特許第6444694号(P6444694)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6444694
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】押しボタン装置
(51)【国際特許分類】
   H01H 13/14 20060101AFI20181217BHJP
【FI】
   H01H13/14 B
【請求項の数】1
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-221768(P2014-221768)
(22)【出願日】2014年10月30日
(65)【公開番号】特開2016-91651(P2016-91651A)
(43)【公開日】2016年5月23日
【審査請求日】2017年10月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076233
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 進
(74)【代理人】
【識別番号】100101661
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100135932
【弁理士】
【氏名又は名称】篠浦 治
(72)【発明者】
【氏名】高橋 孝徳
【審査官】 鈴木 重幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−012083(JP,A)
【文献】 特開2008−097921(JP,A)
【文献】 特開2008−130530(JP,A)
【文献】 実開平05−025626(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 13/00−13/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の第1軸に沿った押圧方向に所定の力で押圧されることによって作動するスイッチ部材
前記スイッチ部材を支持する基台部
前記第1軸と直交する第2軸に沿う方向を長手方向とした板状の被押圧部材と、
を具備し、
前記板状の被押圧部材は、
内面が前記スイッチ部材に対向する板状部と、
前記板状部の内面の中央部から前記第1軸に沿って前記スイッチ部材に向かって突出する押圧軸部と、
前記第1軸及び前記第2軸に直交する第3軸に沿う方向に離間して配設され、前記基台部からの脱落を防止する係止部と、
前記板状部の前記内面において前記押圧軸部を挟んで前記第2軸に沿う方向に離間して配設され、前記第1軸に沿って前記押圧方向に突出する一対の摺動軸部と、
前記一対の摺動軸部のそれぞれに設けられ、前記第2軸に沿う方向に所定の距離だけ離間して互いに対向し、それぞれが前記第1軸に沿って配置された一対の摺動面と、を含み、
前記基台部は、
前記押圧軸部が挿入され、挿入された状態において前記第1軸に沿う方向への変位を許容し、かつ前記押圧軸部の前記第2軸に沿う方向への変位を防止する案内孔と、
前記第2軸に沿う方向において前記案内孔を挟んで設けられ、前記一対の摺動軸部が前記第1軸に沿う方向へ変位するのを許容するとともに前記一対の摺動軸部が前記第3軸に沿う方向への変位を防止する一対の案内部と、
前記摺動軸部に設けられた前記摺動面と対向するように前記一対の案内部内にそれぞれ形成されていて、当該一対の摺動軸部の各々が前記一対の案内部に挿入された際、当該摺動面と前記第1軸に沿う方向に摺接する一対の案内面と、を含み、
前記第2軸に沿う方向において、少なくとも前記板状の被押圧部材の端部側に外力Fが加えられた際、前記被押圧部材と押圧部との嵌合中心が前記外力F側に近づき、前記外力F側における基台部の案内面と摺動軸部に設けられた摺動面とによって嵌合するようにした
ことを特徴とする押しボタン装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被押圧部材及びスイッチ部材を具備する押しボタン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器に用いられる押しボタン装置には、例えば特開平3−11510号公報に開示されているように、人の指等によって加えられる押圧力を電子部品であるスイッチ部材に伝える被押圧部材を備えた構成のものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平3−11510号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
押しボタン装置では、被押圧部材のどの箇所が押圧されても、確実にスイッチ部材の動作がなされることが好ましい。
【0005】
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであって、被押圧部材の面積が大きくても確実な動作を行うことができる押しボタン装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の押しボタン装置は、所定の第1軸に沿った押圧方向に所定の力で押圧されることによって作動するスイッチ部材、前記スイッチ部材を支持する基台部、前記第1軸と直交する第2軸に沿う方向を長手方向とした板状の被押圧部材と、を具備し、前記板状の被押圧部材は、内面が前記スイッチ部材に対向する板状部と、前記板状部の内面の中央部から前記第1軸に沿って前記スイッチ部材に向かって突出する押圧軸部と、前記第1軸及び前記第2軸に直交する第3軸に沿う方向に離間して配設され、前記基台部からの脱落を防止する係止部と、前記板状部の前記内面において前記押圧軸部を挟んで前記第2軸に沿う方向に離間して配設され、前記第1軸に沿って前記押圧方向に突出する一対の摺動軸部と、前記一対の摺動軸部のそれぞれに設けられ、前記第2軸に沿う方向に所定の距離だけ離間して互いに対向し、それぞれが前記第1軸に沿って配置された一対の摺動面と、を含み、前記基台部は、前記押圧軸部が挿入され、挿入された状態において前記第1軸に沿う方向への変位を許容し、かつ前記押圧軸部の前記第2軸に沿う方向への変位を防止する案内孔と、前記第2軸に沿う方向において前記案内孔を挟んで設けられ、前記一対の摺動軸部が前記第1軸に沿う方向へ変位するのを許容するとともに前記一対の摺動軸部が前記第3軸に沿う方向への変位を防止する一対の案内部と、前記摺動軸部に設けられた前記摺動面と対向するように前記一対の案内部内にそれぞれ形成されていて、当該一対の摺動軸部の各々が前記一対の案内部に挿入された際、当該摺動面と前記第1軸に沿う方向に摺接する一対の案内面と、を含み、前記第2軸に沿う方向において、少なくとも前記板状の被押圧部材の端部側に外力Fが加えられた際、前記被押圧部材と押圧部との嵌合中心が前記外力F側に近づき、前記外力F側における基台部の案内面と摺動軸部に設けられた摺動面とによって嵌合するようにした。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、被押圧部材の面積が大きくても確実な動作を行うことができる押しボタン装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】押しボタン装置を備えた撮像装置を前方から見た斜視図である。
図2】押しボタン装置を備えた撮像装置を後方から見た斜視図である。
図3】撮像装置の分解斜視図である。
図4】押しボタン装置の分解斜視図である。
図5】被押圧部材の内面側から見た斜視図である。
図6図4のVI-VI断面図である。
図7図6のVII-VII断面図である。
図8図7のVIII-VIII断面図である。
図9】本発明の作用を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の好ましい形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図においては、各構成要素を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、構成要素毎に縮尺を異ならせてあるものであり、本発明は、これらの図に記載された構成要素の数量、構成要素の形状、構成要素の大きさの比率、及び各構成要素の相対的な位置関係のみに限定されるものではない。
【0010】
まず、本発明に係る押しボタン装置20を備える撮像装置1の構成について説明する。図1図2及び図3に示すように、本実施形態の撮像装置1は、本体2内に例えばCCDやCMOSイメージセンサ等である撮像素子3を備えている。
【0011】
本体2の外表面は、外方に向かって凸状の滑らかな曲面である凸面部2aを、少なくとも一部に含んでいる。凸面部2aには、レリーズスイッチである後述する押しボタン装置20が配設されている。押しボタン装置20が使用者により押下された場合、撮像装置1は、所定の撮像動作を実行する。
【0012】
本実施形態では一例として、本体2は、撮像素子3の受光面に直交する直線を中心軸とした略円柱形状の外形を有している。本体2の直径は、人の手で掴むことのできる大きさである。本実施形態における凸面部2aとは、略円柱形状である本体2の中心軸周りの外周面である。すなわち、凸面部2aの形状は、略円筒面形状である。
【0013】
なお、凸面部2aの形状は本実施形態に限られるものではない。例えば、凸面部2aは、楕円面、放物面又は球面等の他の外方に向かって凸状の形状であってもよい。また、本体2の外形も本実施形態に限られるものではなく、凸面部2aを一部に含む形状であればよい。
【0014】
撮像装置1において、撮像素子3の受光面は、略円柱形状である本体2の中心軸に沿った一方の側に面している。本実施形態では一例として、撮像装置1は、撮像素子3の受光面上に被写体像を結像するためのレンズ装置が、本体2に離合可能に構成された、いわゆるレンズ交換式の形態を有する。なお、撮像装置1は、本体2からレンズ装置を分離できない、いわゆるレンズ一体型の形態であってもよい。
【0015】
図1に示すように、本体2の中心軸に沿った一方の側の端部2bには、レンズ装着部4が設けられている。レンズ装着部4は、本実施形態では一例として一般にバヨネット式マウントと称される係合機構を具備し、レンズ装置を離合可能である。レンズ装着部4にレンズ装置が装着された状態では、レンズ装置の光軸と本体2の中心軸とが略平行となるようにしてもよいし、両者が一直線上に並ぶようにしてもよいが、本実施形態は後者である。なお、レンズ装着部4とレンズ装置とを離合可能とする構成は本実施形態に限られるものではなく、例えばネジ機構を用いる一般にスクリュー式マウントと称される構成であってもよいし、また例えば嵌合や磁石等を用いて両者を離合可能とする構成であってもよい。
【0016】
図2に示すように、本体2の中心軸に沿った他方の側の端部2cには、外部装置装着部5が設けられている。外部装置装着部5は、例えば画像表示装置を備えた携帯通信端末等を本体2に着脱可能とする機構を有する。本実施形態では一例として、外部装置装着部5は、一般にバヨネット式と称される係合機構を具備する。例えば、図示する実施形態では、他方の端部2cの外周の円周方向の一部に部分円周凹部5aが設けられており、部分円周凹部5aの一部分に係合用爪5bが設けられている。なお、撮像装置1は、外部装置装着部5を具備していなくともよい。
【0017】
図3に示すように、本体2内には、撮像素子3及び電池6が配設されている。本実施形態の電池6は、2次電池である。なお、撮像装置1は、外部装置からの電力供給によって動作し、電池6を備えない形態であってもよい。また図示しないが、本体2内には、演算装置(CPU)、記憶装置(RAM)、入出力装置及び電力制御装置等を具備し、撮像装置1の動作を所定のプログラムに基づいて制御する制御基板が配設されている。また、本体2内には、撮像装置1によって撮像された画像を記憶するためのフラッシュメモリカード等の記憶媒体を装着するコネクタが配設されている。
【0018】
また、図3に示すように、本実施形態では、本体2は、メインフレーム2dに、押しボタン装置20、撮像素子3、レンズ装着部4、外部装置装着部5及び電池6等の他の部材を組み付けることによって構成される。本体2の外周面は、略円筒形状のカバー7によって覆われる。
【0019】
次に、本発明に係る押しボタン装置20の構成について説明する。図4に示すように、押しボタン装置20は、基台部21、被押圧部材22及びスイッチ部材23を備える。
【0020】
基台部21は、カバー7の内側に配設され、メインフレーム2dに固定される部材である。基台部21は、メインフレーム2dに設けられた貫通孔2eに挿通されたネジ29が螺合するネジ孔21eを備えており、ネジ29によってメインフレーム2dに固定される。
【0021】
押しボタン装置20を構成する各部材は、基台部21によって保持される。すなわち本実施形態では、押しボタン装置20は、撮像装置1を構成する複数のユニットのうちの1つとして、メインフレーム2dから分離することができる。このような構成とすることによって、撮像装置1の組み立て工程を簡略化することができる。なお、基台部21は、メインフレーム2dの一部であってメインフレーム2dから分離できない形態であってもよい。
【0022】
本実施形態の押しボタン装置20は、前述のように、撮像装置1にレリーズスイッチとして備えられたものであり、基台部21に対して移動可能な被押圧部材22が、本体2の凸面部2aに露出するように配設されている。具体的には、被押圧部材22は、カバー7の凸面部2aの領域に設けられた貫通孔7aを介して、凸面部2aの外方に露出している。被押圧部材22の内側には、スイッチ部材23が配設されている。
【0023】
スイッチ部材23は、撮像装置1の制御基板に電気的に接続されたタクタイルスイッチ又はプッシュスイッチ等の形態を有する電子部品である。スイッチ部材23は、基台部21に対して位置が固定されており、所定の第1軸に沿った押圧方向に押圧されることによって作動する。以下では、第1軸をZ軸と称する。
【0024】
本実施形態では一例として、スイッチ部材23は、回路基板24に実装されており、当該回路基板24は、後述する基板保持部(基板保持台)27を介して基台部21に固定されている。また、スイッチ部材23は、回路基板24を介して制御基板に電気的に接続される。制御基板は、スイッチ部材23がオン状態であるかオフ状態であるかを検出し、撮像装置1の撮像動作を制御する。
【0025】
スイッチ部材23は、押圧方向が、凸面部2aの外表面に略直交する位置に配設されている。本実施形態では凸面部2aが略円筒面形状であることから、スイッチ部材23を動作させるための押圧方向は、略円筒面の径方向内側である。
【0026】
押しボタン装置20は、被押圧部材22に対して凸面部2aの内側に向かって押圧する力が加えられた場合に、この力をスイッチ部材23に伝える構成を有する。スイッチ部材23は、被押圧部材22によって押圧された場合に例えばオン状態となる。
【0027】
なお、スイッチ部材23は、単一の回路を開閉する形態であってもよいし、2つの回路を押圧力の違いに応じて開閉する、いわゆる2段動作型スイッチの形態であってもよい。本実施形態では一例として、撮像装置1のレリーズスイッチのいわゆる半押し状態(ファーストレリーズ状態)と、いわゆる全押し状態(セカンドレリーズ状態)との切り替わりを実現するため、スイッチ部材23は2段動作型スイッチである。
【0028】
より詳細に、押しボタン装置20の構成について説明する。
【0029】
被押圧部材22は、図5に示すように、板状である板状部22aの内面22bに、押圧軸部22d、一対の摺動軸部22e及び係止爪22gが設けられている。板状部22aの内面22bとは、基台部21及びスイッチ部材23に対向する面である。被押圧部材22は、例えば熱可塑性樹脂からなり、樹脂成型によって形成されている。
【0030】
板状部22aは、第1軸(Z軸)と直交する第2軸(X軸)に沿う方向を長手方向とした板状の部材である。本実施形態では一例として、板状部22aは、凸面部2aの外形に沿って弓状に湾曲した板状の部材である。また、本実施形態の板状部22aは、弓状の両端部を結ぶ方向を長手方向とした細長の部材である。なお、曲面である凸面部2aの外形と、板状部22aの湾曲の形状は、一致していてもよいし、一致していなくてもよい。例えば、板状部22aは、平板状であってもよい。以下では説明のため、第2軸をX軸と称し、第1軸(Z軸)及び第2軸(X軸)の双方に直交する軸を第3軸とし、これをY軸と称する。
【0031】
より具体的には、前述のように凸面部2aは略円筒面形状であることから、板状部22aは略円弧形状に湾曲している。そして、板状部22aの長手方向は、略円筒面形状である凸面部2aの周方向に沿っている。すなわち、板状部22aの長手方向は、撮像素子3の受光面と略平行である。
【0032】
また本実施形態では、図6に示すように、板状部22aの外面22cには、撮像素子3の受光面に直交する平面による断面(縦断面)において、両端部よりも中央部が本体2の内側に向かって凹形状となる窪み22iが設けられている。被押圧部材22の本体2の外側に露出する面である外面22cに窪み22iを設けることによって、使用者の指が被押圧部材22にかかりやすくなる。また、窪み22iが設けられていることにより、使用者は、視覚を用いずに、指の触覚によって本体2の外面における被押圧部材22の位置を探り当てることができる。なお、板状部22aの外面22cは、窪みが設けられていない形状であってもよい。
【0033】
押圧軸部22dは、板状部22aの内面22bの略中央部において、内面22bに対して略直交する方向に突出した凸形状の部位である。図6及び図7に示すように、押圧軸部22dは、スイッチ部材23に対向する位置に設けられている。すなわち、押圧軸部22dは、板状部22aの内面22bから第1軸(Z軸)に沿ってスイッチ部材23に向かって突出する部位である。押圧軸部22dは、被押圧部材22に対して本体2の内側に向かって押圧する力が加えられた場合に、この力をスイッチ部材23に伝える。押圧軸部22dは、基台部21に設けられた後述する第2案内部である案内孔21g内に挿入される。
【0034】
押圧軸部22dの外形は、X軸に沿う方向の幅及びY軸に沿う方向の幅がそれぞれ所定の値で略一定となる形状を有する。図5に示すように、本実施形態では一例として、押圧軸部22dは、X軸及びZ軸に平行な平板とY軸及びZ軸に平行な平板とを交差させた、断面が十字状の外形を有する。なお、押圧軸部22dは、断面が円形状であってもよいし矩形状であってもよい。
【0035】
一対の摺動軸部22eは、板状部22aの内面22bからZ軸に沿って押圧方向に突出する柱状の部位である。一対の摺動軸部22eは、内面22bにおいて、押圧軸部22dを挟んでX軸に沿う方向に離間して配設されている。
【0036】
一対の摺動軸部22eの互いに対向する領域のそれぞれには、X軸に直交する一対の摺動面22fが形成されている。すなわち、一対の摺動面22fは、X軸に沿う方向に所定の距離離間して互いに対向している。また被押圧部材22をZ軸に沿う方向から見た場合には、一対の摺動面22fの間に押圧軸部22dが位置する。
【0037】
係止爪22gは、板状部22aの内面22bから押圧方向に突出する鉤状の部位である。係止爪22gは、後述する係止部を構成する。本実施形態では一例として、係止爪22gは2つ設けられている。一対の係止爪22gは、間に押圧軸部22dを挟むようにY軸に沿う方向に離間して配設されている。本実施形態の一対の係止爪22gは、鉤部が押圧軸部22dとは反対の方向に延出するように設けられている。
【0038】
基台部21には、スイッチ部材23が実装された回路基板24が固定される。回路基板24は、本実施形態では一例として可撓性を有するフレキシブルプリント配線板であり、略平板状の基板保持部27に貼着されている。基板保持部27は、複数のネジ28によって、基台部21に固定される。
【0039】
基台部21は、被押圧部材22の板状部22aの内面22bと、スイッチ部材23との間に介装される板状の部位である被覆部21fを有する。被覆部21fは、図7に示すように、板状部22aの内面22bから押圧方向に所定の距離だけ離間している。
【0040】
被覆部21fには、被覆部21fをZ軸に沿う方向に貫通する貫通孔である案内孔21g及び係止孔21hが形成されている。第2案内部である案内孔21g内には、被押圧部材22の押圧軸部22dが挿入される。押圧軸部22dは、案内孔21gを通って被覆部21fの押圧方向の面からスイッチ部材23に向かって突出する。
【0041】
押圧軸部22dは、案内孔21g内に挿入された状態において、基台部21に対するZ軸に沿う方向への変位及びY軸に沿う方向への変位が可能である。押圧軸部22dは、案内孔21g内に挿入された状態において、X軸に沿う方向への変位が規制されている。
【0042】
具体的には、案内孔21gは、図8に示すように、Y軸に沿う方向について、押圧軸部22dとの間に比較的大きな隙間が生じる幅を有しており、内部における押圧軸部22dのY軸に沿う方向への変位を許容する。一方、図8に示すように、案内孔21gは、X軸に沿う方向については、押圧軸部22dに摺動可能に嵌合する幅を有し、内部における押圧軸部22dのX軸に沿う方向への変位を防止する。このように、本実施形態の案内孔21gは、押圧軸部22dの基台部21に対するZ軸に沿う方向への変位を許容し、かつ押圧軸部22dの基台部21に対するX軸に沿う方向への変位を防止する。
【0043】
係止孔21hは、被押圧部材22の係止爪22gが挿入される。係止孔21h内には、内部に挿入された鉤状の係止爪22gがいわゆるスナップフィットの形態で係合する段差部21iが設けられている。係止爪22gと段差部21iとが係合した状態では、係止爪22gの基台部21に対する押圧方向とは反対方向への移動が防止される。また、係止爪22gと段差部21iとが係合した状態であっても、係止爪22gの基台部21に対する押圧方向への移動は許容される。このように、被押圧部材22の係止爪22g及び基台部21の係止孔21hは、被押圧部材22の基台部21からの脱落を防止する係止部を構成する。
【0044】
なお、本実施形態では、図6に示すように、基台部21に設けられたネジ孔21eが、係止孔21h内に連通している。ネジ孔21eは、段差部21iよりも押圧方向において係止孔21h内に開口している。係止爪22gと段差部21iとが係合した状態において、細い棒状の部材をネジ孔21eから係止孔21h内に突出させれば、係止爪22gと段差部21iとの係合が解除され、基台部21から被押圧部材22を取り外すことが可能となる。
【0045】
また、基台部21と被押圧部材22の板状部22aとの間には、スポンジゴム等の弾性変形可能な材料からなる付勢部材30が圧縮された状態で挟持されている。付勢部材30は、基台部21に対して板状部22aを、Z軸に沿って押圧方向とは反対方向に付勢する。被押圧部材22は、外力が加えられていない状態では、付勢部材30が生じる付勢力によって係止部によって係止される位置に移動する。また、被覆部21fには、基板保持部27を固定するネジ28が挿通される、図4で示す座ぐり穴付きの貫通孔21jが設けられている。
【0046】
本実施形態の押しボタン装置20は、第1案内部25及び案内面26を備える。本実施形態では一例として、第1案内部25及び案内面26は、基台部21に形成されている。なお、第1案内部25及び案内面26は、基台部21に対して位置が固定された基台部21とは別の部材に設けられる形態であってもよい。
【0047】
第1案内部25は、一対の摺動軸部22eと係合し、一対の摺動軸部22eの基台部21に対するZ軸に沿う方向への変位を許容し、かつ一対の摺動軸部22eの基台部に対するY軸に沿う方向への変位を防止する部位である。
【0048】
具体的には、第1案内部25は、図4及び図8に示すように、基台部21に、Z軸に沿って押圧方向に凹設された溝状又は貫通孔状の部位である。第1案内部25は、案内孔21gを挟んで、X軸に沿う方向に離間した2箇所に設けられており、それぞれの内部に摺動軸部22eが挿入される。
【0049】
第1案内部25は、Y軸に直交する平面からなる一対の内壁面が、Y軸に沿う方向に所定の距離だけ離間して対向する形状を有する。この第1案内部25の一対の内壁面に間には、摺動軸部22eが摺動可能な状態で嵌合する。また、第1案内部25内に摺動軸部22eが挿入されている場合において、摺動軸部22eの摺動面22fとは反対側の面と第1案内部25の内壁面との間には比較的大きな隙間が設けられている。このような構成の、第1案内部25は、内部に挿入されている摺動軸部22eの、基台部21に対するY軸に沿う方向への移動を防止する。そして、第1案内部25は、内部に挿入されている摺動軸部22eの、基台部21に対するZ軸に沿う方向への移動を許容する。また、第1案内部25は、内部に挿入されている摺動軸部22eの、基台部21に対するX軸に沿う方向のうちの案内孔21gから遠ざかる方向への移動を許容する。
【0050】
案内面26は、一対の摺動軸部22eに設けられた一対の摺動面22fのそれぞれに対向して摺接する面からなる部位である。本実施形態では一例として、案内面26は第1案内部25内に形成されている。具体的には、案内面26は、第1案内部25内に形成されたX軸に直交する平面からなり、第1案内部25内に挿入されている摺動軸部22eの摺動面22fと対向する部位である。
【0051】
すなわち、基台部21に設けられた一対の案内面26は、X軸方向に案内孔21gを挟んで互いに外向きに面する一対の平行な平面からなり、被押圧部材22に設けられた一対の摺動面22fは、X軸方向に前記一対の摺動面22fを挟持するように内向きに面する一対の平行な平面からなる。一対の摺動面22fと一対の案内面26との間には、若干の隙間が設けられる。
【0052】
以上に説明したように、本実施形態の押しボタン装置20は、Z軸(第1軸)に沿った押圧方向に所定の力で押圧されることによって作動するスイッチ部材23と、スイッチ部材23を支持する基台部21と、外部から加えられた押圧力をスイッチ部材23に伝える被押圧部材22と、を備える。
【0053】
被押圧部材22は、Z軸と直交するX軸(第2軸)に沿う方向を長手方向とした板状の部材であって内面22bが前記スイッチ部材23に対向する板状部22aと、前記板状部22aの内面22bの中央部からZ軸に沿って突出する押圧軸部22dと、前記板状部22aの内面22bにおいてX軸に沿う方向に押圧軸部22dを挟んで互いに離間して配設されたZ軸に沿う柱状の一対の摺動軸部22eと、一対の摺動軸部22eのそれぞれに設けられ、X軸に沿う方向に所定の距離だけ離間して互いに対向しX軸に直交する一対の摺動面22fと、を備える。
【0054】
また、基台部21は、一対の摺動軸部22eの基台部21に対するZ軸に沿う方向への変位を許容し、かつ一対の摺動軸部22eの基台部21に対するY軸に沿う方向への変位を防止する第1案内部25と、一対の摺動面22fのそれぞれに対向して摺接する一対の案内面26と、押圧軸部22dの基台部21に対するZ軸に沿う方向への変位を許容し、かつ押圧軸部22dの基台部21に対するX軸に沿う方向への変位を防止する第2案内部である案内孔21gと、を備える。
【0055】
このように構成された本実施形態の押しボタン装置20では、被押圧部材22の基台部21に対するY軸に沿う方向の位置決めが、第1案内部25によってなされる。また、被押圧部材22の基台部21に対するX軸に沿う方向の位置決めは、第2案内部である案内孔21gによってなされる。また、被押圧部材22の基台部21に対する押圧方向とは反対方向の位置決めが、係止部によってなされる。このように、被押圧部材22は、基台部21及び基台部21に固定されたスイッチ部材23に対して、所定の位置に保持される。
【0056】
そして、被押圧部材22の板状部22aの外面22cの中央部に、押圧方向への外力が加えられた場合には、押圧軸部22dが案内孔21gに沿って押圧方向に移動してスイッチ部材23を押圧する。
【0057】
一方、例えば図9に誇張して示すように、X軸に沿う方向を長手方向とした板状部22aの、一方の端部(図9では左方の端部)に、押圧方向への外力Fが加えられた場合には、板状部22aの一方の端部の側のみが押圧方向に沈み込むように、被押圧部材22がY軸に平行な軸周りに回動する。
【0058】
被押圧部材22がY軸に平行な軸周りに回動することにより、外力Fが加えられた箇所に近い摺動軸部22e1の摺動面22f1は、案内面26と接する。一方、外力Fが加えられた箇所から遠い摺動軸部22e2の摺動面22f2は、案内面から離間する。
【0059】
この場合、被押圧部材22は、外力Fが加えられた箇所に近い摺動面22f1と、押圧軸部22dの外力Fが加えられた箇所に近い外周面22d1と、の距離L1だけ離間した互いに対向する平行な2つの面の間に、基台部21を嵌合した状態となる。
【0060】
前述のように、板状部22aの中央部に押圧方向の外力を加えた場合には、押圧軸部22dと案内孔21gとの嵌合によって、被押圧部材22は基台部21に近づく方向(押圧方向)に相対的に移動する。一方、板状部22aの外縁部に押圧方向の外力Fを加えた場合には、被押圧部材22を基台部21に対する相対的な移動を案内する嵌合部の中心が、外力Fが加えられた位置に近づき、かつ当該嵌合部の嵌合長も長くなる。
【0061】
本実施形態のように、被押圧部材22を基台部21に対する相対的な移動を案内する嵌合部の中心が、被押圧部材22に外力が加えられた位置に近づく方に移動させ、かつ嵌合長を長くすることによって、被押圧部材22のどの場所に外力が加えられた場合でも滑らかに被押圧部材22を押圧方向に移動させることができる。このため本実施形態の押しボタン装置20は、被押圧部材22の面積が大きくても確実な動作を行うことができる。
【0062】
なお、本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う押しボタン装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0063】
また、本発明に係る押しボタン装置を備える撮像装置は、上述の実施形態で説明したような、レンズが取り外し可能な形態に限らず、レンズと一体の形態であってもよい。また、本発明に係る押しボタン装置を備える撮像装置は、カメラの形態に限らず、双眼鏡、録音機器、携帯通信端末、ゲーム機、デジタルメディアプレーヤー、時計、ナビゲーション装置等に設けられる形態であってもよい。
【符号の説明】
【0064】
1 撮像装置、
2 本体、
2a 凸面部、
2b 一方の側の端部、
2c 他方の側の端部、
2d メインフレーム、
2e 貫通孔、
3 撮像素子、
4 レンズ装着部、
5 外部装置装着部、
5a 部分円周凹部、
5b 係合用爪、
6 電池、
7 カバー
7a 貫通孔、
20 押しボタン装置、
21 基台部、
21e ネジ孔、
21f 被覆部、
21g 案内孔(第2案内部)、
21h 係止孔、
21i 段差部、
21j 貫通孔、
22 被押圧部材、
22a 板状部、
22b 内面、
22c 外面、
22d 押圧軸部、
22e 摺動軸部、
22f 摺動面、
22g 係止爪、
22i 窪み、
23 スイッチ部材、
24 回路基板、
25 第1案内部、
26 案内面、
27 基板保持部、
28 ネジ、
29 ネジ、
30 付勢部材。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9