(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6444588
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】反復する波模様を有する眼科用レンズ
(51)【国際特許分類】
G02C 7/04 20060101AFI20181217BHJP
【FI】
G02C7/04
【請求項の数】14
【外国語出願】
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-146300(P2013-146300)
(22)【出願日】2013年7月12日
(65)【公開番号】特開2014-21496(P2014-21496A)
(43)【公開日】2014年2月3日
【審査請求日】2016年4月19日
(31)【優先権主張番号】13/549,563
(32)【優先日】2012年7月16日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】510294139
【氏名又は名称】ジョンソン・アンド・ジョンソン・ビジョン・ケア・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Johnson & Johnson Vision Care, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】アンジー・エル・バウアーズ
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー・エイチ・ロフマン
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ・ミカルスキー
【審査官】
小西 隆
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−250351(JP,A)
【文献】
特開2013−250352(JP,A)
【文献】
特表2007−537492(JP,A)
【文献】
国際公開第2012/082710(WO,A1)
【文献】
特表2013−546027(JP,A)
【文献】
特開平04−264517(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02C 1/00 − 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
目の外見を変えるように構成された眼科用装置であって、
中央にある瞳孔領域と中央ゾーンの周辺に位置する有効ゾーンとを有する中央ゾーンと、前記中央ゾーンを囲繞する周辺ゾーンとを有するコンタクトレンズであって、前記中央ゾーンは、大きさにおいて目の虹彩に実質的に対応するように大きさを定められている、コンタクトレンズと、
前記中央ゾーンの前記有効ゾーンと前記周辺ゾーンとの間に位置する有色の環状バンドである、角膜輪部区間を更に備え、
前記コンタクトレンズの前記中央ゾーンの前記有効ゾーン内に形成された反復する波状模様をなして配列された一連の彩色線であって、
前記一連の彩色線のそれぞれが等しい幅及び厚さを有し、前記瞳孔領域に向かって、そして前記瞳孔領域から離れて放射状に広がる山と谷を伴って構成されており、
前記一連の彩色線の、それぞれの彩色線における前記山と谷の位置が前記コンタクトレンズの周囲方向において略一致しており、
前記一連の彩色線を構成する彩色線のうち、前記角膜輪部区間側の彩色線であるほど、当該彩色線の前記山の前記角膜輪部区間側の角度が増加し、前記谷の前記角膜輪部区間側の角度が減少する、彩色線と、を備える、眼科用装置。
【請求項2】
請求項1に記載の、目の外見を変えるように構成された眼科用装置であって、前記角膜輪部区間は、目の縁郭を実質的に被覆するように大きさを定められた、所定の厚さと色をなす線を備える、眼科用装置。
【請求項3】
請求項2に記載の、目の外見を変えるように構成された眼科用装置であって、前記線は不透明色か又は半透明色の少なくとも一方をなす、眼科用装置。
【請求項4】
請求項1に記載の、目の外見を変えるように構成された眼科用装置であって、反復する波状模様をなして配列された前記一連の彩色線は数学的関数から導出される、眼科用装置。
【請求項5】
請求項4に記載の、目の外見を変えるように構成された眼科用装置であって、前記数学的関数は、三角関数、多項式関数、及びフーリエ関数を含む、眼科用装置。
【請求項6】
請求項1に記載の、目の外見を変えるように構成された眼科用装置であって、前記一連の彩色線の厚さと間隔は、虹彩の視認性を実質的に阻害する領域と、虹彩を視認可能にする領域とを生じさせるように変動する、眼科用装置。
【請求項7】
請求項1に記載の、目の外見を変えるように構成された眼科用装置であって、前記周辺ゾーンにおける色付け又は着色の少なくとも一方を更に含む、眼科用装置。
【請求項8】
請求項7に記載の、目の外見を変えるように構成された眼科用装置であって、前記色付け又は着色の少なくとも一方は半透明である、眼科用装置。
【請求項9】
請求項7に記載の、目の外見を変えるように構成された眼科用装置であって、前記色付け又は着色の少なくとも一方は不透明である、眼科用装置。
【請求項10】
請求項7に記載の、目の外見を変えるように構成された眼科用装置であって、前記色付け又は着色の少なくとも一方は半透明から不透明へと徐々に変化する、眼科用装置。
【請求項11】
請求項7に記載の、目の外見を変えるように構成された眼科用装置であって、前記中央ゾーンにおける色付け又は着色の少なくとも一方を更に備える、眼科用装置。
【請求項12】
請求項1に記載の、目の外見を変えるように構成された眼科用装置であって、前記コンタクトレンズはソフトコンタクトレンズである、眼科用装置。
【請求項13】
請求項1に記載の、目の外見を変えるように構成された眼科用装置であって、前記コンタクトレンズはハードコンタクトレンズである、眼科用装置。
【請求項14】
請求項6に記載の、目の外見を変えるように構成された眼科用装置であって、前記一連の彩色線は、装用者の虹彩に調和しその虹彩を強調するように、色付けか又は着色の少なくとも一方がなされる、眼科用装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、眼科用レンズに関し、より具体的には、眼とその周囲の構造を強調する機能を組み込んだコンタクトレンズに関する。
【背景技術】
【0002】
近視又は近目は、像からの光線が網膜に到達する前に一点に集束する、光学上の又は屈折性の眼の欠陥である。近視は一般に、眼球又は球体が長すぎるか、あるいは角膜が過度に急勾配をなすために生じるものである。近視を矯正するために、負のパワーを持つ球面レンズが利用され得る。遠視又は遠目は、像からの光線が網膜に到達した後にあるいは角膜の後方で一点に集束する、光学上の又は屈折性の眼の欠陥である。遠視は一般に、眼球又は球体が短すぎるか、あるいは角膜が過度に平坦であるために生じるものである。遠視を矯正するために、正のパワーを持つ球面レンズが利用され得る。乱視は、目が角膜上の焦点画像に点物体を集束できないことが原因で個人の視覚が不鮮明となる、光学上の又は屈折性の欠陥である。近視及び/又は遠視とは異なり、乱視は、球体の大きさ又は角膜の勾配とは無関係であり、むしろ、角膜の異常な屈曲によって生じるものである。完全な角膜は球状であるが、乱視を持つ個人において、角膜は球状ではない。換言すれば、角膜が、ある方向においては別の方向と比べて実際により屈曲するか若しくは更に急勾配をなし、それによって、像を一点に集束させるのではなく、むしろ引き延ばすことになる。遠視を解決するために、球面レンズではなく円柱レンズが利用され得る。
【0003】
コンタクトレンズは、近視、遠視、乱視、並びに他の視力欠陥を矯正するために利用され得る。コンタクトレンズはまた、着用者の目の自然な外見を強調するためにも利用され得る。換言すれば、コンタクトレンズは、目の外見に多様な効果をもたらすように色付け又は着色され得る。個人の目の色を強調するかあるいは完全に変化させるために、多種多様なタイプの着色コンタクトレンズが現在、入手可能となっている。美容改善用の色合いを備えたコンタクトレンズは、その人生来の眼色を強調するように設計されたものであり、青色、緑色、ハシバミ色、及び灰色など、淡色の目に最も適している。くすんだ色合いを備えたコンタクトレンズは、濃色の目の色を変化させるように設計されたものである。これらのレンズは、自然な見た目をもたらすと同時に光彩を被覆するように設計されたものである。コンタクトレンズはまた、眼色に対して識別可能でない効果に対処する際にレンズを視認可能にするように設計された、視感度用の色合いを備え得る。
【0004】
虹彩の生来の色を変化させるかあるいは強調するために着色又はカラーコンタクトレンズを使用することは周知である。通常の着色コンタクトレンズの製造において、自然な外観の薄い色合いを虹彩に生じさせる目的で、ある有色層で半透明色と不透明色の一方又は両方を使用することが知られている。典型的には、有色層はそれぞれ、単一の厚さで張り付けられる。これにより、複数の色を、あるいは半透明色が別の有色層に重なる点を使用するだけで、色の変化がもたらされる。しかしながら、生来の虹彩は、多数の様々な色、及び混在して色の変化を生じる色の組み合わせで構成されている。着色コンタクトレンズの生産に使用され得る色及び有色層は比較的少数であるため、自然な外見のレンズを作製する設計者の能力が制限される。それ故に、虹彩の色を単純に変えることに加えて、眼色の強調をもたらすことが有利となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の反復する波模様を備えた眼科用レンズは、簡潔に上述したような従来技術に伴う多数の欠点を克服するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様によれば、本発明は、目の外見を変えるように構成された眼科用装置に関する。この眼科用装置は、中央にある瞳孔領域と中央ゾーンの周辺に位置する有効ゾーンとを有する中央ゾーンと、中央ゾーンを囲繞する周辺ゾーンとを有するコンタクトレンズであって、中央ゾーンは、大きさにおいて目の虹彩に実質的に対応するように大きさを定められているコンタクトレンズと、コンタクトレンズの中央ゾーンの有効ゾーン内に形成された反復する波状模様をなして配列された一連の彩色線であって、所定の厚さと彩色線同士の間の間隔を有し、瞳孔領域に向かって、そして瞳孔領域から離れて放射状に広がる山と谷を伴って構成されており、その所定の厚さと間隔は、コンタクトレンズが目の上にあるときに虹彩に陰影と深さを加えるために可変である、彩色線と、を備える。
【0007】
コンタクトレンズ又はコンタクトは単に、目の上に置かれるレンズである。コンタクトレンズは医療装置と見なされており、視力を矯正するために、かつ/又は美容上若しくは他の治療上の理由で装用され得るものである。コンタクトレンズは、1950年代から、視力を改善するために商業的に利用されてきた。初期のコンタクトレンズは、硬質な材料から作製又は製作され、比較的高価で脆弱なものであった。加えて、これらの初期のコンタクトレンズは、コンタクトレンズを通じて結膜及び角膜へと酸素を十分に透過させない材料から製作されており、このことは場合によっては、多数の臨床上の逆効果の原因となり得ていた。これらのコンタクトレンズは依然として利用されているが、それらは、初期の快適性に乏しいがために、すべての患者に適するものではない。この分野における最近の発展により、ハイドロゲルに基づいたソフトコンタクトレンズが創成され、これらは今日、非常に一般的となり、広く利用されている。具体的には、今日、入手可能なシリコーンハイドロゲルのコンタクトレンズは、非常に高い酸素透過性を有するシリコーンの利点を、ハイドロゲルの実証済みの快適性及び臨床性能と組み合わせたものである。基本的に、これらのシリコーンハイドロゲルに基づくコンタクトレンズは、初期の硬質な材料から作製されたコンタクトレンズと比べて、より高い酸素透過性を有し、一般には装用するにもより快適となっている。
【0008】
現在入手可能なコンタクトレンズは依然として、視力矯正のための費用効果的な手段である。近視若しくは近目、遠視若しくは遠目、乱視、すなわち角膜の非球面性、及び、老眼、すなわち、遠近調節する水晶体の能力の損失を含め、視覚障害を矯正するために、薄いプラスチックレンズが目の角膜に被せて装着される。コンタクトレンズは多様な形態で入手可能であり、様々な機能性をもたらすべく多様な材料から作製されている。常用ソフトコンタクトレンズは通常、酸素透過性を得るために水と組み合わされた軟質のポリマー材料から作製される。常用ソフトコンタクトレンズは、1日使い捨て型であっても、連続装用型であってもよい。1日使い捨て型のコンタクトレンズは通常、1日にわたって装用され、次いで捨てられるが、連続装用の使い捨て型のコンタクトレンズは通常、最大で30日の期間にわたって装用される。カラーソフトコンタクトレンズには、種々の機能性を得るために種々の材料が使用されている。例えば、識別用着色コンタクトレンズは、落としたコンタクトレンズを発見する際に装用者を支援するために、明るい色合いを用いるものであり、強調着色コンタクトレンズは、装用者の生来の眼色を強調することを意図した半透明の色合いを有するものであるが、着色カラーコンタクトレンズは、装用者の眼色を変化させることを意図した、より暗く不透明な色合いを備え、光フィルタリング着色コンタクトレンズは、特定の色を強調する一方で他の色を弱めるように機能する。硬質ガス透過性ハードコンタクトレンズは、シロキサン含有ポリマーから作製されるものであるが、ソフトコンタクトレンズよりも硬質であり、したがってその形状を保ち、より耐久性の高いものである。二重焦点コンタクトレンズは、老眼である患者専用に設計されるものであり、軟質及び硬質の両方の種類で入手可能である。トーリックコンタクトレンズは、乱視である患者専用に設計されるものであり、同様に軟質及び硬質の両方の種類で入手可能である。上記の種々の特徴を組み合わせたコンビネーションレンズ、例えばハイブリッドコンタクトレンズもまた入手可能である。
【0009】
コンタクトレンズは、目の外見に多様な効果をもたらすように色付け又は着色され得る。コンタクトレンズは、目の外見に関する問題を解消するために、あるいは美容上の目的で利用され得る。本発明は、虹彩を目立たせ、陰影の付いたものにし、暴露するための、反復する周期的な波を組み込んで自然な外見を生じさせることによって、虹彩に被せて装用されたときに目の外見を強調するコンタクトレンズに関する。ドット、ドットマトリックス、及び/又は他の方法の利用とは異なり、この反復する波の技術は、波状線の幾何学形態を利用して自然な外見をもたらす。
【0010】
本発明は、三角関数、フーリエ関数、多項式関数、又は類似の関数から導出される、反復する周期的な波状線模様の利用に関する。多項式関数の例には、テイラー級数、マクローリン級数、チェビシェフ級数が挙げられる。眼科用レンズの上に置かれる場合、これらの反復する周期的な模様は、虹彩に美容上の効果を生じさせるために用いられる。これらの線は、等しい厚さ、幅、及び間隔をなしてもよく、あるいは等しくない厚さ、幅、及び間隔をなしてもよいが、好ましい提示形態において、これらの線は、等しくない間隔を伴って、等しい幅及び厚さをなし、それによって陰影及び深さの錯覚をもたらす。これらの線の配置により、山と谷が設けられ、それらの山と谷は、瞳孔に向かって、そして瞳孔から離れて放射状に広がって、自然な外見を生じ、虹彩と調和する。線の反復する波は、虹彩の色を強調するように彩色される。線同士の間の空間により、虹彩が彩色領域を通じて現れ、故に自然な虹彩と調和する領域が設けられる。
【0011】
本発明のコンタクトレンズに組み込まれる反復する波模様は、目の外見を美容的に向上させる、安価で便利な方法をもたらす。その向上は、気づかれないほど微細なものではなく、また不自然な外見を装用者の虹彩にもたらすようなものでもない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明の前述の、そして他の特徴及び利点が、添付の図面に示すように、本発明の好ましい実施形態の、以下のより具体的な説明から明らかとなろう。
【
図1】本発明によるコンタクトレンズで利用され得る、反復する周期的な波模様。
【
図2】本発明による例示的な第1の反復する周期的な波模様を有するコンタクトレンズの正面図。
【
図3】本発明による例示的な第2の反復する周期的な波模様を有するコンタクトレンズの正面図。
【
図4】本発明による例示的な第3の反復する周期的な模様を有するコンタクトレンズの正面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
現在入手可能なコンタクトレンズは依然として、視力矯正のための費用効果的な手段である。近視若しくは近目、遠視若しくは遠目、乱視、すなわち角膜の非球面性、及び、老眼、すなわち、遠近調節する水晶体の能力の損失を含め、視覚障害を矯正するために、薄いプラスチックレンズが目の角膜に被せて装着される。コンタクトレンズは多様な形態で入手可能であり、様々な機能性をもたらすべく多様な材料から作製されている。常用ソフトコンタクトレンズは通常、酸素透過性を得るために水と組み合わされた軟質のポリマープラスチック材料から作製される。常用ソフトコンタクトレンズは、1日使い捨て型であっても、連続装用型であってもよい。1日使い捨て型のコンタクトレンズは通常、1日にわたって装用され、次いで捨てられるが、連続装用の使い捨て型のコンタクトレンズは通常、最大で30日の期間にわたって装用される。カラーソフトコンタクトレンズには、種々の機能性を得るために付加的な材料が使用される。例えば、識別用着色コンタクトレンズは、落としたコンタクトレンズを発見する際に、あるいはコンタクトレンズをパッケージに配置するように装用者を支援するために、明るい色合いを用いるものであり、強調着色コンタクトレンズは、装用者の生来の眼色を強調することを意図した半透明の色合いを有するものであるが、着色カラーコンタクトレンズは、装用者の眼色を変化させることを意図した、より暗く不透明な色合いを備え、光フィルタリングコンタクトレンズは、特定の色を強調する一方で、他の色を弱めるように機能する。硬質ガス透過性ハードコンタクトレンズは、シリコーンポリマーから作製されるものであるが、ソフトコンタクトレンズよりも硬質であり、したがってその形状を保ち、より耐久性の高いものである。二重焦点コンタクトレンズは、老眼である患者専用に設計されるものであり、軟質及び硬質の両方の種類で入手可能である。トーリックコンタクトレンズは、乱視である患者専用に設計されるものであり、同様に軟質及び硬質の両方の種類で入手可能である。上記の種々の特徴を組み合わせたコンビネーションレンズ、例えばハイブリッドコンタクトレンズもまた入手可能である。
【0014】
白目は強膜として知られている。強膜は、目の形状を維持するのに役立つと共に目の内部構造を保護する、丈夫な線維組織を備えている。虹彩は、目の着色部分であり、目の前眼房と後眼房とを仕切るものである。虹彩は、瞳孔として知られる虹彩内の中央開口部の大きさを調節する2つの筋肉を備えている。角膜は、虹彩に被さる明澄な被覆部であり、目のうちの第1の集光要素である。強膜が終わり、角膜が始まる移行部は縁郭と呼ばれる。コンタクトレンズは、視覚障害を矯正することに加えて、虹彩、強膜、及び/又は縁郭の外見を強調するためにも利用され得る。
【0015】
より具体的には、虹彩は、主たる結合組織と平滑筋線維とを備え、その色、表面組織及び模様が各個人に固有のものである、薄い膜である。虹彩の色は遺伝的に決定され、虹彩構造に存在する色素、メラニンの量に依存する。虹彩異色症として知られる遺伝子疾患があり、この遺伝子疾患は、一方の虹彩が他の虹彩の色と異なる色をなし得るものである。また、同様に遺伝子によるものである部分虹彩異色症として知られる疾患があり、この疾患は、一方の虹彩の一部分が、同じ虹彩の残りの部分と異なり得るものである。また様々な眼病変がこれらの疾患を引き起こし得る。加えて、虹彩が時間と共に色を変化させる原因となり得る特定の病変が存在する。それ故に、本発明によるコンタクトレンズは、純粋に美容上の理由でかつ/又はこれらの疾患のうちのいずれかに対処するために利用され得る。
【0016】
本発明は、装用者の目の外見を強調する設計上の特徴を組み込んだコンタクトレンズに関する。より具体的には、虹彩に対応する領域にてコンタクトレンズの中に組み込まれた、反復する周期的な波形が、生来の外見を維持しながらも、虹彩を際立たせ、虹彩に明暗を与え、そして虹彩を露出させることによって、目の外見を美容的に強調するように働く。通常の美容用強調コンタクトレンズは、不透明色と半透明色のいずれか又は両方を利用して、虹彩の色を変化させるかあるいは変えるものである。加えて、虹彩の色を変化させるか変化させないかにかかわらず目に注意を向けさせるために、より人目を引く外見を生じさせるべく目を強調しようとする着色コンタクトレンズが製造されてきた。例えば、真珠型の光沢を生じさせることが可能な顔料、輝く効果を生じさせる発光顔料、反射材料を備えた顔料などを組み込んだ着色剤が知られている。これらのタイプのコンタクトレンズは、強調が過度に弱く、レンズが目の上にあるときにも気づかれないか、あるいは強調によって不自然な外見が装用者の虹彩に加えられるという点で、完全に満足なものではないことがある。
【0017】
上記のように、本発明によるコンタクトレンズは、レンズ装用者の目及びその周囲構造の外見を強調する模様を組み込んでいる。三角関数、フーリエ関数、多項式関数、又は類似の関数から導出され得る、反復する周期的な波状線模様を利用することにより、虹彩が自然な形で強調される。自然な外見をもたらすのは線の幾何学形態であるので、任意の好適な関数が本発明に従って利用され得ることに留意することが重要である。
【0018】
コンタクトレンズなどの眼科用レンズの上に置かれるかあるいはその中に組み込まれるとき、これらの反復する周期的な模様は、虹彩を強調する美容上の効果を生じさせるために用いられる。これらの線は、等しい厚さ、幅、及び間隔をなしてもよく、あるいは等しくない厚さ、幅、及び間隔をなしてもよいが、好ましい実施形態において、これらの線は、等しくない間隔を伴って、等しい幅及び厚さをなし、それによって陰影及び深さの錯覚をもたらす。これらの線の配置により、山と谷が設けられ、それらの山と谷は、瞳孔に向かって、そして瞳孔から離れて放射状に広がって、自然な外見を生じ、虹彩と調和するものである。線の反復する波はまた、虹彩の色を強調するように彩色される。線同士の間の空間により、虹彩が彩色領域を通じて現れ、故に自然な虹彩と調和する領域が設けられる。線同士の間に空間がないところでは、虹彩は容易には視認されない。
【0019】
図1は、本発明の例示的な実施形態による反復的な波模様にて用いられている線を示している。等しい幅の線100が、領域102に示すように、互いにより接近して離間するとき、効果はより大きなものとなる。等しい幅の線100が、領域104に示すように、更に離れて離間するとき、その効果は明らかではなく、より多くの背景色(虹彩)が暴露される。
【0020】
図2は、波状模様の彩色線202を組み込んだ第1の例示的なコンタクトレンズ200を示している。
図2に示すコンタクトレンズ200は、形状においては実質的に円形であるが、楕円形状又は切り詰めた円形状など、コンタクトレンズに好都合な任意の形状をなしてもよい。コンタクトレンズ200は、有効ゾーン206と瞳孔領域208とを有する中央ゾーン204と、周辺ゾーン210とを備えている。周辺ゾーン210は、コンタクトレンズ200の中央ゾーン204の周囲に配設されている。周辺ゾーン210が有する内径と外形は、全体としてコンタクトレンズ200の外縁部と一致してもよいが、必ずしもそうする必要はない。
図2に示される例示的なコンタクトレンズ200が示すこととして、コンタクトレンズ200は角膜輪部又は模様212を備えてもよく、その角膜輪部又は模様212は基本的に、中央ゾーン204を周辺ゾーン210から分離するものである。彩色線202の波状模様は好ましくは、装用者の虹彩の少なくとも一部分を被覆するように、有効ゾーン206内の角膜輪部212の内側に位置する。個人の虹彩の大きさは人によって異なり得るので、有効ゾーン206の大きさは、虹彩の平均的な大きさに合わせられる。角膜輪部212は、コンタクトレンズ200が目の上の中心にあるときにレンズ装用者の角膜縁領域に部分的にあるいは完全に重なる、有色の環状バンドである。角膜輪部212は、任意の好適な幅をなし、任意の好適な色を備えてもよい。角膜輪部212はまた、半透明であっても不透明であってもよい。本発明のコンタクトレンズのいずれにおいても、中央ゾーン204の瞳孔領域208は好ましくは明澄である。しかしながら、この瞳孔領域208は、半透明色又は不透明色の領域であっても、不透明色と半透明色との任意の組み合わせの領域であってもよい。本発明の最も好ましい例示的な実施形態において、中央ゾーン204におけるる唯一の模様又は色付けは、有効ゾーン206における彩色線202の反復する波状模様である。そのような構成により、自然な効果がもたらされる。彩色線202の反復する波状模様は、上記のような任意の好適な模様を含んでもよい。
【0021】
好ましい例示的な実施形態において、反復する周期的な波模様202の配置の寸法は、直径が14mm以下であり、かつ直径が7mm以上である。望ましい美容上の効果を得るための重要な鍵は、装用者の睫毛によって影が投じられているという錯覚をもたらす、色と半透明の組み合わせを必要とする。この色と半透明の組み合わせは、理想的には生来の色(茶色、黒色、灰色)を反映するものであり、生来の虹彩の一部を識別可能にし、模様から生来の虹彩への遷移を適切で自然に見えるものにする。
【0022】
角膜輪部212の各々に選択された色と虹彩模様の彩色線202は好ましくは、装用者の虹彩の生来の色と、望まれる強調度及び/又は色の変化によって決定される。したがって、各要素は、限定するものではないが、任意の多様な色相及び彩度の青色、緑色、灰色、茶色、黒色、黄色、赤色、又はそれらの組み合わせを含めて、いかなる色をなしてもよい。角膜輪部212に好ましい色には、限定するものではないが、様々な色相及び彩度の黒色、茶色、及び灰色のいずれかが挙げられる。上述のように、好ましい実施形態において、彩色線202は、等しくない間隔を伴って、等しい厚さと幅をなし、それによって陰影及び深さの錯覚をもたらす。
図1のように、線202は、線202が接近して離間する密集領域214と、線202があまり接近せずに離間する非密集領域216とを有する。
【0023】
図3は、波状模様の彩色線302を組み込んだ別の例示的なコンタクトレンズ300を示している。
図2に示す例示的なコンタクトレンズ200と同様に、この例示的なコンタクトレンズ300は、形状において実質的に円形であるが、楕円形状又は切り詰めた円形状を含めて、コンタクトレンズに適した任意の形状を備えてもよい。コンタクトレンズ300は、有効ゾーン306と瞳孔領域308とを有する中央ゾーン304と、周辺ゾーン310とを備えている。周辺ゾーン310は、コンタクトレンズ300の中央ゾーン304の周囲に配設されている。周辺ゾーン310が有する内径と外形は、全体としてコンタクトレンズ300の外縁部と一致してもよいが、必ずしもそうする必要はない。例示的なコンタクトレンズ300はまた角膜輪部312を備え、この角膜輪部312は基本的に、中央ゾーン304を周辺ゾーン312から分離するものである。彩色線302の波状模様は好ましくは、装用者の虹彩の少なくとも一部分を被覆するように、有効ゾーン306内の角膜輪部312の内側に位置する。本発明のコンタクトレンズのいずれにおいても、中央ゾーン304の瞳孔領域308は好ましくは明澄である。しかしながら、この瞳孔領域308は、半透明色又は不透明色の領域であっても、不透明色と半透明色との任意の組み合わせの領域であってもよい。
図3の例示的なコンタクトレンズ300は、角膜輪部312の外側の周辺ゾーン310においてコンタクトレンズ300が色付け又は着色されているという点で、
図2の例示的なコンタクトレンズ200とは異なっている。換言すれば、角膜輪部312の内側及び有効ゾーン306内の波状模様の線302に加えて、コンタクトレンズ300は角膜輪部312の外側で、特定の色で色付け又は着色され、そして徐々に変化して、角膜輪部312により近い領域314からは不透明から半透明若しくは透明となり、角膜輪部312からより離れた領域316においては不透明となってもよい。
図3に示すように、彩色線302は、線302が接近して離間する密集領域318と、線があまり接近せずに離間する非密集領域318とを有する。
【0024】
上記のように、望ましい美容上の効果を得るための重要な鍵は、装用者の睫毛によって影が投じられているという錯覚をもたらす、色と半透明の組み合わせを必要とする。この色と半透明の組み合わせは、理想的には生来の色を反映するものであり、生来の虹彩の一部を識別可能にし、模様から生来の虹彩への遷移を適切で自然に見えるものにする。
【0025】
図4は、波状模様の彩色線402を組み込んだ更に別の例示的なコンタクトレンズ400を示している。
図3に示す例示的なコンタクトレンズ300と同様に、この例示的なコンタクトレンズ400は、形状において実質的に円形であるが、楕円形状又は切り詰めた円形状を含めて、コンタクトレンズに適した任意の形状を備えてもよい。コンタクトレンズ400は、有効ゾーン406と瞳孔領域408とを有する中央ゾーン404と、周辺ゾーン410とを備えている。周辺ゾーン410は、コンタクトレンズ400の中央ゾーン404の周囲に配設されている。周辺ゾーン410が有する内径と外形は、全体としてコンタクトレンズ400の外縁部と一致してもよいが、必ずしもそうする必要はない。コンタクトレンズ400はまた角膜輪部412を備え、この角膜輪部412は基本的に、中央ゾーン404を周辺ゾーン410から分離するものである。彩色線402の波状模様は好ましくは、装用者の虹彩の少なくとも一部分を被覆するように、有効ゾーン406内の角膜輪部412の内側に位置する。本発明のコンタクトレンズのいずれにおいても、中央ゾーン404の瞳孔領域408は好ましくは明澄である。しかしながら、この瞳孔領域408は、半透明色又は不透明色の領域であっても、不透明色と半透明色との任意の組み合わせの領域であってもよい。
図4の例示的なコンタクトレンズ400は、角膜輪部412の外側の周辺ゾーン410においてコンタクトレンズ400が色付け又は着色されているという点で、
図2の例示的なコンタクトレンズ200とは異なっている。換言すれば、角膜輪部412の内側及び有効ゾーン406内の波状模様の彩色線402に加えて、コンタクトレンズ400は角膜輪部412の外側で、特定の色で色付け又は着色され、そして徐々に変化して、角膜輪部412により近い領域414からは不透明から半透明若しくは透明となり、角膜輪部412から最も離れた領域416においては不透明となってもよい。加えて、例示的なコンタクトレンズ400は、コンタクトレンズ404のうちの、瞳孔領域408を除く虹彩部分又は中央ゾーン404もまた着色されるという点で、
図3の例示的なコンタクトレンズ300とは異なっている。より具体的には、コンタクトレンズ400の中央ゾーン404は、波状模様の彩色線402に加えて、着色模様418を備えている。この着色模様は、瞳孔領域408から角膜輪部412へと延びている。着色模様418は、装用者の生来の眼色及び所望の効果に基づいて、任意の好適な模様と配色を備え得る。ここでもまた、
図4に示すように、彩色線402は、線402が接近して離間する密集領域420と、線402があまり接近せずに離間する非密集領域422とを有する。
【0026】
あらゆる数学関数が、例えば、三角関数、フーリエ関数、多項式関数、及び類似の関数が、本発明に従って利用され得ることに注意することが重要である。例示的な一実施形態によれば、単一の波形が生成されるか、あるいは単純に描画され、次いで複数回、複製されて模様が形成される。各線を複写し連結する反復的機能を実施するようにソフトウェアが記述され得る。
【0027】
一般に、色付けされる要素、つまり、波状模様の線、角膜輪部、及び着色区間又は領域は、コンタクトレンズにおける使用に好適な任意の有機若しくは無機顔料、又はそのような顔料の組み合わせから作られ得る。不透明度は、利用される顔料及び二酸化チタンの濃度を変化させることによって制御されてもよく、多量になるにつれてより高い不透明度がもたらされる。例示的な有機顔料には、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、カルバゾールバイオレット、バットオレンジ#1など、並びにそれらの組み合わせが挙げられる。これらの顔料に加えて、ジクロロトリアジン及びビニルスルホン系染料を含めた、可溶性及び不可溶性の染料が使用されてもよい。有用な染料及び顔料が商業的に入手可能であり、当業者に知られている。
【0028】
選択された染料又は顔料は、本発明のレンズで使用される半透明及び不透明層を製作するために使用される着色剤を形成するために、プリポリマー、又は結合ポリマー、及び溶媒のうちの1つ以上と組み合わされてもよい。また、コンタクトレンズの着色剤に有用な他の添加剤が使用されてもよい。本発明の有色層に有用な結合ポリマー、溶媒、及び他の添加剤は既知であり、商業的に入手可能であるか、あるいはそれらを作製する方法が既知である。
【0029】
色付きの要素は、波状の模様線、角膜輪部、及び着色領域のうちの1つ以上を含めて、コンタクトレンズの1つ以上の表面に張り付けられるか、若しくは印刷されてもよく、あるいは、コンタクトレンズ形成材料が堆積及び硬化される金型の1つ以上の表面に印刷されてもよい。本発明の設計を組み込んだコンタクトレンズを形成するための、ある好ましい例示的な方法において、環状ポリオレフィン及びポリプロピレン又はポリスチレン樹脂などのポリオレフィンを含めて、任意の好適な材料から作られた熱可塑性の光学金型が使用され得る。各要素は、金型の成形面のうちの所望の部分に堆積される。「成形面」という用語は、レンズの表面を形成するために使用される金型又は金型半部の表面を意味する。好ましくは、この堆積は、本明細書で説明するようにパッド印刷によって実施される。
【0030】
好ましくは鋼、より好ましくはステンレス鋼から製作された金属プレートが、硬化後に水不溶性となることが可能なフォトレジスト材料で被覆される。各要素が選択されるかあるいは設計され、次いで、写真技法などの多数の技法のうちのいずれかを利用して所望の寸法に切り詰められ、金属プレートの上に置かれ、フォトレジスト材料が硬化される。
【0031】
その後にプレートが水溶液で洗浄され、結果として得られた像が、好適な深さ、例えば、約20マイクロメートルまでプレートの中にエッチングされる。次いで、結合ポリマー、溶媒、及び顔料又は染料を含有する着色剤が各要素の上に堆積されて、くぼみが着色剤で充填される。表面上への印刷に使用するのに好適な幾何学形状であり、様々な硬度をなすシリコンパッドが、プレート上の像に対して押圧されて着色剤が除去され、次いでその着色剤は、溶媒の蒸発によってわずかに乾燥される。パッドは次いで、光学金型の成形面に対して押圧される。金型は、最長で12時間にわたってガス抜きされて過剰な溶媒及び酸素が除去され、その後、金型にレンズ材料が充填される。次いで、相補的な金型半部が使用されて金型組立体が完成し、その金型組立体は、使用されるレンズ材料を硬化させるのに好適な条件に曝される。そのような条件は当該技術分野において周知であり、また選択されたレンズ材料に依存する。硬化が完了し、レンズが金型から解放されると、レンズは緩衝生理食塩溶液中で平衡化される。
【0032】
ある好ましい例示的な実施形態において、明澄なプリポリマー層が使用されるが、そのプリポリマー層は、少なくとも角膜輪部とドット模様と重なり、好ましくはレンズの最も外側の表面の全体を形成する。プリポリマーは、使用される顔料及び任意の乳白剤を分散させることが可能な任意のポリマーであってよい。
【0033】
本発明は、任意の既知のレンズ形成材料又はこの種のレンズを製造するのに好適な材料でできた、着色されたハード又はソフトコンタクトレンズを提供するために利用され得る。好ましくは、本発明のコンタクトレンズは、ソフトコンタクトレンズであり、これらのレンズを形成するために選択される材料は、ソフトコンタクトレンズを生産するのに好適な任意の材料である。本発明の方法を利用してソフトコンタクトレンズを形成するのに好適な好ましい材料には、シリコーンエラストマー、参照によってすべてが本願に組み込まれる米国特許第5,371,147号、同第5,314,960号、及び同第5,057,578号に開示されているものを含むシリコーン含有マクロマー、ヒドロゲル、シリコーン含有ヒドロゲルなど、並びにそれらの組み合わせが挙げられる。より好ましくは、このコンタクトレンズは、ポリジメチルシロキサンマクロマー、メタクリルオキシプロピルポリアルキルシロキサン、及びこれらの混合物、シリコーンヒドロゲル、つまり、ヒドロキシ基、カルボキシル基、又はこれら両方及びこれらの組み合わせを含有するモノマーでできたヒドロゲルを含めて、シロキサン官能基を含有する材料から作製され得る。ソフトコンタクトレンズを作製するための材料は周知であり、商業的に入手可能である。好ましくは、レンズ材料は、アクアフィルコン、エタフィルコン、ゲンフィルコン、レネフィルコン、バラフィルコン、ロトラフィルコン、又はガリフィルコンを含んでもよい。
【0034】
最も実用的で好ましい実施形態であると考えられる内容が図示及び説明されているが、明らかなこととして、説明及び図示した特定の設計及び方法は、当業者には思いつくものであり、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく用いられ得るものである。本発明は、説明及び図示した特定の構造に限定されるものではないが、添付の特許請求の範囲に含まれ得るすべての修正形態に一致するものと見なされるべきである。
【0035】
〔実施の態様〕
(1) 目の外見を変えるように構成された眼科用装置であって、
中央にある瞳孔領域と中央ゾーンの周辺に位置する有効ゾーンとを有する中央ゾーンと、前記中央ゾーンを囲繞する周辺ゾーンとを有するコンタクトレンズであって、前記中央ゾーンは、大きさにおいて目の虹彩に実質的に対応するように大きさを定められている、コンタクトレンズと、
前記コンタクトレンズの前記中央ゾーンの前記有効ゾーン内に形成された反復する波状模様をなして配列された一連の彩色線であって、所定の厚さと彩色線同士の間の間隔を有し、前記瞳孔領域に向かって、そして前記瞳孔領域から離れて放射状に広がる山と谷を伴って構成されており、前記所定の厚さと間隔は、前記コンタクトレンズが目の上にあるときに前記虹彩に陰影と深さを加えるために可変である、彩色線と、を備える、眼科用装置。
(2) 実施態様1に記載の、目の外見を変えるように構成された眼科用装置であって、前記コンタクトレンズの前記中央ゾーンの前記有効ゾーンと前記周辺ゾーンとの間に位置する角膜輪部区間(limbal ring section)を更に備える、眼科用装置。
(3) 実施態様2に記載の、目の外見を変えるように構成された眼科用装置であって、前記角膜輪部区間は、目の縁郭を実質的に被覆するように大きさを定められた、所定の厚さと色をなす線を備える、眼科用装置。
(4) 実施態様3に記載の、目の外見を変えるように構成された眼科用装置であって、前記線は不透明色か又は半透明色の少なくとも一方をなす、眼科用装置。
(5) 実施態様1に記載の、目の外見を変えるように構成された眼科用装置であって、反復する波状模様をなして配列された前記一連の彩色線は数学的関数から導出される、眼科用装置。
【0036】
(6) 実施態様5に記載の、目の外見を変えるように構成された眼科用装置であって、前記数学的関数は、三角関数、多項式関数、及びフーリエ関数を含む、眼科用装置。
(7) 実施態様1に記載の、目の外見を変えるように構成された眼科用装置であって、前記一連の彩色線の厚さと間隔は、虹彩の視認性を実質的に阻害する領域と、虹彩を視認可能にする領域とを生じさせるように変動する、眼科用装置。
(8) 実施態様1に記載の、目の外見を変えるように構成された眼科用装置であって、前記周辺ゾーンにおける色付け又は着色の少なくとも一方を更に含む、眼科用装置。
(9) 実施態様8に記載の、目の外見を変えるように構成された眼科用装置であって、前記色付け又は着色の少なくとも一方は半透明である、眼科用装置。
(10) 実施態様8に記載の、目の外見を変えるように構成された眼科用装置であって、前記色付け又は着色の少なくとも一方は不透明である、眼科用装置。
【0037】
(11) 実施態様8に記載の、目の外見を変えるように構成された眼科用装置であって、前記色付け又は着色の少なくとも一方は半透明から不透明へと徐々に変化する、眼科用装置。
(12) 実施態様8に記載の、目の外見を変えるように構成された眼科用装置であって、前記中央ゾーンにおける色付け又は着色の少なくとも一方を更に備える、眼科用装置。
(13) 実施態様1に記載の、目の外見を変えるように構成された眼科用装置であって、前記コンタクトレンズはソフトコンタクトレンズである、眼科用装置。
(14) 実施態様1に記載の、目の外見を変えるように構成された眼科用装置であって、前記コンタクトレンズはハードコンタクトレンズである、眼科用装置。
(15) 実施態様7に記載の、目の外見を変えるように構成された眼科用装置であって、前記一連の彩色線は、装用者の虹彩に調和しその虹彩を向上するように、色付けか又は着色の少なくとも一方がなされる、眼科用装置。