(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記液晶材料を含む層の少なくとも一部分は、電位が前記第1電極材料層及び前記第2電極材料層にわたって適用される際、前記液晶材料を含む層を横断する光線に影響を与える、その屈折率を変化させる、請求項4に記載の眼用レンズ器具。
前記液晶材料を含む層は、電位が前記第1電極材料層及び前記第2電極材料層にわたって適用される際、前記液晶材料を含む層を横断する光線に影響を与える、その屈折率を変化させる、請求項12に記載の眼用レンズ器具。
前記液晶材料を含む層は、電位が前記第1電極材料層及び前記第2電極材料層にわたって適用される際、前記液晶材料を含む層を横断する光線に影響を与える、その屈折率を変化させる、請求項23に記載の眼用レンズ器具。
挿入物前方湾曲部品、少なくとも第1中間湾曲部品、及び挿入物後方湾曲部品を更に含み、前記前方湾曲部品の後方表面が第1曲率を有し、前記第1中間湾曲部品の前方表面が第2曲率を有する、請求項9に記載の眼用レンズ器具。
前記液晶材料を含む層は、電位が前記第1電極材料層及び前記第2電極材料層にわたって適用される際、前記液晶材料を含む層を横断する光線に影響を与える、その屈折率を変化させる、請求項33に記載の眼用レンズ器具。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明は、可変光学挿入物を有する眼用レンズを製造するための方法及び装置を含み、ここで、可変光学部分は、液晶又は自身が液晶構成成分を含む組成物材料から構成される。更に、本発明は、眼用レンズに組み込まれた液晶から構成される可変光学挿入物を有する眼用レンズを含む。
【0031】
本発明によると、眼用レンズは、埋め込まれた挿入物、及びエネルギーの保存手段としての電気化学セル又は電池のようなエネルギー源で形成される。いくつかの例示的な実施形態において、エネルギー源を含む材料は封入され、眼用レンズがその中に配置される環境から単離され得る。いくつかの例示的な実施形態において、エネルギー源は、一次構成又は充電式構成中で使用し得る電気化学セル化学を含み得る。
【0032】
着用者制御調節器具を、光学部分を変化させるために使用し得る。調節器具としては例えば、電圧出力を増加させる又は減少させる、又はエネルギー源を印加する又は脱印するための、電子器具又は受動器具が挙げられる。いくつかの例示的な実施形態はまた、測定したパラメータ又は着用者入力にしたがって、自動化装置を介して、可変光学部位を変更するために、自動化調節器具を含み得る。着用者入力としては、例えば、ワイヤレス装置によって制御されるスイッチが挙げられる。ワイヤレスとしては、例えば、無線周波数制御、磁気スイッチング、光のパターン化した放射、及びインダクタンススイッチングが挙げられる。他の例示的な実施形態において、活性化が、生物学機能に対する応答にて、又は眼用レンズ内の検出素子の測定に対する応答にて、発生し得る。他の例示的な実施形態は、非限定的な例として、周囲照明条件中の変化によって誘引される活性化からの結果であり得る。
【0033】
光学出力における変化が、電極の印加によって作られた電界によって液晶層内に再アライメントが生じ、それによって、得られた配向から印加された配向へ分子のシフトが発生し得る。他の例示的な実施形態において、例えば偏光状態の変化、特に偏光回転によって、電極の印加による液晶層の変更によって引き起こされる異なる効果が引き出され得る。
【0034】
液晶層を有するいくつかの例示的な実施形態において、印加され得る眼用レンズの非光学ゾーン部分中に素子が存在し得る一方、他の例示的な実施形態では、印加を必要しないであろう。印加のない例示的な実施形態において、液晶は、いくつかの外部因子、例えば周囲温度、又は周辺光に基づいて受動的に変化し得る。
【0035】
液晶レンズは、その本体上に偏光入射に対する電気的に可変の屈折率を提供し得る。光学軸配向が第1レンズに対して第2レンズ中で回転する2つのレンズの組み合わせによって、レンズ要素は周辺の非偏光に対する屈折率を変化させることができる。
【0036】
電気的に活性な液晶層を電極と組み合わせることによって、物理的実態が、電極にわたって電界を適用することによって制御され得るように誘導され得る。液晶層の周辺上に存在する誘電体層が存在する場合、誘電体層にわたる場と、液晶層にわたる場が、電極にわたる場内に組み込まれ得る。三次元形状において、層にわたる場の組み合わせの特性は、電気力学原理及び誘電体層と液晶層の形状に依存して推定され得る。誘電体層の効果的な電気厚は、不均一様式で作成され、電極にわたる場の効果は、誘電体の効果的な形状によって「成形」されてよく、液晶層内の屈折率における立体的に成形された変化を作り出し得る。いくつかの例示的な実施形態において、そのような成形は結果として、可変焦点特性を選定する能力を有するレンズとなり得る。
【0037】
他の例示的な実施形態は、液晶層を含む物理的レンズ素子が、異なる焦点特性を有するようにそれら自身が成形される時に、誘導され得る。液晶層の電気的に可変の屈折率を次いで、電極の利用を通して、液晶層にわたる電界の適用に基づいて、レンズの焦点特性に変化を導入するために使用し得る。液晶層の屈折率は、実効屈折率とて呼ばれ、屈折率に関連する各処理が、実効屈折率と同様の意味として考慮することが可能であり得る。実効屈折率は、例えば、異なる屈折率を有する複数の領域の重ね合わせから発生し得る。いくつかの例示的な実施形態において、効果的な様態は、様々な領域的な寄与の平均であり得るが、他の例示的な実施形態において、効果的な様態は、入射光における領域的又は分子的効果の重ね合わせであり得る。前方収容表面が液晶層と作成する形状と、後方収容表面が液晶層と作成する形状は、最初の順番に対して、システムの焦点特性を決定し得る。
【0038】
以下の項では、本発明の実施形態の「発明を実施するための形態」が記載される。好ましい実施形態及び代替の実施形態の説明はいずれも、あくまで例示的な実施形態に過ぎないものであって、当業者にとって、変形、改変、及び変更が明らかとなり得ることは理解される。したがって、例示的な実施形態は、基礎となる発明の範囲を限定するものではないと理解されるべきである。
【0039】
用語集
本発明を目的とする明細書本文及び特許請求の範囲において、以下の定義が適用される、様々な用語が使用され得る。
【0040】
アライメント層:本明細書で使用するとき、液晶層内の分子の配向に影響を与え、整列させる液晶層に隣接する層を指す。生じた分子のアライメント及び配向は、液晶層を通過する光に影響を与え得る。例えば、アライメント及び配向は、入射光における屈折特性とともに作動し得る。更に、効果には、光の偏光の変化が含まれ得る。
【0041】
電気的導通:本明細書で使用するとき、電界によって影響を受けることを指す。導電材料の場合、その影響が電流の流れに起因するものである場合もあれば、又はその影響を受けた結果として電流の流れが生ずる場合もある。他の材料において、一例として、力線に沿って永続的に配向する傾向及び分子双極子の誘導などの影響を引き起こす電位場であり得る。
【0042】
印加された:本明細書で使用するとき、電流を供給することができる、又は内部に蓄積された電気的エネルギーを有することができる状態であることを指す。
【0043】
印加された配向:本明細書で使用するとき、エネルギー源によって駆動された電位場の効果によって影響を受ける際の液晶の分子の配向を指す。例えば、液晶を含む器具は、エネルギー源がオン又はオフの何れかで動作する場合に、1つの印加された配向を有し得る。他の例示的な実施形態において、印加された配向は、適用されたエネルギーの量による影響が及んだ規模に合わせて変化し得る。
【0044】
エネルギー:本明細書で使用するとき、ある物理系が仕事をする能力のことを指す。本発明においては多くの場合、仕事中に電気的作用を為し得る能力を指す。
【0045】
エネルギー源:本明細書で使用するとき、生物医学用器具を印加された状態にエネルギーを供給するか、又は配置することができる器具を指す。
【0046】
エネルギーハーベスター:本明細書で使用するとき、環境からエネルギーを抽出可能であり、それを電気エネルギーに変換する器具を指す。
【0047】
本明細書で使用するとき、間隙及び隙間は、ポリマー部分に占められず、他の原子又は分子が存在するための場所であり得るポリマーネットワーク化された層の境界内の領域を指す。典型的には、ここで、液晶分子自体がポリマーネットワーク内の領域に一緒に存在し得るため、この液晶が占める空間は、間隙として種別され得る。
【0048】
眼内レンズ:本明細書で使用するとき、眼内に埋め込まれる眼用レンズを指す。
【0049】
レンズ形成用混合物、又は反応性混合物若しくは反応性モノマー混合物(RMM):本明細書で使用されるとき、硬化及び架橋され得るか、又は架橋して眼用レンズを形成することができるモノマー材料又はプレポリマー材料を指す。様々な実施形態には、UVブロッカー、毛髪染料、光開始剤又は触媒などの1つ又は複数の添加剤、又は例えばコンタクトレンズ又は眼内レンズのような眼用レンズ内で望まれる他の添加剤とのレンズ形成混合物が挙げられる。
【0050】
レンズ形成表面:本明細書で使用するとき、レンズを成型するのに使用される表面を指す。いくつかの例示的な実施形態において、任意のかかる表面は、光学品質表面仕上げを有してよく、これは、十分に滑らかであり、鋳造表面との接触において、レンズ形成混合物の重合化によって製造されるレンズ表面が、光学的に許容可能であるように形成されることを示唆している。更に、いくつかの例示的な実施形態において、レンズ形成表面は、レンズ表面に、例えば、球面状、非球面状及び円柱状電力、波面収差補正、及び角膜トポグラフィー補正などの所望の光学特性を付与するために必要である形状を有し得る。
【0051】
液晶:本明細書で使用するとき、従来の液体と固体結晶との間の特性を有する物質の状態を指す。液晶は、固体として特徴付けられ得ないが、その分子が、若干のアライメントを示す。本明細書で使用するとき、液晶は、特定の相又は構造に限定されないが、液晶は特定の静止配向を有し得る。液晶の配向及び相は、液晶の部類に応じて、外部力(例えば、温度、磁気、又は電気)によって操作され得る。
【0052】
リチウムイオンセル:本明細書で使用するとき、リチウムイオンがセルを通じて移動することにより電気的エネルギーを発生する電気化学セルのことを指す。典型的には電池とよばれるこの電気化学セルは、その典型的な形態に再印加又は再充電され得る。
【0053】
媒体挿入物又は挿入物:本明細書で使用するとき、眼用レンズ内で、エネルギー源を支持することが可能な形成可能又は剛性の基質を指す。いくつかの例示的な実施形態において、媒体挿入物はまた、1つ又は複数の可変光学部分を含む。
【0054】
鋳型:本明細書で使用するとき、レンズを未硬化配合物から形成するのに使用され得る剛性又は半剛性の物体を指す。いくつかの好ましい鋳型は、前方湾曲鋳型部分及び後方湾曲鋳型部分を形成する2つの鋳型部分を含む。
【0055】
眼用レンズ又はレンズ:本明細書で使用されるとき、眼内又は眼上に存在する任意の眼用器具を指す。これらの器具は、光学補正又は改変をもたらすか、又は化粧用であり得る。例えば、用語「レンズ」は、コンタクトレンズ、眼内レンズ、オーバーレイレンズ、眼用挿入物、光学挿入物又はそれを通して視覚が補正されるか改変される、又はそれを通して、視覚が損なわれることなく眼の生理学が化粧的に増強される(例えば虹彩色)他の同様の器具を意味し得る。いくつかの例示的な実施形態において、本発明の好ましいレンズは、例えばシリコーンハイドロゲル及びフルオロヒドロゲルを含む、シリコーンエラストマー又はハイドロゲルから作成されるソフトコンタクトレンズである。
【0056】
光学ゾーン:本明細書で使用するとき、眼用レンズの着用者がそこを通して見ることになる、眼用レンズの領域を指す。
【0057】
電力:本明細書において使用するとき、単位時間当たりに行われる仕事又は移送されるエネルギーのことを指す。
【0058】
再充電可能又は再印加可能:本明細書で使用するとき、仕事を行うためのより高い能力を有する状態へと回復するための能力を指す。本発明においては多くの場合、特定の速度で、特定の復旧された時間の間、電流を流す能力を回復させる能力を指す。
【0059】
再印加、又は再充電:本明細書で使用するとき、仕事をするためのより高い能力を有する状態までエネルギー源を回復することを指す。本発明においては多くの場合、特定の速度で、特定の復旧された時間の間、電流を流す能力を回復させる能力を指す。
【0060】
鋳型から離型された:本明細書で使用するとき、鋳型から完全に分離されているか、又は軽く揺動することによって取り外すか若しくはスワブによって押し出すことができるようにごく緩く結合しているレンズを指す。
【0061】
静止配向:本明細書で使用するとき、その静止した、非印加状態における、液晶器具の分子の配向を指す。
【0062】
可変光学:本明細書で使用するとき、光学品質、例えばレンズの光出力又は偏光角を変化させる能力を指す。
【0063】
眼用レンズ
図1を参照すると、密封及び封入された挿入物を含む眼用器具を形成するための装置100が描写されている。この装置は、例示的な前方湾曲鋳型102及び適合する後方湾曲鋳型101を含む。眼用器具の可変光学挿入物104及び本体103は、前方湾曲鋳型102と後方湾曲鋳型101内部に配置され得る。いくつかの例示的な実施形態において、本体103の材料は、ハイドロゲル材料であってよく、可変光学挿入物104が、本材料によって全表面が囲まれてよい。
【0064】
可変光学挿入物104は、複数の液晶層(液晶を含む層とも呼ばれる)109及び110を含み得る、他の例示的な実施形態には、単一の液晶層が含まれてよく、そのいくつかは、後の項にて議論される。装置100の使用によって、多くの密封された領域を有する要素の組合せからなる新規の眼用器具が作製され得る。
【0065】
いくつかの例示的な実施形態において、可変光学挿入物104を有するレンズは、剛性中心ソフトスカート設計を含んでよく、ここで、液晶層109及び110を含む中心剛性光学素子は、大気、及び前側及び後側表面上のそれぞれに角膜表面と直接接触する。レンズ材料(典型的にはヒドロゲル材料)のソフトスカートが、剛性光学素子の周辺に結合し、剛性光学素子がまた、得られる眼用レンズにエネルギーと機能性を追加し得る。
【0066】
図2Aを参照すると、可変光学挿入物の例示的な実施形態の200にて上下、
図2B、250にて断面描写が示されている。この描写では、エネルギー源210は、可変光学挿入物の周辺部分211の中に図示されている。エネルギー源210としては、例えば薄膜、再充電可能リチウムイオン電池、又はアルカリセル系電池が挙げられる。エネルギー源210は、相互連結形体214に連結して、相互連結を許容し得る。例えば、225及び230にて更なる相互連結は、エネルギー源210をアイテム205のような回路に連結し得る。他の例示的な実施形態において、挿入物は、その表面上に沈着した相互連結形体を有し得る。
【0067】
いくつかの例示的な実施形態において、可変光学挿入物200は、可撓性基質を含み得る。この可撓性基質は、すでに議論されたのと同様の様式で、又は他の手段によって、典型的なレンズ形状に近似する形状に形成され得る。しかしながら、更に可撓性を追加するために、可変光学挿入物200は、放射状の切断部などの追加的な形状形体をその長さに沿って含み得る。集積回路、分離要素、受動部品などの205によって示唆される複数の電子要素が存在してよく、またそのような器具を含み得る。
【0068】
可変光学部分220もまた図示される。可変光学部分220は、同様に、液晶層にわたって確立された電界を典型的に変化させ得る、可変光学挿入物を通した電流の適用を通して、コマンド上で変化され得る。いくつかの例示的な実施形態において、可変光学部分220は、透明基質の2つの層間に液晶を含む、薄層を含む。典型的には、電子回路205の作動を通して、可変光学要素を電子的に活性化及び制御する多くの様式が存在し得る。電子回路205は、様々な様式でシグナルを受信してよく、アイテム215などの挿入物中にも存在し得る検出素子と連結され得る。いくつかの例示的な実施形態において、可変光学挿入物は、眼用レンズを形成するためのハイドロゲル材料又は他の好適な材料から構成され得るレンズスカート255内に封入され得る。これらの例示的な実施形態において、眼用レンズは、眼用スカート255、及び自身が液晶材料の層又は領域を含むか、又は液晶材料を含む封入された眼用レンズ挿入物200から構成されてよく、いくつかの例示的な実施形態において、層は、隙間に配置された液晶材料のポリマーネットワーク化領域を含み得る。
【0069】
液晶素子を含む可変光学挿入物
図3Aを参照すると、アイテム300である、2つの異なる成形されたレンズ部品のレンズ効果の図示が見られ得る。すでに言及したように、本発明分野の可変光学挿入物は、2つの異なって成形されたレンズ部品内に、電極及び液晶層システムを封入することによって形成され得る。電極及び液晶層システムは、350にて図示するように、レンズ部品間の空間を占有し得る。320にて前方湾曲部品が見られ、310にて後方湾曲部品が見られ得る。
【0070】
非限定的な例において、前方湾曲部品320は、空間350と相互作用する湾曲成形表面を有し得る。形状は更に、いくつかの例示的な実施形態において、330にて描写した曲率半径及び焦点335とを有するものとして特徴付けられ得る。様々なパラメータ特性を有する他の更に複雑な形状も、本発明技術の範疇において形成することができるが、例示目的では、単純な球状を表すこともある。
【0071】
同様の非限定的な様式にて、後方湾曲部品310は、空間350と相互作用する凹凸成形された表面を有し得る。形状は更に、いくつかの例示的な実施形態において、340として描写される曲率半径と、焦点345とを有するものとして特徴付けられ得る。湾曲部品は、異なる表面曲率又は挿入物表面曲率を有するといってもよい。同様の意味合いで、これらは、異なる挿入物表面半径を有するといってもよい。様々なパラメータ特性を有する他の更に複雑な形状も、本発明技術の範疇において形成することができるが、例示目的では、単純な球状を表すこともある。
【0072】
300のような型のレンズがどのように作動し得るかを図示するために、アイテム310及び320を含む材料は本来の屈折率値を有し得る。空間350内で、液晶層が、屈折率に関する値を整合するために、非限定的な例にて選択され得る。したがって、光線が、レンズ部品310及び320、及び空間350を横断する時、これらは焦点特性を調節し得る様式で、様々な境界に対して反応しないであろう。その機能において、示していないレンズの部分が、入射光線に対する異なる屈折率が推定される、空間350内の液晶層となり得る様々な要素の印加を活性化し得る。非限定的な例において、得られた屈折率が低下し得る。ここで、各材料境界にて、光の経路が、表面の焦点特性と、屈折率の変化に基づいて変更されるように、成形されてよい。
【0073】
モデルは、スネルの法則:sin(シータ
1)/sin(シータ
2)=n
2/n
1に基づき得る。例えば、境界は、部品320と空間350によって形成されてよく、ここで、シータ
1は、境界において入射線と面法線とがなす角度であり得る;シータ
2は、境界を出る際に線と面法線とがなすモデル化された角度であり得る。n
2は、空間350の屈折率を表してよく、n
1は、部品320の屈折率を表してよい。n
1がn
2と等しくない場合、角度シータ
1とシータ
2も異なるであろうう。したがって、空間350中の液晶層の電子的に可変の屈折率が変化する場合、光線が境界にてとる経路も変化するであろう。
【0074】
図3Bを参照すると、眼用レンズ360は、埋め込まれた可変光学挿入物371を有して示される。眼用レンズ360は、前方湾曲表面370及び後方湾曲表面372を有し得る。挿入物371は、液晶層374を有する可変光学部分373を有し得る。いくつかの例示的な実施形態において、挿入物371は、複数の液晶層374及び375を有し得る。挿入物371の部分は、眼用レンズ360の光学ゾーンと重なり合ってよい。
【0075】
図4Aを参照すると、屈折率分布効果の描写がなされている。屈折率分布を有する例示的な実施形態において、アライメント層は、液晶分子の配向を制御するのに使用され得る。配向を制御することによって、自己の局所的な実効屈折率が制御され得る。したがって、液晶分子の配向を制御することによって、屈折率分布型パターンとして特徴付けられ得る、局所的に可変である実効屈折率を形成することができる。
図4Aにおいて、効果の例示的な描写が示されており、ここで、様々な素子は平坦素子として描写されている。有効な光学器具は、平坦素子から形成され得るが、本明細書中の発明技術の部品を形成し得るものとして、眼内レンズ器具又は眼鏡において有用であり、屈折率分布効果を用いる複数の実施形態が描写されているが、三次元形状にも形成される。410にて、電極420及びアライメント層425を支持し得る前方光学部品が見られ得る。アライメント層425は、様々な手段によってプログラム化されてよく、いくつかの実施例が、本明細書において後で見られ得る。アライメント層は、440にて描写されるような前方光学部品の表面に対して平行な形体から430にて描写されるような垂直配向までのこれらの間の配向に変化するプログラム化されたアライメントを有し得る。配向がプログラム化されたアライメント層の効果によって、液晶層に屈折率分布パターンが形成され得る。液晶分子は、445にて描写されるように前方光学表面に対して平行に配向しているいくつかの分子及び435にて描写されるように前方光学表面に対して垂直に配向しているいくつかの分子、並びにこの2つの間における配向又は有効配向と同様に整列し得る。液晶分子において、この変化によって、これらの層とともに形成される光学器具の光学ゾーンにわたって実効屈折率が変化又は漸変し得る。405にて示されるように、いくつかの例示的な実施形態において、後方光学部品が存在し得る。後方光学部品は、同様に、電極層415及びアライメント層426を有し得る。いくつかの例示的な実施形態において、これらのアライメント層は、前方光学表面において定義されるものとは同じである考えられる配向にプログラム化され得る。
【0076】
図4Bを参照すると、
図4Aの描写が、電界401が存在することで、475及び485にて液晶分子が電界と整列する場合を示している。電界が存在しない場合、470及び480におけるアライメント層の影響によって、これらの領域475及び485は異なる様式の整列が生じ得る。これらの影響は、電位電極460と465の間の電位によって生じ得る電界401の達成による左右され得る。
【0077】
図4Cを参照すると、液晶分子441と相互作用する配向層442中のアライメント層分子の例示的な実施形態の拡大描写が見られ得る。非限定的な実施例において、アライメント層分子はアゾベンゼン部分であり得る。アゾベンゼン部分におけるフェニル基の配向は、442にて描写するように比較的直線様式で起こり得る。いくつかの例示的な実施形態においては、アゾベンゼン部分における1つの安定的な構成は、アゾベンゼン部分の芳香族部分をトランス構成に配置してよく、ここで、環は、二重結合に介在している化学結合の反対側に配置される。これは、442にて描写される構成であってよく、分子に長鎖形状をもたらし得る。描写されるように、例示的なアゾベンゼン部分と液晶分子との相互作用によって、アゾベンゼン部分の軸に沿った液晶粒子の整列が生じ得る。
【0078】
図4Dを参照すると、配向層における分子の代替の配向の例示的な実施形態の拡大描写が443にして描写されている。例示的なアゾベンゼン部分において、443にて描写されるのは、アゾベンゼン部分骨格鎖の第2構成を表しており、ここで、環の芳香族部分はシス構成に配向している。描写されるように、これは分子の末端部分を光学部品表面とより平行である構成に配置し得る。440にて液晶分子は、アライメント分子の平行配向とすぐに整列する例示的な様式中に存在し得る。いくつかの例示的な実施形態においては、442及び443にて配向は、最大実効屈折率及び最小実効屈折率を液晶層に与え得る。
【0079】
図4Eを参照すると、異なるアライメント層構成の組み合わせの拡大描写が、例示的な様式で描写されている。配向が、挿入部品表面に対して平行である構成が優位を占めている領域においては、液晶分子は、表面に対して主として平行に配向され得る。あるいは、垂直分子が優位を占めている領域においては、液晶分子は表面に対して主として垂直な配向で整列され得る。これらの両極配向間において、分子は、アライメント分子の平均構成に基づいて整列され得る。図で示されているように、これによって有効な中間配向がもたらされ得る。このようにして、液晶分子の配向分配は、液晶分子の屈折率分布パターンの作製が可能となる様式で制御され、ここで、レンズ要素の寸法にわたる実効屈折率は、滑らかに1つの極値から他の値に変化する。
【0080】
図4Fを参照すると、本明細書の原理による屈折率分布型レンズ又は勾配屈折率レンズをモデル化した描写が490にして見られ得る。単純なモデルとして、レンズ表面を平坦形状で描写しているが、湾曲表面に関する原理は、一般的な湾曲表面に従うものである。したがって、490にて例示的な実施形態は、示されるように屈折率分布層が平面である場合として描写されており、結果は、本明細書で議論されるような3次元形状として層が変形したものに適用可能であり、同様である。屈折率分布型レンズ490は、図において半径方向寸法で「d」としてモデル化された厚さを有してよく、これは黒色の異なる影として描写され得る屈折率の勾配を有してよい。492にて示されるように、半径方向寸法の中心491に高屈折率を配置し、半径方向に沿って減少させ得る。屈折率分布効果によって、493にして描写されるように光を集束することができる。
【0081】
アライメント層をパターン化することで付与され得る屈折率分布型レンズのパターン化は、放射状配置に依存して滑らかな変化を有し得る。レンズ表面の中心を曲座標において(0,0
o)の位置に割り当てると、屈折率は、496にして示されるような例示的な機能的関連性と見なされ得る。放射状に値が変化する屈折率分布型レンズを示すためのより一般的な試みは、以下で表現され得る:
【数1】
【0082】
496にて示されるように、この一般的な形式は、屈折率が以下の関係を有する径に依存する、放物線関係に簡約され得る:
【数2】
液晶系の半径方向放物線状に変化する屈折率分布レンズにおいて、等式2は、パラメータAが等式(3)にて描写されるように表され得ると推定され得る:
【数3】
【0083】
厚さdの放物線状半径方向変化GRINレンズの力は以下で表され得る:
【数4】
【0084】
これは、以下の焦点距離を表すために変換され得る:
【数5】
【0085】
レンズの厚さが、レンズの半径よりも非常に小さい場合において、小さな数の正弦は小さな数と近似値であるため、等式(5)は簡約され得る。これによって、GRIN型のLCレンズにおける焦点距離495が以下で推定される:
【数6】
【0086】
したがって、アライメント層のプログラム化において、屈折率分布型レンズは、液晶の配向が等式(2)で描写される関係に従うように制御されて形成され得る。次に、液晶層の厚さは、焦点距離が等式(6)に従うように制御され得る。
【0087】
図5Aを参照すると、眼用レンズに挿入され得る可変光学部分500は、液晶層530の配向を制御することでプログラム化される、例示的に半径方向に変化する屈折率を有して図示されている。可変光学部分500は、本明細書の他の項にて議論されたように、材料及び構造関連の同様の多様性を有し得る。いくつかの例示的な実施形態において、520及び545にて透明電極は、それぞれ第1透明基質510及び第2透明基質550上に配置され得る。第1レンズ表面525及び第2レンズ表面540は誘電体フィルム、及びそれぞれ透明電極又は誘電体フィルム上に配置され得るアライメント層から構成され得る。液晶層の屈折率分布配向によって、レンズ素子の更なる焦点力に上述の幾何学的効果を取り込み得る。
【0088】
続いて、
図5Bにおいて、屈折率分布型液晶レンズ560における例示的な実施形態は、液晶ポリマー液晶複合物が使用され得ることを描写され得る。第1の実施例において、モノマーと液晶分子との混合物が、均一混合物を形成するために加熱される組み合わせにて形成され得る。次に、混合物は、前方湾曲挿入物部品561に適用され、次いで後方湾曲又は中間挿入部品567の付加によって、レンズ挿入物内に封入され得る。液晶混合物を含む挿入物がついで、重合化材料の架橋ネットワーク化領域、ならびにポリマーネットワークの隙間内の液体の挿入領域を形成する所定の条件下、重合化を引き起こし得る。いくつかの例において、化学放射が、重合化を開始するために、混合物上で示され得る。563及び565にてパターン化アライメント層の存在によって、重合化プロセスの前及び重合化プロセス中にモノマーと液晶分子564を配向して、描写されるような放射状変化パターンを形成し得る。いくつかの例示的な実施形態において、562及び566にして描写され得るような透明電極が存在し得る。
【0089】
液晶分子を重合化又はゲル化した領域に組み込む多くの様式が存在する。したがって、ポリマーネットワーク化液晶層を作製する任意の方法には、本発明の反内の技術を含み、屈折率分布型放射プロファイルが形成される眼内器具を作製するのに使用され得る。上述した例示的な実施例においては、結合した液晶部分を有するモノマーは、無境界液晶分子において隙間配置を作り出すネットワーク化層を作製するのに使用され得る。重合化モノマーの状態は、重合化材料の結晶質形態、半結晶質形態、又は非晶質形態であってよく、他の実施形態において、重合化モノマーのゲル化、又は半ゲル化形態として存在し得る。
【0090】
図5A及び5Bにおける可変光学部分は、本明細書の他の項にて議論されたように、材料及び構造関連の同様の多様性によって定義され得る他の様態を有し得る。いくつかの例示的な実施形態において、第1透明電極520が、第1透明基質510上に配置され得る。第1レンズ表面は、誘電性膜と、いくつかの例示的な実施形態においては、第1透明電極上に配置され得るアライメント層から構成され得る。
【0091】
図5Cを参照すると、アイテム570は、屈折率分布型レンズと一致する様式で整列する液晶を含む、屈折率分布型レンズの一部分を表し得る。半径方向の距離で屈折率が変更する例示的な様式において、液晶分子の配向におけるいくつかの変更例が描写される。第1挿入部品571、及びその上にアライメント層572及び575を有する第2挿入部品576が存在し得る。アライメント層は、液晶層573内の液晶分子574の自立配向を誘導し得る。
【0092】
図5Cに関して示される液晶を含む屈折率分布型レンズの同じ部分が、
図5Dに関しても見られ得る。
図5Dで描写される場合において、電界は、整列した液晶分子を含む層にわたってかかり得るため、印加された配向中に存在し得る。電界は、580にて場ベクトルによって示され、電極層の印加によって作製される。例えば、581にて、液晶分子は、電界がかかった状態で整列して示されている。この印加された構成において、屈折率分布は、層が並んだ時に消去され、入射光に対して比較的均一な屈折率がもたらされ得る。レンズ表面及び形状の他の光学効果が存在し得るが、液晶配向を並べることで、異なる焦点特性がもたらされるであろう。
【0093】
図6を参照すると、眼用レンズに挿入され得る、2つの液晶層620及び640を有する別の可変光学挿入物600が示されている。液晶領域周辺の様々な層の各態様は、
図5Aにおける500又は
図5Bにおける560において可変光学挿入物に関して記載したのと同様の多様性を有し得る。例示を目的として、層620及び640の両方は、同様の屈折率分布プログラムを有するように描写されているが、他のいくつかの例示的な実施形態においては、屈折率分布タイプのレンズと別の液晶素子とを組み合わせることも可能である。いくつかの例示的な実施形態において、複数の屈折率分布層を組み合わせることで、化合様式において複数の焦点特性が画定され得る。一例としては、620周辺の空間中に介在する層と第2基質630が第1焦点特性を有し得る、第1基質610によって形成される第1液晶系素子を、640周辺の空間中に介在する層と第3基質650が第2焦点特性を有する、第2基質630上の第2表面によって形成される第2液晶系素子と組み合わせることによって、レンズに電気的に可変な焦点特性を与えることができる。
【0094】
例示的素子600にて、500及び560における例と関連付けられる様々な型及び多様性を有する2つの電気的に活性な液晶層の組み合わせが、3つの基質層を用いて形成され得る。他の実施例において、器具は、4つの異なる基質の組み合わせによって形成され得る。このような実施例において、中間基質630は2つの層に分割され得る。基質が後で組み合わされる場合、アイテム600に対して同様に機能する器具がもたらされ得る。4つの層の組み合わせが、加工差違が、液晶素子に対するアライメント形体を定義する段階の部分に関連し得る、620及び640液晶層両方周辺に同様の器具が構築され得る、要素の製造に関する例を提示し得る。
【0095】
材料
マイクロインジェクション成形の実施形態には、例えば、約6mm〜10mmの直径、約6mm〜10mmの前方表面半径、約6mm〜10mmの後方表面半径、及び約0.050mm〜1.0mmの中心厚を有するレンズを形成するために使用され得るポリ(4−メチルペント−1−エン)コポリマー樹脂が含まれ得る。いくつかの例示的な実施形態には、約8.9mmの直径、約7.9mmの前表面半径、約7.8mmの後方表面半径、0.200mmの中心厚、及び約0.050mmのエッジ厚を有する挿入物が含まれる。
【0096】
図1で図示された可変光学挿入物104は、眼用レンズを形成するために使用される鋳型部分101及び102内に配置され得る。鋳型部分101及び102材料としては、例えば、1つ又は複数のポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート及び改変ポリオレフィンのポリオレフィンが挙げられる。他の鋳型としては、セラミック又は金属性材料が挙げられる。
【0097】
好ましい脂環式コポリマーは、2つの異なる脂環式ポリマーを含む。様々な等級の脂環式コポリマーは、105℃〜160℃の範囲のガラス転移温度を有し得る。
【0098】
いくつかの例示的な実施形態において、本発明の鋳型は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、主鎖中に脂環式部位を含む改変ポリオレフィン及び環状ポリオレフィンのようなポリマーを含み得る。この配合物は、いずれか又は両方の鋳型の半分において使用されてよく、ここで、この配合物が、後方湾曲上で使用され、前方湾曲が脂環式コポリマーからなることが好ましい。
【0099】
本発明による鋳型を作成するいくつかの好ましい方法において、射出成形が公知の技術にしたがって使用されるが、例示的な実施形態にはまた、例えば、旋盤、ダイヤモンドチューニング又はレーザーカッティングを含む、他の技術によって作られた鋳型も含まれ得る。
【0100】
典型的には、レンズは、両方の鋳型部分101及び102の少なくとも1つの表面上に形成される。しかしながら、いくつかの例示的な実施形態において、レンズの1つの表面が、鋳型部分101及び102から形成されてよく、レンズのもう一方の表面が、旋盤方法又は他の方法を用いて形成されてよい。
【0101】
いくつかの例示的な実施形態において、好ましいレンズ材料には、シリコーン含有成分が含まれる。「シリコーン含有成分」は、モノマー、マクロマー又はプレポリマー中に少なくとも1個の[−Si−O]を含有する成分である。好ましくは、合計Si及び結合Oは、シリコーン含有成分中に、当該シリコーン含有成分の総分子量の約20重量%を超える、更に好ましくは30重量%を超える量で存在する。有用なシリコーン含有成分は、好ましくは、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、ビニル、N−ビニルラクタム、N−ビニルアミド及びスチリル官能基などの重合性官能基を含む。
【0102】
いくつかの例示的な実施形態において、挿入物を取り囲む、また挿入物封入層とも呼ばれる、眼用レンズスカートが、標準ハイドロゲル眼用レンズ処方物から構成され得る。多くの挿入物材料に対して許容可能な適合を提供し得る特性を有する例示的な材料としては、Narafilconファミリー(Narafilcon A及びNarafilcon Bなど)、Etafilconファミリー(Etafilcon Aなど)が挙げられる。本明細書の技術と一致する材料の性質に関して、より技術的に包括的な説明は以下に続く。当業者は、説明された以外の他の材料もまた、密封され、封入された挿入物の許容可能なエンクロージャ又は部分的なエンクロージャを形成することができ、請求の範囲と一致しており、これに含まれると見なされるべきであるということを理解するであろう。
【0103】
好適なシリコーン含有成分は、式Iの化合物を含む:
【化1】
式中、
R
1は、独立して、一価の反応基、一価のアルキル基、又は一価のアリール基、更に、ヒドロキシ、アミノ、オキサ、カルボキシ、アルキルカルボキシ、アルコキシ、アミド、カルバメート、カーボネート、ハロゲン、又はこれらの組み合わせから選択される官能基を含み得る前述のもののいずれか;及び、更に、アルキル、ヒドロキシ、アミノ、オキサ、カルボキシ、アルキルカルボキシ、アルコキシ、アミド、カルバメート、ハロゲン又はそれらの組合せから選択される官能基を含み得る1〜100のSi−O繰り返し単位を含む一価のシロキサン鎖、から選択され;
式中、b=0〜500であり、bが0以外の際、bは表示値と同等のモードを有する分配であると理解され、
式中、少なくとも1つのR
1は、一価の反応基を含み、いくつかの例示的な実施形態において、1〜3のR
1は一価の反応基を含む。
【0104】
本明細書で使用するとき、「一価の反応基」は、フリーラジカル及び/又はカチオン重合を受け得る基である。フリーラジカル反応性基の非限定的な例としては、(メタ)アクリレート、スチリル、ビニル、ビニルエーテル、C
1〜6アルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、C
1〜6アルキル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルラクタム、N−ビニルアミド、C
2〜12アルケニル、C
2〜12アルケニルフェニル、C
2〜12アルケニルナフチル、C
2〜6アルケニルフェニルC
1〜6アルキル、O−ビニルカルバメート及びO−ビニルカーボネートが挙げられる。カチオン反応性基の非限定的な例としては、ビニルエーテル又はエポキシド基及びこれらの混合物が挙げられる。1つの例示的な実施形態において、フリーラジカル反応基は、(メタ)アクリレート、アクリルオキシ、(メタ)アクリルアミド、及びこれらの混合物を含む。
【0105】
好適な一価のアルキル基及びアリール基としては、置換及び非置換のメチル、エチル、プロピル、ブチル、2−ヒドロキシプロピル、プロポキシプロピル、ポリエチレンオキシプロピル、これらの組み合わせなどの非置換の一価のC
1〜C
16アルキル基、C
6〜C
14アリール基が挙げられる。
【0106】
1つの例示的な実施形態において、bはゼロであり、1つのR
1は一価の反応基であり、少なくとも3つのR
1は、1〜16個の炭素原子を有する一価のアルキル基から選択され、他の例示的な実施形態においては、1〜6個の炭素原子を有する一価のアルキル基から選択される。本例示的な実施形態のシリコーン成分の非限定的な例としては、2−メチル−、2−ヒドロキシ−3−[3−[1,3,3,3−テトラメチル−1−[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキザニル]プロポキシ]プロピルエステル(「SiGMA」)、
2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロピルオキシプロピル−トリ(トリメチルシロキシ)シラン、
3−メタクリルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン(「TRIS」)、
3−メタクリルオキシプロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、及び
3−メタクリルオキシプロピルペンタメチルジシロキサンが挙げられる。
【0107】
別の例示的な実施形態において、bは2〜20、3〜15であるか又はいくつかの例示的な実施形態においては3〜10であり、少なくとも1つの末端R
1は一価の反応基を含み、残りのR
1は1〜16個の炭素原子を有する一価のアルキル基から選択され、別の例示的な実施形態においては1〜6個の炭素原子を有する一価のアルキル基から選択される。更に別の例示的な実施形態において、bは3〜15であり、1つの末端R
1は一価の反応基を含み、他の末端R
1は1〜6個の炭素原子を有する一価のアルキル基を含み、残りのR
1は1〜3個の炭素原子を有する一価のアルキル基を含む。本発明のシリコーン成分の非限定的な例としては、(モノ−(2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロピル)−プロピルエーテル末端ポリジメチルシロキサン(400〜1000MW))(「OH−mPDMS])、モノメタクリルオキシプロピル末端のモノ−n−ブチル末端ポリジメチルシロキサン(800〜1000MW)、(「mPDMS」)が挙げられる。
【0108】
他の例示的な実施形態において、bは5〜400又は10〜300であり、両方の末端R
1は一価の反応基を含み、残りのR
1は独立して、炭素原子間にエーテル結合を有し、更にハロゲンを含み得る、1〜18個の炭素を原子を有する一価のアルキル基から選択される。
【0109】
シリコーンハイドロゲルレンズが望ましい、1つの例示的な実施形態において、本発明のレンズは、ポリマーが作成される、反応性モノマー成分の総重量に対して、少なくとも約20、好ましくは約20〜70重量%のシリコーン含有成分を含む反応性混合物から作成されるであろう。
【0110】
別の例示的な実施形態において、1〜4個のR
1はビニルカーボネート又は以下の式のカルバメートを含む。
【化2】
式中、YはO−、S−又はNH−を示し、
Rは、水素又はメチルを意味し、dは1、2、3又は4、及びqは0又は1である。
【0111】
シリコーン含有ビニルカーボネート又はビニルカルバメートモノマーは、具体的には、1,3−ビス[4−(ビニルオキシカルボニルオキシ)ブト−1−イル]テトラメチル−ジシロキサン、3−(ビニルオキシカルボニルチオ)プロピル−[トリス(トリメチルシロキシ)シラン]、3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルアリルカルバメート、3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルビニルカルバメート、トリメチルシリルエチルビニルカーボネート、トリメチルシリルメチルビニルカーボネート、及び以下を含む。
【化3】
【0112】
約200未満の弾性率を有する生物医学用器具が所望される場合、1個のR
1のみが一価の反応基を含むものとし、残りのR
1基のうちの2個以下は、一価のシロキサン基を含む。
【0113】
別のクラスのシリコーン含有成分としては、以下の式のポリウレタンマクロマーが挙げられる:
式IV〜VI
(
*D
*A
*D
*G)
a *D
*D
*E
1;
E(
*D
*G
*D
*A)
a *D
*G
*D
*E
1又は
E(
*D
*A
*D
*G)
a* D
*A
*D
*E
1
式中、
Dは、6〜30個の炭素原子を有するアルキルジラジカル、アルキルシクロアルキルジラジカル、シクロアルキルジラジカル、アリールジラジカル又はアルキルアリールジラジカルを意味し、
Gは、1〜40個の炭素原子を有するアルキルジラジカル、シクロアルキルジラジカル、アルキルシクロアルキルジラジカル、アリールジラジカル又はアルキルアリールジラジカルを意味し、これは、主鎖中にエーテル、チオ又はアミン結合を含有してよく;
* はウレタン又はウレイド結合を意味し、
a は、少なくとも1であり;
Aは以下の式の二価重合ラジカルを意味する:
【化4】
R
11は、1〜10個の炭素原子を有するアルキル又はフルオロ置換アルキル基を独立して意味し、これは炭素原子間にエーテル結合を含んでよく;yは少なくとも1であり;pは400〜10,000の部分重量を提供し;E及びE
1はそれぞれ独立して以下の式に示される重合性不飽和有機ラジカルを示す:
【化5】
式中、R
12は水素又はメチルであり;R
13は水素、1〜6個の炭素原子を有するアルキルラジカル又はa−CO−Y−R
15ラジカルであり;YはO−、Y−S−、又は−NH−であり;R
14は1〜12個の炭素原子を有する二価のラジカルであり;Xは−CO−又は−OCO−を意味し;Zは−O−又は−NH−を意味し;Arは6〜30個の炭素原子を有する芳香族ラジカルを意味し;wは0〜6であり;xは0又は1であり;yは0又は1であり;zは0又は1である。
【0114】
1つの好ましいシリコーン含有成分は、以下の式で示されるポリウレタンマクロマーである:
【化6】
式中、R
16は、イソホロンジイソシアネートのジラジカルなどのイソシアネート基除去後のジイソシアネートのジラジカルである。別の好適なシリコーン含有マクロマーは、フルオロエーテル、ヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサン、イソホロンジイソシアネート及びイソシアネートエチルメタクリレートの反応によって形成される式X(式中、x+yは10〜30の範囲の数である)の化合物である。
【化7】
【0115】
本発明において用いるのに好適な他のシリコーン含有成分としては、ポリシロキサン基、ポリアルキレンエーテル基、ジイソシアネート基、ポリフッ素化炭化水素基、ポリフッ素化エーテル基及びポリサッカライド基を含有するマクロマー;末端ジフルオロ置換炭素原子に結合した水素原子を有する極性フッ素系グラフト又は側鎖基をもつポリシロキサン;エーテル及びシロキサニル結合を含有する親水性シロキサニルメタクリレート;及びポリエーテル基及びポリシロキサニル基を含有する架橋性モノマーが挙げられる。任意の上記ポリシロキサンは、本発明において、シリコーン含有成分としても使用され得る。
【0116】
液晶材料
本明細書で議論した液晶層型に一致する特徴を有し得る多くの材料が存在し得る。有益な毒性を有する液晶が好ましく、天然に由来したコレステリル系液晶材料が有用であり得ることが想定され得る。他の実施例において、眼用挿入物の封入技術と材料が、典型的に、ネマチック又はコレステリックN又はスメチック液晶又は液晶混合物に関する広いカテゴリーのものであり得る、LCDディスプレイ関連材料を含み得る材料の幅広い選択が許容され得る。TN、VA、PSVA、IPS及びFFS適用のためのMerck Specialty chemicals Licristal混合物のような市販されている混合物、及び他の市販されている混合物が、液晶層を形成するために、材料選択を形成し得る。
【0117】
非限定的な意味において、混合物又は処方物には、以下の液晶材料が含まれ得る:1−(トランス−4−ヘキシルシクロヘキシル)−4−イソチオシアネートベンゼン液晶、(4−オクチル安息香酸及び4−ヘキシル安息香酸)などの安息香酸化合物、(4’−ペンチル−4−ビフェニルカルボニトリル、4’−オクチル−4−ビフェニルカルボニトリル、4’−(オクチル)−4−ビフェニルカルボニトリル、4’−(ヘキシルオキシ)−4−ビフェニルカルボニトリル、4−(トランス−4−ペンチルシクロヘキシル)ベンゾニトリル、4’−(ペンチルオキシ)−4−ビフェニルカルボニトリル、4’−ヘキシル−4−ビフェニルカルボニトリル)などのカルボニトリル化合物、及び4,4’−アゾキシアニソール。
【0118】
非限定的な意味において、室温にてn
par−n
perp>0.3の特定の高複屈折を示している処方物を、液晶層形成材料として使用し得る。例えば、W1825として呼ばれるかかる処方物は、AWAT及びBEAM Engineering for Advanced Measurements Co.(BEAMCO)から入手可能であり得る。
【0119】
本発明の概念において有用であり得る他のクラスの液晶材料が存在し得る。例えば、強誘導体液晶が、電界指向液晶実施様態に関する機能を提供し得るが、また磁場相互作用のような他の効果も導入し得る。電磁放射の材料との相互作用もまた異なり得る。
【0120】
アライメント層材料
記載した例示的な実施形態の多くにおいて、眼用レンズ内の液晶層は、挿入物境界にて、様々な様式にて整列される必要があり得る。例えばアライメントは、挿入物の境界に対して平行であるか、又は垂直であってよく、このアライメントは、様々な表面の適切な処理によって得られてよい。処理には、アライメント層による液晶(LC)を含む挿入物の基質のコーティングを含み得る。これらのアライメント層を本明細書で記載する。
【0121】
様々な型の液晶系器具中で一般に実施される技術は、摩擦技術であり得る。本技術は、液晶を封入するために使用される挿入部品の1つのような、湾曲した表面を構成するために適合されてよい。一例として、表面はポリビニルアルコール(PVA)層によってコーティングされ得る。例えば、PVA層は、1重量%水溶液を用いて、スピンコーティングされ得る。溶液を、およそ60秒間、1000rpmにてスピンコーティングに適用し、次いで乾燥させてよい。続いて、乾燥した層を柔らかい布でこすってよい。非限定例において、柔らかい布はベルベットであってよい。
【0122】
フォト−アライメントが、液晶封入においてアライメント層を産出するための他の技術であり得る。いくつかの例示的な実施形態において、フォト−アライメントは、その非接触性質と、大規模製造の可能性によって望ましい。非限定的な例において、液晶可変光学部分中で使用されるフォト−アライメント層は、典型的なUV波長の線状偏光の分極に対して直角の方向で大部分が整列可能な二色性アゾベンゼン色素(アゾ色素)から構成され得る。そのようなアライメントは、反復性トランス−シス−トランスフォトアイソマー化プロセスの結果であってよい。
【0123】
一例として、PAADシリーズアゾベンゼン色素を、3000rpmにて30秒間、DMF中1重量%溶液からスピンコーティングし得る。続いて、得られた層を、(例えば325nm、351nm、365nmなど)UV波長、又は可視光波長(400〜500nm)の線状偏光ビームに曝露し得る。光源は様々な形態を取ってよい。いくつかの実施形態において、光は、例えばレーザー源から始まってよい。LED、ハロゲン及び白熱のような他の光源が他の非限定的な例である。様々な形態の光が、必要に応じて様々なパターンで偏光した前又は後のいずれかで、光は光学レンズ器具の利用を通して様々な様式で視準され得る。レーザー源からの光は、例えば本質的に、一定程度の視準を有し得る。
【0124】
アゾベンゼンポリマー、ポリエステル、メソジェニック4−(4−メトキシシンナモイルオキシ)ビフェニル側鎖等を有する光架橋性ポリマー液晶に基づいた様々な光異方性材料が現在公知である。そのような材料の例としては、スルホニックビズアゾダイSD1及び他のアゾベンゼン色素、とりわけBEAM Enginerring for Advanced Measurements Co.(BEAMCO)から入手可能なPAAD−シリーズ材料、ポリ(ビニルシンナメート)及びその他が挙げられる。
【0125】
いくつかの例示的な実施形態において、PAADシリーズアゾ色素の水溶液又はアルコール溶液を使用することが望ましい。いくつかのアゾベンゼン色素、例えばメチルレッドを、液晶層を直接ドーピングすることによってフォトアライメントのために使用し得る。アゾベンゼン色素の、偏光への曝露が、所望のアライメント条件を作製する境界層に対して、液晶層のバルクへ、バルク内へ、アゾ色素の分散及び接着を引き起こし得る。
【0126】
メチルレッドのようなアゾベンゼン色素はまた、ポリマー、例えばPVAとの組み合わせで使用され得る。許容され得る液晶の隣接層のアライメントを実施可能な他の光異方性材料が、現在公知である。これらの例としては、クマリン、ポリエステル、メソジェニック4−(4−メトキシシンアモイルオキシ)−ビフェニル側鎖を有する光架橋性ポリマー液晶、ポリ(ビニルシンナメート)などに基づく材料が挙げられる。フォトアライメント技術は、液晶のパターン化された配向を含む実施形態に対して有利であり得る。
【0127】
アライメント層を作成する他の例示的な実施形態において、アライメント層は、挿入物部品基質上、酸化シリコーン(SiOx、式中1<=x<=2)の真空蒸着によって得られ得る。例えば、SiO
2は、約0.1mPa(約10
−6mbar)のような低圧にて蒸着し得る。前方及び後方挿入部品の作製とともに、射出成形されるナノスケールサイズで、アライメント形体を提供することが可能であり得る。これらの成形された形体を、様々な様式にて、言及した材料、又は物理的アライメント形体と直接相互作用し、液晶分子のアライメント配向内にパターン化したアライメントを伝送し得る他の材料でコーティングし得る。
【0128】
イオンビームアライメントが、液晶封入においてアライメント層を作成するためのもう1つの技術であり得る。いくつかの例示的な実施形態において、視準されたアルゴンイオン又は集束ガリウムイオンビームを、規定の角度/配位にて、アライメント層上で衝突させ得る。このタイプのアライメントはまた、酸化シリコーン、ダイヤモンド様炭素(DLC)、ポリイミド及び他のアライメント材料を整列するために使用され得る。
【0129】
また更なる例示的な実施形態は、形成された後、挿入物部品に対して物理的アライメント形体の作製に関連し得る。他の液晶に基づく技術において一般的であるような摩擦技術を、物理的溝を作製するために、成形された表面上で実施し得る。表面をまた、それらの上に小さな溝付き形体を作製するために、成形後エンボス加工プロセスにかけてもよい。また更なる例示的な実施形態が、様々な種類の光学パターン化プロセスを含んでよい、エッチング技術の利用から誘導されてよい。
【0130】
誘電材料
誘電性膜及び誘電体を本明細書で記載する。非限定的な例によって、液晶可変光学部分中で使用される誘電膜又は誘電体は、本明細書で記載される本発明に適切な特徴を有する。誘電体は、誘電体として、単独で、又は一緒に機能する、1つ又は複数の材料層を含み得る。複数の層を、単一の誘電体よりも優れた誘電性性能を達成するために使用し得る。
【0131】
誘電体は、離散的に可変光学部分に対して望まれる厚さ、例えば1〜10μmにて、欠損のない絶縁層を許容し得る。欠損は、誘電体を通した誘電性許容電気的及び/又は化学的接触中の穴であると当業者によって公知であるような、ピンホールを指し得る。与えられた厚さでの誘電体は、破壊電圧に対しての要求をみたし、例えば誘電体は100ボルト以上で耐えるべきである。
【0132】
誘電体は、湾曲した、円錐、球及び複合三次元表面(例えば湾曲表面又は非平面表面)上への製造を許容し得る。ディップ−及びスピン−コーティングの典型的な方法を使用してよく、又は他の方法を使用し得る。
【0133】
誘電体は、可変光学部分、例えば液晶又は液晶混合物、溶媒、酸及び塩基、又は液晶領域の形成において存在し得る他の材料中、化学物質からのダメージに低抗し得る。誘電体は、赤外、紫外及び可視光からのダメージに低抗し得る。望まないダメージとしては、本明細書で記載したパラメータ、例えば破壊電圧及び光伝送に対する悪化が挙げられ得る。誘電体は、イオンの透過に抵抗し得る。誘電体は、エレクトロマイグレーション、樹状突起、及び潜在的電極の他の悪化を防止し得る。誘電体は、潜在的電極及び/又は基質へ、例えば接着促進層の利用にて、接着し得る。誘電体は、低汚染、低表面欠損、共形コーティング及び低表面粗さを許容するプロセスを用いて製造され得る。
【0134】
誘電体は、与えられた電極区域に対するキャパシタンスを減少させるために、システムの電気操作、例えば、低比誘電率と両立する比誘電率又は誘電率を有し得る。誘電体は、高抵抗率を有してよく、それによって非常に小さな電流が、高適用電圧でさえも流れることを許容する。誘電体は、光学器具にとって望まれる品質、例えば高透過率、低分散及び特定の範囲内の屈折率を有し得る。
【0135】
例示的かつ非限定的な誘電性材料としては、1つ又は複数のParylene−C、Parylene−HT、Silicon Dioxide、Silicon Nitride及びTeflon AFが挙げられる。
【0136】
電極材料
電極を、液晶領域にわたり電界を達成するための、電位を適用するために、本明細書で記載する。電極は一般に、電極として単独又は一緒に機能する1つ又は複数の材料を含む。
【0137】
電極は、おそらく接着促進剤(例えばメタアクリルオキシピルトリメトキシシラン)の利用にて、システム中、潜在する基質、誘電性コーティング又は他の目的物に接着し得る。電極は、有益な天然の酸化物を形成するか、又は有益な酸化層を作製するために処理され得る。電極は、高光伝送及び低反射を有して、透明、実質的に透明、又は不透明であり得る。電極は公知の処理方法にて、パターン化されるか、エッチングされてよい。例えば、電極を、フォトリソグラフパターン化及び/又はリフトオフプロセスを用いて、蒸発、スパッタリング又は電気鍍金が施され得る。
【0138】
電極を、本明細書で記載した電気システム中で使用するための好適な抵抗率を有するように、例えば与えられた幾何学的構造物中低抗に対する要求をみたすように設計され得る。
【0139】
電極は、1つ又は複数のインジウム酸化第一スズ(ITO)、アルミニウムドープ化酸化亜鉛(AZO)、金、ステンレススチール、クロム、グラフェン、グラフェンドープ化層及びアルミニウムから製造され得る。これは包括的なリストではないことが理解されるであろう。
【0140】
電極を、電極間の領域中で電界を確立するために使用し得る。いくつかの実施形態において、その上に電圧が形成されてよい、多くの表面が存在し得る。定義された任意の、又は全ての表面上に電極を配置することが可能であり得、電界が、その上に、少なくとも2つの表面への電圧の適用によって電極が形成された任意の表面間の領域内で確立され得る。
【0141】
プロセス
以下の方法工程は、本発明のいくつかの態様により実施してもよいプロセスの例として与えられる。本方法工程が示される順番は限定を意図するものではなく、他の順番を用いて本発明を実施しても良いものと理解されるべきである。更に、全ての段階が、本発明を実施するために必要とするわけではなく、更なる段階が、本発明の様々な例示的な実施形態内に含まれてよい。更なる実施形態が実用的であり、かかる方法は、当該請求項の十分に範囲内であるということは、当業者には明白であり得る。
【0142】
図7を参照すると、フローチャートが、本発明を実施するために使用し得る例示段階を図示している。701にて、後方湾曲表面を含んでよく、他の基質層の表面の形状とは異なってよい第1型の形状を有する上面を有し得る第1基質層の形成工程が実施される。いくつかの例示的な実施形態において、差には、光学ゾーン中に存在し得る少なくとも一部分における異なる表面の曲率半径が含まれ得る。702にて、前方湾曲表面又は中間表面、又はより複雑な器具に対する中間表面の一部分を含み得るように形成される第2基質層の形成工程が実施される。703にて、電極層が、第1基質層上に沈着され得る。沈着は、例えば蒸着又はエレクトロプレーティングによって発生してよい。いくつかの例示的な実施形態において、第1基質層は、光学ゾーン中の領域及び非光学ゾーン中の領域両方を有する挿入物の一部分であり得る。電極沈着プロセスは、いくつかの実施形態において、相互連結形体を同時に定義し得る。いくつかの例示的な実施形態において、誘電体層が、相互連結又は電極上に形成され得る。誘電体層は、例えば二酸化シリコーンなどの多くの絶縁及び誘電体層を含み得る。
【0143】
704にて、第1基質層が更に、先に沈着した誘電体又は電極層上に、アライメント層を追加するように処理され得る。アライメント層は、基質の上面層上に沈着してよく、ついで標準アライメント層の特性である、溝彫り形体を作製するために、標準様式、例えば摩擦技術にて、又はエネルギー粒子又は光への曝露での処理によって、処理し得る。光異方性材料の薄層を、様々な特徴を有するアライメント層を形成するために光曝露で処理し得る。先に言及したように、隙間に配置された液晶のポリマーネットワーク化領域が形成される、液晶の層を形成するための方法において、この方法には、アライメント層の形成に関する段階が含まれなくてよい。
【0144】
705にて、第2基質層が更に処理され得る。電極層が、段階703と類似の様式にて、第二基質層上に沈着してよい。ついで、いくつかの例示的な実施形態において、706にて、誘電体層を、電極層上の第2基質層上に適用し得る。誘電体層が、その表面にわたって可変厚を有して形成され得る。一例として、誘電体層が、第1基質層上で成形されてよい。あるいは、先に形成された誘電体層が、第2基質部品の電極表面上に接着され得る。
【0145】
707にて、アライメント層は、704での処理段階と同様の様式にて、第2基質層上で形成され得る。707の後、眼用レンズ挿入物の少なくとも一部分を形成し得る2つの別の基質層が、結合される状態であり得る。いくつかの例示的な実施形態において、708にて、2つの部品が、互いに近接に運ばれ、ついで液晶材料が、部品間中に充填され得る。非限定的な例として、空洞が排気され、液晶材料が続いて、排気された空間内にながれることが許容される、真空に基づく充填を含む、多くの様式が、部品間内に液晶を充填させるために存在する。更に、レンズ挿入部品間の空間中に存在するキャピラリー力が、液晶材料での空間の充填を補助し得る。709にて、2つの部品が、互いに隣接に運ばれ、ついで密封されて、液晶を有する可変光学要素を形成してよい。非限定的な例として、接着剤、シーラント、o−リングのような物理的シーリング要素、及びスナップロック形体の利用を含む、部品を一緒に密封する多くの様式が存在し得る。
【0146】
いくつかの例示的な実施形態において、709にて形成された型の2つの部品が、方法段階701から709を繰り返すことによって作製されてよく、そこでアライメント層が、非偏光の焦度を調節し得るレンズを許容するために、互いからオフセットである。そのような例示的な実施形態において、2つの可変光学層が統合されて、単一の可変光学挿入物を形成し得る。710にて、可変光学部分が、エネルギー源及び中間体に連結してよく、接続した要素がその上に配置され得る。
【0147】
711にて、段階710での結果である可変光学挿入物が、鋳型部分内に配置され得る。可変光学挿入物は、1つ又は複数の要素を含んでもよく、含まなくてもよい。いくつかの好ましい実施形態において、可変光学挿入物は、機械配置を介して鋳型部分内に配置される。機械配置としては、例えば、表面実装要素を配置するために、本工業において公知であるような、ロボット又は他のオートメーションが含まれてよい。可変光学挿入物のヒト配置がまた、本発明の範囲内である。したがって、任意の機械配置又はオートメーションが、鋳型部分によって含まれる反応性混合物の重合化が、得られる眼用レンズ内に可変光学を含めるであろうように、鋳造鋳型部分内に、エネルギー源を有する可変光学挿入物を配置するために効果的であるように使用され得る。
【0148】
いくつかの例示的な実施形態において、可変光学挿入物が、基質に接続した鋳型部分中に配置され得る。エネルギー源及び1つ又は複数の要素がまた、基質に接続され、可変光学挿入物と電気的に導通され得る。要素には、例えば、可変光学挿入物に適用された出力を制御するための回路が含まれ得るしたがって、いくつかの例示的な実施形態において、要素は、例えば第1光学出力と第2光学出力間の状態の変化のような、1つ又は複数の光学特徴を変更するために、可変光学挿入物を作動させるための制御機構を含む。
【0149】
いくつかの例示的な実施形態において、プロセッサ器具、マイクロ電気機械式システム(MEMS)、ナノ電気機械式システム(NEMS)、又は他の要素が、可変光学挿入物内に配置され、エネルギー源と電気的に接触する。712にて、反応性モノマー混合物が、鋳型部分内に沈着し得る。713にて、可変光学挿入物が、反応性混合物と接触して位置し得る。いくつかの例示的な実施形態において、可変光学の配置と、モノマー混合物の沈着の順番は逆でもよい。714にて、第1鋳型部分が、第2鋳型部分の近くに配置されて、少なくともいくつかの反応性モノマー混合物を有するレンズ形成空洞と、空洞内に可変光学挿入物を形成する。以上で議論したように、好ましい実施形態には、また空洞内であり、可変光学挿入物と電気的に導通する、エネルギー源と1つ又は複数の要素が含まれる。
【0150】
715にて、空洞内の反応性モノマー混合物が重合される。重合は、例えば、化学線及び熱のいずれか又は両方への曝露によって達成され得る。716にて、眼用レンズが、当該眼用レンズを作製する挿入物封入重合化材料に接着するか、又は封入される可変光学挿入物を有する鋳型部分から取り除かれる。
【0151】
本発明が、任意の公知のレンズ材料から作成されるハード又はソフトコンタクトレンズ、又はそのようなレンズを製造するために好適な材料を提供するために使用され得るが、好ましくは、本発明のレンズは、約0〜約90パーセントの水分含量を有するソフトコンタクトレンズである。更に好ましくは、レンズは、モノマー含有ヒドロキシ基、カルボキシル基、又はこれらの両方から作成される、若しくは、シロキサン、ヒドロゲル、シリコーンヒドロゲル、及びこれらの組み合わせ等のシリコーン含有ポリマーから作成される。本発明のレンズを形成するのに有用な材料は、重合開始剤等の添加剤に加えて、マクロマー、モノマー、及びこれらの組み合わせの混合物を反応させることによって、作成され得る。好適な材料としては、シリコーンマクロマー及び親水性モノマーから作成されるシリコーンヒドロゲルが挙げられる。
【0152】
装置
図8を参照すると、自動化装置810が、1つ又は複数の転送インターフェース811を有して図示される。それぞれ関連づけられている可変光学光学挿入物814を備えた複数の鋳型部分が、パレット813上に収容され、転送インターフェース811に提示される例示的な実施形態には、例えば、個々に可変光学挿入物814を配置している単一のインターフェース、又は同時に可変光学挿入物814を複数の鋳型部分内に配置している複数のインターフェース(示していない)を、いくつかの例示的な実施形態において、各鋳型部分中で、含み得る。配置は、転送インターフェース811の垂直運動815を介して生じ得る。
【0153】
本発明のいくつかの例示的な実施形態の他の様態には、眼用レンズの本体が、これらの要素の周辺に成形される一方で、可変光学挿入物814を支持するための装置が含まれる。いくつかの例示的な実施形態において、可変光学挿入物814と、エネルギー源が、レンズ鋳型内の保持点に固定され得る(示していない)。保持点は、レンズ本体を形成するものと同種の重合材料によって固定され得る。他の例示的な実施形態としては、その上に可変光学挿入物814とエネルギー源が固定されてよい、鋳型部分内にプレポリマーの層が挙げられる。
【0154】
挿入器具中に含まれるプロセッサ
ここで
図9を参照すると、コントローラ900が、本発明のいくつかの例示的な実施形態にて使用され得るように図示されている。コントローラ900はプロセッサ910を含むが、このプロセッサは、通信デバイス920に結合した1つ又は複数のプロセッサ構成要素を含み得る。いくつかの例示的な実施形態において、コントローラ900は、眼用レンズ中に配置されるエネルギー源にエネルギーを伝達するために使用され得る。
【0155】
コントローラには、通信チャンネルを介してエネルギーを通信するために設定された通信デバイスに連結した、1つ又は複数のプロセッサが含まれ得る。通信デバイスは、可変光学挿入物の眼用レンズ内への1つ又は複数の配置、又は可変光学器具を操作するためのコマンドの伝送を電子的に制御するために使用され得る。
【0156】
通信デバイス920を使用することによってまた、例えば、1つ又は複数のコントローラ装置又は製造機器要素と通信し得る。
【0157】
プロセッサ910は、記憶デバイス930とも通信する。記憶デバイス930は、磁気記憶デバイス(例えば、磁気テープ及びハードディスクドライブ)、光記憶デバイス、及び/又はランダムアクセスメモリ(RAM)デバイス及びリードオンリーメモリ(ROM)デバイスなどの半導体記憶デバイスを含む、任意の適切な情報記憶デバイスを備え得る。
【0158】
記憶デバイス930は、プロセッサ940を制御するためのプログラム910を記録し得る。プロセッサ910は、プログラム940の指示を実行し、それによって、本発明に従って作動する。例えば、プロセッサ910は、可変光学挿入物の配置、処理デバイスの配置などを記述する情報を受信し得る。記憶デバイス930はまた、1つ又は複数のデータベース950、960内に、眼に関連したデータを保存し得る。データベース950及び960には、可変光学レンズへ、又は可変光学レンズからのエネルギーを制御するための、特定の制御ロジックが含まれ得る。
【0159】
本文中、参照が、図中に図示された要素に対して実施された。多くの素子が、理解のために、本技術分野の例示的な実施形態を描写するため、参照のために描写される。実際の形体の相対スケールは、描写したものと明確に異なってよく、描写した相対スケールからの差が、本明細書の目的内で想定されるべきである。例えば、液晶分子は、挿入物部分のスケールに対して描写するために、極端に小さいスケールであってよい。分子のアライメントのような因子の再現を許容するために、挿入部品に対して同様のスケールにて、液晶分子を表す形体の描写がしたがって、実際の実施形態において、非常に異なる相対スケールを想定し得るそのような描写スケールの一例である。
【0160】
図示及び説明されたものは、最も実用的かつ好ましい実施形態であると考えられるが、当業者であれば、本明細書に説明及び図示した特定の設計及び方法からの変更はそれ自体当業者にとって自明であり、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく使用できることは明らかであろう。本発明は、説明及び図示される特定の構造に限定されるものではないが、付属の特許請求の範囲に含まれ得るすべての改変例と一貫性を有するものとして解釈されなければならない。
【0161】
〔実施の態様〕
(1) 眼用レンズ器具であって、前記眼用レンズ器具の光学ゾーンの少なくとも一部分内には可変光学挿入物が位置し、前記可変光学挿入物は、
湾曲前方表面及び湾曲後方表面であって、前記前方表面及び後方表面は、1つのチャンバーの少なくとも一部分を境界付けるように構成される、湾曲前方表面及び湾曲後方表面と、
非光学ゾーンを含む少なくとも1つの領域中で、前記可変光学挿入物に埋め込まれたエネルギー源と、
前記少なくとも1つのチャンバー内に位置した液晶材料を含む層であって、前記層は、前記可変光学挿入物の少なくとも第1部分にわたる屈折率が半径依存で変化するパターンで整列される液晶材料の領域を含む、層と、を含む、眼用レンズ器具。
(2) 前記光学挿入物の少なくとも前記第1部分にわたる屈折率は、半径方向の寸法への放物線状の依存性を有する、実施態様1に記載の眼用レンズ器具。
(3) 前記液晶材料を含む層の光学効果は、挿入物表面の異なる半径の効果によって補われる、実施態様2に記載の眼用レンズ器具。
(4) 前記レンズがコンタクトレンズである、実施態様2に記載の眼用レンズ器具。
(5) 更に、
前記湾曲後方表面に近接する第1電極材料層と、
前記湾曲前方表面に近接する第2電極材料層と、を含む、実施態様4に記載の眼用レンズ器具。
【0162】
(6) 前記液晶材料を含む層の少なくとも一部分は、電位が前記第1電極材料層及び前記第2電極材料層にわたって適用される際、前記液晶材料を含む層を横断する光線に影響を与える、その屈折率を変化させる、実施態様5に記載の眼用レンズ器具。
(7) 前記可変光学挿入物は、レンズの焦点特性を変更する、実施態様6に記載の眼用レンズ器具。
(8) 更に電気回路を含み、前記電気回路は、前記エネルギー源から前記第1電極層及び前記第2電極層への電気エネルギーの流れを制御する、実施態様7に記載の眼用レンズ器具。
(9) 前記電気回路はプロセッサを含む、実施態様8に記載の眼用レンズ器具。
(10) 眼用レンズ器具であって、前記眼用レンズ器具の光学ゾーンの少なくとも一部分内には可変光学挿入物が位置し、前記可変光学挿入物は、
湾曲第1前方表面及び湾曲第1後方表面であって、前記第1前方表面及び第1後方表面は、第1チャンバーの少なくとも一部分を境界付けるように構成される、湾曲第1前方表面及び湾曲第1後方表面と、
湾曲第2前方表面及び湾曲第2後方表面であって、前記第2前方表面及び第2後方表面は、第2チャンバーの少なくとも一部分を境界付けるように構成される、湾曲第2前方表面及び湾曲第2後方表面と、
少なくとも1つのチャンバー内に位置した液晶材料を含む少なくとも1つの層であって、前記少なくとも1つの層は、前記可変光学挿入物の少なくとも第1部分にわたる屈折率が半径依存で変化するパターンで整列される液晶材料の領域を含む、層と、
非光学ゾーンを含む少なくとも1つの領域中で、前記挿入物に埋め込まれるエネルギー源と、を含む、眼用レンズ器具。
【0163】
(11) 前記光学挿入物の少なくとも前記第1部分にわたる屈折率は、半径方向の寸法への放物線状の依存性を有する、実施態様10に記載の眼用レンズ器具。
(12) 前記液晶材料を含む層の光学効果は、挿入物表面の異なる曲率の効果によって補われる、実施態様11に記載の眼用レンズ器具。
(13) 前記レンズがコンタクトレンズである、実施態様10に記載の眼用レンズ器具。
(14) 更に、
前記第1湾曲後方表面に近接する第1電極材料層と、
前記湾曲第1前方表面に近接する第2電極材料層と、を含む、実施態様13に記載の眼用レンズ器具。
(15) 前記液晶材料を含む層は、電位が前記第1電極材料層及び前記第2電極材料層にわたって適用される際、前記液晶材料を含む層を横断する光線に影響を与える、その屈折率を変化させる、実施態様14に記載の眼用レンズ器具。
【0164】
(16) 前記可変光学挿入物は、レンズの焦点特性を変更する、実施態様15に記載の眼用レンズ器具。
(17) 更に電気回路を含み、前記電気回路は、前記エネルギー源から前記第1電極層及び前記第2電極層への電気エネルギーの流れを制御する、実施態様16に記載の眼用レンズ器具。
(18) 前記電気回路はプロセッサを含む、実施態様17に記載の眼用レンズ器具。
(19) コンタクトレンズ器具であって、前記コンタクトレンズ器具の光学ゾーンの少なくとも一部分内には可変光学挿入物が位置し、前記可変光学挿入物は、
湾曲第1前方表面及び湾曲第1後方表面であって、前記第1前方表面と第1後方表面は少なくとも1つの第1チャンバーを形成するように構成される、湾曲第1前方表面及び湾曲第1後方表面と、
前記湾曲第1前方表面に近接する第1電極材料層と、
前記湾曲第1後方表面に近接する第2電極材料層と、
前記第1チャンバー内に位置した液晶材料を含む第1層であって、前記第1層は、前記可変光学挿入物の少なくとも第1部分にわたる第1屈折率が、第1の半径依存で変化する第1パターンで整列される液晶材料の領域を含み、第1電位が前記第1電極材料層及び前記第2電極材料層にわたって適用される際、前記液晶材料を含む第1層は、前記液晶材料を含む第1層を横切る第1光線に影響を与える、その第1屈折率を変化させる、第1層と、
湾曲第2前方表面及び湾曲第2後方表面であって、前記第2前方表面及び第2後方表面は、少なくとも1つの第2チャンバーを形成するように構成される、湾曲第2前方表面及び湾曲第2後方表面と、
前記湾曲第2前方表面に近接する第3電極材料層と、
前記湾曲第2後方表面に近接する第4電極材料層と、
前記第2チャンバー内に位置した液晶材料を含む第2層であって、前記第2層は、前記可変光学挿入物の少なくとも第2部分にわたる第2屈折率が、第2の半径依存で変化する第2パターンで整列される液晶材料の領域を含み、第2電位が前記第3電極材料層及び前記第4電極材料層にわたって適用される際、前記液晶材料を含む第2層は、前記液晶材料を含む第2層を横切る第2光線に影響を与える、その第2屈折率を変化させる、第2層と、
非光学ゾーンを含む少なくとも1つの領域中で、前記挿入物中に埋め込まれるエネルギー源と、
プロセッサを含む電気回路であって、前記電気回路は、前記エネルギー源から、前記第1、第2、第3又は第4電極層のうちの1つ又は複数への電気エネルギーの流れを制御する、プロセッサを含む電気回路と、を含み、
前記可変光学挿入物は前記コンタクトレンズ器具の焦点特性を変更する、コンタクトレンズ器具。
(20) コンタクトレンズ器具であって、前記コンタクトレンズ器具の光学ゾーンの少なくとも一部分内には可変光学挿入物が位置し、前記可変光学挿入物は、
前記可変光学挿入物内に位置した液晶材料を含む層であって、前記層は、前記可変光学挿入物の少なくとも第1部分にわたる屈折率が半径依存で変化するパターンで整列される液晶材料の領域を含む、層、を含み、
前記液晶材料を含む層の少なくとも第1表面は湾曲している、コンタクトレンズ器具。
【0165】
(21) 眼用レンズ器具であって、前記眼用レンズ器具の光学ゾーンの少なくとも一部分内には可変光学挿入物が位置し、前記可変光学挿入物は、
挿入物前方湾曲部品及び挿入物後方湾曲部品であって、前記前方湾曲部品の後方表面が第1曲率を有し、前記後方湾曲部品の前方表面が第2曲率を有する、挿入物前方湾曲部品及び挿入物後方湾曲部品と、
非光学ゾーンを含む少なくとも1つの領域中で、前記挿入物に埋め込まれるエネルギー源と、
液晶材料を含む層であって、前記層は、前記可変光学挿入物の少なくとも第1部分にわたる屈折率が半径依存で変化するパターンで整列される液晶材料の領域を含む、層と、を含む、眼用レンズ器具。
(22) 前記光学挿入物の少なくとも前記第1部分にわたる屈折率は、半径方向の寸法への放物線状の依存性を有する、実施態様21に記載の眼用レンズ器具。
(23) 前記液晶材料を含む層の光学効果は、挿入物表面の異なる曲率の効果によって補われる、実施態様22に記載の眼用レンズ器具。
(24) 前記第1曲率が、前記第2曲率と異なる、実施態様21に記載の眼用レンズ器具。
(25) 前記レンズがコンタクトレンズである、実施態様21に記載の眼用レンズ器具。
【0166】
(26) 更に、
前記前方湾曲部品の前記後方表面に近接する第1電極材料層と、
前記後方湾曲部品の前記前方表面に近接する第2電極材料層と、を含む、実施態様25に記載の眼用レンズ器具。
(27) 前記液晶材料を含む層は、電位が前記第1電極材料層及び前記第2電極材料層にわたって適用される際、前記液晶材料を含む層を横断する光線に影響を与える、その屈折率を変化させる、実施態様26に記載の眼用レンズ器具。
(28) 前記可変光学挿入物は、レンズの焦点特性を変更する、実施態様27に記載の眼用レンズ器具。
(29) 更に電気回路を含み、前記電気回路は、前記エネルギー源から前記第1電極層及び前記第2電極層への電気エネルギーの流れを制御する、実施態様28に記載の眼用レンズ器具。
(30) 前記電気回路はプロセッサを含む、実施態様29に記載の眼用レンズ器具。
【0167】
(31) 眼用レンズ器具であって、前記眼用レンズ器具の光学ゾーンの少なくとも一部分内には可変光学挿入物が位置し、前記可変光学挿入物は、
挿入物前方湾曲部品、少なくとも第1中間湾曲部品及び挿入物後方湾曲部品であって、前記前方湾曲部品の後方表面が第1曲率を有し、前記第1中間湾曲部品の前方表面が第2曲率を有する、挿入物前方湾曲部品、少なくとも第1中間湾曲部品及び挿入物後方湾曲部品と、
非光学ゾーンを含む少なくとも1つの領域中で、前記挿入物に埋め込まれるエネルギー源と、
液晶材料を含む層を含む前記可変光学挿入物であって、前記層は、前記可変光学挿入物の少なくとも第1部分にわたる屈折率が半径依存で変化するパターンで整列される液晶材料の領域を含む、可変光学挿入物と、を含む、眼用レンズ器具。
(32) 前記光学挿入物の少なくとも前記第1部分にわたる屈折率は、半径方向の寸法への放物線状の依存性を有する、実施態様31に記載の眼用レンズ器具。
(33) 前記第1曲率が、前記第2曲率と異なる、実施態様32に記載の眼用レンズ器具。
(34) 前記レンズがコンタクトレンズである、実施態様31に記載の眼用レンズ器具。
(35) 更に、
前記前方湾曲部品に近接する第1電極材料層と、
前記中間湾曲部品及び前記後方湾曲部品の1つ又は複数に近接する第2電極材料層と、を含む、実施態様34に記載の眼用レンズ器具。
【0168】
(36) 更に、
前記前方湾曲部品に近接する第1電極材料層と、
前記中間湾曲部品に近接する第2電極材料層と、を含む、実施態様34に記載の眼用レンズ器具。
(37) 前記液晶材料を含む層は、電位が前記第1電極材料層及び前記第2電極材料層にわたって適用される際、前記液晶材料を含む層を横断する光線に影響を与える、その屈折率を変化させる、実施態様36に記載の眼用レンズ器具。
(38) 前記可変光学挿入物は、レンズの焦点特性を変化させる、実施態様37に記載の眼用レンズ器具。
(39) 更に電気回路を含み、前記電気回路は、前記エネルギー源から前記第1電極層及び前記第2電極層への電気エネルギーの流れを制御する、実施態様38に記載の眼用レンズ器具。
(40) 前記電気回路はプロセッサを含む、実施態様39に記載の眼用レンズ器具。