(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記光路変換部材の外側の表面に、上記筐体の表示部が設けられる側から上記仰角が0°以上、45°以下で上記上側側面に入射する光が入射する第1の面と、上記筐体の表示部が設けられる側から上記仰角が0°以上、45°以下で上記上側側面に入射する光以外の光を反射または吸収する第2の面と、からなる多面構造が形成されていることを特徴とする請求項5に記載の光路変換部材。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施の形態について
図1〜
図5に基づいて説明すれば、次の通りである。以下、説明の便宜上、特定の実施形態にて説明した構成と同一の機能を有する構成については、同一の符号を付記し、その説明を省略する場合がある。また、各図面に記載した構成の形状、ならびに、長さ、大きさおよび幅などの寸法は、実際の形状および寸法を反映させたものではなく、図面の明瞭化と簡略化のために適宜変更している。
【0012】
〔実施形態1〕
図1は、本発明の実施形態1に係る携帯端末10aの主要部の構造を示す図である。
図1の(a)は、携帯端末10aの上側側面SUFaの近傍の構造を示す図である。
図1の(b)は、携帯端末10aの上側側面SUFaを真正面から見たときの構造を示す図である。ここで、上側側面SUFaは、通話時に重力方向(矢印g参照)に配置される互いに対向する二面のうち、上記重力方向に対して上側に位置する面のことである。
【0013】
図1の(a)に示すように、携帯端末10aの主要部は、筐体1、プリズム(光路変換部材)2a、光学センサ3、光学レンズ4、およびスイッチ突出部(突出部)5aを備える。筐体1は、携帯端末10aの各種機能を実現する構成要素を収納する箱状の部材であり、上述した光学センサ3や光学レンズ4なども同様に収納されている。
【0014】
プリズム2aは、透光性を有する材料(例えば、ガラス)で構成された光学部材である。また、プリズム2aは、上側側面SUFaに対する仰角θ1(0°≦θ1≦45°)で、筐体1の表示部が設けられる側(以下、単に「表示部側」という)から入射する光の光路を、筐体1に設けられる光学センサ3に至る光路に変換する機能を備える。また、本実施形態のプリズム2aは、上側側面SUFaに設けられたスイッチ5の上側側面SUFaから突出するスイッチ突出部5aの内部に少なくともその一部が含まれるように配置されている。本実施形態では、携帯端末であれば、通常設けられるであろう位置にスイッチ5を設け、スイッチ突出部5aによりプリズム2a(または光学センサ3や光学レンズ4)を隠しているため、プリズム2a等の存在によって筐体1の上側側面SUFaの周りのデザインが不自然になってしまうことを回避することができる。なお、本実施形態では、スイッチ突出部5aを
図1の(b)に示す真正面から見たときのサイズは、縦×横=2mm×8mm程度である。
【0015】
次に、実験によれば、筐体1の表示部側から入射する光の上側側面SUFaに対する仰角θ1が0°以上、45°以下であれば、筐体1の内部における上側側面SUFaの近傍に光学センサ3を配置することで、携帯端末10aを耳元に近づけているか否かを光学センサ3で検知することが可能となる。よって、携帯端末10aによれば、筐体1を耳元に近づけて通話を行っているか否かを検知することが可能になる。なお、上記の仰角θ1は、より好ましくは、15°以上、30°以下である。仰角θ1が15°未満であると、筐体1の壁面(上側側面SUFa)が検出光に影響してしまう(検出光が壁面による反射の影響を受けてしまう)。一方、仰角θ1が30°を超えると、ユーザによっては、検出光がユーザの頭を飛び越えてしまう可能性が高くなる。よって、仰角θ1が15°以上、30°以下であれば、携帯端末10aの筐体1を耳元に近づけて通話を行っているか否かをより正確に検知することが可能になる。
【0016】
また、携帯端末10aによれば、筐体の表示部が設けられる面の近傍に光学センサを設ける構成と比較して、携帯端末10aの筐体1の表示部が設けられる面に対して表示部のサイズを広くとることができるため、携帯端末10aのさらなる狭額縁化を図ることができる。また、上記構成によれば、通話時において、上側側面SUFaに対する仰角θ1で、筐体1の表示部側から入射する光の光路がユーザの手によって遮断される可能性は低い。なぜなら、通話時において、携帯端末10aのスイッチ5を押下する操作が行われる可能性は低いからである。このため、携帯端末10aによれば、筐体1に設けられる光学センサ3によって誤動作が生じる可能性を低減させることができる。以上により、筐体1に設けられる光学センサ3によって誤動作が生じる可能性を低減し、さらなる狭額縁化を図ることができる。
【0017】
本実施形態では、光学センサ3を近接センサで構成し、筐体1を耳元に近づけて通話を行っているか否かを検知するものとして説明したが、光学センサ3はこのような形態に限定されない。例えば、光学センサ3を照度センサで構成することにより、携帯端末10aが鞄の中にあるか否かを検知することも可能である。また、例えば、光学センサ3を測距センサで構成し、検知対象から光学センサ3までの距離を計測する構成としても良い。
【0018】
次に、本実施形態の携帯端末10aでは、筐体1の上側側面SUFaの中央部付近に窪みdepを形成している。本実施形態における窪みdepのサイズは、縦×横×深さ=3.5mm×8mm×1mm程度である。これにより、筐体1の内部における上側側面SUFaの近傍に光学センサ3を配置した場合に、上側側面SUFaに対する仰角θ1で筐体1の表示部側から上側側面SUFaに入射する光を、プリズム2aに入射させ易くすることができる。なお、本実施形態の携帯端末10aでは、上記の窪みdepによる孔を、筐体1の内部まで貫通させないようにすることで、外部からのホコリや水の侵入を防いでいる。また、本実施形態の携帯端末10aでは、光学センサ3を、筐体1の内部に配置することにより、携帯端末10aの小型化を可能にしている。
【0019】
〔実施形態2〕
次に、
図2は、本発明の実施形態2に係る携帯端末10bの主要部の構造を示す図である。
図2の(a)は、携帯端末10bの上側側面SUFaの近傍の構造を示す図である。また、
図2の(b)は、携帯端末10bの上側側面SUFaを同図に示す真正面から見たときの構造を示す図である。本実施形態では、上述したスイッチ5、スイッチ突出部5bおよびプリズム2aに代えて、上側側面SUFaの近傍にレンズ窓(光路変換部材)2bを設けて、光学センサ3等の存在を隠している点で、実施形態1の携帯端末10aと異なっている。しかしながら、その他の構成については、上述した実施形態1とほぼ同様なので、ここでは説明を省略する。
【0020】
レンズ窓2bは、透光性を有する材料(ガラスまたはポリカーボネート)で構成された部材であり、筐体1の表示部側から仰角θ2(0°≦θ2≦45°)で上側側面SUFaに入射する光以外の光を反射または吸収させる構造を備えている。より具体的には、
図2の吹き出しの中に含まれる図に示すように、レンズ窓2bの外側の表面には、複数の表面SUF1(第1の面)および複数の表面SUF2(第2の面)が交互に並んだ階段状構造(多面構造)2b‐aが形成されている。表面SUF1は、透光性を有しており、筐体1の表示部側から仰角θ2で上側側面SUF1に入射する光が入射し、透過する。一方、表面SUF2には、銀の層を蒸着メッキしており、裏面SUF3は、黒色処理がなされている。すなわち、表面SUF2では、筐体1の表示部側から仰角θ2で上側側面SUF1に入射する光が反射される。なお、本実施形態では、筐体1の表示部側から仰角θ2で上側側面SUF1に入射する光を反射させる構造としたが、これに限定されない。例えば、表面SUF2に光吸収性物質を塗布して、筐体1の表示部側から仰角θ2で上側側面SUF1に入射する光を吸収させても良い。これにより、筐体1の表示部側から仰角θ2で上側側面SUFaに入射する光は表面SUF1からレンズ窓2bに入射する。一方、筐体1の表示部側から仰角θ2で上側側面SUFaに入射する光以外の外乱光は表面SUF2で反射または吸収される。これにより、外乱光が光学センサ3に入射することを回避することができる。このため、光学センサ3に外乱光が入射することによる誤動作の発生を抑制することができる。
【0021】
次に、本実施形態の階段状構造2b‐aでは、最近接のSUF2どうしの間隔lは、約0.5mmに設定しているため、階段状構造2b‐aの段数は、5〜6段程度となっているが、間隔lの大きさおよび階段状構造2b‐aの段数はこれに限定されない、間隔lをより狭くし、階段状構造2b‐aの段数をより多くすることにより、光が入射可能な仰角θ2を固定しつつ、レンズ窓2bの表面を平面に近づけることができる。上記の仰角θ2は、より好ましくは、15°以上、30°以下である。これにより、携帯端末10bの筐体1を耳元に近づけて通話を行っているか否かをより正確に検知することが可能になる。
【0022】
なお、本実施形態の携帯端末10bでは、上側側面SUFaにレンズ窓2bを設けることで、外部からのホコリや水の侵入を防いでいる。レンズ窓2bを
図2の(b)に示す真正面から見たときのサイズは、縦×横=6mm×8mm程度である。また、本実施形態の携帯端末10bでは、光学センサ3を、筐体1の内部に配置することにより、携帯端末10bの小型化を可能にしている。
【0023】
〔実施形態3〕
次に、
図3は、本発明の実施形態3に係る携帯端末10cの主要部および携帯端末10cに係る導光部材の変形例の構造を示す図である。
図3の(a)は、携帯端末10cの上側側面SUFaの近傍の構造を示す図である。また、
図3の(b)は、携帯端末10cの表示部が設けられる面の側から見たときの構造を示す図である。本実施形態では、上述したスイッチ5、スイッチ突出部5bおよびプリズム2aに代えて、上側側面SUFaの近傍に導光部材(光路変換部材)2cを設けている点で、実施形態1の携帯端末10aと異なっている。しかしながら、その他の構成については、上述した実施形態1とほぼ同様なので、ここでは説明を省略する。
【0024】
本実施形態の導光部材2cは、透光性を有する材料(例えば、アクリル)で構成された部材であり、上側側面SUFaに対する仰角が約0°で(上側側面SUFaに沿って)、筐体1の表示部側から入射する光の光路を、筐体1に設けられる光学センサ3に至る光路に変換する部材である。
【0025】
より具体的には、導光部材2cは、上側側面SUFaに沿って延在する部分と、上側側面SUFaから筐体1の内部に向けて延在する部分と、で構成される折れ曲がり構造を備えている。これにより、導光部材2cの上側側面SUFaの側から筐体1の内部に向けて延在する部分が、筐体1の外側から内部に向かって延在するように導光部材2cを配置することにより、導光部材2cの上側側面SUFaの側から筐体1の内部に向けて延在する部分が、筐体1の内部の側に隠れる。このため、
図3の(b)に示すように、導光部材2cの存在によって筐体1の上側側面SUFaの周りのデザインが不自然になってしまうことを回避することができる。なお、本実施形態において、
図3の(b)に示すように、導光部材2cを筐体1の表示部側から見たときの導光部材2cの露出部分のサイズは、縦×横=1mm×10mm程度である。
【0026】
また、導光部材2cの外部に露出する面の表面には、銀の層を蒸着メッキしている。これにより、上側側面SUFaに対する仰角が約0°で(上側側面SUFaに沿って)、筐体1の表示部側から入射する光以外の外乱光が、光学センサ3に入射することを回避できる。このため、光学センサ3に外乱光が入射することによる誤動作の発生を抑制することができる。
【0027】
〔変形例〕
次に、
図3の(c)および(d)は、それぞれ携帯端末10cに係る導光部材の変形例の構造を示す図である。
図3の(c)に示す変形例は、導光部材2dの光入射側の端部に、上述した階段状構造(実施形態2参照)が設けられている点で、上述した導光部材2cと異なっている。これにより、筐体1の表示部側から仰角約0°で上側側面SUFaに入射する光は表面SUF1から導光部材2dに入射する。一方、筐体1の表示部側から仰角0°で上側側面SUFaに入射する光以外の外乱光は表面SUF2で反射または吸収される。これにより、外乱光が光学センサ3に入射することを回避することができる。このため、光学センサ3に外乱光が入射することによる誤動作の発生を抑制することができる。
【0028】
次に、
図3の(d)に示す変形例は、導光部材2dの光入射側の端部におけるC面SUF4が、表示画面を含む平面に対して角度θ3(0°<θ3≦45°)だけ傾いている点で、上述した導光部材2cと異なっている。これにより、筐体1の表示部側から仰角0°以上、θ3以下で上側側面SUFaに入射する光を導光部材2dに入射させることが可能になる。このため、携帯端末の筐体を耳元に近づけて通話を行っているか否かをより確実に検知することが可能になる。
【0029】
〔実施形態4〕
次に、
図4は、本発明の実施形態4に係る携帯端末10dの主要部およびその変形例である携帯端末10eの構造を示す図である。
図4の(a)は、携帯端末10dの主要部の構造を示す断面図である。一方、
図4の(b)は、携帯端末10eの構造を示す図である。
【0030】
本実施形態の携帯端末10d,10eは、ともにスイッチ突出部5b、スイッチ突出部5bの内部に設けられた窓部(光路変換部材)2f、および光学センサ3を備えており、スイッチ突出部5bの上側側面SUFaに対する突出量を可変とする機構を備えている点で、実施形態1の携帯端末10aと異なっている。
【0031】
本実施形態では、窓部2fは、スイッチ突出部5bの内部に全部が含まれるように配置されている。上記構成によれば、スイッチ突出部5bにより窓部2f(および光学センサ3)を隠すことができるため、窓部2fの存在によって筐体1の上側側面SUFaの周りのデザインが不自然になってしまうことを回避することができる。窓部2fは、透光性を有する材料(例えば、ガラス)で構成された部材であり、筐体1の表示部側から入射する光の光路を、筐体1に設けられる光学センサ3に至る光路に変換する部材である。なお、光路の変換には、光量の変換や、光のスポットサイズの拡大、縮小などの変換も含まれる。
【0032】
携帯端末10dにおけるスイッチ突出部5bの上側側面SUFaに対する突出量を可変とする機構は、ステッピングモータ6、電磁石7、バネ8、磁石9およびメカニカルラッチ機構11を備えており、これにより、上記突出量が可変となっている。
【0033】
一方、携帯端末10eにおけるスイッチ突出部5bの突出量を可変とする機構は、スプリング12、磁石13、および電磁石14を備えており、これにより、スイッチ突出部5bの突出量が可変となっている。なお、以上のスイッチ突出部5bの突出量を可変とする機構を構成する各構成要素については、本発明の本質とあまり関係がないため、ここでは、説明を省略する。
【0034】
上記構成によれば、スイッチ突出部5bの突出量を変化させることで、携帯端末10d,10eの筐体1を耳元に近づけて通話を行っているか否かを検知することが可能な、筐体1の表示部が設けられる側から入射する光の上側側面SUFaに対する仰角の範囲を調整することができる。
【0035】
〔上側側面SUFaに対する仰角と、検出距離との関係について〕
次に、上述した携帯端末10a,10bに関し、上側側面SUFaに対する仰角と、検出距離との関係について調査した結果について説明する。ここで、検出距離とは、例えば、携帯端末10a,10bの筐体1を耳元に近づけた場合に、検出可能な耳元と光学センサ3との距離、または、携帯端末10a,10bの筐体を耳元に近づけた状態から、耳元から離した場合に、検出可能な耳元と光学センサ3との距離のいずれかの距離のことである。
図5は、上述した携帯端末10a,10bの上側側面SUFaに対する仰角と、検出距離との関係を示す図である。
図5の縦軸は、検出距離(単位はmm)を、横軸は、仰角の大きさを表している。
【0036】
同図に示すダイヤ印の測定点は、仰角0°以上、45°以下の範囲で、携帯端末の筐体を耳元に近づけた場合に、検出可能な耳元と光学センサ3との距離を測定したものである。一方、同図に示す四角印の測定点は、仰角0°以上、45°以下の範囲で、携帯端末の筐体を耳元に近づけた状態から、耳元から離した場合の、検出可能な耳元と光学センサ3との距離を測定したものである。
【0037】
同図に示すように、検出対象(例えば、ユーザの耳元)の検出が可能な当該検出対象から光学センサ3までの距離は、10mm以上、20mm以下程度である。このように、検出対象から光学センサ3までの距離を10mm以上、20mm以下とすることにより、携帯端末の筐体を耳元に近づけて通話を行っているか否かをより確実に検知することが可能になる。
【0038】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る光路変換部材(プリズム2a,レンズ窓2b,導光部材2c〜2e,窓部2f)は、携帯端末(10a〜10e)に使用される筐体(1)に配置される光路変換部材であって、通話時に重力方向に配置される互いに対向する二面のうち、上記重力方向に対して上側に位置する面である上側側面(SUFa)に対する仰角(θ1,θ2)が0°以上、45°以下で、上記筐体の表示部が設けられる側から入射する光の光路を、上記筐体に設けられる光学センサ(3)に至る光路に変換する構成である。
【0039】
実験によれば、筐体の表示部が設けられる側から入射する光の上側側面に対する仰角が0°以上、45°以下であれば、筐体の内部における上側側面の近傍に光学センサを配置することで、携帯端末を耳元に近づけているか否かを光学センサで検知することが可能となる。よって、上記構成によれば、携帯端末の筐体を耳元に近づけて通話を行っているか否かを検知することが可能になる。
【0040】
また、上記構成によれば、筐体の表示部が設けられる面の近傍に光学センサを設ける構成と比較して、携帯端末の筐体の表示部が設けられる面に対して表示部のサイズを広くとることができるため、携帯端末のさらなる狭額縁化を図ることができる。また、上記構成によれば、通話時において、上側側面に対する仰角が0°以上、45°以下で、筐体の表示部が設けられる側から入射する光の光路がユーザの手によって遮断される可能性は低い。このため、筐体に設けられる光学センサによって誤動作が生じる可能性を低減させることができる。以上により、筐体に設けられる光学センサによって誤動作が生じる可能性を低減し、さらなる狭額縁化を図ることができる。
【0041】
本発明の態様2に係る光路変換部材は、上記態様1において、上記仰角が、15°以上、30°以下であることが好ましい。上記構成によれば、携帯端末の筐体を耳元に近づけて通話を行っているか否かをより正確に検知することが可能になる。
【0042】
本発明の態様3に係る光路変換部材は、上記態様1または2において、上記光路変換部材は、上記上側側面に設けられたスイッチの上記上側側面から突出する突出部(スイッチ突出部5a,スイッチ突出部5b)の内部に少なくともその一部が含まれるように配置されていても良い。上記構成によれば、スイッチの突出部により光路変換部材を隠すことができるため、光路変換部材の存在によって筐体の上側側面の周りのデザインが不自然になってしまうことを回避することができる。
【0043】
本発明の態様4に係る光路変換部材は、上記態様3において、上記筐体の上記上側側面に窪み(dep)が形成されていることが好ましい。上記構成によれば、筐体の内部における上側側面の近傍に光学センサを配置した場合に、上側側面に対する仰角が0°以上、45°以下で筐体の表示部が設けられる側から上側側面に入射する光を、光路変換部材に入射させ易くすることができる。
【0044】
本発明の態様5に係る光路変換部材は、上記態様3または4において、上記スイッチの上記上側側面に対する突出量が可変となっていても良い。上記構成によれば、スイッチの上側側面に対する突出量を変化させることで、携帯端末の筐体を耳元に近づけて通話を行っているか否かを検知することが可能な、筐体の表示部が設けられる側から入射する光の上側側面に対する仰角の範囲を調整することができる。
【0045】
本発明の態様6に係る光路変換部材は、上記態様1または2において、上記筐体の表示部が設けられる側から上記仰角が0°以上、45°以下で上記上側側面に入射する光以外の光を反射または吸収させる構造を備えたレンズ窓(2b)であっても良い。上記構成によれば、筐体の表示部が設けられる側から上記仰角が0°以上、45°以下で上側側面に入射する光以外の外乱光が光学センサに入射することを回避することができる。このため、光学センサに外乱光が入射することによる誤動作の発生を抑制することができる。
【0046】
本発明の態様7に係る光路変換部材は、上記態様1または2において、上記上側側面に沿って延在する部分と、上記上側側面から上記筐体の内部に向けて延在する部分と、で構成される折れ曲がり構造を備えた導光部材(2c〜2e)であっても良い。上記構成によれば、導光部材の上側側面の側から筐体の内部に向けて延在する部分が、筐体の外側から内部に向かって延在するように導光部材を配置することにより、導光部材の上側側面の側から上記筐体の内部に向けて延在する部分が、筐体の内部の側に隠れる。このため、導光部材の存在によって筐体の上側側面の周りのデザインが不自然になってしまうことを回避することができる。
【0047】
本発明の態様8に係る光路変換部材は、上記態様6または7において、上記光路変換部材の外側の表面に、上記筐体の表示部が設けられる側から上記仰角が0°以上、45°以下で上記上側側面に入射する光が入射する第1の面(表面SUF1)と、上記筐体の表示部が設けられる側から上記仰角が0°以上、45°以下で上記上側側面に入射する光以外の光を反射または吸収する第2の面(表面SUF2)と、からなる多面構造(2b‐a)が形成されていることが好ましい。上記構成によれば、筐体の表示部が設けられる側から上記仰角が0°以上、45°以下で上側側面に入射する光は第1の面から光路変換部材に入射し、筐体の表示部が設けられる側から上記仰角が0°以上、45°以下で上側側面に入射する光以外の外乱光は第2の面で反射または吸収される。これにより、外乱光が光学センサに入射することを回避することができる。このため、光学センサに外乱光が入射することによる誤動作の発生を抑制することができる。
【0048】
本発明の態様9に係る光路変換部材は、上記光学センサは、上記筐体の内部に配置されていても良い。上記構成によれば、光学センサを筐体の内部に配置するため、後述する光路変換部材を備えた携帯端末の小型化が可能になる。
【0049】
本発明の態様10に係る光路変換部材は、検出対象の検出が可能な当該検出対象から上記光学センサまでの距離が、10mm以上、20mm以下であることが好ましい。上記構成によれば、携帯端末の筐体を耳元に近づけて通話を行っているか否かをより確実に検知することが可能になる。
【0050】
上記態様1〜10のいずれかの光路変換部材を備えた筐体、および上記態様1〜10のいずれかの光路変換部材を備えた携帯端末も本発明の範疇に含まれる。
【0051】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。