(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記金属含有層が、フィルムの厚み方向において前記艶消し着色層に重なり且つ艶消し着色層よりも小さい領域に設けられている、請求項1または2に記載の筒状ラベル。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
ただし、本明細書において、「裏面」とは、葉状体(フィルムや各層など)の一方の面を指し、筒状ラベルを形成したときにその筒状内側となる面をいう。「表面」とは、前記葉状体の反対面(他方の面)を指し、筒状ラベルを形成したときにその筒状外側となる面をいう。筒状内側は、筒状ラベルの径内方向を意味し、筒状外側は、筒状ラベルの径外方向を意味する。
また、本明細書において、「横方向」は、ラベル形成用基材の1つの方向であって、この基材が筒状ラベルに形成されたときにはその筒状ラベルの周方向に相当し、「縦方向」は、基材の面内で前記横方向と略直交する方向をいう。
なお、各図において表された形状、大きさ、各層の厚み及びそれらの相対的な比率などは、実際の寸法とは異なっていることに留意されたい。
【0012】
[1つの実施形態]
図1は、本発明の筒状ラベルを形成するために用いられる、ラベル形成用基材を裏面側から見た斜視図であり、
図2乃至
図5は、その基材の各部で切断した断面図である。
図6は、本発明の筒状ラベルの斜視図であり、
図7は、その筒状ラベルのシール部を切断した断面図である。
図1乃至
図5において、ラベル形成用基材1は、フィルム2、艶消し着色層3及び金属含有層4を有する。その基材1を、フィルム2の裏面が内側となるように筒状に形成することにより、
図6及び
図7に示すような筒状ラベル10を構成できる。
上述のように、筒状ラベル10は、フィルム2の性状又は容器などの被着体に対する装着方法に従って、熱収縮性筒状ラベル、自己伸縮性筒状ラベル及び巻付け筒状ラベルに大別できる。
【0013】
これら各筒状ラベルは、いずれも基材1を筒状に形成している点において共通している。これらの相違は、熱収縮性筒状ラベルが、熱収縮性(熱を加えると所定方向に収縮する性質)を有する基材から形成され、且つ被着体に装着する前から筒状に形成されていること、自己伸縮性筒状ラベルが、自己伸縮性(引張ると拡張し、引張り力を解除するとほぼ元の形状に戻る性質)を有する基材から形成され、且つ被着体に装着する前から筒状に形成されていること、巻付け筒状ラベルが、熱収縮性若しくは自己伸縮性を有する基材、又は、熱収縮性及び自己伸縮性を何れも有さない基材から形成され、且つ被着体に巻き付けて装着したときに筒状に形成されることにある。
【0014】
(ラベル形成用基材)
ラベル形成用基材1は、その性質などを適宜選択することにより、上記いずれかの筒状ラベルを形成するための基材として用いることができる。
このラベル形成用基材1の裏面が内側となるように、これを筒状にして、その第1側端部の表面側に第2側端部を重ねて接着することにより、筒状ラベル10が得られる。
【0015】
前記ラベル形成用基材1は、平面視略矩形状のフィルム2と、艶消し着色層3と、金属含有層4と、を有し、必要に応じて、補足着色層5、オーバーコート層6、デザイン印刷層7及び内面層8などから選ばれる少なくとも1つの機能層を有する。
なお、機械的生産過程では、ラベル形成用基材1は、通常、複数のラベル形成用基材が連続的に繋がった長尺状の基材連続体として製造される。使用に際して、その連続体を所定長さに切断することにより、個々のラベル形成用基材1が得られる。
【0016】
(フィルム)
前記フィルム2としては、その裏面側に設けられた層を筒状ラベルの外側から視認するために透明なフィルムが用いられる。なお、本明細書において、ある部材が「透明」とは、その部材の表面側からその部材の裏面側に設けられた層の色彩又は表示を視認できる、透光性を有することをいう。
前記フィルム2は、熱収縮性及び自己伸縮性の少なくともいずれか一方を有していてもよいし、又は、それを有していなくてもよい。熱収縮性筒状ラベル、自己伸縮性筒状ラベル又は巻付け筒状ラベルの種別に応じて、ラベル形成用基材1のフィルム2を選択すればよい。
【0017】
前記フィルム2の材質は特に限定されない。熱収縮性を有するフィルムの場合には、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリプロピレン、環状オレフィンなどのオレフィン系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体などのスチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂を含む延伸フィルムが挙げられる。また、自己伸縮性を有するフィルムの場合には、例えば、ポリエチレンなどのオレフィン系樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体などの熱可塑性樹脂を含むフィルムなどが挙げられる。なお、前記自己伸縮性を有するフィルムは、自己伸縮性に加えて、熱収縮性を有していてもよい。また、熱収縮性及び自己伸縮性を何れも有さないフィルムの場合には、例えば、二軸延伸ポリエステル系フィルム、二軸延伸スチレン系フィルム、二軸延伸オレフィン系フィルムなどが挙げられる。
【0018】
前記略矩形状のフィルム2は、縦方向に沿う第1側端部21と、この第1側端部21に横方向において対向する、縦方向に沿う第2側端部22と、をそれぞれ有する。前記第1側端部21は、縦方向に沿って線状に延びる第1側端縁21aを含み、且つフィルム2の上縁から下縁にまで縦方向に延びる帯状領域である。前記第2側端部22は、縦方向に沿って線状に延びる第2側端縁22aを含み、且つフィルム2の上縁から下縁にまで縦方向に延びる帯状領域である。前記第1側端部21及び第2側端部22は、筒状ラベルを形成する際に重ね合わせて接着される、シール部9を構成する。
前記第1側端部21及び第2側端部22の横幅は、それぞれ特に限定されないが、通常、3mm〜20mmであり、好ましくは5mm〜15mmである。前記横幅とは、横方向における長さである。
【0019】
(艶消し着色層)
艶消し着色層3は、艶消し剤及び着色剤を含む層であって、マット調で任意の色彩を呈する層である。
艶消し着色層3は、フィルム2の表面側に設けられる。艶消し着色層3は、図示のように、フィルム2の表面に直接設けられていてもよい。或いは、特に図示しないが、フィルムの表面に透明な樹脂層が設けられ且つその透明な樹脂層の表面に艶消し着色層が設けられていてもよく、又は、フィルムの表面に金属含有層が設けられ且つその金属含有層の表面に艶消し着色層が設けられていてもよい。好ましくは、艶消し着色層3は、フィルム2の表面に直接設けられる。
艶消し着色層3は、フィルム2の表面側全体に設けられていてもよいが、好ましくは、艶消し着色層3は、フィルム2の表面側全体に設けられておらず、フィルム2には、艶消し着色層3を有さない領域が存在する。図示例では、フィルム2の第2側端部22の表面及びデザイン印刷層7が設けられた領域に対応するフィルム2の表面は、艶消し着色層3を有さない。
詳しくは、艶消し着色層3は、フィルム2の上縁23aと、下縁24aと、第1側端縁21aと、第2側端部22の境界線と、によって囲われる領域に設けられている。換言すると、艶消し着色層3の外縁は、フィルム2の上縁23a、下縁24a、第1側端縁21a、及び第2側端部22の境界線に一致している。従って、艶消し着色層3の上縁、下縁、第1側縁31a及び第2側縁32aは、それぞれ、フィルム2の上縁23a、下縁24a、第1側端縁21a及び第2側端部22の境界線に一致している。なお、艶消し着色層3の第2側縁32aは、フィルム2の第2側端部22の直近にてその第2側端部22に臨んでいる。艶消し着色層3は、その外縁(艶消し着色層3の上縁、下縁、第1側縁31a及び第2側縁32a)で囲われる領域内の全体にベタ状に設けられていてもよいが、フィルム2にデザイン印刷層7が設けられる場合には、筒状ラベル10の外側からデザイン印刷層7の表示を明瞭に視認できるようにするため、デザイン印刷層7に対応する領域は、艶消し着色層が設けられていない窓領域とされている。
なお、前記艶消し着色層3の上縁及び下縁は、フィルム2の上縁23a及び下縁24aに一致しているが、艶消し着色層3は、その上縁がフィルム2の上縁23aよりも少し下方に寄って配置されていてもよく、又、その下縁がフィルム2の下縁24aよりも少し上方に寄って配置されていてもよい。
【0020】
艶消し着色層3は、全体として光透過性を有する。前記光透過性は、艶消し着色層3を通じて、その裏面側に設けられた金属含有層4の金属色を視認できる性質をいう。例えば、艶消し着色層3は、例えば、その全光線透過率(JIS K7105)が50%以上、好ましくは60%以上の光透過性を有する。前記艶消し着色層3の全光線透過率は、艶消し着色層3を積層したフィルム2を用いて測定した値である。
艶消し着色層3の厚みは、前記光透過性を有する範囲で適宜設定でき、例えば、0.5μm〜5μmである。
【0021】
艶消し着色層3は、艶消し剤、着色剤及びバインダー樹脂を含み、必要に応じて、各種の添加剤を含む。
前記艶消し剤は、艶消し作用を有するものであれば特に限定されず、例えば、アクリルビーズ、中空アクリルビーズ、メラミン樹脂などの有機粒子;シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどの無機粒子などが挙げられる。これらの粒子は1種単独で又は2種以上を併用できる。艶消し剤の粒子の平均粒子径は、例えば、0.2μm〜5μmである。前記平均粒子径は、体積基準の粒度分布におけるメディアン径(D50)である。
【0022】
前記着色剤は、艶消し着色層3に所望の色彩を付与するものである。着色剤は、艶消し着色層3の前記光透過性を損なわないものであれば、特に限定されず、従来公知の顔料又は染料を用いることができる。裏面側に設けられた金属含有層4の金属色を筒状ラベルの外側から良好に視認できることから、透明な着色剤を用いることが好ましい。透明な着色剤としては、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルーなどの青色系顔料(シアン系顔料)やビクトリアブルーなどの青色系染料(シアン系染料)などの青色系透明着色剤;ジンクエロージンククロメート(亜鉛黄)、レモンイエロー(クロム酸バリウム)、ナフトールエローS、ハンザエロー5G、ハンザエロー3G、ハンザエローG、ハンザエローGR、ハンザエローA、ハンザエローRN、ハンザエローR、ベンジジンエロー、ベンジジンエローG、ベンジジンエローGR、パーマネントエローNCG、キノリンエローレーキなどの黄色系顔料(イエロー系顔料)やオーラミンなどの黄色系染料(イエロー系染料)などの黄色系透明着色剤;パーマネントレッド4R、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーミンBS、パーマネントカーミンFB、リソールレッド、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキなどの赤色系顔料(マゼンダ系顔料)やローダミンなどの赤色系染料(マゼンダ系染料)などの赤色系透明着色剤;などが挙げられる。これらの着色剤は、艶消し着色層3で表現したい色彩を考慮して、1種単独で又は2種以上を併用できる。例えば、青色系透明着色剤を使用した場合には、マット調で青色を呈する艶消し着色層3が得られる。
【0023】
前記バインダー樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、セルロール系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂などの熱可塑性樹脂が挙げられる。バインダー樹脂は、1種単独で又は2種以上を併用できる。
前記添加剤として、例えば、沈降防止剤、滑剤、分散安定剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤などが挙げられる。
【0024】
前記艶消し剤の含有量は、特に限定されないが、余りに少ないと艶消し効果を十分に奏さず、余りに多いと白っぽくなることから、艶消し着色層3の全体を100質量%とした場合に、5質量%〜60質量%が好ましく、10質量%〜50質量%がより好ましい。
前記着色剤の含有量は、特に限定されないが、余りに少ないと所望の色彩を呈さず、余りに多いとその色彩ばかりが目立って金属含有層4の金属色を視認できないおそれがあると共に艶消し効果を減殺するおそれがあることから、艶消し着色層3の全体を100質量%とした場合に、0.1質量%〜10質量%が好ましく、0.5質量%〜5質量%がより好ましい。
【0025】
前記艶消し着色層3の形成方法は、特に限定されず、艶消し着色層形成材料を、公知の印刷法、塗工法などによってフィルム2に塗布し、固化させることによって形成できる。
艶消し着色層形成材料は、前記艶消し剤、着色剤、バインダー樹脂、任意の添加剤を含み、必要に応じてこれらを溶解させる溶剤を含んでいてもよい。
前記溶剤は、特に限定されず、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルなどの酢酸エステル類;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノールなどのアルコール類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;トルエンなどの炭化水素類;これらの混合溶媒などが挙げられる。
所望の領域に容易に艶消し着色層3を形成できることから、艶消し着色層形成材料を公知の印刷法にて塗布し、艶消し着色層3を形成することが好ましい。
なお、前記艶消し着色層形成材料は、例えば、艶消し剤を含むインキと、着色剤を含むインキとを所要割合で混合することによって調製することもできる。
【0026】
(金属含有層)
金属含有層4は、金属光沢を有する層である。
金属含有層4は、艶消し着色層3よりも筒状内側に設けられている。換言すると、艶消し着色層3は、金属含有層4よりも筒状外側に設けられている。
金属含有層4は、艶消し着色層3よりも筒状内側に設けられていることを条件として、その積層位置は特に限定されない。例えば、金属含有層4は、フィルム2の裏面側に設けられていてもよく、或いは、フィルム2の表面と艶消し着色層3の間に設けられていてもよい。
好ましくは、金属含有層4は、フィルム2の裏面側に設けられる。この場合、金属含有層4は、図示のように、フィルム2の裏面に直接設けられていてもよく、或いは、特に図示しないが、フィルムの裏面に透明な樹脂層が設けられ且つその透明な樹脂層の裏面に金属含有層が設けられていてもよい。好ましくは、金属含有層4はフィルム2の裏面に直接設けられる。金属含有層4をフィルム2の裏面に直接設けることにより、後述するように金属含有層4とフィルム2の密着性を向上でき、熱収縮等させても両者が微小スケールでの剥離を生じ難く、斑のない良好な金属光沢を筒状ラベルの外側から視認できるようになる。
なお、金属含有層をフィルムの表面と艶消し着色層3の間に設ける場合、金属含有層は、フィルムの表面に直接設けてもよく、フィルムの表面に任意の層を設け且つその層の表面に金属含有層を設けてもよく、又は、金属含有層の表面に透明な樹脂層を設け且つその樹脂層の表面に艶消し着色層を設けてもよい(何れも図示せず)。
【0027】
金属含有層4は、艶消し着色層3が設けられた領域に積層されている。換言すると、艶消し着色層3は、金属含有層4が設けられた領域に積層されている。金属含有層4は、フィルム2の厚み方向において艶消し着色層3と重なるように同形同大の領域に設けられていてもよく、或いは、フィルム2の厚み方向において艶消し着色層3に重なり且つ艶消し着色層3よりも小さい又は大きい領域に設けられていてもよい。好ましくは、金属含有層4は、フィルム2の厚み方向において、艶消し着色層3と重なる同形同大の領域に設けられ、又は、艶消し着色層3に重なり且つ艶消し着色層3よりも小さい領域に設けられ、より好ましくは、艶消し着色層3に重なり且つ艶消し着色層3よりも小さい領域に設けられる。このように金属含有層4を設けることにより、フィルム2の厚み方向において、艶消し着色層3が金属含有層4の全体を被覆するように金属含有層4に重なるので、金属含有層4の縁部が艶消し着色層3の縁からはみ出さない。このため、金属含有層4の縁部に起因する金属色のみが筒状ラベルの外側から見えることを防止できる。
【0028】
詳しくは、金属含有層4は、フィルム2の上縁23aと、下縁24aと、第2側端縁22aと、第1側端部21の境界線と、によって囲われる領域に設けられている。換言すると、金属含有層4の外縁は、フィルム2の上縁23a、下縁24a、第2側端縁22a、及び第1側端部21の境界線に一致している。従って、金属含有層4の上縁、下縁、第1側縁41a及び第2側縁42aは、それぞれ、フィルム2の上縁23a、下縁24a、第1側端部21の境界線及び第2側端縁22aに一致している。なお、金属含有層4の第1側縁41aは、フィルム2の第1側端部21の直近にてその第1側端部21に臨んでいる。金属含有層4は、その外縁(金属含有層4の上縁、下縁、第1側縁41a及び第2側縁42a)で囲われる領域内の全体にベタ状に設けられていてもよいが、フィルム2にデザイン印刷層7が設けられる場合には、デザイン印刷層7の表示を綺麗に見せるため、デザイン印刷層7に対応する領域は、金属含有層が設けられていない窓領域とされている。
また、前記金属含有層4の窓領域の縁形状(フィルム2の厚み方向から見た窓領域の外形)は、艶消し着色層3の窓領域の縁形状(フィルム2の厚み方向から見た窓領域の外形)よりも大きく、フィルム2の表面側から見て、金属含有層4の全体及び金属含有層4の窓領域の縁部Xには、艶消し着色層3が重なっている。金属含有層4の窓領域の縁と艶消し着色層3の窓領域の縁が、フィルム2の厚み方向において一致している場合には、筒状ラベルの外側斜め方向から見たときに、金属含有層4の金属色が線状に見えるおそれがあるが、前記のように金属含有層4の窓領域の縁部Xに艶消し着色層3が重なっていることにより、金属含有層4の金属色が線状に見えることを防止できる。
【0029】
金属含有層4は、金属微粒子を含み、その表面において金属光沢を呈する層である。
金属含有層4は、金属蒸着法による金属蒸着膜から形成されていてもよく、又は、金属粒子を含む金属含有層形成材料を塗布しこれを固化した層から形成されていてもよい。金属光沢の程度を容易に調整できることから、金属含有層4は、金属含有層形成材料を塗布固化した層から形成されていることが好ましい。
金属含有層形成材料は、金属微粒子及びバインダー樹脂を含み、必要に応じて、各種の添加剤を含む。
前記金属微粒子としては、アルミニウム粉、銀粉、亜鉛粉、ステンレス粉、ニッケル粉などが挙げられる。また、前記アルミニウム粉などの金属微粒子を溶剤や表面処理剤に添加した、金属微粒子ペーストを用いることも可能である。輝き感に優れ且つ比較的安価であることから、金属微粒子としてアルミニウム粉(アルミニウム粉ペーストを含む)を用いることが好ましい。前記金属微粒子の粒子径は、特に限定されないが、金属光沢が金属含有層4の表面全体に亘って略均一化することから、1μm〜30μmが好ましい。前記金属微粒子の粒子径は、体積基準の粒度分布におけるメディアン径(D50)である。なお、前記金属微粒子の粒子径は、金属微粒子が略球状である場合には、その直径に相当し、金属微粒子が鱗片状である場合には、その長径に相当する。
バインダー樹脂及び添加剤としては、上記艶消し着色層形成材料で例示したようなものが挙げられる。
金属含有層形成材料からなる金属含有層4において、金属微粒子の含有量は、特に限定されないが、良好な金属光沢を呈するために、金属含有層4の全体を100質量%とした場合に、3質量%〜30質量%であり、好ましくは5質量%〜20質量%である。
金属含有層形成材料は、金属微粒子、バインダー樹脂、任意の添加剤を含み、必要に応じてこれらを溶解させる溶剤を含んでいてもよい。溶剤としては、上記艶消し着色層形成材料で例示したようなものが挙げられる。
金属含有層形成材料は、公知の印刷法、塗工法などによって塗布できるが、所望の領域に容易に金属含有層4を形成できることから、金属含有層形成材料を公知の印刷法にて塗布し、金属含有層4を形成することが好ましい。
【0030】
(デザイン印刷層)
デザイン印刷層7は、商品名、絵柄、成分表示、注意書きなどの各種デザインが表された印刷層である。デザイン印刷層7は、従来公知の印刷インキを用いて形成できる。
デザイン印刷層7は、デザインが表されたデザイン層71を含んでいることを条件として、デザイン表示が表されていない無模様一色又は無模様多色の背景印刷層72を含んでいてもよい。つまり、デザイン印刷層7は、各種色彩で商品名などのデザインが印刷されたデザイン層71のみからなる、又は、デザイン層71と背景印刷層72から構成される。各断面図において、デザイン層71を黒塗りで、背景印刷層72を薄墨塗りで示している。
前記無模様の背景印刷層72は、前記デザイン層71のデザイン表示を際立たせる目的で、デザイン層71の裏面に設けられる。無模様の背景印刷層72は、例えば、無模様白色の印刷層、無模様銀色の印刷層、無模様銀色と無模様白色などが塗り分けられた無模様多色の印刷層などの着色された印刷層;メジウムインキなどからなる透明な印刷層(透明な樹脂層);などが挙げられる。前記無模様白色の背景印刷層は、白色顔料などの白色着色剤を含む着色インキをベタ状に又は適宜な箇所にスポット的に塗布することにより形成できる。前記無模様銀色の背景印刷層は、アルミニウム微粒子などの銀色着色剤を含む着色インキをベタ状に又は適宜な箇所にスポット的に塗布することにより形成できる。前記無模様多色の背景印刷層は、2種以上の着色インキを塗り分けることにより形成できる。透明な背景印刷層は、着色剤を含まないインキ(メジウムインキ)をベタ状に又は適宜な箇所にスポット的に塗布することにより形成できる。
白色や銀色の着色された無模様の背景印刷層72を設けることにより、デザインを明確に視認させることができる。
デザイン印刷層7の厚みは、特に限定されないが、例えば、1μm〜5μm程度が好ましい。
【0031】
デザイン印刷層7は、フィルム2の表面側若しくは裏面側、又は、両面側に設けられていてもよいが、傷付き防止の点から、フィルム2の裏面側に設けられていることが好ましい。
デザイン印刷層7は、フィルム2の裏面(又は表面)に直接設けられていてもよく、或いは、フィルム2の裏面(又は表面)に透明な樹脂層を設け且つその樹脂層の裏面(又は表面)に設けられていてもよい。デザイン印刷層7は、フィルム2の略全体に設けられていてもよく、或いは、フィルム2の一部の領域に設けられていてもよい。
また、デザイン印刷層7は、艶消し着色層3と金属含有層4の間に設けられていてもよく、或いは、艶消し着色層3又は/及び金属含有層4が設けられていない窓領域に設けられていてもよい。デザイン印刷層7の表面側に艶消し着色層3が設けられている場合、デザイン印刷層7に表された表示が見え難い又は違った色彩に見えることがあることから、デザイン印刷層7の表面側には、艶消し着色層3が設けられていないことが好ましい。つまり、デザイン印刷層7は、艶消し着色層3の窓領域(艶消し着色層3が設けられていない領域)に対応した領域に設けられていることが好ましい。また、デザイン印刷層7の裏面側に金属含有層4が設けられている場合、デザイン印刷層7に表された表示の背景が金属色となり、その表示が綺麗に見えないおそれがあることから、デザイン印刷層7の裏面側には、金属含有層4が設けられていないことが好ましい。つまり、デザイン印刷層7は、金属含有層4の窓領域(金属含有層4が設けられていない領域)に対応した領域に設けられていることが好ましい。
図示例では、デザイン印刷層7は、フィルム2の一部領域である、金属含有層4の窓領域におけるフィルム2の裏面に直接設けられている。かかるデザイン印刷層7の外縁は金属含有層4の窓領域の縁に略一致している。従って、デザイン印刷層7は、艶消し着色層3の窓領域よりも大面積であり、筒状ラベルの外側から見て、デザイン印刷層7の縁部には、艶消し着色層3が重なっている。
【0032】
(補足着色層)
補足着色層5は、筒状ラベル10の外側から金属含有層4の金属色のみが見えることを防止するために必要に応じて設けられる層である。
補足着色層5は、艶消し着色層3に含まれる着色剤と同色の着色剤を含む。本発明において、「同色」とは、同一の色番号などの厳密な意味ではなく、人間の視覚上、色彩が同じに見えるという意味である。
補足着色層5は、艶消し着色層3と金属含有層4の間に設けられ、好ましくは、フィルム2の裏面と金属含有層4の間に設けられ且つフィルム2の第2側端部22の帯状領域に設けられる。
詳しくは、補足着色層5は、フィルム2の裏面に直接設けられている。帯状領域は、フィルム2の上縁23aから下縁24aにまで縦方向に延びた領域であり、艶消し着色層3の第2側縁32aに対応する領域とフィルム2の第2側端部22の一部又は全体とを含む。このフィルム2の帯状領域に、補足着色層5が設けられている。好ましくは、補足着色層5は、艶消し着色層3の第2側縁32aを含む縁部Yに対応する領域及びフィルム2の第2側端部22の裏面の一部又は裏面全体に設けられ、より好ましくは、図示のように艶消し着色層3の第2側縁32aを含む縁部Yに対応する領域及びフィルム2の第2側端部22の裏面の一部Zに設けられる。かかる補足着色層5は、艶消し着色層3の第2側縁32aに対応する領域を基準にしてその横方向両側に拡がる横幅(Y+Z)で、上下方向に延びる帯状に設けられている。補足着色層5の横幅は、筒状ラベルを形成した際、後述する隙間Wの横幅と同じでもよいが、好ましくは、前記隙間Wの横幅よりも大きく設定される。なお、補足着色層5の横幅及び隙間Wの横幅は、それぞれの横方向の長さである。
【0033】
補足着色層5は、着色剤及びバインダー樹脂を含み、必要に応じて、各種の添加剤を含む。着色剤は、艶消し着色層3の色彩と同色であれば特に限定されず、艶消し着色層3に含まれる着色剤と同じものでもよく、又は、それと異なるものでもよい。好ましくは、補足着色層5の着色剤は、艶消し着色層3の着色剤と同じものが用いられる。
補足着色層5の厚みは、特に限定されず、例えば、0.5μm〜5μmである。
補足着色層5の形成方法は、特に限定されず、艶消し着色層3の形成方法と同様な方法が挙げられる。簡便な方法では、例えば、上記艶消し着色層形成材料の成分中から艶消し剤を除いたものを準備し、これを印刷法によってフィルム2に塗布することにより、補足着色層5を形成できる。
【0034】
なお、補足着色層5は、艶消し剤を含んでいてもよい。例えば、補足着色層5が、艶消し着色層3で例示したような艶消し剤と、艶消し着色層3に含まれる着色剤と同色の着色剤と、を含んでいてもよい。このような補足着色層5は、例えば、上記艶消し着色層形成材料を用いて形成することができる。もっとも、艶消し着色層3と金属含有層4の間に設けられる補足着色層5の表面側には、少なくとも艶消し着色層3が存在するので、補足着色層5に艶消し剤を含有させたとしても、その艶消し効果が顕在化しない。このため、費用対効果の観点から、補足着色層5は、艶消し剤を含まないことが好ましい。
【0035】
(オーバーコート層)
オーバーコート層6は、基材1の最表面(筒状ラベル10の最外面)を構成する層であり、艶消し着色層3などを保護するために必要に応じて設けられる。
オーバーコート層6は、フィルム2の表面側全体に設けられていてもよいが、好ましくは、オーバーコート層6は、フィルム2の表面側全体に設けられておらず、艶消し着色層3に重ねて積層されている。また、オーバーコート層6は、艶消し着色層3の窓領域にも設けられていてもよく、又は、前記窓領域には設けられていなくてもよい。
図示例では、オーバーコート層6は、艶消し着色層3の表面及び窓領域のフィルム表面を覆うようにそれらに重ねて設けられている。従って、オーバーコート層6は、フィルム2の上縁23a、下縁24a、第1側端縁21a、及び第2側端部22の境界線(艶消し着色層3の第2側縁32a)によって囲われる領域の全体に設けられている。
【0036】
オーバーコート層6は、コート剤を塗布し、それを固化させることにより形成できる。
前記コート剤としては、溶剤と樹脂を含む溶剤揮発型塗工剤、所定の条件で硬化する硬化型樹脂を含む硬化型塗工剤などが挙げられる。コート剤の塗布方法としては、公知の印刷法、コート法などを用いることができる。
オーバーコート層6の厚みは、特に限定されないが、例えば、1μm〜10μmである。
【0037】
(内面層)
内面層8は、基材1の最裏面(筒状ラベル10の最内面)を構成する層であり、筒状ラベル10の滑り性などを改質するために必要に応じて設けられる。
内面層8は、フィルム2の裏面全体に設けられていてもよいが、好ましくは、内面層8は、フィルム2の裏面側全体に設けられておらず、金属含有層4に重ねて積層されている。また、内面層8は、金属含有層4の窓領域にも設けられていてもよく、又は、前記窓領域には設けられていなくてもよい。
図示例では、内面層8は、金属含有層4の裏面及び窓領域のフィルム裏面を覆うようにそれらに重ねて設けられている。従って、内面層8は、フィルム2の上縁23a、下縁24a、第2側端縁22a、及び第1側端部21の境界線(金属含有層4の第1側縁41a)によって囲われる領域の全体に設けられている。
【0038】
内面層8は、透明でもよく、不透明でもよい。
透明な内面層8は、例えば、着色剤を含まないインキ(一般に、メジウムインキと呼ばれる)を用いて形成できる。不透明な内面層8は、前記メジウムインキに、酸化チタンなどの白色顔料を添加したインキを用いて形成できる。また、内面層8には、滑り性を改善するために、ワックス類などの滑剤が含まれていてもよい。
内面層8の厚みは、特に限定されないが、例えば、1μm〜10μmである。
【0039】
(筒状ラベル)
ラベル形成用基材1の第1側端部21の裏面及び第2側端部22の表面の少なくともいずれか一方に接着剤、粘着剤又は溶剤(以下、接着剤、粘着剤又は溶剤を「接着剤等」と記す場合がある)を塗布し、ラベル形成用基材1を丸めて筒状にし、第1側端部21の裏面を第2側端部22の表面に重ね合わせ、その重ね合わせ部分の全部又は一部を前記接着剤等を介して接着してシール部9を形成することにより、
図6に示すような筒状ラベル10が得られる。なお、溶剤は、フィルム2が溶剤接着可能な材質の場合に用いることができる。第1側端部21の裏面及び第2側端部22の表面は、何れもフィルム面であるため、強固に接着したシール部9を構成できる。このシール部9においては、
図7に示すように、内側に位置するラベル形成用基材1の第2側端部22の先端部が、シール部9から周方向に延出され且つ第1側端部側の金属含有層4の第1側縁41aに重なる余り代25とされている。換言すると、第2側端部22の一部を第1側端部21に接着し且つそれ以外の一部を第1側端部21に非接着とすることにより、第2側端部22は、その第2側端縁22aからシール部9の縁までの間に、前記第1側端部21に対して接着されていない余り代(自由端)であって、厚み方向において第1側端部側の金属含有層4の第1側縁41aに重なった余り代25を有する。この余り代25の裏面側にも金属含有層4及び内面層8が設けられている。この余り代25の横幅(横方向の長さ)は、第2側端縁22aが第1側端部21側の金属含有層4の第1側縁41aと一致する又はその第1側縁41aを越えるように設定され、好ましくは、第2側端縁22aが第1側端部21側の金属含有層4の第1側縁41aを越えるように設定される。この余り代25の横幅は、例えば、3mm〜7mm程度である。この余り代25の裏面にも金属含有層4が設けられていること、及び、余り代25は金属含有層4の第1側縁41aに重なっていることから、シール部9を含む第1側端縁21aと第2側端縁22aの間の領域Aも、筒状ラベル10の外側から見たときに周方向に金属含有層4が連続するので、適度な金属光沢に因る輝き及び質感を有する。
【0040】
上記基材1は、その表面側において、艶消し着色層3の第1側縁31aがフィルム2の第1側縁31aに、艶消し着色層3の第2側縁32aがフィルム2の第2側端部22の境界線に位置している。従って、基材を筒状に形成する際には、理論上、艶消し着色層の第1側縁と第2側縁を隙間無く付き合わせるように、基材の第1側端部と第2側端部を接着してシール部を形成できる。しかしながら、筒状ラベルは、機械的な製造工程で得られるので、艶消し着色層の第1側縁と第2側縁とが接するように精度良く位置合わせして第1側端部と第2側端部を重ねて接着することが困難である。そのため、通常、
図7に示すように、筒状ラベル10のシール部9においては、第1側端部21に存在する艶消し着色層3の第1側縁31aと第2側端部22に存在する第2側縁32aとの間に隙間Wが生じる。かかる隙間Wは、シール部9の近傍において、上下方向に細長い帯状となって生じる。この隙間Wには、艶消し着色層3が存在しないため、筒状ラベル10の外側から見ると、金属含有層4の金属色が細長い帯状に表れてしまうことになる。
この点、上記のように補足着色層5がフィルム2の帯状領域に設けられた基材1を用いて筒状ラベルを形成することにより、第1側端部21に位置する艶消し着色層3の第1側縁31aと第2側端部22に位置する艶消し着色層3の第2側縁32aとの間に対応する領域を含む、第2側端部22の帯状領域に補足着色層5が配設される。かかる帯状領域に補足着色層5が設けられていることにより、前記隙間Wから補足着色層5の色彩が見えるので、前記細長い帯状の金属色が見えることを防止できる。
なお、この補足着色層5は、前記消し着色層3の第1側縁31aと第2側縁32aとの間に対応する領域に少なくとも設けられていればよい。
【0041】
本発明の筒状ラベル10は、金属含有層4よりも外側に、艶消し剤及び着色剤の双方を含む艶消し着色層3が設けられている。かかる筒状ラベル10は、それを外側から見た際に、適度な金属光沢に因る輝きと、落ち着いた質感とを有する。この点、艶消し層と着色層をそれぞれ別個に形成し、それらを金属含有層に積層した基材を用いた筒状ラベルでは、本発明の筒状ラベル10のような適度な輝き及び質感を有さないことが判っている。本発明の筒状ラベル10が上記のような外観を有する理由は、明確には判らないが、本発明者らは、次のように推定している。
すなわち、艶消し剤を含む艶消し層と着色剤を含む着色層がそれぞれ別個に形成された筒状ラベルをその外側から見ると、着色剤の色彩は艶消し層を通してしか見えないため、全体として白っぽい感じの印象となる。本発明のように、艶消し剤と着色剤を混在させた層(艶消し着色層)が形成された筒状ラベルは、艶消し剤が着色剤の色彩を適度にぼかすので、それが金属含有層と相俟って、適度な金属光沢と落ち着いた質感を見る者に与えると推定される。
【0042】
なお、シール部9においては、
図7に示すように、金属含有層4の設けられている第2側端部22が金属含有層4の第1側縁41aに重なっているので、その部分においても艶消し着色層3の裏面側に金属含有層4が位置している。このため、筒状ラベル10は、その全周に亘って、上記適度な金属光沢に因る輝きと落ち着いた質感を有する外観となる。
本発明の筒状ラベル10は、様々な被着体に装着して使用される。被着体は、特に限定されないが、代表的には、飲料、調味料、化粧品、シャンプーなどが収納された容器である。特に、化粧品などの比較的高額な商品に、本発明の筒状ラベル10を装着することにより、その高額な商品のイメージに合致し、商品価値を高めることができる。
筒状ラベル10の被着体への装着方法は、従来と同様である。
【0043】
[他の実施形態]
本発明の筒状ラベル及びその形成に用いられるラベル形成用基材は、上記実施形態に限られず、本発明の意図する範囲で、様々に設計変更できる。以下の他の実施形態に係る筒状ラベル及びラベル形成用基材の説明において、上記実施形態と同様の構成及び効果に関する説明は、(それを説明したものとして)省略し、用語及び符号をそのまま援用する。
【0044】
上記実施形態の筒状ラベル10は、被着体に装着する前から筒状に形成されているものであるが(熱収縮性筒状ラベル又は自己伸縮性筒状ラベル)、本発明の筒状ラベルは、巻付けラベルであってもよい。
【0045】
上記実施形態では、デザイン印刷層7の外縁が金属含有層4の窓領域の縁に略一致するようにデザイン印刷層7が設けられているが、例えば、
図8に示すように、デザイン印刷層7の縁部7aが金属含有層4に重なるようにデザイン印刷層7及び金属含有層4が設けられていてもよい。
このようにデザイン印刷層7の縁部7aの裏面に金属含有層4が積層されていることにより、デザイン印刷層7の縁部7aが明確となるため、筒状ラベル10の外側から綺麗に見えるようになる。また、内面層8を白色顔料を添加したインキで形成した場合には、デザイン印刷層7のデザインを明確にすることできるので好ましい。
【0046】
また、上記実施形態の図示例では、デザイン印刷層7は、艶消し着色層3及び金属含有層4が設けられていない窓領域にのみ設けられているが、
図9に示すように、デザイン印刷層7は、艶消し着色層3と金属含有層4の間にも設けられていてもよい。この場合、艶消し着色層3及び金属含有層4には、窓領域が形成されていてもよく、或いは、窓領域が形成されていなくてもよい。
図9では、艶消し着色層3が、フィルム2の上縁23a、下縁24a、第1側端縁21a、及び第2側端部22の境界線によって囲われる領域の、窓領域を除いた範囲に設けられ、金属含有層4が、フィルム2の上縁23a、下縁24a、第2側端縁22a及び第1側端部21の境界線によって囲われる領域の全体に設けられている場合を例示している。
また、デザイン印刷層7は、フィルム2の全体に設けられていてもよいが、シール部9を強固にするために、デザイン印刷層7は、フィルム2の第1側端部21の裏面を除いて設けられていることが好ましい。また、補足着色層5が設けられる場合には、デザイン印刷層7は、
図9に示すように、補足着色層5に重ならないように設けられるか、或いは、補足着色層5が設けられた領域においてはその補足着色層5の裏面側に積層されることが好ましい。
さらに、上記実施形態では、オーバーコート層6及び裏面層8が設けられているが、オーバーコート層が設けられていなくてもよく(図示せず)、又、裏面層が設けられていなくてもよい(
図9参照)。