(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記拡張可能な近位部分と前記固定遠位部分との前記長手方向の距離(L)は、前記変位ユニットが前記送達状態から前記活性化状態に移行するときに、短縮された距離(L')まで短くなる、請求項1または2に記載の医療システム。
前記変位ユニットの曲率半径が、前記変位ユニットが前記送達状態から前記活性化状態に移行するときに小さくなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の医療システム。
前記コイルワイヤが、前記固定遠位部分を縮小された直径の送達形状まで伸張させ、かつ、前記活性化状態において前記コイルワイヤにかかる張力を低減して前記固定遠位部分を拡張すべく適合される制御ワイヤ(308)に接続される、請求項8に記載の医療システム。
前記変位ユニットが送達ワイヤ(309)を備え、前記送達ワイヤ(309)が、前記固定遠位部分を送達し、かつ、前記活性化状態において前記固定遠位部分を前記拡張可能な近位部分に向かって引っ張ることによって前記距離(L)が短くなるように適合される、請求項3に記載の医療システム。
前記固定構造が、前記弁の両側に配置されて輪の前記修正形状を保持するためのらせん形ループ構造などのループ構造(103)を備え、ループ構造の少なくとも一部分が前記輪の曲率に一致する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の医療システム。
前記変位ユニットが、その半径方向部分に、前記CS内で前記変位ユニットを回転配列させるための少なくとも1つのX線不透過性マーカー(109)を備える、請求項1〜18のいずれか一項に記載の医療システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明の実施形態は、好ましくは、添付の特許請求の範囲による装置を提供することによって、上記に特定されたものなどの当該技術分野における1つ以上の欠陥、不利益または課題を単独でまたは組み合わせて軽減する、緩和するまたは排除しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1態様によれば、輪(A)を有する欠陥僧房弁(MV)を治療するための医療システムが提供される。このシステムは、前記弁に隣接する冠状静脈洞(CS)内に一時的に挿入するための取り外し可能で柔軟な長尺変位部であって、前記CS内へ送達するための送達状態および変位ユニットが送達状態から一時的かつ可逆的に移行することができる活性化状態を有する。その変位ユニットは、可逆的に拡張可能な近位部分、および輪の形状が修正されて修正形状となる活性化状態になるように変位ユニットの長手方向に拡張式部分に対して動くことができる固定遠位部分を備え、その輪の形状は修正形状(A’)に修正され、その修正形状が得られたときに弁の弁輪形成によって僧房弁輪に恒久的に固定するための弁輪形成装置であって、修正形状を保持するのに適合された固定構造を備える弁輪形成装置と、を組み合わせて備える。
【0012】
本発明の第2態様によれば、輪を有する欠陥僧房弁を治療するための方法であって、柔軟で取り外し可能な長尺変位ユニットを前記弁に隣接する冠状静脈洞(CS)内に挿入する工程と、前記CSの入口に組織壁に接触して拡張可能な近位部分を配置する工程と、前記CSの内側に固定遠位部分を配置する工程と、活性化状態で前記変位ユニットを活性化する工程であって、それにより、前記固定遠位部分が前記変位ユニットの長手方向に移動して前記固定遠位部分と前記拡張可能な近位部分との距離(L)を、輪の形状が修正形状(A’)に修正されるような、より短いまたは短縮された距離(L’)まで短縮する工程と、前記修正形状が得られたときに僧房弁輪に弁輪形成装置を固定する工程であって、それにより、前記弁輪形成装置が前記修正形状を保持するように適合された固定構造を備える工程と、活性化状態での一時的な活性化の後に前記長尺変位ユニットを取り除く工程と、を含む方法が提供される。
【0013】
本発明の第3態様によれば、輪(A)を有する欠陥僧房弁(MV)に隣接する冠状静脈洞(CS)内に一時的に挿入するための、取り外し可能で柔軟な長尺変位ユニットが開示される。この変位ユニットは、前記CS内へ送達するための送達状態、および変位ユニットが前記送達状態から一時的かつ可逆的に移行することができる活性化状態を有している。この変位ユニットは、可逆的に拡張可能な近位部分、および輪の形状が修正形状(A’)に修正される前記活性化状態になるように前記変位ユニットの長手方向に前記拡張式部分に対して動くことができる固定遠位部分を備える。
【0014】
本発明の第4態様によれば、輪を有する欠陥僧房弁を治療するための医療システムが提供され、この医療システムは、弁に隣接する冠状静脈洞(CS)内に一時的に挿入するための取り外し可能で柔軟な長尺変位ユニットであって、CS内へ送達するための送達状態、および変位ユニットが送達状態から一時的かつ可逆的に移行することができる活性化状態を有し、それにより、変位ユニットの少なくとも一部分が、輪の形状が修正形状に修正されるようにCSの半径方向に弁に向かって一時的に動くことができる。この医療システムはさらに、修正形状が得られたときに弁の弁輪形成によって僧房弁輪に恒久的に固定するための弁輪形成装置であって、修正形状を保持すべく適合された固定構造を備える弁輪形成装置と、組み合わせて備える。
【0015】
本発明の第5態様によれば、輪を有する欠陥僧房弁を治療するための方法が提供され、この方法は、取り外し可能な長尺変位ユニットを、弁に隣接する冠状静脈洞(CS)内に挿入する工程と、活性化状態で変位ユニットを活性化する工程であって、それにより、変位ユニットの少なくとも一部分が、輪の形状が修正形状に修正されるように、弁に向かってCSの半径方向に移動する工程と、修正形状が得られたときに僧房弁輪に弁輪形成装置を固定する工程であって、それにより、弁輪形成装置が修正形状を保持するように適合された固定構造を備える工程と、活性化状態での一時的な活性化の後に長尺変位ユニットを取り除く工程と、を含む。
【0016】
本発明の更なる実施形態は従属請求項に規定されており、本発明の第2態様およびそれ以降の態様に関する特徴は、第1態様に必要な変更を加えたものである。特に、本発明の第1態様の従属請求項に規定されるような本発明の第1態様の特徴も、本発明の第3態様に適用される。
【発明の効果】
【0017】
本発明の幾つかの実施形態は、僧房弁の長期的な機能を付与する。
本発明の幾つかの実施形態は、複雑でない僧房弁の小型化の手順を付与する。
本発明の幾つかの実施形態は、CSなどの生体構造を損傷する危険性を低減する。
本発明の幾つかの実施形態は、確実な小型化を付与すると同時に、CSなどの生体構造を損傷する危険性を低減する。
本発明の幾つかの実施形態は、僧房弁の小型化を改善しつつ、非外傷性手順を保証する。
本発明の幾つかの実施形態は、CSインプラントの長期的な負の効果の危険性を低減する。
【0018】
用語「・・・を含む/備える(comprises/comprising)」が、本明細書において使用されるとき、そこに記載されている特徴、事物、工程、または構成部品の存在を指定しているが、1つ以上の他の特徴、事物、工程、構成部品、またはこれらの組み合わせの存在または追加を排除していないと解釈されることを、強調しておかなければならない。
【0019】
本発明の実施形態について可能なこれらの態様、特徴、および利点、ならびに他の態様、特徴、および利点が、添付の図面を参照して、本発明の実施形態についての以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】僧房弁との関連で冠状静脈洞を示す心臓の側面図である。
【
図2a】罹患した僧房弁との関連で冠状静脈洞を示す心臓を上方から見た図である。
【
図2b】第1状態における本発明の実施形態による医療システムの一部の図である。
【
図2c】第2状態における本発明の実施形態による医療システムの一部の図である。
【
図2d】本発明の実施形態による医療システムの図である。
【
図2e】本発明の実施形態による医療システムの一部の図である。
【
図2f】本発明の実施形態による医療システムの一部の図である。
【
図3a】第1状態における本発明の実施形態による医療システムの一部の図である。
【
図3b】本発明の実施形態による医療システムの図である。
【
図4a】本発明の実施形態による医療システムの一部の斜視図である。
【
図4b】本発明の実施形態による医療システムの斜視図である。
【
図5a】本発明の実施形態による医療システムの一部の側面図である。
【
図5b】本発明の実施形態による医療システムの一部の側面図である。
【
図6】本発明の実施形態による医療システムの一部の側面図である。
【
図7】本発明の実施形態による医療システムの一部の側面図である。
【
図8a】本発明の実施形態による医療システムの一部の側面図である。
【
図8b】本発明の実施形態による医療システムの一部の側面図である。
【
図9a】本発明の実施形態による医療システムの一部の平面図である。
【
図9b】本発明の実施形態による医療システムの一部の平面図である。
【
図10a】本発明の実施形態による医療システムの一部の平面図である。
【
図10b】本発明の実施形態による医療システムの一部の平面図である。
【
図11a】本発明の実施形態による医療システムの一部の平面図である。
【
図11b】本発明の実施形態による医療システムの一部の平面図である。
【
図11c】本発明の実施形態による医療システムの一部の平面図である。
【
図12】本発明の実施形態による欠陥僧房弁を治療する方法を例証するフローチャートである。
【
図13a】本発明の実施形態による医療システムの一部でもある、本発明の実施形態による変位ユニットの図である。
【
図13b】本発明の実施形態による医療システムの一部でもある、本発明の実施形態による変位ユニットの図である。
【
図13c】本発明の実施形態による医療システムの一部でもある、本発明の実施形態による変位ユニットの図である。
【
図14a】本発明の実施形態による医療システムの一部でもある、本発明の実施形態による変位ユニットの図である。
【
図14b】本発明の実施形態による医療システムの一部でもある、本発明の実施形態による変位ユニットの図である。
【
図15】本発明の実施形態による医療システムの一部でもある、本発明の実施形態による変位ユニットの図である。
【
図16】本発明の実施形態による医療システムの一部でもある、本発明の実施形態による変位ユニットの使用中の図である。
【
図17a】本発明の実施形態による医療システムの一部でもある、本発明の実施形態による変位ユニットの図である。
【
図17b】本発明の実施形態による医療システムの図である。
【
図18a】本発明の実施形態による医療システムの一部でもある、本発明の実施形態による変位ユニットの図である。
【
図18b】本発明の実施形態による医療システムの一部でもある、本発明の実施形態による変位ユニットの図である。
【
図19a】本発明の実施形態による医療システムの一部でもある、本発明の実施形態による変位ユニットの図である。
【
図19b】本発明の実施形態による医療システムの一部でもある、本発明の実施形態による変位ユニットの図である。
【
図20】本発明の実施形態による欠陥僧房弁を治療する方法を例証するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、本発明の具体的な実施形態を、添付の図面を参照して説明する。しかしながら、本発明は、多数の異なる形態で具現化することが可能であり、本発明を、本明細書に記載の実施形態に限られると解釈してはならず、むしろ以下の実施形態は、本明細書の開示が詳細かつ完全なものとなり、当業者に本発明の技術的範囲を充分に伝達するように提示している。添付の図面に示される実施形態の詳細な説明において使用される専門用語は、本発明を限定しようとするものではない。図面において、類似の構成要素は、類似の番号で指し示されている。
【0022】
以下の説明は、自然弁を修復することによる欠陥僧房弁の治療に適用することができる本発明の実施形態に焦点を当てている。しかしながら、本発明が、この用途に限定されず、例えば、弁置換および他の医療埋め込み型装置を備える多くの他の弁輪形成手順にも適用できることを理解すべきである。
【0023】
図1は、僧房弁(MV)に関連して冠状静脈洞(CS)を示す心臓の側面図である。CSは、MVに隣接しており、MVの輪(A)周囲の曲率に従う。これは
図2aの平面図において更に例証する。
【0024】
図2dは、本発明の実施形態による、輪(A)を有する欠陥僧房弁(MV)を治療するための医療システム100を示す。このシステムは、取り外し可能で柔軟な長尺変位ユニット101と、僧房弁輪に恒久的に固定するための弁輪形成装置102とを組み合わせて備える。変位ユニット101を、MVに隣接するCS内に一時的に挿入するよう適合されており、CS内へ送達するための送達状態を有する。送達状態において、変位ユニット101は、前記送達時、つまり、変位ユニット101がCS内に位置するとき、その一部が弧状に屈曲可能であり、ゆえに、CSの構造に適合し、かつ、拡張した(dilated)MVに隣接するCSの曲率と一致する。これを
図2bに例証する。変位ユニット101は取り外し可能であってCS内への一時的な挿入に適合されているので、それを送達ワイヤ、ガイドワイヤなどの送達ユニット111に恒久的に装着してもよい。変位ユニット101は、変位ユニットが送達状態から一時的かつ可逆的に移行することができる活性化状態を更に有する。よって、
図2cに例証するように、変位ユニット101がその活性化状態に移行すると、変位ユニットの少なくとも一部分は、輪(A)の形状が修正形状(A’)に修正されるようにMVに向かってCSの半径方向(r)に一時的に動くことができる。変位ユニットが半径方向に動くことができるので、弁輪の小型化が効果的に行われる。変位ユニットの実質的な全長さは、半径方向に移動可能であり得る。あるいは、弁輪湾曲の頂点116に位置することができる変位ユニットの中央部分などの一部分は、半径方向に動くことができる。これは、装置の曲率半径のみが変化する従来技術の装置よりも効果的かつ改善された小型化の効果をもたらし得る。弁輪形成装置102は、修正形状(A’)が得られたときに弁の弁輪形成によって僧房弁輪へ恒久的に固定されるのに適合する。よって、弁輪形成装置102は、修正形状(A’)を保持すべく適合された固定構造103を備える。
図2eは、このような弁輪装置102の例を示しており、この弁輪装置102は、MVの両側に配置されて輪の前記修正形状(A’)を保持するためのらせん形ループ構造などのループ構造103を有する。弁輪形成装置102はカテーテルを通って送達可能であり、それにより、カテーテルを通って送達されるときには長尺形状を呈し、かつ、MVに配置されるとループ構造に転じることができる。
【0025】
ループ構造103の少なくとも一部分は、輪の曲率と一致する。
図2dにおいて、弁輪形成装置102は輪に固定されて輪の修正形状を保持し、
図2aに示す拡張したMV弁尖を閉鎖する。従って、変位ユニット101によって輪を修正形状(A’)まで一時的に小型化することによって、
図2fに例証するように、その後CSから引き抜かれる弁輪形成装置102により既に拡張されたMV弁尖の固定が促進され、かつ、改善する。医療システム100は、故に、CS内の取り外し可能な変位ユニット101および変位ユニット101により与えられる一時的な修正を固定するための弁輪形成装置102を利用するMV形状の一時的な修正または変位によって、欠陥のあるMV弁尖の効果的な恒久的固定をもたらす。変位ユニット101は一時的かつ可逆的に活性化状態に転じることができるため、再び送達状態に戻すことができ、CSから取り外せる。よって、CS内のインプラントの長期的な負の効果またはCSインプラントを再配置または修正して適切な長期的機能を保証する必要性を回避することができる。また、短期使用後および長期使用後のいずれでもCSに外傷を与えるインプラントが回避される。医療システム100は、変位ユニット101による一時的な小型化を効果的に行い、かつ、弁輪形成装置102により小型化した輪を長期間固定するという相乗効果を組み合わせて付与する。変位ユニット101は一時的にCS内に置かれるため、インプラントと比べてはるかに安定かつ効果的な様式で小型化を行うことができる。その理由として、弁輪形成装置102が輪に固定されていても、CSは短期間しか影響を受けないからである。弁輪形成装置102を固定したら、変位ユニット101をその送達状態に戻し、CSから取り除くことができる。
【0026】
よって、固定構造103を、活性化状態での一時的な活性化の後に変位ユニット101の送達状態において輪の修正形状(A’)を保持するように適合することができる。
【0027】
変位ユニット101の少なくとも一部分は、活性化状態において半径方向(r)に可逆的に拡張可能であり得る。
図2bは変位ユニット101の送達状態を例証し、
図2cは、変位ユニット101が半径方向に拡張され、半径方向に移動して先に説明したような一時的な小型化をもたらす変位ユニット101の活性化状態を示す。
【0028】
あるいはまたは更に、変位ユニット101の少なくとも一部分は、活性化状態において半径方向(r)に可逆的に折り畳み可能であり得る。
図3aは変位ユニット101の送達状態を例証し、
図3bは変位ユニット101が半径方向(r)に折り畳まれて、湾曲してまたは屈曲して半径方向(r)に輪を移動させる活性化状態を示す。変位ユニット101によって付与される力が輪の、より大きな部分に与えられるので、これは小型化の改善をもたらし得る。
【0029】
変位ユニットの少なくとも一部分は、少なくとも部分的に前記ループ構造の曲率に従う(前記活性化状態における)活性化形状に可逆的に移動可能であり得る。
【0030】
よって、変位ユニット101は、活性化状態において、弁輪形成インプラント102の形状にカスタマイズされた、適合した、または一致する形状を有する。例えば、活性化状態における変位ユニット101の曲率の一部は、弁輪形成インプラント102のループ構造の曲率に等しい場合がある。それにより、変位ユニット101の機能と弁輪形成インプラント102の機能の間の効果的な相互作用および相乗効果を得ることができる。その理由として、それらの幾何学的形状は部分的に、対応する形状を持つ弁輪形成インプラント102により固定可能な輪の修正形状(A’)への効果的な小型化に対応しているからである。
【0031】
変位ユニットは、変位ユニット101の軸方向106に内腔105を備えていてもよく、これは
図4a、4b、
図5a、5bおよび
図6に例証されている。変位ユニット101を幾つかの場所に挿入してもCS内での血流を改善するのが望ましい場合もあり、したがって、内腔による、血流の通過が可能になりうる。内腔105によって、変位ユニット101にガイドワイヤなどが挿入されることが可能となり得、更に、作動ユニットが変位ユニット101の内側に配置されて変位ユニット101の一部の形状またはサイズを制御することにより、一時的な小型化の手順の制御の改善が可能となり得る。
【0032】
変位ユニット101は、アクティブかつ可逆的に設定された形状まで拡張可能な、バルーンのような、少なくとも1つの膨張式ユニット104を含み得る。輪湾曲の頂点116に位置するまたは弁の輪に沿って延在するCSの部分に対応する長さを有する変位ユニットの中央部分に設けられた膨張式ユニット104は、バルーンを膨らませることによってこの部分に沿って半径方向に移動する。これは、装置の曲率半径のみが変化する、または固定のためだけにバルーンが遠位端点に設けられている、従来技術の装置よりも効果的かつ改善された小型化の効果をもたらし得る。それにより、変位ユニット101の幾何学的形状が制御され、変位ユニット101は、設定された形状としての所望する幾何学的構成をもって制御された様式で活性化状態に転じることができ、それにより、所望する形態のMV輪の修正形状(A’)を達成する。流体ポート(図示せず)を所望の様式で変位ユニット101の内部に膨張を制御するように配置してもよい。例えば、膨張式ユニット104は、変位ユニット101の活性化状態において予め設定された湾曲形状を呈してもよく、それにより、輪の形状により一致する。つまり、送達状態においてCSに挿入される際の変位ユニット101の屈曲可能な特性に加えて、変位ユニット101は、
図9a、9bおよび
図11a、11cに関して以下に更に検討するように、活性化形状に転じると、アクティブに折り畳まれて、湾曲してまたは屈曲して、曲率半径が更に縮小された形状になり得る。更に、
図4bに示すように、変位ユニット101は輪の後側の周りで屈曲している湾曲形状を呈し、上記のように、変位ユニット101は、活性化状態において予め設定された湾曲形状を呈し、曲率半径を更に小さくして小型化の効果を改善することができる。
【0033】
膨張式ユニット104は、CSの半径方向(r)に非対称的に拡張可能であり得る。このような膨張式ユニット104の断面を
図5a、5bおよび
図8a、8bに例証する。これらの図では、膨張式ユニット104の半径方向部分は、活性化状態において、様々な程度に、それ故、非対称的に拡張する。例えば、図の右側の断面の半径方向部分は活性化状態において断面が大きくなっている(
図5b、
図8b)が、一方、左側部分は拡張していないか、より低い程度に拡張している。例えば、送達状態(
図8a)に対する活性化状態である
図8bの右側部分104と比較した左側部分108を参照のこと。非対称的な拡張は、輪の後側の最も近くに位置する膨張ユニット104の半径方向(r)、つまり、CSの半径方向における小型化の効果を改善し得る。非対称的な拡張は、異なる拡張能力などの異なる材料特性の膨張式ユニット104の部分を有することによって、または膨張式ユニット104を変位ユニット101の中心部分に対して非対称的に配置することによって付与することができる。
図5a、5bにおいて、内腔105はこのような中心点112に対して非対称的に配置されており(すなわち、回転非対称)、これは、CSの半径方向などの設定された方向への膨張式ユニット104の指向拡張をもたらし得る。
【0034】
ここで
図9a、9bを参照する。膨張式ユニット104は、活性化状態にて拡張すると、折り畳まれたまたは湾曲した形状を呈し得る。述べたように、これは、輪のMV周縁の周りに力をかけることによって更に小型化の効果を改善させ得る。拡張時に予め設定された形状を呈するべく膨張式ユニット104を有することに加えて、またはそれに代えて、変位ユニットは制限部材107を備えていてもよく、この部材は、送達状態からの拡張時に少なくとも一方向の膨張式ユニットの動きを制限するように配置される。制限部材107は、更に幾つかの方向における拡張または折り畳みを制限することによっても、それに応じて変位ユニット101の形状を呈し得る。例えば、制限部材107は、膨張式ユニット104の第1長手方向側での拡張を制限することができ、それにより、膨張式ユニット104が長手方向106に拡張する間、第1の側と反対の第2の側(制限されていない)が第1の側よりも大きな程度で拡張し、膨張式ユニット104は第1の側の方向に折り畳まれる。その理由として、膨張式ユニット104のこれらの側は異なる長さを呈するからである。
図9bは、この様式での、かつ、CSの半径方向における折り畳みを示している。よって、制限部材107は柔軟であってもよく、変位ユニット101の様々な部分に固定されて、固定手段113により、例えば長手方向側に沿った所望の形状を達成することができる。
図11a〜11cは、制限部材107により変位ユニット101の第1部分の動きを制御し、それにより第2部分が、第1部分とは異なる程度に、または異なる道筋に沿って移動することによって、活性化状態において拡張したときに折り畳まれた、または湾曲した形状を呈し得る変位ユニット101の別の例を示している。
【0035】
少なくとも1つの膨張式ユニット104は複数の膨張式ユニットを備えていてもよく、これら膨張式ユニットにおいて、第1膨張式ユニット104および第2膨張式ユニット108は独立して可逆的に膨張可能である。
図10aは、第1および第2膨張式ユニット104、108を備える変位ユニット101を示しており、これら膨張式ユニットは、
図10bに示すように、活性化状態において独立して様々なサイズまで拡張可能である。それにより、変位ユニット101がその長さに沿ってCSにかける力を変更し、MV輪の所望の修正およびMV弁尖の対応する修正を達成することができる。
図7および
図8a、8bは、変位ユニット101がその半径方向(r)に沿って第1および第2膨張式ユニット104、108を備える実施形態を例証する。故に、半径方向の拡張量を制御し、先に検討したような非対称的な半径方向の拡張を達成することができる。更に、
図7に見られるように、第1および第2膨張式ユニット104、108の間に軸方向106に沿って通路114を設けてもよい。
【0036】
図11a〜11cは、軸方向106に沿って第1および第2膨張式ユニット104、108と、その第1部分に、
図9a、9bに関して先に説明したように活性化状態での動きを制御するための制限部材107とを有する変位ユニット101を例証する。変位ユニット101は、送達状態においてMVに隣接するCS内に位置するときに、
図11bに例証される形状を呈し得る。この状態では、第1および第2膨張式ユニット104、108を互いに対して変位させているため、CSの構造に容易に一致する。第1および第2膨張式ユニット104、108をそれらの接合端115で、またはCS形状に適合可能な別の様式で変位させてもよい。
図11cでは、第1および第2膨張式ユニット104、108は活性化状態で変化した形状を呈している。膨張式ユニット104、108の各々の変化した形状に起因して、それらは変位ユニット101の第2部分で互いに対して変位しており、これは制限部材107によって制限されない。それにより、変位ユニット101は、制限部材107がその一部分で膨張式ユニット104、108の動きを制限するので、活性化状態において更に修正された形状を呈する。これはMVの小型化の効果を改善し得る。制限部材107を変位ユニット101の第1側に沿って配置し、その第1側で第1および第2膨張式ユニット104、108の各々を装着して接合することができ、第1および第2膨張式ユニット104、108はそれぞれ活性化状態において軸方向の拡張が増大し、それにより、それらの接合端115で軸方向に変位する。よって、このような軸方向の変位は、制限部材107によって、第1および第2膨張式ユニット104、108の固定に起因して第1側で制限され得る。第1側と半径方向反対にある第2側での軸方向の拡張が制限されていないことにより、活性化状態において更に折り畳まれた形状が得られる。
【0037】
図4bおよび更に
図5a、5b、6、7、8a、8bに見られるように、変位ユニットは、CS内で変位ユニットを回転配列させるための少なくとも1つのX線不透過性マーカー109、109’を、その半径部分に備えていてもよい。
【0038】
図6に見られるように、変位ユニット101は更に、半径方向(r)での変位ユニット101の動きを支持する、および/または、軸方向106に変位ユニット101を貫通する通路105’を支持するように配置される支持構造110を備えてもよい。この支持構造110はフレームワークあるいは編み上げ構造であり得る。
【0039】
本発明の一実施形態による輪(A)を有する欠陥僧房弁を治療するための方法200を
図12に例証する。この方法は、送達状態にある取り外し可能で柔軟な長尺変位ユニット101(
図1〜11に関して上述したような開示に従って記載した任意の組み合わせの特徴を有し得る)を弁に隣接する冠状静脈洞(CS)内に挿入する工程201と、活性化状態で前記変位ユニットを活性化する工程202であって、それにより、変位ユニット101の少なくとも一部分が、輪の形状が修正形状(A’)に修正されるように、弁に向かってCSの半径方向(r)に移動する工程202と、修正形状が得られたときに僧房弁輪に弁輪形成装置102を固定する工程203であって、それにより弁輪形成装置102が修正形状を保持するように適合された固定構造103を備える工程203と、活性化状態での一時的な活性化の後に長尺変位ユニット204を取り除く工程204と、を含む。
【0040】
図17bは、輪(A)を有する欠陥僧房弁(MV)を治療するための医療システム300を示す。システム300は、弁に隣接する冠状静脈洞(CS)内に一時的に挿入されるための柔軟で取り外し可能な長尺変位ユニット301であって、前記CS内へ送達するための送達状態(
図17a)、および、変位ユニットが送達状態から一時的かつ可逆的に移行することができる活性化状態を有する。この変位ユニットは、可逆的に拡張可能な近位部分302、および、輪の形状が修正形状(A’)に修正される活性化状態(
図17b)まで変位ユニットの長手方向304に拡張可能な近位部分に対して動くことができる(それにより、
図18a、18bに見られるように、2つの部分302、303の間の距離(L)が短くなる)固定遠位部分303を備え、修正形状が得られたときに(
図17b)弁の弁輪形成によって僧房弁輪に恒久的に固定するための弁輪形成装置102であって、前記修正形状を保持するように適合された固定構造103を備える弁輪形成装置102と、を組み合わせて備える。弁輪形成装置102は、修正形状を保持するように適合された固定構造103を備える。固定遠位部分303を長手方向に拡張可能な近位部分302に向かって移動させることによって、CSおよびまた弁輪の曲率半径を小さくすることができる。次いで、輪の修正形状を弁輪形成装置102によって固定してから、変位ユニット101を取り除く。CS内に挿入するための以前の従来技術の装置は恒久的埋め込み用であり、弁輪形成装置102と関連して取り除くまたは使用するように適合されていない。あるいは、従来技術の装置は、セグメント化された装置の屈曲のみに注目するものである。変位ユニット301の長さを短くすることと、固定部分303に対する反力を効果的に付与する拡張可能な近位部分302を有することの組み合わせによって、小型化の効果が大幅に改善する。拡張可能な近位部分がないと、小型化がかなり困難になる。システム300は、CSを介して弁を効果的に小型化し、次いで弁自体に輪を固定することにより、罹患した弁の治療効率を改善する。拡張可能な近位部分302および固定遠位部分303はいずれも送達およびシース310からの回復(retrieval)のために可逆的に拡張可能である(
図13cを参照)。1つの実施形態において、固定遠位部分303および/または拡張可能な近位部分302を長手方向304に旋回してシース310内に容易に格納することができる(
図13bを参照)。
図14a、14bは、その遠位端がCS内に挿入される変位ユニット101を伴ったカテーテルを示す。別の実施形態を
図15および16に示す。遠位アンカーをCS内に挿入して固定し、可逆的に拡張可能な近位部分302はシース310から展開して(folds out)小型化が可能となり、次いでシース310内に再び折り畳まれて格納される。
【0041】
固定構造102は、活性化状態での一時的な活性化の後に変位ユニットの送達状態において輪の修正形状を保持すべく適合される。
【0042】
拡張可能な近位部分302と固定遠位部分303との長手方向304の距離(L)は、変位ユニット301が送達状態から活性化状態に移行するときに、短縮された距離(L’)まで短くなる(
図18a、18bを参照)。固定遠位部分303がCS内に固定されているため、拡張可能な近位部分302と固定遠位部分303との距離の短縮の結果、CSの曲率半径が小さくなり、弁が小型化される。よって、変位ユニット101の曲率半径は、変位ユニットが送達状態から活性化状態に移行するときに小さくなる。
【0043】
拡張可能な近位部分302は、
図16に示すように、CSの入口に組織壁305に接触して置かれるための拡張状態になるように可逆的に折り畳み可能であってもよい。これにより、遠位アンカー303に対して拡張可能な近位部分302の位置が非常に安定して固定され、弁の小型化の制御が改善される。拡張可能な近位部分302は、CS自体の内側ではなく、CSの入口に組織壁305に接触して置かれるように成形して適合させることができるため、CSを損傷する危険性も低減する。また、拡張可能な近位部分302は、CSの外側に置かれるため、CSの大きさに制約されず、よって、より大きな部分に力を拡散する直径まで可逆的に拡張可能であるため、組織にかかる圧力が低減される。これもまた、損傷の危険性を低減する。
【0044】
拡張可能な近位部分302は、CSの入口に組織壁305に接触して置かれるための拡張式ワイヤローブ306、307を備える(
図15、
図16を参照)。ワイヤローブは、CSの外側で組織壁に接触して固定されるべく適合され、安定した固定点を付与する。ワイヤローブ306、307は、シース310の両側に拡張することにより力を対称に拡散して位置決めを制御することができる。上記利点を付与するために、CSの入口、つまり、CSの外側で組織壁305に接触して可逆的に拡張するための拡張可能な近位部分302として、バルーンのような拡張可能な構造を設けてもよい。
【0045】
拡張可能な近位部分302は、変位ユニット301の活性化状態において固定遠位部分303よりも大きな拡張直径を有し得る。これは、例えば
図15に例証されており、拡張可能な近位部分302をアンカー303に対してより確実に位置決めすることにより、小型化がより制御される。
【0046】
固定遠位部分303は、変位ユニット301の活性化状態において前記CSに接触して固定されるように拡張可能である。それは、拡張可能な近位部分302に向かって固定遠位部分303を引っ張るときに、拡張可能な近位部分302に対して固定するのに十分なCSに対する力を付与する。
【0047】
固定遠位部分303は、拡張式コイルワイヤ311を備える(
図15を参照)。コイルワイヤは、コイルの長さに沿って均一かつ円周方向に圧力が付与されるため、効果的にCSに接触して固定させ、それと同時に長手方向304にコイルを伸ばすことによってシース310内に容易に格納可能である。コイルワイヤを制御ワイヤ308に接続してもよく(
図15)、この制御ワイヤ308は、固定遠位部分を縮小された直径の送達形状まで伸張させ、かつ、活性化状態においてコイルワイヤにかかる張力を低減して固定遠位部分を拡張すべく適合される。故に、それはまた、コイルにかかる張力を低減することによってCS内で遠位アンカーを容易に展開させ、それにより、格納され、CSに接触して固定するための直径に拡張することができる。更に、コイル311は体内腔を開放状態に保ち、それにより血流を維持することができる。
【0048】
変位ユニット301は送達ワイヤ309を備えていてもよく(
図15および18a、18b)、この送達ワイヤ309は、固定遠位部分303を送達し、かつ、活性化状態において固定遠位部分303を拡張可能な近位部分302に向かって引っ張ることによって
図18、18bに例証するように2つの距離(L)が短くなるように適合され、小型化を提供する。固定部分303のための制御ワイヤ308を同時に同じ変位量で引っ張ることによって、固定部分は長手方向304においてその長さを維持する。
【0049】
拡張可能な近位部分303は、CSの直径よりも実質的に大きな直径を有する拡張状態になるように可逆的に折り畳み可能である。これは、上記利点を伴って、CSの外側により安定して固定することを可能にする。
【0050】
固定部分は、
図19a、19bに例証するように、少なくとも1つのフックなどの組織保持部分312、312’を備える。組織保持部分312、312’は、固定部分303をCSの内側に効果的に固定し、弁輪の効果的な小型化をもたらす。
図19bは、手順の効率を最適化するために組織保持部分312、312’を使用するが、幾つでも使用することができる場合を例証している。フックに加えて、組織を把持する他の保持部材を設けることもできる。保持部分312、312’は、好ましくはCSの心筋壁に向かって配向され、保持部分312、312’をより強固に把持する。
【0051】
固定部分303は、少なくとも部分的に湾曲したまたは球状の表面などの組織非外傷性表面を有する組織付着(apposition)部分313を備える。組織付着部分313により、CS壁に対する反力が発揮され、固定部分303が安定し、保持部分312、312’がより効果的に組織を把持し、かつ、それに接触して固定される。また、組織付着部分313は、これもまたCS静脈を開放状態にするコイル311に加えて、CS静脈を開放状態にして血流を維持する。組織非外傷性表面を有することにより、組織付着部分313は固定能力を向上させると同時に、CS壁に対する組織損傷の危険性を低減する。
図19a、19bは、付着部分の球状表面を例証しているが、この部分はCSに接触して滑らかな状態である表面を有していてもよい。
【0052】
組織保持部分312、312’は、長手方向304に対して実質的に垂直な方向に拡張可能である。故に、この部分はCS壁と効果的に噛み合うことができる。例えば、保持部分312、312’を、組織と噛み合わせるために、ヒートセット形状(
図19a,19bに例証するように、保持部分312、312’は外側に湾曲した形状を呈する)を有する金属合金から形成することができる。保持部分312、312’を送達ワイヤ309に接続することができ、それにより、送達ワイヤを拡張可能な近位部分302に対して後ろに引っ張るときに、保持部分312、312’が組織を把持し、固定部分303を固定し、拡張可能な近位部分302に接触して組織を引き込み、短縮された長さ(L’)と小型化の効果を達成する。あるいはまたは加えて、保持部分312、312’を別個の制御ワイヤ(図示せず)に接続することができ、それにより、保持部分312、312’の半径方向外側への拡張を送達ワイヤ309の位置とは無関係に制御することができる。よって、保持部分312、312’を最初にコイル311などの内部に格納してから長手方向304に押してもよく、この場合、保持部分312、312’は検討したように把持するための半径方向に拡張したヒートセット形状を呈し得る。
【0053】
組織付着部分313は、CS全てと接触するために長手方向304に対して実質的に垂直な方向に拡張可能であるように、例えば送達ワイヤ309または別個の制御ワイヤ(図示せず)に接続される保持部分312、312’に関して先の段落で述べたのと同じ様式で制御し、展開してもよい。
【0054】
組織保持部分および前記組織付着部分は、
図19a、19bに例証するように、実質的に反対方向に拡張可能であり得る。これにより、組織付着部分313は組織保持部分312、312’に対して良好な反力を与えて組織の効果的な把持と確実な固定をもたらす。また、保持部分312、312’はより強い心筋壁に向けられるが、組織付着部分313はCSのより繊細な側に接触して置かれる。
【0055】
変位ユニットは、その半径方向部分に、CS内で変位ユニットを回転配列させるための少なくとも1つのX線不透過性マーカー109を備えていてもよい。例えば、組織付着部分313は、心筋壁から離れて配向するのを支援するためのX線不透過性マーカー109を有していてもよい。あるいはまたは更に、保持部分312、312’がX線不透過性マーカー109を備えていてもよい。
【0056】
図20は、輪(A)を有する欠陥僧房弁(V)を治療するための方法400であって、
柔軟で取り外し可能な長尺変位ユニット301を送達状態において弁に隣接する冠状静脈洞(CS)内に挿入する工程401と、
CSの入口に組織壁305に接触して拡張可能な近位部分302を配置する工程402と、
CSの内側に固定遠位部分303を配置する工程403と、
活性化状態で変位ユニットを活性化する工程404であって、それにより、固定遠位部分が変位ユニットの長手方向304に移動して固定遠位部分と拡張可能な近位部分との距離を短縮し、輪の形状が修正形状(A’)に修正される工程404と、
修正形状が得られたときに僧房弁輪に弁輪形成装置102を固定する工程405であって、それにより、弁輪形成装置が修正形状を保持するように適合された固定構造103を備える工程405と、
活性化状態での一時的な活性化の後に長尺変位ユニットを取り除く工程406と、
を含む方法を例証する。
【0057】
本発明を、特定の実施形態を参照して上述した。しかしながら、上述した実施形態以外の他の実施形態も、本発明の技術的範囲において、同様に可能である。本発明の種々の特徴および工程を、特定の実施形態に関して説明した組み合わせ以外の組み合わせにて組み合わせることが可能である。実施形態の各特徴を、好都合に入れ換えたり、組み合わせたりすることが可能である。本発明の技術的範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【0058】
より一般的に、当分野の当業者であれば、本明細書に記載される全てのパラメータ、寸法、材料、および構成は例示であることが意図されており、実際のパラメータ、寸法、材料、および/または構成が、本発明による教示が使用される特定の用途、または複数の用途によって異なることを容易に理解できるであろう。