(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記キートップは、前記プレート部に対向する主面と、前記主面から前記プレート部に向けて突出し前記主面と前記プレート部とによって挟み込まれるように設けられたスペーサとしての突出部とを含み、
前記突出部は、前記プレート部の外縁に達しないように前記外縁よりも内側に設けられている、請求項1から4のいずれか1項に記載のキー装置。
前記突出部は、前記主面の法線方向から見た場合に、前記キートップの外形形状に相似であり、前記キートップの前記外縁よりも内側に位置し、かつ前記主面の中心位置を中心とする領域内に設けられている、請求項5に記載のキー装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年、電子機器の軽量化、薄型化に伴い、これらに付設されるキー装置も薄型化が要求されている。加えて、優れたデザイン性も要求されている。
【0008】
特許文献1にあっては、中央キートップおよび周囲キートップを弾性的に支持する中央ヒンジ部および周囲ヒンジ部は、一端側が中央枠および周囲枠に連結され、他端側が中央キートップの外面および周囲キートップの外面に連結される。このため、中央枠と中央キートップとの間および周囲枠と周囲キートップとの間に隙間が形成される。デザイン性を向上させるためには、上述の隙間を目隠しするためにキートップとは別部材のパネルカバーが必要となり、その構造は複雑となる。
【0009】
特許文献2に開示のキー装置においては、キーは、キートップとスライド棒とによって構成されており、案内装置を用いてスライド棒の移動を案内することにより、安定してキーを上下方向に移動させる。このため、特許文献2に開示のキー装置においては、薄型化が困難である。
【0010】
また、薄型化に対応させて、スライド棒および案内装置を省略し、平板のキートップとスイッチとの間にゴムキーを介在させることも可能であるが、このような構成とした場合には、ゴムキー上においてキートップが横方向へずれてしまうという問題がある。
【0011】
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、簡易な構成を有し、薄型化を実現しつつ、キー入力時にキートップの横ズレを防止し、キー入力を確実に行なうことができるキー装置およびこれを備えた電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に基づくキー装置は、基板と、上記基板上に設けられたスイッチと、上記スイッチの上方に設けられたキートップと、上記基板を内部に収容するとともに上記キートップが配置される開口部を含む筐体に設けられ、上記キートップを支持する樹脂製のキートップ支持部と、を備え、上記キートップ支持部は、上記開口部の周縁から上記開口部内に向けて延びる梁部と、上記梁部の先端に連設されたプレート部とを含み、上記スイッチと上記キートップとの間に位置するように設けられ、上記キートップは、上記梁部が撓み変形することにより上昇位置と下降位置との間で昇降自在に上記キートップ支持部に支持され、上記スイッチは、上記キートップが押下されることにより上記キートップの下降動作に連動して下降する上記キートップ支持部によって押圧され、上記キートップは、上記プレート部に嵌合されている。
上記キートップ支持部は、上記キートップが押下される前の状態において、先端側が上記キートップに近づくように傾斜している。上記キートップは、上記開口部の周囲に位置する上記筐体の内表面に引っ掛かるフック部を含む。
【0013】
上記本発明に基づくキー装置にあっては、上記梁部は、上記プレート部側とは反対側に位置する一端が上記開口部の上記周縁に連設された片持ち梁構造を有することが好ましい。
【0014】
上記本発明に基づくキー装置にあっては、上記プレート部が略円形形状を有することが好ましい。
【0015】
上記本発明に基づくキー装置にあっては、上記キートップは、略矩形形状を有することが好ましい。
【0016】
上記本発明に基づくキー装置にあっては、上記キートップは、上記プレート部に対向する主面と、上記主面から上記プレート部に向けて突出し上記主面と上記プレート部とによって挟み込まれるように設けられたスペーサとしての突出部とを含んでいてもよい。この場合には、上記突出部は、上記プレート部の外縁に達しないように上記外縁よりも内側に設けられていることが好ましい。
【0017】
上記本発明に基づくキー装置にあっては、上記突出部は、上記主面の法線方向から見た場合に、上記キートップの外形形状に相似であることが好ましく、上記キートップの上記外縁よりも内側に位置し、かつ上記主面の中心位置を中心とする領域内に設けられていることが好ましい。
【0018】
上記本発明に基づくキー装置にあっては、上記キートップは、略矩形形状であることが好ましく、上記突出部は、上記領域の対角線上に設けられていることが好ましい。
【0020】
上記本発明に基づくキー装置にあっては、上記キートップは、上記開口部内において互いに隣り合うように列状に複数設けられていてもよい。この場合には、上記キートップ支持部は、上記複数のキートップに対応して複数設けられることが好ましい。さらに、上記複数のキートップ支持部のそれぞれは、上記複数のキートップが並ぶ方向と交差する方向における上記開口部の上記周縁から上記開口部内に向けて延出するように設けられていることが好ましい。
【0021】
上記本発明に基づくキー装置にあっては、上記複数のキートップのそれぞれは、互いに異なる形状を有する嵌合部を有することが好ましく、上記複数のキートップ支持部のそれぞれは、上記嵌合部に嵌合する被嵌合部を有することが好ましい。この場合には、上記複数の被嵌合部は、対応する上記嵌合部に応じた形状を有することが好ましい。
【0022】
本発明に基づく電子機器は、上記のいずれかに記載のキー装置と、上記キー装置から入力された情報に基づいて画像を表示する表示部とを備える。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、簡易な構成を有し、薄型化を実現しつつ、キー入力時にキートップの横ズレを防止し、キー入力を確実に行なうことができるキー装置およびこれを備えた電子機器を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。以下に示す実施の形態においては、電子機器として、電子辞書を例示して説明を説明する。また、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
【0026】
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態に係る電子辞書の概略図である。
図2は、
図1に示すII−II線に沿った電子辞書の断面図である。
図3は、
図1に示すIII−III線に沿った電子機器の断面図である。
図1から
図3を参照して、本実施の形態に係る電子辞書1について説明する。
【0027】
図1から
図3に示すように、本実施の形態に係る電子辞書1は、表示部11を収容する第1の筐体10と、電源スイッチとしてのキー装置2a、ファンクションキーとしての各種キー装置2b〜2i、文字キー3a、カーソルキー3b、および決定キー3c等が配設された第2の筐体20と、各種キーに対応するスイッチが設けられた基板50と、ヒンジ機構15とを備える。
【0028】
第1の筐体10は、ヒンジ機構15によって結合され、開閉可能になっている。表示部11には、キー装置2b〜2iを含む各種キーから入力された情報に基づいて画像を表示する。第2の筐体20は、フロントケース21およびリアケース22とを含む。第2の筐体20は、内部に基板50を収容する。
【0029】
フロントケース21は、略矩形形状を有する開口部23,24,25a,25b,25cおよび開口部23と開口部24とを分離する分離部26と含む。開口部23には、キー装置2aのキートップ30aが配置されている。開口部24には、キー装置2b〜2iのキートップ30b〜30iが配置されている。これら複数のキートップ30b〜30iは互いに隣り合うように列状に配置されている。また、複数のキートップ30b〜30iのそれぞれは、平面視した場合にほぼ同一の大きさの形状を有する。開口部25a,25b,25cには、文字キー3a、カーソルキー3b、および決定キー3cのキートップ40a,40b,40cが配置される。
【0030】
図4は、キー装置の詳細な構成を示す電子辞書の斜視断面図である。
図4を参照して、キー装置2eの詳細な構成について説明する。なお、キー装置2a〜2iは、ほぼ同様の構成を有するため、キー装置2eに着目してその詳細な構成について説明する。
【0031】
図4に示すように、キー装置2eは、基板50、スイッチ54、キートップ30e、およびキートップ支持部27eを含む。基板50は、各種の電子部品が実装された配線基板等によって構成される。また、基板50上には、スイッチ54が設けられている。
【0032】
スイッチ54は、基板50上に配置された金属板51に設けられたドーム形状のメタルドーム52と、メタルドーム52に対応して基板50上に設けられた固定接点53とによって構成されている。スイッチ54は、各キー装置2a〜2iに対応して基板50上に複数設けられる。
【0033】
キートップ30eは、スイッチ54の上方に設けられている。キートップ30eは、樹脂部材によって構成されている。樹脂部材としては、ABS樹脂、PC(polycarbonate)樹脂等を採用することができる。
【0034】
キートップ30eは、略矩形形状を有する。キートップ30eは、キートップ支持部27eを覆うように開口部24内に配置されている。キートップ30eは、キートップ支持部27eに嵌合している。
【0035】
キートップ支持部27eは、スイッチ54とキートップ30eとの間に位置するように設けられている。キートップ支持部27eは、キートップ30eを支持するものである。キートップ支持部27eは、第2の筐体20に設けられた開口部24の周縁に設けられている。
【0036】
キートップ支持部27eは、樹脂部材によって構成されている。樹脂部材としては、ABS樹脂、PC(polycarbonate)樹脂等を採用することができる。キートップ支持部27eは、射出成形等によって第2の筐体20と一体に形成されていることが好ましい。
【0037】
キートップ支持部27eは、梁部27e1(
図5参照)およびプレート部27e2(
図5参照)を含む。梁部27e1は、開口部24の周縁から開口部24内に向けて延びるように設けられている。梁部27e1は、一端側が周縁に連設され、他端側がプレート部27e2に連設される。梁部27e1は、プレート部27e2側とは反対側に位置する一端が開口部24の周縁に連設された片持ち梁構造を有することが好ましい。
【0038】
プレート部27e2は、梁部27e1の一端側と反対側に位置する他端側(梁部27e1の先端側)に連設されている。プレート部27e2の下面27e4の略中央部には、下方(スイッチ54側)に向けて突出する突起部29が設けられている。
【0039】
プレート部27e2の周囲には、フロントケース21の一部を構成する板状部21cが設けられている。この板状部21cは、開口部24内に配置されるとともに、プレート部27e2を収容する切欠き部を有する。これにより、プレート部27e2と板状部21cとの間には隙間が形成されている。
【0040】
プレート部27e2の側周面は、この周囲に位置する板状部21cの切欠き面に対して上方に傾斜するように設けられている。すなわち、キートップ支持部27eは、その先端側がキートップ30eに近づくように傾斜して設けられている。
【0041】
このようにキートップ支持部27eを傾斜して構成することにより、後述するようにキートップ30eを嵌合固定する際に、プレート部27e2をキートップ30e側に向けて押し付けることができる。これにより、キートップ30eのぐらつきをなくして安定して固定することができる。
【0042】
キートップ30eは、梁部27e1が撓み変形することにより上昇位置と下降位置との間で昇降自在にキートップ支持部27eに支持される。キートップ30eが押下されることにより、キートップ30eの下降動作に連動して、キートップ支持部27eのプレート部27e2も下降する。これにより、スイッチ54がキートップ支持部27eによって押圧される。
【0043】
この際、キートップ支持部27eの突起部29がメタルドーム52の頂点部近傍を押圧し、これにより、メタルドーム52が弾性変形をする。メタルドーム52の変形量が一定程度を超えると、メタルドーム52の一部が凹み下方側に向けて凸形状となる。これによって、メタルドーム52と固定接点53とが接触し、キー信号が入力される。
【0044】
キートップ30eの押下が終了し、キートップ30eへの負荷が除去されると、メタルドーム52が元のドーム形状に復帰するともに、梁部27e1の撓み変形も撓み前の状態に復帰する。これにより、キートップ30eの位置が、メタルドーム52の一部が固定接点53と接触することとなる下降位置から、キートップ支持部27eの突起部29とメタルドーム52とが非接触となる上昇位置に戻る。
【0045】
図5は、
図4に示すフロントケースのおもて面側を示す図である。
図6は、
図4に示すフロントケースのうら面側を示す図である。
図5および
図6を参照して、キートップ支持部27a〜27iの詳細な構成について説明する。
【0046】
図5および
図6に示すように、フロントケース21は、おもて面21aおよびうら面21bを有する。開口部23,24,25a,25b,25cは、おもて面21aからうら面21bにかけて貫通するように設けられている。
【0047】
開口部23と開口部24は、分離部26によって隔てられており、開口部24は、第2の筐体20の左右方向に延在するように設けられている。キートップ支持部27aは、開口部23の周縁となる第2の筐体20の開口端面のうち後方側(ヒンジ側)に位置する部分に設けられている。キートップ支持部27aは、開口部23を規定する後方側の開口端面において上下方向の途中領域に設けられている。
【0048】
複数のキートップ支持部27b〜27iは、開口部24の周縁となる第2の筐体20の開口端面のうち後方側(ヒンジ側)に位置する部分に連設するように設けられている。複数のキートップ支持部27b〜27iは、開口部24を規定する後方側の開口端面において上下方向の途中領域に設けられている。なお、複数のキートップ支持部27b〜27iは、第2の筐体20の開口端面のうち前方側(ヒンジ側と反対側)に連設するように設けられていてもよい。
【0049】
複数のキートップ支持部27b〜27iは、複数のキートップ30b〜30iに対応して列状に並ぶように設けられている。複数のキートップ支持部27b〜27iは、第2の筐体20の左右方向(開口部24が延在する方向)に間隔をあけて並ぶように設けられている。複数のキートップ支持部27b〜27iのそれぞれは、複数のキートップ支持部27b〜27iが並ぶ方向と交差する方向における開口部24の周縁から開口部24内に向けて延出するように設けられている。
【0050】
キートップ支持部27a〜27iは、梁部27a1〜27i、プレート部27a2〜27i2および突起部29を含む。突起部29は、各キートップ支持部27a〜27iのプレート部27a2〜27i2の下面27a4〜27i4の略中央部から下方に向けて突出するように設けられている。突起部29は、上述のように、メタルドーム52を押圧可能に設けられている。
【0051】
梁部27a1〜27iは、略矩形形状を有する。プレート部27a2〜27i2は、略円形形状を有する。略円形形状とは、真円形、楕円形などの円形形状をいう。
【0052】
梁部27a1〜27i1が延在する方向と直交する方向におけるプレート部27a2〜27i2の幅は、梁部27a1〜27i1が延在する方向と直交する方向における梁部27a1〜27i1の幅よりも大きくなっている。
【0053】
梁部27a1〜27i1とプレート部27a2〜27i2との境界部は、湾曲形状であることが好ましい。具体的には、梁部27a1〜27i1が延在する方向と直交する方向における境界部の幅が、梁部27a1〜27i1が延在する方向において開口部24内側に向かうにつれて、大きくなるように境界部が湾曲することが好ましい。
【0054】
キートップ支持部27a〜27iのプレート部27a2〜27i2のそれぞれは、キートップ30a〜30iの下面(主面32a〜32i)と対向する上面(主表面27a3〜27i3)と、これら主表面27a3〜27i3上に設けられた被係合部としての貫通孔28a1〜28i1,28a2〜28i2を有している。
【0055】
言い換えると、各キートップ支持部は、2つの貫通孔により構成される被係合部を有する。2つの貫通孔は、キートップ支持部のプレート部の略中央位置に対して点対称となる位置に設けられることが好ましい。各キートップ支持部の有する2つの貫通孔の形状の組み合わせは、それぞれ異なっている。これにより、各キートップ支持部は、互いに異なる形状を有する被係合部を有する。
【0056】
これら貫通孔28a1〜28i1,28a2〜28i2は、キートップ30a〜30iが有する後述する嵌合部として嵌合突起部34a1〜34i1,34a2〜34i2(
図8参照)に対応する形状を有する。貫通孔28a1〜28i1,28a2〜28i2は、嵌合突起部34a1〜34i1,34a2〜34i2に嵌合する。
【0057】
このように、キートップ30a〜30iの嵌合突起部34a1〜34i1,34a2〜34i2が貫通孔28a1〜28i1,28a2〜28i2に嵌合されることにより、キートップ30a〜30iは、キートップ支持部27a〜27iに嵌合される。貫通孔28a1〜28i1,28a2〜28i2は、キートップ30a〜30iを配置する際の位置決めとしても機能し、キートップ30a〜30iを所定の位置に安定して配置させることができる。
【0058】
さらに、キートップ支持部27a〜27iおよびキートップ30a〜30iが樹脂部材にて構成されている。ゴムによって構成されるキートップ支持部上にキートップを配置する場合と比較して、キートップ30a〜30iを斜めに押した場合であっても、樹脂部材で形成されたキートップ支持部27a〜27iは、ゴムのように延びたりしないため、キートップ30a〜30iの横ずれを防止することができる。
【0059】
図7は、複数のキートップの表面側を示す図である。
図8は、複数のキートップの裏面側を示す図である。
図9は、キートップの側面側を示す図である。
図9においては、
図7および
図8に示す複数のキートップのうち1つのキートップにおける側面を図示している。
図7から
図9を参照して、キートップ30a〜30iの詳細な構成について説明する。
【0060】
図7から
図9に示すように、キートップ30a〜30iは、キートップ支持部27a〜27iのプレート部27a2〜27i2に対向する下面(主面32a〜32i)と、突出部33a〜33iと、嵌合部としての嵌合突起部34a1〜34i1,34a2〜34i2と、フック部35とを含む。
【0061】
突出部33a〜33iは、主面32a〜32iからプレート部27a2〜27i2に向けて突出し、主面32a〜32iとプレート部27a2〜27i2とによって挟み込まれるように設けられている。突出部33a〜33iは、スペーサとして機能する。突出部33a〜33iは、主面32a〜32iの中央位置からキートップ支持部27a〜27iのプレート部27a2〜27i2の外縁に達しないように当該プレート部27a2〜27i2の外縁よりも内側に設けられている。
【0062】
スペーサとして突出部33a〜33iを設けることにより、主面32a〜32iと基板50との間の距離が増加する。これにより、キートップ30a〜30iが基板50に対して傾斜するように押下された場合に、スペーサがない場合と比較して、キートップ30a〜30iが基板50に接触するまでの傾斜具合をさらに大きくすることができる。
【0063】
また、突出部33a〜33iをプレート部27a2〜27i2の外縁よりも内側に設けることにより、キートップ30a〜30iを傾斜させた場合でも、突出部33a〜33iが、キートップ支持部27a〜27iの周囲に隙間を隔てて位置するフロントケース21の板状部21cに引っ掛かることを防止できる。これにより、キートップ30a〜30iの端部を押しても中央部を押しても同じように安定して下方に移動させることができ、ユーザーにとって操作し易く押し易いキー構造となっている。
【0064】
これらの結果、キートップ30a〜30iが基板50に対して傾斜するように押下された場合にスイッチ54が押圧されなくなることを抑制することができる。
【0065】
さらに、突出部33a〜33iは、主面32a〜32iの法線方向から見た場合に、キートップ30a〜30iの外形形状に相似であり、キートップ30a〜30iの外縁よりも内側に位置し、かつ主面32a〜32iの中心位置を中心とする領域33R内に設けられていることが好ましい。本実施の形態においては、キートップ30a〜30iは、平面視略矩形形状を有しているため、領域33Rも矩形形状となる。
【0066】
このように、突出部33a〜33iが設けられる領域を特定することにより、キートップ30a〜30iが基板50に接触するまでの傾斜具合をより細かく調整することができる。
【0067】
加えて、突出部33a〜33iは、領域33Rの対角線上に設けられていることが好ましい。この場合には、突出部33a〜33iの体積を小さくすることができ、軽量化をさらに図ることが可能となる。また、たとえばキートップ30a〜30iの中心位置から最も遠い位置であるキートップ30a〜30iの角部を押下した場合であっても、スイッチ54が押圧される前に当該角部と基板50とが接触することを防止することができる。
【0068】
嵌合部としての嵌合突起部34a1〜34i1,34a2〜34i2は、キートップ30a〜30iの主面32a〜32i上に設けられている。
【0069】
言い換えると、各キートップは、2つの嵌合突起部により構成される嵌合部を有する。2つの嵌合突起部は、キートップの主面の中央位置に対して点対称となる位置に設けられることが好ましい。各キートップの有する2つの嵌合突起部の形状の組み合わせは、それぞれ異なっている。これにより、各キートップは、互いに異なる形状を有する嵌合部を有する。
【0070】
これら嵌合突起部34a1〜〜34i1,34a2〜34i2は、上述した被嵌合部としてのキートップ支持部27a〜27iの貫通孔28a1〜28i1,28a2〜28i2に嵌合する。
【0071】
上述のように嵌合部の形状が互いに異なることにより、類似する外観形状を有するキートップをキートップ支持部に嵌合させる際に、取り付け位置が間違えた状態でキートップがキートップ支持部に取付けられることを防止することができる。
【0072】
キートップ30aが有するフック部35は、開口部23の周囲に位置する第2の筐体20の内表面(フロントケース21のうら面21b)に引っ掛かるように設けられている。キートップ30b〜30iが有するフック部35は、開口部24の周囲に位置する第2の筐体20の内表面(フロントケース21のうら面21b)に引っ掛かるように設けられている。これにより、キートップ30a〜30iが容易に第2の筐体20から離脱することを防止することができる。
【0073】
以上のように、本実施の形態に係るキー装置2a〜2iは、撓み変形可能なキートップ支持部27a〜27iを設け、キートップ支持部27a〜27iを覆うようにキートップ支持部27a〜27iにキートップ30a〜30iを嵌合させた構成を有する。このため、キートップ30a〜30iとは別部材のパネルカバーを準備してキートップ支持部27a〜27iを覆う必要がなくなるため、キー装置2a〜2iの構造、ひいてはこれを備えた電子辞書1の構造を簡素化できる。
【0074】
また、キー装置2a〜2iは、キートップ支持部27a〜27iにキートップ30a〜30iを嵌合させた構成であるため、キー装置2a〜2iおよびこれを備える電子辞書1を容易に製造することができるとともに、キートップ30a〜30iの下方への移動を案内する移動案内部を設ける必要がなくなるため、薄型化を実現することができる。
【0075】
さらに、キートップ支持部27a〜27iが樹脂部材にて構成されている。これにより、キートップ30a〜30iが斜めに押下された場合であっても、キートップ支持部27a〜27iは、ゴムのように延びたりしないため、キートップ30a〜30iの横ずれを防止することができる。この結果、キー入力を確実に行なうことができる。
【0076】
また、複数のキートップ支持部27b〜27iが列状に並ぶように配置される場合には、これらに嵌合するキートップ30b〜30iは、互いに隣り合うように列状に配置される。これにより、キートップ30b〜30i間の隙間を狭くすることができ、狭額縁化が可能となり、デザイン性を向上させることができる。
【0077】
(実施の形態2)
図10は、本実施の形態に係る電子辞書に具備されるキー装置のキートップの裏面側を示す図である。なお、
図10においては、便宜上のためフック部を省略して図示している。
図10を参照して、本実施の形態に係る電子辞書に具備されるキー装置2A〜2Iについて説明する。
【0078】
図10に示すように、本実施の形態に係るキー装置2A〜2Iは、実施の形態1に係るキー装置2a〜2iと比較した場合に、キートップ30A〜30Iの形状が略円形状である点において相違する。その他の構成については、ほぼ同様である。この場合には、領域33Rも、キートップ30A〜30Iの形状の外形形状と相似形となり、略円形形状を有する。
【0079】
このような構成とした場合であっても、キー装置2A〜2Iは、撓み変形可能なキートップ支持部を設け、キートップ支持部を覆うようにして、キートップ支持部にキートップを嵌合させた構成を有する。このため、本実施の形態に係るキー装置2A〜2Iおよびこれを備えた電子辞書にあっても、実施の形態1とほぼ同様の効果が得られる。
【0080】
(実施の形態3)
図11は、本実施の形態に係る電子辞書に具備されるフロントケースのおもて面側を示す図である。
図11を参照して、本実施の形態に係る電子辞書に具備されるキー装置2A1〜2I1について説明する。
【0081】
図11に示すように、本実施の形態に係るキー装置2A1〜2I1は、実施の形態1に係るキー装置2a〜2iと比較した場合に、プレート部27a2〜27i2の形状が略矩形形状である点において相違する。その他の構成については、ほぼ同様である。
【0082】
このような構成とした場合であっても、キー装置2A1〜2I1は、撓み変形可能なキートップ支持部を設け、キートップ支持部を覆うようにして、キートップ支持部にキートップを嵌合させた構成を有する。このため、本実施の形態に係るキー装置2A1〜2I1およびこれを備えた電子辞書にあっても、実施の形態1とほぼ同様の効果が得られる。
【0083】
上述した実施の形態1から3においては、電子機器が電子辞書である場合を例示して説明したが、これに限定されず、パソコン、携帯電話、携帯用ゲーム機、小型テレビジョン受像器、ブルーレイディスプレイヤーおよびナビゲーションシステム等であってもよい。
【0084】
上述した実施の形態1から3においては、キートップ支持部において梁部とプレート部との境界部が湾曲形状である場合を例示して説明したが、これに限定されず、プレート部が梁部の先端において梁部に直交するように連設されていてもよい。なお、梁部とプレート部との境界部が湾曲形状である場合には、プレート部と梁部との境界部に作用する応力が一部に集中することを抑制し、当該応力を緩和させることができる。このため、繰り返し押下させた場合でも、キートップ支持部が破損することを防止でき、キートップ支持部の耐久性を向上させることができる。
【0085】
上述した実施の形態1から3においては、キートップとキートップ支持部とを嵌合させるためにキートップ側に設けられた嵌合部が突起形状であり、キートップ支持部側に設けられた被嵌合部が貫通孔である場合を例示して説明したが、これに限定されず、被嵌合部が嵌合凹部によって構成されていてもよい。さらに、嵌合部が凹部によって構成され、被嵌合部が突起形状で構成されてもよい。
【0086】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。