表“TIRE ROAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば“LOAD CAPACITY”であるが、タイヤ1が乗用車である場合には前記荷重の88%に相当する荷重とする。タイヤ1が新車装着タイヤの場合には、車両の車検証記載の前後軸重をそれぞれタイヤの数で除して求めた輪荷重とする。
【0061】
図3は、タイヤ1のトレッド部10の一例を示す図である。図4は、図3のB部分を拡大した図である。図2図3、及び図4に示すように、タイヤ1は、トレッド部10を有する。トレッド部10は、センター部11と、Y軸方向に関してセンター部11の両側に配置されたショルダー部12とを含む。
【0062】
タイヤ1は、トレッド部10に設けられた溝20を有する。溝20は、タイヤ1の周方向に延びる主溝21と、少なくとも一部がタイヤ1の幅方向に延びるラグ溝(横溝)22と、を含む。溝20の周囲に、陸部が設けられる。陸部は、溝20と、その溝20に隣り合う溝20との間に設けられる。トレッド部10は、複数の陸部を含む。
【0063】
主溝21は、タイヤ1の周方向に設けられる。主溝21の少なくとも一部は、トレッド部10のセンター部11に設けられる。主溝21は、内部にトレッドウェアインジケータを有する。トレッドウェアインジケータは、摩耗末期を示す。主溝21は、4.0mm以上の幅を有し、5.0mm以上の深さを有してもよい。図2及び図3に示す例において、タイヤ1は、4つの主溝21を有する。
【0064】
ラグ溝22の少なくとも一部は、タイヤ1の幅方向に設けられる。ラグ溝22の少なくとも一部は、トレッド部10のショルダー部12に設けられる。ショルダー部12は、幅方向(Y軸方向)に関してセンター部11の一側(+Y側)及び他側(−Y側)のそれぞれに配置される。ラグ溝22は、1.5mm以上の幅を有する。ラグ溝22は、4.0mm以上の深さを有してもよく、部分的に4.0mm未満の深さを有していてもよい。
【0065】
本実施形態においては、タイヤ1の表面の少なくとも一部に着色領域7が設けられる。本実施形態において、タイヤ1の表面は、トレッド部10の表面、及びサイドウォール部9の表面を含む。トレッド部10の表面は、センター部11の表面、ショルダー部12の表面、及び溝20の内面を含む。
【0066】
着色領域7は、タイヤ1の表面の一部に設けられる。着色領域7以外のタイヤ1の表面は、地色領域13である。地色領域13の色は、着色領域7に対する下地の色である。地色領域13は、トレッドゴム6及びサイドウォールゴム8を含むタイヤ1のゴムの表面を含む。地色領域13の色は、そのゴムの色である。タイヤ1の表面は、ゴムの表面を含む地色領域13と、地色領域13の色とは異なる色の着色領域7と、を含む。ゴムのようなタイヤ1の下地が着色されることによって、着色領域7が形成される。
【0067】
着色領域7は、画像認識用の領域である。カメラによってタイヤ1の画像が取得される。着色領域7の色は、カメラが高い認識率で画像認識を実施可能な色である。
【0068】
なお、画像認識とは、カメラで取得されたタイヤ1の画像の構造を分析して特徴点を抽出し、タイヤ1の認識を行うことをいう。認識率とは、カメラがタイヤ1の複数の画像を取得した場合、「(全画像数−誤認識数)/全画像数」で示される値をいう。画像認識は、画像特徴の抽出、及び画像特徴とタイヤ1との対応(パターン・マッチング)等の処理を含む。
【0069】
可視光に対する着色領域7の反射率は、可視光に対する地色領域13の反射率よりも高い。地色領域13の色彩は、黒色である。着色領域7の色彩は、例えば、黄色、ベージュ色、茶色、赤色、緑色、青色、灰色、及び白色の少なくとも一つである。なお、ここでいうタイヤ1の表面(着色領域7又は地色領域13)の反射率とは、色彩拡散面の反射率をいう。本実施形態において、反射率は、JIS K−7375に規定の方法で測定した「全光線反射率」とする。
【0070】
なお、JIS Z 8721−1993に示されているように、マンセル明度が高いと、反射率が高くなる。したがって、着色領域7の色彩と地色領域13の色彩とが同一で、明度(マンセル明度)が異なってもよい。すなわち、可視光に対する着色領域7の反射率が地色領域13の反射率よりも高くなるように、地色領域13の明度に対して着色領域7の明度が調整されてもよい。
【0071】
可視光に対する着色領域7の反射率が、可視光に対する地色領域13の反射率よりも高いので、着色領域7はカメラに高い認識率で認識される。
【0072】
本実施形態において、着色領域7は、周方向に設けられる。着色領域7は、中心軸AXの周囲に配置される。換言すれば、着色領域7は、途切れることなく、周方向に連続的に設けられる。なお、着色領域7は、中心軸AXの周囲の一部に配置されてもよい。
【0073】
図3及び図4に示すように、本実施形態において、着色領域7は、ショルダー部12の表面に設けられる。
【0074】
ショルダー部12の表面は、Y軸方向に関してトレッド部10の接地領域の端部(接地端部)60と、Y軸方向に関して接地端部60の外側に配置されているラグ溝22の終端部70との間のタイヤ1の表面を含む。以下の説明においては、ショルダー部12の表面のうち、接地端部60と終端部70との間の領域を適宜、ショルダー領域AR、と称する。
【0075】
本実施形態において、着色領域7は、ショルダー領域ARに設けられる。着色領域7は、ショルダー領域ARにおいて、周方向に連続的に設けられる。
【0076】
なお、接地端部60とは、トレッド接地幅Wのエッジ部をいう。上述したように、トレッド接地幅Wとは、タイヤ1を正規リムにリム組みして正規内圧を充填した状態で平面上に垂直に置いて正規荷重を加えたときに測定される中心軸AXと平行な方向に関する接地幅の最大値をいう。
【0077】
ショルダー部12(ショルダー領域AR)は、Y軸方向に関してセンター部11の両側に配置される。着色領域7は、センター部11の両側のショルダー部12に設けられてもよいし、いずれか一方のショルダー部12に設けられてもよい。
【0078】
本実施形態において、Y軸方向に関して、着色領域7の寸法は、10mm以上である。Y軸方向に関して、着色領域7の寸法は、15mm以上でもよい。
【0079】
本実施形態において、着色領域7は、下地であるゴムに塗布された塗料の表面を含む。すなわち、本実施形態においては、下地であるタイヤ1のゴムの表面に塗料が塗布されることによって、着色領域7が設けられる。本実施形態においては、トレッドゴム6の表面のうち、ショルダー部12に相当する領域に塗料が塗布される。これにより、ショルダー部12に着色領域7が設けられる。
【0080】
本実施形態においては、可視光に対する反射率がゴム(トレッドゴム6)よりも高い塗料が塗布される。可視光に対する反射率がゴムよりも高くなるように、塗料の色彩又はマンセル明度が選択される。
【0081】
なお、塗料が、蛍光塗料でもよい。蛍光塗料とは、蛍光体を顔料とした塗料をいう。蛍光塗料に含有される蛍光体は、紫外線に刺激されて蛍光を発する。
【0082】
なお、塗料が、夜光塗料でもよい。夜光塗料とは、可視光線又は紫外線以下の短波長の電磁波を受け、そのエネルギーを可視光線に変化させる性質をもつ蛍光体又はリン光体を主要顔料とする塗料をいう。夜光塗料は、蓄光型塗料でもよいし、発光型塗料でもよい。
【0083】
なお、塗料が、拡散性材料を含んでもよい。拡散性材料は、金属微粒子又はガラス微粒子を含む。
【0084】
なお、塗料が、再帰性反射材料を含んでもよい。すなわち、塗料が、所謂、再帰反射塗料でもよい。再帰性反射材料は、表面の一部に反射膜が形成されている球状で透明な反射ビーズを含む透明な樹脂層からなる。
【0085】
図5は、着色領域7を有するタイヤ1が装着された車両100の一例を示す図である。図5は、車両100を後方から見た図である。図5に示すように、車両100は、車体14と、車体14の後部14Rに配置されたテールランプ18と、タイヤ1と、を有する。
【0086】
車両100は、複数の車輪を有する。本実施形態において、車両100は、4つの車輪を有する四輪自動車である。車両100は、前輪と後輪とを有する。図5に示すように、タイヤ1は、少なくとも最後尾の車輪(本例では後輪)に装着される。
【0087】
図6は、路面を先行する車両(自車両)100と、その車両100の後に続く車両(後続車両)200との関係の一例を示す模式図である。図6は、比較例に係る図である。後続車両200は、自車両100との衝突(追突)を回避するための衝突回避システムを有する。後続車両200には、自車両100と後続車両200との距離(車間距離)を検出するカメラ201が搭載されている。カメラ201は、自車両100の画像を取得する。後続車両200の衝突回避システムは、カメラ201で取得された自車両100の画像から、自車両100の特徴点を抽出し、その抽出した特徴点に基づいて、自車両100と後続車両200との距離を推定する。
【0088】
図6は、自車両100のテールランプ18が自車両100の特徴点として抽出される例を示す。高さ方向に関して、テールランプ18の位置と路面の位置とは離れている。
【0089】
自車両100のテールランプ18の実際の画像IMaが、後続車両200のカメラ201に取得される。これにより、後続車両200の衝突回避システムは、自車両100を認識して、自車両100と後続車両200との距離を推定することができる。
【0090】
自車両100のテールランプ18が特徴点として抽出される場合、例えば降雨時において、カメラ201による自車両100の認識率が低下する可能性がある。図6に示すように、高さ方向に関して、テールランプ18は路面から離れている。自車両100のテールランプ18が特徴点として抽出される場合、降雨により路面が濡れていると、路面に投影されたテールランプ18の画像IMbが、カメラ201に取得される可能性が高くなる。テールランプ18の実際の画像IMaではなく、路面に投影されたテールランプ18の画像IMbに基づいて自車両100と後続車両200との距離が推定されると、推定結果の信頼性が低下する可能性がある。特に、夜間の降雨時においては、カメラ201による自車両100の認識率は著しく低下する可能性がある。
【0091】
すなわち、高さ方向に関して路面との距離が大きい部位が特徴点として抽出されると、その特徴点(本例ではテールランプ18)からカメラ201までの画像IMaの光路長と、画像IMbの光路長との差が大きくなり、かつ、カメラ201からの俯角が変わるため、画像全体における特徴点の位置が変化する。その結果、自車両100と後続車両200との距離の推定結果の信頼性は画像認識の方式によらず低下する可能性がある。
【0092】
図7は、本実施形態に係るタイヤ1を装着した自車両100と、カメラ201が搭載された後続車両200との関係の一例を示す模式図である。図7は、自車両100のタイヤ1が自車両100の特徴点として抽出される例を示す。タイヤ1は、路面と接触する。高さ方向に関して、タイヤ1の位置と路面の位置との距離は短い。
【0093】
自車両100のタイヤ1の実際の画像(実像)IMaが、後続車両200のカメラ201に取得される。これにより、後続車両200の衝突回避システムは、自車両100を認識して、自車両100と後続車両200との距離を推定することができる。
【0094】
図7に示すように、高さ方向に関して、タイヤ1は路面と接触する。自車両100のタイヤ1を特徴点として抽出する場合、例えば降雨により濡れた路面に投影されたタイヤ1の画像IMbがカメラ201に取得されても、その路面に投影されたタイヤ1の画像IMbに基づく自車両100と後続車両200との距離の推定結果の誤差は抑制される。
【0095】
すなわち、高さ方向に関して路面との距離が小さい部位が特徴点として抽出されると、その特徴点(本例ではタイヤ1)からカメラ201までの画像IMaの光路長と、画像IMbの光路長との差は小さくなる。その結果、自車両100と後続車両200との距離の推定結果の信頼性の低下が抑制される。
【0096】
更に、本実施形態においては、タイヤ1は、画像認識用の着色領域7を有する。着色領域7は、高い認識率で画像認識を実施可能な色で着色され、周方向に連続的に設けられている。そのため、タイヤ1が装着された自車両100が走行しても、回転するタイヤ1の着色領域7は、後続車両200のカメラ201に高い認識率で認識される。
【0097】
以上説明したように、本実施形態によれば、タイヤ1に画像認識用の着色領域7が設けられるので、後続車両200のカメラ201による、自車両100に装着されたタイヤ1の認識率の低下が抑制される。これにより、自車両100と後続車両200との距離の推定が精度良く行われる。したがって、後続車両200が自車両100に衝突することが抑制される。
【0098】
また、本実施形態においては、着色領域7は、周方向に設けられる。そのため、自車両100に装着されたタイヤ1が走行(転動)しても、後続車両200のカメラ201は、着色領域7を高い認識率で認識することができる。
【0099】
また、タイヤ1は、路面と接触する。換言すれば、路面とタイヤ1との距離は短い。タイヤ1が路面に近い位置に配置されるので、例えば降雨により濡れた路面に投影されたタイヤ1の画像IMbがカメラ201に取得されても、その路面に投影されたタイヤ1の画像IMbに基づく自車両100と後続車両200との距離の推定結果の誤差は抑制される。これにより、自車両100に装着されたタイヤ1の認識率の低下が抑制され、後続車両200が自車両100に衝突することが抑制される。
【0100】
また、本実施形態においては、可視光に対する着色領域7の反射率は、可視光に対する地色領域13の反射率よりも高い。これにより、カメラ201は着色領域7を高い認識率で認識することができる。例えば、夜間の降雨時においても、カメラ201は着色領域7を高い認識率で認識することができる。
【0101】
また、本実施形態においては、着色領域7は、ショルダー部12の表面に設けられる。これにより、着色領域7と路面との接触が抑制され、着色領域7を長持ちさせることができる。また、自車両100にタイヤ1が装着された場合、真後方(just behind)の後続車両200のカメラ201のみならず、右後方(right behind)の後続車両200のカメラ201、及び左後方(left behind)の後続車両200のカメラ201も、自車両100のタイヤ1を高い認識率で認識することができる。
【0102】
また、本実施形態においては、Y軸方向に関して、着色領域7の寸法は、10mm以上に定められる。これにより、後続車両200のカメラ201は、自車両100のタイヤ1を高い認識率で認識することができる。
【0103】
また、本実施形態においては、着色領域7は、タイヤ1の下地であるゴムに塗布された塗料の表面を含む。タイヤ1の下地であるゴムは、トレッドゴム6及びサイドウォールゴム8の一方又は両方を含む。これにより、材料の選択の自由度が高められる。そのため、例えば、望みの反射率の着色領域7、望みの色彩の着色領域7、望みの明度の着色領域7、及び地色領域13に対する望みのコントラストを有する着色領域7を容易に設けることができる。
【0104】
本実施形態において、塗料は、蛍光塗料を含んでもよい。これにより、夜間又は降雨時においても、後続車両200のカメラ201は、自車両100のタイヤ1を高い認識率で認識することができる。
【0105】
本実施形態において、塗料は、再帰性反射材料を含んでもよい。これにより、後続車両200のカメラ201は、自車両100のタイヤ1を高い認識率で認識することができる。
【0106】
<第2実施形態>
第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分には同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0107】
図8は、本実施形態に係るタイヤ1の一例を示す図である。図8に示すように、着色領域7が、主溝21の内面に設けられてもよい。なお、着色領域7は、複数(本例では4本)の主溝21の全部に設けられてもよいし、一部(例えば2本)の主溝21に設けられてもよい。
【0108】
主溝21の内面は、底面21Aと、Y軸方向に関して底面21Aの一側に配置される第1壁面21Bと、底面21Aの他側に配置される第2壁面21Cと、を含む。本実施形態において、第1壁面21Bと第2壁面21Cとがなす角度θは、30[°]以上120[°]以下である。
【0109】
以上説明したように、本実施形態によれば、着色領域7は、周方向に設けられた主溝21の内面を含む。これにより、着色領域7は周方向に設けられる。また、着色領域7と路面との接触が抑制される。したがって、着色領域7は長持ちする。
【0110】
また、本実施形態においては、第1壁面21Bと第2壁面21Cとがなす角度θは、30[°]以上120[°]以下である。これにより、真後方(just behind)の後続車両200のカメラ201のみならず、右後方(right behind)の後続車両200のカメラ201、及び左後方(left behind)の後続車両200のカメラ201も、自車両100のタイヤ1を高い認識率で認識することができる。
【0111】
<第3実施形態>
第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分には同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0112】
図9は、本実施形態に係るタイヤ1の一例を示す図である。図9に示すように、本実施形態において、着色領域7は、トレッド部10の接地領域の+Y側の接地端部60と、トレッド部10の+Y側に配置されたサイドウォール部9の最も+Y側の部位80との間の表面に設けられる。
【0113】
接地端部60は、トレッド接地幅Wのエッジ部である。部位80は、タイヤ総幅SWのエッジ部である。
【0114】
なお、図9に示す例では、着色領域7は、Y軸方向に関して、赤道面CLの一側(+Y側)に配置されている。着色領域7は、Y軸方向に関して、赤道面CLの他側(−Y側)に配置されてもよい。すなわち、着色領域7は、トレッド部10の接地領域の−Y側の接地端部60と、トレッド部10の−Y側に配置されたサイドウォール部9の最も−Y側の部位80との間の表面に設けられてもよい。
【0115】
なお、着色領域7は、Y軸方向に関して、赤道面CLの両側に配置されてもよいし、赤道面CLの一側のみに配置されてもよいし、赤道面CLの他側のみに配置されてもよい。
【0116】
以上説明したように、本実施形態によれば、着色領域7は、ショルダー部12のみならず、サイドウォール部9にも設けられる。これにより、後続車両200のカメラ201は、自車両100のタイヤ1を高い認識率で認識することができる。
【0117】
<第4実施形態>
第4実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分には同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0118】
図10は、本実施形態に係るタイヤ1の一例を示す図である。図10は、図9を参照して説明した第3実施形態の変形例である。
【0119】
図10に示すように、Y軸方向に関してトレッド部10の中心を通る赤道面CLの一側(+Y側)のタイヤ1の表面において、複数の着色領域7が、Y軸方向に関して間隔をあけて設けられている。図9に示す例では、着色領域7は、着色領域7Aと、着色領域7Aの+Y側の隣に間隔をあけて配置される着色領域7Bと、着色領域7Bの+Y側の隣に間隔をあけて配置される着色領域7Cと、を含む。
【0120】
図10に示す例では、Y軸方向に関する着色領域7(7A、7B、7C)の寸法(幅)は、着色領域7Aと着色領域7Bとの間隔の寸法、及び着色領域7Bと着色領域7Cとの間隔の寸法よりも大きい。
【0121】
本実施形態によれば、着色領域7の少なくとも一部が損傷しても、損傷の拡大が抑制される。タイヤ1は、例えば駆動、制動、及び旋回により、繰り返し変形する。また、タイヤ1は、縁石のような障害物と接触する可能性がある。繰り返し変形又は障害物との接触により、着色領域7の一部がダメージを受ける可能性がある。着色領域7が間隔をあけて複数設けられることにより、複数の着色領域7のうち、一部の着色領域7(例えば着色領域7C)がダメージを受け、ひび割れたり剥離したりしても、他の着色領域7(着色領域7A及び着色領域7B)にひび割れ又は剥離が伝わることが抑制される。これにより、複数の着色領域7のうち、一部の着色領域7(例えば着色領域7C)がダメージを受けても、他の着色領域7(着色領域7A及び着色領域7B)は正常な状態を維持することができる。したがって、後続車両200のカメラ201は、自車両100のタイヤ1を認識することができる。
【0122】
また、本実施形態においては、着色領域7の幅は、間隔の幅よりも大きい。これにより、タイヤ1の表面の単位面積当たりにおいて着色領域7が占める割合は、間隔が占める割合よりも大きくなる。そのため、後続車両200のカメラ201は、自車両100のタイヤ1を高い認識率で認識することができる。
【0123】
なお、上述の各実施形態においては、下地であるゴムに塗料が塗布されることによって着色領域7が形成されることとした。ゴムの一部が着色されていてもよい。すなわち、着色されたゴム層によって、着色領域7が形成されてもよい。着色されたゴム層は、着色料を含有する着色ゴムを含む。タイヤ1が、着色料を含有する着色ゴムを含み、着色領域7が、着色ゴムの表面を含むことにより、着色領域7を有するタイヤ1を容易に製造することができる。
【0124】
<第5実施形態>
第5実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分には同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0125】
図11は、本実施形態に係る車両100の一例を示す図である。図11に示すように、本実施形態において、車両100は、最後尾の車輪に装着されたタイヤ1を照明する照明装置300を備える。例えば、夜間において、照明装置300によりタイヤ1が照明される。
【0126】
照明装置300は、車体14に支持される。照明装置300は、最後尾の車輪に装着されたタイヤ1よりも後方に配置される。照明装置300は、自車両100のタイヤ1と、後続車両200のカメラ201との間において、自車両100の車体14に支持される。照明装置300は、タイヤ1の後方から、そのタイヤ1を照明する。
【0127】
以上説明したように、照明装置300によりタイヤ1が照明されることによって、例えば夜間においても、後続車両200のカメラ201は、自車両100のタイヤ1を高い認識率で認識することができる。
【0128】
なお、上述の各実施形態においては、自車両100にタイヤ1が装着され、自車両100の後に続く後続車両200がカメラ201を含む衝突回避システムを有することとした。これにより、自車両100は、後続車両200に追突されることを抑制できる。図12に示すように、自車両100に先行する先行車両100Fにタイヤ1が装着され、先行車両100Fの後に続く自車両100がカメラ101を含む衝突回避システムを有してもよい。これにより、自車両100は、先行車両100Fを高い認識率で認識でき、先行車両100Fに追突してしまうことを抑制できる。
【符号の説明】
【0129】
1 タイヤ(空気入りタイヤ)
2 カーカス部
3 ベルト層
3A 第1ベルトプライ
3B 第2ベルトプライ
4 ベルトカバー
5 ビード部
6 トレッドゴム
7 着色領域
8 サイドウォールゴム
9 サイドウォール部
10 トレッド部
11 センター部
12 ショルダー部
13 地色領域
14 車体
18 テールランプ
20 溝
21 主溝
22 ラグ溝
60 接地端部
70 終端部
80 部位
100 車両(自車両)
100F 車両(先行車両)
101 カメラ
200 車両(後続車両)
201 カメラ
300 照明装置
OD タイヤ外径
RD タイヤリム径
SW タイヤ総幅
W トレッド接地幅
TDW トレッド展開幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12