【実施例1】
【0012】
以下、
図1を参照して、本発明の第1の実施例による、構成を示すブロック図について説明する。
【0013】
10はカメラ部、20はレンズ鏡筒部であり、レンズ鏡筒部20とレンズからの被写体光を受光するカメラ部10とを接続することにより、映像を撮影する撮影装置が構成される。
【0014】
カメラ部10には、カメラ演算部(制御手段)12、カメラ電源部11が構成されている。カメラ電源部11は、レンズ鏡筒部20に対し電源を供給することが可能である。
レンズ鏡筒部20はレンズ演算部(第1の制御手段)21を有し、レンズ演算部21は、カメラ電源部11、及びカメラ演算部12に接続されている。この構成により、レンズ演算部21は、カメラ電源部11から電源の供給を受け、カメラ演算部12との通信が可能であり、レンズ鏡筒部20内の不図示のスイッチの状態や光学部材の状態を出力することが可能である。これにより、レンズ演算部21は、カメラ演算部12に対しレンズ鏡筒部20内の情報を伝達することが可能となる。
【0015】
カメラ部10とレンズ鏡筒部20とが接続された構成において、レンズ鏡筒部20内の光学部材をマニュアル操作する撮像装置として使用することもできる。
【0016】
レンズ鏡筒部20にはドライブユニット30が接続され、可動光学部材を駆動制御する。本発明の撮影装置においては、電気的に非接触な方法で通信する通信手段を介して、撮像装置(カメラ部10とレンズ鏡筒部20)とドライブユニット30との間で、可動光学部材である絞りの駆動制御信号及び位置情報を送受信する。通信手段は、レンズ通信部22とDU通信部とからなる一対の通信ユニットで構成され、レンズ通信部22(一対の通信ユニットの一方)は不図示の接続部を介してレンズ鏡筒部20のレンズ演算部21と接続し、DU通信部32(一対の通信ユニットの他方)はドライブユニット30のDU演算部(第2の制御手段)31と接続する。
【0017】
なお、本ブロック図ではカメラ電源部11は代表的にレンズ演算部21に接続されているが、ドライブユニット30とレンズ鏡筒部20とが接続されると、不図示の接続部を介してレンズ演算部21と接続されているレンズ通信部22に対しても電源の供給を行う。これにより、ドライブユニット内でDU電源部35から独立しているレンズ通信部22に電力が供給され、DU通信部32との間での非接触通信を可能とする。
【0018】
レンズ鏡筒部20は、駆動可能な光学部材である絞り部23を有し、カメラ部10で撮影する映像の明るさを調整することを可能とする。なお本実施例においては、電源駆動可能な対象を絞り部23として説明するが、電源駆動する対象を、焦点調整を行うフォーカス部や、焦点距離の調整を行うズーム部としても同様の効果を得ることが可能である。
【0019】
ドライブユニット30は、DU演算部31、駆動部33、位置検出部34が構成されている。駆動部33は絞り部23を駆動する。位置検出部34は絞り部23の位置を検出する。DU演算部31は駆動部33、及び位置検出部34に接続されており、絞り部23の駆動制御や位置情報を取得する。
【0020】
ドライブユニット30は、DU通信部32を有し、DU通信部32はDU演算部31に接続されている。DU通信部32はレンズ通信部22とともに通信部を構成し、レンズ演算部21とDU演算部との間で非接触の通信を行う。ここで非接触の通信とは、無線通信や、受光手段と発光手段を含む光通信等であり、電気的に互いに独立している通信を指す。また本実施例では、レンズ通信部22とDU通信部32を別体の構成として示しているが、これらがパッケージ化された1つの部品、例えばフォトカプラ等を用いても良い。
【0021】
ドライブユニット30には電源部35が構成されている。電源部35は不図示の外部の電源に接続することにより、ドライブユニット30に電源の供給を行うことが可能である。本ブロック図では模式的にDU演算部31に接続している図で表しているが、DU演算部31と接続されているDU通信部32、駆動部33、位置検出部34に対しても電源の供給を行う。ドライブユニット30で可動光学部材を駆動するために必要となる電力は、カメラ部10及びレンズ鏡筒部20で必要な電力に対して大きい。大
きなイメージサイズで撮影するシネマ撮影のような場合には、駆動対象である光学部材も大きくなるため、可動光学部材を駆動するために必要となる電力は、特に大きくなる。従って、大電力を必要とするドライブユニット30に、カメラ部10側から電源を供給すると、カメラ部10側の電源を不安定にし、撮像の制御に影響を与える可能性があるが、本発明では、カメラ部10の電源とドライブユニット30の電源を分離して持つことで、安定した動作を担保することができる。
【0022】
このように構成することで、レンズ演算部21は、レンズ鏡筒部に構成される絞り部23の位置情報をDU通信部32、レンズ通信部22を介して取得し、カメラ演算部12に伝達することが可能となる。また、ドライブユニット30に構成されるレンズ通信部22とDU通信部32の電源を別にすることが可能となるため、有線での接続した場合に発生する誤動作を防止することが可能となる。
【0023】
以下、
図2のフローチャートを参照して、レンズ演算部21で行うカメラ演算部12との通信開始処理の一例に関して説明する。
【0024】
この処理は、レンズ演算部21に格納されたコンピュータプログラムに従って行われる。またカメラ演算部12との通信開始処理開始時に、ステップS100の通信開始処理が開始され、ステップS101に進む。
【0025】
ステップS101では、レンズ通信部22を介したDU通信部32との通信が確立したか否かを判断する。通信が確立した場合はステップS102に進み、通信が確立していない場合はステップS101に戻る。
ステップS102では、カメラ演算部12との通信を開始する。
【0026】
DU電源部35に電源が接続されない状態では、レンズ通信部22はDU通信部32との通信は切断されている。このような状態では、レンズ演算部21はカメラ演算部12に対し、正確な絞り部23の位置情報をカメラ演算部12に伝達することができない。このような時、
図2に示すフローチャートのように動作することで、DU電源部35に電源が接続されない状態では、カメラ演算部12との通信を切断することが可能となる。そのため、誤った位置情報をカメラ演算部12に伝達することがなくなる。
【0027】
以上のように構成することで、異なる電源で動作するレンズ鏡筒とドライブユニット間で通信をする構成において、誤動作なく安定して動作することが可能となる。
【0028】
なお本実施例ではレンズ通信部22とDU通信部32をドライブユニット30に構成したが、双方をレンズ鏡筒部20内(撮像装置内)に構成しても良い。又は、
図3に示すようにレンズ通信部22のみをレンズ鏡筒部20内に構成し、ドライブユニット30とレンズ鏡筒部20とが接続された時に、レンズ鏡筒部20内のレンズ通信部とドライブユニット内のDU通信部とで無線通信をする構成としても、同様の効果を得ることが可能である。
【0029】
カメラ部10(撮像装置内)に無線通信可能なカメラ通信部を構成し、ドライブユニット30のDU通信部32はカメラ通信部と無線通信するように構成してもよい。また、ドライブユニット30内に、DU通信部32と無線通信可能なカメラ通信部を構成し、カメラ通信部はカメラ部10と有線接続可能な構成であり、カメラ部10(撮像装置内)から電源の供給を受けるとともにDU通信部から受信した制御信号をカメラ演算部12に出力することが可能な構成としてもよい。
【0030】
このような構成を有する撮影装置により、異なる電源で作動するレンズ鏡筒、ドライブユニット間で通信する構成において、誤動作なく安定して動作することを可能ならしめる撮影装置を供給することができる。
【0031】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。