(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
<実施例1>
以下、本発明の実施例1について説明する。本実施例に係る情報処理装置は、発光装置に関する情報を取得する装置である。以下では、発光装置が情報処理装置を備える例を説明する。発光装置は、例えば、街灯、室内照明、顕微鏡照明、懐中電灯、家電装置、車載装置、等である。なお、情報処理装置は、発光装置とは別体の装置であってもよい。例え
ば、情報処理装置は、発光装置とは別体の、パーソナルコンピュータ(PC)、PDA、タブレット端末、携帯電話端末(スマートフォンを含む)、家電装置、車載装置、等であってもよい。
【0020】
[発光装置の構成]
本実施例に係る発光装置の構成例について説明する。
図1は、本実施例に係る発光装置の構成例を示す。本実施例に係る発光装置は、光源部(光源)101、遅延情報記憶部102、検出タイミング制御部103、輝度センサ104、基準センサ値記憶部105、色関係情報記憶部106、及び、色変化判断部107を備える。
【0021】
光源部101には、光源制御信号が入力される。光源部101は、光源制御信号に含まれる点灯指示に応じて、複数の色成分にそれぞれ対応する複数の発光を、互いに異なる複数のタイミングでそれぞれ開始する。具体的には、光源部101は、点灯指示に応じた第1タイミングで、第1色に対応する発光を開始し、第1タイミングから所定時間だけ経過した後の第2タイミングで、第2色に対応する発光を開始する。本実施例では、第1色と第2色は、白色を構成する2つの色成分にそれぞれ対応する。具体的には、第1色はシアン色であり、第2色は赤色である。
【0022】
本実施例では、光源部101は、高演色型白色LED(遅延発光型LED)などの1つの発光素子である。遅延発光型LEDでは、遅延発光型LEDへの駆動信号(電流、電圧、等)の供給に応じて、シアン色の発光が行われ、赤色の発光(赤色蛍光体の発光)が遅延して行われる。そして、シアン色光と赤色光の時間積算によって、遅延発光型LEDの発光色として、白色が実現される。また、蛍光体は、LEDから発せられたシアン色の光が蛍光体に入射してから、赤色の光を発するまでに時間を要する。これは、蛍光体が蛍光体に与えられたエネルギーを一度吸収して電子またはホールをトラップしてから発光するためであると考えられる。
【0023】
本実施例では、シアン色発光(シアン色の発光)の開始タイミングと、赤色発光(赤色の発光)の開始タイミングとの時間差を、遅延時間とする。遅延時間は、遅延発光型LEDの蛍光体の特性に応じて決定される。また、光源制御信号は、LEDを点灯させるタイミングを制御するためのパルス幅変調信号である。光源制御信号が指定した点灯期間に、LEDからシアン色の光が発せられる。光源制御信号を制御することにより、光源部101の発光を制御することができる。
【0024】
図2は、光源部101に対応する発光領域201の一例を示す。発光領域201は、発光装置の発光面全体の領域である。そのため、光源部101の発光を制御することにより、発光面全体に渡って発光面から発せられる光を制御することができる。
【0025】
なお、第1色はシアン色に限られないし、第2色は赤色に限られない。複数の発光は、2つの色成分にそれぞれ対応する2つの発光に限られない。3つ以上の色成分にそれぞれ対応する3つ以上の発光が行われてもよい。光源部101は、複数の発光素子を備えていてもよい。発光素子は、LED(発光ダイオード)と蛍光体を備える遅延発光型LEDに限られない。例えば、発光素子において、LEDの代わりに、有機EL(Electro−Luminescence)素子、レーザ光源、冷陰極管、等が使用されてもよい。発光装置は、複数の光源部を備えていてもよい。
【0026】
遅延情報記憶部102は、遅延情報を予め記憶する。遅延情報は、複数の発光のそれぞれの遅延時間に関する情報である。遅延時間は、例えば、複数の発光のうちの最も早いタイミングで開始される発光の開始タイミングからの時間、点灯指示のタイミングからの時間、等である。本実施例では、遅延情報は、シアン色発光(シアン色の発光)の開始タイ
ミングから、赤色発光(赤色の発光)の開始タイミングまでの時間を、遅延時間として示す。即ち、遅延情報は、上記所定時間を示す。遅延情報記憶部102としては、例えば、半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク、等が使用される。なお、遅延情報記憶部102は、発光装置に対して着脱可能な記憶装置であってもよい。
【0027】
遅延情報のフォーマットは特に限定されないが、本実施例では、遅延情報記憶部102は、遅延情報を含むテーブルデータである遅延テーブルデータを記憶する。例えば、光源部101の遅延時間は10msecであるとする。
【0028】
検出タイミング制御部103は、複数の色成分(シアン色と赤色)のいずれかである対象成分の光のみが光源部101から発せられる期間を、検出期間として設定する。本実施例では、検出タイミング制御部103は、遅延情報を遅延情報記憶部102から読み出す。また、検出タイミング制御部103には、光源制御信号が入力される。そして、検出タイミング制御部103は、遅延情報と光源制御信号に基づいて、検出期間を設定する。具体的には、検出タイミング制御部103は、対象成分の光のみが光源部101から発せられる期間に輝度センサ104による検出が行われるように、センサ検出制御信号を生成し、センサ検出制御信号を輝度センサ104へ出力する。具体的には、検出タイミング制御部103は、シアン色の光のみが発せられている期間内に、シアン色光検出期間を設定する。また、検出タイミング制御部103は、赤色の光のみが発せられている期間内に、赤色光検出期間を設定する。センサ検出制御信号は、遅延情報と光源制御信号に基づいて生成される。
【0029】
なお、輝度センサ104によって検出期間に検出された輝度に応じた検出値(センサ値)が色変化判断部107によって取得されれば、輝度センサ104による検出は検出期間以外に期間にさらに行われてもよい。
【0030】
輝度センサ104は、光源部101から発せられた光の輝度を検出し、検出した輝度に応じたセンサ値を色変化判断部107へ出力する。本実施例では、輝度センサ104には、センサ検出制御信号が入力される。そして、輝度センサ104は、センサ検出制御信号に応じて、上記処理を行う。即ち、輝度センサ104は、検出期間に光源部101から発せられた光の輝度を検出し、検出した輝度に応じたセンサ値を色変化判断部107へ出力する。
【0031】
基準センサ値記憶部105は、基準センサ値(センサ値の基準値)を予め記憶する。基準センサ値は、例えば、メーカによって予め定められた固定値、発光装置において定期的に自動で更新される値、ユーザによって指定された値、等である。具体的には、基準センサ値は、光源部101の発光色が白色である場合のセンサ値などである。基準センサ値記憶部105としては、例えば、半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク、等が使用される。なお、基準センサ値記憶部105は、発光装置に対して着脱可能な記憶装置であってもよい。発光色は、「光源部101から発せられた光をユーザが見たときにユーザによって知覚される色」、「複数の色成分にそれぞれ対応する複数の光の時間積算によって実現される出力光の色」、等とも言える。
【0032】
色関係情報記憶部106は、色関係情報を予め記憶する。色関係情報は、センサ値と、光源部101の発光色に関する色関連値との対応関係を示す。色関係情報は、例えば、測色器などを用いて生成された情報、メーカによって予め定められた固定情報、発光装置において定期的に自動で更新される情報、ユーザによって指定された情報、等である。色関係情報記憶部106としては、例えば、半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク、等が使用される。なお、色関係情報記憶部106は、発光装置に対して着脱可能な記憶装置であってもよい。
【0033】
色変化判断部107は、輝度センサ104によって検出期間に検出された輝度に応じたセンサ値を、対象成分に対応するセンサ値として、輝度センサ104から取得する。ここで、複数の対象成分にそれぞれ対応する複数の検出期間が設定された場合を考える。その場合には、色変化判断部107は、複数の対象成分のそれぞれについて、その対象成分に対応する検出期間に輝度センサ104によって検出された輝度に応じたセンサ値を、当該対象成分に対応するセンサ値として、輝度センサ104から取得する。例えば、シアン色に対応する検出期間に輝度センサ104によって検出された輝度に応じたセンサ値が、シアン色に対応するセンサ値として、輝度センサ104から取得される。そして、赤色に対応する検出期間に輝度センサ104によって検出された輝度に応じたセンサ値が、赤色に対応するセンサ値として、輝度センサ104から取得される。
【0034】
さらに、本実施例では、色変化判断部107は、取得したセンサ値(現在のセンサ値)に基づいて、光源部101の発光色に関する値(発光色情報)を判断する。具体的には、色変化判断部107は、現在のセンサ値と、色関係情報とに基づいて、光源部101の発光色(現在の発光色)を示す発光色値を判断する。そして、色変化判断部107は、発光色値、基準センサ値、及び、色関係情報に基づいて、光源部101の発光色(現在の発光色)と所定の発光色との差を示す色変化値を判断する。
【0035】
なお、光源部101の発光色に関する値として、発光色値と色変化値の一方のみが判断されてもよい。光源部101の発光色に関する値として、発光色値と色変化値とは異なる値が判断されてもよい。色変化判断部107は、取得したセンサ値を、対応する色成分と関連付けて他の装置へ出力してもよい。そして、光源部101の発光色に関する値の判断は、他の装置によって行われてもよい。
【0036】
[検出期間の設定方法]
検出期間の設定方法の具体例について、
図3を用いて説明する。ここでは、光源部101が、複数の制御期間のそれぞれに対して、シアン色発光と赤色発光とを1回ずつ行う例を説明する。発光装置が表示装置(実施例4)である場合には、1つの制御期間は、1つのフレームの期間(垂直同期期間)に対応する。
【0037】
検出タイミング制御部103は、遅延情報と光源制御信号を取得する。
図3において、符号401は、光源制御信号を示す。本実施例では、
図3に示すように、制御期間の開始タイミングで、光源制御信号401が「Low」から「High」に切り替わる。その後、光源制御信号401が「High」から「Low」へ切り替わる。光源部101は、光源制御信号401=「High」の期間にシアン色発光402を行う。すなわち、光源制御信号401は、光源部101がシアン色の光を発光する期間を示す。シアン色発光402の開始タイミングt1から遅延時間Vだけ遅延したタイミングt2で赤色発光403を開始する。赤色発光403の期間の長さは、シアン色発光402の期間の長さと略同一であるとする(「略」は「完全」を含む)。なお、赤色発光403の期間の長さは、蛍光体の特性に応じて決定されるものであって、シアン色発光402の期間の長さよりも長くても短くてもよいが、赤色発光403の期間の長さは、シアン色発光402の期間の長さに対応する長さとなる。ここで、1つの光源部101において、シアン色発光402の期間と赤色発光403の期間とは完全に分かれているとする。つまり、赤色の光は、光源制御信号401が「High」でない期間に発せられる。検出タイミング制御部103は、光源制御信号401と、遅延情報(遅延時間V)とから、シアン色発光402の期間、赤色発光403の期間、等を把握することができる。なお、シアン色発光の開始タイミングt1は、制御期間の開始タイミング、光源制御信号401が「Low」から「High」に切り替わるタイミング、等よりも後のタイミングであってもよい。
【0038】
そして、検出タイミング制御部103は、遅延情報と光源制御信号に基づいて、センサ検出制御信号を生成する。
図3の符号406は、センサ検出制御信号を示す。センサ検出制御信号=「High」の期間が検出期間である。
【0039】
図3のセンサ検出制御信号406は、シアン色に対応する検出期間(シアン色光検出期間)と、赤色に対応する検出期間(赤色光検出期間)とを設定する場合の信号である。センサ検出制御信号406では、シアン色発光402の期間に検出期間D1が設定され、赤色発光403の期間に検出期間D2が設定されている。検出期間D1は、光源部101からシアン色の光のみが発せられる期間に含まれるように設定されている。検出期間D1は、光源制御信号401が「High」である期間に含まれるように設定されている。具体的には、シアン色発光402の開始タイミングt1からの期間が、シアン色に対応する検出期間D1として設定されている。検出期間D1では、光源部101からシアン色の光のみが発せられることから、検出期間D1で輝度センサ104が検出する検出値は、光源部101から発せられたシアン色の光の輝度に対応する。検出期間D2は、赤色の光が発せられる期間に含まれるように設定されている。検出期間D2は、光源制御信号401が「High」を維持していた期間を遅延時間Vだけ遅らせた期間であり、且つ、光源制御信号401が「Low」である期間に含まれるように設定されている。具体的には、赤色発光403の開始タイミングt2からの期間が、赤色に対応する検出期間D2として設定されている。検出期間D2では、光源部101から赤色の光のみが発せられることから、検出期間D2で輝度センサ104が検出する検出値は、光源部101から発せられた赤色の光の輝度に対応する。
【0040】
[色変化値の判断方法]
色変化値の判断方法の具体例について、
図4を用いて説明する。ここでは、
図3のセンサ検出制御信号406が生成された場合の例を説明する。
図4は、色関係情報である色関係テーブルデータの一例を示す。色関係テーブルデータは、XYZ三刺激値を構成するX刺激値、Y刺激値、及び、Z刺激値のそれぞれを、色関連値として示す。具体的には、色関係テーブルデータは、以下の3つの対応関係を示す。以下の3つの対応関係において、センサ値YRは検出期間D2で輝度センサ104によって検出された赤色光のセンサ値であり、センサ値YCは検出期間D1で輝度センサ104によって検出されたシアン色光のセンサ値である。
・センサ値YRとX刺激値KXとの対応関係
・センサ値YRおよびセンサ値YCの和とY刺激値KYとの対応関係
・センサ値YCとX刺激値KZとの対応関係
【0041】
(ステップ1−1)
ステップ1−1にて、色変化判断部107は、輝度センサ104によって検出期間D1に検出されたセンサ値YCを、輝度センサ104から取得する。センサ値YCは、シアン色の光の輝度に対応する。また、色変化判断部107は、輝度センサ104によって検出期間D2に検出されたセンサ値YRを、輝度センサ104から取得する。センサ値YRは、赤色の光の輝度に対応する。そして、色変化判断部107は、センサ値YR,YCと色関係テーブルデータに基づいて、光源部101の発光色(現在の発光色)を示す発光色値として、XYZ三刺激値(X刺激値,Y刺激値,Z刺激値)=(KX,KY,KZ)を判断する。具体的には、色変化判断部107は、検出されたセンサ値YRに対応するX刺激値KXを、色関係テーブルデータから取得する。色変化判断部107は、検出されたセンサ値YRと検出されたセンサ値YCとの和に対応するY刺激値KYを、色関係テーブルデータから取得する。そして、色変化判断部107は、検出されたセンサ値YCに対応するZ刺激値KZを、色関係テーブルデータから取得する。
【0042】
なお、取得したセンサ値YR,YCに対応する色関連値が、色関係テーブルデータにおいて示されていないことがある。その場合には、例えば、色関係テーブルデータにおいて示されている複数の色関連値を用いた補間処理により、取得したセンサ値に対応する色関連値を判断すればよい。
【0043】
(ステップ1−2)
ステップ1−2にて、色変化判断部107は、基準発光色を示す情報を取得する。基準発光色を示す情報は、基準発光色(所定の発光色)を示すXYZ三刺激値(CX,CY,CZ)であるとする。なお、色変化判断部107は、基準センサ値記憶部105から取得した基準センサ値CR,CCと、色関係テーブルデータとに基づいて、基準発光色を示す情報を取得するものであってもよい。基準センサ値CRは、赤色光のセンサ値の基準値であり、基準センサ値CCは、シアン色光のセンサ値の基準値である。
【0044】
(ステップ1−3)
ステップ1−3にて、色変化判断部107は、ステップ1−1,1−2で得られたXYZ三刺激値(KX,KY,KZ),(CX,CY,CZ)に基づいて、光源部101の発光色(現在の発光色)と基準発光色との差を示す色変化値を判断する。本実施例では、色変化判断部107は、X刺激値KXとX刺激値CXとの差を示すX変化値DX、Y刺激値KYとY刺激値CYとの差を示すY変化値DY、及び、Z刺激値KZとZ刺激値CZとの差を示すZ変化値DZを判断する。具体的には、以下の式1に示すように、色変化判断部107は、X刺激値KXをX刺激値CXで除算することにより、X変化値DXを算出する。以下の式2に示すように、色変化判断部107は、Y刺激値KYをY刺激値CYで除算することにより、Y変化値DYを算出する。そして、以下の式3に示すように、色変化判断部107は、Z刺激値KZをZ刺激値CZで除算することにより、Z変化値DZを算出する。
DX=KX/CX ・・・(式1)
DY=KY/CY ・・・(式2)
DZ=KZ/CZ ・・・(式3)
【0045】
[変形例1]
本実施例では、光源部101の発光色に関する値(発光色値、色変化値、等)として、XYZ三刺激値に基づく値が判断される例を説明したが、これに限られない。例えば、光源部101の発光色に関する値として、u’v’色度値(u’色度値,v’色度値)に基づく値が判断されてもよい。u’色度値とv’色度値のそれぞれを色関連値として用いれば、光源部101の発光色に関する値として、u’v’色度値(u’v’色度座標)に基づく値を判断することができる。光源部101の発光色に関する値として、xy色度値(x色度値,y色度値)に基づく値が判断されてもよい。x色度値とy色度値のそれぞれを色関連値として用いれば、光源部101の発光色に関する値として、xy色度値(xy色度座標)に基づく値を判断することができる。光源部101の発光色に関する値として、X刺激値、Y刺激値、Z刺激値、u’色度値、v’色度値、x色度値、及び、y色度値の少なくともいずれかに基づく値が判断されてもよい。
【0046】
また、本実施例では、色関係情報としてテーブルデータ(色関係テーブルデータ)が用いられる例を説明したが、これに限られない。例えば、色関係情報として、センサ値と色関連値の対応関係を示す関数などが使用されてもよい。
【0047】
また、一般的に、光のX刺激値は当該光の赤色成分との相関性が高く、光のY刺激値は
当該光の赤色成分とシアン色成分の和との相関性が高く、光のZ刺激値は当該光のシアン色成分との相関性が高い。そのため、本実施例では、センサ値RがX刺激値に対応付けられており、センサ値Rとセンサ値Cとの和がY刺激値に対応付けられており、センサ値CがZ刺激値に対応付けられている例を説明した。しかしながら、センサ値と色関連値の対応関係は、これに限られない。例えば、センサ値と色関連値の対応関係は、センサ値と、光源部101の発光色の測定値とに基づいて決定されてもよい。センサ値RがX刺激値に対応付けられ、センサ値CがY刺激値とZ刺激値に対応付けられてもよい。
【0048】
また、本実施例では、輝度センサ104から取得されたセンサ値に基づいて、光源部101の発光色に関する値が判断される例を説明したが、これに限られない。例えば、シアン色光のセンサ値と、赤色光のセンサ値とに基づいて、光源部101の発光輝度などが判断されてもよい。発光輝度は、「光源部101から発せられた光をユーザが見たときにユーザによって知覚される輝度」、「複数の色成分にそれぞれ対応する複数の光の時間積算によって実現される出力光の輝度」、等とも言える。
【0049】
また、本実施例では、シアン色光検出期間と赤色光検出期間を設定する例を説明したが、これに限られない。例えば、シアン色光検出期間のみが設定されてもよい。シアン色光検出期間が設定されれば、シアン色光のセンサ値として、センサ値YCを取得することができ、Z刺激値KZ、Z変化値DZ、等を判断することができる。赤色光検出期間のみが設定されてもよい。赤色光検出期間が設定されれば、赤色光のセンサ値として、センサ値YRを取得することができ、X刺激値KX、X変化値DX、等を判断することができる。
【0050】
検出期間の設定方法の他の具体例について、
図5を用いて説明する。
図5の符号405は、センサ検出制御信号を示す。
図5のセンサ検出制御信号405は、シアン色に対応する検出期間のみを設定する場合の信号である。センサ検出制御信号405では、
図3の検出期間D2は設定されておらず、シアン色発光402の期間に検出期間D1が設定されている。
図3を用いて説明したように、検出期間D1で輝度センサ104が検出する検出値は、光源部101から発せられたシアン色の光の輝度に対応する。
【0051】
[効果]
以上述べたように、本実施例によれば、対象成分の光のみが光源部から発せられる期間が、検出期間として設定される。そして、輝度センサによって検出期間に検出された輝度に応じたセンサ値が、対象成分に対応するセンサ値として、輝度センサから取得される。それにより、光源部から発せられた光のセンサ値を高精度に取得することができる。具体的には、センサ値に対応する光の色成分を認識した上で、センサ値を取得することができる。ひいては、取得したセンサ値に基づく高精度な処理が実行可能となる。具体的には、光源部の発光色や発光輝度に関する値を高精度に判断することができる。
【0052】
<実施例2>
以下、本発明の実施例2について説明する。実施例1(
図3,5)では、シアン色発光の期間と赤色発光の期間とが完全に分かれている例を説明した。本実施例では、シアン色発光の期間の一部に赤色発光の期間の一部が重なる例を説明する。例えば、光源部の発光輝度が高い場合などにおいて、シアン色発光の期間の一部に赤色発光の期間の一部が重なる。なお、以下では、実施例1と異なる点(構成、処理、等)について詳しく説明し、実施例1と同じ点についての説明は省略する。
【0053】
[検出期間の設定方法]
検出期間の設定方法の具体例について、
図6,7を用いて説明する。ここでは、光源部101が、複数の制御期間のそれぞれに対して、シアン色発光と赤色発光とを1回ずつ行う例を説明する。また、ここでは、シアン色光検出期間と赤色光検出期間を設定する例を
説明する。
【0054】
検出タイミング制御部103は、遅延情報と光源制御信号を取得する。
図6,7において、符号501は、光源制御信号を示す。光源部101は、光源制御信号501=「High」の期間にシアン色発光502を行い、シアン色発光502の開始タイミングt1から遅延時間Vだけ遅延したタイミングt2で赤色発光503を開始する。シアン色発光502の期間の一部は、赤色発光503の期間の一部に重なっている。例えば、期間505において、シアン色発光502と赤色発光503の両方が行われる。
【0055】
そして、検出タイミング制御部103は、遅延情報と光源制御信号に基づいて、センサ検出制御信号を生成する。
図6の符号507と、
図7の符号508とのそれぞれは、センサ検出制御信号を示す。
【0056】
図6のセンサ検出制御信号507は、実施例1(
図3のセンサ検出制御信号406)と等しい。そのため、検出期間D1,D2が設定される。
図6に示すように、センサ検出制御信号507では、シアン色発光502と赤色発光503の両方が行われる期間内に、検出期間D1,D2が設定される。そのため、検出期間D1,D2において、輝度センサ104は、光源部101から発せられたシアン色光のみの輝度、光源部101から発せられた赤色光のみの輝度、等を検出することができない。
【0057】
そこで、本実施例では、検出タイミング制御部103は、遅延情報と光源制御信号に基づいて、
図7のセンサ検出制御信号508を設定する。センサ検出制御信号508では、検出期間D3,D4が設定される。検出期間D3,D4の位相は、
図6の検出期間D1,D2の位相から時間Uだけずれている。その結果、シアン色発光502のみが行われる期間内に検出期間(シアン色光検出期間)D3が設定され、赤色発光503のみが行われる期間内に検出期間(赤色光検出期間)D4が設定される。
【0058】
具体的には、検出タイミング制御部103は、以下の式4,5を用いて、位相に対応する時間Uを算出し、時間Uに応じてセンサ検出制御信号を生成する。式4,5において、「T」は、光源制御信号501=「High」の期間の長さ、シアン色発光502の期間の長さ、赤色発光503の期間の長さ、等である。「S」は、検出期間の長さである。「J」は、制御期間の長さである。
T>Vかつ(T+S)<Jの場合:U=(V+T−J)以上かつ(V−S)以下
・・・(式4)
T≦Vの場合:U=0 ・・・(式5)
【0059】
[効果]
以上述べたように、本実施例によれば、対象成分の光のみが光源部から発せられる期間を、検出期間として、より確実に設定することができる。それにより、実施例1で述べた効果をより確実に得ることができる。
【0060】
<実施例3>
以下、本発明の実施例3について説明する。実施例1,2では、発光装置が1つの光源部を備える例を説明した。本実施例では、発光装置が複数の光源部を備える例を説明する。なお、以下では、実施例1と異なる点(構成、処理、等)について詳しく説明し、実施例1と同じ点についての説明は省略する。
【0061】
[発光装置の構成]
本実施例に係る発光装置の構成例について説明する。
図8は、本実施例に係る発光装置の構成例を示す。本実施例に係る発光装置は、実施例1(
図1)の光源部101の代わりに、3つの光源部300A〜300Cを備える。3つの光源部300A〜300Cのそれぞれは、光源部101の機能と同様の機能を有する。さらに、本実施例に係る発光装置は、実施例1の検出タイミング制御部103の代わりに、制御部301を備える。なお、光源部の数は3つより多くても少なくてもよい。
【0062】
図9は、3つの光源部300A〜300Cにそれぞれ対応する3つの発光領域601〜603の一例を示す。本実施例では、3つの光源部300A〜300Cは垂直方向に並べられている。発光面の上側3分の1の領域である発光領域601が光源部300Aに対応付けられている。発光面の中側3分の1の領域である発光領域602が光源部300Bに対応付けられている。そして、発光面の下側3分の1の領域である発光領域603が光源部300Cに対応付けられている。
【0063】
複数の発光(シアン色発光と赤色発光)の時間は、光源制御信号(点灯指示)応じて決まる。そのため、検出期間を設定可能な期間が光源制御信号によって作られないことがある。検出期間を設定可能な期間は、輝度センサ104が所望の輝度(1つの光源部から発せられた、対象成分の光の輝度)を高精度に検出できる期間である。
【0064】
実施例1,2では、1つの光源部101が使用される。そのため、光源部101から発せられた光の輝度を輝度センサ104が検出する場合において、他の光源部から発せられた光が輝度センサ104に漏れ込むことはない。従って、実施例1,2において、検出期間を設定可能な期間は、対象成分の光のみが光源部101から発せられる期間などである。
【0065】
一方、本実施例では、3つの光源部300A〜300Cが使用される。そのため、光源部300A〜300Cのいずれかである対象光源部から発せられた光の輝度を輝度センサ104が検出する場合において、対象光源部の周辺の光源部から発せられた光が輝度センサ104に漏れ込むことがある。このような光の漏れは、輝度センサ104の検出精度の低下をまねく。従って、本実施例において、検出期間を設定可能な期間は、対象成分の光のみが対象光源部から発せられ、且つ、対象光源部の周辺の光源部が消灯する期間などである。例えば、検出期間を設定可能な期間は、対象成分の光のみが対象光源部から発せられ、且つ、対象光源部以外の全ての光源部が消灯する期間である。対象光源部の周辺の光源部は、例えば、対象光源部からの距離が閾値以下の位置に設けられた光源部である。対象光源部に隣接する光源部のみが、対象光源部の周辺の光源部として用いられてもよい。
【0066】
制御部301は、検出期間を設定可能な期間が作られるように、光源制御信号を生成し、光源制御信号を光源部へ出力する。光源制御信号の生成は、「点灯指示の実行」とも言える。また、制御部301は、実施例1の検出タイミング制御部103と同様の機能(検出期間の設定;センサ検出制御信号の生成および出力)をさらに有する。本実施例では、制御部301は、光源制御信号と遅延情報に基づいて、光源制御信号の補正と、センサ検出制御信号の生成とを行う。そして、制御部301は、補正後の光源制御信号と、センサ検出制御信号とを出力する。光源制御信号の生成と、センサ検出制御信号の生成とは、互いに異なる機能部によって実行されてもよい。
【0067】
本実施例では、制御部301は、3つの光源部300A〜300Cのそれぞれについて上記処理を行う。それにより、3つの光源部300A〜300Cにそれぞれ対応する3つの光源制御信号が生成され、3つの光源部300A〜300Cにそれぞれ対応する3つのセンサ検出制御信号(検出期間)が生成される。
【0068】
輝度センサ104と色変化判断部107は、3つの光源部300A〜300Cのそれぞれについて、実施例1で述べた処理を行う。例えば、色変化判断部107は、3つの光源部300A〜300Cのそれぞれについて、その光源部に対応する検出期間に輝度センサ104によって検出された輝度に応じた検出値を、当該光源部に対応するセンサ値として、輝度センサ104から取得する。
【0069】
なお、遅延情報、基準センサ値、及び、色関係情報のそれぞれは、3つの光源部300A〜300Cの間で共通の情報(値)であってもよいし、そうでなくてもよい。発光装置は複数の輝度センサを備えていてもよい。光源部と輝度センサの対応関係が予め定められ、光源部から発せられた光の輝度が、当該光源部に対応する輝度センサによって検出されてもよい。
【0070】
[発光期間と検出期間の設定方法]
発光期間と検出期間の設定方法の具体例について、
図10,11を用いて説明する。ここでは、3つの光源部300A〜300Cのそれぞれが、複数の制御期間のそれぞれに対して、シアン色発光と赤色発光とを行う例を説明する。すなわち、各光源部への駆動信号(「High」の光源制御信号)の入力が周期的に行われる。また、ここでは、シアン色光検出期間と赤色光検出期間を設定する例を説明する。
【0071】
上述したように、制御部301は、遅延情報と光源制御信号を取得し、遅延情報と光源制御信号に基づいて、光源制御信号の補正と、センサ検出制御信号の生成とを行う。
図10の符号701は、光源部300Bに対応する、補正前の光源制御信号を示し、
図11の符号711は、光源部300Bに対応する、補正後の光源制御信号を示す。
図10の符号705と
図11の符号715とのそれぞれは、光源部300Bに対応するセンサ検出制御信号を示す。
【0072】
図10の例では、光源部300Bは、補正前の光源制御信号701に応じて、複数の制御期間のそれぞれに対して、1回のシアン色発光702と1回の赤色発光703とを行う。光源部300A,300Cのそれぞれも、複数の制御期間のそれぞれに対して、1回のシアン色発光と1回の赤色発光とを行う。
【0073】
図10の例では、センサ検出制御信号705に応じて、光源部300Bがシアン色発光702のみを行う検出期間D11と、光源部300Bが赤色発光703のみを行う検出期間D12とが設定される。検出期間D11,12では、光源部300A,300Cが発光を行う。そのため、検出期間D11,D12において、輝度センサ104は、光源部300Bから発せられたシアン色光のみの輝度、光源部300Bから発せられた赤色光のみの輝度、等を検出することができない。光源部300A,300Cについても、同様の課題が生じる。
【0074】
そこで、本実施例では、
図11に示すように、光源部300Bについて、補正後の光源制御信号711が生成されて使用される。また、光源部300Bについて、補正後の光源制御信号711に合うようにセンサ検出制御信号715が生成されて使用される。光源部300A,300Cのそれぞれについても、光源部300Bと同様に、補正後の光源制御信号と、センサ検出制御信号とが生成されて使用される。
【0075】
図11,12に示すように、各光源部に入力する駆動信号(「High」の光源制御信号)は、補正により複数に分割される。
図11の例では、光源部300Bは、補正後の光源制御信号711に応じて、複数の制御期間のそれぞれに対して、2回のシアン色発光712−1,712−2と2回の赤色発光713−1,713−2とを行う。光源部300A,300Cのそれぞれも、複数の制御期間のそれぞれに対して、2回のシアン色発光と
2回の赤色発光とを行う。
【0076】
図11の例では、センサ検出制御信号715に応じて、光源部300Bがシアン色発光712−1のみを行う検出期間D21と、光源部300Bが赤色発光713−1のみを行う検出期間D22とが設定される。検出期間D21,D22では、光源部300A,300Cが消灯する。そのため、検出期間D21において、輝度センサ104は、光源部300Bから発せられたシアン色光のみの輝度を高精度に検出することができる。そして、検出期間D22において、輝度センサ104は、光源部300Bから発せられた赤色光のみの輝度を高精度に検出することができる。光源部300A,300Cについても、同様の効果が得られる。
【0077】
[変形例1]
図11の例では、1つの入力周期内に、複数の光源部にそれぞれ対応する複数の検出期間が設定される。入力周期は、各光源へ駆動信号が入力される周期であり、制御期間に対応する。しかしながら、
図11のような設定方法では、1つの制御期間に対応する時間であり、且つ、1つの光源部の発光の総時間の上限である上限時間が低減される。例えば、光源部の数が多いほど短い時間に、上限時間が低減される。上限時間が低減されると、光源部の発光輝度の上限も低減される。
【0078】
そのため、
図12に示すように、複数の光源部にそれぞれ対応する複数の検出期間を設定してもよい。
図12の例では、複数の光源部のそれぞれについて、その光源部に対応する検出期間が、当該光源部の周辺の光源部に対応する検出期間が設定される制御期間とは異なる制御期間に設定される。具体的には、1番目の制御期間に、光源部300Aに対応する検出期間が設定され、2番目の制御期間に、光源部300Bに対応する検出期間が設定され、3番目の制御期間に、光源部300Cに対応する検出期間が設定される。これにより、上限時間の低減を抑制することができる。
【0079】
[効果]
以上述べたように、本実施例によれば、複数の光源部のそれぞれについて、その光源部の周辺の光源部が消灯する期間が、当該光源部に対応する検出期間として設定される。そして、複数の光源部のそれぞれについて、その光源部に対応する検出期間に輝度センサによって検出された輝度に応じたセンサ値が、当該光源部に対応するセンサ値として、輝度センサから取得される。それにより、複数の光源部が用いられる場合において、各光源部から発せられた光のセンサ値を高精度に取得することができ、ひいては、取得したセンサ値に基づく高精度な処理が実行可能となる。具体的には、光源部から発せられた光のセンサ値として、他の光による影響が低減されたセンサ値を取得することができる。
【0080】
<実施例4>
以下、本発明の実施例4について説明する。本実施例では、発光装置が表示装置である例を説明する。本実施例に係る表示装置は、光源部から発せられた光を表示画像データに基づいて透過することにより画像を表示する表示部を備える。表示装置は、例えば、液晶表示装置、MEMS(Micro Electro Mechanical System)シャッター方式表示装置、等である。具体的には、表示装置は、広告表示装置、標識表示装置、投影装置(プロジェクタ)、PC、PDA、タブレット端末、携帯電話端末、テレビジョン装置、撮像装置、デジタルフォトフレーム、ゲーム機、家電装置、車載装置、等である。なお、以下では、実施例1と異なる点(構成、処理、等)について詳しく説明し、実施例1と同じ点についての説明は省略する。
【0081】
[表示装置の構成]
本実施例に係る表示装置の構成例について説明する。
図13は、本実施例に係る表示装
置の構成例を示す。本実施例に係る表示装置は、実施例1(
図1)の発光装置が備える複数の機能部、色補正部801、及び、表示部802を備える。
【0082】
色補正部801は、色変化判断部107によって輝度センサ104から取得されたセンサ値に基づいて、光源部101の発光色を考慮して入力画像データを補正することにより、表示画像データを生成する。入力画像データは、表示装置に入力された画像データ、表示装置が備える不図示の記憶部に記録された画像データ、等である。本実施例では、色補正部801は、色変化判断部107から色変化値を取得し、色変化値に基づいて入力画像データを補正することにより表示画像がデータを生成する。そして、色補正部801は、表示画像データを表示部802へ出力する。
【0083】
表示部802は、光源部101から発せられた光を表示画像データに基づいて透過することにより、画面に画像を表示する。表示部802は、例えば、液晶パネル、MEMSシャッター方式表示パネル、等である。
【0084】
[入力画像データの補正方法]
入力画像データの補正方法の具体例について説明する。入力画像データのフォーマットは特に限定されないが、ここでは、入力画像データの各画素値がRGB値(R値,G値,B値)=(Ri,Gi,Bi)である場合の例を説明する。
【0085】
(ステップ2−1)
ステップ2−1にて、色補正部801は、入力画像データの各RGB値(Ri,Gi,Bi)をXYZ三刺激値(Xpi,Ypi,Zpi)に変換する。本実施例では、色補正部801は、以下の式6を用いて、RGB値(Ri,Gi,Bi)をXYZ三刺激値(Xpi,Ypi,Zpi)に変換する。式6の変換行列の要素aX,aY,aZ,bX,bY,bZ,cX,cY,cZは、画面から発せられた光の測定値に基づいて予め決定される。
【数1】
【0086】
(ステップ2−2)
ステップ2−2にて、色補正部801は、ステップ2−1で得られた各XYZ三刺激値(Xpi,Ypi,Zpi)を色変化値(DX,DY,DZ)で除算する。本実施例では、色変化値(DX,DY,DZ)で除算された後のXYZ三刺激値を「XYZ三刺激値(Xoi,Yoi,Zoi)」と記載する。具体的には、式7に示すように、色補正部801は、X刺激値XpiをX変化値DXで除算することにより、X刺激値Xoiを算出する。式8に示すように、色補正部801は、Y刺激値YpiをY変化値DYで除算することにより、Y刺激値Yoiを算出する。そして、式9に示すように、色補正部801は、Z刺激値ZpiをZ変化値DZで除算することにより、Z刺激値Zoiを算出する。
Xoi=Xpi÷DX ・・・(式7)
Yoi=Ypi÷DY ・・・(式8)
Zoi=Zpi÷DZ ・・・(式9)
【0087】
(ステップ2−3)
ステップ2−3にて、色補正部801は、ステップ2−2で算出された各XYZ三刺激
値(Xoi,Yoi,Zoi)を、表示画像データの画素値であるRGB値(Ro,Go,Bo)に再変換する。本実施例では、色補正部801は、以下の式10を用いて、XYZ三刺激値(Xoi,Yoi,Zoi)をRGB値(Ro,Go,Bo)に再変換する。式10の変換行列は、式6の変換行列の逆行列である。
【数2】
【0088】
[効果]
以上述べたように、本実施例によれば、高精度に取得されたセンサ値に基づいて入力画像データを補正することにより表示画像データが生成され、表示画像データに基づく画像が表示される。それにより、表示色(画面の色)、表示輝度(画面の輝度)、等の意図せぬ変化を抑制することができる。
【0089】
なお、実施例1〜4の各機能部は、個別のハードウェアであってもよいし、そうでなくてもよい。2つ以上の機能部の機能が、共通のハードウェアによって実現されてもよい。1つの機能部の複数の機能のそれぞれが、個別のハードウェアによって実現されてもよい。1つの機能部の2つ以上の機能が、共通のハードウェアによって実現されてもよい。また、各機能部は、ハードウェアによって実現されてもよいし、そうでなくてもよい。例えば、装置が、プロセッサと、制御プログラムが格納されたメモリとを有していてもよい。そして、装置が有する少なくとも一部の機能部の機能が、プロセッサがメモリから制御プログラムを読み出して実行することにより実現されてもよい。
【0090】
なお、実施例1〜4はあくまで一例であり、本発明の要旨の範囲内で実施例1〜4の構成を適宜変形したり変更したりすることにより得られる構成も、本発明に含まれる。実施例1〜4の構成を適宜組み合わせて得られる構成も、本発明に含まれる。
【0091】
<その他の実施例>
本発明は、上述の実施例の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【解決手段】本発明の発光装置は、駆動信号が入力されたことに応じて第1の色の光を発し、前記第1の色の光が発せられてから所定の時間が経過したのちに前記第1の色と異なる第2の色の光を発する光源と、前記駆動信号が前記光源に入力されている期間内に前記第1の色の光の輝度を検出するための第1検出期間を設定し、前記光源に前記駆動信号が入力されていない期間内に前記第2の色の光の輝度を検出するための第2検出期間を設定する設定手段と、設定された前記第1検出期間および前記第2検出期間に前記光源から発せられた光の輝度に対応する検出値を取得する検出手段と、を備える。