(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電子・電気機器の機器メーカ等が部品を購入して製品を組み立てて販売するような場合、一般には、まず設計段階で、設計者が所望の仕様や機能などから基幹部品たるIC型番を決める。そして、選択したICに用いる回路の構成及びその回路を構成するために必要となる部品についてICメーカによって提供されている推奨回路構成及び推奨部品表を参照しながら、選択したICに用いる回路を構成するために必要となる部品を選定する。そして、試作段階では、取扱商社を探したり、直接、部品メーカ等に問い合わせたりして、部品を購入する。
【0006】
図9は、部品調達の様子を示す説明図である。
図9に示すように、まず、ユーザは、ICメーカから得た推奨回路構成・推奨部品表を基に、部品の選定を行う。ICメーカの推奨部品表に記載されている推奨部品は、部品メーカを指定せず、定格などの部品仕様のみを記載していることが一般的である。その場合、ユーザは個々に部品メーカM1〜M4のウェブサイトやカタログを調べ、適合する品名を特定する必要がある。試作を前にした部品調達の段階において、特に中小企業ユーザは、すべての部品メーカと直接取引している場合は殆どなく、多くの場合、ユーザは商社(代理店)A1〜A2を通じて部品を入手する必要がある。
図9では、商社代理店A1は、部品メーカM3の製品を取り扱っていない。このような場合、ユーザは、部品メーカM3の製品を取り扱う商社(代理店)を調べ、商社(代理店)A2を通じて、部品メーカM3の製品を入手する必要がある。
【0007】
場合によっては、ICメーカの推奨部品表に特定の部品メーカの型番を指定されているケースもある。ユーザに十分な部品選定知識があれば、調達経路を考慮して、他の部品メーカの製品への置き換えを図ることは可能である。しかし、部品選定に割けるリソースの少ない機器メーカでは、他の部品メーカの製品への置き換えを図ることは困難である。
【0008】
本発明は、かかる実情に鑑み、ICに用いる回路を構成するために必要となる部品を容易に選択することができる部品選択支援システム及び部品選択支援方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するために、以下のように構成した部品選択支援システムを提供する。
【0010】
部品選択支援システムは、
(i)通信網を介して、ユーザの端末と、部品メーカの端末と、ICメーカの端末とに接続されるシステムサーバと、(ii)前記システムサーバに接続されたデータベースと、用いて、前記部品メーカの前記端末から前記データベースに情報を入力できるように構築される。前記データベースは、IC型番と、前記IC型番のICに用いる回路を構成するために必要となる部品の部品型番及び員数とを対にして記憶している回路データベース
を含む。前記システムサーバは、(
a)前記IC型番の入力を受け付けるIC型番入力受付部と、(
b)前記回路データベースを検索して、前記IC型番入力受付部が入力を受け付けた前記IC型番と対にして記憶されている前記部品型番及び員数を抽出する部品検索部と、(
c)前記部品検索部が抽出した前記部品型番及び員数に基づいて、前記IC型番入力受付部が入力を受け付けた前記IC型番の前記ICに用いる前記回路を構成するために必要となる前記部品の前記部品型番及び員数を含む部品リストを作成するためのデータを出力する部品リストデータ出力部とを備えている。
【0011】
上記構成によれば、部品選択支援システムは、IC型番の入力を受け付けると、入力されたIC型番のICに用いる回路を構成するために必要となる部品の部品型番及び員数を含む部品リストを作成するためのデータを出力する。端末から部品選択支援システムにIC型番を入力すると、部品選択支援システムからのデータによって端末で部品リストを取得できるようにすることができる。部品選択支援システムを用いると、ユーザが端末からIC型番を入力すると部品リストを取得できるため、ICに用いる回路を構成するために必要となる部品を容易に選択することができる。
【0012】
前記データベースは、前記回路データベースに記憶されている前記部品型番の前記部品と互換・代替関係がある他の部品の部品型番と前記互換・代替関係の属性とを記憶している互換・代替データベースを含む。前記システムサーバは、(d)前記互換・代替データベースを検索して、前記部品検索部が抽出した前記部品型番の前記部品と前記互換・代替関係にある前記他の部品の前記部品型番と前記互換・代替関係の前記属性とを抽出する互換・代替部品検索部をさらに備えている。前記部品リストデータ出力部は、
前記部品検索部が抽出した前記部品型番及び員数と、前記互換・代替部品検索部が抽出した前記他の部品の前記部品型番及び前記属性
とに基づいて、前記IC型番入力受付部が入力を受け付けた前記IC型番の前記ICに用いる前記回路を構成するために必要となる前記部品の前記部品型番として、前記部品検索部が抽出した前記部品型番を含む第1のプランに加え、前記部品検索部が抽出した前記部品型番と前記互換・代替関係にあり、前記部品検索部が抽出した前記部品型番の前記部品より小型である前記他の部品の前記部品型番を含む第2のプランと、前記部品検索部が抽出した前記部品型番の前記部品と前記互換・代替関係にある前記他の部品のうち最安値の前記他の部品の前記部品型番を含む第3のプランと、を含む複数のプランを前記部品リストに含めるためのデータを出力する。
【0013】
この場合、ICに用いる回路を構成するために必要となる部品の選択範囲が、推奨部品のみならず、推奨部品と互換・代替可能な互換・代替部品まで拡大されるため、ICに用いる回路を構成するために必要となる部品の選択がより容易になる。
【0014】
前記システムサーバは、(e)前記部品リストデータ出力部が出力した前記データに基づいて作成される前記部品リストに
含まれている前記複数のプランからの前記プランの選択と、選択された前記プランに含まれる前記部品型番について
の発注数量の入力
とを受け付ける一括発注受付部をさらに備えている。
【0015】
この場合、ユーザは、選択した部品を、部品選択支援システムから、一括して発注することができるので、部品調達時の負担が軽減される。
【0016】
また、本発明は、上記課題を解決するために、以下のように構成した部品選択支援方法を提供する。
【0017】
部品選択支援方法は、
(i)通信網を介して、ユーザの端末と、部品メーカの端末と、ICメーカの端末とに接続されるシステムサーバと、(ii)前記システムサーバに接続されたデータベースと、を用いて、前記部品メーカの前記端末から前記データベースに情報を入力できるように構築された部品選択支援システムにおいて、前記データベースは、IC型番と、前記IC型番のICに用いる回路を構成するために必要となる部品の部品型番及び員数とを対にして記憶している回路データベースを
含み、(
a)
前記システムサーバが備えるIC型番入力受付手段が、前記IC型番の入力を受け付けるIC型番入力ステップと、(
b)
前記システムサーバが備える検索手段が、前記回路データベースを検索して、前記IC型番入力ステップ
で入力を受け付けた前記IC型番と対にして記憶されている前記部品型番及び員数を抽出する検索ステップと、(
c)
前記システムサーバが備える部品リスト出力手段が、前記検索ステップ
で抽出した前記部品型番及び員数に基づいて、前記IC型番入力ステップ
で入力を受け付けた前記IC型番の前記ICに用いる前記回路を構成するために必要となる前記部品の前記部品型番及び員数を含む部品リストを出力する部品リスト出力ステップとを備えている。
【0018】
上記方法によれば、IC型番の入力を受け付けると、入力されたIC型番のICに用いる回路を構成するために必要となる部品の部品型番及び員数を含む部品リストを出力する。部品選択支援方法によって、ユーザは、IC型番を入力することによって、部品リストを取得できるため、ICに用いる回路を構成するために必要となる部品を容易に選択することができる。
【0019】
前記データベースは、前記回路データベースに記憶されている前記部品型番の前記部品と互換・代替関係がある他の部品の部品型番と前記互換・代替関係の属性とを記憶している互換・代替データベースを含む。部品選択支援方法は、(d)前記システムサーバが備える互換・代替検索手段が、前記互換・代替データベースを検索して、前記検索ステップで抽出した前記部品型番の前記部品と前記互換・代替関係にある前記他の部品の前記部品型番と前記互換・代替関係の前記属性とを抽出する互換・代替検索ステップをさらに備えている。前記部品リスト出力ステップにおいて、
前記検索ステップで抽出した前記部品型番及び員数と、前記互換・代替検索ステップで抽出した前記他の部品の前記部品型番及び前記属性
とに基づいて、前記IC型番入力ステップで入力を受け付けた前記IC型番の前記ICに用いる前記回路を構成するために必要となる前記部品の前記部品型番として、前記検索ステップで抽出した前記部品型番を含む第1のプランに加え、前記検索ステップで抽出した前記部品型番の前記部品と前記互換・代替関係にあり、前記検索ステップで抽出した前記部品型番の前記部品より小型である前記他の部品の前記部品型番を含む第2のプランと、前記検索ステップで抽出した前記部品型番の前記部品と前記互換・代替関係にある前記他の部品のうち最安値の前記他の部品の前記部品型番を含む第3のプランと、を含む複数のプランが含まれる前記部品リストを出力する。
【0020】
この場合、ICに用いる回路を構成するために必要となる部品の選択範囲が、推奨部品のみならず、推奨部品と互換・代替可能な互換・代替部品まで拡大されるため、ICに用いる回路を構成するために必要となる部品の選択がより容易になる。
【0021】
部品選択支援方法は、(e)前記システムサーバが備える発注受付手段が、前記部品リスト出力ステップで出力された前記部品リスト
に含まれている前記複数のプランからの前記プランの選択と、選択された前記プランに含まれる前記部品型番について
の発注数量の入力
とを受け付ける発注受付ステップをさらに備えている。
【0022】
この場合、ユーザは、選択した部品を一括して発注することができるので、部品調達時の負担が軽減される。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、ICに用いる回路を構成するために必要となる部品を容易に選択することができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、
図1〜
図8を参照しながら説明する。
【0026】
<実施例1> 実施例1の部品選択支援システム10について、
図1〜
図7を参照しながら説明する。
【0027】
図1は、部品選択支援システム10を含む全体構成図である。
図1に示すように、部品選択支援システム10は、インターネットやLAN等の通信網12を介して、ユーザの端末14と、部品メーカの端末16と、ICメーカの端末18とに接続される。端末14,16,18は、各1台を図示しているが、複数台でもよい。端末14,16,18は、デスクトップPC(パソコン)、ノートPC、タブレット端末等のコンピュータであり、ディスプレイ等の表示装置や、キーボードやマウス等の入力装置などを備えている。端末14,16,18は、ブラウザを介して、あるいは専用のアプリケーションソフトウェアを介して、部品選択支援システム10のウェブサイトにアクセスすることができる。
【0028】
部品選択支援システム10は、ウェブサイトを構築するシステムサーバ20に、記憶装置21が接続されている。システムサーバ20は、CPUと、ハードディスクやROM、RAM等の補助記憶装置と、通信網12を介して端末14,16,18と通信する送受信装置と、キーボードやマウス等の入力装置と、ディスプレイ等の表示装置などを備え、補助記憶装置に記憶されたプログラムに従って、所定の手順でデータを処理する。
【0029】
システムサーバ20は、IC型番入力受付部22と、部品検索部23と、部品リストデータ出力部25とを備え、好ましくは、互換・代替部品検索部24をさらに備え、より好ましくは、一括発注受付部26をさらに備える。
【0030】
記憶装置21は、回路データベース27と、部品データベース28とを含み、好ましくは、互換・代替データベース29をさらに含む。データベース27,28,29は、それぞれ別々に構成されても、一部又は全部が共通に構成されても構わない。
【0031】
回路データベース27は、IC型番と、IC型番のICに用いる回路を構成するために必要となる部品の部品型番及び個数とを対にして記憶している。回路データベース27は、例えば、ICメーカによって提供されている推奨回路構成及び推奨部品表に基づいて、作成される。部品データベース28は、部品の仕様、価格、納期などの部品に関する情報を記憶している。互換・代替データベース29は、回路データベースに記憶されている部品型番の部品と互換・代替関係がある他の部品の部品型番と、互換・代替関係の属性(小型、安価など)とを記憶している。部品データベース28及び互換・代替データベース29は、例えば、部品メーカから提供される情報に基づいて作成される。
【0032】
IC型番入力受付部22は、ユーザの端末14からのIC型番の入力を受け付ける。部品検索部23は、回路データベース27を検索して、IC型番入力受付部22が入力を受け付けたIC型番と対にして記憶されている部品型番及び個数を抽出する。互換・代替部品検索部24は、互換・代替データベース29を検索して、部品検索部23が抽出した部品型番の部品と互換・代替関係にある他の部品の部品型番と互換・代替関係の属性とを抽出する。部品検索部23と互換・代替部品検索部24は、機能を分けずに一体に構成されても構わない。
【0033】
部品リストデータ出力部25は、部品検索部23が抽出した部品型番及び個数に基づいて、IC型番入力受付部22が入力を受け付けたIC型番のICに用いる回路を構成するために必要となる部品の部品型番及び個数を含む部品リストを作成するためのデータを、ユーザの端末14に出力する。互換・代替データベース29及び互換・代替部品検索部24を備える場合、部品リストデータ出力部25は、互換・代替部品検索部24が抽出した他の部品の部品型番及び属性を部品リストに含めるためのデータを出力する。
【0034】
一括発注受付部26は、部品リストデータ出力部25が出力したデータに基づいて作成されユーザの端末14に表示される部品リストに含まれる部品型番について、ユーザの端末14からの発注数量の入力を受け付ける。
【0035】
図2はユーザ15、部品メーカ17、ICメーカ19及び、部品選択支援システムのウェブサイト11の間における情報の送受信関係を示している。
【0036】
図2に示すように、ユーザ15とウェブサイト11との間では、ユーザ15からウェブサイト11への各種問い合わせ、IC型番の入力、部品の発注が、ユーザ15の端末14(
図1参照)を介して行われる。
【0037】
ウェブサイト11からユーザ15へは、入力されたIC型番の推奨部品表に対応する部品メーカ17の取り扱う部品型番リストの提示及び一括発注ガイドの提示が行われる。ユーザ15はウェブサイト11から入手した型番リストに記載されている部品型番を、部品メーカ17に対して、ウェブサイト11を通じて一括発注することができる。ウェブサイト11から部品メーカ17に受注情報が伝達され、部品メーカ17はユーザに部品を発送する。
【0038】
部品メーカ17は、部品メーカ17の端末16(
図1参照)からウェブサイト11を介して、
図1に示した部品選択支援システム10の部品データベース28及び互換・代替データベース29に対して、ICメーカ19がIC型番ごとに提供する推奨部品表に記載されている部品仕様又は競合部品メーカの型番情報を、自社の相当型番に置き換えた最新の情報を、入力することができる。ICメーカ19は、部品メーカ17に推奨部品表を伝達する。
【0039】
次に、部品選択支援システム10の動作について、
図3のフローチャートを参照しながら説明する。
【0040】
まず、ユーザは端末からウェブサイトに対して、選定したIC型番を送信する。ウェブサイトは、送信されたIC型番に対応した部品情報を、ユーザの端末に表示する(ステップS1)。部品情報として、例えば
図4の説明図に示すように、部品名称、型番、部品仕様、員数(推奨回路を構成するために必要な数量)、価格、購入単位、納期、生産情報等が、ユーザの端末に表示される。
【0041】
ウェブサイトは同時に、
図5の説明図に示すような部品の性能等の設計に利用できる資料を配置する個別紹介ページへのURLリンクを送信する。
【0042】
ユーザは、送信された部品情報から、機能、仕様、価格、納期等を確認して、所望の部品型番リストを確定する(ステップS2)。
【0043】
所望の部品型番リストが確定し、試作のために部品調達が必要な段階になると、ユーザはウェブサイトが提供する一括発注ガイドに従い、発注数量を確定する。各部品の発注単位は各部品の員数の整数倍となるように自動計算されるが、ユーザは必要に応じて各部品の発注数量を調整することもできる。各部品の発注数量が確定すると、ユーザはウェブサイトに発注情報を送信する(ステップS3)。
【0044】
ユーザは、納入が確認されるまでの間、ウェブサイトを通じて部品の発送状況を参照することができる(ステップS4)。
【0045】
その後、納入が完了したか否かを確認して終了となる(ステップS5)。
【0046】
なお、フローチャートに明記されていないが、部品型番リストが完成された時点(ステップS2)で、ウェブサイトを通じて部品を発注する必要がなければ動作を終了することが可能である。
【0047】
次に、部品選択支援システム10が、
図1に示したすべての構成を備えている場合、すなわち、互換・代替部品検索部24と、互換・代替データベース29と、一括発注受付部26とを備えている場合について、
図6及び
図7を参照しながら説明する。
【0048】
図6は、記憶装置21に記憶される参照テーブル21aの説明図である。
図6に示すように、参照テーブル21aの部品型番・置き換え提案部品情報欄21pには、部品型番と、部品型番の部品よりも小型の部品の型番(小型の提案品型番)と、部品型番の部品よりも安価な部品の型番(安価な提案品型番)とが対なっている。部品型番・置き換え提案部品情報欄21pによって、互換・代替データベース29が構成される。
【0049】
参照テーブル21aの推奨情報欄21qには、部品型番・置き換え提案部品情報欄21pの部品型番欄の部品が推奨部品表に含まれているIC型番ごとに、IC型番と、その部品を推奨回路構成で使用する員数と、その部品を使用する推奨回路構成内の回路素子の記号とが対になっている。部品型番・置き換え提案部品情報欄21pの部品型番欄の部品型番と、推奨情報欄21qのIC型番、員数及び記号とによって、回路データベース27と互換・代替データベース29とが構成される。
【0050】
ユーザの端末14から、部品選択支援システム10のウェブサイトにアクセスし、認証完了後に、ユーザの端末14からIC型番を入力すると、部品選択支援システム10は、IC型番入力受付部22がIC型番の入力を受け付ける。
【0051】
次いで、部品選択支援システム10は、入力されたIC型番の推奨回路構成に必要とされる部品の部品型番及び員数を検索する。すなわち、部品検索部23は、記憶装置21の参照テーブル21aの各行を検索し、IC型番入力受付部22が入力を受け付けたIC型番と対応する部品型番及び員数を抽出する。互換・代替部品検索部24は、部品データベース28及び互換・代替データベース29を検索し、部品検索部23が抽出した部品型番と対になっている互換・代替品について、小型の提案品型番と最も安価な提案品型番とを抽出する。
【0052】
次いで、部品リストデータ出力部25は、部品検索部23及び互換・代替部品検索部24の検索結果に基づいて、入力されたIC型番の推奨回路構成に必要とされる部品の部品型番及び員数の検索結果をユーザの端末14に表示するためのデータを、ユーザの端末14に送信する。
【0053】
ユーザの端末14がブラウザソフトを介して、部品選択支援システム10のウェブサイトにアクセスしている場合、部品選択支援システム10は、ユーザの端末14に検索結果を表示させるためのHTLM形式等のデータを送信する。
【0054】
ユーザの端末14にインストールされたアプリケーションソフトを用いて、部品選択支援システム10のウェブサイトにアクセスする場合には、部品リストデータ出力部25が、ユーザの端末14に検索結果を表示させるためのHTLM形式等のデータの代わりに、部品検索部23及び互換・代替部品検索部24の検索結果のデータをユーザの端末14に送信し、ユーザの端末14のアプリケーションソフトによって、検索結果を表示させるためのデータを生成するように構成することも可能である。この場合、部品選択支援システム10からユーザの端末14に、推奨部品の部品型番とその互換・代替品の部品型番及びそれぞれサイズ・価格のデータが送信され、ユーザの端末14のアプリケーションによって、小型の提案品型番と最も安価な提案品型番とが決定されるように構成することも可能である。
【0055】
図7は、ユーザの端末14に表示される検索結果の画面表示25aの説明図である。
図7に示すように、検索対象のICのIC型番欄25bと、検索対象のICの推奨回路構成に必要な部品のNo.欄25pと、員数欄25qと、推奨部品仕様欄25rと、検索対象のICの推奨回路構成において部品を使用する素子の記号欄25sと、互換・代替関係の属性ごとの部品型番欄25t〜25wとが表示される。
【0056】
プランAの部品型番欄25t欄には、検索対象のICについて推奨部品表等で推奨されている部品の型番が表示される。プランBの部品型番欄25u欄には、プランAの部品型番欄25t欄に表示された部品と同等仕様で、プランAの部品型番欄25t欄に表示された部品より小型である部品の型番が表示される。プランCの部品型番欄25v欄には、プランAの部品型番欄25t欄に表示された部品と同等仕様である部品のうち最安値の部品の型番が表示される。プランDの部品型番欄25w欄には、プランA〜Cを選択するラジオボタンが表示される。
【0057】
ユーザの端末14には、検索結果の画面表示25aとともに、不図示のプラン選択ボタンと一括発注ボタンが表示される。ユーザの端末14によって、プラン選択ボタン及び一括発注ボタンに対する所定の操作がされると、ユーザの端末14には、一括発注ガイドが表示される。ユーザの端末14において、所定の手順に従って、部品ごとの発注数量が確定された後、発注確定操作がされると、部品型番と発注数量とを含む発注情報が、ユーザの端末14から部品選択支援システム10に送出され、部品選択支援システム10の一括受注受付部26が発注情報の入力を受け付ける。
【0058】
ユーザの端末14には、推奨部品表の部品だけでなく、推奨部品と互換・代替可能な互換・代替部品と、その部品の互換・代替の属性とが表示されるので、ユーザは、推奨部品だけでなく互換・代替可能な部品を含めて、部品選択を容易に行うことができる。
【0059】
部品選択支援システム10を利用することによって、ユーザは、ICの推奨回路構成に必要とされる部品について、IC型番から推奨部品、あるいは推奨部品の互換・代替部品を選択し、一括調達することができる。そのため、ICを備えた機器設計において、ICの推奨回路構成に必要とされる部品の選定の負荷が大幅に削減され、機器設計のスピードアップを図ることができる。また、ユーザは24時間いつでも部品情報を入手可能であり、設計の高効率化が図れる。部品選定支援システム10において購入可能な部品のみが、部品選定支援システム10で検索されるようにすると、ユーザは調達ルートを意識することがなく部品を選定し、ICメーカの推奨する回路構成に必要となる部品を簡単に入手することができる。
【0060】
ICメーカと部品メーカは、部品選択支援システム10の回路データベース27、部品データベース28及び互換・代替データベース29に自社のIC型番や部品型番を登録することによって、部品選択支援システム10を利用するユーザに対して、自社のICや部品の販売を促進することができる。
【0061】
<変形例1>
部品メーカは、IC型番ごとに提供される推奨部品表の情報をICメーカと共有し、部品選択支援システム10の回路データベース27に、推奨部品表のデータを登録する。
【0062】
図8は、この場合の部品メーカ17とICメーカ19との間での情報のやりとりを示している。ICメーカ19は、常に最新の推奨部品表の情報を、部品メーカ17に提供する。部品メーカ17は、ICメーカ19に対して、より高機能な製品、又はより安価な製品による推奨部品表の最適化の提案を実施する。
【0063】
ICメーカ19は、部品メーカ17と協業して、推奨回路構成・推奨部品表を作成し更新し、部品メーカ17が、回路データベース27を作成し更新する。これによって、部品選択支援システムを利用するユーザ15に対して、ICメーカ19のICや、部品メーカ15の部品の販売が促進される。
【0064】
<変形例2>
部品選択支援システムが提供する部品情報に、部品の仕様変更、新しい部品の開発状況、部品の生産中止及びその予定、代替・互換品情報、前記部品が推奨されているIC型番情報を含めるようにする。
【0065】
ユーザは、部品情報を参照し、必要に応じて、部品メーカの既存部品や開発中の部品から、より小型又はより安価な製品を参照することができる。また、部品型番からIC型番を逆に参照することができる。
【0066】
<まとめ> 以上に説明した部品選択支援システムは、ICに用いる回路を構成するために必要となる部品を容易に選択することができる。
【0067】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変更を加えて実施することが可能である。