特許第6444252号(P6444252)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6444252
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】電気接触子及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01H 1/06 20060101AFI20181217BHJP
   H01H 11/06 20060101ALI20181217BHJP
【FI】
   H01H1/06 M
   H01H11/06 A
   H01H1/06 D
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-85980(P2015-85980)
(22)【出願日】2015年4月20日
(65)【公開番号】特開2016-207380(P2016-207380A)
(43)【公開日】2016年12月8日
【審査請求日】2017年10月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100161115
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 智史
(72)【発明者】
【氏名】千葉原 宏幸
(72)【発明者】
【氏名】荒木 健
【審査官】 関 信之
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭55−130017(JP,A)
【文献】 特開2011−249361(JP,A)
【文献】 特開2004−132556(JP,A)
【文献】 特開平04−037658(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 1/06
H01H 11/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
台金の接点取付穴にリベット型接点の脚部を挿入してかしめてなる電気接触子であって、
前記リベット型接点の鍔部と前記台金との間に、前記電気接触子の使用に伴い前記リベット型接点の鍔部と前記台金との間の接合強度を増大させる接合材が設けられており、
前記接合材が金属薄膜シートであり、
前記金属薄膜シートが、厚さが10μm以下のSnシートであることを特徴とする電気接触子。
【請求項2】
接点取付穴を有する台金とリベット型接点の鍔部との間に、電気接触子の使用に伴い前記リベット型接点の鍔部と前記台金との間の接合強度を増大させる接合材を配置した後、前記台金の前記接点取付穴に前記リベット型接点の脚部を挿入してかしめ
前記接合材が金属薄膜シートであり、
前記金属薄膜シートが、厚さが10μm以下のSnシートであることを特徴とする電気接触子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気中遮断器、開閉器、リレーなどに用いられる電気接触子及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
気中遮断器、開閉器、リレーなどに用いられる電気接触子として、台金に接点を固定した電気接触子が広く用いられている。台金に接点を固定する方法としては、かしめ、溶接、ろう付けなどの方法が一般に知られている。溶接及びろう付けは、台金と接点との接合強度が高いものの、台金と接合する際に加熱が必要であるため、処理に時間がかかり、電気接触子の生産性が低い。そのため、特に、定格電流が100A以下の低容量の電気接触子では、常温で固定することが可能なかしめ工法が多く用いられている。かしめ工法では、リベット型接点を用い、台金の接点取付穴にリベット型接点の脚部を挿入してかしめることにより、台金にリベット型接点が固定される。
【0003】
リベット型接点は、一般に、鍔部及び脚部を有するリベット部を有し、リベット部の頭部に接点が設けられる。このリベット型接点は、リベット部を与えるベース材料と接点材料とを冷間圧接によって一体化させ、所定の形状に成形加工することによって形成される。接点材料としては、導電性及び耐溶着性などの観点から、Agに、CdO(酸化カドミウム)、ZnO(酸化亜鉛)、InO(酸化インジウム)、SnO(酸化スズ)などを組み合わせたAg系の酸化物合金が用いられる。また、ベース材料としては、リベット型接点の脚部をかしめ時に変形させることができるように、硬度が低く(例えば、ビッカース硬さが60〜100HV)、加工し易いタフピッチ銅、無酸素銅などが用いられる。
【0004】
しかしながら、リベット型接点を台金に固定した電気接触子は、使用に伴い、通電時のアークによる接点表面の溶融及び凝固に起因する応力、並びに微溶着した接点の開極時の強制的な引き剥がしによる応力などによって、台金に固定されていたリベット型接点の鍔部が徐々に変形して反り上がる。そして、リベット型接点の鍔部が反り上がると、接点の消耗が加速してしまうため、電気接触子の寿命が短くなる。また、接点の消耗によって露出した台金が溶着し易くなる。
【0005】
そこで、様々な応力によるリベット型接点の鍔部の反り上がりを防止する方法として、特許文献1には、ビッカース硬さが125HV〜185HVの析出硬化型銅合金をベース材料として用い、リベット型接点の鍔部及び脚部を形成する方法が提案されている。また、特許文献2には、タフピッチ銅よりも硬いCu−Cr合金をベース材料として用い、リベット型接点の鍔部及び脚部を形成する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2012−221631号公報
【特許文献2】特開平6−73467号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、引用文献1及び2で用いられている銅合金は、硬度が高いため、かしめ時に脚部が十分に変形しなかったり、クラックが入ってしまったりすることがある。その結果、台金とリベット型接点との接合が不十分となり、電気接触子の寿命が短くなることがある。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、リベット型接点と台金との接合が良好であり、リベット型接点の鍔部の反り上がりを抑制することが可能な電気接触子及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記のような問題を解決すべく鋭意研究した結果、リベット型接点の鍔部と台金との間に、電気接触子の使用に伴いリベット型接点の鍔部と台金との間の接合強度を増大させる接合材を設けることにより、リベット型接点の鍔部の反り上がりを抑制し得ることを見出し、本発明に至った。
【0009】
すなわち、本発明は、台金の接点取付穴にリベット型接点の脚部を挿入してかしめてなる電気接触子であって、前記リベット型接点の鍔部と前記台金との間に、前記電気接触子の使用に伴い前記リベット型接点の鍔部と前記台金との間の接合強度を増大させる接合材が設けられており、前記接合材が金属薄膜シートであり、前記金属薄膜シートが、厚さが10μm以下のSnシートであることを特徴とする電気接触子である。
また、本発明は、接点取付穴を有する台金とリベット型接点の鍔部との間に、電気接触子の使用に伴い前記リベット型接点の鍔部と前記台金との間の接合強度を増大させる接合材を配置した後、前記台金の前記接点取付穴に前記リベット型接点の前記脚部を挿入してかしめ、前記接合材が金属薄膜シートであり、前記金属薄膜シートが、厚さが10μm以下のSnシートであることを特徴とする電気接触子の製造方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、リベット型接点と台金との接合が良好であり、リベット型接点の鍔部の反り上がりを抑制することが可能な電気接触子及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施の形態1の電気接触子の断面図である。
図2】実施の形態1の電気接触子に用いられるリベット型接点の断面図である。
図3】実施の形態1の電気接触子に用いられる台金の断面図である。
図4】実施の形態1の電気接触子の断面図である。
図5】実施の形態1の電気接触子の断面図である。
図6】従来の電気接触子1(一定期間使用後)の断面図である。
図7】実施の形態1の電気接触子の断面図である。
図8】溝部が形成された台金の上面図である。
図9】溝部が形成された台金の上面図である。
図10】溝部が形成された台金の上面図である。
図11】溝部が形成された台金の断面図である。
図12】溝部が形成された台金の断面図である。
図13】溝部が形成された台金の上面図である。
図14】溝部が形成された台金の上面図である。
図15】溝部が形成された台金の上面図である。
図16】金属微粒子を供給することが可能な分配装置の断面図である。
図17】台金とリベット型接点との間の接合部周辺の拡大断面図である。
図18】電気接触子の使用時間と、台金とリベット型接点との間の接合強度との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の電気接触子及びその製造方法の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
【0013】
実施の形態1.
本実施の形態の電気接触子は、台金の接点取付穴にリベット型接点の脚部を挿入してかしめることによって形成される。
図1は、本実施の形態の電気接触子の断面図を示す。図2は、かしめる前のリベット型接点の断面図である。図3は台金の断面図である。
図1において、電気接触子1は、台金2と、台金2にかしめられたリベット型接点3と、リベット型接点3の鍔部と台金2との間に設けられた接合材4とを備える。このような構成を有する電気接触子1は、図2に示すような台金2と図3に示すようなリベット型接点3を用いて形成される。リベット型接点3は、鍔部5a及び脚部5bを有するリベット部5と、リベット部5の頭部に設けられた接点6とを備える。台金2は、リベット型接点3の脚部5bを挿入可能な接点取付穴7を有する。電気接触子1は、台金2とリベット型接点3の鍔部5aとの間に接合材4を配置した後、台金2の接点取付穴7にリベット型接点3の脚部5bを挿入してかしめることによって製造される。
【0014】
台金2及びリベット型接点3としては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。
リベット型接点3のリベット部5は、硬度が高いと、図4に示すように、かしめ時に脚部5bが十分に変形せず、台金2とリベット型接点3との間の接合が不十分な部分8が生じることがある。また、場合によっては、図5に示すように、かしめられた脚部5bにクラック9が入ることもある。したがって、リベット部5は、硬度が低い銅材料を用いることが好ましい。具体的には、ビッカース硬度が60HV〜100HVの銅材料、例えば、タフピッチ銅、無酸素銅などを用いることが好ましい。
【0015】
リベット型接点3の鍔部5aと台金2との間に設けられる接合材4は、電気接触子1の使用に伴いリベット型接点3の鍔部5aと台金2との間の接合強度を増大させる機能を有する。このような機能を有する接合材4を設けることにより、電気接触子1の使用に伴い生じる鍔部5aの反り上がりを防止することができる。
【0016】
ここで、図6に、接合材4が設けられていない従来の電気接触子1(一定期間使用後)の断面図を示す。図6に示すように、従来の電気接触子1では、通電時のアークによる接点表面の溶融及び凝固に起因する応力、並びに微溶着した接点の開極時の強制的な引き剥がしによる応力などによって、台金2に固定されていたリベット型接点3の鍔部5aが徐々に変形して反り上がる。リベット型接点3の鍔部5aが反り上がると、接点6の消耗が加速してしまうため、電気接触子1の寿命が短くなると共に、露出した台金2が溶着し易くなる。
【0017】
本実施の形態の電気接触子1に用いられる接合材4としては、上記の機能を有するものであれば特に限定されない。
本実施の形態の電気接触子1に用いるのに好ましい接合材4は、Ag(銀)微粒子、Cu(銅)微粒子などの金属微粒子である。
ここで、本明細書において微粒子とは、平均粒径が1nm〜100nmのナノ粒子のことを意味する。平均粒径とは、市販のレーザー回折散乱法などによって測定された値、又は金属微粒子をSEMで撮影し、その画像データに基づいて測定された値のことを意味する。
Ag、Cuなどの金属それ自体の融点は高い(例えば、Agの融点は約962℃、Cuの融点は約1083℃である)ものの、金属を微粒子化することにより、表面活性を高め、溶融温度を250℃〜400℃程度にすることができる。したがって、接合材4として金属微粒子を用いることにより、電気接触子1の使用時の発熱によって金属微粒子が溶融し、溶融した金属微粒子によって台金2とリベット型接点3の鍔部5aとの間が拡散接合される。そして、拡散接合によって形成された接合部は、再溶融温度が金属の融点まで上昇するため、耐熱性が高くなる。そのため、電気接触子1の使用に伴いリベット型接点3の鍔部5aと台金2との間の接合強度が増大する。
【0018】
リベット型接点3の鍔部5aと台金2との間に接合材4を配置するために、リベット型接点3の鍔部5aと台金2との間に接合材4を保持する手段を台金2に設けることが好ましい。当該手段としては、特に限定されないが、図7に示すように、台金2に溝部10を形成し、溝部10に接合材4を配置することが好ましい。台金2に溝部10を形成することにより、接合材4として金属微粒子を用いる場合に、リベット型接点3の鍔部5aと台金2との間に保持することができる。
【0019】
溝部10の形状としては、特に限定されず、各種形状とすることができる。例えば、溝部10を上方から見た上面図で表すと、図8に示すような台金2の接点取付穴7に対して同心円状に形成された溝部10、図9に示すような台金2の接点取付穴7に対して放射状に形成された溝部10、図10に示すような台金2の接点取付穴7に対して同心円状及び放射状に形成された溝部10などにすることができる。
また、溝部10の断面形状も同様に、特に限定されないが、図11に示すような円弧状、図12に示すような角丸四角状などが好ましい。図13に示すような三角状、図14に示すような四角状とすることも可能であるものの、溝部10の底部に角部が存在すると、加熱時にクラックが入り易く、台金2が破壊される恐れがある。
【0020】
上記のような構造を有する溝部10の形成方法としては、特に限定されないが、溝部10の形状に対応する金具を用い、平板状の台金2にプレス加工を施すことによって形成することができる。このとき、図15に示すように、溝部10の縁に隆起部11が形成されることがある。隆起部11は、機械加工によって除去してもよいが、除去しない方が好ましい。溝部10共に隆起部11が形成された台金2は、かしめ時にリベット型接点3の鍔部5aに食い込むため、リベット型接点3の鍔部5aと台金2との間の接合強度を増大させることができる。ただし、隆起部11の高さが大きすぎると、リベット型接点3が変形してしまう恐れがあるため、隆起部11の高さは溝部10の深さの半分以下であることが好ましい。また、台金2の強度を確保する観点から、溝部10の深さは、台金2の厚さの1/3以下であることが好ましい。
【0021】
台金2の溝部10に金属微粒子を配置する方法としては、特に限定されず、当該技術分野において公知の方法を用いて行うことができる。例えば、当該技術分野において公知の分配装置を用いて台金2の溝部10に金属微粒子を直接供給すればよい。図16に、金属微粒子を供給することが可能な分配装置の断面図を示す。図16において、分配装置12は、ノズルの先端に第1シャッター13及び第2シャッター14を備えており、内部に金属微粒子15を収容している。この分配装置12では、第2シャッター14が閉じた状態で第1シャッター13を開け、ノズルの先端まで金属微粒子15を供給する。その後、第1シャッター13を閉じ、第1シャッター13と第2シャッター14との間の空間に金属微粒子15を貯める。そして、当該空間に溜められた金属微粒子15を、第2シャッター14を開けることにより、台金2の溝部10に供給することができる。このような構造を有する分配装置12を用いれば、常に一定量の金属微粒子15を供給することができる。
なお、上記の分配装置12の他に、乾燥空気、窒素などを用いて、金属微粒子15を供給し得る噴霧装置などを用いてもよい。
【0022】
台金2の溝部10に金属微粒子15を配置する場合、すり切り金具などを用い、台金2上に供給された金属微粒子15を溝部10に配置すると共に、溝部10に入りきれなかった余剰の金属微粒子15を除去してもよい。
【0023】
また、台金2の溝部10に金属微粒子15を直接供給する代わりに、金属微粒子15を有機溶剤に添加したペースト状の接合材4を供給してもよい。ただし、ペースト状の接合材4は、台金2の溝部10に塗布(供給)後、有機溶剤を揮発させる必要がある。そのため、有機溶剤を揮発させるための乾燥(加熱)工程が必要であり、電気接触子1の生産性が低下する。
なお、ペースト状の接合材4を用いる場合、乾燥工程において有機溶剤の揮発経路を確保する観点から、図9及び図10に示すような放射状に形成された溝部10を有する台金2を用いることが好ましい。また、乾燥工程は、使用する有機溶剤の種類に応じて調整する必要があるが、一般に、約200℃で約10分間加熱すればよい。また、台金2、リベット型接点3の鍔部5a、脚部5bなどには銅が用いられることがあり、これらの材料の酸化を防ぐため、加熱は、真空、窒素、アルゴンなどの不活性ガス、水素などの還元性ガスのような酸素を遮断した雰囲気下で行うことが望ましい。
【0024】
台金2の接点取付穴7にリベット型接点3の脚部5bを挿入してかしめる方法としては、特に限定されず、当該技術分野において公知の方法に準じて行うことができる。具体的には、台金2の接点取付穴7にリベット型接点3の脚部5bを挿入した後、かしめ用金型を用いて加圧すればよい。これにより、リベット型接点3の脚部5bを変形させることができ、台金2とリベット型接点3との間を接合材4を介して固定することができる。
【0025】
本実施の形態の電気接触子1によれば、リベット型接点3と台金2との接合が良好であり、リベット型接点3の鍔部5aの反り上がりを抑制することができる。
【0026】
実施の形態2.
本実施の形態の電気接触子1は、接合材4として金属薄膜シートを用いることを特徴とする。したがって、本実施の形態の電気接触子1は、台金2に溝部10を形成しなくても接合材4をリベット型接点3の鍔部5aと台金2との間に保持することができる。なお、上記の点以外については、実施の形態1の電気接触子1と同じであるため、説明を省略する。
【0027】
接合材4として用いられる金属薄膜シートとしては、特に限定されないが、Snシートを用いることが好ましい。Snは、半田材料として一般的に知られており、安価であり且つ人体に無害な材料であるため、様々な用途で用いられている。Snの融点は232℃であり、Ag微粒子、Cu微粒子などの金属微粒子15よりも低い温度で溶解し、台金2とリベット型接点3の鍔部5aとの間を拡散接合させることができる。
【0028】
金属薄膜シートの厚さは、特に限定されないが、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下である。金属薄膜シートの厚さが10μmを超えると、拡散接合に寄与しないSnが残存する。残存したSnは、Snの融点で溶解してしまうため、電気接触子1を使用する際にショートなどが起こる可能性がある。
金属薄膜シートは、台金2の接点取付穴7に対して同心円状とすることにより、リベット型接点3の鍔部5aと台金2との間に配置することが容易になる。
【0029】
本実施の形態の電気接触子1によれば、本実施の形態の電気接触子1と同様の作用効果を奏する上、台金2に溝部10を形成する必要がなく、金属薄膜シートを用いて製造することができるため、生産性が高い。
【実施例】
【0030】
以下、実施例により本発明の詳細を説明するが、これらによって本発明が限定されるものではない。
(実施例1)
リベット部5としてCu及び接点6としてAg接点を備える、図3に示す構造のリベット型接点3を作製した。このリベット型接点3において、接点6の直径を5mm、リベット部5の頭部と接点6との合計厚さを1.5mm、脚部5bの高さを5mm、脚部5bの直径を3mmとした。また、台金2の接点取付穴7に対して同心円状の溝部10を有する図8の台金2を作製した。この台金2において、台金2の厚さを2.4mm、溝部10の内径を4mm、溝部10の幅を5mm、溝部10の深さを0.5mmとした。また、接合材4として平均粒径が100nmのAg微粒子を用いた。
図16の分配装置12を用いてAg微粒子を台金2に供給し、すり切り金具を用いてAg微粒子を溝部10に充填すると共に、溝部10に入りきれなかった余剰のAg微粒子を除去した。次に、台金2の接点取付穴7にリベット型接点3の脚部5bを挿入してかしめることによって電気接触子1を得た。
【0031】
得られた電気接触子1を遮断器の固定子側電極に組み込み、開閉回数を6000回とした開閉耐久試験を行った。この開閉耐久試験において、通電条件は、AC200V、100Aとし、1サイクルを7秒としてON時間1秒/OFF時間6秒とした。また、力率は、リアクトルによって0.65に調整した。
開閉耐久試験後、遮断器を分解して固定子側電極を取り出し、電気接触子1の状態を目視にて観察した。その結果、リベット型接点3の鍔部5aの反り上がりは確認されなかった。また、台金2とリベット型接点3との間の接合部の断面をSEMによって観察した結果、当該接合部によってリベット型接点3と台金2とが良好に接合されていることが確認された。また、接合部では、図17に示すように、初期の状態のまま存在しているAg微粒子は確認されず、Ag微粒子同士の結合により、Ag微粒子のネットワーク16が形成されると共に、Ag微粒子間の空隙よりも大きな空隙17が形成されていることを確認した。これは、開閉耐久試験中に、電気接触子1の温度上昇によって接合材4が高温に曝された結果、台金2とリベット型接点3の鍔部5aとの間を拡散接合したことを示している。
【0032】
(実施例2)
実施例1と同様にして作製した電気接触子1を遮断器の固定子側電極に組み込み、開閉回数を2000回及び4000回とした開閉耐久試験を行った。
開閉耐久試験後、遮断器を分解して固定子側電極を取り出し、電気接触子1の状態を目視にて観察した。その結果、リベット型接点3の鍔部5aの反り上がりは確認されなかった。また、台金2とリベット型接点3との間の接合部の断面をSEMによって観察した結果、開閉回数が多い方(4000回)が、開閉回数が少ない方(2000回)に比べて、Ag微粒子間のネットワークが多くなっており、単独で存在しているAg微粒子が少なかった。これは、開閉耐久試験中に、接合材4が高温に曝される時間が長くなるほど、台金2とリベット型接点3の鍔部5aとの間を拡散接合が進行することを示している。
【0033】
上記の実施例1及び2の結果を基に、電気接触子1の使用時間と、台金2とリベット型接点3との間の接合強度との関係を図18にまとめる。
図18に示すように、接合材4による拡散接合及びかしめ接合を行った場合、かしめ接合のみを行った場合(従来の方法)に比べて接合強度が大きくなる。そのため、各種応力が大きくなるポイントAの使用時間を超えても、リベット型接点3の鍔部5aが反り上がることを防止することができる。他方、ポイントAの使用時間までは、かしめ接合のみの場合であっても、リベット型接点3の鍔部5aが反り上がりは生じないものの、ポイントAの使用時間を超えると、各種応力によってリベット型接点3の鍔部5aが反り上がり始める。
本発明の電気接触子1では、初期の接合強度が、かしめ接合のみの場合と同じであるものの、ポイントAまではリベット型接点3の鍔部5aにかかる応力が小さいため、リベット型接点3の鍔部5aが反り上がりは生じない(実施例2参照)。また、リベット型接点3の鍔部5aにかかる応力が大きくなった場合であっても、使用に伴い接合材4による拡散接合が進行して接合強度が大きくなるため、リベット型接点3の鍔部5aが反り上がりを防止することができる(実施例1参照)。
【0034】
(実施例3)
リベット部5としてCu及び接点6としてAg接点を備える、図3に示す構造のリベット型接点3を作製した。このリベット型接点3において、接点6の直径を5mm、リベット部5の頭部と接点6との合計厚さを1.5mm、脚部5bの高さを5mm、脚部5bの直径を3mmとした。台金2として接点取付穴7を有する図2の台金2を作製した。この台金2において、台金2の厚さを2.4mmとした。また、接合材4として厚さが4μmのSnシートを用いた。
接点取付穴7を有する台金2とリベット型接点3の鍔部5aとの間に、Snシートを配置した後、台金2の接点取付穴7にリベット型接点3の脚部5bを挿入してかしめることによって電気接触子1を得た。
【0035】
得られた電気接触子1を遮断器の固定子側電極に組み込み、実施例1と同様に、開閉回数を6000回とした開閉耐久試験を行った。
開閉耐久試験後、遮断器を分解して固定子側電極を取り出し、電気接触子1の状態を目視にて観察した。その結果、リベット型接点3の鍔部5aの反り上がりは確認されなかった。また、台金2とリベット型接点3との間の接合部の断面をSEMによって観察した結果、当該接合部によってリベット型接点3と台金2とが良好に接合されていることが確認された。また、接合部では、また、接合部では、バルク状態のSnは確認されず、Snが拡散して接合していることを確認した。これは、開閉耐久試験中に、電気接触子1の温度上昇によって接合材4が高温に曝された結果、台金2とリベット型接点3の鍔部5aとの間を拡散接合したことを示している。
【0036】
(実施例4)
実施例3と同様にして作製した電気接触子1を遮断器の固定子側電極に組み込み、開閉回数を2000回及び4000回とした開閉耐久試験を行った。
開閉耐久試験後、遮断器を分解して固定子側電極を取り出し、電気接触子1の状態を目視にて観察した。その結果、リベット型接点3の鍔部5aの反り上がりは確認されなかった。また、台金2とリベット型接点3との間の接合部の断面をSEMによって観察した結果、開閉回数が2000回の時は、拡散接合が完了していなかったものの、開閉回数が4000回の時は、開閉回数が6000回の時と同様に拡散接合が進んでいることが確認された。
【0037】
以上の結果からわかるように、本発明によれば、リベット型接点3と台金2との接合が良好であり、リベット型接点3の鍔部5aの反り上がりを抑制することが可能な電気接触子1及びその製造方法を提供することができる。
【符号の説明】
【0038】
1 電気接触子、2 台金、3 リベット型接点、4 接合材、5 リベット部、5a 鍔部、5b 脚部、6 接点、7 接点取付穴、8 接合が不十分な部分、9 クラック、10 溝部、11 隆起部、12 分配装置、13 第1シャッター、14 第2シャッター、15 金属微粒子、16 Ag微粒子のネットワーク、17 大きな空隙。
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