(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
データ信号の論理レベルに基づいて第1の論理信号を出力する第1の論理回路と、前記第1の論理信号に基づく第2の論理信号を前記第1の論理回路に対して出力する第2の論理回路と、を備えて前記データ信号の論理レベルを保持して出力信号として出力するデータ保持部と、
前記第1の論理回路から出力された前記第1の論理信号の論理レベルを第1の記憶データとして記憶する第1の強誘電体素子部と、前記第2の論理回路から出力された前記第2の論理信号の論理レベルを第2の記憶データとして記憶する第2の強誘電体素子部と、を備えた強誘電体記憶部と、
前記第1の論理回路から出力された前記第1の論理信号の前記第1の強誘電体素子部への伝達を制御する第1の伝達制御回路と、前記第2の論理回路から出力された前記第2の論理信号の前記第2の強誘電体素子部への伝達を制御する第2の伝達制御回路と、を備えた第1の伝達制御部と、
前記第1の強誘電体素子部と前記第2の論理回路との接続点の第1のノードに形成されて前記第1の強誘電体素子部から出力される前記第1の記憶データの前記第2の論理回路への伝達を制御する第3の伝達制御回路と、前記第2の強誘電体素子部と前記第1の論理回路との接続点の第2のノードに形成されて前記第2の強誘電体素子部から出力される前記第2の記憶データの前記第1の論理回路への伝達を制御する第4の伝達制御回路と、を備えた第2の伝達制御部と、
前記第3の伝達制御回路と前記第2の論理回路との接続点の第3のノードに接続されて前記第2の論理回路に第1のテスト電圧を供給する制御を行う第1のテスト電圧供給制御回路と、前記第4の伝達制御回路と前記第1の論理回路との接続点の第4のノードに接続されて前記第1の論理回路に第2のテスト電圧を供給する制御を行う第2のテスト電圧供給制御回路と、を備えたテスト電圧供給制御部と、
を有することを特徴とするデータ保持制御回路。
電源から供給される電源電圧によって駆動し、前記第1の伝達制御部と、前記第2の伝達制御部と、前記テスト電圧供給制御部と、を制御する制御部を有することを特徴とする請求項1に記載のデータ保持制御回路。
前記第1の伝達制御回路は、一端が前記第1の論理回路の出力端子に接続され、他端が前記第1の強誘電体素子部の一端に接続され、制御端子が前記制御部に接続されており、
前記第1の強誘電体素子部は、他端が制御部に接続されており、
前記第3の伝達制御回路は、一端が前記第1の強誘電体素子部の一端に接続され、他端が前記第1の論理回路と電気的に接続され、制御端子が前記制御部に電気的に接続されており、
前記第2の伝達制御回路は、一端が前記第2の論理回路の出力端子に接続され、他端が前記第2の強誘電体素子部の一端に接続され、制御端子が前記制御部に接続されており、
前記第2の強誘電体素子部は、他端が制御部に接続されており、
前記第4の伝達制御回路は、一端が前記第2の強誘電体素子部の一端に接続され、他端が前記第2の論理回路と電気的に接続され、制御端子が前記制御部に電気的に接続されていることを特徴とする請求項2又は3に記載のデータ保持制御回路。
前記論理信号伝達ステップと、前記記憶制御ステップと、はリセット回路にて前記電源電圧が第1の基準電圧以下となったことを検出して出力された第1のリセット信号を前記制御部が受信した場合に実行されることを特徴とする請求項9に記載のデータ書込方法。
【背景技術】
【0002】
フリップフロップなどのレジスタに保持されたデータを電源遮断後に復元する手段として、例えば特許文献1には、強誘電体素子を用いたデータ保持制御回路が開示されている。
【0003】
図5は、従来のデータ保持制御回路30を模式的に示したものである。データ保持制御回路30は、制御部13aとデータ保持回路13bとを備えている。
【0004】
制御部13aは、データ保持回路13bに対して制御信号SDS11と、制御信号SKS11と、制御信号SKS12と、制御信号SK11と、制御信号SK12と、を送信する。
【0005】
データ保持回路13bは、データ保持部M11と、伝達制御部DS11と、強誘電体記憶部K11と、強誘電体制御部KS11と、センスアンプSA11と、を備えている。
【0006】
データ保持部M11は、トランジスタNc11と、論理回路NAND11と、論理回路NAND12と、を備えている。
【0007】
トランジスタNc11は、入力端子DTin11から入力されたデータ信号Din11を、制御部13aから出力されて入力端子TCLK11からゲート端子Gに入力されるクロック信号CLK11の例えば立ち上がりのタイミングで論理回路NAND11に伝送する。
【0008】
論理回路NAND11は、データ信号Din11の論理レベルを反転させて論理信号Nout11を出力する。論理回路NAND12は、出力信号Nout11を反転させて論理信号Nout12を出力する。
【0009】
データ保持部M11は、論理回路NAND11と論理回路NAND12との間で論理信号Nout11と論理信号Nout12との出力信号を循環させることでデータ信号Din11に基づく論理レベルを保持して論理信号Nout11をインバータINV11にて反転して出力端子Dout11に出力信号Dout11として出力する。
【0010】
伝達制御部DS11は、論理回路NOR11と、論理回路NOR12と、を備えている。論理回路NOR11の論理信号Nout11の伝送と論理回路NOR12の論理信号Nout12の伝送とは、制御部13aから出力される制御信号SDS11によって制御される。
【0011】
強誘電体記憶部K11は、強誘電体素子C11と、強誘電体素子C12と、を備えている。
【0012】
強誘電体素子C11は、正極端が制御部13aに接続され、負極端が論理回路NOR11の出力端子に接続されており、論理信号Nout11の論理レベルを記憶データKD11として保持する。ここで、強誘電体素子C11の負極端と論理回路NOR11との接続点をNd11と称する。
【0013】
強誘電体素子C12は、正極端が制御部13aに接続され、負極端が論理回路NOR12の出力端子に接続されており、論理信号Nout12の論理レベルを記憶データKD12として保持する。ここで、強誘電体素子C12の負極端と論理回路NOR12との接続点をNd12と称する。
【0014】
強誘電体制御部KS11は、トランジスタN11と、トランジスタN12と、を備えている。
【0015】
トランジスタN11は、ゲート端子Gが制御部13aに接続されて制御信号SKS11の供給を受け、ドレイン端子Dが論理回路NOR11と強誘電体素子C11の負極端との接続点であるノードNd11よりも論理回路NOR11の出力端子に近いノードNd13に接続され、ソース端子Sが制御部13aと強誘電体素子C11の正極端と接続されている。トランジスタN11は、制御信号SKS11によってオンオフし、これにより強誘電体素子C11の両端を短絡させるか否かを制御する。
【0016】
トランジスタN12は、ゲート端子Gが制御部13aに接続されて制御信号SKS12の供給を受け、ドレイン端子Dが論理回路NOR12と強誘電体素子C12の一端との接続点であるノードNd12よりも論理回路NOR12の出力端子に近いノードNd14に接続され、ソース端子Sが強誘電体素子C12の正極端と接続されている。トランジスタN12は、制御信号SKS12によってオンオフし、これにより強誘電体素子C12の両端を短絡させるか否かを制御する。
【0017】
センスアンプSA11は、制御部13aから出力される制御信号SSA11により駆動される。センスアンプSA11は、強誘電体素子C11に保持された記憶データKD11が入力端子SAin11に入力され、強誘電体素子C12に保持された記憶データKD12が入力端子SAin12に入力される。センスアンプSA11は、制御信号SSA11がハイレベルの場合に、入力端子SAin11に入力された記憶データKD11と入力端子SAin12に入力された記憶データKD12とを比較し、記憶データKD11が記憶データKD12よりも大きい場合には出力信号SSAout11をハイレベルとして論理回路NAND12に供給し且つ出力信号SSAout12をローレベルとして論理回路NAND11に供給し、記憶データKD11が記憶データKD12よりも小さい場合には出力信号SSAout11をローレベルとして論理回路NAND12に供給し且つ出力信号SSAout12をハイレベルとして論理回路NAND11に供給する。
【0018】
図5に示したデータ保持制御回路30における通常動作、すなわちデータ信号Din11をデータ保持部M11にて保持して出力信号Dout11として出力する動作は、制御信号SDS11をローレベルとしてデータ保持部M11と強誘電体記憶部K11との電気的な接続を遮断した状態で行う。
【0019】
図5に示したデータ保持制御回路30における強誘電体記憶部K11の強誘電体素子C11の特性テストとしては、制御信号SDS11をローレベルとして論理信号Nout11の強誘電体素子C11への伝達を遮断し且つ論理信号Nout12の強誘電体素子C12への伝達を遮断することで行う。そして、例えば強誘電体素子C11の特性テストを行う場合には、制御信号SKS11をローレベルとしてトランジスタN11をオフさせ、制御信号SKS12をハイレベルとしてトランジスタN12をオンさせた状態として制御部13aから制御信号SK12として所定の電圧レベルを備えたテスト電圧を出力する。このとき、センスアンプSA11の入力端子SAin11には強誘電体素子C11の記憶データKD11が入力され、入力端子SAin12には、制御部13aから出力されてトランジスタN12を介して制御信号SKS12が入力される。センスアンプSA11は、制御信号SKS12と記憶データKD11との比較に基づいて出力信号SSAout11を論理回路NAND12に出力するとともに出力信号SSAout12を論理回路NAND11に出力する。そして、テスト電圧Vt11を順次変化させることで得られる出力信号Dout11の変化を検出することで、強誘電体素子C11に記憶された記憶データKD11の電圧レベルを検出し、これにより、強誘電体素子C11の特性テストを行う。なお、強誘電体素子C12の特性テストについても同様である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を参照して本発明の実施形態につき説明する。なお、以下で説明する数値や回路等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜選択可能である。
【0034】
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる電子機器10を示している。電子機器10は、電源1と、リセット回路2と、データ保持制御回路3と、を備えている。
【0035】
電源1は、リセット回路2とデータ保持制御回路3とに電源電圧VDDを供給する。電源電圧VDDは、定格電圧が例えば10Vであるとする。
【0036】
リセット回路2は、電源1と接続されて電源1から供給される電源電圧VDDの電圧レベルを監視し、該監視結果に基づくリセット信号RSTを出力する。リセット回路2は、電源電圧VDDが第1の基準電圧としての例えば8Vの基準電圧Vref1よりも小さくなったことを検出した場合には第1のリセット信号としてローレベルのリセット信号RSTを出力し、電源電圧VDDが第2の基準電圧としての例えば2Vの基準電圧Vref2よりも大きくなったことを検出した場合には第2のリセット信号としてハイレベルのリセット信号RSTを出力する。
【0037】
データ保持制御回路3は、制御部3aと、データ保持回路3bと、を備えており、半導体チップに内蔵されている。また、データ保持制御回路3は、外部から伝送されるデータ信号Dinが入力される入力端子Tin1と、電源1から電源電圧VDDが供給される入力端子Tin2と、リセット回路2からリセット信号RSTが入力される入力端子Tin3と、出力端子Toutと、を備えている。また、入力端子Tin1、入力端子Tin2、入力端子Tin3、及び出力端子Toutは、それぞれが半導体チップに配設された第1の電極パッド、第2の電極パッド、第3の電極パッド、及び第4の電極パッドに接続されている。
【0038】
制御部3aは、電源電圧VDDによって駆動し、データ保持回路3bに対して、クロック信号CLKと、第1の伝達制御信号としての制御信号SDS1と、制御信号SKSと、第1の記憶制御信号としての制御信号SK1及び制御信号SK2と、第2の記憶制御信号としての制御信号SK3及び制御信号SK4と、第2の伝達制御信号としての制御信号SDS2と、第3の伝達制御信号としての制御信号SDS3と、第1のテスト電圧としての制御信号STS1と、第2のテスト電圧としての制御信号STS2と、制御信号SSAと、を出力して種々制御を行う。なお、各制御信号の特性については後述する。
【0039】
データ保持回路3bは、データ保持部Mと、強誘電体記憶部Kと、第1の伝達制御部としての伝達制御部DS1と、記憶制御部KSと、第2の伝達制御部としての伝達制御部DS2と、テスト電圧供給制御部TSと、センスアンプSAと、を備えている。また、データ保持制御部3bは、外部との電気的な接続を図る端子として、入力端子Tin1に接続された入力端子DTinと、制御部3aに接続されてクロック信号CLKが入力される入力端子Tclkと、出力端子Toutに接続された出力端子Doutと、を備えている。
【0040】
データ保持部Mは、トランジスタNc1と、論理回路NAND1と、論理回路NAND2と、インバータINV1と、を備えている。
【0041】
トランジスタNc1は、ソース端子Sが入力端子Dinに接続され、ゲート端子Gが入力端子Tclkに接続されている。トランジスタNc1は、入力端子Tclkからゲート端子Gに入力されるクロック信号CLKによって、外部から入力端子Tinに入力されて入力端子Dinを介してソース端子Sに入力されるデータ信号Dinを伝達させる制御を行う。
【0042】
論理回路NAND1は、第1の入力端子がトランジスタNc1のドレイン端子Dに接続されており、第1の入力端子に入力されたデータ信号Dinの論理レベルを反転して出力端子から第1の論理信号としての論理信号Nout1を出力する。
【0043】
論理回路NAND2は、第1の入力端子が論理回路NAND1の出力端子に接続されており、第1の入力端子に入力された論理信号Nout1の論理レベルを反転して出力端子から第2の論理信号としての論理信号Nout2を出力する。また、論理回路NAND2の出力端子は論理回路NAND1の第1の入力端子に接続されており、論理信号Nout2は論理回路NAND1の第1の入力端子に入力される。
【0044】
データ保持部Mは、以上の構成を備えて、論理回路NAND1から出力された論理信号Nout1を論理回路NAND2の第1の入力端子に入力し、論理回路NAND2から出力された論理信号Nout2を論理回路NAND1の第1の入力端子に入力する動作を繰り返すことによって、データ信号Dinの論理レベルを保持する。
【0045】
また、データ保持部Mは、論理回路NAND1から出力された論理信号Nout1をインバータINV1にて反転して出力信号Doutを出力する。これにより、データ保持部M、ひいてはデータ保持回路3bは、外部から入力されたデータ信号Dinの論理レベルを保持して出力信号Doutを出力する。
【0046】
伝達制御部DS1は、論理回路NAND1から出力された論理信号Nout1の強誘電体記憶部Kへの伝達を制御する第1の伝達制御回路としてのトランジスタN1と、論理回路NAND2から出力された論理信号Nout2の強誘電体記憶部Kへの伝達を制御する第2の伝達制御回路としてのトランジスタN2と、を備えている。
【0047】
トランジスタN1は、NMOSトランジスタであり、一端としてのソース端子Sが論理回路NAND1の出力端子に接続されて論理信号Nout1が入力され、制御端子としてのゲート端子Gが制御部3aに接続されて制御部3aからゲート端子Gに入力される制御信号SDS1によりオンオフが制御される。トランジスタN1は、例えば1.5Vでハイレベルの制御信号SDS1がゲート端子Gに入力された場合にはオンして論理回路NAND1から出力された論理信号Nout1をドレイン端子Dから出力して次段の強誘電体記憶部Kに伝達し、例えば0Vでローレベルの制御信号SDS1がゲート端子Gに入力された場合にはオフして論理信号Nout1の次段の強誘電体記憶部Kへの伝達を停止する制御を行う。なお、以下ではローレベルの信号は例えば全て0Vであるとする。
【0048】
トランジスタN2は、NMOSトランジスタであり、一端としてのソース端子Sが論理回路NAND2の出力端子に接続されて論理信号Nout2が入力され、制御端子としてのゲート端子Gが制御部3aに接続されて制御部3aからゲート端子Gに入力される制御信号SDS1によりオンオフが制御される。トランジスタN2は、例えば1.5Vでハイレベルの制御信号SDS1がゲート端子Gに入力された場合にはオンして論理回路NAND2から出力された論理信号Nout2をドレイン端子Dから出力して次段の強誘電体記憶部Kに伝達し、ローレベルの制御信号SDS1がゲート端子Gに入力された場合にはオフして論理信号Nout2の次段の強誘電体記憶部Kへの伝達を停止する制御を行う。
【0049】
強誘電体記憶部Kは、強誘電体素子C1と強誘電体素子C2とを備えて構成されて論理回路NAND1から出力された論理信号Nout1の論理レベルを第1の記憶データとしての記憶データKD1を保持して出力する第1の強誘電体素子部としての強誘電体素子部K1と、強誘電体素子C3と強誘電体素子C4とを備えて構成されて論理回路NAND2から出力された論理信号Nout2の論理レベルを第2の記憶データとしての記憶データKD2を保持して出力する第2の強誘電体素子としての強誘電体素子部K2と、を備えている。
【0050】
強誘電体素子C1は、正極端がトランジスタN1の他端としてのドレイン端子Dに接続されており、論理回路NAND1から出力された論理信号Nout1がトランジスタN1の制御によって入力される。また、強誘電体素子C1は、負極端が制御部3aに接続されて制御信号SK1が入力される。制御信号SK1は、例えば1.5Vでハイレベル又はローレベルのいずれかの論理信号である。ここで、強誘電体素子C1の正極端とトランジスタN1のドレイン端子Dとの接続点をノードNd1と称する。
【0051】
強誘電体素子C1は、正極端に論理信号Nout1が印加され、負極端に論理信号Nout1とは論理レベルが異なる制御信号SK1が印加された場合に残留分極状態が反転状態と非反転状態との間で遷移し、これにより論理信号Nout1に基づくデータを記憶する。
【0052】
強誘電体素子C2は、負極端がトランジスタN1のドレイン端子DとノードNd1にて接続されており、論理回路NAND1から出力された論理信号Nout1がトランジスタN1の制御によって入力される。また、強誘電体素子C2は、正極端が制御部3aに接続されて制御信号SK2が入力される。制御信号SK2は、例えば1.5Vでハイレベル又はローレベルのいずれかの論理信号である。
【0053】
強誘電体素子C2は、負極端に論理信号Nout1が印加され、正極端に論理信号Nout1とは論理レベルが異なる制御信号SK2が印加された場合に、残留分極状態が反転状態と非反転状態との間で遷移し、これにより論理信号Nout1に基づくデータを記憶する。
【0054】
ここで、強誘電体素子部K1の一端としての強誘電体素子C1の正極端と強誘電体素子C2の負極端とはノードNd1にて接続されている。このため、強誘電体素子部K1が記憶して出力する記憶データKD1の論理レベルは、強誘電体素子C1と強誘電体素子C2とに記憶されたデータとの関係によって決定される。本実施形態にかかるデータ保持回路3bにおいては、強誘電体素子C1の容量値よりも強誘電体素子C2の容量値の方が大きい場合には、記憶データKD1はローレベルとなり、強誘電体素子C1の容量値よりも強誘電体素子C2の容量値の方が小さい場合には、記憶データKD1はハイレベルとなる。なお、強誘電体素子C1の負極端と強誘電体素子C2の正極端を、強誘電体素子部K1の他端と称する。
【0055】
また、論理回路NAND1から出力された論理信号Nout1の強誘電体素子部K1への伝達は、トランジスタN1により制御されている。
【0056】
強誘電体素子C3は、正極端がトランジスタN2の他端としてのドレイン端子Dに接続されており、論理回路NAND2から出力された論理信号Nout2がトランジスタN2の制御によって入力される。また、強誘電体素子C3は、負極端が制御部3aに接続されて制御信号SK3が入力される。制御信号SK3は、例えば1.5Vでハイレベル又はローレベルのいずれかの論理信号である。ここで、強誘電体素子C3の正極端とトランジスタN2のドレイン端子Dとの接続点をノードNd2と称する。
【0057】
強誘電体素子C3は、正極端に論理信号Nout2が印加され、負極端に論理信号Nout2とは論理レベルが異なる制御信号SK3が印加された場合に、残留分極状態が反転状態と非反転状態との間で遷移し、これにより論理信号Nout2に基づくデータを記憶する。
【0058】
強誘電体素子C4は、負極端がトランジスタN2のドレイン端子DとノードNd2にて接続されており、論理回路NAND2から出力された論理信号Nout2がトランジスタN2の制御によって入力される。また、強誘電体素子C4は、正極端が制御部3aに接続されて制御信号SK4が入力される。制御信号SK4は、例えば1.5Vでハイレベル又はローレベルのいずれかの論理信号である。
【0059】
強誘電体素子C4は、負極端に論理信号Nout2が印加され、正極端に論理信号Nout2とは論理レベルが異なる制御信号SK4が印加された場合に、残留分極状態が反転状態と非反転状態との間で遷移し、これにより論理信号Nout2に基づくデータを記憶する。
【0060】
ここで、強誘電体素子C3の正極端と強誘電体素子C4の負極端とはノードNd2にて接続されている。このため、強誘電体素子部K2が記憶して出力する記憶データKD2の論理レベルは、強誘電体素子C3と強誘電体素子C4とに記憶されたデータとの関係によって決定される。本実施形態にかかるデータ保持回路3bにおいては、強誘電体素子C3の容量値よりも強誘電体素子C4の容量値の方が大きい場合には、記憶データKD2はローレベルとなり、強誘電体素子C3の容量値よりも強誘電体素子C4の容量値の方が小さい場合には、記憶データKD2はハイレベルとなる。なお、強誘電体素子C3の負極端と強誘電体素子C4の正極端を、強誘電体素子部K2の他端と称する。
【0061】
また、論理回路NAND2から出力された論理信号Nout2の強誘電体素子部K2への伝達は、トランジスタN2により制御されている。
【0062】
記憶制御部KSは、トランジスタN3と、トランジスタN4と、を備えた記憶制御部KS1と、トランジスタN5と、トランジスタN6と、を備えた記憶制御部KS2と、を備えている。
【0063】
トランジスタN3は、NMOSトランジスタであり、ソース端子SがトランジスタN1のドレイン端子とノードNd1との接続点であるノードNd3に接続され、ドレイン端子Dが強誘電体素子C1の負極端に接続され、ゲート端子Gが制御部3aに接続されて制御信号SKSが入力される構成となっている。トランジスタN3は、制御部3aから例えば1.5Vでハイレベルの制御信号SKSが供給された場合にはオンして強誘電体素子C1の正極端と負極端とを短絡させ、これにより強誘電体素子C1の正極端と負極端とに電位差が発生することを防止し、ひいては強誘電体素子C1への予期せぬデータの書き込みを防止する。
【0064】
トランジスタN4は、NMOSトランジスタであり、ソース端子Sが強誘電体素子C2の正極端に接続され、ドレイン端子DがノードNd3に接続され、ゲート端子Gが制御部3aに接続されて制御信号SKSが入力される構成となっている。トランジスタN4は、制御部3aから例えば1.5Vでハイレベルの制御信号SKSが供給された場合にはオンして強誘電体素子C2の正極端と負極端とを短絡させ、これにより強誘電体素子C2の正極端と負極端とに電位差が発生することを防止し、ひいては強誘電体素子C2への予期せぬデータの書き込みを防止する。
【0065】
トランジスタN5は、NMOSトランジスタであり、ソース端子SがトランジスタN2のドレイン端子とノードNd2との接続点であるノードNd4に接続され、ドレイン端子Dが強誘電体素子C3の負極端に接続され、ゲート端子Gが制御部3aに接続されて制御信号SKSが入力される構成となっている。トランジスタN5は、制御部3aから例えば1.5Vでハイレベルの制御信号SKSが供給された場合にはオンして強誘電体素子C3の正極端と負極端とを短絡させ、これにより強誘電体素子C3の正極端と負極端とに電位差が発生することを防止し、ひいては強誘電体素子C3への予期せぬデータの書き込みを防止する。
【0066】
トランジスタN6は、NMOSトランジスタであり、ソース端子Sが強誘電体素子C4の正極端に接続され、ドレイン端子DがノードNd4に接続され、ゲート端子Gが制御部3aに接続されて制御信号SKSが入力される構成となっている。トランジスタN6は、制御部3aから例えば1.5Vでハイレベルの制御信号SKSが供給された場合にはオンして強誘電体素子C4の正極端と負極端とを短絡させ、これにより強誘電体素子C4の正極端と負極端とに電位差が発生することを防止し、ひいては強誘電体素子C4への予期せぬデータの書き込みを防止する。
【0067】
伝達制御部DS2は、第3の伝達制御回路としてのトランジスタN7と、第4の伝達制御回路としてのトランジスタN8と、を備えている。
【0068】
トランジスタN7は、NMOSトランジスタであり、一端としてのソース端子SがノードNd1とノードNd3とを介してトランジスタN1のドレイン端子Dに接続され、制御端子としてのゲート端子GがインバータINV2を介して制御部3aに接続されて制御信号SDS2を反転させた信号が入力される構成となっている。トランジスタN7は、制御部3aから出力された制御信号SDS2によってオンオフが制御され、これにより強誘電体素子C1から出力された記憶データKD1を次段のセンスアンプSAに伝達する制御を行う。トランジスタN7は、ゲート端子Gにローレベルの制御信号SDS2がインバータINV2によって反転された例えば1.5Vでハイレベルの信号が入力された場合にはオンして記憶データKD1を次段のセンスアンプSAに伝達し、ゲート端子Gに例えば1.5Vでハイレベルの制御信号SDS2がインバータINV2によって反転されたローレベルの信号が入力された場合にはオフして記憶データKD1の次段のセンスアンプSAへの出力を停止する。
【0069】
トランジスタN8は、NMOSトランジスタであり、一端としてのソース端子SがノードNd2とノードNd4とを介してトランジスタN2のドレイン端子Dに接続され、制御端子としてのゲート端子GがインバータINV3を介して制御部3aに接続されて制御信号SDS3を反転させた信号が入力される構成となっている。トランジスタN8は、制御部3aから出力された制御信号SDS3によってオンオフが制御され、これにより強誘電体素子C3から出力された記憶データKD2を次段のセンスアンプSAに伝達する制御を行う。トランジスタN8は、ゲート端子Gにローレベルの制御信号SDS3がインバータINV3によって反転された例えば1.5Vでハイレベルの信号が入力された場合にはオンして記憶データKD2を次段へ伝達し、ゲート端子Gに例えば1.5Vでハイレベルの制御信号STS2がインバータINV3によって反転されたローレベルの信号が入力された場合にはオフして記憶データKD2の次段への出力を停止する。
【0070】
テスト電圧供給制御部TSは、第1のテスト電圧供給制御回路としてのトランジスタN9と、第2のテスト電圧供給制御回路としてのトランジスタN10と、を備えている。
【0071】
トランジスタN9は、NMOSトランジスタであり、一端としてのソース端子Sが制御部3aと接続されて制御部3aから第1のテスト電圧としての制御信号STS1が入力され、制御端子としてのゲート端子Gが制御部3aと接続されて制御部3aから制御信号SDS2が入力され、他端としてのドレイン端子DがトランジスタN7の他端としてのドレイン端子Dと第3のノードとしてのノードNd5にて接続されている。トランジスタN9は、制御信号SDS2によってオンオフが制御されて、所定の電圧レベルを備えた制御信号STS1をノードNd5に対して供給する制御を行う。トランジスタN9は、制御信号SDS2が例えば1.5Vでハイレベルの場合にオンしてノードNd5に制御信号STS1を伝達し、制御信号SDS2がローレベルの場合にオフしてノードNd5への制御信号STS1の伝達を遮断する。なお、ノードNd5の電位を第1の電位と称し、第1の電位は、記憶データKD1又は制御信号STS1によって決まるものとする。
【0072】
トランジスタN10は、NMOSトランジスタであり、一端としてのソース端子Sが制御部3aと接続されて制御部3aから第2のテスト電圧としての制御信号STS2が入力され、制御端子としてのゲート端子Gが制御部3aと接続されて制御部3aから制御信号SDS3が入力され、他端としてのドレイン端子DがトランジスタN8の他端としてのドレイン端子Dと第4のノードとしてのノードNd6にて接続されている。トランジスタN10は、制御信号STS2によってオンオフが制御されて、所定の電圧レベルを備えた制御信号STS2をノードNd6に対して供給する制御を行う。トランジスタN10は、制御信号SDS3が例えば1.5Vでハイレベルの場合にオンしてノードNd6に制御信号STS2を伝達し、制御信号SDS3がローレベルの場合にオフしてノードNd6への制御信号STS2の伝達を遮断する。なお、ノードNd6の電位を第2の電位と称し、第2の電位は、記憶データKD2又は制御信号STS2によって決まるものとする。
【0073】
センスアンプSAは、ノードNd5を介してトランジスタN7のドレイン端子Dと接続された入力端子SAin1と、ノードNd6を介してトランジスタN8のドレイン端子Dと接続された入力端子SAin2と、論理回路NAND2の第2の入力端子に接続された出力端子SAout1と、論理回路NAND1の第2の入力端子に接続された出力端子SAout2と、を備えている。
【0074】
センスアンプSAにおいては、トランジスタN7がオンしている場合にトランジスタN7とノードNd3とを介して入力端子SAin1に強誘電体素子C1に記憶された記憶データKD1が第1の電位として入力され、トランジスタN7がオフし且つトランジスタN9がオンしている場合にトランジスタN9とノードNd5とを介して入力端子SAin1の制御信号STS1が第1の電位として入力される。また、センスアンプSAにおいては、トランジスタN8がオンしている場合にトランジスタN8とノードNd4とを介して入力端子SAin2に強誘電体素子C2に記憶された記憶データKD2が第2の電位として入力され、トランジスタN8がオフし且つトランジスタN10がオンしている場合にトランジスタN10とノードNd5とを介して入力端子SAin2の制御信号STS2が第2の電位として入力される。
【0075】
センスアンプSAは、入力端子SAin1に入力された第1の電位と入力端子SAin2に入力された第2の電位との比較に基づいて、第1の電位を増幅して出力信号SSAout1を出力端子SAout1から出力し、第2の電位を増幅して出力信号SSAout2を出力端子SAout2から出力する。センスアンプSAは、第1の電位が第2の電位よりも大きい場合には、出力端子SAout1から出力信号SSAout1を例えば1.5Vでハイレベルとして論理回路NAND2の第2の入力端子に供給し且つ出力端子SAout2から出力信号SSAout2をローレベルとして論理回路NAND1の第2の入力端子に供給し、第1の電位が第2の電位よりも小さい場合には、出力端子SAout1から出力信号SSAout1をローレベルとして論理回路NAND2にの第2の入力端子供給し且つ出力端子SAout2から出力信号SSAout2を例えば1.5Vでハイレベルとして論理回路NAND1の第2の入力端子に供給する。
【0076】
なお、センスアンプSAは、制御部3aから制御信号SSAの供給を受け、これにより駆動が制御される。センスアンプSAは、制御信号SSAが例えば1.5Vでハイレベルの場合に駆動し、ローレベルの場合は駆動を停止して出力端子SAout1からハイレベルの出力信号SSAout1を出力し、出力端子SAout2からハイレベルの出力信号SSAout2を出力する。
【0077】
ここで、トランジスタN7は、ソース端子SがノードNd1に接続され且つドレイン端子DがセンスアンプSAを介して論理回路NAND2に接続されている。言い換えれば、強誘電体素子部K1は、センスアンプSAとトランジスタN7とを介して論理回路NAND2に接続されている。さらに言い換えれば、トランジスタN7は、強誘電体素子部K1と論理回路NAND2との接続点の第1のノードに形成されている。トランジスタN7は、強誘電体素子部K1から出力される記憶データKD1の論理回路NAND2への伝達を制御する。
【0078】
トランジスタN8は、ソース端子SがノードNd2に接続され且つドレイン端子DがセンスアンプSAを介して論理回路NAND1に接続されている。言い換えれば、強誘電体素子部K2は、センスアンプSAとトランジスタN8とを介して論理回路NAND1に接続されている。さらに言い換えれば、トランジスタN8は、強誘電体素子部K2と論理回路NAND1との接続点の第2のノードに形成されている。トランジスタN8は、強誘電体素子部K2から出力される記憶データKD2の論理回路NAND1への伝達を制御する。
【0079】
トランジスタN9は、ソース端子Sが制御部3aと接続されている。また、トランジスタN9のドレイン端子Dは、ノードNd5と接続、言い換えれば、トランジスタN7と、センスアンプSAを介した論理回路NAND2と、の接続点のノードNd5に接続されている。トランジスタN9は、論理回路NAND2にセンスアンプSAを介して制御信号STS1を供給する制御を行う。
【0080】
トランジスタN10は、ソース端子Sが制御部3aと接続されている。また、トランジスタN10のドレイン端子Dは、ノードNd6と接続、言い換えれば、トランジスタN8と、センスアンプSAを介した論理回路NAND1と、の接続点のノードNd6に接続されている。トランジスタN10は、論理回路NAND1にセンスアンプSAを介して制御信号STS2を供給する制御を行う。
【0081】
図2は、
図1に示した電子機器10の各信号波形の一連の動作例を示したタイミングチャートである。電子機器10は、時刻t0〜t5と時刻t9〜t12と時刻t13以降の期間Aで通常動作、時刻t5〜t7の期間Bでデータ書込動作、時刻t7〜t8の期間Cで電源電圧VDDがデータ保持制御回路3の動作電圧に満たない状態、時刻t8〜t9の期間Dでデータ読出動作、時刻t12〜t13の期間Eで強誘電体記憶部の特性テスト動作、をそれぞれ行っている。なお、
図2における時刻t0〜t13は、各信号波形に対して共通である。また、各信号波形については、特に言及しない場合には直前の時刻までの信号波形を維持しているものとする。また、斜線部は論理レベルが不定又は流動的であることを示している。
【0082】
時刻t0〜t5では、電子機器10は通常動作を行う。通常動作とは、外部から伝送されたデータ信号Dinをデータ保持部Mにて保持し、出力信号Doutを出力する動作である。
【0083】
時刻t0で、電源電圧VDDは定格電圧の10Vとなっている。リセット信号RSTはハイレベルであり、クロック信号CLKはローレベルとなっている。また、ローレベルのデータ信号Dinが入力端子Tin1に入力されてデータ保持部Mで保持された状態となっており、ローレベルの出力信号Doutが出力端子Toutから出力されている。データ保持部Mにてローレベルのデータ信号Dinが保持されていることから、論理信号Nout1はハイレベル、論理信号Nout2はローレベルとなっている。制御信号SDS1がローレベルで、トランジスタN1とトランジスタN2とはオフされている。制御信号SKSがハイレベルで、トランジスタN3〜N6がオンされている。制御信号SK1〜SK4がローレベルで、強誘電体素子C1〜C4へのデータの書き込みが停止された状態となっている。制御信号SDS2と制御信号SDS3とがハイレベルで、トランジスタN7とトランジスタN8とがオフされた状態となっており、センスアンプSAの入力端子SAin1と入力端子SAin2の電位はいずれも不定となっている。制御信号STS1と制御信号STS2とはいずれもローレベルとなっている。制御信号SSAがローレベルで、センスアンプSAは駆動停止状態となっており、出力信号SSAout1と出力信号SSAout2とはいずれもハイレベルとなっている。
【0084】
時刻t1で、クロック信号CLKが入力端子Tclkを介してデータ保持制御回路3に供給されてトランジスタNc1のゲート端子Gに入力されると、トランジスタNc1がオンする。これにより、データ信号Dinが論理回路NAND1に入力される。
【0085】
時刻t2で、データ信号Dinがハイレベルとなって論理回路NAND1に入力される。これにより、論理信号Nout1がローレベルとなって出力信号Doutがハイレベルとなる。つまり、出力信号Doutが、時刻t2以前のローレベルからハイレベルに遷移し、データ保持回路3bとしてデータ信号Dinの論理レベルを新たに保持することとなる。なお、このとき、論理信号Nout2はハイレベルとなる。
【0086】
時刻t3で、制御部3aからのクロック信号CLKの供給が停止されてトランジスタNc1がオフされる。このとき、データ信号Dinはハイレベルを維持しているため、データ保持部Mは出力信号Doutをハイレベルで維持した状態でデータ信号Dinの論理レベルの保持の更新が停止される。なお、データ保持部Mにおける保持の更新とは、最新のデータ信号Dinの論理レベルをデータ保持部Mにて保持することであり、保持の更新の停止とは、トランジスタNc1がオフされる直前で保持したデータ信号Dinを最後に、最新のデータ信号Dinをデータ保持部Mにて新たに保持しないことを指す。
【0087】
時刻t4で、データ信号Dinがローレベルとなる。このとき、時刻t3で既にトランジスタNc1がオフされているので、データ保持部Mはデータ信号Dinの遷移に関係なく出力信号Doutをハイレベルの状態で保持する。
【0088】
時刻t5〜t7では、電子機器10はデータ書込動作を行う。データ書込動作とは、データ保持部Mにて保持されたデータ信号Dinに基づくデータを強誘電体記憶部Kに記憶する動作である。すなわち、論理信号Nout1の論理レベルを記憶データKD1として強誘電体素子部K1に記憶し、論理信号Nout2の論理レベルを記憶データKD2として強誘電体素子部K2に記憶する動作である。
【0089】
時刻t5で、電源1の駆動が停止されて電源電圧VDDが低下して閾値電圧Vref1よりも小さくなったことをリセット回路2が検出すると、リセット回路2はデータ保持制御回路3の入力端子Tin3にローレベルのリセット信号RSTを送信する。
【0090】
制御部3aは、ローレベルのリセット信号RSTを受信すると、論理信号伝達ステップとして、制御信号SDS1をハイレベルとしてトランジスタN1とトランジスタN2とをオンさせて、論理回路NAND1から論理信号Nout1を強誘電体素子部K1に伝達させ、論理回路NAND2から論理信号Nout2を強誘電体素子部K2に伝達させる。また、制御部3aは、制御信号SKSをローレベルとしてトランジスタN3〜N6をオフさせる。これにより、ハイレベルの論理信号Nout1がトランジスタN1を介してノードNd1を通って強誘電体素子C1の正極端と強誘電体素子C2の負極端とに印加された状態となり、ローレベルの論理信号Nout2がトランジスタN2を介してノードNd2を通って強誘電体素子C3の正極端と強誘電体素子C4の負極端とに印加された状態となる。なお、このとき、制御信号SDS2及び制御信号SDS3がハイレベルとなってトランジスタN7及びトランジスタN8がオフされた状態となっている。これにより、センスアンプSAの入力端子SAin1が強誘電体素子部K1と絶縁され、入力端子SAin2が強誘電体素子部K2と絶縁されるため、センスアンプSAの各入力端子の容量の影響を受けることなく強誘電体素子部K1と強誘電体素子部K2とにそれぞれデータを記憶することができる。
【0091】
ここで、記憶制御ステップとして、制御信号SK1〜SK4はいずれもローレベルとなっている。このため、負極端にローレベルの制御信号SK1が印加される強誘電体素子C1の残留分極状態は非反転状態、すなわち所定の容量値を保持した状態となり、正極端にローレベルの制御信号SK2が印加される強誘電体素子C2の残留分極状態は反転状態、すなわち強誘電体素子C1に比べて小さい容量値を保持しない状態となる。これにより、論理信号Nout1の論理レベル、すなわちハイレベルが記憶データKD1として強誘電体素子部K1に書き込まれる。なお、このとき、強誘電体素子C3と強誘電体素子C4との正極端と負極端とに印加される信号の論理レベル、すなわち電位はいずれも同じであるため、残留分極状態はいずれも変化しない。したがって、強誘電体素子部K2には何らデータが書き込まれない。
【0092】
時刻t6では、ハイレベルの論理信号Nout1がノードNd1を通って強誘電体素子C1の正極端と強誘電体素子C2の負極端とに印加された状態であり、ローレベルの論理信号Nout2がノードNd2を通って強誘電体素子C3の正極端と強誘電体素子C4の負極端とに印加された状態である場合において、記憶制御ステップとして、制御信号SK1〜SK4がいずれもハイレベルとなる。このため、負極端にハイレベルの制御信号SK3が印加される強誘電体素子C3の残留分極状態は反転状態となり、正極端にハイレベルの制御信号SK4が印加される強誘電体素子C4の残留分極状態は非反転状態となる。これにより、論理信号Nout2の論理レベル、すなわちローレベルが記憶データKD2として強誘電体素子部K2に書き込まれる。なお、このとき、強誘電体素子C1と強誘電体素子C2との両端に印加される信号の論理レベル、すなわち電位はいずれも同じであるため、残留分極状態はいずれも変化しない。したがって、強誘電体素子部K1は時刻t5〜t6にかけて記憶された記憶データKD1の論理レベルを維持する。
【0093】
時刻t7で、電源電圧VDDがデータ保持制御回路3の各回路の駆動可能電圧を下回ると、トランジスタN1と、トランジスタN2と、トランジスタN7と、トランジスタN8と、はいずれもオフされ、その後電源電圧VDDは0Vとなる。このとき、強誘電体素子C1〜C4は不揮発性の記憶素子であることから、強誘電体素子部K1はハイレベルの記憶データKD1を保持し、強誘電体素子部K2はローレベルの記憶データKD2を保持した状態となっている。
【0094】
時刻t8〜9では、電子機器10はデータ読出動作を行う。データ読出動作とは、強誘電体記憶部Kに記憶したデータを読み出してデータ保持部Mに復帰させる動作であり、強誘電体素子部K1が保持する記憶データKD1を論理信号Nout1に復帰させ、強誘電体素子部K2が保持する記憶データKD2を論理信号Nout2に復帰させて、出力信号Doutを電源1の駆動が停止される前の状態に復帰させる動作である。
【0095】
時刻t8で、電源1が起動して電源電圧VDDが再び閾値電圧Vref2よりも大きくなったことをリセット回路2が検出すると、リセット回路2はデータ保持制御回路3の入力端子Tin3にハイレベルのリセット信号RSTを送信する。
【0096】
制御部3aは、ハイレベルのリセット信号RSTを受信すると、論理信号伝達遮断ステップとして、制御信号SDS1をローレベルとしてトランジスタN1とトランジスタN2とをオフさせて、論理回路NAND1から論理信号Nout1の強誘電体素子部K1への伝達を遮断し、論理回路NAND2から論理信号Nout2の強誘電体素子部K2への伝達を遮断する。また、制御信号SKSをローレベルとしてトランジスタN3〜N6をオフさせる。
【0097】
また、制御部3aは、記憶データ伝達ステップとして、制御信号SDS2と制御信号SDS3とをローレベルとしてトランジスタN7とトランジスタN8とをオンさせて、制御信号SK2と制御信号SK4とをハイレベルとし、制御信号SK1と制御信号SK3とをローレベルとする。さらに、制御部3aは、ハイレベルの制御信号SSAをセンスアンプSAに出力する。以上により、強誘電体素子部K1に記憶されたハイレベルの記憶データKD1がセンスアンプSAの入力端子SAin1に入力され、強誘電体素子部K2に記憶されたハイレベルの記憶データKD2がセンスアンプSAの入力端子SAin2に入力される。
【0098】
センスアンプSAは、入力端子SAin1にハイレベルの記憶データKD1が入力され、入力端子SAin2にハイレベルの記憶データKD2が入力されると、記憶データKD1と記憶データKD2とを比較する。本実施形態においては、記憶データKD1の方が記憶データKD2よりも小さいので、出力端子SAout1からローレベルの出力信号SSAout1を出力して論理回路NAND2に供給し、出力端子SAout2からハイレベルの出力信号SSAout2を出力して論理回路NAND1に供給する。これにより、強誘電体素子部K1が保持する記憶データKD1を論理信号Nout1に復帰させ、強誘電体素子部K2が保持する記憶データKD2を論理信号Nout2に復帰させて、出力信号Doutを電源1の駆動が停止される前の状態に復帰させる。
【0099】
時刻t9〜t12では、電子機器10は再び通常動作を行う。
【0100】
時刻t9で、電源電圧VDDは定格電圧の10Vとなる。このとき、データ読出動作によって論理信号Nout1はローレベルとなっており論理信号Nout2はハイレベルとなっているため、ハイレベルの出力信号Doutが出力端子Toutから出力されている。制御信号SDS1はローレベルで、トランジスタN1とトランジスタN2とはオフされている。制御信号SKSはハイレベルで、トランジスタN3〜N6がオンされている。制御信号SK1〜SK4はローレベルで、強誘電体素子C1〜C4へのデータの書き込みが停止された状態となっている。制御信号SDS2と制御信号SDS3とはハイレベルで、トランジスタN7とトランジスタN8とがオフされた状態となっている。制御信号STS1と制御信号STS2とはいずれもローレベルとなっている。制御信号SSAはローレベルで、センスアンプSAは動作停止状態となっており、出力信号SSAout1と出力信号SSAout2とはいずれもハイレベルとなっている。なお、時刻t9においては、ローレベルのデータ信号Dinが入力端子Tinに入力されている。
【0101】
時刻t10で、クロック信号CLKが入力端子Tclkを介してデータ保持制御回路3に供給されてトランジスタNc1のゲート端子Gに入力されると、トランジスタNc1がオンする。これにより、データ信号Dinが論理回路NAND1に入力される。これにより、論理信号Nout1がハイレベルとなって出力信号Doutがローレベルとなる。つまり、出力信号Doutが、時刻t10以前のハイレベルからローレベルに遷移し、データ保持回路3bとしてデータ信号Dinの論理レベルを新たに保持することとなる。なお、このとき、論理信号Nout2はローレベルとなる。
【0102】
時刻t11で、制御部3aからのクロック信号CLKの供給が停止されてトランジスタNc1がオフされる。このとき、データ信号Dinはローレベルを維持しているため、データ保持部Mは出力信号Doutをローレベルで維持した状態でデータ信号Dinの論理レベルの保持の更新が停止される。
【0103】
時刻t12〜t13では、電子機器10は強誘電体記憶部Kの特性テスト動作(以後「特性テスト動作」)を行う。特性テスト動作とは、強誘電体記憶部Kの強誘電体素子部K1が備える強誘電体素子C1と強誘電体素子C2とで論理信号Nout1を所望の論理レベルで保持できているか、及び強誘電体素子部K2が備える強誘電体素子C3と強誘電体素子C4とで論理信号Nout2を所望のレベルで保持できているか、をテストする動作である。なお、本実施形態においては、強誘電体素子部K1が論理信号Nout1を所望の論理レベルにて保持できているかをテストする動作について説明するが、強誘電体素子部K2が論理信号Nout2を所望の論理レベルにて保持できているかをテストする動作についても同様である。
【0104】
時刻t12で、論理信号遮断ステップとして、制御信号SDS1はローレベルでトランジスタN1とトランジスタN2とはオフされており、論理回路NAND1からの論理信号Nout1の強誘電体素子部K1への伝達が遮断され且つ論理回路NAND2からの論理信号Nout2の強誘電体素子部K2への伝達が遮断されている。制御信号SKSはローレベルとなってトランジスタN3〜N6はオフされる。
【0105】
また、強誘電体記憶部テストステップとして、制御信号SDS2はローレベルで、トランジスタN9がオフされ、トランジスタN7はオンされて記憶データKD1がセンスアンプSAの入力端子SAin1に入力される。また、強誘電体記憶部テストステップとして、制御信号SDS3はハイレベルで、トランジスタN8はオフされて記憶データKD2のセンスアンプSAの入力端子SAin2への入力が遮断され、トランジスタN10はオンされる。このため、センスアンプSAの入力端子SAin1には、強誘電体素子部K1から記憶データKD1が印加され、センスアンプSAの入力端子SAin2には、所定の電圧レベルを備えた制御信号STS2が印加される。本実施形態においては、例えば制御信号STS2を、例えばローレベルとハイレベルとの間のミドルレベルとして2.5Vにて設定する。
【0106】
センスアンプSAは、入力端子SAin1に記憶データKD1が入力され、入力端子SAin2に制御信号STS2が入力されると、記憶データKD1と制御信号STS2とを比較する。
【0107】
特性判定ステップとして、強誘電体素子部K1の特性が正常である場合には、ローレベルの記憶データKD1はミドルレベルの制御信号STS2よりも小さくなるので、出力端子SAout1からローレベルの出力信号SSAout1を出力して論理回路NAND2に供給し、出力端子SAout2からハイレベルの出力信号SSAout2を出力して論理回路NAND1に供給する。このとき、論理信号Nout1はローレベルとなることから、出力信号Doutはハイレベルとなり、例えば出力端子Toutに接続したテスト装置などにより該出力信号Doutを検出し、強誘電体素子部K1の記憶特性は正常と判断してテスト動作を終了する。
【0108】
また、特性判定ステップとして、強誘電体素子部K1の特性が異常である場合には、ローレベルの記憶データKD1はミドルレベルの制御信号STS2よりも大きくなるので、出力端子SAout1からハイレベルの出力信号SSAout1を出力して論理回路NAND2に供給し、出力端子SAout2からローレベルの出力信号SSAout2を出力して論理回路NAND1に供給する。このとき、論理信号Nout1はハイレベルとなることから、出力信号Doutはローレベルとなり、例えば出力端子Toutに接続したテスト装置などにより該出力信号Doutを検出し、強誘電体素子部K1の記憶特性は異常と判断してテスト動作を終了する。
【0109】
なお、テスト電圧としての制御信号STS2は、2.5Vに限られず段階的に変更することができ、これにより、強誘電体素子部K1の記憶特性がどの程度劣化しているかを検出することができる。
【0110】
また、本実施形態については、強誘電体素子部K1の特性テストについて説明したが、本発明にかかるテスト保持制御回路3によれば、強誘電体素子部K2の特性テストも行うことができる。この場合には、強誘電体素子部K1の特性テストと比べて、制御信号SDS2をハイレベルとしてトランジスタN7をオフ、トランジスタN8をオンにし、制御信号SDS3をローレベルとしてトランジスタN9をオン、トランジスタN10をオフにしてセンスアンプSAにて制御信号STS1と記憶データKD2との比較結果を出力し、これに基づく出力信号Doutを検出することで行うことができる。
【0111】
時刻t13以降では、電子機器10は再び通常動作を行う。このとき、制御信号SKSはハイレベルとなってトランジスタN1とトランジスタN2とはオフされ、制御信号SDS2はハイレベルとなってトランジスタN7はオフされた状態となり、制御信号SDS3はハイレベルとなってトランジスタN8はオフされた状態となる。また、制御信号SSAはローレベルとなってセンスアンプSAの動作が停止される。
【0112】
以上、本発明の第1の実施形態による電子機器10によれば、強誘電体素子部Kの特性テストを行う場合に、強誘電体素子部K1とセンスアンプSAの入力端子SAin1との間のノードNd5に制御信号STS1を供給することとし、又は強誘電体素子部K2とセンスアンプSAの入力端子SAin2との間のノードNd6に制御信号STS2を供給することとしたので、特性テスト時に強誘電体素子部K1や強誘電体素子部K2が変動してしまうという問題を解消し、ひいては強誘電体素子部K1及び強誘電体素子部K2の特性テストをより高精度に行うことができる。
【0113】
[第1の実施形態の変形例]
図3は、本発明の第1の実施形態にかかる変形例である電子機器10aを示している。電子機器10aは、電源1と、リセット回路2と、データ保持制御回路3と、を備えており、データ保持制御回路3が備える強誘電体記憶部Kにおいて、強誘電体素子部K1は強誘電体素子C2を備えており、強誘電体素子部K2は強誘電体素子C4を備えている。すなわち、電子機器10aは、電子機器10と比べて、強誘電体記憶部Kの強誘電体素子部K1が強誘電体素子C1を備えておらず、強誘電体素子部K2が強誘電体素子C3を備えておらず、記憶制御部KSの記憶制御部KS1がトランジスタN3を備えておらず、記憶制御部KS2がトランジスタN5を備えていない点で異なっている。なお、電子機器10aにおいては、
図1に示した電子機器10と同一の構成については、同一番号を付してその説明を省略する。
【0114】
強誘電体素子部K1が記憶して出力する記憶データKD1は、強誘電体素子C2に記憶されたデータによって決まる。本変形例におけるデータ保持回路3bにおいては、論理信号Nout1がハイレベルの場合に、強誘電体素子C2の負極端にハイレベルが印加され、この状態でローレベルの制御信号SK2が印加されると、残留分極状態が非反転状態となって強誘電体素子C2の容量値はほぼゼロとなる。これにより、記憶データKD1はハイレベルとなる。また、論理信号Nout1がローレベルの場合に、強誘電体素子C2の負極端にローレベルが印加され、この状態でハイレベルの制御信号SK2が印加されると、残留分極状態が反転状態となって強誘電体素子C2に所定の容量が蓄えられる。これにより、記憶データKD1はローレベルとなる。
【0115】
強誘電体素子部K2が記憶して出力する記憶データKD2は、強誘電体素子C4に記憶されたデータによって決まる。本変形例におけるデータ保持回路3bにおいては、論理信号Nout2がハイレベルの場合に、強誘電体素子C4の負極端にハイレベルが印加され、この状態でローレベルの制御信号SK4が印加されると、残留分極状態が非反転状態となって強誘電体素子C4の容量値はほぼゼロとなる。これにより、記憶データKD2はハイレベルとなる。また、論理信号Nout2がローレベルの場合に、強誘電体素子C4の負極端にローレベルが印加され、この状態でハイレベルの制御信号SK4が印加されると、残留分極状態が反転状態となって強誘電体素子C4に所定の容量が蓄えられる。これにより、記憶データKD2はローレベルとなる。
【0116】
[第2の実施形態]
図4は、本発明の第2の実施形態にかかる電子機器20を示している。電子機器20は、電源1と、リセット回路2と、データ保持制御回路3と、を備えている。データ保持制御回路3の記憶制御部KSは、記憶制御部KS2を備えている。また、データ保持制御回路3は、ショート制御部SHとしてのトランジスタNshを備えている。電子機器20は、電子機器10と比べて、記憶制御部KSが記憶制御部KS1を備えておらず、トランジスタNshを備えている点で異なる。なお、電子機器20においては、
図1に示した電子機器10と同一の構成については、同一番号を付してその説明を省略する。
【0117】
トランジスタNshは、一端としてのソース端子SがノードNd4とノードNd2との接続点であるノードNd7に接続されており、他端としてのドレイン端子DがノードNd1とトランジスタN1のドレイン端子Dとの接続点であるノードNd8に接続されている。また、制御端子としてのゲート端子Gが、制御部3aに接続されて、制御部3aから制御信号SSHの供給を受ける。
【0118】
トランジスタNshは、電子機器20が通常動作を行う期間Aにてハイレベルの制御信号SSHの供給を受けてオンし、強誘電体素子C1の正極端及び強誘電体素子C2の負極端よりもトランジスタN1のドレイン端子Dに近い位置でノードNd7とノードNd8とをショートさせる。これにより、電子機器10のように記憶制御部KS1のトランジスタN3とトランジスタN4とが設けられていない場合であっても、通常動作時に強誘電体素子C1の正極端と負極端とをショートさせることができ、強誘電体素子C2の正極端と負極端とをショートさせることができる。したがって、電子機器10の回路面積の増大を抑制することができる。
【0119】
なお、本発明にかかる電子機器10、10a、及び20に用いられているトランジスタとしてはNMOSトランジスタ又はPMOSトランジスタであるが、NMOSトランジスタに代えてPMOSトランジスタを用いても良いし、PMOSトランジスタに代えてNMOSトランジスタを用いても良い。また、NMOSトランジスタ又はPMOSトランジスタに代えてパススイッチを用いるようにしても良い。
【0120】
また、本発明にかかる電子機器10、10a、及び20においては、電源電圧VDDの変化に伴うリセット信号RSTの遷移に基づいてデータ書込動作及びデータ読出動作を行っているが、データ書込動作及びデータ読出動作は、これに限らず、その他信号に基づいて制御部3aにより行われても良いし、制御部3aが予め定められたタイミングで定期的に行うように設定されていても良い。
【0121】
また、本発明にかかる電子機器10、10a、及び20においては、電源電圧VDDが10Vである例を示したが、これに限られず、各トランジスタ、各制御信号、及びセンスアンプSAの動作電圧として用いられている電圧と同じ例えば1.5Vであっても良い。
【0122】
また、本発明にかかる電子機器10、10a、及び20においては、記憶データKD1の出力としての出力信号SSAout1が論理回路NAND2の第2の入力端子に入力され、記憶データKD2の出力としての出力信号SSAout2が論理回路NAND1の第2の入力端子に入力される例について示したが、これに限られない。すなわち、データ保持回路3bは、データ保持部Mにて保持したデータを強誘電体記憶部Kに記憶した後、データ保持部Mとは異なる回路に記憶データKD1と記憶データKD2とを出力、言い換えれば記憶データを読み出すようにしても良い。また、その場合、記憶データKD1又は記憶データKD2のいずれか一方のみを読み出して利用するようにしても良い。
【0123】
また、本発明にかかる電子機器10、10a、及び20においては、論理回路NAND1と論理回路NAND2とから構成されたデータ保持部Mに関し、論理回路NAND1の出力信号Nout1を強誘電体素子部K1に記憶し、論理回路NAND2の出力信号Nout2を強誘電体素子部K2に記憶する構成について説明したが、これに限られない。すなわち、データ保持部Mに代えて、強誘電体素子部K1にトランジスタN1を介して接続された第3の論理回路と、該第3の論理回路と独立して設けられて強誘電体素子部K2にトランジスタN2を介して接続された第4の論理回路と、を備えて、強誘電体素子部K1は該第3の論理回路から出力される論理レベルを記憶し、強誘電体素子部K2は該第4の論理回路から出力される論理レベルを記憶する構成としても良い。また、第3の論理回路の論理レベルから得られる記憶データKD1を第3の論理回路とは異なる回路に出力し、第4の論理回路の論理レベルから得られる記憶データKD2を第4の論理回路とは異なる回路に出力するようにしても良い。