特許第6444863号(P6444863)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6444863脈管内の装置とともに用いるための側方ローディング・コネクタ及び関連システム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6444863
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】脈管内の装置とともに用いるための側方ローディング・コネクタ及び関連システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/026 20060101AFI20181217BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20181217BHJP
   A61B 1/313 20060101ALI20181217BHJP
   A61B 8/12 20060101ALI20181217BHJP
【FI】
   A61B5/026 110
   A61B1/00 712
   A61B1/313
   A61B8/12
【請求項の数】23
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2015-520559(P2015-520559)
(86)(22)【出願日】2013年6月28日
(65)【公表番号】特表2015-524685(P2015-524685A)
(43)【公表日】2015年8月27日
(86)【国際出願番号】US2013048534
(87)【国際公開番号】WO2014005000
(87)【国際公開日】20140103
【審査請求日】2016年6月23日
(31)【優先権主張番号】61/665,748
(32)【優先日】2012年6月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515122402
【氏名又は名称】ボルケーノ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】デービッド・エイチ・バーケット
【審査官】 ▲高▼原 悠佑
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第05931861(US,A)
【文献】 米国特許第06714809(US,B2)
【文献】 特表2007−500930(JP,A)
【文献】 特表2011−510760(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/02−5/03
A61B 1/00−1/32
A61B 8/12
A61B 39/00−39/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下を備える脈管内のシステム:
脈管内の装置であって、該装置は近位部の接続機構を含み、該接続機構少なくとも1つの電気的なコンタクトを含む接続部と、第一直径を有する第一セクションと、前記接続部及び前記第一セクションの間に設けられて、第一直径未満である第二直径を有する第二セクションとを含む、該装置;及び
コネクタであって、前記脈管内の装置の近位部の接続機構の接続部に対するインターフェースとなるように設計され:
第一コネクション・ピース;及び
第二コネクション・ピースであって、該ピースに固定され、前記脈管内の装置の近位部の接続機構の接続部が含む少なくとも1つの電気的なコンタクトと係合可能な少なくとも1つの電気的なコンタクトを有し、前記第一コネクション・ピースに対して、開口ポジション状態と閉口ポジション状態との間で可動性がある第二コネクション・ピース;
を含み、
前記第二コネクション・ピースが、前記開口ポジション状態において、前記脈管内の装置の近位部の接続機構の接続部を、脈管内の装置の長軸に対して横切る方向で受容し、その結果、第一コネクション・ピースの配置特徴部分が、前記脈管内の装置の近位部の接続機構の第二セクションに係合する、該コネクタ
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、前記第一コネクション・ピースの配置特徴部分を前記脈管内の装置の近位部の接続機構の第二セクションに係合させることにより、前記脈管内の装置の前記少なくとも1つの電気的なコンタクトを、前記コネクタの少なくとも1つの電気的なコンタクトと係合可能に配置する、該システム。
【請求項3】
請求項2に記載のシステムであって、閉口ポジション状態において、前記脈管内の装置の前記少なくとも1つの電気的なコンタクトが、前記コネクタの少なくとも1つの電気的なコンタクトに電気的に結合される、該システム。
【請求項4】
請求項1に記載のシステムであって、前記コネクタが、前記第一及び第二コネクション・ピースを前記閉口ポジション状態に向けるバイアス素子を更に含む、該システム。
【請求項5】
請求項1に記載のシステムであって、前記コネクタの第一コネクション・ピースが、凹部を含み、該凹部は、前記近位部の接続機構の接続部を受容するためのサイズ及び形状を有する、該システム。
【請求項6】
請求項5に記載のシステムであって、前記コネクタの少なくとも1つの電気的なコンタクトは、前記第二コネクション・ピースに固定され、その結果、前記コネクタの少なくとも1つの電気的なコンタクトは、開口ポジション状態において、前記第一コネクション・ピースの前記凹部から離れており、及び、閉口ポジション状態において、前記第一コネクション・ピースの前記凹部にまたがって延在している、該システム。
【請求項7】
請求項6に記載のシステムであって、前記コネクタの少なくとも1つの電気的なコンタクトは、スプリット、オープン・コーム式の電気的なコンタクトを含む、該システム。
【請求項8】
請求項1に記載のシステムであって、前記脈管内の装置の前記少なくとも1つの電気的なコンタクトは、3つの電気的なコネクタから成る、該システム。
【請求項9】
請求項1に記載のシステムであって、前記脈管内の装置は、前記少なくとも1つの電気的なコンタクトに電気的に結合される少なくとも1つの電子的構成要素を更に含む、該システム。
【請求項10】
請求項1に記載のシステムであって、前記脈管内の装置の前記少なくとも1つの電子的構成要素は圧力感知構成要素である、該システム。
【請求項11】
請求項1に記載のシステムであって、前記脈管内の装置の前記少なくとも1つの電子的構成要素は、脈管内撮像構成要素である、該システム。
【請求項12】
前記請求項11に記載のシステムであって、前記脈管内撮像構成要素は、超音波トランスデューサ及び光干渉断層撮影(OCT)イメージング要素のうち少なくとも1つを含む、該システム。
【請求項13】
請求項1に記載のシステムであって、
前記第一コネクション・ピースは、少なくとも1つの開口部を含み、及び
前記第二コネクション・ピースは、少なくとも1つの突起を含み、該突起は、前記第一コネクション・ピースの前記少なくとも1つの開口部を可動的に係合させるための物であり、
その結果、前記少なくとも1つの開口部は、第二コネクション・ピースに対する第一コネクション・ピースの動きをガイドする、該システム。
【請求項14】
請求項1に記載のシステムであって、前記第二コネクション・ピースが開口ポジション状態と閉口ポジション状態との間を移動したときに、流体を脈管内の装置の表面から除去するように設計される少なくとも1つの要素をコネクタが含む、該システム。
【請求項15】
脈管内の装置のためのコネクタであって、以下を含む該コネクタであり:
第一コネクション・ピースであって、凹部及び該凹部に隣接した位置にある配置特徴部分を有し、前記凹部は、脈管内の装置の近位部の接続機構であって、少なくとも1つの電気的なコンタクトを含む接続部と、第一直径を有する第一セクションと、前記接続部及び前記第一セクションの間に設けられて、第一直径未満である第二直径を有する第二セクションとを含む接続機構の接続部を受容するための形状及びサイズを有し、及び前記配置特徴部分は、前記近位部の接続機構第二セクションを、係合させるように設計される、該ピース;
第二コネクション・ピースであって、前記第一コネクション・ピースに可動的に結合される、該ピース;及び
少なくとも1つの電気的なコンタクトであって、前記第二コネクション・ピースに固定された該コンタクト;
ここで、前記第二コネクション・ピースは、前記第一コネクション・ピースに対して、
開口ポジション状態と閉口ポジション状態との間で可動性があり、
開口ポジション状態において、前記第二コネクション・ピースは、前記第一コネクション・ピースの前記凹部から離れており、前記脈管内の装置の近位部の接続機構の接続部を、前記凹部に、脈管内の装置の長軸に対して横切る方向で挿入することを可能にし、
及び、前記少なくとも1つの電気的なコンタクトが少なくとも部分的に前記第一コネクション・ピースの前記凹部にまたがって延在するように、閉口ポジション状態において、
前記第二コネクション・ピースが位置する、該コネクタ。
【請求項16】
請求項15のコネクタであって、更にバイアス素子を含み、該素子は、前記第一及び第二コネクション・ピースを前記閉口ポジション状態に向ける、該コネクタ。
【請求項17】
請求項15のコネクタであって、前記少なくとも1つの電気的なコンタクトがスプリット、オープン・コーム式の電気的なコンタクトを含む該コネクタ。
【請求項18】
請求項15のコネクタであって、更に少なくとも1つの要素を含み、前記第二コネクション・ピースが開口ポジション状態と閉口ポジション状態との間を移動したときに、流体を、前記脈管内の装置の近位部の接続機構の接続部の表面から除去するように前記要素が設計される、該コネクタ。
【請求項19】
以下のステップを含む方法:
第一コネクション・ピース、第二コネクション・ピース、及び、該第二コネクション・ピースに固定された、少なくとも1つの電気的なコンタクトを有するコネクタを提供するステップ;
前記コネクタを開口ポジションまで動かし、その結果、コネクタの第一コネクション・ピースの細長い開口部が晒されるステップ;
脈管内の装置の接続機構であって、少なくとも1つの電気的なコンタクトを含む接続部と、第一直径を有する第一セクションと、前記接続部及び前記第一セクションとの間に設けられて、第一直径未満である第二直径を有する第二セクションとを含む接続機構の前記接続部を、前記細長い開口部に、脈管内の装置の長軸に対して横切る方向で挿入し、その結果、第一コネクション・ピースの配置の特徴部分が、前記接続機構の第二セクションを係合させる、該ステップ;及び
前記コネクタを、閉口ポジション状態へと動かし、前記コネクタの少なくとも1つの電気的なコンタクトを、前記脈管内の装置の接続機構の接続部の少なくとも1つの電気的なコンタクトに電気的に結合するステップ。
【請求項20】
請求項19に記載の方法であって、前記第一コネクション・ピースの配置の特徴部分を、前記接続機構の第二セクションに係合させることにより、前記脈管内の装置の接続機構の接続部の少なくとも1つの電気的なコンタクトを、前記コネクタの少なくとも1つの電気的なコンタクトと係合可能に配置する、該方法。
【請求項21】
請求項19に記載の方法であって、前記脈管内の装置の接続機構の接続部の前記少なくとも1つの電気的なコンタクトが、脈管内の装置の遠位部に位置する電子的構成要素に電気的に接続される該方法。
【請求項22】
請求項19に記載の方法であって、前記コネクタを閉口ポジションまで動かすことが、流体を脈管内の装置の表面から除去するための要素を、前記脈管内の装置の表面にまたがって通過させる、該方法。
【請求項23】
請求項22に記載の方法であって、前記脈管内の装置の接続機構の接続部が少なくとも2つの電気的なコンタクトを含み、前記脈管内の装置の表面が、非導電性材料の表面であり、該表面は、前記少なくとも2つの電気的なコンタクトのうちの2つの間に位置する、該方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、脈管内の装置、システム、及び方法に関する。幾つかの実施形態において、脈管内の装置は、1以上の電子的構成要素を含むガイドワイヤである。
【背景技術】
【0002】
心臓病は非常に深刻であり、命を救うために、緊急手術を要することがしばしばある。心臓病の主な原因は、血管内のプラークの蓄積であり、結果的に、血管を塞いでしまう。閉塞した脈管を開放するために利用可能な通常の治療オプションとして、以下のものが含まれる:バルーン血管形成術、回動式のアテレクトミー、及び脈管内のステント。伝統的には、外科医達は、X線蛍光透視画像に依拠してきた。該画像は、治療をガイドするための平面の画像であって、血管の管腔の影像の外形を示す。残念ながら、X線蛍光透視画像に関して、閉塞の原因となる狭窄の正確な範囲及び方向についての不確定性が大きく、狭窄の正確な位置を見つけることを困難にしている。更には、再狭窄が同じ場所で生じる可能性あることは知られているものの、X線を用いた手術の後で脈管内のコンディションをチェックすることは困難である。
【0003】
血管内の狭窄の深刻度(外傷を引き起こす虚血を含む)を評価するための現時点で受け入れられている技術は、冠血流予備量比(FFR)である。FFRは、近位部の圧力測定(狭窄の近位側で採取)に対する遠位部の圧力測定(狭窄の遠位部側で採取)の比の計算結果である。FFRは、狭窄深刻度の指標を提供し、治療が必要となる程度にまで、閉塞が脈管内の血流を制限しているかどうかについての決定を可能にする。健常な脈管内のFFRの正常値は1.00である。一方で、約0.80未満の値は、一般的に、著しく、そして、治療を必要とするものとみなされる。
【0004】
しばしば脈管内のカテーテル及びガイドワイヤは、血管内の圧力を測定するために用いられる。今日まで、圧力センサ又は他の電子的構成要素を含有するガイドワイヤは、電子的構成要素を含まない標準的なガイドワイヤと比べて、性能の低下といった特徴に苦慮している。例えば、これまでの電子的構成要素を含むガイドワイヤのハンドリング性能は、幾つかの例において、以下の要素による妨害を受けてきた:電子的構成要素(複数可)の導体又は通信線に必要なスペースを確保した後、コア・ワイヤが利用できるスペースが限られること、電子的構成要素(複数可)を含有する剛性ハウジングの堅固性、及び/又はガイドワイヤ内で利用可能な限られたスペースで電子的構成要素の機能を提供する事に関連する他の制限。更に、その小さな直径が原因となって、多くの例において、ガイドワイヤの近位部コネクタ部(即ち、ガイドワイヤの電子的構成要素(複数可)と、関連するコントローラー又はプロセッサとの間の通信を促進するコネクタ(複数可))は、脆く、そして、よじれ(kinking)やすく、ガイドワイヤの機能を損なう。こうした理由から、外科医は、不本意ながらも、近位部コネクタを再度取り付ける際にガイドワイヤが破損することの脅威に備えて、処置中は、近位部コネクタをガイドワイヤから取り外す。しかし、ガイドワイヤを近位部コネクタに結合させることは、ガイドワイヤの操作性及びハンドリングを更に制限する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、1以上の電子的構成要素を含む脈管内の装置(例えば、カテーテル及びガイドワイヤ)とともに用いるための改良コネクタに関するニーズは依然として残っている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の実施形態は、脈管内の装置、システム、及び方法に関する。
【0007】
一実施形態において、脈管内のシステムを提供する。システムは、脈管内の装置の近位部及び遠位部を有する可撓性の細長い部材、可撓性の細長い部材の遠位部に固定された少なくとも1つの電子的構成要素、及び可撓性の細長い部材の近位部に固定された少なくとも1つの電気的なコネクタを含む。ここで、少なくとも1つの電気的なコネクタは、可撓性の細長い部材の遠位部に固定された少なくとも1つの電子的構成要素に電気的に結合される。また、少なくとも1つの電気的なコネクタは第一直径を有する。また、少なくとも1つの電気的なコネクタに隣接した可撓性の細長い部材の近位部の断面は、第一直径未満である第二直径を有する。また、システムは以下を含む:少なくとも1つの電気的なコンタクト(contact)を有するコネクタ。該コンタクトは、脈管内の装置の少なくとも1つの電気的なコネクタとのインターフェースとなるように設計される。コネクタは第一コネクション・ピース及び第二コネクション・ピースを含む。第一コネクション・ピースは、第二コネクション・ピースに対して、開口ポジション状態と閉口ポジション状態との間で可動性を有する。開口ポジション状態において、第二コネクション・ピースは、以下のように設計される:脈管内の装置の少なくとも1つの電気的なコネクタを、脈管内の装置の長軸に対して横切る方向で受容するように設計される。その結果、第二コネクション・ピースの配置の特徴部分は、少なくとも1つの電気的なコネクタに隣接した可撓性の細長い部材の近位部のセクションに係合する。そして、脈管内の装置の少なくとも1つの電気的なコネクタを、該コネクタの少なくとも1つの電気的なコンタクトとともに配置する。閉口ポジション状態において、少なくとも1つの電気的なコンタクトは、少なくとも1つの電気的なコネクタに電気的に結合される。
【0008】
幾つかの実施形態において、コネクタは、バイアス素子(例えばスプリング)を含み、該素子は、第一及び第二コネクション・ピースを、閉口ポジションに向ける。幾つかの例において、第二コネクション・ピースは凹部を含み、該凹部は、少なくとも1つの電気的なコネクタを含む脈管内の装置の一部を受容するようなサイズ及び形状を有する。幾つかの実施では、少なくとも1つの電気的なコンタクトは、第一コネクション・ピースに固定される。その結果、少なくとも1つの電気的なコンタクトは、開口ポジション状態において、第二コネクション・ピースの凹部から離れている。そして、閉口ポジション状態において、第二コネクション・ピースの凹部にまたがって延在している。幾つかの例において、少なくとも1つの電気的なコネクタは、3つの電気的なコネクタから成る。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの電子的構成要素は、以下のうち少なくとも1つを含む:圧力感知構成要素、脈管内撮像構成要素、超音波トランスデューサ、及び光干渉断層撮影(OCT)イメージング要素。幾つかの実施形態において、第二コネクション・ピースは、少なくとも1つの開口部を含む。そして、第一コネクション・ピースは、少なくとも1つの突起を含み、これは第二コネクション・ピースの少なくとも1つの開口部を可動的に係合させるためのものである。その結果、少なくとも1つの開口部は、第二コネクション・ピースに対する第一コネクション・ピースの動きをガイドする。少なくとも1つの電気的なコンタクトは、幾つかの例において、スプリット、オープン・コーム式(split,open−comb)の電気的なコンタクトを含む。幾つかの実施形態において、コネクタは、少なくとも2つの電気的なコンタクトを含む。そして、少なくとも2つの電気的なコンタクトの間に位置する少なくとも1つの要素を含む。これは、第一コネクション・ピースが開口ポジション状態と閉口ポジション状態との間で動くとき、流体を脈管内の装置の表面から除去するように設計される。幾つかの実施において、流体を除去するための少なくとも1つの要素は、スポンジである。幾つかの例において、流体が除去される脈管内の装置の表面は、2つの電気的なコネクタの間に位置する非導電性材料の表面である。
【0009】
別の実施形態では、ある方法を提供する。該方法は以下のステップを含む:第一構成要素、第二構成要素、及び少なくとも1つの電気的なコンタクトを有するコネクタを提供するステップ;コネクタの第二構成要素の細長い開口部が晒されるように、コネクタを開口ポジションまで動かすステップ;脈管内の装置の接続部を、細長い開口部に、脈管内の装置の長軸に対して横切る方向で挿入するステップ(その結果、第二コネクション・ピースの配置の特徴部分が、可撓性の細長い部材の近位部に係合し、そして、脈管内の装置の接続部を、コネクタの少なくとも1つの電気的なコンタクトと共に配置する);及び、コネクタを閉口ポジションに移動させ、そして、コネクタの少なくとも1つの電気的なコンタクトを、脈管内の装置の接続部の少なくとも1つの電気的なコネクタに、電気的に結合させるステップ。幾つかの例において、少なくとも1つの電気的なコネクタは、脈管内の装置の遠位部に位置する電子的構成要素に電気的に接続されている。その結果、少なくとも1つの電気的なコンタクトが、脈管内の装置の接続部の少なくとも1つの電気的なコネクタに電気的に結合されるとき、少なくとも1つの電気的なコンタクトが、電子的構成要素に電気的に結合される。
【0010】
別の実施形態では、脈管内のシステムのためのコネクタを提供する。コネクタは以下を含む:少なくとも1つの電気的なコンタクトが固定された第一コネクション・ピース;第一コネクション・ピースに結合された第二コネクション・ピース。ここで、第一コネクション・ピースは、第二コネクション・ピースに対して、開口ポジション状態と閉口ポジション状態との間で可動性を有する。開口ポジション状態において、第二コネクション・ピースは、以下のように設計される:脈管内の装置の少なくとも1つの電気的なコネクタを、脈管内の装置の長軸に対して横切る方向で受容するように設計される。その結果、第二コネクション・ピースの配置の特徴部分は、少なくとも1つの電気的なコネクタに隣接する可撓性の細長い部材の近位部に係合する。そして、脈管内の装置の少なくとも1つの電気的なコネクタを、第一コネクション・ピースの少なくとも1つの電気的なコンタクトとともに配置する。閉口ポジション状態において、少なくとも1つの電気的なコンタクトは、少なくとも1つの電気的なコネクタに電気的に結合される。
【0011】
更なる本開示の態様、特徴、及び利点については、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0012】
例示的な本開示の実施形態は、以下の添付図を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本開示の一実施形態に従った脈管内のシステムの斜視図である。
図2】本開示の一実施形態に従った図1の脈管内のシステムの脈管内の装置の側面図である。
図3】本開示の一実施形態に従った脈管内の装置の近位部のコネクタ部の側面図である。
図4】脈管内の装置の近位部のコネクタ部の側面図であり、図3のものと類似するが、しかし、本開示の別の実施形態を表す。
図5】本開示の一実施形態に従った図1の脈管内のシステムのコネクタの背面から見た斜視図である。
図6】コネクタの背面から見た斜視図であり、図5のものと類似するが、しかし、コネクタの一部が除去されて、コネクタの内側構成要素が描かれている。
図7図5及び6のコネクタの上面図である。
図8】コネクタの上面図であり、図7のものと類似するが、しかし、コネクタの一部が除去されて、コネクタの内側構成要素が描かれている。
図9図5〜8のコネクタの底面図である。
図10】コネクタの底面図であり、図9のものと類似するが、コネクタの内側構成要素に関するものを示してある。
図11図5〜10のコネクタの背面図である。
図12図5〜11のコネクタの正面図である。
図13】コネクタの正面図であり、図13のものと類似するが、コネクタの上部及び該上部の内側構成要素のみを描いている。
図14図5〜13のコネクタの側面図である。
図15】コネクタの側面図であり、図14のものと類似するが、コネクタの下部のみを描いている。
図16図5〜15のコネクタの側面図である。図14のものと類似するが、前記コネクタの反対側からのものである。
図17】コネクタの側面図であり、図15のものと類似するが、コネクタの下部のみを描いている。そして、コネクタの下部の近くに位置する脈管内の装置を示している。
図18図5〜16のコネクタの下部の一部の拡大側面透視図である。
図19図17に示すコネクタの下部の一部の配置特徴部分の拡大側面斜視図である。
図20】コネクタの下部の一部の拡大側面斜視図であり、図17のものと類似するが、下部内部に位置する脈管内の装置を示す。
図21】コネクタの下部の一部の配置特徴部分の拡大側面斜視図であり、図18のものと類似するが、下部内部に位置する脈管内の装置を示す。
図22図5〜21のコネクタの側面図である。開口ポジション状態で示される本開示の一実施形態に従った脈管内の装置を受容する。
図23図5〜22のコネクタの側面図である。閉口ポジション状態で示され、本開示の一実施形態に従った脈管内の装置を受容する。
図24】本開示の別の実施形態に従ったコネクタの背面から見た斜視図である。
図25図24のコネクタの上面図である。
図26】コネクタの上面図であり、図25のものと類似するが、しかし、コネクタの一部が除去されて、コネクタの内側構成要素が描かれている。
図27図24〜26のコネクタの底面図である。
図28図24〜27のコネクタの側面図である。
図29図24〜29のコネクタの下部の一部の拡大側面斜視図である。
図30図29に示すコネクタの下部の一部の配置特徴部分の拡大側面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
詳細な説明
本開示の原理の理解を促す目的で、図面中に例示された実施形態について以下参照し、同一のものについて説明するために特定の用語を用いることとする。しかし、本開示の範囲限定することを意図していない点を理解されたい。装置、システム及び方法に対する、任意の置き換え、及び本開示の更なる変更、並びに任意の更なる応用も意図しており、こうしたものも、当分野に関連する当業者にとって通常生じるものとして、本開示の範囲内に含まれる。特に、1つの実施形態について記載された特徴、構成要素、及び/又はステップは、他の本開示の実施形態について記載された特徴、構成要素、及び/又はステップと組み合わせてもよい点については、完全に企図している。しかし、簡潔にする目的から、こうした組合せについて別途数多く繰り返して説明することはしない。
【0015】
ここで使用される、「可撓性の細長い部材」又は「細長い可撓性の部材」は、患者の脈管構造内に挿入することができる任意の薄く長い可撓性の構造を少なくとも含む。本開示の「可撓性の細長い部材」の例示した実施形態は、円柱状のプロファイルを、円形断面のプロファイルとともに有する。該プロファイルは、可撓性の細長い部材の外径を規定する。他の例において、全て又は一部の可撓性の細長い部材は、他の幾何学的な断面のプロファイル(例えば、オーバル、矩形、正方形、楕円等)又は非幾何学的な断面のプロファイルを有してもよい。可撓性の細長い部材は、例えば、脈管内のカテーテル及び脈管内のガイドワイヤを含むことができる。こうした点に関して、脈管内のカテーテルは、他の機器を受容及び/又はガイドするために、その長さに沿って延在する管腔を含むこともでき、又は含まなくてもよい。もしも、脈管内のカテーテルが管腔を含む場合、管腔は、装置の断面のプロファイルに対して、中央よりにしてもよいし、又は中心からはずしてもよい。
【0016】
ほとんどの実施形態において、本開示の可撓性の細長い部材は、1以上の電子的、光学的、又は電気−光学的構成要素を含む。例えば、限定するものではないが、可撓性の細長い部材は、1以上の以下のタイプの構成要素を含むことができる:圧力センサ、温度センサ、撮像素子、光ファイバー、超音波トランスデューサ、反射器、ミラー、プリズム、アブレーション素子、フロー(fro)電極、導体、及び/又はこれらの組み合わせ。一般的に、これらの構成要素は、可撓性の細長い部材が配置される脈管又は他の解剖学的部位に関するデータを得るように設計される。また、しばしば、構成要素は、処理及び/又は表示のための外部装置に対してデータ通信するように設計される。幾つかの態様において、本開示の実施形態は、脈管の管腔内を撮像するための撮像装置を含む(医療的及び非医療的応用の両方を含む)。しかし、幾つかの本開示の実施形態は、ヒトの脈管構造という状況においての使用に特に適する。脈管内の空間の撮像、特にヒトの脈管構造の内壁は、複数の異なる技術によって達成することができ、以下の技術が含まれる:超音波(しばしば、血管内超音波検査(「IVUS」)及び心腔内心エコー法(「ICE」)と呼ばれる)及び光干渉断層撮影(「OCT」)。他の例において、赤外線、熱、又は他の撮像手段が用いられる。更に、幾つかの例において、可撓性の細長い部材は以下を含むことができる:複数の電子的、光学的、及び/又は電気−光学的構成要素(例えば、圧力センサ、温度センサ、撮像素子、光ファイバー、超音波トランスデューサ、反射器、ミラー、プリズム、アブレーション素子、フロー(fro)電極、導体、等)。
【0017】
本開示の電子的、光学的、及び/又は電気−光学的構成要素は、しばしば、可撓性の細長い部材の遠位部内に配置される。ここで使用される、可撓性の細長い部材の「遠位部」は、中点から遠位部の先端までの可撓性の細長い部材の任意の部分を含む。可撓性の細長い部材が固体であってもよい場合、幾つかの本開示の実施形態は、電子的構成要素を受容するためのハウジング部を遠位部に含むであろう。こうしたハウジング部は、細長い部材の遠位部に取り付けられた管状の構造であってもよい。幾つかの可撓性の細長い部材は、管状であり、そして、1以上の管腔を有する。そして、該管腔において、電子的構成要素を遠位部内に配置することができる。
【0018】
電子的、光学的、及び/又は電気−光学的構成要素並びに関連する通信ラインは、可撓性の細長い部材の直径をかなり小さくできるようなサイズ及び形状である。例えば、細長い部材(例えば本明細書に記載の1以上の電子的、光学的、及び/又は電気−光学的構成要素を含むガイドワイヤ又はカテーテル)の外径は、約0.0007インチ(0.0178mm)〜約0.118インチ(3.0mm)であり、幾つかの特定の実施形態においては、外径が、約0.014インチ(0.3556mm)〜約0.018インチ(0.4572mm))である。従って、本出願の電子的、光学的、及び/又は電子的−光学的構成要素(複数可)を取り込んだ可撓性の細長い部材は以下のものに適している:心臓の一部または心臓を直に取りまく管腔に加えて、ヒト患者内での多種多様な管腔での使用(以下を含む:四肢の静脈及び動脈、腎動脈、脳内及び脳周辺の血管、及び他の管腔)。
【0019】
本明細書で使用される「接続された」及び該表現のバリエーションは、直接的な接続(例えば、ある別の要素に対して、その上に、又はその内部に、直接接着(glued)させたり、留めたり(fastened)すること等)、並びに間接的な接続(1以上の要素が、接続された要素の間に配置される)を含む。
【0020】
本明細書で使用される「固定された」(Secured)及び該表現のバリエーションは、以下の方法を含む:ある要素を直接に別の要素に固定させること(例えば、ある別の要素に対して、その上に、又はその内部に、直接接着(glued)させたり、留めたり(fastened)すること等)、並びに2つの要素を共に固定させる間接的技術(1以上の要素が、固定された複数の要素の間に配置される)。
【0021】
以下、図1を参照されたい。該図では、本開示の一実施形態に従った脈管内のシステム(100)を示す。こうした点に関して、脈管内のシステムは、脈管内の装置(102)及びコネクタ(104)を含む。以下、図2を参照されたい。本開示の一実施形態に従った脈管内の装置(102)の側面図が提供される。図に示すように、脈管内の装置(102)は、可撓性の細長い部材(106)を有し、該部材は、遠位端(108)に隣接した遠位部(107)と、近位端(110)に隣接した近位部(109)とを有する。構成要素(112)は、遠位部の先端(108)近くの可撓性の細長い部材(106)の遠位部(107)に配置される。概して、構成要素(112)は、1以上の電子的、光学的、又は電気−光学的構成要素を表す。こうした点に関して、構成要素(112)は、圧力センサ、温度センサ、撮像素子、光ファイバー、超音波トランスデューサ、反射器、ミラー、プリズム、アブレーション素子、フロー(fro)電極、導体、及び/又はこれらの組み合わせである。特定の種類の構成要素又は構成要素の組合せについては、脈管内の装置の使用意図に基づいて選択することができる。幾つかの例において、構成要素(112)は、遠位部の先端(108)から10cm未満、5未満、又は3cm未満に位置する。幾つかの例において、構成要素(112)は、脈管内の装置(102)のハウジング内に位置する。こうした点に関して、ハウジングは、幾つかの例において、可撓性の細長い部材(106)に固定された別構成要素である。他の例において、ハウジングは、可撓性の細長い部材(106)の一部として一体的に形成される。
【0022】
また、脈管内の装置(102)は、装置の近位部(109)に隣接した接続部(114)を含む。こうした点に関して、接続部(114)は、可撓性の細長い部材(106)の近位端(110)から、ある距離(116)でもって離隔している。概して、距離(116)は、可撓性の細長い部材(106)の全長の0%〜50%である。可撓性の細長い部材の全長は、任意の長さであってもよいが、幾つかの実施形態において、全長は約1300mm〜約4000mmであり、幾つかの特定の実施形態では、1400mm、1900mm、及び3000mmのうちのいずれかの長さを有する。幾つかの例において、接続部(114)は、近位端(110)から、約0mm〜約1400mm離れている。幾つかの特定の実施形態において、接続部(114)は、近位端から、0mm、300mm、1400mmのうちいずれか1つの距離だけ離れている。従って、幾つかの例において、接続部(114)は、近位端(110)に位置する。幾つかのこうした実施形態において、後述する脈管内の装置(102)の1以上の態様の係合部分及び配置特徴部分は、接続部(114)の近位部の代わりに、接続部(114)の遠位部に位置する(図2の実施形態に示すように)。
【0023】
こうした点に関して、図2の例示した実施形態において脈管内の装置(102)は、セクション(118)を含み、該セクション(118)は、近位部方向に、接続部(114)から、別のセクション(120)に向かって延在して、該セクション(120)は、近位端(110)に向かって延在する。例示した実施形態において、セクション(120)は、近位端(110)に対して曲形状である。他の実施形態では、セクション(120)は、近位端(110)に向かって近位方向に延びるにつれて、先細りした、弓型の、及び/又は他の変化するプロファイルを有する。こうした点に関して、幾つかの例において、セクション(120)の外側プロファイル及び/又は直径は、近位端(110)に向かって近位方向に延びるにつれて、減少する。その結果、近位端の減少したプロファイル及び/又は直径は、1以上の他の機器を、脈管内の装置に対して導入することを更に容易にする。他の実施形態では、セクション(120)は、近位端(120)に向かって近位方向に延びる際に、一定のプロファイルを有する。
【0024】
図に示すように、接続部(114)は、ある直径(122)を有する(又は非円形の断面の実施形態に関する外側断面プロファイルのための他の同様の測定値を有する)。一方で、セクション(118)は、ある直径(124)を有する(繰り返しになるが、又は非円形の断面の実施形態に関する外側断面プロファイルのための他の同様の測定値を有する)。セクション(118)の直径(124)は、接続部(114)の直径(122)とは異なる。こうした点に関して、異なるサイズの直径(122)、(124)は、コネクタ(例えばコネクタ(104)に対する脈管内の装置(102)の配置及び/又は接続を促進するように設計された構造を作り出す。例示した実施形態において、セクション(118)の直径(124)は、接続部(114)の直径(122)未満である。幾つかの実施形態において、セクション(118)の直径(124)は、直径(122)の約40%〜約80%であり、幾つかの特定の実施形態では、直径(122)の約42%、64%、及び/又は他のパーセンテージである。こうした点に関して、幾つかの実施形態において、接続部(114)の直径(122)は、約0.0178mm〜約3.0mmであり、幾つかの特定の実施形態では、0.3556mm(0.014インチ)〜0.4572mm(0.018インチ)である。従って、幾つかの実施形態において、セクション(118)の直径(124)は、約0.007mm〜約2.4mmであり、幾つかの特定の実施形態では0.15mm、0.19mm、0.23mm、及び0.29mmのいずれか1つである。例示した実施形態において、セクション(120)の直径は、直径(122)とおおよそ等しく、従って、直径(124)を超える直径を有する。しかし、他の実施形態では、セクション(120)は、以下の直径を有する:直径(122)を超える、直径(122)未満、直径(124)を超える、直径(124)と等しい、及び/又は直径(124)未満。幾つかの実施形態において、セクション(118)は、接続部(114)を通って延在するコア・ワイヤの断面を有する。
【0025】
図2に示すように、セクション(118)は、近位方向に、接続部(114)から、ある距離(126)をもって、延在する。一方、セクション(120)は、近位方向に、セクション(118)から、近位端(110)に向かって、ある距離(128)をもって延在する。距離(126)及び(128)の合計は、接続部(114)が脈管内の装置(102)の近位端(110)から離れている距離(116)と等しい。幾つかの例において、距離(126)は、約0.508mm(0.020インチ)〜約2.54mm(0.10インチ)であり、幾つかの特定の実施形態では、0.762mm(0.030インチ)、1.016mm(0.040インチ)、及び1.524mm(0.060インチ)のうち何れか1つである。更に、接続部(114)とセクション(118)との間の遷移及びセクション(118)とセクション(120)との間の遷移は、例示した実施形態において、段階的なものとして示されている。しかし、他の実施形態では、前記繊維は、脈管内の装置の長さ方向に沿って、外径が先細りする、及び/又は、そうでない場合には、漸次的に変化する。幾つかの実施形態において、先細りした及び/又は漸次的な遷移を採用することにより、結果として、脈管内の装置(102)の近位部が明確な縁取りを有さなくなる。幾つかの実施において、セクション(118)と接続部(114)又はセクション(120)のいずれかとの間での一方又は両方の遷移に関する先細りした及び/又は漸次的な遷移を採用することにより、装置の近位部のクリーニング(例えば、脈管内の装置の近位部の表面上にある任意の液体又は他の望ましくない物質を除去するため)が、より簡単になる。
【0026】
接続部(114)は、脈管内の装置(102)と別の装置との間の通信を促進するように設計される。より具体的には、幾つかの実施形態において、接続部(114)は、構成要素(112)によって得られたデータを、別の装置(例えばコンピューティング・デバイス又はプロセッサ)に送る通信を促進するように設計される。従って、幾つかの実施形態において、接続部(114)は、電気的なコネクタである。こうした例において、接続部(114)は、電気的な接続を1以上の電気的な導体に提供するように設計され、該導体は、可撓性の細長い部材(102)の長さ方向に沿って延在し、及び構成要素(112)に電気的に結合している。幾つかの例において、接続部(114)は、以下の文献に記載された1以上の電気的なコネクタを含む:米国特許出願番号61/665,697(発明の名称「INTRAVASCULAR DEVICES,SYSTEMS,AND METHODS」、2012年6月28日出願)。該文献を、参照により全体を本明細書に組み込む。他の実施形態では、接続部(114)は、光学的コネクタを含む。こうした例において、接続部(114)は、光学的接続を、1以上の光学的通信経路(例えば、光ファイバーケーブル)に提供し、該経路は、可撓性の細長い部材(106)の長さ方向に沿って延在し、及び構成要素(112)に光学的に結合している。更に、幾つかの実施形態において、接続部(114)は、電気的な及び光学的接続の両方を、構成要素(112)に結合された電気的な導体(複数可)及び光学的通信経路(複数可)の両方に提供する。こうした点に関して、構成要素(112)は、幾つかの例において、複数の要素を含む点に再度留意されたい。幾つかの例において、接続部(114)は、直接に又は間接的にのいずれかで、物理的な接続を別の装置に提供するように設計される。他の例において、接続部(114)は、脈管内の装置(102)と別の装置との間の無線通信するように設計される。概して、現時点の又は将来的に開発される無線プロトコル(複数可)が用いられる可能性がある。更に他の例において、接続部(114)は、別の装置への物理的接続及び無線接続の両方を促進する。
【0027】
上述したように、幾つかの例において、接続部(114)は、脈管内の装置(102)、(120)の構成要素(112)と外部の装置との間の接続を提供する。従って、幾つかの実施形態において、1以上の電気的な導体、1以上の光学的経路、及び/又はこれらの組み合わせは、可撓性の細長い部材(106)の長さ方向に沿って、接続部(114)と構成要素(112)との間に延在し、接続部(114)と構成要素(112)との間の通信を促進する。概して、任意の数の電気的な導体、光学的経路、及び/又はこれらの組み合わせは、可撓性の細長い部材(106)の長さ方向に沿って、接続部(114)と構成要素(112)との間に延在する。幾つかの例において、1〜10の電気的な導体及び/又は光学的経路が、可撓性の細長い部材(106)の長さ方向に沿って、接続部(114)と構成要素(112)との間に延在する。明確且つ簡潔にするため、後述する本開示の実施形態は、3つの電気的な導体を含む。従って、接続部(114)は、3つの電気的な導体に対応する3つの別々の電気的な接続を有するものとして説明する。
【0028】
例えば、図3に示すように、幾つかの例において、接続部(114)は、導電性の部分(132)、(134)、及び(136)を含み。これらは、絶縁性の部分(138)、(140)、(142)、及び(144)により、互いに且つ可撓性の細長い部材(106)の本体から離れている。こうした点に関して、導電性の部分(132)、(134)、及び(136)は、幾つかの例において、導電性材料から形成され、並びにハイポチューブ(hypotube)、コイル、及び/又はこれらの組み合わせのうちの一部である。以下の点について理解されたい:即ち、通信経路の総数並びに/又は電気的な導体及び/若しくは光学的経路の数は、他の実施形態では、異なってもよく、従って、接続部に含まれる導電性の部分(又は光学的コネクタ)の数も異なる。より具体的には、可撓性の細長い部材(106)の長さ方向に沿って延在する通信経路の数並びに電気的な導体及び光学的経路の数は、以下によって決定される:構成要素(112)の所望の機能性;及び該機能性を提供する構成要素(112)を規定する対応する要素。その結果、接続部(114)が提供する接続の数及び種類も、同様に、以下によって決定される:構成要素(112)の所望の機能性;該機能を提供する構成要素(112)を規定する対応する要素;及びこれらの要素に必要な通信。更に言えば、幾つかの例において、1以上の絶縁性の部分(138)、(140)、(142)、及び(144)は省略される。例えば、図4の例示的な実施形態に示すように、絶縁性の部分(144)は省略される。
【0029】
以下、図5〜24を参照されたい。これらの図ではコネクタ(104)の更なる詳細を示す。こうした点に関して、図5はコネクタの背面から見た斜視図であり;図6はコネクタの背面から見た斜視図であり、コネクタの一部が除去されて、コネクタの内側構成要素を記載しており;図7はコネクタの上面図であり;図8はコネクタの上面図であり、コネクタの一部が除去されて、コネクタの内側構成要素を記載しており;図9はコネクタの底面図であり;図10はコネクタの底面図であり、コネクタの内側構成要素を記載しており;図11はコネクタの背面図であり;図12はコネクタの正面図であり;図13はコネクタの側面図であり;図14は、コネクタの下部の側面図であり;図15はコネクタの側面図であり、図13のものと類似するが、コネクタの反対側からのものであり;図16はコネクタの下部の側面図であり、コネクタの下部の近くに位置する脈管内の装置を示しており;図17はコネクタの下部の一部の拡大側面斜視図であり;図18は、図17に示すコネクタの下部の一部の配置特徴部分の拡大側面斜視図であり;図19は、コネクタの下部の一部の拡大側面斜視図であり、脈管内の装置が下部内に位置しており;図20は、下部の一部の配置特徴部分の拡大側面斜視図であり、脈管内の装置が下部内に位置しており;図21は、開口ポジションにおけるコネクタの側面図であり;図22は開口ポジション状態におけるコネクタの上面図であり;及び図23は、閉口ポジション状態におけるコネクタの側面図であり;並びに、図24は、閉口ポジションにおけるコネクタの上面図である。
【0030】
幾つかの例において、本出願のコネクタは、以下の文献に記載されるコネクタ1以上の特徴を取り込んでいる:米国特許出願番号61/665,706(発明の名称「SIDE−LOADING CONNECTORS FOR USE WITH INTRAVASCULAR DEVICES AND ASSOCIATED SYSTEMS AND METHODS」、2012年6月28日出願)。該文献を、参照により全体を本明細書に組み込む。こうした点に関して、コネクタ(104)は、脈管内の装置(102)の接続部(114)とのインターフェースとなるように設計される。そして、脈管内の装置(102)と別の構成要素(例えば処理システム)との間の通信を促進する。特に、コネクタ(104)は、以下の間の通信を促進するように設計される:接続部(114)に電気的に結合される脈管内の装置(102)の1以上の電子的構成要素;及び1以上の電子的構成要素に関連した別の構成要素(例えば処理システム)。
【0031】
図5に示すように、コネクタ(104)は、上部構成要素(202)及び下部構成要素(204)を含む。例示した実施形態において、上部構成要素(202)は、下部構成要素(204)に対して可動性を有する。特に、上部構成要素及び下部構成要素((202)及び(204))は、互いに摺動可能である。脈管内の装置をコネクタ(104)内に挿入することを促進する。そして、続いて、コネクタを、受容された脈管内の装置と係合させ、結果として脈管内の装置とコネクタとの間の1以上の電気的な接続を生じることを促進する。例示した実施形態において、上部構成要素(202)は、グリップ部位(208)とともに上面(206)を含む。こうした点に関して、グリップ部位(208)は概して以下を表す:任意のタイプの構造(例えば、突起(複数可)、凹部(複数可)、これらの組み合わせ等)、テクスチャ(例えば、粗化された状態、ギザギザ(knurled)、パターン化された状態、これらの組み合わせ等)及び/又はこれらの組み合わせ。これらは、上部構成要素(202)を下部構成要素(204)に対して動かす際に、ユーザーをアシストするためのインターフェースとなるように設計される。例示した実施形態において、グリップ部位(208)は、凹面レンズ表面であり、ユーザーの親指とのインターフェースとなるためのサイズ及び形状を有する(例えば図5及び13に示すように)。こうした点に関して、グリップ部位(208)は、上部構成要素(202)の幅にまたがって、上部構成要素(202)の長軸に対して横切る方向で、延在する(例えば図5及び7に示すように)。
【0032】
後述するが、上部構成要素(202)は以下のように設計される:下部構成要素(204)に対して、上部構成要素の長軸に沿って(又はこれに対して平行に)、開口ポジション状態と閉口ポジション状態との間で移動するように設計される。その結果、コネクタ(104)は、以下のように設計される:脈管内の装置の接続部(例えば脈管内の装置(102)の接続部(114))を、脈管内の装置の長軸に対して横断する方向で受容するように設計される。こうした点に関して、脈管内の装置がコネクタ(104)内に受容され、且つ該コネクタに係合するとき、グリップ部位(208)は、脈管内の装置の長軸に対して平行に延在する。幾つかの実施形態において、下部構成要素(204)は、上部構成要素(202)のグリップ部位(208)と同様に1以上のグリップ部位を含む。こうした点に関して、下部構成要素(204)は、上部構成要素(202)と比べて、同一の、より少ない、又はより多くのグリップ部位を有することができ、同一若しくは異なる配置であってもよく、及び/又は同一若しくは異なる構造プロファイルを有してもよい。例示した実施形態において、下部構成要素(204)の下部表面(210)はグリップ部位(212)を含む。例示した実施形態において、グリップ部位(212)は、凹面レンズ表面であり、該表面は、ユーザーの指(例えばユーザーの人差し指)とのインターフェースとなるためのサイズ及び形状を有する、(例えば、図13に示すように)。こうした点に関して、グリップ部位(212)は、下部構成要素(204)の幅にまたがり、下部構成要素(204)の長軸に対して横切る方向で、延在する。その結果、グリップ部位(212)は、上部構成要素(202)のグリップ部位(208)に対して平行に延在する。この目的にむけて、例示した実施形態のグリップ部位(208)及び(212)の配置は、特に好適であり、ユーザーが片手を使ってコネクタ(104)を操作することを可能にする。こうした点に関して、ユーザーの指に対する下部構成要素(204)の位置を維持して、コネクタ(104)を開口ポジション状態と閉口ポジション状態との間で動かしながら、ユーザーは、上部構成要素(202)を、下部構成要素(204)に対して、ユーザーの親指を用いて進ませたり引き戻したりすることができる。
【0033】
下部構成要素(204)に対する上部構成要素(202)の動きをガイドするため、幾つかの実施形態において、上部構成要素及び/又は下部構成要素(202)、(204)は、突起を含み、該突起は、下部構成要素及び/又は上部構成要素(204)、(202)の対応するスロット又は開口部内にそれぞれ受容される。こうした点に関して、スロット又は開口部は、概して、構成要素(複数可)の長さ方向に沿って、且つ構成要素の長軸に対して平行方向で延在する。突起は、構成要素(複数可)から、以下のようになる態様で延在する:上部構成要素及び下部構成要素(202)、(204)が共に組み立てられたとき、突起は他の構成要素の開口部内に受容される。こうした点に関して、突起は、開口部内に摺動可能に受容されるようなサイズ及び形状を有する。その結果、上部構成要素(202)が下部構成要素(204)に対して動くとき、突起は、開口部の長さ方向に沿って、動くことができる。幾つかの例において、開口部(212)の対向する複数の端は止め具として寄与し、下部構成要素(204)に対して上部構成要素(202)が動くのを制限する。こうした点に関して、上部構成要素(202)が、完全に開口ポジション状態にあるとき、突起(複数可)は、開口部の第一端に接触するであろう。そして、上部構成要素が完全に閉口ポジションにあるときに、第一端とは反対側にある開口部の第二端に接触するであろう。幾つかの実施形態において、コネクタ(104)は、閉口ポジション状態において、この機構に対して軽くロックを行うためのスプリング・デテントを含む。こうした点に関して、スプリング・デテントは、コネクタ(104)の上部構成要素(202)を、閉口ポジションへと、上部構成要素と下部構成要素との間の摺動の少なくとも一部を通して、バイアスをかける。
【0034】
図6、8、10、22、及び23に示すように、上部構成要素(202)は、電気的なコンタクト(214)、(216)、(218)、(220)、及び(222)を含む。こうした点に関して、電気的なコンタクト(214)、(216)、(218)、(220)、及び(222)は、脈管内の装置の対応する電気的なコンタクト、(例えば脈管内の装置(102)の接続部(114)の導電性の部分(132)、(134)、及び(136))に係合するように設計される。例えば、例示した実施形態において、電気的なコンタクト(214)は、導電性の部分(132)に電気的に結合されるように設計される。電気的なコンタクト(216)及び(218)は、導電性の部分(134)に電気的に結合されるように設計される。そして、電気的なコンタクト(220)及び(222)は、導電性の部分(136)に電気的に結合されるように設計される。しかし、以下の点を理解されたい:即ち、コネクタ(104)と脈管内の装置との間の電気的な接続の任意の配置を用いることができる。こうした点に関して、コネクタ(104)は、任意の数の電気的なコンタクト(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、又はそれ以上の電気的なコンタクト)を含むことができる。また、単一のコンタクトを、脈管内の装置の1以上の導電性の部分のそれぞれに関して、含むことができる。
また、複数のコンタクトを、脈管内の装置の1以上の導電性の部分、及び/又はこれらの組み合わせそれぞれに関して、含むことができる。更に、例示した実施形態において電気的なコンタクト(214)、(216)、(218)、(220)、及び(222)は、スプリット、オープン・コーム式の電気的なコンタクトである。こうした点に関して、各電気的なコンタクト(214)、(216)、(218)、(220)、及び(222)は、該コンタクト内に脈管内の装置の導電性の部分を受容するように設計される。その結果、オープン・コーム式の電気的なコンタクトの幾つかの歯部は、導電性の部分よりも上に位置するであろう。そして、オープン・コーム式の電気的なコンタクトの他の歯部は、導電性の部分よりも下に位置するであろう。こうした配置により、コネクタ(104)の電気的なコンタクトと脈管内の装置の対応する導電性の部分との間の安全で信頼性のある電気的な接続が提供される。
【0035】
更に、後述するが、図22及び23に関して、オープン・コーム式の電気的なコンタクトは、以下の点を促進するのに特に適している:即ち、上部構成要素(202)が下部構成要素(204)に対して、開口ポジションから閉口ポジションに向かって動くときの、コネクタ(104)と下部構成要素(204)内に位置する脈管内の装置との間での適切な電気的な接続を促進する。更に言えば、オープン・コーム設計は、脈管内の装置を、コネクタに対して、適切な接続を維持しながら回動させることを可能にする。従って、オープン・コーム設計は、ユーザー(例えば、外科医)に対して以下のことを可能にする:即ち、脈管内の装置の回動式の動きに対してほとんど抵抗を有することなく、脈管内の装置が、脈管構造を通過する形で移動しながらまたは進みながら、コネクタ(104)と脈管内の装置との接続を維持することを可能にする。換言すれば、脈管内の装置は、様々なツイスト及びターンを伴いながら脈管構造を通過するように移動することができるが、コネクタ(104)は、脈管内の装置の回動に伴って動く必要はない。また、オープン・コーム設計は、良好な電気的なコンタクトを確実にするのに寄与する。これは、各コンタクトごとに複数のフィンガーがあるためである。更には、オープン・コーム設計の開口端は、上部構成要素が脈管内に対して閉じているとき、脈管内の装置の正確な配置を確実に行うための良好なガイドを提供する。オープン・コーム設計の様々な利点について説明してきたが、以下の点について理解されたい:即ち、任意の適切なサイズの電気的なコンタクトを用いることができ、該コンタクトとしては、単一のコンタクト又は複数のコンタクトを含む。
【0036】
上述したように、コネクタ(104)は、脈管内の装置の接続部とのインターフェースとなるように設計される。そして、脈管内の装置と別の構成要素との間の通信を促進する。特に、コネクタ(104)は、以下の間の通信をするように設計される:脈管内の装置の1以上の電子的構成要素(接続部に電気的に結合される)及び1以上の電子的構成要素に関連した別の構成要素(例えば処理システム)。この目的にむけて、コネクタ(104)は通信ケーブル(224)を含み、該ケーブルは、コネクタ(104)と別の構成要素との間でシグナルを運ぶように設計される。特に、ケーブル(224)は、電気的なシグナルを運び、そして、該ケーブルの長さに沿って延在する1以上の電気的な導体を含み、こうした電気通信を促進するように設計される。しかし、用いられる通信ケーブルの種類は、電子的、光学的、及び/又は電気−光学的構成要素のタイプに依存し、これらは、脈管内の装置内に取り込まれる。こうした点に関して、通信ケーブルは、1以上の電気的な導体、光ファイバー、及び/又はこれらの組み合わせを含むことができる。幾つかの例において、ケーブルは、処理システムのインターフェースに挿入されるように設計される。こうした点に関して、インターフェースは、幾つかの例において、患者インターフェース・モジュール(PIM)である。
【0037】
図6及び10に最も顕著に示されるが、ケーブル(224)は、1組の導体(226)を有する。例示した実施形態において、導体(226)の組は、5つの導体から成る。その結果、各導体は、対応する電気的なコンタクト(214)、(216)、(218)、(220)、及び(222)のうちの1つに電気的に結合される。幾つかの例において、ケーブルの電気的な導体(226)は、上方コネクション・ピースの電気的なコンタクト(214)、(216)、(218)、(220)、及び(222)にはんだ付けされる。しかし、概して、任意のタイプの電気的な接続を用いることができ、ケーブル(224)の導体(226)を、電気的なコンタクト(214)、(216)、(218)、(220)、及び(222)に電気的に結合させることができ、限定するものではないが、以下の物が含まれる:はんだ付け、クリンプ、及び/又は圧接接続端子(IDC)。例示した実施形態において、ケーブル(224)の導体(226)は、電気的なコンタクト(214)、(216)、(218)、(220)、及び(222)に、IDCよって結合される。
【0038】
図11に最も顕著にみられるが、上部構成要素(202)の背部は、開口部(228)を含む。そして、該開口部は、前記構成要素を通過するように延在し、そして、該構成要素を通過するケーブル(224)の経路を促進する。特に、開口部(228)は以下のように設計される:ケーブル(224)が、上部構成要素(202)を通って、ケーブルの電気的な導体(226)の結合から、電気的なコンタクト(214)、(216)、(218)、(220)、及び(222)へと延在するように設計される。開口部(228)は、概して、下部構成要素(204)のより大きな開口部(230)(例えば、図6参照)とともに配置される。こうした点に関して、ケーブル(224)は、幾つかの実施形態において、開口部(230)を通して延在する。開口部(228)及び(230)の配置は、上部構成要素(202)が下部構成要素(204)に対して動くことを可能にする。このとき、ケーブル(224)の電気的な導体(226)と上部構成要素の電気的なコンタクト(214)、(216)、(218)、(220)、及び(222)との間の電気的な結合にダメージを及ぼすことがない。また、望ましくないケーブルのよじれ(kinking)/折れ曲がりが生じることもない。例示した実施形態において、電気的なコンタクト(214)、(216)、(218)、(220)、及び(222)は、上部構成要素(202)に確実に固定される。その一方で、他の実施形態では、電気的なコンタクトは、下部構成要素(204)に確実に固定される。そして、下部構成要素は、必要な凹部、開口部、及び/又は経路を含み、そして、通信ケーブルのコンタクトへの接続、及びコネクタからのケーブルの通過を促進する。
【0039】
図14、16、17、及び19に最も顕著に示されるが、下部構成要素(204)は、凹部(くぼみ)(232)を有し、該凹部は、脈管内の装置を受容するための形状及びサイズを有する。特に、凹部(232)は、脈管内の装置の接続部を受容するための形状及びサイズを有する。例示した実施形態において、凹部が下部構成要素(204)へと延びるにつれて、凹部(232)の幅は、より広い状態からより狭い状態へと細くなっていく。こうした点に関して、凹部(232)は、表面(234)及び対向表面(236)を含み、概して、凹部(232)を規定する。凹部(232)は、脈管内の装置の接続部をコネクタ(104)内の位置に維持するように設計される。特に、表面(236)は以下のように設計される:上部構成要素(202)が下部構成要素(204)に対して進み、且つ脈管内の装置に係合する際に、脈管内の装置を凹部(232)内に維持する。従って、幾つかの実施形態において、上部構成要素(202)の電気的なコンタクトが進んで脈管内の装置と電気的な係合を形成する際に、表面(236)は概して下部構成要素の長軸に対して垂直に延在し、脈管内の装置が表面(236)上を摺動すること、且つ凹部(232)から摺動することを防止する。幾つかの特定の実施形態において、表面(236)は、下部構成要素(204)の長軸に対して約60度〜約120度の角度で延在する。他の実施形態では、表面(236)は、この範囲外の角度(より小さい又はより大きいのいずれか)で延在する。例示した実施形態において、表面(236)は、下部構成要素の長軸に対して約85度の角度で延在する。その一方で、表面(234)は、下部構成要素の長軸に対して約135度の角度で延在する(例えば、図14及び16を参照)。
【0040】
幾つかの実施形態(例えば例示した実施形態)において、凹部(232)は、該凹部が下部構成要素の幅にまたがって延在する際に、不連続性を有する。特に、図17及び19に示すように、下部構成要素(204)は、複数の支持部(238)、(240)、(242)、(244)、(246)、及び(248)を含み、これらは、集合的に凹部(232)を規定する。こうした点に関して、例示した実施形態において、各支持部(238)、(240)、(242)、(244)、(246)、及び(248)は、上述した表面(234)及び(236)と同様に、表面部を有する。こうした点に関して、支持部(238)及び(248)は、外側支持部であり、これらは下部構成要素(204)に対する凹部の外側境界を規定する。一方、支持部(240)、(242)、(244)、及び(246)は、支持部(238)及び(248)の間に位置する。幾つかの実施形態(例えば例示した実施形態)において、支持部(240)、(242)、(244)、及び(246)は、上述した表面(234)及び(236)と同様に、細くなった表面を含む。しかし、他の実施形態では、支持部(240)、(242)、(244)、及び(246)は、凹部(232)の底部のみを備え、脈管内の装置を受容するような形状及びサイズを有する。以下の点について理解されたい:即ち、他の実施形態では、外側部位(238)、(248)によって規定される凹部(232)の配置は、支持部(242)、(244)、及び(246)によって規定されるものと同様であり、及び/又はその逆もまた然りである
【0041】
脈管内の装置の接続部がコネクタ(104)の電気的なコンタクトと共に正しく確実に配置されるのに寄与すべく、上部構成要素及び/又は下部構成要素(複数可)(202)、(204)は、1以上の視覚的マーカー(アクティブ及び/又はパッシブ)を含んでも良い。及び/又は透明又は半透明の材料から少なくとも部分的に形成されてもよい。こうした点に関して、1以上の視覚的マーカーは、米国特許出願番号61/665,706(整理番号44755.825/01−0150−US)(発明の名称「SIDE−LOADING CONNECTORS FOR USE WITH INTRAVASCULAR DEVICES AND ASSOCIATED SYSTEMS AND METHODS」、本出願と同日に出願)に記載されているが、幾つかの例において、これらが使用される。
【0042】
更に、例示した実施形態において、下部構成要素(204)は、構造(250)を有し、該構造は、脈管内の装置(102)をコネクタ(104)とともに適切に配置することを促進するように設計される。こうした点に関して、図18及び19に示すように、例えば、構造(250)は凹部又は開口部(252)を規定し、これらは、概して、下部構成要素(204)にまたがって延在する凹部又は開口部(232)と共に配置される。こうした点に関して、支持部(248)の対向外側部位(254)及び(256)は、側表面(258)及び(260)に向けて細くなっており、これらは、凹部(252)を規定する。表面(258)及び(260)は、底表面(262)によって境界が規定される。例示した実施形態において、底表面(262)は凹面レンズ形状である。幾つかの例において、底表面の湾曲は、脈管内の装置(102)のセクション(118)を受容するような形状及びサイズを有する。図に示すように、表面(258)及び(260)は、例示した実施形態において、互いに対して平行、且つ下部構成要素(204)の長軸に対して垂直に延在する。しかし、他の実施形態では、表面(258)、(260)のうち一方又は両方は、下部構成要素(204)の長軸に対して傾斜した角度で延在する。
【0043】
図19に示すように、凹部(252)は、表面(258)と(260)との間に、ある幅(264)を有する。図15及び18に示すように、例えば、凹部(252)の幅(264)は、凹部(232)の幅未満である。こうした点に関して、幾つかの実施形態において、凹部(252)の幅(264)は以下のようになるようなサイズを有する:脈管内の装置(102)のセクション(118)は、凹部(252)内に受容できるが、しかし、接続部(114)及びセクション(120)は、凹部(252)内に受容できない。従って、幾つかの例において、凹部(252)の幅(264)は、約0.0254mm(0.001インチ)〜約0.254mm(0.01インチ)であり、セクション(118)の直径(124)を超える。幾つかの特定の実施形態では、約0.0254mm(0.001インチ)〜約0.0508mm(0.002インチ)であり、セクション(118)の直径(124)を超える。接続部(114)及びセクション(120)を凹部(252)内に受容できないということは、脈管内の装置(102)をコネクタ(104)とともに配置するのに利用できる。こうした点に関して、構造(250)も、凹部(252)に隣接した位置にある表面(266)を含む。表面(266)は、下部構成要素(204)の外側表面(267)内へとくぼんでいる。こうした点に関して、カットアウト表面(268)は、表面(266)と外側表面(267)との間に延在する。幾つかの例において、カットアウト(268)は、得られた表面(266)が脈管内の装置(102)のセクション(120)の遠位部に係合するように設計されるための形状及びサイズを有する。
【0044】
例えば、幾つかの実施において、構造(250)は、下記の通り、脈管内の装置(102)をコネクタ(104)とともに配置するのに用いられる。ユーザーは、脈管内の装置(102)を下部構成要素(204)内に位置するようにさせる。その結果、セクション(118)は凹部(252)内に受容される。接続部(114)は、少なくとも部分的に、凹部(232)内に位置する。そして、セクション(120)は、外側表面(267)及びくぼんだ表面(266)に隣接する下部構成要素の外側に位置する。セクション(118)を凹部(232)内に維持している間、脈管内の装置(102)は進み又は移動する。その結果、接続部(114)は、構造(250)から離れるように移動する。一方で、セクション(120)の遠位部の表面は、表面(266)に接するようになる(図20及び21に示すように)。下部構成要素(204)の支持部(238)、(240)、(242)、(244)、(246)、及び(248)の空間、並びに接続部(114)の電気的なコンタクトに関して規定された対応する空間は、コネクタ(104)の電気的なコンタクトによって係合されるが、これらは、以下のように設計される:セクション(120)の遠位部がコネクタ(104)の外側表面(例えば表面(266)又は表面(267)に接触しているとき、脈管内の装置(102)の接続部(114)と共に正しく配置される。こうした点に関して、以下の点について理解されたい:即ち、幾つかの実施形態において、下部構成要素(204)は、くぼんだ表面(266)を含まない。こうした実施形態において、セクション(120)は、外側表面(267)と接触して、コネクタ(104)に対して脈管内の装置(102)を適切に配置することを促進する。ローディングの配置が簡潔であることにより、ユーザーが、脈管内の装置の近位端を、セクション(118)とともに、コネクタの特徴部分(250)を通り越して配置することを可能にする。脈管内の装置の近位部がスロットの開口部に接触するように脈管内の装置が僅かに傾斜していることにより、セクション(118)は、自動的にスロット内部に落ち込むであろう。そして、脈管内の装置を、軽度の張力をもって引き、そして、凹部(232)におくことができる。
【0045】
また、コネクタ(104)に対して脈管内の装置(102)を配置することにより、コネクタ(104)の随意的な特徴を利用することを促進する。こうした点に関して、幾つかの実施形態において、コネクタ(104)は、1以上のワイピング・エレメント(wiping elements)を含む。例えば、図6、8、10、13、及び22に示すように、コネクタ(104)は、ワイピング・エレメント(270)及び(272)を含む。こうした点に関して、ワイピング・エレメント(270)、(272)は、隣接する導体間のブリッジとなる、脈管内の装置(102)の表面上の液体を除去するように設計される。例えば、例示した実施形態において、ワイピング・エレメント(270)及び(272)は、以下のようになるように位置する:上部構成要素(202)が下部構成要素(204)に対して動いて、適切に配置された脈管内の装置(102)と係合するとき、ワイピング・エレメント(270)は、導電性の部分(132)と(134)との間の液体を除去し、そして、ワイピング・エレメント(272)は、導電性の部分(134)と(136)との間の液体を除去するであろう。従って、幾つかのこうした例において、ワイピング・エレメント(270)、(272)は、絶縁性の部分(140)、(142)、それぞれに係合するように設計される。図13及び22に最も顕著に示されるが、例示した実施形態のワイピング・エレメント(270)、(272)は、それぞれ、2つの対向するピース(上部及び下部)を備える。その結果、上部構成要素(202)が動いて脈管内の装置と係合するときに、脈管内の装置(102)は2つのピースの間を通過する(図22及び23に関して後述する)。更に、例示した実施形態において、各上部ピース及び下部ピースは、概して半円柱状のプロファイルを有する。しかし、以下の点について理解されたい:即ち、任意のワイピング・エレメントの構造配置を用いることができ、単独のエレメント、複数のエレメント、幾何学的及び/又は非幾何学的なプロファイルが含まれる。更に、以下の点について理解されたい:即ち、ワイピング・エレメントは、任意の適切な材料から形成することができ、限定するものではないが、スポンジ、ポリウレタン、シリコーン、ポリエチレン、EPDM、及び/又はビニルが含まれる。
【0046】
より具体的には、図22及び23を参照されたい。該図では、コネクタ(104)が開口ポジション状態から閉口ポジション状態へと遷移することを示す。こうした点に関して、コネクタ(104)は、図22中に開口ポジション状態として、及び図23中に閉口ポジション状態として示す。図22に示すように、コネクタ(104)は、脈管内の装置(102)を、側方ローディング(side−loading)方式で受容するように設計される。より具体的には、上部構成要素(202)が開口ポジションまで引き込まれるとき、下部構成要素(204)中の凹部(232)及び(252)が曝される。その結果、脈管内の装置(102)は、脈管内の装置(102)を長軸に対して横切る方向で動かすことにより、凹部内に載置することができる。脈管内の装置をコネクタ(104)内にロードするため、コネクタ(104)を脈管内の装置(102)に対して動かしてもよく、脈管内の装置(102)をコネクタ(104)に対して動かしてもよく、及び/又はこれらの組み合わせであってもよい。幾つかの例において、脈管内の装置(102)が下部構成要素(204)の凹部(232)及び(252)内に位置することにより、脈管内の装置(102)は移動し、セクション(120)をくぼんだ表面(266)に係合させ、開口ポジション状態にある間、脈管内の装置を下部構成要素に対して適切に配置する。他の例において、上部構成要素(202)が閉口ポジション状態へと移動した後で、脈管内の装置(102)は、移動せず、セクション(120)をくぼんだ表面(266)に係合させる。
【0047】
こうした点に関して、脈管内の装置(102)が下部構成要素(204)に位置することにより、上部構成要素(202)が下部構成要素(204)に対して移動し(図22中の矢印(274)に示すように)、そして、図23に示す閉口ポジションまで移動する。閉口ポジション状態において、脈管内の装置(102)は、上部構成要素と下部構成要素との間((202)及び(204)の間)に維持される。その結果、コネクタ(104)は、脈管内の装置の接続部(114)と電気通信している状態になる。特に、上部構成要素(202)が閉口ポジション状態に向かって進む際、オープン・コーム式の電気的なコンタクト(214)、(216)、(218)、(220)、及び(222)のスプリットの歯部並びにワイピング・エレメント(270)、(272)は、脈管内の装置(102)の接続部(114)に係合する。幾つかの例において、凹部(232)の底部は、電気的なコンタクト(214)、(216)、(218)、(220)、及び(222)に対して以下のようになるように位置する:脈管内の装置を凹部内に載置したとき、脈管内の装置を、電気的なコンタクト(214)、(216)、(218)、(220)、及び(222)に対して、垂直方向に配置する。従って、脈管内の装置(102)が凹部内に載置され、その結果、接続部(114)の導電性の部分(132)、(134)、及び(136)は、水平に配置され(例えば、視覚的マーカーを用いることにより、セクション(120)を表面(266)に係合させることにより、又は他の手段により)、そして、コネクタ(104)の電気的なコンタクトに対して垂直に配置され、上部構成要素(202)が閉口ポジション状態まで、進むことにより、コネクタ(104)を脈管内の装置(102)に電気的に結合させる。また、開口ポジション状態から閉口ポジション状態への遷移において、ワイピング・エレメント(270)、(272)は、流体を、導電性の部分(132)、(134)、及び(136)の間から除去し、導電性の部分の間でのブリッジを防止するのに寄与する。脈管内の装置(102)を、コネクタ(104)から切断及び除去するために、上部構成要素(202)が下部構成要素(204)に対して移動し(図23中の矢印(276)に示されるように)、図22の開口ポジションへと戻る。
【0048】
図24〜30を以下参照されたい。該図では、本開示の別の実施形態に従ったコネクタ(300)の態様を示す。こうした点に関して、コネクタ(300)は、コネクタ(104)に関して上述したものと同様の多くの特徴を含む。従って、以下の説明では、コネクタ(300)の特徴に焦点をあて、これらは、コネクタ(104)の特徴とは異なる。しかし、以下の点について理解されたい:即ち、コネクタ(104)及び(300)の両方の様々な特徴は、本開示に一致する任意の種々のやり方で結合することができる。こうした点に関して、特記しない限り、コネクタ(104)の任意の特徴は、コネクタ(300)内で実施することができ、その逆もまた然りである点を想定されたい。
【0049】
図25に示すように、コネクタ(300)は、上部構成要素(302)及び下部構成要素(304)を含む。例示した実施形態において、上部構成要素(302)は、下部構成要素(304)に対して可動性を有する。特に、上部構成要素及び下部構成要素((302)及び(304))は、互いに摺動可能であり、脈管内の装置をコネクタ(300)内に挿入することを促進する。そして、続いて、コネクタを、受容された脈管内の装置と係合させ、結果として脈管内の装置とコネクタとの間の1以上の電気的な接続を生じることを促進する。例示した実施形態において、上部構成要素(302)は、グリップ部位(308)とともに上面(306)を含む。こうした点に関して、グリップ部位(308)は概して以下を表す:任意のタイプの構造(例えば、突起(複数可)、凹部(複数可)、これらの組み合わせ等)、テクスチャ(例えば、粗化された状態、ギザギザ(knurled)、パターン化された状態、これらの組み合わせ等)及び/又はこれらの組み合わせ。これらは、上部構成要素(302)を下部構成要素(304)に対して動かす際に、ユーザーをアシストするためのインターフェースとなるように設計される。例示した実施形態において、グリップ部位(308)は隆起した表面部である。幾つかの実施形態において、下部構成要素(304)は、上部構成要素(302)のグリップ部位(308)に類似した1以上のグリップ部位を含む。こうした点に関して、下部構成要素(304)は、上部構成要素(302)と比べて、同一の、より少ない、又はより多くのグリップ部位を有することができ、同一若しくは異なる配置であってもよく、及び/又は同一若しくは異なる構造プロファイルを有してもよい。例示した実施形態において、下部構成要素(304)の下部表面(310)は、複数の突起又はリッジ(ridge)(312)をグリップ部位として含む。
【0050】
上部構成要素(302)は、電気的なコンタクト(314)、(316)、(318)、(320)、及び(322)を含む。こうした点に関して、電気的なコンタクト(314)、(316)、(318)、(320)、及び(322)は、脈管内の装置の対応する電気的なコンタクト(例えば脈管内の装置(102)の接続部(114)の導電性の部分(132)、(134)、及び(136)に係合するように設計される。例えば、例示した実施形態において電気的なコンタクト(314)は、導電性の部分(132)に電気的に結合されるように設計される。電気的なコンタクト(316)及び(318)は、導電性の部分(134)に電気的に結合されるように設計される。そして、電気的なコンタクト(320)及び(322)は、導電性の部分(136)に電気的に結合されるように設計される。しかし、以下の点を理解されたい:即ち、コネクタ(300)と脈管内の装置との間の電気的な接続の任意の配置を用いることができる。こうした点に関して、コネクタ(300)は、任意の数の電気的なコンタクト(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、又はそれ以上の電気的なコンタクト)を含むことができる。
また、単一のコンタクトを、脈管内の装置の1以上の導電性の部分のそれぞれに関して、含むことができる。また、複数のコンタクトを、脈管内の装置の1以上の導電性の部分、及び/又はこれらの組み合わせそれぞれに関して、含むことができる。更に、例示した実施形態において、電気的なコンタクト(314)、(316)、(318)、(320)、及び(322)は、スプリット、オープン・コーム式の電気的なコンタクトである。こうした点に関して、各電気的なコンタクト(314)、(316)、(318)、(320)、及び(322)は、脈管内の装置の導電性の部分をそこで受容するように設計される。その結果、オープン・コーム式の電気的なコンタクトの幾つかの歯部は、導電性の部分よりも上に位置するであろう。そして、オープン・コーム式の電気的なコンタクトの他の歯部は、導電性の部分よりも下に位置するであろう。こうした配置により、コネクタ(300)の電気的なコンタクトと脈管内の装置の対応する導電性の部分との間の安全で信頼性のある電気的な接続が提供される。
【0051】
更に、オープン・コーム式の電気的なコンタクトは、以下の点を促進するのに特に適している:即ち、上部構成要素(302)が下部構成要素(304)に対して、開口ポジションから閉口ポジションに向かって動くときの、コネクタ(300)と下部構成要素(304)内に位置する脈管内の装置との間での適切な電気的な接続を促進する。更に言えば、オープン・コーム設計は、脈管内の装置を、コネクタに対して、適切な接続を維持しながら回動させることを可能にする。従って、オープン・コーム設計は、ユーザー(例えば、外科医)に対して以下のことを可能にする:即ち、脈管内の装置の回動式の動きに対してほとんど抵抗を有することなく、脈管内の装置が、脈管構造を通過する形で移動しながらまたは進みながら、コネクタ(300)と脈管内の装置との接続を維持することを可能にする。換言すれば、脈管内の装置は、様々なツイスト及びターンを伴いながら脈管構造を通過するように移動することができるが、コネクタ(300)は、脈管内の装置の回動に伴って動く必要はない。また、オープン・コーム設計は、良好な電気的なコンタクトを確実にするのに寄与する。これは、各コンタクトに複数のフィンガーがあるためである。更には、オープン・コーム設計の開口端は、上部構成要素が脈管内に対して閉じているとき、脈管内の装置の正確な配置を確実に行うための良好なガイドを提供する。オープン・コーム設計の様々な利点について説明してきたが、以下の点について理解されたい:即ち、任意の適切なサイズの電気的なコンタクトを用いることができ、該コンタクトとしては、単一のコンタクト又は複数のコンタクトを含む。
【0052】
上述したように、コネクタ(300)は、脈管内の装置の接続部とのインターフェースとなるように設計される。そして、脈管内の装置と別の構成要素との間の通信を促進する。特に、コネクタ(300)は、以下のように設計される:即ち、脈管内の装置の1以上の電子的構成要素(接続部に電気的に結合される)と1以上の電子的構成要素に関連した別の構成要素(例えば処理システム)との間の通信を促進するように設計される。この目的にむけて、コネクタ(300)は、通信ケーブル(324)を含み、該ケーブルは、コネクタ(300)と別の構成要素との間のシグナルを運ぶように設計される。特に、ケーブル(324)は、電気的なシグナルを運び、そして、該ケーブルの長さに沿って延在する1以上の電気的な導体を含み、こうした電気通信を促進するように設計される。しかし、用いられる通信ケーブルの種類は、電子的、光学的、及び/又は電気−光学的構成要素のタイプに依存し、これらは、脈管内の装置内に取り込まれる。こうした点に関して、通信ケーブルは、1以上の電気的な導体、光ファイバー、及び/又はこれらの組み合わせを含むことができる。幾つかの例において、ケーブルは、処理システムのインターフェースに挿入されるように設計される。こうした点に関して、インターフェースは、幾つかの例において、患者インターフェース・モジュール(PIM)である。
【0053】
図29に最も顕著に示されるが、下部構成要素(304)は、凹部(332)を含み、該凹部は、脈管内の装置を受容するための形状及びサイズを有する。特に、凹部(332)は、脈管内の装置の接続部を受容するための形状及びサイズを有する。例示した実施形態において、凹部が下部構成要素(304)へと延びるにつれて、凹部(332)の幅は、より広い状態からより狭い状態へと細くなっていく。こうした点に関して、凹部(332)は、表面(334)及び対向表面(336)を含み、概して、凹部(332)を規定する。凹部(332)は、脈管内の装置の接続部をコネクタ(300)内の位置に維持するように設計される。特に、表面(336)は以下のように設計される:上部構成要素(302)が下部構成要素(304)に対して進み、且つ脈管内の装置に係合する際に、脈管内の装置を凹部(332)内に維持する。従って、幾つかの実施形態において、表面(336)は概して下部構成要素の長軸に対して垂直に延在する。そして、上部構成要素(302)の電気的なコンタクトが進んで脈管内の装置と電気的な係合を形成する際に、脈管内の装置が表面(336)上を摺動し、且つ凹部(332)から摺動することを防止する。幾つかの特定の実施形態において、表面(336)は、下部構成要素(304)の長軸に対して約60度〜約120度の角度で延在する。他の実施形態では、表面(336)は、この範囲外の角度(より小さい又はより大きいのいずれか)で延在する。図29に示すように、例示した実施形態において、表面(336)の下部は、下部構成要素の長軸に対して、約90度の角度で延在する。表面(336)の上部は、下部構成要素の長軸に対して、約70度の角度で延在する。そして、表面(334)は、下部構成要素の長軸に対して約135度の角度で延在する。
【0054】
幾つかの実施形態(例えば例示した実施形態)において、凹部(332)は、該凹部が下部構成要素の幅にまたがって延在する際に、不連続性を有する。特に、図29に示すように、下部構成要素(304)は、複数の支持部(338)、(340)、(342)、(344)、(346)、及び(348)を含み、これらは、集合的に凹部(332)を規定する。こうした点に関して、例示した実施形態において、各支持部(338)、(340)、(342)、(344)、(346)、及び(348)は、上述した表面(334)及び(336)と同様に、表面部を含む。こうした点に関して、支持部(338)及び(348)は、外側支持部であり、これらは下部構成要素(304)に対する凹部の外側境界を規定する。一方、支持部(340)、(342)、(344)、及び(346)は、支持部(338)及び(348)の間に位置する。幾つかの実施形態(例えば例示した実施形態)において、支持部(340)、(342)、(344)、及び(346)は、上述した表面(334)及び(336)と同様に、細くなった表面を含む。しかし、他の実施形態では、支持部(340)、(342)、(344)、及び(346)は、凹部(332)の底部のみを備え、脈管内の装置を受容するような形状及びサイズを有する。以下の点について理解されたい:即ち、他の実施形態では、外側部位(338)、(348)によって規定される凹部(332)の配置は、支持部(342)、(344)、及び(346)によって規定されるものと同様であり、及び/又はその逆もまた然りである
【0055】
脈管内の装置の接続部がコネクタ(300)の電気的なコンタクトとともに適切に確実に配置されるのに寄与するべく、上部構成要素及び/又は下部構成要素(複数可)(302)、(304)は、1以上の視覚的マーカー(アクティブ及び/又はパッシブ)を含むことができ、及び/又は透明若しくは半透明の材料から少なくとも部分的に形成されてもよい。こうした点に関して、1以上の視覚的マーカーは、米国特許出願番号61/665,706(整理番号44755.825/01−0150−US、発明の名称「SIDE−LOADING CONNECTORS FOR USE WITH INTRAVASCULAR DEVICES AND ASSOCIATED SYSTEMS AND METHODS」、本出願と同日に出願)に記載されており、幾つかの例において、用いられる。
【0056】
更に、例示した実施形態において、下部構成要素(304)は、構造(350)を有し、該構造は、脈管内の装置(102)をコネクタ(300)とともに適切に配置することを促進するように設計される。こうした点に関して、図29及び30に示すように、構造(350)は凹部又は開口部(352)を規定し、これらは、概して、下部構成要素(304)にまたがって延在する凹部又は開口部(332)と共に配置される。こうした点に関して、構造(350)の対向する外側部位(354)及び(356)は、側表面(358)及び(360)内へと細くなっており、これらは、凹部(352)を規定する。表面(358)及び(360)は、底表面(362)によって境界が規定される。例示した実施形態において、底表面(362)は凹面レンズ形状である。幾つかの例において、底表面(362)の湾曲は、脈管内の装置(102)のセクション(118)を受容するための形状及びサイズを有する。図に示すように、表面(358)及び(360)は、例示した実施形態において、互いに対して平行、且つ下部構成要素(304)の長軸に対して垂直に延在する。しかし、他の実施形態では、表面(358)、(360)のうち一方又は両方は、下部構成要素(304)の長軸に対して傾斜した角度で延在する。
【0057】
凹部(352)は、表面(358)と(360)との間に、ある幅を有しており、該幅は、凹部(232)の幅未満である。こうした点に関して、幾つかの実施形態において、凹部(352)の幅は、以下のようになるためのサイズを有する:脈管内の装置(102)のセクション(118)は、凹部(352)内に受容できるが、しかし、接続部(114)及びセクション(120)は、凹部(352)内に受容できない。従って、幾つかの例において、凹部(352)の幅は、約0.0254mm(0.001インチ)〜約0.254mm(0.01インチ)であり、セクション(118)の直径(124)を超える。幾つかの特定の実施形態では、約0.0254mm(0.001インチ)〜約0.0508mm(0.002インチ)であり、セクション(118)の直径(124)を超える。接続部(114)及びセクション(120)を凹部(352)内に受容できないということは、脈管内の装置(102)をコネクタ(300)とともに配置するのに利用できる。例えば、幾つかの実施において構造(350)は、下記の通り、脈管内の装置(102)をコネクタ(104)とともに配置するのに用いられる。ユーザーは、脈管内の装置(102)を下部構成要素(304)内に位置するようにする。その結果、セクション(118)は凹部(352)内に受容される。接続部(114)は、少なくとも部分的に凹部(332)内に位置する。そして、セクション(120)は、下部構成要素構造(350)の外側に位置する。セクション(118)を凹部(352)内に維持している間、脈管内の装置(102)は進み又は移動する。その結果、セクション(120)の遠位部の表面が構造(350)の外側表面と接触している間、接続部(114)は、構造(350)から離れるように移動する。ローディングの配置が簡潔であることにより、ユーザーが、脈管内の装置の近位端を、セクション(118)とともに、コネクタの特徴部分(350)を通り越して配置することを可能にする。脈管内の装置の近位部がスロットの開口部に接触するように脈管内の装置が僅かに傾斜していることにより、セクション(118)は、自動的にスロット内部に落ち込むであろう。そして、脈管内の装置を、軽度の張力をもって引き、そして、凹部(332)におくことができる。
【0058】
当業者は、上述した装置、システム、及び方法が様々な方法で改変できることを認識するであろう。従って、当業者は、本開示によって包含される実施形態は、上述した特定の例示的な実施形態に限定されないことを理解するであろう。こうした点において、例示的な実施形態について図示し、説明してきたが、広い範囲の改変、変更、及び置換したものを上記開示では企図している。
本開示の範囲から乖離することなく、こうした変更を行うことができる点を理解されたい。従って、添付した特許請求の範囲については、広く解釈し、且つ本開示に一致するように解釈するのが適切である。
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