(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6444044
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】放射能汚染物の放射性物質濃度測定方法
(51)【国際特許分類】
G01T 1/167 20060101AFI20181217BHJP
G21F 9/30 20060101ALI20181217BHJP
G21F 9/28 20060101ALI20181217BHJP
【FI】
G01T1/167 C
G21F9/30 541A
G21F9/28 Z
G01T1/167 E
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-75695(P2014-75695)
(22)【出願日】2014年4月1日
(65)【公開番号】特開2015-197380(P2015-197380A)
(43)【公開日】2015年11月9日
【審査請求日】2017年1月12日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】馬場 直紀
(72)【発明者】
【氏名】土田 充
(72)【発明者】
【氏名】保坂 幸一
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 卓磨
(72)【発明者】
【氏名】中島 定雄
【審査官】
鳥居 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−104743(JP,A)
【文献】
特開2013−233896(JP,A)
【文献】
特開2013−079810(JP,A)
【文献】
特開平10−227865(JP,A)
【文献】
特開2014−052243(JP,A)
【文献】
特開2013−072814(JP,A)
【文献】
特開2013−040841(JP,A)
【文献】
特開2006−084478(JP,A)
【文献】
特開2005−140706(JP,A)
【文献】
特開平06−230186(JP,A)
【文献】
特開2014−044148(JP,A)
【文献】
特開2008−111793(JP,A)
【文献】
米国特許第5045240(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21F9/00−9/36
G01T1/00−1/16、1/167−7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射性物質で汚染された土地の除染作業に伴い発生し、フレキシブルコンテナバッグに詰めて搬入された放射能汚染物の放射性物質濃度を測定する方法であって、
バッチ処理工程と連続処理工程の2つの処理工程を備えており、
前記バッチ処理工程は、所定量の放射能汚染物を取り出すロット切出し工程と、
ロット切出し工程で取り出した放射能汚染物の重量を測定する重量測定工程とを備え、
前記連続処理工程は、前記バッチ処理工程で処理した後のロット毎の放射能汚染物を圧縮成形する圧縮成形工程と、
成形後の放射能汚染物の圧縮成形物の形状寸法を計測する形状寸法計測工程と、
成形後の放射能汚染物の圧縮成形物の放射線計数率を測定する放射線計数率測定工程と、
ロット毎の放射能汚染物の重量、形状寸法、放射線計数率から放射性物質濃度を求める放射性物質濃度算出工程とを備え、前記圧縮成形工程の後に前記放射線計数率測定工程を行い、順次ロット毎の放射能汚染物を搬送しながら連続的に処理することを特徴とする放射能汚染物の放射性物質濃度測定方法。
【請求項2】
請求項1記載の放射能汚染物の放射性物質濃度測定方法において、
前記放射能物質濃度算出工程では、前記圧縮成形物の形状を搬送方向の側面側から見た断面で台形になるように近似して、放射性物質濃度を求めることを特徴とする放射能汚染物の放射性物質濃度測定方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の放射能汚染物の放射性物質濃度測定方法において、
前記形状寸法計測工程で、前記圧縮成形物の高さを圧縮成形物高さ検知手段によって検知し、前記圧縮成形物の高さが予め設定した閾値を超えている場合に、異常報知手段によってこれを知らせる、及び/又は測定停止手段によって前記バッチ処理工程と前記連続処理工程を停止させることを特徴とする放射能汚染物の放射性物質濃度測定方法。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の放射能汚染物の放射性物質濃度測定方法において、
前記ロット切出し工程で、前記フレキシブルコンテナバックから取り出した放射能汚染物を所定量のロットに切り出すことを特徴とする放射能汚染物の放射性物質濃度測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、放射性物質で汚染された汚染土壌などの放射能汚染物の放射性物質濃度を測定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、放射性物質で汚染された土地を除染する際には、土砂や落葉・落枝、草木などの放射性物質を含む汚染物が大量に発生し、この汚染物をフレキシブルコンテナバッグに詰めて仮置き保管する。そして、汚染物をフレキシブルコンテナバッグに詰めた状態で中間貯蔵施設に貯蔵して保管したり、処理を施すことになる。
【0003】
また、中間貯蔵施設の形態は、放射性物質で汚染された汚染土壌の放射性物質濃度(放射性Cs濃度)に応じ、I型(8000Bq/kg以下)とII型(8000Bq/kg超過)の2種類に分けられることが計画されている。
【0004】
このため、汚染物は、その放射性物質濃度を計測して分別する必要がある(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。そして、この汚染物を放射性物質濃度に応じて分別する手段として、
図2に示すような放射性物質濃度判定システムが提案・実用化されている。この放射性物質濃度判定システムでは、測定対象の汚染土壌(放射能汚染物)をホッパーに投入し、ベルトコンベアで搬送するとともに成形板によって土壌を成形する。例えば、ベルトコンベアで順次搬送されてきた汚染土壌を成形板で均し、汚染土壌をその上面が平坦になるように成形する。
【0005】
さらに、ベルトコンベアで搬送されている成形後の汚染土壌の放射線計数率(cps)を測定し、この放射線計数率から放射性物質濃度(Bq/kg)を換算して求めてゆく。すなわち、放射線計数率に一定の換算係数を乗じて放射性物質濃度を算出する。
【0006】
そして、ベルトコンベアで搬送されている汚染土壌を、測定した放射性物質濃度に応じて切替ダンパーで仕分け、放射性物質濃度レベルが違う汚染土壌を順次分別してゆく。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2013−208592号公報
【特許文献2】特開2013−104743号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来の放射性物質濃度判定システムにおいては、測定対象の汚染土壌の重量をダイレクトに計測できず、推定値として評価している。
【0009】
また、土壌の成形板では、粘性が高い、又は含水率が高い汚染土壌に対し、十分な成形ができない。そして、成形がうまくいかないと、不均一な形状での濃度測定となり、測定精度が著しく低下することになる。
【0010】
さらに、汚染土壌は土質等により比重が異なるが、この比重をある一定値と仮定しているため、測定精度が低下する。すなわち、汚染土壌の比重が異なると放射性物質の自己遮蔽効果が異なるため、比重を一定値に仮定してしまうと、測定精度が低下し、その測定の信頼性の低下を招くことになる。
【0011】
本発明は、上記事情に鑑み、精度よく且つ効率よく放射性物質で汚染された汚染土壌などの放射能汚染物の放射性物質濃度を測定する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達するために、この発明は以下の手段を提供している。
【0013】
本発明の放射能汚染物の放射性物質濃度測定方法は、放射性物質で汚染された土地の除染作業に伴い発生し、フレキシブルコンテナバッグに詰めて搬入された放射能汚染物の放射性物質濃度を測定する方法であって、バッチ処理工程と連続処理工程の2つの処理工程を備えており、前記バッチ処理工程は、所定量の放射能汚染物を取り出すロット切出し工程と、ロット切出し工程で取り出した放射能汚染物の重量を測定する重量測定工程とを備え、前記連続処理工程は、前記バッチ処理工程で処理した後のロット毎の放射能汚染物を圧縮成形する圧縮成形工程と、成形後の放射能汚染物の圧縮成形物の形状寸法を計測する形状寸法計測工程と、成形後の放射能汚染物の圧縮成形物の放射線計数率を測定する放射線計数率測定工程と、ロット毎の放射能汚染物の重量、形状寸法、放射線計数率から放射性物質濃度を求める放射性物質濃度算出工程とを備え、
前記圧縮成形工程の後に前記放射線計数率測定工程を行い、順次ロット毎の放射能汚染物を搬送しながら連続的に処理することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の放射能汚染物の放射性物質濃度測定方法において、前記放射能物質濃度算出工程では、前記圧縮成形物の形状を、搬送方向を向く側面側から見た断面で台形になるように近似して、放射性物質濃度を求めることが望ましい。
【0015】
さらに、本発明の放射能汚染物の放射性物質濃度測定方法においては、前記形状寸法計測工程で、前記圧縮成形物の高さを圧縮成形物高さ検知手段によって検知し、前記圧縮成形物の高さが予め設定した閾値を超えている場合に、異常報知手段によってこれを知らせる、及び/又は測定停止手段によって前記バッチ処理工程と前記連続処理工程を停止させることがより望ましい。
また、本発明の放射能汚染物の放射性物質濃度測定方法においては、前記ロット切出し工程で、前記フレキシブルコンテナバックから取り出した放射能汚染物を所定量のロットに切り出すことが望ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の放射能汚染物の放射性物質濃度測定方法においては、バッチ処理工程の重量測定工程で放射能汚染物の重量を精度よく測定し、連続処理工程の圧縮成形工程で放射能汚染物を圧縮成形することで、放射線計数率測定工程で均一な形状の放射能汚染物の放射線計数率を測定することが可能になり、放射線計数率の測定を高精度で行うことが可能になる。
【0017】
また、粘性が高い汚染土壌や含水率が高い汚染土壌もロールプレスなどで圧縮成形することができ、放射能汚染物を圧縮成形してから放射線計数率を測定することで、放射能汚染物の性状の影響を受けず(小さくし)、確実に且つ高精度で放射線計数率の測定を行うことが可能になる。
【0018】
さらに、形状寸法計測工程で放射能汚染物の形状寸法を精度よく計測し、成形後の放射能汚染物の比重を精度よく捉えることができるため、放射能汚染物の比重の違いによる自己遮蔽効果を考慮し、精度よく信頼性の高い放射性物質濃度を求めることができる。
【0019】
よって、本発明の放射能汚染物の放射性物質濃度測定方法によれば、精度よく且つ効率よく放射性物質で汚染された汚染土壌などの放射能汚染物の放射性物質濃度を測定することができ、汚染レベルに応じ、効率的且つ正確に放射能汚染物を仕分けすることが可能になる。
【0020】
また、本発明の放射能汚染物の放射性物質濃度測定方法においては、放射能物質濃度算出工程で、圧縮成形された放射能汚染物の圧縮成形物の形状を搬送方向の側面側から見た断面で台形になるように近似して、放射性物質濃度を求めることにより、放射性物質濃度を精度よく求めることができる。
【0021】
具体的に、例えば、圧縮成形工程で圧縮成形された土壌などの放射能汚染物は、バッチ毎に異なる形状になるため、バッチ毎に形状測定をして補正計算をする。このとき、放射能汚染物が土壌である場合に、圧縮成形のある程度の崩れも考慮して補正を行う必要がある。そして、その形状を、ベルトコンベアなどでの搬送方向を向く側面側から見た断面で長方形になるように近似する場合と比較し、台形となるように実際の成形形状に則した形で近似することにより、形状補正精度を数%程度向上させることができる。これにより、放射性濃度の測定精度も向上させることができる。
【0022】
さらに、本発明の放射能汚染物の放射性物質濃度測定方法においては、圧縮成形物の高さを圧縮成形物高さ検知手段によって検知し、圧縮成形物の高さが予め設定した閾値を超えている場合に、異常報知手段によってこれを知らせ、あるいは測定停止手段によって測定を停止させる。
【0023】
これにより、例えば、圧縮成形しても一つのまとまりにならず複数の塊に崩れてしまうような粘度が高い土壌が放射能汚染物である場合に、すなわち、放射能汚染物の成形不良が生じた場合に、圧縮成形物高さ検知手段によって圧縮成形物の高さが予め設定した閾値を超えているか、否かが検知できるため、成形不良の圧縮成形物を誤って分別するおそれを排除することができる。
【0024】
また、圧縮成形物の高さが予め設定した閾値を超えている場合に、測定停止手段によってバッチ処理工程と連続処理工程での処理を停止させるようにすると、例えばバッチ処理工程で放射能汚染物の異常な供給状態が発生している場合などにおいて、これを圧縮成形物高さ検知手段で検知することができ、且つ即時に処理を停止させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の一実施形態に係る放射能汚染物の放射性物質濃度測定方法(放射性物質濃度判定システム)を示す図である。
【
図2】従来の放射能汚染物の放射性物質濃度測定方法(放射性物質濃度判定システム)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、
図1を参照し、本発明の一実施形態に係る放射能汚染物の放射性物質濃度測定方法について説明する。
【0027】
ここで、本実施形態は、土地などの除染作業によって大量に発生し、放射性物質で汚染された土壌などの放射性物質を含む汚染物(放射能汚染物)を中間貯蔵施設に貯蔵して保管したり、処理を施す際に、この汚染物を放射性物質濃度(放射性Cs濃度)に応じて分別するために用いて好適な放射性物質濃度測定方法(放射性物質濃度判定システム)に関するものである。
【0028】
より具体的に、本実施形態は、例えばフレキシブルコンテナバッグに詰めて搬入した汚染土壌をその濃度に応じてI型(8000Bq/kg以下)とII型(8000Bq/kg超過)の2種類に分別するために用いて好適な放射性物質濃度測定方法(放射性物質濃度判定システム)に関するものである。
【0029】
なお、本発明に係る放射能汚染物の放射性物質濃度測定方法は、除染作業によって発生した汚染土壌に限らず、放射性物質を含むあらゆるもの
の放射性物質濃度の測定に適用可能である。
【0030】
そして、本実施形態の放射能汚染物の放射性物質濃度測定方法では、
図1に示すように、バッチ処理工程と、連続処理工程の2つの工程で処理を行う。
【0031】
はじめに、バッチ処理工程では、従来と同様、除染作業等によって発生した汚染土壌をホッパーに投入する。
【0032】
このようにホッパーに汚染土壌を投入すると、ベルコンフィーダによって所定量の汚染土壌がホッパーから取り出され(ロット切出し工程)、この切り出された土壌ロットの汚染土壌は、バッチ式のロードセルによりその重量が測定される(重量測定工程)。
【0033】
次に、バッチ処理工程で重量を測定したロット毎の汚染土壌は、連続処理工程で処理される。
【0034】
連続処理工程では、バッチ処理工程で処理した後のロット毎の汚染土壌をロールプレス型成形機等を用いて圧縮成形する(圧縮成形工程)。そして、LED測距計やレーザー距離計、超音波距離計などの計測器を用いて非接触で成形後の土壌ロット(圧縮成形物)の形状寸法を計測する(形状寸法計測工程)。
【0035】
そして、NaIシンチレータを用いて、成形後の土壌ロットの放射線計数率(cps)を測定し(放射線計数率測定工程)、濃度計算プログラム(演算手段)によって、バッチ処理工程で測定した重量、形状寸法計測工程で計測した形状寸法から比重を求め、各土壌(放射能汚染物)の比重の違いによる自己遮蔽効果を考慮し、放射性物質濃度(Bq/kg)を換算して求める(放射性物質濃度算出工程)。
【0036】
このようにして、順次連続的にベルトコンベアで搬送される各土壌ロットの放射性物質濃度が求められてゆき、各土壌ロット(放射能汚染物)の放射性物質濃度の値の大きさによって切替ダンパーで仕分けされる(仕分け工程)。
【0037】
したがって、本実施形態の放射能汚染物の放射性物質濃度測定方法においては、バッチ処理工程の重量測定工程で放射能汚染物の重量を精度よく測定し、連続処理工程の圧縮成形工程で放射能汚染物を圧縮成形することで、放射線計数率測定工程で均一な形状の放射能汚染物の放射線計数率を測定することが可能になり、放射線計数率の測定を高精度で行うことが可能になる。
【0038】
また、粘性が高い汚染土壌や含水率が高い汚染土壌もロールプレスなどで圧縮成形することができ、放射能汚染物を圧縮成形してから放射線計数率を測定することで、放射能汚染物の性状の影響を受けず(小さくし)、確実に且つ高精度で放射線計数率の測定を行うことが可能になる。
【0039】
さらに、形状寸法計測工程で放射能汚染物の形状寸法を精度よく計測し、成形後の放射能汚染物の比重を精度よく捉えることができるため、放射能汚染物の比重の違いによる自己遮蔽効果を考慮し、精度よく信頼性の高い放射性物質濃度を求めることができる。
【0040】
よって、本実施形態の放射能汚染物の放射性物質濃度測定方法によれば、精度よく且つ効率よく放射性物質で汚染された汚染土壌などの放射能汚染物の放射性物質濃度を測定することができ、汚染レベルに応じ、効率的且つ正確に放射能汚染物を仕分けすることが可能になる。
【0041】
以上、本発明に係る放射能汚染物の放射性物質濃度測定方法の一実施形態について説明したが、本発明は上記の一実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0042】
例えば、放射能物質濃度算出工程で、圧縮成形物の形状を、搬送方向を向く側面側から見た断面で台形になるように近似して、放射性物質濃度を求めるようにしてもよい。
【0043】
この場合、例えば、圧縮成形工程で圧縮成形された土壌などの放射能汚染物は、バッチ毎に異なる形状になるため、バッチ毎に形状測定をして補正計算をするが、このとき、放射能汚染物が土壌である場合に、圧縮成形のある程度の崩れも考慮して補正を行う必要がある。そして、その形状を、ベルトコンベアなどでの搬送方向を向く側面側から見た断面で長方形になるように近似する場合と比較し、台形となるように実際の成形形状に則した形で近似することにより、形状補正精度を数%程度向上させることができる。よって、圧縮成形物の形状を搬送方向を向く側面側から見た断面で台形になるように近似して、放射性物質濃度を求めるようにすると、放射性濃度の測定精度も向上させることができる。
【0044】
また、形状寸法計測工程で、圧縮成形物の高さを圧縮成形物高さ検知手段によって検知し、圧縮成形物の高さが予め設定した閾値を超えている場合に、異常報知手段によってこれを知らせる、及び/又は測定停止手段によってバッチ処理工程と連続処理工程を停止させるようにしてもよい。
【0045】
これにより、例えば、圧縮成形しても一つのまとまりにならず複数の塊に崩れてしまうような粘度が高い土壌が放射能汚染物である場合に、すなわち、放射能汚染物の成形不良が生じた場合に、圧縮成形物高さ検知手段によって圧縮成形物の高さが予め設定した閾値を超えているか、否かが検知できるため、成形不良の圧縮成形物を誤って分別するおそれを排除することができる。
【0046】
また、圧縮成形物の高さが予め設定した閾値を超えている場合に、測定停止手段によってバッチ処理工程と連続処理工程での処理を停止させるようにすると、例えばバッチ処理工程で放射能汚染物の異常な供給状態が発生している場合などにおいて、これを圧縮成形物高さ検知手段で検知することができ、且つ即時に処理を停止させることができる。