特許第6444521号(P6444521)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6444521
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】機器寿命診断装置
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20181217BHJP
【FI】
   G05B23/02 T
【請求項の数】2
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-541195(P2017-541195)
(86)(22)【出願日】2015年9月24日
(86)【国際出願番号】JP2015076935
(87)【国際公開番号】WO2017051456
(87)【国際公開日】20170330
【審査請求日】2017年11月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】鵜沼 宗利
(72)【発明者】
【氏名】竹田 憲生
【審査官】 山村 秀政
(56)【参考文献】
【文献】 特公昭58−012447(JP,B2)
【文献】 特開2005−098988(JP,A)
【文献】 特開2000−205925(JP,A)
【文献】 特開2009−146443(JP,A)
【文献】 国際公開第2017/051456(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器が稼働中に消費する実寿命消費量を演算する実寿命消費量演算部と、
前記機器の使用寿命に応じて想定寿命消費量を設定する想定寿命消費量設定部と、
前記実寿命消費量演算部によって演算される前記実寿命消費量と前記想定寿命消費量設定部によって設定される前記想定寿命消費量との差異を比較する比較部と、
前記比較部による比較結果に基づいて、前記想定寿命消費量に対する前記実寿命消費量の過不足に関する情報を表示する出力部と、
を備え
さらに、前記比較結果に基づいて、前記想定寿命消費量に対する前記実寿命消費量の過不足の要因を推定する過不足要因推定部を備え、
前記出力部は、前記過不足要因推定部によって推定される前記要因を、地図情報と共に表示することを特徴とする機器寿命診断装置。
【請求項2】
機器が稼働中に消費する実寿命消費量を演算する実寿命消費量演算部と、
前記機器の使用寿命に応じて想定寿命消費量を設定する想定寿命消費量設定部と、
前記実寿命消費量演算部によって演算される前記実寿命消費量と前記想定寿命消費量設定部によって設定される前記想定寿命消費量との差異を比較する比較部と、
前記比較部による比較結果に基づいて、前記想定寿命消費量に対する前記実寿命消費量の過不足に関する情報を表示する出力部と、
を備え、
さらに、前記比較結果に基づいて、前記想定寿命消費量に対する前記実寿命消費量の過不足の要因を推定する過不足要因推定部を備え、
さらに、前記過不足要因推定部によって推定される前記要因に基づいて、前記実寿命消費量を前記想定寿命消費量に近づけるための過不足改善量を推定する過不足改善量推定部を備えることを特徴とする機器寿命演算装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器の寿命消費状態を診断する機器寿命診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
機械装置や電気装置あるいはプラント機器が、設定あるいは想定される寿命まで使用できるためには、適切な運用条件で運用したり、適切な時期に保守点検したりすることが必要である。運用者に対して、運用条件や保守点検時期の設定を支援する従来技術として、特許文献1に記載の従来技術が知られている。
【0003】
本従来技術においては、プラントを構成する機器および個々の部材について、現時点における余寿命評価情報と、運用計画に基づき計算した将来の余寿命予測を基に、運用条件が異なる運用計画毎の破壊確率の推移を評価し、その評価結果に、機器および個々の部材の損傷形態ごとの重み係数を乗算してプラントリスク値の推移を算出する。プラントリスク値の上限を設定すれば、運用者は、算出されたプラントリスク値の推移に基づき、適切な運用条件や保守点検時期を判断することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−73155号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
機械装置や電気装置あるいはプラント機器は、運用中において、様々な動作状態にある。そして、動作状態が余寿命に及ぼす影響の大きさも、動作状態によって様々である。従って、運用者が、余寿命を決めている要因となっている動作状態を推定できれば、確実に適切な運用条件を判断することができる。これに対し、上記従来技術における破壊確率の推移やプラントリスク値の推移では、運用者が、余寿命を決めている要因となっている動作状態を推定することは難しい。
【0006】
そこで、本発明は、機器の余寿命を決めている要因となっている動作状態の推定を支援する機器寿命診断装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明による機器寿命診断装置は、機器が稼働中に消費する実寿命消費量を演算する実寿命消費量演算部と、機器の使用寿命に応じて想定寿命消費量を設定する想定寿命消費量設定部と、実寿命消費量演算部によって演算される実寿命消費量と想定寿命消費量設定部によって設定される想定寿命消費量との差異を比較する比較部と、比較部による比較結果に基づいて、想定寿命消費量に対する実寿命消費量の過不足に関する情報を表示する出力部と、を備える。さらに、比較結果に基づいて、想定寿命消費量に対する実寿命消費量の過不足の要因を推定する過不足要因推定部を備え、出力部は、過不足要因推定部によって推定される要因を、地図情報と共に表示する。また、比較結果に基づいて、想定寿命消費量に対する実寿命消費量の過不足の要因を推定する過不足要因推定部を備え、さらに、過不足要因推定部によって推定される要因に基づいて、実寿命消費量を想定寿命消費量に近づけるための過不足改善量を推定する過不足改善量推定部を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、機器の運用者が、想定寿命消費量に対する実寿命消費量の過不足を把握することにより、機器の余寿命を決めている要因となっている動作状態を容易に推定することができる。
【0009】
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施例1である機器寿命診断装置の構成を示す機能ブロック図である。
図2】検出結果の画像表示の一例を示す。
図3】検出結果の画像表示の他の例を示す。
図4】検出結果の画像表示の他の例を示す。
図5】本発明の実施例2である機器寿命診断装置の構成を示す機能ブロック図である。
図6】寿命消費要因推定部による要因推定結果の画像表示の一例である。
図7】要因推定結果の画像表示の他の例である。
図8】本発明の実施例3である機器寿命診断装置による検出結果の画像表示の一例を示す。
図9】実施例3による検出結果の画像表示の他の例を示す。
図10】本発明の実施例4である機器寿命診断装置の構成を示す機能ブロック図である。
図11】改善量(方策)を推定するために用いられるデータの一例を示す。
図12】改善量(方策)を推定するために用いられるデータの他の例を示す。
図13】本発明の実施例5である機器寿命診断装置の構成を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施例について、図面を用いて説明する。各図において、参照番号が同一のものは同一の構成要件あるいは類似の機能を備えた構成要件を示している。
【実施例1】
【0012】
図1は、本発明の実施例1である機器寿命診断装置の構成を示す機能ブロック図である。本実施例1では、実環境で稼働する機器が消費する実寿命消費量と予め設定した想定寿命消費量を比較し、想定寿命消費量に対する実寿命消費量の過不足に関する情報を出力する。なお、本実施例1では、マイクロコンピュータなどの演算処理装置が、所定のプログラムを実行することにより、各部(4〜9)として機能する。
【0013】
図1に示すように、寿命を診断する対象機器は、ダンプトラック1、風車2、回転電機3(発電機あるいは電動機)のいずれかである。なお、これらに限らず、機械部品の応力疲労や摩耗による材料の損傷、電気品における絶縁劣化や電気素子の特性劣化、光学部品の透過率の劣化など、機器の稼働あるいは経時変化により製造当初の物理的特性が変化して寿命を迎える機器、もしくは複数の機器により構成されるプラントなどが、寿命診断の対象機器となる。
【0014】
データ収集部9は、対象機器(1,2,3)が備える各種センサから寿命消費量演算に用いるデータすなわち寿命消費量に関わる物理量データを収集する。各種センサとして、例えば、ダンプトラック1や風車2における構造体の応力を計測するための歪ゲージや、回転電機3の絶縁劣化度を計測するための各種センサなど、材料の寿命を直接計測するためのセンサがあげられる。また、データ収集部9は、機器の運転操作や挙動(例えば、ダンプトラック1の車体の挙動)を検出するためのセンサからのデータあるいは機器の制御データを収集しても良い。この場合、機器の稼働状態を、運転操作や車体の挙動データあるいは制御データを用いて認識し、認識された稼働状態に基づいて疲労損傷を推定する。疲労損傷は消費寿命に比例する値であるから、疲労損傷から消費寿命を推定できる。すなわち、運転操作や車体の挙動データあるいは制御データに基づいて、寿命消費量を演算することができる。
【0015】
以下の説明においては、簡単のため、寿命診断の対象機器をダンプトラック1とする。なお、機器の寿命は、ダンプトラック1の構造体の疲労寿命である。
【0016】
実寿命消費量演算部5は、データ収集部9で収集したデータを用いて、実稼働中のダンプトラック1が消費する実寿命消費量を算出する。実寿命消費量とは、単位時間あたりに消費する寿命の値である。算出手段の具体例は次のとおりである。まず、歪ゲージを用いて計測した応力の時刻歴データより、公知のサイクルカウント法(例えば、レインフロー法)を用いて、閉じた応力の振幅を抽出するとともに、応力の波長を抽出する。同一時刻に共存する閉じた応力の重ね合わせにより単位時間に構造体の材料が受ける応力被害の状況を表わす。ここで、単位時間当たりの応力被害とは、繰り返し応力により材料が破断に至る進行速度を表している。つまり、単位時間当たりの応力被害を積算し、破断に至る値になった時が材料の寿命である。従って、この単位時間に材料が受ける応力被害の値が実寿命消費量となる。
【0017】
想定寿命消費量設定部4は、寿命診断対象機器が稼働中に消費する想定寿命消費量を設定する。ここで、想定寿命消費量は、例えば、ダンプトラック1について予め設定される使用寿命(償却期間)を満足するために想定される単位時間当たりの寿命消費量である。
【0018】
比較部6は、想定寿命消費量設定部4によって設定される想定寿命消費量と実寿命演算部5によって算出される実寿命消費量との差異を比較する。
【0019】
過不足検出部7は、比較部6からの比較結果に基づいて、想定寿命消費量に対する実寿命消費量の過不足の状況を検出する。
【0020】
出力部8は、過不足検出部7の検出結果を、画像表示などの所定の形態で出力する。
【0021】
図2は、検出結果の画像表示の一例を示す。本表示例は、ダンプトラック1が走行中において単位時間に消費する寿命すなわち寿命消費量の時間的変化を示す。横軸が経過時間、縦軸が寿命消費量である。ここで、図2における寿命消費量は、ダンプトラック構造体の所定の部位(例えば、サスペンション)の寿命消費を表している。なお、図2中の符号は説明のために付記したものであり、本符号以外の図示部が画像表示例である(他の図の表示例についても同様)。
【0022】
図2において、実線の曲線および破線の直線が、それぞれ、実寿命消費量23および想定寿命消費量22を表す。図2において、ダンプトラックの走行路面が時点28および29を境に変化しており、時点28以前の走行路面では寿命消費が少なく、時点28から時点29までは路面の凸凹の影響により寿命消費が大きくなり、時点29以降の走行路面では再度寿命消費が少なくなる。このため、実寿命消費量23は、想定寿命消費量22よりも、時点28以前では小さく、時点28と時点29の間では大きく、時点29以降は小さい。
【0023】
このような実寿命消費量23と想定寿命消費量22の大きさの違いを走行中の各時点で比較部6によって比較(算出)し、比較結果に基づいて想定寿命消費量22に対する実寿命消費量23の過不足が過不足検出部7によって検出される。過不足検出部7によって、実寿命消費量23が不足していると検出されると、すなわち実寿命消費量23が想定寿命消費量22よりも小さい場合、出力部8は、表示画面上で、想定寿命消費量22を示す直線と実寿命消費量23を示す曲線との間の領域24に所定のパターンを有するハッチングを施す。また、過不足検出部7によって、実寿命消費量23が過剰であると検出されると、すなわち実寿命消費量23が想定寿命消費量22よりも大きな場合、出力部8は、表示画面上で、想定寿命消費量22を示す直線22と実寿命消費量23を示す曲線との間の領域25に、領域24のハッチングとは異なる所定のパターンを有するハッチングを施す。これにより、想定寿命消費量22に対する実寿命消費量23の過不足が容易に把握できる。
【0024】
図2のような表示から、時点28以前および時点29以降の走行区間では、実寿命消費量23が想定寿命消費量22よりも少ないので、ダンプトラック1の構造体にかかる負担を増やすことができる運用状態であると判断でき、寿命消費量が多くなるような運転操作が可能であることや、走行路面の整備を少なめに設定できることが分かる。また、時点28〜29の走行区間では、実寿命消費量23が想定寿命消費量22よりも大きいため、ダンプトラック1の構造体にかかる負担の低減を要する運用状態であると判断でき、寿命消費量を減らすような運転操作が必要であることや、走行路面の整備を多めに行う必要があることが分かる。このようにして、ダンプトラック1の実寿命消費量を想定寿命消費量に近づけて、ダンプトラック1の使用寿命を満足することができる。
【0025】
図3は、検出結果の画像表示の他の例を示す。図3の表示例は、図2に示す各寿命消費量を時間軸上で積算した累積寿命消費量の時間的変化を示す。図3において、横軸は経過時間であり、縦軸は累積寿命消費量である。横軸の始点から時点39までがダンプトラック1の一作業期間である。
【0026】
図3において、実線の曲線32および破線の直線33が、それぞれ、実寿命消費量(図2)を累積した累積実寿命消費量、および想定寿命消費量(図2)を累積した累積想定寿命消費量を表す。これら、累積実寿命消費量および累積想定寿命消費量は、実寿命消費量演算部5によって算出される実寿命消費量と想定寿命消費量設定部4によって設定される想定寿命消費量に基づいて、比較部6によって算出される。
【0027】
図3において、始点から時点28までは、累積実寿命消費量の傾きが累積想定寿命消費量の傾きよりも小さいため、累積実寿命消費量は累積想定寿命消費量よりも小さく、かつ、時間と共に累積想定寿命消費量と累積実寿命消費量の差が拡大している。しかし、時点28を過ぎると、累積実寿命消費量の傾きが累積想定寿命消費量の傾きよりも大きくなるため、時点28を過ぎてしばらくすると、累積実寿命消費量が累積想定寿命消費量よりも大きな値を示している。時点29を過ぎると、累積実寿命消費量の傾きは小さくなるが、累積実寿命消費量は累積想定寿命消費量を上回ったまま推移する。その結果、ダンプトラック1の一作業期間の終点である時点39において、累積実寿命消費量の値34は累積想定寿命消費量の値35よりも大きくなる。
【0028】
このような累積実寿命消費量と累積想定寿命消費量の大きさの違いを一作業期間の各時点で比較部6によって比較(算出)し、比較結果に基づいて累積想定寿命消費量に対する累積実寿命消費量の過不足が過不足検出部7によって検出される。過不足検出部7によって、累積実寿命消費量が不足していると検出されると、すなわち累積実寿命消費量が累積想定寿命消費量よりも小さい場合、出力部8は、表示画面上で、累積想定寿命消費量を示す直線と累積実寿命消費量を示す曲線との間の領域24に所定のパターンを有するハッチングを施す。また、過不足検出部7によって、累積実寿命消費量が過剰であると検出されると、すなわち累積実寿命消費量が累積想定寿命消費量よりも大きな場合、出力部8は、表示画面上で、累積想定寿命消費量を示す直線と累積実寿命消費量を示す曲線との間の領域25に、領域24のハッチングとは異なる所定のパターンを有するハッチングを施す。これにより、累積想定寿命消費量に対する累積実寿命消費量の過不足が容易に確認できる。
【0029】
図3のような表示から、一作業期間終了時点39で累積実寿命消費量の値34は累積想定寿命消費量の値35よりも大きいため、使用寿命を満足するためには、一作業期間においてダンプトラック1の構造体にかかる総負担量の低減を要する運用状態であると判断できる。従って、寿命消費量を減らすような運転操作や走行路面の整備を多めに行う必要があることが分かる。
【0030】
図4は、検出結果の画像表示の他の例を示す。本表示例は、図2に示した実寿命消費量および想定寿命消費量の瞬時値を示す。
【0031】
図4中の左図のように、枠40内において所定パターン43を有するバーが実寿命消費量の瞬時値を示す。従って、図2に示すような実寿命消費量の時間変化に応じて、バーの高さが変化する。一定値である想定寿命消費量は、その一定値に対応する枠40の高さに引かれる横線42によって示す。図4中の左図は、実寿命消費量が想定寿命消費量より小さな時点での表示であり、所定パターン43のバーの高さが横線42の高さよりも低くなっている。
【0032】
図4中の右図は、実寿命消費量が想定寿命消費量より大きな時点での表示であり、実寿命消費量を示すバーの高さが想定寿命消費量を示す横線42の高さよりも高くなっている。ここで、バーのパターンを、左図すなわち実寿命消費量が想定寿命消費量より小さな場合におけるパターン43とは異なるパターン44に変更している。これにより、図2の表示例と同様に想定寿命消費量に対する実寿命消費量の過不足を容易に把握できる。
【0033】
図4のような表示を用いれば、現時点での運転操作や路面状態が寿命消費に及ぼす影響の大きさが分かる。これにより、使用寿命を満足するために、ダンプトラック1の構造体にかかる負担を増減するように運転操作を調整することができる。
【0034】
なお、図4の表示は、図3に示すような累積寿命消費量に対しても適用できる。この場合、累積想定寿命消費量の瞬時値を基準として累積実寿命消費量の瞬時値を正規化すれば良い。
【0035】
上述したように、本実施例1の機器寿命診断装置によれば、対象機器の実寿命消費量と想定寿命消費量を比較し、比較結果に基づいて想定寿命消費量に対する実寿命消費量の過不足を検出し、検出結果を表示することにより、対象機器の運用者に対して、装置や機器の余寿命を決めている要因となっている動作状態の推定を支援することができる。さらに、実寿命消費量、想定寿命消費量および想定寿命消費量に対する実寿命消費量の過不足を表示することにより、使用寿命(償却期間)に対する現運用条件の影響を確実に確認することができる。また、本実施例1により検出される実寿命消費量の過不足量が低減されるように運用条件を調整することにより、確実に、使用寿命(償却期間)を満足することができる。
【0036】
なお、出力部8による表示形態は、画像表示に限らず、文字、音声、印刷物など、種々の形態が適用できる。
【実施例2】
【0037】
図5は、本発明の実施例2である機器寿命診断装置の構成を示す機能ブロック図である。以下、主に、実施例1と異なる点について説明する。
【0038】
実施例1では、想定寿命消費量と実寿命消費量の比較結果に基づいて想定寿命消費量に対する実寿命消費量の過不足を検出するが、本実施例2の機器寿命診断装置は、さらに、図5に示す寿命消費要因推定部51および過不足要因推定部50により、過不足になった要因を推定する。
【0039】
寿命消費要因推定部51は、データ収集部9が収集するデータ、すなわち対象機器(1,2,3)の寿命消費量に関わる物理量データを用いて、対象機器が寿命を消費する要因を推定する。要因推定手段の一例においては、対象機器より収集されるデータを基に対象機器の劣化区間を抽出し、その劣化区間が発生した要因を推定する。劣化要因が同時並行に複数存在する場合には、発生要因の寄与度を用いて各要因の寄与率なども推定する。ここで、「劣化」とは、対象機器の疲労損傷の大きさ、あるいは電気材料の性能劣化を表している。疲労損傷を累積した累積疲労損傷は、材料が応力疲労により破断するまでの進行度合いを表す。従って、「劣化=寿命消費量」という関係が成り立つので、寿命の発生要因を推定することができる。また、要因推定手段の他の例においては、対象機器より収集したセンサデータあるいは制御データを用いて、稼働状態を要素状態に分類する。事前に設定される要素状態の特徴量と、稼働中の機器より収集されるデータを比較し、稼働状態を要素状態に分類する。これにより、対象機器が寿命を消費する要因を推定できる。
【0040】
図6は、寿命消費要因推定部51による要因推定結果の画像表示の一例である。本表示例においては、ダンプトラック1が走行時に消費する寿命消費量と寿命消費要因推定部51による要因推定結果が同じ時間軸上に表示される。本表示例においては、図2に示した実施例1の表示例に、寿命消費要因推定部51による要因推定結果60が付加されている。なお、要因推定手段として、上述した他の例の手段が用いられ、ダンプトラック走行中の動作が複数の要素動作に分類されている。
【0041】
ここでは、要素動作を路面のバンプ(凸凹)の大きさによって分類する。そして、予め、複数の要素動作項目すなわち路面のバンプ(凸凹)の大きさと、対象機器が受ける損傷の大きさを対応付けたデータを設定しておく。寿命消費要因推定部51は、このようなデータを参照し、データ中の複数の要素動作項目(バンプの大きさ)から、稼働中のダンプトラック1から収集されるデータが示す損傷の大きさに最も近い損傷に対応づけられた要素動作項目を要因として推定する。なお、図6の表示例において、発生している要因62,63および64として、それぞれ、150mmバンプに相当する損傷を受ける路面、300mmバンプに相当する損傷を受ける路面、および50mmバンプに相当する損傷を受ける路面が推定されている。
【0042】
図5における過不足要因推定部50は、比較部6による想定寿命消費量と実寿命消費量の比較結果と寿命消費要因推定部51による推定結果を対応付ける処理を行う。本実施例に2においては、図6が示すように、実寿命消費量23が想定寿命消費量22を下回る領域24、実寿命消費量23が想定寿命消費量22を上回る領域25、および実寿命消費量23が想定寿命消費量22を下回る領域65が、それぞれ、推定結果62(150mmバンプ相当路面)、63(300mmバンプ相当路面)および64(50mmバンプ相当路面)に対応付けられている。このような対応付け結果が、出力部52によって、画像表示などの所定の形態で出力される。その一形態が、図6に示した画像表示例である。
【0043】
なお、過不足要因推定部50は、実施例1(図1)の過不足検出部7と同様の機能も有する。これにより、図6に示すように、実寿命消費量(22)、想定寿命消費量(23)、と、想定寿命消費量(22)に対する実寿命消費量(22)の過不足(領域24,25,65におけるハッチングパターン)と、発生している寿命消費要因の推定結果(60)を、時系列的に並列表示することができる。
【0044】
この様な表示形態により、例えば、図6の領域25においては、300mmバンプ相当の路面によりダンプトラック1が大きな損傷を受けているため、想定寿命消費量よりも実寿命消費量がかなり大きくなっていることが分かる。また、図6に示す全作業区間で実寿命消費量を想定寿命消費量に近づけるためには、実寿命消費量が不足している領域24,65に対応する作業区間では現状よりも路面整備頻度を少なくし、実寿命消費量が過剰な領域25に対応する作業区間では路面状況の改善が必要であることが分かる。
【0045】
なお、本実施例2においても、実施例1(図3)のように、累積実寿命消費量および累積想定寿命消費量を用いる表示が可能である。この場合、累積想定寿命消費量に対する累積実寿命消費量の過不足に応じて、路面整備頻度や路面状況の改善について判断することが可能になる。
【0046】
図7は、要因推定結果の画像表示の他の例である。本表示例では、要因推定結果が位置情報と対応付けて表示される。
【0047】
図7に示すように、横方向を経度方向、縦方向を緯度方向とする地図表示が用いられる。地図表示における地点70および71は、それぞれ図6における初期時点66および最終時点36におけるダンプトラック1の位置である。2地点(70,71)を結ぶ太い2重曲線は、ダンプトラックの移動軌跡を示している。ダンプトラック1の位置情報は、ダンプトラック1に設けられるGPSなどの位置測位装置によって取得される。位置情報取得時には、位置情報と共に時刻情報も取得し、取得される時刻情報を位置履歴と共に、図示されない記憶装置に記憶する。
【0048】
図6に示す情報、すなわち実寿命消費量、想定寿命消費量、想定寿命消費量に対する実寿命消費量の過不足、寿命消費要因の推定結果に関する情報と、位置情報とは、時刻情報を基に対応付けされる。これにより、図7のような表示が可能となる。図7における領域72,73および74に相当するダンプトラックの移動区間は、それぞれ、図6の領域24,25および65に対応する。なお、図7においても、図2と同様に、実寿命消費量の過不足に応じてハッチングのパターンを変えている。さらに、吹き出し75,76,77を用いて、実寿命消費量の過不足および寿命消費要因の推定結果が表示される。このように、実寿命消費量の過不足および寿命消費要因の推定結果に関する情報を位置情報と対応付けることに、作業経路上で、寿命を過剰に消費している場所や寿命消費が少ない場所を特定することが可能になる。
【0049】
上述したように、本実施例2の機器寿命診断装置によれば、実施例1と同様の効果が得られると共に、寿命消費要因を推定することにより、対象機器の運用者に対して、装置や機器の余寿命を決めている要因となっている動作状態の推定を支援することができる。これにより、実寿命消費量の過不足量が低減されるように運用条件を調整することが可能になり、確実に、使用寿命(償却期間)を満足することができる。
【実施例3】
【0050】
図8は、本発明の実施例3である機器寿命診断装置による検出結果の画像表示の一例を示す。なお、機器寿命診断装置の構成は実施例1(図1)と同様である。
【0051】
以下、主に、実施例1と異なる点について説明する。
【0052】
実施例1の表示例(図2)では、一つの作業区間(ダンプトラックの移動作業区間)における寿命消費量が表示されるが、これに対し、本実施例3では、一つの作業サイクル全体での寿命消費量が表示される。
【0053】
図8は、ダンプトラックの一作業サイクルにおける寿命消費量を示す。ダンプトラックの一作業サイクルは、作業順に「荷下ろし」、「空荷移動」、「荷積み」および「積載移動」からなり、このような一作業サイクルが繰り返される。そこで、ダンプトラックの作業サイクルを、荷下ろし開始時刻から積載移動終了時刻(すなわち次の荷下ろし開始時刻)までと定義する。図8においては、荷下ろし開始時点80が一作業サイクルの開始時刻、荷下ろし開始時点80から時点81までが荷下ろし区間、時点80から時点82までが空荷移動区間、時点82から時点83までが荷積み区間、時点83から時点84までが積載移動区間である。時点84は、積載移動終了時刻(すなわち次の荷下ろし開始時刻)であるから、一作業サイクルの終了時刻である。作業区間毎に破線85で示す想定寿命消費量が設定されている。この想定寿命消費量と、実線86で示す実寿命消費量を比較することにより、どのような作業区間におけるどの時刻に実寿命消費量の過不足が生じているかを判断することができる。なお、本実施例3では、ダンプトラックの移動区間(空荷移動、積載移動)を一つの作業区間としているが、前述の図6のように、要素動作に細分化しても良い。また、前述の図7のように、位置情報と対応付けて一作業サイクル全体の移動軌跡を表示しても良い。
【0054】
図9は、本実施例3による検出結果の画像表示の他の例を示す。
【0055】
本表示例では、図4の表示例と同様に、枠内において所定パターンを有するバーが実寿命消費量の瞬時値を示す。さらに、本表示例においては、作業区間毎に、累積実寿命消費量と累積想定寿命消費量が表示される。但し、累積想定寿命消費量は横線90によって示される。なお、累積想定寿命消費量の瞬時値を基準として、累積実寿命消費量の瞬時値が正規化されている。
【0056】
枠91,92,93,94内の各バーが、それぞれ、荷下ろし作業の累積実寿命消費量、空荷移動作業の累積実寿命消費量、荷積み作業の累積実寿命消費量、積載移動作業の累積実寿命消費量である。さらに、枠95内のバーは、一作業サイクル全体の累積実寿命消費量を示す。
【0057】
図9の表示例では、一作業サイクル全体の累積実寿命消費量は累積想定寿命消費量よりも大きくなっている。積載移動作業区間以外の作業区間において、累積実寿命消費量は累積想定寿命消費量以下となっているので、積載移動作業において発生している寿命消費要因を探る必要があることが分かる。なお、寿命消費要因は、上述の実施例2により推定することができる。
【0058】
本実施例3によれば、実施例1と同様の効果が得られると共に、対象機器による作業サイクル全体において、実寿命消費量の過不足量が低減されるように運用条件を調整することが可能になり、確実に、使用寿命(償却期間)を満足することができる。
【実施例4】
【0059】
図10は、本発明の実施例4である機器寿命診断装置の構成を示す機能ブロック図である。本実施例4では、実寿命消費量の過不足をもたらす要因を改善するための方策を出力する。
【0060】
以下、主に、実施例2と異なる点について説明する。
【0061】
本実施例4においては、実施例2(図5)における過不足要因推定部50の後段に過不足改善量(方策)推定部100が付加される。さらに、出力部101は、推定された改善量(方策)を出力する機能を有する。
【0062】
過不足改善量(方策)推定部100は、過不足要因推定部50によって推定される過不足要因を改善して実寿命消費量を想定寿命消費量へ近づけるための改善量(方策)を推定する。
【0063】
ここで、改善量(方策)推定部100が、改善量(方策)を推定するために用いるデータについて説明する。なお、本データは、本実施例4の機器寿命診断装置が備える記憶装置(図示せず)に予め記憶される。
【0064】
図11は、改善量(方策)を推定するために用いられるデータの一例を示す。本図11は、ダンプトラックの移動速度が20km/hの場合における、バンプの高さと寿命消費量の関係を示す。前述の図6において寿命が過剰に消費されている領域25については過不足要因として300mm相当バンプ路面が示されている。その時のダンプトラックの移動速度が20km/hであれば、図6における領域25は、図11における点110に対応する。ここで、図11において、想定寿命消費量が点111に対応するとすれば、路面整備によりバンプの高さを150mmまで小さくすることにより、実寿命消費量を想定寿命消費量に近づけることができる。また、前述の図6において寿命消費が不足している領域65については過不足要因として50mm相当バンプ路面が示されている。すなわち、図6における領域65は、図11における点112に対応する。従って、実寿命消費量を想定寿命消費量に近づけるためには、路面のバンプ高さが150mm相当になるまで路面整備を行わなくてもよいことが分かる。
【0065】
このような図11のデータに基づき、過不足改善量(方策)推定部100は、過不足要因推定部50によって推定される過不足要因に応じて、実寿命消費量を想定寿命消費量へ近づけるための改善量(方策)を推定する。そして、出力部101は、改善量(方策)推定部100によって推定される改善量(方策)を、画像表示などの所定の表示形態で出力する。例えば、ダンプトラックの移動速度が20km/hの場合において、過不足要因推定部50が、寿命が過剰に消費されている要因が300mm相当バンプ路面であると推定すると、過不足改善量(方策)推定部100は、改善量(方策)として「バンプの高さを150mm」を推定する。そして、出力部101は、パンプの高さを150mmまでに小さくすることを表示する。なお、出力部101は、図6および図7に示す画像表示において、過不足要因と共に過不足改善量(方策)を表示しても良い。
【0066】
図12は、改善量(方策)を推定するために用いられるデータの他の例を示す。本図12は、300mmバンプ相当の路面におけるダンプトラックの移動速度と寿命消費量の関係を示す。ここで、図12における点120は、図11における点110に対応する。また、図12における点121の寿命消費量は想定寿命消費量に相当する。
【0067】
図12のデータによれば、ダンプトラックが20km/hで走行する時に寿命消費過剰の要因として300mmバンプ相当路面が推定される場合、移動速度を15km/hへ減速すれば実寿命消費量を想定寿命消費量に近づけることができることが分かる。また、ダンプトラックが10km/hで走行する時に寿命消費不足の要因として300mmバンプ相当路面が推定される場合、移動速度を15km/hへ増速すれば実寿命消費量を想定寿命消費量に近づけることができることが分かる。
【0068】
なお、図示していないが、50mmバンプ相当の路面に関する図12と同様のデータにより、図6の領域65における寿命消費不足要因に対する改善量(方策)を推定することができる。例えば、ダンプトラックの移動速度が20km/hであり、寿命消費不足要因として50mmバンプ相当路面が推定される場合、想定寿命消費量が得られる移動速度が40km/hであるとすると、移動速度を40km/hへ増速すれば実寿命消費量を想定寿命消費量に近づけることができる。
【0069】
このような図12のデータに基づき、過不足改善量(方策)推定部100は、過不足要因推定部50によって推定される過不足要因に応じて、実寿命消費量を想定寿命消費量へ近づけるための改善量(方策)を推定する。そして、出力部101は、改善量(方策)推定部100によって推定される改善量(方策)を、画像表示や文字表示などの所定の表示形態で出力する。例えば、ダンプトラックの移動速度が20km/hの時において、過不足要因推定部50が、寿命が過剰に消費されている要因が300mm相当バンプ路面であると推定すると、過不足改善量(方策)推定部100は、改善量(方策)として「移動速度15km/h」を推定する。そして、出力部101は、移動速度を15km/hに減速することを表示する。なお、出力部101は、図6および図7に示す画像表示において、過不足要因と共に過不足改善量(方策)を表示しても良い。
【0070】
上述したように、本実施例4の機器寿命診断装置によれば、実施例1,2と同様の効果が得られると共に、過不足要因に応じて、実寿命消費量を想定寿命消費量へ近づけるための改善量(方策)を推定するので、実寿命消費量の過不足量が低減されるように運用条件を容易に調整することができる。これにより、確実に、使用寿命(償却期間)を満足することができる。
【0071】
なお、図11のデータを用いて推定される改善量(方策)によれば、一定の移動速度すなわち作業効率を維持しながら、寿命消費の過不足を低減することができる。また、図11のデータを用いて推定される改善量(方策)によれば、作業中、ただちに、寿命消費の過不足を低減することができる。なお、図11のようなデータを、移動速度をパラメータとして複数用いても良いし、図12のようなデータを、バンプの高さをパラメータとして、複数用いても良い。また、図11および図12のようなデータを併用しても良い。
【実施例5】
【0072】
図13は、本発明の実施例5である機器寿命診断装置の構成を示す機能ブロック図である。本実施例5においては、機器の使用寿命(償却期間)と、実寿命消費量演算部5で演算される寿命消費の履歴とに基づいて、想定寿命消費量が演算される。
【0073】
以下、主に、実施例2と異なる点について説明する。
【0074】
図13に示す機器寿命診断装置においては、実施例2(図5)における想定寿命消費量設定部4が、使用寿命設定部130、寿命消費履歴蓄積部131および想定寿命消費量演算部132によって構成される。なお、本構成は、他の実施例においても適用できる。
【0075】
使用寿命設定部130は、図示しない記憶装置が記憶する機器の使用寿命(償却期間)を、想定寿命消費量の演算処理において設定する。ここで、使用寿命(償却期間)とは、購入から廃棄までの実時間でも良いし、機器が実際に使用され得る総稼働時間でも良い。
【0076】
寿命消費履歴蓄積部131は、実寿命消費量演算部5によって演算される寿命消費量の時間的履歴を蓄積する。
【0077】
想定寿命消費量演算部132は、使用寿命設定部130によって設定される機器の使用寿命(償却期間)および寿命消費履歴蓄積部131が蓄積する寿命消費量の時間的履歴に基づいて想定寿命消費量を演算し、演算値を比較部6に出力する。
【0078】
次に、想定寿命消費量の演算手段について説明する。
【0079】
図14は、使用寿命(償却期間)および寿命消費履歴に基づいて表される寿命消費率の時間変化を示す。ここで、寿命消費率とは、機器が寿命を迎え破損する時を1として、寿命消費の進行度合いを表す値である。
【0080】
図14において、時点140が現在に相当する。機器の使用開始から現在までの寿命消費率の時間変化は、寿命消費履歴に基づいて、使用開始(図14中の原点)から現在の時点140までの線分(実線)で表される。このような線分で示される寿命消費率を外挿すると、破線で示すように、時点142で値1に到達する。使用寿命は時点141に対応するので、このような外挿結果から、使用寿命前に寿命が消費されてしまうことが予測される。そこで、想定寿命消費量演算部132は、使用寿命まで機器が延命するように想定寿命消費量を演算して設定する。
【0081】
想定寿命消費量演算部132は、寿命消費履歴蓄積部131が蓄積する寿命消費量の時間的履歴に基づいて、現在の時点における寿命消費率を演算する。さらに、想定寿命消費量演算部132は、使用寿命の満了時に寿命消費率が1に到達するように、すなわち現時点における残りの寿命が使用寿命の満了時点で消費されるように、想定寿命消費量を演算する。図14において、想定寿命消費量演算部132が演算する想定寿命消費量は、使用寿命時点141で寿命消費率が1になるとして、現在の時点140から使用寿命時点141までの線分143(実線)の傾きの大きさに対応する。すなわち、想定寿命消費量演算部132によって演算される現在以降において用いる想定寿命消費量の値は、現在までに設定されていた値よりも小さな値となる。これにより、使用寿命まで機器が延命するように機器の運用条件を調整することが可能になる。
【0082】
本実施例5の機器寿命診断装置によれば、実施例1,2と同様の効果が得られると共に、寿命消費履歴を常時あるいは定期的に監視しながら想定寿命消費量を自動調整することができるので、確実に使用寿命付近で機器の寿命が迎えられるように機器の運用条件を調整することが可能になる。
【0083】
なお、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前述した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置き換えをすることが可能である。
【符号の説明】
【0084】
1 ダンプトラック,2 風車,3 回転電機,4 想定寿命消費量設定部,5 実寿命消費量演算部,6 比較部,7 過不足検出部,8 出力部,9 データ収集部,50 過不足要因検出部,51 寿命消費要因推定部,52 出力部,100 過不足改善量(方策)推定部,101 出力部,130 使用寿命設定部,131 寿命消費履歴蓄積部,132 想定寿命消費量演算部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13