特許第6444541号(P6444541)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6444541
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】空気調和機
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/56 20180101AFI20181217BHJP
   F24F 11/54 20180101ALI20181217BHJP
   F24F 11/57 20180101ALI20181217BHJP
   F24F 11/58 20180101ALI20181217BHJP
   F24F 11/74 20180101ALI20181217BHJP
【FI】
   F24F11/56
   F24F11/54
   F24F11/57
   F24F11/58
   F24F11/74
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-563422(P2017-563422)
(86)(22)【出願日】2016年1月25日
(86)【国際出願番号】JP2016052055
(87)【国際公開番号】WO2017130282
(87)【国際公開日】20170803
【審査請求日】2018年1月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118762
【弁理士】
【氏名又は名称】高村 順
(72)【発明者】
【氏名】大西 崇仁
【審査官】 佐藤 正浩
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−152054(JP,A)
【文献】 特開2012−097966(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/56
F24F 11/54
F24F 11/57
F24F 11/58
F24F 11/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
指示信号を送信するリモコンと、前記リモコンに通信可能に接続された室内機と、前記室内機に通信可能に接続された室外機とを備え、
前記室内機は、前記リモコンから受信した前記指示信号に基づいて前記室内機および前記室外機を制御する室内機制御部を備え、
前記室外機は、
外部電源から電源線により前記室外機に供給される電力を入り切りするための開閉部と、
圧縮機と、
前記指示信号に基づいて前記圧縮機の駆動を制御する室外機制御部と、
を備え、
前記室内機制御部は、
前記開閉がオフ状態とされて前記外部電源から前記室外機への電力の供給が遮断された低待機電力モードにある場合において、前記室外機の駆動が不要な処理を指示する第1信号を前記リモコンから受信した場合に、前記室外機への電力の供給を遮断したまま前記第1信号により指示された処理を実施する制御を行うこと、
を特徴とする空気調和機。
【請求項2】
前記室内機は、送風ファンを備え、
前記室内機制御部は、前記第1信号であって送風運転を指示する送風運転指示信号を受信した場合に、前記室外機を駆動させずに前記送風ファンを駆動させることにより前記室内機で送風運転を実施する制御を行うこと、
を特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
【請求項3】
前記第1信号が、前記室外機の駆動が必要となる運転である冷房運転、暖房運転および除湿運転を指示する指示信号以外の指示信号であること、
を特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
【請求項4】
前記室内機制御部は、前記室外機が前記低待機電力モードにある場合において、前記室外機からの送信信号が受信されない状態を正常状態と検出すること、
を特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の空気調和機。
【請求項5】
前記室内機制御部は、前記室外機を駆動する必要がある処理を指示する第2信号を受信した場合に、前記開閉部を一時的にオン状態に動作させることにより前記外部電源から前記室外機制御部へ電力を供給させて前記室外機制御部を一時的に駆動させる制御を行い、
前記室外機制御部は、一時的に駆動している間に、前記開閉部をオン状態に保持して前記外部電源から前記室外機への給電が行われる状態に移行制御を行うこと、
を特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内機と室外機とを有する空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、空気調和機は、圧縮機を備えた室外機と室内機とが外部電源と接続されて構成されている。消費電力削減を可能とする空気調和機として、たとえば特許文献1には、室内機に備えられて室外機への電力供給を遮断するための開閉機器を経由して外部電源から室外機に電力が供給され、圧縮機停止条件に該当する場合に、室外機が圧縮機を停止するとともに、室内機が開閉手段を制御して外部電源と室外機との接続を遮断する空気調和機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−163675号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の技術によれば、室外機への電力供給用の開閉機器のオン動作およびオフ動作の回数が多くなることから、開閉機器の寿命の短命化が懸念されている。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、部品の寿命を短くすることなく消費電力削減を可能な空気調和機を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる空気調和機は、指示信号を送信するリモコンと、リモコン通信可能に接続された室内機と、室内機通信可能に接続された室外機とを備える。室内機は、リモコンから受信した指示信号に基づいて室内機および室外機を制御する室内機制御部を備える。室外機は、外部電源から電源線により室外機に供給される電力を入り切りするための開閉部と、圧縮機と、指示信号に基づいて圧縮機の駆動を制御する室外機制御部と、を備える。室内機制御部は、開閉がオフ状態とされて外部電源から室外機への電力の供給が遮断された低待機電力モードにある場合において、室外機の駆動が不要な処理を指示する第1信号をリモコンから受信した場合に、室外機への電力の供給を遮断したまま第1信号により指示された処理を実施する制御を行う。
【発明の効果】
【0007】
本発明にかかる空気調和機は、部品の寿命を短くすることなく消費電力削減を可能な空気調和機が得られる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態にかかる空気調和機の構成を示すブロック図
図2】本発明の実施の形態にかかる処理回路のハードウェア構成の一例を示す図
図3】本発明の実施の形態にかかる空気調和機における室内機の動作の手順を示すフローチャート
図4】本発明の実施の形態にかかる空気調和機における室外機の動作の手順を示すフローチャート
図5】本発明の実施の形態にかかる空気調和機における室内機と室外機とにおける電力給電の状態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の実施の形態にかかる空気調和機を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0010】
実施の形態
図1は、本発明の実施の形態にかかる空気調和機の構成を示すブロック図である。本実施の形態にかかる空気調和機は、建物の室内に設置される室内機1と、建物の屋外に設置される室外機2と、室内機1に動作指示信号を送信するリモコン3とを備えて構成されている。
【0011】
室内機1は、指示信号受信部11と、室内機電源回路12と、室内機制御部13と、室内機通信部14と、送風ファン15とを有する。
【0012】
指示信号受信部11は、リモコン3から送信された動作指示信号等の送信信号を受信する。指示信号受信部11は、室内機制御部13と通信可能に接続されており、受信した送信信号を室内機制御部13に送信する。
【0013】
室内機電源回路12は、外部電源である商用交流電源4と電源線6により接続されている。室内機電源回路12は、商用交流電源4からブレーカ5を経由して供給される交流電源から、室内機1内の各構成部を動作させるための制御電源を生成する。室内機電源回路12は、指示信号受信部11、室内機制御部13および室内機通信部14に、生成した制御電源を給電可能に接続されている。なお、図1においては、室内機1内の電源線6の一部の図示を省略している。
【0014】
室内機制御部13は、室内機1内の各構成部を制御する。また、室内機制御部13は、室外機2が低待機電力モードある場合において、室外機2の開閉部21の閉動作を制御する。すなわち、室内機制御部13は、室外機2が低待機電力モード状態である場合に、室外機2の開閉部21を閉鎖させるための制御信号を送信する。室内機制御部13は、受信した各種の情報を室内機制御部13の内部、または室内機1の内部に備える他の記憶部に記憶してもよい。
【0015】
室内機通信部14は、後述する室外機2の室外機通信部26と通信線7により接続されており、室外機2との間で双方向通信を行う。
【0016】
送風ファン15は、室内の空気を循環させる。
【0017】
室外機2は、開閉部21と、室外機電源回路22と、室外機制御部23と、インバータ24と、圧縮機25と、室外機通信部26と、温度検出部27とを有する。
【0018】
開閉部21は、ブレーカ5と室外機電源回路22との間に挿入され、電源線6と室外機電源回路22との接続状態を切り替える切り替え部である。すなわち、開閉部21は、ブレーカ5に接続された電源線6と室外機電源回路22に接続された電源線6との間に挿入されている。開閉部21がオン状態、すなわち閉状態とされることにより、電源線6と室外機電源回路22とが電気的に接続され、電源線6から室外機電源回路22に電源が供給される。開閉部21がオフ状態、すなわち開状態とされることにより、電源線6と室外機電源回路22との電気的な接続が切断され、電源線6から室外機電源回路22に電力が供給されなくなる。すなわち、開閉部21を開状態とすることにより、室外機電源回路22への電力供給が遮断可能とされている。開閉部21は、たとえばリレースイッチが用いられる。
【0019】
室外機電源回路22は、ブレーカ5および開閉部21を介して外部電源である商用交流電源4と電源線6により接続されている。室外機電源回路22は、供給される交流電源から、室外機2内の各構成部を動作させるための制御電源を生成する。室外機電源回路22は、室外機制御部23、インバータ24、室外機通信部26および温度検出部27と、生成した制御電源を給電可能に接続されている。なお、圧縮機25にはインバータ24から給電されるため、室外機電源回路22は、圧縮機25には接続していない。なお、図1においては、室外機2内の電源線6の一部の図示を省略している。
【0020】
室外機制御部23は、室外機2内の各構成部を制御する。また、室外機制御部23は、室外機2の開閉部21の開閉動作を制御して、室外機2の低待機電力モードへの移行および低待機電力モードからの復帰を制御する。室外機制御部23は、受信した各種の情報を室外機制御部23の内部、または室外機2の内部に備える他の記憶部に記憶してもよい。
【0021】
インバータ24は、空気調和機の定常運転時において、室外機制御部23の制御に基づいて圧縮機25の駆動を制御する。
【0022】
圧縮機25は、空気調和機冷房運転または暖房運転時にインバータ24の制御により、図示しない冷媒を圧縮して、図示しない配管を通して室内機1との間で循環させる。
【0023】
室外機通信部26は、通信線7により室内機1の室内機通信部14と接続されており、室内機通信部14との間で双方向通信を行う。
【0024】
温度検出部27は、既定の周期で圧縮機25の温度を検出し、検出した温度の情報を圧縮機温度情報として室外機制御部23に送信する。また、温度検出部27は、既定の周期で外気温度を検出し、検出した温度の情報を外気温度情報として室外機制御部23に送信する。
【0025】
また、室内機制御部13および室外機制御部23は、例えば、図2に示したハードウェア構成の処理回路として実現される。図2は、本発明の実施の形態にかかる処理回路のハードウェア構成の一例を示す図である。室内機制御部13および室外機制御部23を構成する各構成要素は、例えば、図2に示すプロセッサ101がメモリ102に記憶されたプログラムを実行することにより、実現される。また、複数のプロセッサおよび複数のメモリが連携して上記機能を実現してもよい。また、室内機制御部13の機能のうちの一部を電子回路として実装し、他の部分をプロセッサ101およびメモリ102を用いて実現するようにしてもよい。同様に、室外機制御部23の機能のうちの一部を電子回路として実装し、他の部分をプロセッサ101およびメモリ102を用いて実現するようにしてもよい。また、指示信号受信部11および室内機通信部14のうちの1つ以上を、同様にプロセッサ101がメモリ102に記憶されたプログラムを実行することにより、実現されるように構成してもよい。また、指示信号受信部11および室内機通信部14のうちの1つ以上を実現するためのプロセッサおよびメモリは、室内機制御部13を実現するプロセッサおよびメモリと同一であってもよいし、別のプロセッサおよびメモリであってもよい。また、室外機通信部26を、同様にプロセッサ101がメモリ102に記憶されたプログラムを実行することにより、実現されるように構成してもよい。また、室外機通信部26を実現するためのプロセッサおよびメモリは、室外機制御部23を実現するプロセッサおよびメモリと同一であってもよいし、別のプロセッサおよびメモリであってもよい。
【0026】
なお、図1においては、ブレーカ5から延びる電源線は、室外機2内を経由して室内機1に接続する例を示しているが、ブレーカ5から延びる電源線は、直接、室内機1に接続されてもよい。
【0027】
リモコン3は、リモコン3の操作部から入力された動作指示信号等の信号を、室内機1の指示信号受信部11に送信する。リモコン3と指示信号受信部11との通信方法は、無線通信であってもよく、有線通信であってもよい。
【0028】
つぎに、本実施の形態にかかる空気調和機の動作について図3および図4を用いて説明する。図3は、本発明の実施の形態にかかる空気調和機における室内機1の動作の手順を示すフローチャートである。図4は、本発明の実施の形態にかかる空気調和機における室外機2の動作の手順を示すフローチャートである。
【0029】
まず、室外機2の開閉部21の開放時の動作について説明する。まず、空気調和機が定常運転を行っている状態、すなわち、室内機1および室外機2が駆動している状態として、冷房運転を行っている状態とする。空気調和機の定常運転状態においては、開閉部21は、常時、閉状態となっている。開閉部21が閉状態とされることにより、室外機2の室外機電源回路22には、商用交流電源4からブレーカ5を介して電源線6により電力が供給される。そして、室外機電源回路22に供給された電力は、室外機電源回路22によって、室外機制御部23、インバータ24、室外機通信部26および温度検出部27の各部の動作に必要な直流電力に変換され、電源線6を介して各部に供給される。
【0030】
また、室内機1の室内機電源回路12には、商用交流電源4からブレーカ5を介して電源線6により電力が供給される。そして、室内機電源回路12に供給された電力は、室内機電源回路12によって、指示信号受信部11、室内機制御部13、室内機通信部14および送風ファン15の各部の動作に必要な直流電力に変換され、電源線6を介して各部に供給される。
【0031】
ここで、指示信号受信部11は、リモコン3から送信されて冷房運転の停止を指示する運転停止指示信号を受信すると、受信した運転停止指示信号を室内機制御部13に送信する。
【0032】
室内機制御部13は、ステップS101において運転停止指示信号を受信すると、ステップS102において、該運転停止指示信号を室外機2に送信する。すなわち、室内機制御部13は、運転停止指示信号を、室内機通信部14、室外機2の室外機通信部26を介して室外機2の室外機制御部23に送信する。
【0033】
室外機2の室外機制御部23は、ステップS201において運転停止指示信号を受信すると、ステップS202において冷房運転を停止させる制御を行う。すなわち、室外機制御部23は、圧縮機25を駆動させるために行っていたインバータ24への制御を該運転停止指示信号に基づいて停止することにより、圧縮機25の駆動を停止させる。これにより、圧縮機25は、停止状態となり、冷房運転が停止する。
【0034】
つぎに、室外機2の室外機制御部23は、ステップS203において、圧縮機25への拘束通電が必要であるか否かを判定する。拘束通電は、圧縮機25の冷媒寝込み対策として、室外機2の室外機制御部23がインバータ24を制御して、圧縮機25の内部のモータを駆動させることなくモータの巻線に通電して圧縮機25を予熱することを意味する。
【0035】
室外機制御部23は、温度検出部27から送信された圧縮機温度情報および外気温度情報を用いて既定の演算を行った演算結果と、拘束通電の要否を判定するための既定の基準値である拘束通電基準値とを比較することにより、圧縮機25への拘束通電が必要であるか否かを判定する。拘束通電基準値は、室外機制御部23に予め記憶されていてもよく、また室外機2の内部に備える他の記憶部に記憶されていてもよい。
【0036】
ステップS203において圧縮機25への拘束通電が必要であると判定された場合には、すなわちステップS203においてYesの場合には、室外機2の室外機制御部23は、ステップS210において、拘束通電を実施する制御をインバータ24に対して行う。
【0037】
ステップS203において圧縮機25への拘束通電が必要であると判定されない場合には、すなわちステップS203においてNoの場合には、室外機制御部23は、ステップS204において、低待機電力モードへ移行可能であるか判定する。低待機電力モードは、商用交流電源4と室外機2との間に接続されているブレーカ5がオンの状態下で、室内機1の立ち上げが完了済みであり、開閉部21が開状態に制御されることで、室外機2の室外機電源回路22への電力供給が遮断されている状態を意味する。したがって、低待機電力モードにおいては、室外機電源回路22から室外機2の内部の各部への電力の供給が停止されている。
【0038】
室外機制御部23は、室内機1から送信されてくるリモコン3の情報より低待機電力モードへ移行可能であるか判定する。ここで、リモコン3は、運転停止指示信号を室内機制御部13に送信した後、リモコン3の操作部から既定の時間だけ新たな動作指示信号等の信号が入力されない場合に、低待機電力モードに移行可能である旨の低待機電力モード移行指示信号を室内機1の指示信号受信部11に送信する。指示信号受信部11は、受信した低待機電力モード移行指示信号を室内機制御部13に送信する。そして、室内機制御部13は、ステップS103において、該低待機電力モード移行指示信号を、室内機通信部14、室外機2の室外機通信部26を介して室外機2の室外機制御部23に送信する。
【0039】
ステップS204において、室外機制御部23は、低待機電力モード移行指示信号を受信していない場合には、低待機電力モードへ移行可能でないと判定する。室外機制御部23は、低待機電力モード移行指示信号を受信していない場合は、すなわちステップS204においてNoの場合は、ステップS203に戻る。
【0040】
ステップS204において、室外機制御部23は、低待機電力モード移行指示信号を受信しているが、圧縮機25への拘束通電が必要であると判定された場合には、すなわちステップS204においてNoの場合は、ステップS203に戻る。
【0041】
ステップS204において、室外機制御部23は、低待機電力モード移行指示信号を受信しており、且つ圧縮機25への拘束通電が必要でないと判定された場合には、室外機制御部23は、低待機電力モードへ移行可能であると判定する。
【0042】
なお、ステップS210の拘束通電の実施後、低待機電力モード移行指示信号が室外機制御部23に送信されてこない状態が継続された状態で、たとえば30分等の既定の時間が経過した場合に、再度ステップS203において拘束通電の要否を判定することとしてもよい。
【0043】
つぎに、ステップS204において低待機電力モードへ移行可能であると判定された場合は、すなわちステップS204においてYesの場合は、ステップS205において室外機制御部23は、低待機電力モード移行信号を室外機通信部26、室内機1の室内機通信部14を介して室内機1の室内機制御部13に送信する。低待機電力モード移行信号は、室外機2が低待機電力モードへ移行する旨を通知する信号である。
【0044】
つぎに、ステップS206において、開閉部21がオフ状態、すなわち開状態とされ、ステップS207において室外機2が低待機電力モードへ移行する。すなわち、室外機制御部23は、ステップS206において、開閉部21の開放を指示する開放指示信号を開閉部21に送信して、開閉部21を状態とする制御を行う。
【0045】
開閉部21は、開放指示信号を受信すると、該開放指示信号に基づいて開状態へ移行する。これにより、電源線6と室外機電源回路22との電気的な接続が切断され、電源線6から室外機電源回路22への電力の供給が遮断される。これにより、室外機電源回路22から室外機2内の各部への電力の供給が停止され、室外機2内の各部は停止した状態となり、室外機2が低待機電力モードへ移行する。
【0046】
本実施の形態にかかる空気調和機における定常運転時、定常待機時、低待機電力モード時およびブレーカ5のオフ時における室内機1と室外機2とにおける電力給電の状態を図5に示す。図5は、本発明の実施の形態にかかる空気調和機における室内機1と室外機2とにおける電力給電の状態を示す図である。図5に示すように、定常運転時および定常待機時においては、室内機1および室外機2の両方に商用交流電源4から電力が給電されている。低待機電力モード時においては、室内機1には商用交流電源4から電力が給電されているが、室外機2には商用交流電源4から電力が給電されていない。ブレーカ5のオフ時おいては、室内機1および室外機2の両方に商用交流電源4から電力が給電されていない。
【0047】
つぎに、室内機1の室内機制御部13は、ステップS103の後、ステップS104において、室外機2が低待機電力モードに移行したか否かを判定する。室内機制御部13は、室外機2から低待機電力モード移行信号を受信したか否かによって、室外機2が低待機電力モードに移行したか否かを判定する。
【0048】
ステップS104において室外機2が低待機電力モードに移行していないと判定された場合は、すなわちステップS104においてNoの場合は、ステップS103に戻る。すなわち、室内機制御部13は、室外機2より低待機電力モード移行信号を受信するか、またはリモコン3から冷房運転の駆動を指示する運転指示信号を受信するまで、既定の周期で低待機電力モード移行指示信号を室外機2の室外機制御部23に送信し続ける。そして、室内機制御部13は、ステップS103に戻って判定を繰り返す。
【0049】
また、ステップS104において室外機2が低待機電力モードに移行したと判定された場合は、すなわちステップS104においてYesの場合は、室内機1は、ステップS105において、室外機2の室外機制御部23への低待機電力モード移行指示信号の送信を停止し、リモコン3からの指示信号を受信待ちの状態となる。すなわち、室内機1は、低待機電力モード時においてはリモコン3からの運転信号の受信待ちの状態となる。
【0050】
なお、室外機2が低待機電力モードへ移行した場合、室外機2への給電が遮断される。このため、室外機2から室内機1への信号の送信が停止する。室内機1の室内機制御部13が、室外機2から室内機1への送信信号が受信されない状態を、室外機2の通信異常として検出する可能性がある。そこで、低待機電力モード中は、室内機1の室内機通信部14と室外機2の室外機通信部26との間の通信を停止させる、または室内機制御部13が室外機2の通信異常を検出しても該通信異常の検出を無効とする、などの処理を室内機制御部13が行うことにより、低待機電力モードにおける室外機2の通信異常を異常状態として検出することを回避でき、正常状として検出できる。これにより、低待機電力モードにおいて室外機2の通信異常の検出に起因した室内機1の動作の停止、異常発生通知アラームの起動などの動作を回避できる。
【0051】
つぎに、室内機1の室内機制御部13は、リモコン3から信号を受信すると、受信した信号が、圧縮機25の駆動が不要な処理を指示する信号である第1信号、または圧縮機25を駆動する必要がある処理を指示する信号である第2信号のうちのどちらの信号であるかを判定する。圧縮機25を駆動する必要がある処理を指示する信号は、室外機2を駆動する必要がある指示信号である。すなわち、室内機制御部13は、リモコン3から信号を受信すると、受信した指示信号が圧縮機25を駆動する必要がない処理を指示する信号、すなわち室外機2を駆動する必要がない処理を指示する指示信号である第1信号であるか否かを判定する。
【0052】
第1信号には、送風運転を指示する送風運転指示信号、およびリモコン3のメイン画面表示またはメンテナンス画面表示などにおける、空気調和機の運転とは関係ないモードでのリモコン3の操作によりリモコン3から室内機1に送信されるリモコン操作信号が含まれる。第2信号には、冷房運転を指示する冷房運転指示信号および暖房運転を指示する暖房運転指示信号が含まれる。
【0053】
ここでは、室内機1の室内機制御部13はリモコン3から信号を受信すると、ステップS106において、受信した信号が圧縮機を駆動する必要がない第1信号である送風運転指示信号であるか否かを判定する。
【0054】
ステップS106において、受信した信号が送風運転を指示する送付運転指示信号である場合は、すなわちステップS106においてYesの場合は、室内機制御部13は、ステップS111において室外機2を駆動せずに室内機1のみを駆動して送風運転を実施する制御を行う。送風運転は、室内機1内に備えられた送風ファン15だけを回して室内の空気を循環させるため、圧縮機25を駆動させなくても動作可能であり、室外機2へ給電を実施しなくても動作可能である。このため、室内機制御部13は、室外機2の低待機電力モードを継続させ、室内機1の送風ファン15を駆動させることにより室内機1のみで送風運転を実施する制御を行う。
【0055】
このように、室外機2の低待機電力モードを継続させ、室内機1のみで送風運転を実施することにより、低待機電力モード時からの室外機2の復帰動作の回数の削減および、送風運転時の電力削減が可能となる。すなわち、室外機2の低待機電力モード時において送風運転を実施する際に室外機2駆動しないことにより、送風運転時における室外機2の待機電力を削減できる。
【0056】
また、低待機電力モード時の室外機2を復帰させる、すなわち室外機2を再度起動するためには、開状態にある開閉部21を閉状態に切り替える、すなわちオフ状態とされている開閉部21をオン状態にして室外機電源回路22に給電する必要がある。室外機2の低待機電力モード時において送風運転を実施する際に室外機2を駆動しないことにより、低待機電力モードからの室外機2の不要な復帰動作の回数を削減することができ、開閉部21のオン動作およびオフ動作の回数を削減することができる。これにより、低待機電力モード時における送風運転の実施に起因した開閉部21の寿命の短命化を防止することができる。
【0057】
ここで、室外機2が低待機電力モードの状態において室内機1のみで送風運転を実施する場合は、室外機2からの送信信号が受信されない。このため、上記と同様に、室内機1の室内機制御部13が、室外機2から室内機1への送信信号が受信されない状態を、室外機2の通信異常として検出する可能性がある。そこで、上記と同様に、室内機1の室内機通信部14と室外機2の室外機通信部26との間の通信を停止させる、または室内機制御部13が室外機2の通信異常を検出しても該通信異常の検出を無効とする、などの処理を室内機制御部13が行うことにより、送風運転時における室外機2の通信異常を異常状態として検出することを回避でき、正常状として検出できる。これにより、低待機電力モードにおける室内機1の送風運転時において室外機2の通信異常の検出に起因した室内機1の動作の停止、異常発生通知アラームの起動などの動作を回避できる。
【0058】
一方、ステップS106において、受信した信号が送風運転を指示する送風運転指示信号でない場合は、すなわちステップS106においてNoの場合は、室内機制御部13はステップS107において、受信した信号が送風運転指示信号以外の第1信号であるか否かを判定する。
【0059】
ステップS107において、受信した信号が送風運転指示信号以外の第1信号である場合は、すなわちステップS107においてYesの場合は、室内機制御部13は、ステップS112において室外機2を駆動せずに室外機2の低待機電力モードを継続させ、受信した第1信号に対応した制御を行う。
【0060】
このように、受信した信号が送風運転指示信号以外の第1信号である場合も室外機2の低待機電力モードを継続させる制御を行うことにより、低待機電力モード時からの室外機2の復帰動作の回数の削減および、室外機2の待機電力の削減が可能となる。すなわち、低待機電力モード時であっても、たとえばメイン画面表示またはメンテナンス画面表示などにおけるリモコンの操作時に、圧縮機25の駆動が必要となる運転、すなわち室外機の駆動が必要となる運転を指示する指示信号以外の指示信号がリモコン3から室内機1に送信された場合に、該指示信号に起因して室外機2の低待機電力モードが解除されてしまうことが防止できる。ここでの、室外機の駆動が必要となる運転は、冷房運転、暖房運転および除湿運転である。
【0061】
また、受信した信号が送風運転指示信号以外の第1信号である場合も室外機2を駆動しないことにより、低待機電力モードからの室外機2の不要な復帰動作の回数を削減することができ、開閉部21のオンおよびオフの回数を削減することができる。これにより、低待機電力モードからの室外機2の復帰動作に起因した開閉部21の寿命の短命化を防止することができる。
【0062】
すなわち、本実施の形態にかかる空気調和機では、室外機2の低待機電力モード時においては、室外機2を駆動させることが必要な運転命令でない指示信号である第1信号をリモコンから受信した場合には、室内機制御部13は、室外機2の開閉部21を閉状態とする制御を行わず、室外機2を駆動させずに低待機電力モードを継続させる制御を行う。
【0063】
ステップS107において、受信した信号が送風運転指示信号以外の第1信号でない場合は、すなわちステップS107においてNoの場合は、受信した信号は、第2信号であり、ここでは冷房運転指示信号である。このとき、室外機2は、電力供給が遮断されているため、室外機2単体では制御および動作を実施できない状態である。このため、室内機1から室外機2を起動させる必要がある。
【0064】
この場合は、商用交流電源4から室外機2に給電させるために、ステップS108において室内機1の室内機制御部13は、既定の時間だけ室外機2の開閉部21を一時的に閉動作させて、室外機2の室外機電源回路22へ商用交流電源4から電力を一時的に供給させる。すなわち、室内機制御部13は、オン信号、すなわち開閉部21の閉状態への移行を指示する閉鎖指示信号を開閉部21に送信して、開閉部21を一時的に閉状態とする制御を行う。室内機制御部13が閉鎖指示信号に基づいて開閉部21を閉鎖させる時間は、たとえば3秒とされる。
【0065】
開閉部21は、閉鎖指示信号を受信すると、該閉鎖指示信号により給電され、閉鎖指示信号に従ってオン状態、すなわち閉状態へ移行する。これにより、商用交流電源4から室外機2の室外機電源回路22へ一時的に電力が供給され、上述したように室外機電源回路22から室外機制御部23を含む室外機2の各部に一時的に給電される。室外機制御部23は、低待機電力モード時において電力が供給されると、ステップS208において開閉部21の閉状態を保持する制御を行う。開閉部21の閉状態が保持されることにより、室外機2は低待機電力モードから通常の定常待機モードに復帰する。また、室外機制御部23は、通信確立のための初期通信信号を室内機1の室内機制御部13に送信する。
【0066】
ここで、室内機制御部13が開閉部21を閉鎖させる時間、たとえば3秒が経過すると、室外機電源回路22へ商用交流電源4から電力が供給されていなくても、すなわち開閉部21の閉動作が保持されていなくても、開閉部21に給電がされなくなり、開閉部21は開状態へ戻る。そこで、室内機1の室内機制御部13は、ステップS108における開閉部21の閉動作の制御の実施後、ステップS109において室外機2から通信確立の初期通信信号を受信したか否かを判定する。
【0067】
ステップS109において初期通信信号を受信しないと判定された場合は、すなわちステップS109においてNoの場合は、ステップS108に戻って、室内機制御部13は既定の間隔で既定の回数だけ上述した開閉部21を閉状態とする制御を繰り返して行う。既定の間隔は、たとえば3分とされる。既定の回数は、たとえば3回とされる。
【0068】
開閉部21を閉状態とする制御を繰り返し実施しても、室外機2から初期通信信号を受信しない場合は、室内機制御部13は、室外機2が異常状態であると判断する。これは室内機1と室外機2との間の通信線の誤配線、室内機通信部14または室外機通信部26の故障時などの異常状態を想定している。また、室内機制御部13が開閉部21を閉状態とする制御における各タイミングにおける開閉部21の閉動作は1回とする。
【0069】
また、ステップS109において初期通信信号を受信したと判定された場合は、すなわちステップS109においてYesの場合は、ステップS110において室内機制御部13は、初期通信信号に対する応答通信信号を室外機制御部23に送信するとともに、冷房運転指示信号を室外機制御部23に送信して定常運転状態となる。
【0070】
一方、室外機2の室外機制御部23は、ステップS208において開閉部21の閉状態を保持する制御を行って低待機電力モードから定常待機モードに復帰した後、温度検出部27から送信される圧縮機温度情報および外気温度情報とを用いて、圧縮機25への拘束通電が必要であるか否かを判定する。
【0071】
ここで、圧縮機25への拘束通電が必要であると判定されない場合には、ステップS209において室外機2は定常運転状態に移行する。すなわち、室外機制御部23は、室内機1の室内機制御部13から送信された冷房運転指示信号に基づいて冷房運転を実施する制御をインバータ24に対して行う。そして、インバータ24が室外機制御部23の制御に基づいて圧縮機25を駆動することにより冷房運転が実施される。
【0072】
また、圧縮機25への拘束通電が必要であると判定された場合には、室外機制御部23は、拘束通電を実施する制御をインバータ24に対して行い、再度、圧縮機25への拘束通電が必要であるか否かを判定する。そして、圧縮機25への拘束通電が必要であると判定されなくなった場合に、ステップS209において室外機2は定常運転状態に移行し、上記と同様にして冷房運転が実施される。
【0073】
低待機電力モードが解除される場合の解除条件の一例を以下に示す。
(1)冷房運転指示信号などの室外機2の圧縮機25の駆動が必要とされる運転指示信号リモコン3より室内機1の室内機制御部13が受信した場合。
(2)ブレーカ5のオン後、室外機2が立ち上がったと想定される既定の時間の経過後に、室内機1の室内機制御部13が室外機2の室外機通信部26から初期通信信号を受信しなかった場合。上記既定の間は、たとえば3秒後とされる。
【0074】
上述したように、本実施の形態にかかる空気調和機は、低待機電力モード時に室内機1の室内機制御部13がリモコン3から受信した信号が、圧縮機25を駆動する必要がない第1信号である場合には、室内機制御部13は室外機2の低待機電力モードを継続させる制御を行う。そして、室内機1の室内機制御部13は、低待機電力モード時にリモコン3から受信した信号が室内機1単独で動作可能な送風運転を指示する送風運転指示信号である場合には、室外機2の低待機電力モードを継続させ、室内機1のみで送風運転を実施する制御を行う。
【0075】
これにより、本実施の形態にかかる空気調和機は、低待機電力モード時からの室外機2の復帰回数の削減および、送風運転時の電力削減を実現できる。また、本実施の形態にかかる空気調和機は、低待機電力モードからの室外機2の不要な復帰を削減することができ、開閉部21のオンおよびオフの回数を削減することができる。これにより、低待機電力モード時における室外機2の再起動に起因した開閉部21の寿命の短命化を防止することができる。
【0076】
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
【符号の説明】
【0077】
1 室内機、2 室外機、3 リモコン、4 商用交流電源、5 ブレーカ、6 電源線、7 通信線、11 指示信号受信部、12 室内機電源回路、13 室内機制御部、14 室内機通信部、15 送風ファン、21 開閉部、22 室外機電源回路、23 室外機制御部、24 インバータ、25 圧縮機、26 室外機通信部、27 温度検出部、101 プロセッサ、102 メモリ。
図1
図2
図3
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図5