特許6444779IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

アルミニウム合金製自動車ルーフパネルおよび自動車ルーフパネル用アルミニウム合金板に関するものである。本発明で言う自動車ルーフパネル用アルミニウム合金板とは、冷間圧延板であって焼鈍処理が施されたアルミニウム合金板を言う。また、以下、アルミニウムをAlとも言う。

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

この特許文献1によれば、塗装焼付熱処理の終わりの熱い状態での0.2%耐力が200MPaを超え、塗装焼付熱処理後の冷たい状態での0.2%耐力が220MPaを超える、焼付塗装工程時(加熱時)の素材耐力を高めたアルミニウム合金製ルーフパネルが期待できる。 しかし、本発明者らの知見によれば、このような6000系アルミニウム合金製自動車ルーフパネルには、6000系アルミニウム合金であるがゆえの特有の問題が新たに生じる。すなわち、6000系アルミニウム合金は、周知の通り、塗装焼付熱処理(人工時効硬化処理)の際に、時効硬化して、0.2%耐力が増加する、優れた人工時効硬化性(ベークハード性、BH性)を有している。 ただ、これら6000系アルミニウム合金のベークハード性は170〜190℃の塗装焼付け温度で数十分程度の保持後に初めて発現されるものであり、塗装焼付け温度に到達直後には0.2%耐力は160MPa程度にすぎない。 一方、前記熱膨張の際のアルミニウム合金製ルーフパネルの座屈によって生じる残留変形(塑性ひずみを伴う残留変形)には、170〜190℃の塗装焼付温度に到達直後(前記塗装焼付温度到達後の保持時間が1分以内)の加熱初期の0.2%耐力が大きく影響する。例えば、170〜190℃の塗装焼付温度到達直後の0.2%耐力が、200MPa未満である場合、前記アルミニウム合金製ルーフパネルの座屈あるいは残留変形を抑制できなくなる。 したがって、前記塗装焼付温度に到達直後の0.2%耐力が必ずしも十分に高くない6000系アルミニウム合金は、その後の加熱保持によって人工時効硬化して0.2%耐力が高くなったとしても、塗装焼付温度到達直後の(加熱初期の)前記アルミニウム合金製ルーフパネルの座屈あるいは残留変形を抑制できないこととなる。 このため、特許文献1には、6000系アルミニウム合金の高温での耐力を増加させても、自動車車体の塗装焼付処理(工程)時に、鋼製ルーフサイドレールなどの鋼製部材の変形を、効果的に防止できないという課題が依然としてある。 このような課題に鑑み、本発明の目的は、鋼製部材と接合されたアルミニウム合金製ルーフパネルの塗装焼付処理時の、特に加熱初期や、加熱保持後の前記アルミニウム合金製ルーフパネルの座屈あるいは残留変形発生を抑制できる、アルミニウム合金製自動車ルーフパネルおよび自動車ルーフパネル用アルミニウム合金板を提供することである。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

この目的を達成するために、本発明のアルミニウム合金製自動車ルーフパネルの要旨は、鋼製部材と接合されるアルミニウム合金製自動車ルーフパネルにおいて、Mg:4.0〜7.0質量%、Cu:0.2〜2.0質量%を各々含むとともに、Mn:0.5%以下(0%を含まず)、Cr:0.3%以下(0%を含まず)、Ti:0.1%以下(0%を含まず)の1種または2種以上を含み、残部Alおよび不可避的不純物からなる50・・・ 続きを知財ポータルサイト IP Force にログインして見る
【発明の効果】
前記6000系アルミニウム合金板のような、高温での強度が低下する課題の解決のためには、アルミニウム合金板あるいは、これを成形した自動車ルーフパネルとして、前記塗装焼付温度に到達直後の0.2%耐力が十分に高い、高い塗装焼付温度特性を有することが必要である。 この点、本発明者らは、特定の合金組成と調質との組合せによって得られるAl−Mg系の5000系アルミニウム合金板であれば、前記塗装焼付温度に到達直後の0.2%耐力が大きく低下せず、高い塗装焼付温度特性(高温特性)を有することを知見した。
すなわち、特定の量のMgの他にCuなどを含むAl−Mg系合金組成で、冷延後の焼鈍などで調質された5000系アルミニウム合金板であれば、その成形体である自動車ルーフパネルも、塗装焼付処理された際の、特に加熱初期や、加熱保持後の0.2%耐力が高い、優れた塗装焼付温度特性を有することを知見した。 本発明によれば、アルミニウム合金製自動車ルーフパネルあるいは、自動車ルーフパネル用アルミニウム合金板として、前記規定のような高い塗装焼付温度特性を有することができる。
これによって、本発明によれば、鋼製部材と接合されるアルミニウム合金製ルーフパネルの塗装焼付処理時の、特に加熱初期や、加熱保持後の、ルーフパネルの座屈あるいは残留変形発生を効率的に抑制できる。

この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]

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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】実施例における残留変形量の解析に用いたルーフパネルの解析モデルを示す平面図である。

【図2】図1のルーフパネルを鋼製部材と接合した解析モデルを示す断面図である。

【図3】ルーフパネルの残留変形量の分布を示す説明図である。

【図4】ルーフパネルの残留変形量の分布を示す平面図である。

【図5】ルーフパネルの残留変形量の分布を示す平面図である。

選択図 図1出願人が指定した本件の代表的な図

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