(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0015】
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置100の構成を説明するブロック図である。
【0016】
情報処理装置150は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)等のコンピュータ機器で、LAN(Local Area Network)等の通信インタフェースを介して画像形成装置100と接続されている。情報処理装置150と画像形成装置100は、ネットワークケーブルによって直接接続する形態の他、ネットワークハブを介して間接的に接続されても良く、或いは、インターネットやイントラネット等を介して間接的に接続されてもよい。また画像形成装置100と情報処理装置150の間を有線のネットワークケーブルで接続する他、無線で接続されてもよい。この情報処理装置150で動作するアプリケーションは、用紙のサイズや用紙の種別といった印刷設定や、図形や文字を描画するコマンドを、情報処理装置150で動作するプリンタドライバを介して画像形成装置100に送信する。このときプリンタドライバは、その印刷設定や描画コマンドに基づいて印刷ジョブを生成して画像形成装置100に対して印刷ジョブを発行する。
【0017】
画像形成装置100は、操作部101、コントローラボード(制御部)102、電源ユニット103、ハードディスク装置104、プリンタエンジン105を有する。また、画像形成装置100には、それぞれ用紙(シート)を収容する、オプションである複数の給紙カセット(オプションカセット)111,112,113が接続されている。このオプションカセットは、場合によっては無かったり、或いは4段以上を備える構成であったりする。また給紙段としては、画像形成装置100の中に設けられた給紙カセットのような給紙段の他に、画像形成装置100の本体横に設置した給紙デッキのような給紙段であってもよい。
【0018】
制御部102は、画像形成装置100の各部に指示信号を出力して、画像形成装置100全体の動作を制御する。この制御部102の詳細は、
図2を参照して説明する。
【0019】
操作部101は、画像形成装置100に対するユーザの指示を受け付け、また画像形成装置100の状態をユーザに通知する。操作部101は、指示を受け付けるための上ボタン121、実行ボタン122、下ボタン123、状態を通知するための表示部124等を有する表示パネルを備える。上ボタン121、下ボタン123は表示部124の画面上でカーソルの上下方向の移動を指示し、そのカーソルが指示している項目を変更するための操作ボタンである。実行ボタン122は、カーソルが指示している項目を選択して実行を指示する操作ボタンである。例えば、表示部124に選択項目A,選択項目B、選択項目Cが上から順に表示されているとき、カーソルが指示している項目は反転表示されることにより、他の指示されていない項目と識別できる。またそれぞれの項目は、表示部124に表示される画面を別の画面に切り替える機能と関連付けられていたり、或いは、設定値を変更する機能と関連付けられている。表示部124でカーソルが選択項目Bを指示している状態で実行ボタン122が押されると、選択項目Bに関連付けられている機能が実行される。また表示部124で、カーソルが選択項目Bを指示している状態で上ボタン121が押されると、カーソルは選択項目Aを指示した状態になり、この状態で実行ボタン122が押されると、選択項目Aに関連付けられている機能が実行される。また表示部124で、カーソルが選択項目Bを指示している状態で下ボタン123が押されると、そのカーソルは選択項目Cを指示した状態になり、この状態で実行ボタン122が押されると選択項目Cに関連付けられている機能が実行される。
【0020】
ここでは説明を簡略化するために、項目を変更するための上下ボタン121,123と、実行ボタン122を有する操作部101の例を説明した。本発明を実施する上では、操作部101に、それ以外の入力部や出力部を備えても良い。例えば、テンキーと呼ばれる数値を入力するためのキーを設けても良い。指やタッチペンによる操作指示を受け取るためのタッチパネルを設けても良い。また選択項目を変更するボタンとして、左右方向にカーソルを移動するボタンを追加しても良い。また選択行為を中断するためのキャンセルボタンを追加しても良い。更に、音声入力などによる操作指示を受け付ける手段等を設けても良く、また音声合成によって操作結果を発音してもよいし、ブザーによって警告音を発しても良い。本発明を実施する上で、この操作部101の構成は任意である。
【0021】
ハードディスク装置104は、メインプログラムを格納するため記憶部である。また、ハードディスク装置104は、制御部102が情報処理装置150から受信した印刷ジョブを一時的に保持できる。更に、ハードディスク装置104は、印刷ジョブを解析してレンダリングした印刷用の画像データをプリンタエンジン105で用紙へ印刷する前に一時的に保持することもできる。尚、ハードディスク装置104は、例えばソリッドステートドライブ(SSD)等のストレージモジュールで実現しても良い。
【0022】
電源ユニット103はAC電源に接続され、制御部102やプリンタエンジン105に電力を供給する。
【0023】
プリンタエンジン105は、制御部102から指示された印刷設定に従って選択された給紙段から用紙を給紙し、制御部102から供給された印刷用の画像データを用紙に印刷する印刷部である。オプションカセット111,112,113はそれぞれ本体に装着された給紙カセットである。プリンタエンジン105は、オプションカセット111,112,113からの給紙を制御でき、画像形成装置100として一体化して動作する。これらの詳細については
図3を参照して説明する。
【0024】
USBメモリ130は、例えば印刷ジョブを格納できるストレージデバイスである。ここではUSBメモリ130に印刷ジョブを格納して、ユーザが操作部101を介して印刷指示を行うことにより、その印刷ジョブによる印刷処理が実行されるような形態をとることも可能である。この場合、ユーザが操作部101を介して設定した印刷設定に基づいて画像形成装置100で印刷ジョブが生成される。尚、本実施形態において適用される画像形成装置100は、印刷機能に特化したプリンタに限られるものではなく、スキャナ機能やファクシミリ機能なども有するデジタル複合機でもよい。
【0025】
また、制御部102とプリンタエンジン105が、それぞれ別体で構成でも良い。即ち、プリンタサーバを伴う画像形成システムの構成であっても良い。また制御部102の担う機能の一部をクラウドサービス上のサーバが担う構成でもよい。また情報処理装置150が制御部102に相当する機能を担い、画像形成装置100がプリンタエンジン105の制御に特化している構成でもよい(いわゆる、ホストベースプリントシステム)。
【0026】
図2は、本実施形態に係る画像形成装置100の制御部102のハードウェア構成を説明するブロック図である。尚、メインボード200やサブボード220には、チップセット、バスブリッジ、クロックジェネレータ等のCPU周辺ハードウェアが多数含まれているが、説明が煩雑となるため、本図では簡略化している。
【0027】
制御部102には、メインボード200とサブボード220、RAM250が含まれる。
【0028】
まず最初にメインボード200の構成を説明する。
【0029】
メインボード200には、CPU201,ROM202、不揮発性メモリ203、USBコントローラ204、ディスクコントローラ205、ネットワークコントローラ206、バスコントローラ207、リセット回路208が含まれる。
【0030】
CPU201は、メインボード200に含まれる各モジュールを制御するための中央演算処理装置である。ROM202は、CPU201のブートプログラムを記憶している。画像形成装置100の電源がオンされると、CPU201はROM202に記憶されているブートプログラムを読み出して実行し、ハードディスク装置104からOSやメインプログラムを読み出してRAM250に展開し、そのプログラムを実行する。
【0031】
不揮発性メモリ203は、画像形成装置100の設定情報や、印刷に関連するカウンタ情報等を記憶する。不揮発性メモリ203は、画像形成装置100の電源が切断されても情報を保持しているため、CPU201は、再度電源が投入されたとき、不揮発性メモリ203から電源切断前の情報を取得することができる。
【0032】
USBコントローラ204は、Universal Serial Busで接続されたデバイスとの通信を制御しており、本実施形態では、USBメモリ130に対するデータの入出力を制御している。別の形態としては、情報処理装置150と画像形成装置100とをUSBケーブルを介して接続し、画像形成装置100がUSBコントローラ204で入出力を制御することで、情報処理装置150の周辺機器として動作することもできる。
【0033】
ディスクコントローラ205は、ハードディスク装置104との間のデータの入出力を制御する。ネットワークコントローラ206は、ネットワークケーブルを介して情報処理装置150との間でデータの入出力を行う。尚、ネットワークコントローラ206は、前述したように、有線によって情報処理装置150と接続するほか、無線によって接続する形態を採ることもできる。バスコントローラ207は、サブボード220のバスコントローラ225とのブリッジ機能を有している。リセット回路208は、画像形成装置100の電源オン時にメインボード200のハードウェアをリセットするための回路である。
【0034】
次にサブボード220の構成を説明する。
【0035】
サブボード220には、サブCPU221、電源監視H/W222、画像処理プロセッサ223、デバイスコントローラ224、バスコントローラ225、リセット回路226が含まれる。
【0036】
サブCPU221は、サブボード220に含まれる各モジュールを制御するための中央演算処理装置である。電源監視H/W222は、この画像形成装置100の電源供給を監視している。サブCPU221が正常に動作できる場合、サブCPU221の指示に従い、リセット回路226及びリセット回路208を介して画像形成装置100全体にリセットを掛けることができる。また、サブCPU221に電源が供給されていない状態では、画像形成装置100の電源スイッチ(不図示)の入力に従って、制御部102に電力を投入することができる。尚、この電源監視H/W222を、別のCPUによって動作する更に小規模な回路等で実現しても良い。
【0037】
リセット回路226は、サブボード220のハードウェアをリセットするための回路である。画像処理プロセッサ223は、リアルタイムでデジタル画像処理を行う。例えば、画像処理プロセッサ223は、印刷ジョブ解析部404(
図4)が印刷ジョブを解析して得られたDisplayList(中間データ)を、コントーン画像に変換する画像処理を行う。また、画像処理プロセッサ223は、そのコントーン画像に基づいて、プリンタエンジン150で印刷可能なハーフトーンで表現された画像データを生成するディザリング処理等の画像処理を行う。また画像処理プロセッサ223は、画像データを面順次に並び変える処理も行う。その他、画像プロセッサ223は、コントーン画像に対して、ユーザにとって望ましい色味に調整する画像処理を行ってもよい。画像処理プロセッサ223は、ASIC(application specific integrated circuit)でも実現できる。また或いは画像処理プロセッサ223は、FPGA(field−programmable gate array)によっても実現できる。
【0038】
尚、実施形態では、画像処理プロセッサ223によってリアルタイムでデジタル画像処理を行う前提で説明をしている。これに対して、CPU201やサブCPU221で、その画像処理の一部、或いは全部を担う構成であっても良い。
【0039】
デバイスコントローラ224は、プリンタエンジン105を制御している。バスコントローラ225は、メインボード200のバスコントローラ207とのブリッジ機能を有する。CPU201とサブCPU221は、バスコントローラ207及びバスコントローラ225を介して種々の情報を共有し、またそれらを送受信することができる。
【0040】
RAM250は、CPU201とサブCPU221のそれぞれからアクセス可能な主記憶メモリである。画像形成装置100の電源が投入されると、CPU201は、ROM202のブートプログラムを実行して、ハードディスク装置104に格納されたCPU201とサブCPU221のためのプログラムをRAM250に展開する。そしてCPU201とサブCPU221は、RAM250に展開されたそれぞれのプログラムを実行することにより、画像形成装置100としての機能を実現する。その他、RAM250は、初期プログラムやプログラムを実行する際の一時的なワークメモリとしても用いられる。
【0041】
尚、本実施形態では、CPU201とサブCPU221でRAM250を共有する形態としているが、CPU201とサブCPU221が、それぞれ専用のRAMを設けて、それぞれのRAMに、実行するプログラムを展開するようにしても良い。
【0042】
また本実施形態では、不揮発性メモリ203やUSBコントローラ204、ディスクコントローラ205、ネットワークコントローラ206をメインボード200に設けている構成で説明をしている。しかし、メインボード200が有するインタフェースの一部、或いは全部をサブボード220に設ける構成で実現することもできる。また或いは、メインボード200でサブボード220の機能を全て実現し、CPU201がサブCPU221の代わりにサブボード220が実現していた機能を担う構成であっても良い。
【0043】
図3は、実施形態に係る画像形成装置100のプリンタエンジン105の構成を説明する簡易断面図である。尚、
図3(A)は、画像形成装置100及びオプションカセット111〜113の断面図でもある。
図3(A)は画像形成装置100の全体構成を示し、
図3(B)は画像形成ユニット303を拡大して示している。また本実施形態に係る画像形成装置100は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーによってカラー画像を形成できる画像形成装置として説明している。その他、ブラックトナー1色によってモノクロ印刷ができる画像形成装置にも適用できる。また或いは、レッドやブルー、グレイなどのトナーも併用して、表現できる色空間をより豊かにした画像形成装置にも適用できる。また或いは、クリアトナーを用いることにより、印刷物の表面の質感を多彩に表現できる画像形成装置にも適用できる。
【0044】
まず最初に
図3(A)を参照して、画像形成装置100の全体構成を説明する。
【0045】
画像形成装置100には、オプションカセット111〜113が接続されており、また手差しトレイ301、給紙カセット302−1と排紙トレイ304が含まれる。オプションカセット111〜113のそれぞれには、各給紙カセット302−1〜302−4が含まれており、給紙カセット302−1〜302−4のそれぞれには、各用紙305−1〜305−4が収納されている。本実施形態では、これらオプションカセット111〜113は画像形成装置100と一体であり、給紙カセット302−1と給紙カセット302−2〜302−4は同等として扱う。321−1〜321−4はそれぞれ、各給紙カセット302−1〜302−4に設けられた用紙残量センサである。
【0046】
画像形成装置100は、電子写真プロセスにより用紙にトナーで画像を形成する画像形成ユニット303と、定着ローラ308と加圧ローラ309を有し用紙にトナー像を定着するための定着器ユニットとを有している。
【0047】
給紙カセット302−1〜302−4のいずれかから用紙を給紙するときの用紙の搬送パスは、片面印刷であれば搬送路P1,P2,P3の順である。両面印刷の場合、用紙は搬送路P1〜P3の順に搬送されて、その第1面に像が形成された後、搬送路P3の後にスイッチバックして搬送路P6,P2,P3の順に搬送され、その第2面に像が形成されて機外へ排出される。メディアセンサ314は、共通の搬送路P2上で、用紙の表面平滑性及び反射光量または透過光量等を検出する。
【0048】
次に
図3(B)を参照して、画像形成ユニット303の各部について説明する。
【0049】
トナーカートリッジ310a〜310dは、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーカートリッジである。ここでa〜dは順に、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック用のユニットに対応して参照番号に付与している。例えばトナーカートリッジ310aは、帯電ローラ311aを含む帯電器と、現像ローラ312aを含む現像器と、感光ドラム313aとを含んでいる。制御部102から送信されたイエローの画像データにより変調されたレーザ光により感光ドラム313aに潜像が形成される。現像器は、イエローの画像データが潜像された感光ドラムにイエローのトナーを載せて現像する。他の色に対応するトナーカートリッジ310b〜310dも同様にして、各色に対応する潜像を形成して、その色に対応するトナー像を形成するので、それらの説明を省略する。
【0050】
次に、印刷時のプリンタエンジン105の制御について概略を説明する。
【0051】
プリンタエンジン105は、制御部102からの指示に従って、制御部102から送信された各色の画像データを、各対応する感光ドラム313a〜313d上に現像し、順に中間転写ベルト306に一次転写する。一次転写ローラ307a〜307dはそれぞれ、各色に対応するトナー像を中間転写ベルト306に一次転写するのに使用される。プリンタエンジン105は、給紙カセット302−1〜302−4のいずれかから用紙を給紙し、中間転写ベルト306に一次転写されたトナー像を、搬送路P1を経由して搬送路P2を搬送中の用紙に二次転写する。そしてプリンタエンジン105は、トナー像が転写された用紙を定着ローラ308と加圧ローラ309を含む定着器に搬送して、そのトナー像を用紙に定着させる。最後にプリンタエンジン105は、トナー像を定着した用紙を搬送路P3を経由して排紙トレイ304へ排出する。また、プリンタエンジン105は、用紙残量センサ321−1〜321−4によって、各給紙カセット302−1〜302−4に収容されている用紙の残量を検知できる。
【0052】
次にメディアセンサ314について説明する。
【0053】
メディアセンサ314は、搬送路P2に存在する用紙の表面平滑性及び反射光量または透過光量等を検出するセンサである。このメディアセンサ314による検出結果を基に、サブCPU221は、搬送路P2を通過する用紙の種別(普通紙、厚紙、光沢紙など)を特定する。具体的には、サブボード220のサブCPU221は、メディアセンサ314により検出された用紙の特性をデバイスコントローラ224を介して取得して、その用紙の種別を特定して制御部102へ通知する。また用紙の種別の情報は、画像形成ユニット303や定着ローラ308、加圧ローラ309の制御情報として用いることができる。尚、用紙の種別を特定或いは推定できるセンサであれば他のセンサによって、メディアセンサ314を構成しても本発明を実施する上では差支えない。また、この用紙の種別の特定処理は、CPU201、或いはサブCPU221のいずれで行っても良く、また或いは、メディアセンサ314のための専用のCPUを設けても良い。
【0054】
図4は、実施形態に係るCPU201とサブCPU221が実行するそれぞれのメインプログラムに含まれるソフトウェアモジュールの構成図である。CPU201は、RAM250に展開されたメインボード用のメインプログラム400を実行し、サブCPU221は、RAM250に展開されたサブボード用のメインプログラム430を実行する。
【0055】
メインボード用のメインプログラム400には、メイン側ジョブ制御部401、印刷ジョブ受信部402、記憶装置制御部403、印刷ジョブ解析部404、及びユーザ操作受付部405が含まれる。
【0056】
メイン側ジョブ制御部401は、印刷ジョブを実行するために必要な各ソフトウェアモジュールを制御するための制御モジュールである。各モジュールに対して必要な情報を通知するとともに、バスコントローラ207を介して、サブボード用のメインプログラム430と通信を行う。印刷ジョブ受信部402は、ネットワークコントローラ206或いは記憶装置制御部403から印刷ジョブを受信し、記憶装置制御部403を介して、ハードディスク装置104に格納する。記憶装置制御部403は、USBコントローラ204及びディスクコントローラ205を制御し、記憶装置とのデータ送受信制御を行う。印刷ジョブ解析部404は印刷ジョブを解析し、その解析結果を印刷ジョブ情報750(
図7)や印刷ページ情報760(
図7)に格納する。ユーザ操作受付部405は、各給紙段の用紙サイズや用紙の種別といった情報を設定するための操作を受け付け、ユーザ設定情報700(
図7)を更新する。
【0057】
サブボード用のメインプログラム430には、サブ側ジョブ制御部431、電源制御部432、画像処理プロセッサ制御部433、デバイス制御部434が含まれる。サブ側ジョブ制御部431は、印刷ジョブを実行するために必要な各ソフトウェアモジュールを制御しており、各モジュールに対して必要な情報を通知するとともに、バスコントローラ225を介して、メインボード用のメインプログラム400と通信を行う。電源制御部432は、電源監視H/W222を制御する。画像処理プロセッサ制御部433は、印刷用の画像データを生成するために画像処理プロセッサ223を制御する。デバイス制御部434は、用紙へ印刷するためにプリンタエンジン105を制御する。
【0058】
尚、本実施形態では、サブボード用のメインプログラム430でデバイス制御部434を制御しているが、プリンタエンジン105に専用CPUを設け、デバイス制御部434と通信することにより、本実施形態を実現しても良い。本実施形態は、画像形成装置の構成の一例を示しており、本発明を実施する上で、この構成と実装するCPU等の対応などは、本発明を限定するものではない。
【0059】
図5は、実施形態に係る画像形成装置100の操作部101に表示するメニュー項目の模式図である。
【0060】
このメニュー項目は主に、不揮発性メモリ203に記憶されているユーザ設定情報700(
図7)を変更するために用いられる。
【0061】
図7は、実施形態に係る画像形成装置100のハードディスク装置104、不揮発性メモリ203及びRAM250に記憶される情報を説明する図である。
【0062】
尚、ここでは説明を省略しているが、ネットワークコントローラ206がインターネットやイントラネットに接続するために、種々のネットワーク設定が設定できてもよい。また、操作部101の物理的制約によって、このメニュー画面の全部もしくは一部だけが実際に表示される。例えば、5行しか一度に表示できない操作部の場合は、先頭のタイトル行と選択項目4行だけが表示される。
【0063】
設定メニュー画面500は、設定項目の一覧を選択するための画面である。設定メニュー画面500には、給紙段設定項目、デフォルト用紙サイズ設定項目、デフォルト給紙段設定項目、デフォルト用紙種別設定項目が含まれる。更に設定メニュー画面500には、エスケープトレイ設定項目、トレイ優先設定項目、センサ検知レベル設定項目、センサ検知結果確認項目が含まれる。
【0064】
給紙段設定項目は、給紙段設定画面510を表示する機能と関連付けられている。給紙段設定画面510は、手差しトレイ、給紙カセット1〜4(
図3(A)の給紙カセット302−1〜302−4に対応)のいずれかを、設定対象となる給紙段として選択するための画面である。この説明は詳しく後述する。
【0065】
デフォルト用紙サイズ設定項目は、デフォルト用紙サイズ設定画面532を表示する機能と関連付けられている。デフォルト用紙サイズ設定画面532は、
図5に示すような用紙サイズの中からデフォルトの用紙サイズを選択して設定する画面である。
【0066】
デフォルト給紙段設定選択項目は、デフォルト給紙段設定画面531を表示する機能と関連付けられている。デフォルト給紙段設定画面531は、手差しトレイ、給紙カセット1〜4(
図3(A)の給紙カセット302−1〜302−4に対応)のいずれかを、デフォルトの給紙段として選択する画面である。
【0067】
デフォルト用紙種別設定項目は、デフォルト用紙種別設定画面533を表示する機能と関連付けられている。デフォルト用紙種別設定画面533は、普通紙、薄紙、厚紙、クロス紙の中から選択された用紙の種別を、デフォルトの用紙種別として設定するための画面である。
【0068】
エスケープトレイ設定項目は、エスケープトレイ設定画面541を表示する機能と関連付けら得ている。エスケープトレイ設定画面541は、エスケープトレイの設定を「する」か「しない」のいずれかを選択して設定する画面である。
【0069】
トレイ優先設定項目は、トレイ優先設定画面542を表示する機能と関連付けられている。トレイ優先設定画面542は、トレイ優先の設定を「する」か「しない」のいずれかを選択して設定する画面である。
【0070】
センサ検知レベル設定項目は、センサ検知レベル設定画面550を表示する機能と関連付けられている。センサ検知レベル設定画面550は、手差しトレイとカセットのセンサの検知レベルを設定するための画面である。
【0071】
センサ検知結果確認項目は、センサ検知結果確認画面560を表示する画面と関連付けられている。センサ検知結果確認画面560は、手差しトレイと給紙カセット1〜4のそれぞれにおけるセンサによる検知結果を表示する。
【0072】
次に給紙段設定画面510について説明する。
【0073】
給紙段設定画面510には、手差しトレイ、カセット1〜4のいずれかを選択するための項目が含まれる。ここで、オプションの給紙カセットの接続状態に基づいて、表示する選択項目の数が増減するものとする。例えば、オプションカセットが接続されていない構成であれば、「手差しトレイ」と「カセット1」だけが表示される。また、オプションカセットが4つ接続されている場合は、給紙段設定画面510に「カセット5」が追加される。
【0074】
手差しトレイは、手差しトレイ設定画面511を表示する機能と関連付けられており、カセット1〜4は、カセット1〜4の設定画面521〜524と関連付けられている。手差しトレイ設定画面511は、手差しトレイにセットされる用紙のサイズと用紙の種別を選択して設定するための画面である。手差しトレイ設定画面511で「用紙サイズ」が選択されると、手差し用紙サイズ設定画面512が表示される。また手差しトレイ設定画面511で「用紙種別」が選択されると、手差し用紙種別設定画面513が表示される。
【0075】
手差し用紙サイズ設定画面512は、手差しトレイにセットされる用紙のサイズをユーザが選択して設定するための画面である。手差し用紙サイズ設定画面512には、手差しトレイから給紙可能な用紙のサイズに対応する選択項目と「フリー」項目が含まれる。これらの選択項目は、用紙サイズ設定情報701(
図7)の手差しトレイに対応する設定を、この画面で選択された項目に応じて書き換える機能と関連付けられている。ここで「フリー」とはサイズを特定しないことを意味し、「フリー」が設定されると実際にセットされている用紙のサイズに関わらず給紙元として選択され得ることになる。例えば、「A4」の項目が選択されると、用紙サイズ設定情報701の手差しトレイに対応する設定が「A4」に書き換えられる。以下、それぞれの用紙サイズについても同様である。
【0076】
手差し用紙種別設定画面513は、手差しトレイにセットされる用紙の種別をユーザが設定するための画面である。手差し用紙種別設定画面513には、手差しトレイから給紙可能な用紙の種別に対応する選択項目と「フリー」項目が含まれる。これらの選択項目は、第1の用紙種別情報702(
図7)の手差しトレイに対応する設定を、この画面で選択された項目に応じて書き換える機能と関連付けられている。ここで「フリー」とは、種別を特定しないことを意味し、「フリー」が設定されると実際にセットされている用紙の種別に関わらず給紙元として選択され得ることになる。但し、本実施形態において、メディアセンサ314が有効である給紙段であれば、メディアセンサ314の検知結果に従って印刷可能であるかを判別するものとする。例えば、「普通紙」が選択されると、第1の用紙種別情報702の手差しトレイに対応する設定が「普通紙」に書き換えられる。以下、それぞれの用紙種別についても同様である。
【0077】
各カセットの設定画面521〜524に関しても、対象となる給紙段の違いはあるが基本的には手差しトレイ設定画面511と同様である。ここでは説明を簡略化するために、カセット1〜4に対する説明をカセットNという表現で行う。
【0078】
カセットN設定画面に含まれる「用紙サイズ」を選択すると、カセットN用紙サイズ設定画面が表示される。そのカセットN用紙サイズ設定画面で、用紙サイズに対応する項目が選択されると、カセットNに対応する用紙サイズ設定情報701(
図7)の用紙サイズが、この画面で設定された項目に応じて書き換えられる。また、それぞれのカセットN設定画面に含まれる「用紙種別」を選択すると、カセットN用紙種別設定画面が表示される。更に、そのカセットN用紙種別設定画面で用紙種別に対応する項目が選択されると、カセットNに対応する第1の用紙種別情報702の設定が、この画面で選択された用紙種別に応じて書き換えられる。
【0079】
デフォルト給紙段設定画面531は、デフォルトの給紙段を設定するための画面である。デフォルト給紙段設定画面531には、画像形成装置100の手差しトレイ及び給紙カセット(カセット1)、及びオプションカセット111〜113(カセット2〜4)に対応する項目が含まれる。デフォルト給紙段設定画面531でいずれかの給紙段が選択されると、デフォルト給紙段設定情報703が、この画面で選択された給紙段に書き換えられる。
【0080】
デフォルト用紙サイズ設定画面532は、デフォルトの用紙サイズを設定するための画面である。デフォルト用紙サイズ設定画面532には、プリンタエンジン105で印刷可能な各用紙サイズに対応する項目が含まれる。デフォルト用紙サイズ設定画面532に含まれる項目が選択されると、デフォルト用紙サイズ設定情報704が、この画面で選択された用紙サイズに書き換えられる。
【0081】
デフォルト用紙種別設定画面533は、デフォルトの用紙種別を設定するための画面である。デフォルト用紙種別設定画面533には、プリンタエンジン105で印刷可能な用紙の種別に対応する項目が含まれる。このデフォルト用紙種別設定画面533に含まれる項目が選択されると、デフォルト用紙種別情報705が、その選択された用紙種別に書き換えられる。
【0082】
エスケープトレイ設定画面541は、手差しトレイを自動給紙段の選択対象から除外する代わりに、自動給紙段選択で条件を満たす給紙段が見つからなかった場合に手差しから給紙するように設定するための画面である。エスケープトレイ設定画面541には、「する」と「しない」の項目が含まれる。「する」が選択されるとエスケープトレイ設定情報706(
図7)が「する」に書き換えられ、「しない」が選択されるとエスケープトレイ設定情報706が「しない」に書き換えられる。
【0083】
トレイ優先設定画面542は、給紙段の自動選択対象として、手差しトレイを優先的に扱うか否かを設定するための画面である。トレイ優先設定画面542には「する」と「しない」が含まれる。「する」が選択されるとトレイ優先設定情報707(
図7)が「する」に書き換えられ、「しない」が選択されるとトレイ優先設定情報707が「しない」に書き換えられる。
【0084】
センサ検知レベル設定画面550は、センサ検知レベルを設定する対象を選択するための画面である。センサ検知レベル設定画面550には、「手差しトレイ」と「カセット」が含まれる。手差しトレイに対応する項目には、手差しトレイ検知レベル画面551を表示する機能が関連付けられており、カセットに対応する項目には、カセット検知レベル画面552を表示する機能が関連付けられている。
【0085】
手差しトレイ検知レベル画面551は、手差しトレイから給紙した用紙に対してメディアセンサによる用紙種別の検知処理を行うか否かを設定するための画面である。手差しトレイ検知レベル画面551には、選択項目として「自動検知」と「フル検知」「検知しない」がある。「自動検知」が選択されると、メディアセンサ検知レベル設定情報708(
図7)の手差しトレイに関する設定が「自動検知」に書き換えられる。「フル検知」が選択されると、メディアセンサ検知レベル設定情報708の手差しトレイに関する設定が「フル検知」に書き換えられる。また「検知しない」が選択されると、メディアセンサ検知レベル設定情報708の手差しトレイに関する設定が「検知しない」に書き換えられる。また同時に、設定を変更したタイミングで、第二の用紙種別情報のうち手差しトレイに対する情報が「未検知」に初期化される。
【0086】
尚、本実施形態においては「手差しトレイ」と「カセット」に対してメディアセンサの検知レベル設定ができる構成で説明をしているが、例えばカセット毎にメディアセンサ検知レベルを設定してもよい。
【0087】
カセット検知レベル画面552は、各カセットから給紙した用紙に対してメディアセンサによる用紙種別の検知処理を行うか否かを設定するための画面である。カセット検知レベル画面552には、「自動検知」と「検知しない」がある。「自動検知」が選択されると、メディアセンサ検知レベル設定情報708のカセットに対する設定が「自動検知」に書き換えられる。また「検知しない」が選択されると、メディアセンサ検知レベル設定情報708のカセットに対する設定が「検知しない」に書き換えられる。同時に、設定を変更したタイミングで、第二の用紙種別情報のうち各カセットに対する情報が「未検知」に初期化される。
【0088】
センサ検知結果確認画面560は、メディアセンサが検知した用紙種別をユーザが確認するための画面で、手差しトレイを含むそれぞれの給紙段と対応付けて、第2の用紙種別情報をユーザに表示する。例えば、センサ検知結果確認画面560では、手差しトレイに収容されている用紙に対して、メディアセンサは検知していないことを表示しており、カセット1に収容されている用紙に対するメディアセンサが検知した用紙種別が普通紙であることを表示している。またカセット2,3に収容されている用紙は未検知で、カセット4に収容されている用紙は薄紙として検知されていることを示している。
【0089】
図6は、実施形態に係る情報処理装置150で動作するプリンタドライバが表示する印刷設定画面の一例を示す図である。
【0090】
このプリンタドライバは、情報処理装置150で動作するアプリケーションから呼び出される。プリンタドライバUI600は、このプリンタドライバが表示する印刷設定画面の一例を示す。プリンタドライバUI600には、ページ設定タブ610、仕上げタブ620、給紙タブ630、OKボタン651、キャンセルボタン652が含まれる。ユーザは、プリンタドライバUI600のタブを選択することにより、表示する設定項目を切り替えることができる。
【0091】
図6(A)は、ユーザがページ設定タブ610を選択して用紙サイズのプルダウンメニュー611が表示され、更にプルダウンメニュー611が指示されて用紙サイズ一覧612が表示された状態を示している。ユーザが、この用紙サイズ一覧612の中から印刷に使用する用紙サイズを選択すると、用紙サイズプルダウンメニュー611の内容が、その選択された用紙サイズに変更される。
図6(A)ではA4サイズが選択されている。
【0092】
仕上げタブ620には、印刷する際の色補正パラメータの設定メニューが含まれる。この実施形態では、色補正パラメータの説明を省略しているため、ここでは詳細については述べない。例えば、カラーデータをモノクロで印刷する指定などができる。
【0093】
図6(B)は、給紙タブ630が選択された場合を示している。給紙タブ630には、給紙部の選択リストボックス631と、用紙種別の選択リストボックス632とが含まれる。給紙段選択リストボックス631は、ユーザが、印刷に使用する用紙を収容している給紙段を選択するためのリストボックスである。給紙段の選択リストボックス631には、給紙段を自動選択するための「自動」も含まれる。用紙種別の選択リストボックス632は、ユーザが印刷に使用する用紙の種別を選択するためのリストボックスである。用紙種別の選択リストボックス632には、画像形成装置100本体で設定された用紙種別に従う「パネル優先」も含まれる。
図6(B)では、給紙段を自動選択する「自動」と「パネル優先」が選択されている。
【0094】
OKボタン651が押下されるとプリンタドライバは、この画面で設定された印刷設定と、アプリケーションから送信された描画コマンドに基づき印刷ジョブを生成し、画像形成装置100への送信を開始する。キャンセルボタン652は、この画面による設定を破棄して再びアプリケーションに戻るためのボタンである。
【0095】
図7は、実施形態に係る画像形成装置100が扱うデータの模式図である。
【0096】
不揮発性メモリ203には、ユーザが操作部101を操作して設定したユーザ設定情報700が含まれる。ハードディスク装置104には印刷ジョブ720が含まれる。またRAM250には、印刷ジョブ情報750、印刷ページ情報760、用紙種別を示すメディアセンサの検知結果情報7
80が含まれる。
【0097】
尚、RAM250には、プログラムにおいてはループカウンタなどの一時的にワークとして用いるデータも一時的に確保されることがあるが、説明が煩雑となるため、これらについては割愛する。また不揮発性メモリ203やハードディスク装置104のアクセス速度は、RAM250のアクセス速度よりも遅いため、RAM250上にキャッシュメモリを設ける場合もある。そのため、不揮発性メモリ203やハードディスク装置104と同じ情報がRAM250に格納されている場合もある。
【0099】
まず不揮発性メモリ203に記憶されている情報について説明する。
【0100】
ユーザ設定情報700には、用紙サイズ設定情報701、第1の用紙種別情報702、デフォルト給紙段設定情報703、デフォルト用紙サイズ設定情報704、デフォルト用紙種別情報705が含まれる。更に、ユーザ設定情報700には、エスケープトレイ設定情報706、トレイ優先設定情報707、メディアセンサ検知レベル設定情報708が含まれる。ユーザ設定情報700に含まれる情報はそれぞれ独立して管理しても良いし、後述の通りにまとめて管理してもよい。ここでは、各給紙段に固有である固有設定と、各給紙段に共通である共通設定とで分けて管理する場合を説明する。固有設定には、用紙サイズ設定情報701と第1の用紙種別情報702とが含まれる。表1は、固有設定の一例を示す。
【0102】
用紙サイズ設定情報701は、
図5の手差し用紙サイズ設定画面512及び各カセットの用紙サイズ設定画面(
図5では不図示)を介してユーザにより設定される、各給紙段に収容されている用紙の用紙サイズの設定値である。
【0103】
第1の用紙種別情報702は、
図5の手差し用紙種別設定画面513及び各カセットの用紙種別設定画面(
図5では不図示)を介してユーザにより設定される、各給紙段に収容されている用紙の種別の設定値である。
【0104】
共通設定には、デフォルト給紙段設定情報703、デフォルト用紙サイズ設定情報704、デフォルト用紙種別情報705、エスケープトレイ設定情報706、トレイ優先設定情報707、メディアセンサ検知レベル設定情報708が含まれる。表2は、共通設定の一例を示す。
【0106】
デフォルト給紙段設定情報703は、
図5のデフォルト給紙段設定画面531を介して設定される、デフォルトの給紙段を示す。表2では、画像形成装置100が有する給紙段である「カセット1」がデフォルトの給紙段として設定されている。デフォルト用紙サイズ設定情報704は、
図5のデフォルト用紙サイズ設定画面532を介して設定される、用紙サイズのデフォルト設定値である。表2では、A4サイズがデフォルトの用紙サイズとして設定されている。デフォルト用紙種別情報705は、
図5のデフォルト用紙種別設定画面532を介して設定される、用紙種別のデフォルト設定値である。表2では、普通紙がデフォルトの用紙種別として設定されている。エスケープトレイ設定情報706は、
図5のエスケープトレイ設定画面541を介して設定される、手差しトレイをエラー発生時のリカバリに用いるかどうかを設定する設定値である。表2では、「しない」が設定されている。トレイ優先設定情報707は、
図5のトレイ優先設定画面542を介して設定される、自動給紙段選択時に手差しトレイを優先的に選択するか否かを設定するための設定値である。表2では、「しない」が設定されている。メディアセンサ検知情報708は、
図5のセンサ検知レベル設定画面550と手差しトレイ検知レベル設定画面551とで設定される、メディアセンサの検知レベルの設定値である。表2では、手差しトレイの検知レベルが「フル検知」に、カセットの検知レベルが「自動検知」に設定されている。
【0107】
次にハードディスク装置104に記憶されている情報について説明する。
【0108】
ここでは印刷ジョブ720について説明する。情報処理装置150で動作するアプリケーションは、ユーザからの印刷ジョブの実行要求を受け取ると、プリンタドライバに描画コマンドを通知する。プリンタドライバは描画コマンドを基にPDLデータを生成して画像形成装置100に送信する。これにより画像形成装置100の印刷ジョブ受信部402は、そのPDLデータを受信し、ハードディスク装置104に印刷ジョブデータ720として保持する。ここでプリンタドライバが生成するPDLデータのデータフォーマットは画、像形成装置100が対応しているものであれば任意のものを用いることができる。また、ハードディスク装置104を持たない画像形成装置の場合は、この印刷ジョブデータを不揮発性メモリ203やRAM250に格納する形態をとることもできる。この後、画像形成装置100は、印刷ジョブデータ720を解釈して印刷処理を行う。
【0109】
本実施形態では、印刷ジョブデータとして
図7に示すデータを用いる。印刷ジョブデータ720は順番に実行するべきコマンドを記述する事で描画内容を表現する。ジョブ開始コマンド721は、印刷ジョブの開始を通知するためのコマンドである。印刷ジョブ解析部404が、このジョブ開始コマンド721を解釈すると、印刷ジョブ解析部404はデフォルト給紙段設定情報703の内容を、RAM250の(ジョブ)出力給紙段情報753に格納する。また印刷ジョブ解析部404は、デフォルト用紙サイズ設定情報704とデフォルト用紙種別情報705の内容を、それぞれRAM250の(ジョブ)出力用紙サイズ情報751と、(ジョブ)出力用紙種別情報752に格納する。
【0110】
給紙段指定コマンド722は、この印刷ジョブで使用する給紙段を指定するコマンドで、例えば、
図6(B)の給紙部選択リストボックス631でユーザが選択した内容に基づいて指定される。ここで指定された設定は、RAM250の(ジョブ)出力給紙段情報753にも格納される。用紙種別指定コマンド723は、この印刷ジョブで使用される用紙種別を指定するコマンドで、例えば、
図6(B)の用紙種別選択リストボックス632でユーザが選択した内容に基づいて指定される。ここで指定された設定は、RAM250の(ジョブ)出力用紙種別情報752にも格納される。
【0111】
ページ開始コマンド724は、この印刷ページのコマンド群の開始を示すコマンドである。印刷ジョブ解析部404は、このページ開始コマンド724を解釈すると、(ジョブ)出力用紙サイズ情報751と(ジョブ)出力用紙種別情報752を、それぞれ印刷ページ情報760の出力用紙サイズ情報761と出力用紙種情報762に格納する。更に印刷ジョブ解析部404は、(ジョブ)出力給紙段情報753の内容を、印刷ページ情報760の出力給紙段情報763に格納する。
【0112】
用紙サイズ指定コマンド725は、現在のページで用いられる用紙サイズを指定するコマンドである。印刷ジョブ解析部404は、この用紙サイズ指定コマンド725を解析すると、その内容に基づいて、印刷ページ情報760の出力用紙サイズ情報761を書き換える。描画コマンド726
,728は、このページで用いられている描画内容を表現するコマンドである。この描画コマンドとしては、具体的には直線を描画するコマンドや文字を描画するコマンドなどが含まれる。尚、1ページを構成する描画コマンドの数は数百、数千に及ぶ場合もある。印刷ジョブ解析部404は、描画コマンド726
,728を解析すると、DisplayList764を生成する。
【0113】
ページ終了コマンド729は、現在のページのコマンド群の終了を示すコマンドである。印刷ジョブ解析部404は、ページ終了コマンド729を解析すると、印刷ページ情報760の情報を、サブ側ジョブ制御部431に通知する。これによりサブ側ジョブ制御部431は、その印刷ページ情報760の内容に従って印刷処理を行う。
【0114】
印刷ジョブ720が複数のページを含む場合は、再びページ開始コマンド734からページ終了コマンド739までの一連のコマンド群に対する処理が繰り返される。ジョブ終了コマンド740は、この印刷ジョブの終了を示すコマンドである。これによって、この印刷ジョブに含まれるページ数などが確定される。
【0115】
上述の説明では、給紙段の指定や用紙種別を、ページ開始コマンド724の前に設定する例で説明したが、ページ開始コマンド724の後に指定するようにしても良い。また或いは、描画コマンドと用紙種別の指定コマンドや用紙サイズの指定コマンド等が混在している場合にも適用できるようにするのが望ましい。
【0116】
また本実施形態では、描画コマンドを順次解釈する形で描画内容を表現するPDLデータの例で説明した。例えば、ペンの色を青色に指定する描画コマンドと、矩形形状を指定する描画コマンドと、塗りつぶしを行う描画コマンドを組み合わせる事によって、青色の矩形を描画する。或いは、描画するパラメータを含む描画オブジェクトによって表現するPDLデータで表現しても良い。この場合、1つの描画オブジェクトに、青色の矩形での塗りつぶしを行うことが属性として付与される。
【0117】
印刷ジョブ情報750は、この印刷ジョブにおける印刷設定を保持している。印刷ジョブ情報750には、(ジョブ)出力用紙サイズ情報751、(ジョブ)出力用紙種別情報752、(ジョブ)出力給紙段情報753が含まれる。印刷ジョブ解析部404がジョブ開始コマンド721を解釈したタイミングで、印刷ジョブ解析部404はユーザ設定情報700に記憶されている用紙サイズ、用紙種別、給紙段の情報で上書き(初期化)する。また印刷ジョブ解析部404は、ページ開始コマンド724を解釈する前、ページ終了コマンド729を解釈した後に、給紙段指定コマンド、用紙種別指定コマンド、用紙サイズ指定コマンド等を解釈した場合、それらコマンドに従って更新する。表3は、印刷ジョブ情報750の一例を示す。
【0119】
(ジョブ)出力用紙サイズ情報751、(ジョブ)出力用紙種別情報752及び(ジョブ)給紙段設定情報753には、印刷ジョブで指定された用紙サイズ、用紙種別、給紙段が記憶されている。表3の例では、給紙段として「カセット2」、用紙サイズがA4、用紙種別が普通紙にそれぞれ設定されている。尚、この表には示していないが、画像形成装置100でユーザが設定した用紙サイズ、用紙種別、給紙段を指定する「パネル優先」を設定することもできる。また、或いは「フリー」を指定することもできる。
【0120】
印刷ページ情報760は、現在のページにおける印刷設定を保持しており、出力用紙サイズ情報761、出力用紙種別情報762、出力給紙段情報763、DisplayList764が含まれる。印刷ジョブ解析部404がページ開始コマンドを解釈したタイミングで、印刷ジョブ解析部404は印刷ジョブ情報750の各設定値によってこれらの値を上書き(初期化)する。また印刷ジョブ解析部404は、ページ開始コマンドを解釈した後でかつページ終了コマンドを解釈する前に、給紙段指定コマンド、用紙種別指定コマンド、用紙サイズ指定コマンド等によって設定変更を受付けた場合、これらの値を更新する。表4は、印刷ページ情報760の一例を示す。
【0122】
表4の例では、給紙段設定情報763、出力用紙サイズ情報761、出力用紙種別情報762として、それぞれ「カセット2」「A4」「普通紙」が設定されている。またここでは、「パネル優先」や「フリー」も設定できる。DisplayList764は、現ページに含まれる描画コマンド群を解析した結果であるバイナリデータである。例えば、リスト構造などによって可変長データとして表現されている。
【0123】
印刷用画像データ770は、画像処理プロセッサ223がDisplayList764の内容を解釈し、プリンタエンジン105が印刷できるように生成した画像データである。例えば、C版、M版、Y版、K版の4版分の1ページ分のハーフトーン画像を圧縮したデータである。また或いは1ページを複数のバンドに分割し、それぞれを圧縮して保持したものでも良く、或いは、1ページを複数の矩形ブロックに分割し、それぞれを圧縮して保持しても良い。圧縮方式は可逆圧縮でも良く、非可逆圧縮を用いても良い。また、ここではRAM250に保持する形態で説明をしているが、ハードディスク装置104に格納する形態をとっても良い。印刷画像データ770の実現方法はさまざま考えられるが、いずれの場合でも本発明を適用できる。
【0124】
メディアセンサ検知結果情報780は、メディアセンサ314が用紙種別を検知した結果を示すデータである。メディアセンサ検知結果情報780には、センサ検知カウンタ781、仮検知結果782、第2の用紙種別情報783が含まれる。画像形成装置100を起動した直後に、デバイス制御部434は、センサ検知カウンタ781の内容を「0」で、また第2の用紙種別情報783の内容を「未検知」に初期化する。また、デバイス制御部434は、カセット302−1〜302−4のいずれかの扉がオープンされたタイミングで、センサ検知カウンタ781の内、そのオープンされたカセットに対応する情報を「0」にする。そして第2の用紙種別情報783のうち、そのカセットに対応する情報を「未検知」にする。このほか、消費電力を節約するためにプリンタエンジン105への電力供給を停止するタイミングなどでも、これらの初期化処理が行われることが望ましい。表5は、メディアセンサ検知結果情報780の一例を示す。
【0126】
センサ検知カウンタ781は、それぞれのカセットの用紙残量センサ321−1〜321−4で検知された用紙枚数の計数値を示す。仮検知結果782は、各給紙段において、検知した用紙枚数に応じて、メディアセンサ314が、どの用紙種別を検知したかを表している。表5の例でいえば、カセット1では、1枚目と2枚目の用紙が「普通紙」として検知され、3枚目の用紙が「厚紙」と検知されたことを表している。またカセット4では、センサ検知カウンタ781が16枚の用紙を検知し、メディアセンサ314による最初の5枚の用紙の検知結果が、一度だけ普通紙を検知した以外は全て薄紙を検知していることを示している。ここで各給紙段の検知結果は、最大5枚(閾値:ここでは「5」)までの用紙の検知結果を保持している。
【0127】
第2の用紙種別情報783は、メディアセンサ314が検知した用紙種別を示す。ここで、対応する給紙段のセンサ検知カウンタ781の値が閾値(5)未満(所定数未満)の場合は、1枚目の用紙で検知した用紙種別が、その給紙段の第2の用紙種別情報となる。従って表5の例では、「カセット1」の用紙種別が、1枚目で検知された「普通紙」に設定されている。また、その給紙段のセンサ検知カウンタ781の値が、閾値(5)以上(所定数以上)の場合は、それまでに検知した用紙種別のうち最頻出の用紙種別が、その給紙段の第2の用紙種別情報となる。従って、この場合、カセット4の第2の用紙種別情報783は「薄紙」となる。尚、これらの情報は、RAM250に記憶されても良く、或いは専用のRAMや不揮発性メモリに記憶されても良い。
【0128】
尚、以上の説明では、印刷ページ情報760が画像形成装置100内で単一であることを前提として説明してきた。しかし、印刷ジョブ解析部404が印刷ジョブデータ720の1ページ分を解析する時間が、プリンタエンジン105で1ページ分の用紙を印刷する時間よりも短い場合を想定して、印刷ページ情報760を複数有する構成であっても良い。具体的には、印刷ジョブ解析部404がページ開始コマンドを解析したタイミングで、そのページに対応する印刷ページ情報を生成する。そして、プリンタエンジン105で、そのページに対する印刷処理終了が終わったタイミングを、デバイス制御部434が検知すると、サブ側ジョブ制御部431を介してメイン側ジョブ制御部401に通知する。これによりメイン側ジョブ制御部401は、そのページに対応する印刷ページ情報を破棄する。こうすることにより、プリンタエンジン105が印刷ジョブデータ720に含まれる1ページ目の印刷処理を実行している間に、印刷ジョブ解析部404が、印刷ジョブデータ720の2ページ目、3ページ目に相当するコマンドを解析できる。
【0129】
次に、本発明の実施形態1に係る画像形成装置100の制御部102による制御処理を
図8〜
図12のフローチャート及び
図13の操作部101の表示部124の画面例を参照して説明する。
【0130】
図8は、実施形態1に係る画像形成装置100の制御部102が印刷ジョブを受信して印刷するまでの処理を説明するフローチャートである。尚、この処理を実行するプログラムは、ハードディスク装置104にインストールされており、実行時にRAM250に展開されCPU201とサブCPU221により実行される。以下の説明では、
図4に示すソフトウェアモジュールの構成に基づいて、フローチャートに沿った処理の流れを説明する。
【0131】
まずS801で印刷ジョブ受信部402は、ネットワークを介して情報処理装置150から送信された印刷ジョブを受信してハードディスク装置104に保存する。次にS802に進み印刷ジョブ解析部404は、その保存した印刷ジョブをページ終了コマンドまで解析すると、その印刷ジョブで指定された用紙サイズ、用紙種別、給紙段等に基づいて、印刷ジョブ情報750や印刷ページ情報760を更新する。次にS803に進みメイン側ジョブ制御部401は、印刷ページ情報760に基づいて、印刷に使用する給紙段を設定する給紙段情報を決定する。この処理の詳細は
図9のフローチャートを参照して後述する。
【0132】
次にS804に進みメイン側ジョブ制御部401は、印刷ページ情報760に基づいて、印刷に使用する用紙の種別を決定する。この処理の詳細は
図10のフローチャートを参照して後述する。
【0133】
次にS805に進みメイン側ジョブ制御部401は、出力給紙段情報に対応する用紙サイズ設定情報701が「フリー」であるか否か判定する。例えば、表1の状態で、出力給紙段情報が「カセット3」の場合、その用紙サイズ設定情報は「A3」となる。S805で、用紙サイズ設定情報が「フリー」ではないと判定するとS810に進みメイン側ジョブ制御部401は、出力給紙段情報に対応する用紙サイズ情報が、印刷ジョブで指示された出力用紙サイズ情報751と一致するか否かを判定する。ここで一致しないと判定した場合はS811に進みメイン側ジョブ制御部401は、エラー情報に用紙の交換要求を追加したエラー情報を表示してS815に進む。
【0134】
一方、S805で、用紙サイズ情報が「フリー」か、或いはS810で出力用紙サイズ情報と一致している場合はS806に進み、メイン側ジョブ制御部401は、出力給紙段情報763に対応する第1の用紙種別情報702が「フリー」であるか判定する。例えば、表1の状態で、印刷に使用する給紙段情報が「カセット3」であれば、その第1の用紙種別情報は「普通紙」となる。S806で、用紙種別情報が「フリー」でない場合はS812に進みメイン側ジョブ制御部401は、その用紙種別情報が出力用紙種別情報と一致しているか否かを判定する。ここで一致していないと判定するとS813に進み、メイン側ジョブ制御部401は、エラー情報に用紙交換要求エラーを代入したエラー情報を表示してS815に進む。
【0135】
一方、S806で、用紙種別情報が「フリー」か、或いはS812で出力用紙種別情報と一致している場合はS807に進む。このときは、用紙サイズ及び用紙種別が「フリー」であるか、或いは出力給紙段に設定された用紙の用紙サイズ及び用紙種別が、印刷ジョブで指定された用紙サイズ及び用紙種別と一致している場合である。そしてS807で、メイン側ジョブ制御部401は、デバイス制御部434から、その印刷に使用する出力給紙段情報が示す給紙段に用紙があるかどうかを示す情報を取得し、その給紙段に用紙があるかどうか判定する。ここで、その給紙段に用紙がないと判定するとS814に進みメイン側ジョブ制御部401は、エラー情報に用紙無しエラーを代入してエラー情報を表示してS815に進む。
【0136】
S807で、出力給紙段情報が示す給紙段に用紙があると判定するとS808に進み、サブ側ジョブ制御部431は、そのページの印刷処理を実行する。この処理の詳細は、
図11のフローチャートを参照して後述する。そしてS809に進み印刷ジョブ解析部404は、解析している印刷ジョブがジョブ終了コマンドまで到達したかを判定し、ジョブ終了コマンドまで到達した場合にはジョブの印刷処理を終了するが、そうでないときはS802の処理に進む。
【0137】
またS815でメイン側ジョブ制御部401は、エスケープトレイ設定706が「する」に設定されているかどうかを判定する。ここでエスケープトレイ設定706が「する」に設定されていないときはS817に進むが、「する」に設定されている場合はS816に進み、出力給紙段情報を手差しトレイに変更してS817に進む。そしてS817でメイン側ジョブ制御部401は、ユーザのリカバリ処理待ち状態に移行する。この処理の詳細は、
図12のフローチャートを参照して後述する。
【0138】
S817のリカバリ処理が終了するとS818に進み、メイン側ジョブ制御部401はジョブのキャンセルが選択されたかどうかを判定し、ジョブがキャンセルされたときは、このジョブに基づく印刷処理を終了する。一方、S818でジョブがキャンセルされていないときはS805に進み、再度、印刷できるかどうかの判定処理を実行する。こうして、印刷に使用する給紙段に、印刷ジョブで指定された用紙が給紙されるか、或いは、別の給紙段を使用した印刷が指定されることにより、印刷ジョブが実行されることになる。
【0139】
図9は、
図8のS803の出力給紙段情報の決定処理を説明するフローチャートである。この処理により、メイン側ジョブ制御部401は、印刷ページ情報760の出力給紙段情報763に基づいて、どの給紙段の用紙を使用して印刷するかを判定し、その判定結果に基づいて出力給紙段情報763を更新する。
【0140】
先ずS911でメイン側ジョブ制御部401は、給紙段候補リストを空にする(クリアする)。次にS912に進みメイン側ジョブ制御部401は、出力給紙段情報763が「自動」であるかを判定する。ここで「自動」であればS914に進むが、そうでないときはS913に進み、メイン側ジョブ制御部401は、給紙段候補リストに出力給紙段情報763が示す給紙段を追加してS921に進む。例えば、出力給紙段情報763が「カセット1」であれば、給紙段候補リストは「カセット1」となる。
【0141】
出力給紙段情報763が「自動」の場合はS914に進み、メイン側ジョブ制御部401は、エスケープトレイ設定706が「する」であるかを判定する。そうであればS915に進みメイン側ジョブ制御部401は、給紙段候補リストに給紙段を順次追加してS921に進む。このとき、給紙段候補リストは「カセット1、カセット2、カセット3、カセット4」となる。一方、エスケープトレイ設定706が「する」ではない場合はS916に進み、メイン側ジョブ制御部401は、トレイ優先設定情報707が「する」であるかどうか判定する。そうであればS917に進みメイン側ジョブ制御部401は、給紙段候補リストに手差しトレイを追加する。そしてS918に進みメイン側ジョブ制御部401は、S915と同様に、給紙段候補リストにカセット段を順次追加してS921に進む。このとき、給紙段候補リストは、「手差しトレイ、カセット1、カセット2、カセット3、カセット4」となる。
【0142】
一方、S916でトレイ優先設定情報707が「しない」の場合はS919に進み、メイン側ジョブ制御部401は、S915と同様にして、給紙段候補リストにカセット段を順次追加する。そしてS920に進みメイン側ジョブ制御部401は、給紙段候補リストに手差しトレイを追加してS921に進む。これにより給紙段候補リストは、「カセット1、カセット2、カセット3、カセット4、手差しトレイ」となる。
【0143】
そしてS921〜S928で、メイン側ジョブ制御部401は、給紙段候補リストに含まれるそれぞれの給紙段に対して、以下に説明する処理を順次、繰り返す。
【0144】
先ずS922でメイン側ジョブ制御部401は、出力給紙段情報が示す給紙段の用紙サイズ設定情報701が「フリー」であるか否かを判定する。ここで用紙サイズ設定情報701が「フリー」でない場合はS923に進み、メイン側ジョブ制御部401は、その用紙サイズ情報が、印刷ジョブが示す出力用紙サイズ情報761と一致するか否か判定する。ここで一致しないと判定すると、給紙段候補リストから次の給紙段の候補を取得して、前述の処理を行う。一方、S922で、その用紙サイズ設定情報が「フリー」か、或いはS923で、出力用紙サイズ情報761と一致すると判定した場合は、その給紙段において用紙サイズの条件が満足したためS924に進む。
【0145】
S924でメイン側ジョブ制御部401は、出力給紙段情報763が示す第1の用紙種別情報702が「フリー」かどうかを判定する。「フリー」ではない場合はS926に進みメイン側ジョブ制御部401は、その給紙段に設定されている第1の用紙種別情報702が、印刷ジョブが指示した出力用紙種別情報762と一致するかを判定する。一致するときはS932に進むが、そうでないときはメイン側ジョブ制御部401は、給紙段候補リストから次の給紙段の候補を取得して、前述の処理を行う。S932でメイン側ジョブ制御部401は、上記の条件を満足した現在対象としている給紙段候補で出力給紙段情報763を更新して、この処理を終了する。これにより印刷ジョブの条件に合致する用紙が収容されている給紙段が特定されたことになる。
【0146】
一方、S924で用紙種別情報が「フリー」の場合はS925に進みメイン側ジョブ制御部401は、出力用紙種別情報762が「パネル優先」かどうか判定する。「パネル優先」で
ある場合はS932に進んで、メイン側ジョブ制御部401は、その給紙段によって出力給紙段情報763を更新してこの処理を終了する。一方、出力用紙種別情報762が「パネル優先」
でない場合はS927に進み、メイン側ジョブ制御部401は、出力給紙段情報763が示す給紙段の第2の用紙種別情報783が「未検知」かどうか判定する。「未検知」であればS932に進みメイン側ジョブ制御部401は、その給紙段によって出力給紙段情報763を更新して、この処理を終了する。一方、S927で「未検知」でない場合はS928に進みメイン側ジョブ制御部401は、出力給紙段情報763が示す給紙段の第2の用紙種別情報783が、印刷ジョブで指示された出力用紙種別情報762と一致するかどうか判定する。ここで一致すると判定するとS932に進むが、そうでないときはメイン側ジョブ制御部401は、給紙段候補リストから次の給紙段の候補を取得して、前述の処理を行う。
【0147】
S929は、メイン側ジョブ制御部401が、給紙段候補リストに含まれる全ての給紙段に対して、印刷ジョブに適合しているかどうかを判定した結果、印刷ジョブに適合している給紙段が見つからなかった場合に実行される。S929でメイン側ジョブ制御部401は、出力給紙段情報763が「自動」かどうか判定する。「自動」であると判定した場合はS930に進みメイン側ジョブ制御部401は、デフォルト給紙段情報703で出力給紙段情報763を更新して、この処理を終了する。一方、出力給紙段情報763が「自動」ではない場合はS931に進みメイン側ジョブ制御部401は、出力給紙段情報763を更新せずに、この処理を終了する。
【0148】
以上の処理により、印刷ジョブの条件を満足する用紙が収容された給紙段が決定されることになる。
【0149】
図10は、
図8のS804の出力用紙種別情報の決定処理を説明するフローチャートである。
【0150】
この処理は、プリンタエンジン105に指定する用紙種別を決定する出力用紙種別情報762が「パネル優先」でなければ、その設定のまま変更しない。出力用紙種別情報762が「パネル優先」の場合、出力用紙種別情報762は、出力給紙段情報763に対応する第1の用紙種別情報、もしくは「フリー」「自動検知」「フル検知」のいずれかに決定される。
【0151】
先ずS1011でメイン側ジョブ制御部401は、出力用紙種別情報762が「パネル優先」かどうか判定する。「パネル優先」ではない場合、つまり、いずれかの用紙種別が出力用紙種別情報762に指定されている場合はS1012に進み、メイン側ジョブ制御部401は、何もせずに処理を終了する。
【0152】
一方、S1011で「パネル優先」であると判定した場合はS1013に進みメイン側ジョブ制御部401は、出力給紙段情報763に対応する第1の用紙種別情報702が「フリー」かどうか判定する。「フリー」でない場合はS1014に進みメイン側ジョブ制御部401は、出力給紙段情報763に対応する第1の用紙種別情報702で、出力用紙種別情報762の内容を更新して、この処理を終了する。
【0153】
一方、S1013で出力給紙段情報763に対応する第1の用紙種別情報702が「フリー」であると判定するとS1015に進みメイン側ジョブ制御部401は、出力給紙段情報763が「手差しトレイ」かどうか判定する。そうであればS1016に進みメイン側ジョブ制御部401は、手差しトレイに対応するメディアセンサ検知レベル708の内容に基づいて、処理を切り替える。S1016でメディアセンサ検知レベル708が「検知しない」であればS1017に進みメイン側ジョブ制御部401は、出力用紙種別情報762を「フリー」として、この処理を終了する。またS1016でメディアセンサ検知レベル708が「自動検知」の場合はS1018に進みメイン側ジョブ制御部401は、出力用紙種別情報762を「自動検知」として、この処理を終了する。またS1016でメディアセンサ検知レベル708が「フル検知」の場合はS1019に進みメイン側ジョブ制御部401は、出力用紙種別情報762を「フル検知」として、この処理を終了する。
【0154】
またS1015で出力給紙段情報763が「手差しトレイ」でない場合(つまり、いずれかのカセットが選択されている場合)はS1020に進み、カセットに対応するメディアセンサ検知レベル708の内容に基づいて、処理を切り替える。S1020でメイン側ジョブ制御部401は、カセットに対するメディアセンサ検知レベル708が「検知しない」の場合はS1021に進み、メイン側ジョブ制御部401は、出力用紙種別情報762を「フリー」として、この処理を終了する。一方S1020で、メディアセンサ検知レベル708が「自動検知」の場合はS1022に進みメイン側ジョブ制御部401は、出力用紙種別情報762を「自動検知」として、この処理を終了する。
【0155】
図11は、
図8のS808の印刷処理を説明するフローチャートである。この印刷処理は、サブ側ジョブ制御部431の制御の下で実行される。
【0156】
この印刷処理は、出力用紙種別情報762とメディアセンサの検知結果に基づいて、プリンタエンジン105に対して、定着温度及び用紙の搬送速度を含むエンジンパラメータを設定して、印刷用画像データ770を用紙に印刷する処理である。
【0157】
表6は、用紙種別に対するエンジンパラメータの設定の一例を示している。例えば、出力用紙種別情報762が「薄紙」の場合、サブ側ジョブ制御部431はプリンタエンジン105に対しては搬送速度が「通常速度」、定着温度が「低い」として通知する。これによって、薄紙への印刷するときに発生する用紙のそり(カール)の発生を抑制できる。また出力用紙種別情報762が「厚紙」の場合、サブ側ジョブ制御部431は、プリンタエンジン105に対して搬送速度が「1/2速度」、定着温度が「高い」として通知する。これにより、厚紙への印刷時に発生するトナーの定着不良を抑制できる。
【0159】
先ずS1101でサブ側ジョブ制御部431は、出力用紙種別情報762を判定し、その用紙種別に基づいて処理を分岐する。S1101でサブ側ジョブ制御部431は、用紙種別情報762が特定の用紙種別である場合(即ち、「フリー」「自動検知」「フル検知」ではない場合)はS1102に進む。そしてサブ側ジョブ制御部431は、デバイス制御部434により、用紙種別情報762に基づいたエンジンパラメータをプリンタエンジン105に通知してS1103に進む。
【0160】
S1101でサブ側ジョブ制御部431は、用紙種別情報762が「フリー」と判定するとS1107に進む。サブ側ジョブ制御部431は、デバイス制御部434により、デフォルト用紙種別設定情報705の用紙種別に基づいたエンジンパラメータを、プリンタエンジン105に通知してS1103に進む。
【0161】
またS1101で用紙種別情報762が「自動検知」と判定するとS1108に進みサブ側ジョブ制御部431は、出力給紙段情報763に対応する検知カウンタ(cnt)を参照する。次にS1009に進みサブ側ジョブ制御部431は、cntの値が検知閾値を超えているか否かを判定する。cntの値が検知閾値(例えば5)を超えている場合はS1110に進みサブ側ジョブ制御部431は、出力給紙段情報763に対応する第2の用紙種別情報783に基づいて用紙種別情報を判定する。そしてデバイス制御部434により、その判定した用紙種別に基づいたエンジンパラメータを、プリンタエンジン105に通知してS1103に進む。S1103でデバイス制御部434は、出力給紙段情報763が示す給紙段から用紙を給紙するように、プリンタエンジン105を制御してS1104に進む。これによりS1104でプリンタエンジン105は、用紙を印刷位置まで搬送し、S1105で定着器の温度がエンジンパラメータの定着温度に達するまで待機する。そしてS1106に進みプリンタエンジン105は、エンジンパラメータの搬送速度に従って印刷用画像データ770に基づいて用紙に画像を印刷し、この処理を終了する。
【0162】
一方、S1109でサブ側ジョブ制御部431は、cntの値が検知閾値を超えていないと判定するとS1111に進む。S1111でサブ側ジョブ制御部431は、デバイス制御部434により、出力給紙段情報763が示す給紙段から用紙を給紙するように、プリンタエンジン105を制御する。これによりS1112に進みプリンタエンジン105は、その給紙段の用紙をセンサ位置まで搬送し、メディアセンサ314によって、その用紙の種別を検知してサブ側ジョブ制御部431に通知する。そしてS1113に進みサブ側ジョブ制御部431は、その受け取った検知結果を、対応する給紙段のcnt番目の検知結果として仮検知結果782に保持する(表5参照)。そしてS1114に進み、サブ側ジョブ制御部431は、cntの値が検知閾値と等しいかを判定する。ここでcntの値が検知閾値と等しくないとは判定するとS1115に進み、サブ側ジョブ制御部431は、0番目の検知結果を出力給紙段情報763に対応する第2の用紙種別情報783を更新してS1117に進む。これは、比較的検知結果が正しい1枚の用紙種別の検知結果を採用するものである。
【0163】
一方、S1114で、サブ側ジョブ制御部431が、cntの値が検知閾値と等しいと判定するとS1116に進む。ここでサブ側ジョブ制御部431は、出力給紙段情報763に対応する第2の用紙種別情報783に含まれる、0番目から(検知閾値−1)番目までの検知結果で、最も検知された回数の多い用紙種別を取得する。例えば表5の例で、「カセット4」の場合は「薄紙」となる。そしてサブ側ジョブ制御部431は、その取得した、最も検知された回数の多い用紙種別で、出力給紙段情報763に対応する第2の用紙種別情報783を更新してS1117に進む。
【0164】
S1117でサブ側ジョブ制御部431は、デバイス制御部434により、出力給紙段情報763に対応する第2の用紙種別情報783に基づいたエンジンパラメータをプリンタエンジン105に通知させる。そしてS1118に進みサブ側ジョブ制御部431は、出力給紙段情報763が示す給紙段に対応する検知カウンタを+1してS1104に進む。
【0165】
一方、S1101でサブ側ジョブ制御部431が、出力用紙種別情報762が「フル検知」であると判定するとS1119に進み、プリンタエンジン105は、出力給紙段情報763で指示された給紙段から用紙を給紙する。次にS1120に進みプリンタエンジン105は、その用紙をセンサ位置まで搬送すると、サブ側ジョブ制御部431は、メディアセンサ314によってその用紙の種別を検知する。そしてS1121に進みサブ側ジョブ制御部431は、デバイス制御部434により、メディアセンサ314で検知した用紙種別に対応するエンジンパラメータをプリンタエンジン105に通知させてS1104に進む。
【0166】
図12は、
図8のS817のリカバリ待機処理を説明するフローチャートである。また、
図13は、実施形態1に係る画像形成装置100が、リカバリ待機中に表示するエラー画面の一例を示す図である。
【0167】
先ずS1201でユーザ操作受付部405は、エラー情報に基づいて操作部101の表示部124に表示する画面を更新する。このとき、エラー情報に加えて、出力用紙サイズ情報761、出力給紙段情報763、出力用紙種別情報762などの情報も表示するのが望ましい。
【0168】
図13(A)は、手差しトレイに対する用紙交換要求が発生している場合のエラー画面を示し、
図13(B)は、カセット1に対する用紙無しエラーが発生している場合のエラー画面の一例を示す。これら画面では、対象となる手差しトレイ、或いはカセットの名称が表示され、それとともに、その給紙段に設定されている出力用紙サイズ情報と出力用紙種別情報が表示されている。
【0169】
次にS1202に進みユーザ操作受付部405は、イベントの発生を待ち、何らかのイベントが発生するとS1203に進む。S1203でユーザ操作受付部405は、その発生したイベントの種類を判定し、そのイベントの種類に応じて処理を分岐する。上ボタン121や下ボタン123の押下イベントが発生した場合はS1204に進み、ユーザ操作受付部405はカーソルの上下移動を行ってS1201に進み、カーソルを移動した画像面を表示してS1202に進み、次にイベントの発生を待つ。
【0170】
操作部101の実行ボタン122の押下イベントが発生した場合はS1203からS1205に進みユーザ操作受付部405は、現在のカーソル位置で選択されている項目(
図13参照)を確認する。選択項目が「<キャンセル>」の場合はS1206に進み、ユーザ操作受付部405はメイン側ジョブ制御部401にキャンセル指示を通知し、メイン側ジョブ制御部401は、そのジョブをキャンセルして、この処理を終了する。
【0171】
S1205での選択項目がいずれかの給紙段の場合はS1207に進みユーザ操作受付部405は、出力給紙段情報763に対応する給紙段の用紙サイズ設定情報701が「フリー」かどうか判定する。「フリー」であればS1209に進むが、「フリー」ではない場合はS1208に進み、その給紙段の用紙サイズ設定情報を、出力用紙サイズ情報761で更新してS1209に進む。S1209でユーザ操作受付部405は、出力給紙段情報763が示す給紙段に対応する第1の用紙種別情報702が「フリー」かどうか判定する。「フリー」であればS1211に進むが、「フリー」ではない場合はS1210に進み、その給紙段の用紙種別情報を、出力用紙種別情報762で更新してS1211に進む。そしてS1211でユーザ操作受付部405は、出力給紙段情報763を、選択された給紙段によって更新して、この処理を終了する。
【0172】
またS1203で給紙段の扉を閉じるクローズイベントが発生した場合はS1212に進みユーザ操作受付部405は、その閉じられた給紙段が、出力給紙段情報763が示す給紙段と一致するかを判定する。一致しない場合は、別の給紙段が閉じられた場合であるため、その他のイベントの場合と同様にS1201に進む。S1212で、閉じられた給紙段が出力給紙段情報763が示す給紙段と一致する場合は、ユーザ操作受付部405は、このリカバリ処理を終了する。
【0173】
上述の実施形態1では、出力用紙種別情報762が「パネル優先」である場合、第2の用紙種別情報783の内容を参照するとして説明した。しかしながら、プリンタドライバを介さずにPDLデータを生データとしてジョブ投入する場合は、自動的に給紙段を選択したい要望がある。そこで、出力用紙種別情報762が特定の用紙種別と一致するときに、第2の用紙種別情報783の内容を参照して、印刷に使用する給紙段を選択しても良い。この特定の用紙種別は、ユーザが操作部101を介して設定しても良く、或いは、システムが固定値としても有していても良い。また或いは、デフォルト用紙種別設定情報705を用いても良い。
【0174】
以上説明したように実施形態1によれば、メディアセンサ314で検知した各給紙段に収納されている用紙の種別情報を、ジョブの終了後も保持しておき、次のジョブの給紙段自動選択時に活用できる。これにより、給紙段の自動選択時に、収容されている用紙種別が不明の給紙段であっても、以前のジョブの検知結果に基づいて、印刷に使用する給紙段を判定できる。
【0175】
[実施形態2]
上述の実施形態1では、第2の用紙種別情報が「未検知」の給紙段も、印刷に使用する給紙段として選択できるようにすることで、給紙段が出力給紙段として選択される機会を増やしていた。次に、実施形態2としては、第2の用紙種別情報が検知済みである給紙段を、未検知の給紙段よりも優先的に選択する例で説明する。尚、実施形態2に係る画像形成装置100、情報処理装置150等の構成は、前述の実施形態1と同じであるため、その説明を省略する。
【0176】
図14は、本発明の実施形態2に係る画像形成装置100による出力給紙段情報を決定する処理(
図8のS803)を説明するフローチャートである。尚、
図9のフローチャートと共通する処理は同じ符号で示している。
【0177】
先ずS1401でメイン側ジョブ制御部401は、給紙段候補リストを生成する。この処理については、前述の
図9のS911〜S920の処理と同じであるため、その詳細は割愛する。そしてS1402に進みメイン側ジョブ制御部401は、給紙段候補リストに含まれるそれぞれの給紙段に対して下記処理を順次、実行する。
【0178】
S922でメイン側ジョブ制御部401は、出力給紙段情報に対応した用紙サイズ設定情報701が「フリー」かどうかを判定する。「フリー」ではない場合はS923に進み、メイン側ジョブ制御部401は、その用紙サイズ情報が出力用紙サイズ情報761と一致するかを判定する。ここで、その用紙サイズが出力用紙サイズ情報761と一致しない場合は、次の給紙段に対する判定処理に移る。
【0179】
S922で、用紙サイズ設定情報が「フリー」か、或いはS923で出力用紙サイズ情報761と一致する場合はS924に進みメイン側ジョブ制御部401は、出力給紙段情報763に対応する第1の用紙種別情報702が「フリー」かどうか判定する。ここで「フリー」でない場合はS926に進みメイン側ジョブ制御部401は、その用紙種別が出力用紙種別情報762と一致するかを判定する。こうして、出力給紙段情報763に対応する第1の用紙種別情報702が「フリー」でなく、かつ、出力用紙種別情報762と一致しない場合、メイン側ジョブ制御部401は、次の給紙段候補に対する判定処理に移る。出力給紙段情報763に対応する第1の用紙種別情報702が「フリー」でなく、出力用紙種別情報762と一致する場合はS932に進みメイン側ジョブ制御部401は、現在選択している給紙段の情報を出力給紙段情報763を設定してこの処理を終了する。
【0180】
またS924で、用紙種別情報が「フリー」である場合はS925に進みメイン側ジョブ制御部401は、出力用紙種別情報762が「パネル優先」かどうか判定する。「パネル優先」で
ある場合はS932に進みメイン側ジョブ制御部401は、現在選択している給紙段の情報を出力給紙段情報763を設定して、この処理を終了する。一方、出力用紙種別情報762が「パネル優先」
でない場合はS928に進みメイン側ジョブ制御部401は、出力給紙段情報763が示す給紙段の第2の用紙種別情報783が、出力用紙種別情報と一致するかを判定する。ここで一致すると判定するとS932に進みメイン側ジョブ制御部401は、現在選択している給紙段の情報を出力給紙段情報763を設定して、この処理を終了する。一方、一致しないと判定するとメイン側ジョブ制御部401は、次の給紙段候補に対する判定処理に移る。このとき、出力給紙段情報763が示す給紙段の第2の用紙種別情報783が「未検知」であれば、出力用紙種別情報762は「未検知」とならないので、必ず一致しないとなる。
【0181】
次にS1403以降で、メイン側ジョブ制御部401は、給紙段候補リストに含まれる各給紙段候補に対して以下に示す処理を順次、繰り返し実行する。
【0182】
S1404でメイン側ジョブ制御部401は、出力給紙段情報が示す給紙段の用紙サイズ設定情報701が「フリー」かどうか判定する。ここで「フリー」でない場合はS1405に進みメイン側ジョブ制御部401は、その用紙サイズ情報が出力用紙サイズ情報761と一致するかを判定する。ここで一致しないと判定すると、次の給紙段候補に対する判定処理に移る。一方、S1404で用紙サイズ設定情報が「フリー」か、或いはS1405で出力用紙サイズ情報761と一致する場合はS1406に進む。S1406でメイン側ジョブ制御部401は、出力給紙段情報763が示す給紙段の第1の用紙種別情報702が「フリー」かどうか判定する。ここで「フリー」ではないと判定すると、次の給紙段候補に対する判定処理に移る。またS1406で出力給紙段の第1の用紙種別情報702が「フリー」の場合はS1407に進みメイン側ジョブ制御部401は、出力給紙段情報763が示す給紙段の第2の用紙種別情報7
83が「未検知」かどうか判定する。ここで「未検知」であると判定するとS932に進み、その給紙段の情報で出力給紙段情報763を更新して、この処理を終了する。一方、S1407で、出力給紙段情報763が示す給紙段の第2の用紙種別情報7
83が「未検知」でない場合は、次の給紙段候補に対する判定処理に移る。
【0183】
こうして給紙段候補リストに含まれる全ての給紙段に対して出力可否の判定をした結果、給紙段を特定できなかった場合S929に進む。S929でメイン側ジョブ制御部401は、出力給紙段情報763が「自動」かどうか判定する。「自動」であればS930に進みメイン側ジョブ制御部401は、デフォルト給紙段情報703で出力給紙段情報763を更新して、この処理を終了する。また出力給紙段情報763が「自動」ではない場合はS931に進みメイン側ジョブ制御部401は、出力給紙段情報763を更新せずに、この処理を終了する。
【0184】
以上説明したように実施形態2によれば、実施形態1と比べて、収容されている用紙の種別が検知済みである給紙段が、用紙種別が未検知の給紙段より優先的に使用される。これにより、収容している用紙の種別が既知である給紙段から優先的に用紙を給紙できるため、ユーザは、用紙種別が既知である用紙に優先的に印刷できるという効果がある。
【0185】
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0186】
本発明は上記実施の形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、本発明の範囲を公にするために、以下の請求項を添付する。