特許第6444024号(P6444024)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6444024ドライブユニット、及び該ドライブユニットを有するシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6444024
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】ドライブユニット、及び該ドライブユニットを有するシステム
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/08 20060101AFI20181217BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20181217BHJP
   H04N 5/232 20060101ALI20181217BHJP
【FI】
   G02B7/08 B
   G02B7/08 Z
   H04N5/225 100
   H04N5/232 410
【請求項の数】6
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2013-234386(P2013-234386)
(22)【出願日】2013年11月12日
(65)【公開番号】特開2015-94863(P2015-94863A)
(43)【公開日】2015年5月18日
【審査請求日】2016年11月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【弁理士】
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100128668
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 正巳
(72)【発明者】
【氏名】坂本 昌之
【審査官】 高橋 雅明
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−164995(JP,A)
【文献】 特開2003−149532(JP,A)
【文献】 特開2011−257542(JP,A)
【文献】 特開2005−292446(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/08
H04N 5/225
H04N 5/232
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動の光学部材を含むレンズ装置から映像を撮影するための光を受けるカメラ装置に接続されて該カメラ装置から、該カメラ装置の有する第1電源による電力を供給され且つ該カメラ装置との通信が可能な該レンズ装置に接続され第2電源を有し、該第2電源による電力を供給され且つ該光学部材を駆動する駆動部を有するドライブユニットであって、
前記レンズ装置に接続される第1通信部と、
前記第1通信部を介して前記レンズ装置と通信するための第2通信部と、
を有し、
前記第1通信部は、前記第1電源から電力を供給され、
前記第1通信部は、前記第2通信部とは、無線通信または光通信を行う、
ことを特徴とするドライブユニット。
【請求項2】
前記光学部材の駆動を制御する制御部を有し、
前記制御部は、前記第1通信部と前記第2通信部とを介して、前記レンズ装置の有する制御部との間で通信を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載のドライブユニット。
【請求項3】
前記光学部材の状態を検出する検出部を有し、
前記第1通信部に対して前記第2通信部は、前記検出部により検出された状態に基づき生成された情報を通信する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のドライブユニット。
【請求項4】
前記第1通信部と前記第2通信部とは、フォトカプラにより構成されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のドライブユニット。
【請求項5】
可動の光学部材を含むレンズ装置と、
請求項1乃至のいずれか1項に記載のドライブユニットと、
を有することを特徴とするシステム。
【請求項6】
前記レンズ装置からの映像を撮影するための光を受けるカメラ装置をさらに有することを特徴とする請求項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影装置に関し、特に異なる電源で動作するモジュール間の通信を安定して動作させる撮影装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、カメラ本体に接続するレンズ鏡筒との間には端子が構成され、カメラ本体からレンズ鏡筒への電源供給や、例えばレンズ鏡筒に構成される光学部材の位置情報を伝達することが可能であった。一方、レンズ鏡筒に接続されたドライブユニットには、レンズ鏡筒に構成される光学部材を駆動するモータや位置を検出するセンサが構成され、それらを動作させるための電源を取得する手段を有していた。
【0003】
例えば、特許文献1では、カメラ本体とレンズ鏡筒の接合部に端子を設け、レンズ鏡筒への電源の供給や、レンズ鏡筒の情報を伝達する技術が開示されている。また、特許文献2では、ドライブユニットに商用電源を接続してレンズ鏡筒に構成される光学部材を駆動する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−258293号公報
【特許文献2】特開2011−257542号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、レンズ鏡筒に位置センサが構成されていない場合、レンズ鏡筒はカメラ本体に位置情報を伝達することができない。一方、レンズ鏡筒に接続可能なドライブユニットには位置センサが構成されているため、レンズ鏡筒に位置センサで取得した情報を伝達することで、レンズ鏡筒はカメラ本体に位置情報を伝達することが可能となる。
【0006】
しかしながら、レンズ鏡筒とドライブユニットを有線で接続して通信を行うと、異なる電源のGND同士を接続することになり、レンズ鏡筒やドライブユニットの動作が不安定になり誤動作を起こすことがある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、異なる電源で動作するレンズ装置の間で通信を行うドライブユニット安定して動作させることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のドライブユニットは、可動の光学部材を含むレンズ装置から映像を撮影するための光を受けるカメラ装置に接続されて該カメラ装置から、該カメラ装置の有する第1電源による電力を供給され且つ該カメラ装置との通信が可能な該レンズ装置に接続され第2電源を有し、該第2電源による電力を供給され且つ該光学部材を駆動する駆動部を有するドライブユニットであって、前記レンズ装置に接続される第1通信部と、前記第1通信部を介して前記レンズ装置と通信するための第2通信部と、を有し、前記第1通信部は、前記第1電源から電力を供給され、前記第1通信部は、前記第2通信部とは、無線通信または光通信を行う、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、異なる電源で動作するレンズ装置の間で通信を行うドライブユニット安定して動作させることできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例1を示すブロック図
図2】実施例1のレンズ演算部で行う処理の一例を示すフローチャート
図3】実施例1の別の構成を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の撮影装置の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態にかかわるブロック図である。
【実施例1】
【0012】
以下、図1を参照して、本発明の第1の実施例による、構成を示すブロック図について説明する。
【0013】
10はカメラ部、20はレンズ鏡筒部であり、レンズ鏡筒部20とレンズからの被写体光を受光するカメラ部10とを接続することにより、映像を撮影する撮影装置が構成される。
【0014】
カメラ部10には、カメラ演算部(制御手段)12、カメラ電源部11が構成されている。カメラ電源部11は、レンズ鏡筒部20に対し電源を供給することが可能である。
レンズ鏡筒部20はレンズ演算部(第1の制御手段)21を有し、レンズ演算部21は、カメラ電源部11、及びカメラ演算部12に接続されている。この構成により、レンズ演算部21は、カメラ電源部11から電源の供給を受け、カメラ演算部12との通信が可能であり、レンズ鏡筒部20内の不図示のスイッチの状態や光学部材の状態を出力することが可能である。これにより、レンズ演算部21は、カメラ演算部12に対しレンズ鏡筒部20内の情報を伝達することが可能となる。
【0015】
カメラ部10とレンズ鏡筒部20とが接続された構成において、レンズ鏡筒部20内の光学部材をマニュアル操作する撮像装置として使用することもできる。
【0016】
レンズ鏡筒部20にはドライブユニット30が接続され、可動光学部材を駆動制御する。本発明の撮影装置においては、電気的に非接触な方法で通信する通信手段を介して、撮像装置(カメラ部10とレンズ鏡筒部20)とドライブユニット30との間で、可動光学部材である絞りの駆動制御信号及び位置情報を送受信する。通信手段は、レンズ通信部22とDU通信部とからなる一対の通信ユニットで構成され、レンズ通信部22(一対の通信ユニットの一方)は不図示の接続部を介してレンズ鏡筒部20のレンズ演算部21と接続し、DU通信部32(一対の通信ユニットの他方)はドライブユニット30のDU演算部(第2の制御手段)31と接続する。
【0017】
なお、本ブロック図ではカメラ電源部11は代表的にレンズ演算部21に接続されているが、ドライブユニット30とレンズ鏡筒部20とが接続されると、不図示の接続部を介してレンズ演算部21と接続されているレンズ通信部22に対しても電源の供給を行う。これにより、ドライブユニット内でDU電源部35から独立しているレンズ通信部22に電力が供給され、DU通信部32との間での非接触通信を可能とする。
【0018】
レンズ鏡筒部20は、駆動可能な光学部材である絞り部23を有し、カメラ部10で撮影する映像の明るさを調整することを可能とする。なお本実施例においては、電源駆動可能な対象を絞り部23として説明するが、電源駆動する対象を、焦点調整を行うフォーカス部や、焦点距離の調整を行うズーム部としても同様の効果を得ることが可能である。
【0019】
ドライブユニット30は、DU演算部31、駆動部33、位置検出部34が構成されている。駆動部33は絞り部23を駆動する。位置検出部34は絞り部23の位置を検出する。DU演算部31は駆動部33、及び位置検出部34に接続されており、絞り部23の駆動制御や位置情報を取得する。
【0020】
ドライブユニット30は、DU通信部32を有し、DU通信部32はDU演算部31に接続されている。DU通信部32はレンズ通信部22とともに通信部を構成し、レンズ演算部21とDU演算部との間で非接触の通信を行う。ここで非接触の通信とは、無線通信や、受光手段と発光手段を含む光通信等であり、電気的に互いに独立している通信を指す。また本実施例では、レンズ通信部22とDU通信部32を別体の構成として示しているが、これらがパッケージ化された1つの部品、例えばフォトカプラ等を用いても良い。
【0021】
ドライブユニット30には電源部35が構成されている。電源部35は不図示の外部の電源に接続することにより、ドライブユニット30に電源の供給を行うことが可能である。本ブロック図では模式的にDU演算部31に接続している図で表しているが、DU演算部31と接続されているDU通信部32、駆動部33、位置検出部34に対しても電源の供給を行う。ドライブユニット30で可動光学部材を駆動するために必要となる電力は、カメラ部10及びレンズ鏡筒部20で必要な電力に対して大きい。大なイメージサイズで撮影するシネマ撮影のような場合には、駆動対象である光学部材も大きくなるため、可動光学部材を駆動するために必要となる電力は、特に大きくなる。従って、大電力を必要とするドライブユニット30に、カメラ部10側から電源を供給すると、カメラ部10側の電源を不安定にし、撮像の制御に影響を与える可能性があるが、本発明では、カメラ部10の電源とドライブユニット30の電源を分離して持つことで、安定した動作を担保することができる。
【0022】
このように構成することで、レンズ演算部21は、レンズ鏡筒部に構成される絞り部23の位置情報をDU通信部32、レンズ通信部22を介して取得し、カメラ演算部12に伝達することが可能となる。また、ドライブユニット30に構成されるレンズ通信部22とDU通信部32の電源を別にすることが可能となるため、有線での接続した場合に発生する誤動作を防止することが可能となる。
【0023】
以下、図2のフローチャートを参照して、レンズ演算部21で行うカメラ演算部12との通信開始処理の一例に関して説明する。
【0024】
この処理は、レンズ演算部21に格納されたコンピュータプログラムに従って行われる。またカメラ演算部12との通信開始処理開始時に、ステップS100の通信開始処理が開始され、ステップS101に進む。
【0025】
ステップS101では、レンズ通信部22を介したDU通信部32との通信が確立したか否かを判断する。通信が確立した場合はステップS102に進み、通信が確立していない場合はステップS101に戻る。
ステップS102では、カメラ演算部12との通信を開始する。
【0026】
DU電源部35に電源が接続されない状態では、レンズ通信部22はDU通信部32との通信は切断されている。このような状態では、レンズ演算部21はカメラ演算部12に対し、正確な絞り部23の位置情報をカメラ演算部12に伝達することができない。このような時、図2に示すフローチャートのように動作することで、DU電源部35に電源が接続されない状態では、カメラ演算部12との通信を切断することが可能となる。そのため、誤った位置情報をカメラ演算部12に伝達することがなくなる。
【0027】
以上のように構成することで、異なる電源で動作するレンズ鏡筒とドライブユニット間で通信をする構成において、誤動作なく安定して動作することが可能となる。
【0028】
なお本実施例ではレンズ通信部22とDU通信部32をドライブユニット30に構成したが、双方をレンズ鏡筒部20内(撮像装置内)に構成しても良い。又は、図3に示すようにレンズ通信部22のみをレンズ鏡筒部20内に構成し、ドライブユニット30とレンズ鏡筒部20とが接続された時に、レンズ鏡筒部20内のレンズ通信部とドライブユニット内のDU通信部とで無線通信をする構成としても、同様の効果を得ることが可能である。
【0029】
カメラ部10(撮像装置内)に無線通信可能なカメラ通信部を構成し、ドライブユニット30のDU通信部32はカメラ通信部と無線通信するように構成してもよい。また、ドライブユニット30内に、DU通信部32と無線通信可能なカメラ通信部を構成し、カメラ通信部はカメラ部10と有線接続可能な構成であり、カメラ部10(撮像装置内)から電源の供給を受けるとともにDU通信部から受信した制御信号をカメラ演算部12に出力することが可能な構成としてもよい。
【0030】
このような構成を有する撮影装置により、異なる電源で作動するレンズ鏡筒、ドライブユニット間で通信する構成において、誤動作なく安定して動作することを可能ならしめる撮影装置を供給することができる。
【0031】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0032】
10 カメラ部(カメラ装置)
11 カメラ電源部
12 カメラ演算部(制御手段)
20 レンズ鏡筒部
21 レンズ演算部(第1の制御手段)
22 レンズ通信部
30 ドライブユニット
31 DU演算部(第2の制御手段)
32 DU通信部
35 DU電源部
図1
図2
図3