特許第6444650号(P6444650)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6444650
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 23/06 20060101AFI20181217BHJP
【FI】
   F25D23/06 P
   F25D23/06 N
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-161407(P2014-161407)
(22)【出願日】2014年8月7日
(65)【公開番号】特開2016-38154(P2016-38154A)
(43)【公開日】2016年3月22日
【審査請求日】2017年6月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000235
【氏名又は名称】特許業務法人 天城国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】苗村 好郎
(72)【発明者】
【氏名】石橋 郁夫
【審査官】 庭月野 恭
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−327781(JP,A)
【文献】 特開2009−019850(JP,A)
【文献】 特開2004−225946(JP,A)
【文献】 特開2006−284172(JP,A)
【文献】 特開2006−189178(JP,A)
【文献】 特開2013−053798(JP,A)
【文献】 特開2000−088448(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 23/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面の左右に並んで開口を有する左右の貯蔵室を備えた冷蔵庫本体と、
前記貯蔵室の上部に配され前後に分割された第1前仕切カバー及び第1後仕切カバーにより内部に横方向の第1空洞を形成した第1仕切部と、
前記貯蔵室の下部に配され前後に分割された第2前仕切カバー及び第2後仕切カバーにより内部に横方向の第2空洞を形成した第2仕切部と、
前記貯蔵室を左右に仕切り、前後に分割された縦前仕切カバー及び縦後仕切カバーにより内部に縦空洞を形成し、この縦空洞と前記第1空洞および前記第2空洞の少なくとも一方の空洞を連通状態にした縦仕切部と、
前記第1空洞、前記第2空洞及び前記縦空洞の少なくとも一つの空洞において前後に延びる取付用ダボと、
前記第1空洞及び前記第2空洞及び前記縦空洞内に充填された断熱性の発泡材と、
を備えた冷蔵庫。
【請求項2】
前記第2前仕切カバーと前記第2後仕切カバーは係合孔とこれに係合する係合爪により合体して構成され、前記第2空洞の横方向に延びる部分においてその直交面で、前記係合孔と前記係合爪及び前記取付用ダボとが、同一面となる構造を有する請求項1記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記取付用ダボは、前記縦空洞と前記第1空洞又は前記第2空洞の直交した前記連通状態にされた部分を避けて設けられた請求項1または2記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記縦空洞は、前記縦前仕切カバーと前記縦後仕切カバーを係合孔とこの孔に係合する係合爪により合体して前記縦空洞を形成した、請求項1記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記第1仕切部および前記第2仕切部および縦仕切部の少なくとも一つの内部に長手方向の膨らみを防止する拡がり抑制部材を備えた、請求項1乃至4のいずれか一項記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明の実施形態は、冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、冷蔵庫の独立した製氷室と隣り合う冷却室を縦方向に仕切る縦仕切部の断熱には、断熱性がやや落ちる発泡スチロールやソフトテープ類の部材が使用されていた。それは射出樹脂成型品である縦仕切部が、独立した構造であったり、上下分割式の構造であったりしていたことから、断熱効果の高いウレタン発泡材を流せない構造となっていた。
【0003】
このため、縦仕切部には断熱効果の大きいウレタン等の発泡材の使用ができず、樹脂部品を別部材にしたり、他の部材を使用することになり、断熱効果が悪い上にコスト増となったり、部品点数が増えたりしてしまう、という課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−066049号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明が解決しようとする課題は、縦仕切カバーの内部にも断熱性の高い断熱材の充填を可能にした冷蔵庫を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の冷蔵庫は、前面の左右に並んで開口を有する左右の貯蔵室を備えた冷蔵庫本体と、前記貯蔵室の上部に配され前後に分割された第1前仕切カバー及び第1後仕切カバーにより内部に横方向の第1空洞を形成した第1仕切部と、前記貯蔵室の下部に配され前後に分割された第2前仕切カバー及び第2後仕切カバーにより内部に横方向の第2空洞を形成した第2仕切部と、前記貯蔵室を左右に仕切り、前後に分割された縦前仕切カバー及び縦後仕切カバーにより内部に縦空洞を形成し、この縦空洞と前記第1空洞および前記第2空洞の少なくとも一方の空洞を連通状態にした縦仕切部と、前記第1空洞、前記第2空洞及び前記縦空洞の少なくとも一つの空洞において前後に延びる取付用ダボと、前記第1空洞及び前記第2空洞及び前記縦空洞内に充填された断熱性の発泡材と、を備えた。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態にかかる冷蔵庫の正面図である。
図2図1の一部扉を開放状態での冷蔵庫の正面図である。
図3図1の扉を外した状態の正面図である。
図4図3要部を拡大して示す斜視図である。
図5図3要部を拡大して示す斜視図である。
図6図5を合体させた状態の要部切斜視図である。
図7図6のIa−Ib線に沿った断面図である。
図8図6のIIa−IIb線に沿った断面図である。
図9】第2実施形態にかかる冷蔵庫の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下で説明する図面で、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返す説明は省略する。
【0009】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態にかかる冷蔵庫全体の構成を概略的に示す正面図である。図2は、冷蔵庫の一部扉を開放状態の正面図である。図3は、冷蔵庫の扉および棚を外した状態の正面図である。
【0010】
冷蔵庫11は、図1および図2に示すように、縦長箱状の冷蔵庫本体12の内部に、上部から順に、食材を貯蔵するための貯蔵室である冷蔵室13、製氷室14、上部冷凍室15および下部冷凍室16、および野菜室17が設けられている。各室13〜17は前面が開口している。冷蔵室13の開口は、いわゆる両開き式の左扉13aおよび右扉13bによって開閉される。左扉13aは左端部の上下部が図2に示すヒンジ12aによって回転可能に支持され、右扉13bは右端部の上下部がヒンジ12bによって回動可能に支持されている。この場合、右扉13bの長さは、左扉13aの長さより長く形成されている。
【0011】
また、製氷室14、上部冷凍室15、下部冷凍室16および野菜室17は、引き出し式の扉14a,15a,16aおよび扉17aによって開閉されるようになっている。
なお、製氷室14と上部冷凍室15は左右方向に並べて配置されており、それぞれに独立した扉14aと15aによって開閉されるが、室内が完全に独立しているわけではなく、製氷室14と上部冷凍室15との間では冷気が自由に行き来できる構成としている。
冷蔵室13の内面には、冷蔵用送風ファンが駆動されると、冷蔵用冷却器により生成された冷気が送風ダクトを通して複数の吹出口9から冷蔵室13内に供給される。冷蔵用冷却器により生成された冷気は、野菜室17にも供給される。製氷室14、上部冷凍室15および下部冷凍室16には、冷凍用冷却器により生成された冷気が送風ダクトを通して供給される。
【0012】
冷蔵室13の左扉13aには、図2に示すように、複数段のドアポケット18aが設けられている。右扉13bには、複数段のドアポケット18bが設けられている。また、冷蔵室13内には、例えばガラス等の透明性材料で形成されている複数段の棚板21が設けられている。さらに、最下段には、例えば卵室やチルド室のような特定目的室22が配置されている。
左扉13aの表面には、操作パネル19が設けられている。この操作パネル19には、パネル表示器20が設けられている。このパネル表示器20の表面には、タッチ入力部からなる操作スイッチ群が形成されている。この操作スイッチ群には、冷蔵室温度設定スイッチやヒータ強弱設定スイッチが含まれる。
また、左扉13aには、図2に示すように、回動式の非金属材料例えば合成樹脂製の扉縦仕切体23が設けられている。扉縦仕切体23は、左扉13aと右扉13bを閉じた時に、右扉13bとの隙間を埋めるためのものである。
図3に示すように、冷蔵庫本体12の外箱121と内箱122との間には、図示しない空洞が形成されている。この空洞には、ウレタンを注入して発泡させた発泡ウレタンが充填されている。発泡ウレタンは、高い断熱性により冷蔵庫11内と外気との断熱を図ることができる。
【0013】
冷蔵室13と製氷室14、上部冷凍室15の間には、これらの横方向を仕切る第1上部仕切部としての上部仕切部31が配置されている。製氷室14、上部冷凍室15と下部冷凍室16の間には、これらの横方向を仕切る第2仕切部としての中部仕切部32が配置されている。下部冷凍室16と野菜室17の間には、これらの横方向を仕切る下部仕切部33が配置されている。さらに、製氷室14と上部冷凍室15の間には、これらの縦方向を仕切る縦仕切部34が配置されている。
【0014】
図4は、図3の上部仕切部31を拡大して示す分解斜視図である。図4に示すように、上部仕切部31は、断面がコ字状の前仕切カバー31aと後仕切カバー31bを合体し構成されている。内底面が対向する状態で合体させた前仕切カバー31aと後仕切カバー31bの間には、空洞31cが形成される。
【0015】
図5は、図3要部を拡大して示す分解斜視図である。図5に示すように、中部仕切部32は、断面がコ字状の前仕切カバー32aと後仕切カバー32bを合体し構成されている。内底面が対向する状態で合体させた前仕切カバー32aと後下仕切カバー32bの間には、空洞32cが形成されている。
【0016】
図5に示すように、縦仕切部34は、断面がコ字状の前仕切カバー34aと後仕切カバー34bを合体し構成されている。内底面が対向する状態で合体させた前仕切カバー34aと後仕切カバー34bの間には、空洞34cが形成される。縦仕切部34は、上部仕切部31と中部仕切部32との間に配置され、製氷室14、上部冷凍室15を縦方向に仕切る一部として構成されている。
【0017】
図4に示すように、上部仕切部31の前仕切カバー31aには、長手方向の上下外側面に係合鍔31a1が一体形成されている。前仕切カバー31aには、長手方向の上下の複数個所に弾性の係合孔31a2が一体的に形成されている。
【0018】
上部仕切部31の後仕切カバー31bの長手方向開口部311付近の上下側面には、係合鍔31a1が係合可能な複数の係合溝31b1が一体的に形成されている。後仕切カバー31bの係合溝31b1の間には、係合孔31a2が係合可能な係合爪31b2が一体的に形成されている。
【0019】
図5に示すように、中部仕切部32の前仕切カバー32aには、長手方向の上下に係合鍔32a1が一体形成されている。前仕切カバー32aには、長手方向の上下の複数個所に弾性の係合孔32a2が一体的に形成されている。
【0020】
中部仕切部32の後仕切カバー32bの長手方向開口部321付近の上下外側面には、係合鍔32a1が係合可能な複数の係合溝32b1が一体的に形成されている。後仕切カバー32bの係合溝32b1の間には、係合孔32a2が係合可能な係合爪32b2が一体的に形成されている。
【0021】
縦仕切部34の前仕切カバー34aには、長手方向の上下に係合鍔34a1が一体形成されている。前仕切カバー34aには、長手方向の上下の複数個所に弾性の係合孔34a2が一体的に形成されている。
【0022】
縦仕切部34の後仕切カバー34bの長手方向開口部341付近の左右外側面には、係合鍔34a1が係合可能な複数の係合溝34b1が一体的に形成されている。後仕切カバー34bの係合溝34b1の間には、係合孔34a2が係合可能な係合爪34b2が一体的に形成されている。
【0023】
図示しないが、下部仕切部33には、前仕切カバーと後仕切カバーの成形品を合体させて構成されている。前仕切カバーと後仕切カバーの間には、空洞が形成されている。また、下部仕切部33の前仕切カバーには、係合鍔と係合孔が一体的に形成されている。下部仕切部33の後仕切カバーには、係合溝と係合爪が一体的に形成されている。
【0024】
図示しないが、上部仕切部31、中部仕切部32、縦仕切部34の前面には、化粧パネルが取着されている。
【0025】
図6は、図5の中部仕切部32の前仕切カバー32aと後仕切カバー32bおよび縦仕切部34の前仕切カバー34aと後仕切カバー34bを合体させた状態の要部切欠斜視図を示す。図7は、図6のIa−Ib線に沿った中部仕切部32の断面図を示す。
【0026】
図6および図7において、前仕切カバー32aの係合鍔32a1は、後仕切カバー32bの係合溝32b1と嵌合する。このときに、前仕切カバー32aの係合孔32a2は、後仕切カバー32bの係合爪32b2を、弾性に抗して乗り越える。乗り越えた後の係合爪32b2と係合孔32a2は嵌合する。これにより、前仕切カバー32aと後仕切カバー32bは合体され、中部仕切部32を構成する。
【0027】
合体後の前仕切カバー32aと後仕切カバー32bは、後仕切カバー32b内に一体的に形成された取付用ダボ32dに前仕切カバー32aを介してネジ32eを用いて確実に取着する。
【0028】
図8は、縦仕切部34の図6のIIa−IIb線に沿った断面図を示す。
【0029】
図6および図8において、前仕切カバー34aの係合鍔34a1は、後仕切カバー34bの係合溝34b1と嵌合する。このときに、前仕切カバー34aの係合孔34a2は、後仕切カバー34bの係合爪34b2を、弾性に抗して乗り越える。乗り越えた後の係合爪34b2と係合孔34a2は嵌合する。これにより、前仕切カバー34aと後仕切カバー34bは合体され、縦仕切部34を構成する。
【0030】
合体後の前仕切カバー34aと後仕切カバー34bは、後仕切カバー34b内に一体的に形成された取付用ダボ34dに前仕切カバー34aを介してネジ34eを用いて確実に取着する。
【0031】
なお、図4に示す上部仕切部31の前仕切カバー31aと後仕切カバー31bについても同様に合体する。前仕切カバー31aの係合鍔34a1を、後仕切カバー34bの係合溝34b1に嵌合する。前仕切カバー31aの係合孔31a2を、後仕切カバー34bの係合爪34b2に嵌合する。これにより、前仕切カバー31aと後仕切カバー31bは合体し、上部仕切部31を構成する。合体後の前仕切カバー31aと後仕切カバー31bは、後仕切カバー31b内に一体的に形成された取付用ダボ31dに前仕切カバー31aを介してネジ31eを用いて確実に取着する。
【0032】
仕切部31,32,34の空洞31c,32c,34c、それに下部仕切部33の空洞には、外箱121と内箱122に形成された空洞と連通されている。図7および図8に示すように、これら空洞には、ウレタンを注入して発泡させた発泡ウレタンPUが充填されている。発泡ウレタンPUは、高い断熱性により各仕切部31〜34間の断熱を図ることができる。
【0033】
各仕切部31〜34の各空洞は、外箱121と内箱122に形成された空洞と連通されている。各仕切部31〜34の発泡ウレタン充填による断熱構造は、外箱121と内箱122の空洞の発泡ウレタン充填による断熱構造と同作業工程により形成される。なお、図6の切欠斜視図での発泡ウレタン充填の図示の状態は省略してある。
【0034】
このように、縦仕切部34は、前仕切カバー34aと後仕切カバー34bを前後に分離した状態で形成し、前仕切カバー34aと後仕切カバー34bを合体して構成するようにした。縦仕切部34の空洞34cは、上部仕切部31の空洞31cや中部仕切部32の空洞32cと連結した状態に形成することができる。これにより、空洞34cには、空洞31c,32c等と同じ作業工程で、ウレタンの注入が可能となる。
【0035】
この実施形態では、製氷室と隣り合う冷凍室を仕切る縦仕切部にも断熱効果の高いウレタン発泡材を充填することができるようにした。これによりウレタン発泡材による断熱効果の向上により、省エネ効果を向上させることが可能となる。
【0036】
(第2の実施形態)
図9は、第2の実施形態にかかる冷蔵庫について説明するための断面図である。この実施形態は、発泡ウレタン充填時に各仕切部の膨らみを防止するものである。
【0037】
すなわち、中部仕切部32の前仕切カバー32a長手方向の内面の上部と底部には、切欠部91が形成された複数のリブ92が一体的に形成されている。後仕切カバー32b長手方向の内面の下部と底部には、切欠部93が形成された複数のリブ94が一体的に形成されている。切欠部91と93には、断面コ字状で長尺の拡がり抑制部材95の対向する係止部951,952が係合されている。
【0038】
拡がり抑制部材95の係止部951,952が切欠部91,93に係止された場合は、拡がり抑制部材95の作用により、前仕切カバー32aと後仕切カバー32bの間隔は広がらなくなる。この状態でウレタンを注入し、発泡させた場合は、ウレタンの発泡があっても拡がり抑制部材95の作用により、前仕切カバー32aと後仕切カバー32bの膨らみを抑えることができる。
【0039】
この実施形態では、ウレタンが注入される空洞を形成する仕切部が発泡時に膨らむことを防止することができる。これにより、仕切部の膨張による扉の開閉や膨らむことによる商品性の低下を防ぐことが可能となる。
【0040】
なお、この実施形態では、中部仕切部32を例に挙げた。上部仕切部31、下部仕切部33、縦仕切部34にも同手段を適用することにより、冷蔵庫全体の仕切部の膨らみによる弊害を抑えることができる。
【0041】
図9に示す前仕切カバー32aと拡がり抑制部材95は、間隔が開いた状態にある。係止部951,952を切欠部91,93に係止した状態では、前仕切カバー32aと拡がり抑制部材95の間隔を持たない位置関係とする。この場合は、拡がり抑制部材95が切欠部91,93から外れることを防止することができる。
【0042】
また、前仕切カバー32aと拡がり抑制部材95の間隔が図9の状態の場合は、前仕切カバー32aあるいは拡がり抑制部材95の一部が相手方に当接する形状とする。この場合は、拡がり抑制部材95が切欠部91,93から外れることを防止することができる。
【0043】
(第3の実施形態)
この実施形態は、上部仕切部31、中部仕切部32、縦仕切部34を前後に分割した前仕切カバーと後仕切カバーをそれぞれ一体的にH形状に形成した。前仕切カバーと後仕切カバーを合体すると、上部仕切部31、中部仕切部32、縦仕切部34の各空洞は連通状態となる。この連通の空洞を通してウレタンを注入し発泡させることで断熱構造を実現する。
【0044】
この実施形態では、上部仕切部、中部仕切部、縦仕切部の前仕切カバーと後仕切カバーは一体的に形成した。これにより、上部仕切部、中部仕切部、縦仕切部を構成する部品点数の削減に加え、これらを形成するための作業時間の削減も可能となる。
【0045】
なお、中部仕切部32と縦仕切部34を前後に分割した前仕切カバーと後仕切カバーとをそれぞれ一体的にT形状に形成する、あるいは、上部仕切部31と縦仕切部34を前後に分割した前仕切カバーと後仕切カバーとをそれぞれ一体的にT形状に形成してもよい。
【0046】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0047】
11 冷蔵庫
12 冷蔵庫本体
121 外箱
122 内箱
31 上部仕切部
32 中部仕切部
33 下部仕切部
34 縦仕切部
31a,32a,34a 前仕切カバー
31b,32b,34b 後仕切カバー
31c,32c,34c 空洞
31a1,32a1,34a1 係合鍔
31a2,32a2,34a2 係合孔
31b1,32b1,34b1 係合溝
31b2,32b2,34b2 係合爪
PU 発泡ウレタン
91,93 切欠部
92,94 リブ
95 拡がり抑制部材
951,952 係止部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9