(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6444804
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】プラズマ溶接電源装置
(51)【国際特許分類】
B23K 10/00 20060101AFI20181217BHJP
B23K 10/02 20060101ALI20181217BHJP
【FI】
B23K10/00 502C
B23K10/02 A
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-94734(P2015-94734)
(22)【出願日】2015年5月7日
(65)【公開番号】特開2016-209899(P2016-209899A)
(43)【公開日】2016年12月15日
【審査請求日】2017年11月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000262
【氏名又は名称】株式会社ダイヘン
(72)【発明者】
【氏名】蒲生 勇
【審査官】
岩見 勤
(56)【参考文献】
【文献】
特開平03−275283(JP,A)
【文献】
特開平08−019872(JP,A)
【文献】
米国特許第05530220(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 10/00
B23K 10/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メイン電流を生成する主電源生成部と、前記メイン電流を検出して出力する出力電流検出回路と、パイロットアーク電流を生成するパイロット生成部と、前記パイロットアーク電流を検出して出力するパイロット電流検出回路と、第1の出力電流の値に基づいて前記主電源生成部を出力制御する主制御回路と、トーチと被加工物との間にアークを発生させるために高周波高電圧を発生する高周波発生回路と、を備え、
前記メイン電流を前記トーチに供給する前に前記パイロットアーク電流を前記トーチに供給するプラズマ溶接電源装置であって、
前記パイロット生成部には、2次スイッチング素子、リアクトル及び開閉器を有し、
前記主制御回路は、起動信号の入力に応じて前記パイロット生成部の前記2次スイッチング素子を導通すると共に前記開閉器の接点を閉にし、前記リアクトルに前記パイロットアーク電流を供給して電力を充電し、前記リアクトルの充電が所定値になると前記開閉器の接点を閉から開にし、前記リアクトルに充電された電力を前記トーチに放出すると共に前記パイロットアーク電流を前記トーチに供給する、ことを特徴とするプラズマ溶接電源装置。
【請求項2】
前記主制御回路は、前記パイロット電流検出回路で検出されるパイロット電流の値が予め定めた電流基準値になると前記開閉器の接点を閉から開にする、ことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ溶接電源装置。
【請求項3】
前記主制御回路は、前記パイロット電流の値が前記電流基準値になってから予め定めた時間後に前記開閉器を閉から開にする、ことを特徴とする請求項2の記載のプラズマ溶接電源装置。
【請求項4】
前記主制御回路は、前記パイロット電流の値が前記電流基準値より大きくなると前記高周波高電圧を発生させる、ことを特徴とする請求項2〜3のいずれか1項に記載のプラズマ溶接電源装置。
【請求項5】
前記主制御回路は、前記開閉器が閉から開になってから予め定めた時間後に前記メイン電流を前記トーチに供給する、ことを特徴とする前記請求項1〜4のいずれか1項に記載のプラズマ溶接電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマ溶接電源装置のスタートを向上させる技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プラズマ溶接において、プラズマ溶接電源装置にて生成した出力電力をトーチに供給すると共に前記トーチにプラズマガスも供給し、これらが協働してトーチ・母材間にプラズマアークを生じさせ溶接を行うものである。このようなプラズマ溶接に用いるトーチとしては、中心に電極を有し、電極周りにプラズマガス噴射用で二重構造をなすノズル、更にその周りにシールドガス噴射用のノズルを有する構成のものが知られている。
【0003】
図3は、従来のプラズマ溶接電源装置の接続図である。
同図において、メイン電流を生成する主電源生成部は、一次側整流回路DR1、インバータ回路INV、主変圧器T1、二次側整流回路DR2、直流リアクトルDCL及び出力電流検出回路ID1で形成されている。
【0004】
図3に示す一次側整流回路DR1は、商用交流電圧を直流電圧に整流してインバータ回路INVに入力する。インバータ回路INVは、IGBT等の半導体スイッチング素子を用いたフルブリッジ回路を形成し、スイッチング動作により直流電圧を高周波交流電圧に変換する。インバータ回路INVは、主制御回路SCによるスイッチング制御(PWM制御)が行われる。主変圧器T1は、高周波交流電圧をプラズマアーク溶接に適した電圧に変換して出力する。そして、二次側整流回路DR2及び直流リアクトルDCLにより直流電圧に変換する。
【0005】
図3において、パイロットアーク電流を生成するパイロット生成部は、補助変圧器T2、二次側整流回路DR3、平滑コンデンサC1、2次スイッチング素子TR1、ダイオードD1、リアクトルL及びパイロット電流検出回路ID2で形成されている。
【0006】
図3に示す主制御回路SCは、パイロット電流検出回路ID2にて検出されたパイロット電流検出信号Id2の値に基づいてパイロット生成部の2次スイッチング素子TR1を制御し、予め設定した値のパイロットアーク電流を出力させる。
【0007】
図3に示す、プラズマガス噴射用の二重ノズル構造をなすトーチTHにおいて、電極a側から順に第1ノズルb、第2ノズルcとし、アークスタートを行う際に先ず、高周波回路HFにて生成した高周波高電圧が電極aと第1ノズルbとの間に印加させて高周波高電圧を発生させる。この状態でパイロット生成部を起動してパイロットアーク電流を出力すると高周波高電圧により点弧しパイロットアークが電極aと第2ノズルbとの間に発生する。そして、主電源生成部が起動してメイン電流を出力すると電極aと被加工物Mとの間にパイロットアークからメインアークへと移行する。、
【0008】
このように、溶接を行う際に待機状態としてパイロットアークを点弧させておき、実溶接に移行する際には主電源生成部にて生成したメイン電流が電極aと母材Mとの間に供給されてメインアークへと移行する。
しかし、従来ではパイロット生成部の無負荷電圧が低いために、パイロットアークが点弧しないときがある。この対策として、特許文献1のように、高周波高電圧に代わって直流高電圧を印加してアークスタート性を向上させる方法もあるが、高耐圧の部品を必要とするためコストアップに繋がってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平11−254144号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従来のプラズマ溶接装置では、起動信号Tsのオンに応じて高周波を発生させてパイロットアークを点弧させていた。しかし、パイロット生成部の無負荷電圧が低いために、パイロットアークが点弧する寸前に消弧してしまうことが度々あった。
本発明は、上記課題を解決するためのものであって、その目的は、パイロットアークのスタート性を向上させることができるプラズマ溶接電源装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決するために、請求項1記載の発明は、メイン電流を生成する主電源生成部と、前記メイン電流を検出して出力する出力電流検出回路と、パイロットアーク電流を生成するパイロット生成部と、前記パイロットアーク電流を検出して出力するパイロット電流検出回路と、
第1の出力電流の値に基づいて前記主電源生成部を出力制御する主制御回路と、トーチと被加工物との間にアークを発生させるために高周波高電圧を発生する高周波発生回路と、を備え、
前記メイン電流を前記トーチに供給する前に前記パイロットアーク電流を前記トーチに供給するプラズマ溶接電源装置であって、
前記パイロット生成部には、2次スイッチング素子、リアクトル及び開閉器を有し、
前記主制御回路は、起動信号の入力に応じて前記パイロット生成部の前記2次スイッチング素子を導通すると共に前記開閉器の接点を閉にし、前記リアクトルに前記パイロットアーク電流を供給して電力を充電し、前記リアクトルの充電が所定値になると前記開閉器の接点を閉から開にし、前記リアクトルに充電された電力を前記トーチに放出すると共に前記パイロットアーク電流を前記トーチに供給する、ことを特徴とするプラズマ溶接電源装置である。
【0012】
請求項2記載の発明は、前記主制御回路は、前記パイロット電流検出回路で検出されるパイロット電流の値が予め定めた電流基準値になると前記開閉器の接点を閉から開にする、ことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ溶接電源装置である。
【0013】
請求項3記載の発明は、前記主制御回路は、前記パイロット電流の値が前記電流基準値になってから予め定めた時間後に前記開閉器を閉から開にする、ことを特徴とする請求項2の記載のプラズマ溶接電源装置である。
【0014】
請求項4記載の発明は、前記主制御回路は、前記パイロット電流の値が前記電流基準値より大きくなると前記高周波高電圧を発生させる、ことを特徴とする請求項2〜3のいずれか1項に記載のプラズマ溶接電源装置である。
【0015】
請求項5記載の発明は、前記主制御回路は、前記開閉器が閉から開になってから予め定めた時間後に前記メイン電流を前記トーチに供給する、ことを特徴とする前記請求項1〜4のいずれか1項に記載のプラズマ溶接電源装置である。
【発明の効果】
【0016】
本発明では、パイロットアークを発生させるとき、リアクトルに充電した電力を放出するときに、放出エネルギーによりアーク発生時に一瞬無負荷電圧が高くなることで、アークのスタート性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施形態のプラズマ溶接電源装置のブロック図である。
【
図3】従来技術のプラズマ溶接電源装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1及び
図2を参照して本発明の実施形態の動作について説明する。
図1は、本発明の実施形態のプラズマ溶接装置のブロック図である。同図において、
図3に示す従来技術のプラズマ溶接装置のブロック図と同一符号の構成物は、同一動作を行うので説明は省略し、符号の相違する構成物についてのみ説明する。
【0019】
図1に示す主電源生成部は、溶接に用いるメインアークの電力を生成する回路である。このような主電源生成部のマイナス側はマイナス側出力端子T1、プラス側の出力端子はプラス側出力端子T2に接続されている。つまり、主電源生成部にて生成されるメインアーク電力は、出力端子T1,T2から出力される。
【0020】
パイロット生成部は、溶接を行う際に待機状態としてパイロットアークを点弧させておくパイロットアーク電流を生成する回路である。パイロット生成部は、補助変圧器T2、二次側整流回路DR3、平滑コンデンサC1、2次スイッチング素子TR1、ダイオードD1、リアクトルL、パイロット電流検出回路ID2及び開閉器CHで形成されている。そして、パイロット生成部は、パイロットアークの点弧に適した予め定めた電流を出力するために定電流制御が行われる。また、パイロット生成部のマイナス側出力端子は、主電源生成部と共通のマイナス側出力端子T1に接続されている。一方、パイロット生成部のプラス側出力端子は、電源装置の出力端子T3に接続される。
【0021】
図1に示す主制御回路SCは、起動信号Tsの入力に応じて2次スイッチング駆動信号Tr1を出力し、インバータ稼動信号P−Wcrの入力に応じて第1の主制御信号Sc1及び第2の主制御信号Sc2を出力する。そして、パイロット電流検出回路ID2にて検出されてパイロット電流検出信号Id2の値が予め定めた電流基準値になると高周波駆動信号Hfを出力する。
【0022】
パイロット制御部は、
図1に示す遅延回路SL、開閉器駆動回路CR及びインバータ起動回路P−WCRで形成されている。そして、遅延回路SLは、遅延開始信号So及びスイッチング素子駆動信号Tr1の入力に応じて予め定めた時間Taの遅延信号Slを出力する。開閉器駆動回路CRは、開閉器駆動信号Crを出力し、遅延信号Slの入力に応じて開閉器駆動信号Crの出力を停止する。開閉器CHは、開閉器駆動信号Crが入力中は開閉接点Ch1を閉にする。
【0023】
図1に示すトーチTHは、中心に電極aが設けられ、その外側に第1ノズルbが、更にその外側に第2ノズルcが、最も外側にシールドキャップdが設けられてなる。電極aと第1ノズルbとの間、及び第1ノズルbと第2ノズルcとの間からはそれぞれプラズマガスが噴射され、第2ノズルcとシールドキャップdとの間からはシールドガスが噴射される。ガスの供給路及び供給源については図示を省略している。このようなトーチTHは、電極aがプラズマ溶接電源装置の出力端子T1と、第1ノズルbが出力端子T4と、第2ノズルcが出力端子T3とそれぞれ接続される。溶接対象の被加工物Mは、電源装置の出力端子T2と接続される。
【0024】
図1に示す主制御回路SCは、インバータ回路INV、2次スイッチング素子TR1、高周波発生回路HFの動作を制御する。また、プラズマガス及びシールドガスの噴射時期や噴射量等についても制御し、プラズマアーク溶接に係る動作の統括的な制御を行っている。
【0025】
図2は、実施形態の動作を説明する波形図であり、同図(A)の波形は開閉器駆動信号Crを示し、同図(B)の波形は起動信号Tsを示し、同図(C)の波形は第1の主制御信号Sc1を示し、同図(D)の波形は第2の主制御信号Sc2を示し、同図(E)の波形は2次スイッチング駆動信号Tr1を示し、同図(F)の波形はパイロット電流検出信号を示し、同図(G)の波形は高周波駆動信号Hfを示し、同図(H)の波形は遅延信号Slを示し、同図(I)の波形はパイロット電圧波形Vciを示し、同図(J)の波形はインバータ開始信号P−Wcrを示し、同図(I)の波形はメイン電流検出信号Id1を示す。
【0026】
次に、プラズマ溶接電源装置の動作、特にパイロットアークのスタート時の動作を中心に
図1及び
図2を用いて説明する。尚、ガスの噴射態様についてはその時々で適切に行われるものとし、以下の説明では省略する。
【0027】
図2(B)に示す起動信号Tsが時刻t=t1において、主制御回路SCに入力されると、主制御回路SCは、
図2(E)に示す2次スイッチング駆動信号Tr1を出力すると共に開閉器駆動回路CRを駆動させて
図2(A)に示す開閉器駆動信号Crを出力する。
図1に示す2次スイッチング素子TR1に2次スイッチング駆動信号Tr1が入力すると導通し、開閉器CHに開閉器駆動信号Crが入力すると開閉接点Ch1は閉になる。
【0028】
時刻t=t1において、開閉接点Ch1が閉になり2次スイッチング素子TR1が導通すると、パイロット電流が開閉接点Ch1を介してリアクトルLに供給され電力が充電される。
【0029】
図1に示すパイロット電流検出回路ID2にて電流が検出されて
図2(F)示すパイロット電流検出信号Id2として出力する。主制御回路SCは、パイロット電流検出信号Id2の値と予め定めた電流基準値Irfとを比較し、電流基準値Irfになるt=t2のときに、リアクトルLの電力が充電されたと判別する。そして、
図2(G)に示す高周波駆動信号Hfを出力し、トーチTHの電極aと第1ノズルbとの間に高周波放電を開始する。
【0030】
時刻t=t2において、主制御回路SCは、パイロット電流検出信号Id2の値が電流基準値Irfになると図示省略の遅延開始信号Soを出力して遅延回路SLを動作させる。そして、
図2(H)に示す予め定めた遅延時間(Ta)の遅延信号Slを出力する。
さらに、パイロット電流検出信号Id2の値が増加し、時刻t=t3において、予め設定されたパイロット電流設定値(例えば、10A)に達すると、この電流値を維持するために2次スイッチング素子TR1をPWM制御で定電流制御を行う。
また、遅延時間(Ta)は、時刻t=t2から、
図2(E)に示す2次スイッチング駆動信号Tr1が最初にHighレベルになる1周期遅れのt=t3とする。また、2次スイッチング駆動信号Tr1がHighレベル期間中、例えばt=t4としてもよい。
【0031】
パイロット電流が開閉接点Ch1を介してリアクトルLに電力の充電が完了し、且つ、2次スイッチング駆動信号Tr1がHighレベルの時刻t=t4において、
図2(H)示す遅延信号SlをLowレベルにする。このとき開閉器駆動回路CRは、遅延信号SlをLowレベルに応じて
図2(A)に示す開閉器駆動信号CrをLowレベルにし、開閉器CHの開閉接点Ch1を閉から開にする。
【0032】
トーチTHの電極aと第1ノズルbとの間に高周波放電を維持している時刻t=t4において、開閉接点Ch1を閉から開にするとリアクトルLに充電されている電力は、出力端子T3からトーチTHの第2ノズルcに供給される。この時、電極aと第1ノズルbとの間に高周波放電が生じている状態でリアクトルLに充電された電力が放電されると、電極aと第2ノズルcとの間に、
図2(I)示す高電圧のパイロット電圧Vciが印加されパイロットアークが容易に点弧する。
【0033】
インバータ起動回路P−WCRは、時刻t=t4において開閉器駆動信号CrがLowレベルになってから、主制御回路SCは、パイロット電流検出信号Id2の値とパイロット電流設定値(例えば、10A)とを比較し、パイロット電流値がパイロット電流設定値と等しくなり安定して制御される
図2(J)に示す時刻t=t5において、インバータ開始信号P−Wcrを出力にする。主制御回路SCは、インバータ稼動信号P−WcrがHighレベルになると第1の主制御信号Sc1及び第2の主制御信号Sc2を出力し、電源装置の出力端子T2と母材Mに電力が供給され、先のパイロットアークを拠り所として電極aと母材Mとの間にメインアークが点弧するようになっている。
【0034】
高周波放電を
図2(J)に示すインバータ稼動信号P−WcrがHighレベルになる、時刻t=t5のときに
図2(G)に示す高周波駆動信号HfをLowレベルにして、トーチTHの電極aと第1ノズルbとの間の高周波放電を停止させる。また、
図2(K)に示す第1の電流検出信号Id1の値が予め定めた溶接電流基準値Wcrより大きくなる時刻t=t6において、
図2(G)に示す高周波駆動信号HfをLowレベルにして、トーチTHの電極aと第1ノズルbとの間の高周波放電を停止させてもよい。
【0035】
本実施形態の特徴的な効果を記載する。
(1)パイロットアーク電流が第2ノズルcに供給されると同時にリアクトルLに充電された電力が出力端子T3からトーチTHの第2ノズルcに供給される。この電力が供給されるときに発生する高電圧がパイロットアーク電圧に重畳され、
図2(I)示す高電圧化されたパイロット電圧Vciが電極aと第2ノズルcとの間に印加されパイロットアークが容易に点弧でき、スタート向上に繋がる。
よって、再スタートを繰り返すことが抑制でき、品質向上及び作業の効率化に繋がる。
(2)メインアーク電力を生成する主電源生成部と、パイロットアーク電力を生成するパイロット生成部とを別々の電力生成部として構成したことで、それぞれ特化した回路構成及び制御と行うことができる。
【0036】
尚、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
オン・オフ動作として、切替可能なスイッチ手段として開閉器を用いているがスイッチ手段の構成はこれに限らない。例えば、半導体スイッチ素子でもよい。
【符号の説明】
【0037】
C1 平滑コンデンサ
CR 開閉器駆動回路
Cr 開閉器駆動信号
CH 開閉器
Ch1 開閉接点
DR1 一次整流回路
DR2 二次整流回路
DR3 二次整流回路
D1 ダイオード
DCL 直流リアクトル
HF 高周波発生回路
Hf 高周波駆動信号
ID1 出力電流検出回路
Id1 出力電流検出信号
ID2 パイロット電流検出回路
Id2 パイロット電流検出信号
INV インバータ回路
L リアクトル
M 被加工物
SC 主制御回路
Sc1 第1の主制御信号
Sc2 第2の主制御信号
SL 遅延回路
Sl 遅延信号
T1 主変圧器
T2 補助変圧器
TR1 2次スイッチング素子
Tr1 2次スイッチング駆動信号
Ts 起動信号
TH トーチ
P−WCR インバータ起動回路
P−Wcr インバータ稼動信号