(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも1種の請求項1に記載の化合物又はその医薬上許容される塩、その水和物、その溶媒和物、その結晶形塩若しくはその単一ジアステレオマー、並びに医薬上許容される担体を含む医薬組成物。
有効量の請求項1に記載の化合物又はその医薬上許容される塩、並びに対象における増殖障害、癌、腫瘍、炎症性疾患、自己免疫疾患、又は免疫学関連疾患を治療及び/又は予防するための有効量の第二の予防又は治療剤を含む、対象における増殖障害、癌、腫瘍、炎症性疾患、自己免疫疾患又は免疫学関連疾患を治療及び/又は予防するための配合物。
【発明の概要】
【0012】
したがって、本発明の目的は、式(I)で説明されるような置換ピリミジン誘導体を含む抗腫瘍剤、その薬学上許容される製剤、新規化合物及びその化合物を用いる組成物の製造方法を提供することである。式(I)の化合物及び化合物を含む組成物は、さまざまな疾患の治療に有効である。
【0013】
本明細書に記載の併用療法は、式(I)の置換ピリミジン誘導体及び別の医薬製剤としてのその他の治療剤を準備し、続いて、同時に、おおよそ同時に、別々に又は定期的に患者に対してそれを投与ことにより提供することができる。
【0014】
本発明は、様々な疾患、障害及び病態、例えば、癌及び血管障害(例えば、心筋梗塞(MI)、脳卒中、又は虚血)の治療のためのキナーゼ阻害剤のような特定の化学化合物の使用方法を提供する。本発明で説明する化合物は、他の受容体及び非受容体キナーゼの活性を阻害することに加えて、FGFRキナーゼファミリーのメンバーのうち一部又は多くの酵素活性を阻害することができる。このような化合物は、障害が細胞運動性、接着、及び細胞周期進行に影響する疾患、さらに、低酸素状態に関連する疾患、骨粗鬆症、並びに血管透過性の増大、炎症又は呼吸困難、腫瘍増殖、侵入、血管新生、転移及びアポトーシスからもたらされた或いはそれに関連する状態の治療に有利であり得る。
【0017】
を有する化合物又はその医薬上許容される塩に関する。ここで:
Wは、F、Cl、Br、I、CN、C1−C4アルキル、C1−C6アルコキシ、C2−C6アルケニル、CF3、CF2H、CFH2、C2−C6アルキニル、CON(R1)R2から選ばれる。
【0018】
R1及びR2は、水素、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルチオ、アリール、アリールアルキルを示す。
【0019】
Arは、ヘテロアリール又はアリールを示し、それぞれが、独立して:
(1)ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アミド、シアノ、−COOH、−SO
2NH
2、オキソ、ニトロ及びアルコキシカルボニル;及び
(2)NR1
(3)式(Ia):
【0021】
(式中、
R
4は、水素、C
1−C
4アルキル、オキソを示し;
R
3が水素である場合にXがCHであるか;或いはX−R
3がOであるか;或いはXがNであり、R
3が、水素、C
1−C
6アルキル、C
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル、C
3−C
10アリール又はヘテロアリール、(C
3−C
7シクロアルキル)C
1−C
4アルキル、C
1−C
6ハロアルキル、C
1−C
6アルコキシ、C
1−C
6アルキルチオ、C
2−C
6アルカノイル、C
1−C
6アルコキシカルボニル、C
2−C
6アルカノイルオキシ、モノ及びジ(C
3−C
8シクロアルキル)アミノC
0−C
4アルキル、(4〜7員複素環)C
0−C
4アルキル、C
1−C
6アルキルスルホニル、モノ及びジ(C
1−C
6アルキル)スルホンアミド、及びモノ及びジ(C
1−C
6アルキル)アミノカルボニルの基を示し、それぞれが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、−COOH及びオキソから選ばれる0〜4個の置換基で置換されている。)
の基から選ばれる0〜4個の置換基で置換されている。
【0022】
R
5及びR
6は、独立して、水素、F、Cl、Br、CN、C
1−C
4アルキル、C
1−C
6アルコキシから選ばれる。
【0023】
R
7、R
8及びR
9は、独立して、水素、C
1−C
4アルキル、C
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル、C
3−C
10アリール又はヘテロアリール、C
1−C
6アルコキシ、C
1−C
6アルキルチオ、C
2−C
6アルカノイル、C
1−C
6アルコキシカルボニル、C
2−C
6アルカノイルオキシから選ばれる。
【0024】
用語「ハロ」又は「ハロゲン」とは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素をいう。
【0025】
単独又は他の基の一部としての本明細書における用語「アルキル」とは、別段の定めがない限り、1〜12個の炭素原子を含む一価のアルカン(炭化水素)由来の基をいう。アルキル基は、任意の利用可能な結合点で置換されていてもよい。他のアルキル基で置換されたアルキル基は、「分枝アルキル基」とも呼ばれる。代表的なアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、ジメチルペンチル、オクチル、2,2,4−トリメチルペンチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル等が挙げられる。代表的な置換基としては、1以上の以下の基が挙げられるが、これらに限定されない:アルキル、アリール、ハロ(例えば、F、Cl、Br、I)、ハロアルキル(例えば、CCl
3又はCF
3)、アルコキシ、アルキルチオ、ヒドロキシ、カルボキシ(−COOH)、アルキルオキシカルボニル(−C(O)R)、アルキルカルボニルオキシ(−OCOR)、アミノ(−NH
2)、カルバモイル(−NHCOOR−又は−OCONHR−)、尿素(−NHCONHR−)又はチオール(−SH)。本発明のいくつかの好ましい実施形態では、アルキル基は、例えば、アミノ、ヘテロシクロアルキル(例えば、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、アゼチジン)、ヒドロキシル、メトキシ、又はヘテロアリール基(例えば、ピロリジン)で置換されている。
【0026】
単独又は他の基の一部としての本明細書における用語「シクロアルキル」とは、3〜9個、好ましくは3〜7個の炭素原子の完全飽和及び部分的不飽和の炭化水素環をいう。例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシル等が挙げられる。さらに、シクロアルキルは、置換されていてもよい。置換されたシクロアルキルとは、ハロ、アルキル、置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル、ニトロ、シアノ、オキソ(=O)、ヒドロキシ、アルコキシ、チオアルキル、−CO
2H、−C(=O)H、CO
2−アルキル、−C(=O)アルキル、ケト、=N−OH、=N−O−アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロ、−NR’R’’、−C(=O)NR’R’’、−CO
2NR’R’’、−C(=O)NR’R’’、−NR’CO
2R’’、−NR’C(=O)R’’、−SO
2NR’R’’、及び−NR’SO
2R’’(R’及びR’’は、それぞれ独立して、水素、アルキル、置換されたアルキル、及びシクロアルキルから選ばれるか、或いはR’及びR’’が、一緒になって、ヘテロシクロ又はヘテロアリール環を形成する。)からなる群から選ばれる1、2又は3個の置換基を有する上記環をいう。
【0027】
単独又は他の基の一部としての本明細書における用語「アルケニル」とは、2〜12個の炭素原子及び少なくとも1個の炭素炭素二重結合を含む直鎖、分枝鎖又は環式の炭化水素基をいう。このような基の例としては、ビニル、アリル、1−プロぺニル、イソプロぺニル、2−メチル−1−プロぺニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニル、1−ヘプテニル等が挙げられる。また、アルケニル基は、任意の利用可能な結合点で置換されていてもよい。アルケニル基の代表的な置換基としては、上記のアルキル基のものが挙げられ、特に、例えば、アミノ、オキソ、ヒドロキシル等でさらに置換されていてもよいC3〜C7シクロアルキル基(例えば、シクロプロピル、シクロペンチル及びシクロヘキシル)が挙げられる。
【0028】
用語「アルキニル」とは、1個以上の不飽和の炭素-炭素結合を有し、そのうち少なくとも1個が三重結合である直鎖又は分枝鎖アルキン基をいう。アルキニル基としては、2〜8個、2〜6個又は2〜4個の炭素原子をそれぞれ有するC2−C8アルキニル、C
2−C
6アルキニル及びC
2−C
4アルキニル基が挙げられる。アルキニル基の例としては、エテニル、プロぺニル、イソプロぺニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、及びヘキセニルが挙げられる。また、アルキニル基は、任意の利用可能な結合点で置換されていてもよい。アルキニル基の代表的な置換基としては、アミノ、アルキルアミノ等のような上記のアルキル基のものが挙げられる。記号「C」の後の下付きの数字は、特定の基に含まれ得る炭素原子数を定義する。
【0029】
単独又は他の基の一部としての用語「アルコキシ」は、酸素結合(−O−)を介して結合する上記のようなアルキル基を示す。好ましいアルコキシ基は、1〜8個の炭素原子を有する。このような基の例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシ、n−ヘプチルオキシ、n−オクチルオキシ及び2−エチルヘキシルオキシが挙げられる。
【0030】
用語「アルキルチオ」とは、硫黄架橋を介して結合する上記のようなアルキル基をいう。好ましいアルコキシ及びアルキルチオ基は、アルキル基がヘテロ原子の架橋を介して結合するものである。好ましいアルキルチオ基は、1〜8個の炭素原子を有する。このような基の例としては、メチルチオ、エチルチオ、n−プロピチオール、n−ブチルチオール等が挙げられる。
【0031】
本明細書で用いられる用語「オキソ」とは、ケト(C=O)基をいう。非芳香族炭素原子の置換基であるオキソ基は、−CH
2−から−C(=O)−への変換をもたらす。
【0032】
単独又は他の基の一部としての本明細書における用語「アルコキシカルボニル」は、カルボニル基を介して結合するアルコキシ基を示す。アルコキシカルボニル基は、式:−C(O)OR(式中、R基は、直鎖又は分枝鎖のC
1−C
6アルキル基、シクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールである。)で表される。
【0033】
単独又は他の基の一部としての本明細書における用語「アリールアルキル」は、上記のようなアルキル基を介して結合する芳香環(例えばベンジル)を示す。
【0034】
単独又は他の基の一部としての本明細書における用語「アリール」とは、単環式芳香環又は二環状芳香環、例えば、フェニル、置換されたフェニル等、並びに縮合基、例えば、ナフチル、フェナントレニル等を言う。したがって、アリール基は、その中に最大20個の原子を含み、隣接した炭素原子又は適切なヘテロ原子の間に交互(共鳴)二重結合を有し、少なくとも6個の原子を有する少なくとも1個の環を含み、そのような環は最大5個存在する。アリール基は、ハロゲン(例えば、I、Br、F、又はCl);アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル)、アルコキシ(例えば、メトキシ又はエトキシ)、ヒドロキシ、カルボキシ、カルバモイル、アルキルオキシカルボニル、ニトロ、アルケニルオキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シアノ、アルキルS(O)m(m=0、1、2)、又はチオール(これらに限定されない)を含む1個以上の基で置換されていてもよい。
【0035】
用語「芳香族」とは、ケクレ構造のような仮説上の局在化構造のものよりも有意に高い非局在化による安定性を有する周期的に共役した分子実体をいう。
【0036】
単独又は他の基の一部としての本明細書における用語「アミノ」とは−NH
2をいう。「アミノ」は、同一であってもよく又は異なっていてもよい、アルキル、アリール、アリールアルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、チオアルキル、カルボニル又はカルボキシルのような1又は2個の置換基で置換されていてもよい。これらの置換基は、カルボン酸、本明細書に記載のアルキル又はアリール置換基の何れかでさらに置換されていてもよい。いくつかの実施形態では、アミノ基は、カルボキシル又はカルボニルで置換されて、N−アシル又はN−カルバモイル誘導体を形成する。
【0037】
用語「アルキルスルホニル」とは、硫黄原子が結合点である式(SO
2)−アルキル基をいう。好ましくは、アルキルスルホニル基としては、1〜6個の炭素原子を有するC
1−C
6アルキルスルホニル基が挙げられる。メチルスルホニルは、代表的なアルキルスルホニル基の1つである。
【0038】
用語「ヘテロ原子」とは、炭素以外の任意の原子、例えば、N、O、又はSをいう。
【0039】
単独又は他の基の一部としての本明細書における用語「ヘテロアリール」とは、環の少なくとも1つにおいて少なくとも1個のヘテロ原子(O、S又はN)を有する置換及び無置換の芳香族の5又は6員単環基、9又は10員二環基、及び11〜14員三環基をいう。ヘテロ原子を含むヘテロアリール基の各環は、1又は2個の酸素又は硫黄原子及び/又は1〜4個の窒素原子を含み得る。ただし、各環のヘテロ原子の総数が4以下であり且つ各環は少なくとも1個の炭素原子を有する。
【0040】
単独又は他の基の一部としての本明細書における用語「複素環」又は「ヘテロシクロアルキル」とは、環中の炭素原子の1つがO、S又はNから選ばれるヘテロ原子により置き換えられたシクロアルキル基(非芳香族)をいう。「複素環」は、1〜3個の縮合環、ペンダント環又はスピロ環を有し、その少なくとも1つが複素環である(即ち、1個以上の環原子がヘテロ原子であり、残りの環原子が炭素である。)。複素環は、置換されていてもよい。それは、複素環が、独立して、アルキル(好ましくは低級アルキル)、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、アルコキシ(好ましくは低級アルコキシ)、ニトロ、モノアルキルアミノ(好ましくは低級アルキルアミノ)、ジアルキルアミノ(好ましくはアルキルアミノ)、シアノ、ハロ、ハロアルキル(好ましくはトリフルオロメチル)、アルカノイル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルアミド(好ましくは低級アルキルアミド)、アルコキシアルキル(好ましくは低級アルコキシ;低級アルキル)、アルコキシカルボニル(好ましくは低級アルコキシカルボニル)、アルキルカルボニルオキシ(好ましくは低級アルキルカルボニルオキシ)及びアリール(好ましくはフェニル)(上記アリールは、ハロ、低級アルキル及び低級アルコキシ基で置換されていてもよい。)から選ばれる1個以上の基によって1以上の置換可能な環の位置で置換されていてもよいことを意味する。複素環基は、安定な化合物をもたらす限り一般的に任意の環又は置換基原子を介して結合し得る。N結合複素環基は、窒素原子成分を介して結合する。
【0041】
通常、複素環は、1〜4個のヘテロ原子を含み;ある実施形態では、各複素環は1つの環あたり1又は2個のヘテロ原子を有する。各複素環は、一般的に、炭素原子からなり且つ窒素、酸素及び/又は硫黄から選ばれる1、2又は3個のヘテロ原子を含む、3〜8個の環員を含み(ある実施形態では7個の環員を有する環が挙げられる)、縮合環、ペンダント環又はスピロ環を含む複素環は、通常9〜14個の環員を含む。
【0042】
「複素環」又は「ヘテロシクロアルキル基」の例としては、ピペラジン、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、ピロリジン、イミダゾリジン及びチアゾリドが挙げられる。
【0043】
本明細書で用いられる用語「置換基」とは、興味のある分子中の原子に共有結合した分子部分をいう。例えば、「環の置換基」は、環員の原子(好ましくは炭素又は窒素原子)に共有結合したハロゲン、アルキル基、ハロアルキル基又は本明細書に記載のその他の基のような部分であり得る。
【0044】
用語「置換されていてもよい」は、アリール又はヘテロシクリル又はその他の基が、独立して、アルキル(好ましくは低級アルキル)、アルコキシ(好ましくは低級アルコキシ)、ニトロ、モノアルキルアミノ(好ましくは1ないし6個の炭素を有するもの)、ジアルキルアミノ(好ましくは1ないし6個の炭素を有するもの)、シアノ、ハロ、ハロアルキル(好ましくはトリフルオロメチル)、アルカノイル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルアミド(好ましくは低級アルキルアミド)、アルコキシアルキル(好ましくは低級アルコキシ及び低級アルキル)、アルコキシカルボニル(好ましくは低級アルコキシカルボニル)、アルキルカルボニルオキシ(好ましくは低級アルキルカルボニルオキシ)及びアリール(好ましくはフェニル)(上記アリールは、ハロ、低級アルキル及び低級アルコキシ基で置換されていてもよい。)から選ばれる1個以上の基によって1以上の置換可能な位置で置換されていてもよいことを意味する。また、任意の置換は、成句「0〜X個の置換基で置換された(ここで、Xは、可能な置換基の最大数である。)」で示される。置換されていてもよい特定の基は、独立して選択された0〜2、3又は4個の置換基で置換されている。
【0045】
2つの文字又は記号の間にないダッシュ(「−」)は、置換基の結合点を示すために用いられる。例えば、−CONH
2は、炭素原子を介して結合する。
【0046】
ヘテロ環の内部に位置する破線のサイクルは、共役系を示すために用いられる。2原子間の結合は、単結合又は二重結合であり得る。用語「キナーゼ」とは、リン酸基のタンパク質残基への付加を触媒する任意の酵素をいう。例えば、セリン及びトレオニンキナーゼは、リン酸基のセリン及びトレオニン残基への付加を触媒する。
【0047】
用語「治療有効量」とは、研究員、獣医師、医師又はその他の臨床医によって求められた組織、系、動物又はヒトの生物学的又は医学的反応(例えば、血管動態(vasculostasis)の回復又は維持、又は損傷又は損失又は血管動態の予防;腫瘍量の低減;罹患率及び/又は死亡率の低減)を引き起こし得る化合物又は医薬組成物の量をいう。
【0048】
用語「医薬上許容される」とは、担体、希釈剤又は賦形剤が、製剤の他の成分に適合し、その受容者に無害である事実をいう。
【0049】
用語「化合物の投与」又は「化合物を投与すること」とは、治療を必要とする対象に本発明の化合物又は医薬組成物を提供する行為をいう。
【0050】
用語「保護された」とは、基が、保護部位での望ましくない副反応を妨げるための修飾した形態であることをいう。本発明の化合物に適した保護基は、当該技術分野の技術水準を考慮して及び「Greene, T. W. et al., Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley & Sons, New York (1999)」のような標準的なテキストを参照して本願から認識されるだろう。
【0051】
本明細書に記載の化合物の用語「医薬上許容される塩」は、過剰な毒性又は発癌性を伴わない、好ましくは、炎症、アレルギー反応又はその他の問題或いは合併症を伴わないヒト又は動物の組織に接触させて用いるのに適している酸又は塩基の塩である。このような塩としては、塩基性残基(例えばアミン)及びアルカリの無機及び有機酸塩、又は酸性残基(例えばカルボン酸)の有機塩が挙げられる。具体的な薬剤の塩としては、塩酸、リン酸、臭化水素酸、リンゴ酸、グリコール酸、フマル酸、硫酸、スルファミン酸、スルファニル酸、ギ酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、エタンジスルホン酸、2−ヒドロキシエチルスルホン酸、硝酸、安息香酸、2−アセトキシ安息香酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、ステアリン酸、サリチル酸、グルタミン酸、アスコルビン酸、パモ酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、プロピオン酸、ヒドロキシマレイン酸、ヨウ化水素酸、フェニル酢酸、アルカン酸(例えば、酢酸、HOOC−(CH
2)n−COOH(式中、nは0〜4である。))等のような酸の塩が挙げられるが、これらに限定されない。同様に、医薬上許容されるカチオンとしては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アルミニウム、リチウム及びアンモニウムが挙げられるが、これらに限定されない。当業者は、本明細書で提供される化合物のためのさらなる医薬上許容される塩を認識するであろう。一般的に、医薬上許容される酸又は塩基の塩は、任意の従来の化学的手法により、塩基性又は酸性の部分を含む親化合物から合成することができる。このような塩は、簡単に、水又は有機溶媒又はそれらの2つの混合液中で、化学量論量の適切な塩基又は酸と遊離酸又は塩基の形態のこれらの化合物を反応させることにより、調製することができる。一般的に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール又はアセトニトリルのような非水性溶媒を用いることが好ましい。式Iの各化合物は、水和物、溶媒和物又は非共有結合性複合体として処方することができるが、必ずしもそうである必要がないことは明らかであろう。さらに、様々な結晶形及び多形体が、本発明の範囲内である。また、本明細書では、式Iの化合物のプロドラッグも提供される。
【0052】
式(I)の好ましいW基は、F、Cl、Br、CN、CF
3、CF
2H、CFH
2、CH
3、OCH
3、NH
2及び以下に列挙したものである:
【0054】
式(I)の好ましい置換インドール基は、以下に列挙したものである:
【0057】
式(I)の好ましいAr基は、以下の通りである:
【0060】
具体的な本発明の化合物は、例えば、以下に定義の化合物である:
【0085】
他の実施形態では、本発明の化合物の調製方法を提供する。本発明の化合物は、一般的に、「5」位に様々な置換基を有する4,6−ジクロロ−ピリミジンを用いて調製することができる。化合物(I)は、様々な立体異性体、幾何異性体、互変異性体等を含み得る。全ての可能な異性体及びそれらの混合物が本発明に含まれ、混合比は特に限定されない。
【0086】
本発明の式(I)のピリミジン誘導体化合物は、確立されたプロトコルを用いて市販の前駆物質から合成することができる。例として、合成有機化学の分野で周知の合成方法、又は当業者に理解されるその変法と共に、以下のスキームの何れかで示されるものと同様の合成経路が用いられ得る。以下のスキームの各変数は、本明細書で提供される化合物の説明に一致する任意の基を指す。
【0087】
以下のスキームでは、用語「還元」とは、ニトロ官能基からアミノ官能基への還元プロセス、或いはエステル官能基からアルコールへの変換プロセスをいう。ニトロ基の還元は、接触水素化、SnCI2による還元及び二塩化チタンによる還元(これらに限定されない)を含む有機合成の当業者によく知られた多くの方法で行うことができる。以下のスキームでは、用語「加水分解」とは、基質又は反応物質と水の反応をいう。より具体的に、「加水分解する」とは、エステル又はニトライト官能基からカルボン酸への変換をいう。このプロセスは、有機合成の当業者によく知られているさまざまな酸又は塩基により触媒され得る。
【0088】
式(I)の化合物は、既知の化学反応及び手順を用いて調製することができる。以下の一般的な調製方法は、阻害剤の合成する際に当業者を助けるために示されるものであり、より詳細な例は、実施例を説明する実験項に示される。
【0089】
式(III)で定義されるプロぺニル−ピラゾールアミンは、市販されていない。それは、先行開示されたいくつかの方法により調製することができる(例えば米国仮出願第61/555,738号を参照)。
【0091】
式(III)で定義される置換インドール−5−オールの前駆物質は、供給業者から購入するか、或いは確立されたプロトコルを用いて市販の前駆物質から合成することができる(WO2004/009542,P33−38;Journal of Medicinal Chemistry,2006,Vol49,No.7,P2143−2146;Org.Lett.Vol10,No12,2008,P2369−2372;WO00/47212,P245−250;WO2009036055A1,P57)。
【0092】
特に、式(IIIa)で定義される前駆物質47−ジフルオロインドール−5−オールはこれまで報告されておらず、先行開示されたいくつかの方法により調製することができる(WO2014145403A1)。
【0094】
式(IV)で定義される前駆物質の5−置換4,6−ジクロロ−ピリミジンは、供給業者から購入することができる。特に、式(IVa)で定義される前駆物質は、確立されたプロトコルを用いて市販の前駆物質から合成することができる(PCT Int.Appl.,2010141406,2010年12月9日,Compound310F)。
【0096】
一般的に、前駆物質のArNH
2は、供給業者から購入することができる。式(V)で定義される前駆物質のArNH
2は、供給業者から購入するか、或いは確立されたプロトコルを用いて市販の前駆物質から合成することができる(J.Med.Chem.2010,53,7938−7957,特に,P7949)。
【0098】
本発明の式(I)の化合物の調製は、スキーム1に記載の方法で行うことができる。
【0100】
スキーム1に示すように、ピリミジン誘導体(I)は、5−置換4,6−ジクロロピリミジンと一群の置換インドール−5−オールを反応させて、モノクロロピリミジン中間体の化合物bを得、それをArNH
2と反応させて、最終化合物(I)を製造することにより合成可能である。反応は段階的であってもワンポットであってもよい。また、別の方法を用いてピリミジン誘導体を製造することもできる。
【0102】
スキーム2で示すように、(I−b)で定義される最終化合物は、対応する前駆物質(Wが「CN」)から合成することができる。
【0104】
反応は、好ましくは、不活性溶媒の存在下で行われる。用いられる溶媒の性質は、反応又は関連する試薬に悪影響を及ぼさず、試薬を少なくともある程度溶解することができる限り、特に限定されない。適切な溶媒としては、例えば、脂肪族炭化水素(例えば、ヘキサン、ヘプタン、リグロイン及び石油エーテル);芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエン及びキシレン);ハロゲン化炭化水素、特に芳香族及び脂肪族炭化水素(例えば、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼン及びジクロロベンゼン);エステル(例えば、ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル及び炭酸ジエチル);エーテル(例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン及びジエチレングリコールジメチルエーテル);ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、イソホロン及びシクロヘキサノン);ニトロ化合物(ニトロアルカン又はニトロアレーンであり得る)(例えば、ニトロエタン及びニトロベンゼン);ニトリル(例えば、アセトニトリル及びイソブチロニトリル);アミド(脂肪酸アミドであり得る)(例えば、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド及びヘキサメチルリン酸トリアミド);及びスルホキシド(例えば、ジメチルスルホキシド及びスルホラン)が挙げられる。
【0105】
反応は広範囲の温度にわたって行うことができ、正確な反応温度は本発明には重要ではない。我々は、一般的に、−50℃〜100℃の温度で反応を行うことが好都合であることを見出した。
【0106】
本発明は、1以上の活性剤及び薬学上許容される担体の製剤である物質の組成物を提供する。この点において、本発明は、式Iの化合物又はその医薬上許容される塩を含み得る、哺乳動物の対象に投与するための組成物を提供する。
【0107】
本発明の化合物の医薬上許容される塩としては、医薬上許容される無機及び有機の酸及び塩基に由来するものが挙げられる。適切な酸の塩としては、例えば、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、グリコール酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、パルモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩及びウンデカン酸塩が挙げられる。それ自体医薬上許容されない他の酸(例えば、シュウ酸)を、本発明の化合物及びそれらの医薬上許容される酸付加塩を得る場合の中間体として有用な塩の調製に用いてもよい。
【0108】
適切な塩基に由来する塩には、アルカリ金属(例えばナトリウム及びカリウム)、アルカリ土類金属(例えばマグネシウム)、アンモニウム及びN+(C1−4アルキル)4塩が含まれる。また、本発明は、本明細書に開示の化合物の任意の塩基性含窒素基の四級化も想定している。水溶性又は油溶性又は分散性の生成物は、このような四級化により得られ得る。
【0109】
本発明の組成物は、経口的に、非経口的に、吸入スプレーにより、局所的に、経直腸的に、経鼻的に、口腔に、経膣的に又は移植したリザーバーを介して投与することができる。本明細書で用いられる用語「非経口」には、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、腱滑液鞘内、腸内、髄腔内、肝内、病巣内及び頭蓋内への注射技術又は注入技術が含まれる。好ましくは、組成物は、経口的、腹腔内又は静脈内に投与される。
【0110】
医薬上許容される本発明の組成物は、経口的に許容される任意の剤形(カプセル剤、錠剤、トローチ剤、エリキシル剤、懸濁剤、シロップ剤、ウエハ剤、チューインガム剤、水性懸濁剤又は液剤が挙げられるが、これらに限定されない)で経口投与することができる。
【0111】
経口組成物は、結合剤(例えば、微結晶セルロース、トラガカントガム又はゼラチン);賦形剤(例えば、デンプン又はラクトース);崩壊剤(例えば、アルギン酸、トウモロコシデンプン等);滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム);流動促進剤(例えば、コロイド状二酸化ケイ素);及び甘味剤(例えば、スクロース又はサッカリン)又は香味剤(例えば、ペパーミント、サリチル酸メチル、又はオレンジフレーバー)のような追加の成分を含んでいてもよい。単位用量形態がカプセルである場合、さらに液体担体(例えば脂肪油)を含んでいてもよい。他の単位用量形態は、単位用量の物理形態を変化させる例えば被覆剤のような他の様々な物質を含んでいてもよい。したがって、錠剤又は丸剤は、糖、セラック、又はその他の腸溶性コーティング剤で被覆されていてもよい。シロップ剤は、活性成分に加えて、スクロース(甘味剤として)及び特定の保存剤、色素剤及び着色剤及び香味剤を含んでいてもよい。これらの様々な組成物を調製するのに用いられる物質は、医学的又は獣医学的に純粋なものであって、使用量で無毒なものであるべきである。
【0112】
非経口治療投与目的のため、活性成分を溶液又は懸濁液に含めてもよい。また、溶液又は懸濁液は、以下の成分:滅菌希釈剤(例えば、注射用水、食塩水溶液、不揮発性油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール又はその他の合成溶媒);抗菌剤(例えば、ベンジルアルコール又はメチルパラベン);酸化防止剤(例えば、アスコルビン酸又は亜硫酸水素ナトリウム);キレート剤(例えば、エチレンジアミン四酢酸);緩衝剤(例えば、酢酸塩、クエン酸塩又はリン酸塩)及び浸透圧調節剤(例えば、塩化ナトリウム又はデキストロース)を含んでいてもよい。非経口製剤は、ガラス製又はプラスチック製のアンプル、使い捨てのシリンジ又は多回投与量のバイアルに封入することができる。
【0113】
注射用途に適した医薬形態は、滅菌液剤、分散剤、乳剤、及び滅菌散剤を含む。最終形態は、製造及び保存条件下で安定しているべきである。さらに、最終的な医薬形態は、汚染に対して保護されているべきである。したがって、微生物(例えば細菌類又は菌類)の増殖を阻害できなければならない。単回の静脈内又は腹腔内投与量が、投与され得る。別の形態では、長期間徐々に注入したり、短期間毎日複数回注入したりして用いてもよく、通常1〜8日間継続する。また、隔日投与又は数日に1回投与して利用され得る。
【0114】
滅菌注射用液剤は、1以上の適切な溶媒に必要量の化合物を含めることにより調製することができ、上記の又は当業者に公知の他の成分を必要に応じて加えてもよい。滅菌注射用液剤は、必要に応じて様々な他の成分と共に適切な溶媒に必要量の化合物を含めることにより調製することができる。次いで、滅菌処理(例えばろ過)を行ってもよい。通常、分散剤は、分散媒及び必要な上記の他の成分を含む滅菌ビヒクルに化合物を含ませることにより調製される。滅菌散剤の場合、好ましい方法には、真空乾燥又は凍結乾燥が含まれ、任意の必要な成分を加える。
【0115】
適切な医薬担体としては、滅菌水;食塩水、デキストロース;水又は食塩水中のデキストロース;ひまし油1モルあたり約30〜約35モルのエチレンオキシドを合わせたひまし油及びエチレンオキシドの縮合生成物;液体の酸;低級アルカノール;トウモロコシ油のような油;脂肪酸のモノ又はジグリセリド又はリン脂質(例えばレシチン等)のような乳化剤を伴うピーナッツ油、ゴマ油等;グリコール;ポリアルキレングリコール;懸濁化剤(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム)の存在下での水性媒体;アルギン酸ナトリウム;ポリ(ビニルピロリドン)等(単独又は適切な分散剤(例えばレシチン;ステアリン酸ポリオキシエチレン等)を伴う)が挙げられる。また、担体は、浸透促進剤と共に、保存剤、安定化剤、湿潤剤、乳化剤等のようなアジュバントを含んでいてもよい。述べたように、全ての場合において、最終形態は滅菌されていなければならず、また、中空針のような注射デバイスを容易に通過できなければならない。溶媒又は賦形剤を適切に選択することにより、適切な粘性を達成し且つ維持することができる。さらに、レシチンのような分子又は微粒子コーティング剤の使用、分散剤中の粒径の適切な選択、又は界面活性剤の性質を伴う物質の使用が利用されていもよい。
【0116】
本発明によれば、ピリミジン誘導体を含む組成物及びナノ粒子の形態でのピリミジン誘導体のインビボにおける送達に有用な方法が提供され、前記の投与経路の何れにも適する。
【0117】
米国特許第5,916,596号、第6,506,405号及び第6,537,579号では、アルブミンのような生体適合性ポリマーからのナノ粒子の調製法が開示されている。したがって、本発明によれば、溶媒エバポレーション技術により、高剪断力(例えば、超音波処理、高圧均質化等)の条件下で調製された水中油エマルジョンから本発明のナノ粒子を形成する方法が提供される。
【0118】
別の形態では、本発明の医薬上許容される組成物は、直腸投与用の坐剤の形態で投与してもよい。室温で固体であるが直腸の温度で液体となることにより直腸で溶解して薬剤を放出する適切な非刺激性賦形剤と薬剤を混合することよってこれらを調製することができる。このような物質としては、カカオバター、蜜蝋及びポリエチレングリコールが挙げられる。
【0119】
本発明の医薬上許容される組成物を局所投与してもよい(特に治療標的が局所適用により容易に到達可能な領域又は臓器を含む場合)(眼、皮膚又は下部腸管の疾患を含む)。適切な局所製剤は、これらの各領域又は臓器のために容易に調製される。
【0120】
下部腸管のための局所適用は、直腸坐剤製剤(上記参照)又は適切な浣腸製剤で達成することができる。また、局所経皮貼布剤を使用してもよい。
【0121】
局所適用のために、医薬上許容される組成物を、1以上の担体中に懸濁又は溶解した活性成分を含有する適切な軟膏に製剤化してもよい。本発明の化合物の局所投与のための担体としては、鉱油、流動ワセリン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化蝋及び水が挙げられるが、これらに限定されない。別の形態では、医薬上許容される組成物は、1以上の医薬上許容される担体に懸濁又は溶解した活性成分を含む適切なローション剤又はクリーム剤に製剤化することができる。適切な担体としては、鉱油、モノステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコール及び水が挙げられるが、これらに限定されない。
【0122】
眼科用途のために、医薬上許容される組成物を、塩化ベンジルアルコニウムのような保存剤を伴って或いは伴わずに、等張pH調整滅菌生理食塩水中の微粉化懸濁剤として製剤化してもよく、或いは好ましくは、等張pH調整滅菌生理食塩水中の液剤として製剤化してもよい。別の形態では、眼科用途のために、医薬上許容される組成物を、ワセリンのような軟膏に製剤化してもよい。
【0123】
また、本発明の医薬上許容される組成物は、経鼻エアロゾル又は吸入により投与してもよい。このような組成物は、医薬製剤分野で周知の技術に従って調製され、ベンジルアルコール又はその他の適切な保存剤、生物学的利用能を高める吸収促進剤、フルオロ炭素、及び/又はその他の従来の可溶化剤又は分散剤を用いて食塩水中の液剤として調製してもよい。
【0124】
最も好ましくは、本発明の医薬上許容される組成物は、経口投与のために製剤化される。
【0125】
本発明によれば、本発明の化合物は、癌のような細胞増殖又は過剰増殖に関連する疾患の治療に用いることができる。このような癌としては、鼻腔、副鼻腔、鼻咽頭、口腔、中咽頭、喉頭、下咽頭、口腔腺の腫瘍、及び傍神経節腫が挙げられるが、これらに限定されない。また、本発明の化合物は、肝臓癌及び胆樹癌(特に肝細胞癌)、腸癌、特に大腸癌、卵巣癌、小細胞肺癌及び非小細胞肺癌、乳癌、肉腫(線維肉腫、悪性繊維状組織球腫、胎児性横紋筋肉腫、平滑筋肉腫、神経線維肉腫、骨肉腫、滑膜肉腫、脂肪肉腫、及び胞巣状軟部肉腫を含む)、中枢神経系新生物(特に脳癌)、及びリンパ腫(ホジキンリンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫、濾胞性リンパ腫、粘膜関連リンパ組織リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、B系大細胞型リンパ腫、バーキットリンパ腫、及びT細胞未分化大細胞型リンパ腫を含む)の治療に用いてもよい。
【0126】
また、本発明の化合物及び方法は、単独で又はその他の薬剤(例えば、以下に記載の化学療法剤又はタンパク質治療剤)と組み合わせて投与する場合、さまざまな障害の治療に有用である。当該障害としては、例えば:脳卒中、心血管疾患、心筋梗塞、うっ血性心不全、心筋症、心筋炎、虚血性心疾患、冠状動脈疾患、心原性ショック、血管ショック、肺高血圧症、肺水腫(心原性肺水腫を含む)、胸水、関節リウマチ、糖尿病性網膜症、網膜色素変性症、及び糖尿病性網膜症及び未熟児網膜症を含む網膜症、炎症性疾患、再狭窄、喘息、急性又は成人性呼吸窮迫症候群(ARDS)、狼瘡、血管漏出、虚血性又は再潅流傷害(例えば、臓器移植、移植耐性誘導の間で起こる虚血性又は再潅流傷害)からの保護;血管形成術後の虚血性又は再潅流傷害;関節炎(例えば、関節リウマチ、乾癬性関節炎又は骨関節炎);多発性硬化症;潰瘍性大腸炎及びクローン病を含む炎症性腸疾患;狼瘡(全身性エリテマトーデス(systemic lupus crythematosis));移植片対宿主病;接触過敏症、遅延型過敏症、及びグルテン過敏性腸症(セリアック病)を含むT細胞介在性過敏性疾患;1型糖尿病;乾癬;接触性皮膚炎(ツタウルシによるものを含む);橋本甲状腺炎;シェーグレン症候群;グレイブス病のような自己免疫性甲状腺機能亢進症;アジソン病(副腎の自己免疫疾患);多腺性自己免疫疾患(多腺性自己免疫症候群としても知られる);自己免疫性脱毛症;悪性貧血;白斑;自己免疫性下垂体機能低下症;ギランバレー症候群;その他の自己免疫疾患;キナーゼ(例えばSrcファミリーキナーゼ)が活性化又は過剰発現したものを含む癌(例えば、結腸癌及び胸腺腫)、又はキナーゼ活性が腫瘍増殖又は生存を促進する癌;糸球体腎炎、血清病;蕁麻疹;呼吸器アレルギー(喘息、花粉症、アレルギー性鼻炎)又は皮膚アレルギーのようなアレルギー性疾患;菌状息肉腫;急性炎症反応(例えば急性又は成人性呼吸窮迫症候群及び虚血再潅流傷害);皮膚筋炎;円形脱毛症;慢性光線過敏性皮膚炎;湿疹;ベーチェット病;掌蹠膿疱症(Pustulosis palmoplanteris);壊疽性膿皮症(Pyoderma gangrenum);セザリー症候群;アトピー性皮膚炎;全身性硬化症;斑状強皮症;末梢虚血肢及び虚血性手足病;骨粗鬆症、骨軟化症、副甲状腺機能亢進症、ページェット病、及び腎性骨形成異常症のような骨疾患;化学療法剤又は免疫調節剤(例えばIL−2)により誘導される血管漏出症候群を含む血管漏出症候群;脊髄及び脳損傷又は心的外傷;緑内障;黄斑変性症を含む網膜疾患;網膜硝子体疾患;膵炎;血管炎、川崎病、閉塞性血栓血管炎、ヴェグナー肉芽腫症、及びベーチェット病を含む血管炎(vasculatides);強皮症;子癇前症;地中海貧血症;カポジ肉腫;フォンヒッペル・リンダウ病等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0127】
本発明によれば、本発明の化合物は、望ましくない細胞増殖又は過剰増殖に関連する疾患の治療であって、上記疾患又は状態に罹患した哺乳動物を特定して、上記の罹患した哺乳動物に式1の化合物を含む組成物を投与することを含み、上記疾患又は状態がキナーゼに関連する治療に用いることができる。
【0128】
また、本発明は、上記の疾患及び状態に罹患した哺乳動物の治療方法を提供する。単回投与形態の組成物を製造するために担体材料と組み合わせることができる本発明の化合物の量は、治療受容者、特定の投与様式に依存し得る。好ましくは、0.01〜100mg/kg体重/日の用量の阻害剤をこれらの組成物の受容患者に投与できるように組成物を製剤化すべきである。
【0129】
ある形態では、本発明の化合物は、化学療法剤、抗炎症剤、抗ヒスタミン剤、化学療法剤、免疫調節剤、治療抗体剤又はプロテインキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤)と組み合わせてその治療を必要とする対象に投与される。
【0130】
方法には、罹患した哺乳動物に1以上の本発明の化合物を投与することが含まれる。方法には、アルキル化剤、腫瘍壊死因子、インターカレーター、マイクロチューブリン阻害剤及びトポイソメラーゼ阻害剤を含む細胞毒性薬のような第二の活性剤の投与がさらに含まれていてもよい。第二の活性剤は、同一の組成物として或いは別の組成物として同時投与してもよい。好適な第二の活性剤としては、例えば、アシビシン;アクラルビシン;塩酸アコダゾール;AcrQnine;アドゼレシン;アルデスロイキン;アルトレタミン;アンボマイシン;酢酸アメタントロン;アミノグルテチミド;アムサクリン;アナストロゾール;アントラマイシン;アスパラギナーゼ;アスペルリン;アザシチジン;アゼテパ;アゾトマイシン;バチマスタット;ベンゾデパ;ビカルタミド;塩酸ビサントレン;ジメシル酸ビスナフィド;ビゼレシン;硫酸ブレオマイシン;ブレキナルナトリウム;ブロピリミン;ブスルファン;カクチノマイシン;カルステロン;カラセミド;カルベチマー;カルボプラチン;カルムスチン;塩酸カルビシン;カルゼレシン;セデフィンゴール;クロランブシル;シロレマイシン;シスプラチン;クラドリビン;メシル酸クリスナトール;シクロホスファミド;シタラビン;ダカルバジン;ダクチノマイシン;塩酸ダウノルビシン;デシタビン;デキソルマプラチン;デザグアニン;メシル酸デザグアニン;ジアジクオン;ドセタキセル;ドキソルビシン;塩酸ドキソルビシン;ドロロキシフェン;クエン酸ドロロキシフェン;プロピオン酸ドロモスタノロン;ズアゾマイシン;エダトレキサート;塩酸エフロルニチン;エルサミトルシン;エンロプラチン;エンプロマート;エピプロピジン;塩酸エピルビシン;エルブロゾール;塩酸エソルビシン;エストラムスチン;リン酸エストラムスチンナトリウム;エタニダゾール;エチオダイズドオイル131;エトポシド;リン酸エトポシド;エトプリン;塩酸ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フロクスウリジン;リン酸フルダラビン;フルオロウラシル;フルロシタビン;ホスキドン;フォストリエシンナトリウム;ゲムシタビン;塩酸ゲムシタビン;金Au198;ヒドロキシウレア;塩酸イダルビシン;イホスファミド;イルモホシン;インターフェロンα−2a;インターフェロンα−2b;インターフェロンα−n1;インターフェロンα−n3;インターフェロンβ−□a;インターフェロンγ−Ib;イプロプラチン;塩酸イリノテカン;酢酸ランレオチド;レトロゾール;酢酸ロイプロリド;塩酸リアロゾール;ロメトレキソールナトリウム;ロムスチン;塩酸ロソキサントロン;マソプロコール;メイタンシン;塩酸メクロレタミン;酢酸メゲストロール;酢酸メレンゲストロール;メルファラン;メノガリル;メルカプトプリン;メトトレキサート;メトトレキサートナトリウム;メトプリン;メツレデパ;ミチンドミド;ミトカルシン;ミトクロミン;ミトギリン;ミトマルシン;マイトマイシン;ミトスペル;ミトタン;塩酸ミトキサントロン;ミコフェノール酸;ノコダゾール;ノガラマイシン;オルマプラチン;オキシスラン;パクリタキセル;ペグアスパラガーゼ;ペリオマイシン;ペンタムスチン;硫酸ペプロマイシン;ペルホスファミド;ピポブロマン;ピポスルファン;塩酸ピロキサントロン;プリカマイシン;プロメスタン;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニマスチン;塩酸プロカルバジン;ピューロマイシン;塩酸ピューロマイシン;ピラゾフリン;リボプリン;ログレチミド;サフィンゴール;塩酸サフィンゴール;セムスチン;シムトラゼン;スパルホサートナトリウム;スパルソマイシン;塩酸スピロゲルマニウム;スピロムスチン;スピロプラチン;ストレプトニグリン;ストレプトゾシン;塩化ストロンチウムSr89;スロフェヌル;タリソマイシン;タキサン;タキソイド;テコガランナトリウム;テガフール;塩酸テロキサントロン;テモポルフィン;テニポシド;テロキシロン;テストラクトン;チアミプリン;チオグアニン;チオテパ;チアゾフリン;チラパザミン;塩酸トポテカン;クエン酸トレミフェン;酢酸トレストロン;リン酸トリシリビン;トリメトレキサート;グルクロン酸トリメトレキサート;トリプトレリン;塩酸ツブロゾール;ウラシルマスタード;ウレデパ;バプレオチド;ベルテポルフィン;硫酸ビンブラスチン;硫酸ビンクリスチン;ビンデシン;硫酸ビンデシン;硫酸ビネピジン;硫酸ビングリシナート;硫酸ビンロイロシン;酒石酸ビノレルビン;硫酸ビンロシジン;硫酸ビンゾリジン;ボロゾール;ゼニプラチン;ジノスタチン;及び塩酸ゾルビシンのような細胞毒性薬が挙げられるが、これらに限定されない。
【0131】
本発明によれば、心疾患、脳卒中及び神経変性疾患のような非腫瘍性障害の治療において高選択的活性を達成するために、他の薬剤と組み合わせて準細胞毒性水準で化合物及び組成物を用いてもよい(Whitesell et al.,Curr Cancer Drug Targets(2003),3(5),349−58)。
【0132】
本発明の化合物と組み合わせて投与することができる代表的な治療剤としては、ゲフィチニブ、エルロチニブ、及びセツキシマブのようなEGFR阻害剤が挙げられる。Her2阻害剤としては、カネルチニブ、EKB−569、及びGW−572016が挙げられる。また、Src阻害剤のダサチニブ、並びにカソデックス(ビカルタミド)、タモキシフェン、MEK−1キナーゼ阻害剤、MARKキナーゼ阻害剤、PI3阻害剤、及びPDGF阻害剤(例えばイマチニブ)、Hsp90阻害剤(例えば17−AAG及び17−DMAG)も挙げられる。また、充実性腫瘍への血流を遮断することによって、癌細胞から栄養分を奪い、癌細胞を静止させる抗血管新生剤及び抗血管剤も挙げられる。また、アンドロゲン依存性癌腫を非増殖性にする断種手術を用いてもよい。また、IGF1R阻害剤、非受容体チロシンキナーゼ阻害剤及び受容体チロシンキナーゼ阻害剤、並びにインテグリン阻害剤も挙げられる。
【0133】
本発明の医薬組成物及び方法は、サイトカイン、免疫調節剤及び抗体のようなその他のタンパク質治療剤とさらに組み合わせてもよい。本明細書で用いられる用語「サイトカイン」は、ケモカイン、インターロイキン、リンホカイン、モノカイン、コロニー刺激因子、及び受容体関連タンパク質、及びその機能的フラグメントを包含する。本明細書で用いられる用語「機能的フラグメント」とは、定められた機能的アッセイを通じて特定される生物学的機能又は活性を有するポリペプチド又はペプチドをいう。サイトカインとしては、内皮単球活性化ポリペプチドII(EMAP−II)、顆粒球マクロファージCSF(GM−CSF)、顆粒球CSF(G−CSF)、マクロファージCSF(M−CSF)、IL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−12、及びIL−13、インターフェロン等が挙げられる。これらは、細胞又は細胞メカニズムにおける特定の生物学的変化、形態的変化又は表現型変化に関係している。
【0134】
併用療法のための他の治療剤としては、シクロスポリン(例えばシクロスポリンA)、CTLA4−Ig、抗体(例えば、ICAM−3、抗IL−2受容体(抗Tac)、抗CD45RB、抗CD2、抗CD3(OKT−3)、抗CD4、抗CD80、抗CD86)、CD40とgp39の間の相互作用を遮断する薬剤(例えば、CD40に特異的な抗体及びgpn39(即ちCD154)に特異的な抗体)、CD40及びgp39から構成された融合タンパク質(CD40Ig及びCD8gp39)、核移行阻害剤のようなNF−kappaB機能の阻害剤(例えばデオキシスペルグアリン(DSG))、コレステロール生合成阻害剤(例えばHM:G CoAレダクターゼ阻害剤(ロバスタチン及びシンバスタチン))、非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)(例えばイブプロフェン)及びシクロオキシゲナーゼ阻害剤(例えばロフェコキシブ)、ステロイド(例えばプレドニゾン又はデキサメタゾン)、金化合物、抗増殖剤(例えばメトトレキサート)、FK506(タクロリムス、プログラフ)、ミコフェノール酸モフェチル、細胞毒性薬(例えばアザチオプリン及びシクロホスファミド)、TNF−a阻害剤(例えばテニダップ、抗TNF抗体又は可溶性TNF受容体)、及びラパマイシン(シロリムス又はラパミューン)又はそれらの誘導体が挙げられる。
【0135】
本発明の化合物と組み合わせて他の治療剤を用いる場合、例えば医師用添付文書集(PDR)に示された量を用いてもよく、或いは当業者が別途定めた量を用いてもよい。
【0136】
実施例
以下の実施例は、本発明をさらに説明するために提供されるが、もちろん、決してその範囲を限定するものと解釈すべきではない。
【0137】
全ての実験は、明記している場合を除いて、オーブン乾燥した装置を使用し、空気感受性物質を取り扱う標準的な技術を用いて、アルゴン雰囲気下、無水条件下(即ち乾燥溶媒)で行った。炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)及び塩化ナトリウム(食塩水)の水溶液は、飽和させたものであった。
【0138】
Merck Kiesel gel 60 F254プレート上で、紫外線及び/又はアニスアルデヒド、過マンガン酸カリウム又はリンモリブデン酸への浸漬により可視化させて分析薄層クロマトグラフィー(TLC)を行った。
【0139】
NMRスペクトル:1H核磁気共鳴スペクトルを400MHzで記録した。データは以下の通り示す:化学シフト、多重度(s=シングレット、d=ダブレット、t=トリプレット、q=カルテット、qn=クインテット、dd=ダブレットダブレット、m=マルチプレット、bs=ブロードシングレット)、カップリング定数(J/Hz)及び積分。カップリング定数は、スペクトルから直接集計計算し、補正しなかった。
【0140】
低分解能質量スペクトル:エレクトロスプレイ(ES+)イオン化法を使用した。プロトン化された親イオン(M+H)又は親ナトリウムイオン(M+Na)又は最高質量のフラグメントを引用する。分析グラジエントは、特に明記しない限り、5分間にわたる水中10%ACNから100%ACNまでの傾斜からなる。
【0141】
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて誘導体の純度を分析した。SPD−M10Aホスホダイオードアレイ検出器を備えた島津システムを使用するPhenomenex Synergi Polar−RP(4u,80A,150x4.6mmカラム)でHPLCを行った。移動相Aが水であり、移動相Bがアセトニトリルであり、60分間にわたる20%から80%Bのグラジエントで、10分間A/B(80:20)で再平衡した。UV検出は220及び54nmであった。
【0144】
4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-オール(2.00 g, 12.11 mmol)及び4,6-ジクロロピリジン(2.00 g, 13.44 mmol)のDMSO(18 ml)溶液に、炭酸カリウム(3.77 g, 27.25 mmol)を加え、混合物を、Biotageマイクロウェーブイニシエーターを用いて80℃で60分間加熱した。TLCを確認した。出発原料が消費された。反応混合物を水(350 mL)の入った容器に加え、混合物を室温で1時間攪拌し、次いで4℃で終夜静置した。2N HClでpHを6〜7に調整し、混合物を氷浴で冷却した。固体をろ取し、水で洗浄した。真空ラインで乾燥した後、黄色固体として化合物1(3.1 g, 収率92%)を得た。さらなる精製は行わず、生成物を次工程の反応に直接用いた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.37 (br, 1H), 8.63(s, 1H), 7.43 (s, 1H), 7.13 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.95 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 6.25 (s, 1H), 2.40 (s, 3H); ESI-MS: calcd for (C13H9ClFN3O) 277, found 278 (MH
+).
【0147】
化合物1(161 mg, 0.58 mmol)、4-(4-メチルピペラジンノ)アニリン(138 mg, 0.72 mmol)、酢酸パラジウム(II)(20 mg, 0.09 mmol)、xantphos(4,5-ジフェニルホスファニル-9,9’-ジメチル-9-H-キサンテン, 83 mg, 0.15 mmol)及びK
2CO
3(500 mg, 3.62 mmol)の1,4-ジオキサン(8 ml)の混合物を、アルゴンで30分間パージした。混合物を、Biotageマイクロウェーブイニシエーターを用いて120℃で15分間加熱した。TLCを確認した。反応が完結した。反応混合物をDCMで希釈し、飽和NH
4Cl、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル, 0-15%MeOH/DCM)で精製し、黄色固体として化合物2(93 mg, 収率37%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.27 (br, 1H), 9.25 (s, 1H), 8.18 (s, 1H), 7.31 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.08 (d, J = 8.8 Hz,1H), 6.84 (m, 3H), 6.20 (s, 1H), 5.90 (br, 1H), 3.02 (m, 4H), 2.41 (m, 4H), 2.36 (br, 3H), 2.18 (s, 3H); ESI-MS: calcd for (C24H25FN6O) 432, found 433 (MH
+).
【0150】
化合物1(180 mg, 0.65 mmol)、4-(4-エチルピペラジン-1-イル)アニリン(121 mg, 0.59 mmol)、酢酸パラジウム(II)(20 mg, 0.09 mmol)、xantphos(4,5-ジフェニルホスファニル-9,9’-ジメチル-9-H-キサンテン, 83 mg, 0.15 mmol)及びK
2CO
3(500 mg, 3.62 mmol)の1,4-ジオキサン(8 ml)の混合物をアルゴンで30分間パージした。混合物を、油浴を用いて100℃で2時間加熱した。TLCを確認した。反応が完結した。反応混合物をDCM/IPA(10/1)で希釈し、飽和NH
4Cl、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル, 0-15%MeOH/DCM)で精製し、黄色固体として化合物3(131 mg, 収率50%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.31 (br, 1H), 9.24 (s, 1H), 8.21 (s, 1H), 7.35 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.13 (d, J = 8.8 Hz,1H), 6.87 (m, 3H), 6.28 (s, 1H), 5.94 (br, 1H), 3.06 (m, 4H), 2.49 (m, 4H), 2.39(m, 5H), 1.02 (t, J = 6.8 Hz, 3H); ESI-MS: calcd for (C25H27FN6O) 446, found 447 (MH
+).
【0153】
化合物1(180 mg, 0.65 mmol)、3-アミノ-5-フェニルピラゾール(124 mg, 0.78 mmol)及びDIPEA(0.23 ml, 1.30 mmol)のDMSO(3.5 ml)溶液を120℃で120時間攪拌した。室温に冷却した後、水(10 ml)を加え、反応混合物をIPA/DCM(1/9)で抽出した。まとめた有機物を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(0-10%MeOH/DCM)で精製し、茶色固体として化合物4(60 mg, 収率23%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 12.75 (br, 1H), 11.25 (br, 1H), 9.90 (br, 1H), 8.24 (s, 1H), 7.67 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 7.42 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 7.32 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.10 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.86 (t, J = 8.4 Hz, 1H), 6.80-6.50 (br, 2H), 6.20 (s, 1H), 2.37 (br, 3H); ESI-MS: calcd for (C22H17FN6O) 400, found 401 (MH
+).
【0156】
化合物1(150 mg, 0.54 mmol)、5-(3,4-ジメトキシフェニル)-1H-ピラゾール-3-アミン(142 mg, 0.65 mmol)及びDIPEA(0.19 ml, 1.08 mmol)のDMSO(5 ml)溶液を120℃で96時間攪拌した。室温に冷却した後、混合物を水(75 ml)に加え、室温で30分間攪拌した。2N HClを用いて混合物のpHを1〜2に調整した。氷浴で冷却し、固体をろ取し、水で洗浄し、粗生成物を得た。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(0-10%MeOH/DCM)で精製し、黄色固体として化合物5(61mg, 収率25%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 12.61 (br, 1H), 11.30 (br, 1H), 9.89 (br, 1H), 8.27 (s, 1H), 7.30 (s, 1H), 7.23 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.13 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.02 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.89 (t, J = 8.4 Hz, 1H), 6.80-6.50 (br, 2H), 6.23(s, 1H), 3.82 (s, 3H), 3.78 (s, 3H), 2.40 (br, 3H); ESI-MS: calcd for (C24H21FN6O3) 460, found 461 (MH
+).
【0159】
化合物1(100 mg, 0.36 mmol)、5-ピリジン-2-イル-2h-ピラゾール-3-イルアミン(58 mg, 0.36 mmol)及びDIPEA(0.13 ml, 0.72 mmol)のDMSO(5 ml)溶液を、120℃で96時間攪拌した。室温に冷却した後、水(10 ml)を加え、反応混合物をIPA/DCM(1/9)で抽出した。まとめた有機相を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(0-10%MeOH/DCM)で精製し、茶色固体として化合物6(33 mg, 収率23%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 13.01 (br, 1H), 11.30 (br, 1H), 9.96 (br, 1H), 8.61 (br, 1H), 8.28 (s, 1H), 7.90-7.70 (m, 2H), 7.32 (m, 1H), 7.13 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.89 (t, J = 8.4 Hz, 1H), 7.00-6.50 (br, 2H), 6.23(s, 1H), 2.40 (br, 3H); ESI-MS: calcd for (C21H16FN7O) 401, found 402 (MH
+).
【0162】
化合物1(300 mg, 1.08 mmol)、N-(4-アミノフェニル)アセトアミド(154 mg, 1.03 mmol)及びDIPEA(0.47 ml, 2.70 mmol)のDMSO(10 ml)溶液を100℃で24時間攪拌した。室温に冷却した後、混合物を水/食塩水(75 ml)に加え、室温で30分間攪拌し、氷浴で冷却し、固体をろ取し、水で洗浄し、約200 mgの粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラム(0-10%MeOH/DCM)で精製し、固体として化合物7(68mg, 収率16%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.32 (br, 1H), 9.85 (br, 1H), 8.27 (s, 1H),7.50 (m, 4H), 7.12 (d, J = 8.8 Hz , 1H), 6.89 (t, J =8.4 Hz, 1H), 6.24 (br, 1H), 6.23(s, 1H), 2.40 (s, 3H), 2.01 (s, 3H); ESI-MS: calcd for (C21H18FN5O2) 460, found 461 (MH
+).
【0165】
化合物1(200 mg, 0.72 mmol)、3-モルホリノアニリン(122 mg, 0.95 mmol)及びDIPEA(0.31 ml, 1.80 mmol)のDMSO(10 ml)溶液を100℃で40時間攪拌した。室温に冷却した後、混合物を酢酸エチル(3x35ml)で抽出し、冷水及び食塩水で洗浄した。有機層を留去し、得られた粗生成物をシリカゲルカラム(0-5%MeOH/DCM)で精製し、固体として化合物8(50mg, 収率17%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.33 (br, 1H), 9.39 (br, 1H), 8.30 (s, 1H), 7.15 (m, 3H), 7.01 (m, 1H), 6.89 (m, 1H), 6.62 (br, 1H), 6.23 (brs, 1H), 6.06 (m, 1H), 3.71 (m, 4H) 3.03 (m, 4H), 2.40 (s, 3H); ESI-MS: calcd for (C23H22FN5O2) 419, found 420 (MH
+).
【0168】
化合物1(200 mg, 0.72 mmol)、4-モルホリノアニリン(122 mg, 0.95 mmol)及びDIPEA(0.31 ml, 1.80 mmol)のDMSO(10 ml)溶液を100℃で30時間攪拌した。室温に冷却した後、混合物を酢酸エチル(3x35ml)で抽出し、冷水及び食塩水で洗浄した。有機層を留去し、得られた粗生成物をシリカゲルカラム(0-5%MeOH/DCM)で精製し、固体として化合物9(130 mg, 収率43%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.31 (br, 1H), 9.26 (br, 1H), 8.26 (s, 1H), 7.37 (m, 2H), 7.11 (m, 1H), 6.88 (m, 3H), 6.23 (brs, 1H), 5.95 (s, 1H), 5.75 (s, 1H), 3.72 (m, 4H), 3.05 (m, 4H), 2.40 (s, 3H); ESI-MS: calcd for (C23H22FN5O2) 419, found 420 (MH
+).
【0171】
化合物1(200 mg, 0.72 mmol)、3-フルオロ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(143 mg, 0.68 mmol)及びDIPEA(0.31 ml, 1.80 mmol)のDMSO(10 ml)溶液を、100℃で16時間攪拌した。室温に冷却した後、混合物を水/食塩水(75 ml)に加え、室温で30分間攪拌し、氷浴で冷却し、固体をろ取し、水で洗浄し、粗生成物を得た。有機層を留去し、得られた粗生成物をシリカゲルカラム(0-5%MeOH/DCM)で精製し、固体として化合物10(130 mg, 収率43%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.26 (br, 1H), 8.14 (br s, 1H), 8.14 (s, 1H), 7.09 (m, 1H), 6.83 (m, 2H), 6.47 (m, 2H), 6.40 (s, 1H), 6.32 (s, 1H), 6.20 (s, 1H), 3.71 (m, 4H), 2.91 (m, 4H), 2.40 (s, 3H); ESI-MS: calcd for (C23H22F2N6O) 436, found 437 (MH
+).
【0174】
化合物1(300 mg, 0.68 mmol)、tert-ブチル 4(4-アミノフェニル)ピペラジン-1-カルボキシラート(285 mg, 1.03 mmol)及びDIPEA(0.47 ml, 2.70 mmol)のDMSO(10 ml)の混合物を、100℃で終夜攪拌した。室温に冷却した後、混合物を水(100ml)に加え、室温で30分間攪拌した。氷浴で冷却した後、固体をろ取し、水で洗浄した。室温で終夜空気乾燥した後、固体をDCM/TFA(10/1, 10 mL)に懸濁した。混合物を室温で終夜攪拌した。終夜攪拌した後、溶媒を留去し、残渣をDCM/MeOH(8/2, 15 ml)に溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル, 0-15%MeOH/DCM)で精製し、オフ白色固体として化合物11(130mg, 収率42%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.70 (br, 1H), 11.33 (br s, 1H), 9.28 (s, 1H), 8.22 (s, 1H), 7.37 (m, 2H), 7.14 (m, 1H), 6.89 (m, 1H), 6.23 (br, 1H), 5.94 (s, 1H), 2.99 (m, 4H), 2.85 (m, 4H), 2.40 (bs, 3H); ESI-MS: calcd for (C23H23FN6O) 418, found 419(MH
+).
【0177】
化合物1(200 mg, 0.72 mmol)、4-アミノ-N-メチルベンズアミド(108 mg, 0.72 mmol)、xantphos(4,5-ジフェニルホスファニル-9,9’-ジメチル-9-H-キサンテン, 104 mg, 0.18 mmol)、K
2CO
3(1.59 g, 11.52 mmol)及び酢酸パラジウム(II)(24mg, 0.11 mmol)の1,4-ジオキサン(12 ml)の混合物を、アルゴンで1時間パージした。混合物をマイクロウェーブ中120℃で30分間加熱した。TLCを確認した。出発原料がほとんど消費された。室温に冷却した後、反応混合物をDCM/MeOH(8/2)で希釈し、セライトパッドに通し、濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル, 5%MeOH/DCM)で精製した。溶媒の除去後、褐色固体として化合物12(134 mg, 収率48%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.35(s, 1H), 9.75(br s, 1H), 8.40 (s, 1H), 8.27 (m, 1H), 7.77 (m, 2H), 7.70 (m, 2H), 7.16 (m, 1H), 6.94 (m, 1H), 6.25 (s, 1H), 6.14 (s, 1H), 2.77 (s, 3H), 2.40(s, 3H); ESI-MS: calcd for (C21H18FN5O2) 391, found 392 (MH
+).
【0180】
化合物1(200 mg, 0.72 mmol)、4-アミノ-N-メチルベンズアミド(108 mg, 0.72 mmol)、xantphos(4,5-ジフェニルホスファニル-9,9’-ジメチル-9-H-キサンテン, 104 mg, 0.18 mmol)、K
2CO
3(1.59 g, 11.52 mmol)及び酢酸パラジウム(II)(24mg, 0.11 mmol)の1,4-ジオキサン(12 ml)の混合物を、アルゴンで1時間パージした。混合物をマイクロウェーブ中120℃で30分間加熱した。TLCを確認した。出発原料がほとんど消費された。室温に冷却した後、反応混合物をDCM/MeOH(8/2)で希釈し、セライトパッドに通して、濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル, 0-10%MeOH/DCM)で精製した。溶媒除去後、褐色固体として化合物13(75 mg, 収率24%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.33(s, 1H), 9.37(br s, 1H), 8.29 (s, 1H), 7.11 (m, 3H), 7.01 (m, 1H), 6.89 (m, 1H), 6.61 (m, 1H), 6.24 (br s, 1H), 6.01 (m, 1H), 3.07 (s, 3H), 2.40 (m, 7H), 2.21 (s, 3H); ESI-MS: calcd for (C24H25FN6O) 432, found 433 (MH
+).
【0183】
化合物1(200 mg, 0.72 mmol)、3-フルオロ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(150.72 mg, 0.72 mmol)、xantphos(4,5-ジフェニルホスファニル-9,9’-ジメチル-9-H-キサンテン, 104 mg, 0.18 mmol)、K
2CO
3(1.59 g, 11.52 mmol)及び酢酸パラジウム(II)(24mg, 0.11 mmol)の1,4-ジオキサン(12 ml)の混合物を、アルゴンで1時間パージした。混合物をマイクロウェーブ中120℃で45分間加熱した。TLCを確認した。出発原料がほとんど消費された。室温に冷却した後、反応混合物をDCM/MeOH(8/2)で希釈し、セライトパッドに通し、濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル, 0-12%MeOH/DCM)で精製した。溶媒除去後、褐色固体として化合物14(68 mg, 収率21%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.33(br s, 1H), 9.50 (s, 1H), 8.32 (s, 1H), 7.61 (m, 1H), 7.15 (m, 2H), 6.90 (m, 2H), 6.24 (s, 1H), 6.01 (s, 1H), 2.95 (m, 4H), 2.46 (m, 4H), 2.40 (s, 3H), 2.23(s, 3H); ESI-MS: calcd for (C24H24F2N6O) 450, found 451 (MH
+).
【0186】
化合物1(200 mg, 0.72 mmol)、5-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピリジン-2-アミン(138.48 mg, 0.72 mmol)、xantphos(4,5-ジフェニルホスファニル-9,9’-ジメチル-9-H-キサンテン, 104 mg, 0.18 mmol)、K
2CO
3(1.59 g, 11.52 mmol)及び酢酸パラジウム(II)(24mg, 0.11 mmol)の1,4-ジオキサン(12 ml)の混合物をアルゴンで1時間パージした。混合物をマイクロウェーブ中120℃で45分間加熱した。TLCを確認した。出発原料がほとんど消費された。室温に冷却した後、反応混合物をDCM/MeOH(8/2)で希釈し、セライトパッドに通し、濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル, 0-12%MeOH/DCM)で精製した。溶媒除去後、化合物15(84 mg, 収率27%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.29 (br s, 1H), 9.94 (s, 1H), 8.26 (s, 1H), 7.93 (m, 1H), 7.43 (m, 2H), 7.23 (br s, 1H), 7.11 (m, 1H), 6.89 (m, 1H), 6.22 (s, 1H), 3.09 (m,4H), 2.46 (m, 4H), 2.40 (s, 3H), 2.22(s, 3H); ESI-MS: calcd for (C23H24FN7O) 433, found 434 (MH
+). HPLC: 保持時間: 7.71 min. 純度: 97%.
【0189】
化合物1(0.150 g, 0.540 mmol)、3-シクロプロピル-1H-ピラゾール-5-アミン(0.080 g, 0.648 mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(0.140 g, 1.080 mmol)及びヨウ化ナトリウム(0.089g, 0.540 mmol)のジメチルスルホキシド(1.5 mL)溶液を、アルゴン雰囲気下封管中で150℃に24時間加熱した。冷却後、混合物を酢酸エチル(100 mL)で抽出し、飽和NaHCO
3で洗浄した。まとめた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をCH
2Cl
2:MeOH (9:1)を用いてフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、ベージュ色固体として化合物16(0.029 g, 15%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d): δ 11.99 (bs, 1H), 11.29 (s, 1H), 9.71 9s, 1H), 8.21 (s, 1H), 7.010 (d, 1H, J = 8.4 Hz), 6.87 (m, 1H), 6.22 (s, 1H), 5.85 (bs, 1H), 2.40 (s, 3H), 1.84 (m, 1H), 0.89 (m, 2H), 0.65 (m, 2H). MS (ESI): Calcd. for C
19H
17FN
6O: 364, found 365(M+H).
【0192】
化合物1(0.100 g, 0.360 mmol)、(E)-5-(プロパ-1-エン-1-イル)-1H-ピラゾール-3-アミン(0.044 g, 0.360 mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(0.093 g, 0.720 mmol)及びヨウ化ナトリウム(0.059g, 0.396 mmol)のジメチルスルホキシド(1.0 mL)溶液を、アルゴン雰囲気下封管中100℃に2日間加熱した。冷却後、混合物を酢酸エチル(100 mL)で抽出し、飽和NaHCO
3で洗浄した。まとめた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をCH2Cl2:MeOH(9:1)を用いてフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、茶色固体として化合物17(0.037 g, 29%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d): δ 12.24 (s, 1H), 11.29 (s, 1H), 9.80 (s, 1H), 8.23 (s, 1H), 7.11 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 6.70-6.90 (m, 2H), 6.22 (m, 4H), 2.40 (s, 3H), 1.81 (d, 3H, J = 4.4 Hz). MS (ESI): Calcd. for C
19H
17FN
6O: 364, found 365(M+H).
【0195】
化合物1(0.100 g, 0.360 mmol)、2-アミノピリジン(0.042 g, 0.450 mmol)、4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチル-キサンテン(0.038 g, 0.064 mmol)及び炭酸セシウム(0.352 g, 1.080 mmol)の無水ジオキサン(4 mL)のアルゴンパージした溶液に、酢酸パラジウム(II)(0.015 g, 0.065 mmol)を加えた。溶液混合物をさらなる30分間連続的にアルゴンバブリングし、その後密封した。封管を油浴で80℃に16時間加熱した。冷却後、混合物を8:2ジクロロメタン/イソプロパノール(6 mL)で希釈し、セライトでろ過した。溶液を濃縮し、残渣をCH2Cl2:MeOH(95:5)を用いてフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、白色固体として化合物18(0.097 g, 80%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d): δ DMSO-d): δ 11.30 (s, 1H), 10.21 (s, 1H), 8.34 (s, 1H), 8.25 (m, 1H), 7.71 (m, 1H), 7.55 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 7.48 (s, 1H), 7.12 (d, 1H, J 8.8 Hz), 6.97 (m, 1H), 6.90 (m, 1H), 6.23 (bs, 1H). MS (ESI): Calcd. for C
18H
15FN
5O: 335, found 336(M+H).
【0198】
化合物1(0.100 g, 0.360 mmol)、5-エチル 1-メチル 3-アミノ-1H-ピラゾール-1,5-ジカルボキシラート(0.077 g, 0.360 mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(0.093 g, 0.720 mmol)及びヨウ化ナトリウム(0.059g, 0.396 mmol)のジメチルスルホキシド(1.0 mL)溶液を、アルゴン雰囲気下封管中100℃に2日間加熱した。冷却後、混合物を酢酸エチル(100 mL)で抽出し、飽和NaHCO
3で洗浄した。まとめた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をCH2Cl2:MeOH(9:1)を用いてフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、暗茶色固体として化合物19(0.018 g, 13%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d): δ 13.44 (s, 1H), 11.30 (s, 1H), 10.05 (s, 1H), 8.30 (s, 1H), 7.11 (m, 1H), 6.50-6.90 (m, 3H), 6.22 (s, 1H), 4.29 (q, 2H, J = 6.8 Hz), 2.40 (s, 1H), 1.30 (t, 3H, J = 6.8 Hz). MS (ESI): Calcd. for C
19H
17FN
6O
3: 396, found 397(M+H).
【0201】
化合物1(0.100 g, 0.360 mmol)、3-アミノ-5-(2-フリル)ピラゾール(0.107 g, 0.720 mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(0.093 g, 0.720 mmol)及びヨウ化ナトリウム(0.093g, 0.432 mmol)のジメチルスルホキシド(1.0 mL)溶液を、アルゴン雰囲気下封管中100℃に2日間加熱した。冷却後、混合物を酢酸エチル(100 mL)で抽出し、飽和NaHCO
3で洗浄した。まとめた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をCH2Cl2:MeOH(9:1)を用いてフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、ベージュ色固体として化合物20(0.032 g, 23%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d): δ 12.80 (bs, 1H), 11.30 (s, 1H), 9.96 (bs, 1H), 8.28 (s, 1H), 7.75 (s, 1H), 7.12 (d, 1H, J = 8.4 Hz), 6.89 (m, 1H), 6.81 (bs, 1H), 6.60 (bs, 1H), 6.54 (m, 1H), 6.23 (bs, 1H). MS (ESI): Calcd. for C
20H
15FN
6O
2: 390, found 391(M+H).
【0204】
「ACS Catalysis, 3(6), 1356-1359; 2013」の手順を参照する。
【0205】
3-(3,5-ジメトキシフェニルプロパン酸(5.00 g, 23.78 mmol)のEtOH(50 mL)溶液に、SOCl2(5 mL)をゆっくり加えた。反応混合物を4.5時間還流し、次いで留去し、EtOHを除去した。酢酸エチル(40 mL)、水(20 mL)及び飽和NaOH水溶液を加え、pHを8-9に調整した。分離後、水相を酢酸エチル(15 ml x 2)で抽出した。まとめた有機相を水(20 mL)及び食塩水(20 mL)で洗浄し、乾燥(Na
2SO
4)し、濃縮した。黄色油状物として標題化合物21-a(5.57g 8%)を得た。生成物をさらに精製することなく次工程に直接用いた。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ 6.39 (d, J=2.4 Hz, 2 H), 6.32 (br, 1H), 4.04 (q, J=6.8Hz, 2 H), 3.71 (s, 6H), 2.78 (t, J=7.2 Hz, 2 H), 2.57 (t, J=7.2 Hz, 2 H), 1.16 (t, J=7.2 Hz, 3 H); ESI-MS: calcd for (C13H18O4) 238, found 239 (MH
+).
【0208】
ジイソプロピルアミン(2.80 g, 27.70 mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(100 mL)溶液をアルゴン雰囲気下-78℃に冷却し、そこにn-ブチルリチウム(10.07 mL, ヘキサン中2.5 M, 25.18 mmol)をゆっくり加え、15分間攪拌した。次いで0℃に15分間昇温し、続いてさらなる30分間-78℃に再冷却した。この新たに調製したLDA溶液に無水アセトニトリル(1.29 g, 1.64 mL, 31.48 mmol)を滴下し、1時間攪拌した。次いで、21-a(3.00 g, 12.59 mmol)の無水テトラヒドロフラン(10 mL)溶液を滴下し、さらに1時間攪拌し続けた。次いで混合物を室温に昇温し、終夜(15時間)攪拌した。混合物をジクロロメタン(500 mL)で希釈し、水(300 mL)でクエンチした。ジクロロメタン(2 x 200 mL)で抽出し、まとめた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮した。次いで、濃縮粗製物を、100%CH
2Cl
2を用いてフラッシュシリカクロマトグラフィーで精製し、白色固体として化合物21-b(2.57 g, 87%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d): δ 6.36 (s, 2H), 6.31 (s, 1H), 4.06 (bs, 2H), 3.71 (s, 6H), 2.79 (bs, 2H), 2.72 (m, 2H). MS (ESI): Calcd. for C
13H
15NO
3: 233, found 234 (M+H).
【0211】
化合物21-b(2.50 g, 10.72 mmol)の無水エタノール(100 mL)懸濁液に、ヒドラジン水和物(2.61 mL, 53.59 mmol)を加えた。混合物をアルゴン下で終夜(16時間)還流した。冷却後、溶媒を真空留去し、ジエチルエーテル(100 mL)を加え、続いて超音波処理して沈殿物を誘導した。析出固体を冷蔵庫で1時間冷却し、その後ろ過し、淡黄色固体として化合物21-c(2.65 g, 100%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d): δ 6.37 (s, 2H), 6.30 (s, 1H), 5.19 (s, 1H), 4.43 (bs, 2H), 3.70 (s, 6H), 2.77 (m, 2H), 2.67 (m, 2H). MS (ESI): Calcd. for C
13H
17N
3O
2: 247, found 248 (M+H).
【0214】
5-(3,5-ジメトキシフェネチル)-1H-ピラゾール-3-アミン(化合物21-c)(800 mg, 3.24 mmol)のTHF(20 ml)溶液を、水素化ナトリウム(鉱油中60%, 162 mg, 4.04 mmol)のTHF(6 ml)の冷却懸濁液に、0℃でゆっくり加えた。0℃で60分間攪拌した後、ジ-tert-ブチルジカルボキシレート(791 mg, 3.62 mmol)を加えた(ジ-tert-ブチルジカルボキシレートの添加を助けるためにTHFを使用し、合計30mLをボトルに入れた。)。混合物を0℃で60分間攪拌した。TLCを確認した。出発原料が消費された。反応混合物を氷水でクエンチし、酢酸エチル(3x15 ml)で抽出した。まとめた有機物を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、最小量の溶媒に濃縮した。ヘキサン(〜20 ml)を加え、混合物を超音波処理し、均質懸濁液を製造した。ヘキサンをデカントし、黄色残渣をさらに濃縮し、黄色粘着性シロップとして目的生成物化合物21の2種の環上保護基異性体混合物(約4:5)(1.06 g, 収率95%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ: 6.42及び6.40 (d,d, J = 2.0 Hz, 2H), 6.32及び6.30 (t,t, J = 2.4 Hz, 1H), 6.25及び5.30 (br, 2H), 5.62及び5.21(s,s, 1H), 3.71 (s, 6H), 3.08-2.64 (m, 4H), 1.54 and 1.51 (s,s, 9H).
【0217】
化合物1(0.100 g, 0.360 mmol)、tert-ブチル 3-アミノ-5-(3,5-ジメトキシフェネチル)-1H-ピラゾール-1-カルボキシラート(0.156g, 0.450 mmol)、4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチル-キサンテン(0.038 g, 0.065 mmol)及び炭酸セシウム(0.352 g, 1.08 mmol)の無水ジオキサン(4 mL)溶液を、アルゴンでパージし、アルゴンでバブリングし、そこに、酢酸パラジウム(II)(0.015 g, 0.065 mmol)を加えた。溶液混合物をさらなる10分間連続的にアルゴンでバブリングした。封管を120℃で35分間マイクロウェーブに付した。冷却後、混合物を8:2ジクロロメタン/イソプロパノール(6 mL)で希釈し、セライトでろ過した。溶液を濃縮し、真空下で終夜乾燥した。粗残渣を20%トリフルオロメチル酢酸/ジクロロメタン(2 mL/16 mL)に再溶解し、4時間攪拌した。混合物を飽和炭酸水素ナトリウムでクエンチし、バブリングが静まるまで1時間攪拌し、次いで酢酸エチル(2 x 100 mL)で抽出し、水(2 x 100 mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥した。残渣をCH2Cl2:MeOH(95:5)を用いてフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、淡黄色固体として化合物22(0.072 g, 41%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d): δ DMSO-d): δ 12.01 (s, 1H), 11.28 (s, 1H), 9.74 (s, 1H), 8.21 (s, 1H), 7.10 (d, 1H, J= 8.4 Hz), 6.87 (t, 2H, J = 8.0 Hz), 6.38 (m, 3H), 6.30 (m, 2H), 6.22 (s, 1H), 3.70 (s, 6H), 2.82 (bs, 4H), 2.39 9s, 3H). MS (ESI): Calcd. for C
26H
25FN
6O
3: 488, found 489 (M+H).
【0220】
4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-オール(2.00 g, 12.11 mmol)及び4,6-ジクロロ-5-フルオロピリジン(2.02 g, 12.11 mmol)のDMSO(18 ml)溶液に、炭酸カリウム(6.02 g, 43.59 mmol)を加え、混合物を2.5時間85℃で加熱(油浴)した。室温に冷却した後、反応混合物を水(250 mL)の入った容器に加え、混合物を室温で1時間攪拌し、次いで4℃で終夜静置した。2N HClを用いてpHを6〜7に調整しし、氷浴で冷却した。固体をろ取し、水で洗浄した。黄色固体として化合物23(3.29g, 収率92%)を得た。さらなる精製を行うことなく、生成物を次工程の反応に用いた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.40 (br, 1H), 8.42 (s, 1H), 7.15 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.99 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 6.25 (s, 1H), 2.40 (s, 3H); ESI-MS: calcd for (C13H8ClF2N3O) 295, found 296 (MH
+).
【0223】
化合物23(200 mg, 0.68 mmol)、4-(4-メチルピペラジンノ)アニリン(194 mg, 1.01 mmol)及びDIPEA(0.30 ml, 1.69 mmol)のDMSO(3.5 ml)の混合物を100℃で終夜攪拌した。室温に冷却した後、混合物を水/飽和NH
4Cl(50 ml/50ml)に加え、室温で30分間攪拌した。2N HClを用いて混合物のpHを6〜7に調整した。4℃で終夜保存した後、固体をろ取し、水で洗浄し、粗生成物を得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(0-15%MeOH/DCM)で精製し、茶色固体として化合物24(92 mg, 収率30%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.31 (br, 1H), 9.37 (s, 1H), 7.92 (s, 1H), 7.48 (d, J = 9.2 Hz, 2H), 7.10 (d, J = 8.8 Hz,1H), 6.92 (m, 3H), 6.22 (s, 1H), 3.08 (m, 4H), 2.45 (m, 4H), 2.38 (br, 3H), 2.22 (s, 3H); ESI-MS: calcd for (C24H24F2N6O) 450, found 451 (MH
+).
【0226】
化合物23(200 mg, 0.68 mmol)、4-(4-エチルピペラジン-1-イル))アニリン(208 mg, 1.01 mmol)、及びDIPEA(0.30 ml, 1.69 mmol)のDMSO(3.5 ml)混合物を100℃で終夜攪拌した。室温に冷却した後、混合物を水/飽和NH
4Cl(50 ml/50ml)に加え、室温で30分間攪拌した。2N HClを用いて混合物のpHを6〜7に調整した。4℃で終夜保存した後、固体をろ取し、水で洗浄し、粗生成物を得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(0-15%MeOH/DCM)で精製し、茶色固体として化合物25(160 mg, 収率51%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.35 (br, 1H), 9.42 (s, 1H), 7.94 (s, 1H), 7.53 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.10 (d, J = 8.8 Hz,1H), 6.95 (m, 3H), 6.22 (s, 1H), 3.02-2.20 (m, 10H), 2.39 (s, 3H), 1.20 (br, 3H); ESI-MS: calcd for (C25H26F2N6O) 464, found 465 (MH
+).
【0229】
化合物23(200 mg, 0.68 mmol)、1-アセチル-4-(4-アミノフェニル)ピペラジン(159 mg, 0.73 mmol)及びDIPEA(0.30 ml, 1.69 mmol)のDMSO(3.5 ml)混合物を、100℃で終夜攪拌した。室温に冷却した後、混合物を水/飽和NH
4Cl(50 ml/50ml)に加え、室温で30分間攪拌した。2N HClを用いて混合物のpHを6〜7に調整した。4℃で終夜保存した後、固体をろ取し、水で洗浄し、粗生成物を得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(0-15%MeOH/DCM)で精製し、茶色固体として化合物26(201 mg, 収率65%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.29 (br, 1H), 9.38 (s, 1H), 7.91 (s, 1H), 7.49 (d, J = 9.2 Hz, 2H), 7.09 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.92 (m, 3H), 6.20 (s, 1H), 3.56 (m, 4H), 3.09 (m 2H), 3.02 (m, 2H), 2.38 (s, 3H), 2.02 (s, 3H); ESI-MS: calcd for (C25H24F2N6O2) 478, found 479 (MH
+).
【0232】
化合物23(200 mg, 0.67 mmol)、5-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピリジン-2-アミン(135 mg, 0.70 mmol)、酢酸パラジウム(II)(23 mg, 0.10 mmol)、xantphos(4,5-ジフェニルホスファニル-9,9’-ジメチル-9-H-キサンテン, 97 mg, 0.17 mmol)及びK
2CO
3(325 mg, 2.35 mmol)の1,4-ジオキサン(15 ml)の混合物をアルゴンで30分間パージした。混合物を、Biotageマイクロウェーブイニシエーターを用いて120℃で15分間加熱した。反応混合物をセライトパッドに通して、DCM/MeOH(8/2, 20 ml)で溶出した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル, 0-15%MeOH/DCM)で精製し、黄色固体として化合物27(139 mg, 収率46%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.32 (br, 1H), 9.69 (s, 1H), 8.04 (d, J = 2.8Hz, 1H), 8.01 (s, 1H), 7.77 (d, J = 9.2Hz, 1H), 7.42 (dd, J = 9.2 Hz, J = 1.2 Hz, 1H), 7.12 (d, J = 9.2 Hz, 2H), 6.93 (t, J = 7.2 Hz,1H), 6.23 (s, 1H), 3.15 (m, 4H), 2.45 (m, 4H), 2.40 (br, 3H), 2.22 (s, 3H); ESI-MS: calcd for (C23H23F2N7O) 451, found 452 (MH
+).
【0235】
化合物23(200 mg, 0.67 mmol)、tert-ブチル 4(4-アミノフェニル)ピペラジン-1-カルボキシラート(195 mg, 0.70 mmol)、酢酸パラジウム(II)(23 mg, 0.10 mmol)、xantphos(4,5-ジフェニルホスファニル-9,9’-ジメチル-9-H-キサンテン, 97 mg, 0.17 mmol)及びK
2CO
3(325 mg, 2.35 mmol)の1,4-ジオキサン(15 ml)混合物を、アルゴンで30分間パージした。混合物を、Biotageマイクロウェーブイニシエーターを用いて120℃で75分間加熱した。反応混合物をセライトパッドに通して、DCM/MeOH(8/2, 20 ml)で溶出した。溶液を濃縮して残渣を得、DCM(5mL)に溶解した。1 mLのTFAを加え、混合物を室温で終夜攪拌した。濃縮後、残渣をDCM/MeOH(8/2, 15 ml)に溶解し、水を加えた。混合物のpHを、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を用いて約7に調整した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル, 0-15%MeOH/DCM)で精製し、黄色固体として化合物28(123 mg, 収率42%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.31 (br, 1H), 9.40 (s, 1H), 7.93 (s, 1H), 7.52 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.12 (d, J = 8.8 Hz,1H), 6.92 (m, 3H), 6.22 (s, 1H), 3.11 (m, 4H), 3.01 (m, 4H), 2.40 (s, 3H), 1.41 (s, 1H); ESI-MS: calcd for (C23H22F2N6O) 436, found 437 (MH
+).
【0238】
化合物23(200 mg, 0.676 mmol)、5-(4-エチルピペラジン-1-イル)ピリジン-2-アミン(147 mg, 0.710 mmol)、Pd(OAc)
2(23 mg, 0.10 mmol)、xantphos(98 mg, 0.17 mmol)、K
2CO
3(327 mg, 2.37 mmol)及び無水ジオキサン(12.0 mL)混合物を、マイクロウェーブ用チューブに密封し、アルゴンで20分間脱気した。次いで、混合物をマイクロウェーブ照射下120℃に15分間加熱した。得られた混合物をコットンパッドでろ過し、濃縮した。得られた残渣を、溶出液として0-10%MeOH/DCM (v/v)を用いてフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた残渣をさらにEtOAcで結晶化して精製し、白色固体として目的生成物N-(5-(4-エチルピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル)-5-フルオロ-6-((4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-イル)オキシ)ピリミジン-4-アミン(化合物29)(54 mg, 収率17%)を得た。
【0239】
1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ 11.32 (br s, 1H), 9.69 (br s, 1H), 8.04-8.01 (m, 2H), 7.77 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.44-7.41 (m, 1H), 7.11 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.95-6.91 (m, 1H), 6.23 (s, 1H), 3.16 (t, J = 4.4 Hz, 4H), 2.52 (4H, DMSOピークに隠れている), 2.40 (s, 3H), 2.37 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 1.03 (t, J = 7.2 Hz, 3H); MS (ESI): calcd for C24H25F2N7O: 465, found: 467 (MH
+).
【0242】
3-シクロプロピル-1-H-ピラゾール-5-アミン(3.05 g, 24.77 mmol)のTHF(20 ml)溶液を、水素化ナトリウム(鉱油中60%, 1.09 g, 27. 24 mmol)のTHF(20 ml)の冷却した懸濁液に、0℃でゆっくり加えた。0℃で30分間攪拌した後、ジ-tert-ブチルジカルボキシレート(5.95 g, 27.24 mmol)を加えた(ジ-tert-ブチルジカルボキシレートの添加を助けるためにTHFを使用し、合計125 mLをボトルに入れた)。混合物を0℃で30分間攪拌した。TLCを確認した。出発原料が消費された。反応混合物を氷水でクエンチし、酢酸エチル(3x50 ml)で抽出した。まとめた有機物を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、最小量の溶媒に濃縮した。ヘキサン(〜100 ml)を加え、混合物を超音波処理して均質の懸濁液を調製した。黄色固体をろ取し、ヘキサンで洗浄し、2種の環上保護基異性体の混合物(約1:3)として目的生成物化合物30(3.73 g, 収率69%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 主要な異性体: 6.16 (br, 2H), 4.92 (s, 1H), 1,68 (m, 1H), 1.49 (s, 9H), 0.86 (m, 2H), 0.78 (m, 2H); 少ない方の異性体: 5.35 (s, 1H), 5.20 (br, 2H), 2.05 (m, 1H), 1.49 (s, 9H), 0.88 (m, 2H), 0.78 (m, 2H).
【0245】
化合物23(265 mg, 0.896 mmol)、化合物30(200 mg, 0.896 mmol)、Pd(OAc)2(40 mg, 0.18 mmol)、xantphos(181 mg, 0.31 mmol)、K2CO3(500 mg, 3.62 mmol)及び無水ジオキサン(12.0 mL)の混合物をチューブに密封し、アルゴンで10分間脱気した。次いで、混合物を油浴中で120℃に昇温し、15分間攪拌した。得られた混合物をEtOAcとNaHCO3水(50%飽和)に分配し、有機層を分離し、無水Na2SO4で乾燥し、濃縮した。得られた残渣を、溶出液として0-100%EtOAc/ヘキサン(v/v)を用いてフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、黄色固体として目的生成物tert-ブチル 3-シクロプロピル-5-((5-フルオロ-6-((4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-イル)オキシ)ピリミジン-4-イル)アミノ)-1H-ピラゾール-1-カルボキシラート(化合物31)(255 mg, 収率56%)を得た。1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ 11.34 (br s, 1H), 9.98 (br s, 1H), 8.14 (s, 1H), 7.13 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.96-6.92 (m, 1H), 6.49 (s, 1H), 6.19 (s, 1H), 2.40 (s, 3H), 1.97-1.90 (m, 1H), 1.55-1.54 (m, 9H), 0.96-0.91 (m, 2H), 0.75-0.71 (m, 2H); MS (ESI): calcd for C24H24F2N6O3: 482, found: 384 (MH+-tBOC).
【0248】
tert-ブチル 3-シクロプロピル-5-((5-フルオロ-6-((4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-イル)オキシ)ピリミジン-4-イル)アミノ)-1H-ピラゾール-1-カルボキシラート(91 mg, 0.19 mmol)のDCM(9 mL)混合物にTFA(1 mL)を加え、混合物を室温で約17時間攪拌した。次いで、混合物をEtOAcとNaHCO
3水(50%飽和)に分配し、有機層を分離し、無水Na
2SO
4で乾燥し、濃縮した。得られた残渣を、溶出液として0-100%EtOAc/ヘキサン(v/v)を用いてフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、白色固体として目的生成物N-(3-シクロプロピル-1H-ピラゾール-5-イル)-5-フルオロ-6-((4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-イル)オキシ) ピリミジン-4-アミン(化合物32)(44 mg, 収率61%)を得た。
1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ 12.11 (br s, 1H), 11.30 (br s, 1H), 9.76-9.76 (m, 1H), 7.96 (s, 1H), 7.11 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.94-6.90 (m, 1H), 6.25-6.22 (m, 2H), 2.40 (s, 3H), 1.92-1.85 (m, 1H), 0.92-0.90 (m, 2H), 0.69-0.68 (m, 2H); MS (ESI): calcd for C19H16F2N6O: 382, found: 384 (MH
+).
【0251】
4,5,6-トリクロロピリミジン(2.22 g, 12.1 mmol)、4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-オール(2.00 g, 12.1 mmol)、K
2CO
3(5.85 g)及びDMSO(20 mL)の混合物を80℃に昇温し、2時間攪拌した。混合物を室温に冷却し、水(200 mL)に注ぎ、コロイド状混合物を形成させた。次いで、2M HCl水(約30 mL)を、攪拌させているコロイド状混合物に滴下し、析出物を形成させた。析出物をろ過し、水で洗浄し、茶色固体として目的生成物5-((5,6-ジクロロピリミジン-4-イル)オキシ)-4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール(化合物33)(3.66 g, 収率97%)を得た。
1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ 11.39 (s, 1H), 8.53 (s, 1H), 7.15 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.99-6.95 (m, 2H), 6.25 (s, 1H), 2.40 (s, 3H); MS (ESI): calcd for C13H8Cl2FN3O: 311, found: 弱いシグナル.
【0254】
化合物33(200 mg, 0.641 mmol)、5-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピリジン-2-アミン(129 mg, 0.673 mmol)、Pd(OAc)
2(42 mg, 0.19 mmol)、xantphos(186 mg, 0.322 mmol)、K
2CO
3(310 mg, 2.24 mmol)及び無水ジオキサン(10 mL)の混合物をマイクロウェーブ用チューブに密封し、アルゴンで10分間脱気した。次いで、混合物をマイクロウェーブ照射下120℃に20分間加熱した。得られた混合物をEtOAcとNaHCO
3水(50%飽和)に分配し、有機層を無水Na
2SO
4で乾燥し、濃縮した。得られた残渣を、溶出液として0-10%MeOH/DCM(v/v)を用いてフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた残渣を、さらにEtOAcで結晶化して精製し、黄色固体として目的生成物5-クロロ-6-((4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-イル)オキシ)-N-(5-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル)ピリミジン-4-アミン(化合物34)(36 mg, 収率12%)を得た。
1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ 11.31 (br s, 1H), 8.90 (br s, 1H), 8.13 (s, 1H), 8.07 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 7.78 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.46-7.43 (m, 1H), 7.11 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.93-6.89 (m, 1H), 6.22 (s, 1H), 3.18-3.15 (m, 4H), 2.48-2.45 (m, 4H), 2.40 (s, 3H), 2.23 (s, 3H); MS (ESI): calcd for C23H23ClFN7O: 467, found: 469 (MH
+).
【0257】
化合物33(200 mg, 0.641 mmol)、4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(150 mg, 0.784 mmol)、Pd(OAc)
2(22 mg, 0.10 mmol)、xantphos(93 mg, 0.16 mmol)、K
2CO
3(310 mg, 2.24 mmol)及び無水ジオキサン(10 mL)の混合物をマイクロウェーブ用チューブに密封し、アルゴンで10分間脱気した。次いで、混合物をマイクロウェーブ照射下120℃に20分間加熱した。得られた混合物をEtOAcとNaHCO
3水(50%飽和)に分配し、有機層を無水Na
2SO
4で乾燥し、濃縮した。得られた残渣を、溶出液として0-10%MeOH/DCM(v/v)を用いてフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。さらに、得られた残渣を、EtOAcで結晶化して精製し、オフ白色固体として目的生成物5-クロロ-6-((4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-イル)オキシ)-N-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)ピリミジン-4-アミン(化合物35)(29 mg, 収率10%)を得た。
1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ 11.30 (br s, 1H), 8.96 (br s, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.38-7.36 (m, 2H), 7.10 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.93-6.87 (m, 2H), 6.22 (s, 1H), 3.12-3.10 (m, 4H), 2.46-2.44 (m, 4H), 2.40 (s, 3H), 2.22 (s, 3H); MS (ESI): calcd for C24H24ClFN6O: 466, found: 468 (MH
+).
【0260】
5-ブロモ-4,6-ジクロロピリミジン(2.76 g, 12.1 mmol)、4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-オール(2.00 g, 12.1 mmol)、K
2CO
3(5.85 g)及びDMSO(20 mL)の混合物を80℃に昇温し、2時間攪拌した。混合物を室温に冷却し、水(200 mL)に注ぎ、コロイド状混合物を形成させた。次いで、2M HCl水(約30 mL)を攪拌しているコロイド状混合物に滴下し、析出物を形成させた。析出物をろ過し、水で洗浄し、さらに溶出液として0-10%MeOH/DCM (v/v)を用いてフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、茶色固体として目的生成物5-((5-ブロモ-6-クロロピリミジン-4-イル)オキシ)-4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール(化合物36)(1.73 g, 収率40%)を得た。
1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ 11.38 (br s, 1H), 8.53 (br s, 1H), 7.15 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.98-6.94 (m, 1H), 6.25 (s, 1H), 2.40 (s, 3H); MS (ESI): calcd for C13H8BrClFN3O: 355, found: 弱いシグナル.
【0263】
化合物36(228 mg, 0.641 mmol)、4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(129 mg, 0.673 mmol)、Pd(OAc)
2(22 mg, 0.10 mmol)、xantphos(93 mg, 0.16 mmol)、K
2CO
3(310 mg, 2.24 mmol)及び無水ジオキサン(10 mL)の混合物を、マイクロウェーブ用チューブに密封し、アルゴンで10分間脱気した。次いで、混合物をマイクロウェーブ照射下120℃に20分間加熱した。得られた混合物をコットンパッドでろ過し、濃縮した。得られた残渣を、溶出液として0-10%MeOH/DCM(v/v)を用いてフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた残渣を、さらにEtOAcで結晶化して精製し、オフ白色固体として目的生成物5-ブロモ-6-((4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-イル)オキシ)-N-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)ピリミジン-4-アミン(化合物37)(131 mg, 収率40%)を得た。
1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ 11.30 (br s, 1H), 8.73 (br s, 1H), 7.99 (s, 1H), 7.34 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.10 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.93-6.86 (m, 3H), 6.21 (s, 1H), 3.12-3.10 (m, 4H), 2.46-2.44 (m, 4H), 2.40 (s, 3H), 2.22 (s, 3H); MS (ESI): calcd for C24H24BrFN6O: 510, found: 513 (MH
+).
【0266】
化合物36(200 mg, 0.563 mmol)、4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(114 mg, 0.592 mmol)、Pd(OAc)
2(19 mg, 0.08 mmol)、xantphos(81 mg, 0.14 mmol)、K
2CO
3(272 mg, 1.97 mmol)及び無水ジオキサン(10 mL)の混合物をマイクロウェーブ用チューブに密封し、アルゴンで10分間脱気した。次いで、混合物をマイクロウェーブ照射下120℃に20分間加熱した。得られた混合物をコットンパッドでろ過し、濃縮した。得られた残渣を、溶出液として0-10%MeOH/DCM(v/v)を用いてフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた残渣を、さらにEtOAcで結晶化して精製し、黄色固体として目的生成物5-ブロモ-6-((4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-イル)オキシ)-N-(5-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル)ピリミジン-4-アミン(化合物38)(139 mg, 収率48%)を得た。
1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ 11.31 (br s, 1H), 8.53 (br s, 1H), 8.15 (s, 1H), 8.06 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 7.85 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.47-7.44 (m, 1H), 7.11 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.91 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 3.18-3.15 (m, 4H), 2.48-2.45 (m, 4H), 2.40 (s, 3H), 2.23 (s, 3H); MS (ESI): calcd for C23H23BrFN7O: 511, found: 弱いシグナル.
【0269】
4,6-ジクロロ-5-メチルピリミジン(1.5g, 9.20 mmol)及び4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-オール(1.5 g, 9.20 mmol)のDMSO(15.0 mL)溶液に、炭酸カリウム(4.4 g, 32.21 mmol)を加え、混合物を80℃で4時間攪拌した。冷却後、反応混合物を攪拌水溶液(200.0 mL)に加えた。混合物を室温で1時間攪拌し、次いでろ過し、薄茶色固体として生成物化合物39(2.6 g, 収率96%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.33 (s, 1H), 8.40 (s, 1H), 7.14 (d, 1H), 6.92 (t, 1H), 6.23 (s, 1H), 2.40 (s, 6H); ESI-MS: calcd for (C14H11ClFN3O) 291, found 292 [M+H]
+.
【0272】
化合物39(200 mg, 0.69 mmol)、4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(132 mg, 0.69 mmol)、酢酸パラジウム(II)(23 mg, 0.10 mmol)、Xantphos(97 mg, 0.17 mmol)及びK
2CO
3(477 mg, 3.45 mmol)の1,4-ジオキサン(2.0 ml)の混合物を、アルゴンで15分間パージした。混合物を、Biotageマイクロウェーブイニシエーターを用いて120℃で30分間加熱した。反応混合物をセライトパッドに通して、DCM/MeOH(1/1, 20 ml)で溶出した。溶液を濃縮し、硬質生成物を、CH
2Cl
2/MeOH(0〜10%メタノール/ジクロロメタン)を用いてTeledyne-Iscoフラッシュシステムで精製し、オフ白色固体として化合物40(30 mg, 10%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.22 (br, 1H), 8.34 (s, 1H), 7.95 (s, 1H), 7.39 (d, 2H), 7.07 (d, 1H), 6.92-6.80 (m, 3H), 6.18 (s, 1H), 3.07 (t, 4H), 2.45 (t, 4H), 2.39 (s, 3H), 2.23 (d, 3H); ESI-MS: calcd for (C25H27FN6O) 446, found 447 [M+H]
+. HPLC: 保持時間: 17.10 min. 純度: 99%.
【0275】
化合物39(200 mg, 0.69 mmol)、5-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピリジン-2-アミン(165 mg, 0.86 mmol)、酢酸パラジウム(II)(23 mg, 0.10 mmol)、Xantphos(97 mg, 0.17 mmol)及びK
2CO
3(477 mg, 3.45 mmol)の1,4-ジオキサン(2.0 ml)の混合物を、アルゴンで15分間パージした。混合物を、Biotageマイクロウェーブイニシエーターを用いて120℃で30分間加熱した。反応混合物をセライトパッドに通して、DCM/MeOH(1/1, 20 ml)で溶出した。溶液を濃縮し、硬質生成物を、CH
2Cl
2/MeOH(0〜10%メタノール/ジクロロメタン)を用いてTeledyne-Iscoフラッシュシステムで精製し、オフ白色固体として化合物41(180 mg, 59%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.25 (br, 1H), 8.72 (s, 1H), 8.07 (s, 1H), 8.01 (d, 1H), 7.83 (d, 1H), 7.42-7.39 (m, 1H), 7.08 (d, 1H), 6.85 (t, 1H), 6.20 (s, 1H), 3.14-3.12 (m, 4H), 2.48-2.45 (m, 4H), 2.40 (s, 3H), 2.27 (s, 3H), 2.23 (s, 3H); ESI-MS: calcd for (C24H26FN7O) 447, found 448 [M+H]
+. HPLC: 保持時間: 16.82 min. 純度: 99.9%.
【0278】
4,6-ジクロロ-5-メトキシピリミジン(1.5g, 8.38 mmol)及び4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-オール(1.4 g, 8.38 mmol)のDMSO(15.0 mL)溶液に炭酸カリウム(4.1 g, 29.33 mmol)を加え、混合物を80℃で4時間攪拌した。冷却後、反応混合物を攪拌水溶液(200.0 mL)に加えた。混合物を室温で1時間攪拌し、次いでろ過し、薄茶色固体として生成物化合物42(2.5 g, 収率96%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.36 (s, 1H), 8.29 (s, 1H), 7.14 (d, 1H), 6.99 (t, 1H), 6.24 (s, 1H), 4.03 (s, 3H), 2.41 (s, 3H); ESI-MS: calcd for (C14H11ClFN3O2) 307, found 308 [M+H]
+.
【0281】
化合物42(200 mg, 0.65 mmol)、4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(125 mg, 0.65 mmol)、酢酸パラジウム(II)(22 mg, 0.10 mmol)、Xantphos(94 mg, 0.16 mmol)及びK
2CO
3(450 mg, 3.25 mmol)の1,4-ジオキサン(2.0 ml)混合物を、15分間アルゴンでパージした。混合物を、Biotageマイクロウェーブイニシエーターを用いて120℃で30分間加熱した。反応混合物をセライトパッドに通して、DCM/MeOH(1/1, 20 ml)で溶出した。溶液を濃縮し、硬質生成物を、CH
2Cl
2/MeOH (0〜10%メタノール/ジクロロメタン)を用いてTeledyne-Iscoフラッシュシステムで精製し、オフ白色固体として化合物43(100 mg, 30%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.26 (br, 1H), 8.84 (s, 1H), 7.86 (s, 1H), 7.55 (d, 2H), 7.09 (d, 1H), 6.92-6.88 (m, 3H), 6.21 (s, 1H), 3.93 (s, 3H), 3.08 (t, 4H), 2.45(t, 4H), 2.40 (s, 3H), 2.22 (s, 3H); ESI-MS: calcd for (C25H27FN6O2) 462, found 463 [M+H]
+. HPLC: 保持時間: 17.43 min. 純度: 99.4%.
【0284】
化合物42(200 mg, 0.65 mmol)、5-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピリジン-2-アミン(155 mg, 0.81 mmol)、酢酸パラジウム(II)(22 mg, 0.10 mmol)、Xantphos(94 mg, 0.16 mmol)及びK
2CO
3(450 mg, 3.25 mmol)の1,4-ジオキサン(2.0 ml)の混合物を、15分間アルゴンでパージした。混合物を、Biotageマイクロウェーブイニシエーターを用いて120℃で30分間加熱した。反応混合物をセライトパッドに通して、DCM/MeOH(1/1, 20 ml)で溶出した。溶液を濃縮し、硬質生成物を、CH
2Cl
2/MeOH(0〜10%メタノール/ジクロロメタン)を用いてTeledyne-Iscoフラッシュシステムで精製し、オフ白色固体として化合物44(170 mg, 56%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.28 (br, 1H), 8.65 (s, 1H), 8.03-7.98 (s, 3H), 7.45-7.42 (m, 1H), 7.10 (d, 1H), 6.92 (t, 1H), 6.21 (s, 1H), 3.97 (s, 3H), 3.13 (t, 4H), 2.48 (t, 4H), 2.40 (s, 3H), 2.22 (s, 3H); ESI-MS: calcd for (C24H26FN7O2) 463, found 464 [M+H]
+. HPLC: 保持時間: 8.74 min. 純度: 99.9%.
【0287】
4,6-ジクロロピリミジン-5-アミン(1.5g, 9.15 mmol)及び4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-オール(1.5 g, 9.15 mmol)のDMSO(15.0 mL)溶液に、炭酸カリウム(4.4 g, 32.01 mmol)を加え、混合物を80℃で4時間攪拌した。冷却後、反応混合物を攪拌水溶液(200.0 mL)に加えた。混合物を室温で1時間攪拌し、次いでろ過し、薄茶色固体として生成物化合物45(2.5 g, 収率95%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.31 (s, 1H), 7.75 (s, 1H), 7.13 (d, 1H), 6.92 (t, 1H), 6.22 (s, 1H), (5.80 (s, 2H), 2.40 (s, 3H); ESI-MS: calcd for (C13H10ClFN4O) 292, found 293 [M+H]
+.
【0290】
化合物45(200 mg, 0.68 mmol)、4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(130 mg, 0.68 mmol)、酢酸パラジウム(II)(23 mg, 0.10 mmol)、Xantphos(98 mg, 0.17 mmol)及びK
2CO
3(470 mg, 3.40 mmol)の1,4-ジオキサン(2.0 ml)の混合物を、15分間アルゴンでパージした。混合物を、Biotageマイクロウェーブイニシエーターを用いて120℃で30分間加熱した。反応混合物をセライトパッドに通して、DCM/MeOH(1/1, 20 ml)で溶出した。溶液を濃縮し、硬質生成物を、CH
2Cl
2/MeOH (0〜10%メタノール/ジクロロメタン)を用いてTeledyne-Iscoフラッシュシステムで精製し、オフ白色固体として化合物46(5 mg, 2%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.22 (br, 1H), 8.13 (bs, 1H), 7.60-7.48 (m, 3H), 7.17-6.91 (m, 4H), 6.20 (bs, 1H), 4.85 (bs, 2H), 3.07 (bs, 4H), 2.46 (bs, 4H), 2.40 (bs, 3H), 2.22 (bs, 3H); ESI-MS: calcd for (C24H26FN7O) 447, found 448 [M+H]
+. HPLC: 保持時間: 12.68 min. 純度: 87%.
【0293】
化合物45(200 mg, 0.68 mmol)、5-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピリジン-2-アミン(164 mg, 0.85 mmol)、酢酸パラジウム(II)(23 mg, 0.10 mmol)、Xantphos(98 mg, 0.17 mmol)及びK
2CO
3(470 mg, 3.40 mmol)の1,4-ジオキサン(2.0 ml)の混合物を15分間アルゴンでパージした。混合物を、Biotageマイクロウェーブイニシエーターを用いて120℃で30分間加熱した。反応混合物をセライトパッドに通して、DCM/MeOH(1/1, 20 ml)で溶出した。溶液を濃縮し、硬質生成物を、CH
2Cl
2/MeOH(0〜10%メタノール/ジクロロメタン)を用いてTeledyne-Iscoフラッシュシステムで精製し、オフ白色固体として化合物47(100 mg, 33%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.28 (br, 1H), 8.65 (s, 1H), 8.03-7.98 (s, 3H), 7.45-7.42 (m, 1H), 7.10 (d, 1H), 6.92 (t, 1H), 6.21 (s, 1H), 3.97 (s, 3H), 3.13 (t, 4H), 2.48 (t, 4H), 2.40 (s, 3H), 2.22 (s, 3H); ESI-MS: calcd for (C25H25FN8O) 448, found 449 [M+H]
+. HPLC: 保持時間: 5.44 min. 純度: 98%.
【0296】
WO 2014145403 A1に報告されている4,7-ジフルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-オール(1.50 g, 8.19 mmol)及び4,6-ジクロロピリジン(1.28 g, 8.60 mmol)のDMSO(18 ml)溶液に、炭酸カリウム(4.07 g, 29.48 mmol)を加え、混合物を、Biotageマイクロウェーブイニシエーターを用いて85℃で1.5時間加熱した。反応混合物を水(250 mL)の入った容器に加えた。2N HClを用いて混合物のpHを約6に調整し、混合物を室温で1時間攪拌し、次いで4℃で終夜保存した。固体をろ取し、水で洗浄した。黄色固体として化合物48(2.23 g, 収率92%)を得た。さらなる精製を行うことなく、生成物を次工程の反応に用いた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.85 (br, 1H), 8.65 (s, 1H), 7.50 (s, 1H), 6.97 (m, 1H), 6.34 (s, 1H), 2.41 (s, 3H); ESI-MS: calcd for (C13H8ClF2N3O) 295, found 296 (MH
+).
【0299】
化合物48(200 mg, 0.68 mmol)、4-(4-エチルピペラジン-1-イル))アニリン(139 mg, 0.68 mmol)及びDIPEA(0.30 ml, 1.69 mmol)のDMSO(3.5 ml)混合物を100℃で終夜攪拌した。室温に冷却した後、混合物を水/飽和NH
4Cl(50 ml/50ml)に加え、室温で30分間攪拌した。2N HClを用いて混合物のpHを6〜7に調整した。4℃で終夜保存した後、固体をろ取し、水で洗浄し、粗生成物を得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル, 0-15%MeOH/DCM)で精製し、茶色固体として化合物49(147 mg, 収率47%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.77 (br, 1H), 9.26 (s, 1H), 8.20 (s, 1H), 7.33 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.87 (m, 3H), 6.31 (s, 1H), 5.98 (s, 1H), 3.04 (m, 4H), 2.41 (m, 4H), 2.39 (br, 3H), 2.35 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 1,00 (t, J = 7.2 Hz, 3H); ESI-MS: calcd for C25H26F2N6O) 464, found 465 (MH
+).
【0302】
化合物48(200 mg, 0.68 mmol)、1-アセチル-4-(4-アミノフェニル)ピペラジン(159 mg, 0.73 mmol)、及びDIPEA(0.30 ml, 1.69 mmol)のDMSO(3.5 ml)混合物を100℃で終夜攪拌した。室温に冷却した後、混合物を水/飽和NH
4Cl(50 ml/50ml)に加え、室温で30分間攪拌した。2N HClを用いて混合物のpHを6〜7に調整した。4℃で終夜保存した後、固体をろ取し、水で洗浄し、粗生成物を得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル, 0-15%MeOH/DCM)で精製し、茶色固体として化合物50(212 mg, 収率65%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.77 (br, 1H), 9.30 (s, 1H), 8.21 (s, 1H), 7.36 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.90 (m, 3H), 6.31 (s, 1H), 5.99 (s, 1H), 3.55 (m, 4H), 3.06 (m, 2H), 3.01 (m, 2H), 2.39 (br, 3H), 2.01 (s, 3H); ESI-MS: calcd for (C25H24F2N6O2) 478, found 479 (MH
+).
【0305】
化合物48(200 mg, 0.68 mmol)、tert-ブチル 4(4-アミノフェニル)ピペラジン-1-カルボキシラート(187 mg, 0.68 mmol)及びDIPEA(0.30 ml, 1.69 mmol)のDMSO(3.5 ml)混合物を100℃で終夜攪拌した。室温に冷却した後、混合物を水(100ml)に加え、室温で30分間攪拌した。氷浴で冷却した後、固体をろ取し、水で洗浄した。室温で終夜空気乾燥した後、固体をDCM/MeOH(10/1, 5 mL)に懸濁し、1 mlのTFAを加えた。混合物を室温で終夜攪拌した。濃縮後、残渣をDCM/MeOH(8/2, 15 ml)に溶解し、水を加えた。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を用いて混合物のpHを約7に調整した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル, 0-15%MeOH/DCM)で精製し、黄色固体として化合物51(60 mg, 収率20%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.80 (br, 1H), 9.31 (s, 1H), 8.22 (s, 1H), 7.38 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.88 (m, 3H), 6.33 (br, 1H), 6.01 (s, 1H), 3.04 (m, 4H), 2.91 (m, 4H), 2.41 (br, 3H); ESI-MS: calcd for C23H22F2N6O) 436, found 437 (MH
+).
【0308】
4,7-ジフルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-オール(200 mg, 1.21 mmol)のアセトニトリル(4 mL)及びN,N-ジメチルホルムアミド(1 mL)混合溶液に炭酸カリウム(200 mg, 1.45 mmol)を加えた。反応混合物を室温で1時間攪拌し、その後、4,6-ジクロロピリミジン-5-カルボニトリル(221 mg, 1.27 mmol)の3 mLアセトニトリル懸濁液を加えた。この混合物を室温で1時間攪拌した。TLCを確認した。反応が完結した。混合物を水及び酢酸エチルで希釈した。層を分離し、水相を酢酸エチルで2回抽出した。まとめた有機相を、水、次いで食塩水で1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液を減圧下で濃縮し、茶色固体として化合物52(365 mg, 収率99%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.46 (br, 1H), 8.83 (s, 1H), 7.17 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.00 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 6.27 (s, 1H), 2.41 (s, 3H); ESI-MS: calcd for (C14H8ClFN4O) 302, found 303 (MH
+).
【0311】
化合物52(200 mg, 0.66 mmol)、4-(4-エチルピペラジン-1-イル))アニリン(135 mg, 0.66 mmol)及びDIPEA(0.29 ml, 1.65 mmol)のDMSO(3.5 ml)混合物を80℃で3時間攪拌した。TLCを確認した。反応が完結した。室温に冷却した後、混合物を飽和NH
4Cl(100 ml)に加え、室温で30分間攪拌した。2N HClを用いて混合物のpHを6〜7に調整した。4℃で終夜保存し、固体をろ取した後、水で洗浄し、粗生成物を得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル, 0-10%MeOH/DCM)で精製し、茶色固体として化合物53(173 mg, 収率56%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.37 (br, 1H), 9.90 (s, 1H), 8.23 (s, 1H), 7.37 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.12 (d, J = 8.8 Hz,1H), 7.00 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.93 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 6.23 (s, 1H), 3.90-3.40 (m, 4H), 3.20-2.90 (m, 6H), 2.40 (s, 3H), 1.26 (br, 3H); ESI-MS: calcd for (C26H26FN7O) 471, found 472 (MH
+).
【0314】
化合物52(100 mg, 0.66 mmol)、4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(63mg, 0.33 mmol)、及びDIPEA(0.15 ml, 0.82 mmol)のDMSO(5 ml)混合物を80℃で30分間攪拌した。TLCを確認した。反応が完結した。室温に冷却した後、混合物を飽和NH
4Cl(100 ml)に加え、室温で30分間攪拌した。2N HClを用いて混合物のpHを6〜7に調整した。4℃で終夜静置し、固体をろ取し、水で洗浄し、粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラム(0-10%MeOH/DCM)で精製し、茶色固体として化合物54(52 mg, 収率34%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.34 (br, 1H), 9.84 (br, 1H), 8.21 (s, 1H), 7.32 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.13 (d, J = 7.6 Hz,1H), 6.95 (m, 3H), 6.23 (s, 1H), 3.12 (m, 4H), 3.20-2.90 (m, 6H), 2.45 (m, 4H), 2.40 (s, 3H), 2.20 (s, 3H); ESI-MS: calcd for (C
25H
24FN
7O) 457, found 458 (MH
+). HPLC: 保持時間: 7.71 min. 純度: 99%.
【0317】
化合物52(100 mg, 0.66 mmol)、5-(4-エチルピペラジン-1-イル)ピリジン-2-アミン(68 mg, 0.33 mmol)及びDIPEA(0.15 ml, 0.82 mmol)のDMSO(5 ml)混合物を80℃で30分間攪拌した。TLCを確認した。反応が完結した。室温に冷却した後、混合物を飽和NH
4Cl(100 ml)に加え、室温で30分間攪拌した。2N HClを用いて混合物のpHを6〜7に調整した。4℃で終夜静置し、固体をろ取し、水で洗浄し、粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラム(0-10%MeOH/DCM)で精製し、茶色固体として化合物55(28 mg, 収率18%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.36 (m 1H, 回転異性体), 10.12 (br, 0.42 H, 回転異性体), 9.61 (s, 0.58H, 回転異性体), 8.58 (m, 0.5 H, 回転異性体), 8.50 (m, 0.5 H, 回転異性体), 8.40 (m, 0.43 H, 回転異性体), 8.10(m, 0.5 H, 回転異性体), 8.08 (m, 0.5 H, 回転異性体), 7.4 (s, 0.3 H, 回転異性体), 7.41 (s, 0.98 H, 回転異性体), 7.16 (m, 0.5 H, 回転異性体), 7.12 (m, 0.49 H, 回転異性体), 7.03 (m, 0.49 H, 回転異性体), 6.94 (m, 0.50 H, 回転異性体), 6.24 (m, 1H, 回転異性体), 3.17 (m, 4H), 2.50 (m, 4H, 溶媒に隠れている), 2.39 (m, 5H), 1.01 (m, 3H); ESI-MS: calcd for (C
25H
25FN
8O ) 472, found 473 (MH
+). HPLC: 保持時間: 7.71 min. 純度: 99%.
【0320】
化合物52(100 mg, 0.66 mmol)、4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(63mg, 0.33 mmol)、及びDIPEA(0.15 ml, 0.82 mmol)のDMSO(5 ml)混合物を80℃で30分間攪拌した。TLCを確認した。反応が完結した。室温に冷却した後、混合物を飽和NH
4Cl(100 ml)に加え、室温で30分間攪拌した。2N HClを用いて混合物のpHを6〜7に調整した。4℃で終夜静置し、固体をろ取し、水で洗浄し、粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラム(0-10%MeOH/DCM)で精製し、茶色固体として化合物56(32 mg, 収率22%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.36 (m 1H, 回転異性体), 10.12 (br, 0.42 H, 回転異性体), 9.61 (s, 0.58H, 回転異性体), 8.58 (m, 0.5 H, 回転異性体), 8.50 (m, 0.5 H, 回転異性体), 8.40 (m, 0.43 H, 回転異性体), 8.10(m, 0.5 H, 回転異性体), 8.08 (m, 0.5 H, 回転異性体), 7.4 (s, 0.3 H, 回転異性体), 7.41 (s, 0.98 H, 回転異性体), 7.16 (m, 0.5 H, 回転異性体), 7.12 (m, 0.49 H, 回転異性体), 7.03 (m, 0.49 H, 回転異性体), 6.94 (m, 0.50 H, 回転異性体), 6.24 (m, 1H, 回転異性体), 3.17 (m, 4H), 2.50 (m, 4H, 溶媒に隠れている), 2.39 (s, 3H), 2.25 (s, 3H); ESI-MS: calcd for (C
25H
25FN
8O ) 472, found 473 (MH
+). HPLC: 保持時間: 7.71 min. 純度: 99%.
【0323】
化合物52(100 mg, 0.33 mmol)、QW811_1(92 mg, 0.33 mmol)及びDIPEA(0.15 ml, 0.82 mmol)のDMSO(3.5 ml)混合物を、80℃で30分間攪拌した。室温に冷却した後、混合物を水(100ml)に加え、室温で30分間攪拌した。氷浴で冷却した後、固体をろ取し、水で洗浄した。室温で終夜空気乾燥した後、固体をDCM/MeOH(10/1, 5 mL)に懸濁し、1 mlのTFAを加えた。混合物を終夜室温で攪拌した。濃縮後、残渣をDCM/MeOH(8/2, 15 ml)に溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液を加えてpHを約7にした。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル, 0-15%MeOH/DCM)で精製し、黄色固体として化合物57(33 mg, 収率20%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.36 (br, 1H), 9.91 (s, 1H), 8.25 (m, 1H), 7.36 (m, 2H), 7.18 (m, 1H), 6.95 (m, 3H), 6.29 (m, 1H), 6.01 (s, 1H), 4.30 (m, 1H), 3.15 (m, 4H), 2.91 (m, 4H), 2.55 br, 1H), 2.41 (br, 3H); ESI-MS: calcd for C24H22FN7O 443, found 444 (MH
+). HPLC: 保持時間: 17.31 min. 純度: 93%.
【0326】
化合物52(200 mg, 0.72 mmol)、化合物30(152.56 mg, 0.68 mmol)、xantphos(4,5-ジフェニルホスファニル-9,9’-ジメチル-9-H-キサンテン, 99 mg, 0.17 mmol)、K
2CO
3(1.51 g, 10.93 mmol)及び酢酸パラジウム(II)(23mg, 0.10 mmol)の1,4-ジオキサン(12 ml)混合物を、アルゴンで1時間パージした。混合物をマイクロウェーブ中120℃で45分間加熱した。TLCを確認した。出発原料がほとんど消費された。室温に冷却した後、反応混合物をDCM/MeOH(8/2)で希釈し、セライトパッドに通し、濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル, 0-12%MeOH/DCM)で精製し、さらに、5%7Nアンモニア/ジクロロメタンを用いて精製した。溶媒除去後、 化合物58(12 mg, 収率4%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.24 (br s, 1H), 8.69 (s, 1H), 7.39 (m, 2H), 7.09 (m, 2H), 6.83 (m, 3H), 6.21 (m, 3H), 5.21 (s, 1H), 3.04 (m,4H), 2.49 (m, 4H), 2.39 (s, 3H), 2.36 (m, 2H), 1.02 (t, J = 7.2Hz, 3H), ; ESI-MS: calcd for (C25H28FN7O) 461, found 462 (MH
+). HPLC: 保持時間: 9.24 min. 純度: 97%.
【0329】
4,7-ジフルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-オール(500 mg, 2.73 mmol)のアセトニトリル(9 mL)及びN,N-ジメチルホルムアミド(1 mL)の混合溶液に、炭酸カリウム(453 mg, 3.28 mmol)を加えた。反応混合物を室温で30分間攪拌し、その後、2,4-ジクロロ5-シアノピリミジン(499 mg, 2.87 mmol)のアセトニトリル/DMF(2.5 mL/2.5 mL)懸濁液を加えた。この混合物を0℃で2時間攪拌した。TLCを確認した。反応が完結した。混合物を水/食塩水及び酢酸エチルで希釈した。層を分離し、水相を酢酸エチルで2回抽出した。まとめた有機相を水/食塩水3回の1セットで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液を減圧下で濃縮し、紫色粘着性固体として化合物59(890 mg, 収率100%, いくらかのDMFを含有)を得た。生成物をさらに精製することなく用いた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.91 (br, 1H), 8.84 (s, 1H), 7.03 (dd, J = 5.6 Hz, J=10.4Hz, 1H), 6.35 (br, 1H), 2.39 (s, 3H); ESI-MS: calcd for (C14H7ClF2N4O) 320, found 321 (MH
+).
【0332】
化合物59(粗製物, 195 mg, 0.61 mmol)、4-(4-エチルピペラジン-1-イル))アニリン(100 mg, 0.49 mmol)、及びDIPEA(0.21 ml, 1.22 mmol)のDMSO(2 ml)混合物を室温で2時間攪拌した。TLCを確認した。反応が完結した。DCM(30 ml)を加え、続いてNH4Cl(30 mL)を加えた。分離後、水層をDCM/IPA(8/2, 15mlx2)で抽出した。まとめた有機相を食塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラム(0-10%MeOH/DCM)で精製し、茶色固体として化合物60(128 mg, 収率53%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.80 (br, 1H), 9.85 (s, 1H), 8.21 (s, 1H), 7.28 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.97 (dd, J =5.6Hz, J=10.4Hz,1H), 6.89 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.31 (s, 1H), 3.10 (m, 4H), 2.50 (m, 4H), 2.39 (s, 3H), 2.33 (q, J=6.8Hz, 2H), 1.00 (t, J=7.2Hz, 3H); ESI-MS: calcd for (C26H25F2N7O) 489, found 490 (MH
+).
【0335】
化合物59(179 mg, 0.56 mmol)、QW817(100 mg, 0.49 mmol)、及びDIPEA(0.21 ml, 1.22 mmol)のDMSO(2 ml)混合物を100℃で終夜攪拌した。TLCを確認した。反応が完結した。DCM(30 ml)を加え、続いてNH4Cl(30 mL)を加えた。分離後、水相をDCM/IPA(8/2, 15mlx2)で抽出した。まとめた有機相を食塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラム(0-10%MeOH/DCM)で精製し、茶色固体として化合物61(120 mg, 収率51%)を得た。(1:1.35の比の2セットのNMR)セット1:
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.82 (br, 1H, オーバーラップ), 10.10 (br, 1H), 8.31 (s, 1H), 8.07 (m, 2H), 7.39 (s,1H), 6.99 (dd, J=5.6Hz, J = 10.4 Hz, 1H), 6.32 (s, 1H, オーバーラップ), 3.15 (m, 4H, オーバーラップ), 2.50 (m, 4H, 溶媒に隠れている), 2.39 (s, 3H), 2.36 (m, 2H, オーバーラップ), 1.01 (m, 3H, オーバーラップ); セット2:
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.82 (br, 1H, オーバーラップ), 9.56 (s, 1H), 8.54 (s,1H), 8.50 (s, 1H), 7.42 (m, 2H), 7.06 (dd, J=5.6Hz, J = 10.4 Hz, 1H), 6.32 (s, 1H, オーバーラップ), 3.15 (m, 4H, オーバーラップ), 2.53 (m, 4H), 2.40 (s, 3H), 2.36 (m, 2H, オーバーラップ), 1.01 (m, 3H, オーバーラップ); ESI-MS: calcd for (C25H24F2N8O) 490, found 491 (MH
+).
【0338】
水素化ナトリウム(60%, 81 mg, 2.03 mmol)のDMF(5 mL)の冷却(0℃)した懸濁液に、化合物23(300 mg, 1.01 mmol)及びヨードメタン(0.13 mL, 2.03 mmol)のDMF(3.5 mL)溶液をゆっくり加えた。反応混合物を0℃で1時間攪拌した。TLCを確認した。出発原料が消費された。NH
4Cl水及びEtOAc/ヘキサン(20mL/10mL)を加え、混合物を室温で1時間攪拌した。有機相を分離し、水層をEtOAc/ヘキサン(50/50, 10mlx2)で抽出した。まとめた有機相を食塩水で洗浄し、乾燥(Na
2SO
4)し、濃縮し、茶色固体として化合物62(325mg, 収率100%)を得た。さらなる精製を行わなかった。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.39 (s, 1H), 7.26 (d, J = 8.8Hz, 1H), 7.05 (t, J = 7.6Hz, 1H) 6.32 (s, 1H), 3.68 (s, 3H), 2.40 (s, 3H); ESI-MS: calcd for (C14H10ClF2N3O) 309, found 310 (MH
+).
【0341】
化合物62(粗製物, 188 mg, 0.61 mmol)、4-(4-エチルピペラジン-1-イル))アニリン(100 mg, 0.49 mmol)、及びDIPEA(0.21 ml, 1.22 mmol)のDMSO(2 ml)混合物を100℃で終夜攪拌した。TLCを確認した。反応が完結した。DCM(30 ml)を加え、続いてNH4Cl(30 mL)を加えた。分離後、水相をDCM/IPA(8/2, 15mlx2)で抽出した。まとめた有機相を食塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラム(0-10%MeOH/DCM)で精製し、茶色固体として化合物63(108 mg, 収率46%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.35 (br, 1H), 7.89 (s, 1H), 7.45 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.22 (d, J = 8.8 Hz,1H), 6.99 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 6.88 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.29 (s, 1H), 3.67 (s, 3H), 3.06 (m, 4H), 2.50 (m, 4H), 2.39 (s, 3H), 2.33 (q, J=7.2Hz, 2H), 1.00 (t, J=7.2Hz, 3H); ESI-MS: calcd for (C26H28F2N6O) 478, found 479 (MH
+).
【0344】
水素化ナトリウム(60%, 66 mg, 1.65 mmol)のDMF(3 mL)の冷却(0℃)した懸濁液に、化合物52(250 mg, 0.83 mmol)及びヨードメタン(0.13 mL, 2.06 mmol)のDMF(3 mL)溶液をゆっくり加えた。反応混合物を0℃で1.5時間攪拌した。TLCを確認した。出発原料が消費された。NH
4Cl水及びEtOAc(20mL)を加え、混合物を室温で15分間攪拌した。有機相を分離し、水層をEtOAc(10mlx2)で抽出した。まとめた有機相を食塩水で洗浄し、乾燥(Na
2SO
4)し、濃縮した。粗生成物をカラム(シリカゲル, 0-10%MeOH/DCM)で精製し、黄色固体として生成物化合物64(70 mg, 収率27%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.81 (s, 1H), 7.31(m, 1H), 7.08 (m, 1H) 6.34 (s, 1H), 3.69 (s, 3H), 2.41 (s, 3H); ESI-MS: calcd for (C15H10ClFN4O) 316, found 317 (MH
+).
【0347】
化合物64(55 mg, 0.18 mmol)、4-(4-エチルピペラジン-1-イル))アニリン(36 mg, 0.18 mmol)及びDIPEA(0.1 ml, 0.44 mmol)のDMSO(2 ml)混合物を、室温で終夜攪拌した。TLCを確認した。反応が完結した。DCM(15 ml)を加え、続いてNH4Cl(15 mL)を加えた。分離後、水相をDCM/IPA(8/2, 10mlx2)で抽出した。まとめた有機相を食塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラム(0-10%MeOH/DCM)で精製し、茶色固体として化合物65(23 mg, 収率27%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.82(br, 1H), 8.18 (s, 1H), 7.29 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.24 (d, J = 8.8 Hz,1H), 7.00 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 76.90 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.30 (s, 1H), 3.67 (s, 3H), 3.10 (m, 4H), 2.50 (m, 4H), 2.40 (s, 3H), 2.34 (q, J=7.2Hz, 2H), 1.01 (t, J=7.2Hz, 3H); ESI-MS: calcd for (C27H28FN7O) 485, found 486 (MH
+).
【0350】
化合物52(250 mg, 0.83 mmol)のDMF(3 mL)溶液に、DIPEA(0.43 ml, 2.48 mmol)を室温で加えた。塩化アセチル(0.5 ml, 7.07 mmol)を室温で加え、混合物を70℃で終夜攪拌した。TLCを確認した。出発原料が消費された。反応混合物を希釈炭酸水素ナトリウム水(〜1%)に注ぎ、EtOAc/ヘキサン(8/2, 15mlx3)で抽出した。まとめた有機相を水(15mlx3)、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。粗生成物をカラム(シリカゲル, 10-60%EtOAc/ヘキサン)で精製し、黄色固体として化合物66(43 mg, 収率15%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.83 (s, 1H), 8.00 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.26 (t, J = 8.8Hz, 1H), 6.66 (s, 1H), 2.72 (s, 3H), 2.64 (s, 3H); ESI-MS: calcd for (C16H10ClFN4O2) 344, found 345 (MH
+).
【0353】
化合物66(38.6 mg, 0.11 mmol)、4-(4-エチルピペラジン-1-イル))アニリン(23.0 mg, 0.11 mmol)、及びDIPEA(0.05 ml, 0.28 mmol)のDMSO(2 ml)混合物を、室温で終夜攪拌した。TLCを確認した。反応が完結した。NH4Cl/水(9 ml/9ml)を加え、混合物を室温で30分間攪拌し、次いで℃に冷却した。固体をろ取し、NH4Cl水及び水で洗浄し、オフ白色固体として化合物67(42 mg,収率72%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.91 (s, 1H), 8.21 (s, 1H), 7.97 (d, J = 9.2 Hz,1H), 7.31 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.21 (t, J = 8.8 Hz, 1H), 6.93 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.63 (s, 1H), 3.60-3.10 (m, 4H), 3.20-2.50 (m, 6H), 2.71(s, 3H), 2.63(s, 3H), 1.08 (br, 3H); ESI-MS: calcd for (C28H28FN7O2) 513, found 514 (MH
+).
【0356】
化合物53(100 mg, 0.21 mmol)のDMSO(2 ml)溶液に、炭酸カリウム(103 mg, 0.74 mmol)を室温で加え、続いて過酸化水素(35%w/w水溶液)(0.19 ml, 1.98 mmol)を室温で加えた。混合物を室温で6時間攪拌した。TLCを確認した。反応が完結した。水を加え、混合物をDCM/IPA(8/2, 5mlx3)で抽出した。まとめ有機相を乾燥(Na
2SO
4)し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラム(0-10%MeOH/DCM)で精製し、黄色固体として生成物化合物68(65mg, 収率63%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.46 (br, 1H), 11.27 (br, 1H), 8.10 (s, 1H), 8.02 (s, 1H), 7.90 (s, 1H), 7.39 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.08 (d, J = 8.8 Hz,1H), 6.96 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 6.90 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.19 (s, 1H), 3.15-3.06 (m, 8H), 2.38-2.28 (m, 5H), 1.01 (t, J=7.2Hz, 3H); ESI-MS: calcd for (C26H28FN7O2) 489, found 490 (MH
+).
【0359】
化合物61(60 mg, 0.12 mmol)のDMSO(2.5 ml)溶液に、炭酸カリウム(108 mg, 0.75 mmol)を室温で加え、続いて過酸化水素(35%w/w水溶液)(0.3 ml, 2.97 mmol)を室温で加えた。混合物を室温で6時間攪拌した。TLCを確認した。反応が完結した。水を加え、混合物をDCM/IPA(8/2, 5mlx3)で抽出した。まとめた有機相を乾燥(Na
2SO
4)し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラム(0-15%MeOH/DCM)で精製し、黄色固体として生成物化合物69(14mg, 収率21%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.75 (br, 1H), 11.73 (br, 1H), 8.27(s, 1H), 8.16 (br, 2H), 8.00 (d, J=3.2Hz, 1H),7.93 (br, 1H), 7.40 (dd,J=2.8Hz, J = 9.2 Hz, 1H), 7.03 (dd, J=5.2Hz, J = 10.8 Hz, 1H), 6.30 (s, 1H), 3.12 (m, 4H), 2.50-2.30 (m, オーバーラップ, 4H), 2.39-2.25 (m, 5H), 1.01 (t, J=7.6Hz, 3H); ESI-MS: calcd for (C25H26F2N8O2) 508, found 509 (MH
+).
【0361】
KinaseProfiler
TMサービスアッセイプロトコル(Millipore)を用いて、本発明の新規化合物のキナーゼ阻害活性を試験した。これを行うために、バッファーの組成を、20mM MOPS、1mM EDTA、0.01%Brij−35、5%グリセロール、0.1%β−メルカプトエタノール、1mg/mL BSAとした。試験化合物を、はじめに、所望の濃度でDMSOに溶解し、次いでキナーゼアッセイバッファーに段階希釈した。25μLの最終反応容積で、Aurora−A(h)(5〜10mU)を、8mM MOPS(pH7.0)、0.2mM EDTA、200μM LRRASLG(Kemptide)、10mM酢酸マグネシウム及び[γ
33P−ATP]とインキュベートする。MgATP混合物を加えて反応を開始した。室温で40分間インキュベートした後に、5μLの3%リン酸溶液を加えて反応を停止した。次いで、10μLの反応物をP30フィルターマットにスポットし、50mMリン酸で5分間3回、メタノールで1回洗浄し、その後、乾燥及びシンチレーション計数を行った。基質を含むがキナーゼを含まないウェル及びホスホペプチド対照を含むウェルを、それぞれ0%及び100%リン酸化値を設定するために使用した。
【0362】
表1は、1μMの濃度の本発明の化合物によるAblキナーゼ、Alkキナーゼ、c−Srcキナーゼ、FGFR1キナーゼ、KDRキナーゼ、Retキナーゼ及びRetキナーゼの代表的な阻害データを示す。
【0364】
細胞株におけるチロシンキナーゼ阻害の結果を分析するために多くの試験を行った。これを行うために、384ウェルマイクロプレートに27μl/ウェルで1000個の細胞を播種し、次いで、一晩37℃の加湿CO
2インキュベーターに入れる。翌日、3μl/ウェルの10X濃縮薬剤を加え、プレートを72時間インキュベーターに戻す。72時間のインキュベーション後、プレートを除去し、6μl/ウェルのCellTiterblue(Promega)viability reagentを加える。プレートをインキュベーターに3時間戻し、その後、蛍光測定値をVictorX3プレートリーダー(Perkin Elmer)で読み取る。Excel(Microsoft)を用いてデータを解析し、Prism(Graphpad)を用いてGI
50値を決定する。
【0365】
ホスホFGFRについては、以下のアッセイプロトコルを用いた。96ウェルマイクロプレートに90μl/ウェルで25,000個の細胞を播種し、次いで、一晩37℃の加湿CO
2インキュベーターに入れる。96ウェルのELISAプレート(Mesoscale Discovery)を、4μg/ml、30μl/ウェルの捕捉抗体(R&D Systems Duo−Set)でコーティングする。翌日、10μl/ウェルの10X濃縮薬剤を加え、プレートをインキュベーターに20分間戻す。ELISAプレートを自動プレートウォッシャー(BioTek Instruments)を用いて洗浄する。30分後、細胞を逆さにし、穏やかに軽くたたいて余分な培地を除去し、すぐに氷上に置く。プロテアーゼ及びホスファターゼ阻害剤を含む30μl mPer細胞溶解試薬(Thermo Scientific)をウェルに加える。氷上での15分後、溶解物を混合し、30μlをELISAプレートに移す。プレートを2時間インキュベートし、洗浄し、30μl/ウェルの検出抗体を加える。1時間後、プレートを洗浄し、30μlの「SulfoTag」(MesoScale Discovery)の検出試薬を加える。1時間後、プレートを洗浄し、150μl/ウェルの読み取り溶液を加える。電気化学発光をMesoscale Discovery Sector Imager 2000で測定する。Excel(Microsoft)を用いてデータを解析し、Prism(Graphpad)を用いてEC
50値を決定する。
【0366】
表2は、選択した癌細胞株の阻害に関する代表的なGI50のデータを示す。KatoIII細胞のホスホFGFR2のEC50も表2に含まれている。