特許第6444296号(P6444296)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ユニ・チャーム株式会社の特許一覧
<>
  • 特許6444296-積層不織布 図000004
  • 特許6444296-積層不織布 図000005
  • 特許6444296-積層不織布 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6444296
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】積層不織布
(51)【国際特許分類】
   D04H 1/559 20120101AFI20181217BHJP
   D04H 1/49 20120101ALI20181217BHJP
【FI】
   D04H1/559
   D04H1/49
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-257471(P2015-257471)
(22)【出願日】2015年12月28日
(65)【公開番号】特開2017-119931(P2017-119931A)
(43)【公開日】2017年7月6日
【審査請求日】2017年6月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100093665
【弁理士】
【氏名又は名称】蛯谷 厚志
(74)【代理人】
【識別番号】100139022
【弁理士】
【氏名又は名称】小野田 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100192463
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 剛規
(74)【代理人】
【識別番号】100169328
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 健治
(72)【発明者】
【氏名】木村 明寛
(72)【発明者】
【氏名】出谷 耕
【審査官】 斎藤 克也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−177176(JP,A)
【文献】 特開2006−109984(JP,A)
【文献】 特開2002−325698(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/135862(WO,A1)
【文献】 特開2008−237791(JP,A)
【文献】 特開2003−089957(JP,A)
【文献】 特開2006−241653(JP,A)
【文献】 特開2009−228138(JP,A)
【文献】 特開2011−088635(JP,A)
【文献】 特開平08−311755(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/074625(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 7/00 − 7/08
B32B 1/00 − 43/00
D04H 1/00 − 18/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の外層と、第1の外層の反対側に位置する第2の外層と、第1の外層と第2の外層の間に位置する中間層とを含む積層不織布であって、
前記第1の外層及び第2の外層は、両方とも、疎水性繊維及び親水性繊維を含み、かつ、熱融着性繊維を含まず、
前記第1及び第2の外層における親水性繊維と疎水性繊維の質量比が50:50〜20:80であり、
前記中間層は、パルプと、前記中間層の全質量に対して20質量%以上かつ80質量%未満の熱融着性繊維とを含み、
前記中間層は、熱融着性繊維同士が互いに接合している部分を有する、
前記積層不織布。
【請求項2】
前記第1及び第2の外層中の親水性繊維が前記中間層中のパルプと交絡している、請求項1に記載の積層不織布。
【請求項3】
前記積層不織布が乾式スパンレース不織布である、請求項1又は2に記載の積層不織布。
【請求項4】
前記中間層は、前記第1及び第2の外層よりも高い繊維密度(g/cm)を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層不織布。
【請求項5】
前記熱融着性繊維は、3mm〜8mmの平均繊維長を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層不織布。
【請求項6】
前記中間層の坪量が、前記積層不織布の坪量の30%以上である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の積層不織布。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層不織布に関する。より詳しくは、本発明は、水性液体を貯留する性能及び徐放する性能に優れた積層不織布に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人の肌面や、家具や床などの種々の物品の表面を清浄にするために、不織布に水性液体を含浸してなるウェットワイパー等の使い捨て拭取シートが使用されている。かかる拭取シートのうち、人の肌面を清浄にするために使用されるものについては、特に肌触り感が重要視される。そのため、吸水性及び保水性を確保するために主にパルプからなる中間層の両面に、柔軟性及び親水性に優れるレーヨン繊維を含む外層を配置した不織布が知られている(特許文献1)。しかし、主にパルプからなる中間層を有する積層不織布は、水性液体に対する吸収性に優れているが、パルプの高い保水性のために、吸収した水性液体を放出しにくいという問題がある。また、ウェットワイパー等の使い捨て拭取シートについては、表面にこびりついた汚れ、例えば人の肌面にこびりついた汚れ(例えば臀部にこびりついた大便)を拭取シートにより拭取る場合に、こびりついた汚れを水性液体により軟化又は膨潤させて汚れを拭取りやすくするのに十分な量の水性液体を予め貯留する性能の向上に加えて、拭取時に拭取シートが拭取り対象面に対して加圧された場合に予め貯留した水性液体を徐々に放出する性能の向上が望まれている。水性液体が拭取シートから徐々に放出されることによって、こびりついた汚れの拭取りが促進される。もし、こびりついた汚れの拭取作業中に拭取シートから放出される水性液体の量が十分でない場合、こびりついた汚れを軟化又は膨潤させることが困難であり、拭取り対象面に水を吹き付けることなどにより拭取り対象面に水分を補充する作業が必要となることがある。拭取り対象面に水分を補充する必要性がなくなれば、拭取シートの利便性が向上する。また、人の肌面を清浄にする場合に、人の肌面に水を吹き付けることよる刺激を人に与えることがなくなる。また、拭取作業の初期に、すなわち、予め水性液体を含浸させた拭取シートを拭取り対象面に接触させて拭取り対象面に対して圧縮したときに、拭取シートから水性液体が過度に多量に放出される場合には、放出された水性液体を拭取り対象面に塗り広げるための余計な作業が生じたり、こびりついた汚れを軟化又は膨潤させて拭取る前に水性液体が過度に流出又は滴り落ちるおそれがある。人の肌面から水性液体が過度に流出又は滴り落ちると、着衣を濡らす又は汚染するおそれがあるため、好ましくない。
【0003】
特許文献2は、高吸水性繊維を含む内層と主に合成繊維からなる表面層及び裏面層とが熱接着により一体化された除吸放出性シートが記載されており、内層に含まれる高吸水性繊維により実使用時に水分を吸収・保持し、徐放することが記載されている。しかし、高吸収性繊維により水分を吸収させた場合には、高吸収性繊維に吸収された水分の大部分は高吸収性繊維に吸収・保持されたままで放出されにくいという問題がある。また、高吸収性繊維は予め水分を吸収することにより実使用前に強度が低下するため、拭取作業中にシートが受ける荷重に耐えられなくなるという問題がある。
【0004】
拭取シートに予め貯留される水性液体の量がより多く、しかも、拭取シートが水性液体を徐放する性能がより高いほど、より大きな面積を有効に拭くことができるため、当該技術分野では、実使用前に予め貯留する水性液体の量がより多く、しかも、水性液体の徐放性がより高い拭取シートが要求されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−287894号公報
【特許文献2】特開2008−155566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明が解決しようとする課題は、実使用前に水性液体を予め貯留する性能に優れるとともに、貯留した水性液体を徐放する性能に優れた不織布を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は上記課題を解決するために検討した結果、第1の外層と、第1の外層の反対側に位置する第2の外層と、第1の外層と第2の外層の間に位置する中間層とを含む積層不織布において、
第1の外層及び第2の外層が、両方とも、疎水性繊維及び親水性繊維を含み、かつ、熱融着性繊維を含まず、
中間層が、パルプと、中間層の全質量に対して20質量%以上かつ80質量%未満の熱融着性繊維とを含み、
中間層が、熱融着性繊維同士が互いに接合している部分を有する場合に、実使用前に予め貯留される水性液体に対する貯留性と、貯留した水性液体を徐々に放出する性能とを両方とも改善できることを見出し、本願発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、一実施形態において、第1の外層と、第1の外層の反対側に位置する第2の外層と、第1の外層と第2の外層の間に位置する中間層とを含む積層不織布であって、
第1の外層及び第2の外層は、両方とも、疎水性繊維及び親水性繊維を含み、かつ、熱融着性繊維を含まず、
中間層は、パルプと、中間層の全質量に対して20質量%以上かつ80質量%未満の熱融着性繊維とを含み、
中間層は、熱融着性繊維同士が互いに接合している部分を有する、
積層不織布である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の積層不織布は、実使用前に予め貯留される水性液体に対する貯留性に優れるとともに、貯留した水性液体を徐々に放出する性能に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の積層不織布の概略断面図である。
図2図2は、実施例1〜3と比較例1及び2の不織布について求められた吸水量W、保水量W及び液放出量のグラフ図である。
図3図3は、実施例1〜3と比較例1及び2の不織布について求められた液放出量の変化を示すグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に関連する発明の実施態様の一部を以下に示す。
[態様1]
第1の外層と、第1の外層の反対側に位置する第2の外層と、第1の外層と第2の外層の間に位置する中間層とを含む積層不織布であって、
第1の外層及び第2の外層は、両方とも、疎水性繊維及び親水性繊維を含み、かつ、熱融着性繊維を含まず、
中間層は、パルプと、中間層の全質量に対して20質量%以上かつ80質量%未満の熱融着性繊維とを含み、
中間層は、熱融着性繊維同士が互いに接合している部分を有する、
積層不織布。
上記態様1によれば、中間層において、熱融着性繊維同士が接合していることにより強固な3次元的網目構造が形成され、拭取作業中に圧縮力に対する適度に高い強度と嵩高さが確保される。また、熱融着性繊維同士が接合した3次元的網目構造中の空間に水性液体を貯留することができるとともに、中間層中に含まれるパルプが高い保水性を有することによって、積層不織布は、実使用前に予め貯留した水性液体に対する貯留性に優れるとともに、貯留した水性液体を徐々に放出する性能に優れる。さらに、第1の外層及び第2の外層が熱融着性繊維を含む場合には、熱融着性繊維同士が互いに接合している部分によってざらつき感が知覚されやすいが、第1の外層及び第2の外層が両方とも熱融着性繊維を含まないため、本発明の積層不織布は優れた肌触り感を有する。熱融着性繊維の量が中間層の全質量に対して20質量%未満である場合には、中間層において、熱融着性繊維同士が接合されることにより強固な3次元的網目構造を形成することが困難である。熱融着性繊維の量が中間層の全質量に対して80質量%以上である場合には、中間層中に含まれるパルプの量が20質量%未満となり、水性液体を予め貯留する性能及び保持する性能が不十分になる。また、パルプの割合が減少することにより、中間層の水性液体を徐放する性能の低下が生じる。
【0012】
[態様2]
第1及び第2の外層中の親水性繊維が中間層中のパルプと交絡している、上記態様1に記載の積層不織布。
上記態様2によれば、第1及び第2の外層中の親水性繊維が前記中間層中のパルプと交絡しているため、拭き取り時に積層不織布に圧縮力が加わると中間層に予め保持された水性液体が中間層中のパルプから第1及び第2の外層に移行しやすく、加圧されるごとに、拭取り対象面、例えば人の肌面に対して水性液体を徐々に放出することができる。
【0013】
[態様3]
積層不織布が乾式スパンレース不織布である、上記態様1又は2に記載の積層不織布。
上記態様3によれば、より優れた肌触り感及びより高い強度を提供することができる。
【0014】
[態様4]
中間層は、第1及び第2の外層よりも高い繊維密度(g/cm)を有する、上記態様1〜3のいずれか一つに記載の積層不織布。
上記態様3によれば、中間層は第1及び第2の外層よりも高い繊維密度を有するため、積層不織布の使用前に予め水性液体を積層不織布に貯留する際に、第1及び第2の外層の外表面から中間層に毛細管現象により速やかに水性液体を移行させることができる。
【0015】
[態様5]
熱融着性繊維は3mm〜8mmの平均繊維長を有する、上記態様1〜4のいずれか一つに記載の積層不織布。
熱融着性繊維の平均繊維長が3mm未満である場合には、中間層を嵩高くすることが困難であり、十分な量の水性液体に対する貯留性を改善することが困難である。熱融着性繊維の繊維長が長いほど、熱融着性繊維は中間層の面方向に配向する傾向が高くなる。そのため、熱融着性繊維を熱融着後に、水性液体を貯留するのに十分な嵩高さを有する中間層を形成することが困難になる。また、中間層の面方向に配向した熱融着性繊維の割合が過度に高いと、積層不織布を水性液体に含浸して中間層に水性液体を予め貯留させる場合に、中間層に含まれるパルプが水性液体を吸収して膨潤する際に、互いに熱融着性繊維が中間層の厚み方向にパルプが膨潤することを妨げる傾向が高くなる。
【0016】
[態様6]
中間層の坪量が、積層不織布の坪量の30%以上である、上記態様1〜5のいずれか一つに記載の積層不織布。
中間層の坪量が、積層不織布の坪量の30%以上である場合には、圧縮に対してより高い強度とより高い嵩高さを確保することができるので好ましい。
【0017】
以下、本発明の積層不織布について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の積層不織布の概略断面図である。図1に示されているように、本発明の積層不織布1は、第1の外層11と、第1の外層の反対側に位置する第2の外層12と、第1の外層と第2の外層の間に位置する中間層13とを含む3層構造の積層体である。
【0018】
本発明の積層不織布1における第1の外層11及び第2の外層12は、両方とも、疎水性繊維及び親水性繊維を含み、かつ、熱融着性繊維を含まない。本発明の積層不織布において、第1及び第2の外層に含まれる親水性繊維が中間層に含まれるパルプと交絡していることが好ましい。第1及び第2の外層に含まれる親水性繊維が中間層に含まれるパルプと交絡していることによって、積層不織布が拭取作業中に圧縮力を受けたときに中間層から第1及び第2の外層に水性液体を受け渡しやすくすることができる。
【0019】
第1及び第2の外層における親水性繊維と疎水性繊維の質量比は、好ましくは50:50〜20:80、より好ましくは30:70〜40:60である。親水性繊維の割合がこの範囲より低い場合には、中間層に予め貯留された水性液体が第1及び第2の外層を浸透して拭取り対象面に達しにくくなる。また、拭取作業中に、汚れを含む水性液体を吸収しにくくなる。親水性繊維の割合がこの範囲を超えると、徐放性の低下がもたらされる。
【0020】
第1及び第2の外層に含まれる親水性繊維の種類は、特に制限されないが、液拡散性や強度、柔軟性、汎用性等の点から、親水性繊維の例としては、セルロース系繊維など、例えば、綿などの天然繊維、レーヨン、キュプラ等の再生繊維などが挙げられる。これらの中でも、レーヨン繊維は、液拡散性や交絡後の強度、取扱い易さ、汎用性などの点から、特に好ましく用いることができる。第1及び第2の外層に含まれる親水性繊維の形態は、特に制限されず、円形断面のものを用いても、Y字形や十字形、中空等の異形断面のものを用いてもよく、また、これらの形態のものを組み合わせて用いてもよい。親水性繊維が異形断面の繊維を含むと、異形断面の繊維は表面積が大きく、吸液性に優れるため、第1及び第2の外層を形成する繊維集合体の液拡散性を更に向上させることができる。親水性繊維は、第1及び第2の外層中に、独立に、好ましくは50〜20質量%、より好ましくは40〜30質量%の量で含まれる。
【0021】
第1及び第2の外層に含まれる親水性繊維は30mm〜60mmの平均繊維長を有することが好ましい。親水性繊維の平均繊維長がこの範囲内にあると、中間層に予め貯留された水性液体を、第1及び第2の外層を形成する繊維集合体の毛管現象を利用して、拭取り対象面に迅速に拡散させることができる。なお、第1及び第2の外層に含まれる親水性繊維について「平均繊維長」とは、JIS L 1015:2010の附属書Aの「A7.1 繊維長の測定」の「A7.1.1 A法(標準法)目盛りが付いたガラス板上で個々の繊維の長さを測定する方法」に従って測定される平均繊維長をいう。なお、上記方法は、1981年に発行されたISO 6989に相当する試験方法である。以下で説明する第1及び第2の外層に含まれる親水性繊維及び中間層に含まれる熱融着性繊維についての平均繊維長も親水性繊維の平均繊維長と同様に定義される。第1及び第2の外層に含まれる親水性繊維は、1.0〜3.0dtexの繊度を有することが好ましい。親水性繊維の繊度が1.0dtex未満である場合には、カード機でのウェブ形成が難しいため、生産性が低下するという問題があり、親水性繊維の繊度が3.0dtexを超える場合には、毛管現象が発現し難くなるという問題がある。
【0022】
第1及び第2の外層に含まれる疎水性繊維の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル等の熱可塑性繊維又はこれらの熱可塑性繊維を組み合わせた複合繊維などが挙げられる。湿潤時における強度や嵩高さ、柔軟性等の点から、疎水性繊維としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系繊維が好ましい。第1及び第2の外層に含まれる疎水性繊維は30mm〜60mmの平均繊維長を有することが好ましい。疎水性繊維の平均繊維長がこの範囲内にあると、容易にカード機でウェブを形成することができる。第1及び第2の外層に含まれる疎水性繊維は、0.6〜2.2dtexの繊度を有することが好ましい。疎水性繊維の繊度が0.6dtex未満である場合には、カード機でのウェブ形成が難しいため、生産性が低下するという問題があり、疎水性繊維の繊度が2.2dtexを超える場合には、触感が硬くなるという問題がある。
【0023】
第1及び第2の外層は、エアレイド法などの方法によって形成された繊維ウェブであることができるが、第1の外層及び第2の外層の少なくとも一方の繊維層は、カード機を用いて形成されたカードウェブであることが好ましい。第1及び第2の外層がカードウェブである場合、構成繊維の繊維長が長い場合であっても、第1の外層、中間層及び第2の外層を後述するウォータージェット等の高圧水流により一体化する際に、各繊維層内の繊維同士及び各繊維層間の繊維同士を十分に交絡させることができる。なお、カードウェブの形態は、特に制限されず、パラレルウェブ、クロスウェブ、ランダムウェブなどのいずれの形態でもよい。
【0024】
なお、本発明における第1及び第2の外層は、同じ構成の繊維層(すなわち、繊維の種類、配合率及び層の構造が同じ繊維層)であっても、異なる構成の繊維層(すなわち、繊維の種類、配合率及び層の構造のうちの少なくとも1つが異なる繊維層)であってもよい。第1及び第2の外層は、独立に、好ましくは0.02〜0.06g/cmの繊維密度を有する。第1及び第2の外層の繊維密度が0.02g/cm未満である場合には、中間層中の熱融着性繊維が互いに接合している部分によるざらついた触感が第1及び第2の外層を通して知覚されやすくなり、肌触り感に劣る積層不織布がもたらされるという問題がある。第1及び第2の外層の繊維密度が0.06g/cmを超える場合には、中間層と外層との間の水性液体の移行が遅くなるという問題がある。なお、第1及び第2の外層の繊維密度は、電子顕微鏡写真から求めた第1及び第2の外層の厚さと、第1及び第2の外層の坪量設定値とに基づいて求めることができる。
【0025】
中間層は、パルプと、当該中間層の全質量に対して20質量%以上かつ80質量%未満の熱融着性繊維とを含む。さらに、中間層は、熱融着性繊維同士が互いに接合している部分を有する。中間層における熱融着性繊維の含有量は、好ましくは20質量%〜50質量%、好ましくは20質量%〜50質量%、より好ましくは20質量%〜40質量%である。中間層におけるパルプの含有量は、中間層の全質量を基準として20質量%超かつ80質量%以下であり、好ましくは50質量%〜80質量%、より好ましくは60質量%〜80質量%である。中間層において熱融着性繊維の含有量が多いほど中間層の嵩高さをより増大させること、すなわち水性液体を貯留することができる空間の体積を増大させることができるが、熱融着性繊維の含有量が多いほどパルプの含有量が減少する。そのため、パルプよりも低い親水性を有する熱融着性繊維の含有量が80質量%以上である場合には、パルプ含有量の減少に応じて中間層に保持される水性液体の量が減少する。
【0026】
熱融着性繊維は、好ましくは1.0〜5.0dtex、より好ましくは1.3〜2.2dtexの繊度を有する。繊度が1.0dtex未満である場合には、フォーミング時に分散性が悪くなる可能性があり、繊度が5.0dtexを超える場合には、繊維本数が少なくなるため中間層に水性液体を保持する空間の形成が困難である。熱融着性繊維は、好ましくは1〜12mm、より好ましくは3〜6mmの平均繊維長を有する。平均繊維長が1mm未満である場合には、中間層に3次元的網目構造を形成することが困難であるために水性液体を貯留する空間を形成できないおそれがあり、繊維長が12mmを超える場合には、熱融着性繊維を均一に分散させてフォーミングすることができないおそれがある。
【0027】
中間層に含まれるパルプの種類は、特に限定されない。パルプの例としては、木材パルプ、例えば針葉樹パルプ及び広葉樹パルプ等、非木材パルプ、例えばワラパルプ、バガスパルプ、ヨシパルプ、ケナフパルプ、クワパルプ、竹パルプ、麻パルプ、綿パルプ(例えば、コットンリンター)等が挙げられる。上記パルプは、叩解処理を受けていない非叩解パルプ、叩解処理を受けた叩解パルプ、又はそれらの組み合わせであることができる。実使用前に予め水性液体を貯留する性能、実使用時に水性液体を徐放する性能、実使用時に汚れを含む液体を吸収する性能、柔軟性、取扱い易さなどの点から、針葉樹パルプ及び広葉樹パルプ等が好ましい。
【0028】
熱融着性繊維の例としては、少なくとも表面に、ポリエチレン樹脂や低融点ポリプロピレンなどの融点の低い熱可塑性樹脂を含むものであり、熱融着性繊維の例としては、ポリエチレン樹脂の単成分繊維;ポリプロピレン樹脂の単成分繊維;芯部がポリエチレンテレフタレート樹脂であり、鞘部がポリエチレン樹脂である芯鞘型の複合合成繊維;芯部がポリプロピレン樹脂であり、鞘部がポリエチレン樹脂である芯鞘型の複合合成繊維;芯部が高融点ポリプロピレン樹脂であり、鞘部が低融点ポリプロピレン樹脂である芯鞘型の複合合成繊維;ポリエチレンテレフタレート樹脂とポリエチレン樹脂からなるサイドバイサイド型の複合合成繊維;ポリプロピレン樹脂とポリエチレン樹脂からなるサイドバイサイド型の複合合成繊維などが挙げられる。例示したこれらの熱融着性繊維は一般的にパルプよりも低い親水性を有する。
【0029】
本発明の積層不織布の製造を、例えば第1の外層、中間層及び第2の外層を後述するようにウォータージェット等の高圧水流により一体化して不織布を形成した後に、得られた不織布を熱処理して熱融着性繊維に含まれる低融点樹脂を溶融させて熱融着性繊維同士を互いに融着し接合することにより実施する場合、熱融着性繊維同士が接合することにより強固な3次元的網目構造が形成され、熱融着前よりも不織布の強度、特に湿潤時における強度を向上させることができ、さらに、拭取作業中に圧縮力に対する適度に高い強度と嵩高さが確保される。また、熱融着性繊維同士が接合した3次元的網目構造中の空間に水性液体を貯留することができるとともに、中間層中に含まれるパルプが高い保水性を有することによって、積層不織布は、実使用前に予め貯留した水性液体に対する貯留性に優れるとともに、貯留した水性液体を徐々に放出する性能に優れる。
【0030】
中間層は、第1及び第2の外層よりも高い繊維密度を有することが好ましい。中間層は、より好ましくは0.04〜0.25g/cmの繊維密度を有する。中間層は、第1及び第2の外層よりも高い繊維密度を有することによって、本発明の積層不織布に水性液体を含浸する場合に、第1及び第2の外層における毛細管現象により水性液体を中間層に迅速に移行させて、中間層に水性液体を貯留することができる。なお、中簡層の繊維密度は、電子顕微鏡写真から求めた中間層の厚さと、中間層の坪量設定値とに基づいて求めることができる。
【0031】
次に、本発明の積層不織布の製造方法について説明する。
本発明の積層不織布は、少なくとも、
(1)第1の外層を形成するための親水性繊維及び疎水性繊維を含む繊維ウェブを供給する工程と、
(2)当該繊維ウェブ上に中間層を形成するためのパルプ及び熱融着性繊維を含む中間層ウェブを供給する工程と、
(3)当該中間層ウェブ上に、第2の外層を形成するための親水性繊維及び疎水性繊維を含む繊維ウェブを供給して積層体を得る工程と、
(4)積層体の両面側から高圧水流処理を施して、各繊維層間の繊維同士を交絡させる工程と、
(5)積層体を熱処理して積層体を乾燥させるとともに熱融着性繊維同士を接合させる工程、
を含む方法によって製造することができる。更に具体的には、上記の親水性繊維及び疎水性繊維をそのままで又は混綿した後にカード機等により処理してカードウェブ等の形態を有する繊維ウェブを形成し、次いで、形成された繊維ウェブを搬送しながら当該繊維ウェブ上に、パルプ及び熱融着性繊維を含む中間層を形成するための中間層ウェブをエアレイ等によって供給し、さらに、中間層ウェブ上にカードウェブ等の形態を有する親水性繊維及び疎水性繊維を含む第1の外層を形成するための繊維ウェブを供給して積層物を得た後、当該積層物の両面側からウォータージェット等の高圧水流処理を施すことにより、少なくとも各繊維層間の繊維同士を交絡させて、第1の外層、中間層及び第2の外層が一体化した積層不織布を得ることができる。
【0032】
このようにして得られた不織布は、ウォータージェット等の高圧水流によって、各繊維層内の繊維同士及び各繊維層間の繊維同士が交絡した構造を有するため、優れたシート強度及び液拡散性を有しつつ、第1の外層及び第2の外層において不織布の面方向に拡散された水性液体の中間層への受け渡しを促進させることができる。また、水性液体を中間層へ受け渡した後の第1の外層と第2の外層は、再度、水性液体を吸収して面方向に拡散させることができるため、不織布内において、水性液体の吸収、面方向への拡散及び中間層への受け渡しのプロセスを繰り返し実行することができ、水性液体の持続的な拡散によって、水性液体の拡散領域や不織布に貯留される水性液体の量を増大させることができる。
【0033】
さらに、ウォータージェット等の高圧水流によって、第1の外層及び第2の外層の少なくとも一方の繊維層における構成繊維の一部が、中間層の内部にまで入り込んだ構造を有していると、第1及び第2の外層において積層不織布の面方向に拡散された水性液体を前記中間層へ受け渡し易くなるため、積層不織布内において、水性液体の吸収、面方向への拡散及び中間層への受け渡しのプロセスをより迅速に実行することができ、その結果、不織布における水性液体の拡散速度及び拡散領域(拡散面積)を更に増大させることができる。
【0034】
本発明の積層不織布において、第1及び第2の外層の坪量は、それぞれ独立に、各層における繊維間の交絡の形成状態や、柔軟性、肌触り感、水性液体の拡散性、シート強度、等の点から、5〜15g/m2の範囲内にあることが好ましい。中間層の坪量は、10〜50g/m2の範囲内であることが好ましい。中間層の坪量は、水性液体の貯留性及び水性液体の徐放性の点で、積層不織布の坪量の30%以上であることがより好ましい。
【0035】
本発明の積層不織布に含浸できる水性液体は、水又は水を主成分として含む液体であり、用途に応じてその組成を定めることができる。例えば、乳幼児のおしり拭きを目的とするときには、プロピレングリコール10重量%と水90重量%の混合液や、プロピレングリコール7重量%とパラペン0.3重量%と、水92.7重量%の混合液をティッシュペーパに含浸させればよい。そのときの含浸量は、ティッシュペーパの乾燥重量の150〜300%が適当である。
【0036】
本発明の積層不織布は、ウェットワイパーの他に、ウェットティッシュ等の様々な拭取シートとして使用することができる。また、本発明は、上記の実施形態や以下の実施例に制限されることなく、本発明の目的、趣旨を逸脱しない範囲内において、適宜変更が可能である。
【実施例】
【0037】
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれにより限定して解釈されるものではない。
【0038】
<比較例1>
親水性繊維として繊度1.4dtex及び繊維長4.4mmのレーヨン繊維(ダイワボウレーヨン株式会社製のコロナ(登録商標))と、疎水性繊維として繊度1.3dtex及び繊維長3.8mmのポリエチレンテレフタレート(PET)繊維(東洋紡株式会社製の70W)とを、レーヨン繊維:PET繊維=25:75の質量比で混合した後、カード機を用いて設定坪量値10g/m2でカードウェブを形成した。このカードウェブを第1の外層とした。得られたカードウェブを搬送しながら、当該カードウェブ上に、設定坪量値20g/m2でパルプ(Weyerhaeuser製のNB401)を供給して中間層を形成し、次いで、得られた中間層上に、第1の外層と同様にして作製したカードウェブを供給して第2の外層を形成し、第1の外層、中間層及び第2の外層からなる積層体を作製した。得られた積層体を搬送速度20m/分で搬送しながら、積層体の両面側からウォータージェット(第1の外層側の処理水圧:7MPa、第2の外層側の処理水圧5MPa、ノズル口径:92μm、ノズルピッチ:0.5mm、2列)による高圧水流処理を施すことによって各繊維層内及び各繊維層間の構成繊維同士を交絡させ、上記の第1の外層、中間層及び第2の外層が一体化した3層構造の積層不織布を得た。得られた積層不織布を乾燥機により第1の外層側を125℃に加熱し、第2の外層側を135℃に加熱することによって乾燥させた。
【0039】
<実施例1>
中間層を、パルプ(Weyerhaeuser製のNB401)と、熱融着性繊維として芯成分がポリプロピレン(PP)であり、鞘成分がポリエチレン(PE)である芯鞘構造を有するPE/PP繊維(ES FIBERVISIONS製のAL−Adhesion、繊度1.7dtex、繊維長3mm)とをパルプ:PE/PP繊維=80:20の質量比で混合した後、第1の外層を形成するカードウェブ上に供給することにより形成したことを除いて、比較例1と同様に積層不織布を作製した。積層不織布を乾燥させる際の加熱によって、中間層に含まれる熱融着性繊維同士を互いに融着させた。
【0040】
<実施例2>
パルプとPE/PP繊維との質量比がパルプ:PE/PP繊維=60:40であったことを除き、実施例1と同様に積層不織布を作製した。
【0041】
<実施例3>
パルプとPE/PP繊維との質量比がパルプ:PE/PP繊維=40:60であったことを除き、実施例1と同様に積層不織布を作製した。
【0042】
<比較例2>
パルプとPE/PP繊維との質量比がパルプ:PE/PP繊維=20:80であったことを除き、実施例1と同様に積層不織布を作製した。
【0043】
上述のようにして得られた実施例1〜3、比較例1〜3の各積層不織布について、下記方法により坪量(g/m2)、厚み(mm)、比容積(cm3/g)、貯留性及び徐放性を求めた。
【0044】
[坪量]
100mm×100mmのサイズの試料を10枚採取し、各試料の質量を測定した。次いで、各試料について、質量(g)/面積(m2)の値を坪量(g/m2)として算出した。計10個の試料の坪量の平均値を各例の坪量として算出した。
【0045】
[厚み]
不織布の厚みは、(株)大栄科学精器製作所製 THICKNESS GAUGE UF−60を用いて測定した。UF−60では、測定面の直径が44mmであり、不織布に0.3kPaの圧力を加え、その厚みを測定した。
【0046】
[比容積]
不織布の比容積は、不織布の坪量を、その厚さで除することにより算出した。
【0047】
[貯留性及び徐放性]
実施例1〜3と比較例1及び2で作製した積層不織布の水性液体を貯留する性能(貯留性)及び徐放する性能(徐放性)を下記の2通りの試験法により評価した。
【0048】
<試験法その1>
ステップ1:実施例1〜3と比較例1及び2で作製した積層不織布からそれぞれ長さ140mm×幅60mmのサイズの試料を採取し、各試料の初期質量(W)を電子天秤で測定し、各試料について、以下のステップ2〜6を実施した。
ステップ2:試料を質量57.0g(W)、線径0.29mm及び20メッシュの平織り金網に載せ、イオン交換水を入れたバットに試料を金網ごと浸した。
ステップ3:試料を金網ごとイオン交換水から引き上げ、金網を水平に保ったまま5分間放置した。
ステップ4:金網に試料を載せたまま試料と金網の合計質量(W)を電子天秤で測定し、WからWとWの合計を差し引いて試料の吸水量(W)を求めた。
ステップ5:吸水した試料を、水平面に設置されたSUS304製の直方形の台座の上面(縦140mm×横60mm)の上に試料の片面(下面)全体が台座の上面全体と接するように載せ、試料の反対面(上面)上に質量840gのSUS304製の重り(縦140mm×横60mm)を試料の上面全体が重りの下面全体と接するように載せた。試料を3分間放置した後に、重りを取り除いた。
ステップ6:試料の質量(W)を電子天秤で測定し、(W)から(W)を差し引いて保水量(W)を求めた。
なお、上記ステップ1〜6は、温度20℃、相対湿度60%で行った。
求められた吸水量Wの値及び保水量Wの値と、WからWを差し引いた値を液放出量W(W=W−W)として下記表1に示す。図2に、表1の吸水量(W)、保水量(W)及び液放出量(W)をグラフで示す。
【0049】
<試験その2>
ステップ1:実施例1〜3と比較例1及び2で作製した積層不織布からそれぞれ長さ200mm×幅150mmの長方形の試料を採取し、各試料の初期質量(W)を電子天秤で測定した。各試料の長辺を2つ折りして150mm×100mmのサイズにし、各試料の初期質量Wの2倍の質量のイオン交換水を試料に含浸した。
ステップ2:50mm×50mmのサイズのろ紙(アドバンテック東洋(株)製の定性濾紙No.2)を10枚重ね合わせることにより得られたろ紙積層体の質量(WB1)を予め測定し、ろ紙積層体を試料の上に重ね合わせた。
ステップ3:試料上に重ね合わせたろ紙積層体の上に360gの質量を有する重り(縦30mm×横30mm)を載せることにより4.0kgf/cmの圧力でろ紙積層体を2秒間加圧し、重りを除去した後、ろ紙積層体の質量(WC1)を測定し、試料からろ紙積層体に放出された液(イオン交換水)放出量WD1(=WC1−WB1)を第1回目の液放出量として求めた。
ステップ4:ステップ3の後の試料に対して上記ステップ2及び3を繰り返すことにより第2回目の液放出量WD2を求めた。
ステップ5:ステップ4の後の試料に対して上記ステップ2及び3を繰り返すことにより第3回目の液放出量WD3を求めた。
ステップ6:ステップ5の後の試料に対して上記ステップ2及び3を繰り返すことにより第4回目の液放出量WD4を求めた。
ステップ7:ステップ6の後の試料に対して上記ステップ2及び3を繰り返すことにより第5回目の液放出量WD5を求めた。
ステップ8:ステップ7の後の試料に対して上記ステップ2及び3を繰り返すことにより第6回目の液放出量WD6を求めた。
ステップ9:ステップ8の後の試料に対して上記ステップ2及び3を繰り返すことにより第7回目の液放出量WD7を求めた。
ステップ10:ステップ9の後の試料に対して上記ステップ2及び3を繰り返すことにより第8回目の液放出量WD8を求めた。
ステップ11:ステップ10の後の試料に対して上記ステップ2及び3を繰り返すことにより第9回目の液放出量WD9を求めた。
ステップ12:ステップ11の後の試料に対して上記ステップ2及び3を繰り返すことにより第10回目の液放出量WD10を求めた。
なお、上記ステップ1〜12は、温度20℃、相対湿度60%で行った。また、上記ステップ4〜12では、ステップ2に記載したとおりに作製した新品のろ紙積層体を使用した。
液放出量WD1〜WD10とWD1〜WD10の合計量とを坪量40g/mの場合の値(すなわち、実測した液放出量×40(g/m)/実測した坪量(g/m)の値)に換算し、換算した値を表2に示す。なお、図3に表2の液放出量WD1〜WD10をグラフで示す。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
表1及び2と図1及び2から、本発明に係る実施例1〜3の積層不織布は、比較例1及び2の不織布と比べて、吸水量(すなわち貯留性)がより高いこと、圧力が繰り返し加わった場合でもより高い保水性保つこと、より多量の水を徐放する性能により優れていることが判る。実施例1〜3の第1回液放出量は比較例1及び2の第1回液放出量の約1.3倍程度の高いレベルにある。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明の積層不織布は、実使用前に水性液体を予め貯留する性能に優れるとともに、貯留した水性液体を徐放する性能に優れているため、人の肌面や、家具や床などの種々の物品の表面を清浄にするための、ウェットワイパー等の使い捨て拭取シートとして有用である。
【符号の説明】
【0054】
1 積層不織布
11 第1の外層
12 第2の外層
13 中間層
図1
図2
図3