特許第6444143号(P6444143)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6444143
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】真空バルブ
(51)【国際特許分類】
   H01H 33/664 20060101AFI20181217BHJP
   H01H 33/662 20060101ALI20181217BHJP
【FI】
   H01H33/664 C
   H01H33/662 J
   H01H33/664 D
【請求項の数】12
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-229413(P2014-229413)
(22)【出願日】2014年11月12日
(65)【公開番号】特開2016-95905(P2016-95905A)
(43)【公開日】2016年5月26日
【審査請求日】2017年7月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100073759
【弁理士】
【氏名又は名称】大岩 増雄
(74)【代理人】
【識別番号】100088199
【弁理士】
【氏名又は名称】竹中 岑生
(74)【代理人】
【識別番号】100094916
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 啓吾
(74)【代理人】
【識別番号】100127672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 憲治
(72)【発明者】
【氏名】川田 将司
【審査官】 関 信之
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/104751(WO,A1)
【文献】 特開2012−089494(JP,A)
【文献】 実開昭58−188939(JP,U)
【文献】 特開平02−201828(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 33/664
H01H 33/662
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁筒内に配置される固定側電極棒と、前記絶縁筒内に配置される可動側電極棒と、前記固定側電極棒に固着された固定側接点と、前記固定側接点と対向して前記可動側電極棒に固着された可動側接点と、前記固定側接点の裏面側に前記固定側電極棒に嵌め合わされた固定側補強板と、前記可動側接点の裏面側に前記可動側電極棒に嵌め合わされた可動側補強板と、前記固定側補強板の外周部と前記固定側接点の外周部との間に配置され、前記固定側補強板と前記固定側接点との間に空間を形成する固定側スペーサと、前記可動側補強板の外周部と前記可動側接点の外周部との間に配置され、前記可動側補強板と前記可動側接点との間に空間を形成する可動側スペーサとを備え、前記固定側スペーサは前記固定側接点の外周部を支持し、前記可動側スペーサは前記可動側接点の外周部を支持するとともに、前記固定側スペーサは薄板を折り曲げて断面をU字状としかつ環状に形成され、前記可動側スペーサは、薄板を折り曲げて断面をU字状としかつ環状に形成されたことを特徴とする真空バルブ。
【請求項2】
前記固定側接点および前記可動側接点の外径をa、前記固定側スペーサおよび前記可動側スペーサの外径をb、前記固定側スペーサおよび前記可動側スペーサの板厚をc、前記固定側スペーサおよび前記可動側スペーサの曲げ半径をe、空間の高さ寸法dとした場合、a≧b、e≧c、d≧4cが成立することを特徴とする請求項1に記載の真空バルブ。
【請求項3】
前記固定側スペーサおよび前記可動側スペーサは、前記固定側接点および前記可動側接点にのみに固着されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の真空バルブ。
【請求項4】
前記固定側スペーサおよび前記可動側スペーサは、前記固定側補強板および前記可動側補強板にのみに固着されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の真空バルブ。
【請求項5】
前記固定側スペーサおよび前記可動側スペーサは、前記固定側接点および前記可動側接点ならびに前記固定側補強板および前記可動側補強板の両方に固着されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の真空バルブ。
【請求項6】
絶縁筒内に配置される固定側電極棒と、前記絶縁筒内に配置される可動側電極棒と、前記固定側電極棒に固着された固定側接点と、前記固定側接点と対向して前記可動側電極棒に固着された可動側接点と、前記固定側接点の裏面側に前記固定側電極棒に嵌め合わされ、端部が中央側に折り曲げて折曲部を形成し、底部と前記固定側接点との間に空間を設けた固定側補強板と、前記可動側接点の裏面側に前記可動側電極棒に嵌め合わされ、端部が中央側に折り曲げて折曲部を形成し、底部と前記可動側接点との間に空間を設けた可動側補強板とを備えたことを特徴とする真空バルブ。
【請求項7】
前記固定側補強板および前記可動側補強板は、ステンレス鋼等の電気抵抗の高い材料から製作されたことを特徴とする請求項6に記載の真空バルブ。
【請求項8】
前記固定側接点および前記可動側接点の外径をa、前記固定側補強板および前記可動側補強板の外径をb、前記固定側補強板および前記可動側補強板の板厚をc、前記固定側補強板および前記可動側補強板の折曲部の曲げ半径をe、空間の高さ寸法dとした場合、a≧b、e≧c、d≧4cが成立することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の真空バルブ。
【請求項9】
前記固定側補強板および前記可動側補強板は、円錐形状に構成されたことを特徴とする請求項6または請求項7に記載の真空バルブ。
【請求項10】
前記固定側補強板および前記可動側補強板は、前記固定側接点および前記可動側接点にのみに固着されていることを特徴とする請求項6から請求項9のいずれか1項に記載の真空バルブ。
【請求項11】
前記固定側補強板および前記可動側補強板は、前記固定側電極棒および前記可動側電極棒にのみに固着されていることを特徴とする請求項6から請求項9のいずれか1項に記載の真空バルブ。
【請求項12】
前記固定側補強板および前記可動側補強板は、前記固定側接点および前記可動側接点ならびに前記固定側電極棒および前記可動側電極棒の両方に固着されていることを特徴とする請求項6から請求項9のいずれか1項に記載の真空バルブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば電力用開閉器などに使用される真空容器内に接離自在に取り付けられた固定側接点と可動側接点を擁する真空バルブに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の真空バルブは、アルミナセラミックス等から形成された絶縁円筒を真空容器とし、絶縁円筒の両端に生成されたメタライズ層に容器内を高真空で気密保持すべく、金属フランジが、真空ロウ付けによって固着されている。絶縁円筒両端に固着された金属フランジにはそれぞれ固定側電極棒、可動側電極棒が同軸上に対向して取り付けられており、各電極棒の対向面にはそれぞれ固定側接点と可動側接点が固着されている。
【0003】
また、可動側接点が気密を保持しながら絶縁容器軸心上を動作できるよう可動側電極棒と金属フランジ間にベローズが設けられるが、電流遮断時に発生したアークによってベローズが汚損されることを防ぐために設けられた傘状のベローズカバーが可動側電極棒に固着されており、ベローズ自体は接点側がベローズカバーもしくはベローズカバーと可動側電極棒にロウ付接合され、接点の反対側には可動側フランジに取り付けられている。
【0004】
また、絶縁容器内部にはアークシールドが対向する接点を囲繞するように設けられており、絶縁容器の内沿面が電流遮断時に発生するアークによって汚損されることを防いでいる。可動側はその開閉の過程において軸心上で円滑に動作するために軸受け機能を有するガイドが可動側端部に取り付けられている。
【0005】
上述した接点の種類に風車形接点がある。風車形接点には図14に示すようなものがあり、中心部から周縁部に向けて渦巻状の溝1が切り込まれ、複数個、例えば4個の円弧部2を形成している。真空バルブにおいて、閉極して電流が通電されている場合、固定側接点と可動側接点における円弧部2が互いに接触している。電流を遮断する場合には固定側接点と可動側接点を開極させることによって、固定側接点と可動側接点の円弧部2上の任意点にアーク3が発生する。
【0006】
風車形接点に通電された電流Ixは図14に示すように中心から円弧部2の形状に沿って流れ、さらにアーク3を介して対向する風車形接点の円弧部2に流れていく。この際に、電流Ixによって図10には図示しない磁束密度Bxが発生する。アーク3はこの磁束密度Bxに比例した駆動力Fxを受け、円弧部2上を左回りに高速で回転移動する。アーク3が風車形接点上を高速で回転移動することで電流ゼロ点を迎えるまで、アークによる局部的な熱の集中を防止し、接点の損傷を軽減させるとともに、遮断性能を向上させている。
【0007】
また、その他の例として、可動側接点と可動側電極棒との間に可撓導体を設け、閉極時には圧縮され、開極時には可撓導体の復元力により可動側接点の固定側接点からの開離を加速させて遮断性能を向上させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平2−201828号公報
【特許文献2】特開平3−246839号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述した従来の真空バルブは、風車形接点に固着されている補強板はステンレス鋼等の接点や電極棒よりも電気抵抗の高い材料から製作されている。ステンレス鋼は硬度が高いため、接点に固着されていると接点閉極時の荷重から接点の変形を防ぐことが可能となる。その反面、硬度が高い故に固定側接点と可動側接点同士が接点閉極時に馴染みにくくなるため接触抵抗の増大を招いてしまう。接触抵抗を抑制するためには接圧荷重を増大させる必要があるため、開閉器全体としてのコストも増大してしまうという問題点があった。
【0010】
また、特許文献1に記載の真空バルブは、電流遮断を繰り返すと風車形接点の溝が徐々に埋まっていく。補強板を風車形接点に固着させた場合、電流遮断の繰り返しにより接点の表面の溝が埋まってしまうと、裏側は元々補強板によって溝が埋まっているため、風車形接点としての機能である駆動力を失い、電流遮断性能を著しく低下させてしまう。補強板を接点から離すよう配置すれば接点の表面の溝が埋まっても接点裏側の溝は健在であるため、風車形接点としての機能を保つことが可能であるが、接点の材料、厚み、形状によっては閉極により接点が大きく変形してしまう恐れがあるという問題点があった。
【0011】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、開閉接点の接触抵抗を低減し、電流遮断の繰り返しに伴う電流遮断性能低下を抑制し、遮断寿命を向上した真空バルブを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明に係わる真空バルブは、絶縁筒内に配置される固定側電極棒と、前記絶縁筒内に配置される可動側電極棒と、前記固定側電極棒に固着された固定側接点と、前記固定側接点と対向して前記可動側電極棒に固着された可動側接点と、前記固定側接点の裏面側に前記固定側電極棒に嵌め合わされた固定側補強板と、前記可動側接点の裏面側に前記可動側電極棒に嵌め合わされた可動側補強板と、前記固定側補強板の外周部と前記固定側接点の外周部との間に配置され、前記固定側補強板と前記固定側接点との間に空間を形成する固定側スペーサと、前記可動側補強板の外周部と前記可動側接点の外周部との間に配置され、前記可動側補強板と前記可動側接点との間に空間を形成する可動側スペーサとを備え、前記固定側スペーサは前記固定側接点の外周部を支持し、前記可動側スペーサは前記可動側接点の外周部を支持するとともに、前記固定側スペーサは薄板を折り曲げて断面をU字状としかつ環状に形成され、前記可動側スペーサは、薄板を折り曲げて断面をU字状としかつ環状に形成されたものである。
【0013】
また、この発明に係わる真空バルブは、絶縁筒内に配置される固定側電極棒と、前記絶縁筒内に配置される可動側電極棒と、前記固定側電極棒に固着された固定側接点と、前記固定側接点と対向して前記可動側電極棒に固着された可動側接点と、前記固定側接点の裏面側に前記固定側電極棒に嵌め合わされ、端部が中央側に折り曲げて折曲部を形成し、底部と前記固定側接点との間に空間を設けた固定側補強板と、前記可動側接点の裏面側に前記可動側電極棒に嵌め合わされ、端部が中央側に折り曲げて折曲部を形成し、底部と前記可動側接点との間に空間を設けた可動側補強板とを備えたものである。
【発明の効果】
【0014】
この発明に係わる真空バルブによれば、接点と補強板の間に縮みしろを持たせたスペーサを設け、接点閉極時に僅かに縮み、接点閉極時に接点同士をより馴染みやすくし、従来よりも大きな接触面を得ることで真空バルブの接触抵抗を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】この発明の実施の形態1に係わる真空バルブを示す断面図である。
図2】この発明の実施の形態1に係わる真空バルブにおけるスペーサを示す断面図と斜視図である。
図3】この発明の実施の形態1に係わる真空バルブを示す要部断面図である。
図4】この発明の実施の形態2に係わる真空バルブを示す断面図である。
図5】この発明の実施の形態2に係わる真空バルブにおけるスペーサを示す断面図と斜視図である。
図6】この発明の実施の形態2に係わる真空バルブを示す要部断面図である。
図7】この発明の実施の形態3に係わる真空バルブを示す断面図である。
図8】この発明の実施の形態3に係わる真空バルブにおける補強板を示す断面図と斜視図である。
図9】この発明の実施の形態3に係わる真空バルブを示す要部断面図である。
図10】この発明の実施の形態4に係わる真空バルブを示す断面図である。
図11】この発明の実施の形態4に係わる真空バルブにおける補強板を示す断面図と斜視図である。
図12】この発明の実施の形態4に係わる真空バルブを示す要部断面図である。
図13】この発明の実施の形態5に係わる真空バルブにおけるスペーサを示す斜視図である。
図14】従来の真空バルブにおける風車形接点を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図1から図3に基づいて説明するが、各図において、同一、または相当部材、部位については同一符号を付して説明する。図1はこの発明の実施の形態1に係わる真空バルブを示す断面図である。図2はこの発明の実施の形態1に係わる真空バルブにおけるスペーサを示す断面図(a)と斜視図(b)である。図3はこの発明の実施の形態1に係わる真空バルブを示す要部断面図である。
【0017】
これら各図において、真空バルブは、アルミナセラミック等の絶縁物を材質とする円筒状の絶縁筒4に対し、その両端には容器を形成し、かつ内部を高真空で気密保持すべく、ステンレス鋼等の金属を材質とする固定側フランジ5と可動側フランジ6が取り付けられ、これら固定側フランジ5と可動側フランジ6は絶縁筒4の両端に形成されたメタライズ層7に真空ロウ付けによって絶縁筒4と同軸上に固着されている。
【0018】
絶縁筒4の一端に固着された固定側フランジ5には絶縁筒4内に配置される固定側電極棒8が固着され、可動側フランジ6には絶縁筒4内に配置される可動側電極棒9がベローズ10を介して取り付けられている。固定側電極棒8と可動側電極棒9は同軸上に配置される。そして、固定側電極棒8の可動側電極棒9側の端部は小径部8aとして構成され、段付き部8bが形成されている。可動側電極棒9の固定側電極棒8側の端部は小径部9aとして構成され、段付き部9bが形成されている。また、ベローズ10の一端と可動側フランジ6は固着されており、ベローズ10の他端と可動側電極棒9は電流遮断時に発生するアークによるベローズ10の汚損防止を目的として設けたベローズカバー11を介して固着されている。
【0019】
固定側電極棒8と可動側電極棒9の対向面部には、固定側電極棒8の可動側電極棒9側の端部の小径部8aに風車形の固定側接点12が固着され、可動側電極棒9の固定側電極棒8側の端部の小径部9aに固定側接点12と対向して風車形の可動側接点13が固着されている。可動側接点13は固着している可動側電極棒9がベローズ10を介して可動側フランジ6に取り付けられているため、気密を保持したまま絶縁筒4の軸心上で、固定側接点12と接離自在となっている。
【0020】
固定側接点12の裏面側には固定側電極棒8に嵌め合わされた円形の固定側補強板14が設けられ、可動側接点13の裏面側には可動側電極棒9に嵌め合わされた円形の可動側補強板15が設けられている。これら固定側補強板14および可動側補強板15は、固定側接点12と可動側接点13の機械的強度をそれぞれ補うと共に、電流遮断時に発生するアークから真空容器内部の汚損をそれぞれ防止する役割を成している。
【0021】
この固定側補強板14と固定側接点12との間には固定側スペーサ16が設けられ、可動側補強板15と可動側接点13の間には可動側スペーサ17が設けられている。固定側スペーサ16および可動側スペーサ17は、環状に形成されて固定側接点12および可動側接点13の外周部を支持している。そして、固定側スペーサ16および可動側スペーサ17は、薄板を折り曲げて断面をU字状に形成されている。
【0022】
絶縁筒4の内沿面には電流遮断時に電極間で発生するアークによる絶縁筒4の内沿面の汚損防止を目的としたアークシールド18が対向配置された固定側接点12と可動側接点13を囲繞するように設けられている。
【0023】
ガイド19は熱可塑性合成樹脂等から製作されており、真空ロウ付による真空封止後、可動側フランジ6に取り付けられている。可動側電極棒9とガイド19が摺動部となることにより、ガイド19に軸受け機能を持たせている。
【0024】
上述したとおり、固定側スペーサ16は固定側補強板14と固定側接点12の間に設けられ、可動側スペーサ17は可動側補強板15と可動側接点13の間に設けられている。図2にこの発明の実施の形態1に関わる固定側スペーサ16および可動側スペーサ17の構造を示す。この発明の実施の形態1に関わる固定側スペーサ16および可動側スペーサ17は、ステンレス鋼、インコネル等の電気抵抗の高い金属の板材からそれぞれ製作される。固定側スペーサ16および可動側スペーサ17は、図2に示すように、中央から外周側に折り曲げられて形成された半円形状の構造を呈しており、固定側スペーサ16および可動側スペーサ17の内周部は大きな空間16a,17aを有している。
【0025】
このように、固定側スペーサ16を固定側補強板14と固定側接点12の間に配置したことにより、固定側補強板14と固定側接点12との間には空間20が形成され、可動側スペーサ17を可動側補強板15と可動側接点13の間に配置したことにより、可動側補強板15と可動側接点13との間には空間21が形成される。ここで、固定側スペーサ16は固定側補強板14と固定側接点12の両方にロウ付等により固着されて良いし、固定側補強板14のみ、もしくは固定側接点12のみにロウ付によって固着させても構わない。また、可動側スペーサ17は可動側補強板15と可動側接点13の両方にロウ付等により固着されて良いし、可動側補強板15のみ、もしくは可動側接点13のみにロウ付によって固着させても構わない。
【0026】
また、図2図3に示すように、固定側接点12及び可動側接点13の外径をa、固定側スペーサ16および可動側スペーサ17の外径をbとした場合、固定側接点12及び可動側接点13−アークシールド18間の電界強度を考慮し、a≧bとして固定側接点12及び可動側接点13の外径よりも固定側スペーサ16および可動側スペーサ17の外径を小さくすることが好ましい。また、図2図3に示すように、固定側スペーサ16および可動側スペーサ17の板厚をcとした場合、固定側スペーサ16および可動側スペーサ17の曲げ半径eはe≧c、すなわち、板材の曲げ半径eは板材の板厚cと同じかそれ以上とすることが固定側スペーサ16および可動側スペーサ17の板材の強度の観点から好ましく、その時の空間20,21の高さ寸法dはd≧4c(板在の板厚c+曲げ半径e+曲げ半径e+板在の板厚c)となる。
【0027】
このように構成された固定側スペーサ16および可動側スペーサ17は縮みしろを持った構成となり、接点閉極時に固定側接点12と可動側接点13をより馴染みやすくし、接点表面の接触面積を広げることで真空バルブの接触抵抗を低減させることができる。接触抵抗を低減させることで、真空バルブの固定側電極棒8や可動側電極棒9を細径化することが可能となり、真空バルブの軽量化、コスト削減に繋がる。また、接触抵抗を低減させたことで、開閉器本体の接圧荷重の低減及び放熱構造の簡略化が可能となり、開閉器本体のコスト削減にも繋がる。
【0028】
固定側接点12と固定側補強板14との間に空間20及び可動側接点13と可動側補強板15との間に空間21をそれぞれ設けたことで、電流遮断を繰り返し、対向する接点表面の風車溝が埋まったとしても、固定側接点12及び可動側接点13の裏側の風車溝は健在であるため、継続して電流遮断が可能となる。遮断寿命を向上させるために、接点の大型化やアークシールドの材料変更を実施する必要が無くなり、真空バルブの大形化、コスト増大を抑制することが可能となる。
【0029】
また、この発明の実施の形態1における固定側スペーサ16および可動側スペーサ17は、プレス加工により容易に製作することができるので、加工費用も安価に抑えることができる。
【0030】
また、上述した従来の真空バルブでは、遮断寿命を向上させるために接点径を大きくする、若しくはアークシールドをCuやCuCr等の熱伝導率の高い材料に変更する必要があったが、この発明の実施の形態1によれば、真空バルブの大形化、コスト増大を抑制することが可能となる。また、電流遮断の繰り返しに伴う電流遮断性能低下を抑制し、遮断寿命を向上した真空バルブを得ることができる。
【0031】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2を図4から図6に基づいて説明するが、各図において、同一、または相当部材、部位については同一符号を付して説明する。図4はこの発明の実施の形態2に係わる真空バルブを示す断面図である。図5はこの発明の実施の形態2に係わる真空バルブにおけるスペーサを示す断面図(a)と斜視図(b)である。図6はこの発明の実施の形態2に係わる真空バルブを示す要部断面図である。
【0032】
この発明の実施の形態2は、上述したこの発明の実施の形態1における固定側スペーサ16および可動側スペーサ17以外についてはその構成が同様であるため、詳細な説明は省略する。この発明の実施の形態2においては、固定側スペーサ16および可動側スペーサ17に替えて固定側スペーサ22および可動側スペーサ23としたものである。固定側スペーサ22および可動側スペーサ23は、図5に示すように、外周側から中央側に折り曲げられて形成された半円形状の構造を呈しており、固定側スペーサ22および可動側スペーサ23の内周部は大きな空間22a,23aを有している。
【0033】
固定側スペーサ22および可動側スペーサ23は、環状に形成されて固定側接点12および可動側接点13の外周部を支持している。そして、固定側スペーサ22および可動側スペーサ23は、薄板を折り曲げて断面を上述したこの発明の実施の形態1とは逆方向のU字状に形成されている。
【0034】
そして、固定側スペーサ22を固定側補強板14と固定側接点12の間に配置したことにより、固定側補強板14と固定側接点12との間には空間20が形成され、可動側スペーサ23を可動側補強板15と可動側接点13の間に配置したことにより、可動側補強板15と可動側接点13との間には空間21が形成される。ここで、固定側スペーサ22は固定側補強板14と固定側接点12の両方にロウ付等により固着されて良いし、固定側補強板14のみ、もしくは固定側接点12のみにロウ付によって固着させても構わない。また、可動側スペーサ23は可動側補強板15と可動側接点13の両方にロウ付等により固着されて良いし、可動側補強板15のみ、もしくは可動側接点13のみにロウ付によって固着させても構わない。
【0035】
また、図5図6に示すように、上述したこの発明の実施の形態1と同様に、固定側接点12及び可動側接点13の外径をa、固定側スペーサ22および可動側スペーサ23の外径をbとした場合、固定側接点12及び可動側接点13−アークシールド18間の電界強度を考慮し、a≧bとして固定側接点12及び可動側接点13の外径よりも固定側スペーサ22および可動側スペーサ23の外径を小さくすることが好ましい。また、図5図6に示すように、固定側スペーサ22および可動側スペーサ23の板厚をcとした場合、固定側スペーサ22および可動側スペーサ23の曲げ半径eはe≧c、すなわち、板材の曲げ半径eは板材の板厚cと同じかそれ以上とすることが固定側スペーサ22および可動側スペーサ23の板材の強度の観点から好ましく、その時の空間20,21の高さ寸法dはd≧4c(板在の板厚c+曲げ半径e+曲げ半径e+板在の板厚c)となる。
【0036】
このように構成された固定側スペーサ22および可動側スペーサ23は縮みしろを持った構成となり、接点閉極時に固定側接点12と可動側接点13をより馴染みやすくし、接点表面の接触面積を広げることで真空バルブの接触抵抗を低減させることができる。接触抵抗を低減させることで、真空バルブの固定側電極棒8や可動側電極棒9を細径化することが可能となり、真空バルブの軽量化、コスト削減に繋がる。また、接触抵抗を低減させたことで、開閉器本体の接圧荷重の低減及び放熱構造の簡略化が可能となり、開閉器本体のコスト削減にも繋がる。
【0037】
固定側接点12と固定側補強板14の間に空間20及び可動側接点13と可動側補強板15の間に空間21を設けたことで、電流遮断を繰り返し、対向する接点表面の風車溝が埋まったとしても、固定側接点12及び可動側接点13の裏側の風車溝は健在であるため、継続して電流遮断が可能となる。遮断寿命を向上させるために、接点の大型化やアークシールドの材料変更を実施する必要が無くなり、真空バルブの大形化、コスト増大を抑制することが可能となる。
【0038】
また、この発明の実施の形態1における固定側スペーサ22および可動側スペーサ23は、プレス加工により容易に製作することができるので、加工費用も安価に抑えることができる。
【0039】
また、この発明の実施の形態2においても、上述した発明の実施の形態1と同様に、真空バルブの大形化、コスト増大を抑制することが可能となる。また、電流遮断の繰り返しに伴う電流遮断性能低下を抑制し、遮断寿命を向上した真空バルブを得ることができる。
【0040】
実施の形態3.
この発明の実施の形態3を図7から図9に基づいて説明するが、各図において、同一、または相当部材、部位については同一符号を付して説明する。図7はこの発明の実施の形態3に係わる真空バルブを示す断面図である。図8はこの発明の実施の形態3に係わる真空バルブにおける補強板を示す断面図(a)と斜視図(b)である。図9はこの発明の実施の形態3に係わる真空バルブを示す要部断面図である。
【0041】
この発明の実施の形態3は、上述したこの発明の実施の形態1および実施の形態2における固定側スペーサ16および可動側スペーサ17、固定側スペーサ22および可動側スペーサ23、固定側補強板14および可動側補強板15以外についてはその構成が同様であるため、詳細な説明は省略する。この発明の実施の形態3においては、固定側スペーサ16および可動側スペーサ17、固定側スペーサ22および可動側スペーサ23、固定側補強板14および可動側補強板15に替えて、固定側補強板24および可動側補強板25としたものである。すなわち、固定側補強板24および可動側補強板25にスペーサの機能を持たせたものである。
【0042】
図8にこの発明の実施の形態3に係わる固定側補強板24および可動側補強板25の構造を示す。この発明の実施の形態3に係わる固定側補強板24および可動側補強板25は、ステンレス鋼等の電気抵抗の高い金属の板材から製作される。固定側補強板24および可動側補強板25は、図8に示すように、端部を外周側から中央側に半円形状に折り曲げて形成された折曲部24a,25aを形成し、固定側補強板24および可動側補強板25の底部24b,25bの中央部は固定側電極棒8の小径部8aおよび可動側電極棒9の小径部9aに嵌め合わされる嵌合部24c,25cが形成されている。
【0043】
固定側補強板24は、図7に示すように、固定側接点12と固定側電極棒8の段付き部8bとの間で嵌合部24cが固定側電極棒8の小径部8aに嵌め合わされ、固定側補強板24の底部24bが固定側電極棒8の段付き部9bと接触し、固定側補強板24の折曲部24aが固定側接点12と接触してその折曲部24aで固定側接点12を支持している。
【0044】
可動側補強板25は、図7に示すように、可動側接点13と可動側電極棒9の段付き部9bとの間で嵌合部25cが可動側電極棒9の小径部9aに嵌め合わされ、可動側補強板25の底部25bが可動側電極棒9の段付き部9bと接触し、可動側補強板25の折曲部25aが可動側接点13と接触してその折曲部25aで可動側接点13を支持している。
【0045】
このように、固定側補強板24を固定側接点12と固定側電極棒8の段付き部8bとの間に配置したことにより、固定側補強板24の底部24bと固定側接点12との間には空間26が形成され、可動側補強板25を可動側接点13と可動側電極棒9の段付き部9bとの間に配置したことにより、可動側補強板25の底部25bと可動側接点13との間には空間27が形成される。
【0046】
ここで、固定側補強板24が、固定側接点12および固定側電極棒8の段付き部8bの両方にロウ付等により固着されて良く、可動側補強板25が、可動側接点13および可動側電極棒9の段付き部9bの両方にロウ付等により固着されて良い。また、固定側補強板24の底部24bが固定側電極棒8の段付き部8bにロウ付等により固着されている場合は、固定側補強板24の折曲部24aと固定側接点12は接触させるのみで構わない。可動側補強板25の底部25bが可動側電極棒9の段付き部9bにロウ付等により固着されている場合は、可動側補強板25の折曲部25aと可動側接点13は接触させるのみで構わない。さらに、固定側補強板24の折曲部24aと固定側接点12が固着されている場合は、固定側補強板24の底部24bは固定側電極棒8の段付き部8bと接触させるのみで構わない。可動側補強板25の折曲部25aと可動側接点13が固着されている場合は、可動側補強板25の底部25bは可動側電極棒9の段付き部9bと接触させるのみで構わない。
【0047】
また、図8図9に示すように、固定側接点12及び可動側接点13の外径をa、固定側補強板24および可動側補強板25の外径をbとした場合、固定側接点12及び可動側接点13−アークシールド18間の電界強度を考慮し、a≧bとして固定側接点12及び可動側接点13の外径よりも固定側補強板24および可動側補強板25の外径を小さくすることが好ましい。また、図8図9に示すように、固定側補強板24および可動側補強板25の板厚をcとした場合、固定側補強板24および可動側補強板25の曲げ半径eはe≧c、すなわち、板材の曲げ半径eは板材の板厚cと同じかそれ以上とすることが固定側補強板24および可動側補強板25の板材の強度の観点から好ましく、その時の空間26,27の高さ寸法dはd≧4c(板在の板厚c+曲げ半径e+曲げ半径e+板在の板厚c)となる。
【0048】
このように構成された固定側補強板24および可動側補強板25に折曲部24a,25aを設けたことにより、固定側補強板24および可動側補強板25に僅かに縮みしろを持たせることで、接点閉極時に固定側接点12と可動側接点13をより馴染みやすくし、接点表面の接触面積を広げることで真空バルブの接触抵抗を低減させることができる。接触抵抗を低減させることで、真空バルブの固定側電極棒8や可動側電極棒9を細径化することが可能となり、真空バルブの軽量化、コスト削減に繋がる。また、接触抵抗を低減させたことで、開閉器本体の接圧荷重の低減及び放熱構造の簡略化が可能となり、開閉器本体のコスト削減にも繋がる。
【0049】
固定側接点12と固定側補強板24の底部24bとの間に空間26及び可動側接点13と可動側補強板25の底部25bとの間に空間27をそれぞれ設けたことで、電流遮断を繰り返し、対向する接点表面の風車溝が埋まったとしても、固定側接点12及び可動側接点13の各補強板側の風車溝は健在であるため、継続して電流遮断が可能となる。遮断寿命を向上させるために、接点の大型化やアークシールドの材料変更を実施する必要が無くなり、真空バルブの大形化、コスト増大を抑制することが可能となる。
【0050】
また、この発明の実施の形態3における固定側補強板24および可動側補強板25では丸みを持たせた折曲部24a,25aを設けたことで、固定側接点12及び可動側接点13の裏側の電界緩和を図ることも可能となる。
【0051】
また、この発明の実施の形態3における固定側補強板24および可動側補強板25は、プレス加工により容易に製作することができるので、加工費用も安価に抑えることができる。
【0052】
実施の形態4.
上述したこの発明の実施の形態1及び実施の形態2においては、固定側スペーサ16,22および可動側スペーサ17,23は薄板を断面U字状に折り曲げたものを円環状に形成したものを示したが、例えば断面をI字状として全体を頂部の無い円錐状に形成したものであっても上述したこの発明の実施の形態1及び実施の形態2と同様の効果を奏する。
【0053】
この発明の実施の形態4を図10から図12に基づいて説明するが、各図において、同一、または相当部材、部位については同一符号を付して説明する。図10はこの発明の実施の形態4に係わる真空バルブを示す断面図である。図11はこの発明の実施の形態4に係わる真空バルブにおける補強板を示す断面図(a)と斜視図(b)である。図12はこの発明の実施の形態4に係わる真空バルブを示す要部断面図である。
【0054】
この発明の実施の形態4は、円錐形状に構成した固定側補強板28および可動側補強板29としたものである。すなわち、固定側補強板28および可動側補強板29にスペーサの機能を持たせたものである。
【0055】
図11にこの発明の実施の形態4に係わる固定側補強板28および可動側補強板29の構造を示す。この発明の実施の形態4に係わる固定側補強板28および可動側補強板29は、ステンレス鋼等の電気抵抗の高い金属の板材から製作され、円錐形状に構成されている。すなわち、固定側補強板28の外周部28aから内周部28bに向けた円錐形状に構成され、可動側補強板29の外周部29aから内周部29bに向けた円錐形状に構成されている。そして、固定側補強板28および可動側補強板29の内周部28b,29bの中央部は固定側電極棒8の小径部8aおよび可動側電極棒9の小径部9aに嵌め合わされる嵌合部28c,29cが形成されている。
【0056】
円錐形状に構成された固定側補強板28は、図10に示すように、固定側接点12と固定側電極棒8の段付き部8bとの間で嵌合部28cが固定側電極棒8の小径部8aに嵌め合わされ、固定側補強板28の内周部28bが固定側電極棒8の段付き部9bと接触し、
固定側補強板28の外周部28aが固定側接点12と接触してその外周部28aで固定側接点12を支持している。
【0057】
円錐形状に構成された可動側補強板29は、図10に示すように、可動側接点13と可動側電極棒9の段付き部9bとの間で嵌合部29cが可動側電極棒9の小径部9aに嵌め合わされ、可動側補強板29の内周部29bが可動側電極棒9の段付き部9bと接触し、可動側補強板29の外周部29aが可動側接点13と接触してその外周部29aで可動側接点13を支持している。
【0058】
このように、固定側補強板28を固定側接点12と固定側電極棒8の段付き部8bとの間に配置したことにより、固定側接点12と固定側電極棒8の段付き部8bとの間には空間30が形成され、可動側補強板29を可動側接点13と可動側電極棒9の段付き部9bとの間に配置したことにより、可動側接点13と可動側電極棒9の段付き部9bとの間には空間31が形成される。
【0059】
ここで、固定側補強板28が、固定側接点12および固定側電極棒8の段付き部8bの両方にロウ付等により固着されて良く、可動側補強板29が、可動側接点13および可動側電極棒9の段付き部9bの両方にロウ付等により固着されて良い。また、固定側補強板28の内周部28bが固定側電極棒8の段付き部8bにロウ付等により固着されている場合は、固定側補強板28の外周部28aと固定側接点12は接触させるのみで構わない。可動側補強板29の内周部29bが可動側電極棒9の段付き部9bにロウ付等により固着されている場合は、可動側補強板29の外周部29aと可動側接点13は接触させるのみで構わない。さらに、固定側補強板28の外周部28aと固定側接点12が固着されている場合は、固定側補強板28の内周部28bは固定側電極棒8の段付き部8bと接触させるのみで構わない。可動側補強板29の外周部29aと可動側接点13が固着されている場合は、可動側補強板29の内周部29bは可動側電極棒9の段付き部9bと接触させるのみで構わない。
【0060】
このように固定側補強板28および可動側補強板29を円錐形状に構成したことにより、固定側補強板28および可動側補強板29に皿ばねのような僅かに縮みしろを持たせることで、接点閉極時に固定側接点12と可動側接点13をより馴染みやすくし、接点表面の接触面積を広げることで真空バルブの接触抵抗を低減させることができる。接触抵抗を低減させることで、真空バルブの固定側電極棒8や可動側電極棒9を細径化することが可能となり、真空バルブの軽量化、コスト削減に繋がる。また、接触抵抗を低減させたことで、開閉器本体の接圧荷重の低減及び放熱構造の簡略化が可能となり、開閉器本体のコスト削減にも繋がる。
【0061】
固定側接点12と固定側電極棒8の段付き部8bとの間に空間30および可動側接点13と可動側電極棒9の段付き部9bとの間に空間31をそれぞれ設けたことで、電流遮断を繰り返し、対向する接点表面の風車溝が埋まったとしても、固定側接点12及び可動側接点13の各補強板側の風車溝は健在であるため、継続して電流遮断が可能となる。遮断寿命を向上させるために、接点の大型化やアークシールドの材料変更を実施する必要が無くなり、真空バルブの大形化、コスト増大を抑制することが可能となる。
【0062】
この実施の形態4においては、円錐形状に構成した固定側補強板28を固定側接点12と固定側電極棒8の段付き部8bとの間に配置し、円錐形状に構成した可動側補強板29を可動側接点13と可動側電極棒9の段付き部9bとの間に配置した場合について述べたが、上述した実施の形態1および実施の形態2における固定側スペーサ16および可動側スペーサ17、固定側スペーサ22および可動側スペーサ23に替えて、この実施の形態4における円錐形状に構成した固定側補強板28および可動側補強板29とすることもで
き、同様の効果を奏する。
【0063】
実施の形態5.
また、上述したこの発明の実施の形態1及び実施の形態2で示した円環状の固定側スペーサ16,22および可動側スペーサ17,23において、円周方向に沿って多数の孔またはスリットを形成することにより、固定側スペーサ16,22および可動側スペーサ17,23の軸方向の剛性を低下させることができる。また、上述したこの発明の実施の形態3で示した固定側補強板24および可動側補強板25において、円周方向に沿って多数の孔またはスリットを形成することにより、固定側補強板24および可動側補強板25の軸方向の剛性を低下させることができる。これらの結果、接点閉合時の固定側接点12及び可動側接点13の変位を容易化し、前記両接点間の接触面積を大きくすることで接点接触部の接触抵抗を低下させることができる。
【0064】
図13はこの発明の実施の形態5に係わる真空バルブにおけるスペーサを示す斜視図である。すなわち、上述した実施の形態1における固定側スペーサ16および可動側スペーサ17にスリット32を形成したものであり、固定側スペーサ16および可動側スペーサ17の軸方向の剛性を低下させることができる。
【0065】
また、上述した各実施の形態においては、風車形接点の例で説明したが、平板形接点あるいはコントレート形接点であっても、接触面の増加により接触抵抗を低下するという効果は、上述した各実施の形態と同様に得ることができる。
【0066】
なお、この発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0067】
この発明は、開閉接点の接触抵抗を低減し、遮断寿命の向上を図ることができる真空バルブの実現に好適である。
【符号の説明】
【0068】
4 絶縁筒、8 固定側電極棒、9 可動側電極棒、12 固定側接点、
13 可動側接点、14 固定側補強板、15 可動側補強板、16 固定側スペーサ、17 可動側スペーサ、20 空間、21 空間、22 固定側補強板、23 可動側補強板、24 固定側補強板、25 可動側補強板、26 空間、27 空間、28 固定側補強板、29 可動側補強板、30 空間、
31 空間。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14