特許第6444545号(P6444545)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6444545
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】熱交換換気装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/08 20060101AFI20181217BHJP
   F24F 13/22 20060101ALI20181217BHJP
【FI】
   F24F7/08 101P
   F24F13/22 222
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-567930(P2017-567930)
(86)(22)【出願日】2016年2月19日
(86)【国際出願番号】JP2016054951
(87)【国際公開番号】WO2017141443
(87)【国際公開日】20170824
【審査請求日】2018年1月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118762
【弁理士】
【氏名又は名称】高村 順
(72)【発明者】
【氏名】高田 勝
(72)【発明者】
【氏名】百瀬 逸平
(72)【発明者】
【氏名】津田 啓志
(72)【発明者】
【氏名】林 晃
(72)【発明者】
【氏名】蓮池 一樹
【審査官】 佐藤 正浩
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−023889(JP,A)
【文献】 特開2005−049047(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 7/08
F24F 13/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
給気風路及び排気風路を備えた筐体と、
前記給気風路に設置されて前記給気風路に給気流を生成する給気送風機と、
前記排気風路に設置されて前記排気風路に排気流を生成する排気送風機と、
前記給気風路と前記排気風路とを交差させて、前記給気流と前記排気流との間で熱交換を行わせる熱交換器と、
前記熱交換器から出る結露水を受けるドレンパンとを備え、
前記ドレンパンは、前記熱交換器における前記給気流の吹出側に設置された給気側ドレンパンと、前記熱交換器における前記排気流の吹出側に設置された排気側ドレンパンと、前記給気側ドレンパンと前記排気側ドレンパンとを接続する水路とを備え、
前記排気側ドレンパンは、前記結露水を前記筐体の外部へ排出するドレン排出口を備えることを特徴とする熱交換換気装置。
【請求項2】
前記給気流及び前記排気流は、前記熱交換器を斜め下方へ向かって通過することを特徴とする請求項1に記載の熱交換換気装置。
【請求項3】
前記給気送風機及び前記排気送風機は、ともに前記熱交換器の下流側に設けられており、前記排気流の風量が前記給気流の風量よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の熱交換換気装置。
【請求項4】
前記水路は、空気は流通させず水を流通させる構造を有することを特徴とする請求項1に記載の熱交換換気装置。
【請求項5】
前記ドレンパンは、前記給気側ドレンパン及び前記排気側ドレンパンの一体成形体であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の熱交換換気装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同時給排気換気を行いながら、熱交換器を介して給気流と排気流との間で熱交換を行う熱交換換気装置に関する。
【背景技術】
【0002】
熱交換換気装置には、室内の熱エネルギーを外気が享受して室内の温湿度に近づけて給気する給気風路と、室内の熱エネルギーを外気に付与して排気する排気風路とがあり、それぞれの風路は熱交換器内で交差し、熱エネルギーを授受する。熱交換器は、製造時又は据付後のメンテナンスの際に本体から抜き差しする必要があり、熱交換器枠及びガイドレールで保持されることで、主に風路と直交する方向にスライド可能とされている。熱交換器には、顕熱のみを交換する顕熱交換器と顕熱及び潜熱を交換する全熱交換器とがある。
【0003】
熱交換器をスライド可能な熱交換換気装置は、熱交換器枠とガイドレールとの間には隙間があり、熱交換器を容易にスライドさせることが可能である。ただし、熱交換器枠とガイドレールとの接触部は、給気風路と排気風路とを区分する境界面であり、隙間の存在は気密性を低下させる要因となる。
【0004】
このため、給気風路と排気風路との間の空気漏れ量を低減するための改善が進められており、その結果、居室への給気に占める外気からの新鮮空気の割合を示す有効換気効率を95%以上にまで高めた熱交換換気装置も開発されている。
【0005】
給気風路と排気風路との間の隙間からの空気漏れ量の低減が進むにつれて、今度は全熱交換器を通じた排気流から給気流への臭いの移行が新たな問題となっている。全熱交換器は給気流と排気流とで熱及び湿度を同時に交換することができ、空調負荷の低減に大きく寄与するが、湿度交換を行う際に水分に臭い成分が溶解し、溶解した臭い成分が他方へ移動することによって湿度と共に臭いが移行してしまう。
【0006】
この新たな問題に対しての対策の一つとして、臭いの気になる場所の熱交換換気に顕熱交換器を用いる方法がある。しかし顕熱交換器を用いると、夏季又は冬季の室内と室外の温度差が大きい場合には、熱交換器部分で暖かい空気が冷たい空気に冷却されることによる結露が発生しやすい。そのため、特許文献1に開示される熱交換換気装置は、結露受けのためのドレンパンと、結露を機外へ排出するドレン排出口が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第3204258号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
結露は外気及び室内の空気条件の変化により、給気流側、及び排気流側のどちら側でも発生するため、本来両側に設ける必要がある。しかし特に給気側へもドレンパンを設けると、このドレンパンのドレン排出口から製品の運転時又は停止時に、ドレン管内の臭気をドレン排出口から吸込み、臭気が製品の給気へ漏れ出ると、対象室の臭気とは異なる臭いとなるため、対象室の在室者は特に不快に感じやすくなる。
【0009】
一方で、ドレン排出口を設けなければ、結露は熱交換換気を行い、給排気の温度差がある間は限りなく発生するため、ドレンパンが満水となった場合には換気を停止する方法しか対応策が無いことになる。これも換気が停止するため、非常に不快な環境となる。
【0010】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、給気流側及び排気流側の両方の結露水を受けることができるとともに、ドレン管内の臭気が給気に混入することを防止した熱交換換気装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、給気風路及び排気風路を備えた筐体と、給気風路に設置されて給気風路に給気流を生成する給気送風機と、排気風路に設置されて排気風路に排気流を生成する排気送風機と、給気風路と排気風路とを交差させて、給気流と排気流との間で熱交換を行わせる熱交換器と、熱交換器から出る結露水を受けるドレンパンとを備える。本発明では、ドレンパンは、熱交換器における給気流の吹出側に設置された給気側ドレンパンと、熱交換器における排気流の吹出側に設置された排気側ドレンパンと、給気側ドレンパンと排気側ドレンパンとを接続する水路とを備える。本発明では、排気側ドレンパンは、結露水を筐体の外部へ排出するドレン排出口を備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る熱交換換気装置は、給気流側及び排気流側の両方の結露水を受けることができるとともに、ドレン管内の臭気が給気に混入することを防止できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施の形態1に係る熱交換換気装置の概略構成図
図2】実施の形態1に係る熱交換換気装置のドレンパンの上面図
図3】実施の形態1に係る熱交換換気装置のドレンパンの別の構成を示す断面図
図4】実施の形態1に係る熱交換換気装置のドレンパンの別の構成を示す上面模式図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明の実施の形態に係る熱交換換気装置を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0015】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る熱交換換気装置の概略構成図である。熱交換換気装置10は、天井裏の空間に取付けられ、接続されたダクトを通じて給排気によって室内を換気する装置である。外郭を形成する六面体の箱体である筐体1は、室外側側面1aおよび室外側側面1aと対向する室内側側面1bとを備え、室外側側面1aには、室外の空気を吸い込む室外側吸込口31が設けられ、室内側側面1bには、室外側吸込口31から吸い込んだ室外空気を室内へ供給する室内側吹出口33が設けられている。また、室内側側面1bには、室内の空気を吸い込む室内側吸込口32が設けられ、室外側側面1aには、室内側吸込口32から吸い込んだ室内空気を室外へ排出する室外側排気口34が設けられている。
【0016】
筐体1には、室外側吸込口31と室内側吹出口33とを連通する給気風路と、室内側吸込口32と室外側排気口34とを連通する排気風路が形成され、給気風路および排気風路は互いに独立した風路になっている。また、熱交換器2が、給気風路の途中および排気風路の途中に位置するように配置され、給気風路を通る給気流と排気風路を通る排気流との間で全熱交換させている。また、給気風路及び排気風路には、給気送風機11および排気送風機12がそれぞれ配置され、給気流および排気流を生成している。なお、図1においては、給気流を破線矢印Aで示しており、排気流を実線矢印Bで示している。
【0017】
熱交換器2は四角柱状の直方体の形状を成し、正面視において、筐体1の概ね中央に配置されている。そして、正面視において、正方形の四つの稜角部における二本の対角線が鉛直方向及び水平方向なるように配置されている。換言すると、熱交換器2の四つの稜角部が、上下左右方向に位置している。熱交換器2は、給気流が通る熱交換器給気通路2aと排気流が通る熱交換器排気通路2bとを有し、互いに独立した風路のまま、正面視では交差している。すなわち、熱交換器2は、給気風路と排気風路とを交差させて、給気流と排気流との間で熱交換を行わせる。
【0018】
熱交換器2は、正面視において熱交換器2の四つの稜角部が、筐体1を形成する天板3、底板4、給気風路と排気風路とを仕切る仕切壁7及び仕切壁8に接するように組み込まれている。これにより、筐体1の内部は、外気室31a、還気室32a、給気室33a及び排気室34aに区分されている。外気室31aは、給気風路における熱交換器2の上流側であり、還気室32aは、排気風路における熱交換器2の上流側であり、給気室33aは、給気風路における熱交換器2の下流側であり、排気室34aは、排気風路における熱交換器2の下流側である。
【0019】
次に熱交換器2の支持構造について説明する。熱交換器2は紙又は樹脂シート等の比較的柔らかい素材を使って形成されているため、熱交換器2の形状を保ったまま筐体1に保持させるために、熱交換器2の四つの稜角部の外側に樹脂といった剛性のある素材で形成した熱交換器フレーム2fが接着といった方法で一体に設けられている。
【0020】
熱交換器フレーム2fは熱交換器2の四つの稜角部の外側に向かって延出した凸形状になっている。一方、天板3、ドレンパン20、仕切壁7,8の熱交換器フレーム2fの四つの凸状となった角に対向する、それぞれの部分には、熱交換器フレーム2fの凸状の幅よりも大きい溝幅で、熱交換器フレーム2fがはめ込まれる溝部を備えたガイドレール5a,5b,5c,5dが設けられている。
【0021】
熱交換器2は、メンテナンスする際に取り出す必要があるため、ガイドレール5a,5b,5c,5dと熱交換器フレーム2fとの間には、隙間が設けられている。そのため、熱交換器フレーム2fには弾力性のある不図示のシール材を貼りつけるなど、空気漏れを防止する工夫を導入することが望ましい。
【0022】
給気流を生成する給気送風機11は、給気風路内に配置されている。排気流を生成する排気送風機12は、排気風路内に配置されている。給気送風機11及び排気送風機12は熱交換器2の上流側に配置しても下流側に配置しても気流を生成できるが、熱交換器2への空気の供給の偏りを極力無くすために、一般的には給気送風機11及び排気送風機12は、共に熱交換器2の下流側に配置される。実施の形態1では、給気送風機11は、給気室33aに配置されており、排気送風機12は、排気室34aに配置されている。
【0023】
図1中の角丸四角形で囲んだ「+」及び「−」は、給気風路又は排気風路上の静圧を示しており、「+」は正圧が発生している状態にあることを、「−」は負圧が発生している状態にあることを示している。外気室31aは、室外側吸込口31側及び熱交換器2側の両方で負圧が発生している。還気室32aは、室内側吸込口32側及び熱交換器2側の両方で負圧が発生している。給気室33aは、室内側吹出口33側で正圧が発生し、熱交換器2側で負圧が発生している。排気室34aは、室外側排気口34側で正圧が発生し、熱交換器2側で負圧が発生している。すなわち、外気室31a、還気室32a、給気室33a及び排気室34aは、いずれも熱交換器2側で負圧が発生している。このように、給気送風機11及び排気送風機12を両方とも熱交換器2の下流側に配置することで、給気風路及び排気風路の熱交換器2周辺の静圧差を小さくすることができ、空気漏れを少なくする効果が得られる。
【0024】
給気風路は、室外側吸込口31及び室内側吹出口33と熱交換器2とを接続するように筐体1に設けられている。排気風路は、室内側吸込口32及び室外側排気口34と熱交換器2とを接続するように筐体1に設けられている。実施の形態1においては、給気送風機11及び排気送風機12の配置も含めて、図1に示すように給気流及び排気流が熱交換器2に対して重力方向上側から下側に吹き降ろすような気流となるように、給気風路及び排気風路、並びに給気送風機11及び排気送風機12を配置している。すなわち、実施の形態1では、給気流及び排気流は、熱交換器2を斜め下方へ向かって通過する。このようにすることで、臭気の移行を防ぐために熱交換器2に顕熱交換器を用いた場合に熱交換器給気風路2a及び熱交換器排気風路2bで発生する結露水は、給気流又は排気流に導かれて自然に熱交換器2内部から熱交換器2の下側に設けられるドレンパン20へ落下する。
【0025】
図1に示した実施の形態1に係る熱交換換気装置とは逆に、給気流及び排気流が熱交換器を重力方向下側から上側に向かって通過する構成であると、給気流及び排気流の流れる方向と、結露水の流れる方向とが逆方向となるため、熱交換器内部に結露水が留まることがある。熱交換器内に結露水が留まると、結露水により風路が閉塞して熱交換器の圧力損失が局所的に上昇し、熱交換器に流れる給気流及び排気流が不均一になる。熱交換器に流れる給気流及び排気流が不均一になると、熱交換効率の低下による熱回収量の低下を招くことになる。
【0026】
また、給気送風機及び排気送風機の一方を熱交換器の上流側に配置し、他方を熱交換器の下流側に配置した場合、熱交換器周りの圧力分布は、熱交換器の上流側に配置した側は正圧となり、また熱交換器の下流側に配置した方は負圧となり、熱交換器周りで強い正圧と負圧が隣り合うことになる。したがって、隙間の大きさが同じであっても、給気送風機及び排気送風機の一方を熱交換器の上流側に配置し他方を下流側に配置した場合には、両方を熱交換器の下流側に配置する場合と比較して空気漏れ量が増加することになる。給気送風機を熱交換器の上流側に配置する場合は給気流が排気流に漏洩するため、臭いの問題は発生しないが、給気量が減少することとなる。したがって、給気送風機を熱交換器の上流側に配置する場合には、同じ給気量を供給するための電力消費は、給気送風機及び排気送風機の両方を熱交換器の下流側に配置する場合よりも増加することになり、望ましくない。
【0027】
次に、熱交換器2からの結露水を受けるためのドレンパン20について説明する。図2は、実施の形態1に係る熱交換換気装置のドレンパンの上面図である。ドレンパン20は、熱交換器2から出る結露水を受けるものであり、熱交換器2における給気流の吹出側に設置された給気側ドレンパン20aと熱交換器2における排気流の吹出側に設置された排気側ドレンパン20bとを備えている。図1に示すように、給気側ドレンパン20a及び排気側ドレンパン20bが配置される部分は、いずれも負圧が発生する部分である。給気側ドレンパン20aと排気側ドレンパン20bとの間には、リブ20cが設けられている。リブ20cには、ガイドレール5cが一体成形されている。なお、ガイドレール5cは、ドレンパン20とは別に作成し、リブ20cに固定しても良い。リブ20cには水路22が設けられており、給気側ドレンパン20aと排気側ドレンパン20bとは、水路22で接続されている。排気側ドレンパン20bには、結露水を排水するためのドレン排出口21が設けられている。ドレン排出口21は、ドレン管60に接続されている。
【0028】
また給気側ドレンパン20aの底面は、水路22へ向かって下り勾配となっており、かつ水路22は、排気側ドレンパン20bに向かって下り勾配となっている。また、排気側ドレンパン20bの底面は、ドレン排出口21に向かって下り勾配となっている。したがって、ドレンパン20全体では、底面はドレン排出口21に向かって下り勾配となっている。
【0029】
熱交換器2からの結露水は、温度の高い空気が冷却されて発生するため、夏季は給気流から、冬期は排気流から発生する。したがって本来ドレンパンは給気側及び排気側の熱交換器の吹出し口の下面全体を受けられる大きさのものを適用する必要がある。製品によってはコスト又は構造上の制約などで、給気側のみ、もしくは排気側のみにドレンパンを設けるものがあるが、特に熱交換器が顕熱交換器の場合には、夏季の結露も無視できないため、給気側及び排気側の両側が必要となる。結露水は一時的ではなく空気条件が整えば継続的に発生するため、熱交換換気装置の処理風量が大きい場合には、給気側の結露水及び排気側の結露水をドレンパンから排出する必要がある。
【0030】
また、給気送風機及び排気送風機の両方を熱交換器の下流側に配置した場合には、図1に示すようにドレン排出口が接続されている空間が負圧となる。このため、ドレン排出口を給気側のドレンパンに設けると、ドレン管60内の空気を臭いと共に吸込み給気流へ供給してしまうこととなる。
【0031】
実施の形態1では、ドレン排出口21を排気側ドレンパン20bのみに設け、給気側ドレンパン20aにはドレン排出口21を設けていない。しかし給気側ドレンパン20aにドレン排出口21を設けないと、給気側に結露水が滴下した場合に、排水することができなくなる。
【0032】
そこで実施の形態1では、図2に示すように、給気側ドレンパン20aと排気側ドレンパン20bを接続して、給気側に溜まった結露水を排気側へ流す水路22を設けている。図2に示す構成では、給気側ドレンパン20aと排気側ドレンパン20bとは一体である。すなわち、ドレンパン20は、給気側ドレンパン20a及び排気側ドレンパン20bの一体成形体である。ただし、ドレンパン20は、給気側ドレンパン20aと排気側ドレンパン20bとを別体にして、水路22を別途設けても良い、なお、給気側ドレンパン20aと排気側ドレンパン20bとが一体であると、水漏れする可能性のある継ぎ目を減らせるため、一体とする方が好ましい。
【0033】
なお、排気風路と給気風路とが、ドレンパン20の水路22によりつながってしまうため、製品外部に接続され空気を流通するダクトの圧力損失に大きさが変化し、例えば給気風路の風量が増加することによって給気風路の負圧が排気風路の負圧より大きくなると、静圧差により空気漏れが生じることになる。この対策として、給気送風機11及び排気送風機12の設定を変更し、製品動作時には排気送風機12の回転数を給気送風機11の回転数より多く設定することが有効である。すなわち、給気送風機11及び排気送風機12を、ともに熱交換器2の下流側に設け、排気流の風量を給気流の風量よりも大きくする。排気送風機12の回転数を給気送風機11の回転数より多くすると、給気風路の負圧よりも排気風路の負圧が大きくなるので、水路22を通じた空気漏れは給気風路から排気風路に向かって起こり、排気流の臭いが給気流に漏れ出るのを防止することができる。
【0034】
また、水路22の形状を工夫し、空気は流通させず水を流通させる構造を持たせることもできる。図3は、実施の形態1に係る熱交換換気装置のドレンパンの別の構成を示す断面図である。水路22は、トラップ部23で穴状となっている。ドレンパン20の底面はドレン排出口21へ向かって下り勾配となっているため、水路22に水が溜まるトラップ部23を設けると、図3においては紙面左側となるトラップ部23の給水側の縁23aと図3においては紙面右側となる排水側の縁23bとでは、右側の縁の排水側の縁23bが低くなる。したがってトラップ部23が満水になった後は、水は排水側の縁23bよりあふれ出て、ドレン排出口21に向かって流れる。その際、壁24をトラップ部23の上部に設けることにより、水が溜まれば空気は流通できなくなるため、空気は通り抜けられないが、水は通り抜けられる構造となる。
【0035】
このほかトラップ部23は設けず、壁24のみ設ける構造とすることも可能である。図4は、実施の形態1に係る熱交換換気装置のドレンパンの別の構成を示す上面模式図である。図4に示すように水路22に壁24を一つ又は複数設けて、空気を完全に遮蔽するわけではなく圧力損失を高めることで、空気の流通量を低減する方法がある。壁24を複数設けた場合には、風路をラビリンス構造とすることができ、空気流通量低減の効果が高いため、これを適用することもできる。ただしこの方法では完全に空気の漏えいを防止できるわけではないため、上記の製品動作時には排気送風機の回転数を給気送風機の回転数より多く設定する方法と併用することが望ましい。
【0036】
なお、上記は熱交換器2に顕熱交換器を適用する場合について説明したが、熱交換器2に全熱交換器を適用する場合でも頻度は少ないが結露水は発生するため、ドレン排出口21からの臭気戻りを防止する目的で同様の構造を取ることは有効である。
【0037】
このような構造とすることで、給排気両側に結露が発生することを想定して給排気両側に給気側ドレンパン20a及び排気側ドレンパン20bを設けても、風路及び送風機の配置の工夫並びにドレンパン20の形状及びドレン排出口21の位置の工夫によって、熱交換器2への空気供給の均一性を保ちながら、臭いが排気流から給気流へ移行しないようにできる。また、臭いへの配慮のために顕熱交換器を用いた場合に発生する結露の処理のためドレンパン20を設け、かつ給気送風機11及び排気送風機12を熱交換器2の下流側に配置するレイアウトを採用した場合に、ドレン排出口21からドレン管60内の臭気を吸上げる現象が発生する問題を解決できる。したがって、対象空間に臭気移行の少ない外気に近い空気質の空気を供給することができ、使用者の快適性の向上が可能になる。
【0038】
また臭気移行への懸念から従来は熱交換換気装置を使用できなかった場所でも、本発明を用いると熱交換換気装置を設置可能となり、換気時の給気と排気の熱交換が行えるようになるため、従来は排気の熱をそのまま捨てていた空間でも、その熱を給気に熱交換して伝えることにより、室内の空調負荷を低減して空調の使用エネルギーを削減できる。
【0039】
また、給気側ドレンパン20aと排気側ドレンパン20bとを一体化して簡易な構造とすることにより、製造及び組立てが容易となり、コスト低減が図れる。さらに、ドレン排出口21を排気側のみに設けているため、製品設置時の排水管接続工事も容易となる。
【0040】
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
【符号の説明】
【0041】
1 筐体、1a 室外側側面、1b 室内側側面、2 熱交換器、2a 熱交換器給気風路、2b 熱交換器排気風路、2f 熱交換器フレーム、3 天板、4 底板、5a,5b,5c,5d ガイドレール、7,8 仕切壁、10 熱交換換気装置、11 給気送風機、12 排気送風機、20 ドレンパン、20a 給気側ドレンパン、20b 排気側ドレンパン、20c リブ、21 ドレン排出口、22 水路、23 トラップ部、23a 給水側の縁、23b 排水側の縁、24 壁、31 室外側吸込口、31a 外気室、32 室内側吸込口、32a 還気室、33 室内側吹出口、33a 給気室、34 室外側排気口、34a 排気室、60 ドレン管。
図1
図2
図3
図4