特許第6444638号(P6444638)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シャープ株式会社の特許一覧
特許6444638ユーザ検出方法とユーザ検出装置及び画像形成装置
<>
  • 特許6444638-ユーザ検出方法とユーザ検出装置及び画像形成装置 図000002
  • 特許6444638-ユーザ検出方法とユーザ検出装置及び画像形成装置 図000003
  • 特許6444638-ユーザ検出方法とユーザ検出装置及び画像形成装置 図000004
  • 特許6444638-ユーザ検出方法とユーザ検出装置及び画像形成装置 図000005
  • 特許6444638-ユーザ検出方法とユーザ検出装置及び画像形成装置 図000006
  • 特許6444638-ユーザ検出方法とユーザ検出装置及び画像形成装置 図000007
  • 特許6444638-ユーザ検出方法とユーザ検出装置及び画像形成装置 図000008
  • 特許6444638-ユーザ検出方法とユーザ検出装置及び画像形成装置 図000009
  • 特許6444638-ユーザ検出方法とユーザ検出装置及び画像形成装置 図000010
  • 特許6444638-ユーザ検出方法とユーザ検出装置及び画像形成装置 図000011
  • 特許6444638-ユーザ検出方法とユーザ検出装置及び画像形成装置 図000012
  • 特許6444638-ユーザ検出方法とユーザ検出装置及び画像形成装置 図000013
  • 特許6444638-ユーザ検出方法とユーザ検出装置及び画像形成装置 図000014
  • 特許6444638-ユーザ検出方法とユーザ検出装置及び画像形成装置 図000015
  • 特許6444638-ユーザ検出方法とユーザ検出装置及び画像形成装置 図000016
  • 特許6444638-ユーザ検出方法とユーザ検出装置及び画像形成装置 図000017
  • 特許6444638-ユーザ検出方法とユーザ検出装置及び画像形成装置 図000018
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6444638
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】ユーザ検出方法とユーザ検出装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G01S 15/06 20060101AFI20181217BHJP
   G01S 17/06 20060101ALI20181217BHJP
   G01V 1/00 20060101ALI20181217BHJP
【FI】
   G01S15/06
   G01S17/06
   G01V1/00 A
【請求項の数】11
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2014-143179(P2014-143179)
(22)【出願日】2014年7月11日
(65)【公開番号】特開2016-17946(P2016-17946A)
(43)【公開日】2016年2月1日
【審査請求日】2017年3月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112335
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英介
(74)【代理人】
【識別番号】100101144
【弁理士】
【氏名又は名称】神田 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100101694
【弁理士】
【氏名又は名称】宮尾 明茂
(74)【代理人】
【識別番号】100124774
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 信幸
(72)【発明者】
【氏名】渡部 恒久
(72)【発明者】
【氏名】塩崎 誠也
(72)【発明者】
【氏名】伊吹 健志
(72)【発明者】
【氏名】嶋崎 育男
(72)【発明者】
【氏名】上野 卓
(72)【発明者】
【氏名】杉村 憲史
【審査官】 東 治企
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭57−128359(JP,A)
【文献】 特開平09−166943(JP,A)
【文献】 特開平02−311855(JP,A)
【文献】 特開平08−105271(JP,A)
【文献】 特開2014−074703(JP,A)
【文献】 特開平06−189048(JP,A)
【文献】 特開平06−066954(JP,A)
【文献】 特開2000−346938(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00−7/64
G01S 13/00−17/95
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信機により信号を送信する送信工程と、送信されて検出物体から反射して返ってくる信号を受信機により受信する受信工程と、受信した信号に基づき前記検出物体の距離情報を演算する演算工程と、演算した結果を記憶する記憶工程とを有し、前記検出物体の距離情報に基づきユーザを検出するユーザ検出方法において、
前記検出物体の距離情報に基づき前記検出物体がユーザであるか否かを判定するユーザ判定工程を有し、
前記ユーザ判定工程は、
前記検出物体を検出する領域として、受信機から予め設定した距離を有する範囲の第1検出領域と、前記第1検出領域よりも前記受信機から離れた距離を有する範囲の第2検出領域と、を含む複数の検出領域が設定され、
前記検出物体が前記第1検出領域で検出された場合は、前記検出物体がユーザであると判定し、前記検出物体が前記第2検出領域で検出された場合は、前記検出物体の検出距離と速度に基づき前記検出物体がユーザであるか否かを判定し、
前記ユーザ判定工程は、さらに、前記検出物体が前記受信機の検出限界距離から急に前記第1検出領域付近及び前記第1検出領域で検出された場合に、前記検出物体が所定の時間が経過後に前記第1検出領域で検出されなかった場合には、前記検出物体はユーザではないと判定することを特徴とするユーザ検出方法。
【請求項2】
前記送信工程における信号媒体は、超音波を用いることを特徴とする請求項1に記載のユーザ検出方法。
【請求項3】
前記ユーザ判定工程において、
前記第1検出領域は、前記受信機から30(cm)付近にわたる範囲とし、
前記第2検出領域は、前記受信機から30(cm)付近から150(cm)付近にわたる範囲とすることを特徴とする請求項1または2に記載のユーザ検出方法。
【請求項4】
前記第2検出領域において、前記検出物体の検出速度が+20(cm/sec)から+300(cm/sec)の場合、前記検出物体がユーザであると判定することを特徴とする請求項1から3のうちの何れか一項に記載のユーザ検出方法。
【請求項5】
前記演算工程は、記憶した前記検出物体の距離情報から前記検出物体の移動平均を算出して、その移動平均の値により前記検出物体から前記受信機までの距離、前記検出物体の速度を算出することを特徴とする請求項1から4のうちの何れか一項に記載のユーザ検出方法。
【請求項6】
信号を送信する送信機と、前記送信機から送信されて検出物体から反射して返ってくる信号を受信する受信機と、前記受信機からの信号に基づき前記検出物体の距離情報を演算する演算部と、前記演算部の結果を記憶するメモリ部とを具備し、前記検出物体の距離情報に基づきユーザを検出するユーザ検出装置において、
当該ユーザ検出装置を制御する制御部は、前記検出物体の距離情報に基づき前記検出物体がユーザであるか否かを判定するユーザ判定部を備え、
前記ユーザ判定部は、
前記検出物体を検出する領域として、前記受信機から予め設定した距離を有する範囲の第1検出領域と、前記第1検出領域よりも前記受信機から離れた距離を有する範囲の第2検出領域と、を含む複数の検出領域が設定され、
前記検出物体が前記第1検出領域で検出された場合は、前記検出物体がユーザであると判定し、前記検出物体が前記第2検出領域で検出された場合は、前記検出物体の検出距離と速度に基づき前記検出物体がユーザであるか否かを判定し、
前記ユーザ判定は、さらに、前記検出物体が前記受信機の検出限界距離から急に前記第1検出領域付近及び前記第1検出領域で検出された場合に、前記検出物体が所定の時間が経過後に前記第1検出領域で検出されなかった場合には、前記検出物体はユーザではないと判定することを特徴とするユーザ検出装置。
【請求項7】
前記送信機における信号媒体は、超音波を用いることを特徴とする請求項に記載のユーザ検出装置。
【請求項8】
前記ユーザ判定部において、
前記第1検出領域は、前記受信機から30(cm)付近にわたる範囲とし、
前記第2検出領域は、前記受信機から30(cm)付近から150(cm)付近にわたる範囲とすることを特徴とする請求項またはに記載のユーザ検出装置。
【請求項9】
前記第2検出領域において、前記検出物体の検出速度が+20(cm/sec)から+300(cm/sec)の場合、前記検出物体がユーザであると判定することを特徴とする請求項からのうちの何れか一項に記載のユーザ検出装置。
【請求項10】
前記演算部は、前記メモリ部に記憶した前記検出物体の距離情報から前記検出物体の移動平均を算出して、その移動平均の値により前記検出物体から前記受信機までの距離、前記検出物体の速度を算出することを特徴とする請求項からのうちの何れか一項に記載のユーザ検出装置。
【請求項11】
信号を送信する送信機と、前記送信機から送信されて検出物体から反射して返ってくる信号を受信する受信機と、前記受信機からの信号に基づき前記検出物体の距離情報を演算する演算部と、前記演算部の結果を記憶するメモリ部とを具備し、前記検出物体の距離情報に基づきユーザを検出するユーザ検出装置を備える画像形成装置において、
前記ユーザ検出装置として、請求項から10のうちの何れか一項に記載のユーザ検出装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ検出方法とユーザ検出装置及び画像形成装置に係り、特に、装置近傍の人(物体)を検出して、その人がユーザか否かを検出するユーザ検出方法とユーザ検出装置及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、画像形成装置等の装置機器において、利用者の利便性を向上させるため、また、消費電力を抑えるために、当該装置機器の通常モードから省エネ・モード(ecoモード)等へ移行することで消費電力を抑える機能を有して、当該装置機器へ接近する人をユーザであるか否かを検出し、当該装置の通常モードから省エネ・モードへの移行を行なったり、自動予熱モードへの移行を行なったりしている。
【0003】
省エネ・モードとは、当該装置に対する操作がない場合に、メインCPU等への電力供給を停止することにより、通常モードよりも消費電力を抑えることができるモードのことをいう。
【0004】
具体的には、例えば、装置付近において人体を検出していない時(未使用時)は、操作表示部(LCD)の表示をOFFにするとともに、シート(記録用紙)上に転写された画像情報(トナー像)を定着させる定着手段(ヒータを内蔵したローラ)の定着温度を人体が検出されている時より低い温度に設定し、人体を検出している時は、操作表示部の表示をONするとともに、定着手段の定着温度を定着動作可能な所定温度に設定する機能である。
【0005】
ここで、従来の画像形成装置におけるユーザの検出操作について説明する。
例えば、距離センサを用いた人体検出では、画像形成装置近傍の人体(検出物体)の距離の時間的な変化(速度)をもとに検出物体がユーザであるか否かを判別する。
【0006】
この場合、1つの距離センサを用いると画像形成装置に対して1次元の座標軸上での距離、速度を求められる。2つの距離センサを用いた場合は、2次元での座標位置、速度ベクトルを求めることができる。
【0007】
当該画像形成装置近傍の人体の動きが複雑なことを考慮すると、2以上の距離センサを搭載し、2次元ないし3次元座標での人体検出を行なう方が、1つの距離センサを搭載した場合より、ユーザ検出精度が向上することが考えられる。しかしながら、複数の距離センサを搭載する必要があり、距離センサから出力される検出結果の処理も複雑になるため、信号処理部もより高い演算能力が必要となる。したがって、簡単なアルゴリズムでユーザの検出をできれば、システムを簡素化でき、コストも安く実現できる。
【0008】
また、ユーザがいない時は、一定時間以上、操作がなければ、省エネ・モードへ移行するが、距離センサを搭載すれば、リアルタイムにユーザの有無が分かり、ユーザがいない時は、即座に省エネ・モードへ移行することで、省電力性能を向上することができる。
【0009】
従来技術として、例えば、画像形成装置において、当該画像処理装置の周辺にいる人を所定の時間間隔で検出して、検出した人の位置を出力する検出部を備え、当該画像処理装置を中心とした予め設定した半径以内の第1の領域内にいる者を特定し、前記特定された者が、当該画像処理装置を操作するための場所である第3の領域を含む、前記第1の領域よりも当該画像処理装置に近い第2の領域で検出された場合、前記第1の領域に検出された位置から前記第2の領域で検出された位置への移動方向が前記第3の領域に向かう方向であれば、動作モードを省電力モードから非省電力モードに切り替えるようにしたものが提案されている(引用文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2011−172132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従来は、2つ以上の距離センサや、2つ以上のカメラから2次元座標上の1点を求めて、座標の時間変化を観測し、2次元座標上での速度ベクトルを求めて、検出物体がユーザか否かを判断していた。
【0012】
しかしながら、複数の距離センサやカメラを用いる構成では、信号処理も複雑なものとなり、さらに、コストアップにもつながるという問題が生じる。また、信号処理を行うためのICのスペックアップも必要となり、さらなるコストアップとなる。
【0013】
本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、距離センサの構成を簡単にして、演算能力の高い信号処理部を必要とすることなく簡単な方式によりユーザ検出を行うことができるユーザ検出方法とユーザ検出装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、送信機により信号を送信する送信工程と、送信されて検出物体から反射して返ってくる信号を受信機により受信する受信工程と、受信した信号に基づき前記検出物体の距離情報(距離、速度)を演算する演算工程と、演算した結果を記憶する記憶工程とを有し、前記検出物体の距離情報に基づきユーザを検出するユーザ検出方法において、前記検出物体の距離情報に基づき前記検出物体がユーザであるか否かを判定するユーザ判定工程を有し、前記ユーザ判定工程において、前記検出物体を検出する領域として、前記受信機から予め設定した距離を有する範囲の第1検出領域と、前記第1検出領域よりも前記受信機から離れた距離を有する範囲の第2検出領域と、を含む複数の検出領域を設定し、前記検出物体が前記第1検出領域で検出された場合は、前記検出物体がユーザであると判定し、前記検出物体が前記第2検出領域で検出された場合は、前記検出物体の検出距離と速度に基づき前記検出物体がユーザであるか否かを判定し、前記ユーザ判定工程は、さらに、前記検出物体が前記受信機の検出限界距離から急に前記第1検出領域付近及び前記第1検出領域で検出された場合に、前記検出物体が所定の時間が経過後に前記第1検出領域で検出されなかった場合には、前記検出物体はユーザではないと判定することを特徴とするものである。
【0015】
また、本発明は、前記送信工程における信号媒体として、超音波を用いることが好ましい。
【0016】
また、本発明は、前記ユーザ判定工程において、前記第1検出領域を前記受信機から30(cm)付近にわたる範囲とし、前記第2検出領域を前記受信機から30(cm)付近から150(cm)付近にわたる範囲とすることが好ましい。
【0017】
また、本発明は、前記第2検出領域において、前記検出物体の検出速度が+20(cm/sec)から+300(cm/sec)の場合、前記検出物体がユーザであると判定することが好ましい。
本発明において、「+」は検出物体が装置に近づく方向とする。
【0018】
また、本発明は、前記演算工程において、記憶した前記検出物体の距離情報から前記検出物体の移動平均を算出して、その移動平均の値(距離、時間)により前記検出物体から前記受信機までの距離、前記検出物体の速度を算出することが好ましい。
【0021】
さらに、本発明は、信号を送信する送信機と、前記送信機から送信されて検出物体から反射して返ってくる信号を受信する受信機と、前記受信機からの信号に基づき前記検出物体の距離情報(距離、速度)を演算する演算部と、前記演算部の結果を記憶するメモリ部とを具備し、前記検出物体の距離情報に基づきユーザを検出するユーザ検出装置において、当該ユーザ検出装置を制御する制御部の構成として、前記検出物体の距離情報に基づき前記検出物体がユーザであるか否かを判定するユーザ判定部を備え、前記ユーザ判定部は、前記検出物体を検出する領域として、前記受信機から予め設定した距離を有する範囲の第1検出領域と、前記第1検出領域よりも前記受信機から離れた距離を有する範囲の第2検出領域と、を含む複数の検出領域を設定し、当該ユーザ検出装置を制御する制御部の構成として、前記検出物体の距離情報に基づき前記検出物体がユーザであるか否かを判定するユーザ判定部を備え、前記ユーザ判定部として、前記検出物体が前記第1検出領域で検出された場合は、前記検出物体がユーザであると判定し、前記検出物体が前記第2検出領域で検出された場合は、前記検出物体の検出距離と速度に基づき前記検出物体がユーザであるか否かを判定し、前記ユーザ判定工程は、さらに、前記検出物体が前記受信機の検出限界距離から急に前記第1検出領域付近及び前記第1検出領域で検出された場合に、前記検出物体が所定の時間が経過後に前記第1検出領域で検出されなかった場合には、前記検出物体はユーザではないと判定することを特徴とするものである。
【0022】
また、本発明は、前記送信機における信号媒体として、超音波を用いることが好ましい。
【0023】
また、本発明は、前記ユーザ判定部において、前記第1検出領域を前記受信機から30(cm)付近にわたる範囲とし、前記第2検出領域を前記受信機から30(cm)付近から150(cm)付近にわたる範囲とすることが好ましい。
【0024】
また、本発明は、前記第2検出領域において、前記検出物体の検出速度が+20(cm/sec)から+300(cm/sec)の場合、前記検出物体がユーザであると判定することが好ましい。
本発明において、「+」は検出物体が装置に近づく方向とする。
【0025】
また、本発明は、前記演算部の構成として、前記メモリ部に記憶した前記検出物体の距離情報から前記検出物体の移動平均を算出して、その移動平均の値(距離、時間)により前記検出物体から前記受信機までの距離、前記検出物体の速度を算出することが好ましい。
【0028】
また、本発明は、信号を送信する送信機と、前記送信機から送信されて検出物体から反射して返ってくる信号を受信する受信機と、前記受信機からの信号に基づき前記検出物体の距離情報(距離、速度)を演算する演算部と、前記演算部の結果を記憶するメモリ部とを具備し、前記検出物体の距離情報に基づきユーザを検出するユーザ検出装置を備える画像形成装置において、前記ユーザ検出装置として、請求項から10のうちの何れか一項に記載のユーザ検出装置を用いることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0029】
本発明のユーザ検出方法によれば、送信機により信号を送信する送信工程と、送信されて検出物体から反射して返ってくる信号を受信機により受信する受信工程と、受信した信号に基づき前記検出物体の距離情報(距離、速度)を演算する演算工程と、演算した結果を記憶する記憶工程とを有し、前記検出物体がユーザであるか否かを判定するユーザ検出方法において、前記検出物体の距離情報に基づき前記検出物体がユーザであるか否かを判定するユーザ判定工程を有し、前記ユーザ判定工程において、前記検出物体を検出する領域として、前記受信機から予め設定した距離を有する範囲の第1検出領域と、前記第1検出領域よりも前記受信機から離れた距離を有する範囲の第2検出領域と、を含む複数の検出領域を設定し、前記検出物体が前記第1検出領域で検出された場合は、前記検出物体がユーザであると判定し、前記検出物体が前記第2検出領域で検出された場合は、前記検出物体の検出距離と速度に基づき前記検出物体がユーザであるか否かを判定し、前記ユーザ判定工程は、さらに、前記検出物体が前記受信機の検出限界距離から急に前記第1検出領域付近及び前記第1検出領域で検出された場合に、前記検出物体が所定の時間が経過後に前記第1検出領域で検出されなかった場合には、前記検出物体はユーザではないと判定することで、複数のセンサやカメラを用いることなく、また、演算能力の高い信号処理部を必要とすることなく、簡単な構成で、ユーザ検出を正確に行い、ユーザ/非ユーザ判定を行なうことができる。
【0030】
また、本発明のユーザ検出装置によれば、信号を送信する送信機と、前記送信機から送信されて検出物体から反射して返ってくる信号を受信する受信機と、前記受信機からの信号に基づき前記検出物体の距離情報(距離、速度)を演算する演算部と、前記演算部の結果を記憶するメモリ部とを具備し、前記検出物体の距離情報に基づき前記検出物体がユーザであるか否かを判定するユーザ検出装置において、前記検出物体を検出する領域として、前記受信機から予め設定した距離を有する範囲の第1検出領域と、前記第1検出領域よりも前記受信機から離れた距離を有する範囲の第2検出領域と、を含む複数の検出領域を設定し、当該ユーザ検出装置を制御する制御部の構成として、前記検出物体の距離情報に基づき前記検出物体がユーザであるか否かを判定するユーザ判定部を備え、前記ユーザ判定部として、前記検出物体が前記第1検出領域で検出された場合は、前記検出物体がユーザであると判定し、前記検出物体が前記第2検出領域で検出された場合は、前記検出物体の検出距離と速度に基づき前記検出物体がユーザであるか否かを判定し、前記ユーザ判定工程は、さらに、前記検出物体が前記受信機の検出限界距離から急に前記第1検出領域付近及び前記第1検出領域で検出された場合に、前記検出物体が所定の時間が経過後に前記第1検出領域で検出されなかった場合には、前記検出物体はユーザではないと判定することで、複数のセンサやカメラを用いることなく、また、演算能力の高い信号処理部を必要とすることなく、簡単な構成で、ユーザ検出を正確に行い、ユーザ/非ユーザ判定を行なうことができる。
【0031】
また、本発明の画像形成装置によれば、信号を送信する送信機と、前記送信機から送信されて検出物体から反射して返ってくる信号を受信する受信機と、前記受信機からの信号に基づき前記検出物体の距離情報(距離、速度)を演算する演算部と、前記演算部の結果を記憶するメモリ部とを具備し、前記検出物体の距離情報に基づき前記検出物体がユーザであるか否かを判定するユーザ検出装置を備える画像形成装置において、前記ユーザ検出装置として、請求項から10のうちの何れか一項に記載のユーザ検出装置を用いることで、複数のセンサやカメラを用いることなく、また、演算能力の高い信号処理部を必要とすることなく簡単な構成で、ユーザ検出を正確に行い、ユーザ/非ユーザ判定を行なうことができる。これにより、省エネ・モードを備えた画像表示装置等の装置機器にユーザ検出装置を採用することで、省電力性能を効率良く発揮することができる。複数のセンサやカメラを用いることなく、また、演算能力の高い信号処理部を必要とすることなく、簡単な構成で、ユーザ検出を正確に行い、ユーザ/非ユーザ判定を行なうことができるので、省電力性能に優れた画像表示装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の距離センサ(ユーザ検出装置)によるユーザを検出する状態を示す説明図である。
図2】前記ユーザ検出装置の構成を示すブロック図である。
図3】前記距離センサにより検出物体を検出して判定する検出領域を示す説明図である。
図4】前記距離センサにより検出された検出物体の検出距離と速度とに基づくユーザ判定の一例を示す説明図である。
図5】前記画像形成装置の距離センサにおいてタイミング発生器による所定のタイミングで送信機から信号を送信して受信機で受信するタイミングチャートの一例を示す説明図である。
図6】前記画像形成装置のユーザを検出する領域における検出物体と距離センサの位置関係を示す説明図である。
図7】(a)は前記画像形成装置に対して検出物体が前方から直進して近づいてきたときの検出物体の検出距離と時間との関係を示すグラフ、(b)前記検出物体の移動速度と時間との関係を示すグラフである。
図8】(a)は前記画像形成装置に対して検出物体が斜め前方から近づいてきたときの検出物体の検出距離と時間との関係を示すグラフ、(b)前記検出物体の移動速度と時間との関係を示すグラフである。
図9】前記画像形成装置において距離センサに検出された検出物体のユーザ判定を行う処理フローを説明するフローチャートである。
図10】本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の距離センサ(ユーザ検出装置)の構成を示すブロック図である。
図11】前記画像形成装置のユーザを検出する領域における検出物体と距離センサの位置関係を示す説明図である。
図12】(a)は前記画像形成装置の前を検出物体が横切るときの検出物体の検出距離と時間との関係を示すグラフ、(b)前記検出物体の移動速度と時間との関係を示すグラフである。
図13】前記画像形成装置において距離センサに検出された検出物体のユーザ判定を行う処理フローを説明するフローチャートである。
図14】本発明の第3実施形態に係る画像形成装置の距離センサ(ユーザ検出装置)の構成を示すブロック図である。
図15】前記画像形成装置のユーザを検出する領域における検出物体と距離センサの位置関係を示す説明図である。
図16】(a)は前記画像形成装置の横から移動して前に検出物体がきたときの検出物体の検出距離と時間との関係を示すグラフ、(b)前記検出物体の移動速度と時間との関係を示すグラフである。
図17】前記画像形成装置において距離センサに検出された検出物体のユーザ判定を行う処理フローを説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照して説明する。
図1は発明を実施する形態の一例であって、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の距離センサ(ユーザ検出装置)によるユーザを検出する状態を示す説明図、図2は前記ユーザ検出装置の構成を示すブロック図、図3は前記距離センサにより検出物体を検出して判定する検出領域を示す説明図、図4は前記距離センサにより検出された検出物体の検出距離と速度とに基づくユーザ判定の一例を示す説明図である。
【0034】
本発明の第1実施形態は、図1に示すように、信号を送信する送信機20と、送信機20から送信されて検出物体2から反射して返ってくる信号を受信する受信機30と、受信機30からの信号に基づき検出物体2の距離情報(距離、速度)を演算する演算部42と、演算部42の結果を記憶するメモリ部43とを有する距離センサ(ユーザ検出装置)10を備えて、距離センサ10によりユーザを検出するようにされた画像形成装置1において、距離センサ10の構成として、本発明に係るユーザ検出装置の特徴的な構成を採用したことを特徴とするものである。
【0035】
画像形成装置1は、複数の機能を有する、いわゆる複合機であって、動作モードとして、例えばコピーモード、ファクシミリモード(FAXモード)、ドキュメントファイリングモード(スキャンした画像を画像形成装置内部の記憶装置に記憶するモード)、メールモード(スキャンした画像を電子メールに添付する形式で送信するモード)およびネットワークプリンタモードを備えるものであってもよい。
【0036】
ここで、画像形成装置1を構成する特徴的な距離センサ10について説明する。
距離センサ10は、図1図2に示すように、送信機20と受信機30とを備え、受信信号の状態か送信機20から検出物体(ユーザ)2を経由して受信機30に至るまでの距離を測定して検出物体2を検出する。
【0037】
また、距離センサ10は、図2に示すように、制御部40を備えて各部動作を制御する。制御部40は、タイミング発生部41、演算部42、メモリ部43、ユーザ判定部44を備えている。
【0038】
送信機20は、送信ドライバ21を介してタイミング発生部41と接続され、タイミング発生部41により所定のタイミングで信号を送信するようにされている。信号媒体は、赤外光であっても、超音波であってもよい。
【0039】
受信機30は、アンプ/コンパレータ31を介して演算部42と接続され、送信機20から送信されて検出物体2で反射して戻ってきた信号(受信信号)を電気信号としてアンプし、演算できる状態とした上で演算部42へ信号を送る。
【0040】
タイミング発生部41は、送信機20に対して所定のタイミングで信号を送信させる。
【0041】
演算部42は、受信機30による受信信号の受信結果に基づき、送信機20から検出物体2までの距離から検出物体2の位置座標を算出する。
具体的には、演算部42は、信号媒体が赤外光の場合は、受光量より送信機20から検出物体2までの距離を演算し、信号媒体が超音波である場合は、受信信号の時間差により、送信機20から検出物体2までの距離を演算する。
【0042】
メモリ部43は、検出物体2の位置座標を複数時刻において記憶するとともに、演算部42により算出された距離情報、速度情報を記憶する。
【0043】
ユーザ判定部44は、送信機20から検出物体2までの距離を用いて検出物体2がユーザであるか否かを判断する。
【0044】
そして、ユーザ判定部44は、ユーザを検出する領域として、受信機30から予め設定した距離を有する範囲の第1検出領域441と、第1検出領域441よりも受信機30から離れた距離を有する範囲の第2検出領域442と、第2検出領域442よりも受信機30から離れた距離を有する範囲の第3検出領域443とを含む複数の検出領域が設定されている。
【0045】
そして、ユーザ判定部44は、検出物体2が第1検出領域441で検出された場合は、検出物体2がユーザであると判定し、検出物体2が第2検出領域442で検出された場合は、検出物体2の検出距離と速度に基づき検出物体2がユーザであるか否かを判定し、検出物体2が第3検出領域443で検出された場合は、検出物体2はユーザではないと判定する。
【0046】
第1実施形態では、図3図4に示すように、第1検出領域441を近距離領域として、受信機30から30(cm)離れた付近にわたる範囲とし、第2検出領域442を中間距離領域として、受信機30から30(cm)離れた付近から150(cm)離れた付近にわたる範囲とし、第3検出領域443を遠距離領域として、受信機30から150(cm)を超えて離れた領域とする。
【0047】
ここで、図4に、距離センサ10により検出された検出物体2の検出距離と、検出距離より算出される速度とに基づくユーザ判定の一例を示す。
【0048】
図4では、縦軸に検出距離、横軸に検出物体の移動速度をとって、距離センサ10により検出された検出物体2の検出距離や移動速度に基づいて、検出物体2がユーザであるか否かを判定する。
【0049】
ユーザ判定部44は、検出物体2が第1検出領域441内で検出された場合は、速度を測定することなく、検出物体2をユーザと判定する。
【0050】
また、ユーザ判定部44は、検出物体2が第2検出領域442で検出された場合は、移動速度を計算して、図4に示すように、移動速度が、例えば、+20(cm/sec)〜+200(cm/sec)であれば、検出物体2をユーザと判定する。
【0051】
そして、ユーザ判定部44は、検出物体2が第1検出領域441や第2検出領域442では検出されずに、第3検出領域443で検出された場合は、検出物体2はユーザではないと判定する。
【0052】
制御部40は、このように検出物体2がユーザであるか否かを判断することで、画像形成装置1を例えば省エネ・モードから復帰させたり、また、ユーザが検出されない状態が続けば、画像形成装置1を省エネ・モードへ移行させたりするように構成されている。
【0053】
次に、第1実施形態の画像形成装置1の距離センサ10により検出物体2を検出するための送信機20と受信機30の動作状態をタイミングチャートに沿って説明する。
図5は第1実施形態の画像形成装置の距離センサにおいてタイミング発生器による所定のタイミングで送信機から信号を送信して受信機で受信するタイミングチャートの一例を示す説明図である。
【0054】
図5に示すように、距離センサ10において、タイミング発生部41からは、送信機20を駆動するための信号が所定の周期で出力される。第1実施形態では、タイミング発生部41から40KHzの周期で信号が出力される。
【0055】
距離センサ10は、送信機20の信号媒体として超音波が用いられ、センサ固有の周波数で駆動される。第1実施形態では、距離センサ10は、周波数40kHzで駆動される。
【0056】
ここでは、距離センサ10の通常Duty比は50%としている。
Duty比の値は、センサ固有の値により変わる。つまり、通常、Duty比が50%の時、送信/受信とも最大感度となることから、図5に示す説明図ではDuty比は50%としている。
【0057】
パルス数に関しては、パルス数が多いと検出距離が大きくなるが、パルス数は10程度で飽和する。また、パルス数が多すぎると消費電力が高くなるため、検出距離とのバランスをとるのが望ましい。
【0058】
距離センサ10においては、送信機20の駆動周波数(例えば、40kHz)とパルス数(例えば、10)が決まるとバースト幅が決定する。
例えば、送信機20の駆動周波数が40kHz、パルス数が10とするとバースト幅は250(usec)となる。
【0059】
送信機20を駆動する送信ドライバ21による送信波形は、図5に示すような矩形波としているが、これは送信機20を電気的に駆動している波形であって、実際の超音波の波形を示すものではない。
【0060】
送信機20において、送信ドライバ21からの電気信号が超音波信号(弾性信号)に変換される。そして、検出物体2から反射された超音波信号は、受信機30にて受信されて再び微小な電気信号に変換される。
【0061】
アンプ/コンパレータ31において、この微小な電気信号をオペアンプ等で増幅し、所定の周波数で包絡線検波を行ない、コンパレータを通って、所定のしきい値を超えた信号をアクティブとすることで、デジタル信号化することができる。
【0062】
ところで、受信機30は、図5に示すように、送信ドライバ21の駆動による送信機20からの送信信号の発信とほぼ同時に受信信号を受けているが、これは送信機20から受信機30へ直接入力される信号である。これを「直接到達波」と呼ぶ。したがって、受信機30により直接到達波以外の信号が受信された場合は、その受信信号は検出物体2から反射した受信信号である。
【0063】
演算部42においては、送信信号の駆動時刻から受信信号を受信した時刻までの時間を計測することにより、検出物体2までの距離を計算することができる。
【0064】
具体的には、この時間は、検出物体2までの距離の2倍を音速(ta=25℃では、約340(m/sec))で割ったものとなるので、この式より検出物体2までの距離を測定することができる。
【0065】
メモリ部43には、上記計算により算出した検出物体2までの距離を逐次記録される。
【0066】
距離測定を行う時間の間隔は、バースト間隔により調整する。
第1実施形態では、バースト間隔は、40(ms)で行っている。
これを測定距離に直すと、340(m/s)×40(ms)÷2=6.8(m)であり、片道6.8(m)以上の測定はできないことになる。したがって、バースト間隔を短くすれば、データポイントが多くなり、正確な測定ができる。
【0067】
次に、第1実施形態の画像形成装置1のユーザを検出する領域において距離センサ10による検出物体2を検出する状態について図面を参照して説明する。
【0068】
図6は第1実施形態の画像形成装置のユーザを検出する領域における検出物体と距離センサの位置関係を示す説明図である。
【0069】
図6に示すように、まず、検出物体2が画像形成装置1から離れた遠距離領域である第3検出領域443を通過する場合は、検出物体2はユーザとして判定されない。
画像形成装置1から離れた位置からでは画像形成装置1を操作することができないからである。
【0070】
次に、検出物体2が近距離領域である第1検出領域441内に入って画像形成装置1に近接している状態のときは、検出物体2はユーザとして判定される。
【0071】
次に、検出物体2が中間距離領域である第2検出領域442内に移動してきて、さらに画像形成装置1に近づくように移動してきた場合は、検出物体2のバースト間隔毎の距離をメモリすることで、移動速度を算出して、その移動速度によって検出物体2がユーザか否かを判定する。
【0072】
第1実施形態では、距離センサ10は1対の送信機20と受信機30からなる超音波センサを用いているので、速度としては1軸の変化となる。つまり、図6に示すように、移動物体2のベクトル方向が画像形成装置1へ垂直に移動する場合は、垂直方向へ100%のベクトルV1が検出できる。また、移動方向が斜めに向かうベクトルV2の場合は、ベクトルVxとベクトルVyにベクトル分解される。水平方向のベクトルVxは測定できずに、垂直方向のベクトルVyのみの測定となる。
【0073】
しかし、どれくらいの速度で画像形成装置1に近づいてくるかが問題となるので、水平方向(図6中で左右方向)の移動であるベクトルVxは必要なく、垂直方向のベクトルVyのみのモニターで検出物体2がユーザか否かを判定できる。
【0074】
次に、第1実施形態の画像形成装置1に対して近づいてくる検出物体2を距離センサ10により検出する場合について説明する。
【0075】
図7(a)は第1実施形態の画像形成装置に対して検出物体が前方から直進して近づいてきたときの検出物体の検出距離と時間との関係を示すグラフ、(b)前記検出物体の移動速度と時間との関係を示すグラフ、図8(a)は前記画像形成装置に対して検出物体が斜め前方から近づいてきたときの検出物体の検出距離と時間との関係を示すグラフ、(b)前記検出物体の移動速度と時間との関係を示すグラフである。
【0076】
図7(a),図8(a)は、横軸に時間、縦軸に検出距離をとった時間に対する移動距離(位置)のグラフであり、図7(b),図8(b)は、横軸に時間、縦軸に移動速度をとった時間に対する移動速度のグラフである。
【0077】
図7(a),(b)、図8(a),(b)に示すグラフは、受信機30によりバースト間隔にて検出された検出物体2の距離を演算部42で算出して、メモリ部43にメモリし、そのメモリ結果をプロットしたものである。このグラフでは、生データを三角(△)で示し、生データ3点間の「移動平均」を取ったものを四角(□)で示している。この距離測定結果の移動平均を取った方が、グラフの傾きがなめらかになり、誤判断しづらい曲線になるので、移動平均を取った方が望ましい。
【0078】
人(ユーザ)の動きは一定ではないので、距離センサ10が正確に距離を測定できた場合であっても、グラフが滑らかにならず、1区間のみ負の速度などを検出してしまうことがある。このような場合、移動平均を取ることにより、距離グラフを滑らかにしてから、速度を計算することで、人の動きのノイズ成分によらずに、ユーザ判定を正確に行うことができる。
【0079】
まず、画像形成装置1に対して検出物体2が前方から直進して近づいてきた場合について説明する。
【0080】
図7(a)に示すように、画像形成装置1に対して検出物体2が前方から直進して近づいてきたときは、距離センサ10により検出物体2は受信機30から130(cm)程離れた距離で検出され、時間が経過するにつれて徐々に画像形成装置1に接近してくることが分かる。
【0081】
また、図7(b)に示すように、画像形成装置1に対して検出物体2が前方から直進して近づいてきたときの移動速度は、約+300(cm/sec)以下から約+20(cm/sec)以上で推移し、画像形成装置1に近くなればなるほど移動速度が小さくなる。
ここで、移動速度の「+」はマシンに近づく方向である。
【0082】
距離センサ10は、この+20〜+300(cm/sec)での移動速度を検出して、検出物体2がユーザであると判定することができる。
この場合、1度の+20〜+300(cm/sec)の検出結果によりユーザ判定するのではなく、設定された複数回の移動速度の判定に基づきユーザ判定することが望ましい。これにより、ノイズ入力等による誤動作を防ぐことができる。
【0083】
次に、画像形成装置1に対して検出物体2が斜め前方から近づいてきた場合について説明する。
【0084】
図8(a)に示すように、画像形成装置1に対して検出物体2が斜め前方から近づいてきたときは、検出物体2が直進してきた場合と同様に、距離センサ10により検出物体2が検出され、時間が経過するにつれて徐々に画像形成装置1に接近してくることが分かる。
【0085】
また、図8(b)に示すように、画像形成装置1に対して検出物体2が斜め前方から近づいてきたときの移動速度は、検出物体2が直進してきた場合と同様に、約+300(cm/sec)以下から約+20(cm/sec)以上で推移しているので、この速度域の連続により、検出物体2がユーザであると判定することができる。
【0086】
次に、第1実施形態の画像形成装置1において距離センサ10により検出された検出物体2がユーザであるか否かを判定する処理についてフローチャートに沿って説明する。
図9は本発明の第1実施形態に係る画像形成装置において距離センサに検出された検出物体のユーザ判定を行う処理フローを説明するフローチャートである。
【0087】
図9に示すように、画像形成装置1において距離センサ10によりユーザ検出が開始されると、タイミング発生部41による周波数に合せて送信機20より送信される信号を受信機30によりバースト間隔毎に検出して、検出された受信信号の情報に基づき受信機30と検出物体2との距離を測定する(ステップS1)。
【0088】
そして、検出物体2が画像形成装置1付近の近距離領域である第1検出領域441で検出されたか否かが判断される(ステップS2)。
【0089】
ステップS2において、検出物体2が画像形成装置1付近の第1検出領域441で検出されたと判断された場合は、検出物体2はユーザであると判定されて(ステップS3)、ユーザ判定処理は終了する。
【0090】
一方、ステップS2において、検出物体2が画像形成装置1付近の第1検出領域441で検出されていないと判断された場合は、ステップS4に進む。
【0091】
ステップS4では、検出物体2の移動速度が所定の範囲内で推移しているか否かが判断される。ここでは、検出物体2の移動速度は、約+20(cm/sec)以上から約+300(cm/sec)以下の範囲で判定基準が設定されている。
【0092】
ステップS4において、検出物体2の移動速度が所定の範囲内で推移していると判断された場合は、検出物体2はユーザであると判定されて(ステップS5)、ユーザ判定処理は終了する。
【0093】
一方、ステップS4において、検出物体2の移動速度が所定の範囲内で推移していないと判断された場合は、検出物体2はユーザではない判定されて(ステップS6)、ユーザ判定処理は終了する。
【0094】
以上のように構成したので、第1実施形態によれば、送信機20と、受信機30と、検出物体2の距離情報を演算する演算部42と、演算部42の結果を記憶するメモリ部43とを具備し、検出物体2の距離情報に基づきユーザを検出する距離センサ10を備える画像形成装置1において、距離センサ10を制御する制御部40として、検出物体2の距離情報に基づき検出物体2がユーザであるか否かを判定するユーザ判定部44を備え、ユーザ判定部44において、検出物体2を検出する領域として、受信機30から予め設定した距離を有する範囲の第1検出領域441と、第1検出領域441よりも受信機30から離れた距離を有する範囲の第2検出領域442と、第2検出領域442よりも受信機30から離れた距離を有する範囲の第3検出領域443とを含む複数の検出領域を設定し、検出物体2が第1検出領域441で検出された場合は、検出物体2がユーザであると判定し、検出物体2が第2検出領域442で検出された場合は、検出物体2の検出距離と速度に基づき検出物体2がユーザであるか否かを判定し、検出物体2が第3検出領域443で検出された場合は、検出物体2はユーザではないと判定するように構成することで、複数のセンサやカメラを用いることなく、また、演算能力の高い信号処理部を必要とすることなく、簡単な構成で、ユーザ検出を正確に行い、ユーザ/非ユーザ判定を行なうことができる。
【0095】
なお、第1実施形態では、距離センサ10として、送信機20と受信機30とを別体で構成しているが、送信デバイスと受信デバイスを1デバイスで構成して、送受信を共用するようにしたものであってもよい。
【0096】
また、第1実施形態では、ユーザを検出する領域として、第1検出領域441を受信機30から30(cm)離れた付近にわたる範囲とし、第2検出領域442を受信機30から30(cm)離れた付近から150(cm)離れた付近にわたる範囲とし、第3検出領域443を受信機30から150(cm)を超えて離れた領域としているが、それぞれの検出領域を設定する範囲は、距離センサを搭載する画像形成装置等の装置機器の設置される環境スペースに応じて適宜設定することは可能である。
【0097】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
第2実施形態は、画像形成装置の前を横切る人が画像形成装置を使用するユーザであるか否かを判定することを特徴とするものである。
図10は本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の距離センサ(ユーザ検出装置)の構成を示すブロック図、図11は前記画像形成装置のユーザを検出する領域における検出物体と距離センサの位置関係を示す説明図である。
【0098】
なお、第2実施形態の画像形成装置において、第1実施形態の画像形成装置と同様な構成を有するものは、同じ符号を付することで説明を省略する。
【0099】
第2実施形態の画像形成装置200は、図10図11に示すように、送信機20、受信機30を備えるとともに、各部動作を制御する制御部240とを有する距離センサ(ユーザ検出装置)210を備えて、画像形成装置200を使用するユーザを判定することを特徴とするものである。
【0100】
画像形成装置200は、図5に示すように、第1実施形態の画像形成装置1と同様に、タイミング発生部41から発生する周波数に合せて送信機20により検出信号を送信している。
【0101】
制御部240は、図10に示すように、タイミング発生部41、演算部42、メモリ部43、ユーザ判定部244を備えている。
【0102】
ユーザ判定部244は、送信機20から検出物体2までの距離を用いて検出物体2がユーザであるか否かを判断する。
【0103】
そして、ユーザ判定部244は、ユーザを検出する領域として、図11に示すように、受信機30から予め設定した距離を有する範囲の第1検出領域441と、第1検出領域441よりも受信機30から離れた距離を有する範囲の第2検出領域442と、第2検出領域442よりも受信機30から離れた距離を有する範囲の第3検出領域443とを含む複数の検出領域が設定されている。
【0104】
そして、ユーザ判定部244は、検出物体2が第1検出領域441で検出された場合は、検出物体2がユーザであると判定し、検出物体2が第2検出領域442で検出された場合は、検出物体2の検出距離と速度に基づき検出物体2がユーザであるか否かを判定し、検出物体2が第3検出領域443で検出された場合は、検出物体2はユーザではないと判定する。さらに、検出物体2が画像形成装置200の前の第1検出領域441を横切るときには、検出物体2の検出距離と速度に基づき検出物体2がユーザではないと判定する。
【0105】
第2実施形態では、第1実施形態と同様に、図3図4に示すように、第1検出領域441を近距離領域として、受信機30から30(cm)離れた付近にわたる範囲とし、第2検出領域442を中間距離領域として、受信機30から30(cm)離れた付近から150(cm)離れた付近にわたる範囲とし、第3検出領域443を遠距離領域として、受信機30から150(cm)を超えて離れた領域とする。
【0106】
なお、距離センサ210により検出された検出物体2の検出距離と、検出距離より算出される速度とに基づくユーザ判定の説明は、第1実施形態の距離センサ10によるユーザ判定の説明を参照するものとする。
【0107】
次に、第2実施形態の画像形成装置200の前を横切る検出物体2を距離センサ210により検出する場合について説明する。
【0108】
図12(a)は第2実施形態の画像形成装置の前を検出物体が横切るときの検出物体の検出距離と時間との関係を示すグラフ、(b)前記検出物体の移動速度と時間との関係を示すグラフである。
【0109】
図12(a)は、横軸に時間、縦軸に検出距離をとった時間に対する移動距離(位置)のグラフであり、図12(b)は、横軸に時間、縦軸に移動速度をとった時間に対する移動速度のグラフである。
【0110】
図12(a),(b)に示すグラフは、受信機30によりバースト間隔にて検出された検出物体2の距離を演算部42で算出して、メモリ部43にメモリし、そのメモリ結果をプロットしたものである。このグラフでは、生データを三角(△)で示し、生データ3点間の「移動平均」を取ったものを四角(□)で示している。
【0111】
第2実施形態において、信号媒体に超音波を用いる距離センサ210では、センサの特性やアンプゲインによって検出できる距離は変わるが、概ね人体の検出限界距離は、2〜3(m)である。
【0112】
距離センサ210は、受信機30により検出される受信信号の立下りエッジにより検出物体2を検出するが、受信信号において立下り信号がない場合は、図12(a)に示すように、例えば、200(cm)をメモリしている。
【0113】
すなわち、距離センサ210は、人が画像形成装置200の前を横切る場合、画像形成装置200の前を通り過ぎると単なる画像形成装置200を横切った人(非ユーザ)であると判定し、画像形成装置200の前で止まった場合は、画像形成装置200の横から侵入してきたユーザであると判定する。
【0114】
例えば、狭いオフィス環境では、省スペースで多機能の複合機(画像形成装置)を採用しても、その複合機の前に十分なスペースを作ることができず、ユーザがマシンを操作する場合、自然に装置の横からアプローチすることは考えられる。すなわち、ユーザが装置の前に到達するまでの動きは、単に通過する人と同じ動きとなるため、装置の前に到達した時点から装置の前を通り抜けるか、装置の前で立ち止まるかでユーザ/非ユーザが判定できる。したがって、距離センサ210は、その動作の違いを検出してユーザ判定を行う。
【0115】
また、距離センサ210は、指向性を持っているため、ユーザではない人(非ユーザ)が画像形成装置200の前を通り過ぎる場合、受信機30における非検出領域から検出領域に突然検出物体2が侵入することになる。この場合、検出限界距離の200(cm)から突然、近くの距離の検出物体が検出されるため、現実ではありえない移動速度が検出される。この現象を利用して、検出物体2の横切りを検出する。
【0116】
以下に、第2実施形態の画像形成装置200の前を横切る検出物体2を距離センサ210により検出する場合について具体的に説明する。
【0117】
図12(a)に示すように、検出物体2が画像形成装置200の横から前方に近づいてきたときは、検出物体2が受信機30の検出領域に入ると、検出物体2は受信機30から200(cm)離れた位置から急に画像形成装置200の前方で近接した位置(30〜50(cm))で検出される。そして、検出物体2が画像形成装置200の前を通過している間近接した状態が検出される(2秒程度)。そして、画像形成装置200から200(cm)以上遠ざかると受信機30による検出物体2の検出がされない。
【0118】
また、図12(b)に示すように、検出物体2が画像形成装置200の横から前方に移動してきたときは、検出物体2が受信機30の検出領域に入ると、移動速度は急に約+800(cm/sec)程度になる。そして、検出物体2は少しの移動で受信機30に近接するため、直ぐに移動速度が0付近になる。その後、直ぐに検出物体2が遠ざかるため、移動速度は約−800(cm/sec)程度になる。
【0119】
このように、距離センサ210により、+300(cm/sec)以上の移動速度が計測された場合、人が画像形成装置200の横から入ってきたと判定される。そして、負(遠ざかる方向)の速い移動速度が計測されることで、人が画像形成装置200の前を通過したと判定される。
【0120】
このとき、計測結果に基づきユーザ判定を行う反応時間を遅らせることで、移動速度の変動を確実に検出できるので、ユーザでない人が通り過ぎていったのかを判定するときの誤動作を防止することができる。
【0121】
次に、第2実施形態の画像形成装置200において距離センサ210により検出された検出物体2がユーザであるか否かを判定する処理についてフローチャートに沿って説明する。
図13は本発明の第2実施形態に係る画像形成装置において距離センサに検出された検出物体のユーザ判定を行う処理フローを説明するフローチャートである。
【0122】
図13に示すように、画像形成装置200において距離センサ210によりユーザ検出が開始されると、タイミング発生部41による周波数に合せて送信機20より送信される信号を受信機30によりバースト間隔毎に検出して、検出された受信信号の情報に基づき受信機30と検出物体2との距離を測定する(ステップS201)。
【0123】
そして、ステップS202に進み、検出された検出物体2の距離に基づいて移動速度が計測されて、検出物体2の移動速度が規定値以上であるか否かが判断される。
ここでは、検出物体2の移動速度は、+300(cm/sec)が規定値として設定されている。
【0124】
ステップS202において、検出物体2の移動速度が規定値以上であると判断された場合は、ユーザ判定部244において、人が画像形成装置200の前を横切っている推測して、ユーザ判定を行う反応時間を遅らせる(ステップS203)。
【0125】
そして、ステップS204に進み、負の移動速度が計測されたか否かが判断される。
ステップS204において、負の移動速度が計測されていないと判断された場合は、検出物体2はユーザであると判定されて(ステップS205)、ユーザ判定処理は終了する。
【0126】
一方、ステップS204において、負の移動速度が計測されたと判断された場合は、検出物体2はユーザではなく、ユーザではない人の横切りと判定されて(ステップS206)、ユーザ判定処理は終了する。
【0127】
ここで、説明をステップS202に戻り、ステップS202において、検出物体2の移動速度が規定値以上ではないと判断された場合は、ステップS210に進み、検出物体2が画像形成装置200付近の近距離領域である第1検出領域441で検出されたか否かが判断される(ステップS210)。
【0128】
ステップS210において、検出物体2が画像形成装置200付近の第1検出領域441で検出されたと判断された場合は、検出物体2はユーザであると判定されて(ステップS211)、ユーザ判定処理は終了する。
【0129】
一方、ステップS210において、検出物体2が画像形成装置200付近の第1検出領域441で検出されていないと判断された場合は、ステップS220に進み、検出物体2の移動速度が所定の範囲内で推移しているか否かが判断される。
ここでは、検出物体2の移動速度は、約+20(cm/sec)以上から約+300(cm/sec)以下の範囲で判定基準が設定されている。
【0130】
ステップS220において、検出物体2の移動速度が所定の範囲内で推移していると判断された場合は、検出物体2はユーザであると判定されて(ステップS221)、ユーザ判定処理は終了する。
【0131】
一方、ステップS220において、検出物体2の移動速度が所定の範囲内で推移していないと判断された場合は、検出物体2はユーザではない判定されて(ステップS222)、ユーザ判定処理は終了する。
【0132】
以上のように構成したので、第2実施形態によれば、送信機20と、受信機30と、検出物体2の距離情報を演算する演算部42と、演算部42の結果を記憶するメモリ部43とを具備し、検出物体2の距離情報に基づきユーザを検出する距離センサ210を備える画像形成装置200において、距離センサ210を制御する制御部240として、検出物体2の距離情報に基づき検出物体2がユーザであるか否かを判定するユーザ判定部244を備え、ユーザ判定部244において、検出物体2を検出する領域として、受信機30から予め設定した距離を有する範囲の第1検出領域441と、第1検出領域441よりも受信機30から離れた距離を有する範囲の第2検出領域442と、第2検出領域442よりも受信機30から離れた距離を有する範囲の第3検出領域443とを含む複数の検出領域を設定し、検出物体2が第1検出領域441で検出された場合は、検出物体2がユーザであると判定し、検出物体2が第2検出領域442で検出された場合は、検出物体2の検出距離と速度に基づき検出物体2がユーザであるか否かを判定し、検出物体2が第3検出領域443で検出された場合は、検出物体2はユーザではないと判定し、検出物体2が画像形成装置200の前の第1検出領域441を横切るときには、検出物体2の検出距離と速度に基づき検出物体2がユーザではないと判定するように構成することで、複数のセンサやカメラを用いることなく、また、演算能力の高い信号処理部を必要とすることなく、簡単な構成で、ユーザ検出を正確に行い、画像形成装置200を通過する人に対してもユーザ/非ユーザ判定を行なうことが可能となる。
【0133】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
第3実施形態は、画像形成装置の横から移動して前方にきた人が画像形成装置を使用するユーザであるか否かを判定することを特徴とするものである。
図14は本発明の第3実施形態に係る画像形成装置の距離センサ(ユーザ検出装置)の構成を示すブロック図、図15は前記画像形成装置のユーザを検出する領域における検出物体と距離センサの位置関係を示す説明図である。
【0134】
なお、第3実施形態の画像形成装置において、第1実施形態の画像形成装置と同様な構成を有するものは、同じ符号を付することで説明を省略する。
【0135】
第3実施形態の画像形成装置300は、図14図15に示すように、送信機20、受信機30を備えるとともに、各部動作を制御する制御部340とを有する距離センサ(ユーザ検出装置)310を備えて、画像形成装置300を使用するユーザを判定することを特徴とするものである。
【0136】
画像形成装置300は、図5に示すように、第1実施形態の画像形成装置1と同様に、タイミング発生部41から発生する周波数に合せて送信機20により検出信号を送信している。
【0137】
制御部340は、図14に示すように、タイミング発生部41、演算部42、メモリ部43、ユーザ判定部344を備えている。
【0138】
ユーザ判定部344は、送信機20から検出物体2までの距離を用いて検出物体2がユーザであるか否かを判断する。
【0139】
そして、ユーザ判定部344は、ユーザを検出する領域として、図15に示すように、受信機30から予め設定した距離を有する範囲の第1検出領域441と、第1検出領域441よりも受信機30から離れた距離を有する範囲の第2検出領域442と、第2検出領域442よりも受信機30から離れた距離を有する範囲の第3検出領域443とを含む複数の検出領域が設定されている。
【0140】
そして、ユーザ判定部344は、検出物体2が第1検出領域441で検出された場合は、検出物体2がユーザであると判定し、検出物体2が第2検出領域442で検出された場合は、検出物体2の検出距離と速度に基づき検出物体2がユーザであるか否かを判定し、検出物体2が第3検出領域443で検出された場合は、検出物体2はユーザではないと判定する。さらに、検出物体2が画像形成装置300の横から移動して前方の第1検出領域441にきたときには、検出物体2の検出距離と速度に基づき検出物体2がユーザであると判定する。
【0141】
第3実施形態では、第1実施形態と同様に、図3図4に示すように、第1検出領域441を近距離領域として、受信機30から30(cm)離れた付近にわたる範囲とし、第2検出領域442を中間距離領域として、受信機30から30(cm)離れた付近から150(cm)離れた付近にわたる範囲とし、第3検出領域443を遠距離領域として、受信機30から150(cm)を超えて離れた領域とする。
【0142】
なお、距離センサ310により検出された検出物体2の検出距離と、検出距離より算出される速度とに基づくユーザ判定の説明は、第1実施形態の距離センサ10によるユーザ判定の説明を参照するものとする。
【0143】
次に、第3実施形態の画像形成装置300の前を横切る検出物体2を距離センサ210により検出する場合について説明する。
【0144】
図16(a)は第3実施形態の画像形成装置の横から移動して前に検出物体がきたときの検出物体の検出距離と時間との関係を示すグラフ、(b)前記検出物体の移動速度と時間との関係を示すグラフである。
【0145】
図16(a)は、横軸に時間、縦軸に検出距離をとった時間に対する移動距離(位置)のグラフであり、図16(b)は、横軸に時間、縦軸に移動速度をとった時間に対する移動速度のグラフである。
【0146】
図16(a),(b)に示すグラフは、受信機30によりバースト間隔にて検出された検出物体2の距離を演算部42で算出して、メモリ部43にメモリし、そのメモリ結果をプロットしたものである。このグラフでは、生データを三角(△)で示し、生データ3点間の「移動平均」を取ったものを四角(□)で示している。
【0147】
第3実施形態において、信号媒体に超音波を用いる距離センサ310では、センサの特性やアンプゲインによって検出できる距離は変わるが、概ね人体の検出限界距離は、2〜3(m)である。
【0148】
距離センサ310は、受信機30により検出される受信信号の立下りエッジにより検出物体2を検出するが、受信信号において立下り信号がない場合は、図16(a)に示すように、例えば、200(cm)をメモリしている。
【0149】
すなわち、距離センサ310は、人が画像形成装置300の横から前方にくる場合、画像形成装置300の前を通り過ぎると単なる画像形成装置300を横切った人(非ユーザ)であると判定し、画像形成装置300の前で止まった場合は、画像形成装置300の横から侵入してきたユーザであると判定する。
【0150】
また、距離センサ310は、指向性を持っているため、ユーザではない人(非ユーザ)が画像形成装置300の横から前方にくる場合、受信機30における非検出領域から検出領域に突然検出物体2が侵入することになる。この場合、検出限界距離の200(cm)から突然、近くの距離の検出物体が検出されるため、現実ではありえない移動速度が検出される。この現象を利用して、検出物体2の横から前方にきたことを検出する。
【0151】
以下に、第3実施形態の画像形成装置300の横から前方にくる検出物体2を距離センサ310により検出する場合について具体的に説明する。
【0152】
図16(a)に示すように、検出物体2が画像形成装置300の横から前方に近づいてきたときは、検出物体2が受信機30の検出領域に入ると、検出物体2は受信機30から200(cm)離れた位置から急に画像形成装置300の前方で近接した位置(30〜50(cm))で検出される。そして、検出物体2が画像形成装置300の前に近接した状態が検出される。
【0153】
また、図16(b)に示すように、検出物体2が画像形成装置300の横から前方に移動してきたときは、検出物体2が受信機30の検出領域に入ると、移動速度は急に約+800(cm/sec)程度になる。そして、検出物体2は少しの移動で受信機30に近接するため、直ぐに移動速度が0付近になる。
【0154】
このように、距離センサ310により、+300(cm/sec)以上の移動速度が計測された場合、人が画像形成装置200の横から入ってきたと判定される。そして、その後、人が第1検出領域441に位置して状態が検出されることで、移動してきた人がユーザであると判定される。
【0155】
このとき、計測結果に基づきユーザ判定を行う反応時間を遅らせることで、移動速度の変動と画像形成装置200の前にいる状態を確実に検出できるので、移動してきた人がユーザあると判定するときの誤動作を防止することができる。
【0156】
次に、第3実施形態の画像形成装置300において距離センサ310により検出された検出物体2がユーザであるか否かを判定する処理についてフローチャートに沿って説明する。
図17は本発明の第3実施形態に係る画像形成装置において距離センサに検出された検出物体のユーザ判定を行う処理フローを説明するフローチャートである。
【0157】
図17に示すように、画像形成装置300において距離センサ310によりユーザ検出が開始されると、タイミング発生部41による周波数に合せて送信機20より送信される信号を受信機30によりバースト間隔毎に検出して、検出された受信信号の情報に基づき受信機30と検出物体2との距離を測定する(ステップS301)。
【0158】
そして、ステップS302に進み、検出された検出物体2の距離に基づいて移動速度が計測されて、検出物体2の移動速度が規定値以上であるか否かが判断される。
ここでは、検出物体2の移動速度は、+300(cm/sec)が規定値として設定されている。
【0159】
ステップS302において、検出物体2の移動速度が規定値以上であると判断された場合は、ユーザ判定部344において、人が画像形成装置300の前にきたことを推測して、ユーザ判定を行う反応時間を遅らせる(ステップS303)。
【0160】
そして、ステップS304に進み、人が画像形成装置300付近の近距離領域である第1検出領域441で検出されたか否かが判断される。
ステップS304において、人が画像形成装置300付近の近距離領域である第1検出領域441で検出された判断された場合は、検出物体2はユーザであると判定されて(ステップS305)、ユーザ判定処理は終了する。
【0161】
一方、ステップS304において、人が画像形成装置300付近の近距離領域である第1検出領域441で検出されていないと判断された場合は、検出物体2はユーザではなく、ユーザではない人の横切りと判定されて(ステップS306)、ユーザ判定処理は終了する。
【0162】
ここで、説明をステップS302に戻り、ステップS302において、検出物体2の移動速度が規定値以上ではないと判断された場合は、ステップS310に進み、検出物体2が画像形成装置300付近の近距離領域である第1検出領域441で検出されたか否かが判断される(ステップS310)。
【0163】
ステップS310において、検出物体2が画像形成装置300付近の第1検出領域441で検出されたと判断された場合は、検出物体2はユーザであると判定されて(ステップS311)、ユーザ判定処理は終了する。
【0164】
一方、ステップS310において、検出物体2が画像形成装置300付近の第1検出領域441で検出されていないと判断された場合は、ステップS320に進み、検出物体2の移動速度が所定の範囲内で推移しているか否かが判断される。
ここでは、検出物体2の移動速度は、約+20(cm/sec)以上から約+300(cm/sec)以下の範囲で判定基準が設定されている。
【0165】
ステップS320において、検出物体2の移動速度が所定の範囲内で推移していると判断された場合は、検出物体2はユーザであると判定されて(ステップS321)、ユーザ判定処理は終了する。
【0166】
一方、ステップS320において、検出物体2の移動速度が所定の範囲内で推移していないと判断された場合は、検出物体2はユーザではない判定されて(ステップS322)、ユーザ判定処理は終了する。
【0167】
以上のように構成したので、第3実施形態によれば、送信機20と、受信機30と、検出物体2の距離情報を演算する演算部42と、演算部42の結果を記憶するメモリ部43とを具備し、検出物体2の距離情報に基づきユーザを検出する距離センサ310を備える画像形成装置300において、距離センサ310を制御する制御部340として、検出物体2の距離情報に基づき検出物体2がユーザであるか否かを判定するユーザ判定部344を備え、ユーザ判定部344において、検出物体2を検出する領域として、受信機30から予め設定した距離を有する範囲の第1検出領域441と、第1検出領域441よりも受信機30から離れた距離を有する範囲の第2検出領域442と、第2検出領域442よりも受信機30から離れた距離を有する範囲の第3検出領域443とを含む複数の検出領域を設定し、検出物体2が第1検出領域441で検出された場合は、検出物体2がユーザであると判定し、検出物体2が第2検出領域442で検出された場合は、検出物体2の検出距離と速度に基づき検出物体2がユーザであるか否かを判定し、検出物体2が第3検出領域443で検出された場合は、検出物体2はユーザではないと判定し、検出物体2が画像形成装置200の横から前方の第1検出領域441に移動してきたときには、検出物体2の検出距離と速度に基づき検出物体2がユーザであると判定するように構成することで、複数のセンサやカメラを用いることなく、また、演算能力の高い信号処理部を必要とすることなく、簡単な構成で、ユーザ検出を正確に行い、画像形成装置300の横から前方に移動してきた人に対してもユーザ/非ユーザ判定を行なうことが可能となる。
【0168】
以上のように、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、すなわち、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0169】
1,200,300 画像形成装置
2 検出物体
10,210,310 距離センサ(ユーザ検出装置)
20 送信機
21 送信ドライバ
30 受信機
31 コンパレータ
40,240,340 制御部
41 タイミング発生部
42 演算部
43 メモリ部
44,244,344 ユーザ判定部
441 第1検出領域
442 第2検出領域
443 第3検出領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17