特許第6444508号(P6444508)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6444508
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】表示制御装置およびナビゲーション装置
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/26 20060101AFI20181217BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20181217BHJP
   G08G 1/0968 20060101ALI20181217BHJP
   G09B 29/00 20060101ALI20181217BHJP
   G09B 29/10 20060101ALI20181217BHJP
【FI】
   G01C21/26 A
   G08G1/09 H
   G08G1/09 D
   G08G1/0968 A
   G09B29/00 A
   G09B29/10 A
【請求項の数】7
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2017-529419(P2017-529419)
(86)(22)【出願日】2015年7月23日
(86)【国際出願番号】JP2015070991
(87)【国際公開番号】WO2017013792
(87)【国際公開日】20170126
【審査請求日】2017年7月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123434
【弁理士】
【氏名又は名称】田澤 英昭
(74)【代理人】
【識別番号】100101133
【弁理士】
【氏名又は名称】濱田 初音
(74)【代理人】
【識別番号】100199749
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 成
(74)【代理人】
【識別番号】100188880
【弁理士】
【氏名又は名称】坂元 辰哉
(74)【代理人】
【識別番号】100197767
【弁理士】
【氏名又は名称】辻岡 将昭
(74)【代理人】
【識別番号】100201743
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 和真
(72)【発明者】
【氏名】井上 裕二
(72)【発明者】
【氏名】境 賢治
【審査官】 鎌田 哲生
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−210431(JP,A)
【文献】 特開平11−337359(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/088510(WO,A1)
【文献】 特開2007−183764(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/145146(WO,A1)
【文献】 特開2005−004410(JP,A)
【文献】 特開2011−192044(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00−21/36
G01C 23/00−25/00
G08G 1/00−99/00
G09B 23/00−29/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両前方で検出された道路標示情報から、経路案内に関係する道路標示情報を取得する標示情報取得部と、
経路案内における音声案内のタイミングであるか否かを判定するタイミング判定部と、
前記標示情報取得部により取得された道路標示情報を前方視界の対応する実在の道路標示情報に重なって見えるように強調表示させるための表示情報を、前記実在の道路標示情報の位置と前記車両との距離に応じたサイズおよび形状で生成する表示情報生成部と、
前記タイミング判定部により判定された音声案内のタイミングに同期して、表示装置に対して前記表示情報を出力する出力制御部とを備え、
前記タイミング判定部は、経路案内に関係する道路標示情報と前記車両との距離が予め定められた範囲になったタイミングを音声案内のタイミングであると判定すること
を特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
前記標示情報取得部により取得された道路標示情報が路面標識である場合は、
前記標示情報取得部は、運転者の視線と路面とがなす角度を算出し、
前記表示情報生成部は、前記表示情報が実際の路面標識に張り付いて見えるように、前記角度に基づいて前記表示情報の形状を変形して生成することを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記表示情報生成部は、音声案内の内容に関係する道路標示情報を、前方視界の対応する実在の道路標示情報に重なって見えるように強調表示させるための表示情報を生成することを特徴とする請求項1記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記表示情報生成部は、経路案内に関係する道路標示情報に存在しない経路案内の内容を、前方視界の対応する実在の標示物の空きスペースおよび前記標示物に隣接する位置のうちの少なくとも一方に重ねて見えるように表示させるための追加表示情報を生成することを特徴とする請求項1記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記表示情報生成部は、前方視界の経路案内に関係しない道路標示情報をマスク表示させるためのマスク用表示情報を生成することを特徴とする請求項1記載の表示制御装置。
【請求項6】
経路案内に関係する道路標示情報のうち、音声案内の内容にはない道路標示情報を音声出力させるための音声情報を生成して前記音声案内に追加する音声情報生成部を備え、
前記出力制御部は、音声案内のタイミングに同期して、音声出力装置に前記音声情報を追加後の音声案内を出力させることを特徴とする請求項1記載の表示制御装置。
【請求項7】
目的地までの経路を算出する経路算出部と、
前記経路算出部により算出された経路を経路案内する経路案内部と、
車両前方で検出された道路標示情報から、前記経路案内部が行う経路案内に関係する道路標示情報を取得する標示情報取得部と、
前記経路案内部による音声案内のタイミングであるか否かを判定するタイミング判定部と、
前記標示情報取得部により取得された道路標示情報を前方視界の対応する実在の道路標示情報に重なって見えるように強調表示させるための表示情報を、前記実在の道路標示情報の位置と前記車両との距離に応じたサイズおよび形状で生成する表示情報生成部と、
前記タイミング判定部により判定された音声案内のタイミングに同期して、表示装置に対して前記表示情報を出力する出力制御部とを備え、
前記タイミング判定部は、経路案内に関係する道路標示情報と前記車両との距離が予め定められた範囲になったタイミングを音声案内のタイミングであると判定すること
を特徴とするナビゲーション装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、運転者の前方視界に表示情報を重ねて表示するヘッドアップディスプレイ(以下、HUDと記載する)の表示制御装置およびこれを備えたナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、情報の重要度に応じてHUDによる情報の表示位置を変更する表示システムが記載されている。この表示システムでは、重要度が高い情報を、HUDにおける表示領域のうち、運転者が前方の走行路から視線を逸らすことなく情報を読み取り可能な中央表示領域に表示し、重要度が低い情報をHUDの周辺表示領域に表示している。これにより、中央表示領域に表示された重要度が高い情報は、運転者が視線を移動させることなく視認できる。
【0003】
また、特許文献2には、運転者の左目と右目に視差を与えて情報を3次元表示するHUD装置が記載されている。このHUD装置では、道路、交差点または道路沿いの建物などの地図情報を運転者の前方視界の焦点位置に重ねて3次元表示することができる。これにより、運転者が視線または目の焦点をずらすことなく情報を視認できる。
【0004】
特許文献3には、運転者の注視している物体を検出してその物体上に重なって結像するように情報を表示するHUD装置が記載されている。このHUD装置では、時々刻々と変わり得る運転者の注視物体に動的に情報が重ねて表示されるので、運転者は、視線を移動させず、かつ目の焦点距離を合わせ直すことなく、情報を視認できる。
【0005】
さらに、特許文献4には、現在走行している道路に面する施設についてのみ、実空間の風景または風景を表す映像上に風景に含まれる施設の情報を、この施設に対応する位置に重ねて表示するシステムが記載されている。各情報は、対応する施設における、現在走行している道路に面する部分に貼り付いた形態で遠近感を持って表示される。これにより、施設の情報または実風景の視認性の向上を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−199992号公報
【特許文献2】特開2009−8722号公報
【特許文献3】特開2005−313772号公報
【特許文献4】特開2014−13989号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
HUDでは、車両情報、経路案内などの情報を、運転者の前方視界の焦点位置に重ねて表示することで、運転者は、少ない視線移動で素早く情報を視認することができる。
しかしながら、前方視界で運転者が注目したい対象物と、この対象物とは無関係の表示情報とが重なって表示された場合、対象物と情報の両方が見難くなる。
また、HUDによる情報の表示は、車両の走行中に運転者が情報の内容を認識しやすいタイミングで行われることが望ましい。
【0008】
これに対して、特許文献1に記載される表示システムは、情報の重要度に応じて運転者が視線を逸らすことなく情報を読み取り可能な中央表示領域に表示する情報を絞り込むことで、HUDによって表示された情報の視認性を高めている。
しかしながら、重要度が高くHUDの中央表示領域に表示される情報であっても、前方視界で運転者が注目したい対象物とこの対象物とは無関係の情報とが重なって表示された場合には、対象物と情報との両方の視認性が落ちてしまう。
また、HUDの周辺表示領域に表示された情報を視認する場合、運転者は視線を大きく移動させる必要があることから、車両前方に対する注意が低下してしまう。
【0009】
特許文献2に記載されるHUD装置は、運転者の前方視界に情報を3次元表示することができるが、前方視界で運転者が注目したい対象物と、この対象物とは無関係の情報とが重なって表示される可能性がある。この場合、対象物と情報との両方が見難くなる。
【0010】
特許文献3に記載されるHUD装置は、時々刻々と変わり得る運転者の注視物体に動的に情報を重ねて表示するものであるが、重ねて表示する情報の表示形態については何らの考慮もされていないため、注視物体と情報との両方が見難くなる可能性がある。
特許文献4に記載されるHUD装置は、現在走行している道路に面する施設の情報を、施設の道路に面する部分に表示することを想定しており、経路案内に適用できない。
【0011】
さらに、特許文献1から特許文献3までのいずれにおいても、HUDに情報を表示するタイミングについて考慮されていない。このため、運転者が認識し難いタイミングで経路案内などの情報がHUDによって表示された場合、運転者が情報の内容を認識できないまま表示が終了するか、運転者がHUDによって表示された情報の内容を認識するために注視してしまい、運転への注意が低下する可能性がある。
なお、特許文献4には、施設情報の表示形態を施設に貼り付いて見える状態から正面を向いた状態に変更するタイミングについての記載はあるが、前述したとおり、経路案内については考慮されていない。
【0012】
この発明は上記の課題を解決するもので、経路案内に関係する表示情報を見やすくかつ情報内容を認識しやすいタイミングで表示できる表示制御装置およびナビゲーション装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この発明に係る表示制御装置は、標示情報取得部、タイミング生成部、表示情報生成部および出力制御部を備える。標示情報取得部は、車両前方で検出された道路標示情報から経路案内に関係する道路標示情報を取得する。タイミング判定部は、経路案内における音声案内のタイミングであるか否かを判定する。表示情報生成部は、標示情報取得部により取得された道路標示情報を前方視界の対応する実在の道路標示情報に重なって見えるように強調表示させるための表示情報を、前記実在の道路標示情報の位置と前記車両との距離に応じたサイズおよび形状で生成する。出力制御部は、タイミング判定部により判定された音声案内のタイミングに同期して、表示装置に対して表示情報を出力する。タイミング判定部は、経路案内に関係する道路標示情報と車両との距離が予め定められた範囲になったタイミングを音声案内のタイミングであると判定する。
また、この発明に係るナビゲーション装置は、目的地までの経路を算出する経路算出部と、経路算出部により算出された経路を経路案内する経路案内部と、車両前方で検出された道路標示情報から、経路案内部が行う経路案内に関係する道路標示情報を取得する標示情報取得部と、経路案内部による音声案内のタイミングであるか否かを判定するタイミング判定部と、標示情報取得部により取得された道路標示情報を前方視界の対応する実在の道路標示情報に重なって見えるように強調表示させるための表示情報を、実在の道路標示情報の位置と車両との距離に応じたサイズおよび形状で生成する表示情報生成部と、タイミング判定部により判定された音声案内のタイミングに同期して、表示装置に対して表示情報を出力する出力制御部とを備え、タイミング判定部は、経路案内に関係する道路標示情報と車両との距離が予め定められた範囲になったタイミングを音声案内のタイミングであると判定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、経路案内に関係する道路標示情報の表示情報が前方視界の対応する実在の道路標示情報に重なって見えるように強調表示されるので、自然な形で強調された見やすい経路案内表示を実現することができる。さらに音声案内のタイミングに同期して経路案内に関係する道路標示情報が表示されるので、運転者の聴覚と視覚とで認識すべき情報の内容が一致して表示情報の内容が認識しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置の機能構成を示すブロック図である。
図2】実施の形態1に係る表示制御装置の機能構成を示すブロック図である。
図3】実施の形態1に係る表示制御装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4】実施の形態1に係る表示制御装置の動作の概要を示すフローチャートである。
図5】実施の形態1に係る表示制御装置の詳細な動作を示すフローチャートである。
図6】音声案内前のフロントウィンドウ越しに見た車両前方の風景を示す図である。
図7】音声案内するタイミングでフロントウィンドウ越しに見た車両前方の風景を示す図である。
図8】この発明の実施の形態2に係る表示制御装置の機能構成を示すブロック図である。
図9】実施の形態2に係る表示制御装置の詳細な動作を示すフローチャートである。
図10】実在の案内標識の空きスペースに追加表示情報が表示されたフロントウィンドウ越しに見た車両前方の風景を示す図である。
図11】実在の案内標識と並ぶように追加表示情報が表示されたフロントウィンドウ越しに見た車両前方の風景を示す図である。
図12】実在の案内標識の空きスペースに渋滞の迂回路が表示され、渋滞中であることが案内標識と並ぶように表示されたフロントウィンドウ越しに見た車両前方の風景を示す図である。
図13】この発明の実施の形態3に係る表示制御装置の機能構成を示すブロック図である。
図14】実施の形態3に係る表示制御装置の詳細な動作を示すフローチャートである。
図15】経路案内に関係しない情報がマスク表示されたフロントウィンドウ越しに見た車両前方の風景を示す図である。
図16】この発明の実施の形態4に係る表示制御装置の機能構成を示すブロック図である。
図17】実施の形態4に係る表示制御装置の詳細な動作を示すフローチャートである。
図18】この発明の実施の形態5に係る表示制御装置の機能構成を示すブロック図である。
図19】実施の形態5に係る表示制御装置の詳細な動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明をより詳細に説明するため、この発明を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置1の構成を示す機能ブロック図である。ナビゲーション装置1は、車両に搭載されて目的地までの経路案内を実行する装置であり、情報取得部2、制御部3、通知部4、入力部5、地図データ蓄積部6、経路算出部7および経路案内部8を備える。ナビゲーション装置1の各部の動作は、制御部3によって統括的に制御される。
【0017】
情報取得部2は、自車の現在位置、自車周囲、他車で検出された情報を取得する構成の総称であり、現在位置検出部20、無線通信部21および周囲情報検出部22を備える。
現在位置検出部20は、自車の現在位置を検出する構成要素であり、GPS(Global Positioning System)受信部20a、方位検出部20bおよびパルス検出部20cが接続されている。
【0018】
GPS受信部20aは、GPS衛星からのGPS信号を受信し、このGPS信号に基づいて自車の現在位置(例えば、緯度経度)を検出する。方位検出部20bは、自車の走行方向(例えば、方位)を検出する検出部であり、例えばジャイロセンサおよび方位センサから構成される。パルス検出部20cは、自車の車軸の単位時間当たりの回転数に応じたパルス信号を検出し、このパルス信号に基づいて自車の走行速度と走行距離を検出する。
現在位置検出部20は、GPS受信部20aによって検出された現在位置を、方位検出部20bおよびパルス検出部20cによって検出された自車の走行方向、走行速度および走行距離に基づいて補正する。これにより、自車の正確な現在位置を検出することが可能となる。
【0019】
無線通信部21は、他車に搭載された通信装置と無線通信して、他車で検出された自車周囲の状況を示す情報を受信する。例えば、自車の前方を走行する他の車両で検出された道路標示情報を取得する。
道路標示情報とは、道路の交通案内に関する標示情報であり、例えば、案内標識、路面標示、情報板、これらの内容、およびこれらと上記他の車両を自車として見た場合の当該自車との距離が挙げられる。
案内標識については、案内標識の位置と案内標識の内容が道路標示情報となる。案内標識の内容には、方面を示す地名およびその方向を示す矢印標示などがある。
路面標示については、路面標示の位置とその内容が道路標示情報となる。路面標示の内容には、車線の直進、右左折などの進行方向別の通行区分を示す矢印標示などがある。
情報板については、情報板の位置に加え、情報板が表示している「大阪まで30km、渋滞あり、所要時間40分」といった交通情報の内容も道路標示情報となる。
【0020】
周囲情報検出部22は、外界センサ23と接続しており、外界センサ23によって検出された自車周囲の情報から自車周囲の状況を示す情報を検出する。自車周囲の状況を示す情報には、例えば、自車前方の道路標示情報が挙げられる。
外界センサ23は、自車周囲の情報を検出するセンサ群であって、カメラ23a、画像処理部23b、レーダ23cおよびレーダ制御部23dを備えて構成される。
【0021】
カメラ23aは、可視光領域あるいは赤外光領域での撮影が可能なカメラである。例えば、カメラ23aは、自車のフロントウィンドウの車室内側でルームミラーの近傍に配置され、フロントウィンドウ越しに自車の走行方向前方の予め定められた範囲の外界を撮影する。なお、カメラ23aとしては、例えば、CCD(Charge Coupled Device)カメラ、あるいは、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラ、ステレオカメラなどを使用する。
【0022】
画像処理部23bは、カメラ23aによって撮影された画像を、周囲情報検出部22で処理可能な画像データに画像処理する。例えば、フィルタリング、二値化処理などの画像処理を施して2次元配列の画素からなる画像データを生成する。この画像データは、周囲情報検出部22に出力される。
【0023】
レーダ23cは、レーザ光あるいはミリ波をプローブとして車両周囲の物体を検出するセンサである。例えば、自車の車体におけるノーズ部分または車室内側のフロントウィンドウの近傍などに配置される。また、レーダ23cは、レーダ制御部23dの制御によりレーザ光あるいはミリ波の発信信号を検出対象方向に送信し、この発信信号が外部の物体で反射された反射信号を受信する。検出対象方向には、自車の進行方向が挙げられる。
【0024】
レーダ制御部23dは、レーダ23cにより受信された反射信号と発信信号とを混合したビート信号を生成して周囲情報検出部22に出力する。
また、レーダ制御部23dは、周囲情報検出部22から入力される制御指令に従って、レーダ23cの動作を制御する。
【0025】
周囲情報検出部22は、外界センサ23から得られた上記画像データに予め定められた検出対象物の画像が含まれるか否かを判定する。検出対象物は、例えば、自車前方にある案内標識、路面標示、情報板などの道路標示情報である。
【0026】
画像データに検出対象物の画像が含まれると判定した場合に、周囲情報検出部22は、画像データが示す画像全体における基準位置と検出対象物との間の距離(以下、第1の距離と記載する)を算出する。基準位置は、例えば、上記画像データが示す画像全体の水平方向における中央の位置である。
また、周囲情報検出部22は、外界センサ23から入力されたビート信号に基づいて、検出対象物と自車との間の距離(以下、第2の距離と記載する)を算出する。
なお、カメラ23aがステレオカメラである場合、ステレオカメラにおける検出対象物に対する視差を利用して第2の距離を算出することも可能である。
【0027】
周囲情報検出部22は、第1の距離と第2の距離に基づいて、水平方向における自車の位置に対する検出対象物の相対位置を算出する。検出対象物の相対位置は、例えば、緯度経度の座標の差から求められた相対的な位置である。この後、周囲情報検出部22は、検出対象物の相対位置および自車の現在位置に基づいて検出対象物の現在位置を算出する。
検出対象物が案内標識、路面標示、情報板である場合、周囲情報検出部22は、これらの標示物と自車との距離を道路標示情報として後述する標示情報取得部30に出力する。
【0028】
通知部4は、ナビゲーション装置1がユーザに情報を通知する構成の総称であり、ナビ表示部4a、HUD表示部4b、表示制御部4c、音声出力部4dおよび音声制御部4eを備える。ナビ表示部4aは、地図表示と経路案内表示が行われるディスプレイであり、例えば、車室内の前方中央部に配置される。HUD表示部4bは、表示情報をフロントウィンドウまたはコンバイナに投影表示する。
ただし、この発明は、経路案内に関係する道路標示情報が、運転者の前方視界の対応する実在の道路標示情報に重なって見えるように表示されるので、投影表示する対象としては、フロントウィンドウが望ましい。
【0029】
表示制御部4cは、制御部3から入力された地図画像および案内画像を含む画像データに基づいて、ナビ表示部4aに地図画像および案内画像を表示させる。また、表示制御部4cは、制御部3から入力された表示情報をHUD表示部4bに表示させる。
HUD装置4Aは、この発明における表示装置を具体化したものであり、HUD表示部4bと表示制御部4cを備えている。
【0030】
音声出力部4dは、案内音声、警告音などを音声出力する出力部であって、車両に搭載されたスピーカにより実現される。
また、音声制御部4eは、制御部3から入力された案内音声、警告音などの音声データに基づいて、音声出力部4dに案内音声、警告音などを出力させる。
音声出力装置4Bは、この発明における音声出力装置を具体化したものであり、前述の音声出力部4dと音声制御部4eを備える。すなわち、音声出力装置4Bでは、制御部3に制御された音声制御部4eが、音声情報を音声出力部4dに出力して音声を出させる。
ナビゲーション装置1は、この通知部4を制御することにより、自車の運転者に対して運転を支援する情報を通知する。
【0031】
入力部5は、ユーザからの情報入力を受け付ける構成要素であり、例えば、押しボタン装置、タッチパネルなどによって実現される。なお、タッチパネルは、ナビ表示部4aと一体に構成されてもよい。入力部5を使用して現在位置から経路案内すべき目的地などが入力される。例えば、入力部5は、ユーザからナビ表示部4aに表示された地図上の地点が指定された場合、この地点を目的地として受け付け、住所または電話番号が入力された場合、この住所または電話番号を、目的地を特定する目的地情報として受け付ける。
【0032】
地図データ蓄積部6は、地図データを記憶する記憶部であり、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)などの記憶装置として実現される。なお、地図データ蓄積部6は、ナビゲーション装置1の外部から取得した地図データを記憶するものであってもよい。
例えば、地図データ蓄積部6は、ネットワークを介して外部装置からダウンロードした地図データを記憶する。また、地図データ蓄積部6が、DVD−ROM(Digital Versatile Disk−Read Only Memory)、BD−ROM(Blu−Ray(登録商標) Disc−ROM)などの記録媒体から読み出した地図データを記憶してもよい。
【0033】
経路算出部7は、出発地、目的地および地図データに基づいて、出発地から目的地までの経路を算出する。例えば、現在位置検出部20により検出された自車の現在位置を出発地とする。目的地は、入力部5がユーザから受け付けた地点でもよいが、目的地候補として予め登録された地点であってもよい。
経路算出部7が算出する経路は、例えば、到着時間が短い経路(時間優先経路)、走行距離が短い経路(距離優先経路)、燃料が少ない経路(燃料優先経路)、有料道路をなるべく走行する経路(有料道路優先経路)、一般道路をなるべく走行する経路(一般道路優先経路)、時間、距離および費用のバランスが良い経路(標準経路)などがある。
【0034】
経路案内部8は、経路算出部7により算出された経路のうち、ユーザに選択された経路(以下、走行予定経路と記載する)を経路案内する。例えば、経路案内部8は、通知部4を制御して運転者に経路案内情報を通知することで、現在位置から走行予定経路に沿って目的地までの経路案内を行う。
【0035】
また、実施の形態1に係る表示制御装置が備える各機能は、制御部3における表示制御に関する各機能により実現される。
図2は、実施の形態1に係る表示制御装置の機能構成を示すブロック図であり、実施の形態1に係る表示制御装置が備える機能となる制御部3の各機能を示している。
図2に示すように、制御部3は、HUD装置4Aの表示を制御する機能として、標示情報取得部30、タイミング判定部31、表示情報生成部32、出力制御部33を備える。
【0036】
標示情報取得部30は、自車前方で検出された道路標示情報から、経路案内に関係する道路標示情報を取得する。例えば、標示情報取得部30は、周囲情報検出部22によって自車の前方で検出された道路標示情報を、経路案内部8における経路案内に関係する道路標示情報と経路案内に関係しない道路標示情報とに分類し、経路案内に関係する道路標示情報を取得する。分類の方法としては、例えば、道路標示情報における、案内標識、路面標示、情報板およびこれらの内容と走行予定経路の経路案内情報とを比較して経路案内に関係する情報を特定する方法が採用される。
【0037】
例えば、標示情報取得部30は、周囲情報検出部22を介して画像処理部23bの画像処理で得られた画像データを画像解析して道路標示情報の内容を特定する。ここで、道路標示情報が案内標識である場合は、案内標識に記載される地名、矢印標示などの標示内容およびこの標示内容が記載されている案内標識中の位置が特定される。
道路標示情報が路面標示の場合、標示情報取得部30は、周囲情報検出部22から取得した自車前方の路面画像データを画像解析して、路面標示の内容を特定するとともに、運転者の視線と路面とがなす角度を算出する。
【0038】
案内地点における経路案内が左折である場合、標示情報取得部30は、左折を示す路面標示を経路案内に関係する道路標示情報とし、直進、右折の路面標示は、経路案内に関係しない道路標示情報に分類する。また、案内地点で「三宮」方面に経路案内する場合は、標示情報取得部30は、案内標識の方面を示す地名として「三宮」と「大阪」を特定していれば、「三宮」を経路案内に関係する道路標示情報とし、「大阪」は、経路案内に関係しない道路標示情報に分類する。
【0039】
タイミング判定部31は、経路案内部8が走行予定経路を音声で案内するタイミングであるか否かを判定する。走行予定経路では、音声案内が行われる案内地点が予め決まっている。案内地点は、走行予定経路上の車両の進行方向を判断する必要がある地点であり、交差点、高速道路の出入り口などがある。
【0040】
例えば、タイミング判定部31は、経路案内部8が経路案内に使用する走行予定経路の経路案内情報と自車の現在位置とを取得し、案内地点に対して自車が予め定められた範囲内に到達したか否かを判定する。そして、タイミング判定部31は、この範囲内に到達したときに音声案内のタイミングであると判定する。
なお、予め定められた範囲は、案内地点と自車位置の間を時間的または距離的に定めた範囲であって、音声案内が出力されている期間に、出力制御部33がこの音声案内に関係する表示情報をHUD装置4Aに表示させることができる範囲となる。
すなわち、音声案内が出力されている期間とこれに対応する表示情報が表示される期間とが重なるタイミングが音声案内を行うタイミングと判定される。
【0041】
表示情報生成部32は、経路案内に関係する道路標示情報を、前方視界の対応する実在の道路標示情報に重なって見えるように強調表示させるための表示情報を生成する。
例えば、経路案内に関係する道路標示情報が案内標識の方面と方向の情報である場合、この方面と方向が記載された実在の案内標識に重なって見えるように表示させるための表示情報として、方面を示す地名の文字と方向を示す矢印標示がハイライト色で強調表現された画像データが生成される。
また、経路案内に関係する道路標示情報が、情報板に表示された「大阪まで30km、渋滞あり、所要時間40分」という交通情報である場合、この情報板の表示部分に重なって見えるように表示させるための表示情報として、この交通情報を示す文字がハイライト色で強調表現された画像データが生成される。
【0042】
さらに、経路案内に関係する道路標示情報が路面標示の右左折の矢印標示である場合、この路面標示に重なって見えるように表示させるための表示情報として、右左折の矢印標示がハイライト色で強調表現された画像データが生成される。このとき、表示情報生成部32は、運転者の視線と路面とがなす角度に基づいて、運転者から実際の路面の矢印標示に貼り付いて見えるように矢印標示の形状を変形した画像を生成する。これにより、路面標示の表示情報を、運転者から見て実際の路面標示に近い形状とすることができる。
【0043】
さらに、表示情報生成部32は、標示情報取得部30から順次入力される道路標示情報の内容に基づいて、実在の道路標示情報の位置と自車との間の距離に応じたサイズおよび形状の道路標示情報を示す画像データを、表示情報として生成する。
表示情報生成部32が生成する表示情報は、これに対応する音声案内が出力されている間の比較的に短い期間に表示されるものであるが、この期間であっても、道路標示情報の画像のサイズおよび形状が合わなくなり、実際の道路標示情報からずれる可能性がある。
そこで、実在の道路標示情報の位置と自車との間の距離に応じたサイズおよび形状の道路標示情報を示す画像データを表示情報とすることで、実際の道路標示情報からのずれを軽減することができる。
【0044】
出力制御部33は、タイミング判定部31によって判定された音声案内のタイミングに同期して、HUD装置4Aに対して表示情報を出力する。これにより、HUD装置4Aでは、表示情報がフロントウィンドウまたはコンバイナに投影されて、前方視界の対応する実在の道路標示情報に重なって見えるように強調表示される。すなわち、出力制御部33は、音声案内のタイミングになったときに、表示制御部4cを制御して、表示情報生成部32から入力された表示情報をHUD装置4Aに出力する。
【0045】
HUD装置4Aでは、表示源とこの表示源からの表示光をフロントウィンドウに投影するレンズとの距離を調整することで、このレンズの焦点距離との関係から、虚像を任意の距離に結像させることができる。出力制御部33は、表示制御部4cを制御して、HUD装置4Aのレンズと表示源との距離を調整する。
【0046】
HUD装置4Aのレンズと表示源との距離を調整することにより、例えば、経路案内に関係する道路標示情報が案内標識の方面と方向の情報である場合、方面の地名と方向の矢印標示がハイライト色で強調表現された表示情報を、実在の案内標識における対応する方面および方向が記載された部分に貼り付けてあるように重ねて表示する。
また、経路案内に関係する道路標示情報が路面標示である場合は、右左折の矢印標示がハイライト色で強調表現された表示情報を、対応する実際の路面標示に貼り付けてあるように重ねて表示する。
なお、出力制御部33は、自車の走行に合わせて表示情報の表示位置を変更することにより、HUD装置4Aにおける表示情報の表示を自車の移動に追従させる。
【0047】
図3は実施の形態1に係る表示制御装置のハードウェア構成を示すブロック図である。図4は、実施の形態1に係る表示制御装置の動作の概要を示すフローチャートである。
図3(a)において、ディスプレイ101は、図1に示したHUD装置4Aであり、実施の形態1に係る表示制御装置によって表示が制御される。スピーカ102は、図1に示した音声出力部4dであり、例えば車両に搭載されたスピーカである。
【0048】
前述したように、制御部3における表示制御に関する各機能は、実施の形態1に係る表示制御装置の各機能に相当する。制御部3における標示情報取得部30、タイミング判定部31、表示情報生成部32、出力制御部33は、処理回路100により実現される。
すなわち、表示制御装置は、標示情報取得部30が図4に示すステップST1の処理を実行し、タイミング判定部31がステップST2の処理を実行し、表示情報生成部32がステップST3の処理を実行し、出力制御部33がステップST4の処理を実行するための処理回路100を備える。処理回路100は、制御部3を実現する構成要素であって、専用のハードウェアであっても、メモリに格納されるプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)であってもよい。
【0049】
処理回路100が専用のハードウェアである場合に、処理回路100は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化されたプロセッサ、並列プログラム化されたプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field−Programmable Gate Array)、または、これらを組み合わせたものが該当する。標示情報取得部30、タイミング判定部31、表示情報生成部32および出力制御部33の各部の機能をそれぞれ処理回路で実現してもよいし、各部の機能をまとめて1つの処理回路で実現してもよい。
【0050】
図3(b)に示すように、処理回路がCPU103である場合、標示情報取得部30、タイミング判定部31、表示情報生成部32および出力制御部33の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、または、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアとファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ104に格納される。CPU103は、メモリ104に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。すなわち、表示制御装置は、CPU103によって実行されるときに、図4に示すステップST1からステップST4までの処理が結果的に実行されるプログラムを格納するためのメモリ104を備える。
また、これらのプログラムは、標示情報取得部30、タイミング判定部31、表示情報生成部32、出力制御部33の手順または方法をコンピュータに実行させるものである。ここで、メモリとは、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)などの不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVDなどが該当する。
【0051】
なお、標示情報取得部30、タイミング判定部31、表示情報生成部32、出力制御部33の各機能について、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現してもよい。
例えば、標示情報取得部30については専用のハードウェアとしての処理回路100でその機能を実現し、タイミング判定部31、表示情報生成部32、出力制御部33についてはCPU103がメモリ104に格納されたプログラムを読み出して実行することによってその機能を実現することが可能である。
このように、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせによって、前述の機能を実現することができる。
【0052】
次に動作について説明する。
図5は、実施の形態1に係る表示制御装置の詳細な動作を示すフローチャートである。図5において、ステップST1aからステップST6aまでの処理は、図4に示したステップST1の詳細な処理の一例である。また、ステップST7aの処理は、図4に示したステップST2の詳細な処理の一例であって、ステップST8aの処理は、図4に示したステップST3の詳細な処理の一例である。ステップST9aからステップST10aの処理は、図4に示したステップST4の詳細な処理の一例である。
従って、図4の各ステップの動作は、図5の各ステップを説明することにより明らかになるため、以下、図5に基づいて説明を行う。
【0053】
まず、標示情報取得部30は、自車の走行予定経路が算出されているか否かを判定する(ステップST1a)。例えば、経路案内部8に対して走行予定経路に沿った経路案内を行っているか否かを問い合わせて、経路案内が行われている場合に、走行予定経路が算出されていると判定し、経路案内が行われていない場合、走行予定経路が算出されていないと判定する。走行予定経路が算出されていないと判定した場合(ステップST1a;NO)、ステップST10aの処理に移行する。
【0054】
次に、標示情報取得部30は、走行予定経路が算出されていると判定した場合(ステップST1a;YES)、情報取得部2における、周囲情報検出部22によって自車前方の道路標示情報が検出されたか否かを判定する(ステップST2a)。ここで、自車前方の道路標示情報が検出されない場合(ステップST2a;NO)、ステップST2aの処理を繰り返す。自車前方の道路標示情報が検出された場合(ステップST2a;YES)、標示情報取得部30は、周囲情報検出部22から、道路標示情報における案内標識、路面標示、表示板といった標示物と自車との距離を取得する(ステップST3a)。
【0055】
次に、標示情報取得部30は、道路標示情報の内容を判別する(ステップST4a)。
例えば、標示情報取得部30は、周囲情報検出部22を介して画像処理部23bの画像処理で得られた画像データを画像解析して道路標示情報の内容を判別する。
道路標示情報が案内標識である場合、案内標識に記載される地名、矢印標示などの標示内容およびこの標示内容が記載されている案内標識中の位置が判別される。
道路標示情報が路面標示の場合、路面標示である、車線の直進、右左折などの進行方向別の通行区分を示す矢印標示が判別される。
道路標示情報が情報板の表示内容である場合、情報板が表示する「大阪まで30km、渋滞あり、所要時間40分」といった交通情報の内容が判別される。
【0056】
続いて、標示情報取得部30は、ステップST4aで判別した道路標示情報の内容と、走行予定経路の経路案内情報とを比較し(ステップST5a)、経路案内に関係する道路標示情報があるか否かを判定する(ステップST6a)。
すなわち、標示情報取得部30は、周囲情報検出部22により自車の前方で検出された道路標示情報を、経路案内部8における経路案内に関係する道路標示情報と、経路案内に関係しない道路標示情報とに分類する。
【0057】
周囲情報検出部22により自車の前方で検出された道路標示情報に経路案内に関係する道路標示情報がない場合(ステップST6a;NO)、ステップST2aの処理に戻る。
一方、経路案内に関係する道路標示情報があった場合(ステップST6a;YES)、標示情報取得部30は、周囲情報検出部22により自車の前方で検出された道路標示情報のうち、経路案内に関係する道路標示情報を取得して表示情報生成部32に出力する。
【0058】
次に、タイミング判定部31が、経路案内部8によって走行予定経路を音声で案内するタイミングであるか否かを判定する(ステップST7a)。
前述したように、例えば、走行予定経路の経路案内情報と自車の現在位置に基づいて、案内地点に対して自車が予め定められた範囲内に到達したか否かが判定され、この範囲内に到達したときに音声案内のタイミングであると判定される。
音声案内のタイミングでないと判定した場合(ステップST7a;NO)、音声案内のタイミングになるまで、ステップST7aの処理が繰り返される。
【0059】
タイミング判定部31により音声案内のタイミングであると判定された場合(ステップST7a;YES)、表示情報生成部32は、この音声案内に関係する道路標示情報を、ハイライト色で、かつこの音声案内に対応する実在の標示物に合った形態で表現した表示情報を生成する(ステップST8a)。
次に、出力制御部33は、音声出力装置4Bに対して音声案内を出力し、このタイミングに同期して、HUD装置4Aに対して表示情報生成部32により生成された表示情報を出力する。これにより、表示情報が、フロントウィンドウ越しに前方視界の対応する実在の道路標示情報に重なって見えるように強調表示される(ステップST9a)。
【0060】
出力制御部33は、この後に、HUD装置4Aによる表示を停止する操作が、入力部5において受け付けられたか否かを判定する(ステップST10a)。この操作が入力部5で受け付けられた場合(ステップST10a;YES)、図5の処理を終了する。
また、上記操作が入力部5で受け付けられていない場合(ステップST10a;NO)、ステップST1aの処理に戻る。
【0061】
次に、HUD装置4Aにおける表示情報の表示について説明する。
図6は、音声案内前のフロントウィンドウ越しに見た車両前方の風景を示す図であり、音声案内が行われる交差点に自車が差し掛かるときの自車前方の状態を示している。
図6に示す交差点には案内標識9が近傍に配置されており、自車が走行する路面に右折矢印10、直進矢印11が標示されている。図6に示すように、この交差点の音声案内のタイミングでない場合、経路案内に関係する表示情報が表示されていない。
【0062】
図7は、音声案内するタイミングでフロントウィンドウ越しに見た車両前方の風景を示す図であり、図6の状態から自車がさらに交差点に接近して、音声案内のタイミングになった場合を示している。図7において、経路案内に関係する道路標示情報は、実在の案内標識9の方面「三宮」と右方向を示す情報、および右折矢印10の路面標示である。
このとき、表示情報生成部32は、この方面を示す「三宮」の文字と右方向を示す矢印標示にハイライト色を施した画像データを表示情報9aとして生成する。
また、表示情報生成部32は、右折矢印10に合った形状にハイライト色を施した画像データを表示情報10aとして生成する。
【0063】
出力制御部33は、音声出力装置4Bにおいて「この先、右折してください。右方向、三宮方面です。」という音声案内が出力されるタイミングに同期して、HUD装置4Aに対して、表示情報生成部32によって生成された表示情報を出力する。
このようにすることで、HUD装置4Aによって、方面「三宮」と右方向の矢印標示がハイライト色で表現された表示情報9aが、実在の案内標識9の対応する方面および方向が記載された位置に貼り付けてあるように表示される。
同様に、HUD装置4Aによって、右折の矢印標示がハイライト色で表現された表示情報10aが、対応する実在の右折矢印10に貼り付けてあるように重ねて表示される。
【0064】
以上のように、実施の形態1に係る表示制御装置では、音声案内のタイミングに同期して、経路案内に関係する道路標示情報の表示情報9a,10aを、運転者の前方視界の対応する道路標示情報に重なって見えるように強調表示する。
特に、表示情報生成部32は、音声案内の内容に関係する道路標示情報を強調表示させるための表示情報9a,10aを生成する。
これにより、自然な形で強調された見やすい経路案内表示を実現できる。さらに運転者の聴覚と視覚で認識すべき情報の内容が一致して表示情報の内容が認識しやすくなる。
【0065】
実施の形態2.
図8は、実施の形態2に係る表示制御装置の機能構成を示すブロック図であり、実施の形態2に係る表示制御装置が備える機能となる制御部3Aの各機能を示している。
図8に示すように、制御部3Aは、HUD装置4Aの表示を制御する機能として、標示情報取得部30a、タイミング判定部31、表示情報生成部32a、出力制御部33aを備える。なお、図8において、図2と同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0066】
標示情報取得部30aは、経路案内部8による経路案内に関係する道路標示情報から、経路案内に関係する道路標示情報にない経路案内の内容を取得する。
ここで、周囲情報検出部22によって自車前方で検出された道路標示情報を、経路案内部8における経路案内に関係する道路標示情報と経路案内に関係しない道路標示情報とに分類する。続いて、経路案内に関係する道路標示情報と経路案内の内容を比較して、この道路標示情報にない経路案内の内容を、追加表示する情報として抽出して取得する。
例えば、経路案内に関係する道路標示情報が案内標識における方面「三宮」と右方向であり、経路案内の内容には、現在位置から「三宮」方面に向かって目的地に到着するまでの残り距離が含まれる場合、この残り距離が追加表示する情報として抽出される。
【0067】
また、経路案内に関係する道路標示情報と比較する経路案内情報には、走行予定経路に関係する交通情報も含まれる。
例えば、「三宮」方面に右方向の道路が渋滞中である場合、標示情報取得部30aは、「渋滞中」を示す文字情報およびこの渋滞を回避する迂回路を示す情報を、追加表示する情報として抽出する。
【0068】
表示情報生成部32aは、経路案内に関係する道路標示情報にない経路案内の内容を、表示させるための追加表示情報を生成する。経路案内に関係する道路標示情報が案内標識における方面「三宮」および右方向を示す情報であり、この情報にない経路案内の内容が現在位置から「三宮」方面に向かって目的地に到着するまでの残り距離(あと5km)という情報である場合を例に挙げる。この場合、表示情報生成部32aは、残り距離を示す「あと5km」という文字情報をハイライト色で表現した画像データを、追加表示情報として生成する。
【0069】
出力制御部33aは、HUD装置4Aに対して追加表示情報を出力する。これにより、HUD装置4Aによって、追加表示情報が、前方視界の対応する実在の標示物の空きスペースに貼り付けてあるように表示される。あるいは、追加表示情報が、前方視界の対応する実在の標示物に隣接する位置に貼り付けてあるように表示される。
追加表示情報に対応する標示物としては、例えば、追加表示情報が「三宮」方面に向かった残り距離である場合、「三宮」方面が記載された案内標識が、この追加表示情報に対応する標示物と判定される。
【0070】
次に動作について説明する。
図9は、実施の形態2に係る表示制御装置の詳細な動作を示すフローチャートである。図9において、ステップST1aからステップST6a、ステップST7aとステップST8a、ステップST10aの処理は、図5に示したステップST1aからステップST6a、ステップST7aとステップST8a、ステップST10aの処理と同じであり、説明を省略する。
【0071】
また、図9におけるステップST1aからステップST6a−3までの処理は、図4に示したステップST1の詳細な処理の一例である。
ステップST7aの処理は、図4に示したステップST2の詳細な処理の一例であり、ステップST8aからステップST8a−1までの処理は、図4に示したステップST3の詳細な処理の一例である。ステップST9bからステップST10aの処理は、図4に示したステップST4の詳細な処理の一例である。
従って、図4の各ステップの動作は、図9の各ステップを説明することにより明らかになるため、以下、図9に基づいて説明を行う。
【0072】
標示情報取得部30aは、経路案内に関係する道路標示情報の内容と、走行予定経路の経路案内情報とを比較し(ステップST6a−1)、経路案内に関係する道路標示情報にない音声案内の内容があるか否かを判定する(ステップST6a−2)。
すなわち、標示情報取得部30aは、経路案内に関係する道路標示情報と経路案内情報が示す経路案内の内容とを比較し、この道路標示情報にない経路案内の内容を特定する。
【0073】
経路案内に関係する道路標示情報にない音声案内の内容がない場合(ステップST6a−2;NO)、ステップST7aの処理に移行する。
経路案内に関係する道路標示情報にない音声案内の内容がある場合(ステップST6a−2;YES)、標示情報取得部30aは、この音声案内の内容を追加表示する情報として抽出する(ステップST6a−3)。
例えば、経路案内に関係する道路標示情報が、案内標識における方面「三宮」と右方向である場合、経路案内情報のうち、目的地までの残り距離、到着予想時間、渋滞情報などが追加表示する情報として抽出される。
【0074】
表示情報生成部32aは、標示情報取得部30aから入力された追加表示する情報を、ハイライト色で、かつこの情報に対応する実在の標示物に合った形態で表現した表示情報を生成する(ステップST8a−1)。
次に、出力制御部33aは、音声案内が出力されるタイミングに同期して、HUD装置4Aに対して表示情報生成部32により生成された表示情報と追加表示情報を出力する。
表示情報生成部32により生成された表示情報および追加表示情報は、運転者の前方視界の対応する実在の道路標示情報に重なって見えるように強調表示される(ステップST9b)。
【0075】
次に、HUD装置4Aにおける表示情報の表示について説明する。
図10は、実在の案内標識9の空きスペースに追加表示情報9bが表示されたフロントウィンドウ越しに見た車両前方の風景を示す図であり、自車が交差点に接近し、音声案内のタイミングになった場合を示している。
また、図11は、案内標識9と並ぶように追加表示情報9cが表示されたフロントウィンドウ越しに見た車両前方の風景を示す図である。
ここでは、経路案内に関係する道路標示情報が、案内標識に記載された方面「三宮」と右方向を示す情報であり、この情報にない経路案内の内容が、現在位置から「三宮」方面に向かって目的地に到着するまでの残り距離(あと5km)である場合を示している。
【0076】
表示情報生成部32aは、実在の案内標識9における、この方面を示す「三宮」の文字と右方向を示す矢印標示にハイライト色を施した画像データを、表示情報9aとして生成する。また、表示情報生成部32aは、実在の右折矢印10に合った形状にハイライト色を施した画像データを、表示情報10aとして生成する。さらに、表示情報生成部32aは、残り距離を示す「あと5km」という文字情報をハイライト色で表現した追加表示情報9b,9cを生成する。
【0077】
出力制御部33aは、「この先、右折してください。右方向、三宮方面にあと5kmです。」という音声案内が出力されるタイミングに同期して、表示情報生成部32aにより生成された表示情報9a,10aをHUD装置4Aに対して出力する。これにより、HUD装置4Aによって、表示情報9aが、実在の案内標識9の対応する方面および方向が記載された位置に貼り付けてあるように表示され、表示情報10aが、対応する実際の右折矢印10に貼り付けてあるように表示される。
【0078】
さらに、出力制御部33aは、この音声案内のタイミングに同期して、HUD装置4Aに対して、「あと5km」という文字情報がハイライト色で表現された追加表示情報9b,9cを出力する。これにより、追加表示情報9bが、図10に示すように、案内標識9の空きスペースに表示されるか、あるいは、図11に示すように、追加表示情報9cが、案内標識9と並ぶように表示される。
【0079】
図12は、実在の案内標識9の空きスペースに渋滞の迂回路が表示され、渋滞中であることが案内標識9と並ぶように表示されたフロントウィンドウ越しに見た車両前方の風景を示す図である。図12では、経路案内に関係する道路標示情報が、案内標識に記載された方面「三宮」と右方向を示す情報である場合を示している。また、この道路標示情報に存在しない経路案内の内容が、「三宮」方面に右方向の道路が渋滞しており、この渋滞を回避する迂回路を示す情報である場合を示している。
【0080】
表示情報生成部32aは、実在の案内標識9における、この方面を示す「三宮」の文字をハイライト色で表現した画像データを、表示情報9aとして生成する。
また、表示情報生成部32aは、実在の路面標示における右折矢印10に合った形状にハイライト色を施した画像データを、表示情報10aとして生成する。
さらに、表示情報生成部32aは、右方向から「三宮」方面へ迂回する迂回路を示す矢印標示をハイライト色で表現された画像データを、追加表示情報9dとして生成する。
加えて、表示情報生成部32aは、「迂回路」という文字情報がハイライト色で表現された画像データを追加表示情報9eとして生成し、「渋滞中」という文字情報をハイライト色で表現した追加表示情報9fを生成する。
【0081】
出力制御部33aは、音声出力装置4Bにおいて、例えば「三宮方面に右方向の道は渋滞中です。この先、右折してから迂回路があります。」という音声案内が出力されるタイミングに同期して、HUD装置4Aに対して表示情報10aを出力する。
これにより、例えば、右折の矢印標示がハイライト色で表現された表示情報10aが、これに対応する実在の右折矢印10に貼り付けてあるように表示される。
また、追加表示情報9dは、これに対応する実在の案内標識9の矢印表示に貼り付けてあるように表示される。
さらに、追加表示情報9eは、これに対応する実在の案内標識9の空きスペースに表示され、追加表示情報9fは、案内標識9に隣接する位置に表示される。
【0082】
以上のように、実施の形態2に係る表示制御装置において、表示情報生成部32aは、経路案内に関係する道路標示情報に存在しない経路案内の内容を表示させるための追加表示情報9c〜9fを生成する。出力制御部33aは、HUD装置4Aに対して追加表示情報9c〜9fを出力する。このように経路案内に関係する道路標示情報にない経路案内の内容を追加表示することで、運転者の聴覚と視覚とで認識すべき情報の内容が一致して追加表示情報の内容が認識しやすくなる。また、案内標識9の空きスペースあるいは案内標識9に隣接する位置に追加表示することで、自然な形で強調された見やすい経路案内表示を実現できる。
【0083】
実施の形態3.
図13は、実施の形態3に係る表示制御装置の機能構成を示すブロック図であり、実施の形態3に係る表示制御装置が備える機能となる制御部3Bの各機能を示している。
図13に示すように、制御部3Bは、HUD装置4Aの表示を制御する機能として、標示情報取得部30b、タイミング判定部31、表示情報生成部32b、出力制御部33bを備える。なお、図13において、図2と同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0084】
標示情報取得部30bは、周囲情報検出部22により自車の前方で検出された道路標示情報を、経路案内部8における経路案内に関係する道路標示情報と経路案内に関係しない道路標示情報とに分類し、これらの両方を取得する。
例えば、経路案内に関係する道路標示情報が案内標識における方面「三宮」と右方向である場合、この案内標識に「大阪」方面も標示されていれば、「大阪」方面についても、経路案内に関係しない道路標示情報として取得される。
【0085】
表示情報生成部32bは、経路案内に関係する道路標示情報を強調表示させるための表示情報を生成するとともに、前方視界の経路案内に関係しない道路標示情報をマスク表示させるためのマスク用表示情報を生成する。
経路案内に関係する道路標示情報が案内標識における方面「三宮」と右方向であり、この情報に関係しない内容が「大阪」方面と直進方向である場合を例に挙げる。
この場合、表示情報生成部32bは、「三宮」を示す文字情報および右方向の矢印標示をハイライト色で表現した画像を表示情報として生成する。また、表示情報生成部32bは、「大阪」を示す文字情報および直進方向の矢印標示を、マスク表示させるためのマスク用表示情報を生成する。
マスク用表示情報は、重ねて表示した下地の内容が半透明もしくは遮蔽される画像情報である。
【0086】
出力制御部33bは、HUD装置4Aに対して、表示情報生成部32bにより生成された表示情報を出力し、マスク用表示情報を出力する。
これにより、例えば、経路案内に関係する道路標示情報が案内標識における方面「三宮」と右方向を示す情報である場合、「三宮」を示す文字情報および右方向の矢印標示をハイライト色で表現した表示情報が、実在の案内標識における「三宮」と右方向の矢印標示に重ねて表示される。さらに、経路案内に関係しない道路標示情報が「大阪」方面と直進方向を示す情報である場合、マスク用表示情報が「大阪」方面および直進方向の位置に重ねて表示される。
【0087】
次に動作について説明する。
図14は、実施の形態3に係る表示制御装置の詳細な動作を示すフローチャートである。図14において、ステップST1aからステップST8aおよびステップST10aの処理は、図5に示したステップST1aからステップST8aおよびステップST10aの処理と同じであり、説明を省略する。
【0088】
また、図14におけるステップST1aからステップST6aまでの処理は、図4に示したステップST1の詳細な処理の一例である。
ステップST7aの処理は、図4に示したステップST2の詳細な処理の一例であり、ステップST8aからステップST8b−1までの処理は、図4に示したステップST3の詳細な処理の一例である。ステップST9cからステップST10aの処理は、図4に示したステップST4の詳細な処理の一例である。
従って、図4の各ステップの動作は、図14の各ステップを説明することにより明らかになるため、以下、図14に基づいて説明を行う。
【0089】
ステップST8b−1において、表示情報生成部32bは、経路案内に関係しない道路標示情報をマスク表示させるためのマスク用表示情報を生成する。
次に、出力制御部33bは、音声出力装置4Bによって音声案内が出力されるタイミングに同期して、HUD装置4Aに対して、表示情報生成部32により生成された表示情報を出力する。HUD装置4Aによって、表示情報は、運転者の前方視界の対応する道路標示情報に重ねて強調表示され、マスク用表示情報が表示される(ステップST9c)。
【0090】
次に、HUD装置4Aにおける表示情報の表示について説明する。
図15は、経路案内に関係しない情報がマスク表示されたフロントウィンドウ越しに見た車両前方の風景を示す図であり、自車が交差点に接近し音声案内のタイミングになった場合を示している。ここでは、経路案内に関係する道路標示情報が案内標識の方面「三宮」と右方向を示す情報であり、経路案内に関係しない道路標示情報が「大阪」方面および直進の矢印標示である場合を示している。
【0091】
表示情報生成部32bは、実在の案内標識9における、この方面を示す「三宮」の文字と右方向を示す矢印標示にハイライト色を施した画像を表示情報9aとして生成する。
また、表示情報生成部32aは、実在の路面標示における右折矢印10に合った形状にハイライト色を施した画像を表示情報10aとして生成する。
【0092】
さらに、表示情報生成部32bは、実在の案内標識9における「大阪」方面およびその方向を遮蔽するマスク用表示情報9gを生成する。
また、表示情報生成部32bは、直進矢印11の路面標示についても、経路案内に関係しない道路標示情報であるので、実在の路面標示における直進矢印11を遮蔽するマスク用表示情報11aとして生成する。
【0093】
出力制御部33bは、音声出力装置4Bにより「この先、右折してください。右方向、三宮方面です。」という音声案内が出力されるタイミングに同期して、HUD装置4Aに対して表示情報9a,10aを出力する。
これにより、HUD装置4Aによって、表示情報9aが、実在の案内標識9の対応する方面および方向が記載された位置に貼り付けてあるように表示され、表示情報10aが、対応する実際の右折矢印10に貼り付けてあるように表示される。
【0094】
さらに、出力制御部33bは、この音声案内のタイミングに同期して、HUD装置4Aに対してマスク用表示情報9g,11aを出力する。
これにより、マスク用表示情報9gは、案内標識9の「大阪」方面およびその方向が記載される位置に重なって表示される。マスク用表示情報11aは、直進の直進矢印11に貼り付けてあるように重ねて表示される。
【0095】
以上のように、実施の形態3に係る表示制御装置において、表示情報生成部32bは、前方視界の経路案内に関係しない道路標示情報をマスク表示させるためのマスク用表示情報9g,11aを生成する。マスク用表示情報9g,11aは、HUD装置4Aによって前方視界の経路案内に関係しない道路標示情報に重ねて表示される。
このように経路案内に関係しない道路標示情報がマスク表示されるので、運転者が、経路案内に関係する道路標示情報の表示情報をより認識しやすくなる。
【0096】
実施の形態4.
図16は、実施の形態4に係る表示制御装置の機能構成を示すブロック図であり、実施の形態4に係る表示制御装置が備える機能となる制御部3Cの各機能を示している。
図16に示すように、制御部3Cは、HUD装置4Aの表示を制御する機能として、標示情報取得部30、タイミング判定部31a、表示情報生成部32および出力制御部33を備える。なお、図16において、図2と同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0097】
タイミング判定部31aは、経路案内に関係する道路標示情報と車両とが予め定められた範囲になったタイミングを音声案内のタイミングであると判定する。
予め定められた範囲とは、運転者から自車前方の道路標示情報が視認可能となる距離的または時間的に定めた範囲である。例えば、自車から30m程度の範囲が考えられる。
【0098】
次に動作について説明する。
図17は実施の形態4に係る表示制御装置の詳細な動作を示すフローチャートである。
図17において、ステップST1aからステップST7aおよびステップST8aからステップST10aの処理は、図5に示したステップST1aからステップST7aおよびステップST8aからステップST10aの処理と同じであり、説明を省略する。
【0099】
また、図17におけるステップST1aからステップST6aまでの処理は、図4に示したステップST1の詳細な処理の一例である。ステップST7bの処理は、図4に示したステップST2の詳細な処理の一例であり、ステップST8aの処理は、図4に示したステップST3の詳細な処理の一例である。ステップST9aからステップST10aの処理は、図4に示したステップST4の詳細な処理の一例である。
【0100】
ステップST7bにおいて、タイミング判定部31aは、情報取得部2から入力された自車の現在位置と自車前方の経路案内に関係する道路標示情報の位置とを比較し、自車と道路標示情報の位置との距離が予め定められた範囲内になったか否かを判定する。
すなわち、道路標示情報の認識が可能な距離になったか否かが判定される。
道路標示情報の認識が可能な距離になっていないと判定した場合(ステップST7b;NO)、この距離になるまでステップST7bの処理が繰り返される。
また、道路標示情報の認識が可能な距離になったと判定された場合(ステップST7b;YES)、ステップST8aの処理に移行する。
【0101】
以上のように、実施の形態4に係る表示制御装置において、タイミング判定部31aは、経路案内に関係する道路標示情報と自車との距離が予め定められた範囲になったタイミングを音声案内のタイミングであると判定する。このように運転者が実際に道路標示情報の視認が可能な状況になったタイミングで、音声案内の出力と経路案内に対応する表示情報の表示とを行うことが可能である。
【0102】
実施の形態5.
図18は、実施の形態5に係る表示制御装置の機能構成を示すブロック図であり、実施の形態5に係る表示制御装置が備える機能となる制御部3Dの各機能を示している。
図18に示すように、制御部3Dは、HUD装置4Aの表示を制御する機能として、標示情報取得部30c、タイミング判定部31、表示情報生成部32、出力制御部33c、音声情報生成部34を備える。なお、図18において、図2と同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0103】
標示情報取得部30cは、実施の形態1と同様に動作するとともに、経路案内に関係する道路標示情報のうち、音声案内の内容にはない道路標示情報を取得する。
例えば、音声案内の内容が「右方向です。」であり、経路案内に関係する道路標示情報が案内標識に標示された「三宮」方面および右方向である場合、「三宮」方面が音声案内の内容にはない道路標示情報として抽出される。
【0104】
音声情報生成部34は、経路案内に関係する道路標示情報のうち、音声案内の内容にはない道路標示情報を音声出力させるための音声情報を生成して音声案内に追加する。
出力制御部33cは、音声案内のタイミングに同期して、音声情報生成部34によって音声情報が追加された音声案内を音声出力装置4Bに出力させる。
【0105】
次に動作について説明する。
図19は実施の形態5に係る表示制御装置の詳細な動作を示すフローチャートである。
図19において、ステップST1aからステップST6a、ステップST7aからステップST8a、ステップST10aの処理は、図5に示したステップST1aからステップST6a、ステップST7aからステップST8a、ステップST10aの処理と同じであり、説明を省略する。
【0106】
また、図19におけるステップST1aからステップST6b−2までの処理は、図4に示したステップST1の詳細な処理の一例である。ステップST7aの処理は、図4に示したステップST2の詳細な処理の一例であって、ステップST8aの処理は、図4に示したステップST3の詳細な処理の一例である。ステップST9dからステップST10aの処理は、図4に示したステップST4の詳細な処理の一例である。
従って、図4の各ステップの動作は、図19の各ステップを説明することにより明らかになるため、以下、図19に基づいて説明を行う。
【0107】
標示情報取得部30cは、経路案内に関係する道路標示情報のうち、音声案内の内容にない道路標示情報があるか否かを判定する(ステップST6b−1)。すなわち、標示情報取得部30cは、経路案内に関係する道路標示情報と経路案内情報が示す音声案内の内容とを比較し、この音声案内の内容にない道路標示情報を特定する。
【0108】
音声案内の内容にない道路標示情報がない場合(ステップST6b−1;NO)、ステップST7aの処理に移行する。
音声案内の内容にない道路標示情報がある場合(ステップST6b−1;YES)、標示情報取得部30cは、経路案内に関係する道路標示情報のうち、音声案内の内容にない道路標示情報を音声情報生成部34に出力する。
【0109】
音声情報生成部34は、標示情報取得部30cから入力した音声案内の内容にない道路標示情報を音声化し、この音声案内の内容に追加する(ステップST6b−2)。
例えば、音声案内の内容が「右方向です。」であり、経路案内に関係する道路標示情報が案内標識の「三宮」方面および右方向である場合、「三宮方面」という音声情報が生成され、「三宮方面、右方向です。」というように音声案内に追加される。
【0110】
ステップST9dにおいて、出力制御部33cは、音声情報が追加された案内音声を、音声出力装置4Bに出力させる。そして、このタイミングに同期して、出力制御部33cは、HUD装置4Aに対して表示情報生成部32により生成された表示情報を出力する。
これにより、表示情報は、運転者の前方視界の対応する実在の道路標示情報に重なって見えるように強調表示される。
【0111】
以上のように、実施の形態5に係る表示制御装置は、経路案内に関係する道路標示情報のうち、音声案内の内容にはない道路標示情報を音声出力させるための音声情報を生成し音声案内に追加する音声情報生成部34を備える。出力制御部33cは、音声案内のタイミングに同期して、音声情報を追加後の音声案内を音声出力装置4Bに出力させる。
このように自車前方で検出された道路標示情報のうち、音声案内になかった情報を音声化して出力することにより、案内標識が新たに追加された場合のように地図データベースに含まれない内容を、音声案内で補間することができる。これにより、実際の道路状況に即した音声案内が可能となる。
【0112】
なお、本発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0113】
この発明に係る表示制御装置は、経路案内に関係する表示情報を見やすくかつ情報内容を認識しやすいタイミングで表示できるので、例えば、車載用ナビゲーション装置の表示制御装置に好適である。
【符号の説明】
【0114】
1 ナビゲーション装置、2 情報取得部、3 制御部、3A〜3D 制御部、4 通知部、4A HUD装置、4B 音声出力装置、4a ナビ表示部、4b HUD表示部、4c 表示制御部、4d 音声出力部、4e 音声制御部、5 入力部、6 地図データ蓄積部、7 経路算出部、8 経路案内部、9 案内標識、9a,10a 表示情報、9b〜9f 追加表示情報、9g マスク用表示情報、10 右折矢印、11 直進矢印、11a マスク用表示情報、20 現在位置検出部、20a GPS受信部、20b 方位検出部、20c パルス検出部、21 無線通信部、22 周囲情報検出部、23 外界センサ、23a カメラ、23b 画像処理部、23c レーダ、23d レーダ制御部、30,30a〜30c 標示情報取得部、31,31a タイミング判定部、32,32a,32b 表示情報生成部、33,33a〜33c 出力制御部、34 音声情報生成部、100 処理回路、101 ディスプレイ、102 スピーカ、103 CPU、104 メモリ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
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