特許第6443873号(P6443873)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6443873
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】アレイ基板及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1345 20060101AFI20181217BHJP
   G02F 1/1368 20060101ALI20181217BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20181217BHJP
   H01L 29/786 20060101ALI20181217BHJP
【FI】
   G02F1/1345
   G02F1/1368
   G09F9/00 338
   H01L29/78 612C
【請求項の数】17
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-3186(P2014-3186)
(22)【出願日】2014年1月10日
(65)【公開番号】特開2014-134801(P2014-134801A)
(43)【公開日】2014年7月24日
【審査請求日】2017年1月6日
(31)【優先権主張番号】201310011529.9
(32)【優先日】2013年1月11日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】507134301
【氏名又は名称】北京京東方光電科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING BOE OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD.
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】郭 建
【審査官】 佐藤 洋允
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−288007(JP,A)
【文献】 特開2006−048006(JP,A)
【文献】 特開2004−295073(JP,A)
【文献】 特開2006−235284(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0021376(US,A1)
【文献】 特開平07−072508(JP,A)
【文献】 特開2004−247533(JP,A)
【文献】 特開2006−215086(JP,A)
【文献】 特開2001−337332(JP,A)
【文献】 特開2001−313397(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F1/1343−1/1345
G02F1/135−1/1368
G09F9/00
H01L29/786
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、前記基板に形成されたゲート線と、ゲート絶縁層と、ゲート線保護層と、保護層と、透明電極とを有する共通電極ビアホール領域を備え、
前記ゲート絶縁層に第4ビアホールが形成され、前記保護層における前記第4ビアホールに対応する位置に第5ビアホールが形成され、前記ゲート線と、前記ゲート線保護層と、前記透明電極とが、前記第4ビアホール及び前記第5ビアホールを介して接続されることを特徴とするアレイ基板。
【請求項2】
前記基板に対して平行である方向に沿った前記第4ビアホールのサイズが、前記基板に対して平行である前記方向に沿った前記第5ビアホールのサイズよりも大きいことを特徴とする請求項1に記載されたアレイ基板。
【請求項3】
前記保護層として採用される材料が、有機樹脂であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載されたアレイ基板。
【請求項4】
前記有機樹脂が、Si−CやSiOを主鎖とした有機樹脂中の1種または2種の混合であることを特徴とする請求項3に記載されたアレイ基板。
【請求項5】
前記基板に形成されたゲート線と、ゲート絶縁層と、データ線と、保護層と、透明電極とを備える静電気放電防止領域を有する周辺配線領域、をさらに含むアレイ基板において、
前記ゲート絶縁層に第1ビアホールが形成され、前記保護層における前記第1ビアホールに対応する位置に第2ビアホールが形成され、前記ゲート線と、データ線と、透明電極とが前記第1ビアホール及び前記第2ビアホールを介して接続されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載されたアレイ基板。
【請求項6】
前記透明電極が、第1透明電極と第2透明電極とを備え、前記第1透明電極と前記第2透明電極との間にパッシベーション層が形成され、前記パッシベーション層における前記第1ビアホールに対応する位置に第3ビアホールが形成されることを特徴とする請求項5に記載されたアレイ基板。
【請求項7】
前記第1透明電極と前記第2透明電極のうち、上層に位置する透明電極がスリット電極であることを特徴とする請求項6に記載されたアレイ基板。
【請求項8】
前記基板に形成されたゲート絶縁層と、データ線と、保護層と、透明電極とを有するチップボンディング領域をさらに備え、
前記保護層に第7ビアホールが形成され、前記データ線と、前記透明電極とが、前記第7ビアホールを介して接続されることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載されたアレイ基板。
【請求項9】
アレイ基板が、共通電極ビアホール領域を備え、前記共通電極ビアホール領域を形成するステップが、基板にゲート線と、ゲート絶縁層と、ゲート線保護層と、保護層と、透明電極とを形成するステップを備え、
前記ゲート絶縁層に、第4ビアホールをエッチングし、前記保護層における前記第4ビアホールと対応する位置に第5ビアホールをエッチングし、前記ゲート線と、前記ゲート線保護層と、前記透明電極層が、前記第4ビアホール及び前記第5ビアホールを介して接続されることを特徴とするアレイ基板の製造方法。
【請求項10】
前記基板に対して平行である方向に沿った前記第4ビアホールのサイズが、前記基板に対して平行である前記方向に沿った前記第5ビアホールのサイズよりも大きいことを特徴とする請求項9に記載されたアレイ基板の製造方法。
【請求項11】
静電気放電防止領域を有する周辺配線領域をさらに含む、アレイ基板の製造方法において、前記静電気放電防止領域を形成するステップが、前記基板に、前記ゲート線と、前記ゲート絶縁層と、データ線と、前記保護層と、前記透明電極とを形成するステップを備え、
前記方法が、前記ゲート絶縁層に第1ビアホールをエッチングし、前記保護層における前記第1ビアホールに対応する位置に第2ビアホールをエッチングすることで、前記ゲート線と、前記データ線と、前記透明電極とが、前記第1ビアホール及び前記第2ビアホールを介して接続されるステップを、さらに備えることを特徴とする請求項9または請求項10に記載されたアレイ基板の製造方法。
【請求項12】
前記透明電極が、第1透明電極と、第2透明電極と、を備え、
前記方法が、前記第1透明電極と前記第2透明電極との間にパッシベーション層を形成し、前記パッシベーション層における前記第1ビアホールに対応する位置に第3ビアホールをエッチングするステップをさらに備えることを特徴とする請求項11に記載されたアレイ基板の製造方法。
【請求項13】
前記保護層として採用される材料が、有機樹脂であること特徴とする請求項9から請求項12のいずれか一項に記載されたアレイ基板の製造方法。
【請求項14】
前記有機樹脂が、Si−CやSiOを主鎖とした有機樹脂中の1種または2種の混合であることを特徴とする請求項13に記載されたアレイ基板の製造方法。
【請求項15】
前記有機樹脂を堆積するステップが前記有機樹脂の硬化成形するステップを備え、前記有機樹脂の硬化成形条件が、前記有機樹脂を250℃以上の温度で焼いて硬化成形することであることを特徴とする請求項13または請求項14に記載されたアレイ基板の製造方法。
【請求項16】
ドライエッチング方法で、有機樹脂に対してエッチングし、前記ドライエッチング方法が、
SFと、Oと、Heとの混合ガスを用いて、パワー7000W以上でエッチングを行うステップa1と、
有機樹脂が部分的にエッチングされた後、SFと、との混合ガスを用いて、パワー5000W〜12000Wでエッチングを行うステップa2と、
を備えることを特徴とする請求項13から請求項15のいずれか一項に記載されたアレイ基板の製造方法。
【請求項17】
前記アレイ基板が、チップボンディング領域を更に備え、前記チップボンディング領域を形成するステップが、前記基板にゲート絶縁層、データ線と、保護層と、透明電極とを形成するステップを備え、
前記保護層に、第7ビアホールを形成し、前記データ線と、前記透明電極とが、前記第7ビアホールを介して接続されることを特徴とする請求項9から請求項16のいずれか一項に記載されたアレイ基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アレイ基板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、TFT−LCDに代表される液晶ディスプレイは、重要なフラットパネルディスプレイ形態となっている。液晶を駆動する電界の方向からみると、TFT−LCDは、垂直電界型と水平電界型とに分類される。垂直電界型TFT−LCDは、ツイストネマチック(Twist Nematic,TN)型TFT−LCDを含む。水平電界型TFT−LCDは、FFS型TFT−LCD、インプレインスイッチング(In−Plane Switching,IPS)型TFT−LCDを含む。
【0003】
TFT−LCDアレイ基板の製造工程において、図1に示すように、データ線を形成した後に保護層7を塗布する。保護層7は、表示領域(即ち、d領域)の全てを覆い、共通電極ビアホール領域(即ち、a領域)に樹脂ビアホールを形成する必要がある他に、周辺における静電気放電(Electro Static Discharge,ESD)防止領域(即ち、b領域)、チップボンディング(IC bonding)領域(即ち、c領域)にも樹脂ビアホールを形成する必要がある。樹脂が平坦化材料であるので、塗布及び硬化された後に、全体的に平坦化された形状となる。樹脂の下地層の構成での起伏が大きくなると、図1におけるa、b、c、dの四つの領域に示すように、樹脂の厚さの差異が生じてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
樹脂は、ドライエッチングが必要とされ、b領域の樹脂が最も薄いから、最も短い時間でエッチングされる。しかし、a領域及びc領域は、長い時間のエッチングが必要とされる。樹脂のエッチング速度をxとし、a領域、b領域、c領域の厚さを、それぞれT、T、Tとすると、三つの領域のエッチング時間は、T/x≒T/x>T/xとなる。b領域のエッチングが終わった際に、a領域及びc領域の樹脂のエッチングがまだ続いている。これによって、b領域の下地層のデータ線4が大きくダメージされる。データ線のエッチング速度をyとすると、データ線のオーバーエッチング量が、(T/x−T/x)*yで表されることができる。データ線自身が比較的に薄いから、オーバーエッチングによるデータ線の損失という不良結果が生じ易くなり、さらに製品の良品率が低下される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施例は、基板と、前記基板に形成されたゲート線と、ゲート絶縁層と、データ線と、保護層と、透明電極とを備える静電気放電防止領域を有する周辺配線領域、を含むアレイ基板において、
前記ゲート絶縁層に第1ビアホールが形成され、前記保護層における前記第1ビアホールに対応する位置に第2ビアホールが形成され、前記ゲート線と、データ線と、透明電極とが前記第1ビアホール及び前記第2ビアホールを介して接続されるアレイ基板を提供する。
【0006】
好ましくは、前記透明電極が、第1透明電極と第2透明電極とを備え、前記第1透明電極と前記第2透明電極との間にパッシベーション層が形成され、前記パッシベーション層における前記第1ビアホールに対応する位置に第3ビアホールが形成される。
【0007】
好ましくは、前記第1透明電極及び前記第2透明電極のうち、上層に位置する透明電極がスリット電極である。
【0008】
好ましくは、前記保護層として採用される材料が、有機樹脂である。
【0009】
好ましくは、前記有機樹脂が、Si−CやSiOを主鎖とした有機樹脂中の1種または2種の混合である。
【0010】
好ましくは、前記アレイ基板が、前記基板に形成されたゲート線と、ゲート絶縁層と、ゲート線保護層と、保護層と、透明電極とを有する共通電極ビアホール領域をさらに備え、
前記ゲート絶縁層に第4ビアホールが形成され、前記保護層における前記第4ビアホールに対応する位置に第5ビアホールが形成され、前記ゲート線と、前記ゲート線保護層と、前記透明電極とが、前記第4ビアホール及び前記第5ビアホールを介して接続される。
【0011】
好ましくは、前記アレイ基板が、前記基板に形成されたゲート絶縁層と、データ線と、保護層と、透明電極とを有するチップボンディング領域をさらに備え、
前記保護層に第7ビアホールが形成され、前記データ線と、前記透明電極とが、前記第7ビアホールを介して接続される。
【0012】
本発明の実施例は、静電気放電防止領域を有する周辺配線領域を含むアレイ基板の製造方法において、前記静電気放電防止領域を形成するステップが、アレイ基板に、ゲート線と、ゲート絶縁層と、データ線と、保護層と、透明電極とを形成するステップを備え、前記アレイ基板の製造方法が、前記ゲート絶縁層に第1ビアホールをエッチングし、前記保護層における前記第1ビアホールに対応する位置に第2ビアホールをエッチングし、前記ゲート線と、前記データ線と、前記透明電極とが、前記第1ビアホール及び前記第2ビアホールを介して接続されるステップを、さらに備えるアレイ基板の製造方法を提供する。
【0013】
好ましくは、前記透明電極が、第1透明電極と、第2透明電極と、を備え、前記アレイ基板の製造方法が、前記第1透明電極と、前記第2透明電極との間にパッシベーション層を形成し、前記パッシベーション層における前記第1ビアホールに対応する位置に第3ビアホールをエッチングするステップをさらに備える。
【0014】
好ましくは、前記第1透明電極と前記第2透明電極のうち、上層に位置する透明電極がスリット電極である。
【0015】
好ましくは、前記保護層として採用される材料が、有機樹脂である。
【0016】
好ましくは、前記有機樹脂が、Si−CやSiOを主鎖とした有機樹脂中の1種または2種の混合である。
【0017】
好ましくは、前記有機樹脂を堆積するステップが前記有機樹脂の硬化成形するステップを備え、前記有機樹脂の硬化成形条件が、前記有機樹脂を250℃以上の温度で焼いて硬化成形することである。
【0018】
好ましくは、ドライエッチング方法で、有機樹脂に対してエッチングし、前記ドライエッチング方法が、
SFと、Oと、Heとの混合ガスを用いて、パワー7000W以上でエッチングを行うステップa1と、
有機樹脂が部分的にエッチングされた後、SFと、Oとの混合ガスを用いて、パワー5000〜12000Wでエッチングを行うステップa2と、
を備える。
【0019】
好ましくは、前記アレイ基板が、共通電極ビアホール領域を更に備え、前記共通電極ビアホール領域を形成するステップが、前記基板にゲート線と、ゲート絶縁層と、ゲート線保護層と、保護層と、透明電極とを形成するステップを備え、
前記ゲート絶縁層に第4ビアホールを形成し、前記保護層における前記第4ビアホールと対応する位置に第5ビアホールをエッチングし、前記ゲート線と、前記ゲート線保護層と、前記透明電極層が、前記第4ビアホール及び前記第5ビアホールを介して接続される。
【0020】
好ましくは、前記アレイ基板が、チップボンディング領域を更に備え、前記チップボンディング領域を形成するステップが、前記基板にゲート絶縁層、データ線と、保護層と、透明電極とを形成するステップを備えて、
前記保護層に第7ビアホールを形成し、前記データ線と、前記透明電極とが、前記第7ビアホールを介して接続される。
【0021】
本発明の実施例における技術手段をより明瞭に説明するため、以下実施例の図面について簡単に紹介する。なお、下記に説明する図面はただ本発明の実施例の一部に係るが、本発明を制限することはないことは勿論のことである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は保護層が堆積された後のアレイ基板の構成を示す図である。
図2図2は保護層がエッチングされた後のアレイ基板の構成を示す図である。
図3図3は改善された後のb領域のアレイ基板の構成を示す図である。
図4図4は改善された後のa領域のアレイ基板の構成を示す図である。
図5図5は改善された後のc領域のアレイ基板の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明に係る実施例の目的、技術手段及び効果をより明瞭にするために、以下、本発明の実施例を表す図面を参照しながら、本発明の実施例を明瞭且つ完全に説明する。なお、ここで記載された実施例は、ただ本発明の一部の実施例だけであり、本発明の全ての実施例ではない。本発明の実施例に基づき、当業者が創造的な労働をしない前提で得られる他の実施例は全て本発明の技術範囲に含まれる。
【0024】
図1及び図2に、a、b、c領域の厚さが異なることや、b領域における下地層のデータ線がオーバーエッチングされたことを示している。そこで、樹脂をエッチングする時、a、b、c領域の厚さを一致させるように、全体的な構成を改善しなくてはならない。
【0025】
例えば、a領域が共通電極ビアホール領域であり、b領域が静電気放電防止領域であり、c領域がチップボンディング領域である。
【0026】
図3は、改善された後のb領域のアレイ基板構成を示す模式図である。図3から分かるように、改善された後のb領域のアレイ基板は、基板1と、ゲート線2と、ゲート絶縁層3と、データ線4と、パッシベーション層6と、保護層7と、第1透明電極9と、第2透明電極10と、第1ビアホール81と、第2ビアホール82と、第3ホール83と、を備える。
【0027】
上記ゲート線2は、上記基板1に形成される。上記ゲート絶縁層3は、上記ゲート線2に形成され、基板1を覆う。上記第1ビアホール81は、上記ゲート絶縁層3を貫通する。上記データ線4は、上記ゲート絶縁層3に形成され、上記第1ビアホール81を介して上記ゲート線2と接続される。上記保護層7は、上記データ線4に形成される。上記第2ビアホール82は上記保護層7を貫通する。上記第1透明電極9は、上記保護層7に形成され、第1ビアホール81及び第2ビアホール82を介してデータ線4と接続される。上記パッシベーション層6は、上記第1透明電極9に形成される。上記第3ビアホール83は、上記パッシベーション層6を貫通する。上記第2透明電極10は、上記パッシベーション層6に形成され、上記第3ビアホール83を介して上記第1透明電極9と接続される。
【0028】
上記の実施形態では、第1ビアホール81におけるゲート絶縁層をエッチングすることで、b領域の下地層の厚さを減少し、b領域の厚さを増加することができる。これによって、a、b、c領域の厚さが一致するように確保でき、保護層7にビアホールを形成する時、b領域におけるデータ線4のオーバーエッチングを防止する。そして、第1透明電極9が採用する透明導電材料がエッチングされることがないので、第1透明電極9を保護層7に形成することで、パッシベーション層6にビアホールを形成する時にデータ線4がエッチングされることがさらに防止される。
【0029】
図4及び図5のそれぞれは、改善された後のa領域及びc領域のアレイ基板の構成図である。図4から分かるように、改善された後のa領域のアレイ基板は、基板1と、ゲート線2と、ゲート絶縁層3と、ゲート線保護層5と、パッシベーション層6と、保護層7と、第1透明電極9と、第2透明電極10と、第4ビアホール84と、第5ビアホール85と、第6ビアホール86と、を備える。
【0030】
上記ゲート線2は、上記基板1に形成される。上記ゲート絶縁層3は、上記ゲート線2に形成され、基板1を覆う。上記第4ビアホール84は、上記ゲート絶縁層3を貫通する。上記ゲート線保護層5は、上記第4ビアホール84に形成され、上記第4ビアホール84を介して上記ゲート線2と接続される。上記保護層7は、上記ゲート絶縁層3に形成され、かつ上記ゲート線保護層5に形成される。上記第5ビアホール85は、上記保護層7を貫通する。上記第1透明電極9は、上記保護層7に形成され、上記第4ビアホール84及び第5ビアホール85を介してゲート線保護層5と接続される。上記パッシベーション層6は、上記第1透明電極9に形成される。上記第6ビアホール86は、上記パッシベーション層6を貫通する。上記第2透明電極10は、上記パッシベーション層6に形成され、上記第6ビアボール86を介して第1透明電極9と接続される。
【0031】
図5から分かるように、改善された後のc領域のアレイ基板の構成は、基板1と、ゲート絶縁層3と、データ線4と、パッシベーション層6と、保護層7と、第7ビアホール87と、第8ビアホール88と、第1透明電極9と、第2透明電極10と、を備える。
【0032】
上記ゲート絶縁層3は、上記基板1に形成される。上記データ線4は、上記ゲート絶縁層3に形成される。上記保護層7は、上記データ線4に形成され、上記ゲート絶縁層3を覆う。上記第7ビアホール87は、上記保護層7を貫通する。上記第1透明電極9は、上記保護層7に形成され、上記第7ビアホール87を介して上記データ線4と接続される。上記パッシベーション層6は、上記第1透明電極9に形成される。上記第8ビアホール88は、上記パッシベーション層6を貫通する。上記第2透明電極10は、上記パッシベーション層6に形成され、第8ビアホール88を介して上記第1透明電極9と接続される。
【0033】
改善された後のa領域にもc領域にも第1透明電極9を加える。この第1透明電極9は、エッチングされることがないので、パッシベーション層にビアホールを形成する時に下地層のゲート線及び下地層のデータ線のオーバーエッチングが防止できる。
【0034】
なお、上記保護層として、採用される材料は、有機樹脂であってもよい。上記有機樹脂は、Si−CやSiOを主鎖とした有機樹脂中の1種であってもよいが、2種の混合であってもよい。上記第1透明電極として、採用される材料は、透明導電材料であってもよい。この透明導電材料は、ナノインジウムスズ金属酸化物やインジウム亜鉛金属酸化物である。上記第1透明電極及び第2透明電極のうち、上層に位置する透明電極、即ち第2透明電極が、スリット電極であってもよい。
【0035】
上記の共通電極ビアホール領域と、静電気放電防止領域と、チップボンディング領域とは、ともにアレイ基板の周辺領域に位置する。上記領域におけるゲート線と、ゲート絶縁層と、データ線と、透明電極とのすべては、ディスプレイ領域におけるゲート線と、ゲート絶縁層と、データ線と、透明電極とが周辺領域まで延びる部分である。しかし、必要に応じて、これらのディスプレイ領域における部分と、周辺領域における部分とが、つながってもよいし、切断されてもよい。また、共通電極ビアホール領域、静電気放電防止領域、及びチップボンディング領域におけるゲート線やデータ線が、同じゲート線やデータ線の異なる部分であってもよい。また、各領域におけるゲート線やデータ線は、必要に応じて、つながってもよいし、切断されてもよい。
【0036】
実際的に、周辺の配線領域内まで伸びたゲート線とデータ線との部分は、主にリードとして機能する。そのため、ゲート線とデータ線とのそれぞれは、ゲート線リードや、データ線リートとも呼ばれる。しかし、本発明は、主に周辺の配線領域における構成を説明するので、説明の便宜のため、それらをやはりゲート線と、データ線と呼ぶ。上記のように、各周辺領域及びアレイ基板のディスプレイ領域における上記部材は、必要に応じて、つながってもよいし、切断されてもよい。従って、各領域ごとにおいて、各導電部材は、信号輸出の便宜のため、互いに接続される。例えば、周辺の一つの配線領域において、ゲート線が、データ線及びその上の透明電極を介して接続されることで、信号の伝送が実現される。この時、この領域におけるデータ線及び透明導電層が、他の領域におけるデータ線と、透明導電層と、切断されてもよい。
【0037】
上記のアレイ基板の構成に基づいて、本発明の実施例は、図3に示される改善された後のb領域を備えるアレイ基板の構成の製造方法をさらに提供する。即ち、下記のステップを備える。
【0038】
ステップ1:アレイ基板にゲート線を形成し、上記ゲート線にゲート絶縁層を形成し、上記ゲート絶縁層が上記基板を覆う。
【0039】
ステップ2:ビアホールが形成される場所に対して、露光、現像及びエッチング工程を行い、上記ゲート絶縁層に第1ビアホールをエッチングする。
【0040】
ステップ3:上記データ線が上記ゲート絶縁層に形成されるようにデータ線を形成し、上記データデータ線が、上記第1ビアホールを介して上記ゲート線と接続させる。
【0041】
ステップ4:有機樹脂層を形成し、かつ上記データ線に形成させる。そして、有機樹脂を200℃以上の温度で焼いて硬化成形した後に、上記保護層の上記第1ビアホールに対応する位置に対して露光、現像及びドライエッチングを行い、第2ビアホールをエッチングする。
【0042】
ドライエッチングのステップは、例えば、SFと、Oと、Heとの混合ガスを用いて、パワー7000W以上(例えば、7000W〜12000W)でエッチングを行う。そして、有機樹脂が部分的にエッチングされた後、SFと、Oとの混合ガスを用いて、パワー5000W〜12000Wでエッチングを行う。
【0043】
ステップ5:第1透明電極を形成し、かつ上記保護層に形成させ、上記第1ビアホール及び第2ビアホールを介して、データ線と接続させる。
【0044】
ステップ6:パッシベーション層を形成し、かつ上記第1透明電極に形成させ、上記パッシベーション層の上記第1ビアホールに対応する位置に対して露光、現像及びエッチングを行い、第3ビアホールをエッチングする。
【0045】
ステップ7:第2透明電極を形成し、かつ上記パッシベーション層に形成させ、第3ビアホールを介して第1透明電極と接続させる。
【0046】
本発明の実施例は、図4に示される改善された後のa領域を備えるアレイ基板の構成の製造方法をさらに提供する。下記のステップを備える。
【0047】
ステップ1:アレイ基板にゲート線を形成し、上記ゲート線にゲート絶縁層を形成し、上記ゲート絶縁層が上記基板を覆う。
【0048】
ステップ2:ビアホールが形成される場所に対して、露光、現像及びエッチング工程を行い、上記ゲート絶縁層に第4ビアホールをエッチングする。
【0049】
ステップ3:ゲート線保護層を形成し、かつ上記第4ビアホールに形成させ、上記第4ビアホールを介して、上記ゲート線保護層と上記ゲート線と接続させる。
【0050】
ステップ4:有機樹脂層を形成し、かつ上記ゲート絶縁層および上記ゲート線保護層に形成させる。そして、有機樹脂を、250℃以上の温度で焼いて硬化成形した後に、上記有機樹脂層の上記第4ビアホールに対応する位置に対して露光、現像及びドライエッチングを行い、第5ビアホールをエッチングする。
【0051】
ドライエッチングのステップは、例えば、SFと、Oと、Heとの混合ガスを用いて、パワー7000W以上でエッチングを行う。そして、有機樹脂が部分的にエッチングされた後、SFと、Oとの混合ガスを用いて、パワー5000W〜12000Wでエッチングを行う。
【0052】
ステップ5:第1透明電極を形成し、かつ上記有機樹脂層に形成させ、上記第4ビアホール及び第5ビアホールを介して、ゲート線保護層と接続させる。
【0053】
ステップ6:パッシベーション層を形成し、かつ上記第1透明電極に形成させ、上記パッシベーション層の上記第4ビアホールに対応する位置に対して露光、現像及びエッチングを行い、第6ビアホールをエッチングする。
【0054】
ステップ7:第2透明電極を形成し、かつ上記パッシベーション層に形成させ、上記第6ビアホールを介して第1透明電極と接続させる。
【0055】
本発明は、図5に示される改善された後のc領域を備えるアレイ基板の構成の製造方法をさらに提供する。下記のステップを備える。
【0056】
ステップ1:基板にゲート絶縁層を形成し、上記ゲート絶縁層に上記データ線を形成する。
【0057】
ステップ2:有機樹脂層を形成し、かつ上記データ線に形成させて、上記有機樹脂層を、上記ゲート絶縁層に覆わせる。有機樹脂を、250℃以上の温度で焼いて硬化成形した後に、ビアホールが形成される場所に対して、露光、現像及びドライエッチングを行い、上記有機樹脂に第7ビアホールをエッチングする。
【0058】
ドライエッチングのステップは、例えば、SFと、Oと、Heとの混合ガスを用いて、パワー7000W以上でエッチングを行う。そして、有機樹脂が部分的にエッチングされた後、SFと、Oとの混合ガスを用いて、パワー5000W〜12000Wでエッチングを行う。
【0059】
ステップ3:第1透明電極を形成し、かつ上記有機樹脂層に形成させ、上記第7ビアホールを介して上記データ線と接続させる。
【0060】
ステップ4:パッシベーション層を形成し、このパッシベーション層が上記第1透明電極に形成され、上記パッシベーション層の上記第7ビアホールに対応する位置に対して露光、現像及びエッチングを行い、第8ビアホールをエッチングする。
【0061】
ステップ5:第2透明電極を形成し、かつ上記パッシベーション層に形成させ、第8ビアホールを介して第1透明電極と接続させる。
【0062】
上記の三つの製造工程によって、a、b、cという三つの領域を備えるアレイ基板が製造される。
【0063】
なお、上記の製造方法では、上記保護層として、採用される材料は、有機樹脂である。上記有機樹脂は、Si−CやSiOを主鎖とした有機樹脂中の1種であってもよいが、2種の混合であってもよい。そのため、上記の製造方法において、本実施例は上記保護層を有機樹脂層と総称する。
【0064】
本発明が提供するアレイ基板及びその製造方法は、下記のメリット及び特徴を有する。
【0065】
ゲート絶縁層にビアホールを形成し、かつこの位置にデータ線を堆積することで、この領域の厚みを低減し、さらに保護層がエッチングされる時にデータ線に対するオーバーエッチングが有効的に防止される。
【0066】
保護層のビアホールに第1透明電極を堆積することで、パッシベーション層にビアホールをエッチングする時に、第1透明電極を保護層として、下地層のデータ線のエッチングをストップさせることが実現され、さらにデータ線のオーバーエッチングが防止される。
【0067】
本発明は、画像領域に誘電率が低い有機樹脂を保護層として用いるので、TFT−LCD基板の表面平坦性が向上され、開口率が大きい製品の設計にとって有利である。
【0068】
以上は本発明の実施例のみであり、本発明の保護範囲はこれに限定されるものではない。本発明の保護範囲は特許請求の範囲を基準としている。
図1
図2
図3
図4
図5