(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1疎水性層を形成する段階及び前記第2疎水性層を形成する段階は、それぞれオフセットプリンティング工程、グラビアオフセットプリンティング工程、グラビア反転オフセットプリンティング工程、インクジェットプリンティング工程、ノズルプリンティング工程、T−jet工程、スタンピング工程、静電噴霧工程またはレーザー熱転写工程を含む
ことを特徴とする請求項12に記載の有機発光表示装置の製造方法。
前記電荷伝達層を形成する段階は、スリットコーティング工程、バーコーティング工程、または、スピンコーティング工程を含み、前記電荷伝達層は、前記第1電極及び前記画素定義膜を全体的にカバーする
ことを特徴とする請求項12に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の一目的は、有機発光層の混色を防ぎ、電荷伝達層間のクロストークを防止できる有機発光表示装置を提供することにある。
【0005】
本発明の他の目的は、有機発光層の混色を防ぎ、電荷伝達層間のクロストークを防止できる有機発光表示装置の製造方法を提供することにある。
【0006】
ただし、本発明が解決しようとする課題は、上述した課題に限定されるものではなく、本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で多様に拡張されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した本発明の一目的を達成するために、本発明の例示的な実施形態に係る有機発光表示装置は、基板、第1電極、画素定義膜、第1疎水性層、少なくとも一つの電荷伝達層、第2疎水性層、有機発光層、及び第2電極を含む。前記基板は、画素領域と前記画素領域を囲む周辺領域とを含む。前記第1電極は、前記基板の前記画素領域に配置される。前記画素定義膜は、前記基板の前記周辺領域に配置される。前記第1疎水性層は前記画素定義膜上に配置される。前記電荷伝達層は前記第1電極上に配置される。前記第2疎水性層は前記画素定義膜上で前記第1疎水性層をカバーする。前記有機発光層は前記電荷伝達層上に配置される。前記第2電極は前記有機発光層上に配置される。
【0008】
例示的な実施形態において、前記第1疎水性層及び前記第2疎水性層は、それぞれ約20dyne/cm
2以下の表面エネルギを有する物質を含んでもよい。
【0009】
例示的な実施形態において、前記第1疎水性層は、前記電荷伝達層より低い電気伝導性を有してもよい。
【0010】
例示的な実施形態において、前記画素定義膜は、約100nm〜約400nmの厚さを有してもよい。
【0011】
例示的な実施形態において、前記電荷伝達層は、正孔輸送層または正孔注入層を含んでもよい。
【0012】
例示的な実施形態において、前記電荷伝達層は、電子輸送層または電子注入層を含んでもよい。
【0013】
例示的な実施形態において、前記電荷伝達層の一部は前記画素定義膜と重なるように配置され、前記第2疎水性層は前記電荷伝達層の前記一部を覆ってもよい。
【0014】
例示的な実施形態において、前記第1疎水性層及び前記第2疎水性層は、前記画素定義膜を全体的に覆ってもよい。
【0015】
例示的な実施形態において、前記第1疎水性層及び前記第2疎水性層は、前記画素定義膜を部分的に覆ってもよい。
【0016】
例示的な実施形態において、前記第1疎水性層及び前記第2疎水性層は、第1方向及び第2方向に延伸してもよい。
【0017】
例示的な実施形態において、前記第1疎水性層は、第1方向及び第2方向に延伸し、前記第2疎水性層は前記第1方向または前記第2方向に延伸してもよい。
【0018】
また、上述した本発明の他の一目的を達成するために、本発明の例示的な実施形態に係る有機発光表示装置の製造方法において、基板上に第1電極を形成する。前記基板上に前記第1電極に隣接する画素定義膜を形成する。前記画素定義膜上に第1疎水性層を形成する。前記第1電極上に少なくとも一つの電荷伝達層を形成する。前記画素定義膜上に第1疎水性層をカバーする第2疎水性層を形成する。前記電荷伝達層上に有機発光層を形成する。前記有機発光層及び前記第2疎水性層上に第2電極を形成する。
【0019】
例示的な実施形態において、前記第1疎水性層を形成する段階及び前記第2疎水性層を形成する段階は、それぞれオフセット(offset)プリンティング工程、グラビアオフセット(gravure offset)プリンティング工程、グラビア反転オフセット(gravure reverse offset)プリンティング工程、インクジェット(inkjet)プリンティング工程、ノズル(nozzle)プリンティング工程、T−jet工程、スタンピング(stamping)工程、静電噴霧工程、または、レーザー熱転写(laser induced thermal imaging)工程を含んでもよい。
【0020】
例示的な実施形態において、前記電荷伝達層を形成する段階は、スリット(slit)コーティング工程、バー(bar)コーティング工程または、スピン(spin)コーティング工程を含み、前記電荷伝達層は、前記第1電極及び前記画素定義膜を全体的にカバーしてもよい。
【0021】
例示的な実施形態において、前記電荷伝達層は正孔輸送層または正孔注入層を含んでもよい。
【0022】
例示的な実施形態において、前記電荷伝達層は電子輸送層または電子注入層を含んでもよい。
【0023】
例示的な実施形態において、前記基板は、第1方向及び第2方向に沿って連続的に配置された画素領域と前記画素領域を囲む周辺領域とを含んでもよく、前記第1電極は画素領域内に形成され、前記画素定義膜、第1疎水性層及び第2疎水性層は、周辺領域に形成されてもよい。
【0024】
例示的な実施形態において、前記電荷伝達層の一部は、前記画素定義膜に重なるように形成されてもよく、前記第2疎水性層は前記電荷伝達層の前記一部を覆うように形成されてもよい。
【0025】
例示的な実施形態において、前記第1疎水性層及び前記第2疎水性層は、前記画素定義膜を全体的に覆ってもよく、または、前記画素定義膜を部分的に覆ってもよい。
【0026】
上述した本発明のさらなる他の一目的を達成するために、本発明の例示的な実施形態に係る有機発光表示装置の製造方法において、基板上に第1電極を形成する。前記基板上に前記第1電極に隣接する画素定義膜を形成する。前記画素定義膜上に第1疎水性層を形成する。前記第1電極上に少なくとも一つの電荷伝達層を形成する。前記少なくとも一つの電荷伝達層上に有機発光層を形成する。前記有機発光層及び前記第1疎水性層上に第2電極を形成する。前記第1疎水性層は前記電荷伝達層より低い電気伝導性を有してもよい。
【発明の効果】
【0027】
本発明の例示的な実施形態に係る有機発光表示装置の製造方法においては、画素定義膜上に第1疎水性層を形成することができるので、以後、全面コーティング工程を通じてそれぞれの画素領域に対応する正孔注入層及び正孔輸送層を形成することができる。また、比較的大きい厚さを有する第2疎水性層を形成することができるので、有機発光層を構成する前記有機発光物質がそれぞれの画素領域を抜け出て混色されることを防止できる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の例示的な実施形態に係る有機発光表示装置及び有機発光表示装置の製造方法について、添付図面を参照しながら詳細に説明するが、本発明は本明細書に記載された実施形態によって制限されるものではない。当該分野の通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で本発明を多様な他の形態で具現することができる。
【0030】
本明細書において、特定の構造的ないし機能的説明は、単に本発明の実施形態を説明する目的で例示されたものである。本発明の実施形態は多様な形態で実施されることができ、本明細書に説明された実施形態に限定されると解釈されるべきではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物ないし代替物を含むと理解されるべきである。ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いる、または「接続されて」いると言及された場合には、その他の構成要素に直接的に連結されている、または、接続されていることも意味するが、中間に他の構成要素が存在する場合も含むと理解されるべきである。一方、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いる、または「直接接続されて」いると言及された場合には、中間に他の構成要素が存在しないと理解されるべきである。構成要素の間の関係を説明する他の表現、即ち、「〜の間に」と「直接〜の間に」または「〜に隣接する」と「〜に直接隣接する」等も同じように解釈されるべきである。
【0031】
本明細書で使用した用語は、単に特定の実施形態を説明するために使用されたもので、本発明を限定するものではない。単数の表現は文脈上明白に異なることがない限り、複数の表現を含む。本明細書で、「含む」、「備える」、または「有する」等の用語は明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品または、これを組み合わせたものが存在するということを示すものであって、1つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品または、これを組み合わせたものの存在または、付加の可能性を、予め排除するわけではない。また、別に定義しない限り、技術的或いは科学的用語を含む本明細書中において使用される全ての用語は、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば一般的に理解するのと同一の意味を有する。一般的な辞書において定義される用語と同じ用語は、関連技術の文脈上有する意味と同一の意味を有するものと理解されるべきで、本明細書において明白に定義しない限り、理想的或いは形式的な意味として解釈してはならない。
【0032】
第1、第2、第3、第4等の用語は多様な構成要素を説明するのに使用されるが、これらの構成要素はこのような用語によって限定されてはならない。これらの用語は1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的で使われる。例えば、本発明の権利範囲から逸脱せずに第1構成要素を第2、第3、または第4構成要素などと命名することができ、同様に第2、第3、または第4構成要素も交互に命名することができる。
【0033】
図1は本発明の例示的な実施形態に係る有機発光表示装置を説明するための平面図であり、
図2は
図1のI−IIラインに沿って切断した断面図である。
【0034】
図1及び
図2を参照すると、例示的な実施形態に係る有機発光表示装置は、基板100、第1電極110、画素定義膜120、第1疎水性層130、少なくとも一つの電荷伝達層、第2疎水性層160a、有機発光層170及び第2電極180を含むことができる。
【0035】
基板100は透明基板を含むことができる。例えば、基板100は、ガラス基板、透明プラスチック基板、透明セラミック基板または、軟性を有する基板(flexible substrate)を含むことができる。
【0036】
基板100は第1方向と第2方向に沿って配列された複数の画素領域(I)及び画素領域(I)を囲む周辺領域(II)を含むことができる。画素領域(I)は有機発光層170から光が発生する領域に該当し、周辺領域(II)は画素領域(I)を分離する領域に該当することができる。
【0037】
第1電極110は画素領域(I)内の基板100上に配置できる。第1電極110は前記有機発光表示装置の発光方式に基づいて反射型電極または透過型電極に該当することができる。例示的な実施形態において、第1電極110が透過型電極の場合、第1電極110は、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、インジウム錫酸化物(ITO)、ガリウム錫酸化物(GTO)、亜鉛酸化物(ZnOx)、ガリウム酸化物(GaOx)、錫酸化物(SnOx)、インジウム酸化物(InOx)または、これらの合金を含んでもよい。他の例示的な実施形態において、第1電極110が反射型電極の場合には、第1電極110は、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、クロム(Cr)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、パラジウム(Pd)または、これらの合金を含んでもよい。
【0038】
図示はしていないが、前記有機発光表示装置が能動型駆動方式を有する場合、基板100と第1電極110との間にスイッチング構造物を配置できる。例えば、前記スイッチング構造物はトランジスタのようなスイッチング素子及び複数の絶縁層を含むことができる。この場合、第1電極110は前記スイッチング構造物に電気的に連結することができる。
【0039】
画素定義膜120は周辺領域(II)内の基板100上に配置されてもよい。そこで、画素定義膜120は第1電極110に隣接するように配置されてもよく、第1電極110と部分的に重なってもよい。ただし、画素領域(I)に配置された第1電極110は画素定義膜120と重ならなくてもよい。例示的な実施形態において、画素定義膜120は、
図1に示したように基板100上で、前記第1方向及び前記第2方向に沿って延伸されてもよい。例えば、画素定義膜120は、約100nm〜約400nm程度の厚さを有してもよい。
【0040】
画素定義膜120の側壁は、基板100の表面と一定の角度を有してもよい。例えば、画素定義膜120の側壁は、基板100の表面と約45°以下の角度を成してもよい。
【0041】
第1疎水性層130は周辺領域(II)内の画素定義膜120上に位置してもよい。第1疎水性層130は画素定義膜120上で前記第1方向及び前記第2方向に沿って延伸してもよい。この時、第1疎水性層130は第1電極110と重ならなくてもよい。例示的な実施形態において、第1疎水性層130は画素定義膜120を部分的に覆ってもよい。他の例示的な実施形態によれば、第1疎水性層130は画素定義膜120を全体的にカバーしてもよい。
【0042】
例示的な実施形態において、第1疎水性層130は相対的に電気伝導性が低くて疎水性である物質を含むことができる。例えば、第1疎水性層130は、約30nm〜約3,000nm程度の厚さを有することができる。
【0043】
正孔注入層140は、第1電極110及び画素定義膜120上に配置されてもよい。正孔注入層140は、第1電極110から有機発光層170への正孔の注入を円滑にする役割を遂行することができる。例えば、正孔注入層140は、CuPc(cupper phthalocyanine)、PEDOT(poly(3,4)−ethylenedioxythiophene)、PANI(polyaniline)、NPD(N,N−dinaphthyl−N,N’−diphenyl benzidine)などを含むことができる。
【0044】
正孔輸送層150は、正孔注入層140または第1電極110上に配置されてもよい。正孔輸送層150は第1電極110からの正孔の輸送を円滑にする役割を遂行することができる。例えば、正孔輸送層150は、NPD(N,N−dinaphthyl−N,N’−diphenyl benzidine)、TPD(N,N’−bis−(3−methylphenyl)−N,N’−bis−(phenyl)−benzidine)、s−TAD、MTDATA(4,4’,4”−Tris(N−3−methylphenyl−N−phenyl−amino)−triphenylamine)などを含むことができる。
【0045】
例示的な実施形態において、正孔注入層140及び正孔輸送層150は、相対的に低い表面エネルギを有する第1疎水性層130と重ならないように配置されてもよい。例えば、一つの画素領域(I)に配置された正孔注入層140は、他の画素領域(I)に配置された正孔注入層140と電気的に分離されてもよい。
【0046】
第2疎水性層160aは、周辺領域(II)内の画素定義膜120、第1疎水性層130、及び/または、正孔輸送層150上に位置してもよい。この時、第2疎水性層160aは、第1電極110と重ならなくてもよい。例示的な実施形態において、第2疎水性層160aは、画素定義膜120を部分的にカバーしてもよい。他の例示的な実施形態によると、第2疎水性層160aは画素定義膜120を全体的に覆ってもよい。
【0047】
例示的な実施形態において、第2疎水性層160aは、
図9に示したように前記第1方向及び前記第2方向に沿って延伸し格子構造を成すことができる。他の例示的な実施形態によれば、第2疎水性層160bは、
図10に示したように前記第2方向に沿って延伸してもよい。
【0048】
第2疎水性層160aは、約20dyne/cm
2以下の表面エネルギを有する疎水性物質を含むことができる。例えば、第2疎水性層160aは約500nm〜約3μm程度の厚さを有してもよい。
【0049】
有機発光層170は、正孔輸送層150の表面、画素定義膜120の表面及び第2疎水性層160aの側壁上に配置されてもよい。第2疎水性層160aの側壁上に位置する有機発光層170は、実質的に不均一な厚さを有してもよい。反面、第1疎水性層130及び第2疎水性層160aは、画素領域(I)の第1電極110と重ならないように配置されるので、画素領域(I)内で正孔輸送層150上に配置される有機発光層170は実質的に均一な厚さを有してもよい。すなわち、有機発光層170が画素領域(I)内で実質的に均一な厚さを有するので有機発光層170から実質的に均一な強度を有する光が放出されることができる。
【0050】
有機発光層170は、それぞれ赤色、緑色、または、青色の光を放出する発光層を含むか、或いは、赤色、緑色または、青色の光を放出する発光層が積層された多層構造を有することができる。例えば、画素領域(I)内に赤色、緑色及び青色の光を放出する複数の有機発光層170がそれぞれ配置されてもよい。
【0051】
第2電極180は画素領域(I)及び周辺領域(II)で有機発光層170及び第2疎水性層160aを全体的に覆ってもよい。第2電極180は、第1電極110の種類によって透過型電極または反射型電極に該当することができる。例示的な実施形態において、第1電極110が透過型電極の場合、第2電極180は反射型電極であってもよい。この時、第2電極180は、アルミニウム、銀、金、白金、クロム、タングステン、モリブデン、チタン、パラジウムまたは、これらの合金を含んでもよい。他の例示的な実施形態において、第1電極110が反射型電極の場合には第2電極180は透過型電極であってもよい。そこで、第2電極180はインジウム亜鉛酸化物、インジウム錫酸化物、ガリウム錫酸化物、亜鉛酸化物、ガリウム酸化物、錫酸化物、インジウム酸化物または、これらの合金を含んでもよい。
【0052】
図1において、第1電極110は陽極の役割を遂行し、第1電極110と有機発光層170との間に正孔注入層140及び正孔輸送層150が配置されていることが示されているが、本発明がこれによって制限されるのではない。例えば、第1電極110は陰極として役割を遂行することもでき、この場合には第1電極110と有機発光層170との間に電子注入層及び電子輸送層が配置されてもよい。
【0053】
例示的な実施形態に係る有機発光表示装置の製造方法においては、画素定義膜120上に相対的に低い電気伝導性を有する第1疎水性層130が配置されることができるので、全面コーティング工程を通じて形成された正孔注入層140及び正孔輸送層150がそれぞれの画素領域(I)で互いに電気的に分離されることができる。これによって、選択された画素領域(I)の正孔注入層140及び正孔輸送層150に流入された正孔が選択されていない画素領域(I)の正孔注入層140及び正孔輸送層150に移動して発生するクロストーク(crosstalk)現象を防止できる。また、比較的大きい厚さを有する第2疎水性層160aが配置されることができるので、有機発光層170を構成する前記有機発光物質がそれぞれの画素領域(I)を抜け出て混色されることを防止できる。
【0054】
図3は本発明の他の例示的な実施形態に係る有機発光表示装置を説明するための断面図である。
【0055】
前記有機発光表示装置は、基板100、第1電極110、画素定義膜120、第1疎水性層130、正孔注入層140、有機発光層170及び第2電極180を含むことができる。前記有機発光表示装置は、正孔輸送層150及び第2疎水性層160aを除けば、
図1及び
図2を参照して説明した有機発光表示装置と実質的に同一または実質的に類似する構成を有することができる。従って、重複する要素に対しては詳細な説明を省略する。
【0056】
図3を参照すると、基板100の画素領域(I)には第1電極110が配置されてもよく、周辺領域(II)には画素定義膜120が位置されてもよい。
【0057】
第1疎水性層130は画素定義膜120を全体的に、または、部分的にカバーするように配置されてもよい。第1疎水性層130は相対的に電気伝導性が低く疎水性である物質を含むことができる。例えば、第1疎水性層130は、約30nm〜約3,000nmの厚さを有するように形成されてもよい。
【0058】
正孔注入層140は第1電極110及び画素定義膜120上に配置されてもよく、有機発光層170は正孔注入層140上に配置されてもよい。図示はしていないが、正孔注入層140と有機発光層170との間に正孔輸送層が追加的に配置されてもよい。正孔注入層140及び有機発光層170のそれぞれは、
図2を参照して説明した正孔注入層140及び有機発光層170と実質的に同一または実質的に類似の物質を含むことができる。
【0059】
第2電極180は画素領域(I)及び周辺領域(II)において、有機発光層170、第1疎水性層130及び画素定義膜120を全体的に覆ってもよい。
【0060】
例示的な実施形態に係る有機発光表示装置の製造方法において、画素定義膜120上に比較的低い電気伝導性を有する第1疎水性層130が配置されることができるので、全面コーティング工程を通じて形成された正孔注入層140及び正孔輸送層150がそれぞれの画素領域(I)において互いに電気的に分離されることができる。これによって、選択された画素領域(I)の正孔注入層140及び正孔輸送層150に流入された正孔が選択されていない画素領域(I)の正孔注入層140及び正孔輸送層150に移動して発生するクロストーク現象を防止することができる。
【0061】
図4〜
図12は、本発明の例示的な実施形態に係る有機発光表示装置の製造方法を説明するための断面図及び平面図である。
【0062】
図4〜
図8及び
図11〜
図12は前記有機発光表示装置の製造方法に関する実施形態を説明するための断面図であり、
図9及び
図10は前記有機発光表示装置の製造方法に対する相異なる実施形態を説明するための平面図である。
【0063】
図4を参照すると、基板100上に第1電極110を形成することができる。
【0064】
基板100は透明基板を含むことができる。例えば、基板100は、ガラス基板、透明プラスチック基板、透明セラミック基板などを含んでもよい。他の例示的な実施形態において、基板100は軟性を有する基板からなることもできる。基板100は第1方向及び第2方向に沿って配列された画素領域(I)と画素領域(I)を囲む周辺領域(II)を含んでもよい。
【0065】
基板100上に第1電極110が形成されてもよい。例示的な実施形態において、第1電極110は基板100上に導電膜を形成した後、前記導電膜をパターニングし形成してもよい。これによって、第1電極110は画素領域(I)に対応する位置に形成してもよい。
【0066】
第1電極110は前記有機発光表示装置の発光方式によって、反射型電極または透過型電極であってもよい。例示的な実施形態において、前記有機発光表示装置が背面発光方式を有する場合、インジウム亜鉛酸化物、インジウム錫酸化物、ガリウム錫酸化物、亜鉛酸化物、ガリウム酸化物、錫酸化物、インジウム酸化物または、これらの合金を含む導電膜を形成した後に、前記導電膜をパターニングして第1電極110を形成することができる。他の例示的な実施形態において、前記有機発光表示装置が前面発光方式を有する場合、アルミニウム、銀、金、白金、クロム、タングステン、モリブデン、チタン、パラジウムまたは、これらの合金を含む導電膜を形成した後に、前記導電膜をパターニングして第1電極110を形成してもよい。
【0067】
図示はしていないが、前記有機発光表示装置が能動型駆動方式を有する場合には、基板100と第1電極110との間にスイッチング構造物が追加的に形成されてもよい。
【0068】
図5を参照すると、基板100上に画素定義膜120を形成してもよい。画素定義膜120は基板100の周辺領域(II)に形成してもよい。この場合、画素定義膜120は第1電極110に隣接するように形成してもよく、第1電極110と部分的に重なってもよい。例示的な実施形態において、画素定義膜120は基板100上で前記第1方向及び前記第2方向に沿って延伸してもよい。例えば、画素定義膜120は、約100nm〜約400nm程度の相対的に薄い厚さを有するように形成してもよい。
【0069】
画素定義膜120の側壁は基板100の表面に対して所定の角度を有してもよい。例えば、画素定義膜120の側壁は基板100の表面と約45°以下の角度を有してもよい。
【0070】
図6を参照すると、画素定義膜120上に第1疎水性層130を形成してもよい。第1疎水性層130はオフセット(offset)プリンティング工程、グラビアオフセット(gravure offset)プリンティング工程、グラビア反転オフセット(gravure reverse offset)プリンティング工程、インクジェット(inkjet)プリンティング工程、ノズル(nozzle)プリンティング工程、T−jet工程、スタンピング(stamping)工程、静電噴霧工程または、レーザー熱転写(laser induced thermal imaging)工程を通じて画素定義膜120上に形成されてもよい。
【0071】
第1疎水性層130は相対的に電気伝導性が低くて疎水性を有する物質を使って形成されてもよい。例えば、第1疎水性層130は後続して形成される電荷伝達層より低い電気伝導性を有することができ、約20dyne/cm
2以下の表面エネルギを有してもよい。また、第1疎水性層130は約30nm〜約3,000nmの厚さを有するように形成されてもよい。
【0072】
例示的な実施形態によれば、第1疎水性層130は画素定義膜120を部分的にカバーしてもよく、または、第1疎水性層130が画素定義膜120を全体的に覆ってもよい。この場合、第1疎水性層130は第1電極110と重ならなくてもよい。
【0073】
図7を参照すると、第1電極110上に少なくとも一つの電荷伝達層を形成することができる。前記電荷伝達層は正孔注入層140、及び/または、正孔輸送層150を含んでもよい。正孔注入層140は、スリット(slit)コーティング工程、バー(bar)コーティング工程、または、スピン(spin)コーティング工程を通じて、第1電極110及び画素定義膜120上に全体的に形成されてもよい。一方、正孔輸送層150はスリット(slit)コーティング工程、バー(bar)コーティング工程、または、スピン(spin)コーティング工程を通じて正孔注入層140上に全体的に形成されることができる。
【0074】
例示的な実施形態に係る正孔注入層140及び正孔輸送層150を形成するコーティング工程において、コーティング液を第1電極110及び画素定義膜120が形成された基板100上に全体的に塗布することができる。画素定義膜120は約400nm以下の比較的薄い厚さを有していて、画素定義膜120の側壁は基板100の表面と約45°以下の比較的低い角度を成すことができるので、前記コーティング液は第1電極110及び画素定義膜120上に均一な厚さで塗布することができる。ただし、相対的に低い表面エネルギを有する第1疎水性層130上にはコーティング液が塗布されないこともある。これによって、別途のパターニング工程なしで、それぞれの画素領域(I)に対応する正孔注入層140及び正孔輸送層150を形成してもよい。また、第1疎水性層130は正孔注入層140及び正孔輸送層150より低い電気伝導性を有することができるので、選択された画素領域(I)の正孔注入層140及び正孔輸送層150に流入した正孔が選択されていない画素領域(I)の正孔注入層140及び正孔輸送層150に移動して発生するクロストーク現象を防止することができる。
【0075】
図8を参照すると、画素定義膜120上に第1疎水性層130を覆う第2疎水性層160aを形成してもよい。第2疎水性層160aは、第1疎水性層130を形成する工程と実質的に同一または類似の工程を通じて形成することができる。
【0076】
例示的な実施形態によると、第2疎水性層160aは疎水性を有する物質を利用して形成してもよく、約20dyne/cm
2以下の表面エネルギを有してもよい。例えば、第2疎水性層160aは、約500nm〜約3μm程度の厚さを有するように形成されてもよい。
【0077】
例示的な実施形態によると、第2疎水性層160aが画素定義膜120を部分的に覆ってもよく、または、第2疎水性層160aが画素定義膜120を全体的にカバーしてもよい。この時、第2疎水性層160aは第1電極110と実質的に重ならなくてもよい。
【0078】
例示的な実施形態において、第2疎水性層160aは、
図9に示したように前記第1方向及び前記第2方向に沿って延伸して格子構造を有してもよい。他の例示的な実施形態によると、第2疎水性層160bは、
図10に示したように前記第2方向に沿って延伸してもよい。
【0079】
図11を参照すると、正孔輸送層150上に有機発光層170を形成してもよい。有機発光層170は、液状パターニング工程を通じて、正孔輸送層150の表面、画素定義膜120の表面及び第2疎水性層160aの側壁上に形成されてもよい。例えば、前記液状パターニング工程は、インクジェット(inkjet)プリンティング工程、ノズル(nozzle)プリンティング工程、T−jet工程、または、静電噴霧工程を含んでもよい。この時、第2疎水性層160aの側壁上に形成された有機発光層170は、実質的に不均一な厚さを有してもよい。反面、第1疎水性層130及び第2疎水性層160aは、画素領域(I)の第1電極110と重ならないように配置されたので、画素領域(I)内で正孔輸送層150上に形成された有機発光層170は実質的に均一な厚さを有することができる。有機発光層170が画素領域(I)内で実質的に均一な厚さを有する場合には有機発光層170から実質的に均一な強度を有する光が放出されてもよい。
【0080】
有機発光層170は、赤色、緑色、または青色の光をそれぞれ放出する発光層、或いは、前記赤色、緑色、または青色の光を放出する発光層が積層された多層構造を有してもよい。例えば、それぞれの画素領域(I)内に赤色、緑色及び青色の光を放出する有機発光層170をそれぞれ形成することができる。有機発光層170は
図1及び
図2を参照して説明した物質と実質的に同一または類似の物質を使って形成してもよい。
【0081】
例示的な実施形態において、それぞれの画素領域(I)は相対的に大きい厚さを有する第2疎水性層160aによって分離されているので、前記液状パターニング工程で有機発光物質がそれぞれの画素領域(I)を抜け出で混色されることを防止することができる。
【0082】
他の例示的な実施形態によれば、前記第2方向に沿って同じ色の光を放出する画素領域(I)に配置されるR・G・Bタイプの有機発光構造物の場合、
図10に示したように、前記第2方向に沿って延伸した第2疎水性層160bによって有機発光物質が混色されることを防止することができる。
【0083】
図12を参照すると、有機発光層170及び第2疎水性層160a上に第2電極180を形成してもよい。第2電極180は画素領域(I)及び周辺領域(II)を全体的に覆うように形成してもよい。第2電極180は第1電極110の種類によって透過型電極または、反射型電極であってもよい。例示的な実施形態により第1電極110が透過型電極の場合、第2電極180は反射型電極に該当してもよく、アルミニウム、銀、金、白金、クロム、タングステン、モリブデン、チタン、パラジウムまたは、これらの合金を使って形成してもよい。他の例示的な実施形態により第1電極110が反射型電極の場合、第2電極180は、透過型電極に該当してもよく、インジウム亜鉛酸化物、インジウム錫酸化物、ガリウム錫酸化物、亜鉛酸化物、ガリウム酸化物、錫酸化物、インジウム酸化物または、これらの合金を使って形成してもよい。
【0084】
図4〜
図12においては、第1電極110は陽極として機能し、第1電極110と有機発光層170との間に正孔注入層140及び正孔輸送層150を形成することと示されているが、本発明はこれによって制限されるものではない。例えば、第1電極110は陰極の役割を遂行でき、第1電極110と有機発光層170との間に電子注入層及び電子輸送層が形成されてもよい。
【0085】
例示的な実施形態に係る有機発光表示装置の製造方法において、画素定義膜120上に第1疎水性層130を形成することができるので、以後、全面コーティング工程を通じてそれぞれの画素領域(I)に対応する正孔注入層140及び正孔輸送層150を形成してもよい。また、相対的に大きい厚さを有する第2疎水性層160aを形成することができるので、有機発光層170を構成する前記有機発光物質がそれぞれの画素領域(I)を抜け出て混色されることを防止することができる。
【0086】
図13〜
図15は本発明の例示的な実施形態に係る有機発光表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【0087】
図13を参照すると、基板100上に第1電極110、画素定義膜120、第1疎水性層130及び正孔注入層140を形成することができる。そこで、第1電極110、画素定義膜120及び第1疎水性層130を形成する工程は、
図4〜
図6を参照して説明した工程と実質的に同一または実質的に類似しているのでこれらに対する詳細な説明は省略する。
【0088】
正孔注入層140は、スリット(slit)コーティング工程、バー(bar)コーティング工程または、スピン(spin)コーティング工程を通じて第1電極110及び画素定義膜120上に全体的に形成されてもよい。この時、相対的に低い表面エネルギを有する第1疎水性層130上には正孔注入層140が形成されなくてもよい。また、第1疎水性層130は、正孔注入層140より低い電気伝導性を有してもよいので、選択された画素領域(I)の正孔注入層140に流入した正孔が選択されていない画素領域(I)の正孔注入層140に移動して発生するクロストーク現象を防止することができる。
【0089】
図14を参照すると、正孔注入層140上に有機発光層170を形成することができる。有機発光層170はインクジェットプリンティング工程、ノズルプリンティング工程、T−jet工程または、静電噴霧工程のような液状パターニング工程を通じて、正孔輸送層150の表面、画素定義膜120の表面、及び第2疎水性層160aの側壁上に形成されてもよい。
【0090】
例示的な実施形態によると、それぞれの画素領域(I)は疎水性を有する第1疎水性層130によって分離されているので、前記液状パターニング工程で有機発光物質がそれぞれの画素領域(I)を抜け出て混色されることを防止することができる。
【0091】
図15を参照すると、有機発光層170及び第1疎水性層130上に第2電極180を形成してもよい。第2電極180は画素領域(I)及び周辺領域(II)を全体的にカバーするように形成されてもよい。第2電極180を形成する工程は、
図12を参照して説明した工程と実質的に同一または実質的に類似してもよい。
【0092】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと理解される。