特許第6444281号(P6444281)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6444281パス予約支援装置、パス予約支援プログラム及びパス予約支援方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6444281
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】パス予約支援装置、パス予約支援プログラム及びパス予約支援方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/721 20130101AFI20181217BHJP
   H04L 12/717 20130101ALI20181217BHJP
【FI】
   H04L12/721 Z
   H04L12/717
【請求項の数】5
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-156052(P2015-156052)
(22)【出願日】2015年8月6日
(65)【公開番号】特開2017-34633(P2017-34633A)
(43)【公開日】2017年2月9日
【審査請求日】2017年8月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】特許業務法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】鎌村 星平
(72)【発明者】
【氏名】山本 宏
(72)【発明者】
【氏名】伊達 拓紀
(72)【発明者】
【氏名】林 理恵
(72)【発明者】
【氏名】濱野 貴文
【審査官】 松崎 孝大
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−135308(JP,A)
【文献】 特開2006−013890(JP,A)
【文献】 特開2006−031400(JP,A)
【文献】 特開2009−060494(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/025329(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/721
H04L 12/717
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワーク上に設定されるユーザ要求パスの予約を支援するパス予約支援装置であって、
物理ノードを接続するリンクのタイムスロットごとの残使用量が記憶される網状態記憶部と、
ユーザ端末装置から、ユーザ要求パスの始点及び終点を有するパス条件を含むユーザ要求を取得するレコメンデーション部と、
前記ユーザ要求を用いて前記網状態記憶部を参照することによって、前記ユーザ要求パスを収容可能なパスの経路に関して、前記タイムスロットごとに、前記経路におけるリンクの利用率の最大値である最大リンク利用率を計算するとともに、当該経路の当該タイムスロットを前記最大リンク利用率の低い順にソートし、ソートされた当該経路の当該タイムスロットを複数のグループに区分するパス収容計算部と、
を備え、
前記レコメンデーション部は、前記経路の前記タイムスロットが複数のグループに区分された結果を前記ユーザ端末装置へ出力するとともに、前記最大リンク利用率が低いグループほど、当該グループの価格を低く設定し、かつ、当該グループのサービス品質を高く設定し、設定された価格及びサービス品質を前記ユーザ端末装置へ出力する
ことを特徴とするパス予約支援装置。
【請求項2】
前記通信ネットワークを管理するネットワーク管理装置とのインタフェースであるネットワーク管理装置インタフェース部を備え、
前記ネットワーク管理装置インタフェース部は、
前記物理ノードと前記リンクとの接続関係を前記ネットワーク管理装置から収集して網トポロジ記憶部に記憶させ、
前記リンクの前記タイムスロットごとのトラヒック量を前記ネットワーク管理装置から収集してトラヒック記憶部に記憶させ、
前記網トポロジ記憶部及び前記トラヒック記憶部を参照することによって、前記リンクの前記タイムスロットごとの前記残使用量を計算して前記網状態記憶部に記憶させる
ことを特徴とする請求項1に記載のパス予約支援装置。
【請求項3】
前記ユーザ要求は、前記ユーザ要求パスの利用期間を含んでおり、
前記パス収容計算部は、前記利用期間に該当する前記タイムスロットに関して前記最大リンク利用率を計算する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のパス予約支援装置。
【請求項4】
通信ネットワーク上に設定されるユーザ要求パスの予約を支援するためにコンピュータを、
ユーザ端末装置から、ユーザ要求パスの始点及び終点を有するパス条件を含むユーザ要求を取得するレコメンデーション部、及び、
物理ノードを接続するリンクのタイムスロットごとの残使用量が記憶される網状態記憶部を、前記ユーザ要求を用いて参照することによって、前記ユーザ要求パスを収容可能なパスの経路に関して、前記タイムスロットごとに、前記経路におけるリンクの利用率の最大値である最大リンク利用率を計算するとともに、当該経路の当該タイムスロットを前記最大リンク利用率の低い順にソートし、ソートされた当該経路の当該タイムスロットを複数のグループに区分するパス収容計算部、
として機能させ、
前記レコメンデーション部により、前記経路の前記タイムスロットが複数のグループに区分された結果を前記ユーザ端末装置へ出力するとともに、前記最大リンク利用率が低いグループほど、当該グループの価格を低く設定し、かつ、当該グループのサービス品質を高く設定し、設定された価格及びサービス品質を前記ユーザ端末装置へ出力する
ことを特徴とするパス予約支援プログラム。
【請求項5】
通信ネットワーク上に設定されるユーザ要求パスの予約を支援するパス予約支援方法であって、
ユーザ端末装置から、ユーザ要求パスの始点及び終点を有するパス条件を含むユーザ要求を取得するステップと、
物理ノードを接続するリンクのタイムスロットごとの残使用量が記憶される網状態記憶部を、前記ユーザ要求を用いて参照することによって、前記ユーザ要求パスを収容可能なパスの経路に関して、前記タイムスロットごとに、前記経路におけるリンクの利用率の最大値である最大リンク利用率を計算するとともに、当該経路の当該タイムスロットを前記最大リンク利用率の低い順にソートし、ソートされた当該経路の当該タイムスロットを複数のグループに区分するステップと、
前記経路の前記タイムスロットが複数のグループに区分された結果を前記ユーザ端末装置へ出力するとともに、前記最大リンク利用率が低いグループほど、当該グループの価格を低く設定し、かつ、当該グループのサービス品質を高く設定し、設定された価格及びサービス品質を前記ユーザ端末装置へ出力するステップと、
を含むことを特徴とするパス予約支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信ネットワーク上に設定されるパスの予約を支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク事業者においては、ネットワーク全体の資源を有効に利用し、転送品質の維持、ネットワークコストの低減を図ることが重要である。キャリア網では、物理的なインフラ網上に波長パスやパケットパス(MPLS(Multi Protocol Label Switching)パス等)を設定し、ユーザのトラヒックの転送路すなわちパスを構成する。
【0003】
かかるパスの設定環境として、近年、SDN(Software Defined Network)ポータルサービスのように、通信網資源に対してユーザが直接パスを設定可能な環境が出現している。かかる環境における通信手法としては、ユーザからのパス設定要求が発生したタイミングでオンデマンドにパスを開通するオンデマンド通信(非特許文献1参照)と、ユーザが通信網を利用する期間を指定し、その期間が開始した際にパスを開通する予約型通信(非特許文献2参照)が挙げられる。
【0004】
予約型通信においては、ユーザはパスの始点、終点、利用期間、必要帯域(要求帯域)、遅延等のパスの制約条件をシステムに入力すると、システムからパスの設定可否が応答される(非特許文献2参照)。通常、予約型パスの収容システムなどのネットワーク管理システムは、ネットワークの状態を管理している。よって、ユーザからの予約要求に先立って、通信網資源の使用状況を予約可能/予約不可としてユーザに提供することで、ユーザは予約要求を行うパスの設定可否を事前に確認することが可能となり、ユーザにとってのシステム利便性を向上させることが可能となる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】A. Mahimkar, A. L. Chiu, R. Doverspike, M. D. Feuer,P. Magill, E. Mavrogiorgis, J. Pastor, S. L. Woodward, and J. Yates, “Bandwidth on demand for inter-data center communication,” in Proc. of the 10th ACM Workshop on Hot Topics in Networks, 2011, paper 24.
【非特許文献2】L. Shen, X. Yang, A. Todimala, and B. Ramamurthy, “A two-phase approach for dynamic lightpath scheduling inWDMoptical networks,”in Proc. IEEE Int. Conf. Commun., Glasgow, U.K., Jun. 24-28, 2007, pp. 2412-2417
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
予約型通信においては、ユーザの予約要求(パスの始点、終点、帯域、利用期間、等)に対し予約可否すなわち予約可能であるか予約不可であるかをユーザに対して応答している。一方、ユーザが要求するパスの形態(端点や帯域等)やその利用期間がどこに集中するかを事前に予測することはできないため、資源利用可否だけをシステムが応答する場合には、ユーザ要求が特定のパスや時間帯に偏る可能性があり、通信資源を提供するキャリアにとって必ずしも効率的に資源が使用されるとは限らない。例えば、特定の資源使用にユーザ要求が集中すると、ユーザ要求の棄却率が増加する一方で、他の時間帯、経路では未使用資源が存在する非効率な状態となり、設備投資対効果が低下し、収益減を招くおそれがある。
【0007】
本発明は、前記事情に鑑みて創案されたものであり、通信ネットワークの資源使用効率を向上させることが可能なパス予約支援装置、パス予約支援プログラム及びパス予約支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明のパス予約支援装置は、通信ネットワーク上に設定されるユーザ要求パスの予約を支援するパス予約支援装置であって、物理ノードを接続するリンクのタイムスロットごとの残使用量が記憶される網状態記憶部と、ユーザ端末装置から、ユーザ要求パスの始点及び終点を有するパス条件を含むユーザ要求を取得するレコメンデーション部と、前記ユーザ要求を用いて前記網状態記憶部を参照することによって、前記ユーザ要求パスを収容可能なパスの経路に関して、前記タイムスロットごとに、前記経路におけるリンクの利用率の最大値である最大リンク利用率を計算するとともに、当該経路の当該タイムスロットを前記最大リンク利用率の低い順にソートし、ソートされた当該経路の当該タイムスロットを複数のグループに区分するパス収容計算部と、を備え、前記レコメンデーション部は、前記経路の前記タイムスロットが複数のグループに区分された結果を前記ユーザ端末装置へ出力するとともに、前記最大リンク利用率が低いグループほど、当該グループの価格を低く設定し、かつ、当該グループのサービス品質を高く設定し、設定された価格及びサービス品質を前記ユーザ端末装置へ出力することを特徴とする。
【0009】
かかる構成によると、パスの実際の予約に先立って、予約可能なパスの経路とタイムスロットとの組み合わせを最大リンク利用率の低い順にソートして区分したグループとして提示するので、最大リンク利用率の低いグループを優先的にユーザに推薦し、通信ネットワークの資源利用効率を向上させ、ひいては結果的に収益を向上させることができる。
また、かかる構成によると、最大利用リンク率が低いグループほど、当該グループの価格を低く設定するので、最大利用リンク率が低いグループの予約を好適に促し、通信ネットワークの資源利用効率を向上させることができる。
【0010】
前記パス予約支援装置は、前記通信ネットワークを管理するネットワーク管理装置とのインタフェースであるネットワーク管理装置インタフェース部を備え、前記ネットワーク管理装置インタフェース部は、前記物理ノードと前記リンクとの接続関係を前記ネットワーク管理装置から収集して網トポロジ記憶部に記憶させ、前記リンクの前記タイムスロットごとのトラヒック量を前記ネットワーク管理装置から収集してトラヒック記憶部に記憶させ、前記網トポロジ記憶部及び前記トラヒック記憶部を参照することによって、前記リンクの前記タイムスロットごとの前記残使用量を計算して前記網状態記憶部に記憶させる構成であってもよい。
【0011】
かかる構成によると、網トポロジ記憶部及びトラヒック記憶部の情報を収集し、収集された情報に基づいて網状態記憶部の情報を計算して記憶させるので、パスのタイムスロットごとの最大リンク利用率を好適に計算することができる。
【0014】
前記ユーザ要求は、前記ユーザ要求パスの利用期間を含んでおり、前記パス収容計算部は、前記利用期間に該当する前記タイムスロットに関して前記最大リンク利用率を計算する構成であってもよい。
【0015】
かかる構成によると、ユーザ要求パスの利用期間に該当するタイムスロットの最大リンク利用率を計算してソートするので、ユーザの所望する利用期間のパスとタイムスロットとの組み合わせのみをグループに区分して好適に提示することができる。
【0018】
また、本発明のパス予約支援プログラムは、通信ネットワーク上に設定されるユーザ要求パスの予約を支援するためにコンピュータを、ユーザ端末装置から、ユーザ要求パスの始点及び終点を有するパス条件を含むユーザ要求を取得するレコメンデーション部、及び、物理ノードを接続するリンクのタイムスロットごとの残使用量が記憶される網状態記憶部を、前記ユーザ要求を用いて参照することによって、前記ユーザ要求パスを収容可能なパスの経路に関して、前記タイムスロットごとに、前記経路におけるリンクの利用率の最大値である最大リンク利用率を計算するとともに、当該経路の当該タイムスロットを前記最大リンク利用率の低い順にソートし、ソートされた当該経路の当該タイムスロットを複数のグループに区分するパス収容計算部、として機能させ、前記レコメンデーション部により、前記経路の前記タイムスロットが複数のグループに区分された結果を前記ユーザ端末装置へ出力するとともに、前記最大リンク利用率が低いグループほど、当該グループの価格を低く設定し、かつ、当該グループのサービス品質を高く設定し、設定された価格及びサービス品質を前記ユーザ端末装置へ出力することを特徴とする。
【0019】
また、本発明のパス予約支援方法は、通信ネットワーク上に設定されるユーザ要求パスの予約を支援するパス予約支援方法であって、ユーザ端末装置から、ユーザ要求パスの始点及び終点を有するパス条件を含むユーザ要求を取得するステップと、物理ノードを接続するリンクのタイムスロットごとの残使用量が記憶される網状態記憶部を、前記ユーザ要求を用いて参照することによって、前記ユーザ要求パスを収容可能なパスの経路に関して、前記タイムスロットごとに、前記経路におけるリンクの利用率の最大値である最大リンク利用率を計算するとともに、当該経路の当該タイムスロットを前記最大リンク利用率の低い順にソートし、ソートされた当該経路の当該タイムスロットを複数のグループに区分するステップと、前記経路の前記タイムスロットが複数のグループに区分された結果を前記ユーザ端末装置へ出力するとともに、前記最大リンク利用率が低いグループほど、当該グループの価格を低く設定し、かつ、当該グループのサービス品質を高く設定し、設定された価格及びサービス品質を前記ユーザ端末装置へ出力するステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、通信ネットワークの資源使用効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施形態に係るパス予約支援装置を含むパス予約支援システムを示す模式図である。
図2】トラヒックDB、網状態DB、パスDB及びカレンダ管理DBにおいて各種情報がタイムスロットごとに記憶されている例を示す図である。
図3】(a)はパスとタイムスロットとの組み合わせごとの最大リンク利用率の計算結果の一例を示す図であり、(b)は最大リンク利用率の計算結果を低い順にソートしてM個のグループに区分した一例を示す図である。
図4】ユーザ端末装置の表示部に表示されるカレンダの一例を示す図である。
図5】パス予約支援システムの動作例を説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
続いて、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1に示すように、本発明の実施形態に係るパス予約支援システム1は、通信ネットワーク10における予約型通信において、ユーザ端末装置30からのパス予約を好適に支援するためのシステムである。
【0023】
通信ネットワーク10は、物理インフラ網11と、当該物理インフラ網11を制御する少なくとも1つのネットワーク制御装置(図示せず)と、を備える。物理インフラ網11は、IP(Internet Protocol)ルータ等の転送ノード11aと、OXC(Optical Cross Connect)等の伝送ノード11bと、をそれぞれ複数備えるとともに、各ノード11a,11bを通信可能に接続する物理リンクであるリンク11cを備える。かかる物理インフラ網11には、転送ノード11aを始点及び終点とした波長パス、MPLS(Multi Protocol Label Switching)パス等といったパスが設定可能である。
【0024】
パス予約支援システム1は、ネットワーク管理装置20と、一以上(図1では1つのみ図示)のユーザ端末装置30と、パス予約支援装置40と、を備える。
【0025】
<ネットワーク管理装置20>
ネットワーク管理装置20は、物理インフラ網11全体の構成及び状態を管理するとともに、パス予約支援装置40からの指示に基づいて、物理インフラ網11に対してパスの設定を行う。
【0026】
<ユーザ端末装置30>
ユーザ端末装置30は、パスの予約を行うユーザが利用する端末装置である。ユーザ端末装置30は、キーボード、マウス、タッチパネル等からなる入力部31と、モニタ等からなる表示部32と、ユーザによる入力部31の操作結果をパス予約支援装置40へ出力したり、パス予約支援装置40から取得したデータを表示部32に表示させたりする制御部33と、を備える。かかるユーザ端末装置30の制御部33は、ユーザ端末装置IDを各種情報に併せてパス予約支援装置40へ送信しており、パス予約支援装置40は、かかるユーザ端末装置IDに基づいてユーザ端末装置30を識別し、複数のユーザ端末装置30を区別して情報の送受信を行うことが可能となっている。
【0027】
<パス予約支援装置>
パス予約支援装置40は、ユーザ端末装置30によるパスの予約を支援するとともに、ユーザ端末装置30からのパスの予約要求を受け付けて、予約時間(開始時刻及び終了時刻)に基づいて、ネットワーク管理装置20へパスの開通要求を送信する。パス予約支援装置40は、記憶部41と、制御部42と、を備える。
【0028】
<記憶部>
記憶部41は、各種データベースとして、網トポロジDB41aと、トラヒックDB41bと、網状態DB41cと、パスDB41dと、カレンダ管理DB41eと、を備える。トラヒックDB41b、網状態DB41c、パスDB41d及びカレンダ管理DB41eは、図2に示すように、タイムスロットごとに記憶対象となる情報を有している。タイムスロットは、パスの予約対象となる全期間(例えば、1カ月)を単位時間(例えば1時間)で分割した期間である。
【0029】
<網トポロジDB>
網トポロジDB41aには、物理ノードである転送ノード11a及び伝送ノード11bとリンク11cとの接続関係、及び、各リンク11cの帯域(容量)が関連付けて記憶される。
【0030】
<トラヒックDB>
トラヒックDB41bには、各リンク11cのタイムスロットごとのトラヒック量が記憶される。
【0031】
<網状態DB>
網状態DB41cには、各リンク11cのタイムスロットごとの残使用量が記憶される。
【0032】
<パスDB>
パスDB41dには、タイムスロットごとの物理インフラ網11への収容済みのパスに関する情報(収容済みパス情報)が記憶される。
【0033】
<カレンダ管理DB>
カレンダ管理DB41eには、予約済みのパスに関する情報(予約パス情報)と未予約のパスに関する情報(未予約パス情報)とがタイムスロットごとに記憶される。
【0034】
<制御部>
制御部42は、機能部として、レコメンデーション部42aと、ネットワーク管理装置インタフェース部42bと、パス収容計算部42cと、カレンダ管理部42dと、を備える。
【0035】
<レコメンデーション部>
レコメンデーション部42aは、ユーザ端末装置30に対するインタフェースである。レコメンデーション部42aは、ユーザ端末装置30から送信されたユーザ要求、予約要求等を取得したり、ユーザ要求に応じた照会結果(カレンダ)、予約要求に応じた予約応答等をユーザ端末装置30へ送信したりする。レコメンデーション部42aは、取得されたユーザ要求をパス収容計算部42cへ出力するとともに、取得された予約要求をカレンダ管理部42dへ出力する。
【0036】
ここで、ユーザ要求は、ユーザ要求パスの始点及び終点を有するパス条件を含む。パス条件としては、他に、パスの要求帯域、遅延、距離等が含まれる。また、ユーザ要求は、必要に応じて、利用期間を含むことができる。この場合には、パス予約支援装置40のパス収容計算部42cは、かかる利用期間の範囲内でパスの経路におけるリンクの利用率の最大値である最大リンク利用率の計算、ソート及びグループ区分を行う。
【0037】
<ネットワーク管理装置インタフェース部>
ネットワーク管理装置インタフェース部42bは、ネットワーク管理装置20に対するインタフェースである。ネットワーク管理装置インタフェース部42bは、網トポロジDB41a、トラヒックDB41b、網状態DB41c及びパスDB41dを管理する。
【0038】
すなわち、ネットワーク管理装置インタフェース部42bは、物理ノードである転送ノード11a及び伝送ノード11bとリンク11cとの接続関係、及び、各リンク11cの帯域(容量)をネットワーク管理装置20から収集し、網トポロジDB41aに記憶させる。
【0039】
また、ネットワーク管理装置インタフェース部42bは、各リンク11cのタイムスロットごとのトラヒック量をネットワーク管理装置20から収集し、トラヒックDB41bに記憶させる。なお、ネットワーク管理装置20が管理している各リンク11cのタイムスロットごとのトラヒック量は、予約済みのパスの要求帯域に基づいて計算されたものであってもよく、過去のトラヒック量の1日間の変動、1週間の変動、1カ月の変動等に基づいて予測された量であってもよく、これらを組み合わせて計算されたものであってもよい。
【0040】
また、ネットワーク管理装置インタフェース部42bは、網トポロジDB41a及びトラヒックDB41bを参照し、各リンク11cの帯域(容量)及びタイムスロットごとのトラヒック量に基づいて各リンク11cのタイムスロットごとの残使用量を計算し、計算結果を網状態DB41cに記憶させる。
【0041】
また、ネットワーク管理装置インタフェース部42bは、タイムスロットごとの物理インフラ網11への収容済みのパスに関する情報(収容済みパス情報)をネットワーク管理装置20から収集し、パスDB41dに記憶させる。収容済みパス情報は、収容済みのパスの経路(通過ノード11a,11b及びリンク11c)等を含んでいる。
【0042】
<パス収容計算部>
パス収容計算部42cは、レコメンデーション部42aから出力されたユーザ要求を取得し、取得されたユーザ要求に基づいて、網状態DB41cを参照し、ユーザ要求のパス条件を割り付ける経路及び期間(タイムスロット)を計算する。
【0043】
詳細には、図3(a)に示すように、パス収容計算部42cは、ユーザ要求及び網状態DB41cに記憶される情報に基づいて、ユーザ要求に含まれるパス条件(ユーザ要求パスの始点及び終点、パスの要求帯域、遅延、距離等)を満たす経路を生成する。かかる経路は、ユーザ要求パスの始点及び終点となる2つの転送ノード11a間を伝送ノード11b及びリンク11cで接続したものであり、通常、複数の経路が生成される。パス収容計算部は、ユーザ要求を満たす全ての経路に対して、パスの予約対象となる全期間のタイムスロットごとに、当該経路に含まれるリンク11cの残使用量を用いる公知の手法によって、最大利用リンク率を計算する。
【0044】
続いて、パス収容計算部42cは、計算された最大利用リンク率を低い順にソートし、図3(b)に示すように、ソートされた最大利用リンク率を所定個(ここでは、M=4)個のグループに区分する。ここで、グループ数Mは、ユーザ端末装置30に対して提示するプラン数であり、1つのグループに含まれる最大利用リンク率の個数(すなわち、経路とタイムスロットとの組み合わせの個数)は、各グループにおいて同一である。なお、図3の例では、6月1日3時〜6月29日23時までの計算結果が省略されており、グループに区分する際には、3つのパスの6月1日0時〜3時までと6月30日の最終のタイムスロットの計算結果のみがソートされている。
【0045】
パス収容計算部42cは、区分されたグループごとに識別子を付与し、識別子の付与結果をレコメンデーション部42aへ出力する。
【0046】
<レコメンデーション部>
レコメンデーション部42aは、識別子が付与された経路とタイムスロットとの組み合わせを取得し、識別子ごと(すなわち、グループごと)に属性を付与し、属性の付与結果をカレンダとして表示可能な形式でユーザ端末装置30へ出力する。ユーザ端末装置30の制御部33は、属性の付与結果を取得して表示部32に表示させる(図4参照)。図4におけるプランA〜Dは、それぞれ図3(b)におけるM=1〜4のグループに対応している。
【0047】
また、制御部33は、入力部31の操作による選択結果に基づいて、選択されたパスとタイムスロットとの組み合わせの属性(サービス品質、サービス価格等)を表示部32に表示させることができる。ユーザ端末装置30の制御部33は、表示部32に属性の付与結果が表示された状態における入力部31の操作結果に基づいてパスの予約要求を生成し、生成された予約要求をパス予約支援装置40へ送信する。
【0048】
付与される属性としては、サービスID、サービス品質、サービス価格等が挙げられる。サービス品質としては、最大リンク利用率が低いグループほど、通信品質が良く予約された際の収容効率が高いことから、当該サービス品質が高くなるように設定される。サービス価格としては、最大リンク利用率が低いグループほど、通信品質が良く予約された際の収容効率が高いことから、当該サービス価格が安くなるように設定される。
【0049】
かかる属性の付与は、レコメンデーション部42aが自動的に付与する構成に限定されず、パス予約支援装置40のオペレータが手動で付与する構成であってもよい。
【0050】
<カレンダ管理部>
カレンダ管理部42dは、ユーザ端末装置30から送信されたパスの予約要求をレコメンデーション部42aを介して取得し、取得された予約要求に基づいてカレンダ管理DB41eを構築する。
【0051】
また、カレンダ管理部42dは、カレンダ管理DB41eを参照することによって、あるタイムスロットの開始時刻の時点で次のタイムスロットの状況を確認し、次のタイムスロットの開始時刻がパス予約の開始時刻となるパスが存在する場合には、当該パスのパス開通要求を、ネットワーク管理装置インタフェース部42bを介してネットワーク管理装置20へ送信する。また、カレンダ管理部42dは、次のタイムスロットの開始時刻(すなわち、今のタイムスロットの終了時刻)がパス予約の終了時刻となるパスが存在する場合には、当該パスのパス削除要求を、ネットワーク管理装置インタフェース部42bを介してネットワーク管理装置20へ送信する。ネットワーク管理装置20は、パス開通要求及びパス削除要求に基づいて、予約開始時刻にパスを開通したり予約終了時刻にパスを削除したりする。
【0052】
<動作例>
続いて、図5を参照して、パス予約支援システム1の動作例について説明する。まず、ユーザ端末装置30の制御部33が、入力部31の操作結果に基づくユーザ要求(リソース状況照会)をパス予約支援装置40のレコメンデーション部42aへ送信する(ステップS1)。レコメンデーション部42aは、取得されたユーザ要求を計算要求としてパス収容計算部42cへ出力する(ステップS2)。
【0053】
パス収容計算部42cは、取得されたユーザ要求に基づいて網状態DB41cを参照し、ユーザ要求に対応するパスとタイムスロットとの組み合わせに関して、最大リンク利用率を算出してソートし、ソートされた最大リンク利用率を複数のグループに区分する(ステップS3)。パス収容計算部42cは、パスとタイムスロットとの組み合わせのグループ分けの結果を計算応答としてレコメンデーション部42aへ出力する(ステップS4)。レコメンデーション部42aは、計算応答をカレンダとして描画可能な形式にするとともに計算応答に属性を付与し(ステップS5)、ユーザ端末装置30へ送信する(ステップS6)。
【0054】
ユーザ端末装置30の制御部33は、属性が付与された計算応答をカレンダとして表示部32に表示させる。計算応答が表示された状態で、ユーザ端末装置30の制御部33は、入力部31の操作結果に基づいてパスの予約要求を生成してレコメンデーション部42aへ送信する(ステップS7)。
【0055】
レコメンデーション部42aは、取得された予約要求を要求確認としてパス収容計算部42cへ出力する(ステップS8)。パス収容計算部42cは、パスDB41d及びカレンダ管理DB41eを参照することによって、予約要求を受付可能であるか否かを判定し、受付不可である場合には、その旨をレコメンデーション部42aを介してユーザ端末装置30へ送信する(図示せず)。一方、受付可能である場合には、パス収容計算部42cは、その旨を応答としてレコメンデーション部42aへ出力し(ステップS9)、レコメンデーション部42aは、予約要求をサービスオーダー登録としてカレンダ管理部42dへ出力する(ステップS10)。
【0056】
また、パス収容計算部42cは、要求確認と同時またはその直後に、予約応答をレコメンデーション部42aを介してユーザ端末装置30へ送信する(ステップS11)。
【0057】
カレンダ管理部42dは、予約要求をカレンダ管理DB41eに記憶させ、予約の開始期限(予約されたパスのタイムスロットの1つ前のタイムスロットの開示時刻)が到達すると、パス開始要求をネットワーク管理装置インタフェース部42bへ出力する(ステップS12)。ネットワーク管理装置インタフェース部42bは、パス開始要求をネットワーク管理装置20へ送信する(ステップS13)。
【0058】
本発明の実施形態に係るパス予約支援システム1のパス予約支援装置40は、パスの実際の予約に先立って、予約可能なパスの経路とタイムスロットとの組み合わせを最大リンク利用率の低い順にソートして区分したグループとして提示するので、最大リンク利用率の低いグループを優先的にユーザに推薦し、通信ネットワーク10の資源利用効率を向上させ、ひいては結果的に収益を向上させることができる。
また、パス予約支援装置40は、網トポロジDB41a及びトラヒックDB41bの情報を収集し、収集された情報に基づいて網状態DB41cの情報を計算して記憶させるので、パスのタイムスロットごとの最大リンク利用率を好適に計算することができる。
また、パス予約支援装置40は、パスDB41d及びカレンダ管理DB41eの情報に基づいて、予約不能なパスとタイムスロットとの組み合わせを除外して最大リンク利用率を計算してソートするので、予約可能なパスとタイムスロットとの組み合わせのみをグループに区分して好適に提示することができる。
また、パス予約支援装置40は、ユーザ要求パスの利用期間に該当するタイムスロットの最大リンク利用率を計算してソートするので、ユーザの所望する利用期間のパスとタイムスロットとの組み合わせのみをグループに区分して好適に提示することができる。
また、パス予約支援装置40は、最大利用リンク率が低いグループほど、当該グループの価格を低く設定するので、最大利用リンク率が低いグループの予約を好適に促し、通信ネットワーク10の資源利用効率を向上させることができる。
【0059】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、ソートされた最大リンク利用率をグループに区分する際のグループ数は、ソートされた最大リンク利用率の個数が多いほど当該グループ数を多く変更される構成であってもよい。
また、各グループは、それぞれ同じ個数の最大リンク利用率を含むように区分される構成であってもよく、グループごとに最大リンク利用率の閾値(下限及び上限)がそれぞれ設定されており、かかる閾値の範囲内にある最大リンク利用率同士が同じグループとして区分される構成であってもよい。
また、パスの予約対象となる全期間又は利用期間のうちユーザ要求が取得された時刻に近いタイムスロットの予約を優先的に促すように属性が付与される構成であってもよい。
また、本発明は、コンピュータをパス予約支援装置40として機能させるパス予約支援プログラムとしても具現化可能である。
【符号の説明】
【0060】
1 パス予約支援システム
11c リンク(物理リンク)
20 ネットワーク管理装置
30 ユーザ端末装置
40 パス予約支援装置
41a 網トポロジDB(網トポロジ記憶部)
41b トラヒックDB(トラヒック記憶部)
41c 網状態DB(網状態記憶部)
41d パスDB(パス記憶部)
41e カレンダ管理DB(カレンダ管理記憶部)
42a レコメンデーション部
42b ネットワーク管理装置インタフェース部
42c パス収容計算部
42d カレンダ管理部
図1
図2
図3
図4
図5