特許第6444192号(P6444192)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6444192
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】自動二輪車用空気入りタイヤ
(51)【国際特許分類】
   B60C 9/18 20060101AFI20181217BHJP
   B60C 9/20 20060101ALI20181217BHJP
【FI】
   B60C9/18 J
   B60C9/20 E
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-17297(P2015-17297)
(22)【出願日】2015年1月30日
(65)【公開番号】特開2016-141209(P2016-141209A)
(43)【公開日】2016年8月8日
【審査請求日】2017年12月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005278
【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100119530
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 和幸
(74)【代理人】
【識別番号】100164448
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 雄輔
(72)【発明者】
【氏名】大島 雅知
【審査官】 増永 淳司
(56)【参考文献】
【文献】 特表2012−513334(JP,A)
【文献】 特開2005−53478(JP,A)
【文献】 特開2012−131184(JP,A)
【文献】 特開2006−199074(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第0461646(EP,A2)
【文献】 米国特許第5762733(US,A)
【文献】 国際公開第1998/02320(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C 9/18
B60C 9/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2本の補強コードをゴムで被覆したストリップ部材をタイヤ周方向に沿ってスパイラル状に巻き回して形成したスパイラルベルトを具えた自動二輪車用空気入りタイヤであって、
前記タイヤの偏平率が60%以上であり、
前記タイヤを適用リムに装着し、規定内圧を充填し、無負荷とした基準状態でのタイヤ幅方向断面において、周回毎の前記補強コードが、タイヤ幅方向全体にわたって前記スパイラルベルトのペリフェリに沿って等間隔に位置し、
前記基準状態でのタイヤ幅方向断面において、タイヤ幅方向に隣接する周回毎の前記補強コード間の前記スパイラルベルトのペリフェリに沿った間隔Aは、3.5mm以上6.0mm以下であり、
前記基準状態でのタイヤ幅方向断面において、前記ストリップ部材を構成する前記2本の補強コード間の前記スパイラルベルトのペリフェリに沿った間隔Bは、0.8mm以上1.5mm以下であり、
1本の前記補強コードの破断強度は、200N以上1000N以下であることを特徴とする、自動二輪車用空気入りタイヤ。
【請求項2】
前記補強コードは、スチールコードである、請求項1に記載の自動二輪車用空気入りタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動二輪車用空気入りタイヤに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動二輪車によるコーナリング走行に当たっては、タイヤを路面に対して傾斜させてキャンバー角を付与する。近年の自動二輪車においては、車体性能の向上やタイヤのトレッドゴムのグリップ性能の向上等により、60°近くの大きなキャンバー角でのコーナリングが可能になってきている。
【0003】
上記のような大きなキャンバー角での走行を含むコーナリング時において、グリップ性能をさらに確保するためには、接地面積を増大させることが重要であり、従来、トレッド部のクラウン形状やタイヤの内部構造等、様々な工夫により接地面積を確保している。
【0004】
ここで、300km/h近くでの高速走行が可能なレース用タイヤにおいては、遠心力によるタイヤの膨張を抑制するため、コードをゴムで被覆したストリップ部材をタイヤ周方向に沿ってスパイラル状に巻き回して形成した、スパイラルベルトを備えた構造を一般的に採用している。
【0005】
そして、例えば特許文献1〜4に記載のように、自動二輪車用空気入りタイヤにおいて、スパイラルベルトの打ち込み数を低減させることにより、接地面積を確保してグリップ性能を確保する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−196148号公報
【特許文献2】特開平7−290905号公報
【特許文献3】特開2006−199074号公報
【特許文献4】特開2006−224935号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述のようなタイヤの膨張を抑制し、タイヤの破裂破壊を防止して耐久性を向上させる観点からは、スパイラルベルトのコードの打ち込み数は、一定数以上とすることが通常であった。そのため、打ち込み数の調整によって、タイヤの耐久性とグリップ性能とを両立させることが困難であった。
【0008】
本発明は、上記の課題を解決すべくなされたものであり、タイヤの耐久性と大きなキャンバー角での走行を含むコーナリング時のタイヤのグリップ性能とを両立させた、自動二輪車用空気入りタイヤを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の要旨構成は、以下の通りである。
本発明の自動二輪車用空気入りタイヤは、2本の補強コードをゴムで被覆したストリップ部材をタイヤ周方向に沿ってスパイラル状に巻き回して形成したスパイラルベルトを具え、前記タイヤの偏平率が60%以上であり、前記タイヤを適用リムに装着し、規定内圧を充填し、無負荷とした基準状態でのタイヤ幅方向断面において、周回毎の前記補強コードが、タイヤ幅方向全体にわたって前記スパイラルベルトのペリフェリに沿って等間隔に位置し、前記基準状態でのタイヤ幅方向断面において、タイヤ幅方向に隣接する周回毎の前記補強コード間の前記スパイラルベルトのペリフェリに沿った間隔Aは、3.5mm以上6.0mm以下であり、前記基準状態でのタイヤ幅方向断面において、前記ストリップ部材を構成する前記2本の補強コード間の前記スパイラルベルトのペリフェリに沿った間隔Bは、0.8mm以上1.5mm以下であり、1本の前記補強コードの破断強度は、200N以上1000N以下であることを特徴とするものである。
本発明の自動二輪車用空気入りタイヤによれば、タイヤの耐久性と大きなキャンバー角での走行を含むコーナリング時のタイヤのグリップ性能とを両立させることができる。
【0010】
ここで、「適用リム」とは、タイヤが生産され、使用される地域に有効な産業規格であって、日本ではJATMA(日本自動車タイヤ協会)のJATMA YEAR BOOK、欧州ではETRTO(The European Tyre and Rim Technical Organisation)のSTANDARDS MANUAL、米国ではTRA(The Tire and Rim Association, Inc.)のYEAR BOOK等に記載されている、適用サイズにおける標準リム(ETRTOのSTANDARDS MANUALではMeasuring Rim、TRAのYEAR BOOKではDesign Rim)を指す。また、「規定内圧」とは、冷間セット150kPa〜290kPaの範囲で、ブリヂストン社製RMRのサイズ毎にブリヂストン社が推奨した内圧をいうものとする。
【0011】
さらに、「等間隔」とは、実質的に等間隔であれば良く、例えば製造上の誤差等により、ばらつきを有する場合も含まれるものとする。
また、「間隔A」は、補強コードの中心間の間隔をいい、図2に示すように、2本の補強コード8のうち、タイヤ幅方向に隣接するストリップ部材の周回部分に互いに最も近い補強コード8同士の中心間の間隔をいうものとする。そして、「間隔B」は、図2に示すように、補強コード8の中心間の間隔をいうものとする。
ここで、「補強コード」とは、1本の素線からなる補強コード、2本以上の素線からなる(例えば、2本以上の素線を引き揃える、撚り合わせる等してなる)補強コードを含むものとする。
【0012】
さらに、「破断強度」とは、自動二輪車用空気入りタイヤからスパイラルベルトを所定の長さ、所定の幅、所定の厚さで切り出し、被覆されたゴムを取り除いて、所定の長さの1本の補強コードを取り出し、該補強コードについての破断強度を測定したものとする。破断強度の測定は、JIS G 3510 及び JIS Z 2241に準拠した引張り試験にて行い、補強コードが破断するに至る際の最大引張荷重をスチールコードの破断強度とする。
【0013】
本発明の自動二輪車用空気入りタイヤにあっては、前記補強コードは、スチールコードであることが好ましい。
補強コードとしてスチールコードを用いることが、上記の破断強度の範囲とするのに特に適している。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、タイヤの耐久性と大きなキャンバー角での走行を含むコーナリング時のタイヤのグリップ性能とを両立させた、自動二輪車用空気入りタイヤを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態にかかる自動二輪車用空気入りタイヤの、タイヤ幅方向断面図である。
図2】本発明の一実施形態にかかる自動二輪車用空気入りタイヤの、スパイラルベルトの補強コードの配置を模式的に示した図である。
図3】本発明の他の実施形態にかかる自動二輪車用空気入りタイヤの、タイヤ幅方向断面図である。
図4】本発明の別の実施形態にかかる自動二輪車用空気入りタイヤの、タイヤ幅方向断面図である。
図5】比較例にかかる自動二輪車用空気入りタイヤの、スパイラルベルトの補強コードの配置を模式的に示した図である。
図6】比較例にかかる自動二輪車用空気入りタイヤの、スパイラルベルトの補強コードの配置を模式的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に例示説明する。図1は、自動二輪車用空気入りタイヤ(以下、単にタイヤとも称する)を適用リムに装着し、規定内圧を充填し、無負荷とした基準状態の際のタイヤ幅方向断面を示している。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態にかかる自動二輪車用空気入りタイヤ(以下、単にタイヤとも称する)のタイヤ幅方向断面図である。まず、このタイヤ1は、偏平率が60%以上であり、図1に示すように、このタイヤ1は、一対のビード部2と、該ビード部2に連なる一対のサイドウォール部3と、両サイドウォール部3間にトロイド状をなして連なるトレッド部4と、を有している。また、このタイヤは、一対のビード部2に埋設された一対のビードコア2a間にトロイダル状に跨るカーカス本体部と該カーカス本体部から延びタイヤ幅方向内側から外側に向かって折り返されるカーカス折り返し部とからなる、1枚以上(図示例では2枚)のラジアル配列のカーカスプライ5a、5bからなるカーカス5を有している。図示例では、カーカスプライ5a、5bの折り返し部の折り返し端は、タイヤ径方向の位置を互いにずらして配置されている。
【0018】
そして、このタイヤ1は、カーカス5のタイヤ径方向外側に、2本の補強コードを引き揃えてゴムで被覆したストリップ部材をタイヤ周方向に沿ってスパイラル状に巻き回して(いわゆる2条巻き)形成したスパイラルベルト6を1層有している。さらに、図示例では、ビードコア2aのタイヤ径方向外側に、断面略三角形状のビードフィラ7が配置されている。図2に示す例では、補強コード8は、5本の素線9を撚り合わせてなる、いわゆる1×5の撚り構造の補強コード(この例ではスチールコード)を用いている。
【0019】
図2は、本実施形態のスパイラルベルト6の補強コードの配置を模式的に示した図である。本実施形態のタイヤにあっては、周回毎の補強コード8が、タイヤ幅方向全体にわたって等間隔に位置している。すなわち、本実施形態では、2本の補強コード8をゴムで被覆したストリップ部材を用いているため、間隔Bでタイヤ幅方向に隣接する2本1組の補強コード8が、タイヤ幅方向全体にわたって間隔Aで等間隔に位置している。そして、本実施形態のタイヤでは、タイヤ幅方向に隣接する周回毎の補強コード8間の上記の間隔Aは、3.5mm以上6.0mm以下であり、ストリップ部材を構成する2本の補強コード間の上記間隔Bは、0.8mm以上1.5mm以下である。
図2においては模式的に示しているが、実際には、図1に示すように、上記間隔A、Bは、上記基準状態のタイヤ幅方向断面において、スパイラルベルト6のペリフェリに沿った間隔である。
【0020】
さらに、本実施形態のタイヤにあっては、1本の補強コード8の破断強度は、200N以上1000N以下である。
以下、本実施形態の自動二輪車用空気入りタイヤの作用効果について説明する。
【0021】
本発明者が、上述した課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、偏平率が60%以上の自動二輪車用空気入りタイヤにおいては、タイヤ断面がより真円に近づくため、タイヤ内圧による張力をカーカスがその全体(ビード部からタイヤ赤道面まで)で負担することができ、スパイラルベルトが負担する張力を低減することができるため、タイヤの破裂破壊に対する耐久性のスパイラルベルトの打ち込み数による依存性を大幅に低減することができ、従って、スパイラルベルトの補強コードを疎に配置してもタイヤの破裂破壊に対する耐久性を確保し得るという知見を得た。
【0022】
上記の知見に基づいて完成された本発明の一実施形態である上記のタイヤ1は、まず、偏平率が60%以上であるという条件の下、1本の補強コード8の破断強度を200N以上として2条巻きとし、且つ、タイヤ幅方向に隣接する周回毎の補強コード8間の上記の間隔Aを6.0mm以下とし、且つ、上記間隔Bを1.5mm以下としていることにより、上記の間隔Aをこの範囲内である程度広くしても(例えば間隔Aを6.0mmとして疎にしても)、タイヤの耐久性を確保することができる。
そして、本実施形態のタイヤでは、タイヤ幅方向に隣接する周回毎の補強コード8間の上記の間隔Aを3.5mm以上とし、且つ、上記間隔Bを0.8mm以上としていることから、補強コード8のタイヤ幅方向への変形を助長して、タイヤ径方向への変形(いわゆるバックリング現象を生じさせる変形)を抑制し、接地面積を確保して、グリップ性能を向上させることができる。
なお、1本の補強コードの破断強度が1000N超だとコードの曲げ剛性が高くなりすぎて接地面積が減少してしまう場合があるからである。
さらに、本実施形態のタイヤでは、周回毎の補強コード8が、タイヤ幅方向全体にわたってスパイラルベルト6のペリフェリに沿って等間隔に位置しているため、補強コード8がタイヤ幅方向全体にわたって疎密が生じないようにすることができ、上記の効果をタイヤ幅方向全体にわたって有効に得ることができる。特に、60°以上の大きなキャンバー角が付与された際に接地する領域に関しても、接地面積を増大させてグリップ性能を確保することができる。
なお、上記の間隔Aを6.0mm以下としていることにより、走行時の剛性感を向上させることもできる。
以上のように、本実施形態のタイヤによれば、タイヤの耐久性と大きなキャンバー角での走行を含むコーナリング時のタイヤのグリップ性能とを両立させることができる。
【0023】
また、本発明の自動二輪車用空気入りタイヤにあっては、補強コード8は、スチールコードであることが好ましい。
上記の範囲の破断強度のスチールコードが、曲げ剛性も適正で廉価であるからである。
【0024】
また、本発明の自動二輪車用空気入りタイヤでは、上記間隔Aは、4.0mm〜5.0mmであることがさらに好ましい。上記間隔Aを4.0mm以上とすることにより、さらにグリップ性能を向上させることができ、また、上記間隔Aを5.0mm以下とすることにより、さらに耐久性を向上させることができるからである。
【0025】
ここで、図2に示す例では、補強コード8は、5本の素線9を撚り合わせてなる、いわゆる1×5の撚り構造の補強コード8(この例ではスチールコード)を用いているが、本発明においては、補強コード8の撚り構造については、特には限定されず、例えば、1×2、3×3等様々な撚り構造のものを用いることができる。要するに、本発明では、補強コード8の材質や撚り構造によって、1本の補強コード8の破断強度を、200N以上1000N以下にするというものである。
【0026】
本発明の自動二輪車用空気入りタイヤは、偏平率が80%以下であることが好ましい。自動二輪車用空気入りタイヤの基本的な走行性能を確保することができるからである。
【0027】
なお、本発明の自動二輪車用空気入りタイヤは、図3図4に示すように、カーカス5のタイヤ径方向外側、且つ、スパイラルベルト6の対径方向内側に、ブレーカコードのプライからなる1層以上のブレーカ層10を有していても良い。図3は、ブレーカ層10を1層有する場合を示し、図4は、ブレーカ層10を2層有している場合を示している。この場合も、上述の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。なお、図3に示す例では、ブレーカ層10のタイヤ幅方向の幅は、スパイラルベルト6のタイヤ幅方向の幅より大きく、図4に示す例では、2層のブレーカ層のうち、タイヤ径方向内側のブレーカ層は、スパイラルベルト6の端部付近まで延び、2層のブレーカ層のうち、タイヤ径方向外側のブレーカ層は、タイヤ径方向内側のブレーカ層の端部位置で屈曲し、該端部位置よりタイヤ幅方向外側でカーカス5と接している。
【実施例】
【0028】
<実施例1>
本発明の効果を確かめるため、発明例1〜5及び比較例1〜5にかかるレース用の前輪用タイヤを試作して、破裂破壊に対する耐久性、有効接地面積、グリップ性能、及び剛性感を評価する試験を行った。各タイヤの諸元は、以下の表1に示している。タイヤの耐久性、有効接地面積、グリップ性能、及び剛性感の評価手法は、以下の通りである。なお、図4は、比較例1のように1条巻きで間隔Aが小さい場合を模式的に示したものであり、図5は、比較例4のように2条巻きで間隔Aが小さい場合を模式的に示したものである。なお、各タイヤは、表1に具体的に示す諸元を除いては、図1に示すようなタイヤ構造を有している。また、補強コードとしては、スチールコードを用いた。
【0029】
<破裂破壊に対する耐久性>
タイヤサイズ120/600R17の各タイヤを適用リムに装着し、空気を徐々に注入して内圧を高めて行き、タイヤが破裂した瞬間の内圧を測定することにより、タイヤの破裂破壊に対する耐久性を評価した。
評価は、比較例1を100とした際の相対値で示し、数値が大きい程、耐久性に優れていることを示す。また、相対値(INDEX)で70以上であれば、十分な耐久性を有している。
<有効接地面積>
タイヤサイズ120/600R17の各タイヤを適用リムに装着し、規定内圧を充填し、そのタイヤを平滑面に規定荷重押し付けた時の接地面積を評価した。
評価は、比較例1を100とした際の相対値で示し、数値が大きい程、有効接地面積が大きいことを示す。
<グリップ性能>
タイヤサイズ120/600R17の各タイヤを適用リムに装着し、規定内圧を充填し、クローズドサーキットを走行した際のライダーのフィーリングにより、大きなキャンバー角が付与された際のグリップ性能を評価した。
評価は、比較例1を100とした際の相対値で示し、数値が大きい程、グリップ性能に優れていることを示す。
<剛性感>
タイヤサイズ120/600R17の各タイヤを適用リムに装着し、規定内圧を充填し、クローズドサーキットを走行した際のライダーのフィーリングにより、剛性感を評価した。
評価は、比較例1を100とした際の相対値で示し、数値が大きい程、剛性感に優れていることを示す。
これらの評価結果を、タイヤの諸元と共に、以下の表1に示している。
【0030】
【表1】
【0031】
表1に示すように、発明例1〜5にかかるタイヤは、いずれも比較例1〜5にかかるタイヤと比較して、破裂破壊に対する耐久性、有効接地面積、グリップ性能、及び剛性感を確保することができていることがわかる。
【0032】
<実施例2>
タイヤサイズ110/80R17相当の扁平率の前輪用タイヤについても、発明例6及び比較例6、7を試作して、実施例1と同様の試験を行った。各タイヤの諸元は、評価結果と共に以下の表2に示している。
評価手法は、実施例1と同様であるが、比較例6の評価結果を100として、各性能を評価している。
【0033】
【表2】
【0034】
表2に示すように、発明例6にかかるタイヤは、比較例6、7にかかるタイヤと比較して、破裂破壊に対する耐久性、有効接地面積、グリップ性能、及び剛性感を確保することができていることがわかる。
【0035】
<実施例3>
タイヤサイズ120/600R17のレース用の前輪用タイヤについても、発明例7及び比較例8、9を試作して、実施例1と同様の試験を行った。各タイヤの諸元は、評価結果と共に以下の表3に示している。
評価手法は、実施例1と同様であるが、比較例8の評価結果を100(耐久性については90)として、各性能を評価している。
【0036】
【表3】
【0037】
表3に示すように、発明例7にかかるタイヤは、比較例8、9にかかるタイヤと比較して、破裂破壊に対する耐久性、有効接地面積、グリップ性能、及び剛性感を総合的に確保することができていることがわかる。
【0038】
<実施例4>
タイヤサイズ180/640R17のレース用の後輪用タイヤについても、比較例10、11を試作して、実施例1と同様の試験を行った。各タイヤの諸元は、評価結果と共に以下の表4に示している。
評価手法は、実施例1と同様であるが、比較例10の評価結果を100(耐久性については85)として、各性能を評価している。
【0039】
【表4】
【0040】
表4に示すように、偏平率が60%未満(55%)である、比較例10は、間隔Aを5mmとしても、十分な耐久性及び剛性感を確保することができていないことがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明によれば、タイヤの耐久性と大きなキャンバー角での走行を含むコーナリング時のタイヤのグリップ性能とを両立させた、自動二輪車用空気入りタイヤを提供することができる。本発明は、レース用の前輪用の自動二輪車用空気入りタイヤとして、特に好適に用いられ得る。
【符号の説明】
【0042】
1 自動二輪車用空気入りタイヤ
2 ビード部
2a ビードコア
3 サイドウォール部
4 トレッド部
5 カーカス
6 スパイラルベルト
7 ビードフィラ
8 補強コード
9 素線
10 ブレーカ層
図1
図2
図3
図4
図5
図6