特許第6444339号(P6444339)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッドの特許一覧 ▶ コベストロ ドイチュラント アーゲーの特許一覧

<>
  • 特許6444339-視野角切替バックライトユニット 図000002
  • 特許6444339-視野角切替バックライトユニット 図000003
  • 特許6444339-視野角切替バックライトユニット 図000004
  • 特許6444339-視野角切替バックライトユニット 図000005
  • 特許6444339-視野角切替バックライトユニット 図000006
  • 特許6444339-視野角切替バックライトユニット 図000007
  • 特許6444339-視野角切替バックライトユニット 図000008
  • 特許6444339-視野角切替バックライトユニット 図000009
  • 特許6444339-視野角切替バックライトユニット 図000010
  • 特許6444339-視野角切替バックライトユニット 図000011
  • 特許6444339-視野角切替バックライトユニット 図000012
  • 特許6444339-視野角切替バックライトユニット 図000013
  • 特許6444339-視野角切替バックライトユニット 図000014
  • 特許6444339-視野角切替バックライトユニット 図000015
  • 特許6444339-視野角切替バックライトユニット 図000016
  • 特許6444339-視野角切替バックライトユニット 図000017
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6444339
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】視野角切替バックライトユニット
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20181217BHJP
   F21V 8/00 20060101ALI20181217BHJP
   F21V 9/00 20180101ALI20181217BHJP
   F21V 7/04 20060101ALI20181217BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20181217BHJP
   G02B 5/00 20060101ALI20181217BHJP
   F21Y 103/10 20160101ALN20181217BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20181217BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20181217BHJP
【FI】
   F21S2/00 431
   F21V8/00 320
   F21V9/00 200
   F21V7/04 200
   F21S2/00 438
   F21S2/00 441
   F21S2/00 444
   G02F1/13357
   G02B5/00 Z
   F21Y103:10
   F21Y115:10
   F21Y115:30
【請求項の数】9
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-128456(P2016-128456)
(22)【出願日】2016年6月29日
(65)【公開番号】特開2017-22097(P2017-22097A)
(43)【公開日】2017年1月26日
【審査請求日】2016年6月29日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0097107
(32)【優先日】2015年7月8日
(33)【優先権主張国】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】515320927
【氏名又は名称】コベストロ ドイチュラント アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】バン, ヒュンソク
(72)【発明者】
【氏名】リュウ, スンマン
(72)【発明者】
【氏名】ヒョン, ジュボン
(72)【発明者】
【氏名】ブリューデル, フリードリヒ−カール
【審査官】 野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−028008(JP,A)
【文献】 特開2007−073516(JP,A)
【文献】 特開2013−037845(JP,A)
【文献】 特開2007−087647(JP,A)
【文献】 特開2000−249837(JP,A)
【文献】 特開2012−099291(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 8/00
G02F 1/13357
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一側に配置された光入射部、他側に配置された光変換部及び前記光入射部と前記光変換部を接続する光伝達部を含む導光フィルムと、
前記導光フィルムの一側表面上に配置された光出射部と、
前記導光フィルムの光入射部側に配置された光源を含み、
前記光入射部は、
前記光源から出射された拡散入射光を水平平面で狭放射角を有し、垂直平面で準−視準された垂直準−視準光に変換する光入射素子と、
前記光入射素子で出射された前記垂直準−視準光を前記光伝達部内で全反射の条件を満たす垂直視準光に変換する光偏向素子を含み、
前記光変換部は、
前記光伝達部から伝達を受けた前記垂直視準光を、前記光伝達部内の空気との界面では全反射の条件を満たすが、前記光伝達部内の前記光出射部との界面では全反射の条件を満たさない、水平平面で視準された垂直−水平視準光に変換して前記光伝達部に再伝達する光反射パターンを含み、
前記光出射部は、前記垂直−水平視準光の一部を出光し、前記垂直−水平視準光の残りの部分を反射する出光フィルムを含むバックライトユニットであって、
前記光伝達部は、
高屈折フィルムと、
前記高屈折フィルムの上部表面及び下部表面の内、いずれか一表面に面合着された低屈折フィルムを含み、
前記出光フィルムは、前記低屈折フィルムの外側表面に面合着された表面グレーティングフィルムと体積グレーティングフィルムの内、いずれか1つを含み、
前記光入射素子は、前記高屈折フィルムの上部面において前記光源と隣接した一側辺に配置され、
前記光偏向素子は、前記高屈折フィルムの上部面において前記光入射素子の下に積層され、
前記低屈折フィルムは、前記高屈折フィルムの上部面に面合着され、
前記光反射パターンは、前記高屈折フィルムの上部面において前記光入射素子と対向する他の側辺に配置され
前記出光フィルムは、前記低屈折フィルムの上部面に面合着された、バックライトユニット
【請求項2】
一側に配置された光入射部、他側に配置された光変換部及び前記光入射部と前記光変換部を接続する光伝達部を含む導光フィルムと、
前記導光フィルムの一側表面上に配置された光出射部と、
前記導光フィルムの光入射部側に配置された光源を含み、
前記光入射部は、
前記光源から出射された拡散入射光を水平平面で狭放射角を有し、垂直平面で準−視準された垂直準−視準光に変換する光入射素子と、
前記光入射素子で出射された前記垂直準−視準光を前記光伝達部内で全反射の条件を満たす垂直視準光に変換する光偏向素子を含み、
前記光変換部は、
前記光伝達部から伝達を受けた前記垂直視準光を、前記光伝達部内の空気との界面では全反射の条件を満たすが、前記光伝達部内の前記光出射部との界面では全反射の条件を満たさない、水平平面で視準された垂直−水平視準光に変換して前記光伝達部に再伝達する光反射パターンを含み、
前記光出射部は、前記垂直−水平視準光の一部を出光し、前記垂直−水平視準光の残りの部分を反射する出光フィルムを含むバックライトユニットであって、
前記光伝達部は、
高屈折フィルムと、
前記高屈折フィルムの上部表面及び下部表面の内、いずれか一表面に面合着された低屈折フィルムを含み、
前記出光フィルムは、前記低屈折フィルムの外側表面に面合着された表面グレーティングフィルムと体積グレーティングフィルムの内、いずれか1つを含み、
前記光入射素子は、前記高屈折フィルムの上部面において前記光源と隣接した一側辺に配置され、
前記光偏向素子は、前記高屈折フィルムの下部面において前記光入射素子と対向配置され、
前記低屈折フィルムは、前記高屈折フィルムの下部面において前記光入射素子と隣接して面合着され、
前記光反射パターンは、前記高屈折フィルムの下部面において前記光入射素子と対向する他の側辺に配置され、
前記出光フィルムは、前記低屈折フィルムの下部面に面合着された、バックライトユニット
【請求項3】
前記光入射素子と、前記光出射部との間に配置され、前記垂直視準された光の中で、前記光伝達部内での全反射の条件を満たしていない光を吸収する光吸収パターンをさらに含む、請求項1又は2に記載のバックライトユニット。
【請求項4】
前記光入射素子は、
前記光源と隣接して配置される水平ウェッジ部と、
前記水平ウェッジ部から延長された垂直ウェッジ部を含む、請求項1又は2に記載のバックライトユニット。
【請求項5】
前記水平ウェッジ部は、
前記光源と隣接し、前記光源の大きさに対応する高さと幅を備えた光入射面と、
前記光入射面から一側方向に一定の放射角を有し、一定の距離だけ延長される上面部と下面部と、
前記入射面と同じ高さで前記一定の距離だけ延長された両側面部
を含み、
前記垂直ウェッジ部は、
前記水平ウェッジ部から前記一側方向に延長されるが、前記高さの値が線形的に減少して、前記上面部の先端から前記下面部に収斂する斜面を有する、請求項4に記載のバックライトユニット。
【請求項6】
前記水平ウェッジ部は、
前記一側方向と垂直である前記垂直ウェッジ部の側辺に沿って複数個が一定の間隔で配置され、
前記光源は、前記複数個の光入射面のそれぞれに一つずつ配置された複数個を含む、請求項5に記載のバックライトユニット。
【請求項7】
前記光伝達部は、
前記垂直視準光を全反射して前記光入射部から前記光変換部に伝達し、
前記垂直−水平視準光を全反射して一部は前記光出射部に出光しながら、残りは、前記光変換部から前記光入射部に伝達する、請求項1又は2に記載のバックライトユニット。
【請求項8】
前記導光フィルムの上部に配置された選択型の拡散フィルムをさらに含む、請求項1又は2に記載のバックライトユニット。
【請求項9】
前記導光フィルムの下部に配置された直下型バックライトユニットとエッジ型バックライトユニットの内、いずれか1つをさらに含む、請求項1又は2に記載のバックライトユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置において、保安モード(プライバシーモード)と一般モードを選択することができる視野角の選択バックライトユニットに関する。特に、本発明は、超集光導光フィルムを用いて、液晶表示装置において画像情報を特定の視野範囲に限定して提供する機能を選択できるバックライトユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、軽量、薄型、低消費電力駆動などの特徴により、その応用範囲が徐々に広がっている傾向にある。この液晶表示装置は、ノートPCのようなポータブルコンピュータ、事務自動化機器、オーディオ/ビデオ機器、屋内外広告表示装置などに利用されている。液晶表示装置の大部分を占めている透過型液晶表示装置は、液晶層に印加される電界を制御してバックライトユニットから入射された光を変調することにより、画像を表示する。
【0003】
バックライトユニットは、直下型(direct type)とエッジ型(edge type)に大別される。直下型バックライトユニットは、液晶表示パネルの下に複数の光学シートと拡散板が積層され、拡散板の下に複数の光源が配置される構造を有する。図1は、LEDアレイを光源とする直下型バックライトユニットを備えた液晶表示装置の構造を示す断面図である。
【0004】
直下型バックライトユニット(DBLU)は、液晶表示パネル(LCP)の下面で液晶表示パネル(LCP)に直接光を照射する光源を備える。光源は蛍光ランプを使用することもあるが、図1に示すように、消費電力が低く、輝度が向上されたLEDアレイ(LEDAR)を使用することができる。LEDアレイ(LEDAR)は、ケース(CASE)の底にマトリックス方式で配列される。ケース(CASE)は、再度カバーボトム(CB)に装着することができる。場合によっては、ケース(CASE)を省略し、カバーボトム(CB)にLEDアレイ(LEDAR)を直接設置することもできる。LEDアレイ(LEDAR)の上部には、拡散板(DIFF)が設置される。拡散板(DIFF)は、LEDアレイ(LEDAR)から入射される光を拡散し、液晶表示パネル(LCP)の光入射面に全面に均等に光を分布させる。拡散板(DIFF)と液晶表示パネル(LCP)との間には、光学シート(OPT)が配置される。光学シート(OPT)は、1枚以上のプリズムシート、1枚以上の拡散シートなどを含み、DBEF(dual brightness enhancement film)をさらに含むこともできる。プリズムシートは、拡散板(DIFF)によって分散された光を液晶表示パネル(LCP)に集光させ輝度を向上させる。拡散シートは、プリズムシートで集光された光を再び液晶表示パネル(LCP)の全面に均等に輝度を有するように拡散させる機能をする。
【0005】
ガイドパネル(GP)は、液晶表示パネル(LCP)と直下型バックライトユニット(DBLU)の側面を包み、液晶表示パネル(LCP)と光学シート(OPT)の間で液晶表示パネル(LCP)を支持する。カバーボトム(CB)は、エッジ型バックライトユニットのケース(CASE)の下面を包む。LEDアレイ(LEDAR)が設置されたケース(CASE)の底面には、反射シート(REF)が配置されて拡散板(DIFF)や光学シート(OPT)で反射された光を再反射させて液晶表示パネル(LCP)に送る。トップケース(TC)は、液晶表示パネル(LCP)の上面端とガイドパネル(GP)の側面を包む。
【0006】
一方、エッジ型バックライトユニットは、直下型バックライトユニットより薄い厚さで実現することができる。現在LCD装置は、光源の種類がランプからLEDに変わって行く傾向にある。特に、配置を容易にすることができるLEDを側面に配置するエッジ型バックライトユニットが多く使用されている。
【0007】
以下、図2を参照して、エッジ型バックライトユニットについて説明する。図2は、従来技術によるLEDアレイを含むエッジ型バックライトユニットを備えた液晶表示装置の構造を示す断面図である。
【0008】
図2を参照すると、エッジ型バックライトユニット(EBLU)は、カバーボトム(CB)、カバーボトム(CB)内の底面に装着された導光板(LG)、そして導光板(LG)の側面とカバーボトム(CB)との間に配置されて導光板(LG)の側面に光を照射する光源を備える。光源は蛍光ランプを使用することもあるが、電力消費が少なく、輝度が向上されたLEDアレイ(LEDAR)を使うこともある。光源は、ハウジングのような収納手段を用いて、導光板(LG)の側面に配置される。導光板(LG)は、LEDアレイ(LEDAR)から入射された光を液晶表示パネル(LCP)の光入射面に対して実質的に垂直な角度で進行経路を屈折させる。導光板(LG)と液晶表示パネル(LCP)との間には、光学シート(OPT)が配置される。光学シート(OPT)は、1枚以上のプリズムシート、1枚以上の拡散シートなどを含み導光板(LG)から入射される光を拡散する。輝度を向上させるために、光学シート(OPT)には、DBEF(dual brightness enhancement film)をさらに含むこともある。
【0009】
ガイドパネル(GP)は、液晶表示パネル(LCP)とエッジ型バックライトユニットの側面を包み、液晶表示パネル(LCP)と光学シート(OPT)の間で液晶表示パネル(LCP)を支持する。カバーボトム(CB)と導光板(LG)との間には、反射シート(REF)が配置され、光学シート(OPT)において反射され、下部で損失されるはずの光を再反射して液晶表示パネル(LCP)に戻る。トップケース(TC)は、液晶表示パネル(LCP)の上面端とガイドパネル(GP)の側面を包む。
【0010】
このように、非自発光平板表示装置である液晶表示装置の場合、バックライトユニットを必ず備えなければならない。バックライトユニットは、液晶表示パネルの全面に均等に光を分布するように提供することが望ましい。したがって、点光源あるいは線光源を均一な光分布を有する面光源に変換するためのさまざまな光学的手段が必要である。また、これらのさまざまな構成要素の光学的特性と構造を考慮しなければならないので、バックライトユニットは、一定の厚さ以上を持たざるをえない。つまり、液晶表示装置のように、近年に開発された平板表示装置がブラウン管に比べて革新的に薄型化されたが、携帯性と柔軟性をさらに改善した様々な平板表示装置を開発するためには、さらに薄型化され、さらに消費電力を減らしたバックライトユニットを開発するための技術が必要である。
【0011】
以上のような従来技術に係る照明装置は、液晶表示装置のような非自発光表示装置において、バックライトユニットで使用されている。バックライトユニットは、表示装置の背面から前面方向に光を提供し、前面のすべての方向から均等の輝度を有し放射するバックライトを提供するように考案された。
【0012】
液晶表示装置は、前面に位置するすべての人に映像情報を正常に提供する場合もあるが、前面に位置する特定の人のみに映像情報を提供する必要がある。例えば、テレビや電光板のような場合には、なるべく多くの公衆に歪みのない映像情報を提供しようとする場合、バックライトユニットは、180度に近い広視野角で均一輝度を分布する特性を有することが好ましい。反面、個人携帯情報処理機器の場合、この機器を使用する特定の人にのみ映像情報を提供する「プライバシー(Privacy)」モードで作動することもなければならない。これまでに開発されたバックライトユニットは、プライバシーモード(あるいは狭視野角モード)と一般モード(あるいは広視野角モード)を選択的に調節することができなかった。
【0013】
プライバシーモードと一般モードを選択するために提案された方法としては、プライバシー光学フィルムを液晶表示装置の表面に着脱する方法がある。たとえば、一般的な広視野角モードで作動する液晶表示装置に、プライバシー光学フィルムをのせておけば、ユーザにのみ画像情報を提供する狭視野角モードで使用することができる。しかし、液晶表示装置のタッチパネルのように、表面に特殊な付加機能を有する場合、プライバシー光学フィルムを貼付すると、タッチ機能を用いることができないという問題が発生する。また、別の光学フィルムを、ユーザが個別に管理しなければならない不便さもある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、前述の従来の問題点を解消するためのものであって、平板表示装置に使用する、超薄膜フィルム型バックライトユニットを提供することにある。本発明の他の目的は、付加的な装置がなくても、使用環境に応じて、ユーザが狭視野角モードと広視野角モードを自由に選択できるバックライトユニットを提供することにある。本発明のもう一つの目的は、表示装置だけでなく、サーチライトのように狭い放射角度と一般照明機のような広い放射角度を選択的に提供することができる多機能照明装置に適用することができるバックライトユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記本発明の目的を達成するための本発明の薄膜型バックライトユニットは、導光フィルム、光出射部と光源を含む。導光フィルムは、光入射部、光変換部と光伝達部を含む。光入射部は導光フィルムの一側に配置される。光変換部は導光フィルムの他側に配置される。光伝達部は光入射部と光反射部を接続する。光出射部は導光フィルムの一側の表面上に配置される。光源は、導光フィルムの光入射部側に配置される。光入射部は、光入射素子と光偏向素子を含む。光入射素子は、光源から出射された拡散入射光を水平平面で狭放射角を有し垂直平面で準−視準された垂直準−視準光に変換する。光偏向素子は、光入射素子で出射された垂直準−視準光を光伝達部内で全反射の条件を満たす垂直視準光に変換する。光変換部は、光反射パターンを含む。光反射パターンは、光伝達部から伝達を受けた垂直視準光を、光伝達部内の全反射の条件を満たさないが、光出射部との界面では、全反射の条件を満たしており、水平平面で視準された垂直−水平視準光に変換して光伝達部に再伝達する。光出射部は、出光フィルムを含む。出光フィルムは、垂直−水平視準光の一部を出光し、垂直−水平視準光の残りを反射する。
【0016】
一例として、光吸収パターンをさらに含む。光吸収パターンは、光入射素子と光出射部との間に配置され、垂直視準された光の中で光伝達部内での全反射の条件を満たさない光を吸収する。
【0017】
一例として、光伝達部は、高屈折フィルム及び低屈折フィルムを含む。低屈折フィルムは、高屈折フィルムの上部表面及び下部表面のいずれか一面に面合着される。出光パターンは、低屈折フィルムの外側表面に面合着された表面グレーティングフィルムと体積グレーティングフィルムのいずれか1つを含む。
【0018】
一例として、光入射素子は、水平ウェッジ部と垂直ウェッジ部を含む。水平ウェッジ部は、光源と隣接して配置される。垂直ウェッジ部は、水平平面の視準ウェッジ部で延長される。
【0019】
一例として、水平ウェッジ部は、光入射面、上面部と下面部及び両側面部を含む。光入射面は、光源と隣接し、光源の大きさに対応する高さと幅を備える。上面部と下面部は、光入射面から一側方向に一定の放射角を有し一定の距離延長される。両側面部は、入射面の高さと同じ高さで一定の距離延長される。垂直ウェッジ部は、水平ウェッジ部で一側方向に延長されるが、高さの値が線形的に減少して上面部の先端から下面部に収斂する斜面を有する。
【0020】
一例として、水平ウェッジ部は、一側方向と垂直の垂直ウェッジ部の側辺に沿って複数個が一定の間隔で配置される。光源は、複数の光入射面のそれぞれに一つずつ配置された複数個を含む。
【0021】
一例として、光伝達部は、垂直の視準光を全反射して光入射部から光変換部に伝達し、垂直−水平視準光を全反射して、一部は、光出射部に出光しながら、残りは光変換部から光入射部に伝達する。
【0022】
一例として、光入射素子は、高屈折フィルムの上部面において光源と隣接する一側辺に配置される。光偏向素子は、高屈折フィルムの下部面で光入射素子と対向配置される。低屈折フィルムは、高屈折フィルムの上部面に面合着される。光反射パターンは、高屈折フィルムの上部面で光入射素子と対向する他側辺に配置される。出光フィルムは、低屈折フィルムの上部面に面合着される。
【0023】
一例として、光入射素子は、高屈折フィルムの上部面で光源と隣接する一側辺に配置される。光偏向素子は、高屈折フィルムの上部面で光入射素子の下に積層される。低屈折フィルムは、高屈折フィルムの上部面に面合着される。光反射パターンは、高屈折フィルムの上部面で光入射素子と対向する他側辺に配置される。出光フィルムは、低屈折フィルムの上部面に面合着される。
【0024】
一例として、光入射素子は、高屈折フィルムの上部面で光源と隣接する一側辺に配置される。光偏向素子は、高屈折フィルムの下部面で光入射素子と対向配置される。低屈折フィルムは、高屈折フィルムの下部面で光入射素子と隣接して面合着される。光反射パターンは、高屈折フィルムの下部面で光入射素子と対向する他側辺に配置される。出光フィルムは、低屈折フィルムの下部面に面合着される。
【0025】
一例として、導光フィルムの上部に配置された選択型の拡散フィルムをさらに含む。
【0026】
一例として、導光フィルムの下部に配置された直下型バックライトユニットとエッジ型バックライトユニットのいずれかを1つを含む。
【発明の効果】
【0027】
本発明は、液晶表示装置のような非自発光方式の平板型表示装置にそのまま適用することができるホログラフィー(Holography)方式の超薄膜フィルム型バックライトユニットを提供する。また、本発明は、広視野角を有する一般モードと狭視野角を有するプライバシーモードを選択することができるバックライトユニットを提供する。本発明は、付加的な光学フィルムがなくても、液晶表示装置においてプライバシーモードを選択することができる。そのため、表面にタッチ機能のような入力機能を付加した液晶表示装置において、入力機能を維持しながらも、選択的に広視野角と狭視野角を選択して動作することができる。また、本発明は、一般的な照明機能とサーチライト機能を環境に応じて選択することができる照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】従来技術に係るLEDアレイを光源とする直下型バックライトユニットを備えた液晶表示装置の構造を示す断面図である。
図2】従来技術に係るLEDアレイを含むエッジ型バックライトユニットを備えた液晶表示装置の構造を示す断面図である。
図3】本発明の第1の実施の形態に係る超薄膜型バックライトユニットの構造を示す図である。
図4】本発明に係る光入射素子と光源との配置関係を示す斜視図である。
図5】本発明に係る光入射素子の構造を示す平面図である。
図6】本発明に係る光入射素子の構造を示す側面図である。
図7】水平平面(XY平面)上で見た、本発明に係る光入射素子内で進行する光の経路を示す図である。
図8】垂直平面(XZ平面)上で見た、本発明に係る光入射素子内で進行する光の経路を示す図である。
図9】垂直平面(XZ平面)上で見た、本発明に係る光偏向素子による光の経路変換を示した図である。
図10】水平方向の平面(XY平面)上で見た、本発明に係る光偏向素子による光の経路を示した図である。
図11】垂直平面(XZ平面)上で見た、本発明に係る光伝達部、光変換部と光出射部からの光の経路変換を示した図である。
図12】水平平面(XY平面)上で見た、本発明に係る光伝達部、光変換部及び光出射部からの光の経路変換を示した図である。
図13】本発明の第2の実施の形態に係る超薄膜型バックライトユニットの構造を示した図である。
図14】本発明の第3の実施の形態に係る超薄膜型バックライトユニットの構造を示した断面図である。
図15】本発明に係る超薄膜型バックライトユニットを備えた液晶表示装置の第1応用例を示す斜視図である。
図16】本発明に係る超薄膜型バックライトユニットを備えた液晶表示装置の第2応用例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る好適な実施の形態を詳細に説明する。明細書全体にわたって同じ参照番号は、実質的に同じ構成要素を意味する。以下の説明では、本発明に関する公知の機能あるいは構成についての具体的な説明が本発明の要旨を不必要に曖昧にすると判断される場合、その詳細な説明を省略する。また、以下の説明で用いられる構成要素の名称は、明細書作成の容易さを考慮して選択されたもので有り得、実際の製品の部品名称とは異なることがある。
【0030】
<第1の実施の形態>
【0031】
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る超薄膜型バックライトユニットの構造を示す図である。図3において上にある図は、上から見下ろした図(平面図)であり、下にある図は、側面から見た図(側面図)である。説明の便宜上、座標を、各図ごとに表示した。
【0032】
図3を参照すると、本発明の第1の実施の形態による超薄膜型バックライトユニットは、導光フィルム(LGF)と導光フィルム(LGF)の一側辺に配置された光源アレイ(LSA)を含む。導光フィルム(LGF)は、光入射部(LIN)、光伝達部(LWG)、光変換部(LRE)及び光出射部(LOT)を含む。光源アレイ(LSA)は、光源(LS)と複数個の光源(LS)を一定の配列で実装し、電力を供給する回路を備えた光源基板(LB)を含む。
【0033】
まず、光源アレイ(LSA)について、さらに詳細に説明する。本発明に係るバックライトユニットは、超薄膜型に実現するために視準された光をホログラフィー技術を利用して、面光源に変換する装置である。したがって、光源(LS)は、視準された光を提供することができることが望ましい。例えば、レーザーダイオードを使用することができる。しかし、レーザーダイオードは、非常に高価でありながら、発熱がひどい。レーザーダイオードは、汎用表示装置において、バックライトユニットに適用するにはまだ困難が多い。したがって、本発明の第1の実施の形態においては、光源(LS)に低価でありながら発熱の問題がほとんどない一般の発光ダイオードを使用することが望ましい。
【0034】
一般の発光ダイオードは、視準された光を提供しておらず、少なくとも60度〜150度程度の拡散角度を有する拡散光を提供する。このように拡散された光をそのまま使用する場合、光の損失があまりにも多い。光の損失を最大限に減らしても、ある程度の光損失を考慮しなければならない。大型液晶表示装置または周辺環境が明るいところで使用する表示装置の場合、十分な輝度を確保するためには、複数個の光源(LS)を備えることが望ましい。
【0035】
このような状況を考慮したとき、光源部は、複数個の光源(LS)が一定の方式で配列された光源アレイ(LSA)を備えることが望ましい。例えば、光源アレイ(LSA)には、複数個の光源(LS)が一定の間隔で光源基板(LSB)の表面に実装される。図面に示さなかったが、光源基板(LSB)には、光源(LS)に電力と制御信号を提供することができる配線と駆動回路を備えることが望ましい。このような実装装置と駆動回路及び配線は、既存の開発されたものがたくさんあるので、本発明の説明では省略する。
【0036】
光源アレイ(LSA)に配置された光源(LS)の配列方式は、多様に構成することができる。ここでは、十分な光量を確保するとともに、拡散光を視準された光に転換することが重要である。したがって、光源(LS)の配列方式は、導光フィルム(LGF)の動作方法及び光学的特性に応じて、決定することが望ましい。光源(LS)の配列方式は、以下説明する導光フィルム(LGF)の光学的構成と特徴に応じて、設計者が多様に変更、適用することができる。
【0037】
導光フィルム(LGF)の光入射部(LIN)は、光源アレイ(LSA)に備えられた光源(LS)からの光の提供を受ける。光源(LS)から提供された光は、光の進行軸を中心に円錐形で拡散及び/または放射される。例えば、光源(LS)から放射される光は、光の進行軸に対して片側に60度〜80度の拡散角度を有して導光フィルム(LGF)に提供することができる。
【0038】
光入射部(LIN)は、光入射素子(WLC)と光偏向素子(SHOE)を備える。また、必要に応じて光吸収素子(LA)をさらに備えることができる。光入射素子(WLC)は、光源(LS)から提供された光を水平面(XY平面)上で、そして垂直平面(XZ平面)上ですべて狭視野角を有する光に変化させる光学素子である。光偏向素子(SHOE)は、光入射素子(WLC)を介して視準された光を光伝達部(LWG)に伝達するホログラフィー素子である。特に、光偏向素子(SHOE)は、光伝達部(LWG)内で全反射を介して光損失なしに伝達されるようにするために、全反射の条件を満足する入射角を有するように、光を調節するホログラフィー素子である。
【0039】
光伝達部(LWG)は、光入射部(LIN)から垂直平面で視準された光の入力を受けて反対側辺に損失なしに伝達する領域である。光伝達部(LWG)は、高屈折層(HR)、それと高屈折層(HR)の上部表面に積層された低屈折層(LR)を含む。光入射部(LIN)によって垂直平面で視準された光は、光伝達部(LWG)の高屈折層(HR)の内部で全反射過程を経て光入射部(LIN)の反対側辺に配置された光変換部(LRE)に伝達される。
【0040】
光変換部(LRE)においては、光伝達部(LWG)の高屈折層(HR)内で全反射の条件で進行する光の入射角を変換して、高屈折層(HR)の下部面では、全反射の条件を満足するが、高屈折層(HR)と低屈折層(LR)の界面で全反射の条件を満足しない入射角を有するようにする。また、光伝達部(LWG)から入射された光を水平平面上で視準された光に変換して再光伝達部(LWG)に反射する。つまり、光変換部(LRE)は、光伝達部(LWG)を介して伝達を受けた光の入射角を変換して光伝達部に再伝達して光入射部(LIN)側に進行するようにする。ただし、低屈折層(LR)を通過するようにする。したがって、光変換部(LRE)は、光伝達部(LWG)で伝達を受けた光を水平面上で視準され、高屈折層(HR)と低屈折層(LR)の間で全反射の条件を満たさない入射角を有する光に変換するホログラフィーパターンが記録された光反射素子(RHOE)であることが望ましい。
【0041】
高屈折層(HR)と低屈折層(LR)の間で全反射の条件を満たさなくなった光は、低屈折層(LR)の内部に入射され、上部表面に進行する。低屈折層(LR)の上部表面には、光出射部(LOT)が配置されている。光出射部(LOT)は、低屈折層(LR)より屈折率が大きい物質を含む光出射フィルム(VHOE)であることが望ましい。例えば、光出射フィルム(VHOE)は、表面グレーティングフィルムあるいはボリュームグレーティングフィルムで有り得る。低屈折層(LR)と光出射部(LOT)の界面で一部の光は、光出射部(LOT)の上部表面に出光され、残りは再び全反射されて低屈折層(LR)に戻る。低屈折層(LR)に戻ってきた一部の光は、高屈折層(HR)に進入し、高屈折層(HR)の下部面では、全反射され、再び低屈折層(LR)に入射される。光は、このような過程を繰り返しながら、一部の光量は、光出射部(LOT)を介して放出されながら、光変換部(LRE)から光入射部(LIN)に進行する。
【0042】
今までは、図3を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る超薄膜型バックライトユニットの構成と動作の概要について説明した。以下、図4〜12を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る超薄膜型バックライトユニットの各構成要素についてさらに詳細に説明する。
【0043】
まず、図4〜6を参照して、本発明に係る超薄膜型バックライトユニットを構成する光入射素子の構造について説明する。図4は、本発明に係る光入射素子と光源との配置関係を示す斜視図である。図5は、本発明に係る光入射素子の構造を示す平面図である。図6は、本発明に係る光入射素子の構造を示す側面図である。
【0044】
本発明に係る超薄膜型バックライトユニットの光入射素子(WLC)は、光源(LS)と向き合う光入射面(LIS)、光入射面(LIS)から入射された入射光を水平平面(XY平面)上で狭拡散角度で調節する水平ウェッジ部(HWD)と入射光を垂直平面(XZ平面)上で狭拡散角度で調節する垂直ウェッジ部(VWD)を含む。
【0045】
光入射面(LIS)は、光源(LS)の出光面に対応する大きさを有することが好ましい。例えば、光源(LS)の大きさを考慮して、光入射面(LIS)は、高さ0.9mmの幅は0.6mmである四角形の形状を有することができる。
【0046】
水平ウェッジ部(HWD)は、一側面に配置された光入射面(LIS)と光入射面(LIS)から水平平面(XY平面)上では一定の角度を有し、第1距離だけ拡散されるV字形状、くさび形または漏斗形状を有する。一方、垂直平面(XZ平面)上では一定の高さで、第1距離だけ延長される形状を有する。たとえば、水平ウェッジ部(HWD)は、光入射面(LIS)で高さは0.9mm幅は1.6mmである四角形に至るまで3mmの長さだけ徐々に拡散される四角錐台の形状を有することができる。つまり、水平ウェッジ部(HWD)の水平拡散角(2θ)は、18.92度程度となる。水平拡散角(2θ)は、様々に設定することができるが、現在量産中の液晶表示装置の大きさを考慮した時、18度から20度の間であることが望ましい。
【0047】
垂直ウェッジ部(VWD)は、水平ウェッジ部(HWD)に接続され、水平平面(XY平面)上では、第2距離だけ一定の幅に延長される形状を有する。一方、垂直平面(XZ)上では上部面が光入射面(LIS)の高さから下部面に収斂する斜面を有し、第2距離だけ進行するくさび形を有する。例えば、断面形状が、高さ0.9mmであり、底辺が8mmである直角三角形で有り得る。つまり、垂直ウェッジ部(HWD)は、水平ウェッジ部(HWD)で開始し、垂直傾斜角(Φ)が6.34度であるくさび形を有することができる。垂直傾斜角(Φ)は、様々な設定ができるが、導光フィルム(LGF)を構成する高屈折フィルム(HR)の屈折率と高屈折フィルム(HR)の内部での全反射角度を考慮して、6度から7度の間であることが望ましい。
【0048】
水平ウェッジ部(HWD)は、複数個が一定の間隔でY軸に沿って配列することができる。垂直ウェッジ部(VWD)は、複数個の水平ウェッジ部(HWD)の先端をすべて接続する構造を有することが好ましい。水平ウェッジ部(HWD)が配列された間隔及び数は、光入射面(LIS)に配置される光源(LS)から提供される光が水平ウェッジ部(HWD)によって調節される水平拡散角度と光変換部(LRE)である光反射素子(RHOE)までの距離に応じて決定することができる。たとえば、現在量産されている液晶表示装置の大きさを考慮した時、複数個の水平ウェッジ部(HWD)は、垂直ウェッジ部(VHD)のY軸上に沿って4.9mm離隔間隔を有して配置されることができる。
【0049】
次に、図7及び8を参照して、本発明に係る超薄膜型バックライトユニットを構成する光入射素子(WLC)の光学的機能について説明する。図7は、水平平面(XY平面)上で見た、本発明に係る光入射素子内で進行する光の経路を示す図である。図8は、垂直平面(XZ平面)上で見た、本発明に係る光入射素子内で進行する光の経路を示す図である。
【0050】
まず、図7を参照して、水平ウェッジ部(HWD)による光経路の変化を説明する。光源(LS)から出射した光は、水平ウェッジ部(HWD)に入って来る。入射された光は、水平平面(XY平面)上での光の進行方向を中心に左右に一定角度拡散されて入射される。水平ウェッジ部(HWD)は、水平拡散角(2θ)に進行する両側辺(SL)を有する。つまり、側辺(SL)は、垂直線(HL)に対して水平傾斜角(θ)を有する。水平傾斜角(θ)を有する側辺(SL)に入射角、αで入射された入射光10は、反射されながら、水平傾斜角(θ)により入射角が(α+2θ)に変更される。
【0051】
入射光10のうち、水平ウェッジ部(HWD)の側辺(SL)で全反射の条件より小さい入射角度を有する光はすべて側辺(SL)で全反射されて光の進行軸(X軸)方向に進行する。また、全反射の条件より大きな入射角度を有する光の一部は反射され、残りは水平ウェッジ部(HWD)の外部に漏洩される。両側辺(SL)の間が20度程度の水平拡散角(2θ)を有しているので、全反射角度より大きな入射角を有する光の中、漏洩される光の量を最小化することができる。また、前述のように、水平傾斜角(θ)により側辺(SL)で反射された光は、入射角度が徐々に小さくなる。その結果、入射光10は、水平平面(XY平面)上で20度以下の範囲で水平放射角(Hrad_ang)が狭くなる。つまり、入射光10は、水平放射角(Hrad_ang)<20°の条件を満足する水平放射光20となる。
【0052】
次に、図8を参照して、垂直ウェッジ部(VWD)による光の経路の変化を説明する。水平ウェッジ部(HWD)により水平放射角(Hrad_ang)が20度以下に調節された水平放射光20が垂直ウェッジ部(VWD)に入射される。水平ウェッジ部(HWD)は、水平面(HS)と傾斜面(CS)を有する。水平放射光20は、垂直平面(XZ平面)上では視準されたり放射角が調整されたりしていない状態である。しかし、傾斜面(CS)によって水平放射光20は、垂直平面(XZ平面)上で準−視準された垂直準−視準光100に変換される。
【0053】
水平放射光20が垂直準−視準光100に変換される過程は、図8に示す通りである。傾斜面(CS)の傾斜角度が約6度の場合を例にとると、水平放射光20の中で水平方向に入射する水平光(a)は、傾斜面(CS)によって、約3回程度反射され、66度の入射角(あるいは屈折角)を有し、光入射素子(WLC)の外部に放出される。一方、水平放射光20の中で放射角を有する拡散光(b)は、1回〜2回程度、反射されて54度以上の入射角(あるいは屈折角)を有して光入射素子(WLC)の外部に放出される。
【0054】
結果的に、光源(LS)から入射された拡散性質を有する入射光10は、光入射素子(WLC)の水平ウェッジ部(HWD)により水平平面上では20度程度の放射角を有する水平放射光20に変換される。続いて、水平放射光20は、垂直ウェッジ部(VWD)によって垂直平面(XZ平面)上で60度付近で準−視準角度(Vcoll)を有する垂直準−視準光100に変換される。つまり、水平方向には狭放射角を有する垂直準−視準光100が光入射素子(WLC)で出光され、高屈折フィルム(HR)に入射される。
【0055】
ここで、水平平面上では放射角が20度程度になるから、視準されたものと判断せずに、狭放射角を有すると定義する。しかし、垂直平面上では放射角の偏差が12度以下に調節されるので、準−視準(Semi Collimated)されたものと定義する。ここで、準−視準とは、レーザービームのように完全に視準された状態ではないが、視準状態に近い15度未満の狭放射角を有する状態を意味する。
【0056】
以下、図9及び10を参照して、本発明に係る光偏向素子(SHOE)の機能について説明する。図9は、垂直平面(XZ平面)上で見た、本発明に係る光偏向素子による光の経路変換を示した図である。図10は、水平方向の平面(XY平面)上で見た、本発明に係る光偏向素子による光の経路を示す図である。
【0057】
図9を参照すると、本発明の第1の実施の形態に係る超薄膜型バックライトユニットで光偏向素子(SHOE)は、光入射素子(WLC)と対向するように高屈折フィルム(HR)の下部面に配置される。光偏向素子(SHOE)は、準−視準光100の水平平面上での拡散性質には影響を与えないが、垂直平面上では高屈折フィルム(HR)内で全反射の条件を満足する垂直視準光200に変換する。例えば、光偏向素子(SHOE)は、高屈折フィルム(HR)と空気との界面で全反射臨界角(THR_AIR)と高屈折フィルム(HR)と低屈折フィルム(LR)との界面で全反射臨界角(THR_LR)より大きい入射角(Ta1)を有するように変換するホログラフィーパターンを記録した光学素子であることが望ましい。たとえば、垂直視準光200が垂直平面(XZ平面)上での入射角(Vcoll)が約60度の場合、光偏向素子(SHOE)は、垂直視準光200の反射角を第1全反射角(Ta1)の71度に変換させる光学素子である。その結果、垂直視準光200は、第1全反射角(Ta1)を有し、全反射過程を繰り返しながら、光入射素子(WLC)の反対方向に進行する。
【0058】
図10を参照して、水平平面(XY平面)上で見ると、光偏向素子(SHOE)は、垂直視準光200の水平平面上の特性には影響を与えない。つまり、水平平面上で、垂直視準光200は、放射角度か約20度の範囲を有し、光変換部(LRE)に進む。
【0059】
次に、図11及び12を参照して、光伝達部(LWG)、光変換部(LRE)と光出射部(LOT)の機能について説明する。図11は、垂直平面(XZ平面)上で見た、本発明に係る光伝達部、光変換部と光出射部からの光の経路変換を示した図である。図12は、水平平面(XY平面)上で見た、本発明に係る光伝達部、光変換部と光出射部からの光の経路変換を示した図である。
【0060】
図11を参照すると、垂直視準光200は、高屈折フィルム(HR)の内部で第1全反射角(Ta1)を有し、全反射過程を繰り返し、光入射部(LIN)から光変換部(LRE)に進む。たとえば、垂直視準光200は、第1全反射角(Ta1)71度を有する垂直平面(XZ平面)上で視準された光である。光変換部(LRE)には、垂直視準光200の第1全反射角(Ta1)を変換して再帰反射することができる光反射素子(RHOE)が配置されている。光反射素子(RHOE)は、垂直視準光200の第1全反射角(Ta1)を第2全反射角(Ta2)を有する反射光300に変換して、高屈折フィルム(HR)に戻して送る。
【0061】
第2全反射角(Ta2)は、高屈折フィルム(HR)と空気との界面では、全反射の条件を満たし、高屈折フィルム(HR)と低屈折フィルム(LR)との界面では、全反射の条件が満たされない角度であることが望ましい。その結果、反射光300は、高屈折フィルム(HR)の下面部では全反射されるが、高屈折フィルム(HR)と低屈折フィルム(LR)の界面では、全反射されず、多くの部分が低屈折フィルム(LR)に進入する。もちろん、図面に示さなかったが、一部は、高屈折フィルム(HR)の内部に反射されることもある。つまり、光反射素子(RHOE)は、高屈折フィルム(HR)内に閉じ込められて進行していた垂直視準光200を高屈折フィルム(HR)の一方の表面に一部が放出されることができる反射光300に変換する。
【0062】
低屈折フィルム(LR)の上部表面には、光出射部(LOT)が配置されている。光出射部(LOT)は、低屈折フィルム(LR)との界面に入射した反射光300の一部を屈折させ外部に放出すると同時に、残りは再び低屈折フィルム(LR)の内部に反射することができる光出射フィルム(VHOE)であることが望ましい。例えば、光出射フィルム(VHOE)は、体積グレーティングフィルムで有り得る。光出射フィルム(VHOE)により反射光300は、一部は外部に放出される放出光400になり、残りは再び導光フィルム(LGF)の内部に戻る反射光300となる。
【0063】
図12を参照して、水平平面(XY平面)上での垂直視準光200の変換過程を説明する。光反射素子(RHOE)は、垂直視準光200を水平平面上でも視準する光学フィルムであることが望ましい。例えば、光反射素子(RHOE)は、垂直面上では垂直視準光200の入射角度を変化させると同時に、水平平面上で平行に視準させるホログラフィーパターンが記録された光学素子であることが望ましい。したがって、水平平面上で見ると、反射光300は、光反射素子(RHOE)によって水平平面上で視準されて光入射部(LIN)に戻りながら、一部が放出光400になり導光フィルム(LGF)の外部に放出される。光出射フィルム(VHOE)のグレーティングパターンの分布を調節して、反射光300が進行しながら、一定の割合で放出光400が出射されるように調節することが望ましい。その結果、導光フィルム(LGF)全体の面積に掛けて一定の輝度分布に放出光400を提供することができる。
【0064】
<第2の実施の形態>
【0065】
以下、図13を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る超薄膜型バックライトユニットについて説明する。図13は、本発明の第2の実施の形態に係る超薄膜型バックライトユニットの構造を示す断面図である。
【0066】
第2の実施の形態に係る超薄膜型バックライトユニットの基本的な構成要素は、第1の実施の形態のものと同じである。差があるとしたら、各構成要素が配置される位置の違いがある。
【0067】
図13を参照すると、本発明の第2の実施の形態に係る超薄膜型バックライトユニットは、導光フィルム(LGF)と導光フィルム(LGF)の一側辺に配置された光源アレイ(LSA)を含む。導光フィルム(LGF)は、光入射部(LIN)、光伝達部(LWG)、光変換部(LRE)と光出射部(LOT)を含む。光源アレイ(LSA)は、光源(LS)と複数個の光源(LS)を一定の配列で実装して電力を供給するための回路を備えた光源基板(LB)を含む。
【0068】
光入射部(LIN)は、光入射素子(WLC)と光偏向素子(SHOE)を含む。光伝達部(LWG)は、高屈折フィルム(HR)と低屈折フィルム(LR)を含む。高屈折フィルム(HR)の上部表面において光源(LS)と隣接する側辺には光入射部(LIN)が配置され、その反対側の側辺には光変換部(LRE)が配置される。
【0069】
さらに具体的に説明すると、高屈折フィルム(HR)の上部表面における光入射部(LIN)の側辺には、光偏向素子(SHOE)と光入射素子(WLC)が積層されている。高屈折フィルム(HR)の上部表面における光変換部(LRE)には、光反射素子(RHOE)が配置される。高屈折フィルム(HR)の上部表面において、光偏向素子(SHOE)と光反射素子(RHOE)との間には、低屈折フィルム(LR)が積層される。それと低屈折フィルム(LR)の上層表面には、光出射フィルム(VHOE)が積層される。
【0070】
図に示されていないが、必要であれば、光偏向素子(SHOE)と光出射フィルム(VHOE)との間には、光吸収パターンがさらに含まれることができる。光吸収パターンは、高屈折フィルム(HR)の上に積層されるものよりは、低屈折フィルム(HR)の上に積層されることが望ましい。したがって、光吸収パターンを配置する場合、低屈折フィルム(LR)を光偏向素子(SHOE)の方向に光出射フィルム(VHOE)より長く延長して、その延長部の上に光吸収パターンを配置することが望ましい。
【0071】
本発明の第2の実施の形態に係る超薄膜型バックライトユニットは、第1の実施の形態のものと差がある。しかし、光源(LS)から提供された入射光の経路は、第1の実施の形態のものと同一であるので、詳細な説明は省略する。
【0072】
<第3の実施の形態>
以下、図14を参照して、本発明の第3の実施の形態に係る超薄膜型バックライトユニットについて説明する。図14は、本発明の第3の実施の形態に係る超薄膜型バックライトユニットの構造を示す断面図である。
【0073】
第3の実施の形態に係る超薄膜型バックライトユニットは、反射型光出射フィルム(VHOE)を使用した場合を示す。第3の実施の形態に係る超薄膜型バックライトユニットの基本的な構成要素も第1及び第2の実施の形態のものと同じである。差があるとしたら、各構成要素が配置される位置の違いがある。
【0074】
図14を参照すると、本発明の第3の実施の形態に係る超薄膜型バックライトユニットは、導光フィルム(LGF)と導光フィルム(LGF)の一側辺に配置された光源アレイ(LSA)を含む。導光フィルム(LGF)は、光入射部(LIN)、光伝達部(LWG)、光変換部(LRE)と光出射部(LOT)を含む。光源アレイ(LSA)は、光源(LS)と複数個の光源(LS)を一定の配列で実装して電力を供給する回路を備えた光源基板(LB)を含む。
【0075】
光入射部(LIN)は、光入射素子(WLC)、光偏向素子(SHOE)と光吸収パターン(LA)を含む。光伝達部(LWG)は、高屈折フィルム(HR)と低屈折フィルム(LR)を含む。高屈折フィルム(HR)の上部表面において光源(LS)と隣接する側辺には光入射部(LIN)が配置され、その反対側の側辺には光変換部(LRE)が配置される。
【0076】
さらに具体的に説明すると、高屈折フィルム(HR)の上部表面における光入射部(LIN)の側辺には、光入射素子(WLC)が積層されている。高屈折フィルム(HR)の下部表面における光入射部(LIN)の側辺には、光入射素子(WLC)と対向するように光偏向素子(SHOE)が積層されている。高屈折フィルム(HR)の下部表面における光変換部(LRE)には、光反射素子(RHOE)が配置される。高屈折フィルム(HR)の下部表面において、光偏向素子(SHOE)と光反射素子(RHOE)との間には、低屈折フィルム(LR)が積層される。そして低屈折フィルム(LR)の下層表面には、光出射フィルム(VHOE)が積層される。特に、光出射フィルム(VHOE)は、+Z軸方向に放出光400を出射することができるよう、反射型のパターンであることが望ましい。
【0077】
光吸収パターン(LA)は、高屈折フィルム(HR)の上部表面から光入射素子(WLC)と高屈折フィルム(HR)との間の空間に配置することが望ましい。場合によって、光吸収パターン(LA)は、省略することができる。
【0078】
<第1応用例>
【0079】
以下、図15を参照して、本発明に係る超薄膜型バックライトユニットを応用した液晶表示装置の一例について説明する。図15は、本発明に係る超薄膜型バックライトユニットを備えた液晶表示装置の第1応用例を示す斜視図である。
【0080】
図15による、第1応用例は、選択的にプライバシーモードと一般モードを切り替えることができる液晶表示装置に関するものである。液晶表示装置は、液晶表示パネル(LCP)と、本発明に係る狭視野角、バックライトユニット(NBLU)を含む。液晶表示パネル(LCP)の下面に、本発明に係る狭視野角、バックライトユニット(NBLU)が配置される。本発明に係る狭視野角、バックライトユニット(NBLU)は、狭視野角を有するバックライトだけを提供する。したがって、本発明に係る狭視野角、バックライトユニット(NBLU)だけではプライバシーモードと一般モードを切り替えることができない。
【0081】
第1応用例による液晶表示装置は、液晶表示パネル(LCP)と、本発明に係る狭視野角、バックライトユニット(NBLU)との間に介在された選択型光散乱素子(PDLC)をさらに備える。たとえば、選択型光散乱素子(PDLC)は、電圧が印加されると、散乱モードで動作し、電圧を切ると透過モードで動作する。選択型光散乱素子(PDLC)をOffすると、本発明に係る狭視野角、バックライトユニット(NBLU)のみ動作するので、プライバシーモードで動作する。一方、選択型光散乱素子(PDLC)をOnすると、本発明に係る狭視野角、バックライトユニット(NBLU)で提供する狭視野角、バックライトを散乱して全方向に分散されたバックライトを提供して、一般モードで動作する。
【0082】
第1応用例による液晶表示装置は、狭視野角バックライトユニット(NBLU)の下部に反射板(REF)をさらに含むことができる。反射板(REF)は、上部から下部に漏洩される光を上部方向に反射して、一般モードでバックライトの効率を極大化することができる。
【0083】
第1応用例による液晶表示装置は、バックライトユニットの自体でプライバシーモードと一般モードを選択することができる。したがって、液晶パネル(LCP)の表面には、タッチパネル(TCP)を備えても、プライバシーモードと一般モードの全てで、タッチ機能に障害を引き起こすことなく使用することができる。
【0084】
<第2応用例>
以下、図16を参照して、本発明に係る超薄膜型バックライトユニットを応用した液晶表示装置の他の例について説明する。図16は、本発明に係る超薄膜型バックライトユニットを備えた液晶表示装置の第2の応用例を示す斜視図である。
【0085】
図16による第2の応用例も、選択的にプライバシーモードと一般モードを切り替えることができる液晶表示装置に関するものである。液晶表示装置は、液晶表示パネル(LCP)と、本発明に係る狭視野角、バックライトユニット(NBLU)を含む。液晶表示パネル(LCP)の下面に、本発明に係る狭視野角、バックライトユニット(NBLU)が配置される。本発明に係る狭視野角、バックライトユニット(NBLU)は、狭視野角を有するバックライトだけを提供する。したがって、本発明に係る狭視野角、バックライトユニット(NBLU)だけではプライバシーモードと一般モードを切り替えることができない。
【0086】
第2応用例による液晶表示装置は、本発明に係る狭視野角、バックライトユニット(NBLU)の下部面に一般型バックライトユニット(BLU)をさらに備える。例えば、狭視野角バックライトユニット(NBLU)のみを動作する場合、狭視野角のバックライトだけを提供するので、プライバシーモードで動作する。一般のバックライトユニット(BLU)をオンにすると、一般モードで動作する。一般モードで動作する場合、本発明に係る狭視野角、バックライトユニット(NBLU)の動作の有無には関係がないことがある。一般のバックライトユニット(BLU)と狭視野角、バックライトユニット(NBLU)を同時に動作しても、一般のバックライトユニット(BLU)によってバックライトは、拡散光で提供されるので、一般モードで動作する。一般のバックライトユニット(BLU)は、従来の技術で説明した直下型バックライトユニット(DBLU)あるいはエッジ型バックライトユニット(EBLU)で有り得る。
【0087】
第2の応用例による液晶表示装置は、バックライトユニット自体でプライバシーモードと一般モードを選択することができる。したがって、液晶パネル(LCP)の表面には、タッチパネル(TCP)を備えても、プライバシーモードと一般モードの全てで、タッチ機能に障害を引き起こすことなく使用することができる。
【0088】
以上説明した内容を介して当業者であれば、本発明の技術思想を逸脱しない範囲で様々な変更や修正が可能であることを知ることができる。したがって、本発明の技術的範囲は、明細書の詳細な説明に記載された内容に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって定めるべきである。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16