(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記前流固定翼は、前記最上側に位置する前記前流固定翼から前記最下側に位置する前記前流固定翼の方向に順次スパンの長さが短くなる、請求項1又は2に記載の推進効率向上装置。
前記第1前流固定翼のスパンの長さは前記プロペラの半径の0.9倍以上1.1倍以下の範囲内で設けられ、前記第2前流固定翼のスパンの長さは前記プロペラの半径の0.8倍以上1.0倍以下である範囲内で設けられ、前記第3前流固定翼のスパンの長さは前記プロペラの半径の0.6倍以上0.8倍以下である範囲内で設けられるものの、
前記前流固定翼は前記最上側に位置する前記前流固定翼から前記最下側に位置する前記前流固定翼の方向に順次スパンの長さが短くなる、請求項4に記載の推進効率向上装置。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明は多様な変換を加えることができ、様々な実施例を有することができるところ、特定実施例を図面に例示して詳細な説明に詳細に説明する。しかし、これは本発明を特定の実施形態に限定しようとするものではなく、本発明の思想および技術範囲に含まれるすべての変換、均等物ないし代替物を含むものと理解されるべきである。本発明の説明において、関連した公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にする可能性があると判断される場合、その詳細な説明を省略する。
【0024】
以下、本発明の実施例を添付図面を参照して詳細に説明し、添付図面を参照して説明するにおいて、同一または対応する構成要素は同じ図面番号を付与し、これに対する重複する説明は省略する。
【0025】
図1は本発明の第1実施例に係る推進効率向上装置100を側方から見た図面で、
図2は本発明の第1実施例に係る推進効率向上装置100を後方から見た図面である。
【0026】
図1および
図2を参照すれば、推進効率向上装置100は前流固定翼110、120、130を含む。前流固定翼110、120、130はプロペラ20の前方に配置されてプロペラ20の回転軸(X)を中心に放射状に配置される。
【0027】
前流固定翼110、120、130はプロペラ20に流入する流動をプロペラ20の回転方向と反対方向に誘導してプロペラ20の回転方向と反対方向の回転流を発生させる。前流固定翼による回転流はプロペラ20に流入してプロペラ20の回転方向の回転流を減少させることによって推進効率を向上させる。
【0028】
前流固定翼110、120、130は船体10のスタンボス15に設置されるがこれに限定されない。
【0029】
本実施例によれば、前流固定翼の個数は三個である。以下、説明の便宜のために、最上側に位置する前流固定翼110を「第1前流固定翼110」とし、中間に位置する前流固定翼120を「第2前流固定翼120」とし、最下側に位置する前流固定翼130を「第3前流固定翼130」とする。
【0030】
一方、本実施例で前流固定翼の個数は三個であるが、これは説明の便宜のためのものであって、本発明の思想を制限しない。
【0031】
本実施例によれば、プロペラ20は
図2のように、後方から見るとき、時計方向に回転する。この場合、第1前流固定翼110、第2前流固定翼120および第3前流固定翼130はすべてプロペラ20の回転面(P)の左側領域および右側領域のうちプロペラ20が上方に向かって回転する左側領域に位置する。
【0032】
これと関連して、プロペラ20の回転面(P)の右側領域ではプロペラ20に流入する流入流の方向がプロペラ20の回転方向と反対方向となってプロペラ20の翼断面で迎角が増加し、迎角の増加によって相対的に高い推力が発生する。
【0033】
反面、プロペラ20の回転面(P)の左側領域ではプロペラ20に流入する流入流の方向がプロペラ20の回転方向と同じ方向となってプロペラ20の翼断面で迎角が減少し、迎角の減少によって相対的に低い推力が発生する。
【0034】
したがって、プロペラ20の回転面(P)の左側領域に前方固定翼110、120、130を位置させてプロペラ20に流入する流入流にプロペラ20の回転方向と反対方向の流れを生成させることによって、プロペラ20の翼断面での迎角が増加し、推進効率が向上する。
【0035】
代案として、プロペラ20は
図2とは異なって、後方から見るとき、反時計方向に回転することができる。この場合、第1前流固定翼110、第2前流固定翼120および第3前流固定翼130はすべてプロペラ20の回転面(P)の左側領域および右側領域のうちプロペラ20が上方に向かって回転する右側領域に位置する。
【0036】
本実施例によれば、第1前流固定翼110、第2前流固定翼120および第3前流固定翼130はそれぞれ最上側に位置する第1前流固定翼110から最下側に位置する第3前流固定翼130の方向に順次スパンの長さが短くなる。
【0037】
換言すれば、第1前流固定翼110、第2前流固定翼120および第3前流固定翼130はすべてスパンの長さが異なる。そして、第1前流固定翼110、第2前流固定翼120および第3前流固定翼130のうち任意に選択された一つは真下に位置する他のものよりスパンの長さが長い。
【0038】
前流固定翼110、120、130のスパンの長さは、プロペラ20の回転軸(X)から前流固定翼110、120、130のチップまでの距離を意味する。
【0039】
図3は前流固定翼がない裸船体(barehull)の状態からプロペラに流入する伴流の流速分布をプロペラの回転面に示した図面であって、プロペラから前方を見た図面である。
【0040】
このような伴流の流速分布において、回転軸(X)を中心に放射状に順次配置される第1前流固定翼110、第2前流固定翼120および第3前流固定翼130にそれぞれ流入する流入流の流速は増加する。
【0041】
このような流入流の流速の増加に対応して、第1前流固定翼110、第2前流固定翼120および第3前流固定翼130はそれぞれのスパンの長さが順次短くなる。この場合、第1前流固定翼110、第2前流固定翼120および第3前流固定翼130に行くほど流入流の流速増加にともなう抵抗の増加を防止することができる。
【0042】
別の側面から、
図2および
図3を参照すれば、プロペラ(
図1の20)の回転面での伴流の流速は、プロペラ(
図1の20)の回転軸(X)を中心とし、回転軸(X)を通る垂直線(V)の上側区間を0度として、時計方向または反時計方向に角度が増加するほど、増加する傾向がある。このような伴流の流速分布において、回転軸(X)を中心に放射状に順次配置される第3前流固定翼130、第2前流固定翼120および第1前流固定翼110にそれぞれ流入する流入流の流速は減少する。
【0043】
このような流入流の流速の減少に対応して、第3前流固定翼130、第2前流固定翼120および第1前流固定翼110はそれぞれのスパンの長さが順次大きくなる。
【0044】
この場合、第3前流固定翼130、第2前流固定翼120および第1前流固定翼110に行くほどプロペラ(
図1の20)の回転方向と反対方向の回転流を発生させる機能が向上する。付け加えると、前流固定翼110、120、130は流入する流入流の流速が遅いほどプロペラ(
図1の20)の回転方向と反対方向の回転流を発生させる機能が向上する。
【0045】
図1および
図2を参照すれば、
図3のような伴流の流速分布において、第1前流固定翼110の設置角(a)は30度以上50度以下の範囲を有し、第2前流固定翼120の設置角(b)は60度以上80度以下の範囲を有し、第3前流固定翼130の設置角(c)は100度以上120度以下の範囲を有し得る。
【0046】
ここで設置角(a、b、c)は、プロペラ20の回転軸(X)を中心とし、回転軸(X)を通る垂直線(V)の上側区間を0度として、前流固定翼110、120、130の設置位置まで反時計方向に回転して得られる角度を意味する。
【0047】
第1前流固定翼110、第2前流固定翼120および第3前流固定翼130がそれぞれ前記のような設置角(a、b、c)を有する場合、伴流の流速分布で抵抗を最小化することができる。
【0048】
図4は本発明の第1実施例に係る推進効率向上装置100を導き出す過程で遂行された実験データを示す図面である。
図4において、横軸(X)はプロペラ20の半径(R)に対する前流固定翼110、120、130のスパンの長さを表わし、縦軸(Y)は電算流体解釈を通した抵抗の大きさを表わす。
【0049】
図4は
図3でのような伴流条件で、第1前流固定翼110(Stator 1)の設置角が30度以上50度以下の範囲を有し、第2前流固定翼120(Stator 2)の設置角が60度以上80度以下の範囲を有し、第3前流固定翼130(Stator 3)の設置角が100度以上120度以下の範囲を有し、第1前流固定翼110、第2前流固定翼120および第3前流固定翼130のスパンの長さがプロペラ半径の1.0倍である条件で、電算流体解釈を通じて第1前流固定翼110、第2前流固定翼120および第3前流固定翼130をそれぞれプロペラ半径(R)の0.1倍間隔で等分して、等分された各成分に作用する抵抗を表わすグラフである。
【0050】
このような
図4を参照すれば、第1前流固定翼110の場合、プロペラ半径の0.9倍以上で第1前流固定翼110に作用する抵抗がプラスに転換され、第2前流固定翼120の場合、プロペラ半径の0.8倍以上で第2前流固定翼120に作用する抵抗がプラスに転換され、第3前流固定翼130の場合、プロペラ半径の0.7倍以上で第3前流固定翼130に作用する抵抗がプラスに転換されることがわかる。
【0051】
図2を参照すれば、前記のような実験データに基づき、第1前流固定翼110のスパンの長さはプロペラ20半径(R)の0.9倍以上1.1倍以下で、第2前流固定翼120のスパンの長さはプロペラ20半径(R)の0.8倍以上1.0倍以下であり、第3前流固定翼130のスパンの長さはプロペラ20半径(R)の0.6倍以上0.8倍以下に決定され得る。
【0052】
この場合、前流固定翼110、120、130に流入する流入流による抵抗が効果的に減少され得る。
【0053】
一方、第1前流固定翼110、第2前流固定翼120および第3前流固定翼130は後退翼の形状を有することができる。このとき、前流固定翼110、120、130はそれぞれ後縁が回転軸(X)に垂直な直線上に置かれ得る。この場合、前流固定翼110、120、130がプロペラ20と最も近接することになり、前流固定翼で発生するプロペラ20の回転方向と反対方向の回転流がプロペラ20に直に流入することができるため、推進効率が向上する。
【0054】
一方、回転軸(X)を中心とする同一半径(R)で第1前流固定翼110、第2前流固定翼120および第3前流固定翼130のコードの長さは順次短くなり得る。ここでコードの長さは、前流固定翼110、120、130の横断面における前縁から後縁までの長さを意味する。
【0055】
前流固定翼110、120、130のコードの長さが短いとは、前流固定翼110、120、130に流入する流入流に対する接触面積が小さいことを意味する。反対に前流固定翼110、120、130のコードの長さが長いとは、前流固定翼110、120、130に流入する流入流に対する接触面積が大きいことを意味する。
【0056】
図2および
図3を参照すれば、プロペラ(
図1の20)の回転面(P)での伴流の流速は、プロペラ(
図1の20)の回転軸(X)を中心に回転軸(X)を通る垂直線(V)の上側区間を0度として、時計方向または反時計方向に角度が増加するほど、増加する傾向がある。
【0057】
このような伴流の流速分布において、回転軸(X)を中心に放射状に順次配置される第1前流固定翼110、第2前流固定翼120および第3前流固定翼130にそれぞれ流入する流入流の流速は増加する。
【0058】
このような流入流の流速の増加に対応して、第1前流固定翼110、第2前流固定翼120および第3前流固定翼130のコードの長さは順次短くなる。この場合、第1前流固定翼110、第2前流固定翼120および第3前流固定翼130に行くほど流入流の流速増加にともなう抵抗の増加を防止することができる。
【0059】
一方、前述した通り、第1前流固定翼110、第2前流固定翼120および第3前流固定翼130の設置角(a、b、c)はそれぞれ所定の範囲を有する。本実施例に係る推進効率向上装置100はそれぞれの設置角範囲で第1前流固定翼110、第2前流固定翼120および第3前流固定翼130が一つずつ設置される形態を有する。
【0060】
第2実施例によれば、それぞれの設置角範囲で第1前流固定翼110、第2前流固定翼120および第3前流固定翼130が二つ以上設置される形態を有することができる。この場合、各設置角範囲に位置する前流固定翼110、120、130は同じスパンの長さを有することができる。
【0061】
図5は本発明の第2実施例に係る推進効率向上装置200を示す図面である。
図5を参照すれば、本実施例に係る推進効率向上装置200は第1前流固定翼210、第2前流固定翼220および第3前流固定翼230を含む。
【0062】
本実施例に係る第1前流固定翼210、第2前流固定翼220および第3前流固定翼230は前記の実施例に係る第1前流固定翼110、第2前流固定翼120および第3前流固定翼130の特徴をすべて有することができ、これに対する説明は省略する。
【0063】
第1前流固定翼210、第2前流固定翼220および第3前流固定翼230は順次前方に配置される。すなわち、第3前流固定翼230は最も前方に位置し、第2前流固定翼220は中間に、そして第1前流固定翼210は最も後方に位置する。
【0064】
このように第1前流固定翼210、第2前流固定翼220および第3前流固定翼230が船体の長さ方向に所定の距離だけ離れて位置する場合、前流固定翼210、220、230が船体の長さ方向に同一線上に位置する場合と比べて船体に作用する抵抗が減少される。
【0065】
図6は本発明の第1実施例と第2実施例に係る推進効率向上装置の性能を評価するための比較例100と実験例200を示す図面で、
図7は
図6の比較例100と実験例200に対する推力減少係数(t)を示す図面である。
【0066】
図6の(a)は、ステーターが船体の長さ方向に同一線上に位置する本発明の第1実施例に係る推進効率向上装置(以下、「比較例100」とする)の場合を示し、
図6の(b)はステーターが順次前方に配置される本発明の第2実施例に係る推進効率向上装置(以下、「実験例200」とする)の場合を示す。
【0067】
図6に図示された比較例100と実験例200に対し、電算流体解釈を通じて抵抗および自航性能を解釈すると、それぞれに対して抵抗および自航時の船体に作用する抵抗が導き出され、導き出された抵抗を通じて
図7のような推力減少係数(t)を求めることができる。
【0068】
図7を参照すれば、実験例200の推力減少係数(t)が比較例100の推力減少係数(t)より低いことを確認することができる。
【0069】
このような結果は第1前流固定翼210、第2前流固定翼220および第3前流固定翼230が船体の長さ方向に所定の距離だけ離れて位置する場合、前流固定翼210、220、230の間で発生するベンチュリー効果が弱まって船体にかかる抵抗を低減させるためである。
【0070】
図5を参照すれば、第1前流固定翼210および第2前流固定翼220の前後距離(D1)および第2前流固定翼220および第3前流固定翼230の前後の距離(D2)はそれぞれプロペラ20の直径の0.05倍以上0.15倍以下であり得る。
【0071】
前流固定翼210、220、230の間の前後距離(D1、D2)が前記のような範囲を超過する場合、前流固定翼210、220、230とプロペラ20の間の距離が遠くなって前流固定翼210、220、230により誘導される流動がプロペラ20に十分に流入されず、推進効率が低下する可能性がある。
【0072】
また、前流固定翼210、220、230の間の前後距離が前記のような範囲より小さい場合、前流固定翼110、120、130の間で発生するベンチュリー効果によって船体にかかる抵抗が増加する可能性ができる。
【0073】
一方、前述した実施例は前流固定翼の個数が三個であるが、これは説明の便宜のためのものであって、本発明の思想を制限しない。
【0074】
一例として、前流固定翼の個数は二つであり得る。以下、説明の便宜のために上側に位置する前流固定翼を「第1前流固定翼」とし、下側に位置する前流固定翼130を「第2前流固定翼」とする。
【0075】
このとき、第1前流固定翼の設置角は45度以上75度以下の範囲を有し、第2前流固定翼の設置角は90度以上120度以下の範囲を有し得る。このような設置角の範囲は前記の実施例で説明した方式で算出され得る。
【0076】
そして、第1前流固定翼のスパンの長さは第2前流固定翼のスパンの長さより大きくなり得る。換言すれば、下に位置する第2前流固定翼のスパンの長さは上に位置する第1前流固定翼のスパンの長さより短くなり得る。
【0077】
そして、第1前流固定翼のスパンの長さはプロペラの半径の0.8倍以上1.0倍以下で、第2前流固定翼のスパンの長さは前記プロペラの半径の0.6倍以上0.8倍以下であり得る。このようなスパンの長さの範囲は前記の実施例で説明した方式で算出され得る。
【0078】
そして、第1前流固定翼および第2前流固定翼は後退翼の形状を有することができる。
【0079】
そして、第1前流固定翼のコードの長さは第2前流固定翼のコードの長さより大きくなり得る。換言すれば、下に位置する第2前流固定翼のコードの長さは上に位置する第1前流固定翼のコードの長さより短くなり得る。
【0080】
そして、第2前流固定翼は第1前流固定翼より前方に配置され得る。この場合、第1前流固定翼と第2前流固定翼の間の距離はプロペラの直径の0.05倍以上0.15倍以下であり得る。
【0081】
他の例として、前流固定翼の個数は三個であり得る。以下、説明の便宜のために上側に位置する前流固定翼110を「第1前流固定翼」とし、中間に位置する前流固定翼120を「第2前流固定翼」とし、下側に位置する前流固定翼130を「第3前流固定翼」とする。
【0082】
このとき、第1前流固定翼110の設置角は30度以上50度以下の範囲を有し、第2前流固定翼120の設置角は60度以上80度以下の範囲を有し、第3前流固定翼130の設置角は100度以上120度以下の範囲を有し得る。このような設置角の範囲は前記の実施例で説明した方式で算出され得る。
【0083】
そして、第1前流固定翼110のスパンの長さは第2前流固定翼120のスパンの長さより大きく、第2前流固定翼120のスパンの長さは第3前流固定翼130のスパンの長さより大きくなり得る。換言すれば、前流固定翼は最上側に位置する前流固定翼110から最下側に位置する前流固定翼130方向に順次スパンの長さが短くなり得る。
【0084】
そして、第1前流固定翼110のスパンの長さはプロペラの半径の0.9倍以上1.1倍以下で、第2前流固定翼120のスパンの長さは前記プロペラの半径の0.8倍以上1.0倍以下で、第3前流固定翼130のスパンの長さは前記プロペラの半径の0.6倍以上0.8倍以下であり得る。このようなスパンの長さの範囲は前記の実施例で説明した方式で算出され得る。また、重なる範囲内では上側に位置する前流固定翼の長さが下側に位置する前流固定翼の長さより長くなるように決定され得る。
【0085】
図8は本発明の第3実施例に係る推進効率向上装置300を側方から見た図面で、
図9は本発明の第3実施例に係る推進効率向上装置300を後方から見た図面である。
【0086】
図8および
図9を参照すれば、推進効率向上装置300は前流固定翼310、320、330を含む。
【0087】
前流固定翼310、320、330はプロペラ20に流入する流動をプロペラ20の回転方向と反対方向に誘導してプロペラ20の回転方向と反対方向の回転流を発生させる。前流固定翼310、320、330による回転流はプロペラ20に流入してプロペラ20の回転方向の回転流を減少させることによって推進効率を向上させる。
【0088】
前流固定翼310、320、330は船体10のスタンボス15に設置されるがこれに限定されない。
【0089】
本実施例で、前流固定翼310、320、330の個数は三個であるが、これは例示に過ぎず、本発明の思想を制限しない。例えば、推進効率向上装置300は一つの前流固定翼を含むか複数の前流固定翼を含むことができる。
【0090】
図10は本発明の第3実施例に係る推進効率向上装置300の前流固定翼を説明するための図面である。
図10において、左側方向は前流固定翼310の前方を意味し、右側方向は前流固定翼310の後方を意味する。
【0091】
図10を参照すれば、前流固定翼310、320、330の終端部311、321、331は前流固定翼310、320、330の残り部分312、322、332と比べてピッチ角が小さい。このとき、前流固定翼310、320、330の残り部分312、322、332は全体的に同じピッチ角を有するか部分的に異なるピッチ角を有することができる。
【0092】
終端部311、321、331のピッチ角が残り部分312、322、332と比べて小さいと、終端部311、321、331に流入する流入流に対する迎角が小さくなって終端部311、321、331で生成されるキャビテーションが減少する。この場合、前流固定翼310、320、330の終端部311、321、331で発生するキャビテーションがプロペラ20に及ぼす影響が低減されるためプロペラ20の推進効率を効果的に維持することができる。
【0093】
終端部311、321、331は前流固定翼310、320、330のスパンの長さ(LX)の0.1倍以上0.3倍以下の長さ(LT)を有することができる。前流固定翼310、320、330のスパンの長さ(LX)は、プロペラの回転軸(X)から前流固定翼310、320、330の終端までの距離を意味する。
【0094】
本出願人は、終端部のピッチ角が残り部分と比べて小さくない一般的な前流固定翼を対象に実験を遂行した結果、前流固定翼の終端で発生したキャビテーションが後流に流れるときにプロペラの表面を強打していることを確認した。
【0095】
そして、一般的な前流固定翼は前流固定翼のスパンの長さの0.7倍以上0.9倍以下の領域でプロペラ20の回転方向と反対方向の回転流を支配的に発生させることを確認した。
【0096】
このような実験結果を根拠に、前流固定翼310、320、330が回転流の発生を円滑にさせるとともにその終端で発生するキャビテーションを低減させるために、終端部311、321、331の長さが前流固定翼310、320、330のスパンの長さの0.1倍以上0.3倍以下に決定され得る。
【0097】
前記のような長さを有する終端部311、321、331のピッチ角を残り部分312、322、332と比べて小さく製作すると、終端部311、321、331で発生するキャビテーションを効果的に低減させることができる。
【0098】
終端部311、321、331は終端に行くほどピッチ角が連続的に小さくなり得る。この場合、終端部311、321、331の形状の不連続性により発生し得るキャビテーションの追加的な生成を効果的に防止することができる。
【0099】
終端部311、321、331は
図10のように圧力面301(または吸入面)側から見たとき、終端のコーナーがラウンドの形状を有し得る。換言すれば、終端部311、321、331は側面で見る時、前後方のコーナーがラウンドの形状を有するように形成され得る。
【0100】
この場合、側面から見る時、終端部の前後方のコーナーが角ばった形状を有する従来の前流固定翼と比べて終端部311、321、331で発生するキャビテーションが低減され得る。
【0101】
終端部311、321、331は鋳物によって製作され得る。この場合、終端部311、321、331の製作が容易であるため、終端部311、321、331を含む前流固定翼310、320、330の製作が容易となる。代案として、終端部313は鋳物以外の多様な方法で製作できることはいうまでもない。
【0102】
終端部311、321、331は別途製作されて前流固定翼310、320、330の残り部分312、322、332と結合され得るがこれに限定されない。
【0103】
本出願人は、前記のように構成された推進効率向上装置300がキャビテーション低減効果があることを空洞水槽試験を通じて確認した。
【0104】
図11はプロペラの回転軸を中心とする同一半径で
図8に図示された前流固定翼のコードの長さを比較するための図面である。
【0105】
図8および
図11を参照すれば、プロペラ20の回転軸(X)を中心とする同一半径で第1前流固定翼310、第2前流固定翼320および第3前流固定翼330のうち任意に選択された一つの前流固定翼は真下に位置する他の固定翼より大きいコードの長さを有することができる。
【0106】
換言すれば、プロペラ20の回転軸(X)を中心とする同一半径(R)で第1前流固定翼310、第2前流固定翼320および第3前流固定翼330のコードの長さは順次短くなり得る。ここで前流固定翼310、320、330のコードの長さは前流固定翼310、320、330の断面でリーディングエッジ302からトレーリングエッジ303までの長さを意味する。
【0107】
翼のコードの長さが短いということは、翼に流入する流入流に対する接触面積が小さいことを意味する。反対に翼のコードの長さが長いということは翼に流入する流入流に対する接触面積が大きいことを意味する。
【0108】
そして、プロペラ(
図8の20)の回転面(P)での伴流の流速は、プロペラ(
図8の20)の回転軸(X)を中心に回転軸(X)を通る垂直線(V)の上側区間を0度として、時計方向または反時計方向に角度が増加するほど、増加する傾向がある。
【0109】
このような伴流の流速分布において、回転軸(X)を中心に放射状に順次配置される第1前流固定翼310、第2前流固定翼320および第3前流固定翼330にそれぞれ流入する流入流の流速は増加する。
【0110】
このような流入流の流速の増加に対応して、第1前流固定翼310、第2前流固定翼320および第3前流固定翼330のコードの長さは順次短くなる。この場合、第1前流固定翼310、第2前流固定翼320および第3前流固定翼330に行くほど流入流の流速増加にともなう抵抗の増加を防止することができる。
【0111】
図12は本発明の第4実施例に係る推進効率向上装置400を示す図面である。
図8を参照すれば、本実施例に係る推進効率向上装置400は第1前流固定翼410、第2前流固定翼420および第3前流固定翼430を含む。
【0112】
本実施例に係る第1前流固定翼410、第2前流固定翼420および第3前流固定翼430は前記の実施例に係る第1前流固定翼310、第2前流固定翼320および第3前流固定翼330の特徴をすべて有することができ、これに対する説明は省略する。
【0113】
本実施例で、第1前流固定翼410、第2前流固定翼420および第3前流固定翼430のうち任意に選択された一つの前流固定翼は真下に位置する他の固定翼より後方に位置する。
【0114】
換言すれば、第1前流固定翼410、第2前流固定翼420および第3前流固定翼430は順次前方に配置される。換言すれば、第1前流固定翼410が最も後方に位置し、第2前流固定翼420が中間に位置し、第3前流固定翼430が最も前方に位置する。
【0115】
このように第1前流固定翼410、第2前流固定翼420および第3前流固定翼430が船体10の長さ方向に所定の距離だけ離れて位置する場合、前流固定翼410、420、430が船体10の長さ方向に同一線上に位置する場合と比べて船体10に作用する抵抗が減少される。
【0116】
図13は本発明の第5実施例に係る推進効率向上装置500を側方から見た図面で、
図14は本発明の第5実施例に係る推進効率向上装置500を後方から見た図面である。
【0117】
図13および
図14を参照すれば、推進効率向上装置500は前流固定翼510、520、530を含む。
【0118】
前流固定翼510、520、530はプロペラ20に流入する流動をプロペラ20の回転方向と反対方向に誘導してプロペラ20の回転方向と反対方向の回転流を発生させる。前流固定翼510、520、530による回転流はプロペラ20に流入してプロペラ20の回転方向の回転流を減少させることによって推進効率を向上させる。
【0119】
前流固定翼510、520、530は船体10のスタンボス15に設置されるがこれに限定されない。
【0120】
本実施例で、前流固定翼510、520、530の個数は三個であるが、これは例示に過ぎず、本発明の思想を制限しない。例えば、推進効率向上装置500は一つの前流固定翼を含むか複数の前流固定翼を含むことができる。
【0121】
本実施例で、前流固定翼510、520、530の終端部511、521、531にはウィングレット(winglet)5111、5211、5311が形成される。
【0122】
ウィングレット5111、5211、5311は終端部511、521、531の終端で吸入面502側に折れた形状を有する。代案として、ウィングレット5111、5211、5311は終端部511、521、531の終端で圧力面501側に折れた形状を有してもよいことは言うまでもない。
【0123】
ウィングレット5111、5211、5311は終端部511、521、531の終端で垂直方向に折れるがこれに限定されない。
【0124】
ウィングレット5111、5211、5311は終端部511、521、531の終端で発生する渦流を低減させて最終的にキャビテーションの発生を抑制する。
【0125】
終端部511、521、531は鋳物で製作され得る。この場合、終端部511、521、531の製作が容易であるため終端部511、521、531を含む前流固定翼510、520、530の製作が容易となる。代案として、終端部511は鋳物以外の多様な方法で製作できることはいうまでもない。
【0126】
ウィングレット(winglet)5111、5211、5311は終端部511、521、531と一体製作され得るがこれに限定されない。
【0127】
図15は本発明の第5実施例に係る前流固定翼の終端部の断面形状を示す図面で、
図16は本発明の第5実施例に係る前流固定翼の残り部分の断面形状を示す図面である。
【0128】
図14〜
図16を参照すれば、前流固定翼510、520、530の終端部511、521、531はキャンバー(camber)を有さず、残り部分512、522、532はキャンバーを有することができる。
【0129】
終端部511、521、531がキャンバーを有さないことによって圧力面501と吸入面502の間の圧力差が小さくなってキャビテーションの発生が低減され得る。しかし、これとは違って本発明の実施例に係る前流固定翼510、520、530は終端部511、521、531と残り部分512、522、532のすべてにキャンバーが形成されるものを含む。または前流固定翼510、520、530の終端部511、521、531にはキャンバーが形成されるが残り部分512、522、532にはキャンバーが形成されないこともある。
【0130】
残り部分512、522、532がキャンバーを有する場合、キャンバーを有さない場合と比べてプロペラ(
図13の20)に流入する流動をプロペラ(
図13の20)の回転方向と反対方向により有効に誘導する。
【0131】
図17は本発明の第5実施例に係る推進効率向上装置500の前流固定翼を説明するための図面である。
【0132】
図13および
図17を参照すれば、終端部511、521、531は前流固定翼510、520、530のスパンの長さ(LX)の0.1倍以上0.3倍以下の長さ(LT)を有することができる。前流固定翼510、520、530のスパンの長さ(LX)は、プロペラの回転軸(X)から前流固定翼510、520、530の終端までの距離を意味する。
【0133】
本出願人は、付け根部から終端部まで、全体的にキャンバーを有する前流固定翼を対象に実験を遂行した結果、前流固定翼の終端で発生したキャビテーションが後流に流れるときにプロペラの表面を強打していることを確認した。
【0134】
そして、全体的にキャンバーを有する前流固定翼は前流固定翼のスパンの長さの0.7倍以上0.9倍以下の領域でプロペラ20の回転方向と反対方向の回転流を支配的に発生させることを確認した。
【0135】
このような実験結果を根拠に、前流固定翼510、520、530が回転流の発生を円滑にするとともにその終端で発生するキャビテーションを低減させるために、終端部511、521、531の長さが前流固定翼510、520、530のスパンの長さの0.1倍以上0.3倍以下に決定され得る。
【0136】
前記のような長さを有する終端部511、521、531をキャンバーを有さないように製作すると、終端部511、521、531で発生するキャビテーションを効果的に低減させることができる。
【0137】
本実施例で、終端部511、521、531は
図13および
図17に図示された通り、圧力面501(または吸入面502)側から見たとき、その終端のコーナーがラウンドの形状を有し得る。このような終端部511、521、531の終端の形状はキャビテーションの発生を低減させる。
【0138】
本出願人は前記のように構成された推進効率向上装置500がキャビテーション低減効果があることを空洞水槽試験を通じて確認した。
【0139】
以下、
図13および
図14を参照して推進効率向上装置500が複数の前流固定翼を有するという仮定下で推進効率向上装置500について説明する。
【0140】
図13および
図14を参照すれば、本実施例に係る推進効率向上装置500は三個の前流固定翼510、520、530を有する。説明の便宜のために、最上側に位置する前流固定翼510を「第1前流固定翼510」とし、中間に位置する前流固定翼520を「第2前流固定翼520」とし、最下側に位置する前流固定翼530を「第3前流固定翼530」とする。
【0141】
第1前流固定翼510、第2前流固定翼520および第3前流固定翼530はプロペラ20の前方に配置されて相互離隔して配置される。一例として、第1前流固定翼510、第2前流固定翼520および第3前流固定翼530は
図14のようにプロペラ20の回転軸(X)を中心に放射状に配置され得る。
【0142】
本実施例で、プロペラ20は
図14で見る時、時計方向に回転する。この場合、第1前流固定翼510、第2前流固定翼520および第3前流固定翼530はすべてプロペラ20の回転面(P)の左側領域および右側領域のうちプロペラ20が上方に向かって回転する左側領域に位置する。
【0143】
これと関連して、プロペラ20の回転面(P)の右側領域ではプロペラ20に流入する流入流の方向がプロペラ20の回転方向と反対方向となってプロペラ20の翼断面で迎角が増加し、迎角の増加によって相対的に高い推力が発生する。
【0144】
反面、プロペラ20の回転面(P)の左側領域ではプロペラ20に流入する流入流の方向がプロペラ20の回転方向と同じ方向となってプロペラ20の翼断面で迎角が減少し、迎角の減少によって相対的に低い推力が発生する。
【0145】
したがって、プロペラ20の回転面(P)の左側領域に前方固定翼510、520、530を位置させてプロペラ20に流入する流入流にプロペラ20の回転方向と反対方向の流れを生成させることによって、プロペラ20の翼断面での迎角が増加し、推進効率が向上する。
【0146】
代案として、プロペラ20は後方から見るとき、反時計方向に回転することができる。この場合、
図14とは違って第1前流固定翼510、第2前流固定翼520および第3前流固定翼530はすべてプロペラ20の回転面(P)の左側領域および右側領域のうちプロペラ20が上方に向かって回転する右側領域に位置する。
【0147】
第1前流固定翼510、第2前流固定翼520および第3前流固定翼530はそれぞれ最上側に位置する第1前流固定翼510から最下側に位置する第3前流固定翼530に方向に順次スパンの長さが短くなる。換言すれば、第1前流固定翼510、第2前流固定翼520および第3前流固定翼530のうち任意に選択された一つの前流固定翼は真下に位置する前流固定翼よりスパンの長さが長い。
【0148】
図13を参照すれば、第1前流固定翼510、第2前流固定翼520および第3前流固定翼530は後退翼の形状を有することができる。このとき、前流固定翼510、520、530はそれぞれトレーリングエッジが回転軸(X)に垂直な直線上に置かれ得る。
【0149】
この場合、前流固定翼510、520、530がプロペラ20と最も近接することになり、前流固定翼で発生するプロペラ20の回転方向と反対方向の回転流がプロペラ20に直に流入することができるため、推進効率が向上する。
【0150】
図13を参照すれば、プロペラ20の回転軸(X)を中心とする同一半径で第1前流固定翼510、第2前流固定翼520および第3前流固定翼530のうち任意に選択された一つの前流固定翼は真下に位置する他の固定翼より大きいコードの長さを有することができる。
【0151】
換言すれば、プロペラ20の回転軸(X)を中心とする同一半径で第1前流固定翼510、第2前流固定翼520および第3前流固定翼530のコードの長さは順次短くなり得る。ここで前流固定翼510、520、530のコードの長さは前流固定翼510、520、530の断面でリーディングエッジからトレーリングエッジまでの長さを意味する。
【0152】
翼のコードの長さが短いということは翼に流入する流入流に対する接触面積が小さいことを意味する。反対に翼のコードの長さが長いということは翼に流入する流入流に対する接触面積が大きいことを意味する。
【0153】
図14を参照すれば、プロペラ(
図13の20)の回転面(P)での伴流の流速は、プロペラ(
図13の20)の回転軸(X)を中心に回転軸(X)を通る垂直線(V)の上側区間を0度として、時計方向または反時計方向に角度が増加するほど、増加する傾向がある。
【0154】
このような伴流の流速分布において、回転軸(X)を中心に放射状に順次配置される第1前流固定翼510、第2前流固定翼520および第3前流固定翼530にそれぞれ流入する流入流の流速は増加する。
【0155】
このような流入流の流速の増加に対応して、第1前流固定翼510、第2前流固定翼520および第3前流固定翼530のコードの長さは順次短くなる。この場合、第1前流固定翼510、第2前流固定翼520および第3前流固定翼530に行くほど流入流の流速増加にともなう抵抗の増加を防止することができる。
【0156】
図18は本発明の第6実施例に係る実施例に係る推進効率向上装置600を示す図面である。
図18を参照すれば、本実施例に係る推進効率向上装置600は第1前流固定翼610、第2前流固定翼620および第3前流固定翼630を含む。
【0157】
本実施例に係る第1前流固定翼610、第2前流固定翼620および第3前流固定翼630は前記の実施例に係る第1前流固定翼510、第2前流固定翼520および第3前流固定翼530の特徴をすべて有することができ、これに対する説明は省略する。
【0158】
本実施例で、第1前流固定翼610、第2前流固定翼620および第3前流固定翼630のうち任意に選択された一つの前流固定翼は真下に位置する他の固定翼より後方に位置する。
【0159】
換言すれば、第1前流固定翼610、第2前流固定翼620および第3前流固定翼630は順次前方に配置される。換言すれば、第1前流固定翼610が最も後方に位置し、第2前流固定翼620が中間に位置し、第3前流固定翼630が最も前方に位置する。
【0160】
このように第1前流固定翼610、第2前流固定翼620および第3前流固定翼630が船体10の長さ方向に所定の距離だけ離れて位置する場合、前流固定翼610、620、630が船体10の長さ方向に同一線上に位置する場合と比べて船体10に作用する抵抗が減少される。
【0161】
図19は本発明の第7実施例に係る推進効率向上装置700を側方から見た図面で、
図20は本発明の第7実施例に係る推進効率向上装置700を後方から見た図面である。
【0162】
図19および
図20を参照すれば、推進効率向上装置700は前流固定翼710、720、730を含む。
【0163】
前流固定翼710、720、730はプロペラ20に流入する流動をプロペラ20の回転方向と反対方向に誘導してプロペラ20の回転方向と反対方向の回転流を発生させる。前流固定翼710、720、730による回転流はプロペラ20に流入してプロペラ20の回転方向の回転流を減少させることによって推進効率を向上させる。
【0164】
前流固定翼710、720、730は船体10のスタンボス15に設置されるがこれに限定されない。
【0165】
本実施例において、前流固定翼710、720、730の個数は3個であるが,これは例示に過ぎず、本発明の思想を制限しない。例えば、推進効率向上装置700は一つの前流固定翼を含むか複数の前流固定翼を含むことができる。
【0166】
本実施例で、前流固定翼710、720、730の終端部711、721、731には付加部材7111、7211、7311が形成される。
【0167】
付加部材7111、7211、7311は終端部711、721、731の終端に形成される。付加部材7111、7211、7311は終端部711、721、731の終端で発生する渦流を低減して最終的にキャビテーションの発生を抑制する。このような付加部材7111、7211、7311は一種のウィングレット(winglet)の役割を遂行する。
【0168】
付加部材7111、7211、7311は吸入面と圧力面の方向に延長された板形状を有する。付加部材7111、7211、7311は終端部711、721、731に対して垂直に配置され得るがこれに限定されない。
【0169】
付加部材7111、7211、7311は別途製作されて終端部711、721、731に溶接結合され得る。または付加部材7111、7211、7311は鋳物によって終端部711、721、731と一体製作され得る。
【0170】
終端部711、721、731は鋳物で製作されて前流固定翼710、720、730の残り部分712、722、123と結合され得るがこれに限定されない。
【0171】
図21は本発明の第8実施例に係る実施例に係る推進効率向上装置800を示す図面である。
図21を参照すれば、本実施例に係る推進効率向上装置800は第1前流固定翼810、第2前流固定翼820および第3前流固定翼830を含む。
【0172】
本実施例に係る第1前流固定翼810、第2前流固定翼820および第3前流固定翼830は前記の実施例に係る第1前流固定翼710、第2前流固定翼720および第3前流固定翼730の特徴をすべて有することができ、これに対する説明は省略する。
【0173】
本実施例で、第1前流固定翼810、第2前流固定翼820および第3前流固定翼830のうち任意に選択された一つの前流固定翼は真下に位置する他の固定翼より後方に位置する。
【0174】
換言すれば、第1前流固定翼810、第2前流固定翼820および第3前流固定翼830は順次前方に配置される。換言すれば、第1前流固定翼810が最も後方に位置し、第2前流固定翼820が中間に位置し、第3前流固定翼830が最も前方に位置する。
【0175】
このように第1前流固定翼810、第2前流固定翼820および第3前流固定翼830が船体10の長さ方向に所定の距離だけ離れて位置する場合、前流固定翼810、820、830が船体10の長さ方向に同一線上に位置する場合と比べて船体10に作用する抵抗が減少される。
【0176】
以上、本発明の実施例について説明したが、該当技術分野で通常の知識を有した者であれば特許請求の範囲に記載された本発明の思想から逸脱しない範囲内で、構成要素の付加、変更、削除または追加などによって本発明を多様に修正および変更させることができ、これも本発明の権利範囲内に含まれると言える。