特許第6444544号(P6444544)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6444544
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】圧縮機及び冷凍サイクル装置
(51)【国際特許分類】
   F04B 39/00 20060101AFI20181217BHJP
   F04B 39/02 20060101ALI20181217BHJP
   F04B 39/12 20060101ALI20181217BHJP
   F04C 29/02 20060101ALI20181217BHJP
   F04C 29/00 20060101ALI20181217BHJP
【FI】
   F04B39/00 106Z
   F04B39/02 A
   F04B39/12 Z
   F04C29/02 321A
   F04C29/02 361A
   F04C29/00 T
【請求項の数】11
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-567588(P2017-567588)
(86)(22)【出願日】2016年2月15日
(86)【国際出願番号】JP2016054308
(87)【国際公開番号】WO2017141322
(87)【国際公開日】20170824
【審査請求日】2018年1月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】515035283
【氏名又は名称】サイアム コンプレッサー インダストリー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002491
【氏名又は名称】溝井国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】並木 謙
(72)【発明者】
【氏名】茗ヶ原 将史
(72)【発明者】
【氏名】ワッチャラプリーチャーウォン チョムプーヌット
【審査官】 田谷 宗隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−1191(JP,A)
【文献】 特開平9−178689(JP,A)
【文献】 特開平9−113476(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 39/00
F04B 39/02
F04B 39/12
F04C 29/00
F04C 29/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部に冷凍機油と冷媒との混合液が貯留された容器と、
前記容器に収納された電動機と、
前記電動機の回転軸であり、回転中に前記容器の底部から前記混合液を汲み上げるクランク軸と、
前記混合液の液面が基準の高さに達しているかどうかを検出するための長手状の電極を有し、前記電極の長手方向の両端が前記クランク軸の回転方向において互いに異なる位置にある液面センサと
を備え
前記クランク軸の下部には、前記混合液を開口から吸入する吸入部が設けられ、
前記液面センサは、前記電極として、前記クランク軸の径方向において互いに対向し、それぞれの下端が前記吸入部の開口よりも高い位置にある1対の長手状の電極を有する圧縮機。
【請求項2】
前記容器の内部に設置され、前記クランク軸の軸方向において前記電動機が収納された空間と前記液面センサが設置された空間とを隔てるプレートをさらに備える請求項1に記載の圧縮機。
【請求項3】
底部に冷凍機油と冷媒との混合液が貯留された容器と、
前記容器に収納された電動機と、
前記電動機の回転軸であり、回転中に前記容器の底部から前記混合液を汲み上げるクランク軸と、
前記混合液の液面が基準の高さに達しているかどうかを検出するための長手状の電極を有し、前記電極の長手方向の両端が前記クランク軸の回転方向において互いに異なる位置にある液面センサと
前記容器の内部に設置され、前記クランク軸の軸方向において前記電動機が収納された空間と前記液面センサが設置された空間とを隔てるプレートと
を備える圧縮機。
【請求項4】
前記電極の長手方向が前記電極の中心から前記クランク軸の中心軸への垂線に直交している請求項1から3のいずれか1項に記載の圧縮機。
【請求項5】
前記電極の長手方向が前記クランク軸の軸方向に直交している請求項1から4のいずれか1項に記載の圧縮機。
【請求項6】
前記電極は、短辺方向が前記クランク軸の軸方向と一致する矩形板状である請求項1からのいずれか1項に記載の圧縮機。
【請求項7】
前記電極は、長手方向の両端が開口された円筒状である請求項1からのいずれか1項に記載の圧縮機。
【請求項8】
前記電極は、前記クランク軸の回転方向に沿って円弧状に湾曲している請求項1からのいずれか1項に記載の圧縮機。
【請求項9】
前記液面センサは、前記容器の内壁の少なくとも1箇所に設置されている請求項1から8のいずれか1項に記載の圧縮機。
【請求項10】
前記液面センサは、前記クランク軸の回転方向において前記容器の内壁の2箇所以上に設置されている請求項1から8のいずれか1項に記載の圧縮機。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載の圧縮機と、
前記液面センサを用いて前記混合液の液面が前記基準の高さに達しているかどうかを検出し、検出結果によって前記圧縮機の運転を制御するコントローラと
を備える冷凍サイクル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮機及び冷凍サイクル装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、密閉容器内に冷凍機油を保持し、運転中にクランク軸を用いて冷凍機油を圧縮機構の各摺動部に供給する圧縮機において、冷凍機油と冷媒との混合液の液面高さ、及び、冷凍機油と冷媒との混合比を検出する静電容量型液面検出器が設置されたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4−54417号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の圧縮機では、混合液の液面高さを検出するセンサが上部に、冷凍機油と冷媒との混合比を検出するセンサが下部に形成されるように、静電容量型液面検出器が同一幅で長さの異なる3枚の電極版を組み合わせて構成されている。このような構成の液面検出器では、十分な強度を確保することが難しい。圧縮機の運転中は、密閉容器内の混合液による流体力が発生するため、液面検出器が破損するおそれがある。液面検出器が混合液に浸かっている場合、混合液の流れが妨げられ、圧縮機構への給油効率が低下するおそれもある。また、密閉容器内の他の構造部品の配置によっては、液面検出器の配置が困難となる場合がある。特に、混合液の液面高さを正確に検出するためには、検出すべき液面高さの範囲に亘って液面検出器の上部が配置される必要があるが、その範囲の下方に液面検出器の下部を配置するスペースを確保できないおそれがある。
【0005】
本発明は、圧縮機において容器内の冷凍機油と冷媒との混合液による流体力の作用に起因する液面センサの破損を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る圧縮機は、
底部に冷凍機油と冷媒との混合液が貯留された容器と、
前記容器に収納された電動機と、
前記電動機の回転軸であり、回転中に前記容器の底部から前記混合液を汲み上げるクランク軸と、
前記混合液の液面が基準の高さに達しているかどうかを検出するための長手状の電極を有し、前記電極の長手方向の両端が前記クランク軸の回転方向において互いに異なる位置にある液面センサとを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、圧縮機において容器内の冷凍機油と冷媒との混合液による流体力の影響を受けにくい位置及び姿勢にて液面センサが設置されるため、その流体力の影響に起因する液面センサの破損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る冷凍サイクル装置の回路図。
図2】実施の形態1に係る冷凍サイクル装置の回路図。
図3】実施の形態1に係る圧縮機の縦断面図。
図4】実施の形態1に係る圧縮機の液面センサの斜視図。
図5】実施の形態1に係る圧縮機の液面センサの配置を示す横断面図。
図6】実施の形態1に係る圧縮機の液面センサの配置と容器内の液面高さとの関係を示す図。
図7】実施の形態1に係る圧縮機の液面センサの出力と容器内の液面高さとの関係を示すグラフ。
図8】実施の形態1の変形例に係る圧縮機の液面センサの配置を示す横断面図。
図9】実施の形態2に係る圧縮機の下部の縦断面図及びA−A断面図。
図10】実施の形態3に係る圧縮機の液面センサの部分斜視図。
図11】実施の形態3に係る圧縮機の液面センサの配置を示す横断面図。
図12】実施の形態4に係る圧縮機の液面センサの斜視図。
図13】実施の形態4に係る圧縮機の液面センサの配置を示す横断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には、同一符号を付している。実施の形態の説明において、同一又は相当する部分については、その説明を適宜省略又は簡略化する。装置、器具、部品等の構成について、その材質、形状、大きさ等は、本発明の範囲内で適宜変更することができる。
【0010】
実施の形態1.
***構成の説明***
図1及び図2を参照して、本実施の形態に係る冷凍サイクル装置10の構成を説明する。
【0011】
図1は、冷房運転時の冷媒回路11を示している。図2は、暖房運転時の冷媒回路11を示している。
【0012】
冷凍サイクル装置10は、本実施の形態では、空気調和機であるが、冷蔵庫、ヒートポンプサイクル装置といった空気調和機以外の装置であってもよい。
【0013】
冷凍サイクル装置10は、冷媒が循環する冷媒回路11を備える。冷凍サイクル装置10は、さらに、圧縮機12と、四方弁13と、室外熱交換器である第1熱交換器14と、膨張弁である膨張機構15と、室内熱交換器である第2熱交換器16とを備える。圧縮機12と、四方弁13と、第1熱交換器14と、膨張機構15と、第2熱交換器16は、冷媒回路11に接続されている。
【0014】
圧縮機12は、冷媒を圧縮する。四方弁13は、冷房運転時と暖房運転時とで冷媒の流れる方向を切り換える。第1熱交換器14は、冷房運転時には凝縮器として動作し、圧縮機12により圧縮された冷媒を放熱させる。すなわち、第1熱交換器14は、圧縮機12により圧縮された冷媒を用いて熱交換を行う。第1熱交換器14は、暖房運転時には蒸発器として動作し、室外空気と膨張機構15で膨張した冷媒との間で熱交換を行って冷媒を加熱する。膨張機構15は、凝縮器で放熱した冷媒を膨張させる。第2熱交換器16は、暖房運転時には凝縮器として動作し、圧縮機12により圧縮された冷媒を放熱させる。すなわち、第2熱交換器16は、圧縮機12により圧縮された冷媒を用いて熱交換を行う。第2熱交換器16は、冷房運転時には蒸発器として動作し、室内空気と膨張機構15で膨張した冷媒との間で熱交換を行って冷媒を加熱する。
【0015】
冷凍サイクル装置10は、さらに、コントローラ17を備える。
【0016】
コントローラ17は、具体的には、マイクロコンピュータである。図1及び図2では、コントローラ17と圧縮機12との接続しか示していないが、コントローラ17は、圧縮機12だけでなく、冷媒回路11に接続された圧縮機12以外の要素に接続されてもよい。コントローラ17は、接続されている要素の状態を監視したり、制御したりする。
【0017】
冷媒回路11を循環する冷媒としては、R32、R125、R134a、R407C、R410A等のHFC(HydroFluoroCarbon)系冷媒が使用される。或いは、R1123、R1132(E)、R1132(Z)、R1132a、R1141、R1234yf、R1234ze(E)、R1234ze(Z)等のHFO(HydroFluoroOlefin)系冷媒が使用される。或いは、R290(プロパン)、R600a(イソブタン)、R744(二酸化炭素)、R717(アンモニア)等の自然冷媒が使用される。或いは、その他の冷媒が使用される。或いは、これらの冷媒のうち2種類以上の混合物が使用される。
【0018】
図3を参照して、圧縮機12の構成を説明する。
【0019】
圧縮機12は、本実施の形態では、密閉型圧縮機である。圧縮機12は、具体的には、スクロール圧縮機であるが、ロータリ圧縮機、或いは、レシプロ圧縮機であってもよい。
【0020】
圧縮機12は、容器21と、圧縮機構22と、電動機23と、クランク軸24と、第1軸受26と、第2軸受27と、液面センサ30とを備える。
【0021】
容器21は、具体的には、密閉容器である。容器21の底部には、冷凍機油と冷媒との混合液25が貯留されている。容器21には、冷媒を吸入するための吸入管41と、冷媒を吐出するための吐出管42とが取り付けられている。
【0022】
圧縮機構22は、容器21に収納されている。具体的には、圧縮機構22は、容器21の内側上部に設置されている。
【0023】
電動機23も、容器21に収納されている。具体的には、電動機23は、容器21の内側で圧縮機構22よりも下方かつ容器21の底部よりも上方に設置されている。電動機23は、本実施の形態では、誘導電動機であるが、ブラシレスDC(Direct Current)モータ等、誘導電動機以外のモータであってもよい。
【0024】
圧縮機構22と電動機23は、クランク軸24によって連結されている。クランク軸24は、電動機23の回転軸であるとともに、混合液25に含まれる冷凍機油を圧縮機構22の各摺動部へ供給する給油機構28でもある。すなわち、クランク軸24は、回転中に容器21の底部から混合液25を汲み上げる。本実施の形態では、混合液25に含まれる冷凍機油が、差圧給油方式により、クランク軸24の内部を通って圧縮機構22の各摺動部へ供給され、圧縮機構22の各摺動部を潤滑する。冷凍機油としては、合成油であるPOE(ポリオールエステル)、PVE(ポリビニルエーテル)、AB(アルキルベンゼン)等が使用される。
【0025】
クランク軸24の下部には、混合液25を開口から吸入する吸入部29が設けられている。吸入部29は、具体的には、オイルパイプである。本実施の形態では、差圧給油方式を採用しているため、オイルポンプは不要であるが、吸入部29としてオイルポンプをクランク軸24の下部に設け、オイルポンプによる給油方式を採用してもよい。オイルポンプによる給油方式では、混合液25に含まれる冷凍機油が、クランク軸24の回転に伴い、オイルポンプによって汲み上げられて圧縮機構22の各摺動部へ供給され、圧縮機構22の各摺動部を潤滑する。
【0026】
圧縮機構22は、クランク軸24を介して伝達される電動機23の回転力によって駆動されることで冷媒を圧縮する。この冷媒は、具体的には、吸入管41に吸入された低圧のガス冷媒である。圧縮機構22で圧縮された高温かつ高圧のガス冷媒は、圧縮機構22から容器21内に吐出される。圧縮機構22から吐出されたガス冷媒は、容器21内の空間から吐出管42を通って外部の冷媒回路11へ吐出される。
【0027】
第1軸受26は、電動機23よりも上方の位置でクランク軸24に嵌められ、クランク軸24を回転自在に支持している。第1軸受26とクランク軸24との間には、給油機構28であるクランク軸24の内部に汲み上げられた混合液25に含まれる冷凍機油が供給されることで油膜が形成されている。
【0028】
第2軸受27は、電動機23よりも下方の位置でクランク軸24に嵌められ、クランク軸24を回転自在に支持している。第2軸受27とクランク軸24との間には、給油機構28であるクランク軸24の内部に汲み上げられた混合液25に含まれる冷凍機油が供給されることで油膜が形成されている。
【0029】
液面センサ30は、給油機構28による給油が可能な最低限の液面を検出できる位置に設置されている。液面センサ30には、リード線31の一端が接続されている。リード線31の他端は、溶接により容器21に固定された端子32に接続されている。端子32は、容器21の外部にあるコントローラ17と配線33で接続されている。コントローラ17は、リード線31、端子32、配線33を順番に介して、液面センサ30の状態を電気信号として検出することで、混合液25の液面が基準の高さに達しているかどうかを検出する。そして、コントローラ17は、検出結果、すなわち、混合液25の液面が基準の高さに達しているかどうかによって圧縮機12の運転を制御する。
【0030】
図4を参照して、液面センサ30の構成を説明する。
【0031】
液面センサ30は、前述したリード線31の一端が接続される長手状の電極34を有する。本実施の形態では、電極34として、1対の矩形板状の電極34が、互いの板面が対向するように設けられている。液面センサ30は、1対の絶縁体35をさらに有する。一方の絶縁体35は、両方の電極34の長手方向の一端部を、互いに間隔があくように固定している。他方の絶縁体35は、両方の電極34の長手方向の他端部を、互いに間隔があくように固定している。
【0032】
図5及び図6を参照して、液面センサ30の配置を説明する。
【0033】
液面センサ30は、容器21の内壁の1箇所に設置されている。液面センサ30は、容器21の内壁に直接取り付けられてもよいが、本実施の形態では、容器21の内壁の形状に合わせて折り曲げられた板状の固定部材43を介して容器21の内壁に固定されている。
【0034】
電極34の長手方向の両端は、クランク軸24の回転方向において互いに異なる位置にある。すなわち、クランク軸24の中心軸上に中心がある同心円において電極34の中心Zが0度の位置にあるとしたとき、電極34の長手方向の一端にある点Xは、0度よりも小さい角度の位置にあり、電極34の長手方向の他端にある点Yは、0度よりも大きい角度の位置にある。すなわち、平面視において、電極34の長手方向の一端にある点Xからクランク軸24の中心軸への垂線と、電極34の長手方向の他端にある点Yからクランク軸24の中心軸への垂線とのなす角θは、0度よりも大きい。
【0035】
本実施の形態において、液面センサ30は、電極34の長手方向の両端からクランク軸24の中心軸への距離が等しくなるように配置されている。すなわち、液面センサ30は、電極34の長手方向が電極34の中心Zからクランク軸24の中心軸への垂線に直交するように配置されている。別の言い方をすれば、液面センサ30は、電極34の長手方向の両端にある点X,Yを結ぶ直線が、クランク軸24の中心軸上に中心がある円に接し、その接点が電極34の中心Zと一致するように配置されている。また、液面センサ30は、電極34の長手方向がクランク軸24の軸方向に直交するように配置されている。本実施の形態では、電極34が矩形板状であるため、電極34の短辺方向がクランク軸24の軸方向と一致している。
【0036】
液面センサ30は、クランク軸24の中心軸付近或いはクランク軸24の中心軸と容器21の内壁との中間付近に設置されてもよいが、本実施の形態では、図5に示しているように、容器21の内壁に設置されている。そのため、容器21内の他の構造部品の配置スペースを確保しやすいという効果が得られる。
【0037】
図5に太線矢印で示しているように、圧縮機12の運転中、容器21内では、冷凍機油と冷媒との混合液25が、クランク軸24の回転方向に沿って流れる。本実施の形態では、図5に示しているように、電極34の長手方向の両端がクランク軸24の回転方向において互いに異なる位置にある。そのため、液面センサ30が混合液25による流体力の影響を受けにくくなるという効果が得られる。液面センサ30が混合液25の流れを妨げにくくなるという効果も得られる。
【0038】
特に、本実施の形態では、図5に示しているように、電極34の長手方向が電極34の中心Zからクランク軸24の中心軸への垂線に直交しており、電極34の向きが混合液25の流れとほぼ平行になる。そのため、液面センサ30が混合液25による流体力の影響を受けにくくなるという効果が高まる。液面センサ30が混合液25の流れを妨げにくくなるという効果も高まる。
【0039】
また、本実施の形態では、図6に示しているように、電極34の長手方向がクランク軸24の軸方向に直交しており、電極34の上下方向の寸法が小さい。そのため、液面センサ30が混合液25による流体力の影響を受けにくくなるという効果が一層高まる。液面センサ30が混合液25の流れを妨げにくくなるという効果も一層高まる。電極34が上下方向に占めるスペースが小さいため、液面センサ30の配置が容易になるという効果も得られる。電極34の上下方向の寸法は、混合液25の液面を検出するために必要な表面積を確保するための最小限の大きさが確保されていればよい。
【0040】
本実施の形態では、図5に示しているように、1対の長手状の電極34が、クランク軸の径方向において互いに対向している。そして、図6に示しているように、それぞれの電極34の下端が、吸入部29の開口よりも高い位置にある。すなわち、電極34は、給油機構28によって給油ができなくなる液面高さよりも高い位置に配置されている。
【0041】
***動作の説明***
図6及び図7を参照して、コントローラ17の動作を説明する。
【0042】
状態S1において、混合液25の液面高さは、通常液面高さの範囲内である。液面センサ30は、混合液25に完全に浸かっている。
【0043】
状態S2においても、混合液25の液面高さは、通常液面高さの範囲内である。液面センサ30は、一部が混合液25に浸かっている。
【0044】
状態S3において、混合液25の液面高さは、警戒液面高さの範囲内である。液面センサ30は、混合液25に浸かっていないが、吸入部29は、かろうじて混合液25に浸かっている。
【0045】
状態S4において、混合液25の液面高さは、給油不可液面高さの範囲内である。液面センサ30及び吸入部29のいずれも、混合液25に浸かっていないため、給油機構28による給油が不可能である。
【0046】
コントローラ17は、リード線31、端子32及び配線33を介して、1対の電極34の間の静電容量を測定する。コントローラ17は、測定した静電容量から、混合液25の液面高さの状態を検出する。コントローラ17は、状態S3を検出した場合、冷凍機油が冷媒回路11から容器21に戻るように圧縮機12の運転周波数を増加させるか、或いは、圧縮機12の運転を停止する。これにより、状態S4の発生、すなわち、混合液25の液面高さが、給油機構28による給油が不可能な液面高さとなることを防止できる。結果的に、圧縮機12の損傷を防ぐことができる。なお、コントローラ17は、圧縮機12の運転周波数を増加させた場合、状態S2が検出された時点で圧縮機12の運転周波数を通常の運転周波数に戻す。
【0047】
***実施の形態の効果の説明***
本実施の形態によれば、圧縮機12において容器21内の冷凍機油と冷媒との混合液25による流体力の影響を受けにくい位置及び姿勢にて液面センサ30が設置されるため、その流体力の影響に起因する液面センサ30の破損を防止することができる。具体的には、液面センサ30が、混合液25の流れとほぼ平行に配置されているため、混合液25の流体力による液面センサ30の電極34の破損を防止することができる。よって、圧縮機12の信頼性を向上させることができる。
【0048】
本実施の形態によれば、混合液25の液面高さが、給油機構28による給油が不可能な液面高さとなることを防止できる。よって、圧縮機12の信頼性を向上させることができる。
【0049】
本実施の形態によれば、容器21内の混合液25の液面高さが圧縮機12の信頼性を保証できる最低限の液面高さとなる位置に液面センサ30が設置されるため、圧縮機12の高さ方向における液面センサ30のサイズを従来のものよりも小さくすることができる。
【0050】
***他の構成***
本実施の形態では、図5に示したように、液面センサ30が、容器21の内壁の1箇所に設置されるが、変形例として、液面センサ30は、クランク軸24の回転方向において容器21の内壁の2箇所以上に設置されてもよい。この変形例について、主に本実施の形態との差異を説明する。
【0051】
図8を参照して、本実施の形態の変形例に係る圧縮機12の液面センサ30の配置を説明する。
【0052】
液面センサ30は、容器21の内壁の3箇所に設置されている。液面センサ30は、容器21の内壁に直接取り付けられてもよいが、本変形例では、容器21の内壁の形状に合わせて折り曲げられた板状の固定部材43を介して容器21の内壁に固定されている。
【0053】
本変形例によれば、容器21内の他の構造部品の配置によって、十分なサイズの液面センサ30の配置が困難となる場合に、小サイズの複数の液面センサ30を配置可能な場所に分けて配置することで、同精度の液面高さの検出が可能となる。すなわち、小サイズの複数の液面センサ30を配置することで、容器21内の空いているスペースに電極34を配置できるため、他の部品のスペースに影響されない電極34の配置が可能となる。十分な電極34の表面積を確保できるので、液面検出の精度を確保できる。
【0054】
なお、液面センサ30は、容器21の内壁の少なくとも1箇所に設置されていればよく、容器21の内壁の2箇所又は4箇所以上に設置されていてもよい。
【0055】
実施の形態2.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
【0056】
図9を参照して、本実施の形態に係る圧縮機12の構成を説明する。
【0057】
圧縮機12は、プレート36をさらに備える。
【0058】
プレート36は、容器21の内部に設置され、クランク軸24の軸方向において電動機23が収納された空間と液面センサ30が設置された空間とを隔てている。具体的には、プレート36は、中央に貫通孔が設けられた円形板状であり、液面センサ30よりも高い位置で第2軸受27の下面に接するようにクランク軸24に嵌められている。
【0059】
本実施の形態によれば、プレート36によって、電動機23の影響による容器21内の混合液25の液面動作を緩やかにすることができる。すなわち、容器21内の冷凍機油と冷媒との混合液25の液面を安定させることができる。そのため、液面の揺れによる液面高さの検出誤差を低減させることができる。すなわち、液面センサ30による液面高さの検出の精度を向上させることができる。
【0060】
本実施の形態では、実施の形態1と同じように、液面センサ30が、容器21の内壁の1箇所に設置されるが、実施の形態1の変形例と同じように、液面センサ30は、クランク軸24の回転方向において容器21の内壁の2箇所以上に設置されてもよい。
【0061】
実施の形態3.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
【0062】
図10を参照して、本実施の形態に係る圧縮機12の液面センサ30の構成を説明する。
【0063】
液面センサ30は、実施の形態1と同じように長手状の電極34を有するが、電極34は、実施の形態1のような矩形板状ではなく、長手方向の両端が開口された円筒状である。本実施の形態では、電極34として、1対の円筒状の電極34が、一方の内周面と他方の外周面とが対向するように設けられている。液面センサ30は、実施の形態1と同じように1対の絶縁体35をさらに有する。一方の絶縁体35は、両方の電極34の長手方向の一端部を、互いに間隔があくように固定している。図示していないが、他方の絶縁体35は、両方の電極34の長手方向の他端部を、互いに間隔があくように固定している。
【0064】
図11を参照して、液面センサ30の配置を説明する。
【0065】
実施の形態1と同じように、液面センサ30は、容器21の内壁の1箇所に設置されている。液面センサ30は、容器21の内壁に直接取り付けられてもよいが、本実施の形態でも、容器21の内壁の形状に合わせて折り曲げられた板状の固定部材43を介して容器21の内壁に固定されている。
【0066】
実施の形態1と同じように、液面センサ30は、電極34の長手方向が電極34の中心Zからクランク軸24の中心軸への垂線に直交するように配置されている。また、液面センサ30は、電極34の長手方向がクランク軸24の軸方向に直交するように配置されている。
【0067】
本実施の形態によれば、実施の形態1のような矩形板状の電極34よりも小サイズの電極34で同じ表面積を確保することができる。液面センサ30の配置に必要なスペースを縮小することができる。よって、液面センサ30の配置が容易になる。
【0068】
本実施の形態では、実施の形態1と同じように、液面センサ30が、容器21の内壁の1箇所に設置されるが、実施の形態1の変形例と同じように、液面センサ30は、クランク軸24の回転方向において容器21の内壁の2箇所以上に設置されてもよい。また、圧縮機12が、実施の形態2と同じようなプレート36を備えていてもよい。
【0069】
実施の形態4.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
【0070】
図12を参照して、本実施の形態に係る圧縮機12の液面センサ30の構成を説明する。
【0071】
液面センサ30は、実施の形態1と同じように長手状の電極34を有するが、電極34が平面視で円弧状に湾曲している。本実施の形態では、電極34として、1対の湾曲した板状の電極34が、互いの板面が対向するように設けられている。液面センサ30は、実施の形態1と同じように1対の絶縁体35をさらに有する。一方の絶縁体35は、両方の電極34の長手方向の一端部を、互いに間隔があくように固定している。他方の絶縁体35は、両方の電極34の長手方向の他端部を、互いに間隔があくように固定している。
【0072】
図13を参照して、液面センサ30の配置を説明する。
【0073】
実施の形態1と同じように、液面センサ30は、容器21の内壁の1箇所に設置されている。液面センサ30は、容器21の内壁に直接取り付けられてもよいが、本実施の形態でも、容器21の内壁の形状に合わせて折り曲げられた板状の固定部材43を介して容器21の内壁に固定されている。
【0074】
実施の形態1と同じように、液面センサ30は、電極34の長手方向が電極34の中心Zからクランク軸24の中心軸への垂線に直交するように配置されている。また、液面センサ30は、電極34の長手方向がクランク軸24の軸方向に直交するように配置されている。本実施の形態では、電極34がクランク軸24の回転方向に沿って円弧状に湾曲している。
【0075】
本実施の形態によれば、容器21の内壁に沿って液面センサ30を配置でき、また、液面センサ30が、混合液25の流れとほぼ一致する形状であるため、混合液25の流体力による液面センサ30の電極34の破損を防止することができる。よって、圧縮機12の信頼性を向上させることができる。
【0076】
本実施の形態によれば、容器21の内壁に沿って液面センサ30を配置できるため、液面センサ30が他の部品と干渉しにくい。よって、液面センサ30の配置が容易になる。
【0077】
本実施の形態では、実施の形態1と同じように、液面センサ30が、容器21の内壁の1箇所に設置されるが、実施の形態1の変形例と同じように、液面センサ30は、クランク軸24の回転方向において容器21の内壁の2箇所以上に設置されてもよい。また、圧縮機12が、実施の形態2と同じようなプレート36を備えていてもよい。
【0078】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、これらの実施の形態のうち、2つ以上の実施の形態を組み合わせて実施しても構わない。或いは、これらの実施の形態のうち、1つの実施の形態又は2つ以上の実施の形態の組み合わせを部分的に実施しても構わない。なお、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0079】
10 冷凍サイクル装置、11 冷媒回路、12 圧縮機、13 四方弁、14 第1熱交換器、15 膨張機構、16 第2熱交換器、17 コントローラ、21 容器、22 圧縮機構、23 電動機、24 クランク軸、25 混合液、26 第1軸受、27 第2軸受、28 給油機構、29 吸入部、30 液面センサ、31 リード線、32 端子、33 配線、34 電極、35 絶縁体、36 プレート、41 吸入管、42 吐出管、43 固定部材。
図1
図2
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図4
図5
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図7
図8
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図10
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図13