(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記日射吸収層が、合金NiCr、NiCrW、WTa、WCr、NbZr、TaNiV、NbCr、NiVおよびCrZr、好ましくはNiCrWおよびCrZrから選択される金属であることを特徴とする、請求項4に記載の透明なグレージング。
前記日射吸収層が、TiN、NiCrWN、NiVN、TaN、CrN、ZrN、CrZrN、TiAlN、TiZrN、WN、SiZrNおよびSiNiCrNから選択される窒化物、好ましくはTiNおよびNiCrWNから選択される窒化物であることを特徴とする、請求項6に記載の透明なグレージング。
前記複数層積層体でコートされたガラス基材の(標準EN410による)エネルギー吸収AEが50%未満、好ましくは45%未満および有利には40%未満であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の透明なグレージング。
前記ガラス基材上に堆積されて、それと接触している、第1の誘電体コーティングの第1の誘電体層が、好ましくは少なくとも20%のスズを含有する、混合亜鉛−スズ酸化物の層であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の透明なグレージング。
前記銀ベースの機能層上に直接に堆積される保護層が、セラミックターゲットから得られる、任意選択によりアルミニウムがドープされたZnOから製造されることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の透明なグレージング。
透明ガラスから製造された6/15/4二重グレージングについて、標準EN410に従って測定された日射透過率gが12%〜40%、好ましくは20%〜36%であることを特徴とする、請求項14に記載の絶縁複層グレージング。
前記日射透過率gに対する光透過率TLの形で表わされる選択率が、少なくとも1.4、好ましくは少なくとも1.5、有利には少なくとも1.6であることを特徴とする、請求項15に記載の絶縁複層グレージング。
【背景技術】
【0003】
太陽光制御グレージングは、複数の機能性を有する。それらは特に、自動車の乗客室において、特に、透明なサンルーフを通過する
日射に対して、または
日射が十分に強い時にこの
日射に晒される建物に対して
オーバーヒートからの保護に関する。特定の実施形態に従って、
オーバーヒートからのこの保護は、適切な光透過率を維持したまま得られる場合がある。
【0004】
特に、建物や、又、自動車のグレージングの場合、それらは、それらの光学的性質、特にそれらの光透過率およびそれらの色が、特に反射において、実質的に変更されずに熱処理に耐えられることがますます必要とされる。目的は、色の差が現れずに、熱処理されたグレージングと熱処理されていないその他のものとを並置することができることである。2つの異なった製品を製造する必要がなく、1つだけの製品を製造すればよいので、特に製造費に利点が反映される。
【0005】
説明のその他の部分において、その基材が厚み4mmの普通の透明な「フロート」ガラスから製造されるグレージングについて光学的性質が定義される。基材の選択は明らかに、これらの性質に影響を与える。普通の透明ガラスについて、層が無い場合、4mmを通る光透過率は、CIEによって正規化されたD65「昼光」イルミナントに一致する光源を使用してそして2°の立体角において測定されたとき、約90%であり、反射は8%である。エネルギー測定は標準EN410に従って行なわれる。
【0006】
用語「ガラス」は無機ガラスを意味すると理解される。これは、厚みが少なくとも0.5mm以上および20.0mm以下、優先的には少なくとも1.5mm以上および10.0mm以下であり、ガラス材料の必須成分の1つとしてケイ素を含むガラスを意味する。特定の用途について、厚みは例えば、1.5または1.6mm、または2または2.1mmであってもよい。他の用途についてそれは、例えば、約4または6mmである。透明、超透明であるかまたは空間色のあるケイ素−ナトリウム−カルシウムガラスが好ましい。
【0007】
複数層積層体の存在は色の問題を生じる場合がある。グレージングが、透過率および反射の両方においてできる限り中性である色合いを呈し、したがって比較的灰色の外観をもたらすことを市場は通常要求する。また、わずかに緑色または青みの色合いも可能である。しかしながら、著しくより目立つ色
合い、例えば青色または緑色もまた、特定の美的基準を満たすために場合によっては求められる。複数層積層体そして特に、機能層を囲む誘電体層の性質、屈折率および厚みは、特に、これらの色合いを制御するように選択される。
【0008】
理論的には自動車のグレージングは、一般的に建物のグレージングの場合のようにグレージングにより良い絶縁性、特に断熱をもたらすために複数であってもよい。しかしながら、一般的に、本発明のタイプの複数層積層体を有する自動車のグレージングはラミネートされ、複数層積層体はラミネートの内部に配置される。
【0009】
また、本発明による層システムはグレージングの製造に適していなければならない。車において使用される層システムは特に、ガラス板を製造する間、特に曲げの間、またはガラス板に強化された機械的性質を与えるために特に意図される強靭化の間の熱処理の主題である。また、特定の建物のグレージングは、しばしば、強靭化熱処理を受けてそれらに強化された機械的性質を与え、特に、太陽光に晒される建物の正面に設置された同じグレージングの日の当たっている領域と陰の領域との間の温度差による熱ショックに耐えなければならない。本発明によって使用される層は、それらの性質を低下させずに且つそれらの美的外観を変更させずにこれらの処理に耐えなければならない。このタイプの処理は、約10分間にわたって600℃を超える温度を要求する。層は、これらの温度に供せられる時にそれらの品質および性質を維持しなければならない。
【0010】
また、美的外観は、
太陽光防護グレージングのために商業的に非常に重要である。具体的には、グレージングが
アンチソーラー熱的性質を有することが必要であるだけでなく、それはまた、それが一部を形成する組立体の美的特質に寄与しなければならない。これらの美的規準は時折、所望の最良の熱的性質を得ることに関してあるていど矛盾する状況を生じる場合がある。
【0011】
先行技術の解決策
先行技術は、赤外線を反射する少なくとも1つの機能層と誘電体層によって囲まれた
日射吸収層とを含む
アンチソーラーグレージングを提案する。
【0012】
特許出願国際公開第2005/091864A2号パンフレットには、2つの銀ベースの機能層とNiCrの形態の
日射吸収層とを含む複数層積層体が記載されており、それは、コートされたグレージングの光透過率を調節することを可能にする。特定の実施例に従って、NiCr吸収層は、窒化ケイ素の2つの層の間に密閉されており、この組立体は、基材と、ZnOから製造される浸潤層が下に配置される、銀の第1の層との間に配置される。特定の実施形態において、積層体は、強靭化熱処理を受けてもよい。
【0013】
特許出願国際公開第2009/032032A1号パンフレットには、グレージングが斜め入射で見られる時の色
合い問題を解決するために、窒化ケイ素の2つの層の間に密閉されるが、今度は銀の2つの機能層の間に配置される
日射吸収NiCr金属からなる同じ構造物が記載されている。特定の実施例は、基材側(外部)反射の色
合い(ΔE
*)の変化が比較的低い(≦3)強靭化熱処理を受けた。また、ZnOから製造される浸潤層は、銀の機能層の下に配置される。
【0014】
特許出願国際公開第02/48065A1号パンフレットには、特定の実施例において、窒化ケイ素の2つの層の間に密閉された、TiNなどの窒化物から形成される
日射吸収層が記載されており、この組立体は、銀の2つの機能層の間に配置される。また、ZnOから製造される浸潤層は、銀の層の下に配置される。特定の実施例は光学変更が比較的小さい強靭化熱処理を受ける場合がある。
【0015】
特に熱強靭化を行なうために、高温熱処理をした後、これらの先行の提案による太陽光制御グレージングは、商業上の需要により高品質光学グレージングを得ることに関して美的に受け入れ難い、美観を損なう斑をもつ
ぼやけがある。
【発明を実施するための形態】
【0025】
日射吸収層の存在は、スペクトルの可視部分にある熱エネルギーをフィルターすることを可能にする。このフィルタリングと、機能層によって得られる、赤外線の反射とを組み合わせることによって、強い太陽光に晒される建物または乗客室の
オーバーヒートを防ぐのに特に有効である太陽光制御グレージングを得ることができる。しかしながら、特に、熱強靭化による機械的強化処理のために、グレージングが高温熱処理を受けなければならないとき、
日射吸収層はその吸収力を失うことができず、さもなければ太陽放射線の調整効率は急激に減少し、グレージングの光学的性質もまた変更される。
【0026】
また、特に曲げ/強靭化タイプの熱処理は、光学的性質そして特に色
合いの
顕著な変更を含めてもよい。優先的には、それらが熱処理されるか否かにかかわらず、グレージングが事実上変化されない外観を有するようにこれらの変化は最小にされるのがよい。
【0027】
慣例的に、比色変化の測定は、CIELAB系の座標から行なわれる。比色変化はΔE
*と記載される式によって表わされ、この式は、式:
ΔE
*=(ΔL
*2+Δa
*2+Δb
*2)
1/2
に相当し、式中、ΔL
*は、熱処理の前と後のグレージングの測色座標L
*の差を表わし、
Δa
*は、熱処理の前と後のグレージングの測色座標a
*の差を表わし、
Δb
*は、熱処理の前と後のグレージングの測色座標b
*の差を表わす。
【0028】
より詳しくは、そして好ましくは、本発明によるグレージングの、ガラス基材面上の反射の比色変化ΔE
*Rg:
ΔE
*Rg=(ΔL
*Rg2+Δa
*Rg2+Δb
*Rg2)
1/2
は、前記グレージングが7〜10分間少なくとも630℃および670℃以下の温度に供せられる時に8未満、優先的には5未満、有利には3未満そしてさらに優先的には2未満である。
【0029】
さらにまた、本発明によるグレージングの、透過率の比色変化ΔE
*TL:
ΔE
*TL=(ΔL
*TL2+Δa
*TL2+Δb
*TL2)
1/2
は、前記グレージングが7〜10分間少なくとも630℃および670℃以下の温度に供せられる時に8未満、優先的には5未満、より優先的には3未満であるのが好ましい。
【0030】
任意選択により2つの先行の性質に加えてあるいは他の方法で、本発明によるグレージングの、積層体の表面上の反射の比色変化ΔE
*Rc:
ΔE
*Rc=(ΔL
*Rc2+Δa
*Rc2+Δb
*Rc2)
1/2
は、前記グレージングが7〜10分間少なくとも630℃および670℃以下の温度に供せられる時に.8未満、優先的には5未満である。
【0031】
好ましくは、厚み4mmの普通の透明ガラス上のその2つの誘電体層の間に密閉されたこの吸収層だけを堆積することによって測定され、ガラス側で測定された、
日射吸収層によるスペクトルの可視部分の光吸収、したがって太陽放射線の吸収は、5%〜45%、好ましくは10%〜35%である。
【0032】
積層体の光学的性質の変更および
日射吸収層の吸収力の低下を避けるために、この層は、ケイ素またはアルミニウム窒化物およびそれらの混合物から選択される材料から形成される2つの誘電体層の間に挿入される。これらの誘電体層の各々の最小幾何学的厚みは8nmである。
【0033】
驚くべきことに、本発明による連続層「ケイ素またはアルミニウム窒化物またはそれらの混合物/
日射吸収層/ケイ素またはアルミニウム窒化物またはそれらの混合物/介在透明酸化物/酸化亜鉛をベースとした浸潤層/赤外線を反射する銀ベースの機能層」は、先行技術の提案によって観察される斑を有する
ぼやけの形成を大幅に低減するか、または防ぐことができることが見出された。介在透明酸化物層が基本的な役割を果たすが、この有益な効果の原因は、まだ完全には理解されていない。また、この介在透明酸化物層がなければ、表面の電気抵抗、そして従って放射率もまた、熱処理の後に有害に増加する傾向があるのに対して、この介在酸化物層の存在によって、放射率は、熱処理の後に少なくとも維持されるか、またはさらに有利に低減されることも見出された。
【0034】
熱処理の間に吸収層の酸化のリスクが大幅に増加し、したがって、処理の間に吸収性質の低下および光学的性質の変更の著しいリスクがあるため、酸化物層を
日射吸収層に近接して加えることは驚くべきことである。驚くべきことに、これはその場合でなく、反対に、光学的性質が熱処理後に維持されることが見出された。さらに、
日射吸収層が窒化物と機能層のための浸潤層の2つの誘電体層の間に密閉されているため、
日射吸収層を含有する誘電体コーティングの構造は、連続したいくつかの異なった層をすでに含み、それは工業的装置での製造プロセスを複雑にする。付加的な介在酸化物層を特にこのコーティングに加えることは、この難点をさらに大きくする。驚くべきことに、コートされたグレージングの熱処理後の光学的性質に関してそこから生じる有益な効果は、この製造上の難点への対応が全く正しいことを我々は発見した。
【0035】
介在透明酸化物層は、例えば、SnO
2またはTiO
2から形成されてもよい。好ましくは、介在透明酸化物層は、混合亜鉛スズ酸化物または混合チタンジルコニウム酸化物から選択される酸化物をベースとしている。介在酸化物層として、これらの2つの酸化物、そして特に混合亜鉛スズ酸化物は、高温熱処理後の光学的外観において斑の除去に関して、そしてまた、電気抵抗、したがって放射率の維持、またはさらに低減に関して最良の結果を得ることができる。混合亜鉛−スズ酸化物は好ましくは、40%〜60%のスズを含む。混合チタン−ジルコニウム酸化物は好ましくは、25%〜75%のジルコニウムを含む。
【0036】
好ましくは、介在透明酸化物層の幾何学的厚みは1〜35nm、有利には3〜25nmおよび優先的には3〜12nmである。この厚みは、積層体の他の性質を維持すると同時に層堆積装置の製造の制約と
能力に容易に対処しながら、光学的性質に好ましい効果を得ることができる。また、適切な厚みは吸収層の位置によって決まるが、それは構成に最適に適合されなければならない。例えば、吸収層が第1の誘電体コーティングにあるとき、第1の誘電体コーティングの全厚みは一般的に比較的薄いため、厚みは比較的小さい。他方、吸収層が第2の誘電体コーティングにある場合、利用可能なスペースがより大きいので、その厚みがわずかに大きくなる場合がある。また、この介在透明酸化物層は複数であってもよく、すなわち、2つの異なった酸化物、例えば混合亜鉛−スズ酸化物と、その後の、混合チタン−ジルコニウム酸化物の非常に薄い層とから形成されてもよい。
【0037】
好ましくは、
日射吸収層を密閉する誘電体層は窒化ケイ素をベースとしており、そして有利には本質的に窒化ケイ素
からなり、すなわち90%超、またはさらに95%そしてさらに98%の窒化ケイ素をベースとしている。窒化ケイ素は慣例的に、窒素およびアルゴンの反応性雰囲気中で、マグネトロンを使用してカソードスパッタリングによって、アルミニウムまたはホウ素を任意選択によりドープされたケイ素ターゲットから得られてもよい。ケイ素ターゲットは、それにカソードスパッタリングのために必要とされる電気伝導を与えるためにドープされ、例えばアルミニウムまたはホウ素を
最大10重量
%まで、例えば2%〜4%でドープされる。完成積層体中の窒化ケイ素層は、それらの厚みの一部でわずかに酸化されてもよい。また、これらの窒化ケイ素層は、理論化学量論よりもケイ素が豊富である場合がある。それらは、8nmの最小幾何学的厚みを有する。
【0038】
第1の実施形態に従って、
日射吸収層は本質的に金属の形態である。金属は、本質的に金属の形態であるが、隣接する堆積領域の窒素混入堆積雰囲気のためにごくわずかな窒化作用を有する場合がある。これは、吸収層を囲む窒化物堆積チャンバから生じる窒素漏れを含んでもよく、または窒素が主にケイ素によって引きつけられると仮定すると、金属ターゲットは、窒化ケイ素を形成することが意図されるケイ素ターゲットと同じ堆積チャンバ内に置かれてもよい。多くの金属、例えば若干例を挙げると、パラジウム、ニオブ、タングステン、ステンレス鋼、チタン、クロム、モリブデン、ジルコニウム、ニッケル、タンタルまたは亜鉛の他、NiCr、NiCrW、WTa、WCr、NbZr、TaNiV、CrZrおよびNbCrなどの合金を使用してもよい。好ましくは、
日射吸収層は、合金NiCr、NiCrW、WTa、WCr、NbZr、TaNiV、NbCr、CrZrおよびNiV、有利にはNiCrWおよびCrZrから選択される金属である。これらの金属合金は、積層体の熱処理後の光学的性質、エネルギー性能品質と化学的および機械的耐久性との両方を組み合わせるために本発明の文脈において使用するために特に適していることが見出された。
【0039】
合金NiCrWは好ましくは、タングステンを少なくとも30重量%、優先的には少なくとも35%および有利には少なくとも37%または少なくとも40%含む。この合金中のニッケルの比率は、少なくとも9重量%、好ましくは少なくとも20重量%および有利には少なくとも25重量%、例えば30%、35%または40重量%である。NiCrW合金において、Niの、Crに対する比率は、好ましくは90/10〜50/50の範囲の比率であり、有利には約80%のNi/20%のCrである。合金NiCrW中のNiCrの、タングステンに対する比率は大幅に変化してもよいが、好ましくは、10%のNiCr/90%のWと65%のNiCr/35%のタングステンとの間、有利には40%のNiCr/60%のWと63%のNiCr/37%のWとの間の範囲である。
【0040】
CrZr合金は好ましくは、少なくとも25重量%のクロムと少なくとも20重量%のジルコニウムとを含む。好ましくは、層は、少なくとも35重量%、有利には少なくとも40重量%そしてさらに少なくとも45重量%のジルコニウムを含む。好ましくは、合金は、20重量%〜75重量%のジルコニウム、有利には25重量%〜75重量%または30重量%〜75%のジルコニウム、そして有利には45重量%〜65重量%のジルコニウムを含む。
【0041】
第2の実施形態に従って、
日射吸収層は、窒化物または亜窒化物、すなわち、亜当量の窒素を有する窒化物である
。透明で
あるかぎり、もちろん
様々な吸収窒化物を使用してもよい。若干例を挙げると、特に窒化亜鉛、窒化パラジウムおよびステンレス鋼窒化物が挙げられる。しかしながら、それらは、高温熱処理の間のそれらの光エネルギー性質の維持に関して欠点がある。好ましくは、
日射吸収層は、TiN、NiCrWN、NiVN、TaN、CrN、ZrN、CrZrN、TiAlN、TiZrN、WN、SiZrNおよびSiNiCrNから選択される窒化物そして有利にはTiNおよびNiCrWNから選択される窒化物である。また、これらの金属窒化物、特にTiNおよびNiCrWNは、積層体の熱処理後の光学的性質、エネルギー性能品質と化学的および機械的耐久性との両方を組み合わせるために本発明の文脈において使用するために特に適していることが見出された。
【0042】
窒化物NiCrWNについて、様々な元素Ni、CrおよびWの好ましい各比率は、窒素の存在を考慮に入れずに、金属合金NiCrWについて上に示されたのと同じである。
【0043】
積層体は、単一の銀ベースの機能層を含んでもよい。この実施形態において、
日射吸収層は基材と前記機能層との間に置かれ、この層は、酸化亜鉛をベースとした浸潤層上に置かれる。効率的な太陽からの保護をもたらすと共に製造が比較的簡単であるグレージングをこのように得てもよい。
【0044】
好ましくは、積層体は、赤外線を反射する少なくとも2つの銀ベースの機能層を含む。この実施形態は、より選び抜かれたグレージング、すなわち低い
日射透過率を有するグレージングを得ることを可能にし、したがってそれは、同時に比較的高い光透過率を維持しながら、熱の流入を防ぐ。
【0045】
特に有利な実施形態において、積層体は、3つ、またはさらに4つの、銀ベースの機能層を含む。したがって、これらの積層体を支持するグレージングの選択率は著しく改良される。
【0046】
積層体が2つの銀ベースの機能層を含むとき、
日射吸収層は、基材と第1の機能層との間に、または2つの機能層の間に、どちらに置かれてもよい。
【0047】
第1の実施形態において、
日射吸収層は、基材と第1の機能層との間にある。本発明のタイプの太陽光制御グレージングにおいて、複数層積層体は位置2に置かれ、すなわちコートされた基材は構内の外側にあり、
日射は基材を通過し、次いで積層体を通過するということにここで留意すべきである。この実施形態は、効率的な太陽光制御グレージングを得ることができるが、それにもかかわらずそれは、熱輻射を非常によく吸収するという欠点があり、したがって加熱の傾向がある。低い光透過率を有するグレージングの場合、この加熱のため、各々のグレージングについて機械的強化熱処理を行なう必要がある場合がある。
【0048】
好ましくは、第2の実施形態に従って、
日射吸収層は2つの銀ベースの機能層の間にある。この第2の実施形態において、熱を生じる
日射の一部が、第1の銀層によって反射され、積層体のエネルギー吸収が、第1の実施形態の場合よりも低い。さらに、室内の光反射が低めであり、それは、構内の「ミラー」効果を低減し、グレージングを通しての可視度を改良する。
【0049】
積層体が3つの機能層を含むとき、
日射吸収層を第2および第3の機能層の間に置く可能性を第1の2つの実施形態に与える。これは積層体が4つの機能層を含む場合も同様であるが、さらなる可能性がある。
【0050】
好ましくは、全ての実施形態において、複数層積層体でコートされたガラス基材の(標準EN410による)エネルギー吸収AEが50%未満、好ましくは45%未満および有利には40%未満である。したがって、同じ正面または同じ建物の全てのグレージングを強靭化する負担を避けると共に、影部のために容量制約を受ける恐れがあるグレージングだけ強化することをいっそう容易にする。
【0051】
一般的には、各々の誘電体コーティングは、例えば、若干例を挙げると、TiO
2、SiO
2、Si
3N
4、SiO
xN
y、Al(O)N、Al
2O
3、SnO
2、ZnAlO
x、Zn
2SnO
4、ITOの他、TiとZrまたはNbの混合酸化物等の、本技術分野において通常に使用される透明な誘電体層を含んでもよい。誘電体層は一般的に、減圧下で磁界アシスト(マグネトロン)カソードスパッタリングによって堆積されるが、それらはまた、PECVD(プラズマ強化化学蒸着)として知られる公知の技術によって堆積されてもよい。
【0052】
特に、ガラス基材上に堆積されてそれと接触している第1の誘電体層は、ケイ素またはアルミニウム窒化物などの窒化物であってもよい。好ましくは、ガラス基材と接触している第1の誘電体層は酸化物からなる層であり、そして有利には、Zn、Sn、TiおよびZrから選択される少なくとも1つの元素、ならびにそれらの合金の酸化物の層である。これは特に、熱処理されていない製品の化学耐久性を改良することが見出された。例えば、酸化チタンの層を使用してもよく、それは特に、その高い屈折率のために高く評価されている。
【0053】
好ましくはガラス基材上に堆積されてそれと接触している、第1の誘電体コーティングの第1の誘電体層は、有利には少なくとも20%のスズを含有する混合亜鉛−スズ酸化物の層であり、さらにより優先的には亜鉛−スズの比率が50−50重量%に近い混合亜鉛−スズ酸化物(Zn
2SnO
4)の層である。この形態は、高温熱処理に対する耐性のために有利である。混合亜鉛−スズ酸化物は、熱処理、特に強靭化処理の高温においてガラス基材から移動するアルカ
リイオンに対するすぐれたバリアを形成する。それは、ガラス基材に対する良い接着性を有し、又、維持する。また、それは、例えば、SiO
2またはAl
2O
3と比べた時に良
い堆積
率を有し、そしてそれは、例えば、高純度ZnOまたは酸化ビスマスと比べた時に良い耐久性を示す。またそれは、例えば、TiまたはZr酸化物と比べた時に、積層体の熱処理の後に
ぼやけを生じる傾向がより少ないという点で、有利である場合がある。基材と直接に接触している、酸化物からなる層は、有利には厚みが少なくとも5nm、好ましくは少なくとも8nmおよびより優先的には少なくとも10nmである。これらの最小厚みの値は、とりわけ、熱処理されていない製品の化学的耐久性を確実にすると共に、又、熱処理に対する耐性を確実にすることができる。
【0054】
好ましくは、各々の誘電体コーティングは混合亜鉛−スズ酸化物の層を含む。誘電体コーティングの各々にこの層が存在することによって、高温熱処理に対する積層体の良い耐性が促進される。
【0055】
好ましくは、最終上部誘電体コーティングの最終誘電体層は、窒化ケイ素の層またはSiO
2の層である。この層は、特に高温熱処理中、外部雰囲気に対して積層体の、特に酸素に対する化学絶縁を促進する。これは、熱処理中の積層体の光学的性質の維持を促進する。しかしながら、これは、この最終窒化ケイ素または酸化物層上に薄い保護層、例えば、混合チタン−ジルコニウム酸化物の薄い層を提供することを除外せず、それは事実上、干渉効果を有する誘電体層として作用しないが、別の目的、例えば機械的保護を実現する。
【0056】
保護層、または「バリア」層は好ましくは、銀ベースの機能層上に、またはそれらが幾つかある場合、機能層の各々の上に直接に堆積される。それは、中性雰囲気中の金属ターゲットから堆積され、この層が酸化物から製造されるとき、次の誘電体層の堆積の間、そして熱処理の間、銀を保持することが意図される、本技術分野に公知の方法で一般的に「犠牲層」としても知られている金属層、例えばTi、NiCr、NbまたはTaの薄い層であってもよい。また、それは、事実上中性の雰囲気中のセラミックターゲットから堆積されるTiOx層、またはNiCrOxの層であってもよい。
【0057】
好ましくは、銀ベースの機能層上に直接に堆積される保護層は、任意選択によりアルミニウムをドープされ(ZnALOx)、セラミックターゲットから得られるZnO、アルミニウム
(ZnAlOx)をドープされるかまたは準化学量論的のどちらかまたは固有ZnOまたはiZnOとしても知られる高純度ZnOから製造され、そして比較的中性の雰囲気、すなわち高純度アルゴンの雰囲気または任意選択により最大20%の酸素を有する雰囲気中で堆積される。機能層を保護するためのこのような層は、積層体の光透過率を改良する利点があり、特に放射率および機械的強度に関して、銀ベースの機能層の性質に有益な効果がある。また、機能層を保護するためのこのような層は、高温熱処理の間に全光透過率を変更するリスクを抑えるという利点がある。したがって、熱処理の間の、6%未満、好ましくは4%未満および有利には2%未満の光透過率の変化がより容易に達成される。
【0058】
各々の銀ベースの機能層は好ましくは、酸化亜鉛をベースとした浸潤層上に堆積される。したがって、浸潤層上の機能層の結晶学的成長は、界面の低い放射率および良い機械的強度を得るために有利である。
【0059】
好ましくは、厚み4mmの普通の透明なナトリウム−カルシウムガラスから製造されたガラス基材上に堆積された複数層積層体を支持する透明なグレージングの全光透過率TLは、25%〜72%、好ましくは35%〜68%である。
【0060】
言うまでもなく、ガラス基材は、さらにより多くの太陽光を吸収するか、または光透過率が低い私的なスペースを形成して、車の乗客室、または建物内のオフィスを外から隠すために、または特定の美的効果を提供するために例えば灰色、青色または緑色ガラスなどのバルクティンテッドガラスであってもよい。また、ガラス基材は、非常に高い光透過率を有する超透明ガラスであってもよい。この場合、それは、非常に少ない
日射を吸収するにすぎない。
【0061】
本発明は、上に記載されたような本発明による透明なグレージングを含む合わせグレージングにわたり、その複数層積層体は、基材を接続する熱可塑性樹脂系接着剤材料、一般的にPVBと接触していてもよい。
【0062】
本発明はまた、上に記載されたような本発明による透明なグレージングを含む絶縁複層グレージング、例えば二重または三重グレージングにわたり、複数層積層体は、多重グレージングの内側の閉鎖されたスペースの方に向いて配置される。
【0063】
好ましくは、標準EN410に従って測定された
日射透過率gは、透明ガラスから製造された6/15/4二重グレージングについて12%〜40%、有利には20%〜36%である。このように、二重グレージングは、アルゴンが充填された厚み15mmの閉鎖されたスペースによって、積層体のない、厚み4mmの別の透明ガラス板から隔てられた、複数層積層体を位置2に支持する、すなわち二重グレージングの内面上に支持する厚み6mmの普通のナトリウム−カルシウム透明ガラスの第1の板から形成される。このような二重グレージングは、非常に有効な太陽光制御を可能にする。
【0064】
好ましくは、多重グレージングにおいて、
日射透過率gに対する光透過率TLの形で表わされる選択率は少なくとも1.4、有利には少なくとも1.5、優先的には少なくとも1.6である。高い選択率の値は、太陽から生じてグレージング経由で構内に入り込む熱を生じるエネルギーの量を大幅に低減する効率的な
日射透過率にもかかわらず、光透過率が、構内を明るくできるほど高いままであることを意味する。
【0065】
本発明はまた、強靭化または曲げ熱処理の後の透過率と反射においての基材側の光学的性質の変化ΔE
*が5未満、好ましくは2.5未満および有利には2未満である複数層積層体を備えたグレージングを得るための、上に記載されたような透明な複数層積層体をガラス基材の面の少なくとも1つの上に含む透明な太陽光制御グレージングの使用を含む。
【実施例】
【0066】
本発明によるグレージングを形成するためにガラス基材上に堆積される複数層積層体の実施例の他、比較例(「C」)もまた、以下の表1〜6に示される。性質が表7に示され、別記しない限り、その基材が厚み4mmの普通の透明な「フロート」ガラスから製造される単一グレージングについて定義される。層は、ガラスから出発して、左から右に順になっている。およその幾何学的厚みがnm単位で表わされる。
【0067】
日射吸収層および誘電体層が、このタイプの技術の通常の条件下でカソードスパッタリング技術によって適用される。金属層がアルゴンの中性雰囲気中で堆積される。窒化物が、窒素およびアルゴンの反応性雰囲気中で堆積される。AZO層が、アルゴンの中性雰囲気下で、2%のアルミニウムをドープされた酸化亜鉛のセラミックターゲットから堆積される。他の酸化物が、酸素およびアルゴンの反応性雰囲気下で金属ターゲットから堆積される。変形として、誘電体層が、PECVD(プラズマ強化化学蒸着)として知られる公知の技術によって適用される。
【0068】
窒化ケイ素誘電体層は、全圧4ミリトール(0.53Pa)のアルゴン(30〜70%)と窒素(70〜30%)との混合物からなる雰囲気中の金属ターゲットから製造される。
【0069】
クロム−ジルコニウム層(CrZr合金中に40重量%のCrおよび60%のジルコニウム)、ニッケル−クロム(80/20ニッケル/クロム)−タングステン層(NiCrW合金中に50重量%のNiCrおよび50%のW)が、アルゴンだけの雰囲気中の金属カソードから堆積される。変形として、これらのCrZrおよびNiCrW金属合金の堆積雰囲気は、隣接する堆積領域から生じる少量の窒素を含む。結果として、形成されたCrZrまたはNiCrW層は、その本質的に金属の性質を維持したまま、少量の窒素を含有する。得られた性質は同様である。
【0070】
表において、SiNという表記は、化学式を表わさない窒化ケイ素を示し、得られた生成物が必ずしも正確に化学量論ではないが、示された堆積条件下で得られ、化学量論生成物の範囲にある生成物であると理解される。SiN層は、ターゲットから生じるアルミニウムを最大で約10重量%まで含有してもよい。
【0071】
表において、Bは、本技術分野に公知である、銀の酸化に対するバリアとして作用する層を表わし;AZOは、酸素をほとんどまたは全く有さないアルゴンをベースとした雰囲気中でスパッタされる酸化亜鉛(固有ZnOとして公知のi−ZnO、またはアルミニウムをドープされたZnO)のセラミック(カソード)ターゲットから堆積された、任意選択によりアルミニウムをドープされる、酸化亜鉛をベースとしたバリア層を表わし;Dは、スズ酸亜鉛、ドープトまたはアンドープトZnO、またはこのタイプの層の積層のために適している、本技術分野で公知の別の材料、例えばAlNなどの窒化物を特にベースとした、1つまたは複数の誘電体層を表わす。変形として、AZOは、形成された層システムの所望の性質に適している、本技術分野に公知である他のバリアと取り替えられてもよく、例えば、堆積される酸化物から形成されるセラミックターゲットから好ましくは得られる、ドープされないかまたはニオブまたはジルコニウムをドープされる、Ti酸化物または高純度ZnOと取り替えられてもよい。「TZO」という名称は、50%のTiO
2と50%のZrO
2とを含む混合酸化物を表わす。Mは、ZnOをベースとした浸潤層を表わし、それはドープされないかまたはアルミニウムをドープされる。IRは、赤外線を反射する機能層を表わす。ABSは
日射吸収層を表わす。ZSO5という名称は、スズ酸亜鉛Zn
2SnO
4のスピネル構造を形成する、52重量%の亜鉛と48重量%のスズとを含有する亜鉛−スズ合金のカソードから形成される混合亜鉛−スズ酸化物を表わす。TZO
65という名称は、TZO(50/50)と異なった、35%のジルコニウムおよび65%のチタンを有する混合チタン−ジルコニウム酸化物を意味する。
【0072】
表1は、2つの銀ベースの機能層を有する積層体の
日射吸収層が第1の誘電体コーティング内にある本発明によるグレージングの実施例を示す。それは、表に示されるような金属:NiCrWまたはCrZrである。
【0073】
表1に示される実施例の変形として、厚み3nmの最終保護TZO層が、窒化ケイ素の最終層を覆う。機械的耐久性がこのように強化される。
【0074】
表2は、2つの銀ベースの機能層を有する積層体の
日射吸収層が同様に第1の誘電体コーティング内にあるが、今度はそれが表に示されるような窒化物:TiNまたはZrNである本発明によるグレージングの実施例を示す。
【0075】
表3は、
日射吸収層(NiCrW)が同様に第1の誘電体コーティング内にあるが、今度はそれが銀の3層を有する積層体である本発明によるグレージングの実施例を示す。ここで基材は、厚み6mmの普通のナトリウム−カルシウム透明ガラスである。
【0076】
表4は、2つの銀ベースの機能層を有する積層体の
日射吸収層が第2の誘電体コーティング内にある本発明によるグレージングの実施例を示す。それはここで、表に示されるような金属:NiCrWまたはCrZrである。
【0077】
表5の実施例は、表4の実施例に似ているが、表に示されるように、
日射吸収層として異なった窒化物を使用する。
【0078】
表6は銀の3つの機能層を有し、
日射吸収層(NiCrW)を第2の誘電体コーティング内に有する実施例を示す。ここで基材は、厚み6mmの普通のナトリウム−カルシウム透明ガラスである。
【0079】
表7は、様々な実施例の様々な性質を示す。
【0080】
光透過率TLおよび光反射は、イルミナントD65、2°を使用して試料上で測定される。CIE測色座標L
*、a
*およびb
*もまた、イルミナントD65、10°を使用して熱処理の前と後で測定される。測定が行なわれる角度は8°である。標準EN410に従って測定された
日射透過率の値(g)は、実施例11、12および37について37、そして実施例53について5である。
【0081】
試料は、7分30秒にわたって670℃に
保つことを含む熱処理に供せられる。透過率および反射においての変化ΔE
*、透過率においてΔE
*Tl、または層側の反射において(ΔE
*Rc)、またはガラス基材側の反射において(ΔE
*Rg)のいずれも、表7に示される。値Y(全光透過率または全光反射のどちらかを表わす)もまた、熱処理後の透過率(TL)として、ガラス基材側の反射(Rg)としておよび層システム側の反射(Rc)として(%単位で)示される。全光透過率の変化(Δ
TL)、ならびにガラス基材側の全反射の変化(Δ
Rg)および層システム側の全反射の変化(Δ
Rc)もまた表7に示される。実施例11、12および53について、値YおよびL
*、a
*およびb
*は、熱処理前で示される。
【0082】
本発明による介在透明酸化物を有さない比較例C1およびC2については、不合格の有色の斑が、高温熱処理の後に現れるということが見出される。この妨げとなる現象は、本発明によるグレージングに関しては現れない。
【0083】
熱処理の後に現れ、高品質製品の市場取引の妨げとなる斑は、約60cmの距離で裸眼に見える約5〜10mmの直径を有する領域である。これらは、積層体の他の部分とは異なった色
合いを有する斑であり、それは眼に心地良くない美的でない外観を生じる。それらが約60cmの距離で裸眼に見えるとき、コートされたグレージングは除外され、販売用には不合格である。
【0084】
また、積層体の比電気抵抗は、同様な構造を有する実施例41に対して介在透明酸化物層のない比較例C2についてはより高めである。比較例C2について、オーム/平方で表わされる、比電気抵抗Rsは、熱処理の後に1.74Ω/□であるのに対して、熱処理の前にそれは1.55Ω/□である。比較目的のために、熱処理の前の実施例41の抵抗Rsは1.51Ω/□であり、それは熱処理の後に1.12Ω/□に低下する。熱処理の前の実施例11の比電気抵抗Rsは1.13Ω/□であり、実施例53の比電気抵抗Rsは1.3Ω/□である。
【0085】
以下の表8は、二重グレージング(6/15/4)に設けられるいくつかの実施例の光学的および熱的性質を示す。この二重グレージングは、アルゴンが充填された厚み15mmの閉鎖されたスペースによって、積層体のない、厚み4mmの別の透明ガラス板から隔てられた、複数層積層体を位置2に支持する、すなわち二重グレージングの内面上に支持する厚み6mmの普通のナトリウム−カルシウム透明ガラスの第1の外層板から形成される。複数層積層体は熱処理を受けなかった。光学的性質の他にも、表8はまた、標準EN410による
日射透過率g、標準EN410によるエネルギー吸収AE、エネルギーの透過率TE、および光透過率TLの、
日射透過率gに対する比によって表わされる選択率Sを示す。
【0086】
言うまでもなく、本発明は、本説明に記載された実施例に限定されない。
【0087】
【表1】
【0088】
【表2】
【0089】
【表3】
【0090】
【表4】
【0091】
【表5】
【0092】
【表6】
【0093】
【表7】
【0094】
【表8】
【0095】
【表9】
【0096】
【表10】
【0097】
【表11】